「ハイ、チーズ!」
忍者登録書の写真を撮り終えたナルトは完成した書類を三代目火影に見てもらっていた。
「・・・変な写真になるかと警戒しとったが・・・意外と真面目にとったんじゃのぉ、ナルト」
「あったりめーだろ!オレだって今日からは下忍なんだ、もうイタズラなんてしねーってばよ」
ホッホッホ、と三代目が微笑む。
(それにしても・・・この一ヶ月で随分と髪が伸びたようじゃの・・・可笑しな服装も変わって、まるで幼ない頃のミナトを見ているようじゃ)
「似合っておるぞ・・・その赤いマント。何処で買ったのじゃ?」
そう三代目が言った通り、今のナルトは服装も随分と変えていた。以前修行中に、そのマントオレも欲しい!と仮面の男に言ったところ、
―――これを着ているとオレたちの仲間だと言いふらしてまわるようなものだ。これはお前には渡せん・・・代わりにこいつをやる
そう言われて渡されたのが今の赤でフード付きの長いマントだった。ナルトのお気に入りである。
「あぁ、コレ?カッケーだろ」
木の葉の服屋に売ってたんだってばよ、と言い終わる前に誰かが乱入してきた。
「じじィ!!勝負だァコレ!!」
・・・変な格好のチビが手裏剣を持って叫んで入ってきた。その後また一人、男が入ってくる。
「ああ!また何てことを・・・あ!」
どて、ゴン、とチビがコケた。いってェェーーー!と喧しい声でまた叫ぶ。
「くっそぉおトラップか、コレ!?」
「だ、大丈夫でございますか!?お孫様!!ちなみにどこにもトラップはありません!!」
なんだ・・・こいつ等ってば・・・、と考えていると、二人がオレに気づいたらしい。
チビの方は分からないが、男の方はアカデミーで知っている。確か、エビスとか言ったはずだ。
「こ、・・・こいつは確か・・・」
(・・・フン!九尾のガキか・・・私の大嫌いな落ちこぼれだ・・・)
―――また、あの目か。オレの事を落ちこぼれのクズだとしか見ていない。嫌になってくる。
「そうか!!貴様が何かしたんだな、コレ!!」
暗い事を考えていると、突然チビから言いがかりを付けられた。つーか、テメーでこけただけだろ!!
人のせいにすんなっての!
「てめェが一人でこけただけだろーがコラァ!!!だいたいお前誰だってばよ!」
怒鳴ってチビの胸ぐらを掴むと、すかさずエビスがオレに向かって怒る。
「コラ!!ナルト!!手を放さないか!その方は三代目火影様のお孫さんの木の葉丸君だぞ!!」
じっちゃんの・・・孫?こんなのが?
「なぐれるもんならなぐってみろ!!」
木の葉丸は自分の胸ぐらを掴んでいる赤いマントを着た金髪の男にそう言った。
どうせオレの事なんか殴れっこない。どいつもこいつも、おんなじだ。この人だって、固まって・・・火影の孫って分かったとたんコレだもんな。
こいつもしょせんめがね教師やみんなと同じに決まってるんだ・・・
そんな事を考えていると、ゴチ、という音と共に頭に鈍い痛みが走った。
「ンなの知るかってばよボケ!!!」
・・・え?
「いってェェェェェェェェェェェェェェエエエエエ!!!!!!」
同時刻、仮面の男と何かが話をしていた。
「・・・ナルトの様子はどうだ?――――――ゼツ」
ズズズ・・・と、地面から生えるように出現したソレは、仮面の男と同じマントを着ている。
体の左右で白、黒と色が分かれている。
「ああ・・・今のところは上手くやってるみたいだよ」
「トッサニボロヲダサナイカガモンダイダガナ・・・」
左右によって人格が違うのか、全く違う声で二体がそう喋った。
仮面の男はフン、と一息入れると空間を歪め始めた。
「・・・引き続きナルトを見張っておけ。オレは少しやることがあるのでな」
あとがき
亀スピードで更新。
やっと原作入りできました・・・