「今日から君たちはめでたく一人前の忍者になったわけだが・・・しかしまだまだ新米の下忍
本当に大変なのはこれからだ!」
あれからしばらくして、イルカ先生が教室に入ってきた。
説明会はイルカ先生が説明するらしく、さっきから説明を続けている。
「えーーー・・・これからの君たちには里から任務が与えられるわけだが、今後は3人1組の班を作り・・・
各班ごとに一人ずつ上忍の先生が付き、その先生の指導のもと任務をこなしていくことになる」
イルカ先生がそう説明すると、教室がざわつき始めた。
この辺は兄ちゃんから聞いていたので知っている。出来れば・・・イタチさんの頼みもあるし、サスケと一緒の
班だったらいいってばよ・・・
―――ちィ、スリーマンセルか、足手まといが増えるだけだな・・・
とサスケ。
―――絶対!!サスケ君と一緒になるわよ!!
とサクラが考えていた。
「班は力のバランスが均等になるようこっちで決めた」
えー!!と皆からのブーイングが教室に響く。
「じゃ次!第七班、春野サクラ、うずまきナルト!それと・・・」
お、オレの名前が出たってばよ。
・・・サクラちゃんと一緒か。まあ他のうるさい女の子たちよりはマシだってばよ。
あと一人は誰だ?
(ん・・・?そういえば、さっきイルカ先生がバランスがどーたらこーたら言ってたような気が・・・)
だとしたら、成績がドべだったオレの班に入るのは・・・
「うちはサスケ!以上が第七班のメンバーだ!」
やっぱりだってばよ!ドべにくっつけるなら成績1位しかいないってば。
これで、イタチさんの頼みもオレの目的も達成しやすくなる。
サクラちゃんもしゃーんなろー!とか言って喜んでいる。ヘンな喜び方だな・・・
「ちょっと先生!どうして成績優秀なサスケくんがナルトと一緒なんですか!?」
当然のようにサスケの事を好いている女の子達がつっかかる。
ちょっと考えればわかるだろ・・・オレだって分かったんだから。
どうせ、自分が一緒になれなかったからイライラしているんだろう、あほな女だってばよ。
「・・・サスケは卒業生27名中1番の成績で卒業、ナルトはドべ!班の力を均等にするとしぜーんとこうなんだよ」
イルカ先生があほな女を落ち着かせると、珍しくサスケが話かけてきた。
「フン・・・せいぜいオレの足を引っ張ってくれるなよ、ドべ!」
「へッ・・・サスケェ、今のオレの力を知ってもびびって腰抜かすんじゃねーってばよ!」
ずびしっ、と自信満々に指を指して挑発をする。
すると、予想とは違い驚いた顔をする。・・・なんかオレ、驚くような事言ったか?
まぁいいってばよ。さっさとサスケにオレがもうドべじゃないってとこを見せてやんなきゃな。
・・・もちろん、兄ちゃん達の事は絶対に喋っちゃダメだけど。
ナルトの挑発を受けたサスケは、内心では動揺していた。
(この自信の持ち様に、さっきの一瞬感じた膨大なチャクラ・・・まさかな)
ナルトはもしかしたら強いのかもしれない、とは認めないサスケだった。
「遅せえってばよ・・・」
「遅いわね・・・」
「チッ、ウスノロが・・・」
オレたち第七班のメンバーは口を揃えて愚痴をたれていた。
なんでこんな事になっているかというと、午後から来るはずのオレたちの担当上忍がなかなか来ないのだ。
他の班はもうみんな担当上忍が来て外へ出て行ってしまい、残るはオレたち第七班だけだ。
というか、もう予定時刻2時間過ぎてんだけど・・・。やっぱしこの里の大人はクソばかりだってばよ。
「このまま待ってても仕方ねぇってば・・・オレがじっちゃんに早く来させるよう言ってくる」
「言ってくる、って・・・アンタ、ここで待ってるように言われてんのよ?出かけてるうちに来たらどうすんのよ」
サクラちゃんの問いには答えずに影分身の術を発動する。ボン、という音と共にオレの分身体が1体だけ登場する。
こうすんだってばよ、とサクラちゃんに言うと、サスケとサクラちゃんが驚いた顔をする。
・・・オレが影分身の術を使うのがそんなに驚く事なのか?
「じゃ、オレの分身。じっちゃんに文句言ってこい」
おう、と言ってオレの分身は部屋から出て行った。・・・待つのは退屈だってばよ。
「おーい、じっちゃん!いるかー」
「なんじゃいナルト。お主なんでここにおる?」
なんじゃいとはなんじゃいってばよ。それはこっちのセリフだってば。
二時間もあれば修行が出来たのに・・・もったいない。
「オレたちの班の担当上忍がぜんっぜん来ないんだけど!どうなってんだってばよ!」
「ナルトの班というと・・・第七班。担当は・・・カカシか」
じっちゃんがゲンナリした顔をする。なんだ・・・?ひょっとしてなんか問題でもあるやつなのか?
「ふむぅ・・・ナルトよ。スマンが、もう少し待っていてくれ。あやつは少し遅刻癖があるのでな」
少し!?2時間待たせて少しだってば!?
もう我慢ならねえってばよ!その上忍が来たらひでェ目にあわせてやる!
じゃあね、と言ってナルトが煙となって消えた。・・・影分身だったのじゃのぉ。
(しかし・・・事情があるとは言え、少しカカシにも遅れぬよう言っておかねばな・・・)
フゥ、とため息をついて三代目火影は窓から空を仰いだ。