「「「「「「火遁・豪火球の術!!」」」」」」
・・・。
くっそー!影分身も大量に使って練習してるのにたまにしか成功しないってばよ!
印は間違ってないはずなんだけどなぁ・・・。
もう一回!!
「「「「「「「火遁・豪火球の術!!!!!」」」」」」」
ボフ、という音と共に何処からか小さな炎が上がった。
「あー!?また誰か成功したってばよ!」
「誰だー!誰が成功したんだ!」
「このナルト様に決まってるってばよ!!」
「みんなナルトだろ!!」
わーわー、ぎゃーぎゃーと喧しいナルト達の声が響く。
面の男は少しうんざりした様子だった。
―――少ない時間の中でナルトを強化するなら影分身を使うこの方法が一番手っ取り早く済むのだがな・・・
1人でさえ騒がしいナルトが数十体も居ると煩くてかなわん・・・
「ナルト、一度影分身を解いて一人でやってみろ。今なら出来る筈だ」
オッス、と元気な返事と共にナルトが影分身の術を解く。
ボフ、という音がすると、分身体が全て煙に消える。
「・・・ッ!!!はぁ・・・はァ・・・なんか・・・急に、疲れが来たってば・・・ッ」
「分身体が体験した出来事や疲れは全てオリジナルのお前に還元されるからな・・・
一気に経験値が得られる代償と言ったところか。
さてナルト、一度やってみろ」
「わか・・・った、ってばよ」
疲労困憊した様子のナルトだが、かなり慣れた手つきで印を結び始める。
「火遁・・・豪火球の術ッ!!!!」
ナルトの口から拳大の火の球が放出される。
「おー!!ホントだ!出来たー!・・・ショボイけど」
オレもいつかは、さっきの兄ちゃんみたいな凄ェ火遁を使いたいってばよ!
「上出来だ。大きさはどうあれまずは炎が出せれば良い・・・オリジナルがやり方を覚えれば次に出す影分身も
全員が方法を理解した状態で出てくるからな」
――と、言ってもナルトはもう限界か・・・
チャクラを使い果たし、汗だくになったナルトを見て、面の男は言った。
「今日はもう終わりだ、ナルト。お前のチャクラも無いだろう・・・
明日は豪火球を更に大きくする修行をするぞ・・・豪火球のやり方を忘れるなよ」
じゃあな、と言って兄ちゃんは空間を歪ませて消えた。
確か・・・じくーかん忍術とかなんとか言ってたっけな?オレもあんな便利な術が欲しいってばよ!
夜、与えられた部屋で印を結ぶ練習をしていると、何処からともなく大量のカラスが部屋に入ってきた。
真っ黒なカラスが一点に集まると、少しずつ人の形を模していく。
現れたのは・・・黒い衣に赤い雲が浮かぶマントを着た、男。ってことは・・・兄ちゃんの仲間か。
それに、あの赤い眼・・・たしか、写輪眼って言ったっけ。あれを持ってるってことは、兄ちゃんやサスケと同じ
うちは一族の人だって事だ。
万が一の事も考え、少し警戒しつつ、その男に尋ねる。
「・・・誰だってばよ」
「そう警戒しないでくれ、ナルト君。オレはうちはイタチ・・・君に頼みがあって来た」
「オレに・・・頼み??」
こんなに強そうな人がオレに頼み事?オレに出来る事なんてそうないってばよ・・・
「そうだ。君はもうすぐ木の葉隠れの里で下忍として動く事になっているんだろう?
そこで、頼みがある・・・他でも無い、うちはサスケの事についてだ」
―――うちはサスケ。アカデミーでは成績トップで人気もダントツ。
ただ・・・以前に川辺で見たサスケは、オレと同じ目をしていた、それが強く印象に残っている。
確か、噂では・・・うちはイタチとかいう奴にうちは一族を皆殺しにされて・・・その時生き残ったただ一人の
うちは一族だとか聞いた事がある。・・・?うちは、イタチ・・・って事は、この人が!?
「うちはイタチってことは、あんたが・・・うちは一族をみんな殺した人なのか?」
「・・・そうだ。その辺の事情は、口で説明するよりも視て貰った方が早いな・・・。
ナルト君、オレの眼を見てくれ」
言われた通り、イタチさんの赤い写輪眼を直視する。
―――幻術、写輪眼!!
あとがき
イタチさん登場!