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No.39738の一覧
[0] 夫失格 (短)[さば](2014/04/01 00:02)
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[39738] 夫失格 (短)
Name: さば◆cc5fc49e ID:f15c353b
Date: 2014/04/01 00:02
 アパートのリビングに飾られている写真には、私と妻が微笑んでいる姿が映っている。どこぞの温泉地に旅行に行ったときに撮ったものだ。写真が好きな妻は、思い出として残したがる節がある。この時は、妻が背景に映っている桜の木をたいそう気に入って、道行く観光客に頼んで撮ってもらったものだ。
 写真の中の二人は、幸せそうに微笑んでいる。そう、とても幸せだったのだ。この時は、とても。



 妻の様子がおかしい。このことに気付いたのは、つい昨日の事だった。
 仕事から帰ると、妻は明るく私を迎えてくれる。天気が悪い日も、体調が優れない日も変わりなく、明るく迎え入れてくれていた。しかし、その日は違った。いつもの明るい妻の姿はそこにはなく、リビングの片隅で顔を伏せ蹲っていたのだ。
 私は何かあったに違いないと思い、大丈夫か、どこか痛いのか、などとしきりに声をかけた。だが、妻は私の声に反応するような様子を見せず、ただただ下をむいているだけ。どこか具合が悪いというよりは、酷く落ち込んでいるというか、考え込んでいるような状態であった。
 私は妻には内緒で秘蔵のDVDを何枚か隠し持っている。決して頑丈とは言えない妻の体調が悪い夜、一人がさごそ楽しんでいるのだ。その秘蔵のDVDの中には、公にされると性癖を疑われるような、えげつない内容のものもある。勿論、合法なのだが、私は企画派なのだ。やきもち焼きの妻の事だから、きっと、私のこの秘蔵を見つけてしまったのだろう。そう合点した私は、和室の押し入れの上にある秘密の収納から秘蔵のDVDを取り出すと、蹲っている妻の前に陳列し、正座をした。これは、ほんの出来心である。一番愛してるのは、妻だ。独身時から持っていて、処分に困っていた。そもそも、相手をしてくれないとこういう類に走る事になるのだ。私は、考えうる語彙、方便を駆使して妻に陳謝した。しかし、妻は、一瞬だけ軽蔑した眼差しを私に向けただけで、また、もとのように下を向いてしまう。どうやら、理由は違うようだ。
 それから、私は妻に対し幾度となく様々な言葉を投げかけたが、いずれも返答は得られなかった。二時間ほど続けたが、妻の鉄壁の沈黙を崩すことはできなかった。業を煮やした私は、いい加減に腹が立ってきてしまい

「いいかげんにしろ。気が済むまでそうしているがいい。私は、寝る」

 と、捨て台詞を吐き、その日は床に就いた。
 布団に入ると、様々な想いが私の中を駆け巡った。
 いつもの明るい妻はどこに行ってしまったのだろう。明日になれば、きっと、元に戻っているはずだ。先ほどは腹が立っていたとはいえ、酷いことをいってしまった。明日起きたら一番に、今日の事を謝ろう。
 眠りに入る前の朦朧とした私の脳裏に、リビングの片隅で蹲っている妻の姿が蘇る。その周囲には、何冊かの漫画本が散らばっていた。『NARUTO』という忍者の漫画であり、今もなお連載されている。私が独身の時に買い集めていたものだ。結婚してからは、漫画を読む機会がなくなってしまい、カカシ先生が鈴を盗られてから先は、知らない。
 普段、漫画を見る事が無い妻にしては不思議な光景であったが、気晴らしにでもなればいいと思い、私は、あまり深く考える事は無く眠りに落ちた。そして、その日の夜は、妻が寝室に来ることはついに無かった。

 翌日、早くに目覚めるとリビングに向かった。寝室に来なかったという事は、ソファで寝ているに違いない。そう思った私は、そっと、リビングのドアを開く。しかし、ソファの上に妻の姿は無く、妻は、昨日のまま、全く同じ体勢で、リビングの片隅に蹲っていたのだ。完全におかしい。そう思った私は、妻に駆け寄るとその細い腕を掴み

「お前、どうかしているぞ。今すぐ病院に行こう」

 ぐいと引っ張ってはみたものの、妻は微動だにしなかった。女性の中でも華奢な部類に入る妻とは思えない、力であった。それでも、無理やりにでも連れて行かねばと力づくで妻を立たせようとしたとき

「触らないでくれる……ククク……死にたいの?」

 掴んでいた手を振り払われると同時に、信じがたい妻の言葉を耳にした。その手には逆手に、果物ナイフが握られている。わずかに上げた妻の顔は、まぎれもなく妻の顔であったが、私にはまったくの別人のように映って見えた。言い例えるのなら、蛇。
 妻の言動に言葉を失った私は、数歩後ずさりした。一瞬で体の芯から凍り付き、だが、体中は冷や汗をかいていた。そして、鋭い痛みが私の右腕に走る。私は、最愛の妻に斬られたのだ。

「何を考えているのだ。落ち着け」

 流れる血をそのまま押さえつつ、私は妻にそう叫んだ。しかし、落ち着かなければいけないのは、私の方であった。妻はと言えば、逆手に持った果物ナイフの切っ先を私に向けて照準し、何とも冷酷な、人を人とも思わぬような目で私を睨みつけている。その眼は、過去に人を殺めた経験が確実にあるような、威圧感を持ち合わせていた。
刃を携え、おぞましい目つきで私を睨んでいるのは、まぎれもない私の妻であることに違いは無い。だが、どうしても、私は妻であると思うことができなかった。
 その、妻の姿をした物の怪が、血を流す私を見て笑っている。口角が歪み、舌が見え隠れしたとき、私は玄関へと向かって走り出していた。



 傷は幸い軽症であったようだ。アパートから逃げるように飛び出し、走っているうちに血は止まりかけていた。朝の閑静な住宅街をひたすらに駆けながら、私は考える。いったい、妻に何があったのだろうか。何が妻をそうさせてしまったのだろうか。元の明るい妻はどこに行ってしまったのだろうか。お菓子作りが趣味の、私の可愛い妻はどこに。
 恐怖を紛らわせるかのように夢中で走っていた私に、行き場所はわからない。手に負った傷は、深くはないが、広い。病院で診てもらうのが一番いいのだが、開口一番『妻に斬られました』などと言う勇気を、私はもっていない。そもそも、家を飛び出してきたので財布や保険証といった類を持っていない。夢中で走り回ってはいるが、自然と交番を避けるルートを選択していた。少し広い道路に出ると、職場へと通勤していく車が増えてきている。今の私に、会社の事を考える余裕はなかった。

 気が付けば、鬼が住まう自宅からほど近い、Оのアパートへと向かっていた。Оは会社の同僚で、独身時代は良く一緒に遊んでいた仲である。年も同じで気が合う事が多く、変に世慣れしているОからは入社した時から色々な遊びを教えてもらっていた。勤務態度は良いとは言えず、この時間帯ならばまだアパートにいるのではないかと思えたし、彼が未だに独身であるという事も、私がОのアパートへと向かった理由に入っている。
 独身時代はよく通った、築何十年とも思える二階建ての古びたアパートが見える。赤く錆びれた箇所が点々と見える階段を上がり、一番右端の部屋。私は藁にもすがるような思いで安っぽいアパートのベルを鳴らした。
 ところどころ地肌が見えるドアは、なかなか開かなかった。藁にすがる思いできただけに、時間の経過とともに私は言いようのない絶望感に覆われていく。途方にくれかけたところで、ドアの向こう側から人気のする音が聞こえてきだした。私の心は絶望から歓喜へと昇りあがった。

「何だお前か……朝早くにどうした」

 ぶっきらぼうに開けられたドアの向こうに、無精ひげをはやしたОの顔が見える。防犯用のチェーンを付けていないのが、なんとも彼らしい。不潔そうな中年のОの顔が、私には神のように後光がさして見えた。

「何かやばそうだな……入れよ」

 寝間着姿に流血の後がある私の姿を見ると、Оは部屋の中へと戻る。私も後に続いた。
 独身貴族特有の、清潔感のないОのアパートは、日当たりも悪く部屋の隅々にはゴミやら埃やらが非常に目立つ。だが、私はОの部屋に入れたことで、安堵の溜息をつくことができた。Оはちょうど、出勤の準備をしているところだったようだ。

「女房にでも斬られたのか」

 上着を着替えているОに、私はぽつり、ぽつりと妻におきた異変を語った。



『会社にはうまいこと言っといてやる。女房が倒れた事にしとけ。金、貸してやるから病院には行けよな』

 わたわたと着替え終えたОは私に何枚かの紙幣を渡すと、あわただしく出勤していった。ぶっきらぼうではあるが、優しいОの配慮に私はひどく感動した。病院に行けとОは言ったが、とても行くような気にはなれなかった。必死で押さえ続けた甲斐もあってか、傷の血ははほぼとまっている。私は破れかけていた寝間着を無理やり引きちぎり、ぐるぐると腕に巻いてその場に寝ころんだ。昨日の夜から朝にかけての疲れがどっと出たのか、何もやる気がおきなくなっていた。かび臭い畳に顔をこすりつけ、絶望感をぬぐっていると、散らかった部屋のところどころに『NARUTO』の漫画本が見える。そういえば、今朝も妻の側にはこの漫画本が散らかっていた。この漫画本は何か関係があるのだろうか。冴えぬ頭で考えてはみたが、疲労感に負けて、じきに眼を閉じた。



 眼が覚めたのは、昼過ぎだった。寝たという感じはしたが、肩にのしかかるような疲労感は残っていた。周囲に散らかっている、因果のありそうな漫画を読んでみようかと思ったが、手を伸ばしたところで怖くなってやめた。
 やることもないので、ひたすらОの帰りを待つことにする。腹も減ったりはしなかった。Оのシケモクを拝借しながら、私は時間を潰した。待っている間に妻が追いかけてきたりはしないかと不安に思ったが、ついぞ姿はみせなかった。




「お前の女房はきっと、憑依されたんだよ」

「憑依とは、何だ」

「つまり、乗っ取られたってことさ」

「いったい誰に!」

「それは……狐とか、蛇とか」

「…………そんな馬鹿な話」

 いつものように定時に帰ってきたОは、気を利かせてくれてビールを差し入れてくれた。第三のビールで乾杯し、乾き物を肴に二人で飲んでいる。とても酔えるような気にはなれなかったが、何も口にしないよりかはマシだった。

「……喜劇だね」

「……悲劇だよ」

 変わり果てた妻の事を話しても、酒が進むわけがない。さぞ、迷惑な客になってしまったものだと意気消沈していると、不意にОは立ち上がる。

「よし!へこんでいても仕方がない。パーッと遊びに行こう」

 Оは飲み残したビールを一気に喉へと流し込むと、わたわたと普段着に着替え始めた。

「なに、パーッと遊んで明日になれば、女房は元に戻っているさ」

「なにも持っていないぞ」

「今朝、貸しただろ」

 普段着姿となったОは、手招きしながら玄関へと向かう。玄関付近に集められたゴミ袋が、Оの足に当たりがさがさと音を立てた。

「こんな姿で」

「どうとでもなるところさ」

 この時の私は、どうかしていた。妻の事で頭がいっぱいで、若干の酒も手伝ってか、まともな判断ができなくなっていたのだと思う。どうかしているのは私だけではなく、妻も同じだという思いもあった。まるで洗脳されたかのように、Оの言葉に従うまま、ふらふらと立ち上がりОの後に続いた。
 ぼろアパートの玄関から見た外の景色は、ところどころに街灯の光が見え隠れするだけで、他には何もない。手すりの上の電燈に、大量の虫が群がっている。あたりはすっかり暗くなっていた。



 Оに連れられて到着した先は、郊外にある古びたラブホテルであった。コールガールでも呼べ。そう言って、Оは車から私を下ろすとどこかへと行ってしまった。帰りはどうするのだろうと思ったのは、部屋に入った後だった。私はそのまま『どうにでもなればいい』という気持ちで、部屋に添えつけられている電話機でコールガールを呼んだ。安っぽいちらしの一番上の店、そして一番早い娘を。
 ベットに寝ころんで目をつぶり、私は再び妻の事を考えた。そして、Оが言っていた憑き物の事。
 妻に憑いたのが狐や狸といった畜生の類であるのならば、人語を解する訳などない。妻は物騒ながらも言葉を発し、刃を振るったのだ。この私に向けて!あの妻の変わりようは、精神の病などではなく、まさに憑き物が憑いたというのが適当だ。では、いったい何が、いったい誰が妻に憑いたというのか。不意に、錯乱していた妻の周囲に散らばった漫画本を思い出す。Оのアパートでも見かけた、あの漫画だ。あの漫画は妻と何の因果があるのだろうか。二次小説という世界では、知らない天井うんぬんから始まる、そういった展開があるのは知っている。しかし現実の世界にそんな事がありうるのだろうか。もし、万が一、有ったとしたら、妻に憑いたのは、あの漫画本の登場人物の…………
 そんな有り得ない空想を思い浮かべているうちに、ドアノックの音が部屋に響く。私は今までの考えを払拭するかのようにベットから飛び起きると、ドアの方へと向かった。

「私でいいの?」

 年のころは三十前後。きつい香水の匂いとともに、過去には色々ありましたと言わんばかりの淑女が姿を見せる。私は無言でうなずくと、部屋の中へと誘った。
 ここ初めて?どこの人?緊張してる?そのカッコ凄いね。
 事務的な会話を単語の答で返し、事務的に料金を決めて、あとは事務的に事を進める。今の私に、ときめき感は何も無かった。

 事務的な展開により私はベットの上で仰向けとなり、奉仕を受ける段階となった。淑女が部屋を少し暗くしたいと欲したため、私は何となく天井の保安灯を眺める。少し下に目を移せば、髪の毛をたくし上げた淑女が必死に奉仕をしている姿が見える。

「今日元気無いの?」

 事務に熱心な淑女の上目遣いが、なんともあわれな様子に映ってみえた。あの卑猥な音さえも、耳障りな音となって事務的に聞こえてくる。情けなさと同時にいたたまれなくなった私は、とっさに視線を横にずらす。一枚の、大きな鏡に私の姿が映って見えた。
 なんともちっぽけな、死んだ目をした、薄っぺらい男が、豪勢なベットの上で淑女から奉仕を受けている姿だ。淑女は激しく上下に動く。薄っぺらな男は、なされるがまま僅かに上下に振動している。私の視線がその薄っぺらな男と合ったとき、薄っぺらな男はかすかに笑った。
 これは自嘲の笑みか、否、罪悪感の照れ隠しか、否、自棄のものか……
 色々な考えが私の中を駆け巡ったあと、私の中に残った感情は、悲しみであった。
 
 妻とは職場で知り合った。忘年会がきっかけだった。私のほうからだった。うまくはいかなかった。でも、結局付き合う事になった。
最初の旅行は奈良だった。喧嘩をした事もあった。雨で流した涙もあった。会いたくて会いたくて震えた結果は風邪だった。
 なけなしの貯金でささやかながら結婚式を挙げたではないか。南向きの窓が気に入ったと、今のアパートを二人で決めたではないか。誰よりも愛してると、一生大事にするからと言ったではないか。
 そんな殊勝な心がけをしていた男は、今や薄っぺらいマグロと化し、情けない姿で奉仕を受けて笑っている。

『夫失格』

 その三文字が、大の字に開いた私の上に大きくのしかかる。私は、その重い重い言葉を振り払うように、薄っぺらな体を起こした。




 『店に怒られるから』と引き止める淑女を『言わないから大丈夫だ。貰っておいてくれ』と、無理やりその手に札を握らせた。淑女は急いで携帯電話をかけはじめたが、私に迷いは無かった。わたわたと全裸に寝間着を着込み、ホテルの外へと飛び出した。辺りは真っ暗なのに変わりはないが、点々と光る街灯が自宅へと続いているように見えた。
 ここから家までは、少し距離がある。だが、全力疾走している私に、タクシーを拾うという合理的な選択肢は無かった。家では、待っている人が居るのだ。他の誰でもない、私の妻が。
 運動したためか、斬られた箇所から血がにじみ出ている。私は構わず走った。心臓が破れそうになり、腹も痛くなってきたが、私はそのたびに街灯の光を顎で追って、遠い家路へと急いだ。




「ただいま!」

 長い道のりを経て、ようやく家にたどり着くと息も整わぬまま玄関を開いた。玄関は案の定、鍵などかけられていなかった。私の声に対する反応は無いが、構わずリビングへと駆け寄る。案の定、妻は隅っこで蹲り、恨めしそうに私を見ている。他の誰でもない、私の妻だ。

 ばてあがっている私を見ても、妻は動こうとしない。私は深呼吸を繰り返し、一歩一歩と妻に歩み寄った。そこに妻がいる。殺されたってかまわない。私は妻のもとにたどり着くと、その蛇のように冷たい肌に触れた。

「すまなかった。本当に、すまなかった」

 思いついた言葉は、そんなものだった。妻をそっと抱きしめる。華奢な妻の体は、私の腕の中に抵抗なく収まった。そう、抵抗なんてあるはずが無いのだ。この愛おしい女性は、私の妻なのだから。
 部屋の中には、安物の時計が針を刻む音と、徐々に静かになっていく私の呼吸だけが響く。呼吸の音がわからなくなるくらいまで、私はずっと妻を抱きしめ続けた。瞑っていた眼をうっすら開けると、周囲に散乱していたあの漫画本は、どこかに消えていた。どうかしていたのは、私の方だったのだ。
 どれくらい抱きしめていたのだろう。ほんの五分だったのかもしれない。だが、私にとってはここまでたどり着くのに長い五分であった。できる事ならこのままずっと、朝まで抱きしめていようと思った。その時、腕の中の妻がごそごそと動いたのを感じた。

「どうしたのだ」

 妻は、相変わらず恨めしそうな目で私を見ている。

「……ククク…………くのいち忍法帳っておもしろいわねぇ……」

 唇を歪め、妻は微かに笑った。
 私はこの時、妻の前に陳列していたDVDが、跡形もなく消えていた事に気付く。

「……見たのかよ」

 私は妻を、より強く抱きしめた。




 最近、大蛇丸様がおかしい。たびたびご自身の姿を鏡で見ては、酷く落胆しておられるのだ。大蛇丸様は男だが、どちらかといえばウチらの部類に入るといえば入る。何とか力になってさしあげたいが、ウチがしゃしゃり出るのも差し出がましいというもの。
 おかしいといえば、さらにこんな事件もあった。落胆されていた大蛇丸様が、なんと焼き菓子を作って差し入れてくれたのだ!やはり、性別は男でもウチら側に近いと思ったウチの勘に狂いはない。焼き菓子は、大変美味しかった。大蛇丸様は、女子力も極めつつあるようだ。必要なのかどうかは別として。
 大蛇丸様は、その出で立ちゆえ冷酷に見られてしまいがちだが、このようにお優しい一面も持っておられるのだ。最近少しおかしいといっても、大蛇丸様は大蛇丸様であることに、何ら変わりはない。このお優しい大蛇丸様の野望を叶えるためにも、ウチらが頑張らなければいけないのだ。わかったかデブ。





夫失格  
本当にすんませんでした


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