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No.40912の一覧
[0] 俺は弱い。だけど、木の葉の忍だ![海坊主](2016/08/02 07:50)
[1] アカデミー[海坊主](2015/01/23 05:43)
[2] 卒業試験から忍へ[海坊主](2015/02/08 06:57)
[3] 演習[海坊主](2015/02/04 21:02)
[6] 12年前[海坊主](2016/07/21 05:49)
[7] 銅盤と嘘の約束[海坊主](2016/07/21 05:48)
[8] 強さと弱さ[海坊主](2016/07/29 02:27)
[9] 中忍選抜試験[海坊主](2016/08/02 07:47)
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[40912] 12年前
Name: 海坊主◆49908de9 ID:6731314c 前を表示する / 次を表示する
Date: 2016/07/21 05:49
『卒業試験から忍へ』を一度間違えて消してしまいました。
若干、書き直しました。

過去編を書きます。


──────────────────

蕎麦屋

オウギ達はキビに連れられて、蕎麦屋に来ていた。
「キビ先生。俺、一楽のラーメンがいい!」
「ワガママ言うなや。それに、ココの蕎麦は旨いで!」
「キビ先生がせっかくご馳走して下さるんだから文句言わないで下さい。」
「…オウギ。大切なのは『何を食べるか』じゃない…『どんな気持ちで食べるか』だ。」
「ワガママや文句は“木登り”が出来るようになってからじゃな。」
4人は先ほど、演習をして木登りの修行をしていた。キンタは2、3回挑戦したら出来て、ミヤは始めは上手くいかなかったものの、最後の方はなんとか登れるようになった。オウギは一度も成功していない。
「くそぉー!明日までにはなんとかしてやる。」
「そうじゃな。まあ、頑張れや。…蕎麦も来たことじゃし、食うか!」
4人は食べ始める。オウギはしぶしぶ食べ始める。
「う、旨い。」
「本当に美味しいです!」
「…旨い。」
3人は自然と言葉に出した。
「そうか!良かったわ!」
キビはニコッとして話し続ける。
「この蕎麦屋は昔から来ていてな、よくシキ達とも来たんじゃ。」
「え?母さんと?何で?」
「お前、知らんのか?お前の両親とワシは同じ班だったんじゃ。」
「えー!年、離れ過ぎだろ!」
「失礼じゃな。ワシとシキはタメじゃ。」
キビは四十代に見える。だか、老けて見られる。
「その様子じゃと父親の事は何も聞いとらんみたいじゃな。」
「…そう言えば知らない。」

「そうか………。時間がある時、聞いてみるとええ。ワシよりシキの方が詳しかろう。」

二人がしゃべっているとキンタが完食したみたいだ。
「…ご馳走さまでした。」
「速っ!しかも、めちゃキレイに食ったな。」
「…昔から親父が厳しくてな……何か悪いことするとご飯抜きにされたり、『キレイに食べるように』と言われてたからな。」
「ハハッ!こりゃあ気分がええ!キンタ、もう一杯食ってええぞ。」
キンタが頼んでいるとミヤが半分残した。
「お腹いっぱいです。」
「…残った分、……食べていいか?」
「いいですよ。」
「よかったら、デザートも頼めばええぞ。ここのお菓子は格別じゃからな。」
ミヤは目を輝かせている。
「お菓子!…でも、残したら悪いですし…。」
「…食べればいい……残すようならオレが食う。」
「本当ですか!じゃあ、お言葉に甘えて。」

そんな感じで、食事が終わり。
4人は店の外に、

キビは忍者の登録があるからと言って、早々と居なくなる。
三人も少ししゃべって解散した。

オウギは家に帰ってきた。
そう言えば、父親の事をほとんど知らない。知りたかったけど、父親が居ない寂しさは母親が一番感じていると子供ながらに感じていたから、今まで聞かないでいた。
「ただいま。」
「お帰りなさい。どうだった?」
「忍者に成れたよ。」
「やったわね!お祝いしなくちゃ。」

「その前に、さ…。
聞きたいことがあるんだ。父さんの事と12年前の事。」

シキはオウギの目を見つめる。
静かに口を開いた。
「…分かったわ。」
そう言うと、シキは自分の部屋に行き桐の箱を持ってきた。
その箱を机の上に置き、開ける。すると、中から立派な“扇”が出てくる。
シキが広げて見せてくれた。
それはシンプルなデザインであるが、素人の目から見てもとても高価な物だと感じさせるほど美しく、不気味な存在感を漂わせる。
(まるで生きているみたいだ。)
オウギはそう思った。
シキは2枚の写真を持ってきて机の上に置く。
オウギは二枚とも見たことがある。
「これ、お父さんが下忍になりたての写真だろ?」
一枚は真ん中にオウギとソックリの男の子。左には髪が瞼の辺りまで伸びている内気そうな男の子。右側には髪が気合いが入っていて、ヤンキーにしか見えない女の子。
「うん。昔の私達。」
「へぇー。…え?これが母さん!?もしかしてこっちがキビ先生?」
「そうよ。驚いた?」
「驚いたぜ。キビ先生はなんか家で本とか読んでいそうな感じだし、母さんは恐い人と“夜露死苦”してそうな感じで…。」
「ンンッ!キビは昔から性格は変わらないし、私はいろいろと変わったわ。」
シキは言葉を遮るように咳払いをして言った。

(そう言えば、ナルトと喧嘩をして帰るのが遅くなった時、母さんにめちゃくちゃ怒られて、あまりにも怖すぎてトラウマになったな…。納得した。)
「っで!お父さんはどんな感じ?」
オウギの心を読んだみたいだ。慌てて思考をもとに戻す。
「と、父さんは…
俺がニコニコしているように見えて気持ち悪い。」
そう言うとシキはお腹を抱えて笑い出した。
「確かに。お父さんは昔からよく笑っていたからね。
もう一枚の写真はアナタがまだお腹の中にいる頃の写真。
ここから話すわ。お父さんの事、12年前の事を、ね。」

シキは優しい表情で語り出した───。


木の葉の墓地

キビが墓石に語り掛ける。
「今日、お前の息子が忍になったで…。しかもワシの班じゃ。
お前とシキの息子なのに性格が全然似とらん。
じゃけど優秀じゃない所はソックリじゃな。
後、お前よりやる気はあるみたいじゃな。お前みたいにボサッと
せんし。」

キビはポケットからコインを取り出す。

「ワシは自分の意思で選んだんじゃ。」
コイントスをする。静かに目を閉じる。
『キビ。目を閉じて。───。』
「………表。」

キビはコインをキャッチして昔を思い出していた───。



 ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─


木の葉の里

よく晴れた空。
心地よいお昼過ぎの時間。
人々は眠気をガマンして働き出す。

が、
ただ一人、眠気に負けた男がいた。

白い髪、木の葉の額あて、忍のようだ。
四代目の火影岩の上で気持ち良さそうに寝ている。

そしてもう一人、怒りを噛み締め走る。

黒髪短髪、木の葉の額あて、忍のようだ。
体格のいい男で怒れば鬼のような顔立ち。

白髪の男に近づき、腹部を踏みつける。
「起きんか!集合時間は過ぎとるぞ。オキナ。」
「っぐふ…!ぐっグットモーニングだね。キビ。」
「バッドアフタヌーンじゃ。ボケ。」
「出来れば優しく起こして欲しかったな。」
「大ボケか!お前は毎回毎回……。ハァ~。行くぞ。先輩方はもう見回りに行っとる。」
キビは毎度のやり取りに疲れたようにため息をこぼし、任務の話をする。
オキナはおもむろに扇を取り出すとパタパタと仰ぎだす。
「行くか〜。まだ眠いな。次は家の布団で寝ようかな!」
「……次か。」
少し空気が重くなる。
「?」
「ワシは少しだけ土遁と火遁が使える…。」
「…?知ってるよ?」
キビがオキナの頭を握り、
「寝てぇなら今寝させてやる…。」
「‼︎‼︎ォ‼︎‼︎‼︎」
オキナは気付くのが遅かった。

「土葬と火葬、どっちがええ⁉︎」

「(怖っ!)」
鬼のような親友に。


ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー

木の葉の大通り

店は賑わい、子供達ははしゃぎ、多くの人が行き交う。
その中の男二人。
一人は怒りの余韻で話し、一人はパタパタと扇を仰ぐ。


「………ったく、ホンマに自覚が足らんわ。」
「分かった分かった!もう止めよう!」
「何が分かったんか説明してみろや」
ピシッと扇を閉じて答えた。

「……んー…わかんない!」
キビの鋭いチョップが炸裂する。
「アホかー‼︎間の抜けた事を…!お前はもう少しで親になるんじゃろーが。」

そんな二人にお腹の大きな女性が声をかける。どうやら妊婦さんのようだ。
「おーい!そこの漫才コンビ!」
「「シキ!」」
「道の真ん中で何してるの。見回り中でしょ。」
シキが二人を止めに入るやいなやオキナが駆け寄る。
「シキ~。聞いてくれよ〜。キビがイジメて来るんだ。」
「いい歳して泣き付くなや!みっともない。」
「ハイハイ。どーせオキナが悪いんでしょ。」
「そうなんだよ。俺が悪いんだよね〜。」
「分かっとるなら反省せぇ!」
三人が喋っていると子供達が集まって来た。
「白髪のおにーさん」「白髪おにー」「白髪ジジ」「遊んで」「肩車して」「お馬さんになって」
「いいよ!ほら行くぞ〜!」
オキナは子供達に付いて行く。
「オイ!オキナ!任務中じゃろが…!」
「まあいいじゃない。落ち着いて。」
「ハァ~。お前はいつもオキナに甘い。そんな事じゃお前らの先が思いやられるわ。」
「ハイハイ。」
シキは和かに話を聞き流す。それを察してキビは大きなため息を吐いた。
その頃、オキナは子供達だけではなく、大人達も集まり始めた。
定食屋のおじさん、集まった子供の母親、八百屋のおばあちゃんなどオキナは一人一人にあいさつをする。
「白髪のあんちゃん!モテるね!飯、食ってくかい!サービスするよ!」
「本当ですか!あっ。でもさっき食べたので次の休みにC定食の特盛食べに行きます。」
「オウ!いつものかい!まってるよ!」
「お買い物中にすみません。いつも構ってもらって。」
「いや〜。構ってもらっているのは僕の方ですよ。本当にいい子だ。」
「冗談がお上手ね。」
「この間はありがとうね。重たいもの持ってもらって。」
「あの時のですか?本当に重たかったから僕の腰が壊れそうでしたよ!」
「カッカッカ!そりぁ悪かった!お詫びに形は悪いが新鮮な野菜をあげよう。」
「おお!こんなにたくさん。シキ貰っちゃった!」
オキナが大きく手を振るのに対し、シキは小さく手を振り返した。

「何だか子供のまま大人になったみたい。」
「もう少しで子供が生まれる親には見えんわ」
「そうかもしれないけど、ああいう所はオキナのいい所じゃない。」
「……。……そうじゃな。」
「…?あら意外。そんな事いうとは思わなかった。」

「…ガキの頃はアイツの事、嫌いじゃった。」
「うん…知ってるわ。いつも喧嘩を吹っ掛けてたわね。」
「ああ…。いつもアイツは逃げとるように見えて、益々ムカついたわ。」
「任務中にいつも周りを困らせていたわね。」
「…。ある日、気付いたんじゃ。ワガママのように見える行動も、忍として欠けるような行動も、誰よりも”誇り高い”心を持っとるからなんじゃと。
そんな心には自然と人が集まる。ワシもその一人じゃ。
アイツのそういう所に命と心を救われたことがある。
気が付いたらオキナと大親友になっとった。」

シキは少し驚いた表情を浮かべながら、

「本当に意外だわ。そこまでオキナの事を褒めるなんて…。嵐でも起りそうだわ。」
「余計な事言うなや。ワシもええ所は素直に認めるわ。オキナの事を少しだけ尊敬しとる。子供が出来てから少し様子がおかしい気がしてな。」


「まるでオキナの親ね。

人のことばっかで自分は子供は欲しくないの?」

シキの言葉にキビは咄嗟にビクッとして、
「…!…大きなお世話じゃ。」
周りはほとんど結婚し、子供までいるのに自分は独り身な事が頭に過ぎった。
「そう言えば、いつも私達三人で行く蕎麦屋の娘さんいるじゃない!あの娘がキビのお嫁さんになりたいって言ってたわよ!」
「ホンマか!…って、歳が一回り下のガキんちょじゃろが!」
「あらあら…恋する乙女をガキ呼ばわりなんて最低ね。だから結婚どころか恋人もいないのよ!」
キビは胸にクナイのような物に刺されたような痛みが走り、うつ伏せに倒れこんだ。
「…ホ…ンマに…大きなお世話じゃ……。」

「好きな人はいないの?」

「やかましいわ…。」
苦し紛れに言葉を絞り出した。
「まぁいいわ。出来たら教えなさいよ。

約束よ!」



「おーい!大丈夫かー!」
少し離れた所から男の人がやって来た。すぐ後ろに女の人もいる。
シキは気付いて手を振る。
「クジラさん!それにシャチさん!大丈夫です。すぐに起きますから。」
クジラと呼ばれた男が安堵の表情を浮かべ、言い直す。
「いや〜。良かった。近くで見ていたら、いきなりキビくんが倒れたから何かあったのかと思ったよ。見回りの責任者だし、大事なら報告や周りの対応をしなきゃいけないから驚いたよ。」
続いてシャチと呼ばれた女の人が優しく話す。
「だから大丈夫って言ったじゃないですか…。シキちゃん久しぶり。お腹も大きくなったね。後、どれ位?」
「後、一月ちょとです。」
「まあ!後、少しね。思い出すわ…。うちの子がお腹にいた時のことを…。お腹、触っていい?」
「いいですよ。」
「…。凄く元気そうね〜。そのまま元気に産まれておいで。」

優しく語り掛けていると人だかりからオキナがやって来た。
「分かるんですか。」
「分かるわよ、うちの子よりもよく動くわ。」
そう言われてオキナもお腹を触る。
「う〜ん。わかんないけど元気だ。」

キビが静かに起きるとクジラがそれに気がつく。
「おお。キビくん!大丈夫か?」
「はい。少々、おふざけが過ぎて、ご心配をお掛けしましたが大丈夫です。
オキナ!クジラさんに一言無いんか!」
「任務に遅刻してすみませんでした。以後、気を付けます。」
「そうだね。罰として任務の後二人は荷物運びを手伝ってね。」
「「はい!」」
「そろそろ解散しよう。任務の途中だしね。」
クジラの一言で人だかりが消える。
オキナは一人一人にあいさつをしていく。

「じゃあ、私も失礼します。クジラさん、シャチさん、失礼します。」
「産まれたら抱かせてね。」
「もちろんです。」
「じゃ、またね。シキ。」
「うん。
キビはさっきの約束だからね。」
「知らんがな。」
「コラ!それなら今晩は一緒に御飯を食べましょうよ!ご馳走するから。」
「…ああ。」
「久しぶりに三人で御飯ね。気合い入れて作るから。
さっきの約束、忘れないでね。」
シキが手を振り、キビも応える。
「さっきの約束って何?」
オキナが聞いてくるとキビは少し考えて呟く。

「…知らんがな。」

「?」
オキナは訳が分からないから考え込む。


頭の中でキビはシキの言葉を思い出していた。
『好きな人が出来たら教えなさいよ。』
『約束よ。』


「……(ホンマに)大きなお世話じゃ…。」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

一年ちょいぶりに更新

コメントを頂いてたのに無視したみたいになりすみません。



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