賢者モード
「ぁぁぁぁあああああああああぁぁぁっっっっ！！！！！」
知識がっ……。
宇宙の、知識が……はぁっ………。
流れ込んでくるっっっ。
どびゅうううううううううううううううううっっっっっ
俺の名は坂本たくみ。
医大生だ。
俺は今、ある薬剤の研究をしている。
その名も、「賢者の石」だ。
みたまえ。この尿道結石のようなコバルト色の小さな石ころを飲み込むとーーー頭がスッキリする。
このクスリを全国のヤクザに捌けば、すごい儲かると思うんだよ。
だから俺が捌く。
「お？ どうした、たくみじゃねぇか。このジミーに何のようだ」
「ジミー、聞いてくれよ。君のシノギでこのクスリを売ってくれないか？」
「おーん？いいけど？」
ジミーは、たくみからコバルト色の結石ーーー「賢者の石」の小粒を受け取った。
「なんだ？ このクスリ」
「聞いておどろけ……超気持ちよくなるんだよこれがまた」
「気持ちよく？」
「うん」
たくみは、親指で「賢者の石」を弾いて、ジミーの鼻の中に入れた。
「な、なにをする！！」
「ほら、来るぞーーー」
「う、ウワァァァァーーーーーーーーーーーーーーーー」
祖国のっ……！
祖国のバナナがっ……！
「はぁっ……はぁっ………」
「どうだ、ジミー」
「これは売れる」
「やった！！！！！」
「きゃあああぁぁぁあああああああああああああああんっ！！」
「ああ、あああ、ああああん
あああああああああああっ！！」
「あがぺええええええええええええええええええええええ！！！！」
ジミーのクスリは、全国に広まった………！
そんななかーーー坂本&ジミーに突然危機が訪れた………！
「おい！！ 坂本！！」
「なんだジミー、いまクスリ作ってるとこなんだよ！！」
「そんな場合じゃねえ！！ クスリが売れなくなっちまった！！」
「ーーーえ？」
「私はマーベラス清水」
「うっ………！ 清水さま！！ 清水さま！！」
「あうあああああ！！ 抱いて！！」
坂本は、恐ろしい現場を見てしまった。
"マーベラス清水"と名乗る女のもとに、大勢の人間が頭を垂れひれ伏している………！
「なんだお前、誰だ！！」
「私はマーベラス清水」
「ここは俺たちのシマだ！！ 出てってよ！！」
ジミーはチャカを抜いた！
「ーーーくだらないわ」
「………え？」
「あなたたちは、目の前にニンジンをぶら下げた馬と変わらないと言っているの」
「な、なんだとっ！？」
「まてっ！！ ジミー！！」
「あなたたちは目先の快楽で人々を騙し、堕落させているようだけどーーーそんなものは、「カリスマ」には及ばないわ」
「き、君は俺たちを否定するのか！！」
「ええ。この国は、あなたではなくーーー私に支配されたがっている」
清水は、坂本の持っていた「賢者の石」を信者に飲ませた！！
「………」
「なーーーバカな！？ 何も起こらない！！！」
「く………ふ、ふはははは！！ これでわかったでしょ？ あなたたちでは彼らを天国に連れていくことなんてできないってね。」
「く………」
信者たちは、清水の脚に群がっている！！！
「みなさい……私の足下の子羊たちを。みんな私の抜群のプロポーションを前に頭がおかしくなっている………！ 自然由来のカリスマには誰も彼もひれ伏すしかないのよ！！」
これがカリスマ
「………そうかよ」
「ええそうよ！ あなたに勝ち目はないわ！！」
「……ジミー」
「ああ、坂本………」
「………なに、無駄なあがきはよしてよ」
「へ、お前みたいな勘違いヤローには灸を据えてやらねぇと気がすまないんでぃ……」
「ジミーも………」
「ほう？ 何をみせてくれるというのかしら！！」
「いくぞ！！」
「おう！！」
「は、はああ！！ 清水………清水かわいい………！！」
「………」
「あ、あああああああああっ！！ 出るっ！！！！！」
ポンっ！！！！！
坂本の局部から「賢者の石」が出た。
「え、うそ………」
「まじ……？」
清水の脚から、信者たちが離れていく………！
「え、ちょ、ちょっと、あなたたち！！」
そしてーーー。
「おっ、おえええっ！！！」
それを見た信者たちは、一斉に吐いた！！！
「………」
「は、はははは！！ 清水！！ お前の信者たちはみんな賢者の石を飲んでたみたいだなぁ！！ 」
「そ、そんな………」
「なにが自然由来のカリスマだ！！ そんなもので人は気持ちよくなれねええええええ！！！」
「………」
「………でも、俺は君が好きだ！！」
「えっ………？」
「清水さん。大学で君を見たときから、ずっと君を想いながら、耽っていた………」
「まぁっ、坂本くんったら………」
「好きだ！！！清水さん！！」
「坂本くん！！！！！！！！」
その時ジミーのチャカが暴発してみんな死んだ……。