「どうじゃ孫よ、納得したかえ?」
語り終えたおじいさんは、外の景色から目を離し、再び孫に目線を向けた。
そして驚愕した。
孫は目を瞑り、まるでクラシックの音楽を楽しむが如く、優雅に寝そべっていたのだ。
「ま…孫よ…。」
再びおじいさんが孫を呼ぶと、ようやく彼女は目を開けた。
ゆっくりと、しかし力強く。
「…ああ、おじいさん。」
「闇の貴公子の最後、どうじゃった?」
おじいさんの問いかけに、一呼吸置くと、孫は口を開く。
「ごめんねおじいさん、ヴェルタース・オ○ジナルの味に酔いしれてしまって、おじいさんの話しを微塵も聞いていなかったよ。」
「なにぃ!?」
「へへっ、だからもう一度始めから話しておくれよ。」
自分勝手で最低な孫だと思うかもしれない、だがおじいさんは違っていた。
「流石は我が孫よ…、傍若無人。天は恐ろしい器を世に送り出したか…。」
ククッ、と笑うと、おじいさんは再び闇の貴公子「ダイ・ユマ」が死ぬまでの詳細を語り出した。 ゆっくりと、しかし力強く。
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デュマの最近の流行は「スキップ」だった。 ギーシュとマリコルヌの協力によって、サイト&ルイズを上手く騙す事に成功したデュマは、その喜びを 「スキップ」によって表現していたと言っても良い。 ちなみにサイト達を騙した方法は以下の通りだ。
デュマがラリカに体を返すと言う。 半信半疑なルイズ&サイトが注目する所で、ギーシュ登場。 不意に2人に話しかけることで注意をそらす。 マリコルヌの使い魔(ふくろう)が、上空からコルベールから貰った玉(小さな爆発と大きな光を放つよ うに細工されたもの」をデュマと2人の間に落とす。 爆発&大きな閃光に驚く2人。 デュマの演技によってラリカが戻ったと思わせる。 成功。
というわけで、デュマはスキップを繰り返していた。 あの作戦後、しばらくは体調が悪いふりをしていたが、飽きたので外に出たわけだ。
「あ、ラリカさん!!お体は大丈夫なんですか?」
「おうシエスタ。見ろ!!オレの華麗なスキップをよぉ!!ヒャッハァ!!」
凄い勢いでシエスタの周りをスキップで回転するデュマに、シエスタは微笑む。
「良かった。サイトさんからいろいろ聞いて心配していたんですよ。」
「もう余裕だずぇ!!これも全てテメェのおかげよ。」
「そんな、私は何も・・・。というか、まだ記憶は戻ってないんですね?話し方が前みたいになってま す。」
そう言った瞬間、デュマがスキップをやめる。 馬鹿みたいに笑っていたその顔もまともに戻し、口を開く。
「そんなことないわ。もう大丈夫よシエスタ。」
「・・・。」
「じゃあシエスタ。私はもうしばらくスキップさせてもらうから・・・、またね。」
「はい、サイトさんやミス・ヴァリエールにも早くその元気な姿を見せてあげてくださいね。」
スキップをしながら去っていくデュマに手を振るシエスタ。 そんな彼女を尻目に、デュマのスキップは続く。 そろそろ足も限界に近づいていたが、そんな事よりも今はスキップがしたかったのだ。 シエスタと別れてからのデュマのスキップは凄まじかった。 なによりスピードが。
だが、それが命取りだった・・・。
尋常じゃないスピードのスキップと、その疲れによる注意力の低下。 それは、目の前にある物干し竿の存在を見落とすのに十分な材料だったのだ。
そして・・・。
「ぐぺぇっ!!」
闇の貴公子「ダイ・ユマ」は、物干し竿に首が突き刺さって死んだ。