はじめに・・・
・デューオは飽きたのでやめます
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『ムカデの代わりの男 ~最・終・章~』
トリステイン学院のある大陸から離れた位置にある孤島「ウエンディゴ」。
無人島として、ごく一部の人間しか知らないその孤島には大きな祠があった。
誰が何のために、そしていつからあったのか・・・。
ウサギさん「クンクン、おいしそうなニンジンのスメル(匂い)がするウサ!!」
小鳥さん「チュンチュン!!ウサギさん!!そっちに行ってはダメですよ!」
ウサギさん「なぜにWHY?」
小鳥さん「その先には祠があるの・・・。森の掟でそこに近づいてはいけないといわれてるはずだよ?」
ウサギさん「僕はアウトローなのウサ!!そんな古い掟なんかに縛られたりしないウサ!!」
小鳥さん「ああ!!待ってウサギさんたら!!」
小鳥の静止も聞かず、ウサギはニンジンのスメル(匂い)のする方へピョンピョンと跳ねて行く。
ウサギさん「ヘヘッ!祠がなんだってんだい!!僕は僕の道を行くんだウサ!」
小石を跳び越え、小枝をわけて、ウサギは祠へひた走る。
その先に何があるとも知らずに・・・。
ウサギさん「おっ、急に開けた場所についたぞ?もしかして・・・ここが祠?」
鼻をヒクつかせ、ウサギはゆっくりと視線を前方へ向ける。
もちろんその大きな耳も一緒に立てて。
ウサギさん「うほっ!!すっげぇや!!これが・・・ほk!!? ギャピッ!」
初めて見るその景色に目を輝かせたウサギだったが、それが彼の見た最後の光景となってしまった。
薄れる意識の中、自分の腹部に刺さった木の棒を見やるウサギ。
痛いというよりも熱い。
だが、その焼けるような熱さも体から流れる赤い液体とともに失せていく。
ウサギさん(アレ・・・。なんだか・・・急に・・・眠くなって・・・)
ウサギの命がなくなる間際、反対側の草むらから人間の少女が姿を現した。
灰色の長い髪に、軽く釣り上がった細い目。
決して美人とは言えないが、醜くもない・・・いわゆる普通の顔。
「ふう・・・。無人島だから獲物はたくさんいるけど、私じゃまだウサギくらいが精いっぱいね・・・。」
灰色髪の少女は、絶命したウサギの耳を掴み上げると背負った袋に詰め込む。
「それにしても・・・、この祠は何なのかしら・・・。」
振り返る少女の前方。
そこには異様な形をした祠があった。
大きさは高さ約5メートル、幅は10メートルといったところか。
「何度かここには来てるけど・・・、こんなの見たこと・・・?」
祠を見渡していると、そこに何か文字が書いてあることに気付く。
~ スンイウフ ニココ ヲ マユ イダ シウコキノミヤ ~
「何かの暗号かしら・・・。」
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つづく