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No.34778の一覧
[0] 【習作・チラ裏から】とある未元の神の左手【ゼロ魔×禁書】[しろこんぶ](2013/12/17 00:13)
[1] 01[しろこんぶ](2014/07/05 23:41)
[2] 02[しろこんぶ](2013/09/07 00:40)
[3] 03[しろこんぶ](2013/09/16 00:43)
[4] 04[しろこんぶ](2013/09/16 00:45)
[5] 05[しろこんぶ](2013/10/03 01:37)
[6] 06[しろこんぶ](2013/10/03 01:45)
[7] 07[しろこんぶ](2012/12/01 00:42)
[8] 08[しろこんぶ](2012/12/15 00:18)
[9] 09[しろこんぶ](2013/10/03 02:00)
[10] 10[しろこんぶ](2014/07/05 23:43)
[11] 11[しろこんぶ](2013/10/03 02:08)
[12] 12[しろこんぶ](2014/07/05 23:45)
[13] 13[しろこんぶ](2014/07/05 23:46)
[14] 14[しろこんぶ](2014/07/05 23:47)
[15] 15[しろこんぶ](2013/09/01 23:11)
[16] 16[しろこんぶ](2013/09/07 01:00)
[18] とある盤外の折衝対話[しろこんぶ](2014/01/10 14:18)
[21] 17[しろこんぶ](2014/07/05 23:48)
[22] 18[しろこんぶ](2014/07/05 23:50)
[23] 19[しろこんぶ](2014/07/05 23:50)
[24] 20[しろこんぶ](2014/08/02 01:04)
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[34778] とある盤外の折衝対話
Name: しろこんぶ◆2c49ed57 ID:c6ea02e3 前を表示する / 次を表示する
Date: 2014/01/10 14:18


――

―――

行間
「とある盤外の折衝対話ダイアローグ

―――

――



……




 照明の無い室内。限られた光源は無数のモニタ、ボタン、計器の示すランプ。それらによって瞬く電子の明かりはさながら星空のように辺りを照らしていた。
 演算型・衝撃拡散性複合素材カリキュレイト=フォートレスのビルの中。
 広大な室内の四方の壁を埋め周囲を照らす機械類、その中心部に位置する巨大なビーカーに浮かぶのは学園都市を手中に収める統括理事会理事長。アレイスター=クロウリーその人だった。
 男にも女にも、大人にも子どもにも、聖人にも囚人にも見える緑の手術着の『人間』は、相反する性質を同時に垣間見せるその容貌をほんの少し。ほんの少しだけ物憂げに歪めていた。
 アレイスターが掌握している、学園都市の情報網の目を突いて。この『窓のないビル』に直通で割り込んできた一本の通話回線――発信元はどこかの携帯電話――がその原因だった。

『さて。今夜はいい夜だ。もう少しお喋りに付き合ってもらおうじゃないか』
 電話口の通話相手はゆったりとした口調で続けた。
 アレイスターの返事など待つつもりもないようだった。
『もう疾うに地平に沈み見えなくなっているが、月に並んだ宵の明星は見事だったろうな。今の君のお気に入りはそれよりも、より太陽に近い水星のようだが……やはり今の私としてはあちらの方がより親しみを覚える』
「創造と観察。芸術と、それに相対する科学か」

 西洋占星術における金星は金牛宮と天秤宮の支配星であり吉星。財産、愛、芸術を示し、女神の名を冠す事からその惑星記号は女性を示すシンボルとしても用いられる。
 また、生命の木において金星は『ネツァク勝利』に対応する。
 第七の天球『ネツァク永遠』とは能動の『慈悲の柱』の最下部に位置し、物質界もしくは『アストラル界』と呼ばれる人が外界へと力を行使する階層の最下の三つ組の一端にあたる。
 愛と美の女神ヴィーナスに象徴されるその働きは努力とは無縁の容易さ、また本能と感覚に基づく生命活動の輪、永続性に喩えられる。
 九つの天使の位階においては『力天使ヴァーチュ』が、魔術的イメージは『美しい裸の女性』がこれにあたる。
 生命の木の上では『ネツァク』は『隠れた知性』と創造性でもって抽象的な力に活力を与え、影響を及ぼす為に必要な働きを担っている。

 西洋占星術における水星は双児宮と処女宮の支配星であり吉星。流動性、通信、交通を示しその惑星記号はカドゥシャス――ヘルメスの杖――で表される天体である。
 カバラ思想の根幹、生命の木において水星は『ホド反射』に対応する。
 第八の天球セフィラホド栄光』は受動の『峻厳の柱』の最下部に位置し最下の三つ組の一端である。
 トート、ヘルメス、マーキュリー。これら神々と深く関わる天体の性質と等しく『ホド』は情報の伝達、知識の獲得と分配の役割を担う。
 九つの天使の位階では『権天使プリンシパリティ』が、魔術的イメージには『両性具有アンドロギュノス』がこれにあたる。
 生命の木の上では『ホド』は『絶対的知性』と意識的な過程で力に具体的な形を与え、それを振るうに充分な理解と現象の操作に必要な認識の鍵を担っている。

 エイワスによって皮肉げに示されたその天体の関係性は。
 生命の木での象徴に合わせ、丁度魔術と科学と言い換えても差し支えなかった。また両者の織りなす形質はその本質を異にはしない。
 そしてそれは、太陽ティファレトに対する水星ホド金星ネツァクの関係性。第一位と第二位の位置づけにも当てはめる事が出来た。
『そうだな。そして、それだけではないよアレイスター。つい先程面白い話を耳に入れてね。それに関わる君の大事な「プラン」の筆頭について話しておきたい事もある。こちら、、、の「第一候補メインプラン」とは会う事も出来たが、「第二候補スペアプラン」はその前に「回収」されてしまったからね。彼にまつわる情報は余りないのだ』
 先程その『第一候補』を自らの翼で平らげたばかりとは思えない様子で金髪の異形、エイワスは告げた。
「『未元物質』の事か」
『ああ。彼、垣根帝督にはそれなりに興味がある』
 その能力強度でみれば、確かに貴重な超能力者レベル5だが、アレイスターの優先順位は随分と違っている。
 『プラン』の本懐を遂げるべく組み込んだ、それぞれに敷いたレールの内。
 アレイスターの望む形で理想的な手順でその上を走るものは限られている。
 特に上位においた第三位、第二位、第一位であってもそれは変わらなかった。
 彼らの有用さは他の能力者と比べるまでもないが超能力者間のそれぞれの差と役割の前には絶対的な隔たりが存在している。
「あれは確かに良い器だ。人の身に余る力、それを振るうに足る可能性を秘めている。必要な素養は持ち得ているが……しかし逆に言えばそれまでだ。仮にそこまで伸びたとしても更なる高みへ届く事はないだろう。精々がその頂までだ。それでは存在を映すに過ぎない受け皿。頂を識る事は出来ても至る事は到底叶わない。あれには足りないピースが多すぎる。そんなものをあなたが気に掛ける理由が私にはわからないのだよ」
 アレイスターの内に浮かぶ明確な疑問。
 あの位階に達している存在が心を砕く程の価値があるのか。
 それほどの何かがあの『未元物質』にはあるのだろうか。
『「第一候補」になる理由は何があるんでしょうか? 二位じゃダメなんでしょうか』
 突然、間抜けな口調で言ってから電話口でエイワスは笑った。
 その異様さにアレイスターは彼にしては珍しく面食らう。
 久方ぶりに対話をかなえたかの聖守護天使――或いはシークレットチーフとは、こんな軽口を叩くものだったろうか。
 予想に反するイレギュラーに。
 アレイスターは自らの思考プランを狂わされるのを感じていた。
 彼相手にそんな事が出来る相手は世界にそう存在しない。
 言葉を失うアレイスターに、エイワスはとりなすように続けた。
『冗談はさておき、垣根帝督の何が一体君は気に入らないのだね。かつての君ならあの物質の価値はもっと高くつけたんじゃないかと思うが。今の君は科学により過ぎている嫌いがないか』
「エイワス、私はあなたがそうも垣根帝督に注目する理由を教えてもらいたいのだよ」
 アレイスターでさえ未だ及ばない『道を知る者』であるこの存在が一体何を見出そうとしているのか。
純粋な、興味があった。
『そうだな。垣根帝督の示す素養の一つ、その能力は名前からして愉快だ。付けたのは誰だ、彼自身か研究者か。どちらにしても実に皮肉めいている。
「宇宙空間を満たし、人間が見知る物質とは反応しない」とされる暗黒物質ダークマターの名で「かつて微粒子間を埋める微細な存在とされた物質」であり「宇宙を満たし『永遠なる光の一点』の性質を示すもの」を基に発生する「人智を超える新たな物質」を表そうと言うのだから。
人に許された器の領域のほとんどの機能を使って、あの「未元物質」は地上へと降ろされているのだろう。それを扱う垣根帝督もまた、それに必要な多くの性質を備えて生まれている。あの「第一候補」と同じようにだ』
 魔術師であったアレイスターにすれば取るに足らない既知をエイワスはわざわざ口にした。
 それを再認識させる事が重要だと。
 そこに価値があるとでも言いたげに。
『後はほら、名は体を現すと言うだろう。「周囲を取り巻きその範囲を限るもの」の「物事の本来の性質」を「中心となり率い」「取りまとめる者」と言うと、垣根帝督のあの大仰な名前すら実に似合いだとは思わないか』
「それは流石に言い過ぎじゃないか」
『そうかな。「神浄の討魔」も大概じゃないか? 別に私も本気で言っているわけじゃないぞ』
 思わず失笑が洩れる。
 しかしエイワスの真意、本気など測りようもない。
 数少ない、アレイスターが御する事の出来ない存在がこの対話相手なのだから。
「だが、やはり彼らは比べると不完全な『未元物質』では不足しているものが多すぎる。『一方通行』なら供給さえされればその後の調整と最適化は自身で補う事が出来るが――」
『実際触れてみて、あれは実に優れた能力だと私も思う。知識を、情報を集積するだけではない。適合し、増幅させ、コンジャクションにおけるあの象徴の、天体の質さながらにそれを振るう。まだその本質には及ばないが彼は現段階にふさわしい働きを充分こなしている。
だが不足を指摘するなら、彼らにはそれぞれ足りていないものがあるだろう。能力を扱うソフトの面の問題がまずそれだ』
 一体何がそこまでさせるのか。
 両者を比較し、エイワスは改めて『未元物質』の有益さを示したいのだろうか。
 回収した『第二候補』に現段階でそこまで意識も力も割いていないアレイスターにすれば実に不可解だった。
『「第一候補」の持つ力は畏怖の象徴であり力を備えた智。しかし、未熟なそれは滅びを齎すだけの破壊であり能力の持つ価値を現せなかった。身勝手なだけの力は他者を傷つけ、抑圧と破壊を繰り返す事だけに使われた。
そうして周囲から隔絶され、有益な実験動物として繰り返された実験は彼から情熱を奪い目標すら見失わせる。自己防衛機能としても無感情に固まらざるを得ない思考ではとても自ら現状など動かせないからな。こちらの方は、後から多少修正させる事が出来るようだが……まだそれも充分ではない』
 惜しんでいるのか、愉しんでいるのか。
 どちらとも取れない声音でエイワスは続ける。
『「第二候補」の可能性は発展と恵みを齎す創造だ。しかし、こちらも同様に真価は発揮出来ないでいた。能力者としては素晴らしい成長を遂げても、定められた線は決して越える事が出来ないのも彼が背負った業の一つだ。それは彼を増長させ、自らを悪の道に貶める。留まる水はいつしか濁り、安定した環境は淀んでいかざるを得ないものだ。
そんな彼はいつしか望みを叶える手段すら奪われた。そして超能力者として育まれた彼を抑圧し押し止めるものは存在しなかっただけに、出来上がったのは時にその剥き出しの感情に支配されかねない。バランスを大きく欠いた危ういものだ――と、まあ恐らくはこんなところだろう? 
私とて仔細を完璧になど把握してはいないからね。他方に寄ったただの推察に過ぎないが、そう遠くはない筈だ。ここまでは定石どおりだろうからね』
 無言でアレイスターはエイワスの話に応じる。
 その通り、現状は描いた『プラン』の範囲内だ。
 イレギュラーな現象も有利に活用する事で計画の修復ははかれている。
 超能力者の成長も、招いたあの右手の働きも、周囲の勢力との緩衝も。
 一切はアレイスターの手の内にある。
『元よりバランスを欠いた彼らの事だ。いずれ陥る状況などそれと知っている者には自明の理と言った所だろう』
 そういって示されたのは第一位第二位それぞれの、一つ上の階層において。著しく均衡を欠いた時生じるだろう不具合。
 柱の移送を同じくする彼らにも充分あてはまるその理は、今の状態もなぞらえたように重なっている。
 事態は、予め描かれた図面の上を規定に沿って進んでいる。
 この存在にとってそんな事はわざわざ検めるまでもない筈だ。
 しかし、エイワスは語る事を止めなかった。
 一体何に、そうまでさせる意味と価値を見出しているというのか。
 アレイスターには到底理解が及ばない。
 さながら鬼札。
 アレイスターの手にすら余る、その存在の声が言葉が。
 示すもの一切がゆくゆくは障害となり得る可能性に。
 アレイスターでさえ、感じる事の久しい危機感と焦燥が意識の端に上るようだった。
「何が可笑しい」
 唐突に忍び笑う声が響いた。
 それにアレイスターの声が揺らぐ。
 喜怒哀楽のどれともとれる、普段の様子よりは明らかに苛立ちが滲んでいる。
 まるで今、その存在を思い出したかのように。
 エイワスは少し遅れて叱責の声に応じた。
『いや、そうか君にはわからないのだったな。済まない、こっちの話だよ。少々愉快な事になっているようでね』
 まだ震える喉で。
 厳密にはそこから発声しているのかも怪しいが。
 その口でどこか懐かしむようにエイワスは語る。
『ある少女の話だ。縁と言うのは奇妙なものだな。彼女がこちらの界に影響を与える確率は極めて低かった。占める要素の多くが結びつかず、条件が揃う事も無い。しかし、その一切をはねのけて幾百幾千の可能性の中から彼女は今回彼を選んだ。それこそ気の遠くなる確率の内からだ。確かに、あの時において新たな楔は打たれたのだ。かつて蒔いた種がこのような形で芽吹くとは、私ですら思いもよらなかった』
 それを聞いたアレイスターの思考にノイズが混じる。
 発信元の座標を視界の端で改める。
 恐らくは同じ空の下、学園都市にいるのだろうにその口ぶりはまるで。
 異国との時差を気にするような調子は、異なる次元にいるようなものだった。
 その違和感を、アレイスターの思考を後押しするように言葉は続く。
『そうだ。世界が、時間が一つの線であるとはまだヒトは証明出来ていないだろう。そこかしこ、その途中に穿たれる「釘」についてはこの街でさえまだ研究中だった筈だ。そのどれを選び進むのかは時に理解も、そして予想すら超える』
「待てエイワス。あなたは一体何を、誰と話しているんだ」
『最近の携帯電話と言うものは便利だな。同時に複数の相手とも会話が出来るんだろう? それと同じく私が意思を交わす相手は何も、今こうしている君だけではないのだよ。私を何だと思っているんだアレイスター。
ヒトのように肉の器には本来縛られない属性を持つ私のような存在が何時いかなる時も、人の呼びかけに応じる事を可能としているのはとうに承知のはずだろう』
 アレイスターに語りかけながら、どこかの何者かと情報を共有していたと明かすと。
 エイワスは自慢げにその一端を示した。
 丁度、かつての接触と同じように。
『君にも少し話しておこうか。そうだな、あちらではそれも必要なくなる……かもしれないぞ』
 そうエイワスの音声が届くと同時。
 アレイスターの眼前に浮かぶモニタ内の映像が切り替わった。
 そのうち一つに、冷蔵庫のような大きな機材に併設された装置が映し出される。
 そこには先日回収された試料が収められている筈だった。
『もちろんこの「垣根帝督」も面白い成長を見せた。第一位との接触、あれだけの情報で未開だったその役割を識るのだからな。あちら、、、はその点少々歪だが将来的には君の「プラン」進行と照らし合わせればあの段階では充分過ぎる程の成長を遂げるだろう。軸を揃えるなら君の『第一候補』はまだ制御領域の拡大クリアランスすら未取得の筈だ。上手く運べば「スペア」では無く「セカンド」としても務まるかもしれないな。今ここの君に教えてはやれないのが残念だが……何、すぐアレイスター=クロウリー、、、、、、 、、、、、の知るところとなるさ』
 至って軽い口調で。
 問題はないとそう口にするエイワスだが、アレイスターにすればただ事ではすまない。

 垣根帝督と言う要素の辿る道は予め決まっていた。
 時期に多少のズレこそ生じるかもしれないが、直接交渉権を餌に第一位とぶつければ無事でいられない事など分かりきっていた。
 実力、能力、条件の差ではない。
 『未元物質』と『一方通行』の差は結果としてそうなるよう組み上がっている筈だった。
 それを覆す。
 そんな想定はアレイスターとてしていなかった。

『あの垣根帝督も、また彼だけではない。彼らが、いや誰もが蝶の羽ばたきで全体論を揺るがす可能性を持っているか。存外、人間とは興味深い。実に面白い。君が軌道修正に腐心する間、私は精々愉快に見物させてもらうとするよ。あの可能性も興味深いからな。彼らが事を知る前に潰えてしまわれては楽しみが減ってしまう』
「いやに饒舌だなエイワス。再び、かつて得た知識について享受賜るとは思ってもみなかった」
 エイワスの示唆した可能性が、実際どれほどの影響を与えるか。
 その確実性はない。
 現段階で垣根帝督は機材で延命しなければならないような肉塊にまで追い込まれた。
 その事実は変わらない。
 それでもアレイスターは、一片の不快感を確かに覚えていた。
『不満そうだな。アレイスター。君の思うよう事が運ばないのがそんなに気に食わないかね。大きな流れは変わっていない、そうだろう? 
巻き込み、捻れ、歪に組み合いながらも降りてくる大局はまだ君の手にある。偶発性の生むイレギュラー、その意外性と愉快さとを楽しまねば。そこから沸き起こる計画外の教えこそ価値ある成長のチャンスだと言ったろう。
芸術に計算し尽くされた美が備わり、精緻な美の比率の存在は科学で解けたとしても。感動を数値化する事は無粋だ。美はそれらを超えた所にある。
観察する科学と生み出す芸術。両者の不断の絆もまた君のよく知る所だろうに。やはりかつての教えなど風化してしまったか』
 アレイスターに望む知識と実現への術を授けた存在は、まるで無知な子どもにするように噛んで含めるように語る。
『しかし君の見せてくれるものは面白い。は良き教え子であり良き導者だったが、その望みは安定と繁栄だったからな。その点、君の欲するものはより私好みと言って良い。こうして再び言葉を交わせる事を嬉しく思っているよ。だが、わざわざこうしてここにいるのだから限られた時間は有意義に過ごしたいと思っている。私が欲するものがあるとしたらそれは退屈な眠りでも、馬鹿げた崇拝でもないからな』
 かつて教えを乞うた身でもある。
 アレイスターはその言葉を黙って聞いていた。
『人為的なケテルへの接続、人工的な『流出』の再現が適えた人為的な原石の発現、と言って外れていないだろうかね。能力者の開発、一先ずの君の目論見は至って順調らしいな。おかげで私もこうしてここに現出出来ている。「無限の光」の中で生じる「最初の顕現」が「原初の未顕現」へと存在と言う結晶を結ぶ観念に関しては、その指標が例え甘くても塩辛くても、現象にその在り様に大きな違いはないからな』
 あの第一位にも同様に、自らのその存在について示したらしいが矢張り言葉が足りず伝える事が出来なかったのだろう。
 その本質を知るには人間は困難な道を征かねばならないのだから。
『だが、君の「プラン」の前ではかの「知識」でさえもさして重みはないのか? あの鍵を得れば界の、次元の書き換えも可能だろうが、それすら過程とするなら君の目指す先はまだ期待を裏切ってくれそうでなによりだ』
 アレイスターのプランにまつわる要素を、何とかヒトの言葉で。
 言語としての枠の中で乱れ、散逸しない程度に置き換えながらエイワスは続ける。
『未顕現の光の器、「智恵」と引き換え隠された「知識」。失われた園の鍵、ヒトの人の子たる所以。かの珠玉を君はどこに示したのだったか。東洋贔屓は相変わらずかな。
「第三脳室」、間脳、生命の最小単位になど細分化して、後に残る哀れな総和と座標系の傀儡は――行く末など聞くまでもないか』
「言われるまでもなく有用な資源だからな。きちんと有効利用はしているはずだ」
 人間の、生物のうちヒトのみが至る事の出来るだろう可能性。
 それを知るためには、人間の定義さえ新たに線を引く必要があった。
 意志と五体を備え、その構造によってミクロからマクロへと力を反映する事の出来る存在。
 開発可能な能力者、そもそもの人間の条件を明らかにする事が必要だった。
 学園都市の能力使用に演算は不可欠だが、考えるだけなら残りのパーツは不要とさえ言えるのだから。
 その研究はあちこちで行われた。
 実際に脳を切り分けどこに何が宿るのかを調べていた者も居た。
 その結果生じる不要なものの処理さえ、アレイスターは承知している。
 それに改めて目を向ける事を効率的だと思えないだけだ。
『魔術の側で大きな影響力を持つ十字教。彼らの掲げる「聖人」でさえあの「神の子」を目指した末に見出した模造品に過ぎない。
確か君らの口にする「神」とは、その姿を現さないのだったな。無事にまみえる事が適うのはごく限られた存在だけだ。だが、「神の子」は違う。ヒトの間ではそうだったかな』
 その問いかけに。
 アレイスターはかつて得た知識を思い起こす。
 容易く人の間に現れ大いなる力、その御業を振るう者として優れた器。
 長く、数多く伝わる話の内に僅かでも真実があるのなら。
 あれもまた、恐らくは人間だった。
 磔、打たれ刺され、そして一度は命を落とした。
 神に愛されたヒト。
 かつて一人の魔術師として確かに名乗ったものであれば、それに興味を抱くのは当然だった。
『それが魔術では為し得ないと悟っても実行できるものがどれほど居るか。君らしい、冒涜的な意志の現れだよ』
 
 魔術は。
 そもそもが力を持たないものが、力を持った者に近付く為に拓いた道だ。
 その最たる例、手本の一つが『神の子』だった。
 だが、そこが魔術を選んだヒトの、一つの到達点だとしたら。
 単なる模倣では『神の子』の得た力の先へとさらに進む事が適わないのも、仕方のない事だった。
 生まれ持った素養の違うものでは、いつまでもそれより先へは進めない。
 
 僅かな感慨に耽るアレイスターに掛けられたのはまるで出来のいい小さな子どもを褒めるような言葉だった。
 策を弄しを思索を巡らせ、長い時間を費やして計画を進めるアレイスターでさえ未だ辿り着かない場所。
エイワスが持つ絶対的な優位、その立ち位置は変わらない。
『……カブトムシ?』
 ふと。
 そう呟いたエイワスは電話口だという事も、アレイスターも構わずに笑いだした。
 どうやら先程言っていた、どこかの何者かは。
 人工的な界の創造によって形を維持し一時的な現出を可能にしている存在さえもまるで、意志と感情を備えた人間のように笑わせる程のニュースを知らせたらしい。
『ははは、はっはっは! 何だ、やはり面白い。実に興味深い。なるほどいいカードを切ったじゃないか! そして手順は極めて正道、先達の慣習も踏襲出来ている。地上に一度足を降ろした者は、その衣を捨てなければその先、、、へは進めない。彼はどうあっても与えられた役割にそって上手にこなしてみせるようだな』
 少しの間堪えきれないらしい声を洩らし続けるとエイワスは満足げに喉の奥で笑った。
そして再び口を開く。
『さて、君の『プラン』に沿って順当に行っても垣根帝督が「スペア」などと言う器に収まっているかは時間の問題だろう。上手く使う為にはもう片方との釣り合いも必要だな。何事も中庸、均衡、それらバランスがなくてはならない。
いずれにしても君は、あくまでまだである彼らに随分と無茶をさせたいらしい。まあ彼らにはそれだけの手間を掛ける必要も価値もある。まずは速やかに、場と器を整え新たな意識を最適化させない事には次の段階には進めない。集められた光が焦点を通るのはそれからだ。
しかし、君の示唆したやり方があちらとそう変わらないのならば。kzil帳pvglを過ぎて浴びる光は未熟なpvnlmlml意識には強すぎる。異化と同化を正しく作用させ、まずは彼ら自身をnznlif事が最初の段階か。でなければあっさりとhlmlnrdl裂pfplglmr』
 エイワスの言葉が急にブレ、乱れる。
意味不明な音が割り込むような現象が通話中の音声情報をジグザグに引き裂いた。
だが、ヘッダ、無意識下の先天的構造領域の不足から生じる対人間への言語伝達不全とはどうやら様子が違っていた。
『おっと失敬。少し混線しているらしい。あちらの影響が抜け切れていないな。何、事態としてはただのテムラーAThBShの筈だ。君ならよくわかるだろうがね』
「言われずとも承知しているが。音声になると些か鬱陶しいものだな」
『かと言って気にする程でもないだろう。だがこちらとすれば厄介だよ。ただでさえこちらはヘッダが足りない。わざわざソースを開示し情報を与えるなんて事も容易には出来ないのだから。その上更に手間が増えては対話の価値も充分に楽しめない』
 それが残念だと言わんばかりに、エイワスは溜め息まで吐いてみせた。
矢張りアレイスターにはその意識が理解出来ない。
重視する要素も優先すべき事柄も何も。
エイワスの視線の先にはアレイスターの考えも及ばない、知りえないものが映っているに違いなかった。
その、、垣根帝督もゆくゆくは力動の作用点としての働きは充分に果たすようになるだろう。予てからの役割にも沿う傾向の筈だが……簡単に変容作用の原点たる「神の刻印」を見失うような事があればまだまだかもしれないな。その辺りは今後に期待するほかないだろう。彼に限らず「自己」探求の旅とは。手段は簡略化されお手軽にゲートウェイすら叶う時代とは言っても、古今人間とは全く人らしい道を選ぶものだ』
しみじみと口にするその響きは案外人間への興味が溢れているのかもしれない。
だが。
上から見下ろすものにすれば、力ない小さなものが挙って這い回る姿などほんの暇つぶし。
下らない一興に過ぎないのだろう。
『それは彼らも、また君でさえ変わらないのだろう。かつて君が意思の変化の為に求めた技術、、はどちらもトートの域にあるものだ。それはまるで血を分けた兄弟のように近しく、その性質ゆえにどちらも同じ力を求めている。例えば。水車を回すには水が必要だな。そしてその新たな水を得る為の水脈を示した地図はいずれ両者どちらの手にも渡るようになるだろう。おっと、これはにはまだ早すぎたかもしれないね』
 愉快そうに付け加えられた言葉に。
アレイスターは苛立ちなど最早感じていなかった。
『未元物質』のかねてからの、そして未だ発展途上のその性質と与えられた役割などアレイスターは重々承知している。
それでも第二の位置を充てるのは拡張性と利便性で劣るからだ。
幅と威力は確かに膨大だが、却ってあの特性は扱いづらい。
「その『未元物質』だが。そのまま扱うには単純に効率が悪い。プランの短縮を図り最適化を可能とする『第一候補』の方がコストがいい。他の作業と絡め、平行して使う事も出来るからな。それが私の理由だ」
『何も第一位を評価していないわけじゃない。ただ、第二位も放っておくには勿体無い気がしないか。確かにあれは持て余しそうだが』
「あなたの言うようにゆくゆくは上手く使われてくれるのなら有り難いよ。質問には答えた筈だ。お喋りとはこの辺りでいいのか」
『ああ、そうだな。では一つ提案しようか。君の「プラン」にのっとるなら「風斬氷華」「打ち止め」「一方通行」を用いて「三位一体」とするやり方もあったろうが……「一方通行」「未元物質」そして私でその三つ組を為す、と言うのもアリじゃないか?
上手く釣り合いがとれる事が大前提だが。事態の発展を上手く八つ組オクターヴに乗せようとするならばどの階層、次元においても中央の軸がきちんと取れていればそう問題ないだろう。その点、私の応用性ときたら状況にあわせて対応可能だからな。それなりに融通も利くのではと思うのだが』
 エイワスの発言の突拍子のなさ、その余りの内容にアレイスターは言葉を失った。
 まさか自身の『プラン』にここまで干渉するような事態をエイワス自身が考えていたとは想像していなかった。
『おや、とんだ失言だったか』
「あなたの与える言葉がそう言うものだと言うのは承知している。優位な上で物を言うのはさぞや愉快だろうなエイワス」
『少々気分がいいからな、愉快なのは違いない。そんな事でらしくもなく浮かれていたとは、私ですら思いもよらなかった。彼ともまた話してみたいものだが……そう幸運も続かないだろう』
 ほぼ一方的に話し続けるエイワスの気はどこかそぞろだとアレイスターも気付いてはいた。
しかし、最早今ここ現状にはそれほどの興味を傾けていないらしい。

「私は使えるものは何であれ使わせてもらう。それがあなた自身であっても手を借りるような真似をしようとは思わない」
感情を滲ませて気色ばむ。
実にらしくない態度を示す『人間』アレイスターに『怪物』エイワスは事も無げに告げる。
『アレイスター。そう警戒せずともいい。私は見合うだけの価値のある事しか実行しようとは思わない。今のどの状態も面白いものだからな。いずれにしてもわざわざ盤外から手を出すと言う事にまでは興味も価値も感じない。ちょっと言ってみただけだ』
 名残を惜しむどころか挑発的にすら思える科白を口にすると。
 エイワスは掛けてきた時と同様、一方的に通話を切った。
『さて。それではアレイスター。また価値と興味が湧いたその時に』




■ * □




「残念だったな。あれはテメェにはやらねえよ」

「そうです! そのおまじない、ひいおじいさんのと一緒です」

「まさか虚無は、ゼロってのは……いや、ありえねえな。幾ら何でもそりゃあ出来過ぎだ」

「単なる者、小さきものよ。我はそれを伝える言葉を知らぬ。未だ理を知らぬ単なる者よ」

「ネズミ捕りなあ。ちまちま小物狩るってのは面倒臭えだろ」

「あら……あなたもこの子と同じなのね?」

「そう。『神の右手ヴィンダールヴ』」

「まったく世話の焼ける使い手だよ」

「よりによってあいつ、、、だと? ナメてやがるな……っつったく冗談じゃねえぞ」

「何故だ。何故、蛮人が、それもシャイターン悪魔の手の者が……いや、そのような事は赦されない。『大いなる意思』への冒涜だ」

「垣根帝督はテメェの思うような――いいヤツでも、ましてやヒーローなんかじゃないぜ?」

足りねえ、、、、っつってんだよ! クソがぁあああ!!」

「テイトク……あんた」


「言ったよな」

「俺の『未元物質ダークマター』にその常識は通用しねえ」



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『あの魔神は世界を終わらせ…いや、閉じる事を叶えたぞ。ふふ、君の反応と言ったらなかなか愉快だった。仮に想定済みだと言っても、そんな経験はなかなか出来まい。機会があれば、君も一度味わうといい』
「信じられない、と言う言葉はあなたには無意味だな。……まだ、あの右手がこちらにはある」
『「幻想殺し」、実に便利な力だな。能力者は未来を書き換え、魔術師は過去を読み解く。だがあれは、ヒトが手を加えた過去も未来も打ち消す』
「今ある形が世界の姿。それを保ち繋げるのがあの右手だ」
『正負も正邪もなく、数瞬前の過去を帳消す。ゼロ、基準点である彼には未だ選択の余地はないが』
「あの右手があればいかに未来の可能性を捻じ曲げようと、過去の伝承を汚そうとも構わない。全ては零に返るのだから」
『都合のいい修正機能だ。UNDOに留まらず、その役割をどこまで全う出来るかは彼次第か』



『君はある意味で邪法と呼ぶかもしれないが……人が可能とする単純で深遠なあの方法なら、君の欲する鍵を得るだけでなく現段階のブロックと先の行程の幾つかは解けてしまうんじゃないか?』
「はっきりと言いたくはないが。真逆『貧者の瞑想』の事ではないだろうな」
『そうだと言ったら何だと言うんだい。足りない物を獲得し、道を行くのが困難だと言うなら単純に手を増やせばいいじゃないか。何の為に人は不完全であり、完全な似姿だと言うのか。一石二鳥の案だと思うのだが。確かに問題も多い、実に多い』
「そう言う問題ではない」
『何だ、君も覚えがない訳じゃないだろうに。だが、実行して確実に成果が出ると仮定してもだ。その組み合わせは多岐に渡る。第一位などは単純に倍近い候補が考えられるだろう。それと、聞いた話だが固定化されないとそれ故に論争、、を生むらしいな。後、最近は規制もあるらしいじゃないか。それを踏まえれば現時点の学園都市では実行は難しいかもしれないがあそこxxxならあるいは……』
「……確かに、あなたの意見も最もだ。先入観や偏見を取り払い考えれば、帳尻を合わせる手段としては有効かもしれない。しかし、それをすれば今まで積まれたものが、集めたピースの全てが台無しになる。あなたはそうは思わないのか。かつてのやり方はもう改めたのだよ」
『アレイスター、繰り返すが私は見合うだけの価値のある事しか実行しようとは思わない。今のどの状態も面白いものだからな。いずれにしてもわざわざ盤外から手を出すと言う事にまでは興味も価値も感じない。ちょっと言ってみただけだ』
「あなたの事だ。有り得ないとはいえないだろう」
『ちょっかいを出すくらいなら自ら参加するよ。何、そう言った意味でも私は状況に応じて対応可能だ。折角変形機能もあることだし』
「たのむからやめてください」


「翼の数は七十二! ざっとテメェの十二倍だ!」
『反転「堕天形態ディジェネレイトフォーム」』
「……は?」


「こんにちは、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールさん。あなたの使い魔垣根帝督です」
「いやぁぁぁああああああ!! わたしのテイトクは?!」


「それはあれだよ。彼女は鈴科百合子ちゃんだ」
「んなのみてるかっつーの。気持ち悪い」


「かきねていとくよまたゆかいなオブジェになってしまうとはなさけない。またやり直しか? 君は彼ら以上に厄介で手が掛かるようだが、そろそろ見ていて飽きてきたぞ。イベントを追加するのではなくあちらの筋書きに手を加えるべきだろうか。いっそルートごと変える事を検討すべきかもな」


「バナナは嗜好品だからおやつの範疇って話があるみたいだけど……っつってかそっちってバナナあったっけ?」

「医者の仕事は患者の為に処置することだね? どうするかの決定権は僕にはないよ」



「こんなもんで終わると思ったら大間違いだっつってんだろ。ばーか」
(/span)

■ * □




「さてさて。暫くは退屈せずに済みそうだな。あちこちで大きく事態は動いている。舞台も役者も疾うに揃った。先ずは――ロシアか。あちらはまた暫く続報を待つ事になりそうだしな」
 溢れるような長い金髪を揺らし、エイワスは手の中の携帯電話を転がした。
 建設中のビルの端に立つ怪物は夜空を見上げる。
 視線の先にあるのは輝く月か、幾光年と離れた遥かな星か。
 それとも全く別の何かなのか。
 その表情からそれを窺い知る事は、恐らく誰にも適わない事だった。
「時代、思想、宗教、そんなものが幾度移ろうとも、根底に敷かれたルールはそうやすやすと変わらない」
 一度止めた足を再び前へと進みながら。
 まるで謳うようにエイワスは呟いた。
五芒星ペンタゴンが示すものは変わらない」
 眇められた目は変わらず中空に向けられている。
世界マクロコスモスに相対する人間ミクロコスモスの力の象徴に他ならない。そうだろう」
 誰にともなく発せられた言葉が夜風に紛れる。
 問うように。
 挑むように。
 嘆くように。
 心底、愉快そうに。
「さて。前座は終わり、いよいよ幕開けだ。楽しい楽しいショータイムの始まりだよ」
 価値と興味。
 単純な行動原理を掲げる怪物は両手を広げそう嘯く。
 その様は祝福を――或いは真逆の何かを――ヒトに与えんとする天使のようだった。



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二人とも解説してくれないから本文を少し足してみたがわかりやすさには繋がらなかった。
本編の本番で解説予定、今回ほぼ単語だけですが。
捏造設定のネタバレ部分を追加。今後も修正予定。
アインへ至る為のケテル生命の木の頂点が魔術師同様、アレイスターの描く人間能力者の最高到達点である。
と言うのが下敷きにある妄想でそっから都合よく枝を広げています。
15巻の黒翼と白翼の対比っつってか、最初のとっかかりはまんま翼と柱の色でした。
生命の木については筆者の理解がまるで足りていないので、表現もなにも噛み砕けていませんがご勘弁を。

禁書原作とは異なる今作独自設定です。大惨事必須既に痛々しく大火傷の感。
新刊いつ読めるか

チェックの甘さが嫌になるけど字数制限ないからスマフォえらい。とてもえらい


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