それは偉大なる物語だった。
尻尾の生えたとても優しく、とても強く幾度と無く世界を救った少年の物語だ。
その少年は己の限界を極め、地球はおろか、宇宙の危機までも、あの世の世界すらも救った英雄だ。
その名は孫悟空といった。
彼は最後の戦いの終結後、神龍の背中に乗り、かつての仲間に別れを伝えた。
後、彼の姿はこの世界で見たものはいない。
「あれ?ここはどこだ~?」
「アンタ、だれ?」
「オラ?オラ、孫悟空だ」
「ソンゴクウ?」
私は今猛烈に混乱している。だって、え?何で人が召還されちゃったの?しかも平民だし。あ~もう訳が分からない!!
とにかくこんな得体の知れないのと契約なんかしたくないわと私は思い、コルベール先生にやり直しを要求した・・・んだけど
「そうは行かない。この召還の儀はありとあらゆるルールに優先される神聖なものです。確かに人間が召還されるなんてことは聞いたことありませんが、好む好まざるを選ぶことなど出来ません」
「でも・・・」
「“でも”も“へったくれ”もありません。あなたはいつまで時間を掛けるつもりですか?あなたが最後なのですよ?」
そう言われて何も言い返せなくなっちゃった私はあきらめて、この小っさい平民と契約をするために杖をそのつんつん跳ねている頭に当てて呪文を唱えてキスをした。
まったく、誰かしら。契約の方法をキスにした人は。
「おめぇ、オラに何したんだ?」
「使い魔の契約よ」
「・・・契約? てワァ~チチチ!!!」
「大丈夫よ。ルーンが刻まれているだけだから」
「お~イチチ・・・あれ?なんか左手に変なのがうきでてっぞ?」
しばらく騒いでいた平民は契約し終わったのかのた打ち回るをやめ左手についたルーンを見ていた。
それを見てタイミングを見計らっていたコルベール先生は私に声をかけてきた。
「どうやらコントラクト・サーヴァントは無事成功したみたいですね」
それはドーモ。正直嬉しくないわよ。周りからは何かしらヤジを飛ばしてくるし。
そしてしばらくして私とこのへんてこな平民、改め使い魔以外のみんなは空を飛んでいってしまったわ。
あ~もう!どうしてこんな使い魔が出てきちゃったのよ!と私は悔しくてこのチッサイ平民に怒鳴りつけてやった。
「アンタいったい何なのよ!!」
「オラ?さっきも名前言ったと思うんけど」
「違うわよ!そういうことを聞きたいんじゃなくってアンタいったい何者なのよ!」
「あぁオラは地球育ちのサイヤ人だ。だからオメーらから見ると宇宙人ってことになんのか」
チキュウ?サイヤジン?そんな単語聞いたことないわ。なんか知らないけど尻尾生やしているし。・・・ん?尻尾?
「ア、アアア・・・アンタ。ソソソ・・・その尻尾、本当に生えてるもの、なの?」
「ん?本当に生えてっぞ~・・・ホレ」
そう言いながら使い魔はズボン下しこっちにお尻を向けながら尻尾をフリフリと揺らしながら私に見せてきた
「え?・・・ええええええええぇぇぇぇぇぇ!!!?」
私わ思わず驚いて大声で叫んでしまったのだった。