プロローグ『親愛なる友へ』 天乃鈴音は、薄れゆく意識の中で多くの人のことを思い出す。両親、椿、そして今目の前に立っているだろう少女のことを。ああ、死ぬのだな、と鈴音は思う。同時に、このままでは終われないとも思う。多くの少女を殺してしまった。間違った正義に基づいて、偽物の正義に基づいて、無辜の少女達を殺してしまった。殺した少女の名前は全員思い出せる。反芻して、鈴音は少しだけ笑った。これが、償いか。 でも、マツリ、あなたとは──────もっと一緒にいたかった。 鈴音の意識は光に飲まれていった。