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No.4371の一覧
[0] ゼロの使い魔と炎の使い魔(ゼロの使い魔xデジモンシリーズ〈フロンティア中心〉)[友](2009/03/15 21:23)
[1] プロローグ[友](2008/10/07 18:36)
[2] 第一話[友](2008/10/07 18:51)
[3] 第二話[友](2008/10/10 19:17)
[4] 第三話[友](2008/10/13 16:12)
[5] 第四話[友](2008/10/20 17:57)
[6] 第五話[友](2008/10/26 04:02)
[7] 第六話[友](2008/11/01 17:51)
[8] 第七話[友](2008/11/08 17:50)
[9] 第八話[友](2008/11/15 12:02)
[10] 第九話[友](2008/11/22 17:35)
[11] 第十話[友](2008/11/29 14:53)
[12] 第十一話[友](2008/12/05 19:52)
[13] 第十二話[友](2008/12/07 21:43)
[14] 第十三話[友](2008/12/14 16:23)
[15] 第十四話[友](2008/12/21 12:18)
[16] 第十五話[友](2008/12/28 16:54)
[17] 第十六話[友](2009/01/01 00:05)
[18] 第十七話[友](2009/01/02 16:26)
[19] 第十八話[友](2009/01/09 00:29)
[20] 第十九話[友](2009/01/11 06:34)
[21] 第二十話[友](2009/01/15 20:24)
[22] 第二十一話[友](2009/01/18 17:32)
[23] 第二十二話[友](2009/02/01 11:52)
[24] 第二十三話[友](2009/02/01 11:54)
[25] 第二十四話[友](2009/02/08 22:23)
[26] 第二十五話[友](2009/02/15 11:45)
[27] 第二十六話[友](2009/02/22 20:46)
[28] 第二十七話[友](2009/03/01 13:24)
[29] 第二十八話[友](2009/03/08 19:44)
[30] 第二十九話[友](2009/03/14 00:18)
[31] 第三十話[友](2009/03/14 21:51)
[32] 第三十一話[友](2009/03/15 21:22)
[33] 第三十二話[友](2009/03/26 19:38)
[34] 第三十三話[友](2009/04/11 22:44)
[35] 第三十四話[友](2009/04/11 22:43)
[36] 第三十五話[友](2009/05/02 13:14)
[37] 第三十六話[友](2009/05/02 13:13)
[38] 第三十七話[友](2009/05/04 18:13)
[39] 第三十八話[友](2009/05/05 10:08)
[40] 第三十九話[友](2009/05/05 16:55)
[41] 第四十話[友](2009/05/31 14:53)
[42] 第四十一話[友](2009/06/21 11:00)
[43] 第四十二話 7/19修正[友](2009/07/19 20:21)
[44] 第四十三話[友](2009/08/01 12:23)
[45] 第四十四話[友](2009/08/12 13:39)
[46] 第四十五話[友](2009/08/31 23:37)
[47] 第四十六話[友](2009/09/12 20:57)
[48] 第四十七話[友](2009/09/13 16:58)
[49] 第四十八話[友](2009/09/19 00:53)
[50] 第四十九話[友](2009/09/27 10:46)
[51] 第五十話[友](2009/10/17 16:40)
[52] 第五十一話[友](2009/12/06 14:33)
[53] 第五十二話[友](2010/08/08 22:23)
[54] 第五十三話[友](2010/08/22 23:45)
[55] 第五十四話[友](2010/09/26 20:09)
[56] 第五十五話[友](2010/09/26 20:08)
[57] 第五十六話[友](2010/11/20 11:51)
[58] 第五十七話[友](2010/12/12 23:08)
[59] 第五十八話[友](2011/01/02 19:02)
[60] 第五十九話[友](2011/01/24 14:57)
[61] 第六十話[友](2011/02/13 19:25)
[62] 第六十一話[友](2011/02/13 19:22)
[63] 第六十二話[友](2012/01/15 20:45)
[64] 第六十三話[友](2012/01/15 20:39)
[65] 第六十四話[友](2015/02/08 17:28)
[66] 第六十五話[友](2015/03/08 21:45)
[67] 第六十六話[友](2015/05/03 15:33)
[68] 第六十七話[友](2015/06/07 21:34)
[69] 第六十八話[友](2015/10/18 17:11)
[70] 第六十九話[友](2016/02/28 20:03)
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[4371] 第二十五話
Name: 友◆ed8417f2 ID:11075f73 前を表示する / 次を表示する
Date: 2009/02/15 11:45
ようやく情報収集任務を終えた拓也達。

次に起こった出来事とは?


第二十五話 実家への帰郷。アイナの家族。


情報収集任務を終えた、拓也、アイナ、才人、ギルモン、ルイズは王宮へ呼び出されていた。

今は、アンリエッタ、ウェールズと謁見している。

「ルイズ。そして皆様。今回の任務本当にご苦労様でした」

アンリエッタが全員に労いの言葉をかける。

「姫様のためなら、このルイズ。何時如何なる時でも姫様のお力になりますわ」

ルイズは跪き、そう返す。

「ありがとう、ルイズ」

アンリエッタはそう言うと、態度を改める。

「今回皆様に集まってもらったのは他でもありません。来るべきアルビオンとの戦いについてです」

アンリエッタのその言葉に、全員が動揺する。

ウェールズが前に出る。

「今からそう遠くない未来・・・・・・恐らく数ヵ月後になるだろうが、トリステインとゲルマニアの連合軍はアルビオンへ攻撃を仕掛ける」

「「「「!?」」」」

「?」

拓也達は、驚愕する。

言っている意味が分からないギルモンだけは首を傾げていた。

「その連合軍を指揮する総司令官は僕が務める。僕は、父上の願い・・・・・アルビオン王国の復興を果たしたい。いわば、この遠征は、僕の我侭と言っても相違ない」

「そんな!?」

ウェールズの言葉にルイズは、違うと言おうとした。

しかし、

「いいんだ、ラ・ヴァリエール嬢。勝つだけなら、交易封鎖などの手段もある。それをせずに、遠征を行なおうとしているのだ。僕は大罪人だよ」

「殿下・・・・・」

「本来なら、このような事を君達に頼む事は筋違いと自覚している。だが、恥を承知で頼みたい。君たちの力を、僕に貸してはくれないだろうか?」

ウェールズは頭を下げながら、そう頼んだ。

「わたくしからもお願いしますわ。ウェールズさまに力をお貸しください」

アンリエッタも頭を下げた。

その行動にルイズは慌てた。

「そ、そんな!頭をお上げください!この国のためなら、この命、いくらでも差し出す覚悟は出来ております!」

ルイズはそう言う。

アンリエッタは微笑むと、

「ありがとう、ルイズ。やっぱりあなたはわたくしの一番のお友達です」

そう言って、ルイズの手を握る。

「姫さま・・・・・・」

ウェールズは未だ無言の拓也へ視線を移す。

「・・・・・・俺に頼む理由は、ブラックウォーグレイモンですか?」

ウェールズは頷く。

「その通りだ。奴はアルビオンの純粋な戦力ではないとはいえ、もし気まぐれだろうと万一相手側に付くようなことがあれば、こちらが圧倒的に不利になる。君には、漆黒の竜人を抑える役目をしてほしい。通常の戦いに加わってくれとは言わない。漆黒の竜人が出てきたとき、奴の相手をしてくれればいい。君のような年端も行かぬ子供に・・・・・なによりこの世界の住人ではない君に、このような事を頼むのは真に心苦しい・・・・・・・本当にすまないと思っている」

「・・・・・・・・・」

ウェールズの言葉に拓也は考える。

「・・・・・・才人さんは・・・・・やっぱり行くんですか?」

拓也は才人に問いかける。

「だろうな・・・・・・俺自身も・・・・ルイズをほっとけねえ」

才人は呟く。

拓也は、更に考える。

「学院の皆も・・・・・戦争に行くのか?」

拓也は疑問を口にする。

「そうね・・・・・男子生徒は軍に志願するでしょうね。ギーシュは、父親が元帥だから、先ず間違いないわね」

ルイズが答えた。

「そうか・・・・・・・」

拓也は俯き、目を瞑る。

そして、何かを決意したように目を開き、顔を上げる。

「わかりました。協力します」

そう拓也は言った。

「そうか。すまない「ただし」ッ!?」

ウェールズの言葉の途中で、拓也が口を挟んだ。

「条件があります」

「言ってくれ」

「ふざけた命令には従わない。それに、無意味に命をかける奴がいたらぶん殴ってでも止めます。それでもいいなら」

拓也の言葉に、ウェールズは頷く。

「君ならそう言うと思ったよ。アンリエッタ」

ウェールズは視線をアンリエッタに移すと、アンリエッタは頷いて前に出る。

そして、書簡を拓也と才人に渡した。

「それがあれば、戦時中のあなた方の言葉は、このわたくしに次ぐ命令権を持ちます。あなた方の行動が、1人でも犠牲を減らす事を信じての配慮です」

そして、一呼吸置き、ウェールズが口を開く。

「いずれ知らせが行くだろう。それまでは、学院で今までどおりの生活をしていてくれ」

その言葉で、今回の話は終わった。




2ヵ月後。

先月、アルビオンへの侵攻作戦が魔法学院に発布された。

何十年か振りに遠征軍が編成されることになったため、王軍は士官不足を喫したのであった。

そのため、貴族学生を士官として登用することになった。

一部の教師や、学院長のオスマンなどはこれに反対したが、アンリエッタにマザリーニ、王軍の将軍たちはこの反対を抑えた。

拓也もこれを聞いたときはいい顔をしなかった。

だが、拓也はそういう知り合いを死なせないために、ウェールズへの協力を承諾したのだ。



拓也とアイナは、アイナの部屋で寛いでいた。

特にやる事も無いので、拓也は座って小壜をもてあそんでいる。

その小壜には、『覇竜の涙』が3分の1ほど残っている。

シャルロットの母親を治したときの残りを拓也はシャルロットから受け取っていたのだ。

アイナは椅子に座って読書をしている。

そんな時、

――バンッ!

と、部屋のドアが勢いよく開き、ブロンドの髪の女性が入ってきた。

その女性は眼鏡をしており、その目は鋭く、きつい性格に思える。

その女性を見たアイナが取り乱した。

「エ、エエ、エレオノールお姉さま!?」

アイナにエレオノールと呼ばれた女性は、つかつかとアイナに向かって歩く。

そして、アイナの襟首を掴んだ。

「帰るわよアイナ」

「ちょ!?エレオノールお姉さま!?」

アイナの言葉には聞く耳持たず、そのまま問答無用で引きずっていく。

よく見ると、反対の手にはルイズが引きずられていた。

因みにそのルイズの手には才人が引きずられている。

余りの展開の速さに拓也が呆けていると、

「ちょっと!そこのアナタ!」

ドアから出る寸前で声がかけられる。

「何ぼうっとしてるの!?アナタ、アイナの従者でしょ!さっさと支度しなさい!」

拓也は、何がなんだかわからなかったが、アイナが有無を言わさず連れて行かれたので、『覇竜の涙』が入った小壜をポケットに突っ込み、覇竜刀と地下水を持って後を追いかけた。

尚、途中で見かけたシエスタも、「道中の侍女はこの子でいいわ」の一言で連れてかれた。



そして、現在は馬車の中。

才人とシエスタが並んで座っており、その正面に拓也とギルモンである。

「旅ってわくわくしますわね!」

シエスタはそう叫んで才人の胸に大きめの胸を押し付けた。

「わくわくというより、むにむに、ですね」

激しくゆだった頭で、才人が相槌を打つ。

今のシエスタの格好は、草色のワンピースに編み上げのブーツ。

そして小さな麦藁帽子といった、ちょっとした余所行きの格好である。

そんなシエスタは、拓也がいるというのに、才人に猛烈なアタックをかけている。

才人は、

「シ、シエスタ・・・・・当たってる・・・・当たってるから・・・・・」

と半泣きでしどろもどろになって言えば、

「あ、わざとですから」

とまったく屈託の無い笑顔で言うのである。

「そ、そんな、わざとって、その・・・・・・・人がいるところでそんな、ねえ、きみ・・・・・・」

やめてとは言えない才人は自分の良心をなだめるために、形ばかりの講義をした。

「御者さんなら大丈夫です。あれゴーレムですって」

御者台に腰掛けている若い男は、どうやら魔法の力で動くゴーレムらしかった。

「い、いや・・・・その前に、拓也の目の前だし・・・・・・」

「あら?普段のタクヤ君を見るに、このぐらい日常茶飯事でしょ?」

シエスタは、拓也をチラリと見ながら言った。

「反論の言葉もありません」

即座に拓也は土下座しそうな勢いで頭を下げた。

普段が普段なのでしょうがない。

邪魔者を抑え込んだシエスタの行動は、更にエスカレートしていく。

才人の首筋に唇を押し付け、項をつたい、耳たぶを噛んだ。

それを見た拓也は無言で覇竜刀を抜いて、自分の目の前で構えた。

「た、拓也?何で刀を抜く?」

脳髄が焼け付くような感覚を味わいながら、才人は拓也に尋ねる。

「女の嫉妬の恐ろしさは、身に沁みてわかってますので」

拓也がそう答えた瞬間、

――ドゴォォォォン

馬車の天井が爆発した。

才人とシエスタは爆風に煽られたが、拓也とギルモンは覇竜刀のお陰で無傷である。

その代わり、はね返った爆風が、更に才人とシエスタを襲う事になったが。

拓也達が乗った馬車の後方には、拓也達の馬車よりも一回り大きい、2頭立ての立派なブルームスタイルの馬車が走っている。

その馬車には、アイナ、ルイズとエレオノールが乗っている。

エレオノールは、ラ・ヴァリエール家の長女。

つまりルイズの姉である。

先程の爆発は、当然ながらルイズの『エクスプロージョン』だ。

馬車の後ろの窓から中の様子は丸見えだった。

シエスタが才人にアタックをかけている所を見て、怒りが爆発したのだ。

屋根を吹き飛ばしてなお、シエスタが才人に抱きついていることに気付き、ルイズの目が吊り上る。

更に呪文を詠唱しようとすると、足を引っ張られた。

「きゃん!」

と叫んだ次に、ルイズはエレオノールに頬を抓りあげられた。

「いだい!やん!あう!ふにゃ!じゃ!ふぁいだっ!」

あの高慢な塊のようなルイズが、文句も言えずに頬を抓りあげられている光景を才人が見たら、目を丸くしたに違いない。

「ちびルイズ。わたくしの話は、終わってなくってよ?」

「あびぃ~~~~、ずいばぜん~~~~~、あでざばずいばぜん~~~~~~」

頬を抓られたまま、半泣きでルイズがわめく。

ルイズには絶対に頭のあがらない存在が4人いた。

アンリエッタと、両親と、この長姉のエレオノールであった。

ルイズより、11歳年上の、このラ・ヴァリエール家の長女は、男勝りの気性と王立魔法研究所“アカデミー”の優秀な研究員として知られていた。

「せっかくわたくしが話をしているというのに、きょろきょろと余所見ををするのはどういうわけ?あまつさえ、従者の馬車の屋根は吹き飛ばすし・・・・・」

「そ、それはその・・・・使い魔がメイドと、その、くっついたり離れたりしてたから・・・・・・」

と凄く言いにくそうにもじもじととしながら、ルイズは姉に告げた。

エレオノールは髪をぶわっと逆巻かせると、ルイズを睨みつける。

ヘビに睨まれたカエルのようにルイズは縮こまった。

「従者のすることなんか、放っておきなさい!相変わらず落ち着きのない子ね!あなたはラ・ヴァリエール家の娘なのよ!もっと自覚を持ちなさい!」

「は、はい・・・・・」

しょぼんとして、ルイズはうな垂れた。

「で、でも・・・・・なにも学院のメイドまで連れてこなくても・・・・・・」

「おちび。いいこと?ラ・ヴァリエール家は、トリステインでも名門中の名門のお家よ。あなただってそれはわかっているでしょう?」

「はい、姉さま」

「従者があなたの使い魔だけでは示しがつかないでしょう?ルイズ、貴婦人というものはね、どんなときでも身の回りの世話をさせる侍女を最低1人は連れて歩くものよ」

ルイズは頷くが、内心穏やかではなかった。

この帰省が、一筋縄ではいかないものであったからである。

アンリエッタ直属の女官である“虚無”の担い手ルイズには、侵攻作戦にあたり、特別の任務が与えられた。

尚、拓也の主であるアイナにも同様である。

しかし、ルイズが実家に「祖国の為に、王軍の一員としてアルビオン侵攻に加わります」と報告したら大騒ぎになってしまった。

従軍はまかりならぬ、と手紙が届き、無視したらエレオノールがやってきたのだ。

エレオノールはアイナの両親からも一旦アイナを連れて帰るように頼まれた。

シンフォニア領はヴァリエール領の隣で、ヴァリエール領へ行くための通り道でもあるからだ。




魔法学院を出て、2日目の早朝。

馬車はアイナの屋敷に到着した。

因みに公爵家とはいっても、シンフォニア家の屋敷は普通の公爵家よりも小さい。

アイナの両親は、見栄えや体裁などは余り気にしない性格なのだ。

故に無駄に広くないだけである。

拓也や才人から見れば、十分でかいが。

そこで、拓也とアイナが馬車から降りる。

門をくぐると、玄関の前で、メイドや執事が出迎えた。

「「「「「お帰りなさいませ。アイナ様」」」」」

「ただいま、皆」

アイナは笑顔で挨拶を返す。

拓也は玄関の手前に、2人の少女がいる事に気付く。

2人とも銀髪で、アイナと同じぐらいか、少し低い方がセミロング。

その少女より、また少し低い方は、腰まで届く位のロングヘアーであった。

「クリス、ミーナ、ただいま」

その2人に、アイナは微笑みながらそう言った。

「お帰りなさいませ姉上」

「おかえり、お姉ちゃん」

2人はそう返す。

拓也はアイナに尋ねる。

「妹?」

「うん。セミロングの方はクリス、ロングヘアーの方がミーナ。2人は双子だよ」

「ふ~ん」

クリスのほうは若干固めの印象を受け、ミーナの方はアイナに近いと拓也は感じる。

「姉上。そちらは?」

クリスが拓也の事をアイナに尋ねる。

「あ、ゴメン。紹介するね。こっちはタクヤ。春の使い魔召喚で私が召喚したの」

「使い魔・・・・ですか?人にしか見えませんが・・・・・」

クリスが呆気にとられたように呟く。

「間違いなく人だよ」

「神原 拓也だ。よろしくな」

拓也が挨拶する。

「は、はあ・・・・・・」

「・・・・・よろしく」

クリスは、予想外の出来事に呆けた。

ミーナはおずおずと挨拶を返す。

と、その時、玄関の扉が開いた。

「アイナ、帰ってるの?」

赤い髪のロングヘアーの女性が現れた。

歳は40歳前後といったところか。

「お母様!」

アイナはその女性に駆け寄り、抱きついた。

「おかえり、アイナ」

その女性は優しくアイナを抱きしめる。

「ただいま、お母様」

アイナが抱きついた女性こそ、アイナの母親で名をフレイア。

穏やかで優しい雰囲気を持ち、アイナを大人にして、髪を長くした容姿だ。

正に親子と一目でわかる。

フレイアが拓也に気がついた。

「あら、あなたは?」

フレイアは拓也に尋ねた。

「え~と、アイナの使い魔で、神原 拓也といいます」

拓也はそう答えた。

「アイナの使い魔?」

フレイアは、アイナに視線を落とす。

「は、はい、その通りです」

アイナの答えを聞くと、

「フフッ」

フレイアは微笑む。

「人を使い魔にするなんて、珍しいわね」

「えと、あの、その、私だけじゃなくてルイズも・・・・」

「ルイズ?お隣の?」

「は、はい」

「そうなの。・・・・あら?」

フレイアが何かに気付いたように遠くの空に視線を移す。

その視線の先には1頭のドラゴンが飛んでいる。

どうやら風竜のようだ。

「あれは・・・・」

アイナが呟く。

その風竜は、この屋敷の上空に来ると、ゆっくりと下りてくる。

「ストーム」

アイナがそう呟いた。

「ストーム?」

拓也が尋ねると、

「うん。お父様の使い魔の風竜」

そうアイナが答える。

「アイナの父さんの・・・・・」

拓也は見上げる。

その風竜の背中には長い銀髪を三つ編みで纏めた、40代半ばと思われる男性が乗っていた。

その男性が風竜から下りると、

「「「「「お帰りなさいませ、ゲイル様」」」」」

再びメイドや執事達が唱和する。

だが、その男性はアイナの姿を見つけると、他の人物には目もくれず、

「ア~~~~~イ~~~~~~ナ~~~~~~~~!!!」

全力疾走で駆けて来て、思いっきりアイナを抱きしめた。

「ア~~~イ~~~~~ナ~~~~~!!パパは寂しかったぞ~~~~~~!!」

そう言って、頬ずりまでする始末。

「た、ただいまお父様」

アイナはなんとかそう言う。

「・・・・・・・・・親馬鹿だ」

拓也の純粋なる感想であった。

暫く抱きしめていたが、暫くすると気が済んだのか離れる。

「はっはっは!よく帰ったなアイナ。少し見ないうちに背が伸びたんじゃないか?」

アイナの父親であるゲイルは、豪快に笑い、そう言う。

「うん、少し」

「そうか。料理の腕は上がったか?」

「はい!夕食は私が作るから楽しみにしててね、お父様」

「そうか!それは楽しみだ!喜べ皆の衆!今日の夕食はアイナが振舞ってくれるそうだ!」

ゲイルは嬉しそうに、使用人達に語りかける。

使用人達も、「それは楽しみですな」とか「期待していますわ」など、期待する言葉を言う。

「ところでだ」

ゲイルは拓也に視線を移す。

「坊主。名はなんと言う?」

いきなり問われた。

「た、拓也です。神原 拓也」

拓也がそう言うと、

「タクヤ君はアイナの使い魔なんですって」

フレイアがそう補足する。

それを聞くと、ゲイルの眉がピクリとする。

「アイナの使い魔?」

ゲイルは一度アイナを見る。

「はい、その通りです」

アイナが肯定する。

「ほほう・・・・・・」

ゲイルは再び拓也に視線を移す。

だが、その目を見たとき、拓也は僅かに引いた。

ゲイルの目が妙に怖かったのだ。

「アイナ。長旅で疲れているだろう。昼食まで時間がある。部屋で休んでいなさい」

ゲイルはアイナにそう言う。

「わかりました」

アイナは玄関から屋敷に入る。

使用人達も自分の仕事に戻るため、屋敷に入っていく。

「坊主」

拓也がゲイルに呼び止められた。

「はい?」

拓也が振り返ると、

「少し付き合え」

そう言って、首根っこをつかまれ有無を言わさず連れて行かれた。

「え!?あの!?ちょっと!?」

そうやって引きずられていく拓也を見て、

「あらあら、あの人ったら嫉妬しちゃって」

フレイアがそう楽しそうに呟いた。



ゲイルに引きずられた拓也は、屋敷の塀の外まで連れて行かれた。

そこでゲイルが拓也を解放する。

そして、

「坊主!」

物凄い剣幕で拓也に迫った。

「は、はい!?」

拓也は思わず姿勢を正す。

「もう一度確認するが、アイナの使い魔というのは本当か?」

かなりドスの効いた声で尋ねられた。

「は、はい本当です。これが証拠です」

そう言って、拓也は右手の甲にある使い魔のルーンを見せる。

ゲイルはそれを見ると、更に眉をピクピクさせる。

「つまりだ。坊主はアイナと、『コントラクト・サーヴァント』を行なったという事だな」

「そうですね」

拓也は肯定する。

「つまり、つまりだ。君はアイナとキ、キスをしたという事だな!?」

ゲイルのそう言う声はかなり震っている。

「ええっ!?・・・・・あ!」

いきなり言われた事に戸惑ったが、よくよく考えれば、召喚されたとき、目は瞑っていたが、確かにキスされた。

「そ、そうなりますね・・・・・・・」

拓也は恐る恐る肯定する。

「・・・・・・・・・でだ」

「は、はい・・・・・・」

「寝るときは如何している?」

「え、え~っと・・・・・・」

拓也は嘘をついてやり過ごそうかと思ったが、

「・・・・・・・・・・・・・・」

今のゲイルに下手な嘘をつくと、余計に状況が悪化しそうな気がしたので正直に話すことにした。

「ね、寝るときは一緒の部屋です」

「ほほう・・・・・まさか、一緒のベッドで寝てる、という事は無いだろうな」

「そ、それは無い・・・・・ですけど、朝起きたときにアイナが俺の寝床に潜り込んでたことなら・・・・って」

拓也はゲイルの威圧感に余計な事まで喋ってしまった。

「ほほう!・・・・」

ゲイルの威圧感が更に高まる。

拓也は悪寒を感じたので、咄嗟に身体を逸らした。

その瞬間、空気の塊が通過する。

ゲイルの『エア・ハンマー』だった。

拓也は一瞬文句を言おうとしたが、

「アイナは・・・・・・アイナはなぁ・・・・・」

ゲイルの言葉に中断させられた。

「もっと小さかった頃は、俺にも良く懐いてくれてなあ。一緒に寝たり、「お父様大好き」なんていわれた事もあった・・・・・」

何故か昔話が始まっている。

「けど、けどなあ。成長するにしたがって、一緒の部屋で寝る事も出来なくなって、「お父様大好き」なんて言われなくなって5年と168日」

拓也は、そんな事まで覚えているなんて、どんな親馬鹿だと半ば呆れた。

「そんな、そんな俺を差し置いて、同じ部屋で、しかも同じ寝床で寝て、あまつさえキスまでしただとぉ!?」

ゲイルは悔し涙を流している。

このままでは、血の涙まで流しそうな勢いだ。

「そんなこと、パパは許しません!!っていうか羨ましいぞぉおおおおおお!!!」

そう叫んで、杖を振りかぶっていたので、

「アホかぁあああああああああっ!!!」

拓也は思わず、地下水を掴み、ゲイルの脳天に全力で『エア・ハンマー』を撃ち込んでいた。

普通の人間なら、確実に昏倒する一撃。

だったのだが、

「なんのこれしきぃいいいいいっ!!!」

ゲイルは気絶するどころかピンピンしていた。

「おい、地下水」

拓也は思わず地下水に話しかけた。

「なんスか?」

「今、確かに全力で撃ち込んだよな?」

「間違いないッス」

「脳天に撃ち込んだはずだよな?」

「確実に」

「普通なら昏倒してもおかしくないよな?」

「おかしくないッス」

「じゃあ何であんなにピンピンしてるんだよ!?」

「知らないッス」

そんなやり取りをしている内に、ゲイルが再び杖を振りかぶって『エア・ハンマー』を唱えた。

「うおっ!?」

拓也は咄嗟に避ける。

拓也は再び『エア・ハンマー』を唱え、今度はあごの下から打ち上げるように放った。

それはゲイルの顎に当たり、アッパーを食らったようにゲイルの顔が真上を向く。

だが、それでもゲイルは倒れなかった。

ゲイルはゆっくりを顔を前に向ける。

だが、顔つきが今までと違った。

「ッ!?」

「相棒ッ!」

地下水が拓也に呼びかける。

「わかってる!今までのおちゃらけてた顔とは違う。本気の顔だ」

拓也は覇竜刀を抜き、構えた。

拓也も真剣になる。

ゲイルが杖を拓也に向け、呪文を唱える。

詠唱は『エア・ハンマー』。

だが、その威圧感が今までとはまるで違った。

ゲイルの『エア・ハンマー』が放たれた。

「くっ!」

拓也は咄嗟に覇竜刀を前に突き出す。

そのお陰で、『エア・ハンマー』が跳ね返る。

咄嗟のことだったのでうまくゲイルには跳ね返らず、ゲイルの右に大きく逸れる。

そして、

――ドゴォオオオン!

跳ね返った先の地面に10メイルほどのクレーターを作った。

フーケのゴーレムも一撃で砕きそうな威力だ。

「お、おい。冗談じゃないぞあの威力。何で『エア・ハンマー』であんな威力になるんだよ?」

「俺も今まで傭兵生活で多くのメイジを見てきたッスけど、あれほどの使い手は初めてッス。前にいたワルドとか言うやつなんて子供同然ッス」

地下水もゲイルの凄さを感じているようだ。

ゲイルは再び『エア・ハンマー』を放った。

拓也は、再び覇竜刀を構え、跳ね返す。

その瞬間、大地を蹴った。

「はあああああああっ!!」

拓也は跳躍しながら覇竜刀を振りかぶった。

そして、ゲイル目掛け振り下ろす。

当然みね打ちだった。

だが、

「なっ!?」

覇竜刀はゲイルまで届かなかった。

ゲイルの目の前には、強力な風の壁があり、覇竜刀が止められている。

そして、次の瞬間跳ね返された。

「うわっ!」

拓也は何とか着地しようとした。

だが、その瞬間を狙って、再び『エア・ハンマー』が撃ち込まれた。

拓也がいた場所が吹き飛ばされる。

これは手加減したのかそれほどの威力ではない。

だが、その場には拓也はいなかった。

ゲイルは空を見上げる。

拓也はそこにいた。

拓也は『フライ』の呪文で空中に退避したのだ。

「はあっ・・・・・はあっ・・・・・あっぶね~~」

「でも、如何するんスか?相手の風の障壁は簡単には破れないッスよ」

地下水はそう判断する。

「ああ。けど、メイジは呪文を2つ同時には唱えられない。攻撃する瞬間なら障壁は解除されるはずた」

「でも、どうやってその瞬間をねらうんスか」

その時、ゲイルが新たな呪文を唱える。

巨大な竜巻が生み出された。

拓也はそれを見て考える。

「イチかバチか、やってみるか!」

拓也は覇竜刀を真っ直ぐに構える。

巨大な竜巻が拓也に向かって放たれた。

「うおおおおおおおっ!!」

その竜巻の中心に向かって拓也は突っ込む。

「ちょ!?相棒!?なにやってるんスか!?」

地下水の言葉も空しく、拓也は竜巻の中に飛び込んだ。

そして、

「何っ!?」

竜巻を放っていたゲイルの杖が切り裂かれた。

次の瞬間、ゲイルの首筋に覇竜刀が突き付けられた。

「はあっ・・・・・・はあっ・・・・・・」

拓也は身体中に傷を追っていた。

拓也は、竜巻の中心を通ってきたのだ。

竜巻の中心は、確かに弱いが、周りの風によって発生した真空波が拓也の身体を切り裂いていた。

だが、それでも拓也はゲイルを真っ直ぐな瞳で睨み付けた。

ゲイルは、その視線を受け止める。

「フッ・・・・」

そして、突如微笑んだ。

「タクヤと言ったな!?気に入ったぞ!」

そしていきなり笑い出す。

「は?」

拓也は訳もわからないまま、出血のせいで意識が遠くなるのを感じていた。




拓也が目を覚ますと夕日の光が差し込んでいた。

どこかの部屋に寝かされ、怪我の手当てもされている。

どうやら半日ほど眠っていたらしい。

「う~~~・・・・・」

拓也はまだ頭がぼうっとしている。

「気がついたか?」

その声に拓也が振り向くと、ゲイルがいた。

「とりあえずすまん。少し試すだけの心算だったんだが、相手が強いと、どうしても熱くなってしまってな。あそこまでする心算は無かった。許せ」

「はあ。それはもういいですけど・・・・・」

拓也はそう言って許す。

「でだ。話は変わるが・・・・・」

「はい?」

「坊主・・・・いや、タクヤ。お前、アイナのことはどう思っている?」

「へ?如何って?」

「つまり男としてアイナのことをどう思っているかということだ」

いきなりそんな事を言われ、拓也は取り乱した。

「えあっ!?い、いきなりそんな事を言われても・・・・・・まだ分からないとしか・・・・・・でも、アイナは良い子だと思ってます」

それを聞くと、ゲイルはなにやら考える仕草をする。

「ふむ・・・・・少なくとも脈アリと見ていいわけだな。・・・・・・・もう一つ聞くが、元いた所には戻りたいと思っているか?」

「え?ええ、まあ。一応、元の世界に戻る方法が見つかるまでアイナの使い魔をやるっていう約束なんで。でも、世界が違うんで、そう簡単には見つからないと思いますけど」

「元の世界とは?」

拓也の言葉にゲイルが尋ねた。

拓也は、別の世界から来た事を話した。

「ほう・・・・ここハルケギニアとは、全く違った魔法の無い世界か・・・・・・面白そうだな」

ゲイルは拓也のいう事をあっさり信じた。

「そんな簡単に信じれるんですか?」

「嘘をついているかどうか位、目を見れば分かる。お前の目には曇りが無い。嘘はついていないと分かるさ」

ゲイルは笑ってそう言う。

「さて、もうすぐ夕食だ。アイナの料理が待ってるぞ」

ゲイルは立ち上がる。

拓也も立ち上がってみると、動く分には問題ないようだ。



そして、夕食の席。

普通の貴族の家では、貴族と使用人は別々に食事をするのだが、この家では、長大なテーブルで、シンフォニア一家と共に使用人達も一緒に食事をする。

ゲイルとフレイアの「食事は大勢のほうが楽しいだろう」という言葉が始まりである。

アイナの平民に対する付き合い方は、両親のその辺りの性格に影響されているのだ。

それで拓也の席だが、何故かゲイルの隣に座らされている。

ゲイルの正面の席にはフレイアが。

拓也の正面にはアイナが。

拓也の隣にはミーナ。

ミーナの正面にクリスで、その横から使用人達の席だ。

食事をしている者達は、アイナの作った料理の味に驚いていた。

「腕を上げたなアイナ」

ゲイルがそう言う。

「うん。料理長のマルトーさんに教えてもらってるから、とても勉強になるよ」

アイナが笑顔で答える。

ふと、ゲイルが考え込むような仕草を見せる。

「お父様?どうかしたの?」

アイナが心配になったのか尋ねる。

「アイナ」

ゲイルが真剣な顔で言った。

「はい」

「手紙に書いてあったが、お前は戦争に行くのか?」

「・・・・・はい」

アイナは少し言いにくそうに答えた。

「それは、一時的な感情ではなく、よく考えての答えか?」

ゲイルは射抜くような視線でアイナを見ながら言った。

「・・・・・・はい!」

アイナはそんなゲイルの目を見て、はっきりと返事をした。

「・・・・・・・・・・・・」

ゲイルは暫くアイナの目を見続けていたが、

「そうか。そこまで考えて選んだ選択だと言うのなら、俺は何も言わん」

「心配かけてごめんなさい、お父様」

アイナも謝る。

「でも、拓也が守ってくれるから」

アイナがそう笑顔で言った。

拓也は照れ隠しに頬を掻く。

「そうか・・・・・・」

ゲイルは微笑む。

「それであなた、トリスタニアではなんと?」

フレイアがゲイルに尋ねた。

「ああ。枢機卿からだが、『一個軍団編成されたし』だとさ。領民を戦いに駆り出すのは気が進まんし、なにより俺は軍務を退いていて、兵を率いる跡継ぎも家におらんからな。俺は断るつもりだったのだが・・・・・・・」

ゲイルはアイナに視線を移す。

「なんですか?お父様」

視線を向けられたアイナは尋ねる。

「アイナ。お前の婚約者候補が決まった」

ゲイルのその言葉に、アイナは驚愕し、拓也は呆気にとられる。

「ちょっと!?お父様!!いきなり婚約者だなんていきなり何を!?」

アイナは立ち上がって叫んだ。

「あくまで“候補”だ。だが、その人物に、諸侯軍を率いてもらおうと思っている。諸侯軍は志願者だけで構成するつもりだ。当然志願してくれたものには恩賞を与える」

ゲイルはそう言う。

「そんな勝手に!?」

アイナは叫ぶが、ゲイルは話を続ける。

「でだ。その婚約者候補だが・・・・・・・」

すると、ゲイルは拓也の首に腕を回し、引き寄せた。

「こいつだ」

「はいぃ?」

いきなりそう言われ、拓也は素っ頓狂な声を上げる。

「えと・・・・・お父様・・・・・本当ですか?」

さっきとはうって変わって、アイナは頬を染めながらそう尋ねる。

「おう。本気だ。コイツは良い目をしている。そんじょそこらの欲望に溺れた貴族と違って、真っ直ぐで曇りの無い目だ。コイツならアイナを任せても大丈夫だと確信したんだ」

ゲイルがそう言うと、

「ちょっと待った!俺はさっきも言いましたけど別の世界の人間ですよ!」

拓也がそう叫ぶが、

「だからそれも踏まえて婚約者“候補”なんだ。つまりは、お互いが結婚を望むなら俺は反対しないという事だ。この世界に残るのも、元の世界に戻るのも、全てはタクヤしだいだ」

ゲイルはそう答えた。

「お父様!」

アイナが叫んだ。

「大好きです!」

アイナは満面の笑みでそう言った。

「ぬおおおおおっ!!」

ゲイルは悶えた。

とその時、拓也は服を引っ張られている事に気がついた。

「ん?」

拓也が其方に顔を向けると、ミーナが服を引っ張っている。

そして、

「・・・・・・・お兄ちゃん?」

と、そう呟いた。

「お、お兄ちゃん!?」

拓也は驚く。

「そうね。タクヤ君がアイナの旦那さんになれば、お兄ちゃんで間違いないわね。クリス。あなたもお兄ちゃんって呼んでみたら」

フレイアがコロコロと笑ってそう言う。

「わ、私はまだその男を兄とは認めていません!」

クリスはそっぽを向いてそう答える。

「よ~し!ヴァリ公にも紹介するか!紙とペンを!」

ゲイルがそう言うと、執事が紙とペンを用意する。

「ええっ!?ちょっとぉ!!」

拓也は余りの展開についていけない。

ゲイルは紙にさらさらと文字を書くと、窓際にいたフクロウに持たせる。

フクロウは夜空へと羽ばたいた。

こうして、なし崩し的に拓也はアイナの婚約者候補となってしまった。






次回予告


アイナの婚約者候補となった拓也。

翌朝には、ヴァリエール領に行く事になる。

そこで、才人やルイズの家族も巻き込んで、一騒動が起こる。

次回!ゼロの使い魔と炎の使い魔

第二十六話 ヴァリエール家での一騒動

今、異世界の物語が進化する。




オリキャラ説明


ゲイル・サーバー・ド・シンフォニア

アイナの父で銀髪。

二つ名は『神風』。

『風』のスクウェアで、元竜騎士隊隊長。

かの『烈風』のカリンと同等の腕前を持っていた。

隊のモットーの違い(『自由気まま』と『鋼鉄の規律』)から普段は途轍もなく仲が悪かったが、一度戦になれば、普段が嘘のような連携を見せていた。

2人とも『風』であったことから『風の守護者(ウインドガーディアンズ)』とも呼ばれていた。

使い魔である風竜の『ストーム』は、ハルケギニアの竜騎士中、最速を誇る。

因みにゲイルは下級貴族の出だが、才能に溢れており、仲間を死なせないように戦っていたらいつの間にか武勲を挙げ、竜騎士隊隊長に。

そして遂には、公爵まで昇りつめた。

全ては成り行きで出世したため、体裁や名誉などは全く気にしていない。

現在は、娘を大事にする親馬鹿な父だが、娘が真剣に決めた事には口を出さない。

ただし、色恋に関しては別で、今まで何度か婚約者の話を持ちかけられたが、相手が公爵の地位を狙う政略結婚だったので全て突っぱねていた。

ヴァリエール公爵とは、昔からの付き合いで“ヴァリ公”と呼んでいる。





フレイア・フォルダ

アイナの母で赤髪のロングヘアー。

二つ名は『太陽』で『火』のスクウェア。

使い魔に火竜がいる。

穏やかで優しい性格であり、どんな人でも暖かく包み込む抱擁力を持った人。

二つ名の『太陽』はここからきている。

ただ、少し天然が入っている。

尚、この小説のルイズの姉であるカトレアの性格は、この人の影響であるという設定です。




クリス・ツール・ド・シンフォニア

アイナの2歳年下の妹で、2卵生の双子の姉。

髪は銀髪のセミロング。

『風』のラインメイジ。

シンフォニア一家の中では、一番固い性格をしている。

これは、昔から交流があるヴァリエール家の影響を受けた。

しかし、やはりシンフォニアの血筋であり、言葉は固いが平民に冷たく当たったりはしない。

尚、双子の妹のミーナといつも一緒で、かなりのシスコン(の予定)。




ミーナ・タスク・ド・シンフォニア

アイナの2歳年下の妹で、2卵生の双子の妹。

髪は銀髪のロングヘアー。

『風』のラインメイジ。

シンフォニア一家の中では一番大人しい性格をしている。

いつも双子の姉であるクリスと一緒で、どんなときでもクリスの後を追いかけている。





あとがき

二十五話完成。

どうでしょうか?

アイナの父親の親馬鹿加減はどの程度にしようかと思ってたんですがこんなもんでどうですかね?

それで、拓也がアイナの婚約者候補にされました。

これは前々から決めていた事です。

って言っても、今までと大して変わりませんが。

ただ、アイナの両親は拓也との付き合うのは賛成すると言っただけです。

っていうか、11歳で婚約者候補って・・・・

で、アイナの家族ですが、ゲイル、クリス、ミーナの3人は元となったキャラがいます。

ゲイルに関しては結構そのままかも・・・・・

フレイアはアイナを元にした自分のオリジナルのつもりですが、強いて言えばカトレアかもしれない。

因みに名前は、「フレイム」と「フレア」をくっ付けて考えたものです。

さて、次回はルイズの家に行きます。

楽しみにしててください。

では、次回も頑張ります。


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