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ゼロ魔SS投稿掲示板


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No.4371の一覧
[0] ゼロの使い魔と炎の使い魔(ゼロの使い魔xデジモンシリーズ〈フロンティア中心〉)[友](2009/03/15 21:23)
[1] プロローグ[友](2008/10/07 18:36)
[2] 第一話[友](2008/10/07 18:51)
[3] 第二話[友](2008/10/10 19:17)
[4] 第三話[友](2008/10/13 16:12)
[5] 第四話[友](2008/10/20 17:57)
[6] 第五話[友](2008/10/26 04:02)
[7] 第六話[友](2008/11/01 17:51)
[8] 第七話[友](2008/11/08 17:50)
[9] 第八話[友](2008/11/15 12:02)
[10] 第九話[友](2008/11/22 17:35)
[11] 第十話[友](2008/11/29 14:53)
[12] 第十一話[友](2008/12/05 19:52)
[13] 第十二話[友](2008/12/07 21:43)
[14] 第十三話[友](2008/12/14 16:23)
[15] 第十四話[友](2008/12/21 12:18)
[16] 第十五話[友](2008/12/28 16:54)
[17] 第十六話[友](2009/01/01 00:05)
[18] 第十七話[友](2009/01/02 16:26)
[19] 第十八話[友](2009/01/09 00:29)
[20] 第十九話[友](2009/01/11 06:34)
[21] 第二十話[友](2009/01/15 20:24)
[22] 第二十一話[友](2009/01/18 17:32)
[23] 第二十二話[友](2009/02/01 11:52)
[24] 第二十三話[友](2009/02/01 11:54)
[25] 第二十四話[友](2009/02/08 22:23)
[26] 第二十五話[友](2009/02/15 11:45)
[27] 第二十六話[友](2009/02/22 20:46)
[28] 第二十七話[友](2009/03/01 13:24)
[29] 第二十八話[友](2009/03/08 19:44)
[30] 第二十九話[友](2009/03/14 00:18)
[31] 第三十話[友](2009/03/14 21:51)
[32] 第三十一話[友](2009/03/15 21:22)
[33] 第三十二話[友](2009/03/26 19:38)
[34] 第三十三話[友](2009/04/11 22:44)
[35] 第三十四話[友](2009/04/11 22:43)
[36] 第三十五話[友](2009/05/02 13:14)
[37] 第三十六話[友](2009/05/02 13:13)
[38] 第三十七話[友](2009/05/04 18:13)
[39] 第三十八話[友](2009/05/05 10:08)
[40] 第三十九話[友](2009/05/05 16:55)
[41] 第四十話[友](2009/05/31 14:53)
[42] 第四十一話[友](2009/06/21 11:00)
[43] 第四十二話 7/19修正[友](2009/07/19 20:21)
[44] 第四十三話[友](2009/08/01 12:23)
[45] 第四十四話[友](2009/08/12 13:39)
[46] 第四十五話[友](2009/08/31 23:37)
[47] 第四十六話[友](2009/09/12 20:57)
[48] 第四十七話[友](2009/09/13 16:58)
[49] 第四十八話[友](2009/09/19 00:53)
[50] 第四十九話[友](2009/09/27 10:46)
[51] 第五十話[友](2009/10/17 16:40)
[52] 第五十一話[友](2009/12/06 14:33)
[53] 第五十二話[友](2010/08/08 22:23)
[54] 第五十三話[友](2010/08/22 23:45)
[55] 第五十四話[友](2010/09/26 20:09)
[56] 第五十五話[友](2010/09/26 20:08)
[57] 第五十六話[友](2010/11/20 11:51)
[58] 第五十七話[友](2010/12/12 23:08)
[59] 第五十八話[友](2011/01/02 19:02)
[60] 第五十九話[友](2011/01/24 14:57)
[61] 第六十話[友](2011/02/13 19:25)
[62] 第六十一話[友](2011/02/13 19:22)
[63] 第六十二話[友](2012/01/15 20:45)
[64] 第六十三話[友](2012/01/15 20:39)
[65] 第六十四話[友](2015/02/08 17:28)
[66] 第六十五話[友](2015/03/08 21:45)
[67] 第六十六話[友](2015/05/03 15:33)
[68] 第六十七話[友](2015/06/07 21:34)
[69] 第六十八話[友](2015/10/18 17:11)
[70] 第六十九話[友](2016/02/28 20:03)
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[4371] 第四十九話
Name: 友◆ed8417f2 ID:11075f73 前を表示する / 次を表示する
Date: 2009/09/27 10:46
パラレルモンに飛ばされ、辿り着いた先。

拓也の目に映ったのは、夜空に輝く1つの満月だった。


第四十九話 ただいま・・・・ 拓也、我が家への帰還!


拓也は、夜空に浮かぶたった1つの月を見て、呆然としていた。

だが、

「う・・・・うん・・・・・」

アイナ達が目を覚ます時に漏らした声で我に返る。

拓也は立ち上がり、アイナ達に駆け寄った。

「アイナ、シャル、シルフィード。大丈夫か?」

拓也は2人と一匹に声をかける。

「う・・・・・タクヤ?」

アイナはボーっとする頭を押さえ、拓也を見る。

シャルロットは、首を振りながら身を起こす。

シルフィードも起き上がった。

「ここは何処?」

シャルロットが、周りを見渡しながら呟いた。

周りには、ハルケギニアでは見慣れない建物が立ち並ぶ。

「ああ・・・・・・それなんだけど・・・・・っと。シルフィード、ここじゃその姿は目立つ。人間形態になってくれ」

「きゅい、分かったのね」

拓也の言葉にシルフィードは応え、光に包まれるとイルククゥの姿になる。

どうやってるかは知らないが、服は着ていた。

拓也も、覇竜刀を背負ってる事を思い出し、着ていたマントを巻いて隠す。

「それで、この場所なんだけど・・・・・」

拓也が話し出そうとした時、

「きゅい!?あれを見るのね!」

イルククゥが空を指差して叫んだ。

アイナとシャルロットは、シルフィードが指差したそれを見て驚愕した。

「つ、月が1つ!?」

アイナが叫ぶ。

「どうして?」

シャルロットも動揺を隠しきれない。

「・・・・・・ここはどうやら地球みたいだ」

拓也が言った。

「チキュウ?タクヤたちの世界の?」

「ああ」

アイナの問いに拓也は頷く。

「それで、この場所なんだけど・・・・・・・ッ!?」

拓也は周りを見て言葉を失った。

拓也は当初、この場所は知らない場所だと思っていた。

だが、近くの電灯の光で暗闇に目が慣れてきて、ある程度周りを把握できるようになった事で、此処がどのような場所かが判った。

拓也達がいた場所は、そこそこの広場に数個の遊具がある小さな公園だった。

そしてその公園は、拓也の記憶にある公園と一致した。

(ここは・・・・・・家の近所の公園!)

それが判ったとき、拓也は思わず走り出した。

「「「タクヤ(さま)!?」」」

3人は驚きながらも後を追う。

拓也は公園を飛び出し、歩道を走る。

アイナ達も、周りは見慣れない物ばかりだが、拓也を見失わないように必死に後を追った。

拓也は暫く真っ直ぐ走り、とある角を曲がる。

そして、また暫く真っ直ぐ走った所で足を止めた。

「はぁ・・・・・はぁ・・・・・」

拓也は息を整えながら、住宅街の中にある1軒の家を見つめた。

その時、アイナ達も追いついてくる。

「はぁ・・・・・・はぁ・・・・・・・ど、如何したの?」

アイナは息を整えながら拓也に尋ねる。

だが、拓也は答えず、じっとその家を見つめていた。

そして、その家の門の横の塀には、表札がかかっていた。

そこに書かれていた文字は、

――神原 宏明
    由利子
    拓也 
    信也――

「ここは?」

拓也が見つめ続けている家を見て、シャルロットが尋ねた。

「・・・・・・・・えだ」

拓也が小さく呟いた。

「え?」

よく聞き取れなかったアイナが聞き返した。

「・・・・・俺の・・・・・・家だ・・・・・・・」

再び呟いた拓也の言葉を理解した時、アイナ、シャルロット、イルククゥの3人は、驚愕に包まれた。

「ここ、タクヤさまの家なのね?」

「・・・・・ああ」

イルククゥの確認する言葉に、拓也は頷く。

「ここが・・・・・タクヤの家・・・・・」

アイナは拓也の家を見上げながら呟く。

拓也は歩き出し、門を開けて敷地内へ入る。

アイナ達も後に続いた。

拓也は、一歩一歩確かめるように、ゆっくりと玄関へ歩いていく。

そして、玄関の前に立つと、ゆっくりと呼び出しベルのスイッチに右手を伸ばした。

人差し指がスイッチに触れようとした時、拓也は一瞬躊躇した。

だが、すぐに気を取り直し、呼び出しベルのスイッチを押した。

――ピンポーン

と、呼び出しベルが鳴る。

いきなり響いた聞きなれない音に、アイナ達が驚いていたようだが、今の拓也には関係ない。

「はーい!」

女性の声が聞こえた。

拓也は、その声を聞いたとき、ドクンと心臓の鼓動が跳ね上がったのを感じた。

今の声は、拓也の母親である、神原 由利子の声であった。

タッタッタッタ、と廊下を小走りに走る音が聞こえる。

拓也の心臓の鼓動がどんどん速くなる。

ほんの十数秒なのに、途轍もなく長く感じる。

そして・・・・・・・・玄関の扉が開いた。

約一年ぶりに見る母の顔。

拓也は、頭が真っ白になったが、自然と言葉が出てきた。

「た、ただいま・・・・・・・母さん・・・・・・」

拓也は、由利子から少し視線を外し、頬を掻きながらそう言った。

由利子は、目を見開いて固まっていた。

「たく・・・・・・や・・・・・・?」

由利子の何とか出てきた呟きに、

「うん・・・・・」

拓也は小さく頷いて答えた。

そして、次の瞬間、

――ガバッ

拓也は抱きしめられた。

「バカッ・・・・・一年も何処行ってたのよ・・・・・?どれだけ心配したと思ってるの・・・・!?」

由利子は拓也を抱きしめ、涙を流しながらそう言った。

その言葉を聞いた拓也も感情が溢れ出し、自然と涙が零れた。

拓也からも由利子に抱きついた。

「母さんっ!・・・・・・ごめん・・・・・・母さんっ!!」

拓也は、泣きながらそう叫ぶ。

そんな時、騒ぎを聞きつけたのか、家の中から拓也の父である神原 宏明と、弟である神原 信也が様子を見に来た。

宏明と信也からは、由利子の影に隠れて拓也は見えない

「なんの騒ぎだ?」

宏明がそう尋ねる。

「あなた・・・・拓也が・・・・・」

そう言いながら由利子は横に退く。

拓也の姿を確認した宏明と信也が叫んだ。

「拓也!?」

「兄ちゃん!?」

その顔は驚愕に包まれている。

「父さんっ!!」

拓也は宏明にも抱きついた。

「拓也・・・・・・よく帰ってきた!」

宏明も拓也を抱きしめる。

「兄ちゃん!!」

信也も泣きながら拓也に抱きついた。

「信也・・・・・・・」

涙を流したまま、抱きつく信也に視線を落とす。

そのまま、暫く抱き合っていた。

しかし、その様子を見ていたアイナは、酷い罪悪感に苛まれていたが、それを顔に出す事は無かった。



暫くして漸く落ち着き、拓也達は離れる。

そして、由利子が切り出した。

「それで、今まで何処にいたの?後、さっきから気になっていたけど、そちらの女の子たちは?日本人じゃないみたいだけど・・・・・・」

「え~っと・・・・・・・とりあえず名前は、赤い髪がアイナ。アイナ・ファイル・ド・シンフォニア」

拓也が紹介すると、アイナはペコリと頭を下げた。

「で、青い髪のメガネがシャル。シャルロット・エレーヌ・オルレアン」

シャルロットも頭を下げる。

「で、最後にイルククゥ」

「きゅい!よろしくなのね!」

イルククゥは元気良く挨拶するが、

――ゴスッ

シャルロットに杖で後頭部を殴られる。

「あうっ・・・・・・痛いのね、お姉さま・・・・・」

涙目でシャルロットを見る。

「礼儀を弁えて」

シャルロットがそう注意する。

神原一家はちょっと呆気に取られた。

一番年上に見えるイルククゥが一番子供っぽいのだから、無理も無いだろうが。

「それで、今まで何処に居たかなんだけど・・・・・・・・」

拓也は一旦言葉を区切り、

「話すと長くなるし、中で話すよ。・・・・・あ、あと、平賀さんも呼んでくれないかな?」

そう言った。

「平賀さん?お隣の?」

「うん。才人さんにも関係があることだから・・・・・・・才人さんも、俺と同じ日に行方不明になったんでしょ?」

「え・・・・ええ・・・・・」

拓也の言葉に、驚愕しながらも答える由利子。

しかし、すぐに気を取り直し、

「分かったわ。私は平賀さんたちを呼んでくるから、家の中で待ってて」

「うん」

拓也の返事を聞くと、由利子はサンダルから靴に履き替え、門を出て隣の家に向かった。

「なら、君達も上がりなさい」

宏明がアイナ達にそう言う。

「は、はい。失礼します」

「失礼します」

アイナとシャルロットは礼儀正しくそう言うが、

「きゅい!お邪魔しますなのね!」

イルククゥは何時もの調子であった。

とすれば当然、

――ゴスッ

後頭部に杖の一撃が来るのは当たり前である。

「礼儀を弁えてって言ってる」

「きゅいい~・・・・・痛いのね・・・・・」

涙目で頭を押さえるイルククゥ。

「ははは、そこまで畏まらなくても良いさ。気にせず上がりたまえ・・・・・・・っと、そうだ拓也」

家の奥に進もうとした宏明が思い出したように振り返り、

「おかえり拓也」

そう言った。

その言葉で、なんだか嬉しくなった拓也は、

「うん、ただいま!」

元気良くそう言った。

拓也は、玄関から家に入り、家の中に足を踏み入れる時に気付いた。

「あ、ここじゃあ、家の中に上がる時は靴を脱ぐからな」

そう忠告する。

「あ、うん。分かった」

拓也の言葉に従い、アイナ達は靴を脱いで家の中に上がった。




居間に集合して数分後。

由利子が、才人の父である平賀 才助(さいすけ)と母である平賀 人美(ひとみ)を連れてきた。

拓也を見た2人の反応は、

「拓也君・・・・・・本当に戻ってきたのね・・・・・」

そう呟く人美と、

「拓也君!才人は無事なのか!?才人は一体何処にいるんだ!?」

拓也の両肩を掴み、前後に激しく揺らしながら叫ぶ才助であった。

「お、おおおおお、おじさん!おお、落ち着いて!とと、とりあえず才人さんは無事です!」

激しく前後に揺らされながらもそう答えた拓也。

「本当か!?本当に才人は無事なんだな!?」

そう叫び、更に激しく前後に揺らされる拓也。

「は、はいぃぃ~!せ、説明しますんで!い、今は落ち着いてくださいぃ!」

「はっ!す、すまん拓也君」

拓也の言葉で正気に戻った才助は拓也を放す。

だが、少しの間拓也は目を回していた。



暫くして復活した拓也は話し出した。

「まず、ぶっ飛んだ話だけど、去年の信也の誕生日のあの日、俺と才人さんは異世界に召喚されたんです」

「い、異世界?」

思わず信也が声を漏らす。

「ああ。その世界、ハルケギニアはいわゆるファンタジーな世界で、魔法が存在するんだ」

拓也の言葉に地球組の一同は信じられないといった表情である。

「まあ、当然口だけじゃ信じないと思うから・・・・・」

そう言って拓也は、マントに包んだ覇竜刀をテーブルの上に置いた。

「刀か?」

宏明が尋ねる。

「うん。もちろん真剣だよ」

拓也は、覇竜刀を鞘から引き抜き皆に見せる。

宏明は試しに紙をその覇竜刀の刃に当てる。

当然の如く、その紙は綺麗に切れた。

「た、確かに本物の真剣だ・・・・・」

宏明は、半ば驚愕しながら覇竜刀を見つめた。

「それで、父さん。ちょっと持ってみてくれる?」

「あ、ああ」

拓也が宏明にそう言うと、宏明は言われたとおり柄を握る。

すると、覇竜刀が輝き、刀身が伸びる。

「なっ!?け、剣が伸びた!?」

その事に驚愕する宏明。

他の面々も驚愕した表情を浮かべている。

「じゃあ、次に信也に持たせてみて」

「わ、分かった・・・・」

宏明は言われたとおりに信也に覇竜刀を渡す。

信也が覇竜刀を受け取ると、覇竜刀が再び輝き、今度は短くなる。

「わっ!?今度は短くなった!」

信也が驚いて叫ぶ。

「この覇竜刀には、使い手にあった大きさに変わる能力があるんだ」

拓也はそう言うと、信也から覇竜刀を受け取り、長さが戻った覇竜刀を鞘に納める。

次に、懐から地下水を取り出した。

「で、次にこれ」

拓也は地下水をテーブルの上に置いた。

「これは・・・・ナイフよね?」

由利子が尋ねる。

「もちろん、ただのナイフじゃないよ。地下水、喋って良いぞ」

拓也が許しを出した時、

「それじゃ、遠慮なく。相棒、久々の里帰りの気分はどうッスか?」

地下水が話し出す。

「え?何!?今の声!?」

信也が驚く。

「ここッスよ。弟君」

地下水が信也にそう言う。

「ま、まさか・・・・・ナイフが喋ってるの?」

唖然とした声で、信也が呟いた。

「意思を持ったナイフ、インテリジェンスナイフ。もちろんこんな物は地球には無いよね?」

拓也の言葉に神原一家と平賀夫妻がコクコクと頷く。

「それで、極め付けが・・・・・・」

拓也は、アイナになにやら小声で話しかける。

すると、アイナは杖を持って、

「レビテーション」

地下水に向けて振った。

地下水にレビテーションがかかり、宙に浮く。

これにも驚愕する宏明達。

「これが魔法。ここにいるアイナとシャルは、ハルケギニアの貴族でメイジ・・・・・魔法使いなんだ」

その事実に、開いた口が塞がらない神原一家と平賀夫妻。

実際信じられない話であったが、目の前で見せられれば信じるほか無い。

「とまあ、これだけ見せれば異世界の話も信じてくれると思うけど、まだ信じられないならもう1つ証拠があるけど・・・・・・」

「い、いや、もういい。これだけ見せられれば本当の事だと信じざるをえない」

宏明がそう言った。

「ならいいけど。それで、何で俺と才人さんがハルケギニアに行くことになったのかというと・・・・・・」

「タクヤ、そこからは私が話すよ」

「そうか?じゃあ頼む」

拓也は、アイナに説明を任せる。

「では、説明します。まず、ハルケギニアの魔法の中には、使い魔を召喚する、『サモン・サーヴァント』という魔法があります。使い魔とは、メイジの目となり耳となり、メイジの役に立ち、メイジを守る存在です。『サモン・サーヴァント』を唱えると、自分のレベルに見合った使い魔がハルケギニアの生物の中から召喚されます。そして、その『サモン・サーヴァント』は、私やシャルロットが通うトリステイン魔法学院で、2年生に進級する時に行なわれる進級試験のようなものでもあります。そして・・・・・約1年前・・・・・・私達は、『サモン・サーヴァント』を行ないました・・・・・」

言葉を続けていく内に、表情が暗くなるアイナ。

そして、その話を聞いていた宏明達は、1年前という言葉で思い当たった。

「まさか・・・・・・」

その呟きにアイナは頷き、言った。

「私が『サモン・サーヴァント』を唱え、召喚した使い魔は・・・・・・・・・・・・・・タクヤでした・・・・・・・」

アイナは、絞り出すような声で言った。

アイナの顔は暗い雰囲気を纏っていた。

「そして・・・・・同じクラスで、私の友達でもあるルイズ、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールが召喚した使い魔がサイトだったんです・・・・・・・『サモン・サーヴァント』はハルケギニアの生物を呼び出す呪文のはずですが、何故か私とルイズは異世界から召喚してしまって・・・・・・・召喚する呪文はあっても、送り返す呪文は無かったので、如何する事も出来ませんでした・・・・・・・」

アイナは俯く。

「まあ、アイナは生活の面倒は見てくれたし、それなりに楽しくやってたから特に不満も問題もなかったから。才人さんは、まあ、最初はともかく最近じゃ大分待遇良くなってるし」

拓也は明るい声で言った。

だが、アイナの顔は暗い。

そんな様子に気付いた宏明は、

「ふむ、大体はわかった。ところで拓也」

「何?父さん」

「ちょっと買い物に行ってきてくれ」

「はぁ?」

いきなり場違いのような事を言う宏明。

「酒のつまみを適当に頼む」

「ひ、久しぶりに帰ってきた息子を、その日の内に扱き使う・・・・?」

拓也は半ば呆れた声を漏らす。

「1年ぶりの親孝行と思え。あと、余ったお金で好きな菓子を買っても良いぞ」

そう言って、宏明は財布から1000円札を2枚取り出し、拓也に渡す。

「まあ、いいけどさ」

拓也はそのお金を受け取って立ち上がる。

「コンビニまでの道は覚えてるか?忘れたなら信也も連れてって良いぞ?」

「大丈夫。覚えてるよ」

拓也はそう言って、居間を出て玄関に向かう。

そして、玄関の扉を開け、拓也が外に出て、再び玄関の扉が閉まる音が聞こえる。

「あなた・・・・・なんでいきなり?」

由利子が宏明に尋ねる。

すると、宏明はアイナに向き直った。

「アイナちゃん・・・・・だったね?」

宏明は確認するようにアイナに尋ねた。

「はい・・・・」

アイナは頷く。

「君は、先程から何か言いたげだったからね。拓也がいると言いにくい事だと思ったんだが・・・・・・・」

「・・・・・・・・・」

アイナは俯いて少しの間沈黙する。

そして、突如その場で跪いた。

「ごめんなさい!!故意ではないとはいえ、あなた方の元からタクヤを連れ去ってしまった事!謝って済む問題ではないと分かっています!!どんな罰でも受ける覚悟はあります!!本当にごめんなさい!!」

アイナは涙を流しながら、形振り構わず謝罪の言葉を口にした。

貴族の形だけの謝罪ではない。

正真正銘、アイナの心からの謝罪であった。

そんなアイナに、由利子が近付いた。

「顔を上げて、アイナちゃん」

由利子の言葉に、アイナは顔を上げる。

その瞳からは、未だに涙が流れ続けている。

「あなたの所為じゃないわ。事故みたいなものよ。それに、アイナちゃんはもう責任を取ってくれているわ」

「え・・・・?」

由利子の言葉に、身に覚えのないアイナは声を漏らす。

「アイナちゃんは、拓也の生活を保障して、そして、こうやって拓也を生きて連れてきてくれた。それだけで十分よ」

由利子は微笑む。

「おば様・・・・・」

アイナは呟く。

「ほら、顔を拭いて。可愛い顔が台無しよ」

由利子はハンカチを渡す。

「あ、ありがとう・・・・ございます・・・・・」

アイナは礼を言って、そのハンカチを受け取った。






「ただいま~~」

買い物を済ませた拓也が帰ってきた。

その手には、つまみやお菓子が入ったビニール袋が提げられている。

拓也が居間の扉を開けると、

「きゃ~。タクヤかわいい!」

「かわいい・・・・」

「きゅい!タクヤさまちっちゃいのね!」

拓也のアルバムが披露されていた。

因みに上から、アイナ、シャルロット、イルククゥの順番である。

――ズベシャッ

拓也は思わずズッコケる。

そして、勢い良く立ち上がり、

「父さん!母さん!アイナ達に何見せてるんだよ!」

思わず叫んだ。

由利子はニコニコして、

「あら、良いじゃない。拓也のお嫁さんになるかもしれない女の子たちなんだから。拓也のことをもっと良く知っておいて貰いたいのよ」

「ブッ!?・・・・お、お嫁って・・・・・・」

「ハッハッハ!モテモテだな拓也」

宏明は笑っている。

拓也の顔はやや赤い。

「私としては、アイナちゃんがいいかな」

由利子は笑ってそう言う。

アイナがピクリと反応する。

「いやいや、拓也は熱血だからな。逆にクールなシャルロットちゃんがお似合いかも知れないぞ」

宏明の意見にシャルロットもピクリと反応した。

「僕としては、イルククゥさんみたいな明るいお姉ちゃんが欲しいかな」

「きゅい♪」

信也の言葉にイルククゥはご機嫌になる。

「父さん!母さん!信也まで!話を飛躍させないで!」

拓也は真っ赤な顔で叫ぶ。

そんなやり取りに平賀夫妻は笑っている。

「おじさんもおばさんも笑わないで!第一、才人さんも似たようなモンです!!」

拓也がそう言うと、

「そうなのか?それは楽しみだ」

「そうね。才人は彼女もいなかったから心配してたんだけど、それなら安心できそうね」

逆に安心させてしまったらしい。

「・・・・・・」

拓也は思わず声を失う。

「それで拓也君。才人はいつ戻ってくるか分からないのかい?」

「いや・・・・・自分たちがこの世界に来たのも、事故みたいなものなので、狙って帰ってきたって訳じゃないんです」

「そうか・・・・・それは残念だが、才人が無事だというだけでも十分だ。気長に待つとしよう」

そういうと、平賀夫妻は席を立つ。

「それでは、私達はこれで」

「おやすみなさい、みなさん」

平賀夫妻は自宅へ帰っていった。




その後、時間が無かったので簡単な夕食を済ませると、由利子が切り出した。

「拓也、明日買い物行くわよ」

「え?」

「気付いてないかもしれないけど、拓也、背が伸びてるわよ。服が小さくない?」

「あ・・・・そう言われればそうかも・・・・・」

拓也は自分の服を見ながら言った。

「それに、アイナちゃんたちの私服も買わないとね」

「そんな!?そこまでご迷惑をかける訳には」

「気にしなくても良いわよ。こう見えても家、それなりにお金はある方なの。3人ぐらい増えても大丈夫よ」

由利子は笑顔でそう言った。

「・・・・・ありがとうございます」

「それに、私、娘とショッピングってしてみたかったのよね。楽しみだわ」

こうして、翌日は買い物をすることに決まった。








次回予告


拓也にとっては懐かしき街並み。

アイナ達にとっては、初めてのことばかり。

地球での生活が始まる。

次回!ゼロの使い魔と炎の使い魔

第五十話 平和な買い物

今、異世界の物語が進化する。






あとがき

第四十九話完成。

本当なら買い物編まで行くつもりでしたけど、思った以上に帰還編が長くなったので分ける事にしました。

それにしても、アイナ達の地球での服装如何しよう?

自分は全く服装とかのセンスも無いし、知識も無いために如何しようか悩んでます。

意見があれば、教えてくれるとありがたいです。

あと、信也にパートナーデジモンつけようか迷ってます。

つくとしたら多分ブイモン。

それについても意見ください。

では、次も頑張ります。



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