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No.4371の一覧
[0] ゼロの使い魔と炎の使い魔(ゼロの使い魔xデジモンシリーズ〈フロンティア中心〉)[友](2009/03/15 21:23)
[1] プロローグ[友](2008/10/07 18:36)
[2] 第一話[友](2008/10/07 18:51)
[3] 第二話[友](2008/10/10 19:17)
[4] 第三話[友](2008/10/13 16:12)
[5] 第四話[友](2008/10/20 17:57)
[6] 第五話[友](2008/10/26 04:02)
[7] 第六話[友](2008/11/01 17:51)
[8] 第七話[友](2008/11/08 17:50)
[9] 第八話[友](2008/11/15 12:02)
[10] 第九話[友](2008/11/22 17:35)
[11] 第十話[友](2008/11/29 14:53)
[12] 第十一話[友](2008/12/05 19:52)
[13] 第十二話[友](2008/12/07 21:43)
[14] 第十三話[友](2008/12/14 16:23)
[15] 第十四話[友](2008/12/21 12:18)
[16] 第十五話[友](2008/12/28 16:54)
[17] 第十六話[友](2009/01/01 00:05)
[18] 第十七話[友](2009/01/02 16:26)
[19] 第十八話[友](2009/01/09 00:29)
[20] 第十九話[友](2009/01/11 06:34)
[21] 第二十話[友](2009/01/15 20:24)
[22] 第二十一話[友](2009/01/18 17:32)
[23] 第二十二話[友](2009/02/01 11:52)
[24] 第二十三話[友](2009/02/01 11:54)
[25] 第二十四話[友](2009/02/08 22:23)
[26] 第二十五話[友](2009/02/15 11:45)
[27] 第二十六話[友](2009/02/22 20:46)
[28] 第二十七話[友](2009/03/01 13:24)
[29] 第二十八話[友](2009/03/08 19:44)
[30] 第二十九話[友](2009/03/14 00:18)
[31] 第三十話[友](2009/03/14 21:51)
[32] 第三十一話[友](2009/03/15 21:22)
[33] 第三十二話[友](2009/03/26 19:38)
[34] 第三十三話[友](2009/04/11 22:44)
[35] 第三十四話[友](2009/04/11 22:43)
[36] 第三十五話[友](2009/05/02 13:14)
[37] 第三十六話[友](2009/05/02 13:13)
[38] 第三十七話[友](2009/05/04 18:13)
[39] 第三十八話[友](2009/05/05 10:08)
[40] 第三十九話[友](2009/05/05 16:55)
[41] 第四十話[友](2009/05/31 14:53)
[42] 第四十一話[友](2009/06/21 11:00)
[43] 第四十二話 7/19修正[友](2009/07/19 20:21)
[44] 第四十三話[友](2009/08/01 12:23)
[45] 第四十四話[友](2009/08/12 13:39)
[46] 第四十五話[友](2009/08/31 23:37)
[47] 第四十六話[友](2009/09/12 20:57)
[48] 第四十七話[友](2009/09/13 16:58)
[49] 第四十八話[友](2009/09/19 00:53)
[50] 第四十九話[友](2009/09/27 10:46)
[51] 第五十話[友](2009/10/17 16:40)
[52] 第五十一話[友](2009/12/06 14:33)
[53] 第五十二話[友](2010/08/08 22:23)
[54] 第五十三話[友](2010/08/22 23:45)
[55] 第五十四話[友](2010/09/26 20:09)
[56] 第五十五話[友](2010/09/26 20:08)
[57] 第五十六話[友](2010/11/20 11:51)
[58] 第五十七話[友](2010/12/12 23:08)
[59] 第五十八話[友](2011/01/02 19:02)
[60] 第五十九話[友](2011/01/24 14:57)
[61] 第六十話[友](2011/02/13 19:25)
[62] 第六十一話[友](2011/02/13 19:22)
[63] 第六十二話[友](2012/01/15 20:45)
[64] 第六十三話[友](2012/01/15 20:39)
[65] 第六十四話[友](2015/02/08 17:28)
[66] 第六十五話[友](2015/03/08 21:45)
[67] 第六十六話[友](2015/05/03 15:33)
[68] 第六十七話[友](2015/06/07 21:34)
[69] 第六十八話[友](2015/10/18 17:11)
[70] 第六十九話[友](2016/02/28 20:03)
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[4371] 第五十三話
Name: 友◆ed8417f2 ID:11075f73 前を表示する / 次を表示する
Date: 2010/08/22 23:45

一気に決着をつけるためにヴァンデモンを攻撃したアグニモン。

その結果は・・・・・・



第五十三話 仲間との絆! 十闘士集結!!



「うぉおおおおおおおおっ!!」

アグニモンは、一気に覇竜刀を突き出す。

そして、次の瞬間には、ヴァンデモンの背中のマントから、覇竜刀が突き出ていた。

だが、

「チィッ!」

アグニモンは舌打ちする。

ヴァンデモンは覇竜刀を間一髪で避けていた。

「ぬうっ!」

ヴァンデモンは瞬時に飛び退く。

「た、拓也・・・・・・?」

由利子が、アグニモンを見て驚いた顔で呟く。

ヴァンデモンは、間合いを開けたところで着地すると、

「貴様、何者だ?」

大して取り乱してもいない声で、そう問いかけた。

「・・・・・・伝説の『十闘士』のスピリットの1つ。『炎』のスピリットを受け継いだ、アグニモン!」

アグニモンは覇竜刀を構えなおし、そう答える。

「『炎』のスピリットだと?出鱈目を言うな!伝説のスピリットは9つのはずだ!」

ヴァンデモンは信じられないのか、やや声を荒げてそう言う。

「別にテメエに信じてもらおうなんて思ってねえよ」

アグニモンは如何でもいい様に答えた。

「ただ・・・・・少なくとも、俺はお前の敵だ」

アグニモンはそう言い放つ。

「ふん! ならば、私に楯突いた事を後悔するがいい!!」

ヴァンデモンはそう叫ぶと、指をパチンと鳴らす。

すると、周りからバケモンが殺到した。

「バケェェェェッ!!」

バケモンたちはアグニモンに向かって、

「ヘルズハンド!!」

布の下から爪の付いた青く不気味な腕を伸ばし、攻撃する。

「ハッ!」

アグニモンは、それを跳躍して避け、

「バーニング!サラマンダー!!」

バーニングサラマンダーでバケモン達を薙ぎ払う。

「バケェッ!?」

炎に焼かれたバケモンたちは、データに分解され消え去る。

アグニモンは着地した瞬間、再び地面を蹴ってヴァンデモンに斬りかかる。

「はぁっ!!」

「くっ!」

覇竜刀の一閃をヴァンデモンは何とかかわすが、マントの一部が切り裂かれる。

「おのれ!」

ヴァンデモンは手にエネルギーを集中させ、

「ブラッディストリーム!!」

そのエネルギーが紅の鞭のようになり、ヴァンデモンはそれを振るう。

だが、あらゆるものを薙ぎ払うそれも、

「はあっ!」

覇竜刀の一振りで切り裂かれる。

「ぐっ!」

ヴァンデモンに焦りの表情が見え始める。

「その程度か? ヴァンデモン」

アグニモンは、そう言い放つ。

その言葉を挑発と受け取ったヴァンデモンは、

「いい気になるな!」

そう吐き捨て、再び指を鳴らす。

すると、

――ガシィ

地面から岩の手が飛び出し、アグニモンの両足を掴む。

「何!?」

アグニモンが下を向くと、

「くっ、ゴーレモンか!」

岩のデジモン、ゴーレモンが居た。

「兄ちゃん!」

信也がいきなりの奇襲に慌てる。

だが、

「大丈夫」

アイナが落ち着いた表情で言った。

「え?」

信也が怪訝な声を漏らすと、

「この程度、彼にとっては危機の内にも入らない」

シャルロットが、そう言った。



「ハッ! 油断したな! これで貴様も終わりだ!」

ヴァンデモンは勝利を確信したのかそう叫ぶ。

アグニモンは、ゴーレモンによって地中に引きずり込まれかけており、既に膝辺りまで地中に埋まっている。

だが、アグニモンは不敵な笑みを零すと、

「へっ! 十闘士を舐めるなよ! アグニモン!」

アグニモンはデジコードに包まれる。

「スライドエボリューション!」

そのデジコードの中で、アグニモンはビースト形態へと進化する。

そして、デジコードが消えると、

「ヴリトラモン!!」

赤き魔竜、ヴリトラモンとなる。

「何っ!?」

ヴァンデモンは驚愕した声を漏らす。

「うぉおおおおおおおっ!!」

ヴリトラモンは、翼を大きく広げ、力強く羽ばたかせる。

一度羽ばたくと、地中に沈んでいた身体が停止する。

二度羽ばたくと、停止していた身体が浮かび上がり始める。

三度羽ばたくと、地中に埋まっていた部分が完全に浮上する。

そして、四度羽ばたくと、逆に地中からゴーレモンを空中に引きずり出した。

「す、凄い・・・・あれは?」

その様子を見ていた信也たちは、岩の身体で出来た巨大なゴーレモンを持ち上げるヴリトラモンのパワーに驚愕する。

「あれは、『炎』の闘士のビースト形態、ヴリトラモン。 スピリットには、ヒューマンタイプとビーストタイプの二種類があって、それぞれのスピリットで別の進化が出来る」

輝二がそう説明した。

すると、ヴリトラモンの両腕に付いていたルードリー・タルパナが反転。

2つの銃口をゴーレモンに向ける。

そして、

「コロナブラスター!!」

宙吊りにしたゴーレモンに向かって、炎の弾丸を連射する。

ゴーレモンは、成す術なくその炎の弾丸に身体を撃ち抜かれ、消滅した。

ヴリトラモンは、ゆっくりと地面に着地する。

「バ、バカな・・・・・」

ヴァンデモンは、信じられないといった表情をする。

「この程度で世界の王になるなんざ、笑わせてくれるぜ」

アグニモンのその言葉に、ヴァンデモンは顔を怒りに染める。

「ふざけるな! 私は、私は全ての世界を統べる王になるのだ! 貴様如きに!!」

ヴァンデモンが怒りに任せてそう叫び、手を上げて合図を出す。

すると、ビルの陰から真っ黒な恐竜型デジモンのダークティラノモン。

地面から這い出る、巨大な2本の角と緑色の皮膚の獣型デジモンのタスクモン。

空中からカマキリのようなデジモンのスナイモン。

そして、何処からともなく大量のバケモンが姿を現した。

「総攻撃か……… いいぜ! 相手になってやる!!」

ヴリトラモンは構える。

「グォオオオオオッ!!」

タスクモンが、力任せに突進してくる。

「うぉおおおおおおおっ!!」

ヴリトラモンは、タスクモンの角を掴んで受け止める。

タスクモンのパワーに僅かに押されるも、ヴリトラモンは足を踏ん張り、完全に受け止める。

「おりゃあっ!!」

ヴリトラモンは、そのままタスクモンを持ち上げ、投げ飛ばす。

間髪いれず、スナイモンが空中から両手の鎌で斬りかかって来る。

――ガキィン

だが、ヴリトラモンはその鎌を両腕のルードリー・タルパナで受け止めた。

「おおおおっ!!」

ヴリトラモンはそのまま頭突きを放ち、スナイモンを吹き飛ばす。

「ガァアアアアアアッ!!」

更にダークティラノモンが襲い掛かってくるが、

「はぁあああっ!!」

ヴリトラモンは、体当たりで吹き飛ばした。

しかし、その隙にバケモンたちが街の人々に襲い掛かる。

悲鳴を上げる人々。

「信也!!」

ヴリトラモンは、信也達に呼びかけた。

その呼びかけの意味を理解した信也たちは、自分のデジヴァイスを取り出すと、

「「「デジメンタルアップ!!」」」

デジモン達を進化させるキーワードを叫んだ。

「ブイモン! アーマー進化!」

「ホークモン! アーマー進化!」

「アルマジモン! アーマー進化!」

それぞれのデジモン達が光に包まれる。

「轟く友情! ライドラモン!!」

「はじける純真! シュリモン!!」

「鋼の英知! ディグモン!!」

ブイモンは、四足歩行の青い身体に黒いアーマーを纏った獣型に。

ホークモンは、緑の衣を着た両手両足が手裏剣になり、背中にも巨大な八方手裏剣を背負った忍者のような人型の姿に。

アルマジモンは、前と同じく黄色い装甲に、顔と両手にドリルをつけた昆虫型デジモンに進化した。

「あれ? 昨日と違う?」

泉がライドラモンとシュリモンを見てそう漏らす。

「ブイモン達は、2つのデジメンタルで、2種類の進化が出来るんだ」

信也がそう説明した。

「ブルーサンダー!!」

ライドラモンが背中から蒼い雷弾を放ち、

「紅葉おろし!!」

シュリモンが伸縮自在の両手を伸ばし、手の先に付いた手裏剣で攻撃する。

「ゴールドラッシュ!!」

ディグモンは、5つのドリルを飛ばして攻撃した。

次々に吹き飛ばされていくバケモンたち。

だが、バケモンたちの数は多く、3体のアーマー体では防ぎきれない。

その時、何体かのバケモンがライドラモン達を突破し、輝二達に襲いかかる。

「き、来たっ!」

「くっ!」

信也たちは怯え、輝二達は身構える。

その時、

――ゴウッ

炎と氷嵐が巻き起こり、バケモン達を吹き飛ばした。

「え?」

「何が起こったんだ?」

突然の事に呆然とする一同の前に、杖を構えたアイナとシャルロットがいた。

「こっちは任せて!」

「あなた達は、敵の掃討を!」

アイナ達はライドラモン達に呼びかける。

「ああ! わかった!」

アイナ達の呼びかけに応え、ライドラモン達はバケモンを倒していく。

その様子に安心したのか、ヴリトラモンは自分の敵に向き直る。

3体同時に襲いかかってくるものの、ヴリトラモンは軽くあしらう。

ヴァンデモンは、その様子に悔しさで顔を歪めていたものの、

「フッ…」

と、突然口元に笑みを浮かべた。

その時、

「はっ!?」

バケモン達と戦っていたアイナが何かに気付く。

「シャルロット! 危ない!」

咄嗟にアイナはシャルロットを突き飛ばす。

その瞬間、鎖付きの分銅が飛んできて、アイナの首に巻きつく。

「あぐっ!?」

アイナは何とか首と鎖の間に指を入れることができ、呼吸は確保するものの、アイナはそのまま空中へ吊り上げられる。

「アイナ!」

「アイナ!」

「アイナちゃん!」

シャルロットを先頭に輝二達も叫ぶ。

その鎖の先には、巨大な鎌を持った死神のようなデジモン、ファントモンがいた。

「ケケケ……お前には人質になって貰おう」

ファントモンはそう笑みを浮かべて呟く。

その時、

「させるか!」

ファントモンを囲うように、ライドラモン、シュリモン、ディグモンが飛び掛った。

だが、ファントモンは大鎌を振りかぶると、

「ソウルチョッパー!!」

一閃の下に3体のアーマー体を弾き飛ばした。

攻撃を受けた3体は、成長期に退化し、落下する。

「ブイモン!」

「ホークモン!」

「アルマジモン!」

そのブイモン達を信也たちが受け止めた。

ファントモンは、アイナを吊り下げたままヴリトラモンの方へと移動する。

「くだらん抵抗はやめろ! この小娘がどうなってもいいのか!?」

ファントモンがそう脅し、

「ッ!? アイナ!!」

ヴリトラモンは叫ぶ。

「さあ、抵抗をやめろ!」

ファントモンはそう言って、アイナに大鎌の切っ先を突きつける。

「ッ………」

ヴリトラモンは躊躇する。

その時、

「ぁ……駄目………タクヤ……私のことはいいから………ッぐ……」

アイナが苦しみに表情を歪めながらも、そう呟く。

だが、そう言われて攻撃できるほど、拓也は冷酷ではない。

アイナに近付く鎌の切っ先を見て、

「……くそっ!」

ヴリトラモンは、アグニモンに戻り、構えを解いて無防備な状態になる。

「ヴァンデモン様! 今です!」

ファントモンがヴァンデモンに呼びかける。

「良くやった! これで貴様など相手ではない!」

ヴァンデモンは、一度マントを閉じ、

「ナイトレイド!!」

再び広げると、蝙蝠の群れが出現し、アグニモンに襲い掛かる。

「ぐぁあああっ!!」

アグニモンは吹き飛ばされ、ビルに叩き付けられる。

「兄ちゃん!」

信也が叫んだ。

「ブラッディストリーム!!」

ヴァンデモンは、紅のエネルギーの鞭で、アグニモンを追撃する。

「うあっ!」

立ち上がろうとしていたアグニモンは、ヴァンデモンの一撃を受け、弾き飛ばされる。

更にヴァンデモンは、ブラッディストリームをアグニモンの身体に巻きつけ、締め上げる。

「ぐぁああああああああっ!!」

悲鳴を上げるアグニモン。

更にその状態からヴァンデモンはアグニモンを振り回す。

持ち上げられたアグニモンは、勢い良くビルの壁に叩き付けられる。

「がぁっ!」

アグニモンはビルの壁を突き破る。

だが、休むことなくヴァンデモンは再びアグニモンを振り回した。

今度は地面に叩きつける。

「ぐぅっ!」

アグニモンは、苦しそうな声を漏らす。

ヴァンデモンは、視線を輝二達に向け、

「よく見ておくが良い! 私に逆らったものがどうなるかを!!」

そう叫んで、ヴァンデモンはアグニモンを次々と振り回した。

「ぐぁっ!」

「うああっ!」

「ぐああっ!」

アグニモンの悲鳴が響く。

その悲鳴を聞いていることしか出来ない輝二たちは、自分達の無力さに打ちひしがれていた。

「くそっ! 今の俺達には、拓也と一緒に戦う事も出来ないのか!?」

純平が悔しさから、拳を握り締めてそう叫ぶ。

「私達にも、スピリットがあれば………」

泉もそう呟く。

「拓也……」

「拓也……」

「拓也兄ちゃん……」

輝二、輝一、友樹も拓也の名を呟いた。



ヴァンデモンは、アグニモンをジャイアントスイングのように振り回し続ける。

そして、

「フン!」

回転のスピードが乗ったところで、アグニモンを解放した。

猛スピードでビルの壁に激突するアグニモン。

ビルの壁が砕け、アグニモンは瓦礫に埋もれる。

「フハハハハ! 私に逆らった事を悔いるがいい!」

ヴァンデモンは笑う。

その瞬間、

――ドォン

瓦礫の一部が吹き飛び、覇竜刀が一直線に飛んできた。

「ぬぅっ!?」

ヴァンデモンは首を逸らし、間一髪避ける。

その頬には、小さな傷が出来ただけであった。

「フン。 小癪なマネを「ぎゃぁっ!!」ッ!? 何っ!?」

ヴァンデモンは最後の足掻きだろうとタカを括っていたが、ファントモンの叫びが聞こえて振り向く。

ヴァンデモンの視線の先には、覇竜刀によって串刺しにされたファントモンの姿があった。

ファントモンは消滅し、それによってアイナは解放され、落下を始める。

「アイナちゃん!」

由利子が慌てた様子で叫ぶ。

「シルフィード!」

シャルロットはイルククゥに振り向き、呼びかける。

「きゅい! 分かってるのね!」

イルククゥは聞くまでもないといったように返事を返し、光に包まれる。

そして、元の風竜の姿となって飛び立つ。

シルフィードは落下するアイナをその背で受け止め、覇竜刀を口で挟む。

シルフィードは、アイナを皆の前に連れて行く。

「けほっ! けほっ!」

アイナは軽く咳き込む。

「アイナ、大丈夫?」

シャルロットがアイナに尋ねる。

「う、うん……何とか……」

アイナは苦しそうにしながらもそう返す。

すると、由利子、宏明、信也を初めとして、一同が驚いた表情でシルフィードを見ていた。

「え、え~っと……イルククゥちゃん?」

由利子が呆気に取られた顔をして、シルフィードにそう尋ねる。

「そうなのね」

シルフィードが頷く。

「風韻竜シルフィード。 それがイルククゥの正体で私の使い魔」

シャルロットがそう説明する。

「えっと、じゃあ、今の姿がイルククゥさんの本当の姿なの?」

信也の質問に、シャルロットは頷いた。

信也たちは呆然としていたが、

「貴様は……」

ヴァンデモンの声で正気に戻る。

ヴァンデモンは瓦礫の中で何とか身を起こすアグニモンを睨み付けていた。

「貴様は初めから私ではなくファントモンを狙ったな? バカな奴よ。 あんな小娘など見捨てて、私に止めを刺していれば、貴様の勝ちだったものを」

人質は無くなったものの、既にアグニモンはボロボロであり、自分が有利であると核心している。

ヴァンデモンは手にエネルギーを集中させ、

「フン!」

ブラッディストリームでアグニモンに攻撃する。

ヴァンデモンの言葉通り、既に限界が近いアグニモンは成す術無く縛り付けられ、再び地面に叩き付けられる。

「うぐっ!」

苦しそうな声を漏らすアグニモンを見て、

「フン、そんなボロボロで、そして、たった1人でこの私に立ち向かおうなどとは、片腹痛いわ!」

ヴァンデモンの周りに、手下のデジモン達が集まる。

「さあ、たった1人でこれだけの数を相手に出来るかな? クックック……」

ヴァンデモンは、余裕の笑みを浮かべる。

その時、倒れていたアグニモンが縛られたまま身を起こそうとしている。

「……俺は……・」

「む?」

アグニモンの呟きに、ヴァンデモンは怪訝な声を漏らす。

「俺は………1人じゃない」

アグニモンは、ボロボロの身体で立ち上がろうとしている。

「拓也………」

輝二がその姿を見て、拓也の名を呟く。

「この先………どんな事があろうとも…………」

アグニモンは、震える膝で立ち上がろうとするも、崩れ落ちて膝を着いてしまう。

「拓也………」

輝一も拓也の名を呟く。

「俺は……決して1人じゃない………」

アグニモンは、崩れた膝に力を入れ、再び立ち上がる。

「拓也兄ちゃん………」

友樹も、

「俺には………仲間が居る!」

アグニモンは拳を握り締める。

「拓也………」

泉も、

「どんなに遠く離れていようと………」

アグニモンは、真っ直ぐな目でヴァンデモンを睨み付ける。

「拓也………」

そして純平も拓也の名を呟いた。

「心で繋がった………最高の仲間たちが!!」

アグニモンはそう言い放つ。

「「「「「拓也(兄ちゃん)……!」」」」」

拓也の名を口にする、輝二、輝一、友樹、泉、純平。

彼らの心にあるのは唯1つ。

『再び、大切な仲間と共に戦う力を』

「「「「「スピリット!!!」」」」」

5人の声が空に響き渡った。



















そして………



















その想いは………




















次元の壁を越え………




















かつての戦友スピリット へと………



















伝わった………
























ヴァンデモンは不機嫌だった。

闇を統べる自分に対して、こんなにもボロボロでありながら、全く絶望の色を見せない瞳。

それどころか、その瞳の輝きは、より一層増している。

ヴァンデモンは、それが気に入らなかった。

「よかろう! 成らば、貴様を葬り去った後、貴様の言う大切な仲間も後を追わせてやる!!」

ヴァンデモンは、アグニモンを締め付ける力を限界まで高めた。

「ぐぁああああああああああああっ!!」

アグニモンの悲鳴が響き渡る。

その時、

「「「「「スピリット!!!」」」」」

5人の叫びが響き渡った。

その瞬間、近くのビルにある巨大テレビ画面にデジコードが浮かび上がり、そこから9つの光が飛び出す。

その色は、白、黒、水色、ピンク、黄、茶、青、緑、肌色。

その光は、ブラッディストリームを断ち切り、アグニモンを解放する。

「何っ!?」

ヴァンデモンは声を漏らすが、そのヴァンデモンにその光が襲い掛かる。

「なっ!? ぐわぁ!!」

ヴァンデモンはその光の体当たりを受け、弾き飛ばされた。

解放されたアグニモンは、その場で膝を付き、デジコードに包まれ拓也に戻る。

「拓也―――っ!!」

その拓也に、輝二、輝一、泉、友樹、純平が駆け寄る。

「み、皆………」

拓也はそう呟くと、デジヴァイスが光っている事に気付く。

「何だ?」

拓也がデジヴァイスを取り出すと、デジヴァイスから赤い光が飛び出し、拓也達の上で漂っていた9つの光と合流。

そして、拓也達の前に、一直線に落ちてきた。

落ちて来たときに発生した煙が消えると、そこには、

赤い光――アグニモン

白の光――ヴォルフモン

黒の光――レーベモン

水色の光――チャックモン

ピンクの光――フェアリモン

黄の光――ブリッツモン

茶の光――グロットモン

青の光――ラーナモン

緑の光――メルキューレモン

肌色の光――アルボルモン

かつての戦友、伝説の十闘士がそこにいた。

ヴォルフモンが口を開く。

『我が友の叫びを聞き、その想いを叶える為に、我らここに、再び姿、現さん』

十闘士は、輝二達を見つめる。

『我が友よ。 再び戦いに身を投じる覚悟はあるか?』

ヴォルフモンの問い。

その問いに、

「「「「「ある!!」」」」」

輝二、輝一、友樹、泉、純平が迷い無く頷いた。

すると、アグニモンが拓也の方を見る。

『拓也……君は如何する? ここで力を手放すのも1つの選択だ。 例え君が、この場で戦う事をやめても責める者は誰も居ないだろう』

拓也はそれを聞くと、一度俯く。

「確かに……それも良いかもしれない………」

拓也は小さく呟く。

しかし、顔を上げると、

「でも、俺は戦う! 大切な家族を! 仲間を守る為に!」

拓也はそう言い放つ。

すると、アグニモンは笑みを浮かべた後、表情を引き締めなおす。

『ならば、最後に問おう! 戦うか!? 否か!?』

アグニモンの問いに、

「「「「「「戦う!!」」」」」」

全員が同時に答えた。

その瞬間、十闘士がスピリットの形を取る。

拓也はデジヴァイスを、他のメンバーは携帯電話を翳す。

そして、『炎』『土』『木』のスピリットが拓也のデジヴァイスに。

『光』『水』『鋼』のスピリットが輝二の携帯に。

『闇』のスピリットは輝一の。

『氷』のスピリットは友樹の。

『風』のスピリットは泉の。

『雷』のスピリットは純平の携帯に吸い込まれた。

そして、それぞれの携帯がデジヴァイスへと姿を変える。

すると、

「貴様らぁ!! 何処までも私の邪魔をしおって!!」

先程、スピリットの光に弾き飛ばされたヴァンデモンが、手下のデジモンを一堂に引き連れ、怒りの形相でそこに居た。

「もう許さん!! 皆殺しだ!!」

ヴァンデモンは手下に命じる。

その時、拓也が叫んだ。

「行くぞ!! 皆!!」

「「「「「おう!!」」」」」

全員が応え、デジヴァイスを構える。

6人のデジヴァイスの画面に光が走り、スピリットの形を描く。

前に突き出した左手に、光の帯――デジコード――の輪が発生する。

そのデジコードの輪に、右手に持ったデジヴァイスの先をなぞる様に滑らせる。

「「「「「「スピリット!エボリューション!!」」」」」」

全員がデジコードに包まれる。

デジコードの中では、6人がスピリットを纏っていく。

顔に。

腕に。

体に。

足に。

6人の身体にスピリットが合わさる。

そして、

かつてデジタルワールドを救った、

6人の闘士が、

ここに現れた。

「アグニモン!!」

拓也が進化した『炎』の闘士。

「ヴォルフモン!!」

輝二が進化した『光』の闘士。

「レーベモン!!」

輝一が進化した『闇』の闘士。

「チャックモン!!」

友樹が進化した『氷』の闘士。

「フェアリモン!!」

泉が進化した『風』の闘士。

「ブリッツモン!!」

純平が進化した『雷』の闘士。

6体の闘士達は、ヴァンデモン軍と相対する。

そして、

「行くぞぉぉぉぉぉっ!!」

一斉に駆け出した。







次回予告


遂に揃った伝説の十闘士。

だが、非情なるヴァンデモンは手下のデジコードを吸収し、究極体となって十闘士に襲い掛かる。

拓也達は、自分達の街を守れるのか!?

次回!ゼロの使い魔と炎の使い魔

第五十四話 決戦ヴェノムヴァンデモン! 闇をぶっ飛ばせ!!

今、異世界の物語が進化する。





あとがき

こっちでは久々です。

約8ヶ月ぶりのゼロ炎の更新です。

まあ、スランプ明けにしては、良い出来だと思います。

では、更新が止まらないように頑張ります。




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