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No.4371の一覧
[0] ゼロの使い魔と炎の使い魔(ゼロの使い魔xデジモンシリーズ〈フロンティア中心〉)[友](2009/03/15 21:23)
[1] プロローグ[友](2008/10/07 18:36)
[2] 第一話[友](2008/10/07 18:51)
[3] 第二話[友](2008/10/10 19:17)
[4] 第三話[友](2008/10/13 16:12)
[5] 第四話[友](2008/10/20 17:57)
[6] 第五話[友](2008/10/26 04:02)
[7] 第六話[友](2008/11/01 17:51)
[8] 第七話[友](2008/11/08 17:50)
[9] 第八話[友](2008/11/15 12:02)
[10] 第九話[友](2008/11/22 17:35)
[11] 第十話[友](2008/11/29 14:53)
[12] 第十一話[友](2008/12/05 19:52)
[13] 第十二話[友](2008/12/07 21:43)
[14] 第十三話[友](2008/12/14 16:23)
[15] 第十四話[友](2008/12/21 12:18)
[16] 第十五話[友](2008/12/28 16:54)
[17] 第十六話[友](2009/01/01 00:05)
[18] 第十七話[友](2009/01/02 16:26)
[19] 第十八話[友](2009/01/09 00:29)
[20] 第十九話[友](2009/01/11 06:34)
[21] 第二十話[友](2009/01/15 20:24)
[22] 第二十一話[友](2009/01/18 17:32)
[23] 第二十二話[友](2009/02/01 11:52)
[24] 第二十三話[友](2009/02/01 11:54)
[25] 第二十四話[友](2009/02/08 22:23)
[26] 第二十五話[友](2009/02/15 11:45)
[27] 第二十六話[友](2009/02/22 20:46)
[28] 第二十七話[友](2009/03/01 13:24)
[29] 第二十八話[友](2009/03/08 19:44)
[30] 第二十九話[友](2009/03/14 00:18)
[31] 第三十話[友](2009/03/14 21:51)
[32] 第三十一話[友](2009/03/15 21:22)
[33] 第三十二話[友](2009/03/26 19:38)
[34] 第三十三話[友](2009/04/11 22:44)
[35] 第三十四話[友](2009/04/11 22:43)
[36] 第三十五話[友](2009/05/02 13:14)
[37] 第三十六話[友](2009/05/02 13:13)
[38] 第三十七話[友](2009/05/04 18:13)
[39] 第三十八話[友](2009/05/05 10:08)
[40] 第三十九話[友](2009/05/05 16:55)
[41] 第四十話[友](2009/05/31 14:53)
[42] 第四十一話[友](2009/06/21 11:00)
[43] 第四十二話 7/19修正[友](2009/07/19 20:21)
[44] 第四十三話[友](2009/08/01 12:23)
[45] 第四十四話[友](2009/08/12 13:39)
[46] 第四十五話[友](2009/08/31 23:37)
[47] 第四十六話[友](2009/09/12 20:57)
[48] 第四十七話[友](2009/09/13 16:58)
[49] 第四十八話[友](2009/09/19 00:53)
[50] 第四十九話[友](2009/09/27 10:46)
[51] 第五十話[友](2009/10/17 16:40)
[52] 第五十一話[友](2009/12/06 14:33)
[53] 第五十二話[友](2010/08/08 22:23)
[54] 第五十三話[友](2010/08/22 23:45)
[55] 第五十四話[友](2010/09/26 20:09)
[56] 第五十五話[友](2010/09/26 20:08)
[57] 第五十六話[友](2010/11/20 11:51)
[58] 第五十七話[友](2010/12/12 23:08)
[59] 第五十八話[友](2011/01/02 19:02)
[60] 第五十九話[友](2011/01/24 14:57)
[61] 第六十話[友](2011/02/13 19:25)
[62] 第六十一話[友](2011/02/13 19:22)
[63] 第六十二話[友](2012/01/15 20:45)
[64] 第六十三話[友](2012/01/15 20:39)
[65] 第六十四話[友](2015/02/08 17:28)
[66] 第六十五話[友](2015/03/08 21:45)
[67] 第六十六話[友](2015/05/03 15:33)
[68] 第六十七話[友](2015/06/07 21:34)
[69] 第六十八話[友](2015/10/18 17:11)
[70] 第六十九話[友](2016/02/28 20:03)
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[4371] 第八話
Name: 友◆ed8417f2 ID:11075f73 前を表示する / 次を表示する
Date: 2008/11/15 12:02
フーケの騒ぎも収まり、学院に平穏が戻ってきた。

だが、拓也には波乱の日々が待ち受けていた!?


第八話 女の戦い勃発!?シルフィードのプレゼント


舞踏会から一夜明け、朝、拓也は目を覚ました。

「くあぁ・・・・・・朝か」

拓也は欠伸をして、起き上がる。

因みに、街に行った時にちゃんと布団を買ってもらったので、身体が痛いなんて事はなくなった。

「やっぱ布団があるといいな」

拓也はふと寝ているアイナを見る。

昨日、舞踏会で一緒に踊ったのを思い出す。

「そういえば、顔がずっと赤かったけど、酒でも飲んでたのか?」

そう言葉を洩らしたとき、アイナが起きた。

「う・・・ん・・・・・おはようタクヤ・・・・・」

目を擦りつつ挨拶をするアイナ。

「おう。おはよう」

挨拶を返す拓也。

「・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・」

何故か無言になる2人。

だが、アイナは拓也の顔をじっと見つめていた。

「ど、どうした?」

「え!?あ、ううん。何でもない」

拓也が聞くと、アイナは、はっとして慌てた。

その時、

――コンコン

ドアがノックされた。

「ん?誰だこんな朝早くに?」

拓也が立ち上がり、ドアへ向かう。

「誰ですか?」

拓也はそういいながら、ドアを開けた。

そこには、歳が20歳ぐらいと思われる青い髪の女性がいた。

「どなたですか?」

拓也は見覚えのないその女性に尋ねる。

すると、その女性は満面の笑みを浮かべ、

「きゅい!タクヤさま~!」

そう言って、飛び掛ってきた。

「おわっ!?」

その女性は先にも述べたとおり20歳ぐらい。

そして、拓也は11歳。

いかに相手が女性であろうと、そんな体格差で飛び掛って来られれば、拓也では支えきれない。

ゆえに拓也はそのまま後ろに倒れることになる。

イコール、アイナの部屋の中に倒れることになり、その拓也の上に女性がくることになる。

つまり、拓也がその女性に押し倒されているところをアイナが目撃することになる。

「・・・・・・・・」

アイナは沈黙していたが、やけに空気が重い。

「きゅいきゅい♪タクヤさま~♪」

その女性はアイナに気付くことなく、拓也を押し倒したまま笑顔を向けている。

――ピキッ!

何故かそんな音が聞こえた気がした。

「うわわっ!?何っ!?どうなってんの!?貴女は誰ですか!?」

拓也は、ハルゲギニアに来て一番慌てていた。

いきなり見知らぬ女性に押し倒されたのだ。

拓也は訳も分からず取り乱す。

だが、その時、

――ボカッ

「きゅい!?」

何か叩くような音と、女性の悲鳴のような声が聞こえた。

拓也の上の女性が退いた為、拓也は身を起こす。

そこには、タバサとキュルケがいた。

先程の音は、タバサがその長い杖で青い髪の女性の後頭部を叩いた音だった。

「きゅい~・・・・お姉さま、何するのね~!?」

青い髪の女性は涙目になりながらタバサに抗議する。

「人間は普通、初めて出会った相手に飛び掛るなんて事はしない」

タバサは淡々と答える。

「きゅい~初めてじゃないのね」

「その姿で会うのは初めてだから、初対面のようなもの」

そんな会話をする2人。

「ちょ、ちょちょっとタバサ。それにキュルケも。その人と知り合い?」

アイナがそう尋ねる。

その声にはかなりの動揺があった。

「ええ、まあ、知り合いといえば知り合いよね・・・・・」

キュルケの言葉は歯切れが悪い。

「どうしたの?」

不思議に思ったアイナが尋ねる。

「え~とね、その子、シルフィードなのよ」

「「・・・・・・・・・」」

キュルケの言った言葉にしばしの沈黙。

そして、

「「えええええええええっ!!??」」

拓也とアイナが同時に驚いた。

「きゅいきゅい」

当の本人は笑顔のままである。

「シルフィードは韻竜。先住魔法で人の姿になれる」

タバサがそう言うと、

「い、韻竜!?まだ生き残りがいたの!?」

アイナがまた驚く。

「ほ~んと、韻竜を召喚するなんて、タバサの実力が伺えるわね」

そう言うのはキュルケ。

「・・・・・で、何で俺が押し倒される破目になったんだ?」

拓也は話を戻す。

「それは「きゅいきゅい。シルフィ恋したのね」」

キュルケが説明しようとした時、シルフィードが自ら言った。

「恋したって・・・・誰に?」

「タクヤさまに」

聞き返す拓也に、ニコニコしながらシルフィードが答える。

「は?・・・・・・・・・」

拓也は固まった。

「そりゃあねえ、昨日あんな風に助けてもらったら、大概はイチコロよ。危機に陥ったお姫様を王子様が助ける。そんなイメージがぴったりね。姿は竜だったけど・・・」

キュルケがそう言う。

「きゅいきゅい、それでね、タクヤさまにプレゼントがあるのね」

「ぷれぜんと?」

拓也はまだショックが抜けきってないのか、片言である。

「あら、やるじゃないシルフィード。そういうことの積み重ねが男の人のハートを掴むのよ」

キュルケは既にシルフィードを応援する立場にいるようだ。

「これなのね。タクヤさまなら、きっと使いこなす事が出来るのね」

そう言って取り出したのは、一本の短剣だった。

「あ、それは」

タバサが何か言おうとしていたが、差し出された短剣を拓也は受け取る。

その瞬間、拓也は意識が何かに飲まれようとする感覚に陥る。

(な、なんだ?まるでビーストスピリットを使ったときみたいに・・・・って、やべえ!)

「はあっ!!」

拓也はビーストスピリットを制御する時の様に意識を強める。

意識が飲まれる感覚が消える。

「なっ!?テメエ、あそこから身体の制御を奪い返すなんて何者だ!?」

短剣から声がした。

「きゅい♪やっぱり大丈夫だったのね」

シルフィードは喜んでいる。

――ゴンッ

その後頭部にタバサの杖の一撃が加えられた。

「きゅい!?痛いのね、お姉さま~」

再び涙目になりながらタバサに訴えるシルフィード。

「勝手な事した罰」

「きゅい~、タクヤさまなら、大丈夫と思ったのね」

「それは結果論。一つ間違えば面倒なことになってた」

シルフィードに説教するタバサ。

訳の分からない拓也は尋ねる。

「お~い。このナイフは一体なんだ?喋ったから、才人さんのデルフリンガーのお仲間みたいだけど・・・・・」

「インテリジェンスナイフ。持ち主の身体を乗っ取り、操ることが出来る」

タバサが説明する。

「んな物騒な物を何でまた?」

「けど、そのナイフを持っていれば平民でも魔法を使える」

「ホントか!?」

タバサは頷く。

「へ~。魔法って一回使ってみたかったんだよな。おい、ナイフ!後で魔法の使い方教えろよ!」

「そ、それはいいんだが、坊主。何で俺の制御を受け付けねえ?」

「ん?さあ?俺はビーストスピリットを制御する感覚で持ってるだけだからな」

「それが何か知らないが、俺の制御を受け付けねえって事は、それだけ意志の力が強えって事だ。坊主ぐらいの歳でそれだけ確固たる意志を持った人間なんて普通いねえぞ」

「まあ、俺も色々あったからな。それはそうとして、ナイフ」

「一応、俺にも、『地下水』って名があるんだが・・・・」

「そうか。じゃあ地下水」

「何だ?」

「次に俺の身体を乗っ取ろうとしたら、粉々に砕いた上に、ドロドロに溶かしてやるからな」

拓也はかなりドスの聞いた声で言った。

「イ、 イエッサー!!」

地下水は、そう返事をする。

「よし!じゃあこれからよろしくな、地下水。俺は神原 拓也だ」

「まあ、少し若すぎるが、俺が操れねえ使い手なんて面白そうだ。暫く付き合ってやらあ」

何だかんだで、お互い納得した模様である。

「きゅいきゅい!タクヤさま。シルフィのプレゼント、気に入った?」

「ああ。ありがとなシルフィード」

「きゅい♪」

シルフィードは嬉しそうに笑い、拓也に抱き付いて来た。

「だああっ!!だからって抱きつくな!!」

拓也は顔を真っ赤にして叫ぶ。

「あらあら。タクヤってウブなのね」

キュルケは、笑いながらそう言った。

「きゅいきゅい、言い忘れてたけど、他の人に正体ばれるといけないから、この姿の時はイルククゥって呼んで欲しいのね」

シルフィードがそう言い、

「イルククゥ?」

「そよ風って意味だな」

首を傾げる拓也に、地下水が答える。

「きゅいきゅい、シルフィードはお姉さまに貰った名前。イルククゥは、竜としての名前なのね」

更にシルフィードが説明する。

「って事は、イルククゥがシルフィードの本名ってことか?」

「そうなのね。けど、お姉さまに貰ったシルフィードっていう名前も気に入ってるのね。だから、竜の姿の時はシルフィード。この姿のときはイルククゥって呼んで欲しいのね」

「あ、ああ、わかった」

拓也が頷く。

すると、

「じゃあじゃあ、タクヤさま。お付き合いから始めましょ。きゅい」

シルフィードもとい、イルククゥがそう言った。

「お、おい。そんなこと「ダメ」って、え?」

いきなりの否定する言葉が飛んできた。

見ると、アイナが額に怒りマークを浮かべていた。

「ぜぇぇぇったい!ダメ!!」

今までのアイナでは信じられないほどの力の篭った言葉。

「きゅいきゅい!おチビには関係ないのね!黙ってるのね!」

「関係無くないもん!」

「何が関係あるのね!」

「そ、それは・・・・・タ、タクヤは私の・・・」

「言っとくけど、使い魔だからっていうのは却下なのね」

アイナの出鼻を挫くイルククゥ。

「・・・・・・・・・」

黙り込んでしまうアイナ。

「何も言えないみたいなのね。じゃあ、タクヤさま、お付き合いしましょ。きゅい」

「ま、待ちなさい!」

拓也の方に向き直ろうとするイルククゥを呼び止める。

「何なのね!?」

アイナは一度、目を閉じ、深呼吸をする。

そして、目を開けると覚悟を決めた顔をして、口を開いた。

「わ、私だって・・・・・私だってタクヤの事、好きなんだからぁっ!!」

突然のアイナの告白。

「はい?」

拓也は再び固まった。

「タクヤ気付いて無かったの?」

キュルケが呆れたように呟き。

「鈍感」

タバサが強烈な一言を放つ。

「きゅい!だからって、引き下がる心算は無いのね!引っ込むのはおチビの方なのね!」

「さっきから、おチビ、おチビって、私は12歳だから、この身長が普通よ!それにタクヤは11歳。年齢では問題ないもん!」

「シルフィは、200年位生きてるけど、人間で言えば10歳程度なのね!」

「アナタ竜でしょ!」

「きゅいきゅい。シルフィは人間に変身できる竜。タクヤさまは、竜になれる人間。お似合いなのね!」

「お似合いじゃない!!」

アイナとイルククゥの激突は続いていく。

挙げ句の果てに、

「アナタ子供産めないでしょ!」

「そんなこと無いのね!タマゴの1つや2つ、気合で産んで見せるのね!!」

一気にそんな所まで話が飛んでいた。

「いや、タマゴって・・・・・」

(・・・いや、竜だからタマゴであってるのか?)

拓也は最早、驚愕の余り、正常な思考が出来なくなりつつあった。

「けけけ。相棒は、トラブルメーカーみたいだな。こりゃ退屈しそうにねえや」

地下水が笑いつつそう言う。

「これから面白くなりそうね」

キュルケもニコニコしながらそう言い、

「三角関係の始まり」

タバサはいつもの無表情でそう呟いた。


そして、

「アナタと話していても埒が明かないみたいね」

「ホントなのね。しつこいのね、おチビ」

「じゃあ、こういう時は・・・・・」

「そうなのね。手っ取り早く本人に聞くのが一番なのね」

アイナとイルククゥが同時に拓也の方を向く。

「タクヤ・・・・・私とシルフィード」

「どっちがいいのね?」

2人に迫られる拓也は、物凄いプレッシャーを感じていた。

(な・・・・何だこのプレッシャーは!?ロイヤルナイツと相対した時も、こんなにヤバイとは思わなかったぞ・・・・)

「さあ・・・・」

「選ぶのね・・・・」

更に迫る2人。

(・・・・・・こうなったら)

「あっ!!」

拓也はドアの方を指差し、叫んだ。

全員がそっちを向く。

その隙に拓也は、窓に向かって駆け出した。

「地下水!空飛ぶ魔法!!」

「あいよ」

地下水が『フライ』の呪文を唱え、拓也は窓から飛び出す。

「あ~!逃げた!」

「待つのね!」

イルククゥが窓から飛び出すと同時に竜となり、何故かアイナがその背に飛び乗る。

「何で乗るのね!?」

「早く追って!」

確かに『フライ』で飛ぶよりは速いのだが、シルフィードは納得のいかない顔をする。

「貸し1つなのね」

「何でもいいから早く追って」

その10分後、拓也は捕まる。

拓也はそこで再び迫られるが、説得の末、その話を保留にした。

しかし、人それを一時しのぎと言う。

拓也の波乱に満ちた日々は、始まったばかりだ。





――それから一週間後

トリステインの城下町の一角にあるチェルノボーグの監獄では、『土くれ』のフーケがぼんやりとベッドに寝転んで壁を見つめていた。

ここチェルノボーグの監獄は、城下で一番監視と防備が厳重と言われている。

フーケは、散々貴族のお宝を荒らしまわった怪盗だったので、魔法衛士隊に引き渡されるなり、ここにぶち込まれたのだ。

「まったく、かよわい女一人閉じ込めるのに、この物々しさはどうなのかしらね?」

苦々しげに呟く。

それからフーケは自分を捕まえた少年達のことを思い出した。

「大したもんじゃないの。あいつらは」

『破壊の杖』を使いこなした少年と炎の戦士、炎の竜となった少年。

(特に変身した方は、あの時本気じゃなかったね。あの風竜を助けるために腕2本で済ませたって感じだ。その気になれば私のゴーレムなんか・・・・いや、スクウェアのゴーレムでも一撃だろうね。全く、あそこまで圧倒されちゃあ仕返しする気も起きないよ。けど、その主の赤毛のお嬢ちゃん。たしかラインメイジって言ってたはずなんだけど、何で私のゴーレムを膝だけとはいえ、破壊できたんだろうね。トライアングルの魔法でも耐えれるように作ったはずなんだけどねえ・・・・・ま、今となっては如何でもいいか)

フーケは、眠ろうと思って目を閉じるが、すぐにぱちりと開いた。

フーケが投獄された監獄の上の階から、誰かが降りてくる足音がする。

フーケはベッドから身を起こした。

鉄格子の向こうに、長身の黒マントを纏った人物が現れた。

白い仮面に覆われて顔が見えないが、マントの中から長い魔法の杖が突き出ていることから、どうやらメイジのようだ。

フーケは鼻を鳴らした。

「おや!こんな夜更けにお客さんなんて、珍しいわね」

その人物は鉄格子の向こうに立ったまま、フーケを値踏みするかのように黙りこくっている。

フーケは、その人物が口封じのために自分を始末しに来た刺客だと当たりをつけた。

「おあいにく。見ての通り、ここには客人をもてなすような気の利いたものはございませんの。でもまあ、茶のみ話をしにきたって顔じゃありませんわね」

すると、男が口を開いた。

「『土くれ』だな?」

「誰がつけたか知らないけど、確かにそう呼ばれているわ」

男は両手を広げて、敵意のないことを示した。

「話をしにきた」

「話?」

怪訝な声で、フーケは言った。

「弁護でもしてくれるっていうの?物好きね」

「何なら弁護してやってもかまわんが。マチルダ・オブ・サウスゴータ」

フーケの顔が蒼白になった。

その名は、かつて捨てた、いや、捨てることを強いられた貴族の名であった。

「あんた、何者?」

震える声でフーケは尋ねた。

男はその問いには答えずに、笑って言った。

「再びアルビオンに仕える気はないかね?マチルダ」

「まさか!父を殺し、家名を奪った王家に仕える気なんかさらさらないわ!」

フーケは、いつもの冷たい態度をかなぐり捨てて怒鳴った。

「勘違いするな。何もアルビオンの王家に仕えろと言っているわけではない。アルビオンの王家は倒れる。近いうちにね」

「如何いう事?」

「革命さ。無能な王家はつぶれる。そして、我々有能な貴族が政を行なうのだ」

「でも、アンタはトリステインの貴族じゃないの。アルビオンの革命とやらと、何の関係があるっていうの?」

「我々はハルケギニアの将来を憂い、国境を越えて繋がった貴族の連盟さ。我々に国境はない。ハルケギニアは我々の手で一つとなり、始祖ブリミルの光臨せし『聖地』を取り戻すのだ」

「バカ言っちゃいけないわ」

フーケは薄ら笑いを浮かべた。

「で、その国境を越えた貴族の連盟とやらが、このこそ泥に何の用?」

「我々は優秀なメイジが1人でも多く欲しい。協力してくれないかね?『土くれ』よ」

「夢の絵は、寝てから描くものよ」

フーケは手を振った。

「私は貴族が嫌いだし、ハルケギニアの統一なんかにゃ興味がないわ。おまけに『聖地』を取り返すだって?エルフに喧嘩売るなんて真っ平ゴメンだね」

「なに、心配することはない。我々には『漆黒の竜人』がついている」

「『漆黒の竜人』?」

「これ以上は、我々の仲間にしか話せない。そして、『土くれ』よ。お前は選択することができる」

男は、腰に下げた長柄の杖に手をかけた。

「言ってごらん」

フーケが促す。

「我々の同志となるか・・・・・・・・」

あとをフーケが引き取った。

「ここで死ぬか、でしょ?」

「その通りだ。我々の事を知ったからには、生かしてはおけんからな」

「ほんとに、あんたら貴族ってやつは、困った連中だわ。他人の都合なんか考えないんだからね」

フーケは笑った。

「つまり選択じゃない。強制でしょ?」

男も笑った。

「そうだ」

「だったらはっきり味方になれって言いなさいな。命令も出来ない男は嫌いだわ」

「我々と一緒に来い」

フーケは腕を組むと尋ねた。

「あんたらの貴族の連盟とやらは、なんていうのかしら?」

「味方になるのか?ならないのか?どっちなんだ」

「これから旗を振る組織の名前は、先に聞いておきたいのよ」

男はポケットから鍵を取り出し、鉄格子についた錠前に差し込んで言った。

「レコン・キスタ」






次回予告


アイナとシルフィードに迫られる日々を送る拓也。

だが、使い魔品評会を当日になって告げられる。

出し物に悩む、拓也と才人。

2人が決めた選択とは?

そして、その夜、ルイズの部屋を訪れた人物とは?

次回!ゼロの使い魔と炎の使い魔

第九話 使い魔品評会と王女の依頼

今、異世界の物語が進化する。




あとがき

第八話完成。

でも今回はしみじみ思った。

イメージどおりに表現できない!

自分の文才の無さが恨めしい!

と。

ストーリーの流れはともかく、思ったとおりの表現が上手くできてないと感じてます。

読み返しても、何処か物足りないと感じるんですけど、何処を付け足せばいいのかわかりません。

申し訳ない。

もっと精進です。

まあ、今回を振り返りますと、シルフィードとアイナがいきなり告ってます。

これは、皆さん如何思うでしょうか?

とりあえず、ルイズと違って素直な設定の2人(1人と1匹)なので、一応ストレートにいきました。

んで、地下水が拓也の手に。

他の二次小説でも、度々見かけておりますが、この小説でもそれに習ってみました。

出番は少なくなりそうですが・・・・・・

さて、最後のほうに出た『漆黒の竜人』という言葉。

わかる人は一発でしょう。

それでは、次回も頑張ります。


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