ネエ・・・ナンデダマッテルノ?

 

ネエ・・・ナンデホホエミカケテクレナイノ?

 

ネエ・・・ナンデボクヲミテクレナイノ?

 

ネエ・・・ナンデボクヲナデテクレナイノ?

 

ネエ・・・

 

ナンデ・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

クビダケシカナイノ?

 


新世紀EVANGELION

 

〜紅き運命〜

 

一つ目の血玉「崩壊」

 


〜自室〜

 

「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

声も上げず飛び起きるシンジ、其れは夢という名を借りた過去の亡霊、真実、体験・・・

シンジは自分の頬が濡れてるのを感じ、拭ってみる、そして手に付いた液体を繁々と見つめる、其れは血のように赤かった

ぴっ

まだ頬に残る血涙を弾き、呟く

「・・・あの夢か・・・最近は見た事無かったのに・・・矢張り・・・何かが起こるという事か・・・」

クスリ・・・

「いよいよだ・・・いよいよ君の復讐を果たす時が来たよ・・・アカリ・・・待っててね・・・全てが終わったら・・・僕は・・・」

こんこん

「・・・誰だ・・・」

思考を遮られ、少々不機嫌なシンジ

「私・・・サユリよ・・・」

「・・・どうぞ・・・鍵は開いています・・・」

がちゃり

入って来たのはシンジの直属の上司、天城サユリである

「何か御用ですか?」

素っ気無く話し掛けるシンジに苦笑しながらサユリは数枚のレポート用紙をシンジに無言で手渡した

「・・・?・・・此れは・・・EVANGELION初号機?・・・」

驚くべき事に其れはNERVの最高機密、対使徒用決戦兵器、EVANGELIONの細かなデータだった、そして其のパイロットの欄に書かれた名前を見た途端、シンジの目はすうっと細くなった

「・・・メインパイロット、綾波レイ・・・サブ・・・予備パイロット、碇シンジ?・・・フッ・・・何を考えているんだろうな、あの愚かな咎人は・・・」

薄っすらと殺気を漂わせるシンジを見てサユリは妖艶にぺろりと赤い唇を舌で舐め上げ、続けて来る

「此の侭行くと、貴方が乗る事になるでしょうね、其の・・・初号機とやらに・・・」

「断る、アレに乗るくらいなら・・・あいつの思い通りに事を運ぶ位なら・・・NERVを根底から消滅させた後、俺自身の手で使徒とやらを葬る・・・文句はあるまいな・・・」

そう少しではあるが先程のレポートには使徒についても明記してあった、其れが倒すべき相手であると・・・

「まあ・・・私としては文句もないし、貴方の『能力』を持ってすれば今言った事を実行するのは可能でしょうね、でもまあ私達、NHも国連に所属する身・・・あんまり派手な行動は慎んで貰いたい訳よ・・・」

「フン・・・人間は自分と違う存在を駆逐する性癖があるからな、其れが力を持てば持つほどだ・・・なら如何しろと?」

すっ・・・

「?」

サユリは一枚の紙切れをシンジに手渡して来た、シンジが見ると其処にはとある場所の座標が書かれてあった

「・・・此処に何が?」

「・・・さあ?何でしょうね?まあ・・・貴方が喜ぶような物である事は確かよ・・・」

「フン・・・まあ良い・・・後二日で向うへ行かなければならん、今直ぐ向うとしよう)

そう言って立ち上がるシンジの前にサユリが立ち塞がる

「・・・なんだ・・・未だ用があるのか?ならサッサと・・・」

ぱさっ・・・

黙り込んだシンジの前でサユリは服を脱いで行く・・・

「・・・此れだけ貴方の為に頑張ったんだから・・・少しはご褒美をくれても良いんじゃないかしら?」

下着姿となり、ゆっくりと近付いて来る彼女に対してシンジは溜め息をつきつつ・・・

「・・・物好きな女だ・・・」

どさっ・・・

「きゃっ!?」

「覚悟は・・・出来てるんだろうな・・・」

「・・・」

自分をまるで獲物を見つめる獣の様な目で見るシンジにサユリの心は躍る、彼女は・・・いや、皆まで言うまい・・・

其れから数十分後・・・

シンジは焦点の合わない視線で天井を眺めている全裸のサユリを残し、先ほどの紙に書かれていた座標へと赴いて行った

 


〜位置不明、???〜

 

どががががががが!!!!!

「な、何なんだ!?この化け物は!!何で死なないんだ!!!」

「ゴチャゴチャ言ってる暇があったら撃て!!!撃って奴・・・」

どがん!!どがん!!!

「ぐおぇ!!??」

「へぐうぅっ!!」

「・・・つまらない・・・こんな塵を殺す為に来た訳じゃないんだけどな・・・」

そう言いながらもシンジは其の両手に握る拳銃で次々と刃向かう警備員を死に追い遣って行く

「た、隊長!!我々では勝てません!逃げましょう!!」

「ば、馬鹿を言うな!!此処にある「アイツ」を解放するのか!?其れがもたらす未来は貴様も分かっているだろう!!」

「そ、其れはそうですが・・・」

「!!!き、来たぞ!!」

「ひ、ヒイィィィ!!!!助けてええ!!!」

「き、貴様!!敵前逃亡する気か!!!」

ぱん!!

逃げようとした自分の部下に弾丸を撃ち込む隊長、最早敵も味方もあった物ではない

「おそらく奴は吸血鬼だ!!と、いう事は頭部を潰せば其の活動は止まる!!頭だ!!奴の頭を狙え!!!」

其の隊長の声に叱咤されてか、生き残りの警備兵は全員シンジの頭部を狙ってくる

「・・・つくづく無駄な事の好きな奴らだ・・・」

シンジは溜め息をつきながら撃ち尽くして空になったマガジンを捨て、新しい物を装填する、それを警備員達は好機と取ったか一斉に撃って来た

ずががががががががががががががががががががががががががががががが!!!!!!!!!!!!!!!!!!

マシンガンが火を吹き、ショットガンが鉛弾を無数にばら撒く、硝煙が立ち篭め何も見えなくなる・・・

「良し!!撃ち方やめ!!・・・此れで流石の奴も死・・・」

其処までだった

ずがん!!!

どぱぁ!!

煙を切り裂き、一発の銃弾が飛来し隊長の頭をぶち抜き、紅い華を咲かせる、そして・・・

「・・・気は済んだか?遣りたい事は終わりか?もう悔いは無いな?・・・なら・・・死ね

そして響く銃声、悲鳴、肉の裂ける音、肉の吹き飛ぶ音、肉の千切れる音、肉の、肉の肉の・・・・・・・・・・・・

其の合間に響く無力なムシケラ達の悲鳴、そして無駄な抵抗と知りつつも発射する銃弾の空気を引き裂く音・・・

しかし其れも次第に弱まり、最後には聞こえなくなる

「・・・『狗に化け物は殺せない・・・化け物を殺すのは何時だって人間だ・・・』か・・・あの人の言った通りだな・・・」

シンジは呟くと後も見ずに廊下の奥のエレベーターへと乗り込み、最下階のボタンを押す

後に残ったのは物言わぬ紅い塊、其れのみ・・・・・・・・・

 


〜最下層『JUDECCA』〜

 

『其れ』は待っていた

自分が支えるべき存在を

自分を認めてくれる存在を

自分の力を発揮出来る存在を・・・

其の時をただただ静かにLCLの満たされたシリンダーの中を漂いながら・・・

そして遂に・・・

『其れ』の前に其の相手が姿を現した・・・

彼は『其れ』を無感動に見詰めている様だったが目には凄まじいまでの感情が溢れているのを見た・・・

狂気、憤怒、憎悪、そして・・・歓喜・・・

『其れ』は身動ぎし、シリンダーに片手を当てる・・・

ぴぎぃ!!!!

ただ其れだけの行為でシリンダーを構成していた強化ガラスは砕け散った、戦車砲の直撃さえも耐える筈の強度を持っていたガラスがだ・・・

そして流れ出すLCL、其れは当然彼の方にも流れ、涸れの靴を濡らす・・・

其れでも彼は身動ぎ一つせず、『其れ』を見詰めていた・・・

『其れ』は立ち上がり、一歩ずつ歩みを進め、彼に近づく、部屋にはピチャピチャとLCLが『其れ』の下で立てる水音だけが響く・・・

遂に『其れ』と彼の距離は数十cmとなった、身長差をものともしない彼の視線を受け、『其れ』は・・・

かちゃり・・・

静かに彼の前に跪き、従属の意を示す・・・

部屋に静かに・・・

しかし確実に・・・

哄笑が響いた・・・

 


〜VTOL内〜

 

「・・・」

「・・・」

「・・・てへへ・・・」

「・・・何故いる・・・マナ・・・」

「そうです!!任務に同行するのは私一人だったじゃないですか!!!」

一人は無表情、一人はにやけた笑顔、最後の一人は憮然とした顔・・・此処はNERVに向かうVTOL、NH専用機の中

説明するまでも無いが無表情はシンジ、憮然とした顔はマユミ、そしてにやけた笑顔を見せてるのは此処にいる筈の無い少女、マナ

「心外だな〜、ちゃんと許可貰ったよ?ホラ」

そう言ってマナはシンジに紙切れを差し出してくる、受け取ったシンジは其れを早々に読み下す、マユミも其れを横目ながらも食い入るように見詰める、其れは確かにサユリのサインのされた同行を許可する正式な命令書だった

「む、ムウ・・・確かに本物です・・・」

悔しげなマユミ

「へっへ〜ん、でしょ?だから私は此処にいて良い・・・「何をした?」へ?「何をしたと聞いている・・・」」

大イバリのマナにシンジの冷淡な質問が突き刺さる、其れを聞いてマユミもそう言えばと首をかしげる

「・・・確かに現在北海道の方に吸血鬼製造プラントがあるのではないかとの情報が入り、諜報部が内偵中でしたね、在ったらかなりの戦力を割く事になるだろうと・・・なのにマナさんまでをNERVに向かわせる?おかしいですね・・・」

「・・・出がけにムサシが俺を優越感に満ちた視線で見たぞ、何をしたマナ」

「・・・何をしたんですか?」

二人の追求の眼差しに遂にマナはこらえ切れなくなり叫ぶ

「・・・う〜!!!!そうよ!!実はプラントはもう発見されたの!!もう任務に就く二人には教えられなかったけど・・・で!!其処に派遣されるチルドレンは二人!!私とケイタが選ばれそうだったから・・・ムサシに代わってもらうように頼んだの、そして局長にシンジ達に同行したいと頼んだ訳!!」

一気に言い切るとマナは呼吸を乱しながら正面に座る二人をギン!!と睨む

「そ、そうですか・・・わ、分かりました・・・」

根が大人しいマユミはその剣幕に押され、納得したがシンジはそうも行かなかった

「其れだけでは説明不足だマナ・・・」

「へ?」

「ムサシの件は了解したが局長の了解はどうやって取った?あれでも有能な局長だ「ついて行きたい」位の理由では許可はしないだろう・・・」

ある意味侮辱とも取れる発言をするシンジ

「そ、其れは・・・」

「何をした?いや、聞き方を変えよう・・・」

「な、何?」

恐れ戦き、後ずさるマナを真正面から見据え、シンジは言い放った

「交換条件は何だった・・・」

「・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・」

再び生まれる沈黙、其れは当初の沈黙と違い、重く、冷たい物だった・・・

「・・・しん・・・」

「聞こえない」

「写真!!!シンジの!!!・・・寝顔を撮った・・・

「・・・」

「・・・」

「・・・」

更に重く、息苦しい沈黙が続く・・・まるで深海の底の様な重苦しさだ・・・

「マナ・・・」

「ひ、ひゃい!!??」

「この件は今は不問にする・・・」

「あ、有難うシンジ!!」

「ただし・・・」

「?ただし?」

「帰ったらトレーニングに付き合って貰うぞ・・・」

其の台詞を聞き、あの悪夢さえも超越したシンジとのトレーニングを思い出し、表情が暗くなるマナ、出来れば遠慮したい所であろうが現状を考えるとそうも行かない・・・

「・・・うん・・・」

げっそりした表情で返事をし、其の侭俯く・・・

最初の勢いは何処へやら・・・すっかり大人しく、静かになったマナをマユミは見詰めながら思った

帰ったら焼き回し、絶対して貰おうと・・・

 


〜NERV、ヘリポート〜

 

ローターの起こした風にコートをはためかせながらVTOLから降り立つシンジ、其れにマナとマユミが続く

其れとほぼ同時に出入り口が開き、黒服に囲まれた金髪の女性が近づいて来る、目を見る限りでは日本人で、髪は染めているらしい

「・・・碇シンジ君かしら?」

「そうだ、貴方は・・・」

「赤木リツコよ、宜しくね、後ろの二人は・・・」

「霧島マナで〜す」

「あ、どうも、山岸マユミです・・・」

「・・・随行員は一人だと聞いていたけど?」

「・・・これは重要な任務と認識している、増員は当然だろう・・・報告が送れているようだがおそらく数時間以内には連絡が来る筈だ」

「そう・・・まあ良いわ、では中を案内するから・・・」

そう言って踵を返すリツコ、其れを追おうとシンジ達も歩み出した其の時・・・

うぃ〜うぃ〜うぃ〜うぃ〜うぃ〜うぃ〜うぃ〜うぃ〜うぃ〜うぃ〜うぃ〜

「・・・警報か?」

「何々、何か始まるの?」

「え〜と・・・何なんでしょうねえ・・・」

意外と冷静なシンジ達をよそにリツコ達は慌て出す

「・・・もう来たの!!??」

「拙いぞ・・・まだ武装ビルの配置は完全じゃない筈・・・」

「チルドレンのシンクロテストも・・・」

「・・・!!」

「・・・??!!・・・」

其れを横目で見ながらシンジは海の方を眺める・・・風は・・・何かが炸裂する音、破壊される音を届けて来た・・・

其れは微かな音だが吸血鬼と化しているシンジの鋭敏な聴覚には届いていた

「・・・使徒・・・殲滅対象か・・・愉しませてくれるのかな?・・・ククッ・・・」

シンジは笑う、牙を剥き出しにし、戦争が始まった事を体に感じながら・・・

其の脳裏に浮かぶはサユリから渡されたNERVの極秘資料、其の中にある使徒の項に書かれた彼女の殴り書き・・・

其れは四文字の言葉、しかしシンジが最も好み、今においては彼を正気に繋げている一本の細い線・・・

其れは・・・

見敵必殺・・・SEARCH&DESTROY・・・汝が前に立ち塞がる者は例外無く叩き潰せ・・・其の・・・一言・・・

 


〜ケージ〜

 

「・・・そろそろ何らかの説明をしても良いのではないか?敵が迫っているのだろう?」

「・・・」

「ふん、だんまりか・・・情報を最小限与え、自分がしないといけないという下らない義務感を植え付ける・・・軍隊等が使う常套手段だ」

「NERVは軍隊じゃないわ」

「そうか?似たような物だろう、大した違いは無い、其れよりも使徒・・・何もし無くて大丈夫なのか?早くエヴァンゲリオンとやらが在る場所に行った方が良いのではないか?」

「!!??何故貴方がその事を知ってるの!!??」

「NHも国連組織だぞ?しかも其方は極秘組織だろうが格は此方が上・・・情報が行くのは当然の事だろう」

驚くリツコを揶揄するようにシンジは淡々と喋る、リツコは唇を噛みしめながら己らの無力を嘆く、そう、本来ならNHなど存在せず、自分達の思うが侭にやれる筈だった・・・

しかし残念ながら人は見えない恐怖より見える、現実の恐怖を恐れる、存在の知られていない使徒よりも、自分の家の近くの路地裏にいる吸血鬼の方を人が恐れるのは当然の事・・・

NERVは思った以上の行動が取れず、リツコを含む上層部は歯がみをする毎日なのだ・・・

ちん・・・

そんなぎすぎすした空気を読んだ訳では無いだろうがエレベーターは止まり、ドアを開ける・・・

リツコを先頭にした一段は廊下を進み、巨大なドアの前に辿り着いた

「開けるわよ・・・」

無言を肯定と取り、リツコは暗証コードを打ち込む

がこん ごごごごごごごごご・・・・・・・・・・

ドアが開き、目の前には暗い空間が広がる、しかしシンジ達、吸血鬼にとっては其の位の闇は何でも無い、暗視能力によって全てが見通せていた

「・・・余り大した事無さそうだな・・・」

「う〜ん、センス悪そうだね〜、何?あの角」

「・・・怖いですね・・・一寸・・・」

「あ、貴方達!!??見えるの!!??」

驚愕するリツコにシンジは淡々と答える

「我々を何だと思っている?こんな安っぽい演劇を見る為に来た訳ではない、さっさと明かりを点けて案内しろ」

「・・・」

これ以上引っ張るのは無駄だと納得し、リツコは明かりを点ける、其の下に明らかになった物はそう、初号機・・・

其の異形をLCLに沈め、今は静けさを保っている戦鬼・・・

それをシンジは静かに見詰める、否、その視線には・・・

「・・・此れが・・・初号機・・・だな?・・・」

静かに、ただただ静かに問うシンジへの答えはリツコからではなかった

「そうだ・・・そしてお前が其れに乗って使徒と戦うのだ、シンジ」

シンジは未だ無言で初号機を見詰めている、其の視線を動かす事無く口を開いた

「ああ・・・お前か・・・まだいたのか・・・」

「・・・拒否は許さんぞ・・・そういう契約だからな・・・」

口の端をいやらしく吊り上げるゲンドウにシンジは何故か怒る事も無く、未だ見詰め続けていた

「・・・乗るのなら早くしろ!!乗らないのなら・・・帰れ!!!!!」

傲慢な態度に出て、相手よりも上に立たないと会話出来ない臆病者は早々に我慢出来なくなり、怒鳴る、其れに反応したのか遂にシンジが行動に出る

最初は小さな物だった・・・俯き、小刻みに震え始める、ゲンドウは其れを怯えたものだと思い、リツコもそう感じた、しかし残りの二人は違う、シンジが怯える筈など無い、彼を怯えさせる事の出来る存在は今や世界に二人しかいない

一人は『ノーライフキング』とまで言われたNHの誇る、最強の吸血鬼

もう一人はフリーのヴァンパイアハンター、黒衣に見を包むヴァンパイアハーフの男、ただ其れのみ・・・

故に二人は気付いていた、今のシンジを震わす感情を、其れは・・・

「クククククク・・・・・・・ハハハハハハハハ!!!!!!!!!!!!!!!!貴様が!!!臆病者で何も出来やしない道化の貴様が俺に命令するのか!!??此れはお笑いだ!!そうやって人を上から見下ろし、サングラスで視線を隠さないと俺と会話も出来ないお前が!!!!俺との間に強化防弾ガラスを挟まないと会う事も出来ないお前が!!!!此れは面白い!!!此れ以上の喜劇にはお目にかかった事は無いぞ!!??クックックックックック・・・・・・・・・・・ハ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハ!!!!!!!!!!!!!!」

其れは・・・「狂気」、と言うもの・・・全てを飲み込み、全てを破壊し尽くしても足りないであろうシンジの心の渇きの表れ・・・

「・・・き、貴様・・・愚弄する気か!!??実の父親を!!!何様の積りだ!!!」

傲慢其のもののゲンドウの答えをシンジは鼻で笑い、受け流す・・・そして・・・

「・・・そう言えば先ほどの命令・・・いや、戯言への回答を未だして無かったな・・・では答えよう・・・」

そう言い放った刹那・・・

じゃきっ!!

コートの裏から二丁の黒い長大な拳銃、『ヒュドラ』を取り出し即座にポイントする、其の銃口の先は

一丁はゲンドウへ

そしてもう一丁は・・・

初号機へ!!!!

 

 

ずがんずがんずがんずがんずがんずがんずがんずがんずがんずがんずがんずがん!!!

ケージに響く轟音はLCLの水面に波紋を刻むほど強烈な物であり、其の威力を窺い知る事が容易に出来る

其の弾丸は初号機の装甲にすら亀裂を生み、其の肉から体液を流させる、もう一丁の銃から放たれた弾丸は・・・

「ヒ、ヒィッ!?・・・・・・・・・」

「し、司令!!??」

初号機の装甲すら撃ち破った弾丸は当然強化ガラスごときを容易に貫き、其の弾丸の発生させた震動波とガラスの破片の雨により、ゲンドウの体は掠り傷だらけとなる

無論シンジは一発もゲンドウには当てていない、しかし其れでも臆病者の彼には辛かったようだ

彼の股間が次第に水に濡れたようになり、其のシミは広がっていく、立ち上るアンモニア臭からも其れが何かは明らかだ

そんな無様なゲンドウの姿をシンジは軽蔑を多分に含んだ視線で見やり、最後に言い放った、其処にいる者の大半が・・・二人を除いてだが・・・し信じられないであろう言葉を言い放った

そう、この一言を・・・

「拒否する」

其処にいる者全てに対する念を込めて・・・

 

 

 

 

 

続く・・・

 


後書き?

 

はいどうも、【ラグナロック】’です、皆さん夏は如何お過しですか?

大半の学生さんは二学期が始まりました、宿題しましたか〜?私はまだまだ、夏休みの中間点です、此れからですね〜

さて、こうやって久々にSS書きました、なんか沢山書きますとか言いながらも此れが夏初めての作品となります、すいません!!!

理由としましてはただ一つ、ずばりマイページの開設の作業が忙しい!!此れにつきます!!

何とか今月中には開きたいですね〜、ホンと・・・

さて、何だか愚痴から入りましたが『紅き運命』一つ目の血玉、如何でしたでしょうか?シンジ君、再び哄笑+今回は発砲のオマケ付き!!しかも髭はびびって失禁!!や〜いや〜い

其れよりも今回目立ったのはマナ、シンジの写真をネタについて来てしまいました、此れは別に作者がLMSも良いなとか思いだした訳ではないでよう、多分!!いや、本当

因みに彼女達の格好はヘルシングで婦警が着ているヘルシングの女性用制服、其の侭です、思い思いに改造はしているようですが・・・如何いう風にしてるのかはいずれ本編中で、其れでは予告を・・・

 

初号機搭乗を拒否したシンジ

驚愕に慄くNERVを後にしたシンジは呟く

其の呟きに呼応するように大気は鳴動し、大地は震える

そう、恐怖を迎い入れる為に・・・

形を為した恐怖に全ては凍りついた、そう、使徒さえも・・・

そして始まる・・・血の・・・舞・・・

次回、二つ目の血玉「狂乱」

 

其れではお楽しみに、今回は此処までで・・・其れでは・・・

あ、今回何と私の作品に挿絵がつく事になりました、描いて下さったのは「Excel’s indivisual Room」にもSSやイラストを掲載中の琥珀さんです、絵も上手いしSSも上手いと来た・・・非常に羨ましい某チャットでの友人です

今回私の唐突な御願いに快く引き受けて下さりました、姐様(某チャットでこう呼んでおります)、有り難う〜

SSも面白いので是非読みに行って下さい、でわ〜