前書き
はじめましてカゲロウと申します。
この作品は以下の内容を含みますので、これらが苦手な方は読むのをオススメしません。
・ 憑依系主人公による「ネギま」の本編再構成モノです(性別反転も含んでいます)。
・ 最初の方の主人公は最低系のダメ人間ですけど、最終的には まともになると思います。
・ 魔法などの設定を一部改変どころか都合により大幅に改竄しています。原作と整合性が取れません。
・ また、キャラクターについても原作とは掛け離れます。キャラブレイクのオンパレードです。
・ 一応、基本的には原作キャラへのアンチはありません。最終的には好意的な解釈に繋がります。
・ ハーレムエンドを目指していましたが、微妙かも知れません(メインヒロインは いいんちょ です)。
・ しかし、いいんちょ とのキャッキャウフフなシーンは皆無に等しいです。軽く矛盾してます。
……では、それでもOKって方、以下プロローグですので よろしくお願いしますです。
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プロローグ:すべての始まり
Part.01:見知らぬ天井
(どこだ? ここ……)
深い眠りから意識を取り戻した彼の目前には見知らぬ天井――少し くすんだ白い天井が広がっていた。
テンプレでは「知らない天井だ」と言うべきところだろうが、彼の場合は率直に疑問が浮かんだようだ。
まぁ、これが普通の反応だろう。いきなり見知らぬ天井を見たら「どこだ?」と思うのが普通の反応だ。
いや、世の中には「知らない天井だ」とテンプレを口走れる余裕がある人間もいのるかも知れないが、
そんな人間は そう言った状況に慣れているか、ある意味で人間をやめているような人間だけだろう。
(ここは……病室か?)
混濁とする意識に活を入れ どうにか覚醒させた彼が周囲を見回してみると、その目に入って来たのは白だった。
天井だけでなく、壁も床もベッドもシーツも、目に付くインテリアすべてが白を基調としていたのである。
しかも、彼は現在 着脱が容易で簡素な衣服――患者衣を着せられてすらいる。十中八九、彼がいる場所は病室だろう。
(……じゃあ、どうして病室にいるんだ?)
彼が思い出せる範囲内での最後の記憶は、とても嫌なことがあったので自棄酒を浴びるように飲んでいたこと だった。
いや、まぁ、そこまで覚えているのなら思い浮かぶ可能性は一つだ。そう、急性アル中で倒れて病院に担ぎ込まれたのだろう。
だが、それはあくまでも仮定だ。まだ そうと決まった訳ではない。それ故に、彼は正しい情報を知っていそうな人物を呼ぶ。
そんな訳で彼が手元にあるナースコールを押してから数分、「失礼します」と断りを入れて看護師が病室に入って来たのだった。
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看護師さんからの情報をまとめると、どうやら彼は「川で溺れて意識不明となったことが原因で病院に運ばれた」らしい。
彼は「急性アル中じゃなくてよかった」と軽く安堵するが、それと同時に「じゃあ何で溺れたのか?」と言う疑問が浮かび上がる。
自棄酒を飲んでいた記憶も併せて考えると、飲み過ぎたせいで見境がなくなって川に飛び込んだ可能性が高いのではないだろうか?
もしそうだとしたら、黒歴史に認定できるレベルで恥ずかしい。当然、不安になった彼は(まだいた)看護師さんに事情を聞いてみた。
で、看護師さんの説明によると、彼が溺れたのは「溺れた子供を助けたから」らしい。思わずホッとした彼は悪くないだろう。
(子供を助けて溺れたなら、そこまで恥ずかしくはないかな? あ、いや、でも、人を助けて自分が溺れてりゃ世話ないって話か……
急性アル中とか酔ったうえでの暴挙よりはマシっちゃマシだけど、それでも病院の厄介になっていることは変わらないからねぇ。
でも、ちょっとした違和感があるんだよね? だって、オレって子供を助けるために川に飛び込むようなキャラじゃないもん。
せいぜい、レスキューを呼んで「後はプロに任せよう」ってタイプだよ? それなのに、自分で助けようとするなんて……実におかしい)
安堵しながらも「身に覚えのない行動」に評価を付けている彼。そう、そんな余裕が この時の彼にはあったのだ。
だが、そんな余裕など「余裕? なにそれ おいしいの?」と言いたくなるくらい、跡形もなく吹っ飛ばされる。
何故なら、担当医の診断を受けた時に何気なく盗み見した「カルテの日付」が『2002年の7月』だったからだ。
まぁ、「カルテを盗み見するなよ」とは言いたいが、自分のカルテが見られる位置にあれば見てしまうものだろう。
いや、今の問題はそこじゃない。今 問題にすべきなのはカルテの日付が『2002年』になっている、と言うことだ。
と言うのも、彼の記憶が正しければ現在は『2012年』であるのにカルテ上では『2002年』と記載されているからだ。
(……みんな、わかってくれるか? オレの受けた驚天動地な このショックを)
斜め上を見上げながら、居もしない『みんな』に話し掛けているのは、きっとショックの あまりに混乱しているからだろう。
混乱した彼は「そう言えば、病室のカレンダーも『2002年』だったなぁ」とか「でも、放置されてるだけだと思ったんだ」とか、
あまつさえ「まさか こんなことの伏線だったなんて」とか「オレは悪くない筈だ」とか虚空に向かって自己正当化に勤しむ。
(いや、現実逃避をしている場合じゃないな……)
一頻り文句を言ってスッキリしたのか、どうにか落ち着きを取り戻した彼は冷静になって状況把握に努める。
まぁ、正確に言うと、落ち着きを取り戻したのではなく、パニックになり過ぎて逆に落ち着いただけなのだが。
だが、それでも落ち着いたことには変わり無い。彼は「オレは冷静だ」と自分を誤魔化しながら思考を続ける。
(今のところ思い付く可能性としては……以下の5つかな?)
① 実は彼をハメるためのドッキリだった。
② もしくは彼の10年間は彼の夢でしかなかった。
③ むしろ、逆に今の状況が夢なのかも知れない。
④ いや、そもそも夢と現実を別つものは何なのか?
⑤ これは胡蝶の夢なのか、それとも彼の夢なのか?
(まぁ、とりあえず、①から可能性を検証してみるかな?)
① : 彼をハメるためだけに医者までがドッキリに付き合う訳がない。そもそも、一般人である彼に こんな大規模なドッキリを行う意味がない。
② : それなりに納得できる可能性なのだが、彼としては これまでの10年間が夢オチだったなんて結末は嫌らしい。彼的には有り得ない可能性だ。
③ : 起きてから これまでの「整合性のある事実の連続」を鑑みると現在が夢の筈がない。少なくとも、彼の主観では 夢だとは思えないようだ。
もちろん、④と⑤は考えるまでもなく除外だ。これらは単なる彼のボヤきだ。「ムシャクシャしてやった、反省はしていない」と言った類のものだ。
(と言う訳で、出た結論は「時間を遡ったんじゃね?」ってことだな、うん)
実は、真っ先に思い付いたらしいが、「いや、それはないって。常識的に考えて」と思ったのでスルーしていたようだ。
しかし、他に思い付いた可能性よりは有り得そうなもの(と言うか、納得できる内容)だったため、素直に認めたらしい。
まぁ、正確に言うと、二次元脳をしている彼にとっては「ある意味でラッキーな展開じゃん?」とか喜んで認めたのだが。
……そう、この時点では、そんな甘いことを彼は考えていたのである。
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Part.02:その頃のネギ・スプリングフィールド
ところ変わって、イギリスはウェールズにあるメルディアナ魔法学校。
現在、その大講堂において今年度の卒業式が執り行われていた。
「では、卒業証書授与を始める。ネギ・スプリングフィールド君、前へ出なさい」
式はクライマックスとも呼べる卒業証書授与の段になり、校長が卒業生代表生徒の名前を呼ぶ。
そして、呼ばれた生徒――ネギは「はい!!」と元気のいい返事をして生徒の列より一歩前に出る。
まぁ、その体躯は他の生徒に比べて かなり小さいため、一歩前に出ても観客には見えないのだが。
「長い間、よく頑張ったのぅ。じゃが、これからの修行が本番じゃ……ゆめゆめ気を抜くでないぞ?」
それでも前に進み出たことは変わらない。校長は卒業証書を渡しながらネギに激励の言葉を送る。
それは「校長から生徒への言葉」であると同時に「『祖父』から『孫』への言葉」でもあった。
何故なら、ネギは校長にとって孫同然の存在であり、両親に捨てられたも同然の人生を過ごしたからだ。
「はい!! 頑張ります!!」
ネギが校長の言葉を どのように受け止めたのかは定かではないが、
ネギは言葉の端端から滲み出る、輝かんばかりの熱意を隠しもせずに答え、
卒業証書を恭しく受け取ると深々と一礼し、生徒達の列に戻った。
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ネギの この意欲の裏には、その過去が大きく関わっている。
幼い頃、ネギは平穏を絵に書いたような静かな村に住んでいた。
しかし、その「絵に描いたような平穏」は突如として破られた。
そう、ネギの住んでいた村が悪魔の群れに襲われたのだ。
それは一方的な虐殺であり、蹂躙としか言えない惨劇だった。
その時、ネギは多くの大切な人達を失った。物心がついてから ずっと一緒だった大切な隣人達を……
そして、その惨劇が繰り広げられる中、当時のネギは あまりにも無力な存在だった。
まぁ、その当時のネギは まだ3歳だったのだから無力であることは罪ではない。
だが、大切な人達が目の前で石化していく中でも何もできなかったことがネギを絶望させた。
――だが、その『絶望』がネギを塗り潰す前に『救い』は現れた。
その『救い』とは、ナギ・スプリングフィールド。ネギの父親にして千の魔法を使いこなす と言われる『サウザンド・マスター』。
……村を蹂躙した悪魔達を圧倒的な『力』で蹂躙した彼の姿は、幼いネギにとって悪魔以上の『化け物』にも見えた。
だが、それが自身の父であることを知った時、ナギ・スプリングフィールドはネギ・スプリングフィールドの『憧れ』となったのだった。
そして、その時ネギは いつか『立派な魔法使い(マギステル・マギ)』になることを誓った。
己の感じた無力感や絶望と言った暗い感情から目を逸らし、
歪な父への憧憬で己の心に蓋をしたことに無自覚なままに、
そうなれば、父(サウザンド・マスター)に会えると妄信して……
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「ネギ、アンタの修行内容 何て書いてあったの?」
「ん~~、まだ出て来ないからわかんないや」
「まぁ、アンタは最後に受け取ったからしょうがないか」
卒業式を終えた卒業生達は受け取った卒業証明書に書かれている卒業後の修行内容で盛り上がっていた。
それはネギも同様で、幼馴染のアンナ・ユーリエウナ・ココロウァ(以下アーニャ)と楽しげに話し合っていた。
「うん、そうだね。ところで、アーニャの方は どうだったの?」
「へっへ~~ん♪ アタシは『ロンドンで占い師をやること』ですって♪」
「へ~~、ロンドンかぁ。いいなぁ。ボクもロンドンだといいのになぁ」
アーニャは自慢げに語り、ネギは本当に羨ましそうに返す。そう、二人は とても仲の良い幼馴染なのである。
「アンタみたいな お子様は、もっと田舎がいいんじゃない?」
「むぅ~~!! アーニャだってボクと一つしか違わないじゃないか?」
「確かにそうだけど、この年頃の一年の違いは大きいのよ!!」
「え~~? でも、背だって あんまり変わんないじゃないか?」
ネギの言う通り、アーニャはネギより一つ年上である。だが、ネギは2年、アーニャは1年の飛び級をしているので、卒業は同時なのである。
そして、これまたネギの言う通り、二人の背丈は ほぼ同じなのである。まぁ、若干アーニャの方が高いので、年上の面目は躍如できているが。
「うっさいわよ!! すぐにムキになるとこなんか まんまガキじゃない!!」
「むっ!! アーニャだって、すぐにムキになってるじゃないか!!」
「何ですってぇ!? アタシはムキになってないわよ!! 至ってクールよ!!」
「どこがクールなのさ!? どう見てもムキになってるじゃないかぁ!!」
そして、「う~~」と唸って今にも掴み合いのケンカになりそうになる二人。
まぁ、この時点で「両方ともガキである」のだが、二人とも子供なので気付かないのだ。
「はいはい、二人ともそこまでよ」
今にも掴み合ってガチバトルを始まらんととしていた そのタイミングで、
それまで二人の後方で静観していたネカネ・スプリングフィールドが割って入る。
「ネカネお姉ちゃん……」「ネカネさん……」
二人はネカネの存在を思い出し、一気にテンションを下げる。冷水を浴びせられた様な気分になったのだろう。
その意味では、ネカネが仲裁に入ったのはベストなタイミングだ。まぁ、もっと早く止めるべきかも知れないが。
ところで、ネカネを「ネカネお姉ちゃん」と呼んだのはネギの方だが、別にネカネはネギの姉と言う訳ではない。
言うまでもないだろうが、二人は従姉妹同士である。ネカネが幼い頃より『姉』としてネギの面倒を見ていたので、この様な呼称なのだ。
「ほら……ネギの修行内容、もう浮かび上がっているわよ?」
「え? ――あっ!! 本当だ!! いつの間にか出てたんだ!!」
「本当!? って、ちょっと!! アタシにも見せなさいよ!!」
落ち着いた二人に満足したネカネは、ケンカの発端とも言える「ネギの修行内容」に二人の意識を向けさせる。
そして、ネカネの思惑通り、二人はケンカしていたことなど忘れてしまったように仲良く卒業証書に目を向ける。
ケンカするほど仲が良いと言うか、ケンカしても簡単に仲直りできるほど、仲が良いのが この二人なのである。
「「って、ええ!!?」」
そして、仲良しな二人は そこに浮かび上がっていた文字を見て仲良く異口同音に驚きの声を上げる。
当然、その驚きようを不審に思ったネカネが「何て書いてあったの?」とネギの卒業証明書に目を落とす訳で、
滅多に動じないネカネと言えども そこに浮かび上がっていた想定外な内容に「まぁっ!?」驚くのであった。
ちなみに、その内容とは「日本の中学校で学ぶこと」であったらしい。
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Part.03:事件は病室で起きている
(……はい? いや、これは無いっしょ?)
そして、舞台は再び病室に戻る。そう、例の病室にて、彼は あまりにも有り得ない事態に思わず頭を抱えていた。
いつもの彼なら「これはヒドい」と言うバカなセリフを口走っているのだが、どうやら そんな余裕はないようだ。
先程の「知らない天井だ」を言えなかった時と同じくらい、いや、どう考えても それ以上に余裕がないのである。
とりあえず、順を追って話そう。
現在が2002年の7月であることを受け入れた彼は、理由はわからないが逆行したことにして現状を把握したつもりになっていた。
だがしかし、そう納得しようにも よくよく考えてみたら「10年前に入院した記憶がない」ため、逆行も違う気がして来たのだ。
まぁ、もしかしたら彼が忘れているだけだったり、逆行した影響で入院したのかも知れないので、そう大した問題ではないのだが。
それ故に、彼は「当時の自分(つまり現在の彼)を調べれば思い出すのでは?」と軽く考えて私物を見てしまったのである。
幸いと言うべきか生憎と言うべきか、川に飛び込む時に鞄を置いていった様で濡れていなかったため調べるのに支障がなかったし。
そう言った経緯で、彼が私物を物色していると……鞄の中に無造作に入れられていた『見覚えのない手帳』が見つかった。
彼が「あれ? これって何の手帳だ?」と疑問に思うのは当然だし、疑問を解消するために手帳を開くのは必然だろう。
つまり、何が言いたいのか と言うと、彼が手帳を見たのは軽い気持ちだったのだ。そう、特に深い意味などなかったのである。
それが まさか『あんなこと』になるなろうとは……お天道様ですら予想しなかっただろう。だから、きっと彼は悪くない。
さて、あまり引っ張っても意味がないので、身も蓋も無く真相を話そう。
なんと、その手帳は生徒手帳で、
麻帆良学園男子中等部 2年B組 出席番号11番 神蔵堂 那岐(かぐらどう なぎ)
と書いてあったのである。
いや、まぁ、他者から見ると大した情報ではないのだが、彼には非常に甚き大な衝撃だったのである。
その衝撃は、彼曰く「両親から実の子供ではないことをサラッと伝えられた時くらいの衝撃だった」らしい。
何故なら、麻帆良学園の中等部に在籍しているからだ。年齢的に中学生なのは問題ないが、麻帆良学園はダメだ。
まぁ、一概には言えない部分もあるが、テンプレ的に考えると麻帆良学園と言ったら「ネギま」の舞台だろう。
と言うことは、『ここ』はネギまの世界と言うことになり、彼は逆行したのではなくトリップをしたことになる。
いや、まぁ、正確に言うとトリップではなく憑依になるだろうが。
紹介が遅れたが、彼の名前は生徒手帳に書かれていた名前と同じ、神蔵堂 那岐だ(彼が那岐と言う漢字表記を嫌うので以下カタカナ表記とする)。
しかも、肉体は どう見ても若かりし頃(10年前)の肉体そのものなので、この世界の彼(以下、那岐と表記)にナギが憑依したに違いない。
いや、若返ったうえで漂流した可能性もあるが……それだと生徒手帳を持っていることの筋が通らないので、憑依した可能性が一番 高いのだ。
――さて、ここで一つ訂正がある。先程『ここ』を「ネギまの世界」と表現したが、それは正しい表現ではない。
正確には、『ここ』は「ネギまに似た世界」と言うべきだろう(大した違いではないが、それでも微妙に違う)。そう、那岐がいたからだ。
まぁ、ネギま世界に同姓同名で彼と似たモブキャラがいて それに憑依した、と言う可能性も無くはないが……それは極めて低い可能性だろう。
それに、『ここ』が「ネギま」だろうが「似た世界」だろうが、ナギにとっては 己の住んでいた世界ではない以上どちらでも大差はないのだ。
何故なら(那岐を知っている人間はいたとしても)ナギを知っている人間がいない点で両者は変わらないからだ。
とは言っても、よくよく記憶を振り返ってみると、ナギの両親は既に他界していたし友人と呼べるような存在もいなかった。
嫁がいたような気はするのだが、嫁に関する情報がゴッソリ抜け落ちているので妄想の産物である可能性が非常に高い。
つまり、ナギの住んでいた世界でもナギを知っている人間は皆無に等しいため、世界が変わっても大差ないとも言えるのだ。
(…………あれ? おかしいなぁ。何故か目から汗が溢れてくるぞ?)
これは決して涙ではない。あくまでも汗でしかない。と言うか、そう言うことにして置かないと立ち直れないのである。
さすがに「知り合いがいなくて嘆いたのに、よく考えると知り合いそのものがいなかった」のはショックなのだ。
少々 人と違った感性を持っているナギと言えども一人ぼっちは寂しいのだ。自己欺瞞だが、これは必要な嘘なのだ。
(と、ところで、ナギって某葱な主人公の父親と同じ名前だけど……何かのフラグじゃないよね?)
かなり無理矢理な話題転換だが、ここは付き合ってあげるのが大人だろう。と言うか、これはこれで気になる話題であるし。
彼の趣向に合わせてナギと言う表記をしているため、よくよく考えなくても それだとネギの父親である英雄様と同じになってしまう。
まぁ、普通に生きている限り(魔法関係に関わらない限り)、ネギやら英雄様やらとは関わらないのでナギの自意識過剰だろうが。
どこからどう見ても何らかのフラグにしか感じないが、ナギの思い込みに違いない。多分、きっと、恐らくは。
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後書き
改めまして、カゲロウです。ここまでお読みくださってありがとうございます。
以前から「改訂した方がいい」と言う意見が多数あったので、大幅に改訂してみました。
それで、文章の書き方は主人公視点をやめて三人称視点(一部のモノローグは残す)で統一しようと思います。
ところで、作品のタイトルである「せせなぎっ!!」についてなんですが、本当は「ネギまっぽい世界で」に変えようと思ったのですが……
今更 変えられないよなぁ と据え置きにしました(ボクのネーミングセンスの無さが一目瞭然なタイトルですよねぇ)。
ちなみに、『せせなぎ』の説明をすると、漢字表記では「溝」となり「せせらぎ」と同義の言葉です。ええ、『溝』です。
せせらぎ と言う穏やかなイメージとは掛け離れた作品ですが「せせら笑うナギ」と言うイメージで納得してください。
どちらかと言うと「せわしなくセクハラしては、せせら笑われているナギ」って感じになっちゃってますけどねぇ。
では、また次回でお会いしましょう。
感想・ご意見・誤字脱字等のご指摘、お待ちしております。
初出:2009/07/19(以後 修正・改訂)