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[11649] 仕事始めました (ネギま! オリ主 能力だけクロス)
Name: 思いつきで投稿◆9abf2946 ID:d4d903c6
Date: 2009/10/17 23:22
<ネタ> 仕事始めました (ネギま! オリ主 能力だけクロス)

どうも皆さん思いつきで投稿と申します。

・この作品は作者ので思いつきで出来ています。

・主人公は最強です、真面目に戦うと苦戦すらする事はありません。(真面目に戦う事があるかはわかりませんが)

・ご都合主義の塊です。

・キャラの性格や口調などに間違いなどがあるかもしれません。(キャラ崩壊するかも)

・作者の独自解釈や独自設定が多々入っています。

・中二です

以上のことをふまえて読みたくない人は読まないで下さい。

あと、誤字や矛盾点の指摘がありましたら気軽に感想掲示板まで



[11649] 第一話
Name: 思いつきで投稿◆9abf2946 ID:d4d903c6
Date: 2009/09/14 20:31
此処は魔界。
広大な土地にある街の一角にある小さな家の一室。
そこは暗黒に支配された場所…そんな中にさす一筋の光があった。
そこは戦場だった…1つの巨大な怪獣に4人の戦士が立ち向かっていた。
長く激しい戦いだった……そして戦場に鳴り響く怪獣の断末魔の叫び。
そう戦士たちは怪獣を倒したのだ。


―目標を達成しました―

―1分で街に戻ります―


そして勇者たちは一斉に……


Leve:お疲れさまでした!

hell:お疲れ様でした。

kisin:おつ~!!

sukuna:お疲れちゃ~ん!!









第一話










4人は一斉に怪獣…アルバに駆け出し、剥ぎ取りを始める。
しかしその時背後から扉を叩く音が聞こえた。
久しぶりに一人息子の様子を見に来た母親だった。


「レヴュアタンちゃん母さんよ、開けてちょうだい。」


「今大事な所だから1分待って。」


レヴュアタンと呼ばれた青年は扉の方を振り向きながらも、手はしっかりとコントローラーのボタンを連打している。


「またゲームしてるの、早くしてちょうだい。」


母の懇願に珍しく彼が動いた。


「わかったよ。」


そう言って彼が立ち上がったその時、悲劇は起こった。
動かした足が奇跡的にゲーム本体の電源ボタンを押したのである。
勿論画面は消えた。
倒した敵も消えた。
報酬も消えた。
何が起きたのかわからず一人固まるレヴュアタン。


「レヴュアタンちゃんどうしたの?」


何が起きたかわからずノックを続ける母親。
数秒が過ぎてやっとレヴュアタンの頭が動きだした。


「このクソババァ!! 消えちまったじゃねぇか!!!」


「え!? どうしたのレヴュアタンちゃん!!?」


完全に自分の責任にも拘らず、逆切れする息子と訳がわからず混乱する母親。
母親が慌てて扉を破り入って来た。
そしてその目に移ったのは、全身から凄まじい魔力を放出しながらorzな格好になった息子の姿だった。




母親がようやく息子を落ち着かせて、まず第一声がこれだ。


「レヴュアタンちゃん、お願いだから就職してちょうだい。」


スタイルのいい美女が半泣きで懇願する。
これが彼レヴュアタンの母親だ。
名をエキドナと言う。
ぶっちゃけバツ2である。
上の子供達が全員自立したが、一番下の子で現在ニートであるこの青年の将来を心配している。


「後100年したら本気出すから。」


その母の姿に目を向ける事もなく、画面を向き再びゲームの電源を入れる。
そしてその台詞を吐いた奴は100%本気など出せない、100年待っても約束を破るだろう。
彼の名はレヴュアタン、悪魔でニートである。


「100年前もそう言ったじゃない。」


訂正、既に破っていた。


「俺が本気出したら凄いんだぞ!」


「レヴュアタンちゃんが凄い事は知ってるわ…でもこの不況の世の中、昔みたいに強いだけじゃ就職できないのよ。別にお兄ちゃんみたいに門番になれなんて言わないわ、せめてお父さんのお城で仕事を手伝ってあげて。」


「部下は一杯いるだろ、俺なんか必要ないよ。」


「でもお父さん大魔王じゃない…息子が働かないって世間体とか悪いし。」


「五月蠅いよ! だったらルシファーとか言う偉そうな名前捨てちまえばいいだろ!!」


また逆切れする青年。


「俺はまだ1700年しか生きてない若者なんだ! もっと自由に行きたいんだ!!」


「でも貴方最近ゲームしかしてないじゃない!」


ヒステリックに叫ぶ母親、しかし彼女は知らない…彼が働かないのには辛く悲しい訳がある事を。
そして今息子は母に真実を語る。


「実は俺…6年前に就職しようとしたんだ。」


「え?」


息子の言葉に驚く母親。


「母さんとの約束が迫って来たから、そろそろ就職しようと思って面接に言った事があったんだ。」


何と息子は母との約束を守ろうとしていたのだ。
しかし話しながらも彼の手はしっかりとコントローラーを操作していた。


「その面接で。」





――面接の日――


「はい次の方どうぞ。」


その声にレヴュアタンは立ちあがり扉をノックした。


「失礼します。」


緊張からやや震えた声でそう言い中へ入る。


「では何故この依頼を選んだのですか?」


彼が応募したのはイギリスのある村を襲う任務だった。


「はい、自分の特技を生かせる任務だと思い応募させて頂きました。」


面接官は手元の履歴書を確認しながら彼に的確な質問をした。


「貴方の特技は…蛍光灯とありますが、どんな特技なのですか? またこの特技はどういった役に立つのですか?」


「えっと…私は、光属性の悪魔でして…指先を光らせる事が出来るんです。」


緊張でしどろもどろで答えるレヴュアタン。


「ほう…それで?」


「暗闇でも光る事によって味方の足元を照らし、転んだりしないように「もう結構です。」…え? もうですか?」


「はい、お疲れさまでした。結果は後日連絡します……では次の人。」


そしてレヴュアタンは追い出されるように扉の外に出された。
次には髭を蓄えた老紳士が入っていき、扉は閉められた。
扉が閉められたあと彼が


「あと指先からレーザーとかも出せるんだけど…。」


とか悲しそうに呟いたが誰も聞きとる事は出来なかった。




――現在――


「そう辛かったのね。」


泣きながら後ろから息子を優しく包み込む母親。
この親馬鹿がこの息子を作りだした事を全く理解していない。
息子は語りながらもゲームを続けている。


「でもね、もう一度だけ何か受けてみない?」


涙を拭きながら母はそう尋ねた。


「実はこんなの持って来たの。」


そう言って取り出したのは求人票だった。


「気が向いたらね。」


そう言って見向きもしないで彼はゲームを続けた。


「そう…じゃあ母さんこれで返るわ、仕事決まったら連絡してね。」


「ああ。」


そう言って母親は返って行った。
彼はゲームを続け先程消える前の部屋に返ってきた。


kisin:お帰り~

sukuna:エラー?

Leve:足が電源にあたったorz

kisin:www

hell:ドンマイ!

sukuna:ご愁傷様

hell:もう一度行きます?

Leve:いいの?

kisin:おk

sukuna:いいよ

Leve:ありがとう!!

kisin:俺もさっき尻尾剥げなかったし

hell:今度は2分切れるように頑張りましょう

Leve:じゃ俺麻痺します

kisin:俺龍

sukuna:何回でもやろう、暇だし

kisin:俺も

hell:私も

Leve:皆暇すぎw

kisin:www

hell:私今封印されててやる事ないんですよね

kisin:俺も

sukuna:実は俺も

Leve:ブーム?

kisin:w

hell:しかしkisinさんとsukunaさんのコンビネーション凄いですね

Leve:確かに…息ピッタリ

kisin:だって

sukuna:同一人物だもん

Leve:???

hell:本当ですか?

sukuna:マジ

kisin:本気と書いてマジと読む

Leve:一人で二つプレイとか凄すぎる鬼プレーヤーww

kisin:www

sukuna:その通り!!

hell:そろそろ行きますか?

Leve:おk

sukuna:あい

kisin:うい


こうして戦士たちは再び戦場に身を投じた。










――数日後――


Leve:実は……

sukuna:???

kisin:何?

Leve:俺就職しようと思う

sukuna:なん…だと…

kisin:本気?

hell:どんな職種ですか?

Leve:一発芸

sukuna:www

kisin:なにそれ?

Leve:募集要項でなんかあった。

hell:召喚ですか?

Leve:うん

sukuna:召喚?

kisin:何それ?

hell:悪魔は召喚される前に予め募集要項がわかる

Leve:掲示板に張ってある

kisin:クエストみたいw

sukuna:www

hell:召喚の前に召喚内容がわかってそれの面接を受けて受かると召喚される

Leve:俺6年前にイギリスの村を襲う任務に落ちた…

sukuna:ドンマイ!

hell:それ受かりました

Leve:マジで!?

sukuna:おめ~!

hell:それでこの有り様です

kisin:あ~…

sukuna:ドンマイ!

Leve:落ちといてよかった

hell:面接の時1人凄いのが居たのですが…

sukina:やられたの?

kisin:???

hell:召喚の時居ませんでした

kisin:?

Leve:落ちたのかな?

sukuna:かもね

kisin:強そうだった?

hell:すれ違うだけで冷や汗が出ました

kisin:そんなに!?

sukuna:何で居なかったんだろう?

hell:もうすぎた事ですからいいでしょう

Leve:とにかく行ってきます

sukina:ガンバ!!

kisin:また狩ろうね!!

hell:ご武運を!

Leve:お疲れさまでした!

hell:お疲れ様でした。

kisin:おつ~!!

sukuna:お疲れちゃ~ん!!


そうして彼は電源を落とし、面接に向かった。










「はい、合格です。」


「有難うございます。」

何と彼は合格してしまい…まあ彼以外応募者が居なかったので当然なのだが。
とにかく彼は合格し晴れて召喚される事になった。










―麻帆良学園都市―


2002年12月24日
今日はクリスマスイブ。
学園だけでなく世界中でお祭り騒ぎが行われている。
それは勿論学園の各クラスやクラブ活動でも各自ささやかだったり盛大だったりと、それぞれが楽しんでいた。
そんな中ある一室…そこは2-Aと書かれた部屋の中。
そこはまさに混沌と言った感じだった。
なぜそのようになったかと言うと、あるノリのいい生徒がお酒を持ち込んだためだ。
それを知らぬ者、知っている者関係なく飲みまくりすっかりと出来あがってしまった。
止める者も酔っ払い、悪ノリが行く所まで行ってしまったようだ。
そして潰れる者、酔っ払う者、様々な中で予定道りに一発芸が披露されていった。
そしてある少女、近衛このかと言う名の少女の番になった時事件は起こった。
彼女はこの一発芸で召喚の魔法陣を書き召喚の真似ごとをするつもりだったんだ。
勿論本人でさえ何かが出てくると思ってなどいない。
だがしかし本人でさえ知らないがこの少女極東一の魔力を持っていたのである。
本来止めに入るはずの者達が居たのだが酒に酔ったりして気づくのが遅れてしまった。
気がついた時には既に召喚は始まっており、彼女が広げた魔法陣の上では凄まじい魔力が渦巻いていた。


「何これ!?」


困惑して叫ぶ者。


「皆さん落ち着いて!!」


皆を落ち着かせようとする者。


「お嬢様!!」


急ぎ護衛対象の元へ駆ける者。


「何と言う馬鹿みたいに大きな魔力だ!」


その呼ばれる者の魔力の大きさに驚愕する者。
それぞれの行動を余所にその者は召喚された。


「…………」


「「「「「……………」」」」」


召喚された者と少女達が見つめ合う数秒の沈黙。
召喚された青年は困惑していた。
誰に呼び出されたわからなかったからだ。
故かこんな言葉が飛び出た。


「問おう、誰が俺のマスターか?」









あとがき

思いつきで書かせてもらいました。
一応作者はここのその他でワンピースのも書かせてもらっています。
一応コンセプトはもし最初から全員に魔法がばれてたらということです。
これは息抜きに書いたので続くかわかりません。



[11649] 第二話
Name: 思いつきで投稿◆9abf2946 ID:d4d903c6
Date: 2009/09/14 20:33
sukuna:Leveさんどうなったかな?

kisin:上手くいったかな?

hell:どうでしょう?

kisin:戻ってくるまでお楽しみだね

hell:そうですね

rakan:こん~

sukuna:キター!!

hell:御機嫌よう

kisin:(。・ω・)ノ゙ コンチャ♪

sukuna:こん○○わ~

rakan:お供していい?

sukuna:おk

hell:是非

kisin:火山炎上行こう!

sukuna:あい

hell:わかりました


kisinがクエストボードにクエストを張り皆が行こうとした時…


rakan:あれ?

kisin:どしたの?

sukuna:?

rakan:ランク足らないorz

kisin:あらら

sukuna:あ~

hell:皆HRはどのくらいですか?

sukuna:188

kisin:同じく188

rakan:12

hell:162です

sukuna:あ~

kisin:ドンマイ!

hell:違うの行きます?

rakan:ごめんなさい

hell:いえいえ

kisin:チャナかレイア辺り?

sukuna:rakanさん張っていいよ

rakan:有難う


rakanはクエストボードに陸の女王、捕獲作戦! と言うクエストを張った。


kisin:行くか

sukuna:あい

hell:了解です

rakan:行きます


そして戦士達は孤島へ消えた。










第二話










「…………」


「「「「「………………」」」」」


行き成りの事にどう反応していいやらわからない面々。
言ったはいいが反応がなく如何していいかわからない青年。
現状を簡単に表すとこんな感じだ。
しかし此処で最初に動いた人物が居た。
それが誰かはわからない、ただノリのいい面子だとだけ言っておこう。


「す…すげー!!」


「マジで誰か出て来たよ!!」


「どうやったの!?」


「これはトリックだ! そうに決まってる!!」


各々勝手に叫んでいるな中、一番動じていない少女が彼に声をかけた。
そう召喚者であるこのかだ。


「どちらさんですか?」


「俺の名はレヴュアタン、悪魔でニートです。」


彼は思わず本当の事を言ってしまった。


「あ~、ニートさんなんや。」


「あ、間違えたニートを卒業するためにこの召喚に応じたんだった。だからもうニートじゃないよ。」


「そうなんか~頑張ったんやな~。」


「え…あ、どうも。」


何故かようやく就職が決まったのを、近所のおばちゃんに褒められたような感じだった。
しかしそんな会話に割り込んでくる者達が居た。


「ねえねえ悪魔ってどういう事?」


自称麻帆良のパパラッチこと朝倉和美であった。
彼女はマイクをレヴュアタンに向けて話しかけて来た。


「そのままです、俺は今魔界から召喚されました。」


「「「「「え~~~~!!!!」」」」」


そのままの事実を述べるレヴュアタンの言葉に一同は驚いた。
その後の反応は様々だった。


「そんな事ある訳ないでしょ!」


と言うツインテールの少女。


「「「悪魔~~!!」」」


半泣きで泣き叫ぶ双子と前髪の長い少女。


「悪魔って強いアルか!?」


まずは強いかどうかに思考が行く少女や、全く信じていない者。
まさに反応は十人十色だった。
しかし一部の少女達は臨戦態勢を取っていた。
何故なら彼が無意識に垂れ流す魔力が彼の危険性を示していたからだ。
隙があれば倒す、そう思い何時でも動けるように身構えていた。
そんな中一部の者達からこんな声が出て来た。


「悪魔なら証拠を見せろー!」


「そうだそうだ!」


酒がまともな思考能力を奪ったのか、それとも元々こう言った人達なのか。
彼が見た目は人と変わらない姿をしていた事も関係あるだろうが、良くも悪くも異常に対して寛大な者達は、はやし立て盛り上がる事を選んだようだ。


「えと…じゃあ。」


彼はおもむろに腕を上げ、人差し指を突き出すように前に出した。
するとその指先が眩い程に光輝きだしたのである。


「指先が光ります。」


「「「「「おー!」」」」」


何故かウケた。
おれ? なんかいけそうじゃない?
そう思ったレヴュアタンは調子に乗り出した。


「全身何処でも光らせれます。」


そう言って肘や膝、果ては頭や足の裏まで光らせたのだ。


「おー!!」


「凄い凄い!」


「眩しー!!」


「トリックだ! トリックに決まってる!!」


様々に驚く生徒達。
しかし笑えないのは裏の関係者である。
なにせこれはそのまま放てばレーザー攻撃になるような凄まじい魔力が籠っているのである。
具体的に表すと光るたびに、通常の魔法使いとは比べ物にならないくらいの魔力を感じる。
もしそれが攻撃に転じたら…そう思うと、彼女たちにとっては凄まじい危機感を与えた。
そしてついにその緊張感は破られた。


「皆さん下っていて下さい!!」


そう言って刀を抜きながら飛び掛かった。
その少女の名は桜咲刹那、このかの護衛をしている少女だった。
その後ろでは二丁の拳銃を構えた褐色の肌の女性…龍宮真名の姿もある。


「神鳴流奥義・斬岩剣!!」


彼女の横薙ぎに繰り出した。
その気の籠った斬撃は……レヴュアタンの首を刎ねた。
首は飛び、教卓の前に落ちた。


「「「「「…………」」」」」


一瞬の沈黙の後、状況を理解した2-Aの生徒達。


「キャー!」


「く、首が取れたー!」


「死んだー!!」


自称悪魔とはいえ、人の姿をした者の首が取れた事に彼女達は恐怖した。
そして一番驚いたのはこいつだった。


「な、なんじゃこりゃー!!!」


床に落ちた首から、首の無い自分の本体が見えるのだ。


「生きてる!?」


「松田○作!?」


いやこいつの体の構造は、どっちかって言うと田中○江です……じゃなくて未だ首が話す事に驚く中、龍宮真名は首と本体に無数の弾丸を撃ち込んだ。
弾は体も首もすり抜け床や黒板に当たる。


「すり抜けた!?」


驚く真名を余所に体が発光し、床に落ちた首は光の粒となり本体に吸いこまれるように還り、光がおさまるとレヴュアタンは何事もなかったかのように、元の形に戻っていた。


「ちょっとそこのサムライガール! 驚いたじゃねぇか!!!」


「え…あ、すいません。」


怒られた勢いで思わず謝ってしまう刹那。


「まったく、俺だからよかったものの…近頃の女の子は何を考えているんだか。」


ブツブツと文句を言うレヴュアタン。
基本は内弁慶な奴だが、今回は驚きテンションが上がっていた事で地が出ていた。


「無事なの…。」


黒髪をポニーテールにした少女、大河内アキラは目の前で起こった事に唖然と呟く。


「悪魔スゲー!!」


ずれた事を叫ぶのはくじ運の強いラッキー少女、椎名桜子だ。


「あ、これは俺の特殊能力で悪魔ならだれでも出来る訳じゃないよ。あと俺は光属性の悪魔だけど某カードのモンスターと名前が一緒なのも関係ないよ。」


聞いてない事まで答えるレヴュアタン。
とにかく言える事は彼には物理的攻撃は効かないと言う事だ。
勿論気を通しても関係ない。
だからと言って魔法攻撃が効くと言う訳でもないが。
まあ一応は気や魔力を込めた一撃だと、今のように体の一部を切り離したり吹きとばしたりは出来るけど、結局は体にダメージや痛みはないし直ぐに修復できる。
彼に効くのは極々一部の特殊な攻撃だけなのだ。
そして未だ収まらない自体をさらに混乱させるように、乱入者が来た。
魔法先生たちである。
ようやくと言う事は無かろう、レヴュアタンが召喚されて5分と経っていないのだ。
寧ろ迅速と言っていいだろう。
まあ今向かっているだけで、今到着したのはこのクラスの担任トリプルTこと高畑・T・タカミチとヒゲグラこと神多羅木先生、後おまけに瀬流彦先生だった。


「皆無事か!?」


扉を破る勢いで入ってきた3人は体から魔力を垂れ流す、レヴュアタンを危険人物とみなし生徒と彼の間に入り込んだ。


「君は何者だ?」


いつでも攻撃が出来るようポケットに手を入れ、高畑はレヴュアタンに問いかけた。
グラサンもいつでも動けるように構えている。
おまけ…じゃなかった大戦力の瀬流彦先生も、生徒を避難させようとする。


「俺はレヴュアタン、働き者の悪魔です。」


レヴュアタンは彼らの質問に正直に答えた。
ほんの5分前までニートであったにも関わらずふてぶてしい奴である。


「悪魔!?」


「どうやって此処まで入り込んだ!」


麻帆良の結界を潜り抜けて此処まで入り込んだ悪魔の驚愕を隠しきれないようだ。


「どうやってって…此処で呼ばれたんですけど。」


「何?」


その言葉を思わず否定しそうになるが、彼らの視界に魔法陣の書かれた布が教卓の上にあるのが見えた。
それはとても素人が書いた者とは思えないほど精巧な…否、完全に召喚の魔法陣だった。


「しかし此処であんな強力な悪魔を召喚できるような人が居る訳…あ。」


瀬流彦先生が否定しようとしたが、この教室には知識は無くとも凄まじい魔力を持った生徒が居る事を思い出した。
慌てて高畑は事情を知ってそうな魔法生徒に説明を求める。


「えっと…桜咲君は居るかい?」


「はい。」


生徒達の中から刹那が前に出て来た。


「もしかして彼を呼んだのは?」


誰とまでは聞かずに先を促すように聞く高畑。


「はい、ご想像の通りかと。」


頷き答える刹那。


「そう言う事か。」


一人納得し警戒は怠らずとも、相手を刺激しないように臨戦態勢を解いた。


「君は此処を襲いに来たんじゃないんだね?」


「ああ、そうだよ。」


レヴュアタンの答えに安心しつつも、自体の収拾にかかる事にした。
よくよく考えれば、クラス全員の前で悪魔などと言う隠匿対象が召喚されてしまったのだ。
記憶を消すにしてもこのクラスには一人魔法が効かない生徒もいる。


「此方の責任者と話をして欲しいのだが、いいかな?」


「良いですけど。」


「有難う、このか君も来てくれるかな?」


「はい。」


このかも状況が怪しくなってきた事を感じ取り、何時になく真剣に頷いた。
高畑は生徒を宥め、他の2人の教師にその場を任せてレヴュアタンとこのかを連れて学園長室に向かった。









あとがき

作中で否定しましたが、レヴュアタンの名前は某カードゲームのモンスター名です。
あとまえがきでも書きましたが、こんな感じで主人公は最強です。
この能力どこかで見たな? とか思うかも知れませんが気にしないで下さい。
ではまた次回。



[11649] 第三話
Name: 思いつきで投稿◆9abf2946 ID:d4d903c6
Date: 2009/09/14 20:38
戦士達は孤島から帰還した……やや重苦しい雰囲気を纏って。


rakan:ごめんなさい

sukuna:ドンマイ!

kisin:どんまい

hell:ドンマイ!


どうやらrakanは3回も死んでしまったようです……2分間で。


rakan:ハンマーで尻尾狙いはやめます

kisin:その方がいいね

sukuna:サマーソルト喰らいまくってたもんね

hell:賢明です

kisin:リベンジする?

rakan:はい

sukuna:おk

hell:了解しました


こうしてまた4人の戦士は孤島に消えて行った。










第三話










レヴュアタンとこのかは高畑に連れられて学園長室に来た。


「失礼します。」


そう言って高畑は2人を連れて中へ入った。
そこには何人もの魔法先生や魔法生徒がいて、一斉に入ってきた3人…正確にはレヴュアタンを険しい目で睨みつけた。


「高畑先生、その者が侵入者ですか?」


黒人でたらこ唇の男、ガンドルフィーニが高畑に声をかけた。


「ええ…といっても自分の意思で侵入した訳ではないようなのです。」


「まさかそんな事を信じたのですか!」


彼は頭が固い彼は、既にレヴュアタンを敵と見ているようだ。
レヴュアタンの垂れ流す魔力が彼らを刺激しているのも原因の一つだろう。


「まあまあガンドルフィーニ先生落ち着いて、事情を聞こうじゃないか…このかが居る事も気になるしのう。」


彼を諌めたのはこの学園の学園長、近衛近右衛門である。


「…わかりました。」


流石に学園長には逆らえないのか、ガンドルフィーニは退いた。
しかしレヴュアタンへの警戒は怠ってはいなかった。


「では…話を聞こう、あああその前にワシはこの学園の学園長をしておる、近衛近右衛門と言う者じゃ。其方の名前も聞いても良いかな?」


「俺はレヴュアタンと言います。」


レヴュアタンは極めて普通の対応をした。
学園長の頭の形はどうでもいいようだ。


「そうかレヴュアタン君、何故この学園に入って来たのかね?」


「別に俺は狙って此処に入った訳じゃないですよ、召喚されたら此処だっただけなんですが。」


「召喚…その魔力の質から見て、やはり君は人間ではないのかね?」


レヴュアタンの魔力は普通の人間が持つ物に比べて禍々しい。
その事から薄々気がついていた学園長は率直に聞く事にした。
レヴュアタン自身も隠す必要は無いのでそのまま正直に答えた。


「はい俺は一応魔界から召喚された悪魔ですよ。」


「悪魔ですって!?」


「やはりそうか!」


その声に一部の者達は過剰に反応した。
そしてそのまま撃退に入ろうと、臨戦態勢に入る始末だ。


「待たんか!」


学園長の静止の声で攻撃に移ろうとしていた者たちは動きを止めた。


「何故止めるのですか学園長!」


彼らは止められた事が気に入らず、抗議の声を上げる。


「向こうが此方に害意を示していないのに話も聞かずに攻撃してどうする。」


まだ何か言おうとしていた者たちは、学園長の眼光に押し黙った。
何故此処まで学園長が止めたかと言うと、単純に彼らでは勝つのは難しいと思ったからである。
レヴュアタン自身は一切の棒立ちだが、その体から流れる魔力は今まで見て来た悪魔たちの中でもかなり強力だと思われる。
そんな中孫娘もいる部屋の中で暴れる訳にはいかなかったのだ。


「それで君を召喚した者の事を聞きたいんじゃが、いいかの?」


一応聞いては要る物の、その眼光は一切否定を許さないのもだった。
レヴュアタン自身も得に隠す気もなく、あっさりとこのかを指差して言った。


「この人です。」


「何じゃと!?」


学園長は孫娘が悪魔召喚をした事に驚愕した。
それは周りの者達も同じだ。


「それが…学園長、どうも本当の様なんです。」


「このか…本当なのか?」


「え~と、クラスの一発芸で召喚の真似ごとしたら、レヴュアタンさんが出て来たんやけど。」


何時になく真剣な祖父の姿に未だ自分でも正確に理解しきれていないが、自分なりの説明を行うこのか。


「桜咲君もこのか君が呼んだ事を、認めてました。それとこれが教卓の上にありました。」


そう言って高畑はレヴュアタンを召喚した魔法陣の書かれた布を取り出して見せた。


「そう言う訳か。」


何故孫がそんな物を持っていたののかはわからないが、召喚するだけの魔力は持っている訳だし、不可能ではないと結論づけた。


「このか、何処でそれを見つけたのじゃ?」


「これは本に書いてあったのを、うちなりにアレンジしたんやで…と言うても適当に雰囲気を出しただけなんやけどな。」


そうこれは彼女のお手製であり、オリジナルの物であった。
とは言う物の、彼女自身にそんな知識は無くただそれっぽくしたら、本物の魔法陣が出来上がったと言う…天文学的確率である。


「はぁ~…あ~レヴュアタン君、君は特に用は無く呼ばれてしまったようじゃ、スマンがお引き取り願ってもよいかな?」


「構いませんよ、俺も返ってフレとジョー狩りに行きたいですから。」


「何の事かわからんがとにかく丸く収まりそうでよかっわい。」


一安心する学園長に高畑から面倒な事実が告げられた。


「それなんですが学園長、2-Aのパーティに出席していた全員が悪魔の存在を認識してしまったようなのですが。」


「何!? そうか…一発芸で召喚されたんじゃったな。困ったのう、記憶を消そうにもあのクラスにはアスナ君がおるしのう。」


頭を抱える学園長を尻目に彼は切り出した。


「じゃあ帰るんで…戻して下さい。」


「「「「はい?」」」」


「だから還して下さい。」


彼は自分で帰る事が出来ないのだ。


「帰る方法、無いのか?」


「大抵は召喚者を倒すと還るのがセオリーだけど。」


自分の知るかぎりの方法を述べるレヴュアタン。


「しかし…それは困るのう。」


流石に孫娘を叩きのめす訳にはいかず困り果てる学園長。
そこである提案が魔法先生側からなされた。


「呼ばれた者を倒しても還るのではないですか?」


敵意たっぷりのその言葉にレヴュアタンは平然と返した。


「ああ…それもあるけど、此処の人達じゃ俺に勝てないと思うので最初から除外しておきました。」


「何だと!」


レヴュアタンの言葉に騒ぎ立てる魔法先生や魔法生徒。


「いや俺って大抵の攻撃は効かないもので。」


効かないとわかっていると、防御が疎かになるのが欠点ですと付け足す。


「ハッタリはいい、さっさとお引き取り願おうか。」


消されたくない一心でついた嘘と取った学園側は、彼を力ずくで還そうとする。


「嫌ですよ、痛いの嫌いだし。」


痛い事などないのにそう言うレヴュアタン。


「止めんか!!」


一触即発の空気になりまたも学園長が止める。


「君は魔界で高位の実力者なのかのう?」


確認する学園長。


「まあそこそこですが…本気出すと上から数えて10位には確実に入るでしょう。ここ1000年くらい碌に体動かしてませんが。」


「それは…困ったのう。」


様々な問題が一度に押し寄せて、流石の学園長もどうしていいかわからないようだ。
一方レヴュアタンも困っていた。
このままでは何の当てもなく、放り出されるかもしれないからだ。
まあ学園長が無責任に悪魔を放っておくことは無いのだが、レヴュアタンはそんな事知らない。
このままでは満足にゲームも出来ない、そう思ったレヴュアタンは仕方なく自分を売り込みにかかった。


「還せないなら生活の保障して下さいよ。」


「……そうするしかないかのう。」


「何を言ってるんですか学園長、悪魔をこの学園に置くなど!」


他に方法が見つからずレヴァタンの頼みを肯定しようとする学園長に反対するガンドルフィーニを始めとした魔法教師たち。


「しかしのう、ガンドルフィーニ君一応はこのかが召喚したんじゃから、このかの言う事を聞いてくれるじゃろう。それなら生徒たちに危害を加えはせんじゃろう。」


基本的に召喚された者達は召喚者の言う事を聞く。
一応はその事を知っていたので彼らは言い返せなかった。


「あの…お爺ちゃん。」


今まで蚊帳の外にこのかが話に入ってきた。


「ようわからんけど…レヴュアタンさんはうちが呼んでしもたんやし、酷い事しんといてあげてな。」


「うむ…。」


孫の頼みに弱い学園長、確かに彼自身に否は無く帰る方法が見つかるまで面倒をみてもいいのではないかと思う。
それに上手くいけばこのかの護衛も出来る。
既にいるにいるが、傍では護衛してくれないため心配な所もあるのだ。
学園長からしたら実を言うとそんなに悪くない話なのだ。


「わかった…レヴュアタン君の生活の保障はしよう、じゃが監視をつけさせてもらう。それでいいかの?」


「学園長!!?」


反対の声が上がったが学園長はそれらを無視した。


「それと此処でやってもらいたい事があるのじゃ。彼とこのかに話したい事があるのでスマンが皆は席をはずしてもらえんか?」


抗議していた者たちは諦めたり、未だ睨んでいたりしたが、学園長の事を信頼しているのか、結局は大人しく出て行った。
皆が出て行ったのを見計らい2人に向かって言った。


「スマンな、彼は悪とかそう言った言葉に過敏でな。」


「ああ…どうでもいいですから気にしないで下さい。」


レヴュアタンはかなりどうでもよさそうに言った。
実際彼は今ゲームが出来なくなるかの瀬戸際なので、そんな事はどうでもよかったのだ。


「それとこのか、この際じゃから言ってしまうが、この世界には魔法があってな……。」


学園長はこのかにも魔法の事や、彼女の生まれ、魔力の量の事などを話した。





「そうやったんか~。」


間の抜けた声とともに納得するこのか。
得にはショックを受けたりは無い様だ。


「そう言う訳での、レヴュアタン君には申し訳ないがこのかの護衛もして欲しいんじゃ。」


学園長はレヴァタンにそう頼んだ。


「え~…超めんどくさそう。」


レヴュアタンは露骨に嫌そうな顔をした。


「そこを何とか頼めんかのう?」


「う~ん…週休5日ならいいですけど。」


そう妥協案をだした。
何と言う怠け者か。


「あ、後は1日の勤務時間は1時間半まででお願いします。」


さらに極端に削るレヴュアタン…こいつ何様のつもりだ?


「では15日休日があれば9時間働いてくれるの?」


「いいですよ。」


「なら問題ないわい。」


無茶な要求をあっさりと飲む学園長。
何か秘策があるようだ。
そこでレヴュアタンはある事を思い出したように言った。


「そう言えばさっき目撃者の記憶を消すと言っていた様な。」


「そうじゃ此処の世界では、魔法は隠匿されるもんでの記憶の消さなければならんのじゃ、このかはどうするかの?」


学園長はこのかにも選択をせまった。


「このまま忘れるか、覚えておくかじゃ。」


「うちは…覚えておきたい、何が出来るでもないけど…うちの事を守ってくれている人がおる事位は覚えておきたいんよ。それとお爺ちゃん、絶対とは言えんけど多分皆も覚えておきたい言うと思うんやけど。」


このかは自分の考えを述べる。


「あの子達ならそう言うかもしれんが、そうもいかなくてのう。」


「それじゃあ皆に聞いて忘れたい奴だけ消せば?」


レヴァタンからすれば誰が覚えていようともどうでもいい為このような提案がなされた。


「あ、それいいな~。」


それにこのかが乗っかり、此処で無理やり記憶を消すと孫に嫌われそうな学園長は仕方なくそれで行く事を了承した。
それに何よりある少年が魔法学校の卒業課題で、此処に教師をしにくる折りにはこのクラスの担任にする気だったのだ。
よくよく考えてみると人格形成の大事な時期に、いかに勉強が良く出来ようとも精神的にはまだまだ未熟な子供をつかせるのだ。
何が起こるかわからない。
それは生徒達を利用するようで、余りにも勝手ではないか。
せめてその事の事情説明位はしても良いのではないか? と学園長の中で疑問が生まれた。
それでダメなら記憶を消せばいいと安易な考えがあった事も事実だが、学園長はレヴュアタンの意見を了承した。


「わかった、わしから皆に話そう。その上で忘れたい生徒の記憶は消し、覚えていたい生徒の記憶は残そう。」


「流石お爺ちゃん!」


「では説明に行こうかの。」


そう言って学園長はレヴュアタンとこのかを連れ、教室へ戻った。


途中で高畑も加わり、4人で教室に行くと。
そこには生徒達を抑えるのに四苦八苦している瀬流彦先生が居た。
グラサンの方に事情を聞きに行かないのは、彼よりも瀬流彦の方が攻略しやすいと言う生徒達の判断だろう。


「えらい騒ぎじゃのう。」


「あ…学園長助けて下さい!」


学園長の姿を見つけ助けを求める瀬流彦の姿は情けないものであった。


「待ってやってもらえんかのう、ワシが今から説明するから。」


そうして学園長は皆に魔法の事、そして新しく来る担任の先生の事、その目的なども話した。





「――以上がワシから言う事じゃ、その上で記憶を残したいかどうかを聞きたい。」


学園長の質問には満場一致で答えが出た。


「「「「「覚えていたいです。」」」」」


ある者はノリで、ある者は知的好奇心から、ある者は半分意地で、理由は人それぞれだが誰1人忘れたいと言う者はいなかった。
全く持って個性の強いクラスである。
こうして2-Aのクラスの者達は、公表しないとの約束の元魔法の事を覚えている事が許された。


「では今更だが…レヴュアタン君の学園での立場はどうするかの。」


「自宅警備員で。」


レヴュアタンがさり気なく自己主張する。
働く気が全く無いよ、この悪魔。


「いやそれだと、学園と全く関係ないし。君なんか人に物を教える事とか出来んかのう?」


「俺の雑学半端ねぇですよ、クイズ・マジカル・アカデミアやりまくったし。」


「いやそんなのでは困るんじゃがのぉ。」


「働きたくないでござる。」


最早コントのようであった。
その時彼の目にある物が映った。
それはメガネを掛けた生徒、早乙女ハルナのカバンに着いていたストラップだった。


「ちょ…これ誰の!?」


「え、それは私のだけど。」


ビブリオンのキャラのストラップだった。
それを見て彼の中にあり仮説が生まれた。
此処日本じゃね?
彼は真実を確かめるべく周りに確認をする。


「もしや此処は…日本では?」


「そうだけど…知らなかったの?」


彼の中で衝撃が走った。
此処は聖地のある国である事を知ったからだ。
そして夏には彼が一度は行ってみたいと常々思っていたイベントがあるではないか。
これは何としても夏まで此処に残らなければならない。
そう思った彼は積極的に仕事をすることを心に決めた。
先立つものがなければ折角のイベントも楽しむことが出来ないからである。


「学園長…仕事がしたいです。」


「その心意気やよし、それで君は何が出来るんじゃ?」


「戦闘力には自身があります、あと歴史や地理が詳しいです。」


レヴュアタンは都道府県とかをちゃんと覚えているのである。
千葉とか滋賀とか佐賀とか茨城とか。


「うむ…では君には社会科の教師として地理と歴史を教えてもらおう、あとは夜に身回りなどの警備員も。」


「了解です!」


やる気満々で答えるレヴュアタン、この勢いが何時まで続くかは定かではない。


「では細かい事は後日連絡するのでの、今日の所は宿直室で休んでくれ。」


「はい。」


「ではこれで失礼するかの、皆も中断していたパーティを続けるとよいぞ、終わったらレヴュアタン君を宿直室まで案内してやってくれ。」


「「「「「はーい!」」」」」


元気のいい返事に送られ学園長は教室を後にした。


「じゃあレヴュアタン先生の歓迎会も兼ねて、パーティを再開しましょうか!」


「「「「「おー!」」」」」


「帰ってゲームがしたいのだが。」


そんなレヴァタンの呟きは、騒ぎに飲み込まれていった。





「じゃあレヴュアタン先生に質問タイム!」


朝倉が言いだしたお約束により場が盛り上がる。
悪魔と言う事もあってかクラス中がいつも以上に集中している。


「ではでは…先生は何歳ですか?」


「細かい所は忘れた、でもまだ1700歳位だ。」


「1700って…凄いね。」


「そうでもないよ、まだまだ若いよ俺。」


「そうなんだ…では次の質問、戦闘力って言ってたけど…戦ったりするの?」


「するよ。」


「強いの?」


「一応は…でも最近まともに戦ってないからな、鈍ってると思うよ。」


「それでさっき桜咲に斬られたのか…ってか桜咲はなんで真剣とか持ってんの?」


質問は唐突にレヴュアタンから刹那に向いた。
行き成りの方向転換に、刹那は言葉を詰まらせるが自分が魔法関係者であった事を話した。


「へ~こんな身近に魔法使いがいたんだ。」


意外な展開に一同は驚いていた。


「じゃあ他にもこのクラスで魔法関係者とかいるの?」


「それは…。」


自分の口から言っても良いのかわからずに言いよどむ刹那。
そんな刹那を見かねたのか本人が名乗り出た。


「一応は私も関係者だよ…魔法使いじゃなくて、依頼されて手伝いをしたりする程度だけど。後は…春日とエヴァンジェリン、茶々丸かな?」


「マジで!? そんなにいるの!!?」


驚くクラスメイト達。


「これは後で詳しく聞くしかないね。」


「勘弁してくれ。」


怪しく言う朝倉に困ったように真名は言う。


「それで…結局先生強いの?」


「さあ? でも負けた事なかったよ、当時…1400年くらい前かな? 俺と同じくらいの奴ら2人と、3人で動いてたよ。」


「それで?」


「今はもう解散して俺はニート、1人は浮浪者、そしてもう1人はどうなったか知らない。」


「浮浪者って…全然凄そうな印象を受けないんだけど、そんなんで大丈夫なの?」


「俺もそれはわからない、多分俺を召喚した魔法陣に魔力を込めて、無造作にウイスキーとか投げると死んだ魚みたいな目をしたグラサンが出てくると思うけど。」


「いや…いいよ別に。」


そろそろ咲いたかな、あいつ? とか呟くレヴュアタンに、流石のクラスの奴らも引いたようだ。


「で、では最後に恋人はいますか?」


朝倉は急いで空気を変えようと盛り上がりそうな話題を出した。


「いるよ、500人くらい。」


「500人!!」


「スゲー!」


「流石1700歳!」


その数に衝撃を受けた面々が騒ぎ出す。
驚く者達を無視しレヴュアタンはさらに居続ける。


「しかし悲しい事に、俺と彼女達には越えられない壁があるんだ。」


「なにそれ!?」


「禁断の愛!!?」


「どんな悲劇が!?」


恋愛に興味津々の年頃なので、彼女たちはさらにヒートアップさせる。
そして彼の口から語られた真実。
それは……


「二次元と三次元の壁……それが俺と彼女達の壁だ。」


皆が一斉にこけた。
それはもうドリフのコントのように。





結局それで質問は終わり、その後パーティも何事もなく終わった。
このかに宿直室に案内されていくレヴュアタンの後ろ姿を見送りながら皆は思った。


(((((ダメだこの悪魔。)))))









あとがき

なんかこんな感じになりました。
一応主人公が行ったりするのは現実の作品とは微妙に名前を変えさせてもらっています。
学園長の理由とうやや無理があるかもしれませんが、これはご都合主義の塊ですので軽くノリで読み飛ばしておいて下さい。
ではまた次回。



[11649] 第四話
Name: 思いつきで投稿◆9abf2946 ID:d4d903c6
Date: 2009/09/21 14:05
戦士達は…いや狩人達は孤島から帰還した。


kisin:おつ~!!

sukuna:お疲れちゃ~ん!!

hell:お疲れ様でした。

rakan:お疲れ~!


今回は見事勝利を納めたようだ。


kisin:次何行く?

hell:すいません

sukuna:???

hell:一度落ちます

rakan:何かあった?

hell:一緒に封印されている娘たちにポータブルに付き合えとせがまれまして

rakan:わかった

sukuna:了解

kisin:おk

sukuna:お疲れちゃ~ん!!

kisin:おつ~!!

rakan:お疲れ~!

hell:お疲れさまでした。


そう言ってhellは消えた。


sukuna:どうする?

kisin:待つ?

rakan:3人で行くか


3人でクエストに行こうとした時新たに入ってくる者が居た。


kuuneru:こんばんわ~

rakan:ナイスタイミング!!

kisin:(。・ω・)ノ゙ コンチャ♪

sukuna:こん○○わ~

kuuneru:御一緒してもいいですか?

sukuna:おk

kisin:いいよ!

rakan:いいぞ!

kuuneru:どうも

sukuna:どれ行く?

kisin:kuuneruさんランクどれ位?

kuuneru:1080ですよ

rakan:マジか!?

sukuna:そんなランク聞いたことない

kisin:凄すぎだな

kuuneru:それ程でも…ただ暇なだけですよ

kisin:それでも凄い

sukuna:てか1000とかより上に行けるんだこのゲーム

kisin:暇つぶし要素を沢山練り込んでるね

rakan:GAPCOMはスゲーな

kuuneru:私もGAPCOMのゲームは良くやりますが良い出来ですね

rakan:そうだな

sukuna:特にこのモンスターハンティング3は良い出来!

kisin:また抜けだして新しいゲーム買いに行こう

rakan:抜け出す?

kisin:俺封印されているんだ

sukuna:まあ何時でも抜け出せるんだけどね

kuuneru:それは良かったですね~

rakan:間抜けだな~誰だそんな封印した奴

sukuna:前のよりは強力だよ

kisin:抜け出すのに苦労しそうだ

kuuneru:頑張って下さい

kusin:うん

sukuna:前はロックメンを買いに行こうとしたんだよな

kuuneru:ロックメンですか…16年程前ですね

kisin:買ったはいいが封印されちゃった

sukuna:わくわくして油断した

rakan:災難だったな

kuuneru:心中御察しします

kisin:いえいえ慣れてるので

sukuna:どうせ何時でも出れるしw

rakan:それよりも次行こうぜ!

kuuneru:そうですね


彼らは灯魚竜・チャナガブル! を張りそして水没林に消えた。


kuuneru:そう言えば私rakanさんと同じ名前の知り合いが居るんですよ

kisin:本当?

sukuna:偶然だね

rakan:全くだ

kuuneru:それが物凄くいい加減な奴なんですよ

rakan:そりゃ俺とは似ても似つかねぇな


旅立つ前にそんな会話をしてたとかしていないとか










第四話










扉を叩く音でレヴュアタンは目を覚ました。


「はい。」


寝惚けながら返事を返し体を起こす。


「失礼するよ。」


そう言って入ってきたのは高畑だった。


「お早うございます。」


「お早う。」


挨拶をするレヴュアタンに高畑も返事を返した。
この時レヴュアタンは心の中で、おっさんじゃなくて幼馴染が起こしに来てくれねーかな。
とか考えていたのは彼だけの秘密だ。
高畑は学園長がレヴュアタンを認め此処に置くと決めた時は驚きはしたし、その事に反対する気持ちはなくもないが他の者達に比べればまだその事に反感は少なかった。
故に学園長は彼を此処に寄こしたようだ。
彼自身このかがレヴュアタンを呼んだ事知っていて、その事から学園に害をなす事は無いだろうと思っているからだ。
未だに完全に警戒が解けないのは、彼の悪魔との戦いの経験から無意識に身構えてしまっているからだ。


「何か用ですか?」


そう聞くレヴュアタンに高畑は答えた。


「学園長が呼んでいてね…と言うかもう昼過ぎなんだが。」


高畑の言うように現在は午後1時を過ぎた頃だった。


「もうそんな時間ですか、じゃあ昼飯食べないといけませんね。」


そう言って立ち上がるレヴュアタン。


「ああ、そうだね…と言うか悪魔も食事をとるんだね。」


意外そうに言う高畑。
こういう所で既に悪魔に対する偏見みたいなものがあるようだ。


「そりゃ食べますよ、生き物ですから。それにほら…。」


そう言って部屋にあるゴミ箱を指差すレヴュアタン。
そこには空になったカップ麺とペットボトルが捨てられていた。
実はレヴュアタンは朝方まで起きて携帯ゲームをしていた。
そして寝る前に宿直室に備え付けられている冷蔵庫や棚を漁って、勝手に朝食を食べた。
このカップ麺と飲み物は前に宿直していた先生の置いて行った物だが…勝手に食べるとは、まるで自分の部屋のように寛いでいる。


「…そうだね。」


そのやりたい放題のレヴュアタンに対し、如何言っていいのかわからない高畑。


「とにかく、まずは学園長室に行こう。」


深く考えない事にして案内に徹する事にした高畑は、学園長室に向かって歩き出した。


「はい。」


そう答えてレヴュアタンはその後に続いた。





「失礼します。」


そう言って部屋に入る高畑。


「失礼します。」


同じく続くレヴュアタン。
学園長室には学園長の他に金髪の幼女にして吸血鬼、エヴァンジェリン・A・K・マクダウェルと、その従者の絡繰茶々丸が居た。


「じじい、こいつが噂の悪魔か?」


レヴュアタンを指差し問うエヴァンジェリン。
てか自分の年を棚に上げ、学園長をじじい呼ばわりするってどうよ?
しかしその顔は別に馬鹿にしたりはせず…寧ろ警戒すらしているようだ。
その原因はレヴュアタンの魔力にある。
何度も言うがレヴュアタンは特に意識していないが、彼はただ立っているだけで凄まじい魔力を垂れ流しているのだ。
警戒している側からすれば常に挑発されているようなものである。


「そうじゃ、レヴュアタン君と言う。レヴュアタン君、此方は君が担当するクラスの生徒でもあるエヴァンジェリンとその従者の茶々丸君じゃ、仲良くしてやってくれ。」


学園長の説明に茶々丸は軽く頭を下げる。
それにつられてレヴュアタンも頭を下げ挨拶した。


「初めまして、俺はレヴュアタンだ。よろしくねお嬢ちゃん達。」


普通に挨拶しているが、彼の頭の中では金髪幼女で吸血鬼、そしてロボット娘って……何のギャルゲーですか!! と叫びながらガッツポーズをとっていた。


「誰がお嬢ちゃんだ、私はもう600年も生きているのだぞ、見た目に騙されるなどと間抜けな悪魔だな。」


子供扱いされたのが頭に来たのか、エヴァンジェリンが馬鹿にしたように言う。


「え? ……俺なんか間違いました?」


不思議そうに聞くレヴュアタンに学園長が説明する。


「エヴァンジェリンが言ったのは自分は見た目の通りに若くないと言いたいんじゃろう。実はエヴァンジェリンは真祖の吸血鬼での、それと茶々丸君はガイノイドと言う…まあ平たく言えばロボットじゃな。」


「いやそれは見ればわかりますよ、魔界には吸血種とか一杯いますし…その子も耳がもろにロボット耳ですから…だから俺の言う事のどこが間違っていたのかわかりません。」


意味わかりません、みたいな顔で聞くレヴュアタン。


「だから600年も生きている私を子供みたいに言うなと言ってるんだ!」


物わかりの悪いレヴュアタンにイラつきながらエヴァンジェリンは言う。


「いや600歳なら子供だろ。」


「なに?」


今度はエヴァンジェリンが言われた事をわかっていないようだ。
仕方なくレヴュアタンは説明した。


「俺は数えんの止めたから細かい所は忘れたけど、大体1700歳なの。1700でも魔界では若者だから…つまり俺からすれば600歳は子供で、君は見た目通り幼女なの。」


小さい子に言い聞かせるようにレヴュアタンは言った。


「何だと…。」


今までに子供扱いされる事はあったが年をバラしてからもそう言われるのは初めてだった。


「お兄ちゃんと呼んでもいいよ。」


自分を指差して言うレヴュアタン。


「だ、誰が呼ぶかー!!」


キレたエヴァンジェリンは、レヴュアタンを投げ飛ばそうと飛び掛かった。
しかし…掴もうとしたが、すり抜けて見事に顔面から床に突っ込んだ。
レヴュアタンは無意識に、床に突っ伏す様な形になったエヴァンジェリンに追い打ちをかけた。


「全く、元気がいいのは構わないがおてんばも程々にしないとダメだぞ。」


そう言いながら脇の下に両手を入れ、エヴァンジェリンを抱き上げるように起こすレヴュアタン。
見ようによっては本当に転んだ妹を助け起こす兄の様だ。


「ほ~ら、エヴァンジェリンちゃんは強い子だから、泣かない泣かない。」


そう言って頭をなでながら何処からか取り出したロリポップを手に持たせる。


「ふざけるなよ! このクソ悪魔!!」


持たされたロリポップの棒が折れて地面に落ちる。
そのまま殴りかかるが、やはりすり抜けるだけで当る事は無かった。





「はぁ…はぁ…。」


凡そ30分、自分に出来る事を全てやったが全くと言っていいほど通用しなかった悲しい幼女がそこにいた。
そして実は先程から全てのやり取りをカメラに抑えていたガイノイドが居たが、それは誰も気がつかなかった。


「ん? もう終わった?」


エヴァンジェリンの攻撃を無視しながら学園長との話をしていたレヴュアタンは、いつの間にか攻撃を終えていたエヴァンジェリンに向かって言った。


「じゃあこれからよろしく。」


「何がよろしくだ!」


「だから今日から俺、君の所に住むって言ってたじゃん。」


「なんだと!!?」


エヴァンジェリンは聞いていなかったが、先程彼女が攻撃している間もレヴュアタンと学園長の話は続き、レヴュアタンはエヴァンジェリンの家…正確には別荘に住む事になって居た。


「そんな事許可する訳ないだろ!」


激昂するエヴァンジェリンに対し学園長は言った。


「何言っとるんじゃ? 今許可したではないか?」


「何の事だ!?」


「マスターが今レヴュアタンさんが別荘へ住む事を承諾なされたのですが。」


茶々丸がエヴァンジェリンの疑問に答える。


「いつ承諾した!?」


「先程懸命にレヴュアタンさんを攻撃している時、学園長がマスターに彼を別荘に住まわせて欲しいとの要求を許可していました。音声も録音してありますがお聞きになりますか?」


「いらん!」


茶々丸に言われて思い出したが、攻撃している途中で学園長に何か言われ、


「五月蠅い、わかったから黙っていろ!」


と答えたのを思い出したからだ。
一度言った事を無かった事にするのは彼女のプライドが許さなかった。
そして何より別荘の中なら、この忌々しい悪魔をボロボロに出来ると思ったからだ。


「さっさと行くぞ! ついて来い!!」


エヴァンジェリンはそう言うと1人で家に向かって行った。


「では先程決めた通り、教材は俺が勝手に買いそろえて請求しますから。」


「うむ、わかった…余計な物は買わんようにな。」


「わかってますよ、授業に必要な物しか買いませんよ。」


そう言ってエヴァンジェリンの後を追って歩きだした。
残った茶々丸に学園長は聞く。


「茶々丸君、何故エヴァは昨日来なかったんじゃ?」


昨日のレヴュアタン召喚の事件の時にエヴァンジェリンが来なかったのが疑問に思ってたようだ。
実は彼女と茶々丸は昨日のクラス主催のパーティにも来ていなかった。


「マスターは昨日は別荘内でゲームをしておられました。」


「ゲームとな?」


意外な答えに学園長は驚いた。


「はいGAPCOM発売のモンスターハンティング3と言うゲームに夢中でしたが、余り上手くいかなかったようで、時間をかけるために別荘に数日間籠っておられました。」


「やれやれじゃな…まあ事情はわかった。」


警備員の仕事をサボられるのは困るが、約束の期限より長く拘束している事で負い目もあったのし、今回は学園の結界を越えた訳ではなかったので、学園長は強く言わなかった。


「では失礼します。」


そう言って一礼し茶々丸は学園長室から出て行った。










おまけ


あとがき

どうも皆さん、この度は大変な事に気がついてしまいました。
主人公の名前を間違って覚えていた事です。
レヴァタンと書いておりましたが、レヴュアタンでした。
修正させてもらいます。
あとおまけの一言は、ただ作者が書きたかっただけであり、本編に関わりのある事とは限りません…全くないとも言えませんが。
エヴァの扱いがあれでしたが、こんな感じで行って、そのうち兄妹みたいになればいいなと思います…なるかはわかりませんが。
あと別荘の中だと時間の流れ違うから通信できないんじゃないの? と言う突っ込みはなしの方向でお願いします。
じゃないと冒頭の部分厳しくなるので。
その辺はご都合主義で。
ではまた次回。



[11649] 第五話
Name: 思いつきで投稿◆9abf2946 ID:d4d903c6
Date: 2009/09/21 14:05
水没林での戦いが終わり帰ってきた一同。


kisin:おつ~!!

sukuna:お疲れちゃ~ん!!

rakan:お疲れ~!

kuuneru:お疲れ様です

kisin:kuuneruさん強すぎです!

sukuna:ホントです!

rakan:凄かったぜ!!

kuuneru:いえいえそれ程でも

rakan:一撃も貰わないなんて奇跡だな

kuuneru:何度も狩っていると動きが読めるんですよ

kisin:そこまでやり込むのが凄い

sukuna:普通は無理


そんな事を楽しそうに語り合う彼らの所へまた1人訪れる影があった。


shirabe:こんにちわ

kuuneru:こんばんわ~

kisin:(。・ω・)ノ゙ コンチャ♪

sukuna:こん○○わ~

rakan:こん~

shirabe:御一緒してもよろしいですか?

kuuneru:それは構いませんが…

rakan:1人余るな

kisin:俺が落ちます

kuuneru:いいんですか?

kisin:あい

shirabe:宜しいんですか?

sukuna:元々俺とkisinは同じなんで

rakan:?

kuuneru:どういう意味ですか?

kisin:1人で2つ動かしてる

rakan:マジか!?

sukuna:うん

rakan:鬼プレーヤーだな

sukuna:2度ネタ禁止ww

kisin:とにかく落ちます

rakan:お疲れ~!

kuuneru:お疲れ様です

kisin:おつ~!!

shirabe:お疲れさまでした


こうしてkisinは消えた。
最も結局はプレイ中なんだが。


kuuneru:shirabeさん


shirabe:何でしょうか?

kuuneru:ハンターランクはどのくらいですか?

shirabe:33です

kuuneru:わかりました

rakan:結構高いな

shirabe:同僚の子達としていましたので

sukuna:何でこっちに?

shirabe:5人いて溢れたんです

kuuneru:それはそれは

rakan:それじゃあ行くか

sukuna:うい


こうして彼等は新たなメンバーを加え、クエストに出発した。










第五話










「お疲れ様。」


「お疲れ様です、マスター。」


闘技場に倒れるボルボロスを見ながら2人はお互いを労う。
別荘に入り15日、まだ外では1日と経っていないがレヴュアタンとエヴァンジェリンには互いに絆が芽生え始めていた。
何故エヴァンジェリンがレヴュアタンをマスターと呼ぶか、それは時間を遡る事15日前――





エヴァンジェリンは最初、別荘に入った途端レヴュアタンを攻撃しだしたのだが彼は気にすることも無く、


「天岩戸。」


光の壁を自分の周りに展開し、エヴァンジェリンの攻撃を阻みながら敷地内を散策しだした。


「くそ、何だこれは…魔法も物理攻撃も通らんだと!」


そう言いながら魔法の矢を撃つも、魔法の矢は光の壁に阻まれて消えた。
同じくエヴァンジェリンの従者茶々丸やチャチャゼロが銃弾や刀剣類で攻撃するも、やはり光の壁を越えられなかった。


「ええい…これならどうだ! 」


エヴァンジェリンが今撃てる最強の魔法を放つが、その壁を越える事はできなかった。
壁一つ破れないと言う事実に驚きながらもエヴァンジェリンは攻撃を中断する。
レヴュアタンが城の中に入ろうとしたからだ。
エヴァンジェリンは攻撃を中断して、如何すればあの壁を破れるか考える。
すると不意にレヴュアタンが壁を消した。


「ケケケ、モラッタゼ。」


その隙を逃すはずもなくチャチャゼロはレヴュアタンの首を狩りに行った。
しかし手に持ったナイフはレヴュアタンの首を狩ることなくすり抜けた。


「ナニ!?」


予想外の事実に驚くチャチャゼロやエヴァンジェリン。
そんな2人を余所に、城の中に入って行くレヴュアタン。


「御邪魔しまーす。」


一応は断っているのだが勝手に進んで行く、こいつに遠慮と言う言葉はないのだろう。


「お前の体はどうなっていんだ!」


後に続きながらエヴァンジェリンはレヴュアタンに聞く。


「こっちか…ん? ああ、俺は光属性でな…特殊体質で体を光に変換できるんだ。」


何かに導かれるように、案内もなしに城の中を歩くレヴュアタン。
そうして歩きながらもエヴァンジェリンの質問に答える。


「む…そう言えば体を精霊化できる魔法生物がいたな。」


実際にエヴァンジェリンは自分の体を雷に変換する魔法を編み出している。
思い出したように言うエヴァンジェリンにレヴュアタンが言う。


「あんななんちゃって能力と一緒にすんなよ、あいつ等のは結局は攻撃が当る。俺のは生まれた時から持ってる体質で限られた攻撃しか当らない……まあ、俺の他にも稀にこの変換体質を持っている悪魔はいるがな。」


属性はそれぞれ違うけどな、と付け足すレヴュアタンにエヴァンジェリンが聞く。


「そんな話聞いた事無いが…本当なのか?」


「ああ…確かお譲ちゃんの言う魔法生物は、その体質を再現しようとして変化した劣化版みたいな奴だったと思う……ここか。」


そう言ってある部屋の前で立ち止まり扉を開けた。


「お前…その部屋は。」


驚くエヴァンジェリン。
何故ならその部屋は最近作った、ゲームルームだったからだ。
棚に置かれた様々な種類のゲーム本体と凄まじい数のソフト、中央に置かれた100インチの大画面テレビ。
他の部屋には漫画やDVDの揃えられた部屋まである。
彼の前にはアヴァロンが展開されていた。
彼は極々自然に…そう、武道家が道場に入ると時のように一礼し部屋に入った。
許可なく部屋に侵入するレヴュアタンにエヴァンジェリンが叫んだ。


「何勝手に入ってる!」


その声に反応したレヴュアタンは1番真面目な顔で振り返り言った。


「愚問…そこにゲームがあるからさ。」


格好をつけたつもりなのかどうかはわからなかったが、全くついていなかった。
そのままレヴュアタンは中に入り、手早く本体をセットしだした。
あっという間に接続が完了して電源が入る。
ポケットからメモリースティクを取り出して差し込むと、ロードを完了させて始める。


「オイ、トウギジョウニシロ。」


声が聞こえて来たので横を見ると、コントローラーを持ったチャチャゼロが座っていた。


「行くか。」


「オウヨ。」


目配らせで意思疎通を完了させた2人は狩りを始めた。










数分後、そこにはディアブロスを倒した2人狩人の姿があった。


「お疲れさん。」


「オマエモナ。」


お互いを労いながら狩りについて評価を下す。


「良い大剣の使い方だ、回避もガードもしっかりとしている。」


「オマエノタチサバキモナカナカダゼ。」


「2人とも、お茶が入りました。」


茶々丸が人数分のお茶を入れて戻ってきていた。


「あ、どうもすいません。」


「いえ、先生は御客様ですので。」


そう言いながら皆の前にお茶を置く茶々丸。
ここで気がついたのだが、何時も何らかの声をかけてくるエヴァンジェリンが何も言わない事に疑問に思った茶々丸はエヴァンジェリンの様子を見る。


「マスター? どうなされたのですか?」


そこには画面に視線を釘付けにしたエヴァンジェリンが居た。


「ん、どうしたんだ?」


お茶を口に運びながら言うレヴュアタン。


「サアナ。」


次のクエストを選びながら適当に返すチャチャゼロ。
そんな会話をしていると不意にエヴァンジェリンがレヴュアタンの方を向いた。
その時の様子を簡単に表すと、


―エヴァンジェリンが仲間にして欲しそうな目で此方を見ている―


と言った感じだ。


「狩るか?」


軽くコントローラーを掲げて聞くレヴュアタン。


「し、仕方が無いな…そこまで言うならやってやらん事もないが。」


嬉しいくせに嬉しくなさそうな振りをしながらコントローラーを握るエヴァンジェリン。
今度はレヴュアタンとエヴァンジェリンで狩りに行った。










―クエストに失敗しました―

―街に戻ります―


そう表記される画面の前で無言でエヴァンジェリンを見る男が居た。


「…………」


「なんだその目は!? なんだその目はー!? なんだその目はーー!!?」


エヴァンジェリンは1人で3回力尽きたのである。


「いや別に良いんだけどね。」


全くこの子は、みたいな目でエヴァンジェリンを見るレヴュアタン。


「何だ、言いたい事があるならハッキリと言え!!」


半分逆ギレで叫ぶエヴァンジェリン。


「そうかそれならいいが…幾つか言わせてもらおう。まずは…避ける度に体が動いてたよね、まあそう言う人は時々いるけど、あと何故結構プレイ時間がある割りにはハンターランクが低いんだ? てっきり村クエばかりやってるのかと思ったらそうでもないようだな、まさか採取だけでハンターランクを5にしたのか?」


もしそうだとしたらとんでもないことである。
誰かと組んで討伐クエストに行く度3回死に地雷扱いされるエヴァンジェリン、誰も組んでくれる人が居なくなりそれでも諦めずに1人採取クエストでポイントを稼ぐエヴァンジェリンの姿……ヤバい想像したら涙出そう。


「……五月蠅い! お前に私の気持ちがわかってたまるか!! 周りから煙たがられ、ずっと1人でキノコを…ハチミツを掘り続ける私の気持ちなんて!!!」


涙目で叫ぶエヴァンジェリン。
不味い事に当たりだったようだ。
彼女の心の傷をストレートにぶん殴ってしまった。


「笑いたければ笑え! 1人で虫あみを振り、不死の私が不死虫を集める私を!! 闇属性の私がピッケルで大地の結晶を掘り越している事を!! ボックスがにが虫で一杯の様を!!!」


段々と声が小さくなりながら項垂れるエヴァンジェリン。
正直笑えなかった。
しかしそこに一筋の光が見えた。


「すまない…しかし安心しろ、俺が稽古をつけてやる。」


「本当か?」


orz状態から顔を上げ、レヴュアタンを仰ぎ見るエヴァンジェリン。


「ああ、勿論だとも…これからは俺をマスター(師匠)と呼べ。」


「はい…マスター。」


此処に1つの師弟が誕生した。





それからは別荘に籠って修行の毎日だった。
4人で行くためにポータブルの2Gを復習する日々だった。
最初はエヴァンジェリンにとって苦労の連続だった。
ある狩りの様子を紹介しよう。


―地底湖から覗く目―


クエストが始まった。

その時ターゲットであるガノトトスに一番近かったのはzeroだった。

zeroは迷いなくターゲットのいるエリアに行き、釣竿をたらす。

数秒後には見事ガノトトスを一本釣りした。

そのころほかの面子はまだターゲットの元には辿り着けていなかった。

zeroはただ一人ガノトトスに向かっていき、大剣を振り抜いた。

抜刀のスキルがついたzeroの一撃はもちろん会心となりガノトトスに突き刺さった。

しかしzeroは攻撃の手を緩めることはなく、次々と連撃を繰り出しガノトトスの体力を削りだした。

zeroの使う大剣・テスカ・デル・ソルはその火属性の効果を存分に発揮しガノトトスを死へと近づける。

そこでようやく2人目が来た……chachaである。

chachaは背中に背負ったライトボウガン・阿武祖龍弩と抜き予め込められていたいた火炎弾を撃つ。

阿武祖龍弩の能力で速射された弾は3連続で飛び、ガノトトスの体に命中した。

その時ガノトトスは回転を始めた。

その長い尾で敵をなぎ払うつもりのようだ。

まずは反回転、しかしzeroは素早く回転で横に避ける。

もう反回転も、誰に当たることもなく終わってしまった。

その間も安全な位置から狙撃を続けるchachaは次々と弾丸を命中させていく。

ガノトトスはそれを無視してzeroに攻撃を加えようとしていた。

大きく一歩引く予備動作の後、ガノトトスは体当たりを繰り出そううとした。

zeroもその理不尽ともいえる当たり判定に備えガードの態勢をとる。

少しのダメージは覚悟していたが、その体当たりが当たることはなかった。

後方からギリギリの処で攻撃が加えられ、ガノトトスが怯んだからである。

その攻撃はLeveが繰り出した太刀であった。

Leveは手に持つ鬼哭斬破刀・真打で、相手が怯んだ事にも気にせずに容赦なく連撃を繰り出す。

雷の属性が付随されたその太刀でガノトトスの足を滅多切りにする。

堪らず体を横に倒してもがくガノトトス。

そこに3人で3方向から手加減なしの攻撃を加える……その光景はもはや体格の差などは微塵も感じさせない、一方的なリンチだった。

しかしそこに救いの手が差し伸べられる。

Evaの登場だった。

起き上ったガノトトスは怒り状態になり、Eva目掛けてブレスを吐いた。

Evaは横に動くことでブレスを避ける。

そのまま双刃イャンクックを抜き、鬼人化した。

そのままガノトトスの顔の位置で乱舞する。

しかしガノトトスはブレスを吐き終わり、顔を引っ込めた。

顔の位置が変わったことで乱舞は空振りになりその場で一人双剣を振り続けるEva。

ガノトトスはその間に体当たりを繰り出した。

その一撃は見事Evaに直撃し、彼女を瀕死の状態に追いやる。

周りが急いでEvaを援護して下がらせる。

Evaは回復薬グレートを飲み、体力を回復させた後、再び戦場へ舞い戻った。

丁度その時にLeveが最初の攻撃の前に仕掛けた罠に、ガノトトスが引っ掛かった。

痺れて動けなくなるガノトトス。

そんな様子に好機とばかりに攻撃する4人。

zeroが顔を斬り、chachaが貫通弾を速射して体全体にダメージを与える。

LeveとEvaも足元で斬撃を繰り出していく。

罠が破られガノトトスが自由を取り戻すと3人は一斉に下がる。

Evaは調子に乗ってもう一度乱舞した。

実戦では一瞬の判断が命取りになる。

Evaはその事をよくわかっているハズだったが、この時は先程の一撃で頭に血が登り判断が出来なかったのだ。

乱舞の途中でガノトトスは突進を敢行した。

うねりながら突進してくるガノトトスに引かれ力尽きるEva。

彼女はその後、ベースキャンプに転がる運命が待っていた。

その時、最悪のタイミングでそれは起こった。

―目標を達成しました―

最悪だった、彼女は急ぐ…剥ぎ取るために。

1つ2つとエリアを越え、彼女は目的のエリアに辿りついた。

しかし無情にも剥ぎ取る事は出来なかった。

1分が過ぎたのである。

現れるクエストクリアの文字。

そこで彼女の狩りは終わった。





「愚か者。」


聞こえてくる師の声に項垂れるエヴァンジェリン。


「回復薬の頼るな、このゲームは避けるのが基本だ。かわしてから、攻撃を確実に当てろ。」


「はいマスター。」


こうして彼女は一歩ずつ確実に実力をつけて行った。










こうして冒頭に戻る訳だ。
大分成長したエヴァンジェリンは、闘技場で足を引っ張る事も無く狩ることができるようになった。
そして気がつけば外でも数日が過ぎ…もう年が明けていた。










補足説明


天岩戸(あまのいわと)……魔法攻撃も物理攻撃も防ぐ光の盾。
                見た目は某ガンダムに出てくる光波防御帯。
                展開しつつも中からは攻撃できる。










あとがき

なんかモンハンが8割がた占めてきましたね。
次こそはネギま! をします。
そういうわけで…次回、真打ち登場! ネッギネギにしてやんよ!!
ではまた次回。



[11649] 幕間
Name: 思いつきで投稿◆9abf2946 ID:d4d903c6
Date: 2009/09/21 14:01
sukuna:お疲れちゃ~ん!!

rakan:お疲れ~!

kuuneru:お疲れ様です

shirabe:お疲れさまでした


狩りを終え4人は帰ってきた。


shirabe:皆さんお強いですね

kuuneru:それ程でも

rakan:まあな!

sukuna:shirabeさんもなかなかよかったよ

shirabe:有難うございます

rakan:しかしkuuneruより上はいないんじゃないか

sukuna:そうだね

kuuneru:いえ…私よりも上はいますよ

rakan:マジか!?

sukuna:ホント!!?

shirabe:凄い人達がいるのですね

kuuneru:一度だけ一緒に狩りをした事があるんです

sukuna:どんな人?

kuuneru:四天です

rakan:?

shirabe:どのような方なのですか?

sukuna:実在したの!!!?

kuuneru:はい

sukuna:ただの都市伝説だと思ってた

rakan:何の話だ?

kuuneru:四天とは伝説の4人狩人です

sukuna:四人の天上人…略して四天

shirabe:初めて聞きました

rakan:どんな奴らだったんだ?

kuuneru:伝説のハンターM

sukuna:千の武器を使う狩人N.S

kuuneru:人造狩人seru

sukuna:そして最強最高の狩人…四天を纏め上げる者rain

rakan:凄そうな奴らだな

shirabe:どのような狩りをなさるんでしょう?

rakan:想像もつかねえ

kuuneru:私からもただ凄かったとしか言いようがないです


伝説の狩人達四天……一体何者なのだろうか。










幕間










―とある狩りの様子―

―ディアブロス2頭の狩猟―


砂原……一面砂でおおわれた土地に動く6つの影があった。

4つは人型、2つは大きな怪獣だった。

4人の動きは一糸乱れぬ動きだった。

常にお互いがお互いをフォローできる動きをしている。

その者達の名は…M、N.S、seru、rainだった。

2つの怪物は止まる事なく突進を繰り返してくる。

本来なら避け続ける事さえ困難な状況で、彼等は一切苦戦している様子は無かった。

片方を避けもう片方のディアブロスを攻撃する。

N.Sは背中からランスを抜き構える。

そのランスの名はセイバートゥース天、氷の属性を持ちなお且つ凄まじい会心率の武器だ。

その戦い方はとても堅実だった。

ガード性能のスキルを生かしディアブロスが翼を羽ばたかせる事で起こる風圧を完全に無効化して見せ、隙を見せたとたん突く。

連続で突きだされる刃は性格に尻尾に命中した。

焦り尻尾を振る事で攻撃するディアブロス。

しかしそんな攻撃ではそのガードを破る事は出来なかった。

一方ディアブロスを窮地に追いやっているのはN.Sだけではない。

尻尾を振っている間にも隙だらけの顔を右からrainが左からseruが斬りつける。

rainの持つ片手剣・アジダル・ハーカス剛は、斬りつける度に確実にディアブロスの体に麻痺を蓄積していく。

seruが持つのは太刀・鉄砕牙Dだ。

鉄砕牙Dは、覚醒と言うスキルがあればその武器に秘められた真の力を解放できる特殊な武器だ。

この鉄砕牙Dに秘められている力は、N.Sの武器と同じく氷の属性だ。

武器は鞘から向き放たれると同時に太く変身を遂げ、その雄々しい姿をさらす。

そのまま一切の容赦なくディアブロスの顔面を斬り刻んでいった。

その事足元ではMも攻撃を開始していた。

剛剣ターロスと言う名の大剣は覚醒によって麻痺を与える。

Mとrainの攻撃で確実にディアブロスに麻痺が蓄積していき……遂にその時は訪れた。

麻痺に陥り体が硬直する。

好機とばかりに容赦なくその体が襲われた。

もう一体のディアブロスが助けようとしたのか、それとも敵であるハンターを攻撃しようとしたのか突進してくる。

それぞれはガードもしくは回避を使い最低限の動作でそれをやり過ごす。

そして痺れているディアブロスに素早く接近し再び攻撃を再開した。

麻痺が解ける直前、尻尾が切れ角が割れた。

のた打ちまわるディアブロス。

rainとMはこの後起き上がり動き出すであろうディアブロスに備えて退く。

しかしseruは気刃斬りを行い、仕上げとばかりに気刃大回転斬りを繰り出す。

そのまま納刀して距離を取る。

一方N.Sは倒れたディアブロスに向かって素早く突進を行った。

尻尾から頭にかけて大量のヒットが起こる。

そのままN.Sは駆け抜ける事によって距離を取った。

戦いは一方的だった。

あっという間に1体が倒される。

元々圧倒的だった戦いがこれでさらに楽になってしまった。

その途端恐怖を感じたのか残ったディアブロスは地面を掘り別のエリアに移動した。

rain:エリア7だよ~☆

しかし自動マーキングのスキルを持つrainには意味がなかった。

瞬く間に居場所を探知される。

seru:吾輩達から逃げれると思っているのか片腹痛いわ!!

N.S:オイオイあんま弱い者虐めしてやんなよ

M:所詮この世は弱肉強食強い奴が勝つんだよ

思い思いの事を言いながらもその足はエリア7に向かっていた。

もう1体の最後も近い様だ。





―目標を達成しました―

―1分で街へ戻ります―

数分と持たず残りの1体を片づけた4人は剥ぎ取りもしないで話していた。

seru:良き狩りであったぞ

rain:お疲れ~!(゚∇^*) テヘ♪

N.S:まあまあだったな!!

M:戦いの後の休息の一時か……悪くねぇな


それそれの労いの言葉を述べ街へ戻る。


rain:次何行く??

N.S:何でも好きにしな

M:今度は防具なしで狩るか?

seru:舐め過ぎである足元をすくわれるぞ

N.S:そうか?丁度いいハンデだろ

rain:アタシはどっちでもいいよ~♪(⌒∇⌒)

seru:まあ確かに吾輩達からすればあいつ等は弱すぎる……ぶるぁぁぁぁぁ!!

rain:相変わらずの雄叫び( ̄Д ̄;;

N.S:全く…その叫び好きだな

M:それでどうする?

N.S:アルバでも虐めるか?

rain:全裸でいこ~~~☆^(o≧▽゚)oニパッ

seru:それもよかろう

M:seru殿も某の事を馬鹿に出来んな

rain:全員武器はハンターナイフね☆

N.S:おもしれえ

M:付き合おう

seru:ぶるぁぁぁぁぁ!!

rain:それ位のハンデは良いでしょ( ̄ー+ ̄)y-'~~~

seru:吾輩は回復薬を3つだけにしておこう

N.S:じゃあ俺は2個だ!!

M:某は持って行かないでおこう

rain:アタシも~~(≧∇≦)


そんな感じで準備は整い一行は出発する


rain:さあ行こう!(-o- )/ ⌒-~ ポイ!

M:ポイ捨ては感心できんな

N.S:細かい事いってんじゃねーよ!

seru:早く行くぞ! 吾輩を待たせるな!!

rain:はーい!!ヽ(=´▽`=)ノ

N.S:ネッギネギにしてやんよ!!

M:良き狩りにしよう


彼等はこうして神域に旅立った。





数分とせずに彼等は戻ってきた。


N.S:まあまあだったな!!

seru:良き狩りであったぞ

M:戦いの後の休息の一時か……悪くねぇな

rain:お疲れ~!(゚∇^*) テヘ♪


会話を聞く限り勝利したようだ。


rain:次はもっとハンデあげようよ( ̄ー+ ̄)

seru:幾らハンデをやろうと吾輩に勝つなど不可能……ぶるぁぁぁぁぁ!!

N.S:一々吠えるな…まあもう少し歯ごたえが欲しいのは事実だがな

M:最強と言うのは得てして暇でもある

seru:そろそろ抜けるとするか

M:もうか?

rain:アタシも~(*゚▽゚)ノ

N.S:じゃ俺も

M:皆早いな

seru:明日も仕事がある故休息も必要なのだ

rain:アタシも~(o^∇^o)ノ

N.S:俺もだ…学校に行かないとダメなんでな

M:そうか…寂しくなるな

rain:何時もの事じゃん☆

N.S:どうせまたこのメンツで狩りに行く事になるんだろうぜ

M:某明日から忙しくてな…暫く狩人は休む事になりそうなんだ

seru:それは真か!?

rain:寂しくなる~(。>0<。)ビェェン

N.S:達者でな

M:因果の交差でまた会おう


そう言ってMは消えた。


seru:では吾輩も去るとしようか…ではサラバ!! ぶるぁぁぁぁぁ!!

rain:o(^◇^)/~ ばいちゃ~♪

N.S:じゃあなアバヨ!


こうして彼等は散り散りになった。










―魔界のネットカフェ―


「お客様、そろそろお時間ですが。」


幾つもの個室が並ぶ中、一室の前で店員がそう告げる。


「あ…マジッすか!? すんません直ぐ退きます。」


そう言ってぼさぼさの髪でサングラスを掛けた中年くらいの年の男は急いで荷物を纏める。
男はレジで料金を払い店を出た。
トボトボと歩きながら軽くなった財布の中身を確認する。
中身はもう何も残っていなかった。
財布をズボンのポケットにしまい男は空を仰ぎながら呟いた。


「……仕事で忙しい……言ってみたいな。」


その呟きは誰にも聞こえる事が無かった。










次の日―某学校の職員室―


スーツ姿の男が職務中にもかかわらず携帯ゲームをしていた。
そこに同僚の教師と思われる男性がやってきて注意した。


「瀬流彦先生! 職員室でゲームとは何事ですか!!」


「新田先生!? い、いや吾輩は……。」


焦ってネットで使っている言葉遣いで話してしまう瀬流彦先生。


「吾輩?」


妙な一人称を使う事に疑問を持ち聞き返す新田先生。


「い、いえ僕は……その、すいません!」


慌てっぷりにも驚いた新田先生は、やや引きながらも許す事にした。


「全く……以後気をつけて下さいよ、生徒にも示しがつきませんから。」


「はい、気をつけます。」


そう言って頭を下げる瀬流彦先生は新田先生が去った後に椅子に座りこんだ。
余程慌ててたのか冷や汗まで書いている。
ポケットから取り出したハンカチで汗を拭きながら瀬流彦先生は呟いた。


「……ぶるぁぁぁぁぁ!! って……大声で叫びたいな。」


その呟きは誰にも聞こえる事が無かった。










―某別荘内―


「あれ? なんか出番がなかったような?」


コントローラー片手にそう呟いた奴が居たとか居なかったとか。


「マスター次何行きます?」


隣の幼女に呼ばれた事で、彼は狩りに戻った。









あとがき

また狩りをしてしまった。
まあ真打ちはでましたけどね。
ネギま! にする予定だったのに気がつけばこんなのが出来ていた。
次回こそネギま! にするので許して下さい。
それと一言は消しておきます。
それではまた次回。



[11649] 第六話
Name: 思いつきで投稿◆9abf2946 ID:d4d903c6
Date: 2009/09/22 02:06
別荘に籠りきりとなり新年を迎えるどころか、気がつけば1月5日。
12月25日の昼過ぎから籠っていたせいで約275日間を彼等は共に過ごしていた。
何も別にずっと狩りをしていたわけではない。
他のゲームもしたし、アニメも見た。
エヴァンジェリンの600年間で培った性格もこの時間で大分様変わりしてしまった。
しかしそんな日々は茶々丸の一言で瓦解した。


「そろそろ新学期の準備をした方がいいかと…特にレヴュ様は教師をする為には教材も発注するのでは?」


「「忘れてた。」」


「ソンナンデイイノカ?」


2人揃って言うレヴュアタンとエヴァンジェリンにチャチャゼロが突っ込む。
全員の手にコントローラーがあるのはお約束である。


「仕方ない…行くか。」


「案内しますマスター。」


嫌々立ち上がるレヴュアタンにエヴァンジェリンが続く。


「じゃあまず…ゲーム屋に行くぞ。」


こいつ……何しに行く気だ?
こうして彼等は教材? を買い揃えに行った。










第六話










麻帆良にあるゲームショップ前から出てきたレヴュアタン一行。


「あの…あれでいいのですか?」


レヴュアタンの注文した物に疑問を感じた茶々丸が聞きなおした。


「いいんだよ、あれで。」


自信を持って答えるレヴュアタンに茶々丸は何も言えなくなる。
そのまま日用品や食料、お菓子類を買いあさり別荘に帰宅し用とした時、ある集団が目についた。
それは2-Aの生徒達で明石、佐々木、大河内、泉の4人だった。
どうもナンパされているようだ。
面倒なのでスルーしようかとも思ったが、ゲームのシナリオとデジャビュを感じたレヴュアタンは彼女達を助ける事にした。


「おい、お前らうちの生徒に手出すと……呪うよ。」


「何だと!?」


後ろから聞こえた声に振りかえる男達。
体格は良い奴らで5人いた。


「先生!」


「助かった~。」


そう言いながらレヴュアタンの後ろに回り込む4人。
しつこい男達に困っていたり怖がっていたりしていた態度が一変した。
既に安堵している所を見ると悪魔のレヴュアタンがやられるなどと微塵も思っていないようだ。


「あ、エヴァちゃんだ。」


「茶々丸さんこんにちわ。」


エヴァンジェリンと茶々丸に気がついて挨拶する佐々木と泉。


「皆さんこんにちわ。」


茶々丸も挨拶を返す。


「それにしても先生が呪うとか言うと洒落にならないよ。」


明石がツッコミまで入れだした。


「それは偏見だぞ。」


レヴュアタンがそのツッコミ答えていると、男達が痺れを切らして突っかかってきた。


「なに仄々してんだ!」


「舐めてんじゃねぇぞ!!」


喚く男達にレヴュアタンは早々に退場願う事にした。
袋の中にあった長ネギを2本取り出して魔力で強化し構えた。


「ネッギネギにしてやんよ!!」


レヴュアタンはその声と共に強化した長ネギで連続突きを放ち、男達をボロボロにした。
数秒と経たずして地面に転がった男達をほったらかして戻るレヴュアタン。
その姿にはかなり様になっていた……手にネギさえなければ。
そのレヴュアタンの姿に何故かドキッとしてしまった4人。
この姿にドキッとするとか、大丈夫かこの4人。
まあ、とにかく運動部4人にフラグが立った。
そしてさっそうと皆の元に戻ってきたレヴュアタンは一言こう言った。


「どうだった今の俺…カッコ良くね?」


意気揚々と聞いてくるレヴュアタン。
なんかもう台無しだった。
フラグが折れた……4つも。


「先生、それ自分で言っちゃダメだよ。」


明石が呆れたように言う。
他の3人も頷いている。


「そうか? まあ別にどうでもいいんだけどね。」


ナデポを習得しているレヴュアタンからすればフラグなど、どうでもよかった。
ナデポ、それは頭を撫でるとポッと赤くなり女の子が惚れてくれると言う宇宙の不思議である。
しかしレヴュアタンのナデポは不思議でも何でもなく、頭をなでる振りをして直接脳に暗示をすり込むのである。
まあ、実際にやった事ないし、やる予定もないが。
運動部の4人とエヴァンジェリンと茶々丸とレヴュアタンの7人で歩いている。


「ねえ、エヴァちゃんも魔法使いなんでしょ?」


「ん? ああ、そうだぞ。」


佐々木の問いに答えるエヴァンジェリン。
それに続いて明石も聞く。


「私達も魔法使えるかな?」


「余程才能ない奴はできないが……まあ努力すれば大抵使えるぞ。」


「ホント!?」


それを聞き目を輝かせる明石と佐々木。
後ろの2人も興味津々と言った感じだ。


「そう言えば…このかがレヴュアタン先生の事探してましたよ。」


思い出したように大河内が言った。


「このか? ……ああ、俺を召喚した子か。」


今の今まで忘れていたレヴュアタン。
実際に学園長の中ではレヴュアタンは護衛的な役割をする感じだったんだが。


「私連絡してみます。」


そう言って大河内は携帯を取り出してこのかに電話をかけた。





「わかった…うん、伝えとくね。」


そう言って電話を切った大河内。


「先生このかが話があるそうなんで此処で待っていてあげて下さい。」


「わかった。」


内心では帰りたいと思いながらも彼は待つ事にした。
このかを待つ間に他愛もない事を話し、この4人と割を仲良くなった。





「レヴュアタン先生。」


声のする方を見るとこのかとアスナが来た。
このかは手を振っている。
レヴュアタンは彼女に軽く手を振り返すと聞いた。


「何か用?」


そう聞くレヴュアタンに、このかは答えた。


「先生に魔法教えてほしいんよ。」


「う~ん…まあ君は魔力デカいらしいしな。習えば人より出来るようになるだろう。」


「じゃあこれから習ってもええかな?」


「いや…悪魔と人間では魔法の形態が少し違うからな、他の魔法先生に習えばいいんじゃないの?」


「そうなん? じゃあお爺ちゃんに聞いてみようかな。」


そこに意外な人物が名乗り出た。


「それなら私が教えてやってもいいぞ。」


エヴァンジェリンだった。


「エヴァちゃんが?」


「ただし料金として血を貰うぞ。」


血が目的の様だ。
このかの魔力は大きいのでエヴァンジェリンとしてもその血を摂取するのは良い事なんだろう。


「血? 何で血が要るのよ?」


事情を知らないアスナが聞いて来た。


「私は吸血鬼だからな。」


「吸血鬼!!?」


「へ~そうなんや。」


驚くのはアスナ。
反応が薄いのはこのかだ。


「どうする、私に教えを乞うか? それとも止めておくか?」


「う~ん…じゃあお願いします。」


このかはあっさりと了承した。


「いいのか?」


「うん、だって献血みたいなもんやろ?」


「まあ確かにな。」


エヴァンジェリンが肯定した事でこのかに恐怖はなかった。


「じゃあどうする? このまま家までついて来て練習するか?」


「うん。」


こうして別荘にこのかとアスナを引きつれて帰って行った。










魔力が濃い場所で練習した方がいいので別荘に入った。


「では始めるぞ。」


メガネをかけたエヴァンジェリンが言う。
先程までこのかとアスナは別荘の仕掛けに驚いていたが、今は座って真面目に聞いている。


「魔力とは万物に宿るエネルギーのようなものだ、それを体内に息を吸うように取り込み杖の一点に集中するようにして呪文を唱えろ。呪文はプラクテビギ・ナル(火よ灯れ)だ。」


「とりあえずこの初心者用の杖持ってプラクテビギ・ナル(火よ灯れ)って言っとけ。」


「プラクテビギ・ナル(火よ灯れ)。」


このかとアスナはやっては見たものの、火が灯る事は無かった。


「あかんわ、できへん。」


すると後ろからも声が聞こえてきた。


「プラクテビギ・ナル(火よ灯れ)。」


レヴュアタンだ。
初心者用の杖を1本手に取り、彼は初心者魔法と唱えた。
しかし何も起きなかった。


「「「「…………」」」」


皆は何も言え無かった。
レヴュアタンは突如杖を折って投げ捨てた。


「今の無し。こんな魔法要らないし……ホイミとかベホマズン使えると要らないでしょ?」


言い訳するレヴュアタン。


「マ、マスター……仮契約なんてどうですか?」


レヴュアタンの機嫌の悪さを感じ取ったエヴァンジェリンは急遽仮契約を提案した。
話をすりかえるつもりのようだ。


「仮契約って何?」


アスナの問いにエヴァンジェリンは答える。


「仮契約とは魔法使いの従者を決める契約の仮バージョンだ。元来、魔法使いは呪文詠唱中は全くの無防備であり、攻撃されれば呪文は完成しない。それを守護するパートナーが魔法使いの従者(ミニステル・マギ)だ。」


エヴァンジェリンの説明を聞いたレヴュアタンは言った。


「よし、それで行こう。」


「わかりましたマスター、直ぐに準備します。」


「手伝おうか?」


「大丈夫です。」


手伝いを提案したレヴュアタンだがエヴァンジェリンに断られる。
よくよく考えると仮契約の魔法陣の書き方なんて知らないので大人しく待つ事にした。
3人が見守る中、エヴァンジェリンは茶々丸と仮契約の準備に取り掛かる。


「エヴァちゃんって、先生の言う事はよく聞くわね。」


その姿を見ていたアスナが言う。


「弟子とは師には絶対服従なのだよ。」


爽やかな笑みで答えるレヴュアタン。
しかしこのエヴァンジェリンの行動は別にレヴュアタンが強制した訳ではなく、この別荘での日々でいつの間にかこの序列が出来てしまったのである。


「マスター、出来ました。」


「ご苦労様、それでどうするの?」


「簡単です、魔法陣の中で口付けするだけです。」


「了解……だそうだが、どうする?」


前半はエヴァンジェリンに、後半はこのかに問う。


「う~ん、どうしよう?」


流石にこのかも戸惑っている。


「片方が魔法使いの必要があるので、レヴュ様とこのかさん、マスターとこのかさんのペアでするのが良いかと。」


茶々丸が提案して来た。


「近衛このか、マスターはお前の護衛も仕事に入っているのだ、契約しておけば何時でも呼びだせるぞ。」


「そやな……うちは守ってもらう側やし、偉そうなこと言えへんからな。レヴュ先生はいい?」


「俺はいいよ。」


このかは仮契約を行う決心をした。
レヴュアタンもあっさりと許可して、仮契約を行う事になった。


「いくで。」


「あいよ。」


このかとレヴュアタンは口付けを交わし仮契約を結んだ。
その後、エヴァンジェリンとこのかも仮契約してた。
レヴュアタンのはこのかが魔法使いで、エヴァンジェリンとの契約はこのかが従者だ。
現れたカードには扇子を持ち狩衣の格好をしたこのかが映っていた。
アーティファクトはコチノヒオウギ(東風の檜扇)とハエノスエヒロ(南風の末広)だった。
そしてレヴュアタンは自分のカードに描かれている物をみて驚愕した。
それはある漫画を読んだら一度はあこがれる物。
可哀そうな事に壊れてもいないのに、毎回数字を示す度に故障扱いされる物。
数値で相手の強さを表すより、爆発して強さを知らしめる物。
そう、それは……スカウター(解析装置)だった。










おまけ


魔界の一角吹きすさぶ風の中を歩く男が居た。
短い黒髪を逆立てサングラスをかけた男だ。
着の身着のままで服も体もくたくたになり、少ない荷物を抱えている。
財布の中は空っぽで食べる物も無く明日をも知れぬ日々。
彼は一体何処へ辿りつくのだろうか。


M(マダオ)の大冒険(就職活動) vol.1「夜風が冷たい」










補足説明


パクティオカード

名前表記:レヴュアタン

称号:無敵暇人

色調:黄色

徳性:堕落

方位:西

星辰性:太陽

アーティファクト:スカウター










あとがき

仮契約しちゃいました。
主人公のスカウターは、もともと最強の予定なんで戦闘力が上がるアーティファクトはやめておこうと思った所、ドラゴンボールを読んでて思いつきました。
モンハンネタがつき気味なんでしばらくお休みさせてもらいます。
ではまた次回。



[11649] 第七話
Name: 思いつきで投稿◆9abf2946 ID:d4d903c6
Date: 2009/09/26 14:48
新学期が来てしまった。
何とも言えない脱力感と共に学校へ向かう生徒達。
そしてとある小屋の中では一際やる気なさげでに朝食をモサモサ食ってる奴が居た……レヴュアタンである。
時刻は現在始業時間10分前、通常では絶望する時間帯だ。
既に他の家人は家を出て学校に向かっている。
彼は慌てることなく死んだ魚の様な目で朝食を食べ終え、鞄を持って外に出る。
そして彼は文字道り光になった。










第七話










「失礼します。」


「どうぞ。」


そう言ってレヴュアタンは学園長室に入った。


「どうじゃったかの、ここ半月ほど麻帆良に住んでみて?」


「ほぼ家の中に居たので何とも言えません……ただゲームショップ品揃えは中々と言っておきましょう。」


「ほほ……そうかの。」


全く見当違いの返事を返すレヴュアタンに学園長はどう言っていいかわからない。


「それよりも教材の請求書が来たのじゃが……何じゃあれは?」


気を取り直して本題を聞きなおす。


「そのまま教材です。」


「あれがかの?」


「ええ。」


平然と答えるレヴュアタン。


「エヴァから聞いた所では2-Aには成績の悪い奴らがかなり悪い。実際にテストの成績は常に学年最下位だそうじゃないですか。そんな奴らに普通に教えても成績が上がるは思えなかったので俺は俺なりに工夫してで教える事にしたんですよ。人は苦手意識を持っているのといないのでは大分結果が違います。楽しく勉強すればいいんですよ。」


「楽しく学ぶ事に異論は無いが……仮にこれで成績が上がっても、学校として認める訳にはいかんのだがのう。」


困ったように言う学園長。


「俺としては新しい授業なんて、悪魔に生徒を任せる事に比べればどうという事は無いと思いますよ。」


「そうじゃが。」


「何なら新しい授業方法としての実習期間とかどうですか?」


「もうそれでいいわい……しかしこれで成績が落ちたりはさせんように頼むぞ。」


普通にダメな方法だから採用される事は無いだろう。
しかし学園長は悪魔云々に比べればいいやと半分匙を投げていた。
ダメならダメで追い出す口実にもなるので、一応は口約束をしておく。


「了解です。」


これ以上落ち様の無い成績なので安易に了承したレヴュアタン。
実際に上げる自信はあるから問題は無いが。


「所でその顔につけている機械は何かのう? 何処かで見た様なきがするんじゃが?」


「ああ……気にしないで下さい、ただの玩具です。」


「教師が学校に玩具を持ってくるのは不味いので仕舞っておいてくれんかのう。」


「了解です。」


そう言ってレヴュアタンはスカウターをしまった。


「それじゃあ授業に行ってきます。」


「うむ、確り頼むぞ。」


「はい。」


そう言ってレヴュアタンは部屋を出て行った。





「腹黒さが139か。」


そう呟きながら教材を詰めた段ボールを持ち廊下を歩くレヴュアタン。
先程は学園長の腹黒さを計っていたようだ。
このスカウター、レヴュアタンは喜んで色々な事を試した結果、様々な物や結界、呪いを解析する事ができ、なお且つ人体の数値や物のサイズ等を計れるようだ。
今日の一発目は2-Aである。
教室の前まで来たときに軽く生徒たちの数値を計ってみる事にした。
スカウターから電子音が鳴り次々と生徒たちの数値が表示される。
プライバシーに触れるかも知れない体型などの数値はOFFにしてあり、今現在表示されているのは感情値や運勢値、簡単に言ってしまえば本人すら完全に理解できていないような数値だった。
戦闘力も計っていたが取り立てて注目するような生徒はいなかった。
実際には他の生徒に比べては飛び出ている生徒もいた。
普通の生徒が1や2なのに対して、4、5人の生徒達は30~40程度の数字を示していたのだが、この時レヴュアタンがそれを気にしないのはフリーザがラディッツの戦闘力に関心がないのと同じ理由だ。
尤も、臨戦態勢になれば気や魔力を纏い数倍に上がるだろうが、それでも五十歩百歩だろう。
他の理由で目についた生徒たちの顔と名簿の名前を一致していく。


「相坂さよ……薄さ1500、スカウター越しじゃないと見えん。朝倉和美……好奇心218、要らない事に首突っ込んで何時か自分が三面記事になったりして。神楽坂アスナ……馬鹿780、教える自信が無くなってきた。椎名桜子……運522か、何かあったらあいつと同じのに賭けよう。宮崎のどか……内気177、クラスに1人はいるタイプだな。雪広あやか……ショタ443、危ないんじゃないか。村上夏美……普通1、本当に普通だな。四葉五月……温和100、癒されるな。それにしても那波千鶴か、とても中学生にはみえな……む!? 何だ急に未知のエネルギーが、スカウターで解析できないエネルギーだと!? ……18000!!? 19000……馬鹿な、まだ上がるだと!!?」


驚愕するレヴュアタンを余所にスカウタに表示される数字はどんどん上がり、ついに30000を越えたあたりでスカウターが爆発した。
爆発音をあげて壊れ、床に落ちて行くスカウターを見るレヴュアタン。
その表情は恐怖で彩られていた。
奴にだけは逆らってはいけない、このスカウターに表示されるの数値は一般人の平均が1だからだ。
30000を超える未知のエネルギーを持つ物など不確定要素を持つ奴には迂闊な事が出来ない。





立ち尽くす事5分、ようやくレヴュアタンは落ち着いた。
まずは教室に入らねば。
そう思ったレヴュアタンは扉を開け中に入った。
そのまま教卓まで進む。
その間幾つかの罠が襲ってきたが全てすり抜けて終わった。
その淡泊な反応にしかけた奴らは面白くなさそうな声をあげる。
しかしそんな声は無視してレヴュアタンは皆に向かって行った。


「それでは、もう知っていると思うが今日から社会を担当するレヴュアタンだ、高畑先生に変わって担任も任されたのでそのつもりで。」


高畑は予定を繰り上げて仕事に着く事になり一時的にレヴュアタンが担任を務める事になった。


「え~と、取りあえずこれを1人1つずつ持って行け。」


レヴュアタンは段ボールの中身を生徒に配った。


「ええ!? これBSじゃん!!」


「貰っていいの!?」


「てかなんでBS!?」


箱の中から出てきたのは携帯ゲームのBSだった。


「先生、授業でゲームを配るとは何事ですか!!」


真面目な雪広あやかが言う。


「俺の聞いた所によるとこのクラスは成績が悪いらしい、普通に教えてもダメだ! だから一風変わった物を授業に取り込んでみた。ぶっちゃけて言うと教員免許なんざ持っていない俺が教えるなんて無理だ、だから俺は俺なりの工夫で教える事にした。まずはこの柿太郎電鉄で各地の都道府県の名前と位置、あとは県庁所在地などを覚えてもらう。」


「ふざけないで下さい! そんな事も覚えいないと思っているんですか!!?」


憤慨したように言う雪広は皆を振り返り言う。


「皆さんも黙ってないで何とか言って下さい!」


しかし賛同は得られなかった。


「そういわれてもね。」


目を反らしながら言うアスナ。


「実際に覚えてないでござるからな。」


頭を掻きながら言う長瀬楓。


「私日本の地名なんて覚えてないアルよ。」


あっけらかんとと言う古菲。


「けんちょーしょざいちってなんだっけ?」


素で聞いてくる佐々木。
彼女達の答えに、自分の考えを裏切られた様な顔になる雪広。
他の生徒も授業よりはゲームをしたい様で何も言わない。
中には周りが言わないから言いだせないだけの者もいるが。


「とにかく試しにやってみよう。」


「ダメです!!」


1人抵抗を続ける雪広に仕方なく折れる事になった。


「わかったよ、柿鉄は昼休みにでもやってくれ、それとこんな物もあるからな。」


そう言ってもう1つソフトを渡す。
それはパッケージが無かった。


「先生これ何?」


「脳トレだ。」


平然と言うレヴュアタン。
実はこのソフトの名前が、脳を虐めるBSトレーニングだとは誰も気がつかなかった。
配り終えたあと、レヴュアタンは普通に授業をした。










「―――この事からもわかるように、戦争の記録は人の歴史とも言える位に常に続いている。」


所々で教科書にも載っていない知識があったりもしたが、意外ともまともな授業に少し驚きながらも皆は聞いていた。


「そして正義は勝つと言う言葉があるが、それは当然だ。戦争をする場合お互いにそれなりの正義を持ち戦う、だが負けると自分の正義など語る事も出来ずに死に勝者によってその正義は捻じ曲げられて悪として語り継がれる。長きに渡って語り継がれる内に敗者の正義は内容を無視し、常識として悪と言われるようになる。」


やや方向は逸れているが、尤もらしい雰囲気で言うレヴュアタンの雰囲気に呑まれくらず中が真剣に聞いていた。


「平和を知らない子供と、戦争をしらない子供の価値観は違う……戦いの場だけが常に中立、正義が勝つのは当然だ、勝者だけが正義だ!!! ……これが世に言うD・フラミンゴの定理だ、テストにだすから覚えとく様に。」


漫画の知識を当然のように植えつけるレヴュアタン、しかしその行いに対して彼は全くと言っていいほど躊躇がない。
少なくとも彼は間違った事を教えているつもりは無いのだから。
この声優がアフレコしてるみたいに迫力のある授業は生徒達の興味を促す事に成功して、レヴュアタンの修行は割りと人気となった。
他にも所々で語られる彼の過去、秀吉と手作り双六で遊んだとか、池田屋事件の時に向かいの店で蕎麦食べてたとか、ヒトラーの髭を剃った事があるなどのジョークは生徒達に受けていた。
2-Aの生徒達は笑えなかったが。










そんなこんなで数日が過ぎ、レヴュアタンはある意味で名物先生となっていた。


「それじゃ今日はこれで終了だ、それと週明けから例の子供先生が来るから担任はそっちにバトンタッチするね。あとその子は魔法使いだけど、それに頼った事をされると困るから皆その子の前じゃ魔法を知らないふりするように。」


「「「「「はーい!!」」」」」


元気のいい返事を聞きながら、レヴュアタンは教室を出て行く。
残った生徒達は子供先生について想像を膨らませ、近くの席の子と盛り上がるのだった。










―ウェールズの村―


1人の少年が荷造りを終えて家を出ようとしていた。
家の前では姉や幼馴染が見送っている。


「御免なさいねネギ、本当は空港まで見送りに行きたいのだけど……私素材集めに忙しいから。」


さらりとダメ発言をする女性、この少年ネギ・スプリングフィールドの従姉、ネカネ・スプリングフィールドだった。


「いいよお姉ちゃん無理しなくても。」


そう言う彼の顔には少しの悲しさが出ていた。
最近のこのネカネはあるゲームにハマり余り構ってもらえないのだ。
プレイ中は半分人格が変わっている上、最近は魔法学校の教職員の仕事まで疎かになりがちとか。


「じゃあ行ってきます。」


「行ってらっしゃい……さあ狩るぜ!!」


あっさりと踵を返し姉は家の中に消えて行った。


「……まあ頑張りなさい。」


「うん、僕頑張るよ。」


幼馴染に励まされて彼は新天地を目指した。











おまけ


公園のベンチに1人座って、彼は昔を思い出す。
千年以上前、輝いていたあの頃を、魔界最高戦力の1人と言われていた頃を。
やるんなら徹底的ニダ、と言っていたあの頃を。


M(マダオ)の大冒険(就職活動)vol.2 「今はもう懐かしき日々」











あとがき

主人公? が登場しましたね。
ものすごく不憫な子ですね。
あと那波が半端ないです。
こんな作品ですがこれからもよろしく。
ではまた次回。



[11649] 第八話
Name: 思いつきで投稿◆9abf2946 ID:d4d903c6
Date: 2009/09/27 03:54
新天地での生活に胸を躍らせる少年ネギ。
担任降板で気が抜けたレヴュアタン。
立派な魔法使いを目指す少年と、物臭でいい加減な悪魔が麻帆良で会合する。










第八話










珍しく早起きしてしまったために、初めて普通の方法で出勤したレヴュアタン。
その目の前に広がる光景は異常だった。
電車を降りた途端凄まじい数の生徒達が走っているのだ。
この光景は何時か将棋倒しなどの惨劇を生むのではないかと、珍しく真剣に悩むレヴュアタン。
しかしそれは半分現実逃避であり、この人の波が切れたらまわれ右をして帰ろうか等と考えていた。
だが子供先生の赴任と言う珍しいイベントを見逃すのは嫌だったので彼は仕方なく走りだした……物陰に向かって。
やはり学園まで走るのは嫌だったようで、物陰実入った途端に彼は何時も道り光になり生徒達の上を飛び出した。
魔法の隠匿など彼からすればどうでもいい。
一応は往来で行き成りやらなかった事を褒めてやって欲しい。
彼は数秒で目的地に着いた。


「失礼します。」


学園長室に入るレヴュアタン。


「おお、丁度いい所に来たのう、今ネギ君が来た所じゃ。」


部屋の中には学園長の他に、このかとアスナ、高畑にしずな先生……そして赤毛の子供が居た。


「これが例の子供ですか?」


「うむ、そうじゃ。ネギ君、彼はレヴュアタン先生じゃ。」


「初めまして、ネギ・スプリングフィールドです。」


「レヴュアタンだ。よろしくな、春野葱君。」


「何ですか! その名前!?」


態々日本語で言うレヴュアタンに驚きツッコミを入れるネギ。


「気に入らない?」


「嫌です!!」


何で嫌なの? みたいに聞いてくるレヴュアタンに、涙目で否定するネギ。


「まあまあレヴュアタン君、その辺で勘弁してやってくれんかのう。ネギ君、彼は君が担任を務める2-Aの副担任も務めるので君をサポートしてくれる。レヴュアタン君、よろしく頼むぞ。」


「え……ヤダ。」


即答で断るレヴュアタン。


「ええ!!? 何でですか!!?」


本日二度目のツッコミ。
きっと彼は良い新○になるだろう。
丁度眼鏡も賭けてる事だし。


「嫌ですよそんなの!!」


モノローグへのツッコミまで会得しているとは、やはりこいつは○八だな。


「おほん……それは置いておくとして、サポートはしてくれんのかのう?」


「しません、副担任の職務内容に担任のサポートなんでありません。」


「それはそうじゃが、普通せんかのう?」


「最低限の協力くらいはしますよ、でもいかに10歳であろうと子供であろうと、社会に出て人に物を教える教師としての立場に就くなら他者に頼りきりなのはダメだと思います。自分で努力もせずに最初から困ったら助けてもらう前提で働くなんておかしいでしょ?」


つい最近までニートだった奴が偉そうに社会を語るな。
しかしそんな彼の過去を知る者は此処にはいなかった。


「そうですね、僕頑張ります!」


感激して気合を入れるネギ。


「ほえ~、レヴュ先生かっこええな~。」


感心したように言うこのか。


「流石に長生きしてるだけはあるわね。」


すんなりと褒めるアスナ。
実は彼女はレヴュアタンの授業になってから社会の覚えが良くなり、彼を高く評価している1人なのだ。


「素敵です、レヴュアタン先生。」


うっとりと言うしずな先生……しずな先生!!?
待て、何時そんなフラグ建てた!?
全然描写に無いんですけど!!!
トリプルTは……別にいいや。


「それで……本音はどうなんじゃ?」


だが此処に唯一彼の本性を見抜いた人が居た。
学園長だ。


「早く帰って積みゲー処理したいんです。」


さして隠す気もなくレヴュアタンは本音を暴露した。


「じゃろうな……まあ、レヴュアタン君の言う事も尤もじゃし、ネギ君も余り頼り過ぎんで、それでいてどうしようもなかったら彼にアドバイスを求めなさい。それでいいかの?」


「いいよ。」


「はい、わかりました!!」


頷くレヴュアタンと元気良く返事するネギ。


「ではもう授業の時間じゃ、2人共確りと頼むぞ。」


「はい!」


「はい。」


やる気いっぱいのネギに続きレヴュアタンも出て行った。
学園長室から出て行くこのかとアスナを含む4人をみながら学園長はしずな先生に聞いた。


「しずな先生、どうして此処におるのかの?」


呼んだ覚えのないしずな先生が此処に居る事に疑問を抱いたようだ。


「レヴュアタン先生を見に来たんです。」


え!? ……ちょ、マジでフラグ建ってんの!!?
あ、あと高畑空気。










「レヴュアタン先生。」


このかとアスナの後ろを歩いて、教室に向かいながらネギはレヴュアタンに尋ねた。


「なに?」


「2-Aってどんなクラスなんですか?」


「元気一杯としか言い様がない。」


「そうなんですか。」


そう言いながらレヴュアタンは一歩下がってスカウターを取り出し、ネギの力を計る。

名前:ネギ・スプリングフィールド

Lv:3

歳:9

戦闘力:14

魔力:8

予測最大戦闘力:120

親の威光:26054

エロ(真):174040

レヴュアタンは静かに悟った。
こいつは真中に匹敵する俺の敵だと。
ちなみにレヴュアタンを計るとこうなる。

名前:レヴュアタン

Lv:7

歳:1711

戦闘力:5000

魔力:7884

予想最大戦闘力:265000

親の威光:159520

エロ(偽):8520


戦闘力は現在の戦闘力で、気や魔力で肉体を強化すると数値は変わる。
予想最大戦闘力とは、解析した肉体の力、魔力量などから現段階で出せると思われる最大の戦闘力である。
てかレベル近!!
4つしか差がないのにこの数値の差は、生まれ持ったポテンシャルの差でもある。
まあ英雄の息子と大魔王の息子の差なんてこんなものさ。
親の威光は20000を突破していれば、色んな人に親切にしてもらえる。
150000を突破していると、ニートでも王子をしてられるのだ。
ちなみに(真)は生まれ持った天然の物で(偽)は自分自身で鍛えぬいた物だ。
エロ(真)なら無意識にハーレムも楽勝で築く事が出来るが、エロ(偽)では二次元世界でハーレム築くのが精一杯である。
8520と言う数値はかなり凄いが、リアルでは精々婚期を焦った女に狙われるくらいだろう。
そうしているうちの2-Aに着いた。


「じゃあ俺達先に入ってるし、呼ばれたら入ってくるように。」


「はい。」


転校生のようなノリだ。


「あ、それとこれ名簿ね。」


「有難うございます。」


教室に入る前に思い出したようにネギに名簿を渡す。
そしてネギを廊下に残し3人は中に入った。
子供が来ると知っていた生徒達は罠を仕掛けていない。
中に入ったレヴュアタンは教壇に立って皆の言う。


「お前ら席について聞けよ、これから最終確認をする。その前に……エヴァ防音の結界張ってくれないか。」


「了解です。」


レヴュアタンの頼みにエヴァンジェリンが結界を張る。
最近このかの血を吸ったのでこれ位は軽い。


「御苦労さん、さて今教室の前に例の子供先生が来ている。」


エヴァンジェリンを労った後に言った言葉に反応して騒がしくなる生徒達。


「はいはい静かに、ではこれより最終確認を行う、あんまり待たせんの悪いから手短にいくぞ。まず昨日も言ったがお前達は魔法を知らないふりする。」


そう言った時にレヴュアタンに質問をする生徒が居た。
出席番号4番の綾瀬夕映だ。


「その先生に魔法を教えてもらってはダメなのですか?」


「ダメ。」


夕映の願いをぶった切るレヴュアタン。


「じゃあ先生が教えて下さい。」


「ヤダ。」


「このかは教えてもらってるといってたです。」


「期間限定サービスです、配信期間を過ぎるとイベントは起きないんだよ。」


「横暴です! 聞こうと思って冬休み中ずっと探してたのに居なかったです!!」


「馬鹿かお前……休みは籠る、これ常識。」


それはお前だけだ。
エヴァンジェリンも頷くな。


「教えてくれるまで付き纏うですよ。」


「あ~めんどくせぇ、わかったよ後で来い。」


仕方なくレヴュアタンが折れた。


「わかりました!」


嬉しそうに言う夕映。


「せんせー! 私も教えてほしい!!」


「僕も!」


佐々木や鳴滝姉に続き何人かの生徒が手を上げる。


「わかったから後にしろ! あとさっきも言ったが子供先生に魔法の事言うなよ!!」


「「「「「はーい!」」」」」


「じゃあ呼ぶぞ、エヴァ解いてくれ。」


「はい。」


レヴュアタンの言葉を聞きエヴァンジェリンは結界を解く。


「ネギ君入ってきていいよ。」


「はい!」


気合の入った声と共にネギが入ってくる。
そのままぎこちなく教卓まで歩いていく。


「本当に子供だ。」


「かわいー!」


等と生徒達からの声が聞こえる。


「ええと、あ…あの……、僕、僕。今日からこの学校でまほ……英語を教える事になりました、ネギ・スプリングフィールドです。3学期の間だけですけどよろしくお願いします。」


どもりながらも何とか言いきったネギ。
その時彼女達の心は1つになった。


(((((今、魔法って言いかけたー!!!!)))))


皆が全力で笑いやツッコミを口に出さないようにする。
何人か肩が震えてたり、何かを堪えるような顔になっている。


「じゃあ俺は他のクラスで授業があるのでもう行くぞ。ネギ先生、こいつ等をよろしく頼む。」


「あ、はい。」


「お前ら、あんまり先生で遊ぶなよ。」


「「「「「はーい!!!」」」」」


そう言ってレヴュアタンは2-Dの授業に向かった。










放課後。


「はあ、初めての授業失敗しちゃったな。」


1人広場で落ち込み溜息を吐くネギ。
先程の授業が上手くいかなかったのだ。
そこで名簿を開けて見ていたのでがある事に気がついた。


「ん……あれ? あれは27番の宮崎のどかさん……たくさん本を持って危ないなあ。」


宮崎は前が見えにくくなる程積み上げた本を持って、手すりのない階段をヨロヨロと降りてきている。
そして彼女は案の定階段から落ちた。
ネギは咄嗟に杖を構え魔法を使い落下を止める。
その間に走り込み、宮崎を受け止めた。


「アタタタ……だ、大丈夫? 宮崎さん……」


そこでネギは気がついた、アスナが居る事に。
一方アスナも困っていた。
買い出しの帰りにネギが魔法を発動する所を目撃してしまったからである。
しかもネギと目が合う。
顔を横に向け、見てませんよとアピールするアスナ。
そしてチラッと目をネギの方に向かると、ネギはメッチャアスナの方を見ている。
そのまま目を反らしどうしようか思案するアスナ。
しかし考えが纏まらないうちにネギが行動を起こした。


「見ましたよね!?」


アスナの目の前に移動して問い詰めてくる。


「み、見てないわよ全然……なんにも見てないわ。」


態とらしく顔をそむけたまま答えるアスナ、嘘が下手すぎる。


「目が合いましたよね! 見ましたよね! お願いします黙っておいてください!!」


必死に頼むネギ。


「わかった、わかったわよ! あんたが超能力者だって誰にも言わないわ。」


アスナは無い知恵を絞っていい訳を与えてくれたのだが、ネギにはその繊細な心遣いは伝わらなかった。


「え!? 今のは超能力じゃなくて魔法使いで……、ああ~~~!! バレちゃった!!」


「とにかく落ち着きなさいよ。」


1人で慌てるネギを諌めようとするアスナ。
内心でこいつ頭悪いんじゃないかとか思いだしている。


「こ、こうなったら……記憶を失ってもらいます!!」


杖を掲げ叫ぶネギ。


「ええっ!?」


超展開に驚くしかできないアスナ。


「消えろーーー!!」


ネギは記憶を消そうとしたが消えたのはアスナの服だった。


「いやーーッ!」


驚き叫ぶアスナ。
しかしそんな彼女にさらなる追い打ちがかかる。


「おーい、そこの2人何やってるんだ? ん?」


そこに来たのは高畑だった。


「いっ、いやあ~~~~~っ!!!」


もう本当に可哀そうな事に成りましたとさ。










一方その頃。


「さあ、魔法を教えるです。」


レヴュアタンは夕映にそう言って迫られていた。


「あ~~はいはい、んじゃこれ持って。」


そう言って練習用の杖を取り出して渡すレヴュアタン。


「これは?」


受け取りながら聞く夕映。


「初心者用の魔法のだ。それ持ってプラクテビギ・ナル(火よ灯れ)って言っとけ、杖先に火がともったらまた来い。」


簡単に言うが行き成りやって成功するものではない。
ましてや別荘内でもないのでさらに難しいハズだ。
てかこいつ自身出来て無かったハズでは?


「あとこれ資料ね、参考にすればいいよ。」


そう言ってレヴュアタンは、セロの使い魔と言うライトノベルを取り出し渡した。
余談だが、これは指先から霊圧の塊を打ち出す使い魔を召喚する物語である。


「どうもです、じゃあ出来たらまたくるです。」


「おう。」


「それと、後で教室に来てください。ネギ先生の歓迎会をやるそうです。」


「はいはい、気が向いたら行きます。」


行かなさそうな感じで言うレヴュアタン。
その事に特に追言することなく夕映は教室に帰って行った。
その後、彼は仕事を片付け職員室を後にした。
え? 歓迎会?
勿論帰ったよ、副担任の職務に入ってないからね。










おまけ


頑張ってバイトとはいえ、職を得たM。
満面の笑みでバーコードリーダーを片手にレジに立つ。


M(マダオ)の大冒険(就職活動) vol.3「コンビニでバイト始めました」










あとがき

さて今回思い切って主人公の値の一部を出させてもらいました。
ネギの魔力低くね?
と思われるかもしれませんがあれは1で大人の魔法使いい1人分です。
戦闘力はラカンがやっていた方式で、ドラゴンボールではありません。
ではまた次回。



[11649] 第九話
Name: 思いつきで投稿◆9abf2946 ID:d4d903c6
Date: 2009/09/27 04:02
今回はある2つの事件のお話。
まずは事件1、惚れ薬。
ある日の授業、ネギはまたアスナを怒らせてしまった。
その上クシャミで服を吹き飛ばす始末。
何とか仲直りしたいと思うがいい案が浮かばない。
だが彼は丁度鞄の中から転がり出てきた魔法の素丸薬七色セット(大人用)を見つける。


「こ、これがあればホレ薬みたいのを作れるかも!! よーし!」


気合を入れるネギ、ホレ薬が禁止されている事など知らないようだ。
作る所を見られるのは不味いので場所を移動しようとしたその時、ネギは転んで丸薬の入った筒を落としてしまう。


「あ、待って!」


転がる筒に待ってと言っても待つ訳もなく、筒は転がって行った。
そして……筒は運悪く踏まれた。


「ああっ!!」


潰れた丸薬に駆け寄るネギ。


「ん? なんだ?」


踏んだのはレヴュアタンだった。
ライトノベルを読みながら歩いていたので気がつかなかったのだ。


「あ……悪いネギ先生、代わりにこれあげるよ。」


そう言ってレヴュアタンはポケットから飴を取り出しネギに渡した。
どうも丸薬を飴玉と思ったようだ。


「じゃあね。」


そう言ってレヴュアタンは行ってしまった。
丸薬はダメになってしまい、ネギは再び頭を抱える事となった。
こうして偶然にも惚れ薬の事件は未然に防がれたのである。










第九話










数日後。
事件2、ドッジボール。


「それでですね、タカミチが凄かったんですよ!!」


目をキラキラさせて語るネギ。
職員室で隣に座るレヴュアタンに向かって先程起こった事を話しているのだ。
先程の事とは2-Aとウルスラ女子高等学校の生徒達が喧嘩した時に高畑がさっそうと現れ仲裁した事だった。


「ふ~ん、凄いね。」


漫画を読みながら適当に相槌を打つレヴュアタン。
フンター×フンターと言う漫画の15巻を読んでいる。


「僕も何時かあんな風になりたいんです……って聞いてます?」


「聞いてる聞いてる、イニシャルが3つもTで凄いね。」


「違いますよ! 真面目に聞いて下さいよ。」


「はいはい、あの渋さで歳が30は無いよな、42くらいはいってそうだよね。」


完全に聞いてないレヴュアタン。
お前が歳が凄いとか言うな。


「すみませんレヴュアタン先生、次の2-Aの体育何ですが体育の先生が急用で帰ってしまわれたので代わりに見に行ってくれません?」


「いいですよ、ネギ先生も次の授業に行った方がいい。」


そう言って16巻を持って職員室を出て行くレヴュアタン。


「もう、もうちょっと真面目に聞いてくれてもいいのに。」


少し怒りながらもネギは次の授業の為に屋上に向かうのだった。










「何の騒ぎだ?」


扉を開けて屋上に出るレヴュアタン。
そこは2-Aの生徒とウルスラの生徒が喧嘩をしていた。
そこにはネギの姿もある、高校生のレクリエーションの授業の監視に来ていたようだ。
何故同じ場所を目指していたのに先に出たレヴュアタンが後に着いているかと言うと、レヴュアタンが今咥えている焼きそばパンが全ての答えを握っている。


「あ、レヴュアタン先生助けて下さい!」


レヴュアタンに気がついたネギが助けを求める。


「ネギ先生、君は先ほど言ってたじゃないか、高畑先生の様になりたいと。今がチャンスだ、頑張って生徒達を押さえて見せなさい。私は応援しておこう。」


先程のネギの言葉を利用して面倒事を避けるレヴュアタン。


「はい、頑張ります!」


利用されるネギ。
しかしやはり揉みくちゃにされるネギ。
レヴュアタンはそんなネギを余所に、フェンスを背もたれにして漫画を読んでいる。


「ハクシュン!!」


ネギはまたもクシャミと共に魔力を暴走させる。
後ろでネギに抱きついていた娘など、凄い顔になっていた。
一時的に喧嘩が止まった事を利用してネギはスポーツでの勝負で決着をつける事を提案した。
両者合意でドッジボールで勝負する事となった。
ただし年齢等の事を考慮して、ウルスラは11人で2-Aは倍の22人のハンデがついたが。
そして勝利チームはネギが進呈される事となった。
試合開始前ウルスラチームはある事を言いだす。


「そっちだけ先生が入っているのはずるいわ、此方にも先生を入れさせてもらうわよ。」


「そっちも先生って……」


そう言いながら皆は一斉にある方向を見る。


「ん……俺?」


皆の視線の先に居たのはレヴュアタンだった。


「レヴュアタン先生を入れるのはずるいよ!」


佐々木が講義する。
しかしそれを朝倉が押しとどめた。


「まーまー、あのレヴュアタン先生が参加する訳ないよ。」


「それもそうですわね。」


雪広も同意する。
しかし答えは意外だった。


「いいよ、俺魔球使いだけどそれでいいなら参加しよう。」


「是非お願いします!!」


魔球と言う言葉に引かれ強く誘う高校生達。


「いいよ……丁度ドッジ漫画みてルール覚えた所でな、やってみたかったんだ。」


タイミングが悪かった。
あとフンター×フンターはドッジ漫画じゃない。
こうして意外にもレヴュアタンが参加する事となった、2-Aの敵として。


「そんな! 先生ずるいよ!!」


「それじゃあもっと人数増やせば?」


2-Aは人数が増えると不利になる事に気がついてない。
しかしレヴュアタンは気がついていてあえて数を増やす事を提案した。


「う~ん、どうする?」


アスナが皆に聞く。


「人数増やしていいって言ってるんだしいいんじゃない?」


「うん。」


皆が賛同するので結果的に許可する事となった。


「じゃあ念には念を入れて運動神経のいい人に出てもらおう。」


そうして話し合い、何と桜咲、龍宮、長瀬が出てきた。
そしていよいよ試合開始は開始される。
まずはウルスラチームが投げる、それはありもしない妄想を抱いていたネギの後頭部に当たる。
しかしアスナがそれをノーバウンドキャッチする事でネギは助かった。
アスナはそのまま投げ返し、1人アウトにする。
盛り上がる2-A。
当った者は外野に移り残りの内野はレヴュアタンを含めて11人。


「このドッジボール必ず勝つわ! 年下だからってなめてると痛い目にあうんだから!」


指差した言うアスナに余裕の表情を崩さないウルスラチーム。
今度はウルスラの方がボールを投げる。
それ程きつく投げなかったにもかかわらず、慌てふためき後ろを向いた2-Aの生徒達は当ってしまう。
それの同時に3人もあたり一気に人数は減ってしまった。
ボールはそのままウルスラチームの方へ転がってきてまたもウルスラボール。
そしてまた投げる。
今度は朝倉、村上、葉加瀬、四葉の4人だ。
先程当った早乙女、鳴滝姉、那波の3人と合わせると2球で7人がアウトになっている。
そしてこの事から2-A生徒達はようやく人数が多い事が有利ではない事に気がつく。
抗議するもウルスラチームは気がつか無い方が悪いと気にもせずにボールを投げてくる。
そのボールに鳴滝妹の後頭部に当たる。
そして次に宮崎を狙ったボールはアスナが庇いキャッチした。
アスナはそのまま勢いよく投げるが、英子と言うリーダー格の生徒は難なくワンハンドキャッチした。
馬鹿力のアスナが全力で投げた球を軽くキャッチした相手リーダーの強さに驚く2-Aの生徒達。
そこで彼女達は自分達の正体を明かす。
なんと彼女達は関東ドッジボール大会優勝チーム、麻帆良ドッジ部「黒百合」だったのだ!!
高校生にもなってドッジボールをしている彼女達にやや引き気味の2-A。
恥ずかしさを紛らわすように、トライングルアタックを繰り出すウルスラチーム。
見事なパスワークで意気込む雪広をあっさりとアウトにして、さらに近場に居た長瀬、桜咲をアウトにする。
しかしこの行動は彼女たちの狙い道りだった。
この2人は態と当ったのだ。
コート内に残った龍宮がボールを手に前に出る。
そして、投げた。
高速で飛ぶボール。
そしてある事にウルスラチームは気がついた。


「こ、これは……トライアングルアタック!!?」


そう龍宮と桜咲と長瀬でトライアングルアタックを繰り出したのである。
次々とウルスラチームを仕留めて行く3人。
コート内には後5人しか残っていなかった。


「そろそろ実力を見せてもらうよ先生。」


龍宮はそう言って投げる。
今までよりも圧倒的に速い球。
しかしレヴュアタンはそれを慌てることなくキャッチする。


「行くぞ。」


そのまま珍しく真剣な顔をしたレヴュアタンは、大きく振り被り……投げた。
そのまま龍宮に向かい飛ぶ剛速球。


「!? ……くっ!!」


余りの早さに呻きながらも龍宮は右に避ける。
龍宮の横を通り過ぎる直前、ボールに凄まじい回転が起こり曲がった……龍宮の左に。
龍宮の避けた方とは逆側に飛んでいくボール。
それは屋上のフェンスを突き破り、向かい側の校舎の壁に轟音と共にめり込む。


「「「「「「…………」」」」」」


沈黙が降りた。
そこで小さな声が聞こえる。


「しまった、回転方向間違えた。」


「当てる気かい!!!」


そん声に反応して叫ぶようにツッコミを入れるのは早乙女だった。


「そりゃ当てるでしょ、ドッジボールだもん。」


「殺人事件になるよ!!」


平然と言うレヴュアタンに再びツッコむ。


「はいはい、そんな事より続き続き。」


いいからいいから、見たいな感じで言うレヴュアタン。
その言葉に押されるように試合が再開される。
ボールは2-Aだ。
今まで以上に慎重ボールを回す3人。
高速でボールを回し撹乱して、長瀬がレヴュアタンレヴュアタン目掛けて投げた。
レヴュアタンの背中に向かって飛ぶボール。
当った!
どう思う長瀬。
しかしその予想を裏切り、振りかえらずにキャッチするレヴュアタン。


「行くぞ! 死ぬ気で避けな!!!」


そして大きく振り被り、またも龍宮目掛けて投げるレヴュアタン。
そのボールのスピードは先ほどよりも遥かに早かった。
向かってくるボールを前に魔眼を発動して見切ろうとするがあまりにも早く無理であった。


(強……! 速…避……無理!!)


龍宮は迫ってくるボールを見ながら高速で頭を回転し対処を決める。


(受け止める無事で!? 出来る!? 否……死)


その時、予め懐に入れていた護符が発動した。


白の代理人(ホワイトタカミチ)


ケチって安物を買った為に、移動するのではなく近場の白い者と場所を入れ替えた。


「グボッ!!?」


突如龍宮と入れ替わった高畑の顔面にボールがめり込む。
数メートル吹き飛んだ高畑の顔にはクッキリとボールの後がついていた。


「あんな所に?」


校舎への入り口の近くに居る龍宮を見つける長瀬。
呼吸も荒く、その姿は酷く衝撃を受けたようだった。


「一瞬で自分との力の差を感じ取ってしまったようでござるな。」


「このイメージは一朝一夕で拭える様な物ではない、ましてやこの試合中に克服するなどは不可能だ。……龍宮はもうダメだな。」


長瀬の言葉に続く様に言う桜咲。


「あの場合アウトは龍宮でいいんだよな。」


「え、はい……多分そうだと思いますけど。」


冷静に判定を聞くレヴュアタンに焦った様に答える英子。


「先生危ないよ!!」


「そうだよ! バランスが取れない!!」


2-Aの生徒達が騒ぎ立てる。
一方ショックを受けながらも闘志を燃やす龍宮。


「クソが……このまま終われるかよ。」


膝をつきながら言う龍宮。


「はあ……仕方ない、俺は高畑先生を保健室まで運ぶからお前達3人も抜けろよ。」


桜咲、長瀬、龍宮に向かって言うレヴュアタン。


「なっ……勝ち逃げする気か先生!!」


驚き叫ぶ龍宮にレヴュアタンは笑いながら言った。


「俺……勝ち逃げって大好きなんだよね。」


「そんな!」


止めようとする龍宮を無視してレヴュアタンは、高畑の足を持って保険室まで引きずって行った。
階段を下りる度に頭をぶつける高畑。
しかしレヴュアタンは気にする事も無くそのまま行った。
その後2-Aはドッジボールの試合に勝ったとさ。





以上、2つの事件でした。





余談だが後でレヴュアタンにドッジ部の顧問になって欲しいと言いに来た。
レヴュアタンは快くそれを承諾してドッジ部の顧問になった。
しかし誰ひとり魔球を会得出来ないまま1週間後に顧問を止めた。





余談の余談だがドッジ部はアジア大会で優勝したらしい。










おまけ


昼間なのに公園のベンチで1人項垂れるM。
サングラスを外さなかったせいで怒られたのだ。


M(マダオ)の大冒険(就職活動) vol.4 「クビになりました」










あとがき

割とどうでもいいイベントをこんな感じで消化しました。
てか途中で違う狩人になったし。
ではまた次回。



[11649] 第十話
Name: 思いつきで投稿◆9abf2946 ID:d4d903c6
Date: 2009/10/04 23:14
酒場……そこにはだらけきった4人の姿があった。


rakan:最近出番ないな

sukuna:出番とか言うの禁止

kuuneru:危険な発言ですね

shirabe:あの……

sukuna:?

rakan:なんだ?

shirabe:視点が此方に移ってるみたいなんですが

rakan:マジか!?

sukuna:ホントだ!!

kuuneru:油断しましたね

rakan:やり直しだ!

sukuna:そうだやり直しを要求する!!


仕方ないな





酒場……そこには武器を磨く者、道具の整理をする者、次の狩りに備えて英気を養う者等、常に油断などしない4人の姿があった。


rakan:激しい狩りだったぜ

sukuna:そうだね

kuuneru:そうですか?

rakan:話を合わせろよ!

sukuna:また置いてかれちゃうよ!!

shirabe:あの……

sukuna:?

rakan:今度はなんだ?

shirabe:この辺でお暇させていただきます

sukuna:え~

kuuneru:このタイミングで言うとは勇気がありますね

shirabe:すみません

sukuna:あやまらなくていいよ~

kuuneru:そうですよ

shirabe:それでは失礼します

rakan:お疲れ~!

kuuneru:お疲れ様です

kisin:おつ~!!

shirabe:お疲れさまでした


こうしてshirabeは去って行った。


Eva:こんにちわ

rakan:こん~

kuuneru:こんばんわ~

kisin:(。・ω・)ノ゙ コンチャ♪

Eva:ご一緒してもよろしいでしょうか?

sukuna:おk

kuuneru:どうぞ

Eva:有難うございます

Eva:よろしくお願いいたします

rakan:堅苦しいな

kuuneru:もっとフランクにしてくれていいんですよ

sukuna:そうそう

Eva:有難う御座います

Eva:ですがマスターに鍛えて頂いた以上恥ずかしい所は見せられません

Eva:マスターや仲間達以外と狩りに行くのは初めてです

Eva:緊張します

Eva:足手まといにならないように気をつけます

ralan:よく話すな

sukuna:楽しいから無口よりいいよ

kuuneru:そうですよ

rakan:ところでランクは幾つだ?

Eva:85です

sukuna:十分だよ

kuuneru:そうですよ

rakan:俺より高いぜ

Eva:お褒めの言葉を頂きまして光栄です

rakan:じゃあ何か行くか?

kuuneru:希望はありますか?

sukuna:Evaさんが決めれば?

Eva:ではジエンでもいいでしょうか?

kuuneru:わかりました

rakan:了解!

sukuna:おk

Eva:有難うございます

kuuneru:良い狩りにしましょう

rakan:行くぜ!!

sukuna:頑張ろう!

Eva:マスターの名に恥じぬ狩りを


そして彼等は峯山龍の撃退と言うクエストに旅立った。










第十話










「レヴュアタン先生。」


「はい、何ですか?」


次の授業に向かっているレヴュアタンを呼びとめたのは、最近彼を見る目が怪しいしずな先生だった。


「学園長からこれを預かってきました。」


そう言ってしずな先生はスカートのポケットから封筒を取り出した。


「これをネギ先生の最終課題だとかで渡してほしいそうです。」


「わかりました。」


ネギに渡せばいいのんに態々レヴュアタン越しにしている。
明らかにネギがダシに使われてる。


「それと……」


そう言って意味も無く着ているセーターの胸元からチケットを出すしずな先生。


「この映画行きません?」


「こ、これは!?」


チケットを見て驚愕するレヴュアタン。
丁度見に行きたいと思っていたのだが、チケットが買えなかった映画だ。
レヴュアタンが買えなかったとパンフレットを見ながら呟いていたのを偶然? 耳にしていたようだ。


「行きます!」


一気にテンションの上がるレヴュアタン。
だが彼は知らない、着実に網に向かって歩いている事に。


「では行く日は後日話し合いましょう。」


そう言ってしずな先生は去って行った。










「ネギ先生、最終課題らしいぞ。」


「えっ!? 僕への最終課題!?」


封筒を受け取りながら悪のドラゴン退治や攻撃魔法200個習得など、様々な困難課題を思い浮かべるネギ。
だが内容は全く違うものだった。


    ねぎ君へ 次の期末試験で、二-Aが20位以内に入れてたら正式な先生にしてあげる。


と書かれていた。
実を言うと、学園長は最下位脱出でいいかとも思ったのだが、最近小テストの結果で社会の成績が上がっていているのだ。
それは学年通して言える事だが、2-Aは頭一つ飛びぬけて良かった。
これでは課題の難易度が下がると思った学園長は20位以内に変更したのである。
意外と簡単な内容で安心するネギ。
丁度次の授業はホームルームでレヴュアタンと2人で行う予定だ。
これを期にネギは大・勉強会を行う事を決めた。
ネギは自分が大変になる事を中途半端に隠して皆に猛勉強を促す。
そこで椎名が面白がって英単語野球拳と言う物を提案した。
ネギは野球拳と言う物を知らないので了承してしまう。
窓際に椅子を置いて座りゲームをしていたレヴュアタンは、これを聞いた途端にゲームをスリープ状態にして気配を消しカメラを構えた。
集中砲火でバカレンジャーを攻撃していく生徒達。
盛り上がりすぎてレヴュアタンが居る事を忘れているようだ。
しかし響くシャッター音に流石に気がついたようだ。


「あー!! 先生何で写真何か撮ってんのよ!!」


カメラを構えるレヴュアタンを指差し叫ぶアスナ。


「何故撮るか……それはそこに裸体があるからさ。さあ君達、ポーズをとりたまえ。」


レヴュアタンの言葉にノリノリでポーズをとる長瀬と古菲。
何と無くポーズをとる綾瀬。
恥ずかしそうにしながらも周りの雰囲気に呑まれておずおずとポーズをとる佐々木。
カメラを壊そうと飛び掛かってくるアスナ。


「犯罪でしょ!!」


そう言って蹴りかかるがすり抜けるだけで意味がない。
だが持っているカメラは壊せた。


「あー俺のカメラ……まあいいか安物だし。」


そんな事を呟いているレヴュアタンをこのかが教室から追い出している後ろで、このクラスの能天気さにネギは頭を抱えていた。
その時、ネギはある魔法を思い出した。


「3日間だけとても頭が良くなる禁断の魔法があったんだ。副作用で1ヶ月ほどパーになるけど仕方がない。」


そう言って詠唱を始めるネギ。
しかしそこでアスナがネギの頭を殴りながら止めた。
曰く、何でも魔法に頼らないようにしろ、そんな風に中途半端な気持ちの奴が担任なんて、教えられる生徒は迷惑だ。
その言葉にショックを受けたネギは、一教師として生身で生徒にぶつかることを決め魔法を3日間封印した。










夕刻、女子寮の大浴場である会話が交わされていた。
それは最下位のクラスは解散との事だった。
その上特に悪かった人は留年どころか小学生からやり直しとか。
実際にそんな事ある訳ないのだが、彼女達は焦ってそんな事もわからない様だった。
ネギが教室で大変な事になる、とか言ってたのも誤解を招く原因となっていた。
そこで綾瀬が図書館島に読めば頭の良くなると言う魔法の本がある事を教える。
普通なら魔法の本など誰も信じないが、悪魔や魔法使いが居る事を知っている彼女達は直ぐに信じた。


「行こう!! 図書館島へ!!」


「「「おー!!」」」


アスナの号令に掛け声で答える佐々木、長瀬、古菲。
だがそれを綾瀬が遮った。


「待つです、先に本当に魔法の本があそこにあるのか、レヴュアタン先生に聞いてみましょう。」


「そんな事聞いても、止められたらどうするの?」


「あの先生はそんな事しないです。」


アスナの言葉に答える綾瀬。


「なんでよ?」


「あの先生が勤務時間外に態々図書館島まで止めに来る訳ないです。」


「あ~それもそうね。」


納得するアスナ。
彼女達は大浴場から出た後、寮外の草むらに移動した。
このかが契約カードを額に当ててレヴュアタンに念話する。


「レヴュ先生、聞きたい事あるんやけど読んでええかな?」


「どうですか?」


このかが言っている事しかわからない綾瀬はこのかに聞く。


「ええって。」


どうやら了承をもらえたようだ。


「召喚、近衛このかの従者レヴュアタン!!」


光と共にレヴュアタンが現れた。


「何の用?」


「先生は図書館島にある魔法の本を知ってますか?」


「ああ……前に図書館島で見たな。」


「本当ですか!?」


行き成り実在の事実を突き付けられて驚く綾瀬達。
その時レヴュアタンが光った。
眩しさから皆が目を押さえる。
光が治まった時レヴュアタンはそこにいなかった。


「どうしたんでござろう?」


長瀬が言う。


「わかりません。」


綾瀬がそう行った時、再び目の前が光った。


「また!?」


光が収まると、そこにはレヴュアタンが居た……脇に何か抱えて。


「これだろ?」


そう言って脇に抱えていた本を見せるレヴュアタン。
それは魔法の本だった。


「そ、それが魔法の本ですか!!?」


こんなにあっさりと持ってきた事に驚愕する綾瀬。


「そうだね、アデアット。」


そう言ってスカウターを取り出して本を解析する。
するとスカウターの画面に本の情報が映しだされた。


「メルキセデクの書? ふ~ん、この本ならスペックなら少し頭を良くするくらい簡単そうだな。」


「やった~! 先生有難う!!」


佐々木がそう言った。


「でもレヴュ先生は生徒がそれを使って頭良くしても良いアルか?」


古菲の言葉に皆が固まる。
この先生がどう言うかによって本が手に入るかどうかがかわるからだ。


「ん? 何だお前等、アイテム手に入れたら使うだろ普通。それとも貴重なアイテムはずっと袋の中にしまっておくタイプか? 大丈夫だぞこれは何回使っても無くならないアイテムだから。」


本を片手に使わないのか? と聞いてくるレヴュアタン。


「い、いいの?」


恐る恐る聞くアスナ。


「物は使うためにある、世界樹の葉だって仲間が死んでなければただの葉っぱだ。頭の良くなる魔道書だって、頭の良い奴からしたらあってもなくてもいい物。キメラの翼はルーラを覚えてる奴からしたら不要物だが、MPが切れていれば要るって感じさ。だからこの魔道書はお前らみたいな馬鹿が使うためにある。それとも何か? お前等はロトの剣を持っていながら鋼の剣で魔王に挑むのか? 倒せない事もないがきついぞ。」


わかりやすい様な、わかりにくい様な例を出して言うレヴュアタン。
ストレートに馬鹿発言してくる事に苛立ちながらもアスナは本を受け取ろうとするが。
その時再びレヴュアタンが光った。


「え!? 消えた!!?」


驚く一同。
そしてまたも光り戻ってくるレヴュアタン。
その時、既に本は無かった。


「先生、本は!?」


焦って聞くアスナ。


「戻してきたよ。」


「「「「え~~~~!!!?」」」」


「何でですか!?」


レヴュアタンの言葉に憤慨する綾瀬。


「さっきの言葉は嘘だったですか!?」


「自分で手に入れてないアイテムを使うな!」


綾瀬に叱りつけるように言うレヴュアタン。


「全く……最近の子供はすぐに人に頼ろうとしやがって、俺は改○コードやプロアクション○プレイは認めん!! 使いたければ自分で取ってこい!! それが嫌なら、諦めて普通に勉強しろ、それかもっと凄い稲妻の剣的な物を見つけ出してくるかだ。」


「そんな……」


「いいわよ! とってくるから!!」


気合を入れて言うアスナ。
普通に勉強すると言う選択肢は無い様だ。


「みんな、行くわよ!!」


「「「おー!!!」」」


そう言って寮に戻って行く彼女達を見送り、レヴュアタンは光になり帰って行って帰ろうとした時、後ろから呼び止められた。


「待って下さい。」










そして次の日、レヴュアタンは学校で神楽坂明日菜、近衛木乃香、長瀬楓、佐々木まき絵、古菲、綾瀬夕映、桜咲刹那の7名とネギが行方不明になった事を聞いた。
ネギは居なくて彼の英語の授業もレヴュアタンが引き受ける事となった。
レヴュアタンが教室に入るとすぐさま雪広が問い詰めてきた。


「先生! 2-Aが20位以内に入らないとネギ先生がクビとは本当ですか!!?」


「ああ、そうだよ。」


「それなのにネギ先生とバカレンジャーの方々が行方不明と!?」


「ついでに近衛と桜咲もな。」


「それは図書館島に魔法の本を取りに行ったからと聞きましたが。」


「らしいね。」


適当に返すレヴュアタンに苛立ったのか雪広は怒鳴るように言う。


「どうして止めてくれなかったのですか!!」


「あいつ等の行動を俺がどうこう言う資格はない。」


「それでも、教師として止めるべきですわ!」


「五月蠅いな、見習いとはいえ魔法使いがついて言ってんだぞ、それに長瀬や古菲おまけに桜咲もついて行ってんだから心配する必要はない。」


「それは……そうですわね。」


レヴュアタンの指摘に落ち着きを取り戻す雪広。
魔法使いのネギや高い身体能力を持つバカレンジャー、魔法生徒の桜咲がついて言ってる事が彼女を落ち着かせた。


「要するに20位以内に入ればいいんだろ?」


「え……ええ、それはそうですが。」


自信満々のレヴュアタンにあっけにとられた様に返す雪広。


「じゃあ……お前等には死ぬ気で頑張ってもらわないとな。」


怪しく笑いながら言うレヴュアタンに対し、何も言えずに震える事しか2-Aの生徒達は出来なかった。










おまけ


公園の木に縄をかけるM。
既に公園には本物のブランコがあるにも関わらず手作りブランコを作るM。
しかし座る部分輪の大きさが、明らかに胴体が入らない。
あれじゃ精々首が入る位だ。
それに高さもおかしい、あれじゃ地面に足が届かないよ。


M(マダオ)の大冒険(就職活動)vol.5 「ブランコを作ろう」










あとがき

久々に更新させてもらいました。
主人公は相変わらずも物臭でいい加減ですね。
でも主人公はこんな感じで行こうと思っています。
それとそろそろ赤松板に行ってもいいですかね?
ご意見お願いします。
ではまた次回。



[11649] 第十一話
Name: 思いつきで投稿◆9abf2946 ID:d4d903c6
Date: 2009/10/17 23:22
「待って下さい。」


そう言って出てきたのは桜咲だった。


「……ストーカーか?」


「だ、誰がストーカーです!!」


レヴュアタンの言葉を慌てて否定する桜咲。


「普段から近衛をチラチラと、時にはニヤニヤと見詰めているお前は明らかに危ない雰囲気を醸し出している。これがストーカーでなくてなんだと?」


「断じてストーカーではありません! そしてニヤニヤしてなどいません!? あれはお嬢様が日々お怪我なく幸せそうに暮らしている様子を見ていてこぼれる頬笑みです!!」


「ハァハァ言ってなかったっけ?」


「平和な日常に思わず漏れたため息です!?」


この言い訳苦しくない?


「近衛はよく下着が盗まれるって聞いたことがあるんだが。」


「お嬢様の下着が変質者に盗まれないように私が預かっているのです!」


予想外の返事に驚くレヴュアタン。


「……その代わりに違う下着が置いてあるとか。」


「お嬢様の着る物が無くならないように私の下着を代用品として置いて言っているだけです!!」


苦しい言い訳から一転して下着の事は胸を張って誇らしげに言う桜咲、もうダメだこいつ。
早く何とかしないと。


「下着云々は冗談だったんだが……まさか本当にしているとは。」


若干引き気味のレヴュアタン。
レヴュアタンを引かせるとか凄いぞ桜咲……ダメな意味で。
そこで桜咲は気がついたような顔をして。


「こんな話をしに来たんではありません!!」


「じゃあ何の用なんだよ?」


「どうして止めなかったんですか?」


途端に真剣な内容に戻るレヴュアタン。


「図書館島に行く事を?」


「はい。」


その口調は静かだが怒りを含んでいるようだった。


「何で止めるの?」


訳がわからないと言った感じに言うレヴュアタン。


「貴方はお嬢様の護衛です! 止めるのは当然でしょう!?」


語気を荒げる桜咲。
しかしレヴュアタンはそんな様子を気にもとめない。


「何でお前に言われなきゃなんないの?」


「それは私も護衛だからです。」


「じゃあ君が行けば? 俺めんどいからパス。」


「わ、私は……私などがお嬢様に……「それに俺仮契約してあるし、いざとなったら召喚するだろ。」 な、なんですってーー!!」


レヴュアタンの言葉に驚き叫ぶ桜咲。
何故彼女が仮契約について知っているかと言うと、何時かこのかとしたいと妄想しているからである。
勿論何時でも契約できるように陣の書き方まで記憶しているのだ。


「ま、まさか……口付けなどしていないですよね?」


震える声で聞く桜咲にレヴュアタンは何でもないように言った。


「え? 何で? あれが1番簡単なんだろ?」


事もなげに言うレヴュアタンに桜咲の中の何かが切れた。


「き、貴様ー!! お嬢様の唇を奪っただとー!!!」


叫びながらレヴュアタンに飛び掛かる桜咲。


「ちょ、おま!?」


行き成りの行動に驚くレヴュアタン。
普段の数倍の気で強化した体は見事にレヴュアタンの意表を突き、彼に抱きついた。


「この唇かーー!!」


そう叫びながら桜咲はレヴュアタンの唇に全力で吸いついた。
もうその姿は完全に変態だった。










第十一話










「落ち着いたか?」


口元を拭いながら言うレヴュアタン。


「お嬢様と間接キス……お嬢様と「ふん!」 あだっ!?」


怪しく呟く桜咲の後頭部を殴る。


「何するんですか!?」


「それで? 近衛を止めに行くんじゃなかったのか?」


「そ、そうでした!」


思いだしたかのようにいう桜咲。


「お前が魔法の本はある所まで護衛していけばいいんじゃない?」


「それはダメです。」


真剣な表情で言う桜咲。
何やら余程の理由がありそうだ。


「私の様な者がお嬢様に近づくなど 「あ、そう。じゃあ俺はこの辺で失礼する。」 聞いて下さいよ!」


服の端を掴んで止める。
どうも聞いてほしい様だ。


「はぁ……なんでダメなの?」


仕方なく聞くレヴュアタン。


「私の様な化け物がお嬢様の近くにいていいはずがありません。」


「あ、そう。じゃあ俺はこの辺で失礼する。」


一応聞いたので再び帰ろうとするレヴュアタン。


「最後まで聞いて下さい、それでも教師ですか!?」


帰ろうとするレヴュアタンに縋りながら言う桜咲。


「だってそれ建前だろ?」


「わかりました本当の事を言います!!」


そう言って彼女は密かなたくらみを暴露した。


「私は鳥族とのハーフなんですが、そんな事でお嬢様が私を拒絶するなんてありません。」


言い切る桜咲。


「えらい自信だな。」


「私とお嬢様の絆を見くびらないで下さい。」


どうも長時間ストーカーしてたら、このかがそんな事で差別する子じゃないって気がついたようだ。
そして最も確信に至った理由は、レヴュアタンが悪魔なのに普通に接しているところだった。


「はいはい、じゃあ何で行かないの?」


「折角何年も疎遠になっていたんです、仲直りするならその勢いで一気に最後までいきたいじゃないですか!!」


「今はその時ではないと?」


「その通りです。」


彼女は最良のタイミングを見計らって、その時に一気に決めるつもりのようだ。
恐るべし半デコ。


「あ~じゃあ今こっそりついていけばいいじゃん、図書館島の何処かで危ない目に会った時、さっそうと現れて助け、そんな雰囲気に持って行けば?」


「む……悪くないですね。」


顎に手を当てて本気で考えだした半デコ。


「ほれ、これでスネークしてこい。」


そう言って何処からともなく段ボールを取り出して、半デコに渡す。
その仕草はもう面倒くさい感じ丸出しだった。


「ついでに馬鹿共の様子も時折念話で伝えてくれ。」


「わかりました、では!!」


そう言って半デコは図書館島に入る前からやる気満々で段ボールを被り動き出した。


「ついでにお前も勉強しとけよ! バカレンジャー予備軍!!」


「了解です!!」


既にこの先の起こるであろう事を妄想して興奮した馬鹿半デコは、何を言われているかも気にせずに元気よく返事をして去って行った。
この後ネギが居る事を半デコから聞いたレヴュアタンは、ネギを連れて行いくのは止めとけばよかったと思ったが、魔法が使えない様子だと聞いて無視しておく事にした。
これは魔法の使えるネギだった場合は止めに行くが、レヴュアタンの中で魔法を使えないネギは役に立たないアイテムと判断したからだ。










「まあこんな感じで護衛について行った桜咲から定期的に念話が飛んできているから向こうの様子はある程度わかっている。」


自分と半デコの会話部分を端折って、クラスの皆に昨夜の出来事を説明するレヴュアタン。


「それならば安心はできますが……全く魔法の力に頼るなど、あの方達は! それにネギ先生まで巻き込んで!!」


アスナ達、バカレンジャーに憤慨する雪広。
主にネギを巻き込んだ所が気に食わないようだ。


「さて……お前等、話は変わるがお前等にも当然頑張ってもらう。」


「う~ん、流石にネギ君が可哀そうだし今回は頑張るか。」


「そうだね。」


ネギの為に頑張ると言ってくれる2-Aの生徒達に感心するように頷きながらレヴュアタンは爆弾発言をした。


「やる気があって宜しい、お前等に貸す課題は極めて簡単だ、社会の98点以上、他の4教科はなんと95点以上で良いよ。」


普通に厳しい注文をつけるレヴュアタン。


「もしその基準値を下回る者が居たなら、連帯責任で全員下着姿で踊ってる所を撮ってニヤニヤ動画に投稿するって事で。」


面白そうに罰ゲームまで付けた。


「そんなの嫌だよ!!!」


「鬼!」


「違うよ! 悪魔だよ!!」


抗議の声を上げる2-A。
流石にこれは嫌だったようだ。


「え~……じゃあ今後一切出番なしで。OPの顔写真並んでるとことか、ビーチバレーのシーンや、ネギとキスしそうな感じのシーンも全部Mに差し替えます。」


振りとは言えMと31回キスなどとネギも嫌だろう。


「え~、卑怯だよ。」


先程までではないにしろ上がる抗議にレヴュアタンは簡単に返す。


「嫌なら頑張ればいい。」


「それはそうだけど……。」


正論でもあるだけに強く言い返せない2-A。


「それに万が一馬鹿共が時間内に帰って来れなかったら、此処に居る全員が全教科100点とらなきゃ20位以内は無理だろうしな。」


「ええ! そんなにとらなきゃダメなの!!?」


そこまで厳しいとは思っていなかった柿崎は叫ぶ。
ため息を吐きながらレヴュアタンは言う。


「バカレンジャー+近衛+桜咲、あと誰かが居なくて計8人がいないから……つまり31-8で残り23人。全員が5教科100点とれば勿論平均も100点だ。それで全員の点数を足して2300点の時、クラスの平均点を出す為にそれを31で割ると、1人平均が約74.2点だ。毎回大体の1位の平均が81点位で最下位が69点位と考えれば多分74点なら20位以内に入れるかな? って感じだ。ちなみに平均が1点下がるたびに順位は激しく下がると思え、お前達だけでは最高で74.2点しか取れないんだからな。」


そう言ってクラス全体に危機感を覚えさせるように言うレヴュアタン。
これはもし7人が間に合わなかったらの事だが、レヴュアタンの授業により学年全体の社会の点数が向上しているためにこれよりもさらに厳しくなる可能性は高い為に冗談ではすまない。


「お前等はこれをやれ。」


そう言って彼はBSのソフトを取り出して言った。


「これが出来たら恐らくさっき言ったノルマはクリアできると思うぞ。」


先ほど言ったノルマ点数は、実を言うと7人が間に合わなかった時の最低ラインを彼なりに予想した点数だ。
大体このノルマを越えると1人平均97点で97×23÷31=約72点で20位のボーダーラインのすり切り一杯だ。
もしかするとこれでもダメかもしれない、それ程8人いないと言う事は厳しいのだ。
実際には1人はいないのではなくて見えないのだが。


「わかりましたわ。」


背に腹は代えられないと、渋々ゲームを了承する雪広。
こうして彼女達の2日間は地獄と化した。










―2-Fでの授業(社会)―


「授業始めるから席に着け。」


レヴュアタンはチャイムと共に教室に入って言う。


「起立! 礼! 着席!」


学級委員の生徒の号令で授業は開始された。


「え~と……今日は何処からだったかな?」


教科書をめくりながら言うレヴュアタン。


「今日は神様になる方法を教えてくれるって言ってましたよね!」


待ちきれない感じて言う生徒の言葉に内容を思い出すレヴュアタン。


「ああ、そう言えば次は神様になる方法を教えるって言ったな。」


「楽しみにしてたんですよ!!」


どうも興味があったようでクラスの大半が聞く態勢に入っている。


「あ~はいはい、神様になる方法ね。あれは別に概念的に神様になる訳ではなく、あくまで立場的に神様になる方法だからな。その辺を間違えるなよ。」


レヴュアタンの言葉に聞き入る生徒達。


「まあ言うは簡単だが実際にこの方法が成功した奴は俺の知る限り2人しかいない。」


「誰ですか!?」


驚いたように聞く生徒その1。


「まあ慌てるな、まずは方法だが……それは世界中の人間に神だと認めさせればいいんだ。」


「どうやればそんな事出来るんですか?」


方法が思いつかないように聞く生徒その2。


「う~ん……方法は人其々だが、1番有効とされている手段は1度死んで生き返る事かな?」


「そんなのやっと人いるんですか!?」


「まあ俺の知る限りではキリ○トと、と○だちの2人かな?」


とまあこんな感じで生徒達の興味を引く授業を彼はしていた。





―2-Aでの授業(社会)―


レヴュアタンは無言で教室に入る。
教室内の子供たちは言うまでも無く席についている。
レヴュアタンが中に入っても、誰1人顔を上げる事も無くただ手の中にある物に集中している。
それは携帯ゲーム機のBSだった。
そしてそこに刺さっているソフトは【柿太郎電鉄Ⅹ 魔法世界編もあるばい】 だった。
彼女達はまるで洗脳でもされているかのように黙々と攻略にいそしむ。
丸々一時間がそうして過ぎて行った。





―1-Eでの授業(英語)―


「ハイ皆、俺の後に続いて復唱するように……Is this a window?」


生徒達はレヴュアタンに続いて復唱する。


「「「「「Is this a window?」」」」」


「No,this is a pencil.」


「「「「「No,this is a pencil.」」」」」


「ありがちな英文だな。」


教科書を見ながら言うレヴュアタン。
いやないだろう……確かになんか似ているが。





―2-Aでの授業(英語)―


ネギが居ないためにレヴュアタンがこのクラスの英語の授業を受け持っているのだ。
しかし先程の社会の授業の時間動揺に皆無言でゲームをしている。
ゲーム機に刺さっているソフトは【脳を虐める悪魔のBSトレーニング 英語責め】 だった。
そしてこの時間も一言の会話も無いまま終了した。





土曜日の為に午前で授業が終わり生徒達は帰路に着く。
そのまま日曜日に突入しても彼女達がBSを手放す事は無かった。
そしてテスト勉強とは無縁のレヴュアタンは緩やかな休日を楽しんでいた。
尤も、こいつは毎日5日間のチャージタイムがあるのだが。
そのままゆったりとした休日になるかと思いきや彼は突然呼び出される。










―テスト16時間前・図書館島最深部―


水浴びをしていたアスナ達は再びゴーレムに襲われていた。
ネギは自身で封印していた事も忘れて魔法を使おうとしたが、やはり封印していただけあって使えなかった。
まあこの時使えてたら彼の教師生命は終わっていたかもしれないが。
ゴーレムから逃げる為、アスナ達は急遽出口を探す事にする。
このかは急いで皆の着替えや荷物を取りに行った。


「このままやと不味いな。」


そう言いながら荷物を集めるこのか。
その姿を見ている者が居た……半デコだ。


「キター! これは私の時代!!」


思わず叫ぶ半デコ。
半デコは物陰からずっとストーキング……じゃなかったスネークしてたのだ。
今の様子を離れた本棚の影から見ていた半デコは早くも助けた後の事に意識が言っている。


「召喚、近衛このかの従者レヴュアタン!!」


このかはそこでレヴュアタンを召喚した。


「ちょ! 私の出番が!!」


このかの行動に驚き焦った半デコはそのまま飛び出して言った。


「このちゃ……お嬢様!!」


「え!? せっちゃん!!?」


半デコの登場に驚くこのか。


「ご無事ですか!」


態とらしくこのかの前にひざまずく様なポーズをとる半デコ。


「せっちゃん、何でここに?」


驚きながらも問うこのかに見えないように、フォローを入れろとレヴュアタンに目で合図する半デコ。


「はぁ……近衛、そいつはお前の護衛で何時も影から見守っていたらしいぞ。」


小さくため息を吐きながら言うレヴュアタン。


「そうなん! せっちゃんなんで言うてくれへんかったんや!?」


「お嬢様がさえ無事でいて下さるのなら、私はそれ以上を望みません。」


内心でとんでもない事を望みまくっているにもかかわらず、そんな素振りは全くと言っていいほど感じさせない半デコ。


「うちは……うちは寂しかったんやで、何か嫌われる様な事してもうたんかと思ってんやえ。」


涙目で言うこのか。


「そんな事あり得ません!」


強く否定する半デコ。


「お嬢様。」


「昔みたいに呼んで。」


「このちゃん!」


叫ぶように言う半デコ。


「せっちゃん!!」


感極まって半デコに抱きつくこのか。
その時このかには見えなかったが、レヴュアタンにはバッチリと見えた。
半デコの顔がどこぞの天才みたいに、計画通り……となっていた事を。





「あ~~……いいのか、あっちは?」


言いにくそうにゴーレムの方を指差し言うレヴュアタン。


「あ! そうやった!!」


思いだしたかのように言いながら抱擁を解くこのか。


「チッ!」


抱擁が解かれた事に小さく舌打ちする半デコ。
言うなよ、と目線でレヴュアタンを責める。


「あ、俺が片してくるからお前等は続けとけ。」


引き気味にそういってレヴュアタンは1人ゴーレムに向かった。
面倒なのでレヴュアタンはゴーレムに向かって歩きながら指を突き出す。


「五式レーザー砲。」


その言葉と共に指先からレーザーが飛びさしてゴーレムに直撃した。
着弾したレーザーはゴーレムの上半身を吹き飛ばす。
どうでもいいけどレヴュアタンのレーザーは百八式まである。
威力は一式で爆竹程度、百八式でナッ○の挨拶程度だ。


「ええ!?」


「あ! レヴュアタン先生!!」


行き成りゴーレムが吹き飛んで事に驚いたがすぐにレヴュアタンの姿を確認してアスナ達は安堵した。


「お~い、お前等無事か?」


気の抜けたような声で聞くレヴュアタン。


「何とか無事です、助かりました。」


そう言うのは綾瀬だ。
しかしその綾瀬を押しのけるように慌てた様子でネギが聞いて来た。


「レヴュアタン先生! 何ですか今のは!?」


どうもレヴュアタンの放ったレーザーが彼の驚きを誘ったようだ。


「あれはCGだよ。」


事もなげに言うレヴュアタン。


「そうなんですか~……僕CGって初めて見ました。」


CGをよく知らないネギは簡単に騙される。


「ああ!? 魔法の本が燃えてる!!?」


「そんな~!!!」


アスナと佐々木が悲痛な声あげながら見る先にはゴーレムと一緒に吹き飛んだ本の一部が燃えていた。


「どうするアルか!?」


「あれがないと試験がダメになるです!!」


叫ぶ古菲と綾瀬。
何か暗い雰囲気が漂い始めたので自分のせいにされないよう、レヴュアタンは態とらしく芝居をしておいた。


「すまない……折角お前達が苦労して此処まで本を取りに来たのに、お前達を速く助けねばと焦って攻撃した結果がこの様だ。」


済まなそうな顔で言うレヴュアタン、もちろん演技だ。


「先生は悪くないでござるよ。」


「そ、そうよ! 私たち此処勉強してたんだから、あんな本なんてなくても大丈夫よ!!」


長瀬とアスナの声に頷く一同。
その言葉を聞きながらレヴュアタンが小さくガッツポーズをとっていたのは言うまでもない。





「じゃあ俺先に帰るわ。」


事もなげに言うレヴュアタン。


「でも帰り道がわからないんです。」


「大丈夫だよ、滝の裏に出口があるから。」


そう言ってレヴュアタンは皆を置いて先に帰って行った。
その後ようやく再会の挨拶を済ませたこのかと半デコの2人が戻ってきた。
その時2人の手に仮契約のカードがあった事は気にしてはいけない。
その後服を着たアスナ達も帰った。
所々に壁の様なものがあったが、全て爆発したように壊れていたので問題なかった。
その後、彼女達は寮に戻り徹夜で最後の追い込みをすることにした。










次の日の朝、レヴュアタンからアスナ達の帰還連絡をもらっていた雪広が一応様子を見に行くと、案の定寝ていたアスナ達は叩き起こされ教室に連れて行かれた。
そのおかげで遅刻はしないですんだのだが、彼女達は眠気を完全に取り払う事が出来ずに彼女達はテストを受ける事になった。
その様子を廊下から見ていたネギはアスナ達の眠気を覚ますために魔法を使おうとした。


「トゥース!」


「あだっ!?」


しかしその時ネギの頭を後ろから衝撃が襲った。
レヴュアタンが妙な掛け声とともにネギの後頭部にエルボーをかましたからだ。
何故彼がそんな事をしたかと言うと彼がチートは認めない男だからだ。
かけるなら平等に全生徒にかけるべきだと思っている。


「何するんですか!?」


後頭部を押さえてレヴュアタンに怒るネギ。


「悪い悪い、ちょっとつまずいてね。」


悪びれることなく言うレヴュアタン。


その時教室の扉が空き、中から試験管の先生が注意をしてきた。


「先生達、テスト中ですから向こうに行っていて下さい!」


「すいません。」


「はいはい。」


頭を下げるネギと、適当に返すレヴュアタン。
2人は廊下を後にし職員室に戻った。
その後もアスナ達は眠気と闘いながらもテストを受けきったのだ。










そしてクラス成績発表日。
放送部はやる満々でスクリーンまで用意している。
一部では食券を賭けている奴等もいるようだ。
どこぞの悪魔は余程結果に自信があるのか2-Aの1位に3000枚賭けていた。
そしてついに発表が始まった。


<<2年生の学年平均点は75.6点! 通常の平均点と比べてやや高いですね。全体的に社会の点数が高かった事が原因でしょう。――では第2学年の成績を良い順に発表しましょう!>>


まずは第1位からの発表のようだ。


<<第1位――2年A組!! 平均点87.0点!!>>


「「「「「やったー!!」」」」」


「おめでとうネギ君!」


「おめでとう!!」


発表と共に巻き起こる歓声。
2-Aの生徒達は次々にネギに祝いの言葉を述べる。
そのままネギを胴上げして祝賀会に突入しとていったのだ。










教師の1人が喜んでいる生徒達に近づいて告げた。


「桜咲、お前補習だからな。」


そう言って教師は去って行った。
そして馬鹿ホワイトが誕生したのである。




余談であるが2-Aの生徒達の成績は。
図書館島に行っていなかった生徒達だけの平均を計ると97点だった。
図書館島に行っていた8人の成績を足す。
それに神楽坂アスナ75点。
綾瀬夕映69点。
長瀬楓63点。
古菲68点。
佐々木まき絵68点。
近衛このか94点。
桜咲刹那29点。
相坂さよ0点。
もし見えれば馬鹿クリアが誕生していたかもしれない。
いや、そもそも彼女は馬鹿なのか?
それはわからないが一つ言える事は、彼女としてはバカレンジャーでも何でもいいから皆に見えるようになって欲しいだろう。










おまけ


Mは完成した縄製のブランコの輪の部分に、何故か首を入れて台から飛んだ。


M(マダオ)の大冒険(就職活動)vol.6「M(マダオ)逝っきま~す!」










あとがき

お久しぶりです。
この度板を移させて頂きました。
刹那が変態になりました。
以後モノローグでは刹那は半デコと呼ばれます。
ではまた次回。


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