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[12339] 魔法少年リリカルなのは【完結】
Name: むだーい◆df05c8c0 ID:64a3d011
Date: 2009/10/26 22:01
-前書き-
 なのはとはやてのgdgd話。
 二人は親友、そしてお互いを餌に自分だけ助かろうとする日常。
 雑談ネタに、魔法使いになってからの事を話す。


-ひとこと-
 おまけのSts編追加。
 この2人が、管理局に就職する事自体、あり得ないと思うんで、タイトルをあり得たかも知れないにww
 思いついたネタは、スバルライダー、スカ山と知り合いの2つ。
 ついでなんで、解決編もサクッと入れてみました。
 これで、本当に終りです。
 お疲れ様でした。


-更新記録-
09/09/30
 タイトル未定のため、ネタとしてUP
09/10/01
 タイトル決定&板移動
 新規:その2
09/10/02
 修正:その1
 新規:その3
09/10/05
 新規:その4
09/10/10
 新規:その5
09/10/12
 新規:その6
09/10/13
 修正:その5
 修正:その6
 新規:その7
09/10/15
 修正:その7
 新規:その8
09/10/17
 修正:その2
 修正:その3
 修正:その8
 新規:その9(A's)
09/10/20
 新規:その10(A's)
09/10/26
 新規:あり得たかも知れないSts編



[12339] その1
Name: むだーい◆df05c8c0 ID:64a3d011
Date: 2009/10/02 21:30
 私、高町なのは。
 私立聖祥大附属小学校に通う小学3年生。
 ここ高町家では、3人兄妹の末っ子さんです。
 このように、私はどこにでもいるような普通の男の子です。
 ただ、家族はちょっと普通じゃないですけど。
 見た目年齢と実年齢が、全く噛みあわない不思議な両親。
 この2人に、老いというものは存在するのでしょうか?
 また、オリンピック選手もビックリ、瞬間移動にしかみえないものを可能とした、人としておかしい武術を極めようとしている、兄と姉。
 お稽古に真剣を使う姿をたまに見かけるのですが、兄妹で殺し合いですか?
 こんな家族ですが、私は皆が大好きです。
 でも、ずっと前から思っていること・・・・家族でただ1人の一般人たる私は、どうすれば良いんでしょう?
 思いっきり私だけ浮いてます。

「嘘言っちゃいかんよ、自分。
 さっき魔法使いになったって言ったやん。
 一般人は魔法使いちゃうで」

「うーーん。
 でも、私の家族と比べたら、魔法使いでも一般人と変わらないと思うの」

「その台詞、正真正銘の一般人の私から反論させてもらうわ。
 黙れチート一家」

「酷いの。
 チートは、私以外の家族だけだって」

「そこは、今度話そう。
 で、魔法使いになってからなにがあったの。
 とりあえず、主人公なのはちゃんの魔法使いミッション開始まで聞いたけど・・・・成果あったの?」

「うん、それはね」

 この前の日曜日、サッカーの試合があった日。
 はやてちゃんが仮病で逃げ出した・・・・私を裏切った日。
 にはは、次は絶対に生け贄にしてやるの。
 お姉ちゃん辺りを一緒に連れて行って・・・・知らなかったのか、魔王からも逃げられない。
 ちなみに、この場合の大魔王はお母さんです。

「裏切ってへん。
 あの日はちょっと・・・・布団干さなきゃならない日で。
 朝早くから、1人で健気に頑張ったんだけど、ちょっと頑張りすぎてね。
 やっぱり体が弱いのに無理するのはあかんな。
 ってか、親友を生け贄にするな」

「だからこそ、当初の予定通りにウチに来れば良かったの。
 そして、私の代わりに、お母さんとお姉ちゃんの玩具になると良いの。
 ああ、看病されると置き換えても良いよ。
 不登校児だから、布団は平日にゆっくり干せば良いの」

「だが断る。
 大っきいのは正義だが、力関係的に私の方が弱すぎるんで、一方的に玩具にされるだけや。
 そこは、息子で弟のあんたが玩具になるべきだ。
 なに言ってるの、布団は日曜日に干す物や」

「それこそ断る。
 玩具にされてる間は、私の行動が制限されすぎで、途中で止めることも出来ないから・・・・ぶっちゃげ、そんな暇があるならゲームしたい。
 じゃあ、今度は平日に連行するの」

「さらに断る。
 私もゲームの方がええ。
 やっぱ、布団を干すのは平日でもええかな・・・・ってか、いい加減、続き話して」

 私のお父さん、高町士郎さんがコーチ兼オーナーをしている翠屋JFCの試合の日。
 試合に参加しない代わりに、アリサちゃんとすずかちゃん、皆で応援することで納得してもらった。
 ってか、私はサッカークラブに所属してないから、元々試合は関係ないけど、お父さんが私と一緒にサッカーがしたいって五月蠅いんだよね。
 正直な話、バスケが良かったです。

「ああ、安西先生ってやつな」

「うん、それもある」

 試合は無事、翠屋JFCの勝利。
 勝ったお祝いって事で、翠屋を一時的に貸し切ってお食事会。
 試合終わった後すぐだったから、店内が少し汗臭くてちょっと困った。
 で、私とアリサちゃんとすずかちゃんは、避難するようにお外でお茶会。
 空気の入れ換えとかすれば、気にならなくなるけど、私達応援したけど試合は参加してないし、店内に居づらいな・・・・ってのもあった。
 机の上には、アイスコーヒーとショートケーキ、それにユーノ君。

「ちょっ、おまっ。
 ユーノ君って、お供の小動物やなかったっけ?
 一緒にクロウカードを集めているケルベロスのユーノ君」

「それ全然違うから。
 喋れるフェレットのユーノ君。
 ちなみに雑食。
 人間の食べる物、なんでも食べるよ」

「それはどうでもええ。
 なんでケーキと一緒に皿にならべてんの?
 まさか、食べたんか?
 パクッと・・・・生で」

「ならべてないし、食べてない。
 机の真ん中に置いただけ・・・・生け贄として」

 ユーノ君を生け贄として、アリサちゃんとすずかちゃんに渡したおかげで、私は1人ゆっくりとケーキが食べれたの。
 アリサちゃんとすすがちゃんが、ユーノ君を気に入って弄くり回してたから、ユーノ君の悲鳴が聞こえてたけど、そこはスルーで。
 それに2人のケーキも、少しだけちょろまかしたけど、ばれてなかった。
 これもユーノ君が自身をかえりみず、囮になってくれたからなの。
 あと、サッカークラブのゴールキーパーが、彼女持ちのリア充だったから、一瞬だけ死ねばいいのにって思ったね。

「それ、なのはちゃんが言って良い台詞じゃないやろ。
 ってか、自分で生け贄にしたくせに、いつの間にユーノ君自ら囮になった事に変わってるの?」

「周りから見たら、私もリア充だと思われてるけど・・・・彼女いないよ」

「彼女はね」

 連日の魔法使いとしての活動で疲れたから、家に帰って一眠り。
 着替えの時、なぜかユーノ君が慌てて後ろ向いてたけど、なんでだろ?
 男の子の着替えを覗いて、嬉しいのかな?

「そりゃ、なのはちゃんの生着替えに欲情したからじゃないの?」

「ユーノ君、オスだよ。
 あと、フェレットって同姓の、しかも人間に欲情できるの?」

「そこは知らん。
 でも、なのはちゃんが男の子って知ってても、急に目の前で着替えられたら、私でも慌てるわ」

「そこは同意。
 私も、急にはやてちゃんが目の前で脱ぎだしたら慌てるの」

「「見た目だけは、女の子にしか見えないからね」」

 そして、私の眠りを妨げた事件発生。
 五七五の俳句で例えるなら。

 町中で 大きな木が そびえ立つ

 人間がジュエルシードに願いを込めたから、ここまで被害が大きくなったんだって。
 人間が使ったとき、一番大きな力が発言するって、ユーノ君が言ってた。
 あとジュエルシードって、劣化版ドラゴンボールだって思えば良いよ。
 しかも、使ったら暴走する。

「ああ、あれな。
 で、町中に木を生やすって、どんな願いなん?」

「地球温暖化問題とか?
 CO2削減したいって願いとか?」

「うわー、その人・・・・地球に優しいんやな。
 でも、暴走しちゃ駄目やん」

「私も、それ思った」

「それからそれから?」

 ユーノ君のアドバイスを元に、エリアサーチとか言う魔法でジュエルシードを探索した。
 私の持っているデバイス、レイジングハートはインテリジェントデバイスとかいう意志を持ったデバイス。
 意志を持つ為、その場の状況判断をして魔法を自動起動させたり、主の性質によって自らを調整したりする。
 その上、人工知能を有しているためかインテリジェントデバイスは会話・質疑応答も可能なの。
 意思疎通出来れば、魔法の威力や到達距離の強化や同時発動数の増加、無詠唱での発動、魔導師との同時魔法行使など、実用性を超えた高いパフォーマンスが期待できる。
 1+1を5にも10にもする可能性を秘めている、それがインテリジェンスデバイス・・・・なんだけど、私って魔法のこと全然知らないから、魔法は全てレイジングハート任せ。
 私は魔力だけを提供してるだけ。
 つまり、1+1じゃなくて、0+1で5とか10とかにしなきゃならないレイジングハートが大変なの。

「ぷっ。
 それ、ある意味主従逆やん。
 ってか、なのはちゃん、足引っ張りすぎ。
 自称魔法使い乙」

「しょうがないの。
 ユーノ君から基礎的な事はならいだしたけど、日が浅すぎて、全く理解出来てないの。
 だから、私が望んだ魔法をレイジングハートが組み立てて使ってるの」

 大木相手に、ユーノ君は接近するしかないって言ってたけど、それ断ったの。
 ぶっちゃげ、接近戦とか嫌すぎる。
 私の理想は、相手の射程外から一方的に蹂躙する方が好みなの。
 出来れば一撃必殺が安心できるの。

「それ私もや。
 痛いの嫌い。
 なのはちゃんの意見に賛成やで」

 そこで急遽、レイジングハートが遠距離魔法を作ってくれたの。
 仕組みは簡単。
 魔力を溜めて、放出するだけ。
 なんか、私の魔力って馬鹿みたいに無駄に多いから、適当に溜めて撃っちゃえば、それだけで一撃必殺の威力を持つんだって。
 しかも、バカスカ撃てる・・・・って、レイジングハートが言ってた。
 本来なら私がする事もレイジングハートが代わりに行ってるので、本来消費する以上の魔力を使って無駄が多いっても言ってた。

「うわっ、驚異のチート出現。
 流石チート一家、高町家の子供。
 今まで眠っていた力が目覚めた」

 ああ、そうそう。
 なんでか、ジュエルシードがある場所に、サッカークラブのリア充キーパーと彼女さんがいたけど・・・・気にしないことにして撃っちゃったぜ。
 決して、彼女持ちが羨ましいとかじゃないんだからね!!

「さっき一撃必殺とか言ってなかった、自分。
 死んじゃった、リア充キーパー?
 ついでに、不幸にも巻き込まれた彼女さんも」

「非殺傷設定とか言う機能が付いてるから、痛みはあっても怪我しないんだって。
 あと、ガンシューティング得意だから、彼女さんだけはギリギリで当たらないように狙って撃った。
 だから大丈夫・・・・なはず」

「魔法って凄いんやな。
 ってか、彼女さんにも当たったんやな」

「でもさ、痛みはあるんだよ。
 私が使っててなんだけど・・・・ショック死ってしないの?」

「・・・・そこは魔法やし、なんとかなるんじゃないの。
 ってか、子供が主人公の魔法物って、主人公の攻撃で死ぬ人っていないから大丈夫でない?」

「大丈夫だよね」

「まあ、実際死んだ人がいても、下手人はなのはちゃんで、私じゃないしね」

「それ、親友の台詞?」

「じゃあ、私となのはちゃんの立場が逆だった場合。
 なのはちゃんならどうする?」

「ん~・・・・面会には行くよ」

「どっちもどっちやん」

 私が・・・・私が・・・・ジュエルシードが発動する前に気づいてれば、こんな被害はなかったと思う。
 でも、発動前って、ただの綺麗な石ころだから、私には見つける方法が思いつきません。
 レイジングハートがドラゴンレーダーのような、ジュエルレーダーって作れないんでしょうか?
 あと、リア充キーパーと彼女さんですが・・・・ボロボロの町中を、2人仲良く抱き合って帰ってました。
 ちょっとリア充キーパーが、足を引きずっているように見えたけど、気のせいと言うことにしておきます。

「まあ、彼女持ちやしな」

「うんうん」

 と言うことで、今日の物語はこれまで。
 新たに遠距離魔法を言う力を身につけた、小学生魔法使い。
 不幸にもジュエルシードに巻き込まれた被害者のことを考えると、ムカムカと胸が痛いの。
 私も彼女さんが欲しい・・・・じゃなくて、二度と被害者を出さないという誓いを胸に、私頑張ります。
 まあ、新しく話せそうなネタが出来たら、また続き話します。
 魔法少年リリカルなのは。
 皆も、応援よろしくなの♪

「じゃあ、話が終わったことで、ゲームでもしよか?」

「うん。
 ボッコボコにしてやるの」

「ふっふふ・・・・不登校児をなめるなよ。
 なのはちゃんより、ゲームしてる時間長いで」

「ゲームの腕は量じゃない。
 質が大事なの」






[12339] その2
Name: むだーい◆df05c8c0 ID:64a3d011
Date: 2009/10/17 09:47
 平凡な小学校3年生のはずだった私、高町なのはに訪れた突然の事態。
 受け取ったのは勇気の心、手にしたのは魔法の力。
 魔法が導くその出会いは偶然なのか運命なのか。
 今はまだ、分からないけど・・・・魔法少年リリカルなのは、始まります。

「うん?
 今日も、そんな感じで始めるの?」

「えっと、アニメだとこんな感じで始まらない?」

「まあ、アニメならね。
 別に映像作品とかじゃないし、私との雑談のネタ話でしょ?
 必要ないんじゃない?」

「ええーーーっ。
 それ断る。
 私は魔法使いになったから、主人公なんだよ」

「まあな、小学生が魔法の力に目覚めるって・・・・まさに、主人公やな」

「ただし、今日までなの。
 私、主人公からおろされたの。
 ユーノ君に騙されたの!!」

「へっ?
 騙されたって。
 実は魔法使いじゃなかったとか?」

「いや、魔法使いは魔法使いなんだけど・・・・じゃあ、続き話すね。
 主人公から下ろされた真相は、それで分かるから」

「うい」

 日曜日。
 すずかちゃんにお茶会のお誘いを受けたので、付き添いのお兄ちゃんと一緒に月村家に行きました。
 まあ、付き添いとか言ってるけど、お兄ちゃんはお兄ちゃんの目的があって月村家に行くんだけどね。

「リア充やな」

「うん、私のお兄ちゃんだけど・・・・素でギャルゲーの主人公になれるからね」

「ああ、それ私も思うわ。
 恭也兄さんって、前髪で目を隠せば、まんま主人公やない?」

「うんうん。
 流石はやてちゃん、よく分かってる」

「だってな・・・・同性の私でも、たまにドキッとする時あるし。
 なんて言うか、無意識でイベントシーンを全て回収するチート?
 ちなみに私のイベントシーンは、お姫様抱っこやった。
 車椅子から落ちようとしたときに、いつの間にか抱きかかえられてた」

「ああーっ、それ分かる。
 お姉ちゃん相手でも、絶対にきっちりとフラグ回収してると思うし。
 私の場合は、ソファーで寝ぼけたときに抱きついたやつかな?」

 私とお兄ちゃん、ユーノ君はバスで月村家に出発。
 独り身のお姉ちゃんは、お家にお留守番。
 天気の良い日に引き籠もりとは・・・・良い休みだね。
 はやてちゃん、お姉ちゃん貰ってくれない?

「美由希姉さん本人が、ショタって事実に事に耐えれるなら」

「大人になれば、年齢差くらい気にならなくなるんじゃないの?」

「大人って・・・・私が大人になるまで、あと何年必要だと思ってるの?
 それまで美由希姉さん、独り身決定?
 酷い弟やな」

「何と言うか、お兄ちゃんがお姉ちゃんルートを外れた時点で、ちょっとやばいかなって思ったから。
 今なら、翠屋の2代目の椅子が、おまけに付くよ」

「2代目って自分やん」

 月村家に到着したなのは達を迎えてくれたのは、メイド長のノエルさん。
 無口だけど、美人でかっこいいの。

「うんうん、私としては、メイド服に隠れたおっぱいが気になる」

「年齢的に、まだ大丈夫だと思うけど・・・・成長してから、そんな事ばっかり言ってると駄目だと思うの」

「大丈夫、私は少年の心をいつまでも忘れん」

「大人になって、それやってたら捕まるの」

「問題ない。
 無理矢理やったら犯罪や。
 相手が納得してるなら無問題」

 お茶会の場所で私達を迎えてくれたのは、アリサちゃんとすずかちゃん。
 すずかちゃん専属のメイドのファリンさん。
 それと、お兄ちゃんの彼女さんの忍さん。

「そういやさ、ファリンさんって学校行ってるの?」

「・・・・私は知らないの」

「見た感じ、高校生位じゃないの?
 なのはちゃんの両親みたいなチートなら、既に成人してると思うけど」

「とりあえず、年上だけど可愛いお姉さんって事で問題ないんじゃない?」

「そやね」

 そうそう、お兄ちゃんと忍さんはラブラブだけど、私とアリサちゃんやすずかちゃんは普通の友達だよ。
 何となくだけど、大人になっても・・・・ずっと友達でいられると思うんだ。
 付き合うとか言う話は、出てこないと思う。
 アリサちゃんとすずかちゃんは知らないけど。

「百合やな。
 私も、なんとなくだけど、そんな感じはしてたんや。
 すずかちゃんが行動に移して、アリサちゃんは・・・・断れなくて、そのままズルズルと」

「すずかちゃん、少女漫画好きだしね。
 しかも、ちょっと少女漫画とか言って良い物か分からない奴が」

「ああ、少年誌だと、絶対に青年誌の方に移される奴な。
 もしくはビニールに包まれた奴」

「うん、私とアリサちゃんは、その趣味にはついて行けないんだけど・・・・アリサちゃんでも止めれないんだ。
 まあ、この場合の被害者は私じゃないから気にしてないけど」

「・・・・これが若さか」

 お茶会が始まって、ファリンさんのドジとか色々あったけど、私が最初に気づかなければ行けなかったことが1つ。
 ネコ屋敷のすずかちゃん家に行くのに、対策も立てずにユーノ君を連れて行ったこと。
 ユーノ君が、子猫に追いかけられた。
 ついでに、ジュエルシード発動。

「ぶっ!!
 なに、そのご都合主義」

「いや、私に言われても」

「なあなあ、劣化版ドラゴンボールが暴走した結果を予想して良いか?」

「いいよ」

「そうやな・・・・すずかちゃん所はネコ屋敷やから、ネコが使って暴走。
 頭が3つあるネコ版の地獄の番猫ケルベロスが暴れ出した。
 ぎゃおーって。
 もしくは、ネコが集まって合体巨大化」

「ファイナルアンサー?」

「ファイナルアンサー」

「・・・・・・・・・・・・残念」

 庭の森の中に現れたのは・・・・巨大な子ネコ。
 木々よりも大きな子ネコが、森の中を歩いているだけだった。
 ユーノ君が言うには、子ネコの大きくなりたいという願いが、正しく発動した結果とのこと。

「をぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉい!!
 なんやの、それ!!
 暴走する話やなかったんかい!!」

「いや、私に言われても」

「子ぬこが巨大化するだけやなんて、誰も予想がつかんわ!!」

 巨大な子ネコを元に戻すため、セットアップしようとしたんだけど、遠くから魔法攻撃が子ネコを襲ってきたの。
 慌ててセットアップを終わらせ、魔法攻撃から子ネコを守った。
 ちなみに、ユーノ君は草むらに隠れてただけだったの。

「ぷっ、マスコットキャラなのに近くにいない」

「やっぱり、子ネコに追いかけられたのが記憶に残ってると思うの」

 魔法攻撃が飛んできた方向から現れたのは、1人の魔法少女。
 黒いレオタードの腰にパレオを巻いて、背中にマントを付けた外人さん。
 一言で言えば、綺麗な女の子。
 私と同い年くらいだった。

「・・・・魔法少女?」

「魔法少女です」

「・・・・ぷっ。
 って事はあれか?
 自分、主人公じゃなくて、その女の子が主人公なんか?」

「・・・・たぶん。
 だって、あっちは魔法少女だから。
 しかも、ジュエルシードを集めてるっぽい」

「ははーん。
 なのはちゃんは、その子の当て馬か。
 つまり、その子のジュエルシード集めを邪魔せなあかんと言うことか?」

「うん。
 ユーノ君に協力するって約束してるから」

 金髪の魔法少女は、有無を言わさず襲ってきた。
 大胆な格好だったからって、じっと眺めるのは駄目だったかな?
 流石に写メは遠慮してたんだけど、魔法少女は男の子の視線に敏感なんだね。
 とりあえず、凹られてジュエルシードも持って行かれた。

「まあ、しかたないやろ。
 警察に連絡されへんだけでも、ありがたく思っとき」

「警察って」

「ん?
 実際、どこを見とったの?」

「・・・・いや、その・・・・ね。
 男の子だし、しょうがないよ」

 気絶した私が目覚めたのは、月村家のベットの上。
 ユーノ君を探してて転んだって・・・・少しだけ嘘を話した。
 みんなに凄く心配をかけてしまって、ごめんなさいの気持ちで一杯で。

「言えへんやろな。
 視姦してて、凹られたって」

 その夜、ユーノ君から聞いた話。
 金髪の魔法少女は、ユーノ君と同じ世界の住人らしい。
 ジュエルシード集めを続けると、またあの子とぶつかるんだ。
 不思議なほどに怖くはなくて、だけど・・・・なんだか悲しいような、そんな複雑な気持ちで。

「恋やな。
 凹られた快感が、忘れられへんのやろ」

「・・・・私、変態さんじゃないの。
 ただ、凹られてる時、あの子の目が」

「凄いな。
 凹られても視姦してたんや」

「いや、今のは真面目な話。
 あの子の目が、気になってね」

「話変わるけど、なのはちゃんの戦闘装束って、どんな感じ?」

「戦闘装束って言ってるけど、正確にはバリアジャケット。
 ぶっちゃげ、学校の制服に似てる・・・・女の子の」

「・・・・なんで?」

「最初変身した時って、襲われてて慌ててたから、急に服装のこと言われても思いつかないし、学校の制服が思い浮かんだんだ。
 その時は、男と女の両方を思い浮かんだんだけど、レイジングハートが女の子の制服を採用しちゃって。
 しかも、簡単には変更できないって・・・・だから、女の子の制服っぽいバリアジャケット着てる。
 まあ、追加でスパッツ加えたけど」

「・・・・なのはちゃんの見た目が女の子だから?」

「うん。
 レイジングハートから、女性が女性物の服を着るのは当然でしょうって言われた」

「・・・・ガンバ」

 今日の物語はここまでなの。
 私が主人公かと思ってたけど、主人公は別にいた。
 目の前に現れた、大胆な格好でジュエルシードを狙う魔法少女。
 彼女はなにを思い、それを集めるのだろう。
 そして、位置的にジュエルシード集めのライバルとなった私の未来は・・・・やっぱり、タイマンで戦ってボロ負けになるのだろうか?
 または、色々あって彼女の仲間になり、別の敵が出てきて

「ここは私に任せて、あなたは先に行って。
 大丈夫、私は後で追いかけるから!!」

 と、死亡台詞を言うことになるのだろうか?
 ちょっと、自分の未来が心配なの。
 魔法少年リリカルなのは。
 皆も、応援よろしくなの♪

「話が終わったことで、今日はなにする?」

「・・・・やっぱ、ゲーム?」

「う~ん、それしかないかな。
 格闘物は、この前やったし」

「シューティングゲームで、協力プレイしよう」

「それでええか。
 さて、私についてこれるか?」

「なに言ってるの!!
 そっちがついてくるの?」






[12339] その3
Name: むだーい◆df05c8c0 ID:64a3d011
Date: 2009/10/17 09:47
 平凡な小学校3年生のはずだった私、高町なのはに訪れた突然の事態。
 受け取ったのは勇気の心、手にしたのは魔法の力。
 擦れ違う想いと、繋がらない言葉。
 繋げるために出来る事は、戦う事しかないんでしょうか。
 魔法少年リリカルなのは、始まります。

「はーい、本日で3回目。
 ぶっちゃげ、3日坊主で終わるなら、今回でラストになるんかね?」

「いや、まだ魔法使い続けてるから終わらないの」

「ふ~ん。
 まっ、良い暇つぶしになるし・・・・私へのネタ提供を頑張ってくれたまえ」

「うい。
 じゃあ、さくさく進めるの」

 時期は連休。
 ちょうど、はやてちゃんが検査入院してた時ね。
 喫茶翠屋は年中無休ですが、連休の時などには、お店を店員さん達にお任せして、ちょっとした家族旅行などに出かけたりもします。
 責任者が数日不在ですが、店員さん達が頑張ってくれます。
 勿論、お給料もちょっとだけ上乗せしてるみたいです。
 今回は、なのはのお友達一同と、お兄ちゃんの彼女さんの月村忍さん、そして月村さん家のメイドさん達も一緒です。

「つまり、恭也兄さんハーレムやな」

「ノエルさんは分からないけど、ファリンさんは・・・・まだ攻略ルートに入ってないと思う。
 ちなみに、車の別れ方は、忍さんとお兄ちゃんとノエルさんとファリンさんが一緒だった」

「やっぱり、ハーレムやん。
 確かに、ファリンさんは微妙だけど、恭也兄さんならやってくれる。
 出来る男だと・・・・私は信じてる」

「う~ん、ファリンさんが入ると、すずかちゃんが一緒に入るんじゃないの?」

「すずかちゃんが入ると、自動的にアリサちゃんもか。
 流石恭也兄さん!!
 弟の友達を喰っちまうとは・・・・そこに痺れる憧れるぅ!!」

「まあ、実際は無理だと思うけどね。
 何となくだけど、忍さんって強そうじゃない?」

「あー、それがあったか。
 恭也兄さんが浮気したら、人としてアウトになる所まで人体改造されそうやな」

 近場で2泊、のんびり温泉につかって日頃の疲れを癒そうとする、高町家の家族旅行としては、いつものプランです。
 途中、ユーノ君から旅行中くらいはゆっくりするように言われるけど・・・・そんなの当たり前なの。
 ただ、あの子が・・・・金髪の真っ黒な魔法少女のことが少しだけ気になる。
 あの子とあった後、1つもジュエルシードが見つかってないけど、そもそも発動が感知出来てないから見つかるわけないの。

「・・・・やっぱり、凹られた時に恋したんや」

「そのネタは、もういいから」

「なんや、つまらんの。
 じゃあさ、前言ってたジュエルレーダーってのは出来た?」

「無理だって。
 今まで通り、発動してから見つけるしかない状況」

「ふ~ん、それってさ。
 確実になんらかの被害が出るって事だよね?」

「うん」

「魔法少女の活躍に期待やな」

「そだね」

 とりあえず、当初の予定通り。
 この2日間は、なのはも年相応にお子様らしく、めいっぱい遊んでしまおうと思います。

「つまり、いつも通りって奴やね」

「そうそう、いつも通り」

 旅行と言えば温泉。
 宿に到着したら、速攻でお風呂に入りました。

「で、どっち入った?」

「男湯。
 ってか、3年生で女湯入ったら、駄目でしょ」

「なのはちゃんなら、下隠せば絶対にばれないと思うよ」

「はやてちゃんもね。
 ばれるばれない、それ以前にアリサちゃん達も一緒だから無理だと思う。
 お母さん、お姉ちゃんに忍さん辺りだったら問題ないと思うけど。
 まあ、一緒に入るなら家族湯にしなきゃね」

「そやね」

「女湯には、ユーノ君を渡しといた。
 私の代わりって言って。
 なんか、きゅーきゅー鳴いてたけど・・・・全然気にしない事にしたんだぜ。
 だぜだぜ」

「今回の生け贄は、マスコットのユーノ君かいな。
 まあ、だとうやね。
 下手したら、無理矢理連れ込まれるしね、なのはちゃんが」

「ちなみに、はやてちゃんが一緒に行ってた場合は、はやてちゃんを渡すから」

「逆や。
 私が、なのはちゃんを美由希姉さん達に渡すんや」

「違うの!!
 私が渡すの!!」

「そっちが生け贄になるんや!!」

「「むーーーっ!!」」

「ま、まあ・・・・今回は家族湯はなかったから、生け贄は必要なかったけどね」

「そやね。
 不毛な争いは、ここまでにしとこう」

 お風呂から上がったら、私はアリサちゃんとすずかちゃんと宿の探検に出かけたんだけど・・・・ここで重大な事を1つ。
 忍さんが温泉に残った状態で、お兄ちゃんとノエルさんが2人っきり。

「イベント回収やな」

「だよねー」

 探検中に、知らないお姉さんに話しかけられた。
 とりあえず、はやてちゃん好みのおっぱいだったの。
 私の目の前で、揺れてたし・・・・なんだかいろいろ言ってたけど、知らない人だったから全然聞いてなかったの。
 後でユーノ君から、あのお姉さんに念話で話しかけられたって聞いたけど、正直無視してました。
 非通知は拒否ってます。

「なんや、拒否れるんかい?」

「さあ?
 とりあえず、聞いてなかったから拒否ったって言っただけ」

「それにしても、ほんまに良いおっぱいだったんかい?」

「うん。
 浴衣の胸元が緩かったし、何でか私の目の前で笑ってたから・・・・良く見えました」

「くはーーーっ!!
 検査サボれば良かったわ」

 夜はファリンさんに本を読んで貰いながら就寝予定。
 私が真ん中で、右にアリサちゃん、左にすずかちゃん。
 すずかちゃんに場所を変わろうかって聞いては見たんだけど、そのままで決定したの。

「百合か」

「うん。
 一応、聞くだけ聞いてみたの」

 で、ジュエルシード発動。

「またかいっ!?」

「うん、アリサちゃんとすずかちゃんが寝たのを確認してから、少しだけユーノ君とお話ししてかたら、私はまだ寝てなかったんだ」

「なんて言うか。
 すっごい、ご都合主義やね」

 現場に到着した私が見たのは、封印されたジュエルシードと、この前の魔法少女。
 それと昼間のお姉さん・・・・なぜか犬耳と尻尾が付いてたけど。

「コスプレ!?」

「違うの。
 あの子の使い魔さんだって。
 すぐ獣状態に変身したから・・・・牙が長くて、噛みつかれたら痛そうだなって思ったの。
 あと、獣状態は、全然色っぽくないの」

「残念や」

 お姉さんが獣に変身した後、驚いてる私を放置したまま、ユーノ君が勝手に話を進めて、戦闘に突入。
 ユーノ君がお姉さんを連れて、転移魔法って奴で私と魔法少女を置いて、離脱。
 で、魔法少女は・・・・想いだけでも力だけでも、って言ってから襲ってきたの。
 実は違ったかも知れない。
 小声だったから、正直聞き取りにくかった。
 まあ、雰囲気的には、こんな感じじゃないの?

「本気でやったら、魔法少年が魔法少女に勝てるわけないでしょ。
 って、言いたかったのかな?」

「う~ん、想いだけでもってのは確実だと思うけど・・・・力だけでもは、違ったかも。
 言葉だけ?」

「覚えてないなら、力だけでもでええよ。
 話的には、そっちがおもろいから」

 魔法少女だから、魔法使ってくるんだろうなって思ってたけど・・・・全然違ったんだぜ。
 ガンダムデスサイズのビームシザースを振り回してたの。
 ビームシザースを使うって事は、完全に近距離専用なはずなので、距離をとって砲撃することにしたの。
 魔力タンク私、魔法構成レイジングハート、魔法制御レイジングハート、発射スイッチ私。

「ぷっ。
 いまだに、レイジングハート任せかい!?」

「練習してみて理解したの。
 私、向いてないんだって。
 ってか、メンドイ」

「最後ぶっちゃげた!!」

 砲撃乱射して、一度向こうの魔法攻撃と打ち合ったけど、私の勝ち。
 接近戦主体(予想)の相手に、砲撃では負けられないの。
 殆どレイジングハート任せだけど。
 調子に乗って撃ちまくってたら、いつの間にか目の前で、鎌を首筋につけられてた。
 まさに、チェックメイトなの。
 ぷすっとされたら、血がどばーーって出るんだろうな・・・・って思ってたら、レイジングハートがジュエルシード1つ放出。
 魔法少女・・・・フェイト・テスタロッサちゃんって名乗ってくれた少女は、ジュエルシードを持って去っていった。

「レイジングハートGJ」

「うん、レイジングハートの機転で、一命をとりとめたの。
 まだ、ジュエルシードのストックあるから、何回かは大丈夫だと思う」

「ジュエルシードが無くなったときが、なのはちゃんの命日やな」

「その前に、少しは強くなる努力をするの。
 クーア財閥の創立者、マクスウェル・オーガスタス・ノーマン・ウィルバー・ジョセフ・ラッセル・クーアが言ってた。
 どんな攻撃でも防げる防護力と、たいていの装甲を貫ける武器が1つずつ備わっていればいいんじゃないかと」

「それ、冗談じゃなかったっけ?
 戦闘突入後、防御に徹して、その間にエネルギー充填。
 3時間後に撃つ。
 これが理想だけど、防御にも大量のエネルギーが必要なため、防御中はエネルギーが溜めれない罠。
 自分から、敵を追っかけたりしない・・・・平和主義者の考え」

「そう、それそれ。
 大丈夫、問題点は解決済み。
 無駄に馬鹿でかい魔力持ってるらしいから・・・・後は、レイジングハートに頑張ってもらう」

「全然解決してへん!!
 最初っから、丸投げやん」

「なせばなるの!!」

 今日はここまでなの。
 はやてちゃんに告げられた私の寿命。
 手持ちのジュエルシードが無くなったときが、私の死ぬときなの?
 魔法少女のライバルとして、一度は勝ちたい。
 その為には・・・・レイジングハートが頑張って、どんな攻撃でも防げる防御魔法。
 たいていの防御魔法を貫ける攻撃魔法(長距離砲撃限定)を準備してくれるはず。
 レイジングハートなら、やってくれる!!
 魔法少年リリカルなのは。
 皆も、応援よろしくなの♪

「よし、良い感じで時間もつぶれて、お腹も減っちゃったから、おやつでも作ろうか?」

「うん、賛成なの」

「ホットケーキでええか?」

「じゃあ、私はホットプレートを出してくるの」

「私はタネの準備やな」

「私は、蜂蜜を沢山乗せるの」






[12339] その4
Name: むだーい◆df05c8c0 ID:64a3d011
Date: 2009/10/05 21:57
 これは、平凡な小学校3年生のはずだった私、高町なのはに訪れた小さな事件。
 受け取ったのは勇気の心、手にしたのは魔法の力。
 信じた想いが強いほど、譲れない想いは強くなって。
 だけど、伝えあう事を諦めたくないから、なにもわからないままは嫌だから。
 魔法少年リリカルなのは、始まります。

「なんか自分、良い事言ったって思ってない?」

「・・・・少し」

「なのはちゃんの譲れない想いって・・・・遊びたいとか?」

「それ、はやてちゃんもでしょ」

「まあね」

 学校の放課後の時間。
 いきなりアリサちゃんに怒られた。
 いつも以上に、ぼーっとしてたのが気にさわったらしい。
 ちょっとわかりにくいので翻訳すると、暇つぶしに悩み事でも話せや、自分。
 この天才アリサ様が、ズバッと悩み事を解決して見せよう。
 お礼は、シュークリームで。

「それ、ぶっちゃげすぎ。
 まあ暇つぶしとかじゃなくて、アリサちゃんの事だから、心配しているんだと思う。
 あと、お礼とか・・・・なのはちゃんの創作やん」

「それは私も、そうだと思うんだけど。
 アリサちゃん、すぐ手が出るから・・・・相談すると、手が飛んできそうで」

「悩み事って、魔法関係の?」

「うん。
 はやてちゃん以外には話してないから。
 魔法関係の事で悩んでるんだけど・・・・って、普段やらないような真剣な表情で言ったら、どうなると思う?」

「とりあえず、アリサちゃんの拳が飛んでくる。
 平手じゃなくて、拳だと思う。
 下手したら、すずかちゃんの蹴りもおまけで」

 拳と蹴りで思い出した。
 私が、アリサちゃんとすずかちゃん、2人と友達になったときの話。
 あれは2年前、なのはが今より小さかった頃。
 あの日、なのははゲームのしすぎで寝不足、そして風邪気味だった。
 頭が朦朧とした状態で昼寝に最適な場所を探していたとき、ちょうどアリサちゃんとすずかちゃんが追いかけっこしてた。
 すずかちゃんが鬼で、アリサちゃんを追いかけてたんだと思う。
 私がなにをしたのかは覚えていない・・・・と言うか、記憶にない。
 アリサちゃんとすずかちゃんに聞いた話だと、2人の間に割って入って、アリサちゃんの手に持っていたすずかちゃんのヘアバンドを奪ったらしい。
 ついでに、アリサちゃんに抱きついて。
 驚いたアリサちゃんに殴られ、すずかちゃん側に倒れた。
 ヘアバンドをすずかちゃんの手に渡す・・・・すずかちゃんに抱きついて。
 驚いたすずかちゃんに蹴られ、アリサちゃん側に倒れる。
 以後数回、違う相手に倒れるのを繰り返す。
 保健室で目が覚めた時、アリサちゃんとすずかちゃんがお見舞いに来てくれて、そのまま友達に・・・・仲良し2人組に私が混じって、仲良し3人組へと変わった。
 そして、聞きたくて聞けなかった事がある、追いかけっこの邪魔した私に、2人は凄く感謝してたのはなぜ?

「つーか自分、小学1年の時に夜遅くまで起きてたんかい」

「えっと・・・・日付は変わってたよ。
 止めるに止めれなくて。
 お母さん達に見つからないように、こっそりとね。
 朝が凄く大変だったけど」

「で、授業中は?」

「寝るのだけは回避した。
 先生の話は、全く聞いてないけど」

「私はこの足だから、かけっこの経験無いんだけど。
 かけっことか、部外者が邪魔すると怒るんじゃないの?
 よく邪魔して怒られなかったね?
 アリサちゃん相手に」

「運が良かったんだと思う。
 でも、殴られたけど」

「アリサちゃんだしね」

 その日は塾のない日。
 お家に帰って、ユーノ君と一緒におやつのたい焼きを食べた。
 たい焼きを半分に割って、頭の方をユーノ君に渡した・・・・んだけど、サイズ的にユーノ君の体の半分くらいの大きさだったと思う。
 もうちょっと小さく割った方が良かったかな?

「なのはちゃん、それ無理させすぎ」

「やっぱり?
 でも、ユーノ君普通に受け取ってたよ」

「大食いの魔法でもあるんかな?」

「さあ。
 でも、結果的には全部食べてた。
 私の心配は無用だったの」

「ほー、やっぱマスコットキャラは大食いなんかな」

 おやつ休憩終了後、街に出てジュエルシード探索開始。
 やっぱり、ジュエルレーダーなる便利魔法は無理なようで、地道に自分の足を使って探す。
 探しながら思った事がある。
 ゲームでは、重要アイテムは道端に落ちてない。
 誰かに貰うか、宝箱から見つけるか、ボス戦終了後に落とし物でゲットするか・・・・ユーノ君には言わない方が良いと思うの。

「まあな。
 頑張って探してるのに、それは酷いな」

「うん、ゲームとは違い現実だから・・・・もしかして、道端に落ちてる可能性もあるのかなって思って、それなりに真面目に探したよ」

「でもさ、私思ったんだけど・・・・普通に道端に落ちてたら、誰か拾わない?
 見た目、綺麗な石なんでしょ」

「うん、安っぽい宝石って感じ。
 宝石じゃないけど」

「落ちてたら、小さい子が拾うと思う。
 玩具として」

「だよね」

 日も暮れて、ジュエルシード探索のタイムリミット。
 そろそろお家に帰らないと、家族が心配するの。
 ユーノ君はもうちょっと頑張ってみるとの事で、私と別れ、単身ジュエルシード探索を続ける。

「町中で、フェレット1匹でか?」

「一応、別れる前に注意したの。
 ユーノ君、首輪とかしてないから、他の人に拾われないでねって」

「捕まったら、最悪保健所に直行?
 もしくは、その人のお家で飼われるとか」

「うんうん。
 それ言ったら、ユーノ君固まってたの。
 本人、気づいてなかったらしい」

「魔法の世界では、フェレット1匹で町中をうろついても問題かも知れないけど、こっちでは捕まる事も考えなきゃいかんね」

「なぜか、別れるとき泣いてたの」

「ジュエルシード探索の苦難を思ってやな。
 真面目なマスコットキャラやね」

「うん、ユーノ君は真面目なの」

「「ほんと、目の前の親友とは大違い」」

 帰宅中、ビル街からオレンジ色の光の柱が飛び出した。
 ついでに雷雲も出てきて、雨が降って無いのにゴロゴロと鳴り響きだした。
 更にユーノ君が結界まではって、私気づかなかったので帰りました作戦も不可に。
 ・・・・お腹も空いたので、今日は終りじゃなかったんですか?

「なのはちゃん涙目」

「走って帰ってたんだよ。
 それをまた戻れって」

 正直だるかったので、フェイトちゃんがジュエルシード封印作業を終えて、ささっと撤収してくれる事を願って・・・・遠回りしながらオレンジ色の光の柱がたった場所を目指してました。
 何と言う事でしょう、近場でジュエルシードが・・・・あれ?

「ぷっ」

 暴走してない、ジュエルシードだけだったので即座に封印魔法を。
 フェイトちゃんの封印魔法とかち合ったけど、問題なく封印完了。
 ただし、私達の間で浮いたままの状態だけど。

「フェイトちゃんによる、なのはちゃん凹タイム開始のお知らせ」

 今、はやてちゃんが言った事を、その時の私も思ったんだ。
 ああ・・・・スーパーフェイトタイム、始まるの。
 足を止めて、ジュエルシードの先にいると思われるフェイトちゃんを探そうとすると、空気を読んでないユーノ君がジュエルシード確保を指示。
 獣状態のお姉さんに襲われるが、ユーノ君が守ってくれて、お姉さん対ユーノ君の戦いが始まった。
 私、帰って良い?

「駄目や、フェイトちゃんの相手をしなきゃね」

「ううーーっ」

 とりあえず、手始めに私の自己紹介をしてみた。
 フェイトちゃんは、なぜか寂しそうな目をしていたと思うの。

「かわいそうな人を見る目じゃなくて?
 戦闘が始まるのに、いきなり自己紹介始める子がおったわ・・・・的な」

「後半、私が仲間になる事も考えて・・・・現時点で名前だけでも覚えていて欲しかったから」

「そやな。
 いずれ、魔法少女の仲間になる的なポジションやもんな、自分。
 仲間になるまでは、フル凹フラグ立ちまくりやけど」

 フェイトちゃんとの戦闘が始まって、まず私がした事は・・・・全方向バリア展開。

「本当にマックスの冗談を本気で実行する気かいな?」

 フェイトちゃんの怒濤の攻撃を、必死で耐え続ける。
 レイジングハートの報告では、私の無駄に馬鹿でかい魔力をフルに使った防御魔法は、簡単には崩せないとの事。
 身の安全か確保されたからか、フェイトちゃんに対して、説得行為を開始した。

「敵側から、説得コマンドって使えたっけ?」

「説得コマンドが駄目なら、戦闘前会話って事で。
 意外と、フェイトちゃんが私の言葉に反応してくれてね」

「へー」

「ここぞとばかりに、ジュエルシード集めはユーノ君の願いで、私はユーノ君のお手伝いって事を強調したの」

「ユーノ君を売ったんかい!?」

「売ってないよ。
 私がジュエルシード集めを始めた理由を伝えただけ。
 それに、私が会話始めてから・・・・フェイトちゃんの攻撃の手が止まったし」

 説得行為が成功したのか、フェイトちゃんが口を開こうとした時、使い魔のお姉さんが邪魔したの。
 しかも、ぬくぬくと甘ったれて暮らしてるとか言われちゃって・・・・現代日本に暮らしている小学生の大半に喧嘩売ってるよね?

「うんうん。
 外国の事は分からんけど、日本の子供達は結構甘やかされてると思うよ」

 あと、使い魔のお姉さんの言葉で、ずっと放置してたジュエルシードの存在を思い出したフェイトちゃんが、ジュエルシード捕獲に向けて突進。
 速度的に追いつけそうもない私は・・・・レイジングハートをぶん投げました。
 ジュエルシードは、レイジングハートがどこかに収納しているので、レイジングハートが先行すれば問題ないだろうとの考えなの。

「それ・・・・ジュエルシード回収できても。
 レイジングハートが回収できないんじゃないの?
 フェイトちゃんが拾ったら」

「・・・・あっ」

「なのはちゃんが既に確保している分も、レイジングハートが持ってるんでしょ?
 投げられたレイジングハートを回収すれば、回収分は全て確保出来るんじゃ」

「終わった事はどうでも良いの。
 さくさく続き話すの」

 フェイトちゃんの杖と、レイジングハートがぶつかり合い、その間にジュエルシードが挟まれたの。
 うん・・・・危険物に強い衝撃を与えたら駄目なの。
 ジュエルシードが暴走して、フェイトちゃんとレイジングハートをぶっ飛ばしたの。
 しかも、フェイトちゃんの杖とレイジングハート、共にひび割れ状態で。

「駄目なのって・・・・なのはちゃんが投げたのが原因やん」

「違うの。
 ぶつかる前に、取り込めば良かったの」

 目の前で起こった、突然のジュエルシードの暴走。

「あっ、言い直した」

 とっさの出来事だったため、私は反応が出来なかった。
 その私の目に映ったのは、暴走しているジュエルシードを手で掴んだフェイトちゃんの姿。
 フェイトちゃんは、まるで祈りを捧げているかのように見えた。
 それは、とても美しい光景なの・・・・血が飛び散ってさえいけなれば。

「ふ~ん・・・・って、血ぃぃぃぃ!?」

「1回、パシャって血が飛び散った。
 ジュエルシードを握ってる手から出たものと思うの」

「痛そうやな」

「うん。
 私、痛いの嫌なの」

 暴走は無事収まり。
 力を使い果たしたフェイトちゃんは、人型に戻った使い魔のお姉さんに回収されて去っていったの。

「主人公補正全開やな。
 危険物の暴走を収めるとか」

 今日はここまでなの。
 今回の戦いでは、防御に専念してたお陰で負ける事はなかった。
 攻撃は、一切してないので勝つ事もなかったけど。
 そこで起こった突然の暴走事件。
 フェイトちゃんが体をはって、私を守ってくれたの。
 怪我を負ったみたいだけど・・・・あまり酷くなければ良いんだけど、私心配です。
 魔法少年リリカルなのは。
 皆も、応援よろしくなの♪

「ちょっ、最後に思いっきり嘘言ってる!!
 フェイトちゃんが、なのはちゃんを守った事になってる!?
 嘘をでっち上げるな」

「ぶー良いじゃん。
 結果的には、ジュエルシードの暴走から守って貰ってるんだし」

「あと、暴走は突然じゃないやろ」

「聞こえないの」

「・・・・まあええか。
 とりあえず、なにしよか?」

「私、漫画読むよ」

「んじゃ、私も」






[12339] その5
Name: むだーい◆df05c8c0 ID:64a3d011
Date: 2009/10/13 23:47
 これは、平凡な小学校3年生のはずだった私、高町なのはに訪れた小さな事件。
 受け取ったのは勇気の心、手にしたのは魔法の力。
 すれ違ったままぶつかり合った想いは、光の中に消えてしまって。
 手探りで進んでいく道が、本当に正しいのかどうか、迷う時もきっとあるけど。
 立ち止まらずに駆け抜けた足跡は、きっと自分のこれからにつながってゆくはずだから。
 魔法少年リリカルなのは、始まります。

「毎回思うんだけど、どこからその台詞が出てくるの?
 見た目だけなら、似合ってると言っても良いんだけど、なのはちゃんの中身を知ってる身としては・・・・ね」

「アニメの中とか、ネットから。
 そこら辺から使えそうなのをチョイスして考えてるの。
 あと、黙れ同類」

「雑談のために・・・・無駄な苦労してるんやな」

「まあね。
 私は主人公じゃなかったけど・・・・ちょっとくらいはかっこつけたいの」

「実際は、魔法少女に凹られるライバルAやしな。
 前回の話の終わりやと、存在自体忘れられてると思うし。
 フェイトちゃんが、ジュエルシードって奴の暴走を止めて倒れる。
 使い魔のお姉さんがフェイトちゃんを抱き上げて帰ってく。
 なのはちゃんは?」

「見てただけ。
 じゃあ、続き話すよ」

 ひび割れ状態のレイジングハート。
 見た目ビー玉の待機状態になり、自己修復機能全開で、一晩あれば治るらしい。
 亀裂の入ったビー玉が一晩で治ると言われても・・・・瞬間接着剤持ってこようか?
 って言ったら、レイジングハートに怒られた。

「ぷっ。
 やーい、怒られてやんの」

「だって、待機状態のレイジングハートって、まんまビー玉だもん。
 亀裂入ってたから、瞬間接着剤を使えば治るんじゃないのって提案してみただけ。
 それで治ったら、流石魔法って言おうとしたのに・・・・駄目だったの」

「ふむ、確かに。
 それで治ったら、流石魔法やな。
 ってか、ほんとに治ったら、瞬間接着剤の凄さにビックリや」

 その日の朝、なんとなく早起きをしてした。
 やる事もなく、ぼーっと外を眺めてたら、お姉ちゃんがランニングから帰ってくるのが見えたので、道場まで行ったの。
 お父さんとお兄ちゃんは、少し遠くまで走りに行ってるそうで・・・・私は、お姉ちゃんの練習を見て時間を潰す事にした。

「珍しいね、早起きとか。
 考え事か?」

「うん。
 ちょっとフェイトちゃんの事とか。
 お姉ちゃんの練習を眺めながら、念話でユーノ君とお話ししてたの」

「へー。
 便利やな、念話」

「うん、凄く便利。
 充電の必要もないし、話してる事もばれないしね。
 私としては、今度のテストで使用してみたいと思ってるの。
 ユーノ君かレイジングハートに協力して貰えば、成績アップ間違いないの」

「・・・・駄目やろ、自分」

「そうそう、お姉ちゃんの練習眺めてて思った事が1つだけある」

「なに?」

「汗で、Tシャツが透けてた」

「・・・・さ、次いこか」

「うん」

 学校帰り、スクールバスを降りたら、ユーノ君が迎えに来てた。
 そして、傷一つ無い綺麗なレイジングハート(ビー玉状態)を渡されたの。
 うん、無事に治って良かったね。
 あと、本当に接着剤って使わなかった・・・・って聞いたら、また怒られた。

「2度ネタ禁止」

「ごめん」

 お約束のごとく、ジュエルシードの暴走体発見。
 本日のお相手は、じんめんじゅ。

「・・・・ドラクエ?」

「うん。
 大きさは違うと思うけど、じんめんじゅに似てた。
 あと、凄い事にバリア使ってた」

「ほうほう、バリアね」

 じんめんじゅとの戦闘。
 それは呆気なく終わったの。
 私は安全空域まで逃げて、砲撃。
 フェイトちゃんは、鎌で根っこを斬ってから、私と同じように砲撃。
 2箇所からの砲撃を喰らって・・・・バリアで一瞬だけ止められたけど、力業で打ち抜きました。
 伊達にレイジングハートから言われてないの。
 無駄に馬鹿でかい魔力持ちって。

「チート乙。
 フェイトちゃんの方は?」

「私と同じように打ち抜いてたけど・・・・フェイトちゃんの砲撃を見て勉強しろって言われた。
 レイジングハートに。
 お手本にしても良い位、綺麗な魔法だって言ってた」

「主従逆転乙」

 じんめんじゅ戦が終わった事で始まる。
 スーパーフェイトタイムの時間。

「ああ、フル凹タイムやね。
 前回は、凹られてへんから、今回は2回分凹られるんか?」

「今回は頑張ったの」

 前回、説得行動が有効だったため・・・・私が勝ったら話を聞いてくれるように交渉。
 勝てる気はしないけど、仲間に入れて貰うため、ちょっとは法螺吹いても良いよね?

「頑張ったって。
 ・・・・結局それかい!?」

 戦闘開始と同時に突貫してくるフェイトちゃん。
 私は・・・・接近戦なんて論外中の論外。
 即座に砲撃準備、そして発射。
 砲撃を避けるフェイトちゃん、そしてフェイトちゃんのいた場所に突然現れた全身黒でコーディネートしている少年A。
 現れた場所が場所なんで・・・・少年Aに砲撃が命中。
 見知らぬ少年が被害にあったようです。

「・・・・新キャラ!?」

 突然の事態に、私とフェイトちゃんの動きが止まった。
 見知らぬ少年・・・・クロノ君って名前らしい。
 クロノ君が、私達の位置まで上昇してきて、良くわかんない話を始めた。
 曰く、ここでの戦闘は危険だ。
 曰く、自分達は時空管理局だ。
 曰く、戦闘止めろ。
 ちなみに、クロノ君の戦闘装束には、トゲが付いてました。

「・・・・フェイトちゃんの敵対組織の幹部かな?
 って事は、そろそろなのはちゃんが改心して、フェイトちゃん側に立つ時期か?」

「うん、私もそう思ったの。
 全身黒だし、トゲ付いてるし。
 ・・・・何より、男だから」

「ああまさに、魔法少女に敵対する組織の幹部やな」

 私がフェイトちゃんの仲間になるための方法を考えてたら・・・・なぜか、フェイトちゃんがクロノ君に撃たれてた。
 一体、周りを見てなかった10秒位の間になにが起きたんだろう?
 腕から血を流して使い魔のお姉さんにもたれ掛かっているフェイトちゃんに対し、トドメの一撃を加えようとするクロノ君。
 私は思った・・・・今しかないと!!

「おおっ、本当にきたんやな。
 魔法少女・・・・主人公サイドに編入されるイベントが」

「うん、これを逃せば、仲間入りイベントは2度と無いと思ったね。
 だって、スパロボとかでも、仲間入りイベントを逃したら、以後仲間にならないキャラとか入るし。
 説得とかは、前回の戦闘でやってたから・・・・私の苦労が実を結んだって思ったね」

「うん、これでフェイトちゃんに凹られる事もなくなるんやな」

 私に背を向けて無視してるクロノ君に対し、私が行った事は簡単。
 全力全開で、クロノ君の背中に、砲撃を乱れ撃ちしました。
 そしてフェイトちゃんには、言うべき台詞を言いました。
 ちょっと、死亡フラグが立つけど、今なら大丈夫なはず。

「ああ、あの台詞か」

「「ここは私に任せて、フェイトちゃんは先に行って!!」」

「で、先ってどこや?」

「わかんない。
 でも、逃げてって言うより、先に行っての方が良いと思ったから」

「そやね。
 これでなのはちゃんも、主人公サイドの仲間入りか」

 念願の仲間入りイベントが嬉しかったのと、組織の幹部らしいクロノ君を確実に仕留める為・・・・ユーノ君が止めるのも聞かず、ずっと砲撃を撃ちまくってた。
 気分が高揚してハイになってたからか・・・・いろんな台詞を言ってたね。
 例えば、ガンダムだガンダムだ!!
 例えば、グゥゥレイト!!
 例えば、君がっ泣くまで撃つのをやめない!!
 例えば、帝王に逃走はないのだ!!
 例えば、漕ぎ出せ勝負の大海へ!!
 例えば、ドロォォォォォモォォォンスタァァァァァカァァァァァドォォォッ!!

「・・・・最後だけ、気合い入れすぎや。
 あと、全く関係無い奴がある」

「分かってはいたんだけど、ハイになってたからね」

「で、クロノ君のライフは?」

「不意打ちだったから、最初の一撃でゼロなの。
 全然気づいてなかったけどね」

 精神的にハイになってた私が、敵と思われるクロノ君を滅多撃ちにしてる間に、フェイトちゃん達は撤退。
 全く砲撃を止める気のない私を止めたのは・・・・知らない男の子と大人の女性。
 男の子の方は・・・・実は人間だったユーノ君。
 大人の女性は、クロノ君の母親でリンディさんって名前らしい。

「・・・・人間?」

「うん、人間だって。
 だいたい私達と同じ位の年齢」

「つまり、新しい生け贄?」

「うん、生け贄。
 しかも、フェレット状態で女湯とかに入った経緯があるから・・・・それをネタにすれば」

「ああ、完璧に生け贄に使えるな。
 ってか、女湯の件も、なのはちゃんから生け贄に使われたからじゃないの?」

「そんな昔の事は忘れたの」

 ちなみにリンディさん。
 私のお母さんと同じで・・・・実年齢と見た目年齢が噛み合って無い人。

「桃子さんみたいな人が、他にもいたんや。
 ビックリやで」

 私の行動について、いろいろ聞いてきたけど・・・・魔法少女に怪我させる全身黒でトゲ付きの衣装を着てたから、敵だと思って抵抗できないように処理しました。
 私の言った事を聞いた、リンディさんとユーノ君は固まってた。
 やっぱり、ちょっとだけやり過ぎだったかな?

「非殺傷設定ってやつやったんやろ?」

「うん、痛みはあるけど怪我しない奴。
 フェイトちゃんは血を流していたのに比べると、私は優しいんだなって思ってたのに」

「じゃあ、良いんじゃないの?」

「だよね」

 リンディさんから、私達の事情などを聞きたいから、次元空間航行艦船のアースラに来て欲しいって言われたけど・・・・そろそろ晩ご飯の時間だから、明日学校が終わってからにして下さいって返しました。
 なんでか、またリンディさんとユーノ君が固まったけど。

「そんな時間なんか?」

「うん。
 ジュエルシードの発動自体、夕方だったし。
 それにさ、いきなり次元なんちゃらの船って言われてもね」

「素直に秘密基地に来い。
 で、良いんじゃない?」

「だよね。
 よく分からなかったけど、移動式の秘密基地だよね。
 日曜日にあってる戦隊物とかでも、移動式の秘密基地があるし・・・・たぶん、そんな感じだよね」

「いや、魔法やし・・・・ラピュタの可能性も」

「・・・・バルス?」

「それは駄目や。
 崩壊してしまう」

 今日はここまでなの。
 待ちに待った主人公サイドへの編入イベント。
 敵対したのは、トゲ付きの幹部?
 それとも、実は敵じゃなかったとか・・・・詳しい話はまた次回。
 私のお母さんと同じ体質?の人がいた事には驚いたけど、ユーノ君が人間だった事もビックリ。
 あと、クロノ君は・・・・倒す必要なかったのかな?
 別に私は気にしてないから問題ないけど。
 前回に引き続き、今回も怪我をしたフェイトちゃん。
 魔法少女が大変なのは分かったけど、私心配です。
 魔法少年リリカルなのは。
 皆も、応援よろしくなの♪

「話は終わったけど、1つだけ聞きたい事がある」

「なに?」

「敵か味方か言ってるけど・・・・ぶっちゃげ、話の中で次の日って言ってるから、既に敵か味方か判明してるんやろ?」

「うん」

「じゃあさ、さっきの秘密基地の件も判明してるって事だよね?」

「そだよ。
 私にとっては判明してるけど、はやてちゃんは分かってないでしょ。
 だから、話してる間は、私も当時を振り返って話してるの」

「当時って言っても、全然日にちは経ってないと思うけどな」

「そこはスルーするの」

「まっ、いいか。
 じゃあ、次回の話をちょっとだけ楽しみにしつつ・・・・なにする?」

「さあ?」






[12339] その6
Name: むだーい◆df05c8c0 ID:64a3d011
Date: 2009/10/13 23:47
 これは、平凡な小学校3年生のはずだった私、高町なのはに訪れた小さな事件。
 受け取ったのは勇気の心、手にしたのは魔法の力。
 巡り合いは嵐の中、触れ合うことのできない想いも、届かない言葉も、願いも、悲しみも、分け合いたいと思ったから、伝えたい気持ちがあります。
 世界にたった1人だけの、あなたの心に。
 魔法少年リリカルなのは、始まります。

「そう言えばさ、今思ったんやけど。
 前回の話で、ジュエルシードは誰が回収したの?」

「フェイトちゃんは回収しないで帰った。
 私はお腹が減ったので無視して帰った」

「・・・・つまり?」

「放置。
 で、リンディさんが持ち帰った」

「残り物には福がある、って奴やな」

「なの」

 学校が終わった帰り道、いきなり全身黒でトゲ付きの衣装を着た少年に話しかけられた。
 少し前から感じていたのだが・・・・結界に閉じ込められたようだ。
 とりあえず、やる事は一つ。

「先手必勝で、砲撃やな」

「なのなの」

 10秒ちょっと耐えていたようだけど・・・・昨日から主人公サイドに再編された私に、凹られフラグは存在しないの。
 またハイになって、砲撃を撃ちまくった。
 ふはははははっ・・・・なの!!

「そう言えば、煽っててなんだけど・・・・話し合いするって言ってなかった?」

 昨日と同じく、リンディさんとユーノ君が必死に止めたので、砲撃を止めました。
 私の言い分は、有無を言わさず結界内に閉じ込められて、戦闘準備OKのトゲ付きの衣装を着て杖を持った男に話しかけられたんで・・・・とりあえず、立場を理解させました。

「そやね。
 魔法少女のライバルが仲間になった時期に、ただの一幹部はね。
 ぶっちゃげ、○○大将軍とかを連れてこないと。
 もしくは博士」

「事前の連絡も無しに、閉じ込められたから・・・・昨日忘れたジュエルシードを、私の持ってる分で補おうとしたフェイトちゃんが襲撃に来たのかと、ちょっとだけ思っちゃったし。
 別名、憂さ晴らしと言う」

 リンディさんから、アースラというお船に案内して貰った。
 クロノ君が、なぜか私との距離を取っていた事に疑問を持ったけど・・・・そんな小さな事より、凄くツッコミたいことがあった。

「なになに?」

「時空管理局という組織が、本当に魔法の組織なのか疑問に思った。
 次元空間航行艦船アースラ。
 どう見ても、宇宙世紀の戦艦です」

「アーガマとか?」

「うん。
 MS、巨大ロボとかないのって聞いたんだけど。
 質量兵器なんて危ない物は、置いてないって矛盾してる事言ってた」

「メガ粒子砲とか撃てそうな戦艦なのに、ロボットは危ないから禁止?」

「うん」

「・・・・中世の船で良いんでないの?
 木造船とか。
 火に弱いけど、アーガマとかより危なく無いと思う」

 とりあえず、魔法使いの前線基地には見えないアーガマの艦長室。
 リンディさんのお部屋で、詳しい話を聞く事になった。
 部屋の中身は、日本通の外人さん丸出しって感じだったの。
 盆栽があったり、茶道セットがあったり、和菓子が常備されてたり。
 あと、抹茶か煎茶か知りませんけど、紅茶とは違いますから・・・・砂糖を入れる必要は無いですよ。

「砂糖入れてたんか?」

「角砂糖入れてたの。
 紅茶とかコーヒーとか砂糖入れるから、日本のお茶も砂糖入れると思ってるんじゃないの」

「なんや、魔法の国の人って・・・・日本通の外人さんみたいな感じか?」

「クロノ君は砂糖入れてなかったけどね」

 お茶を飲んで一息ついたあと、これからについての話開始。
 リンディさんから言われた事は、以下の通り。
 1つ、ジュエルシード集めは時空管理局が全権を持ちます。
 1つ、これまでの事は全て忘れて故郷に帰れ。
 1つ、民間人は邪魔するな。
 1つ、今日一日良く話し合うように。
 1つ、後日新たな話し合いの席を設ける予定。

「ちなみに、2番と3番はクロノ君」

「なのはちゃんの事を民間人って言ってるクロノ君は・・・・民間人に負けた幹部でFA?」

「ファイナルアンサー」

 あと、ジュエルシードはロストロギアって分類になるって教えて貰った。
 簡単に言うと、エネルギーが充電された状態のイデオンガン。
 世界を滅ぼす可能性のある危険物。

「・・・・惑星真っ二つとかありえるんか」

「実際に滅びた世界もあるって言ってた。
 って、私イデオンガンって言ったよ、イデオンソードとは言ってないの」

「とりあえず、地球にはフェイトちゃんがいるから大丈夫でしょう。
 主人公ポジションだし。
 消滅より、真っ二つの方が凄くない?」

「うんうん。
 実際、ジュエルシードの暴走を、体をはって止めたしね。
 ガンでもソードでも、惑星がヤバイのが伝わるから良いのかな?」

「で、実際どうするの?
 全権持つって言ってるけど。
 細かい事は気にしちゃ大人になれんよ」

「・・・・私が、言う事聞く必要ってあるの?
 立ち位置的に、フェイトちゃんの敵側だよね?
 私は、今まで通り行動するよ」

「・・・・そやね。
 下手に言う事聞いてると、フェイトちゃんからの凹フラグが再発するかもしれへんしな」

「ユーノ君の故郷は知らないけど。
 私の故郷ってここだし、どう考えてもジュエルシードに無関係じゃいられないの。
 あと、全権とか言ってるけど、何の権利を主張してるの?」

「ジュエルシードよこせとか?」

「あれって、もともとユーノ君の物だし、私に権利主張されても。
 フェイトちゃんが持ってる物は、あとで返して貰えば良いんじゃないのって思ってる。
 ジュエルシード自体、消費アイテムじゃなさそうだし」

「暴走してる時点で使用済み。
 使った後にも残ってるから、消費型のアイテムじゃないのか」

 リンディさん達と別れてから、お家に帰って晩ご飯を食べた。
 私の部屋に帰るなり、ユーノ君が話しかけてきたの。
 議題は、これからについて。
 ぶっちゃげ、さっき話した通り、今までと変更無し。
 ユーノ君は今日も固まってた。
 私、なにか変な事を言ったかな?

「言ってない気がする」

「だよねー」

 この日から10日経過。
 最近、全く成果が上がりません。
 これは・・・・アレでしょうか。
 フェイトちゃんがピンチになるイベント発生までの待機期間なの?

「前回もフェイトちゃんを助けたけど、最初っから現場にいたし。
 やっぱ主人公のピンチイベント発生後、援軍到着。
 2人の力でピンチ脱出か」

「それそれ。
 フェイトちゃんがピンチになってないから、最近の成果が無いと思うの」

「で、イベント起きた?」

「起きたの」

 成果無しとか言ってた日の夕方。
 急に激しい雨と雷が・・・・ついでに、海の方向から巨大な結界を感知したってユーノ君が言ってた。
 イベント発生なの。

「待ちに待ったピンチイベント?」

 ユーノ君の移動魔法で結界内に突入。
 中で見た光景は・・・・巨大な竜巻が複数に、酷く疲れてるフェイトちゃん、雷に捕縛されてるお姉さん。
 ちなみに使い魔のお姉さんは、アルフさんって名前、名前言うの忘れてた。

「新たな敵じゃなくて、自然災害?」

「うん。
 たぶん、ジュエルシードが暴走した結果だと思う」

 フェイトちゃんの鎌、凄く小さくなってた。
 レイジングハートが言うには、魔力不足。
 ここは、私の魔力を注入して・・・・私が主人公サイドになったって事をアピールするしかないの。
 前言通り、フェイトちゃんに魔力を注入する。
 そして、2人で一気に自然災害を吹き飛ばす。
 全力全開、待ちに待った活躍の場所・・・・目の前の自然災害をなぎ払う!!

「久しぶりに気合いMAXやな」

「うん。
 凄く気合い入ったの」

 ユーノ君とアルフさんが、鎖で台風を縛ってた。

「・・・・日本語おかしくないか?」

「本当に縛ってた。
 ほっぺ抓ってみたけど、痛かった。
 夢じゃない、現実なの」

「・・・・魔法って凄いな。
 自然災害を縛れるんかい」

 私の全力全開ディバインバスターと、フェイトちゃんのライデイン。
 見事自然災害を吹っ飛ばした・・・・ちょっと遠くの島も吹っ飛んだような気がするけど、結界解いたら島も元に戻るよね?
 冷たい汗が流れるのを、背中に感じた。
 これでイベント終了と思ったら、紫色の雷がフェイトちゃんに直撃した。
 色が黒じゃないけど、あれは・・・・エビルデインなの?

「・・・・新たな敵出現?」

 傷つき倒れたフェイトちゃんをアルフさんが受け止め、空中に浮いてるジュエルシードを回収しようと手を伸ばした。
 しかし、クロノ君がそれを阻む。

「ぷっ・・・・敵幹部出現」

 力任せにクロノ君を殴り飛ばし、今度こそジュエルシードに手を伸ばすが・・・・元々あった6個が、3個へと減っていた。
 消えた3個は、クロノ君の手の中に。

「麻雀とか上手そうやな。
 手先が器用なら」

「念話が使えれば、コンビ打ちも凄く楽だと思う。
 合図とかが全く必要なくなるから、それを解析される事がないから安心」

 3個のジュエルシードを回収したアルフさんは撤退。
 同じく3個のジュエルシードを奪ったクロノ君は、私に話しかけてきたが・・・・適当に受け答えして帰って貰いました。

「なんて言ってきたの?」

「民間人が~って。
 とりあえず、自分の住んでる町を守っただけって答えといた」

「竜巻、台風の被害って酷いからな。
 結果的には守ってるしね、町を」

 今日はここまでなの。
 魔法使いの組織と名乗った時空管理局。
 その正体は・・・・魔法とは真逆の、科学の力を結集した戦艦を使用する集団だった。
 戦艦は良くて、MSは駄目。
 私には、違いがよく分からないの。
 フェイトちゃんとの共同戦線、無事に自然災害を撃破。
 雷が直撃したフェイトちゃんは無事なのだろうか?
 フェイトちゃんの雷と色が違う雷、もしかして2Pカラーが存在するのか?
 魔法少年リリカルなのは。
 皆も、応援よろしくなの♪

「今回の話って、日数的には長いね。
 間に10日間入ってるし」

「でも、その10日間は活動してないけど」

「・・・・そだ、アーガマで思い出した。
 アニメのDVD借りてきてるから、一緒に観よう」

「おっ、良いね。
 じゃあ、私がお茶の準備するね」

「砂糖はいらんよ」

「私もいらないの」






[12339] その7
Name: むだーい◆df05c8c0 ID:64a3d011
Date: 2009/10/15 00:15
 これは、平凡な小学校3年生だったはずの私、高町なのはに訪れた小さな事件。
 受け取ったのは勇気の心、手にしたのは魔法の力。
 何度も出会って、触れ合っているのに、私達はまだ、何も分かり合えていない。
 答えを聞きたいから、分け合いたいから。
 真っ直ぐに立ち向かうことを決めて、迷いを振り切って、胸に宿った自分の魔法をただ信じて。
 魔法少年リリカルなのは、始まります。

「そういやさー、前回フェイトちゃんがライデイン使ってたとか言ってたけど、魔法使いじゃなくて勇者なん?」

「レイジングハートが言うには、魔力を電力に変換してるって言ってた」

「・・・・自家発電?
 1家庭に1人、魔力を電気に変換出来る人がいれば、電気代0円生活も夢じゃない?」

「ちなみに私は無理なの」

「そりゃあ、なのはちゃん1人で魔法使えないしね」

「うん。
 レイジングハートが頑張ってくれてるの。
 私は、魔力だけを渡してればオッケーなの」

「高町なのは。
 私立聖祥大附属小学校3年生兼魔力タンク。
 得意技、からにこもる、はかいこうせん」

「・・・・なんで、技がポケモン?
 まあ、似たような物だと思うけど」

「なんとなく」

 ジュエルシード暴走による自然災害。
 私とフェイトちゃんの活躍で、無事海鳴の町を守る事が出来た。
 そして・・・・なぜかリンディさんから呼び出し喰らって説教タイム。
 理由が全然わかんないの。

「で、なんて怒られたん?」

「さあ?
 とりあえず、私が授業中に鍛えた・・・・目を閉じて軽く頭を下げ、神妙に話を聞くふりしつつ寝る。
 そして、話が終わったタイミングで起きる」

「・・・・凄い技やな」

「うん、アリサちゃんから説教されてるときに編み出した必殺技なの。
 その後、授業中に鍛えたの」

「それ、私も練習しようかな。
 いずれ必要な時が出てくるかもしれんし・・・・ってか、今は小学生だから良いような物だけど、中学高校と進んだあとに不登校は危険やしね」

 説教が終わった後、私の親に挨拶すると言って、一緒に翠屋まで行きました。
 リンディさんは、お母さんと楽しそうにお話しをして、大量の砂糖を投入したコーヒーとケーキを食べてました。
 正直な話、私って帰って良いですかね?
 えっ・・・・駄目なの。
 ってか、帰る前に連絡入れれば、お家で待っててくれたと思うんだけど、私のお母さん。
 やっぱり、ケーキが食べたかったから・・・・事前の連絡を拒否ったのだろうか。
 帰り際、時空管理局って名前の領収書切ってたし。

「・・・・経費?」

「自分の分だけでなく、他の人達へのお土産も買ってたの」

「1つ疑問。
 支払いに使った日本円って、どうやって手に入れたんだろ。
 時空管理局って、世界自体が違うんだよね・・・・お金自体違うやん。
 あと、外貨両替の範疇外やとも思うし」

「貴金属の売却だって。
 世界が違っても、貴金属は価値あるものだから」

「へー、そうやって始めていく世界での現金を手に入れてるのか。
 って、その場合、常に流出するだけだと思うけど、時空管理局がある世界の貴金属がなくならない?」

「さあ。
 別に気にする必要ないんじゃないの」

 次の日、放課後に遊びに来いとアリサちゃんに命令された。
 新しいゲームもあるし、珍しい犬を拾ったって言ってた。
 大型でオレンジ色の毛、ついでに額に宝石・・・・アルフさん?

「ちょっ、それってフェイトちゃんの使い魔のお姉さんやないの!?」

「うん、話からするとアルフさん。
 アリサちゃんが言うには、大怪我してたんだって」

「イベント突入か。
 アルフさんが怪我してるって事は、アルフさんがなのはちゃんをフェイトちゃんの所まで案内して、アルフさんを怪我させた強敵を2人で倒す。
 そして、敵の黒幕出現」

 そして放課後、アリサちゃんのお家にお邪魔する事になりました。
 ユーノ君に念話を入れて、一応呼びました。
 アリサちゃん・・・・アルフさん1人だけ、庭に放置って。
 怪我してるんだし、家の中で看病した方が良かったんじゃないの?
 アリサちゃん家は、室内に犬入れても問題ないから。

「やっぱり、怪我してるから暴れる可能性を考えてじゃないの。
 アルフさんって、かなりの大型なんでしょ?」

「うん。
 凄く大きいの。
 はやてちゃんの頭を、簡単にかじれそうなくらいの大きさはある。
 ってか、私達なら乗れるね」

「乗馬ならぬ、乗犬か」

 ユーノ君がアルフさんとお話ししたいそうだから、私はアリサちゃんとすずかちゃんを連れて室内に移動しました。
 室内に移動後、3人でゲームを始めたけど・・・・ぶるじょあが。
 大画面でするゲームは大迫力なの。
 でも、凄く羨ましいの・・・・金持ちめ。
 あとさ、私真ん中に座ってるけど、場所変わろうか・・・・すずかちゃん?

「ぶっ!!
 久しぶりに、そのネタを入れるか」

「うん」

 ゲームはかなり白熱したの。
 でも、毎回思うんだけど・・・・負けたときに暴れるのは良くないと思うの。
 1度、足踏まれて凄く痛かったの。
 あと、スカートが捲れたままなのは、注意した方が良いのかな?
 気づかないふりして、無視してたけど。

「それが正解やと思うで。
 たぶん口に出してたら、手が出てたと思うで」

「だよねー。
 とっさに拳が飛んでくると思う」

 そして次の日。
 早朝からユーノ君に起こされ、脱走したアルフさんと合流し、公園まで連れて行かれました。
 そこで待ち受けていたのは、フェイトちゃん。
 なぜか、鎌状態のバルディッシュを手にして・・・・あれ?
 あの・・・・なんで、私とフェイトちゃんが戦う方向で話が進んでいるんでしょうか?

「アルフさんを怪我させた強敵は?
 強敵とバトって、黒幕登場の流れはどこ行った。
 それ以前に、なのはちゃんって、既にフェイトちゃん側になったよね?」

「うん。
 所属変更イベント終わったと思ってたけど、実は終わってなかったんじゃないのかなって」

「・・・・フル凹イベント再発。
 スーパーフェイトタイム開始や」

 とりあえず、私は叫びたい。
 裏切ったね・・・・私の気持ちを裏切ったね・・・・はやてちゃんと同じで裏切ったの!!
 って。

「んで、本当の所は?」

「戦う方向に、話が進んだ流れを説明して欲しいの。
 理由も分からずに、凹られるのは嫌だから。
 理由が分かっても、凹られるのは嫌だけど」

「・・・・強制イベント?」

「ぐはっ」

 もう傷つきたくないから。
 私は、もう怪我するのが嫌だから、痛いのも嫌だから・・・・だからっ!!
 接近戦は無理なんです!!

「で?」

 開始早々、フェイトちゃんから距離を取って砲撃開始。
 威力だけなら、私の方が断然有利。
 だから、とにもかくにも乱射に次ぐ乱射。
 少し前からレイジングハートにお願いしてたドラグーンっぽいのも完成し、私の周りにただよってる。

「ちょっ・・・・ドラグーンってパクリやん!?」

「気にしない気にしない。
 ただ一つ問題があるとすれば・・・・ドラグーンの制御が甘いんで、狙いが凄く適当。
 別名、無差別ビーム発射装置。
 前狙ってるのに、たまに後ろにビームが発射される」

「それ駄目やん!!」

「私に空間認識能力を期待されても」

 私の砲撃により、フェイトちゃんの接近を許さず、一方的な攻撃が続く。
 たまにフェイトちゃんから誘導弾が飛んでくるが、威力を犠牲に範囲を拡大させた砲撃を撃つ事で迎撃。
 砲撃、砲撃、砲撃、砲撃、砲撃、砲撃、砲撃、砲撃、砲撃、砲撃・・・・ノーヒットだけど、とりあえず撃つ。
 バリアあるけど、近づかれたら鎌が怖い。
 主人公だし・・・・絶対に破られないって保証がないから、近づかれるのは嫌だ。

「チキンや。
 男らしく、ズバッと斬られろ」

「私、痛いの嫌だし」

 戦いが続く中、少しずつフェイトちゃんが後ろに下がっていく。
 私は逆に少しずつ前進した。
 あまり距離を取られ過ぎると、見失う可能性もあるから、一定の距離を保ちつつ砲撃の手を止めない。
 ふはははは、私の魔力は簡単には尽きないの。
 ・・・・って調子に乗ってたら、バインドに捕まりました。
 バインドを設置したから下がったのか。

「凹タイム開始」

 バインドに捕まって、空中で固定されました。
 背中に冷や汗が流れるのを感じつつ、フェイトちゃんの方を・・・・恐る恐る確認してみる。
 なんだろ、凄くバチバチいってる丸い玉が、1つ、2つ、3つ、沢山。
 ついでに、ゴロゴロと雷雲がないのに、音まで聞こえてくる。
 フェイトちゃんが右手を振り上げ、そのまま一気に振り下ろした。
 するとどうだろう、丸い玉から無数の弾が発射され始めた。

「・・・・うわー。
 まじで、凹凹やな」

 結果を言うと、なんとか無事だった。
 バリアが耐えてくれた・・・・後半、バリアから変な音がしてたから、半分泣いた。
 耐えきった後、フェイトちゃんが肩を大きく揺らしながら息をしていたので、チャンスだと思って良く狙って砲撃撃った。
 今度は回避せず、魔方陣を出して砲撃を防いでいたけど・・・・当たっていないはずなのに、フェイトちゃんの服が破れた。

「・・・・はい?」

「だから、服が破れて・・・・おへそが見えた」

「当たってないんよね?」

「うん、防がれた」

「なのはちゃんの場合は、破れんよね?」

「うん、破れないの」

「・・・・魔法少女だから?」

「かもしれないの」

 今がチャンスだと思い、私の最大の魔法を使うの。
 自分の魔力だけでなく、今までの砲撃の残りカスなどが空間に残っているので、その残っている魔力も一緒に集め出す。
 無論、私じゃなくてレイジングハートが。
 あれだ、1人元気玉。

「チャージしてる間に逃げなかったの?
 フェイトちゃん」

「うん。
 お約束だからか知らないけど、逃げてなかったよ。
 たんに、疲れてて回復を優先させてただけかも知れないけど」

 私の元気玉・・・・じゃなくて、チャージ砲のスターライトブレイカーがフェイトちゃんを直撃。
 ちょっと心配だったのが、砲撃を防いだときに服が破れたから、直撃しても破れるのかなって・・・・それは大丈夫だった。

「そら良かった」

 海に落ちたフェイトちゃんを抱きかかえて空中へと戻る。
 もう大丈夫との事で、フェイトちゃんを離し、バルディッシュを手渡した。
 ・・・・フェイトちゃん、1人で飛べるんだ。
 私、レイジングハートがいないと飛べないんだけど。
 って思ってたら、急に雷雲が集まって・・・・紫色の雷がバチバチ鳴ってる。
 前回のエビルデインなのか!?
 ま、まさか・・・・私に落ちるの?
 か、雷と言ったら避雷針。

「うん、学校とかに避雷針がついてるから、周りの民家には被害ないって聞いた事ある・・・・ような気がする」

 私は、その時閃いた。
 避雷針があれば、助かるんじゃないかって。
 だから・・・・だからっ!!
 レイジングハートにお願いして、避雷針を準備して貰った。
 祈願型プログラムって奴があって、願えばなんとかなるって・・・・確か言ってたような気がするから。

「・・・・なあ、なのはちゃん。
 私の聞き間違いかと思うけど、避雷針をなんだって?」

「レイジングハートに準備して貰ったの」

「どこに?」

「レイジングハートの先端に」

「それ、直撃しない?」

「うん」

 レイジングハートの先端に避雷針が出来て一安心と思った矢先。
 私の周りのが、凄くスローモーションで見えだした。
 その私の目に映ったのは・・・・フェイトちゃんに直撃しそうだったエビルデインが、私に向けて直角に曲がった光景だ。

「・・・・馬鹿?」

「今思えば、凄く馬鹿な行動だけど、その時は凄く良い考えだって思ってたの。
 焦りすぎて気づかなかったの」

 エビルデインの直撃を受けた私は、気絶。
 気絶する前に見えたのは、レイジングハートの外側が砕けて、保管していたジュエルシードが放出される姿を。

「痛かったか?」

「うん、凄く凄く凄く凄く凄く凄く凄く凄く凄く・・・・痛かったの」

 今日はここまでなの。
 突然のフェイトちゃんとの再戦。
 まさかの大番狂わせで、私の勝利。
 そして、急に襲ってきたエビルデイン。
 私はフェイトちゃんを守るため・・・・エビルデインを私の方に引き寄せた。
 フェイトちゃんは無事だよね?
 魔法少年リリカルなのは。
 皆も、応援よろしくなの♪

「また、捏造してる」

「いいじゃん。
 結果的にはフェイトちゃんを守ったんだし」

「で、エビルデインって黒幕が使ったの?」

「それは、次回って事で」

「んじゃ、いつものごとく・・・・なにするべ?」

「天気良いし、散歩にでも行く?」

「んー、そやな。
 ついでに食料品も買ってこよう」

「じゃあ、早速出発なの」






[12339] その8
Name: むだーい◆df05c8c0 ID:64a3d011
Date: 2009/10/17 09:47
 それは、平凡な小学校3年生だったはずの私、高町なのはに訪れた小さな事件。
 信じたのは勇気の心、手にしたのは魔法の力。
 想いが壊れても、願いが遠くても、ずっと、そばにあった優しさを忘れないで。
 支えてくれた心があって、あなたの笑顔、待ってる人がいる。
 想いをこめて、願いをかけて。
 魔法少年リリカルなのは、始まります。

「なあ、なのはちゃん」

「なに?」

「前から聞きたかった事なんやけど・・・・最初にさ、勇気の心とか言ってるけど。
 自分チキンやん。
 受け取ってないし、信じてもいないと思う」

「チキンはチキンなりに、勇気の心を持ってるよ」

 目が覚めた。
 周りを見渡すが、誰もいない。
 とりあえず、レイジングハートが近くに置いてあったので、現状を聞いてみる。
 ここはアースラの医務室。
 次元跳躍魔法を受けて気絶していたので、ここに運んで寝かせていたとの事。
 まだ眠いんで、もう二度寝再開します。

「おいっ!!
 もしかして、それで終りって落ちないよね?」

「うん。
 ここは飛ばしても良かったんだけど、なんとなく入れてみた」

 再び目が覚めた時、また医務室だった。
 隣のベッド、シーツなどが乱れてたけど、誰か寝てたんだろうか?
 それにしても、なんだか周りが騒がしい気がする。
 私が寝てるのに・・・・もうちょっと静かにして欲しいの。

「隣って、誰が寝てたの?」

「フェイトちゃんが寝てたって。
 あとでレイジングハートに聞いた」

 レイジングハート案内のもと、アースラのブリッジへ移動する。
 ブリッジに到着すると、皆さん凄く忙しそうだった。
 責任者のリンディさん不在だけど、大丈夫なのかな?
 えっ、事件の黒幕さんがいる時の庭園って所に、全員で出撃したのか。

「時の庭園?」

「うん。
 次元間航行も可能な移動庭園って話。
 見た目は、秘密結社の移動要塞」

「おおっ、今度こそちゃんとした敵やな」

 時の庭園にて暴れ回ってる人達の様子を、エイミィさんに頼んで見せて貰った。
 ・・・・クロノ君って、凄く強かったんだ。

「2回なのはちゃんに負けた人?」

「うん。
 巨大ロボ相手に、生身の状態で無双してた。
 東方先生もビックリ。
 人間が巨大ロボを圧倒してた」

「東方先生って事は肉弾戦?」

「魔法使ってた。
 でも、接近戦もやってた。
 相手のロボ、剣と盾を持ってる。
 当たったら、潰れるか真っ二つだと思う」

「ほえー、クロノ君、凄く強かったんだ」

「だから私、その姿見て思ったんだ」

「なんて?」

「次会ったとき」

「会ったとき?」

「愛想良く振る舞おう」

「・・・・手遅れじゃない?」

「大丈夫・・・・なはず!!」

 とりあえず、後日無双されないように、私の評価を少しでも上げとこうと思い、行動を開始する。
 エイミィさんにお願いして、私を時の庭園に送っておもらった。
 気絶前、かなり傷ついてたレイジングハートだが、既に修理は完了してるようで、私の準備も問題ない。
 二度寝して、かなりの体力を回復してる。
 全て計画通りなの。

「今さら二度寝に理由つけんな。
 ってか、ゲンドウパパかい」

 時の庭園の入り口。
 アースラで見たときは、巨大ロボはいなかったのだが、私が現場に来た事で、新たな一群が現れた。
 やる事はただ一つ、とてもシンプルな答えだ。
 それは・・・・砲撃。
 とりあえず、撃ちます。

「遠距離から?」

「遠距離から」

「近づかないの?」

「断固として断る!!
 嫌なの!!」

 砲撃に次ぐ砲撃で、最初に現れた一群はあっという間に撃破。
 巨大ロボは倒したら倒した分だけ、追加が現れる。
 数が多く、巨大で、意外と動きも速い・・・・正直、接近戦なんてやってられません。
 装甲はそこまで固くないので、なんとかなってる。
 一撃で倒せないなら、接近される可能性があがるから。

「ミスれ」

「嫌だ」

「そういえば、無差別ビーム発生装置は?」

「ドラグーンなら、今回も使ってるよ。
 命中弾は殆ど無いけど、たまに当たってるから。
 何度か、アースラの方に飛んでいったような気がするけど、気のせいなの」

「・・・・当たってないなら良いんじゃない。
 あとで謝っとけば」

 接近さえさせなければ、リアルなガンシューティングゲームと変わらない。
 目標をセンターに入れて発射。
 目標をセンターに入れて発射。
 目標をセンターに入れて発射。

「って、それガンシューティングじゃない!!」

「ん?」

 いい加減、うざくなって来たので、チャージ開始。
 一発大きいの撃って、スッキリしましょう。
 フェイトちゃん相手に使ったチャージ砲スターライトブレイカーにプラスして、周囲のドラグーンも一斉発射。

「ドラグーンフルバーストやな」

「ストフリとの違いは、ドラグーンの砲撃が狙った場所に飛ぶのか、が・・・・運任せになる事なの」

「やっぱりかい!!」

「空間認識能力が無くて、スーパーコーディネーターでも無い私には無理な相談なの。
 とりあえず、私には当たらないから問題ないの」

 チャージ、チャージ、チャージ・・・・チャージ完了。
 私の一撃は、全てをぶっ壊すの!!
 全力全開、スターライトブレイカー+ドラグーン・・・・発射っ!!
 今回は運が良く、半数のドラグーンから発射された砲撃が、スターライトブレイカーと同じ場所に着弾した。
 残り半数は、アースラ方向へ。

「まさに無差別ビーム発生装置や」

「なのなの。
 ちなみに、直撃はしてないらしい。
 真横通過したらしいけど」

「・・・・危なっ!!」

 私の・・・・気分的にスッキリする事が目的の一撃は、巨大ロボを粉砕し、壁を突き抜け、時の庭園自体を貫通した。
 この一撃に気をよくした私は、もう一度チャージを開始して、もう一度撃った。
 2回目の砲撃を撃って、少し時間が経過すると、全て終わったとエイミィさんから連絡が入った。
 アースラに帰還後聞いた話だが、私の一撃は・・・・フェイトちゃんのお母さんに直撃したらしい。

「・・・・をいっ!?
 駄目人間!!」

 ついでに蛇足だが、2回目の砲撃は、クロノ君の目の前を通過してった。

「更にをいぃぃぃっ!?」

 時の庭園だが、私の撃った魔法が原因なのか怖くて聞けなかったが、最後に崩壊した。

「絶対原因なのはちゃんやん!!」

 アースラに戻った私は、適当な椅子に座り、今後の話などをクロノ君から聞いてた。
 フェイトちゃんとアルフさんは護送室、フェイトちゃんのお母さん、プレシアさんは医務室に連れて行ったとの事。
 今回の事件の重要参考人なので、隔離する必要が・・・・プレシアさんは目覚めていないので、医務室行きになったの。
 次元断層を引き起こしかねない事件だったって言ってるけど、次元断層ってなんだろ?

「とりあえず、危ないもんと思っとけばええと思う。
 話の流れ的に」

「だよね」

 時空管理局としては、関係者の処遇には慎重にならざるをえない・・・・プレシアさんって関係者だったんだ。
 巨大ロボと戦ってた私が必死で撃った砲撃の流れ弾が当たった犠牲者かと思ってたの。

「また捏造してる」

 真面目な話してる所、悪いんだけど。
 頭の包帯で、リボン作ってあるの・・・・意外と似合ってるね、リボン。
 エイミィさん嬉しそうだし。
 事件解決から数日、私はアースラに泊まり込む事になった。
 怪我人も多数出たし、アースラ内がゴタゴタしてたから帰れなかった・・・・とりあえず、リンディさんからお母さんに電話で連絡は入れて貰った。

「電波届いたんだ?」

「うん、届いてた。
 私も最初無理じゃないかなって思ってたけど、普通に携帯が繋がった。
 確か、はやてちゃんにもメール送ったと思うよ」

「メール・・・・ああっ!!
 あれか?
 あの意味不明な内容の」

「意味不明じゃないの、ちゃんと正直に書いたの」

「表彰されて賞状貰った。
 戦艦って、賞状まで常備してるんだ。
 初めて知ったの。
 ・・・・って、意味不明やん!!」

「いや、本当に表彰されて賞状貰ったんだけど」

 私とユーノ君は、事件解決の手伝いをしたとして、リンディさんから賞状貰った。
 賞状貰った後、クロノ君と歩いて少し話をした。
 フェイトちゃんは、お母さんのためにジュエルシード集めてたんだって。
 それで・・・・元々がユーノ君の持ち物だから、窃盗罪になるのかな?
 フェイトちゃんの罰は、数百年以上の幽閉が妥当だが・・・・事情が事情なんで、なんとかするって言ってた。

「数百年以上幽閉って・・・・魔法使いの人は長生きなんかな?
 妥当とか言ってるし」

「そうだね。
 それに、フェイトちゃんはお母さんのために頑張ったんだから」

「そやな。
 誕生日プレゼントにジュエルシードを集めてたんかな?」

「そこら辺の理由は聞いてないの」

 そうそう、アースラに宿泊中の食事だけど。
 食堂での食事、洋食だった。
 米じゃなくて、パンだった。

「なにぃぃぃっ!?
 こ、米がないだと」

「うん、リンディさんは日本大好きっぽいけどね」

 アースラから降りて帰ってきた・・・・戻ってきた私の日常。
 今まで通りだけど、いろんな事があって、少しだけ違う日常。
 数日ぶりの家族、数日ぶりの友達。
 そして忘れては駄目なのが・・・・数日ぶりのマイ枕。

「マイ枕か・・・・確かに大切や」

 たった1つ、気がかりなのはあの子のこと。
 綺麗な眼をした、きっと優しい・・・・あの子のこと。
 魔法少女で主人公なフェイトちゃんのこと。
 あと、私の魔法が直撃したプレシアさんって大丈夫なのかなって。

「それ1つじゃない。
 2つや」

「だって、私がアースラ降りるときになっても、プレシアさん目覚めてなかったし」

「・・・・自首しようか?」

「非殺傷設定だから死んでないの」

 更に数日後。
 早朝、クロノ君から電話があった。
 眠かったので無視しようかとも思ったけど、愛想良くするって決めてたんで嫌々ながら出ることにした。
 内容を簡単に言うと。
 1つ、フェイトちゃんは無罪になりそう。
 1つ、裁判は時間がかかる。
 1つ、今からフェイトちゃんと会える。

「数百年の幽閉が無罪。
 クロノ君、超人?」

「裁判とか難しくて分かんないけど・・・・クロノ君が凄いのは分かった」

「愛想良くして正解やと思うで」

 公園で、フェイトちゃん達と待ち合わせ。
 私が到着したときには、フェイトちゃんとアルフさん、クロノ君がそろってた。
 ユーノ君が私の肩から飛び降り、ちゅうちょせずアルフさんの肩に飛び乗った。

「・・・・やっぱ、男より女か」

 フェイトちゃんと2人っきりになり、いろいろ話した。
 話した中で思ったことがあるけど・・・・フェイトちゃんって、凄く男らしいと思うの。
 たぶん、女子校に行けば、すずかちゃんの好きな漫画みたいな展開になると思う。

「女の子同士?」

「うん。
 なんでか、私がフェイトちゃんの胸に抱きついてしまった」

「・・・・逆やない?
 男と女で逆やない?」

「フェイトちゃんは主人公だから問題ないの」

 そしてフェイトちゃんとの別れ際、お互いのリボンを交換した。
 また、会えるよね。
 フェイトちゃん。

「で、交換したリボンってそれか?」

「うん。
 今日もフェイトちゃんのリボン使ってるの。
 なんとなく、状態異常無効とか付いてそうで」

「台無しや。
 私のちょっとした感動を返せ」

 これで、魔法使いになった私に訪れた小さな事件はお終い。
 必死に戦った時の庭園戦。
 フェイトちゃんを無罪にするために奔走したクロノ君。
 お母さんが目覚めないままのフェイトちゃん。
 フェイトちゃんの物語は終わってないけど、地球にいる私が関係する話は終了。
 裁判の終わったフェイトちゃんと、また会える日が来るのを願って。
 魔法少年リリカルなのは。
 皆、応援ありがとうなの♪

「これで雑談用のネタも終了か。
 意外と短かったような気がするな」

「まあ、大冒険したって程じゃないしね。
 最後の方は、遠くに行ったけど。
 基本的には、近場で事件が起きてたし」

「なんかちょっと疲れたし、昼寝でもしようか」

「いいねー。
 賛成」

「じゃあさ、移動しようか」

「私用の枕も出さなきゃね」






[12339] その9(A's)
Name: むだーい◆df05c8c0 ID:64a3d011
Date: 2009/10/17 09:47
 それは、平凡な小学校3年生(ただし不登校)だったはずの私、八神はやてに訪れた小さな事件。
 自覚したのは勇気の心、受け入れたのは魔法の力。
 親友だけに任せておけず、私も力になりたいと、ずっと思ってた。
 想いはあれど、力が足りない。
 あなたの支えに・・・・私はなりたい。
 魔法少年リリカルはやて、始まります。

「あの、はやてちゃん。
 なに・・・・そのパクリ」

「いや、私もな。
 魔法使いになったから、ちょっとやってみようと思って」

「ってかさ、はやてちゃんの件は、私も関わってるから、今さら雑談で話されてもね」

「大丈夫や。
 なのはちゃんの知らんことも入っとるから」

「んー、まあ良いか。
 じゃあさ、さくさく進めようか」

「そやね。
 皆が帰ってくる前に、さくっと終わらせようか。
 この話、あんまり好きじゃないっぽいしな」

「だろうね。
 どっちかと言うと、忘れたい思い出だと思うよ」

 その本を見つけたのは、1ヶ月と半月前になる。
 魔法使いの親友ポジションやから、私も魔法使いになれる可能性があると信じて、なのはちゃんとレイジングハートに協力を依頼し、家捜しを実行した。

「そんな事もあったね。
 あの時も言ったけど、親友ポジションって、ビデオカメラ片手に私の勇姿を記録に残すんじゃないの?」

「それ、魔法少女物やない?
 ってか、車椅子の少年に、カメラ片手で撮影しながら動きを追うとか無茶すぎる。
 機動力が足りてない」

「・・・・飛べ。
 空を飛べば、車椅子の問題が解決するの」

「・・・・だから、空を飛ぶには魔法使いにならなきゃならんのや!!」

「・・・・気合い?
 お兄ちゃんだって、瞬間移動っぽいのを気合いで使ってるし」

「チート一家高町と私を一緒にしないでよ」

「チートなのは、私以外の家族なの」

「魔力タンクチートめ」

 家捜しの結果、私の机から、鎖で封印された本を発見した。
 レイジングハート曰く、魔法技術で作成された物らしい。
 ・・・・あれって、ちょっとおかしなインテリアじゃなかったか。

「うん、私もインテリアだと思ってたの」

 魔法技術の物って分かったけど、実際がなんなのかは不明。
 でも、漫画とかアニメの場合に照らし合わせると・・・・なのはちゃんと一緒で、魔法使いの杖。
 つまり、デバイスだ。

「・・・・まあ、私が知ってる魔法技術の物って、デバイスにジュエルシード、アースラ。
 あと、時の庭園」

 本に付いてる鎖を外そうと頑張ったんやけど、無理でした。
 しかも、取扱説明書がどこにもないから、使い方も分からへん。

「うんうん。
 私と一緒に考えたよね」

「そうや。
 そしてついに、ネカフェでさまざまな漫画を読んで解決策を発見した」

「いやー、途中目的を忘れりしたアクシデントが数回あったけど、なんとかなって良かったの」

「そやね」

 私達が力を合わせて見つけた解決策。
 それは・・・・具現化系の念能力の練習法。
 いや、そこに至った経緯は2人して不明。

「うん、なんで念能力、それも具現化系にいたったのか」

「いまだに謎や」

「念能力なら、操作系じゃないの?
 使い方を知りたいから、名前的に操作」

「とりあえず、続き話すよ」

 1日目。
 本をよく知ろうと思って、ずっと眺めてた。
 2日目。
 眺めるのが飽きたんで、絵を描いてイメージを固めようと挑戦。
 なぜか、赤毛の少女の絵が描けてしまった。
 なんで?
 3日目。
 お絵かき再チャレンジ。
 今日は、おっぱい剣士の絵を描きました。
 ・・・・うむ、無意識に絵にしてしまう位、おっぱい剣士が凄かったのだろう。

「はやてちゃんの趣味は、付き合いきれないの」

 4日目。
 絵を描くことを諦めた。
 なぜか本の絵を描いているのに、違う絵になってしまう。
 今日は、味を確かめてみた。
 ・・・・特に味を感じない。
 5日目。
 前日の失敗を繰り返さないように、今日は塩を振ってみた。
 少ししょっぱくなったが、やっぱり駄目だ。
 試した後、水洗いして天日干しにした。
 6日目。
 今日はマヨネーズで試した。
 しかし、駄目だった。
 水洗いじゃ駄目っぽかったんで、洗剤とタワシでマヨネーズを落としました。
 7日目。
 味を確かめるのは、私じゃ無理と思ったので、アリサちゃん家に行って犬達に噛んで貰った。
 ヨダレでベタベタしたんで、今日は洗濯機で綺麗にした。

「凄く頑丈だよね」

「汚れって、結構落ちたよ。
 洗濯機」

「洗濯機か・・・・今度、レイジングハートも入れてみようかな」

 8日目。
 一緒に寝てみようと思ったので、タオルで包んで枕代わりにしてみた。
 特に何もおこらなかった。
 9日目。
 一緒に風呂に入った。
 鎖が付いて重くなってるはずなのに、浮いてた。
 あと、洗うときには洗剤とタワシで頑張ってゴシゴシした。
 10日目。
 今日は散歩に出かけた。
 膝の上に置いてたと思ったけど、家に帰ったとき、なんでか車椅子に引きずられる形になってた。
 また、タワシと洗剤のお世話になった。
 気のせいか、最初と比べると色が落ちたような。

「洗剤が悪いんじゃない?
 相性の問題とか」

「うん、せやから。
 この日から洗剤変えてみた」

「今度は、色落ちしないと良いね」

 11日目。
 放置プレイをしようと思い、実行。
 冷蔵庫のチルド室に設置。
 12日目。
 チルド室から冷凍庫に移動。
 13日目-15日目。
 放置中。
 料理に冷凍品使ってないから、冷凍庫を開けることもない。
 ・・・・アイスも切れてるし。
 16日目。
 数日ぶりに本を冷凍庫から取り出したら、凍ってた。
 大きめの鍋にお湯を沸かし、沸騰したところで本をぶっ込んだ。
 解凍成功。
 17日目。
 久しぶりに本の絵を描くことに挑戦。
 金髪のドジッ子に早変わり。
 なぜ?

「って、放置プレイもやってたんだ。
 それ、既に念能力から外れてない?」

「・・・・そうかな?」

「そうだよ」

「そうなのかな?」

「絶対そうなの」

 18日目。
 なのはちゃんにパス。
 これから数日間お願い。
 19日目-21日目。
 検査入院中。
 なのはちゃんが頑張ってくれたと思う。

「とりあえず、お兄ちゃんの盆栽の下に設置しておいた。
 自然の力を吸収し・・・・凄くなるんじゃないかなって」

「盆栽か・・・・それは考えつかなかった。
 流石なのはちゃんや」

 22日目。
 味が分かるかなって思って・・・・翠屋のシュークリームをお供えしておいた。
 夕方見たときに残ってたから、食べないと思って、私が代わりに喰っておいた。
 美味しかった。
 23日目。
 1つ思い出した。
 壊れたテレビは、右ナナメ45度からの打撃で直るって聞いた事があった。
 ぺちぺち叩いたけど、私の手の方が痛かった。
 湿布って、まだ残ってたっけ?
 24日目。
 私の力じゃ無理だと感じたので、緊急協力を依頼。
 恭也兄さんの出番です。
 木刀で叩いて貰った。

「ああ、あの日ね」

「そや。
 でも、本とは関係無い話しやけど。
 恭也兄さんに手伝いお願いしたとき、車椅子を押して貰ったんだけど・・・・車輪が浮いてた。
 微妙に持ち上げて移動した」

「修行してたんじゃないの?
 ついでだし」

「やっぱり?」

 25日目。
 今日も恭也兄さんお願いした。
 なぜか、真剣持ち出して滅多斬りしてた。
 26日目。
 瞬間移動の奥義を使いながら、今日も滅多斬りにしてた。
 本が切れてないのが気に入らないのかな?
 刀が少し刃こぼれしたって、涙眼になってた。
 27日目。
 恭也兄さんに美由希姉さん。
 それに士郎さんの3人がかりで、滅多斬り。
 最初の目的、忘れてないかな?
 28日目。
 今日も挑戦するってはりきってた恭也兄さん達に断りを入れた。
 目的、忘れてるよね?

「忘れてると思うよ」

「うん、そうやね」

「で、道場が凄くボロボロになってたけど、その時って効果あった?」

「汚れてたから、洗剤とタワシのお世話になった」

 29日目。
 いろいろやったけど、全然使い方が分からない。
 なんで、こんな事してるんだっけ?
 ぼーっとしてたら、醤油こぼした。
 30日目。
 料理中、間違えて味噌の中に本を突っ込んだ。
 やばい、本格的にぼーっとする症候群にかかってしまった。

「ぼーっとする症候群?」

「今適当に名付けた」

 31日目。
 最終手段、レイジングハートに相談する。
 魔法技術の産物だから、魔力とか流せば良いんでない・・・・やる気無く答えてくれた。
 ついでに、私のことも魔力タンク2号と名付けられた。
 32日目。
 魔力の流し方が分からなかったので、今日一日使ってレイジングハートから習った。
 私的に分かりやすく言い換える。
 フリーザに、クリリンがボンッとされたときの事を思い出し、ガーーッとやってグギューーンっと、そしてエレガントに優雅に雄々しく、最後になんとなく。

「・・・・凄く分かりやすいの」

「やはり、なのはちゃんも分かってくれるか」

「うん」

 33日目。
 魔力を流すのを明日に設定。
 今日は、適当な呪文を集めてみる。
 34日目。
 なのはちゃんに協力を依頼し、2人して一気にガーッて流そうと思う。
 公園に移動し、結界をレイジングハートに用意して貰う。
 そして魔力を流し始め・・・・最初っからクライマックスだ。
 ついでに、調べた呪文も唱え始めた。

 ふんぐるい むぐるうなふ くとぅぐあ ふぉまるはうと んがあ ぐあ なふるたぐん いあ くとぅぐあ

 なのはちゃんも、一緒に。

 ふんぐるい むぐるうなふ くとぅぐあ ふぉまるはうと んがあ ぐあ なふるたぐん いあ くとぅぐあ

 調子に乗ってもう一度。

 ふんぐるい むぐるうなふ くとぅぐあ ふぉまるはうと んがあ ぐあ なふるたぐん いあ くとぅぐあ

 おまけにもう一回。

 ふんぐるい むぐるうなふ くとぅぐあ ふぉまるはうと んがあ ぐあ なふるたぐん いあ くとぅぐあ

 何度も何度も言い続けた。
 魔力を流しているのも忘れて、歌ってた。
 レイジングハートが警告してたような気もするけど、私は流す力をドンドン強くしていった。
 なのはちゃんは、なのはちゃんは・・・・砲撃撃っちゃった。
 1人で魔法使えるようになってたんだね。
 結果、本がバラバラになっちゃった。
 そして、その場に残ったのは・・・・バラバラの本、1男4女。

「うん、あれは驚いたの。
 もしかして、私が原因って思ったりもした」

「なのはちゃんが原因やん」

「はやてちゃんの呪文が問題じゃないの?」

「なのはちゃんや!!」

「はやてちゃんなの!!」

「なのはちゃんや!!」

「はやてちゃんなの!!」

「なのはちゃんや!!」

「はやてちゃんなの!!」

「「むーーーーっ!!」」

 今日はここまでや。
 私にも来た魔法使い覚醒イベント。
 見つけたのは魔法の本っぽいの、壊れたのも魔法の本っぽいの。
 本がバラバラになって、それと一緒に現れた5人組は誰なんだろ?
 泥棒さん達なら、チート一家を呼ぶけど。
 それ以前に、私の魔法使いイベントは・・・・成功したのだろうか?
 魔法少年リリカルはやて。
 皆も、応援よろしくや♪

「誰って、もう知ってるじゃん」

「いや・・・・なのはちゃんの時も、似たような事やってたよ」

「私は良いの」

「自分勝手やな」

「だって、私が先にやった奴だから、私に優先権があるの」

「そんなの知らん。
 とりあえず、なのはちゃんが持って来た、翠屋のシュークリームでも食べよか」

「私は冷蔵庫から飲み物持ってくるね」






[12339] その10(A's)
Name: むだーい◆df05c8c0 ID:64a3d011
Date: 2009/10/20 23:47
 それは、平凡な小学校3年生(ただし不登校)だったはずの私、八神はやてに訪れた小さな事件。
 自覚したのは勇気の心、受け入れたのは魔法の力。
 運命に導かれた家族との出会い。
 それは、嬉しいことなのか、悲しいことなのか。
 今は、まだわからない。
 魔法少年リリカルはやて、始まります。

「前回の続きからなら、私も知ってることだから・・・・ぶっちゃげ、終りで良いんじゃない?」

「いや、そこはお約束って奴や。
 ここまで話したら、最後まで話さなきゃならん」

「じゃあさ。
 交代交代で話さない?」

「ふむ・・・・交代でね。
 まあええよ」

 じゃあ、なのはのターン。
 はやてちゃんが、変なモノを召喚しようと唱えてた呪文のせいで、本が吹っ飛んだ。
 そして、ヴォルケンリッター、闇の書の管制人格と名乗る集団が現れた。
 そもそも闇の書とは・・・・話が長かったので、端折って説明するの。
 他人の魔力を分捕って、書のページをMAXにすると、大いなる力が手に入るであろう。
 つまり、魔法少女フェイトちゃん第二部はじまるよ?
 今度の敵は、はやてちゃん!?

「って、まてぇぇぇいっ!!
 本をバラバラにしたのは、なのはちゃんの魔法でしょ!!」

「違うよ、はやてちゃんの呪文が悪かったんだよ。
 私は魔力を集めて送るだけがメンドウだったんで、手に魔力を溜めに溜めて・・・・維持を放棄しただけなの。
 魔法を使ったんじゃなくて、集めた魔力が暴走しただけなの」

「暴走か・・・・なら仕方ないな。
 ぶっちゃげ、私も呪文唱えるとかしなしと、メンドウだったんだよね。
 ってか、やっぱり私が二部のボス?」

「大いなる力とか・・・・ボス乙。
 そして、スーパーフェイトちゃんタイムへようこそ」

「説明聞いた当初は、私も凹フラグが立ったと思ったけど、今はもう大丈夫でしょ」

「まあね」

 私のターンや。
 闇の書の管制人格・・・・変な名前やったので、リインフォースって名前つけた。
 リインフォースの話によると、まだ書が眠っていた状態だったので、何が起きて書が破壊されたのか不明。
 原因を追究している最中とのことや・・・・調べんでええよ。
 書の機能、蒐集されていた魔法等は、殆どが駄目になった。
 守護騎士達のデータとリインフォースのプログラムだけが残った。
 なのはちゃんが、めんどくさがってぶっ飛ばすから・・・・とりあえず、このことはお墓の中まで持って行きます。
 守護騎士達から自己紹介受けた。
 私が主、私は偉い、おっぱいおっぱい・・・・セクハラは好きやけど、パワハラは嫌いや。
 おっぱいに手を出したら、絶対にパワハラや。
 む、無念。

「はやてちゃんこそ、私に罪をなすりつけようとしてるの。
 ってか、セクハラもパワハラも変わらない気がするの」

「いいや、違う。
 地位や権力を利用したのがパワハラ。
 つまり、私が主やから・・・・パワハラになる。
 それは、私のジャスティスが許せへん」

「ジャスティスだか、クオリティだか知らないけど。
 とりあえず、犯罪なの」

「訴えられなければ、セーフ」

 なのはのターン。
 私達じゃ、どうにもならないと思って、フェイトちゃん達に頼ろうと思いついたの。
 ぶっちゃげ、スーパーなクロノ君に押しつければ、事件は解決するかなって。
 ビデオレターのやり取りをしていたので、手紙や荷物を送ることは可能。
 即座に折り返しに連絡が来る内容の手紙を書いた、こんな感じなの。
 【ちちきとく、すぐかえれ ははより】
 うん、完璧なの。

「ははきとく、すぐかえれ ちちより。
 でも良かったんじゃないの?」

「手紙を見る面々を考えると・・・・ははきとくより、ちちきとくが良いと思って。
 フェイトちゃんもクロノ君も、お母さんは生きてるし」

「あっ・・・・それがあったか」

「フェイトちゃんのお母さんは、寝てる姿しか見てないから、あんまり知らないんだけど。
 クロノ君のお母さん、リンディさんは・・・・私のお母さんと一緒で、見た目年齢が全く一致しない人種だから。
 下手に貶めない方が、身の安全の為なの」

「桃子さんと一緒か・・・・チートやな。
 って、それ前にも言った」

 私のターンや。
 通信が繋がって、当事者たる私も話しに参加。
 闇の書って本がバラバラになったので、修理が出来ないか聞いてみた。
 クロノ君とリンディさんが、飲んでるお茶を噴いたけど・・・・なんや、汚いな。
 闇の書について聞かれ、闇の書関係のことを話した。

 守護騎士プログラムのデータとリインフォースのみが無事で、それ以外は大破したこと。
 本の中にあった魔法関係は、全て無くなったこと。
 再生機能が付いてたっぽいけど、再生できなくなったこと。
 つまり、デビルガンダム細胞消滅ってこと。
 闇の書の残りは、竹箒で集めれる分だけ集めて、燃えるゴミ袋にまとめてること。
 リインフォースがタワシを怖がってること。
 シグナムは、見た目年齢的に大学辺りにいった方が良いと思ったので、現在勉強中とのこと。
 シャマルは、翠屋に放り込んで翠屋の店員さん、かつ桃子さんからスイーツ作成を習っているとのこと。
 ヴィータは、小学校に通わせようと思ったけど、子供に混じれるかって言って断わったこと。
 ヴィータにイナズマイレブンを見せて、これが日本の中学生のサッカーだって嘘教えたら、思いっきり信じて、学校に行ってサッカー始めるって言い出したこと。
 ザフィーラは・・・・特に思いつかなかったので、自宅警備員させてるってこと。
 あと、リインフォースは家事手伝いをしてること。
 
 闇の書以外でも、雑談として私のことも話した。

 私の両親が死んでから、自称・私の父親の友人だと名乗るイギリス紳士から援助を受けてるとのこと。
 イギリス紳士のギル・グレアム氏の顔を知らないこと。
 ってか、ぶっちゃげ、私の父親は外人の知り合いはいないこと。
 顔を見せない、自称・父の友人さんの目的が不明なこと。
 私の性別を間違えてて、光源氏計画を実行中なのか、それともガチで同性が気に入ってるのか、ちょっとビクビクしているとのこと。
 親の遺産があるから、援助受けなくても大丈夫だけど・・・・お金は多くあっても全然問題ないから、現状維持してること。
 ちょっと前に家の庭で、二足歩行で歩いてたネコが2匹いて、その写真を撮ってたので、それを見せたこと。

「雑談の方が、長くなかった?」

「うん、時間的には長かったな。
 ってか、闇の書について、全然知らんし、私達じゃ修理も不可能やしね。
 でもさ、なぜか自称・父の友人さんのネタで、お茶を噴いてたよね?
 あと、ネコの件でも」

「あれじゃない。
 光源氏計画とかで。
 ネコはわかんないの」

「うん。
 援助のため、何度かビデオレター送ったことあるけど、私って見た目女の子やから・・・・それでかな?
 ってか、私がビデオレター送る前に、私のこと知ってたと思うんやけど。
 だって、私がビデオレター送ったのは、援助が始まった後だし」

「はやてちゃんの写真だけ見て、性別を女の子って思ったんじゃないの?
 で、気に入ったから援助したとか」

「う~ん、最悪チート一家高町の力を借りて踏み倒そうと思ってたけど、今はシグナム達がいるから、強引に金返せとか言われても、武力行使で黙らせるから。
 シグナムで燃やすか、ヴィータで潰すか、ザフィーラが噛むか」

「・・・・最悪なの、この親友。
 ってか、シャマルさんと、リインフォースさんは?」

「逆ならどうする?
 あの2人は思いつかん」

「・・・・流石はやてちゃん。
 私も同じ考えなの!!」

「・・・・最悪だ、この親友」

 なのはのターン。
 とりあえず、通信から数日後、アースラがやってきた。
 いろいろと難しい話をしてたけど、私ははやてちゃんは聞いてる振りして睡眠という技を使い、ぐっすり眠れた。
 話は、ヴォルケンリッターさん達とリインフォースさんが真面目に聞いてたと思うの。
 結論から言うと、闇の書ってイデオンガン・・・・じゃなくて、ロストロギアって奴で、封印したいって言ってたので、燃えるゴミ袋ごと渡したの。
 代わりに、ストレージデバイスって奴を貰った。
 はやてちゃんの目的は、見事達成なの。
 ヴォルケンリッターさん達、昔やんちゃで暴れてたらしいけど・・・・主の命令は絶対とか言ってたから、以前の主さんが悪いって事で決定。
 元ロストロギア、現燃えるゴミを渡して、ストレージデバイスGET。

「うん、古紙回収でトイレットペーパーと交換できるように、ロストロギア渡してデバイスと交換。
 リインフォースに確認済みだけど、闇の書って完全に燃えるゴミらしいんや。
 言ってるとき泣いてたけど」

「うん、泣いてたの。
 燃えるゴミ袋に入れたとき、一緒に落ち葉とかが混じってたのが悪かったんじゃないの?」

「それはしかたがないこと。
 広範囲に散らばってたから、余計な物も混ざるんや」

 私のターンや。
 なんでか知らんけど、自称・父の友人さんは逮捕される寸前までいったそうです。
 イギリス紳士って思ってたけど、所詮魔法世界の人やったんやな。
 ってか、クロノ君が事情聴取とかしたんだって。
 んで、援助の件は・・・・そのまま続行。
 光源氏計画じゃなくて、闇の書育成計画だったそうで、元々は闇の書を粗大ゴミにしたかったので援助してたって。
 計画の内容は、闇の書が完成しそうな瞬間に、氷漬けで封印するって言ってたような気がする。
 で、燃えるゴミになったから、一応目標は達成した・・・・事になった。
 自称・父の友人さんは、やることもなくなったしイギリスで隠居、お金も余ってるし援助続行・・・・って、イギリスかいな。
 あと、私のデバイス運んでくれて、ありがとな。
 家に帰るまでが遠足やから、ちゃんと帰るんやで。
 ばいばーい。

「良かったね。
 踏み倒し計画を実行する必要もなくなって」

「そやな。
 自称・父の友人さんの事情が全く分からんけど。
 定年退職で、退職金も沢山貰って、お金余ってるから、私にくれる。
 そう理解した」

「全然違うような気がする。
 余ってるのはあってるかも知れないけど、闇の書を燃えるゴミにしたから、その報奨金じゃないの?」

「賞金稼ぎじゃあるまいし。
 余ってるから、貰ったで良いと思う」

「いや、はやてちゃんが言うなら、それで良いよ」

 なのはのターン。
 いろいろあったけど、はやてちゃんも魔法使いになった。
 ヴォルケンリッターさん達、リインフォースさんの今後、はやてちゃんの雑談で言ってたことをやるって。
 特にヴィータちゃん。
 公園で、必殺技の練習してたけど・・・・ドリルでサッカーボール殴ると、絶対に破裂すると思うの。
 力加減とか、真ん中を打てないとか以前の問題。
 素直にハンマーで打ちなさい。

「それ以前に、サッカーで道具の使用って出来たっけ?」

「知らない。
 まあ、問題ないんじゃないの。
 あの世界なら」

「そやね。
 なぜか宇宙人が中学サッカーで決着つけようとしたりするし」

「どうせなら、プロと戦えなの」

「中学生であのレベルなら、世界レベルのプロなら・・・・エイリア学園を倒せるんじゃないのかな?」

「だと思うの」

「まあ、物語の進行上しょうがないと思うけどな。
 ってか、結構面白いから問題無し」

「賛成なの」

 私のターンや。
 騎士甲冑ってのを考える必要とかあった。
 玩具屋さんまで出向いて、イメージを固めた。
 なんとなく、ザフィーラの騎士甲冑を・・・・ダンボールガンダムにして、皆で大爆笑した。
 冗談を止めて、ダンボールから普通のにしてあげた。
 ザフィーラ、泣いてた。
 かわいそうに・・・・なのはちゃんに虐められたんやな。

「って、ダンボールにしたのは、はやてちゃんなの!!
 私、全く関係無いの」

「・・・・だって、ボケろってアイコンタクトあったやん」

「でも、やり過ぎなの。
 せめて、ジャングルの王者ターちゃんスタイルにするとか」

「・・・・マッチョな裸が見たいと申すか?」

「・・・・ゴメン。
 私が悪かったの」

 今日はここまでや。
 私に来た魔法使いイベント。
 なのはちゃんみたく、フェイトちゃんフル凹フラグはなかった。
 燃えるゴミになった闇の書とデバイスを交換して貰えてラッキーや。
 あと、リインフォースとフュージョンして、魔法の威力などがアップ。
 なのはちゃんとレイジングハートコンビみたく、全てをリインフォースに押しつけることも可能なので、なお良し。
 特にイベントと言えるようなイベントは無く、私のイベントは終了してしまった。
 魔法少年リリカルはやて。
 皆、今まで応援ありがとうや♪

「うん。
 今になっても、よく分からないイベントだったけど・・・・はやてちゃんは理解出来た?」

「全然。
 とりあえず、デバイスを貰ったから問題ない。
 あと、言ってなかった件が1つあった」

「なに?」

「んとな。
 なぜか足が治った。
 今、病院でリハビリしてるとこや」

「へー・・・・って!?
 マジで?」

「マジや。
 魔法使いになったからか知らんが、足が治った。
 石田先生も驚いてた」

「そりゃあ、驚くと思うの。
 じゃあ、今日帰ったらお母さん達にも伝えとくね」

「うん。
 リアビリが終わったら、盛大にパーティーや。
 しかも無礼講にして・・・・桃子さん達に挑戦したる」

「・・・・無理だと思うけど。
 とりあえず、生け贄は私以外にしといて」

「・・・・ヴィータがいる。
 桃子さん達にヴィータを差し出せば、問題ない」






[12339] あり得たかも知れないSts編
Name: むだーい◆df05c8c0 ID:64a3d011
Date: 2009/10/26 22:01
・機動六課のあり得たかも知れない勧誘編

 新暦71年、11歳の時にミッド臨海空港の大規模火災事故に巻き込まれた。
 炎の中から助け出してもらって、連れ出してもらった広い夜空。
 冷たい風が優しくて、抱きしめてくれる腕が温かくて。
 助けてくれたあの人は強くて、優しくて、カッコよくて。
 泣いてばかりで何も出来ない自分が情けなくて。
 私はあの時、生まれて初めて心から思ったんだ。
 泣いてるだけなのも、何も出来ないのも、もう嫌だって。
 強くなるんだって。
 あの背中に誓ったんだ。

「って事で、私の作る新部隊。
 機動六課にどや?」

 私の前にいるのは、八神はやてさんと高町なのはさん。
 高町なのはさんは・・・・私を助けてくれた、私の憧れてるあの人。

「あの・・・・なぜ私なんです?」

 魔導師ランク昇進試験の結果、再試験について話を聞いた後、私だけが呼び止められた。
 ティアは、話が終わるまで外で待っててくれてる。

「次元世界は広いから、どこかにはいると思ったんよ」

「・・・・改造人間が」

「スバル・ナカジマ二等陸士。
 君は、私らが待ちに待った・・・・得難い人材や」

 改造人間。
 私が戦闘機人だって調べたんだ。
 やっぱり、私は兵器なのかな?
 なのはさん。

「戦闘機人としての、私が必要なんですか?」

「違う!!
 戦闘機人やない、改造人間や」

「スバル。
 あなたなら・・・・仮面ライダーになれるの」

 ・・・・仮面、ライダー?

「えっと、なのはさん?」

「流石に、適当な生け贄を探して改造手術を施すわけにはいかないし」

「そやね。
 出来れば、平成ライダーより、昭和ライダーの方が・・・・嬉しいやんか」

「うんうん。
 やっと、管理局に就職してて良かったって思ったの。
 仕事と言っても、戦技教導ってメンドイんだよね」

「なのはちゃんは、楽だから良いやん。
 教導で教えてるのって・・・・なのはちゃんの砲撃から生き延びろでしょ」

「まあ、私は実技だけで、それ以外は自習にしてるけど。
 訓練生達は、デットorアライブで十分なの。
 それに、はやてちゃんはリインフォースさんに全て丸投げしてる。
 私より、はやてちゃんの方が駄目駄目なの」

 ・・・・えっ!?
 なのはさん、高町一等空尉の教導を受けた部隊って、凄く成果をだしてるって聞いているんだけど。
 お二人の話を聞く限り、評判と違うように聞こえるんですが、八神二等陸佐も。

「大丈夫や。
 リインフォースは、私のユニゾンデバイスやから、リインフォースの成果は私の成果や。
 って、そんな事より。
 今はライダーの方が重要や」

「はっ!?
 それも、そうなの!!」

 だから、仮面ライダーってなんですか?

「まず、仮面ライダーとはなにか。
 それから説明しよ」

「私達の出身。
 第97管理外世界「地球」極東地区日本で放送されてた特撮番組。
 世界征服を企む国際秘密組織ショッカーに拉致され、バッタの能力を持つ改造人間にされてしまった主人公が、ショッカーの怪人達と戦う話。
 本郷さん格好良すぎ」

「改造手術から始めるより、改造人間のスバルを引き抜いた方が早いと思って。
 まあ、改造手術自体無理っぽいし。
 もし手術をする場合でも、知り合いの変態博士に頼むしか方法無かった。
 もしくは、変態博士の娘さんをレンタルするか。
 だから、管理局にスバルがいてくれて良かったよ」

 戦闘機人だからどうこうって話しじゃなく、仮面ライダーに最適なのが私って事ですか?
 それに、変態博士って・・・・戦闘機人を作れるんですか?
 その時点で犯罪者じゃ。

「既に、サイクロン号の作成も依頼してる。
 魔法無しで、垂直の壁面を登れる機能を絶対につけて貰う」

「うんうん。
 駄目だった場合は、変態博士の秘密基地を砲撃でぶっ壊すの。
 壊す前に、変態博士の作品は回収するけど」

「山奥で、周りに住んでる人もいないから・・・・思いっきり撃てるしな。
 変態博士の作品って、面白い物が多いんやし。
 いつか、思いっきり奪いたいって思ってたから、丁度良いかもしれんし」

 てぃあ~。
 なのはさんのイメージが。
 私の中の、綺麗な思い出が。
 目の前で犯罪の計画練ってるよ。

「あの・・・・その仮面ライダーで、なにをするんですか?」

 犯罪の方向から、仮面ライダーに話を戻す。

「「・・・・特になし」」

「えっ!?」

「機動六課の活動としては、ライダーである必要も無いし。
 今回は外れて貰った、ティアナ・ランスター二等陸士にも声をかける予定や」

「今回は、仮面ライダーの話だったから、スバルだけにお話ししてるの」

「じゃあ、なんで最初に機動六課の話を?」

「・・・・機動六課の引き抜きって事で時間貰ってるから。
 とりあえず、話すだけ話したって感じ。
 んで、仮面ライダーの方が本命」

「今なら、サイクロン号に続き。
 燃料不要のジャングラーもセットで。
 ああ、変身ベルトも、勿論付いてくるの」

「そやで、ベルトの方は使用者にあわせた調整をすれば完成って所までいってる」

「全て、私達の知り合いの変態博士が不眠不休で頑張ってくれたの」

「先ほども聞きましたけど、なにするんです?
 その機動六課では、仮面ライダーである必要はないんですよね?」

「そやで。
 私達も鬼やないから、部下に対して、強制は出来ん」

「ただ、仕事外の時間に付き合ってくれれば良いの。
 まあ、仕事中でも、スバルが良いなら、ライダースタイルでも問題ないけど。
 むしろ大歓迎なの」

 ・・・・えっと、趣味のために私を機動六課にスカウトしてると。

「勘違いしてるかも知れへんけど。
 仮面ライダーとは関係無く、スバルとティアナは引き抜く予定やで。
 リインフォースが鍛えれば育つって言ってたから」

「その時は、私が鍛えることになるけどね。
 デットorアライブ方式で」

 ・・・・えっと、あの私を助けてもらったときに、空港の壁を全て抜いた砲撃から逃げるの?
 あの時のなのはさん、安全のために空港を半壊させて鎮火してた記憶があるんですけど。
 それから逃げるんですか?

「大丈夫。
 人間、死ぬ気になれば強くなれるの。
 私は嫌だけど」

「実際、なのはちゃんの教導受けた部隊も強くなってるしな。
 まあ、強くならないと砲撃に当たる回数が多くなるし。
 私も嫌やけど」

「って事で、どうかな?」

「ここにはいないティアナも含め、2人を機動六課のフォアードとして考えてる。
 厳しい仕事にはなると思うけど、濃い経験も積めるし、昇進機会も多くなる。
 どないやろ?」

 えっと・・・・あの。

「執務官志望らしいティアナには、フェイト執務官にアドバイスなどが貰えると思うの」

「引き抜こうと思ってる新人達には、なのはちゃんの教導を強制的に受けさせようとも思っとる。
 実力は、確実に上がるはずや」

「上がらなければ、毎回痛い思いをするの」

「合格までは試験に集中したいやろ?
 私への・・・・YESの返事は、試験が終わってからってことにしとこうか」

 ・・・・えっと、いつの間にYESの返事になったんですか?

「スバル・・・・返事は、はいだよね?」

 あの・・・・なのはさん?
 強制しないとか、仕事外とか言ってませんでしたか?

「うん、また今度にしよか。
 試験が終わったら、もう一度話をしに行くな。
 今度は、ティアナも一緒に」

「そだね。
 ついでに、フェイトちゃんも連れて行くね」

「あっ・・・・はい!!」

 憧れたのは、私の命を救ってくれた人。
 夢に見たのは、その人みたいに強くなること。
 ずっと憧れて、夢に見て、目指してて。
 だけど、4年越しの再会は、あんまりにも突然で・・・・想像と違ってて。
 まだ、なんにもわからなくて。
 でも、ここからきっと、何かが始まる。
 私の想像にもつかない何かが・・・・そんな気がする。
 あと、なぜか命の危険も感じている。

「この話って、断れるのかな?
 後でティアに聞いてみよう」




・機動六課のあり得たかも知れない仕事編

 初めての戦いは、やっぱりピンチの連続で・・・・なんどか列車ごとぶっ飛ばそうと思った。
 歩き出した子供達は、ちゃんと自分で進んでいってる。
 メンドっ、迷いはひとまず胸の奥にしまっておいて。
 つまら、これからも続く、チームでの戦い。
 遊びた、愛機に任せて、仲間と一緒に立ち向かう戦い。
 自宅で寝て過ごしたい・・・・それぞれの場所での、それぞれの戦い。
 魔法青年リリカルなのはStrikerS、彼女募集中。

【・・・・で、なんのようだね?】

 はやてちゃんの部屋、機動六課部隊長室で私用の通信を繋げている。
 ぶっちゃげ暇なんで。
 ここにいるのは、私とはやてちゃん。
 相手は私達の知り合い・・・・見た目変人の、変態博士。
 ネットゲーム中に知り合った人。

「暇だったんで時間潰そうかと思って」

「そやね。
 私も暇なんや」

【確か君たちは、新部隊の部隊長。
 それと分隊長とか言ってなかったかね?】

「部隊長としての仕事は、リインフォースに丸投げ」

「朝運動したんで、昼からは自習にしてる」

 変態博士は、なにが聞きたいんだろう?
 ・・・・あっ。

「そうそう、ちょっと変態博士に聞きたいんだけど。
 私の友達が追ってる犯罪者で、ジェイル・スカリエッティってのがいるの。
 見た目が変態博士のそっくりさん。
 変態博士の知り合いで、この人いない?」

【・・・・知り合いにはいないね。
 知り合いには】

「じゃあさ、クアトロ姉さんの知り合いとかは?
 クアトロ姉さんの知り合いに、犯罪者がいても納得出来るし」

「ってか、当然って感じじゃないの?」

【君たちは・・・・いい加減、クアットロの名前を訂正しないと、またお仕置きされるよ】

「それは断わる!!」

「はやてちゃんと同じ!!」

 クアトロ姉さんのお仕置きは嫌なの。
 ってか、小さいこの前で裸に剥くとか・・・・変な性癖に目覚めそうで、本気で止めて欲しいの。

「クアトロ姉さんとジェイル・スカリエッティの事は置いといて。
 変態博士に送ってもらった、ベルトとサイクロン号だけど。
 流石博士、良い出来なの」

「まさにライダーやったな。
 スバルは女性だけど」

【ほう・・・・で、その映像はあるかね?
 ついでに、使用者の感想なども欲しいね。
 改良点とかが出てくるかも知れないし】

「今、ちょっと編集中や」

「やっぱり、ライダーらしい映像にしたいの」

【そうかね。
 では、編集が出来たら送ってくれるかな?】

「うん、リインフォースに頼んどく」

「編集までは私達でやるけど。
 出来た物を、他所へ送る作業はメンドイから」

【少しは自分でやろうとは思わないのかね?】

「「嫌。
  メンドイ」」

【それ、私が言ったら?】

「「砲撃」」

 なにを当たり前なことを。

【それにしても君たちは・・・・私と違って自由で良いね。
 私は、君たちみたいに仕事を回せる人間がいないから、全て自分でするしかない。
 自由な時間を作るのが難しいんだよ】

「・・・・変態博士の事情は知らないの」

「せやな。
 そんな所に就職した自分を恨め」

「ってか、変態博士の腕があるなら、今の仕事止めて独り立ちすれば?」

【そうだね。
 高町君の言うとおり、独り立ちしようと思って・・・・今準備してる途中なんだよ】

 へー、やっとって感じかな。
 前から言ってたし、労働条件が凄く悪いって。
 雇い主は老人だらけで、文句ばっかり言う。
 ついでに、今の仕事相手はごっついおっさん。
 ・・・・嫌な仕事先だ。

「そう言えばさ、変態博士。
 今度暇な日ある?
 博士の作品をパチりに行きたいんやけど」

【・・・・いつもながら、自分に正直だね。
 まあ、私としても実際に動作確認出来たり、改良点が見つかるから良いんだが】

「ちゃんとお土産は持って行くの。
 5円チョコで良い?」

「じゃあ、私はうまい棒で」

【私は構わんが、娘達がそれで満足するかな?】

 ・・・・うっ。
 冗談で持って行ったとき、チンクちゃんに説教されたの。
 下の妹達は喜んでくれたけど。

「適当に、お菓子の詰め合わせでも持って行くか。
 経費で落とせるかもしれんし」

「私は、地元のゲーセンまで行って、景品を根こそぎ取ってくるの。
 私も経費に出来ないかな?」

 ミッドでは無理だけど、地球でなら・・・・魔法を使えば取り放題なの。
 巨大な人形を持って行けば、チンクちゃんに献上すれば・・・・細かいことで説教されなくて済むの。
 ついでに人形と戯れてる写真を撮って、実家に持って帰れば、お母さんからお小遣いも貰えるの。
 まさに一石二鳥なの。

【管理局員としてそれで良いのかね?】

「部隊運営に影響ないか、良いんでない?」

「私も、部下達は成長してるし、出動も真面目に出てるから問題ないと思うの」

 部下達に対しての教導は、ヴィータちゃんとか、時々フェイトちゃんが頑張ってくれてるし、私も模擬戦で頑張ってるから良いよね?
 出動も、ガジェットを落としてるから良いよね・・・・周りにちょっとだけ被害が出てたりするけど、責任は部隊長へ。

【そろそろ仕事に戻らなくていいのかね?
 私としては、止めてる作業を進めたいのだが】

 ・・・・あっ、結構時間経ってる。

「そだね。
 そろそろおやつの時間なの」

「なんや、そんな時間か」

「じゃあ、通信切るね」

「またなー、変態博士」

【また、暇なときにでも。
 あと、仕事中には止めて欲しいのだが】

 だが断わるの。
 通信を切って、部隊長室から食堂へ移動。
 今から、おやつタイムなの。

「今日は何食うかな?」

「パフェとか?」

「じゃあ、私は団子で」

 今度の任務は、ホテルの警備とオークションの護衛。
 ぶっちゃげ、ブルジョア達の護衛とか・・・・布団干すとか言って休めないかな?
 オークションを狙うガジェットと、そして謎の召喚魔導師。
 私の仕事を増やすなんて・・・・正体つかめたら、絶対に砲撃でお仕置きするの。
 次回『魔法青年リリカルなのはStrikerS』第7話、ホテル・アグスタ。
 テイク・オフ!!

「ってか、StrikerSってなに?
 第7話とか?」

「なんとなく」




・機動六課のあり得たかも知れない解決編

 私は、なにを間違えてたのだろうか。
 どこで選択を違えたのだろう。
 ジェイル・スカリエッティ=変態博士で、事件の首謀者やった。
 最終決戦で、変態博士の逮捕より、ゆりかごの破壊の方が楽しそうだと思って、そっちに向かった。
 でも・・・・まさか、変態博士の秘密基地が半壊するなんて。
 私、変態博士の作品をパチってないのに・・・・なんで?
 私、なにか悪いことやった?

「はやてちゃん、泣いちゃ駄目なの」

「でも、でも・・・・なのはちゃんだって泣いてるやん」

 それは、悲しい結末だった。

「変態博士な、面会に行ったとき言ってたんや。
 私達向けの作品を置いてる部屋・・・・崩壊した区域内って」

「私も悲しいの」

 認めたくない出来事。
 認めたくない事実。

「泣き止もう、な。
 なのはちゃん」

「・・・・そうだね」

 それでも、私達は前へ進んでいく。

「今日の模擬戦。
 私も参加して、憂さ晴らししようか」

「はやてちゃんも?」

「事件は解決したし、事務作業はリインフォースが頑張ってるから・・・・体を動かして、悲しみを吹き飛ばそう」

「そだね」

 私達は、まだ登り始めたばかりなんや。
 この果てしない正義の坂を。

「よし、気を取り直してズバッと行くの」

「終わったら、チンクちゃん達に会いに行こうか。
 お土産持って」

「それも良いね」





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