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[15616] 【ネタ】気が付いたら傭兵将軍 (現実→王賊 ただしネタ及びギャグ満載){取り扱い要注意}
Name: カルロ・ゼン◆ae1c9415 ID:ed47b356
Date: 2010/01/18 13:29
王賊の二次創作になります。
多分R-15にもならない予定。

なんとなく勢いで仕上げてしまいました。
続くかどうかはよくわかりません。

でも、思いついた変なもののストックはあるので
あるいはどうにかなるかもしれません。

つ1/17付で督戦隊が配置されました。

更新速度があがるといいなぁ・・。

注意
ネタと顔文字が濫用されます。
御不快になる方もおられるかと思いますので
そのような方は御読みにならないでください。

ご意見はありがたく頂いております。



[15616] プロローグ
Name: カルロ・ゼン◆ae1c9415 ID:ed47b356
Date: 2010/01/16 20:34
おれの名前は名無し。
栄光ある高学歴オタク大隊の一員である。
あの忌々しい、受験戦争を勝ち抜いた。
百戦錬磨の筋金入りの精兵である。

戦争は残酷だ。
純粋だった子供達に勝ち負けを叩きこみ
外で遊ぶ仲間たちと引き離されて
前線に送り込まれる。
少年兵を国際条約が制限しようとするのも理解できる。

初めの戦いが終わったとき、子供だった自分は歓喜した。
平和だ。
自由だ。
勝ち残った200名弱の仲間たちとの未来。
だが、それは次の戦いの始まりでしかなかった。

6年のうちに幾人もの仲間が脱落していく。
嘆かわしいことに、これが世界で起きていることなのだ。
彼らを振り返る余裕など与えられない。

だから、心に癒しを求めて何がいけないのだろうか。
我々は、選び抜かれた鉄の規律を誇る前衛集団だ。
当然、薬物や飲酒喫煙になど溺れることはない。
それらは、戦争において内申書なる内なる敵を
喜ばせるだけだから。

だから、知的な遊戯こそが我らにはふさわしい。
戦略・戦術を駆使し、才を駆使する遊びこそが我らの遊戯だ。
故に、あえて言おう。ソフトハウス伽羅は最高であると。

アリスも悪くはない。だが、悲しいことにアリスはランスの新作を出さない。
前線において信用できることは重要だ。
しかし、補給がないことはもっと致命的でもあった。

そして、伽羅もまたすばらしい精度のものを提供する。
認めよう。塔を登っていく勇士に思わず惚れかけたと。
讃えよう。忍者の素晴らしさを。イベント前に統一された時は泣いたが。
だが、真の誉は王賊だろう。

素晴らしい。
我ら栄光の猿人類。
このようなものを待ち望んでいたと言っても過言ではない。

惜しむらくは、ストーリーに自由の幅が少ないことか。
伽羅にしては珍しい。
だが、その内容は秀逸だ。
自由度がほしい。
自由が欲しい。
我らは善良な子羊なのにもかかわらず
自由を剥奪され、安らぎにすら束縛がもたらされる。

エリ・エリ・レマ・サバクタニ。神よ、なぜあなたは私を見捨てたのですか。


システム巡回中…
地上世界照会中…

割り込み確認
内容照会中…..
…..
管理者への嘆願を確認
形式確認….適合
/...管理者へ通報

…嘆願内容に対する指示を受諾
……..システム確認中
構成…ok
質量保存…確認中……
最適化対象を確認….
管理者権限により事態を再確認
嘆願者の認証…ok
嘆願者の認識対象を名無しより、ラフィルト=ウィルマー=ヴィストに転換
巡回システムを平常業務に切り替え




気がつくと、裸の美人に睨みつけられている。
同志大隊戦友諸君、これはどういうことだろうか?
私は、これでも清廉潔白な身なのだが。
サークルの先輩が二股していたてばれた時のように
半殺しにされそうなのは何故だ?
というか、ここはどこ?

ああ、かぐらさんちね。はいはい。
頭の中に記憶があったのか。よかったよかった。
で、この女性は?

ん?記憶にある。
まったくもっていけないな。このような美人を忘れるとは。
いくら受験戦争が過酷であったといえども
健忘症になっては精兵も役立たずだ。
この美人さんは奈津山八重さんだ。
もう忘れないようにしなくては。

で記憶によればだ。
なんでもついさっき意見の食い違いから襲ってしまったらしい。
性的な意味で。

・・・・・?
今のなし(・へ・;;)



・・・・・・(〃゚д゚;A???

あれ、記憶という名の何かが鮮明にあるよ?
ああ、これが孔明の罠というやつか。
オレ、オワタorz
性犯罪者は死ねばいいとか思っていたけど死ぬのは自分でした。本当にありがとうございます。


短い間でしたが、応援ありがとうございました。


















名無しです。
みなさんこんにちは。

要点だけ言うと、ここ、王賊の世界でした。どっきりじゃなくて。
はっきりというと、ジン・アーバレストです。
よろしくお願いしますだよ。
うん、なんか、気が付いたら王虎とか。
聞き覚えのある部隊の指揮官になっていたよ。
なんか、茫然自失としていると体が勝手に動くのだよ。
自動モード的な何かだねあれは。

とりあえず、現状をまとめると。
性犯罪者になってしまた→なんか合意の上だったらしい
→気が付いたら部下をゲットだ。
こんな感じで将来のメイド候補ゲットです。

しかし、原作知識があっても
軍事教育なんて受けてないのです。


それとインターネットないとか。
知らないのか。
北欧ではインターネット接続は法的権利に含むんだよ?
2015年までには権利になるはずだった。
たしか。
動画もみられない。作業用BGMもない。
作業能率駄々下がりです。

まあ、いいや。
そして、原作知識は宝ですよね。
周回プレイ何度目でしょうか?
ええ、もう完璧ですよ。

で、さっそく何だけど。
部下が内通者なのだけどどうしようか。
本陣陥落とか反乱祭り&御城炎上とか頭痛いよ。

なんか、記憶とか知識とかは継承しているし
なんとなく勝手に動くようなのだけど
自由なようで自由がない気がする。
原作知識使うか。
でも原作知識に従っていれば勝てることは勝てるんだよな。
籠城戦とかいろいろあるけど。

・・・つまり、殺し合いにずっと参加しなきゃいけないらしい。
中途半端に有名になっているようだし。



とりあえず、生き抜こう。・゚゚・o(iДi)o・゚゚・


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
あとがき

神楽家領国時代からです。



[15616] 第一話 舞台の幕開け ~こ、こんなはずでは~
Name: カルロ・ゼン◆ae1c9415 ID:ed47b356
Date: 2010/01/16 23:06
やあ、戦友諸君。
ご機嫌いかがかな?

少しばかり、姫将軍に追いかけられて
半殺しにされる悪夢を垣間見た気がしないでもないが、
決して潜水艦に絶望したわけではないのだ。
海戦が嫌いなわけではないよ。
VERITAには期待しているし。

まあ、何を言っているかわからない方は
知らなくて良いことなのだ。
まあ、ダイソウナンが本当に迷走しているような絶望感は
知らなくてもよいと思うのです。
まあ、許容範囲だったけど。

まあ、そんな戯言を吐きたくなるようなのには理由があるのです。

私の今の立場は
美人の部下(ただし、内通者)を副官にして
精鋭部隊(荒くれどもの傭兵たち)を与えられ
大活躍(最前線送り)等少々問題はあるものの
お給料はいいですよ。
誰か代わりたい人いませんか?r(-◎ω◎-)

さて、これからどうしたものだろうか。
一応、原作通りに行くなら
適当に前線で暴れれば良いだろう。

でも、それではあと何年も戦い続ける羽目になる。
それはなんというか嫌だ。

受験戦役でもう戦争はこりごりなのだ。
自由はすばらしい。
・・・自由にやりたい。
ついでに権力がほしい。
栄華も極めてみたい。

じゃあ、簡単だ。
① 王子様の身分活用
ヴィスト王国で王子に戻りたいです。
でも、そうするのはいろいろと難しい。
ていうか、カーディルはマジで自重しろ。
てか、身を守るための追放じゃなかったのか。
コイツの記憶だと結構本気の暗殺だったし。

② 原作プレイ
苦労が多そうで正直気が乗らない。
というか、よく勝てたよね。
周回プレイは割と楽だったけど。
一周目とか騎兵が倒せずに本当に苦労した。

まあ、対策はあるけどね。

あと、なんだかんだで、それでは詰まらんよね。
混乱とかブラックさが足りないのだ。

③ さあ、かき混ぜて見せようホトトギス
面白おかしく生きようじゃないか。
物事全ては楽しく生きるためのツールなんだ。
この世界は自由に未来を作れるしね。

はい決定!
さんざんかき混ぜて混乱させて遊ぶことにします!
(* ̄∀ ̄)"b"

異論反論は共産主義的民主主義に基づいて受け付けます!
異論反論がある方は母なる党に申告しなさい。
大丈夫。
ほとんど、民主主義と違いません。
イスにたとえてみましょう。
ただのイスが民主主義。
電化に成功した電気椅子が共産主義的民主主義です!
(レーニンのスローガンは電化でした!)



OS:ルビヤンカ起動中

反論受付中......
   ↓
コルホーズ及びシベリア旅券発行中…..
   ↓
貨物列車輸送中
   ↓
ごみ箱を空にしますか?
はい ←
いいえ
   ↓
ルビヤンカの作業を終了します
はい  ←
いいえ





さて、全会一致でひっかきまわすことにしました。

その方針で物事を決定しましょう。
まず、直近の王虎の活躍はどうしましょうか?

一応、アイディアがないわけではないのですが。
まあ、ぶっちゃけるとカウンタークーデター?
傭兵でもって反主流派共を粛正。
まさに、共産主義の先進性と科学性の証明。

でも、絶対メイド候補生にばれると思うのですよ。
この人何気にすごく優秀なスパイですし。
それのカウンターをされると本当に涙目( ̄ω ̄;)

じゃあ、どうするよ。
とりあえず、優秀なメイド(しかも美人)が
手に入るのは大きいよね。
正直、髭もじゃの簒奪者のために働く気もないし。
いや、髭もじゃかどうかなんて知らないけど。

どうせ蝮とかそういう連中でしょ?
美女とかネタが分かる粋人でもないだろうし。
心の癒しにならないので却下。

じゃあ、このメイドさんお持ち帰りで決定(・ω・)b
異論反論?
ルビヤンカまでお願いします。 
お名前と住所と連絡先を忘れないでね。←ここ重要。

はい、そういうわけでこのかぐやさんちには
適当に滅んでもらうことになります。
うん、引き立て役乙。

傭兵将軍としての勇名をとどろかせる第一歩として死んでくれい(ρ゚∩゚)

まあ、一応将来のことを考えると火山はもらっていきますが。
おじさんだけどね。
この人の副官は美人だったはずだし。

あと、個人的に侍は良いものだと思うのですよ。
伽羅のシステムだとどうしても足が遅い侍は
魔法使いにふっ飛ばされたり騎兵に獲物を先取されるけど
ロマンだよね。

一葉の方が好みだし。
個人的には。
惚れた女のユニットなら使うのが漢だよ。
まあ、騎兵便利だけど。

さて、落ちついて考えてみよう。
かぐやさんちがほろぶと次はどこでしょうか?
当然その宗主国だよね。
まあ、内乱とかなってもらっても困るし
皇帝が生きているうちにそこそこの武名を挙げて
地位をゲッツするかな?

でも、一葉もらうくらいの功績って何だろう。
やっぱり、ここは無難にエルト王国行くべきだろうか?

でもなあ・・・
あえて苦労すべきかどうか悩むところだし。
エルト王国に行くまで原作でも時間開いていたし。

それまである意味何もしないのも気が乗らない。
いやね、メイドさんといちゃいちゃするのは確定ですよ?
アカシックレコードに記載されていますよ。
ちゃんと確認してくださいな。

でもさ、ホークランド王国とか行っても
原作知識的に無駄だと思うんだ。
一応、戦力引きつけられるとかいろいろあるけど
ストレスがたまるだけな気がする。

うん、戦争は戦略で勝てば戦術とか挽回できるしね。
物量はチートだと思うんだ。
まあ奈宮皇国でもきついんだけどね。
一応、天才軍師様ですよ?
10倍までなら勝てるでしょう。
多分(((\( ̄ー ̄)/)))

いざとなればなんとでもなるさ。
大丈夫。あの戦いを生き抜いたのだ。
やれるって。大丈夫だって。
マジ。やれるから大丈夫であってください。

まあ、そういうわけだから今は敵の弱体化と嫌がらせに徹しよう。
というよりは、武名アップだね。
有名になって権力をゲッツだ。
原作では、警戒されてうまくいかなかったりしたみたいだけど
今回はそこもなんとかなるだろう。

さて、そうこうしているうちにヴィスト王国が攻めてきたようですね。
はいはい。傭兵分際で申し訳ないですね。
こちとら、汚い戦い方しかできないので←嘘
錯乱させて混乱しているうちに焼き払ったり
ハンニバルに倣って包囲殲滅してみたり。
山道で落石の計+魔法使いでレア焼きとか。
後方襲撃もいいけどね。
やっぱり燃え上がる炎がないと有名性に欠けるでしょ?
(どの道将来的にはヴィストの一部になるしむしろ積極的に燃やすべき。)

はっはっはっ。
我こそは傭兵将軍、ジン・アーバレスト
汝らごとき才無き輩には負けぬさ!

赤軍式の心づくしの御もてなししてやんよ
大地を赤く燃やして盛大に歓迎だ!!!



~戦争経過中~



ヾ(゚0゚*)ノアレアレー?
戦いが1年目にさしかかってきたけど
押し返すどころの話じゃなくなってきた。

なんかね、ヴィストさん本気になったんだけど。
うん、原作の知識によればここまで大量の部隊来たっけ?
一応、各地に敵がいて囲まれているんじゃなかったのか。
ヴィスト王国。
なんで、こんなにいるんだヴィスト王国。

そして、おい、こら。
何故に、私に熱い期待を寄せてくるんだ
かぐやさんちの面々。

正直、後方とかを襲撃するのが趣味なのですが。
気がつけば最前線に放るこまれる毎日ですよ。
しかも、気がつけば副官がぴったり傍にいます。
傍にいます。

大事なことなのでまとめてみましょう。
スパイが傍で武器を手に持っています。
スパイ+武器≒死亡フラグ

気が抜けません。
美人が隣にいるのに。
この前なんて毒殺されかけました。
夜間行軍していて副官から
さりげなく食事を差し出されたので
食べたところ生死を彷徨いました。
記憶がないのですが、医者によると
未知の毒のようです。
毎日が地獄です(ノω・、)

少しでも、安らぐ場はたくさん人がいるところ。
衆人環視のところで襲ってくる
スパイは多くないと信じたいです。

大丈夫です。
一応、王虎は精鋭ですし、スパイの疑いがある連中には
それとなく死地に赴いてもらっていますから。

それと、死にたくないので一生懸命鍛錬に勤しんでいます。
頭脳派なのに。
まあ、稽古をつけてもらっている間は
強力な護衛がいると思えば良いでしょう。

でも、副官のこちらを睨みつける回数が増えている気がします。
命が心配です。
あと、ヴィスト王国がたくさん攻めてくるので
労働基準法に抵触する労働条件な気がします。

自由にかき回すつもりだったのですが。
なんだってこんなことになっているのでしょう。

神様はそんなにアルイエット派なのでしょうか(。>0<。)ビェェン


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
注意事項
作者は特定のイデオロギーに対する差別的な意志は一切持っておりません。この物語はフィクションです。

だから、ルビヤンカに通報するのは自重してください。



[15616] 第二話 諸君、拠点を叩くぞ! ~本当にやるとは~
Name: カルロ・ゼン◆ae1c9415 ID:ed47b356
Date: 2010/01/17 10:08
やあ、同志。
良い夢と悪い夢を見た。

良い夢はメイドさんの究極美だよ。
その様式美は単純な式によって証明されている。
瀟洒で完璧なメイド長=正義
これは可愛い=正義 メイド長=可愛いより導き出された
崇高な公式であると言えるね。

・・・黒メイドの実戦配備は計画を狂わす?
構わないさ。
計画通りに進む戦争なんてないのだから。
エイッ (ノ^-^)ノ ⌒
初期の計画に拘泥するのは愚者の行いだよ。

ああ、それと悪夢について聞いてほしい。
ついさっきIC600越えのアメリカ様に蹂躙される
悪夢を見たんだ。
正直、一国で欧州と太平洋で戦争できる訳だよ。

まあ、そういうわけなんだ。
大変恐縮なんだが、物量差は絶大なんだよ。
。゜゜(´□`。)°゜。


なにが、言いたいかというと、
いい加減後方襲撃とかに行きたいのですが。
王虎は精鋭だよ?
精鋭だけどさ。
傭兵なんだよ。
重装歩兵でも、重騎兵でもないんだ。

なんで、正面からぶつからなきゃいけないのよ。
ほらさ、後方を錯乱する方が良いでしょ?
そっちの方が有効だって。

「いや、私としては正面からぶつかるのは得策ではないと思う。」

間抜け共がこっちをじっと見つめてくるではないか。
いや、期待されても困るんだけどね?
なにその、こいつなら何とかしてくれるんじゃね的な視線。

ジェバンニ呼んで来い。早く。

ジェバンニが一晩でやってくれました。
困難な仕事だったでしょう。
ですが彼はできると即答してくれました
みたいなの期待されても困るんだよ。

正直、泥船と心中するのも嫌だし。
早いうちに独立して行動したいんだよ。
気分は、沈む船のネズミ。

・・・脳内で英知を結集チュウ
 (⌒-⌒)(⌒-⌒)
(⌒))・ω)(ω・` ((⌒)     「がんばってみる?」
( ・ω((⌒)(⌒))ω・`)     「いや、無理は危険だ。」
( つ (´・)(・` )と 丿     「かといって敵前逃亡の汚名は良くない」
uu (  )( 丿uu~    「理由つけて逃げようぜ。」
  ~uu uu~


「こちらは、兵の大半が傭兵だ。」

そう、傭兵は契約に従ってくれるのです。
でも、士気に関してはそこまで高いわけがない。
だって戦争ですよ?
御金になるからってそこまでやる気出る訳ないでしょσ(・・。)

「攻めにはそこそこ使えるかもしれない。だが、守りには適さない。」

うん、もっともらしいことを言おう。
なんとなく、ここから逃げ出せれば勝ちな気がするし。
ついで格好良く決めておけば名声に傷がつかないしね。
やりすぎると、牟田口フラグだけど。


「ならば、攻めることで守りを利するべき役割こそふさわしい。」

そういい、さも思案ありげに扇子でヴィスト王国に占領された
後方地域の一つを大きく叩く。
四峰家領域に近いからいざとなれば逃げられるしね。

「敵の後方を扼す。それこそが必勝の策になるはずです。」

ほら、後方にいればね。
いつでも隣国に逃げ込めるんだよ。
いざというときは命令無視もできるし。
後方の襲撃も結構お金になるんだ。
だって、大軍来ていますから(⌒▽⌒)

マジ自重しろヴィスト王国。

「しかし、それでは、後方で孤立して包囲されてしまいませんか。」

なんと、心配してくれる人がいた。
ありがたい限り。でも、ごめんなさい。
うん、逃げるだけならそんなにむずくないんだ。
真面目に戦うつもりないし。
ほら、後方にだって警戒部隊くらいいるでしょ?
警備厳しく奮戦するもやむなく隣国に転進的な。

貴方のような人を残して逃げるのは心が痛い。
でもさ、ほらあれだよ。
良い人だけどこの人のために死ぬこともないしね。

「いや、それはこちらであがいても同じだ。」

さようなら、まともな人(。・ω・。)ノ~
できれば、次の上司もまともな人
でありますように。

「こちらで包囲されてはじり貧だ。活路は、自ら開かねばならないのだ。」

じり貧なのは事実だよ?
まあ、牟田口ドクトリンとかやるつもりはないけどね。
根性論で勝てるほど戦争は甘くないのだよ。

それに、最近ヴィスト王国に恨まれているみたいだから
自重しようと思うんだ。

やっぱり、火計の後に孔明の真似をして
水計を仕掛けたのがいけないのだろうか?
それとも、ベトナムでの戦訓生かして
落とし穴量産計画が決まったからだろうか?

なんにせよ、共産主義者や
孔明の真似をするとろくなことがないようだ。
泣き虫弱虫の孔明ならもっと派手に燃やしたことも考えると
派手さが足りなかったせいもあるのかもしれないが。
まあ、これが付き合う友達は選びなさいというやつだね。

「私が、王虎で出戦します。」

だが、それだけでは逃げる時間稼ぎにもならないよね。
それはさすがに勿体ない。
だって、ここから安心安全に離脱するには
ここでかぐらさんちの皆さんに
頑張ってもらわなくてはいけないのだから。

「火山将軍は、ここで防備を固めた後遊軍をお願いしたい。」

ほら、こっちには使える人いるんだから防衛を固めてもらおう。
れっつ城造り。まあ、後先考えなくてもいいけどね。
クーデターまであと二年だけど
まあ、この感じだと案外早めに起こるかもしれないし。
そういうわけでれっつ遊撃・・・・ヘ(*--)ノ


でさ、出撃用意中なんだけどね。
なんか、メイド候補さんとかが理由を
問い詰めてくるんだけどね。
この人漏らしたりしないよね←スパイですが何か。

政治将校よりたちが悪いぜよ・・・。

はい、ここは盛大に出まかせを口にします。
曰く、補給線がきついだろうとか。
火山将軍の防備ならば敵が抜くのは不可能だとか。
我々の双肩に勝敗がかかっているのだとか。

熱く熱く語りますく( ̄△ ̄)ノ
いかにも、君を信用しているよとばかりに語りますく( ̄△ ̄)ノ。
まあ、身も蓋もない言い方すればだましています。

でも、そうしているとなんだか
これが必勝の策に思えてきました。
うん、自分で言っていて何だと思うけど勝てるかも。

ここであっさり勝利→我こそ英雄(。・ω・)ノ゙→ドリーム達成O(≧∇≦)O

おお、いいぞ。
これこそ完璧な計画。
さっそく火山将軍にしっかりと援護をお願いしなくては。
さあ、善は急ごう。
なんて思うけどね。
スパイにばればれですよ.
いま語ってしまったorz

だから、かくかくしかじかな訳です。
当初の方針通り、逃げることを視野に入れておきましょう。
でも、火山さんがこの時期から
ヴィスト王国に内通していると怖いので
メイド候補生にしたものと同じ説明しておきます。
そうして、火山将軍に援護を願います。

そうすると、火山さん笑いながら承諾してくれます。
良い人だ。疑ってごめんよ。

一応、ヴィスト王国に行ってしまわないように
保険をかけるために何かあったら合流してほしいと依頼。

まあ、保険というよりは本当に依頼ね。
とりあえず、良いおっさんは渋い名脇役にならなれるはず。



~行軍中~


というわけでやってまいりました。
ヴィスト王国支配地域。
これでも軍隊なのです。
ええ、もうあっさりと後方まで浸透できる訳ないでしょう?
普通なら。

これこそ傭兵将軍こと名無しの天才ぶりを証明するものですね。
ちょっと、派手に森を焼きすぎて
土砂災害が起きてにヴィスト王国軍が苦労するのも
当然想定内でした\(;゚∇゚)/<ソ、ソウテイナイデス

ええ、長期的な視点に立って
大局的なビジョンを持って政治主導でもって
国民の皆さまの信託に誠実に答えていけるように
邁進していけるような何かであります。

そういうわけであっさりとついてしまいました。
マジ困るんですけど。

適当に戦って突破に
手間取っているとかになれば
仕事しなくて済んだのに。

働いたら負けかもしれない戦場でこれはないでしょう。
あと、傭兵。
傭兵のくせに妙に士気が高いの自重。
これでは、本当にやりたくもない
後方での鬼ごっこやる羽目になりかねん。

OKしばらく落ちついてみよう兄弟。
混乱してはいけないからな。
時間を潰して敵が集まってくる前に逃げればいいんだ。
適当なヴィスト王国軍拠点を叩くと見せかけて。
そうやって味方が崩れるまでの
時間を浪費すればいいじゃないか。
となれば、さっそく行動あるのみだ。

「諸君、天祐は我らにある。今こそ油断しきった連中の拠点を叩くときだ!」
決まった。
我ながら見事なパフォーマンス。
ほら、傭兵だけで攻城戦とか無理でしょ普通。
だから、それっぽくいっておかねば。

「我に秘策あり。勝利を手にするぞ!」

なげきつつ
いやいやほうか
なりにけり

うん、決まった"φ(・ェ・o)~
後で投稿しておかねば。







名無しです。今、襲撃中です。
気がつくと、ヴィスト王国の拠点を焼いております。
ええ、もう心の曇天ぶりとは裏腹に
嫌になるくらい快晴なんです。

マッチ一本火事のもと作戦は大成功。
魔法使いの焔って本当に容赦がないですね。
だけど、使えないとむなしいだけですよね。
ほら、うちの傭兵隊にはいないから、
マッチ一本火事のもと作戦(火矢乱射的な何か)
しかないできることないの。
つまり、出来る訳ないでしょう的な。

なんで、穀物倉庫に火矢が当たるんだよ!
あっさり火が飛び火しているんだけど。

ひょっとして、あっさり攻略してしまった?
   ↓
Q:ヴィスト王国軍のお気持ちはどうでしょうか?
A:そうですね。必ず仕留めてやると言ったところですかp( `o´ )q

Q:皆さんの士気は高いのですか?
A:出撃命令を一日千秋の思いで待ち焦がれています。

やってらんねヽ(´o`;
どうしてこうなった。

こんな平野部でうろちょろしていると
ヤーボどもの良い的ではないか。
ついでに言うと、男達と(+美人スパイ)
戦勝宴中だよ。
もはや、前後不覚で奇襲食らいましたフラグですね、
分かりますorz

こら、傭兵共。
酔っ払っていないでさっさと立たんか!
逃げるんじゃないからな。
転進だぞ!転進!
高度な戦略的行動なんだ!
だから、さっさと動けよ!
動けと言っているんだよ!

ペレストロイカとか
ゴルバチョフ前のロシアの酔っ払い共のように
豪快にねっ転がるな傭兵共。

ああ、神様。
どうして貴方は私に
共産主義の負の遺産ばかり押し付けるのですか。
・・・; ̄ロ ̄)!!まさか、貴方もマルキストか!?

「神は死んだ」byにーちぇ。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
あとがき

本SSは、溢れんばかりの愛と平和と勇気の御話です。
如何なる思想も、主義も批判するものではありません。
あと、ジョークにしておちょくっている訳でもありません。

全ては、愛なのです?



[15616] 第三話 信仰告白  ~友よ、信仰を支えに生き抜こう~
Name: カルロ・ゼン◆ae1c9415 ID:ed47b356
Date: 2010/01/17 12:20
ごきげんよう大隊戦友諸君。
まあ、落ちついてほしい。

状況を説明しよう。

現在我々は
敵後方に浸透し、破壊活動に従事している。
今回の目標は、敵輸送部隊だ。
補給の欠乏した欠食部隊など
満足に戦闘もできないだろう。
なお、敵の指揮官と美女を捕虜にした場合
特別ボーナスを用意しておく。
では、諸君の健闘を祈る('ー'*)ゞ



さて、二日酔い軍団は役に立ちませぬ。
うん、なんとか追撃を振り切ったのは
こんなこともあろうかとあらかじめ
逃走用げふんげふん
目的を達成した際の離脱用に
山道や裏道を把握しておいたからさ。

備えあれば憂いなしってね。

しかし、心に癒しが足りない。
いつもなら、すきまつあーでいやされるのに。
リリンの至高を楽しめないとは。

ああ、嫌になる嫌になる。
益体もない戦争なんてやめにしてさっさと
歌おうじゃないか。
カラオケ大会というのはどうだろう?

まったく忌々しい限りだ。
どうしてこうなっているのだろう。
原作知識によれば、
ジン・アーバレストならば
縦横無尽に活躍して
終始主導権を獲得していたのではないだろうか。

もちろん、自分だって主導権を握っているつもりではある。
でも、流されていると言われるとそのようなことが
ないようなあるような何とも言えない気分。
ああ、鬱になりそう。

神よ、貴方は何故私の道を阻むのですか?
(゚0゚;)あ!
・・・もしや試練なのですか。
真の栄光あるメイド道を持つか試されるとでも?
よろしい。ならば、その三千世界に刻むがよい!
名無し=オリーシュ@メイド万歳の名を!


よし、決めた。
今後、捕虜共に対して男はルビヤンカ処理で、

つジョーカー :よくそんなに捕虜が撃てるな。
つ名無し:簡単さ、メイドじゃないからな!

女性はメイドだ。メイド決定ヽ(>m<)ノ

ただ、ボーイッシュなのはバトラーにすべきかどうか。
この扱いは難しい。
すでにあまたの英知を結集しても結論が出ない。
メイドの信仰は多くの困難を抱えている。
この崇高な学問論争が
人々にとって賢明な結論を導き出せるとよいのだが。

私自身、前線にありながら戦友とこの論争を行い
御互いの信仰の違いに絶望したものだ。
メイドにミニスカートは
NGだというのが何故やつに
分からないのだ!?
フリルの素晴らしさはその
絶妙にして至高のバランスが不可欠だというのに!!!
短ければいいという
短絡的な嗜好に意義などあるわけがないだろう\(`◇´メ)

良い異端者共は死んだ異端者だけだ!
殺せ、主が裁断したもう!
神に栄光!主に感謝!


むー、良く考えるとメイドのあり方は難しい。
この美人さんは洋装も合うのではないだろうか?
いやいや、しかし原作のも捨てがたい。
黒に統一されて統制されたメイドが
一糸乱れぬ完璧な礼をするところは確かにみたいが。

おお、なんという煩悩。
120で人間の煩悩は足りるのだろうか?
(  ̄◇ ̄)_中☆{{{Д}}} ゴーン!!
(  ̄◇ ̄)_中☆{{{Д}}} ゴーン!!
(  ̄◇ ̄)_中☆{{{Д}}} ゴーン!!


これは、人間という種の限界なのだろうか?
それとも、新たな地平線を見出す
ブレイクスルーのきっかけなのだろうか?

まあ、よい。
パラダイムシフトの時代が近づいてきている。
メイドはメイドであるから崇高なのであるという
真理を凡百の愚者共にも啓蒙しなくては。
そのためには、メイド養成が必要だ。
必要不可欠だと言っても過言ではない。

つまりだ。
まずはじめにメイドがあった。
つぎに、メイドがあった。
そして、最後にもメイドがあったのだ。

だから、くだらない戦争をだらだらとやるの却下。
はい、決定。
明日からは、逃げ回り、
さっさとクーデター起こるの待ちましょう。
最長で2年。最短で明日にでも。
まあ、メイド信仰のためならば耐えて見せようホトトギス。

まったく。無粋なヴィスト王国軍め。
人が崇高な真理を探究しようというのに
妨害するとは。
神の国に行けるのは善良なる信徒だけだと何故知らない。

とりあえず、輸送隊は信仰のファイヤーで
焼き払いましたが憤りが収まりません。

メイドの素晴らしさを理解しないとは。
まさか、神を信じぬ共産主義者だとでもいうのか?
ボリシェビキという愚か者どもか!?

よろしい、ならば戦争だ。
おや、ちょうどいい。
新手のようではないか。

身につけた華麗なとうそうじゅつ。
この華麗にして完璧なとうそうじゅつでコテンパンにしてやんよ。



さあ、逃げよう!
ああ、これはつまらないものですが
置き土産です。
ゆっくりしていってね!

追伸
ヴィスト王国軍の皆さま。
共産主義の栄光ある伝統にのっとって
出来れば、内ゲバしてくれると嬉しいです。




~信仰者、放浪中~



やあ、信仰を共にする兄弟諸君。
名無しです。
状況は、極めて悪化しております。

異端者どもや共産主義者どもに
追いかけられています。
真の信仰のためとはいえ少しばかり涙が出てきます。

隣の副官こと奈津山 八重さんが
メイドにジョブチェンジしてくれれば
信仰もすくわれるというのに。

ちくしょう。
こんなところで
鬼ごっこしている余裕があるなら
さっさとかぐらさんち征服しろと叫びたい。

地味に、追いかけまわされるのは
心臓によろしくないんだよ!
火山さんマジ頑張りすぎだ。
ちょっとこっちもやりすぎたかもしれない。

      ☆ チン     マチクタビレタ~
                        マチクタビレタ~
☆ チン  〃  ∧_∧   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ヽ ___\(\・∀・) < クーデターまだ~?
    \_/⊂ ⊂_ )   \_____________
   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ /|
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|  |
|  ヴィストみかん |/


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
あとがき

この作品はフィクションです。如何なる宗教・政治体制体・制度及び主義主張をも批判するものではありません。

ですので
||☆┗(・∀・*) コンコン

オヤ?出前が届いたようだ。
そんなものをたのんだ記憶はないのだが・・・。
はーい、今行きます。



[15616] 第四話  真剣に人の話を聞こう ~顔文字廃止してみました~
Name: カルロ・ゼン◆ae1c9415 ID:ed47b356
Date: 2010/01/17 17:19
愛すべき革命戦士諸君。
待ちに待った時が来たのだ!

ああ、長かった。
一ヶ月くらいずっと森の中でリアル鬼ごっことか。
容赦ないよね。
ヴィスト王国軍。
なんか、楽しんでるよね。
部下の傭兵連中。
そんなに、ヴィスト王国を
おちょくるのが楽しかったのかorz

でさ、前々から真剣に悩んでいたんだけどね。
とりあえず、流れに流されて奈津山八重さんと
やってしまったわけ何ですが。

さて、困った。
メイドさんスタイルが決まっていない。

一月ばかり一生懸命に考えた程度では
やはりこの崇高にして広大な命題に
解答を出すことが出来なかった。

これでもあの受験戦争を生き抜き、
高学歴オタク大隊にまで上り詰めた精兵。
もちろん、哲学的アプローチも怠らなかった。
ここでの止揚は、すなわち和洋折衷!
だが、それで許されるだろうか?

メイド道とは、信仰とは
本来一切の妥協を許さないもの。
ああ、邪魔するヴィスト王国の追手には
落とし穴(オマケ付き)+落石(+α)に火計さ。
これこそ清めのファイヤー。

とりあえず時間を稼ごう
「この事態は、想定内でしかない。」

うん、原作知識にあるからね!
火山将軍も無事にこちらに向かっているというし。

「だから、お前の裏切りは悲しい。」

いや、ちっとも悲しくないけどね。
だから、そこで申し訳な下げな女性にちょっと
不覚にも罪悪感が広がってくるのさ。

「裏切り者が楽に死ねると思うな。」

まあ、見捨てたという点では一緒。
いやいや、今のなし。

うん、必勝の策を妨害された
連戦連勝、百戦錬磨の霊将は激怒した。
そのスタンスでいこう。

「自分が殺してやる。ゆっくりと人格を壊してやる。」

まあ、ほらあれですよ。
おおむね原作通りに。
ちょっとアレンジするけどね。

「国を裏切ったものは、もはや国を思うことなど許されないと思え。」

でも問題は一切解決しないのだ。
とりあえず、罰を申し渡そうという流れ。
だけどね。
迷うということは信仰が足りないということなのだろうか?

否、断じて否!
我らは、神の代理人!
メイド伝道の代行者!
我らが使命は、我が神に逆らう愚者を、
その脳裏の一片までもを
メイド道にささげさせること!

この代行者としての使命を
放棄することなどあり得ない!

さあ、友よ、決断の時が来た。
メイド、それは西洋に起源を置くもの。
信仰としては、寛容でありつつも
フリルへの敬意を占めるべき時期出ある。

覚悟はOK。
これからメイドは西洋スタイルで決定!
反抗者はルビヤンカまでご連絡ください。

「せいぜい裏切り者としてヴィストのメイドとしてふるまえ」

OS:ルビヤンカ起動中

クレーム処理中
   ↓
政治将校動員中
   ↓
ライフルの配備中
   ↓
シベリア旅行券発券中
   ↓
ルビヤンカのごみ箱に転送するにはサイズが大きすぎます。
そのまま削除しますか?
はい  ←
いいえ
   ↓
銃弾の請求書発送中
   ↓
料金の集金が完了しました。
   ↓
ルビヤンカの作業を終了しますか?
はい  ←
いいえ


さて、信仰を共にし、戦友という絆で結ばれた
代行者諸君!

我々はこれから王虎として、
嫌がらせの突撃を行う!

今回参考にするのは島津さんちの
関ヶ原ランニングね。
大丈夫。敵は王都を襲撃したばかりで
こちらに対処する余力はないに決まっている!

今回ばかりは、督戦隊を使うべきか迷ったよ。
でも、喜んでほしい。
原作と同様に半数の部下は
付いてくると言うじゃありませんか。

なら無理強いするのもあれだよね。
それに、途中で逃げ出せばいいわけだから。

まあ、突撃した後にどこに行くかはちょっと考えてみたんだ。
とりあえず、征服された他の地方で
レジスタンス活動でもやってみようかと思うんだ。
うん、現地で暴れている夜盗をせいばいするのも
正義の味方の仕事だしね。

運が良ければシェリナスさんにも
教育的な指導が出来るでしょう!
こうして名無しはメイドを拡張していくのでした。

この方針はまず間違いないね
完璧無比と言ってもよい。

唯一の誤算は、黒メイドスタイルの戦力。
奈津山八重(長髪+黒メイド服)はヤバい。
どれだけヤバいかというと
すかうたー的な何かが爆発するくらいヤバい。

思わずテンションが高まり、やるつもりがなかった
陣頭突撃とかやってしまっているんだ。

これでも、暗殺におびえて
一生懸命に鍛えただけあるのだけれどね。
ヴィストのマッチョな兵隊さんが殺到してくるのは
心臓に良くないの。

だから、どこぞのクシャナ殿下流に
御馬さんで近づいて爆弾投擲さ!
放火用の火薬が余っていたので
豪勢に放り投げてやんぜ。

はっはっはっ
人がまるでごみのようだ!

こうすればさ、当たらなければどうということはない。
と言ったところでしょう。
あと、やることもないので適当に突っ込んで
それなりに暴れてお家に帰ることにします。

ああ、お家に帰るまでが遠足ですからね。
当然、けがをしなように十分に気をつけます。

こんな時のために避難訓練までしてあるのです。

おかさない。
かかわらない。
しなない。
の三つの原則も完璧です。

もう安全にダッシュするのみです。
さあ、目指せ栄光。
いまこそその力を示すのだ!

落ち武者狩りは許してください(涙



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
あとがき

どうしても顔文字があった方が
自分としてやり易いので
次回以降はやはり顔文字を使おうと思います。



[15616] 第五話 真の信仰と擁護者 ~カーディル自重しろ~
Name: カルロ・ゼン◆ae1c9415 ID:ed47b356
Date: 2010/01/17 22:56
親愛なる同胞市民諸君。
ご機嫌いかがだろうか。
栄光ある高学歴オタク大隊の一員にして
メイド道の代行者、百戦錬磨の傭兵将軍こと
名無しです。

一応、世をしのぶ仮の名前は
ジン・アーバレストと言ったりします。
うん、現在無職です(´・ω・`)
あと、指名手配がかかりました(`・ω・´)

ヴィスト王国軍に追われています。
まあ、写真とかないので
追ってかわすのも余裕ですが。

かぐらさんちが
なんということでしょう。
裏切りによって崩壊してしまいました。
ああ、悲劇。

うん、多分こうなるとわかっていて
放置していたけど
多分、私は無実です。
別に何かをした訳じゃないもの(´・ω・`;)
知っていて黙っていただけです。
個人のプライバシーを尊重したんだよ。

僕らはこの悲劇を語り継いでいかなくてはなりません。
一人、毅然として滅亡にある
国を救わんとした英雄の名を。

ま、こういう方向で噂を流せばいいでしょう。
うまい具合に広がっていけばいいな的なにか。

とりあえず、放浪しています。
うん、ヴィスト王国の放浪もなかなか楽しいものです。
目指すは、メイド獲得ですが。

自由にこの世界をかき回さんと決意した以上
出来ることとやるべきことはやらなくていけません。

とりあえず、ルティモネの黒い服を
メイド服に改装すべきか本国が検討し始めました。


・・・・本国審議中
    ∧,,∧  ∧,,∧
 ∧ (´・ω・) (・ω・`) ∧∧   「一撃で戦争が終わるはず」
( ´・ω) U) ( つと ノ(ω・` )   「虐殺はよくない」
| U (  ´・) (・`  ) と ノ   「忠誠心が鼻から出かねない」
 u-u (l    ) (   ノu-u    「MAD的に崩壊しかねない」
     `u-u''. `u-u''  

あまりの威力に人道的にそれってどうよとも思われますが。
うん、あれがメイドになると抑止力的にどうよそれ。
MAD理論破綻しないか。
まさに最終兵器。

   ∧_∧
        (´・ω・`) ズズー
        (つ日と)  どうしたものか。
     _  (_(_⊃

あと、約一名ほどシベリア送りにしなくては
ならないことになりました。
いいですか?
この名無し的には一葉こそが正義なのです。
労働教化刑に処されて少し頭を冷やすべきです。

そういう方向で一葉をゲットするべく
立身出世していきます。
異論反論はルビヤンカまでよろしくねがいます。
“お気軽にノックしてください”

ああ、そうでした。
忘れる前に補足をば。
最近、ご一緒していた火山さんですが
なんか奈宮皇国に行くことになりました。

おっさんですが、まあヴィスト王国に
取られなかったので良しとします。
まあ、あの人いれば少しは守るでしょう。

そういうわけで原作よりも時間あると判断します。
さあ、今こそヴィスト王国内でメイドハントです。
もちろん、紳士的にやりますよ?

異端者?蜂の巣にしてやんよ
 ∧_∧        ..,,,,....
 ( ・ω・)=y=-≡y=-::......;;::''
 (..≡つ=-=y=-≡y=-;::::
 ./   ) ≡y=-=y=-,.;;''''''''''`;;.
 ( / ̄∪ ババババ  ''''''''''''`

これでも紳士です。
もちろん、メイド候補生は
相応の扱いというものがあるに決まっています。
センター試験のマークシートを
穴埋めするような丁寧さで
勧誘するに決まっているではありませんか。

余裕ある受験者だけが
丁寧なマークシートへの記入が可能であり
最終的に良い成績をとれるのですから。
ま、本番の試験でそんな余裕があった記憶も
なかったりなかったり・・・。

まあ、細かいことは忘れて楽しみましょう。
人生とは平和と享楽こそが使命なのです。
そう、人生とは楽しむものなのです。

そう決意し、ヴィスト王国探検ならぬ
メイド探索をがんばりました。

ところがです。
探せど探せど見つかりません(・ω・` )ん?

・・・真相が明らかになりました。
許すまじヴィスト王国。
めぼしい、メイド候補生は
全部カーディルのところにいるらしいではないですか!!
しかもメイドとしてではなく!

名無しは激怒した。
必ず、かの邪知暴虐の王を
除かなければならぬと決意した。
名無しにはメイド以外のロマンがわからぬ。
名無しは、栄光ある高学歴オタクである。
動画を嗜み、戦友と遊んで暮して来た。
けれども邪悪に対しては、人一倍に敏感であった。

許すまじ邪悪なカーディルめ!
私から全てを奪いなお満足せぬか!
信教の敵にして諸悪の根源であるカーディルめ!

よろしい。
お互いに最後の一人となるまで
戦い続けようではないか。
天を共に仰げない宿敵カーディルよ!

貴様こそが信仰の敵であったのか!
よろしい。
ならば、我が身は貴様をたおすことにささげよう。
神の代行者の名にかけて貴様を打ち滅ぼそう。

放浪の旅もよい。
だが、我には使命があるのだ。
そういうわけで、さっさと、放浪を打ち切ります。
うん、メイドさんとはいちゃいちゃしているよ?
そこは忘れないんだ(`・ω・´)

これでも敬虔な信者だからね。
でも、そういうわけだからあんまり
遊んでいることもできなくなったんだ。

火山さん、待ってください。
この傭兵将軍こと
ジン・アーバレストもご一緒させてください。
ええ、ヴィスト王国に潜入し
カーディル許すまじと決意しました。
ともに、あの敵を倒すまで
戦い抜こうではありませんか!

何をもたもたとされるのですか?
さあ、いざゆかん。
奈宮皇国を救うのです。
世界を救わねばなりません。
ええ、私の見たところヴィスト王国は
今後も戦争を続けるはず。
もちろん奈宮皇国とて無事ではおれないでしょう
ですから我らが先に立ってでも
ヴィスト王国の野望をくじかなくてはならないのです!

まっていろ。
カーディル。
僕は、お前がメイドを愛するまで
殴るのをやめないぞ!


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
あとがき

ネタ満載であるためいろいろと
ご指摘やご不満があるかと思われますが
ぜひ感想を頂ければ
可能な限り反映していこうと思っております。



[15616] 第六話 よろしい。現状を確認しよう。 ~原作知識は必要かもしれません~ 
Name: カルロ・ゼン◆ae1c9415 ID:ed47b356
Date: 2010/01/18 07:56
やあ、親愛なる友よ。
簡単に現状を語ろうか。
いや、何。
前提知識がなくても分かるようにしてみようと思ってね。

まず、今の名無し的な状況から説明しよう。
ソフトハウス伽羅の主人公。
ジン・アーバレストというのが世をしのぶ仮の名無しの姿だ。
で、原作のスタート時点より前の時代に入れ替わったのだよ。
いうならば神楽家領家の時代からだね。
まあ、そこで暴れてジン・アーバレストの名を大陸に響かせたんだ。
ここまでが原作と同じ点。
で、違うところがそこから放浪し各国を渡り歩いたのが原作。
細かいことは放置して奈宮皇国に流れ着いたのがこの名無しさ。
いや、原作でジン・アーバレストが警戒されていたのは知っているよ?
だから、今回はエルト王国軍師の役割的な何かを
奈宮皇国でやろうかと思ったんだ。

うん、結果からいうと全然だめだったけどね。

いやはや。
想像以上にひどいんだよ。
奈宮皇国の内情。
宮中での皇位継承戦争勃発寸前です。
いわゆる内ゲバです本当にありがとうございます。

そのあおりを喰らっているからかな。
軍はでかいんだけどさ。
無能がいっぱいパスタがうまい状態さ。
まあ、美味いのはヴィスト王国からしてみたらで
こっちにしてみれば洒落になんないの☆\(゚ロ゚ )

・・・これって負けフラグ乱立してね?
道理で原作でヴィスト王国に舐められているわけだよ。
奈宮皇国軍。
むしろ、よく同盟の盟主として頑張ったで賞をあげたくなるといいたい。
あと、一葉の上の4人の皇族。
足引っ張り合いは自分たちだけで解決しろと言いたい。

もし、ヴィスト王国がドイツ参謀本部並みに真面目だったら
ヴィスト王国軍に対する敵国の戦力を
効果的に削減し混乱させたとして
柏葉・剣・ダイヤモンド付騎士鉄十字章くらいは
4人とも受賞できるはず。

まさに利敵行為そのものさ。
ま、そういうわけだからさ。
名無しも見捨てたくなるのですよ。
こんな、泥船大国ε- ( ̄、 ̄A)

ところがですよ。
一葉が頑張っているではありませんか。
懸命に何とかしようと頑張っているのです。
彼女だけはけなげであると言ってよいでしょう。

いやはや。
あまりにも哀れなんで
火山さんを彼女のところに残してあげることにします。
うん。自分はとりあえず武名を上げようと思うんです。
そういうわけなので前線こと四峰領家国に行ってきます。

こうすればさ。
鬱陶しいごたごたに巻き込まれないでしょ?
三国時代の蜀の姜維だって宦官の讒言を避けるために
似たようなことしていたし。
だてに、知識量を誇っている訳じゃないのさ。

これこそ、最強の原作介入を可能とする
精鋭こと名無しの俺流介入。
面倒事は火山さんにお任せさ!

(; ・_・)―――――――――C<―_-)
逃げるなと捕まりましたよ。
火山さん容赦ないのね。

とりあえず、宮中に参内しました。
火山さんは一応かぐらさんちから何度か
来たことがあるそうです。
これでも傭兵上がりとは違うらしいのう。
くやしいのう。
いや、面倒事抱え込むだけ大変みたいなんですが。

で、そこそこ有名になっていたらしいです。
皇帝陛下がこの戦局をどうすればよいかなんて
問いかけてくるわけです。

さて、どう答えようか。

① 国土に敵をひきこんでたたかいます。
敵は遠征軍。やがて自らの補給線の維持が困難となるでしょう。
そこを叩けばこちらの勝利は間違いありません。
冬将軍の到来と同時に反抗作戦を開始します。

うん、絶対この空気だと敗北主義者呼ばわりされるよね。
この国の冬将軍が有能かどうか微妙だし。

② 同盟国を援護し、徐々に押し返します。
 共産主義諸国同様に衛星国を量産すべきです。
 同盟国という壁があれば本国は安泰なのですから。

一応堅実っちゃ堅実だけどね。
これも結構難しいんだよ。
時間もかかるし。

③ 戦線の再構築による戦力整備計画
なんだかんだで、かぐらさんちが
陥落した影響は大きい。
だから、その奪還と戦線の再構築だね。
こうすれば奈宮皇国の負担も少ない。

まあ、ちょっとばっかり有能で
行動力ある人材を必要とするけどね。
それならほら。
ここに一人適任がいるしね( ・ε・)ノ 

じゃあ、③を売り込みつつ②をやってもらう方向で。
皇帝は頭がまともそうで良かったよ。


さあ、必勝の策を献上しよう!
火山さんに面倒事を押し付けるともいうがね!



~サボり魔、サボるべく画策中~



やあ、おはようございます。
奈宮皇国四峰家領国への
援軍指揮官になりました。
名無しです。

うまく、皇帝陛下を説得し
奈宮皇国に刺さったとげを取り除くべく
精兵(自称)を引き連れて
出兵しました。

行軍中に八重に
徹底的に教育させるので
精兵(自称)は(自称)が取れるはずです。

あと、私兵としてメイド隊を作りたいです。
そのための人材集め始めました。

まあ、そんな感じで
頑張っております。
うん、ヴィスト王国の主力が外出しているいまこそチャンス。

留守泥棒?
それはジン・アーバレストの専売特許。
つまり名無しもそれを可能とするのです!
ですが、ただ真似するだけではありません!
創意工夫をつけ加えて
放火と奇襲の心も忘れません!
これが、さらなる高みを目指すということだね。

まあ、アンチメイド主義者など存在自体が許されない。
ましてや、カーディルの如き異端者に使える連中は
情け容赦無用だよね。
メイドの信仰が成敗を求めていると言ってよい。

これ、宗教戦争なのだ。
一歩も引くわけにはいかないのだよ。
異端者共を駆逐し、世界にメイドの真理をもたらす。
これは、地上における代理人としての責務だよ。

いや、もちろん受験戦争で戦争の過酷さは知っている。
だけどだ、それでも守らねばならないものもあるのだ。

エウのゲームでメイドを引き連れて冒険するものが
あったようななかったような。
要するにそういうことをここでやるのだけどさ。
真のメイドが一人しか現状では部下にいない。
つまり、後最低でも二人は必要なんだよ(`・ω・´)

個人的にはノイル王国から
ルティモネさんとかどうかと思うけどね。
本国がそれは洒落にならないと反対するんだ。
曰く、虐殺になるとか、
魔法強すぎるのにそれメイドにするとか
チートもいいところだとか。

魔法メイド将軍とかどうよ?
と思うんだけどね。
名無しとしては。

あれは良いものだよ。
あれさえあれば、
ノイル王国は10年戦えるはず。

でもまあ、今はまだ仕方ないようなので我慢だ。
何とか頑張らなくてはいけないが。
そして、面倒事を押し付けられて
怒り心頭の火山さんからのお手紙になんて
お答えしようか(゚ー゚;A

誰か良いアイディアを私の脳みそに送ってください。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
あとがき

すみません。
一応、原作知識があった方が分かり易いSSかと思います。
ただ、出来る限り状況説明していきます。



[15616] 第七話 我らの大志は空高く舞い上がる ~どこまでもぶっ飛んで~
Name: カルロ・ゼン◆ae1c9415 ID:ed47b356
Date: 2010/01/18 15:13
やあ、批評者及び読者の皆さま。
ご機嫌いかがでしょうか。名無しです(。・ω・)ノ゙

本日のメニューは
ヴィスト王国風鶏もも肉のグリル焼きと
飛龍の特製ソテーです。
デザートに、南国特産のフルーツが付きます。
エルト王国よりもお金をかけた食事を用意しておりますよ!

料理人はこの私、名無し。
料理補助として鉄人をお呼びしました。
また、食器は名人の渾身の力作を使用し
材料は本日取り立ての鮮度の高いものを選りすぐっております。
燃料にもこだわりこの道の巧みであるドラゴンに
熱量を調整していただいております。
なお、調味料にも最善の注意を払い
全て天然の調味料を採用しております。

なお味付けは我がメイド八重でお送りいたします( ̄▽ ̄)












追記
ご賞味に際しては
あらかじめ衛生兵か看護人を
ご用意いただけますようにお願いいたします。
先ほど、毒見させた捕虜が泡をふいて倒れました。

とりあえず、何をやっているかまとめましょう。
奈宮皇国から援軍という名の何かになりました。
さっそく四峰領家国の援軍に来ました。
で、遊撃軍として働くことになります。

さあ、かぐらさんちを取り戻しましょう。
ええ、もう私は帰ってきた風に。
あ!自伝を出版するときは
かぐらさんちが陥落した時涙を流しながら
帰還を誓ったというエピソードを
創造しておくべきでしょう。

とりあえず、それに信憑性を持たせるために
かぐらさんちに入るときに
私は帰ってきたと
全軍の前で宣言するようにしましょう。
うん、完璧な計画。

そう思いながら駐留しているヴィスト王国軍と
簡単な戦闘を行い激烈な火計をお見舞いしました。

さて、ここで重大な再発見があったことを
メイド学の学会に心よりの誇りと喜びを持って
ご報告いたす所存でありますヽ(*゚▽゚)ノ~

再発見に至った契機は極めて単純なものであります。
以前読んだ本に、火計に情熱をささげた諸葛さんなる
偉大な先人のお話がありました。

とにかく、火。
一に火計
二に火計
三、四も火計で
五も火計
という思い切った方針でした。

悲しいことに彼は真の信仰を知りませんでした。
私は、そのために彼の主張する火の素晴らしさを
異教的なものとしてさほど評価しておりませんでした。

しかしです!
メイドを獲得し、真なる信仰に燃えていた私は
あるとき気がついたのです。

火を背景としたメイドが映えること。
火を背景としたメイドが映えること。
なんという荘厳な美でしょう!
なんという荘厳な美でしょう!
大切なことなので二度言いました!

あまりに素晴らしさに今後は
火計だけで戦争すべきでないかと
一瞬本気で考えてしまいました。

良いですか。一つの普遍的な真理がそこにはありました。
私は火に魅入られた諸葛さんの気持ちが理解できたのです。
彼は、先人であり不幸にもメイドの救いが
差し伸べられている方ではありませんでした。
彼の魂の不幸に私は同情するしかできません。
そして、彼の業績を理解しようともしなかった
我々の無知を恥じるばかりです。

火山将軍という方と出会ったのもあるいは
天の啓示だったのかもしれません。
彼は火を名に持っています。
もう少し、人との出会いに注意すべきでした。
神の啓示はそこかしこに満ち溢れているのにもかかわらず
我々は見過ごしていたのです。

ですが、真の信仰によって私は新たな境地を再発見するに至りました。
これが、異文化にも寛容であるべき理由なのです。
古き時代の英知を信仰と融合させることに我々が乗り出すべきです。
このことによってより崇高な真理へと我々は近づけるでしょう!

他の文化からも学ぶことでより素晴らしいものが作れるのですから。
反対者にはシベリアで木を数えるという重要な仕事についてもらいます。
・・・良く考えると、これも異文化から学んだ風習ですね。

まあ、それらは後ほど専門誌に掲載されるので
心待ちにしておいてください。

現在我々はヴィスト王国から
かぐらさんちの解放作戦を遂行中です。
いやはや、簡単ですね。
以前の王虎のメンツがこっそりと各地に残っていますから。
ゲリラ作戦で混乱させて主力で突っ込むだけです。

現状をまとめるならば、アフガンに侵攻したソ連が
抵抗に直面してるようなときにアフガン寄りの正規軍が乱入です。
はい、負けるはずがありません。
焼いて焼いて、一方的に蹂躙しております。

うちの主力はサムライが大活躍しております。
いや、サムライも使い方次第ですから。
魔法使いに愚直に突っ込んだらそれは大やけどです。
ですが、待ち伏せして突撃とか用はやりようですね。

まあ、魔法使いがチートだと思うのはいけないでしょうか?
あいつらの攻撃範囲は広いし、何よりドラゴンとか召喚されると
冗談でなく無双なのですが。
あと、絶を覚えた騎兵は対処に苦労しますよね。

とりあえず、奈宮皇国の魔法使い隊は普通のレベルです。
今後のことを考えれば魔法メイド将軍が必要かもしれません。
心の中のTo doリストにぶち込んでおきましょう。
最優先事項かもしれません。

ああ、私としたことが重要なことを忘れていました。
八重さんは良いメイドさんですが
フリルの重要性が今一つ理解できていないようなので
ここしばらくのプレイでじっくりと説明しています。
彼女がよりメイドとして進化することを祈ってやみません。

さて、そういったことを踏まえて、
盛大にかぐらさんち奪還作戦を遂行しております。

嗚呼、簡単極まりない戦争。
まさに、我こそナポレオンにしてハンニバル。
大スキピオにしてアレサンダー大王。
まさに戦に愛されし英雄よ!

なんかこう、あっさり戦争に勝てる的な?
まあ、戦力差3倍あるからですが。
そりゃねえ。
分散しているところに三倍の兵力で
各個撃破とか楽勝でした。
これは、金髪が同盟に勝つわけだよ同志諸君。
むしろ、金髪の手先が同盟にいたんじゃね?
くらいに、兵力分散は愚策です。
これ重要だから。

テストに出しますよ。
「兵力分散馬鹿の元」
しっかり復習しておく様に!

ああ、フォーク君!
君は特におバカなのでうっかり
分散侵攻なんてしないように
きっちり復習しておく様に!



まあ、もうチョイで包囲殲滅できます。
ただ、残っている部隊の抵抗はさすがに頑強です。
督戦隊でもいるのだろうか?
と疑いたくなるくらい頑強です。

捕虜の虐待や拷問は廃止いているので
素直に投降してくれれば良いのですが。

何故か、頑強に抵抗している彼ら( ̄ω ̄;)
正直、この方面の戦局は大抵のことでは覆らないので
無益な抵抗なはずです。
何か戦略的な意図でもあるのでしょうか?

仕方がないのでゆっくりと包囲殲滅します。
ああ、時間が勿体ない。
ヴィスト王国の連中にはわびさびの心がないのでしょうか?
風流にメイドの淹れてくれたお茶を飲みながら
心安らぐひと時を過ごしたいものです。

ただ、神は人に二物を与えたもうことを拒絶されたので
ウチのメイドさんの料理スキルがアレなことは
神を御恨みしたくなりますが。
早く、料理が上手なメイドをゲットしなくては。

昔、宗教の不合理性についてキルケゴールが批判していました。
彼の主張が正しいのでしょうか?
否と叫びたいです。
メイドへの信仰は、不完全な体系であるはずがないからです。

では、どういうことなのでしょうか。
この絶望、これがキルケゴールの言いたいことなのでしょうか。
哲学は専攻しているわけではないので
必ずしも完璧に認識できる訳ではないのが残念ですo( _ _ )o

おや、こんなところに墓場が。
不吉極まりないので当然迂回です。
もうすぐで旧かぐらは全領土奪還になりますが、
その暁には盛大にメイド信仰を盛り上げていくべきでしょう。
その時にはこの御墓にも御供え位することにしましょう。
さあ、進撃です。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
あとがき

どこまでも飛んでいきましょう的な何かです。
桃鉄でぶっとびカードでいくような感じで。



[15616] 第八話 紳士の嗜み ~それは紳士にしか勤まらない仕事だ~
Name: カルロ・ゼン◆ae1c9415 ID:ed47b356
Date: 2010/01/18 19:50
親愛なる諸卿よ、
諸卿の御機嫌が麗しいことを
この上ない喜びとする所存であります。
豪炎の傭兵将軍に名称が
いつの間にか変わっていました。
名無しです。

はい、おこんばんは。
現在ヴィスト王国軍のかぐらさんちにおける
最後の拠点を包囲中です。
バンバン投石機で石を打ち込んでいます。
すごい勢いで城が壊れています。
文化遺産に対する破壊行為でそのうち
請求書が着そうで怖いです。
経費で落としますが。

とかなんだかんだ言っても
まあ、そう簡単に落ちる訳ないですよね。
結構苦労しております。
名無しです。

最後らへんでようやく敵もあきらめ始めたので
そろそろここらへんで手を打とうではありませんか。
私には、メイド学会に論文を提出するという
最重要ミッションが控えているのです。

もちろん、科学的に検証するために
この戦争中に何度も侵攻を共にする
多くの兄弟たちに検証して貰いました。
データは豊富に集まっているのです。
裏付けのない論文など捏造ではありませんか。
そんなことをする輩は、異端もいいところです。

我々は純粋に真理を探究するものなのですから。
もちろん、真理の門は常に皆に開かれているのです。

求めよ、さらば与えられん。

真理を望む人々に真理への道を示すこと。
これこそが我々代行者のあるべき一つの義務です。
まったく異端どもと関わるとこのように
苦労する羽目になってしかないです。
この革命的な発見がメイドの真理を
また一歩解決するはずなのです。

このペースで戦争していては
異端どもに手を取られて
次の学会に間に合わないではないですか!

すでに、専門誌のTHE HOUSEMAID OF HONORことTHOHに
原稿を送らねばならない時期が来ているのです。
〆切はもう迫ってきているのです。
お願いだからさっさと降伏してほしいです。
市街地付近じゃなければ華麗に放火する所です。

最悪の場合、市街地に火を放つことも
視野に入れなくてはいけません。
まあ、大丈夫です。
ソ連もカティンの森事件をドイツに責任転嫁しましたし。

しかし、心が痛みます。
自由に世界をいじくりまわす権限を
ゲットしたとはいえ別段虐殺したい訳ではないのですから。

どちらかといえば
戦争には反対している口なのです。
うん、戦争は無駄が多いんだ。
戦争なんて最大の浪費じゃないか。

じゃあ、なんで浪費しているかって?
これが、聖戦でやむを得ない戦いだからさ。
ほら、メイド信仰の発展と
吾輩は将軍であるだから。
つまり、立身出世のためだね。

大丈夫だよ。
俺が偉くなったら戦争なんてしないから。
ほら、つまり出世させてくれれば平和なんだ。

うん、物騒だということは自覚している。
で、反省もしないし、後悔もしないんだ。
だってそんなことしていたら
受験戦争で死んでしまっていたからね。

今、この身は一心不乱の信仰にもえている。
もえているんだ。
つまり、簡単には後退できないんだよ。
悲しいけどこれが戦争なんだ。

ついでに、うちのメイド。
八重について説明しましょう。
原作とはかなり違います。
まず、洋装です!
次に長髪です!
そして服は黒メイドです!
異論反論は聞きません。
言いたければシベリアの木にでも
聞いてもらいなさい。

そうですね、呼び方も
ご主人様ではなくマイ・ロードにしました。
ここ重要です。
やはり、原理を追求する上で
原点回帰は不可欠でしょう。

まあ、そんな八重ですが、かなり優秀です。
なんというか、心酔していることを除けば
原作どおりなのですが。

素晴らしい諜報網です。
正直、名無し的には
プライバシーの心配をしてしまうくらいです。
他の人の。
いつ間にか、気が付いたら
周りに忍者がたくさん報告書を持ってきます。

 |
 |、∧    つ「報告書です」
 |ω・)
 ⊂)
 | /
 |´

びっくりします。

あと、戦闘力高いです。
パワフルというか華麗に倒します。
うん、ナイフ投げさせるべきか
真剣に悩んでいますよ。

この前、THOHに論文を投稿したところ
激論になって流血寸前になりました。

    ∧,,∧  ∧,,∧
 ∧ (´`д´) (`Д´ ) ∧∧   「メイドを戦わせるのか!?」
( `・Д) U) ( つと ノ(ヘ・´ )  「伝統を尊重しろ!」
| U (  `・) (・´  ) と ノ 「現状を把握すべきだ!」
 u-u (l    ) (   ノu-u
     `u-u'. `u-u'

メイドにナイフ。
それはロマンにして崇高なる一つの絵になります。
ですが、メイドは本来非戦闘員。

もちろん、メイドにできないことなどありません。
ですが、メイドを守護すべきではないか。
メイドの積極的な保護こそが現代における
我々の責務ではないかとする革新派と
メイドの武装する権利を擁護する保守派が
THOHの論文をめぐって激突しました。
悲しいことに、信仰を同じくする兄弟がぶつかったのです。

私としては、メイドの武装は
メイド法典修正第二条における
メイドの武装権に明記された権利だと思うのです。

規律あるメイドによる武装は、
自由なメイドの安全にとって必要であるから、
メイドが武器を保有し、
また携帯する権利は、
これを侵してはならない

これは、神聖なるメイド法典の規則だと思うのですが。
ただ、革新派の主張もまた一理あるのは確かなのです。
メイドを保護することこそ
信徒の崇高なる義務でもあるのです。
この問題は、かなり悩ましい問題です。

ああ、そうでした。
メイドに関してばかり言及していたので
やむを得ないこととはいえだいぶ
状況を確認するのがおろそかになっていたので
少々補足をしましょう。

現在、私ことジン・アーバレスト率いる
奈宮皇国軍5000と現地のいろいろな連合
合わせてちょうど一万くらいでかぐらさんちで
いいように暴れております。

対するヴィスト王国はいい感じに
ホークランド王国とモンスワー王国に構
攻勢をかけているので全く反対側に主力がいることになります。

つまり、今は大変余裕があるのです。
でも、隣のエルト王国とか何故か押されているのですが。
ついでに、ノイル王国とルウツウル小国連合もやや苦戦しています。
どんだけ強いんだヴィスト王国。

こちらは、連合組んで戦っているはずです。
つまり、本来兵力的には
圧倒しているはずなのですが。

赤軍だったのでしょうか?
粛清しすぎた赤軍だったのでしょうか?
二人に一つしかライフルがなかったのでしょうか?
そうでもしないとこんなに負けないだろ普通。
と、叫びたいくらいに悲惨な戦局だったりします。

どちらにせよ、反董卓連合並みに
足並みがそろっておりませんσ(--#)アタマイターッ
このオルトレア連合はやる気があるのでしょうか?
文化とか発展するのは重要かもしれませんが
もう少し気合い入れて防衛しましょう。

あと、奈宮皇国軍は、意外と使えません。
あいつら内紛にかまけていて戦争する気が乏しい!
いっそ誤射とかできないだろうか?
ああ、頭にくるったら頭にくる。

どんだけ一葉が頑張って
持たせていたんだろうかあの国ヽ(´~`;
いっそ二人でクーデターでも起こすべきか。
いやいや、むしろ、吾輩は王子様でもあるんだ。
功績をあげて、地位を要求すれば
一葉も皇帝陛下から頂けるかもしれん。
そこら辺は割と流動的か。

とまあ、呆れたり嘆いたりするところです。
いろいろと忙しくなってきますが、
さしあたっては
エルト王国がぼこられている間に
防衛体制を固めることにしましょう。

面倒なので全部火山さんに信託しますが。
いや、彼を信用しているからです!
私は、貴方と違い、適材適所を知っているのです!( ̄´-` ̄)


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
あとがき

ついやってしまいました。



[15616] 第九話 メイド回想録と踊る道化 ~勘違い物、はじまります~
Name: カルロ・ゼン◆ae1c9415 ID:ed47b356
Date: 2010/01/18 22:26
マイ・ロードは不思議な方だ。私が、マイ・ロードにお会いしたのは、神楽領家国で傭兵隊を指揮するようにとの命令を受けた時だった。初めの印象は、恐れ多くも騒がしいヤツという認識にすぎなかった。副官となったマイ・ロードとの意見が対立し、無気力だった私はその場で抱かれてしまったが、それも祖国を裏切った女には相応しいかと自嘲気味に受け入れていた。そのときの自分は今、思えばみじめでしかない。いつからだろうか?マイ・ロードに心惹かれる自分と、復讐に燃える自分が相反するような不思議な気持ちになっていたのは。

私は、簒奪者への復讐を遂げることだけがあの時の生き甲斐だった。だからこそ、マイ・ロードとの出会いはこの方にならば、殺してもらってもよいという一つの諦念があったのかもしれない。だが、マイ・ロードは厳しいお方だ。祖国の簒奪者を成敗したら思い残すこともないと、滅びまでの余興としてつき従う私に、滅び以外の可能性を御見せくださった。その深謀は私には想像もつかない先まで見通されておられる。火山将軍と王虎の連携に関して、マイ・ロードに熱弁をふるわれた時、不覚にも本当にそれが実現し勝利する神楽領家国の姿が脳裏にまざまざと映し出された。しかもほぼ完全に未来を見通される方であった。私を疑っていた、というわけではないだろう。だが、マイ・ロードはその必勝の策が崩れるのは内からだとすら予見されていた。火山将軍に宛てた伝令の写しを見たが、背後の敵、内通者に警戒するように幾度も警告を発されていた。実際、私の血筋を慕ったものや、反主流派の決起は薄氷を渡るような危うさのもとで辛うじて成功したようなものだ。火山将軍への密書を入手できなければ、火山将軍によって蜂起は事前に押さえこまれていた可能性が高い。事実、蜂起直後に火山将軍の手元には完全に統制された一軍が保たれていた。完全にこちらの蜂起を想定した編成であった。 
この罪深き身にマイ・ロードが戦略を語っておられなければ、私は今でも神楽領家国の簒奪者達を狙っていただろう。マイ・ロードの戦略はそれほど完璧であった。敢えて、ヴィスト王国軍を大量に領内に引き込み補給線を絶ってじりじりと包囲殲滅。不可能と思われる敵地後方への浸透と、軽装の歩兵のみでの拠点攻略。不可能を可能にされてしまわれた。ヴィスト王国軍の指揮官は、かなりの方面から叱責されたと言うが、私には相手が悪かったとしか思えない。カーディル王でさえ、マイ・ロードの軍略に対峙できるであろうか?マイ・ロードは、火を従えておられる。その攻勢は苛烈を極め、豪炎は敵をことごとく焼きつくし、勝利が常に約束されていた。それに泥を塗った身として私は自分の罪に一生を駆けて苛まれていくのだろう。あの本願を遂げた瞬間、私という存在は死すべき存在となっていた。死を望んだが、与えられたのは重い罪を背負うことであった。マイ・ロードは残酷なお方だ。国を裏切った女には裏切者にふさわしく祖国を失いながら壊れていくがよいと仰せつけられた。無気力にそれを受け入れた私は、その罪を自覚していなった。

私は、自らの罪を背負いつつ、緩やかに壊れていくのだろう。自分が自分でなくなること。自分という存在が消失していく仮面をかぶらされた私が残っていられるのだろうか?私という存在について考える日々が続いていくのかと思っていた。

しかし、神楽領家国崩壊後、奇襲を敢行し、あっさりと離脱を決められたマイ・ロードは私を伴ってヴィスト王国を放浪されることとなった。そこで見たのは、戦乱で焼け落ちた村々や家族を失った人々の姿だった。それは、それは、私が神楽領家国にもたらした禍の行く末を暗示してやまないものであった。ああ、私は確かに裏切り者だ。そして、許されざる大罪を犯したのだ。死すら許されずに壊されていく。客観的にみるならば、それが相応の罪だろう。餓えた子供が、ヴィスト王国風の服装に身を固めた私を見て顔をひきつらせる事が私の罪を否応なく脳裏に刻み込む。マイ・ロードは私と同じ光景を見て、ただ涙されている。だが、私にはそれさえ許されない。ただ、笑えと。貴様のように裏切り者には相応しいだろうと言われたときにその意味を理解していなかった。ああ、これが本当の罪なのだろう。怯える子供に笑顔で、近づこうとしたときの心の葛藤。これが私の、私と王族たちの醜い争いがもたらすであろう、祖国への災厄。見たくなかった。願わくは、死を賜りたかった。自分の笑顔が、人間のものでないように思えてならない。マイ・ロードの温もりさえも、私に許されるのか自責の日々が続く。生き地獄とはあのことだろう。

やがて、マイ・ロードは神楽領家国の宗主国である奈宮皇国へと赴かれた。再びというわけだろうか。あるいは、このことを予期されていたのだろう。火山将軍が先行されておられた。合流した御二方は、先の戦略をさらに発展させたもので遂行されることとなった。一つは正面から奈宮皇国軍が押し返していくというもの。これに火山将軍が派遣された。前線を固めて、敵を拘束する。火山将軍の手際はお見事であった。だが、火山将軍には申し訳ないが、マイ・ロードの戦果はその他のすべてを色褪せてしまわせるほど苛烈なものだった。火は全てを破壊するとともに創造の象徴でもあった。私は、常に前線に置かれた。せめてもの責任というわけだろう。焼かれていく全てのものを目に焼き付けることが私に許さるせめてもの償いのなのだろう。これが、私の招いた防ぎ得た犠牲。涙を流す権利などなかった。それでも、気がつくと夜中にマイ・ロードの胸で泣いている自分を見つけ、何ごともないようにふるまってくださるマイ・ロードの態度に救われた。あの時、決意した。二度と過ちは繰り返さないと。

以前使っていた部下を集めるのは手間取ったものの、忍びたちを集め私はマイ・ロードに仇なす輩の排除に全力を注ぐことにした。見通されているのだろうが、何もおっしゃらないマイ・ロードの黙認が、私の贖罪を認めてくださっていることと思えて、そのころから漸く笑顔が、化け物の笑顔から人形の笑顔程度にはなることが出来た。そのころに、私に武装を許すかどうかで、幾人かの参謀たちと、後方の要人たちが激論を交わしているとの報告が私の手の者から齎された。どうやら、傍仕えの者が武装していることに懸念を持たれた方々がいらっしゃったようだ。私の自業自得にして当然だろう。裏切り者を信用して、武器を持たせて傍に侍らせるなど、論外もよいところだ。私の裏切りと、罪はマイ・ロードのみが今となってはご存じだ。だが、事情を知らない方々でも、傍仕えの人間がいつ暗殺者に変わるかわからないような状況を懸念し、マイ・ロードに警告を発せられる方々がいらっしゃるのも当然のことだろうと私とて思う。だが、私に言われたのは、身を守りなさいというありがたいお言葉だけであった。死すら望めない身に過ぎた言葉に私は、笑顔が崩れそうであった。誓う。我が身はマイ・ロードに捧げると。お許しいただけるならば、我が血の最後の一滴までもマイ・ロードにお使いいただくと。



やあ、こんばんは。
名無しです。

最近、メイドの八重さんがいろいろと
思いつめているようだったので
やっぱり、信仰を同じくする兄弟達と
仲良くすることにしました。
武装問題は当分棚上げね。

あと、火山将軍から愚痴が来たので聞いてあげましょう。
何々、貴君の戦果に嫉妬した一部の暴走を止められそうにない?
フムフム・・・。

・・・フォークフラグですね。
分かります。

A
同志よ。
危機が迫っているのだ。
さっそく火山将軍と合流し
事態を解決に導かなくては。

B
厄介事は無視だ無視。
この際、関係ないとこ行こうぜ。


OS:ルビヤンカ
試算中です

しばらくお待ちください。なうつりーかうんてぃんぐ....



結論
→粛清を逃れるためにはBが良いでしょう。



はい、Bに決定ですね!
さっそく火山将軍に連絡です。


~伝令移動中~


「やれやれ、我らが傭兵将軍は容赦がないね。」

前線から届いたばかりの書状を見て火山は思わずうめき声を漏らした。我ながら豪胆であるつもりだったが、味方の暴走を策に織り込むアーバレスト将軍の策謀には心胆を衝かれる思いだ。

緊急を告げる書状に対して前線からの返事は、アーバレスト将軍の容赦のない謀略家としての一面と、勇猛な指揮官としての側面を如実に物語るものであった。

最寄りの敵軍に、一部の友軍が暴走して戦果を求めてエルト王国方面に突出している。当然、ヴィスト王国軍はそれを容易に叩きのめすだろう。そして追撃してくることは火を見るより明らかだった。そんなときに、アーバレスト将軍は旧ビルド方面へ出兵するという。旧ビルド地方はエルト王国方面に出張ってきているヴィスト王国軍にとっての根拠地に当たる。書状には「面倒事を押し付けて申し訳ない。貴君の任意に行動してほしい」とのみ記載されているが、要は調子に乗って追撃してきたところに本拠地を衝かれて動揺した連中の自由に料理してほしいということだ。

「つくづく彼が、敵でなくて良かったよ。」

「まったくです。いったいどこでこれほどの軍略を身につけられたのか。」

まったくだ。こんな人材が野にごろごろとしていてはたまったものではないだろう。ヴィスト王国の連中には本当に同情したくなる。

「さて、一度は失敗した身だ。今度ばかりは気合を入れないと。」

いい加減、不完全燃焼でもあった。自分も攻勢に出るには良い機会だろう。守るのは本来性に合わない。遊撃や、奇襲を全てアーバレスト将軍に持っていかれることもないだろう。

「積極的に動いてみるとしましょうか。」







やあ、皆のひーろ名無しマンだよ。
今日は、良いお友達を持ったことを自慢しようと思うんだ。
火山将軍がすべて任せろとおっしゃってくださったのさ!
ヽ(∇⌒ヽ)(ノ⌒∇)ノ
つい踊りたくなってしまうんだ。

マジ火山さん心の広い人だ。
これからも良いお付き合いしたいね。
ほんと、助かるわ。m(-_-)mスマン

こちとらビルド王国の
リオナティール姫ゲットしたいだけの
私欲丸出しなのに。
あの人の滅私奉公ぶりは飄々としていて
評価されていないけど、
誰か推薦してもよくないだろうか。

「八重、旧ビルド地方に、私が女好きだという噂を誇張して流布しろ」

「かしこまりました。マイ・ロード。」

さてさて、今のうちに
火山さんの昇進推薦を上奏しておこう。
うん、ぶっちゃけ一葉にお任せさ。

リオナティール姫なら、エロい軍師に色仕掛けで
接近しようとしてくるはずだし
もはや勝利は確定だろう。
ああ、メイドの増加は我が喜びだ。
八重に任せておけば良いだけだし
ほんと、これが人生の勝ち組だね。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
あとがき

単調な現状を打破すべく新機軸を採用しました。
勘違い物は初めてなので
どうしても不都合や至らない点があるかとは思いますが
感想を極力参考にさせていただいております。
どうぞ、よろしくお願いします。



[15616] 第十話 緊密な連携こそが勝敗を決するだろう ~まあ、アドリブで行きましょう!~
Name: カルロ・ゼン◆ae1c9415 ID:ed47b356
Date: 2010/01/19 00:13
おお、英知の従者達よ!
私こと、名無しは、
ここにメイド学の新境地を発見したことを
ご報告するものである。

すでに、幾人かのご協力を頂き実証に努めることが出来た。
このことに関しては、賢人ならぬわが身だけでは
到底なしえなかったことを実現に至らしめたものであり、
小生としては感謝の念と敬意をここにあらためて
表することが出来ることを喜びとするものであります。

さて、メイド学の新境地とは前回の学会で
仮説のみ提示されていた焔に映える黒いメイド服であります。
このたび、理論の検証が完了したために
メイド学会に対して正式な学説として提示するものであります。
なお、この学説はTHOHの次号にも掲載されております。

これに先立ちまして、この理論を検証するに際して
最大限のご協力を頂きました、ノイル王国の
大魔法使い、バラムハード師をご紹介させていただきます。
師は、理論を検証する際にいくつかの火炎魔法を
実践してくださいました。
このことによって、危険で、困難な戦場において
理論の実践が行えましたことを心より
バラムハード師に感謝するものであります。


ご紹介にあずかりました。バラムハードです。
このたびは、壮大なメイド学の新境地を開拓する栄光ある
一翼を担えたことを生涯の誇りとするものであります。

僭越ではありますが、私からメイドと焔の組み合わせについて
論証させていただきたく思います。

まず、お手元の資料をご覧ください。
こちらは、落城する無残な城が炎上することを背景に
メイドがただ、そこに存在するという初期の研究作です。
主人と共にあり、そこに日常をもたらす。
そう、そこが戦場であろうともです!
素晴らしい光景です。
私自身、この瞬間にこの実験が壮大なものであることを
悟らざるをえませんでした。

メイドの本質、それをあらためて
如実に視覚効果に証明するこの瞬間こそ
メイド学のあるべき理想を表していると言わざるをえません。
メイド学。

ただ、若干の物足りなさがありましたが
それも後期には改善することが出来ました。
後期には、このところでメイドによる一礼を
取り入れることで、従者が主人を祝福しつつ
日常を演出するという奇跡が実現したのです!

    ∧,,∧  .∧,,∧
  ∧∧(`・ω・´)(`・ω・´)∧∧  「素晴らしいな!」
 (`・ω・´).∧∧) (∧∧(`・ω・´)  「歴史的な業績だ!」
 | U (`・ω・´)(`・ω・´) と ノ  「博士号の用意だ!」
  u-u (l    ) (    ノ u-u
      `u-u'  `u-u'





「しかし、どうやって引き抜いたのやら。」

前線の一角で攻めに攻める暴走状態の友軍を冷めた目で見つつ、火山はアーバレスト将軍の幕僚達のことを考える。どれもこれもひと癖以上あって仕官要請をことごとく辞退してきたような連中だ。それが、ことごとくアーバレスト将軍の傘下にはせ参じている。その団結は折り紙つきだ。間者を潜り込ませようと幾人かの奈宮皇国の人間が動いたようだが、ことごとく始末されたと聞いている。

「一葉殿下が仕官を求めてすげなく断られたとか。」

「それを、使いこなせるアーバレスト将軍もたいしたものだ。」

一葉という人材は、奈宮皇国において数少ない良識派に属すると言っていいだろう。やや、大国の人間ならでは傲慢さが身についてしまっているものの、経験がそれを改めさせるのもそう遠くはないはずだ。だが、経験という問題だろうか?使いこなせければどうしようもないが、アーバレスト将軍の採用した賢者たちはすべからく何らかの実績を示している。

「だいたい、いつ接触したんだ。ほとんど一瞬で招集したぞ。」

正直に言って、気が付いたら野にいる人材が根こそぎ刈り取られていたようなものだ。大魔法使いをあっさりと招聘し、あまつさえ気難しいと有名な連中を複数招いたのだ。通常ではありえないような効率で人材を採用していると言える。それでいながら、防諜が完全であるというのは非凡さの証明以外の何物でもないだろう。

「まあ、こっちも好きなようにやるさ。」

そう呟くと、火山は手にした報告書を三通確認し、それぞれ一葉とアーバレストと皇宮に宛てて発送するように手配する。これを送れば、後は自由に料理するだけだ。イノシシ狩りと同じで巣からいぶりだされてきた獣を狩るだけでよいとは。

「ほんと、楽させてもらって悪いね。」


やあ、豪炎の傭兵将軍にして
業火の悪魔こと名無しです。
世をしのぶ名をジン・アーバレストと申します。

いや、良いものですね。
何もしなくても部下が勝手にやってくれるということは。
書類の決裁もしなくていいのは実に楽ですヾ ゚∀゚ ノ♪

ですが、これは実のところ
信仰を共にする兄弟達との神聖な盟約です。
雑務は彼らがやってくれる代わりに
新研究であるメイドさんと色に関する発展的な研究を
行わなくてはいけないのです。

ええ確かに、黒のメイドは一つの完成系です。
しかし、焔に映える黒はまだ探求が不足していると
先日のTHOHで指摘されてしまったのです。
ええ、確かに、黒ければ良いという思想停止は
メイドのスカートが短ければ良いのだという
短絡的な異端どもに堕ちかねない重大な危機でした。

もちろん、我々鉄の規律で団結する信仰の前衛集団が
そのように堕落することは考えたくはありません。
ですが、権力は腐敗します。もちろん、いかなる人間とて
その例外ではありえないのです。

腐ったリンゴは捨ててしまわなくてはなりません。
まあ、腐ったリンゴしか残っていないときは
乙としか言えませんが。
でも、まあ、そんなこともありますよね。



~メイド暗躍中~


マイ・ロードの御指示は常に常人には悟れない先を見据えた御指示である。女好き?確かに、英雄色を好むというけれども・・・。そのように困惑しつつもマイ・ロードの御指示に誤りがあったこともなく私は自らの思慮の狭さを恥じつつ旧ビルド地方に噂を流布すべく手の者を回していた。

「八重様、すでにいくつかの集落から噂が拡大し始めております。」

「そのまま広げなさい。ただし、意図的にばらしていると悟られないように。」

何故、このような益体もない噂を流すのか?私の疑問はやがて一人の部下からの報告で漸く氷解した。一人の反抗勢力の娘がマイ・ロードに接触を希望しているという。名をリオナティール、旧ビルド王国の血族である。調べた限りでは、身を差し出すことで援軍を引き出そうと考えているらしい。さすが、王族というべきか。その血を有効活用しようという決断は、ある種の潔さが感じられる。とはいえ、王族がそのように思考するであろうと見越して、このように一見してヴィスト王国に警戒されないような噂で結果を導き出されるとは。諜報活動に従事している人間としては、このようなアプローチが存在したのかと自らの不甲斐なさを恥じるばかりだ。マイ・ロードにこの件を一任していただけたことを誇りに思いつつ、今後は命じられたことをその場で理解できるように自らの研鑽を私は改めて決意する。

さて、ここでマイ・ロードにあらためて指示を乞うてはさすがに御不快になられるだろう。王族の思考を完全に把握されているマイ・ロードのことだ。私に命じられたことはすなわち、旧ビルド地方の掌握に必要な前哨戦と認識すべきだ。すなわち、王族の取り込み。私ごときが、出来ることといえば、この姫君をマイ・ロードに差し出すことだろう。それも、姫君にこちらにその意図を悟られたということがばれない様にして。だからこそ、マイ・ロードはそれ以後のことをこちらにお尋ねにならないし、口になさらない。マイ・ロードはそれをご存じないことになっているのだから。その信頼に答えて見せなくてはならないだろう。


名無しです。
こんばんわ。
気が付いたらベッドに裸のおんにゃのこがいました。
・・・WHY?
落ちつけ、落ちつくんだ自分。
これは孔明の罠に違いない。
いや、ソ連のハニートラップかもしれない!
冷静になるんだ、おい、何をしている。
どうして、俺の手は肩に伸びているんだ。
静まれ。俺のパッションよ、静まれ!




[15616] 第十一話 人の和は大きな力になるんだ! ~あとよろしく。~
Name: カルロ・ゼン◆ae1c9415 ID:ed47b356
Date: 2010/01/19 10:14
ふう、人間とは煩悩に苦しむ生き物だね。
名無しです。
つい、据え膳食ってしまいました。
どうしましょう?

え、何々。
反抗勢力からいらっしゃった?
はいはい。
リオナティールさんですか。
へー

・・・あれ?
成功報酬じゃなかったっけ?
原作だと。
ま、良いんだけどさ。
据え膳食った身としては。
でも、聞いていいかな。
どうしてこうなった?

なになに、英雄色を好むと?
まあ、間違っちゃいないが・・・。
なに、傭兵将軍はあんまり地位や名誉に
興味が薄いようなので、
ただ、情を希うのみだと?
どんだけ、鬼畜なんだろう世間の評価って。
泣いていいかな?
リオナティールさんの胸で泣きます。
あ、もっかいやる?



~火山築城中~




「暇だねえ、正直、やることも決まっているし、帰っていいかな?」

「真面目にやってください、火山将軍」

とはいえ、火山の勤労意欲は既にかなり減衰している。エルト王国からの救援要請に答えるとの名目で暴走した連中が苦戦していると物見の報告が入る一方で、アーバレスト将軍は、現地の反抗勢力をうまく糾合し、ひそかに一斉蜂起の手筈を整えたらしい。ヴィスト王国軍にしてみれば帰る家を焼かれるようなものだろう。あとは、弱り切ったところを波状攻撃で潰すだけ。あまり、おもしろくもないし、自分でなくても出来るのではないだろうか?

「ああ、本当、退屈だねえ。待つのは好きじゃないんだ。」

友軍はなんだかんだと言いながらも、苦戦しているので援軍を送れとうるさい。無視するのも断るのもいい加減面倒になってきている。一応、アーバレスト将軍と、一葉姫から動くなとの命令が出ているので動かなくて良いことになってはいるが、奈宮皇国軍の政治力学はあまり望ましい作用をしないのだ。

しかし、まあ、おそらくあと二、三回救援要請が来るのが限度だろう。こういうときはゆっくりとおっとり刀で駆けつけるに限る。さて、追撃してくる連中に逆撃を加えるにはどこら辺が良いだろうか?援軍に出るように擬態して、敵の疲弊したところを強打することにしよう。一応、角も立たないし、何より面倒事が少なくてよいのが魅力的だ。

「やれやれ、これは、戦勝後厄介にならないと良いのだけれどな」

アーバレスト将軍の策謀は順調に作用している。恐らく、近いうちに戦意を喪失した侵攻軍を叩き潰すと同時に自分たちが率いる軍が旧ビルド地方に進撃することになるだろう。一時的にせよ、旧ビルド王国地方まで奈宮皇国が進出することの意義はエルト王国やノイル王国への大きな援護にもなる。だが、暴走した連中は納得いかないだろう。おとりにされたと気がつく頭があるかどうかは知らないが、少なくとも戦功を妬む頭程度はあるはずだ。アーバレスト将軍も足を引っ張られないとよいが。

「ま、なんとかするんだろうけどね。」




~一葉苦労中~



「では、次の書状を」

「はっ、アーバレスト将軍より、火山将軍の昇進を推薦するとの書状が来ております。」

「アーバレスト将軍から?」

奈宮皇国の宮中で一葉は思わず首を傾げることになる。もともと神楽領家国の傭兵上がりのアーバレスト将軍と優秀な火山将軍は神楽領家国の失陥と共に、奈宮皇国に仕官している。二人とも実戦を経験しているなかなか優秀な将軍のようだが、主流派には属していないだけに後ろ盾を求めているのだろうか?

「速やかに処理をお願いしたいとのことです。」

「分かりました。」

差し出された書状には、火山将軍が得難い良将であることと、政治的に中立で滅私奉公を務めていることが記載されている。そして、一葉姫に置かれては、願わくは、火山将軍が次の戦功を立てると同時に昇進を上奏していただきたいと記載されている。次の戦功?妙に気になるところだ。

私は、控えている武官に火山将軍の軍が配置されている方面について尋ねる。聞けば両将軍は別の方面に出征しているらしい。では、アーバレスト将軍の推薦状は単純な友誼によるものか?両者がそこまで親しいとは耳にしていなかった。だが、次の戦功というところに引っかかりを私は覚える。次の戦功が約束されているのであろうか?だが、エルト方面に一部の軍が援軍、そう武官は口を濁しているが実態は独断で戦果を求めて進撃していると耳にして漸くアーバレスト将軍と火山将軍の連携について理解が及んだ。

耳に痛い話だが、奈宮皇国の軍は政治に影響を露骨に被っている。当然、姉上の夫は、その部下たちに戦功を望んでやまない。戦功を立てる機会を望んでいるであろう。そんなときに、新参者のアーバレスト将軍が神楽領家国を奪還するという巨大な戦果をあげるとなれば大人しくはしておれないだろう。だが、神楽領家国を奪還したとなるといける先は、旧ビルド地方か、エルト王国への救援。当然、エルト王国への救援の方が名分も立ち、容易でもあるかにみえるだろう。

アーバレスト将軍はこれを見越していた?火山将軍の軍はエルト王国方面へ暴走した一部の軍の穴を埋める形で展開している。そう、まさしくそれがあらかじめ予想されていたかのように。火山将軍の実力をもう少し上方修正すべきだというのには私にも理解できる。だが、火山将軍の軍だけで追撃してくるヴィスト王国軍を防ぎえるだろうか?

「あの方面に出せる援軍はないのですか?」

例えば、隣国に布陣しているアーバレスト将軍はどうしているのだろうか?彼の手腕は、私にはわからないものがあるが、それでもこの事態を把握し予見しているのであれば何らかの方策があってしかるべきだ。

「いくつかの小規模な諸侯の動員が完了しております。」

「ならば、それを火山将軍の指揮下に送りなさい。」

とはいえ、やはり気にかかる。万一のことがあってもいけないが、下手に動けない奈宮皇国の現状がもどかしい。



~メイド学会アーバレスト博士、メイド養成中~

やあ、ブラザー諸君。
今日は、八重にリオナティールを教育させているのさ。
いやね、メイドによるメイドの教育は伝統だよ。
これを理解できない連中は、
もう、本当に異端としか言いようがない。

だってね、夢だよ?
ロマンだよ?
メイドの
メイドによる
メイドのための教育。
これが、約束された地だというならば
私は神に感謝を捧げよう。

そして、ブラザー諸君。
お許し願いたい。
諸君との約束した
メイドの色彩効果に関する
研究は、メイドの教育学の研究が
多忙につき少々遅延してしまっている。

メイドは如何に教育すべきか。
この命題に解答を出すべく鋭意努力中なので
しばしご容赦願いたい。

ああ、そうだった。
今回、魔法使いのエコ活用を実践してみたんだ。
ほら、核の平和利用(笑い)とかで
むかし核運河とか、核で工事やろうとかいう
奇跡の発想(信じられないくらい愚か過ぎてある種の奇跡)を
どこぞの馬鹿どもが思いついたんだよ。
放射能まみれに住めるかっつーの。

まあ、いいや。
こっちはクリーンな大魔法使いの魔法です。
マイナス25%なんぞ目じゃないさ
もうね、輩出しないの。
エコそのもの。
いや、今後これでよくないか?
そう思う毎日です。

でもさ、聞いてよ。
ひどいんだよ、奈宮皇国軍の暴走。
なんかさ、

ヴィスト王国軍はもはや崖っぷちよ!
我らは常に先んじているんだ!

と平気で口にしているんだよ。
これっていわゆるあれでしょ?



ソビエトあかでみー
先生:「資本主義の現状はどうなっていますか?」
生徒:「はい、堕落した資本主義は崖っぷちにあります!」
先生:「よろしい。では、我が共産主義は?」
生徒:「はい、共産主義は資本主義の常に一歩先を進んでおります。」

資 ←一歩の差→   共
本          産
主          主
義          議
コ          ↓   
コ          現    
↓          在    
崖          落
           下
           中    




を素で実践しているんだ。
アンビリーバボーな頭のおめでたさだよ。
まったく。
共産主義者と同じ程度の頭しかないような
連中が味方とは泣きたくなるね。

ああ、火山将軍に任せておいて本当に良かった。
残念だけどね。
ほら、新しいメイドのリオナティールが
希望することをかなえてあげないといけないから
助けられないんだ。

一応、お詫びを込めて昇進の推薦状を
出しておいたから許してね。
マイフレンド。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
あとがき

このSSはフィクションです。
如何なる共産主義諸勢力をも批判するものではありません。



[15616] 第十二話 革命的に事態を遂行しよう ~やることないけどな!~
Name: カルロ・ゼン◆ae1c9415 ID:ed47b356
Date: 2010/01/19 18:16
やあ、名無しだ。
革命的に事態を遂行しようと
大攻勢を決意したんだ。

ふと気がついたんだよ。
旧ビルド地方に独立政権を
打ち立ててメイドの楽園作ればよいと。
そう、これはまさにメイド革命。

良いかい。
革命を起こすのは
腐りきった共産主義者だけではない。
たまには全体主義者や軍国主義者も
クーデター起こすではないか。
成功した物が革命で
失敗したものが暴動や、反乱なんだ!

歴史を刻むのは勝者の特権ですからね!
・・・え?
一葉がもらえない可能性がある?




イエモチロンジョウダンデスヨ?


ハンランナンテオコスツモリモアリマセン。


すまない、兄弟諸君。
私は、弱い信徒だ。
神の御慈悲にすがることしかできない。
だが、あえて言おう!
姫メイドはすばらしいと!

いや、もちろんメイドは平等である。
ここは、絶対の条件であり
天賦メイド権によってメイドであることを
保障されている。

だが、だからこそ私はあえて姫メイドをお勧めしよう。
その姫とは気品に対して与えられるべきであると。
品位あり瀟洒で完璧なメイドにこそこの称号が
ふさわしいとTHOHに寄稿しなくては!

ああ、時間が無い。
どうしてこうもつまらない雑務に
私の貴重な時間を使うことになるのだ。
というか、抵抗勢力多すぎるぞ。
お前らの顔と名前を覚えるだけで
何日かかると思っているんだ。
世界史の人名より多いのではないかと
真剣に疑いたくなるようにぞろぞろと沸いてきやがる。

「八重!主要な抵抗勢力のリストアップ。それ以外は解散させろ!」

「イエス、マイ・ロード」

「リオナティール、お前も八重を補佐しろ!」

そういい捨てると、
名無しは毅然として走り出す。
彼には面倒なことがいくつもあるのだ。
たとえば、人に押し付けた厄介ごとの
後始末的な何かとか。

そう、火山将軍からの恐怖のお手紙である。
聞けば、火山将軍には
あの厄介ごとに巻き込まれて
エルト方面遠征軍を一手に引き受けるという
無茶振りをやらされる羽目になったという。

ごめんよ、面倒ごとがあるとは思ったんだ。
だから、援軍要請を無視したんだ。
なんか、こっちで楽しくやっていると
ばれたら殺されそう。
笑顔でなんか、波状攻撃されそうなんだ。

うん、自分なら、厄介ごとを押し付けられたら
当然怨み言の一つや二つあるからね。
ましてや、押し付けた厄介ごとは
もはや一々覚えてられないほどには
心当たりがあるからな!ヽ(  ̄д ̄;)ノ オテアゲー!

どうしようか。
うん、素直にごめんというべきだろうか?
いやいや、冷静になれ。
クールになるんだ、名無し。
いいか、思い出すんだ。
火山は原作でめんどくさがりだったんだ。
そんなやつに仕事をたくさん押し付けたんだゼ?

・・・・・やられる前にやるしかないのかな?

いやいや、何だかんだていい人だし
微妙に良心が痛むんだよね。
これでも、善良なる常識人。
ちょっと、人より信仰が厚いだけの
人の身なんだよこれでも。
今後の人生に嫌なものを負うこと無いさ。

そうだ、こういうときこそ
「責任者は責任を取るために存在する」
というありがたい科学者のお言葉を実践するときだよ!

ごめんね、親愛なる皇帝陛下。
まあ、ほら、陛下の領土防衛したし
それくらいの面倒ごとはせおってちょ。
サラサラサラ~φ( ̄∇ ̄o)
サインしてと、ほい、ポストに投函。

うん、やっぱり問題は
人に解決させたほうが面倒ごとが少なくて良いね。

まあ、引継ぎのために現状を説明するね。
一応、旧ビルド地方の南部の奈宮皇国側の地域を
奪還することに成功したよ!
建前とはいえ、メイドさんゲットするためだからね。
もちろんきちんと仕上げたさ。

で、いろいろと、抵抗勢力の代表がうるさいので、
八重たちに適当に減らしてもらっている最中。
うん、どうやっているのかは聞かないことにしたんだ。
解散させてとしか指示していないから。

それってソ連式粛清命令じゃね( ̄□||||!!?
後で気がついたんだけどさ。
怖くて聞くわけにもいかないし。
ほら、一応スターリンみたいにうっかり殺してしまって
「ああ少し、その件では早まったようだなww」
なんで言及できるほど人間やめてないんだ。

とりあえず、うちのメイドたちはほら
一応やさしいし、良識あるから大丈夫だと信じている。
うん、正直八重だけだよ不安だから
リオナティールも派遣したし
とりあえず、流血沙汰になることは無いはず。
・・・さすがにそこは確認しておこう。

忍つ報告書

あ、何々、抵抗勢力をまとめて
奈宮皇国にまとめることができた?
流血沙汰なしね?そこ重要だよ。
うん、問題ないなら別にこれでいいよ。

え?あと、召還命令がかかっているって。
何でこの時期に?
・・・ああ、火山将軍あたりがついに
怒りのあまりに噴火したのかな?
洒落にならないんだけどなそれ(・д・)
ああ、そうだ、こういうときこそ忍者を使うんだ!

「八重!」

「はっ、お側に。」

ささっと出てくるあたりに
慣れてしまったのはもはや仕様でしょうか?
あとでルビヤンカを使って試算してみましょう。
中々優秀なOSなのですが
少々ノルマが厳しく、適度に粛清をしないと
動かなくなるのが唯一の難点です。

まあ、それはさておき。

「すまないが、皇都に向かい、火山将軍と接触してほしい。」

「かしこまりました。」

うん、何も聞かずに行ってくれるのはすばらしいことだよね。
あ、そうだ、メイド報告をすることも忘れない。
だって、一応火山さんに迷惑かけてしまったからね。
紹介ぐらいはしておかなくてはメイド学の
発展に貢献してくれた一人の協力者に申し訳が立たない。

「リオナティールを同伴するように。」

うん、イエス・マイ・ロードと
言い残して消えさる八重の
残像が見えなかったよ。
だんだん、人間やめてないかな彼女。
これが、メイドの可能性なのだろうか?
人という種の限界をメイドは超越したのだろうか?

う~む。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
あとがき

うーん、バランスが難しい。
なんというか、とにかく打ち上げただけなので
細かいコントロールが効かない作品で困惑しております。

全てのアドバイスをうまく反映できないことと
読む人を選んでしまうかもしれません。



[15616] 第十三話 多角的な角度から物事を解析し、真実を導こう! ~せんにゅうかんはこわいよね~
Name: カルロ・ゼン◆ae1c9415 ID:ed47b356
Date: 2010/01/20 11:52
おお、賢明なる諸卿よ!
よくぞ、我、名無しの
呼びかけに応じてくださった!
間もなく、重要極まりないイベントがあります。
はい、公開リンチです!
ちなみに私がされる側です。
へるぷみー。
イジメかっこ悪い!

がくがくブルブル震えながら
都の一角に引きこもっています
助けて、陛下。
お願い陛下。
無理難題ばっかり押し付けてごめんよ。
だから、今回ばかりは助けておくれ。

衆人環視のもとで
一葉と火山に対峙です。
明らかに、叱責フラグという名の
何かが私を待ち構えていることは
疑いのない真実でしょう。
ああ、いやだいやだ。


~一葉残業中~


「それにしても、アーバレスト将軍は優秀だな。」

「さようですな。私も、ずいぶんと楽が出来ました。」

皇帝と、神楽・エルト方面軍軍団長火山将軍の非公式な謁見に居合わせた第三皇女、一葉にとって不快な名前が称賛されるという気分の良いものではなかった。一葉とて、ジン・アーバレストの手腕を認めないわけではない。だが、突然現れた傭兵に長年かかっても自分を認めようとしない在野の優秀な人材がことごとく靡いているということと、卓越した軍事的な才能に物を言わせる剛腕ぶりに平静であるということは難しいことだった。旧神楽領家国の精鋭を率いた歴戦の指揮官は、若造と侮られるような年でありながら敵味方にその名を轟かせている。まだ若いと。女子供と、軽視されがちな一葉としては自分との違いに思わず何故と思わざるを得ない。

「しかし火山、公式にはお前の戦功を第一とせよとの希望だが。」

「ああ、私としては面倒事半分、ありがたさ半分といったところかと。」

苦笑する火山将軍と、面白そうに笑っている父上。私がここに呼ばれたのももとはといえば火山将軍の推薦を行う上奏に関連してだった。それが、火山将軍の戦功を褒めたたえる書状と共に父上に既にジン・アーバレストから提出されていた。書状は軍情報告も兼ねてあったが、自身の功績を誇ることなく、事務的に旧神楽地方を奪還したのち、旧ビルド地方の一角を獲得するにいたった経緯が記載されるのみであったという。その手腕は、辣腕の一言に集約できる。皇帝に対しては軍の一部が暴走した際に、旧ビルド地方に出征しており火山将軍に負担をかけたことへの謝罪と、公式の譴責を希望する旨が記載されており功罪の相殺が適当ではないかとまで言及してあり、現在は皇都で処分を待っているとのことである。

「ふむ、非凡な戦略眼のみならず、政治も解するとはな。」

「槍玉にあげられるのは暴走した連中でしょうな。上手いやり方ですな。」

二人とも至極納得したという表情を浮かべている。一葉にはそれに納得できないものを覚え思わず口を挟んでいた。

「ですが、それで良いのでしょうか?」

自分でも意外なことに、口が気がつけば動いている。そのような経験はめったにないことで、口を挟んでしまってから一葉が思わず動揺したくらいだ。



「アーバレスト将軍の独断が多すぎると言いたいのか?」

本来彼は、四峰領家国への援軍として派遣されている。一応、援軍としての役割は完遂し、四峰領家の脅威となり奈宮皇国に刺さったとげとなっている旧神楽地方の奪還までは、辛うじて与えられた裁量の範疇に留まっているかもしれない。

「はい、アーバレスト将軍は本来四峰領家国への援軍として出征した身。」

「それが、ビルドまで行っているということを問題視されておいでですか姫殿下。」

火山将軍が確認を求めるように聞いてくるので一葉はうなずいた。

そう。ビルド地方となると完全に彼の管轄外だろう。結果論でいえば、ヴィスト王国の圧力が大幅に減少するとともに連合加盟国への盟主としての存在感を示すことにも成功している。これは外交的にも大きな大きな成果であり、ヴィスト王国に対して与えた損害は計り知れない。しかし、その過程は一個人の独断によるところが大きい。これでは、後に悪影響を及ぼしかねない。

「よい、そのことは既に火山を通じて余が許可してある。」

「陛下!?それはどういうことですか!」

思わず一葉は問いかけてしまう。自分の知らぬ間に、ジン・アーバレストは父上に信用され、自分を飛び越えて問題を処理している。最初は、ジン・アーバレストの依頼に応じて火山将軍の昇進を上奏することで一葉の先見性が証明され求心力が高まるだろうと思った。新手の後ろ盾のない有能な軍人に恩を売っておくのも良いことかと思い行動したが、実際には自分は道化だ。なるほど、彼のような有能な軍人にとって皇族が政争に明け暮れている現状は忌々しいもの以外の何物でもないだろう。確かに、一葉とそのことを嘆いている。だから、何とか現状を良くしようと出来ることを行っているつもりだった。だが、ジン・アーバレストは先を見通し、一葉という比較的良識のある奈宮皇国の一派を支援しているにすぎないのだ。私は彼のおこぼれにあずかっているにすぎない。

「かの者の言は理があった。それだけだ。」

「出すぎたことを申し出ました。」



~火山お茶中~



「おや、お客さんか。なんの御用ですかな?」

飄々とした表情を浮かべつつも突然現れた気配に警戒を強めた火山は来客に問いかける。最初から一つの気配は把握していたものの、それは囮だった。そちらに気を取られ本命に背後を取られてしまったようだ。

「私です。火山将軍。」

おや、これはこれは。アーバレスト将軍の腹心が出張ってくるとは。傍仕えのメイドと侮って、大半の奈宮皇国軍の人間には全く警戒されていないがその擬態を見破ると、恐るべき練達の諜報網をこの女は取りまとめている。事実、火山の部屋まで忍び込めるということがその力量を証明してやまない。

「マイ・ロード、ジン・アーバレストより命を受けて参上いたしました。」

「御苦労。で、なんなんだい?」

「はい。火山将軍に接触し、まず、皇都の現状を把握せよと。」

「ああ、それなら、おおむね彼の予想通りだ。やや一葉殿下が御機嫌斜めだがね。」

まだ、若いのだろう。感情と理性が混乱しうまくまとめられていないように見えた。若くして苦労しているだけにいろいろと今回の事態に思うところがあるのだろう。八重と名乗っている女もそれだけで状況を理解したようだ。それにしても、これだけということはないだろう。本題は何だろうか。

「では、本題になりますがマイ・ロードが新しく使用人を雇い入れまして自慢して来いと。」

「ほう。彼が女好きだというのは本当のようだね?」

まさか、額面通りに受け取るアホとは思われていないだろうな。旧ビルド地方でアーバレスト将軍が女好きであるとの噂が流れていると聞いたときは訝しがったが、敵を油断させるためのものかと思っている。

「はい、リオナティールを紹介せよと命じられております。」

そういい、彼女は後ろに控えている従者を前に出し、面を上げさせる。

リオナティール!?それは、ビルド王家の姫君の名ではないか?思わず火山は手にしていた湯呑を落としそうになり何気ない表情を保ちつつそれを机に置き机の下に手をやることで動揺を隠す。妾の自慢に見せかけているが、これが色ボケした人間の発想だと信じられればどれほどおめでたいだろうか。この短期間で旧支配者を翼の下に匿いこんでいる。

「ほう、これはこれは。火山です。初めまして。」

間違いない。神楽領家国にいたころに見た王族に良く似ている。少なくとも、王家に連なる人間であることは間違いないだろう。そして火山はリオナティールを少なくとも顔を判別できる程度には見知っている。隣国の建築物を見ようと放浪しているときにビルド王家の祭事を良く見たものだ。まだ今よりもずいぶんと幼かったがこの少女もいたはず。

・・・このことを私に漏らすのはどういうことか?

信頼されていると見るべきだろう。だが、意図が分からない。いくつかの可能性が見えるが予測が出来ない要素が多すぎる。このことは調べてみるべきか?とにかく、道理でここまで迅速に反抗勢力の取り込みと再編が行えた理由は分かった。これが、妾というバイアスのかかった状況でみられるならば傍仕えの人間としか周りもみないだろう。積極的にその身柄を探られないには良い理由だろう。女好きの傍に女がいることは不可思議ではないのだから。いっそ、こちらから使えるものを派遣しておくべきか?恩も売れるし彼の力になっておくのは悪くないかもしれない。

「いや、眼福だよ。アーバレスト将軍にはよろしく伝えてくれ。」

「かしこまりました。」

そういうと、八重とリオナティールの気配が急速に消えていく。本当に恐るべき技量の持ち主だ。あのように、恐るべきものを顎で使いこなせるアーバレスト将軍が相手では一葉では荷が重いだろうな。そう思いつつ、火山は冷えたお茶を飲み干すと、新し物を淹れなおすことにした。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
あとがき

今回は、勘違いがメインになります。



[15616] 第十四話 第一次カチューシャ公会議 ~メイド学論争~
Name: カルロ・ゼン◆ae1c9415 ID:ed47b356
Date: 2010/01/20 23:35
おお、大隊戦友諸君!
革命を共に志した同志諸君!

敢えて叫ぼう!
黒髪メイドは一つの真理であると!
だが、ここに、過ちを認め謝罪を行う勇気を
真の信仰をもつものとして行うことも行いたい。
同志達よ、メイドの多様性を否定することは
我々にとって許されない。
それぞれの職種に従事するメイド達。
その専門の仕事は、職業の貴賎を乗り越え
超越したものがあるのは
議論の余地のない明確な真理だ。
それを、言及しなかった手落ちは大きな失態だろう。

色彩学的な見地から分析するならば
黒か、それに準じる色ならば
メイドの貞淑さと品位を失わないと認めるべきだろう。

だが、それでもだ。
諸君の迷いだと信じたい。
メイドに不可欠なのは
品位と貞淑さを体現する素晴らしさなのだ。

諸君!
ロアナプラという背徳の町に
メイドの鉄槌を叩き下した一人のメイドを
我々は忘れてはならない!
メイド長という栄光をまとったものを
我々はすべからく記憶すべきである!
それは忠誠心あふれるメイドの鑑である!

眼鏡を外したかのメイド長が悪を成敗する様など
思わずメイドの楽園へ赴いたかの感動を我々は味わった!
だが、考えてほしい。
ここでミニスカートを振り回す
メイドがいかに嘆かわしいかを。
それは、メイドの本質に反する。

諸君!
良く訓練されたメイド長は、
(訓練されていないメイド長など存在するわけがないのだが、)
米特殊作戦群の精鋭とて赤子の手をひねるように
もてあそぶ。
それは、優雅にして、気品すら感じられるが
メイド長にしてみれば、一つの仕事にすぎない。
メイド長にかかればその程度のことは
日常の雑務と変わらないのだ!

敢えて断言しよう。
メイド一個大隊もあれば
明日にでも世界を征服できると!

だが、それでは意味がない!
メイドの武装はあくまでも
メイドの神聖不可侵の権利を擁護するものであり、
伝家の宝刀を下賤の輩の
穢れた血にひたすためではないのだと!

メイドの忠誠心を讃えよ!
メイドの献身を讃えよ!
そは、神の作りたもうた楽園への
導き手であるのだ!




~名無し現実回帰中~


やあ、名無しです。
おこんばんは。

しばらく、俗世のくだらない
有象無象の現象から離れて
真理を探究する思索にふけっておりました。
いや、良いものです。
苦難の道とて真理のためならば
惜しむつもりはありません。

でもさ、ちょっと急展開だよね。
気がつけば皇帝陛下の御前に連行されましたよ。
もちろん、丁重に。
でもさ、分かるんだよ。
こっちとら嫉妬とか妬みとか
足の引っ張り合いとかずいぶんやってきたからね。
心の汚い連中だ。
メイドのオーラを浴びていないから
心まで汚いのだよ。
魂をメイドで守らないからこうなるのだ。

ああ、悲しいかな。
一葉の俺を見る目は明らかに何かある!
間違いない。
そして、敢えて言おう。
彼女は感情が分かりやすい。
つまり、これは面倒事を押し付けられたことに対する
純粋無比な怒りだろう。

なにせ、原作では
彼女が一人で奈宮皇国を
運営しているのに、厄介事を
丸投げしたからね。
今でも十分に忙しいのだろう。
そんなところに突然余計な仕事。
普通にキレるさ。そりゃ当然か。

皇帝陛下にも手をまわしておかなければ
今頃処刑されていかねない。
うん、おれナイス判断。
最高権力者にこびへつらうのは
虫唾が走るけど仕方ない。
これが厳しい宮仕えの現実。

空気読めないとね。
粛清されるんだベリヤみたいに。
まあ、ロリコンでもないし
そういうことはないと信じたいがね。
そもそも、メイド候補生に手を出す段階で
彼の如き異端を容認した
共産主義の程度も知れるというのだけれどもね。
変態を英雄扱いする国家に未来はないさ。

ほんと、短ければいいという
新教徒並みの異端差だと思うんだ。
変態と異端は纏めて核の焔でもぶつけないといけない。
エコロジストには申し訳ないが
メイド保護は何よりも優先すべき
最優先の環境問題ではないだろうか?
メイド無き環境など、生存権の侵害以外の
何物でもないと思うのだが。

失礼。気がつけばいつ間にかまた真理を探究していた。
ああ、なんか、皇帝陛下のありがたいお言葉たいむ。
ありがたすぎていしきがとびそう。
・・・いや、寝てませんよ?

さすがに、衆人環視のもと寝るほど豪胆じゃないよ!
ただ、うっかりしているだけさ!
ゲ、一葉に睨まれてる。
これほど殺意の籠った視線は始めてみますよ。
誰かへるぷみー。
こんな時こそ火山さん。
なんか、貴方もメイドの良さが分かったと
八重が報告してきました。
まだ、信仰に理解があるだけかもしれなけれども
貴方なら助けてくれるはず。
へるぷみー・・・・。




~名無し気絶中~



やあ、名無しです。
緊張のあまり気絶してしまいました。
うん、衆人環視のもとで倒れたんだ。
血相かえた八重に看護されたんだけどね。
アーンしてくださいと言われて
病人食を差し出されたんだ。
しぶしぶ口をあけたとき
本能が何か警告を発したんだ。
まあ、口にしてしまっていたんだけどさその時すでに。

良くわからないけどね。
そこから一週間近く昏倒してしまったんだ。
気がつくと、病気見舞いが皇帝陛下から
下賜されていたよ。
侍医曰く、相当の過労と
軍務中に一服盛られたのではないかとのこと。

こっそり、彼が耳打ちしてくれたところによるとね。
正直、生死の境目だったらしいよ。
もう少し、気をつけるべきですねなんていわれたし。

いやはや怖いというレベルじゃないね。
正直洒落になんないよ。
十中八九あの姫の仕業に違いない。
これが、ヤンデレだと言うのか!?
クッ、メイドの真理はかくまでも
過酷な試練を我に与えたもうようだ。

責任を何故か感じているらしい
八重が処罰を求めてくるから
スパイ摘発を命じておいたけど
まあ、良いメイドだ。
ああ、これがしばしの休息か。

なんて、考えていましたよ。
火山将軍が忌々しい、お土産付きで
お見舞いに来るまでは。
お土産というよりは厄介事のお返しかな?

うん、エルト王国のムストさんだ。
小さいね。噂には聞いていたし、原作でも小さかったんだ。
でもさ、現物見ると驚きだよ。
本当にいるんだという気分。
まだ、無能姫のパパ(優秀だよココ重要)が
前線でバリバリに活躍しているから
エルト王国軍はそこそこ戦えるようだけどさ。

国力差とか大きくてね。
結局なんだかんだでエルト王国からの
援軍要請が多すぎるんだね奈宮皇国的には。
でさ、ほら、失態償えと
派遣されるのですと?
この私が、エルトにでありますか?
まじですか。

泣いて良いですか?
なんで、こんなに苦労しなくてはいけないのですか?
労働基準法も真っ青な激務だよ。
ほんと。
過労死しかねない。
ああ、本当に不幸だ。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
あとがき

さくしゃはへいわときょうさんしゅぎへのけいいをもちあわせるぜんりょうなしみんです。

このものがたりはすべてふぃくしょんであります。


補足事項
八重は料理が致命的に下手です。
原作でもジンを昏睡させています。

ベリヤは旧ソ連の正真正銘の変態です。
そもそも人間としてどうよレベルです。
あまりお勧めできませんが
関心があれば調べてみてください。



[15616] 第十五話 種としてのあり方 ~しろいあくまのどうるいにきをつけろ~
Name: カルロ・ゼン◆ae1c9415 ID:ed47b356
Date: 2010/01/21 23:06
賢明なる評議会の諸君。
私、名無しはここに大いなる禍について警告を発したい!
オハナシ・キカ・セーテ種の脅威を!
この種族は、外見では通常のホモ・サピエンスと
何ら差異が見当たらない。
故にその擬態を見破るのは極めて困難である。

だが、侮ることなかれ。
このオハナシ・キカ・セーテ種の行動は
真実を追求するためならば
いかなる手段も辞さないのだ!

一例をあげよう。
虐待されていた少女から事情聴取するために
拘束し、砲撃を直撃させた事例がある。
少女はこのトラウマに長らく苦しめられたという!
その心の隙をつき、自らの手ゴマとした事例もあるのだ。
この種族は、極めて好戦的であるとともに
狡猾であるために彼らに関心を抱かれる事態は極めて
危険極まりないと言えよう。

敢えて言おう。
メイドにオハナシ・キカ・セーテ種を近づけるなと。
貞淑にして賢明なるメイドは
家人のことを決して漏らさない。
そう、メイドの忠誠心は高い。
だが、それゆえに
オハナシ・キカ・セーテ種と
最悪の相性なのであると。

賢明なる信徒はそれゆえに
オハナシ・キカ・セーテ種に
備えておくことを怠るべきではない。

そう、それはまさに重大な脅威なのだから。
そして、火山将軍よ。
それを貴方は御存じなかったようだ。
なんという危険人物を案内してしまったのだ!
「話をききたいのじゃが」
だなんて、典型的な危険種族のカテゴリー
そのものではないですか!

緊急事態です。
エルト王国になんて行きたくありません。
そうです。
だいたい、貴族なんだから
自分のことは自分でやりなさい。
国民国家ばりの総力戦やるならともかく
貴族間の抗争でしょ?ある意味。
だから、こっちを巻き込まなければいいでしょ?
おねがいだから。



~ムスト尋問中~



ワシはあまり奈宮皇国の雰囲気が好きになれないかった。いかんせん、身内で権力闘争をやっているだけあり、盟主としての地位と権威を振りかざす割にあまり役に立っていない援軍しかよこさないことにホトホト愛想が尽きかけておった。もちろん、援軍事態には感謝しておる。だが、どうしても不満というものが存在してしまう。

それだけに、新しい援軍が、傭兵中心で正規軍でないと聞いたときは思わず落胆したものだ。交渉相手としては理想的な相手と思っている一葉でさえ、今回に関しては妥協してくれない。さすがに、皇帝の面前で議論を再開するわけにもいかずにしぶしぶ与えられた条件で最善を尽くすことにする。

ところがじゃ、案内を申し出てくれた火山将軍によれば今回派遣される援軍の将は、業炎の傭兵将軍ことジン・アーバレストであるという。比較的最近名が知られ始めている傭兵上がりの将軍で、悪いうわさがある一方でヴィスト王国軍には心底恐れらているという。

それを聞いたときは、思わず久しぶりにまともな援軍をもらえるのかと思わず感謝したほどだった。次の言葉を聞くまでは。

「ああ、ただ彼、病み上がりでね。戦場に立つことは当分無理なんだけどね。」

「というと、兵のみの派遣となるのか?」

「いや、一応彼も派遣するはずだね。」

ということは、指揮権は渡すつもりがないのだろう。当然、病み上がりというのが事実かどうかなど重要ではなく援軍の義務を果たしつつも実際はこちらが自力でことを進めていかなくてはならないのだ。

せめてジン・アーバレストとの人物についてでも把握しておかなくてならない。
いろいろと聞いてみなくては。



~名無し対応を脳内賢人会議に照会中~



やあ、偉大なる英知を誇る我が脳内議会よ!
厄介事を抱え込んだ内務大臣が
お話ししたいそうだ。

当然、エルト王国情勢とかそこら辺についてと
派遣される援軍はどういうことをしたいかとか。
そういうことを聞いてくるわけです。
でも、何か案があるならさっさとやれよと
そのつぶらな瞳が語っております。

うん、当分働きたくない。
寝て過ごしたいんだ。
せっかく、メイドで魂の傷をいやしているのに
また戦場に出るのはすこしね。

ここは、ぜひともムストとの会話を
早めに切り上げることにしよう。
さあ、どうやってすべきだろうか。

プラン1
A「ひたすら無視しよう。」
B「オハナシ・キカ・セーテ種相手にか!?」
C「殺されるのが確定だな。」

これはオハナシ・キカ・セーテ種相手には
最悪の選択だろう。
雄弁は銀
沈黙は金というが
少なくとも故事が全て正しいとは限らない。

プラン2
A「適当なことを言おう」
B「だが、つじつま合わせを考えなくては。」
C「ムストは優秀だしあんまり適当なことは言えないだろう」

うん、そもそもエルト王国についてはあまり知らないんだ。
どうせ、アルバーエル将軍が生きてるうちは大丈夫でしょ。

プラン3
A「八重に任せてしまおう」
B「それこそ本当に粛清フラグだ。」
C「ムストが粛清されるのはさすがに心にヘビーだ。」

・・・いや、万が一の可能性を考慮しただけだよ?
さすがに、メイドに粛清をやらせるのは
心が痛いからやらせたくないのだけれども
最近八重の行動が極端になっている気がするんだ。
こんど、メイドとしてのあり方を語り合うべきなのかな?
すごく慕ってくれるのはいいのだけれど
忠誠心高すぎないかな?
いや、うれしいのだけれどね。

プラン4
A「よし、船を使った作戦を提言しよう。」
B「まさか、嫌がらせ作戦の伝授か!?」
C「それなら、エルト王国行かずに済むね!」

うん、これが一番無難だね。

よし、決定だ。
エルト王国にいくとジン・アーバレストは苦労する。
では、逆に考えよう。
ここは、戦略構想を打ち立てて
エルト王国に行かなくてよいようにすれば
まさに最良の一手を私が選択したことになる。

そう、まさに、これこそが
唯一にして最善の
対オハナシ・キカ・セーテ種プラン。
プラン4は汎用性がないが
今後も使えるように汎用性を拡張しておくべきだろう。

ま、二度と遭遇したくないけどね!


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
あとがき

悪魔には気をつけましょう。



[15616] 第十六話 祖国の栄誉は海にあり ~船酔い、きついです。~(改訂済み)
Name: カルロ・ゼン◆ae1c9415 ID:ed47b356
Date: 2010/01/24 02:09
名無しです。
海に出ました。
今こそ海軍軍人にジョブチェンジです。

なんて、言えるかと思いますか?

戦友諸君、聞いてくれ。
ここは地獄だよ。
船酔いだよ船酔い。
気がつくべきだった。
名無し的には大型船舶しか
乗ったことないのに
帆船とかマジ揺れるレベルじゃないんですが。

うん、自分で提案しておいてなんだけどね。
ジン・アーバレストは泳げないんだ。
そして、名無しは船酔いに苦しんでいるんだ。

こんな作戦を思いつかねばならない程
追い詰められているなんて。

やっぱり、八重達を先行させてしまって
近くにメイドがいないから禁断症状が
混じっている気がする。
なんということだろうか。
THOHの論文で新境地からのアプローチ、
メイドと焔について新たな可能性を指摘され
喜び勇んでいたというのに、
メイドがいなくては
実証できないではないか。

いや、そもそも、メイドの形式について
議論をするのでは儀礼にかたまる愚を
致命的におかしていることではないだろうか?
もちろん、形式は重要であり、物事には
当然の自明の理があるのだろう。
真の信仰を求めることは苦悩が絶えない。

だが、信仰の多様性を否定することも出来ない。
しまった。
やはり、面倒事がいっぱいありそうだからと
警戒して八重を派遣したのは致命的なミスだった。

自然科学の発展には
実験が不可欠であり、
真理の探究には実践こそが
必要不可欠だというのに!

ちくしょう。
絶対に、一葉姫に嵌められた。
間違いなく、ここまで追い詰められたのは
奈宮皇国の宮廷陰謀のせいだ。
やってられないホトトギス。

うん、ついさっきから
吐き気とか頭痛とかとにかく
ろくでもない気分で死にそうなんだ。
この恨み、女性にぶつけるには
少々陰湿かもしれないので
健全に、ヴィスト王国軍に
ぶつけることにしようと思う。

そういうわけだから、
隣で苦しんでいる大魔法使いさん。
でかいの一発お願いしますよ。



~八重、後方錯乱実行中~



「やりなさい!」

マイ・ロードの御指示により私は、現在ヴィスト王国軍の後方錯乱に取り掛かっていた。
私の指示のもと、忍びたちが拠点に火を放ち、集積されている物資を灰に変えている。

今回は、マイ・ロードが海路から奇襲軍を率いられるとのこと。そのため、先行して雑務を片付けておけとおっしゃっていただいた。もっとも、マイ・ロードからは自由にやらせていただいているものの、実態は打つべき手を打たれたにすぎないのだろう。なぜならば、海からの上陸を阻止されないためには敵の後方を騒がせ注意をそらすことが一番であるのは自明の理であるから。そして、マイ・ロードは私とリオナティールで事にあたれと指示をだされている。これは、当然のことながら現地にいる旧ビルド王国系の人材との接触を行えとの御指示のことかと思う。だが、どうも調べてみると少々混乱してしまう。どういうことだろうか。現地には、賊が存在しているものの、これらは実態としてはヴィスト王国の手先に近い。これは、反乱しようとする街を襲っているということなどから非正規軍とみるべきだろうか?

「リオナティール様が、例の一団の首領に心当たりがあるとのことです。」

「なんですって?詳しく報告させなさい。」

リオナティールは現地の人々との折衝を命じてある。そして、彼女はその方面に才能があったようだ。難航してはいるものの秘密裏にこちらよりの勢力をいくつか獲得することに成功している。そして、その交渉の時に暴れまわっている賊についても検討をつけてきたという。なんでも、どこかで見たことがあると思い調べてみたらしい。すると、元ガンド王国の姫だったという。なんどか、隣国の関係であったことがあるので間違いないと言われる。ここまで、マイ・ロードが予見されていたとは。考えてみれば、使えるものはことごとく容赦なく使われるのがマイ・ロードの天才とされる所以なのだ。この程度のことは私も予見しておくべきだった。

さて、どうしようか。マイ・ロードの御指示は厄介事を取り除けとの御指示。つまりは、上陸に際しての前哨戦をこの私ごときを信頼してお任せくださった。ここで、その御期待に答えることこそ我がよろこびではあるものの、身の程をわきまえておくべきでもある。ここは、解放者としてのマイ・ロードとそれを阻害し、自らだけが生き延びようとするガンド王族の醜態を噂にして広めておくべきだろうか?

いや、早まるべきではない。戦後統治のことまで見通されているマイ・ロードの軍略に枷をはめるような愚挙を犯してしまうかも知れない。私は、あくまでも前哨戦を任される身。それが、後々まで尾を引くような愚挙を犯せば、取り返しのつかないことになってしまう。さしあたっては、今できるヴィスト王国軍の後方拠点襲撃と輸送妨害に全力を注ぎ、元ガンド王国の姫とやらは監視させるにとどめよう。

しかし、それにしてもマイ・ロードの比翼の下はなんと心安らぐことだろうか。許されないことは分かっていても比翼の下から離れることがこんなにももどかしくてならない。



~火山、煎餅をつまみ食い中~



「やれやれ、本当に、嫌がらせじみた策だねえ」

ジン・アーバレストはいわゆる一つの傑物である。そのことに疑いは持っていない。だが、その戦略眼は未だ計り知れないものがある。エルト王国軍からの救援要請とノイル王国からの援軍要請。奈宮皇国にとって大陸南方は大きな頭痛の種である。それを緩和するべく敵拠点の不安定化を提言するとはまさに鬼才というべきだろう。

実際のところ、正面から対峙する際に一つの傭兵隊程度の援軍ではさして戦果は期待できない。もちろん、練度は高いにしても数が合戦では物を言うのは否定できないからだ。そこで、アーバレスト将軍は訪ねてきたムスト大臣に長期的にエルト王国への圧力を緩和する策を実現できる範囲で提案した。

それは、ある意味で予想もされていないものだった。船による強襲上陸。通常ならば愚策極まりないだろう。なぜならば、船に積める人員には限りがあり、上陸したところをすぐに叩かれて終わりだからだ。事実、ムスト大臣すらそのことを指摘していた。

しかし、それが、だからこそこの策を提案する理由だとアーバレスト将軍は主張した。

“失礼ながら、ムスト内務大臣は軍務には疎いでしょう”

“それは、そうじゃが・・。”

うん、そこでそのようにはっきりと明言するとは思っていなかった。いくらなんでも対外的に儀礼上問題かと思える。だが、別段無礼を働く意図で持ってアーバレスト将軍はこのような指摘をしたようではなかった。

“ああ、まってください。”

“うん、どういうことじゃ?”

“私が言いたいのは、門外漢でさえ愚策だと判断できることが重要なのです。”

“門外漢でさえわかることが重要じゃと?”

“むしろだからこそ、策には意味があると言いたいのです。”

思わず、火山はそこに問いかけてしまう。

“どういうことだね?”

問いかける火山に対して、少しばかり勿体をつけてアーバレスト将軍から衝撃の解答がもたらされる。

“・・まさかと持っている奇襲。そして予想外の被害”



そこで火山はようやくアーバレスト将軍の意図を理解した。
そう、予想外のことだから備えがなく被害が出るのだ。
敵の油断に乗じる形になる作戦だが恐ろしい程に効果的だろう。

まさか、兵力で絶対的に劣る上陸作戦などするはずがないと軍人どころか、後方の文官すらわかる自明の答えだからだ。だからこそ、誰も予見していないのだ。そんな、馬鹿な真似は誰もしないだろうという思い込みが致命的な隙を生みだしているのだ。そのわずかな隙を見せた不幸を嘆くべきか、その隙をつける計略に優れた智将を敵に回したことを嘆くべきか、ヴィスト王国はさぞかし悩むことだろう。

当然次からは海岸線に強固な防衛線を引けば簡単に上陸作戦は阻止できるだろう。防衛計画の策定と、警備の強化は決して不可能ではないからだ。だからこそ、海岸線の防備をヴィスト王国南方軍は固めなくてはならない。僅かな傭兵隊の活動だけで、かなりの部隊を後方に回さなくてはならなくなるのだ。実現すれば、かなりの遊兵を生みだすことをヴィスト王国は自らの手で行わなくてはならなくなるだろう。

この策の意味は極めて大きい。ただ、単純に援軍として派遣するよりも遥かに大きな援護となるはずだ。火山がそれを説明すると、ムストも漸く納得してくれた。まったく、とんでもない鬼才だなと呟いていたが、火山とてそれは同意する。ヴィスト王国にしてみればいつ現れるかわからない海からの攻撃に備えつつ侵攻作戦を行わなくてはならないのだ。防衛の用意がはかどらなことこの上ないだろう。なまじ、それを可能とする国力があるために全力をもって南方侵略に一か八かの侵攻を決意することも出来ずにさぞかしもどかしいことになるはずだ。

「まったく、本当に恐ろしいやつだな。」

彼をライバル視しているらしい一葉には申し訳ないが、完全に器が違うことを改めて見せつけられている気がする。まったくこの世界でどの程度の将が彼に対抗できるのだろうか?

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
あとがき

原作の作戦を真似してみる名無しですが
地味に船酔い等でダメージを受けて後悔しております。

1月24日に修正しました。


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