プロローグ・・・俺と神様との会話
俺は死んだらしい……
病院のベッドで眠るように死んだらしい。
俺はあの世に赴く筈だった……
しかし、太って眼鏡で金髪の小さな男が俺を引きとめた。
『BETAを殲滅してみないかね?』と……
その男は俺にこう言った。
『私の管理する世界であの醜く汚らしい地球外生命体がいること自体腹が立つ!! 挙句に我が世界を蹂躙だと!? 考えただけでおぞましい!!』
とのこと……
俺を巻き込むな……そんな事に……
『君はどうせ何も成さずに死んでいく身の上だ……もし死ぬなら何かを成してから死にたまえ』
と、俺に言った。
俺は病院のベッドで死を受け入れたはずだった。
俺は納得したはずだった。
俺は諦めたはずだった。
俺は生きることから逃げ出した敗残兵だ。
俺は泣くことが嫌になった臆病者だ。
ナノニ……
ナノニ………
俺はこの小太りの眼鏡で金髪のオッサンに言われた言葉に惹かれている……
何かを成して死にたい!
証を残して死にたい!
誇り高く死にたい!
諦めたくない!
逃げたくない!
敗残兵でもいい! 誇り高い敗残兵でありたい!
泣いてもいい! でも臆病者でもいい! だけど逃げ出すのは御免だ!
と……
魂が叫んでいた。
上等だ!! なってやるよ!! 誇り高い敗残兵に!!
こうして俺とオッサンとの契約は完了した。
俺の証を残すために。
『まずはじめに君が操る機体をくれてやろう。奴らを素手で殲滅するわけにもいかんだろう? 君が思う最強の機体を想像したまえ』
俺はそう言われ想像した。
ある機体を。
『ほう……Hi-νガンダムか……ソイツは私も大好きだ』
オッサンはニヤリと笑いながらそう言う。
俺は病院のベッドで機動戦士ガンダム 逆襲のシャア ベルトーチカ・チルドレンを読んでこのガンダムに一番心惹かれた。プラモでも一番よくコイツを作った。
確かに、ガンダムDXやウィングガンダムゼロカスタム、ターンタイプのMSやストフリの方が殲滅戦には御誂え向きだろうが、俺が心からガンダムと信じるのはHi-νガンダムおいて他に無い。
『しかし、それは火力が低いフィン・ファンネルを駆使しても殲滅戦には向かない……火力と手数と地上での機動性を上げるか……』
オッサンの言葉から改良が進められた。
改良点は、
① フィン・ファンネルの重力下での使用と高速機動。
② フィン・ファンネルの火力UPと連射力の向上と発射回数7発から50発に向上
③ フィン・ファンネルの稼働時間の延長
④ フィン・ファンネルの再充電の高速化
⑤ フィン・ファンネルの耐久性向上
⑥ Hi-νガンダムへのミノフスキードライブ搭載
⑦ Hi-νガンダムの武装強化
⑧ 対レーザー防御の徹底
⑨ 機体出力の向上
⑩ビーム武器でラザフォード場を抜ける様に改良
などが改良された。
各種オプションパーツとスパロボの改造と精神コマンドで何とかなりました。
Gジェネのプレミアム・リング・サイコミュで毎分精神力自動回復も有難い。
凄いな、フィン・ファンネルが重力下で使用可能とは……
そう言うとオッサンが……
『Gジェネとスパロボ設定だから宇宙、地上問わず使える。更にハイパーメガビームランチャーを通常攻撃に入れておいた。ケーブルも無しで撃てる。エネルギー消費を抑え、威力そのままの優れものだ。チャージ無しで連続使用ができる。通常攻撃と狙撃(マップ攻撃)が出来るからな。便利だぞ~これでハイヴを落とせ』
何でもありだな……
次にオッサンは俺の体を用意してくれた。
何か……テ○スの王○様の手塚に似てないか?
腐女子にウケそうな顔立ちだ。
身長180cm位か、眼鏡の無い手塚だよこれじゃあ……
『この体はスーパーコーディネーターとニュータイプ能力を高い基準で織り交ぜた肉体だ。顔は不細工よりは綺麗な方がいいだろうと思ってな……』
まあ、体があればそれでいいや。
『名前は何にするんだ?』
名前か……昔の名前じゃひねりが無いし、面白みも無い。
そうだ! いい名前があるじゃないか!
「俺の名前は、手塚 在都(アルト)と名乗ろう」
『最近の若い母親がつけるみたいな名前だな』
オッサンが呆れている。
いいじゃないか、人のつけた名前にケチをつけるな。
コレでパーソナルマークもアムロのが使える。
『次はお前の補給基地を作る。何処がいい』
俺は考える。補給基地はできるだけオルタネイティヴ4発動に合わせて太平洋の無人島に建てたい。
さらに純正の食料生成プラントとMSの製造ラインやパーツ、武器弾薬の製造、MSやMA、の輸送機の生成や戦艦の生産も出来る方がいい。
金や資源の心配もある。
俺一人じゃ殲滅戦を戦えない。
俺の部隊の編制も行いたい。
ガンダムの製造ラインも設けたい。
その事をオッサンに相談したら二つ返事で快く作ってくれました。
しかし、作れない物もある。00ガンダムシリーズとターンタイプMSだ。
00ガンダムシリーズ純正のGNドライブが作るのに時間が掛かる事。
ターンタイプは全ての資源を積み込んでターンタイプがようやく1機生産が可能なのだ。
仮にターンタイプを作っても月光蝶で人類がリセットされはシャレにならない。
それでは、オッサン曰く、『人類の今まで築き上げた歴史を消してしまって、原始時代からやり直す事は見ていて忍びない』との事なので、契約違反に当たる。
最初は量産機をセコセコ大量に作った方がいいな。
Gジェネの各種パーツの製造もできる様にした。
お金はオッサンが向こう側で使えるブラックゴールドカード(上限なし無限に使える)をくれた。
鉄などの資源は島に大量に積み込んだが、もって10年が限界、∀のナノテク技術で海水から核物質を取り出し、ナノテクでヘリウム3の生成も可能。
各国から買い取る事を考えたが、俺の存在を最初から知られるのは不味い。
いくら、チートでもMS作るのに鉄鋼物は必要でそれを大量にとなると、どんなに細工してもばれてしまう。
1、2機作るの為に鉄鉱石を輸入するなら何とかごまかしはきくが、それ以上だと怪しまれる。
後、レーザーに対抗できる改良型ミノフスキー粒子の製造が可能になった。
殲滅戦の勝敗は10年間で俺がどれだけ揃えられるかだ。
資源はベータによって取りつくされている可能性がある。
各国だって資源を売ってくれと懇願するくらいだ。
現地調達は望めない。
何せ、今日の飯すら事欠く有様なのだ。あの世界は。
資源のことを相談したが、地球の構造を変えることは出来ないらしい。
あくまで干渉は出来ても間接的な干渉くらいらしい。
次に情報だがアッサリとくれた。
全ハイブの詳細なマップや世界情勢、表から裏まで網羅したロムをくれた。
付録で全ガンダムシリーズの機体データとその設計図がついていた。
付録が一番重要だ。
次に俺は戦闘訓練を受けた。
最初は上空でレーザー級の餌食で何度コンテニューしたか解らないが、ニュータイプ能力を自在に使いこなせるようになりSEEDも自在に扱えるようになった。
仕舞いには奇声交じりでハイヴを単独攻略できるレベルに達した。
「このHi-νガンダムすごいよ~~~~~~~~お!! さすがνガンダムのお兄さん!!」
とか
「いけ!! フィン・ファンネル!!」
とか
「突っ込む事しか脳が無いとは……だからお前は阿呆なのだ!!」
とか
「なんと~~~~~~~お!!」
とか
「グウ~~~レイト!!」
とか
「狙い撃つぜ!!」
とか
「ここは地球だぞ!! 貴様ら場所を弁えろ!!」
とか
「Hi-νガンダムは伊達じゃない!!」
等々、色々叫びながら攻略した。
次に俺があの世界に武力介入する時期だが1993年のBETA、全欧州大陸を完全制圧の時期に武力介入することに決めた。
中国で行われる九・六作戦に介入してもよかったが、余り香月 夕呼と接点を持ちたくない。というのが理由だ。
余り悟られたくない。
手札は見せずにいた方がいいに決まってる。
欧州に武力介入する前に自分の立ち位置も確保しておきたい。
オルタネイティヴ計画の権限に左右されない組織。
方法は国連の事務総長を脅して独自部隊を、それも機密性の高い、大隊規模の兵数を確保し、俺の意のままに動かせる部隊が必要だ。
今の年齢で15歳、2001年には23歳の計算だ。いけないことは無い。
8年で、どの白銀 武が介入するにしても、香月 夕呼や各国に依存しない軍隊、国連軍をアメリカから切り離し、国というシステムから切り離された国連独自の部隊を作る必要がある。
ベータ攻略の為の戦術、戦略をMSでの戦いでの戦術、戦略の構築も必要だ。
やれやれ、やることやクリアする障害が多すぎる。
思っていたほど楽でもない。
でも、それでも俺はやってやる。
俺のしてきた事が例えガキの我侭だろうが、見苦しい行為だろうが関係ない。
俺は俺のやりたい様にやって、ベータ殲滅して蹂躙してやるよ。
誰が相手だろうが、アメリカがチンケな事コソコソしようがそんなの関係ない。
お前らの道理を俺の無理と我侭がぶち壊す。
さあ、蹴散らすぞ!! 殲滅戦の始まりだ!!
ベータよ!! 豚の様に悲鳴を上げろ!!
ベータよ、俺に使命を果たさせてくれ。俺にお前達を殲滅させてくれ。
ああ……楽しみだ!! 実に楽しみだ!!
『よし、ではorder はベータのSearch and destroyだ。それ以外は何もいらない。必要ない。正面から堂々と打って出ろ。叩いて潰せ。お前と我が世界に邪魔なものは蹂躙し蹴散らせ』
オッサンは顔に狂気の表情を浮かべながらニヤケながら高らかに宣言した。
ああ、何と素敵な命令か……
思わず股座が熱くいきり立ちそうだ。
「素晴らしいorderだ!! 実にシンプルで解り易い!! いいだろう!! 殲滅だ!!」
色々考えたがソレは素晴らしくシンプルで馬鹿ばかしいほど解り易い。
「ハイヴはどうする?」
俺はそう質問するとオッサンはこう言い放つ。
『燃やせ、壊せ、爆破しろ、見ているだけで不愉快だ』
「解ったそうしよう」
俺はそう答えHi-νガンダムに乗り込み起動させ光に飛び立つ。