「もしもし、監督の山口です。お疲れ様です」
「え?山口さん?」
「今回も僕が劇場版ソードマスターエミヤの監督になりました。よろしくお願いします」
「え、あの……奈須きのこさんは?」
「Fate/EXTRAのシナリオやってます」
「うそぉおおおおおお!?な、なんで!?」
「まほよが一段落ついたので気分転換も兼ねて、つい勢い余ってやっちゃったみたいで……」
「え、それで劇場版Fateは?」
「視聴者の立場で楽しみにしている、だそうです」
「ええええええ…………」
「それで仕事の話に戻りますけど劇場版ソードマスターエミヤ、一部構成で終わりですんで」
「うそぉおおおおおおおお――――!?」
「悪くいえば予算がないんです」
「わざわざ悪く言わないでください!」
「アニメ版から元々あまり予算がなかったけど劇場版ではぶっちぎりで予算ないんですよ。なのはやハルヒより予算なかったです」
「マジッすか!?でも、急に一部で終わりとか言われても困りますよ。PC版どころかPS版ですら30時間あるのに……」
「『戦いはこれからも続く』みたいな終わり方でいいじゃないですか」
「そう言う終わり方ってよくありますけど、Fateの場合は冬木市で七人の魔術師とそのサーヴァント達が聖杯を巡って戦いつづけてるんですよ!」
「リリカルなのはとかぶってますね」
「いや、全然かぶってないですよ!とにかくそんなわけでサーヴァントを倒さないとすっきりしないって言うか……」
「そうですねぇ」
「しかもそのためにはいろいろ条件があって……アーチャーの正体は自分殺しを狙っている未来の衛宮士郎ですし、実は隠された8人目のサーヴァントがいたり、
しかも今戦ってるバーサーカーは別名『十二の試練(ゴッドハンド)』と呼ばれるほど妙にタフネスで12回殺さないと死なないんですよ」
「何でそんな設定に……」
「菌糸類に聞いて下さい。あ、あと主人公に生き別れた義妹がいたりするらしいことを回想で仄めかしてるんですけど、これどうしましょう?」
「さぁ?まぁ、うまくまとめてください」
「はぁ……(監督なんか冷たい)」
「で、その劇場版は何時間もらえるんですか?
「100分でお願いします」
「うそぉおおおおおおお――――!?なんでFateそんなひどい扱いなんですか!?」
「ホント予算なくて……」
「同じエロゲ原作の魔法少女リリカルなのはだってThe MOVIE 1stとか書いてあるのに!!」
「涼宮ハルヒの消失も劇場版は一部構成です」
「……え、そうなんですか?消失の劇場版は何分なんですか?」
「2時間42分ですけど」
「ちくしょおおおお――――!!も、もう、スタジオディーンではアニメ化しませんからね!!」
「はい」
ソードマスターエミヤ
劇場版『Fate / stay night』
すべてを終わらせる時……!
チクショオオオオ!くらえアーチャー!トレースオン!干将・莫耶!
さあ来い小僧オオオオオ!!オレは実は一回刺されただけで負けを認めるぞオオオオ!!
グアアアア!こ、この霊長の守護者となった俺が……こんな小僧に……。
フッ……私の負けだ……。
アーチャーがやられたようだな。
フフフ……奴はサーヴァントの中でも無名の英雄……。
人間ごときに負けるとは、サーヴァントの面汚しよ……。
くらええええ!
グアアアアアアア!
やった……ついにサーヴァントを倒したぞ……これでギルガメッシュのいる柳桐寺の扉が開かれる!!
よく来たなソードマスターエミヤ……待っていたぞ……。
(こ、ここが柳桐寺だったのか……!感じる……聖杯の魔力を……!)
贋作者よ……戦う前に一つ言っておくことがある。お前は我を倒すのに固有結界が必要だと思っているようだが、別になくても倒せる。
な、なんだって!?
そして間桐慎二は顔色が悪くなってきたので自宅へ帰しておいた。あとは我を倒すだけだな、クックック……。
フ……上等だ……俺も一つ言っておく事がある。遠坂から魔力を分けて貰うには性行為をしなきゃいけない気がしたけど別にそんな事はなかったぜ!!
そうか。
ウオオオいくぞオオオ!!
さあ来い贋作者!!
エミヤの勇気が世界を救う事を信じて……!!
ご愛読ありがとうございました!!