(注)一部主要キャラが無印の公孫賛ようにあっさりお亡くなりになります。
朕の名前は劉弁。
皇帝やってます。
…朕、実はもっと先の時代、日本の平成を生きた前世の記憶をもった転生者です。
生まれてからこれまでは、ほんとにもう大変でした。
これはそんな大変だった朕のこれまでの人生の回顧録です。
前世の人生が終了した後、気づけば自身が赤ん坊になっていることに気づいてビックリ。
さらに赤ん坊の体で頑張って周りを観察するに世界観がちょっとおかしい。
名づけられた名前や会話からして中国とか韓国っぽいのだけれど、乳母たちが雇われて大事に育てれていることからいいとこの坊っちゃんぽいのに見渡した部屋はテレビで見た中国時代劇とかの上流階級ぽい部屋で文明の利器一切なしという状況でした。
年が5歳になり、いろいろと周りの状況を見たり聞いたりできるようになってから自分でいろいろ調べてみたところ、なんと今はかの有名な三国志が始まる直前の古代中国の後漢、父は第12代皇帝の霊帝であることが判明。
過去に転生って、普通ありえんだろう。どうせなら超文明とかが発達している便利な未来に生まれ変わりたかったよ、平成の世を生きてきた現代人の自分にはここの生活は色々と苦痛です。
しかも、生まれ変わった転生先が劉弁って、三国志の知識・時代の流れなんかの有名所は赤い壁な映画の影響でWikiとか見て知ってはいるけど、どっかの転生・憑依or現実来訪系主人公が活躍する歴史物みたいにいつ何が起こるかなんて細々と覚えていないし、農業や政治、軍事知識はさっぱりです。
そんな自分ですが、劉弁がどういった人物であったかは幸か不幸か知っている。
確か、霊帝の崩御に伴い母何太后とその兄である大将軍・何進により擁立される。
↓
何進が宦官によって暗殺され、その時期に洛陽に入ってきた董卓によって異母弟の劉協(献帝)を擁立されたために廃位となり、…えーっと、なんとか王に封じられる。
↓
その後、董卓による専制に反発した諸侯による董卓討伐戦が起こったとき、反乱軍に擁立されることを恐れた董卓に命じられた李儒によって、長安遷都前に毒殺された。
………うん、マイ第二の人生オワタ\(^o^)/
確か劉弁の即位当時の年齢は17歳だか18歳で在位はわずか5ヶ月だったはず(皇帝になる早っ!でもって廃位も早っ!と驚いたので印象に残っている)なので、あと人生残り時間12年ぐらいしかない、あまりにも人生終了が早すぎる。
前世でも高齢化社会の日本で20代半ばでぽっくり病気で死んじゃったし、第二の人生こそは、孫を抱くぐらいは長生きしたいと思ったのに、10代で死亡とか…お先真っ暗すぎる。orz
最初はない知恵絞って死亡フラグ回避のために、どっかのss主人公のように国を良くして死亡フラグを回避しようとした場合を考えてみた。
しかし想像してみてほしい。
国を良くするために皇帝になったら少ない現代知識とかで政治活動とかしてみる。
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宦官たちや自分を擁立する大将軍・何進は、傀儡の皇帝ならとにかく政治に口を出す皇帝は邪魔だと思う、たぶん。
↓
宦官たち…皇帝(劉弁)邪魔だな、お亡くなりいただいて弟君に皇帝(傀儡)になっていただこう、そうしよう。
↓
史実より早く毒殺とかで暗殺されるんじゃね?
orz
…だめだ、前世が一般ピープルの自分にはいやな未来しか浮かばないから、ビビってしまって行動ができない。
もう座して死を待つしかないのかと半ば鬱になりながら、そうだ弟の劉協と史実より仲良くなっていれば、もしかしたら彼が自分を助命してくれるように動いてくれるかもしれないなどと考え、2つ年下の3歳になる劉協に会いに行った時、新たなる驚愕の事実が発覚したのです。
………劉協、金髪碧眼の美幼女だったんだ。(´・ω・`)
いや、3歳の兄妹の性別なんて普通生まれたころに聞かされてるだろうという突っ込みは待ってほしい。
そもそも、自分は日本人の転生者、もちろん前世では中国語は話せないし、漢文は何ソレおいしいのである。
ゆえに自分が5歳で周りの状況を調べ始めたのは単にようやく中国語?の会話と読み書きが出来るようになったからである。
どこぞの転生主人公みたいにスポンジが水を(ryのようなスピードで言葉は覚えられませんでした、この5年間必死で頑張ってようやくといったところです。
つくづくチートに縁のない自分に絶望した…いや、美形で次期皇帝(ただし即廃位→即暗殺)ってだけで前世よりは万倍凄いと言えるかもしれないけれどね。
あ、因みに自分の容姿はけっこう整った顔立ちはしてるけど劉協とは違い黒髪黒目の普通の東洋人フェイスです。
…まあ、とにかく話を戻すと、この事実を知って真っ先に脳裏に浮かんだのが、この時代、この場所で史実では男だったのが女(しかも中国人にあるまじき容姿)ってそれなんて恋姫†無双?だった。
ギャルゲーに脳を侵されきっている自分が恨めしくもあったが、ホントに恋姫†無双の世界じゃないかと思い、改めて調べてみました。
すると以前調べたときは性別なんて男で当たり前だと思ってたせいで気付かなかったが、江東の虎と名高い孫堅や涼州の馬騰といった既にこの時期にも名の通った武将たちはみんな女性だった。
あと馬騰が女性なんで恋姫†無双ではなく真・恋姫†無双の世界、あるいはそれに近い世界ではないかということも解る、たぶん。
原作だと会話は日本語という設定だったため、この世界が『そう』だとは思わなかったが、まあ、きっとこの世界はそういう設定外史なのだろう。
…そういう外史、それだけで納得させられてしまうつくづく便利な言葉である。
三国志の世界かと思えば、真・恋姫†無双らしき世界だったとは、まあ三国志と違い恋姫†無双は無印も真の蜀・魏・呉の3ルートも一度プレイしているので、少しはこれから起こることが予測できるので助かったかもしれない。
まあ、真・恋姫†無双の反・董卓連合の後、妹の劉協共々どうなったか全く出てこなかった(読みこぼしかもしれないが)ので、下手すればそのまま野垂れ死んでるかもしれないので死亡フラグは今も健在していると考えた方がいいけどね。
…まあ、中身一般人の自分にはどうすることもできない死亡フラグのことはさておき(←現実逃避)、史実とは違い美幼女だった劉協と出合い、自分にとってのシスターレヴォリューションが起こった。
前世では妹がいなかったので世のシスコンどもって馬鹿じゃね?とか普通妹が彼氏とか連れてきてあそこまで暴走するとか(笑)などと思っていたが、大きな誤りだと自覚した。
自分のことを「おにーさま」と呼びつつ純粋に慕ってくる可愛い妹が現実に存在するんだぜ。
これでシスコンにならない奴は男じゃねー。
今まで馬鹿にしてきた世のシスコンお兄様方、すみませんでした。
自分が間違ってました。
妹…サイッッッッコウです。
命おしさに仲良くなろうとした妹であったが、彼女はもうホントに人生お先真っ暗、両親共に子供に興味なし、寄ってくる大人はみんな媚売りまくりの権力亡者のマイライフにあって暗闇に射し込んだ一筋の光明…唯一の癒しだった。
そんな妹に嫌われたくない一心でかっこいい兄であろうとし、勉学に励み、武芸(ただし皇族なので儀礼的な色合い強し)に励んだ。
その結果、齢16になるころには知はそこそこ優秀な文官レベルに至っていると思う、穴だらけとはいえ平成の日本で学んだ知識も少しはあるし、武の方一般兵レベルぐらいの実力は何とか身につけることができた………つくづく自分の才能のなさに絶望した。orz
自分には最強オリ主になってオレTueeeeeeするのは無理らしい。
まあ、「頑張ってるおにーさまは素敵です。」とのお言葉を愛しの妹からもらえたので、良しとする。←兄馬鹿
他にも、宮廷のつまらない生活の気分転換にとたまに会える日には前世で見聞きした童話や小説の物語を自分の考えた物語だと言って(←ミエ)語って聞かせたりもした。
娯楽も少なく、今まで聞いたこともない話に彼女は大いに気に入ったようで、それ以来会うたびに話をせがんでくるようになった。
あの世界一可愛い妹が上目づかいで瞳をキラキラ輝かせながら「お話聞かせてください、天竜おにーさま。」などと言われた日にはもう…。←兄馬鹿MAX
ちなみに天竜は自分の真名、マイシスターの真名は天女だった、皇族の真名はみんな天がつくのだろうか?
自分の真名は名前負けしてる気がしないでもないが、妹の天女はまさに天女のごとく可愛いのでぴったりだと思う。←兄馬鹿天元突破
そんな風に妹とイチャイチャしたり、勉学に励んだり、妹に寄ってくる婚約者候補という名の権力の亡者(劉弁のきめつけ)を追い払ったり、妹とイチャイチャしたりしながら時は流れ17歳になったときのある日のこと。
「劉弁様。」
「何の用だ。」
「はっ、御報告に上がりました。近頃世間を騒がせておりました黄巾党の首領張角を含む黄巾党本体を陳留の刺史曹操が打ち破ったそうです。」
………Σ(゚Д゚;)
ついに…ついに我がDEAD ENDへの幕開けが来てしまった。
しかしである、何も死ぬ可能性大なのに何もせずに無為にマイ・スウィート・シスターとイチャイチャと12年過ごしてきたわけではない。
わざとこの時まで、宦官や何進に警戒されない様に何も行動しなかったのだ、ビビって動けなかったわけでは断じてない。
………ウソジャナイヨ、ホントウダヨ。
起死回生の策を実行するは今!!!
「陳留の刺史曹操が…、そのものには褒賞として何を与えたのだ?」
「はっ、西園八校尉がひとりに任命されると聞いております。」
「ふむ、こたびの大功、直接礼を言いたい、曹操をここに呼ぶように。」
「はっ。畏まりました。」
死亡フラグを自分で回避出来なければ出来る奴に任せればいいじゃない作戦始動
~数日後~
「そちが曹操か?」
「はっ。」
………やべぇ。
実際会ってみると見た目小さい美少女なのに、纏ってる王者オーラがパネェ。
劉協も幼いながら皇族の気質はあるけど、あっちはどちらかといえばお姫様オーラだし、父である皇帝は病気で弱りきってるので会っても威圧感なんか感じなかったし。
なんかこの作戦がうまくいくか自信なくなってきたけど、もともともうすぐ死にかねない我が身だ、例え数パーセントの可能性だったとしてもこのわずかなチャンスにかけるしかない。
「こたびの黄巾党の討伐まことに大義であった、私からも礼を言わせてもらおう。よくやってくれた。」
「はっ、漢に仕える臣として当然のことです。」
「うむ、………私はこの者と2人きりで話がしてみたい。他のものはこの場から出て行け。」
「な、何をおっしゃいます、劉弁様。そのようなことを。」
「私は出て行けと言った。」
「くっ。…解りました。」
納得していない様子で、護衛の武官や女官たちが部屋から出ていく。
とりあえず、これで一安心。
「さて、曹操。ここには私とそなたしかいない、普段通りに喋ってくれて構わん。一度そなたと話してみたいと思っておったのだ、曹操よ。」
「………なら、そうさせてもらうわ。劉弁様は私と何を話したいのかしら。」
「この漢の行く末についてだ。」
「漢の行く末?劉弁様は何をおっしゃりたいのかしら?」
「そなたならとうの昔に解っているだろう?漢はもう内も外もボロボロだ。内では宦官たちや私を擁立する大将軍・何進が好き勝手に私腹を肥やし、外では黄巾党のような大規模な一揆がおこる始末。さらにはその黄巾党を官軍で沈めることもできずに諸侯や義勇軍に任せてしまった。もうひとつ何かきっかけがあれば漢の権威は完全に失墜し、群雄割拠の時代が来るだろう。そしてそれを今の父上やあるいはその時は皇帝になっているかもしれない私では防ぐことは残念ながら無理だろう。」
「………。そのようなことを話して劉弁様は私に何をお望みなのかしら?」
「そなたは占い師に乱世の奸雄であると占われたそうだな。実際に会ってみて解る、そなたならいずれ来るであろう乱世において、その才を発揮し、大陸を纏め上げ、漢に代わる新たな国を築きあげることも可能だろう。」
「………。」
「だが、その間にそなた以外の覇を唱える者たちとの間に起こる戦で多くの人間が死んで行くのは間違いない。ならば、そなたには私が皇帝に立った後、すぐさま強権を振るえる立場を与え、他の者たちが覇を唱える暇も与えずに天下泰平を築くのが最善と判断した。」
「言いたいことは解ったわ。でも、そこまで私のことを理解しているのなら、私があっさりとあなたの下について働くと思うの?あるいは下について働くと見せかけて寝首をかかれるとは思わないのかしら?」
「私のそなたを従える器がないことなど自覚しているし、従えようなどとは思っていない。既に漢の力は衰えているが、まだ完全になくなったわけではない。そなたが私を御輿として担ぎあげ、この国の実権を握れば群雄割拠の時代を戦い抜き、新たに大陸を一つにまとめた国を築くよりは天下太平の世を作るのに被害が少なくなると思わないか?私に国を動かす権限を与えられたという大義名分があれば、そなたほど力があるもの以外は戦わずしてそなたの下につくだろう。それに私には自分こそが国の頂点に立ち、国を動かしていこうなどといった野心はない、国が安定し世を乱す者がいなくなれば、そなたに名実ともに完全に国の実権を譲り、そなたを皇帝とした新たな国を築くよし。いっそのこと皇帝・皇族を政治と切り離し、われらは国の象徴的な存在となり、国を動かすのは世襲制などではなく、そなたのような優秀な人間が実力を持ってついて行くのもいいと思っている。」
「今言ったことは、本気かしら?」
「本気だ。既にこのままないもせずに過ごせば漢の未来は暗闇しか見えない。ゆえにこれは賭けだ。私がそなたという英雄に対する一世一代の自らの命をかけた賭けなのだ。」
「………いいでしょう。あなたの賭けに乗りましょう、劉弁様。あなたの人を見る目が正しかったことを証明してあげるわ。」
「うむ、是非そうしてくれ。父が亡くなり私が皇帝になった際には、廃止されていた丞相の位を復活させ、そなたに与える。そなたの思うように国を動かしてみるがいい。」
「わかったわ、これから私と劉弁様は一蓮托生の間柄、私のことは華琳を呼んでくれて構わないわ。」
「ならば、私のことも天竜と呼べ。公式の場でなければ様付けもいらん。友よ、この国を頼む。」
「ふっ、任せてちょうだい。」
………死亡フラグを自分で回避出来なければ出来る奴に任せればいいじゃない作戦成功!!!
この17年の生活で身に付けた皇族モードで対応し、なんとか華琳に認めてもらえた。
後は彼女がなんとかマイ死亡フラグを撃破してくれることを祈ろう。
餅は餅屋にって言うしね。
目指す立場は前世の日本の天皇陛下ポジションさ!
凡人の私には政治の実権なんて要りません、マジで。
あとは、結果を座して待つのみ、もし華琳が何者かに敗れて自分が皇帝から引きずりおろされたり、傀儡にされるなり、華琳に寝首をかかれたりしても、そこはもう覚悟の上。
…ん。なんで華琳に任せたのかって、他にも任せられそうなのはいるだろうって?
うん、最初は他の人のことも考えたよ。
でも、考えてみてほしい。
劉備…この時期はまだそれほど名も売れておらず、さらに仲間も集まりきっておらず勢力として微妙。
孫策…武将や文官といったタレントは豊富だけど、現在袁術の客将で部下は各地にバラバラ。
袁術or袁紹…両方はとにかくトップが不安すぎる。
馬騰…馬超・馬岱といった一騎当千の武将はいるけど華琳に原作で負けてたし、優秀な軍師が出てこなかったので不安あり。
他の勢力…三国志が詳しくないのでよくわからん。
というそれぞれ不安点が多かったからである。
なにより、これらの勢力で国を建て直しても華琳なら力を蓄えて反逆してきかねない、いや、きっと反逆してくる。
しかも下手したら負けかねない、ならば最初から彼女に任せてしまえと考えたという訳。
その後は詳しく語るまでもないだろう。
しばらくして父が病没し、自分が漢の第13代皇帝に即位し、華琳は復活させた丞相に就任した。
その後は華琳による、宮廷の悪官・奸臣の粛清、粛清また粛清。
こんなに奸臣おったんかいと思うほどの粛清の嵐だった。
それであっさりと宮廷内部が落ち着けばよかったのだが、事件発生。
妹の天女が母である王美人に連れられて宮廷から逃亡!
どうやらあまりに激しい粛清の嵐に、娘も危ないのではないかと疑心暗鬼になった母親が娘を連れて飛び出したということだった。
天女とは仲良くなっていたけど、天女の母である王美人とは親しくなっていなかったのが原因っぽい。
護衛もほとんど付けずに飛び出したと聞いて、山賊なんかに襲われたら一大事とあわてて華琳に頼み保護してもらえるように救出部隊を出してもらった。
それであっさり保護できればよかったのだが、救出部隊が追いついた時には天女たち親子はなんと董卓陣営が保護した後だった。
そして華琳陣営の救出部隊と董卓陣営の間で天女たち親子をめぐり一瞬即発の緊迫した状態になってしまった。
この報告を聞いた時は、すわ歴史の修正力かと戦慄を覚えたが、ここで天女と仲良くなっていたことが功を奏した。
董卓陣営が保護されたことで落ち着きを取り戻した母を天女が説得。
兄は自分たちを害するつもりはないはずだから、話し合ってみてくださいとを母に話したそうだ。
その後短くない話し合いの末、王美人がこちらに害意がないことを納得。
そうして、彼女たちが宮廷に戻ってくることになったのだが、これが縁でなんと董卓陣営が天女の傘下に加わり戦力増強と相成った。
妹の恩人だし、勢力としても華琳に負けず劣らずの力を持っているので、トップの董卓には副丞相に任命し、彼女の部下(特に賈駆)に不満を与えないようにした。
董卓本人としては自分が前に出て引っ張っていくタイプではないので、自分の上に華琳がいてくれる方が気が楽みたいだった。
タイプは違えど華琳も董卓共に平和な世の中を作りたいと思っている善人なので仲良くなったみたいである。
華琳陣営の武将の春蘭・秋蘭・季衣・流琉・凪・真桜・沙和(真名は華琳に彼女たちを紹介されたとき受け取っている)と董卓陣営の呂布・張遼・華雄は模擬戦などを経てすぐに仲良くなっていた。
文官組の桂花(真名は(ry))と賈駆・陳宮も武将たちより時間がかかったようだけれどそれなりに仲良くなっていた。
これまでは桂花しか優秀な文官がいなかったので、華琳としても国を建て直していく中で賈駆・陳宮という優秀な文官が2人も味方になったのは大きかったようだった。
桂花は「私一人で十分なのに…」的なことを愚痴っていたらしいが…
その後、思わぬ戦力強化の後、国の立て直しを行い、このままいけば乱も起こらずに立て直しが成功すると確信できた矢先にそれは起こった。
反董卓連合ならぬ反曹操連合が発起。
…おのれ、袁紹。
しかし彼女の漢全土にこちらの悪評広める手腕だけは凄いと思う。
ほとんどの漢の人間が一時とは言え信じるないし、内心はどうあれ袁紹側についたのだから。
どうやら、華琳の行った大粛清をうまく歪めて広めたらしい。
朕としては歴史の修正力が働いたのか、もしかして死亡フラグ全然折れてない?と不安になったが、それでもこれまでの行動(華琳に権力丸投げ)は無駄ではなかった。
華琳の大粛清のおかげで、こちらには足を引っ張ってくるような奸臣がおらず、原作と違いこちらの戦力は華琳陣営+董卓陣営と味方が多い。
しかも、国の立て直しがかなり進んでいたおかげで、漢の忠臣馬騰率いる涼州連合がこちらの味方に付いてくれた。
自ら筆をとって曹操は漢を建て直すために必要な得がたき忠臣である的なこと書いた書状を袁紹の激文が出回ってからすぐに馬騰に送ったのがよかったんだと思う。
彼らは天下を狙うような野心もないようで、華琳の指揮下に入ることを割とあっさり了承してくれた。
反曹操連合側といえば、袁紹や袁術が幅を利かせ、諸葛亮や鳳統、周瑜といった連合側の厄介な軍師たちも、劉備軍は今は弱小勢力の義勇軍であり、孫策率いる孫呉も袁術の客将であるため連合全体を動かすようなことはなかなかできない。
後は自分にできる味方への最後の援護射撃として猪突猛進のイメージが強く、原作でも反董卓連合戦での敗北のきっかけになったように感じられた華雄将軍を洛陽の守将として残るように手配した。
官軍でも猛将と名高い華雄将軍に是非我が都を守ってほしいとお願いしたところ、あっさり意見が通り、華雄は自分の武を皇帝に買われたのが嬉しかったらしく、形だけではない心からの董卓と同じぐらい忠誠を誓ってくれるようになった、少し罪悪感が…。
そんなこんなで始まった反曹操連合戦、結果だけ言ってしまえばこっちが勝った、圧勝だった。
朕はおとなしく都にずっといたので報告による概略しか知らないがこんな感じだったらしい。
汜水関で華琳と袁紹が舌戦…華琳が連合に対し、「漢に弓引く賊軍が!」と一喝、朕の書いた反曹操連合討伐の勅旨を見せ、賊軍の士気を大幅に低下。
↓
汜水関に攻め入る賊軍に対して原作のように関から飛び出したりせずに春蘭や呂布をはじめとしたチート武将によるがっちりガードで賊軍を攻め込ませない。
↓
そうして賊軍が攻めあぐねている間に行った、馬騰・馬超・馬岱・張遼といった騎馬に優れた者たちによる袁紹や袁術といった連合側の有力諸侯の領地の電撃的占領が止めになった。
連合側としても賊軍と呼ばれて士気は下がり、なおかつ補給源を抑えられてはそうすることもできない。
終盤、いいとこなしで終わっては身の破滅と思ったか、誰が考えたのかわからないが汜水関とは別ルートから少数精鋭で朕を奪取し来るという事件が起こった。
どうやら、朕を自分の陣営に引き込むことで大義名分を再び自分側にと考えたようだ。
しかし、それはこちらにいた華雄将軍によりあっさり鎮圧。
彼女は「忠義の嵐!!!」とか「陛下には指一本触れさせん!」とか叫びながら賊を撃退していった。
どうやら彼女、原作のように頭に血が上ってイノシシにならないと普通に優秀のようだ。
まあ、猛将として既に名が通っているんだから当然と言えば当然だったのかもしれない。
朕を守ってくれる華雄はかっこよかった。
スレンダーな銀髪美人が自分を必死で守ってくれるのである。
普通に惚れそうだった。
なんか、そうなってくると頭に血が上って周りが見えなくなるところもバカっぽくてかわいく見えてくるから不思議である。
凡人の自分としては欠点があるから逆に親近感を彼女に抱けるのかもしれない。
…話がそれた。
まあ、そういう訳で連合との戦はこちらの完全勝利で幕を下ろしたのであった。
その後の戦後処理で朕的に大事件が起こった。
華琳が反曹操連合に所属していた各諸侯やその幹部たちをすべて処刑したのである。
そう、現時点の袁紹・袁術・孫策・劉備の陣営にいた原作キャラはみんな死亡。
落ち着いて考えれば、虚言による理由で仕えるべき漢に弓を引いたのだから当然と言えば当然なのかもしれない。
しかし、原作だとメインキャラは呉の孫策・周瑜・黄蓋ぐらいしか亡くなっていなかったので、こんなに原作キャラが死んでしまったことに、主要キャラはなんだかんだで死なないと思っていた朕はこれまでの第二の人生で一番びっくりした。
原作だと華琳は関羽に執着していたし、各諸侯はとにかくその幹部で優秀な幹部は自分の手ゴマにするかと思ったのだけどそうでもなかったようだ。
華琳の立っている立場が原作と違うせいなのかもしれない。
まあ、彼女たちに同情はしない、負けてれば高確率で朕の方が死んでいたのだし。
某仮面の人も言っていた、「撃っていいのは、撃たれる覚悟のある奴だけだ。」と。
朕は自分で覚悟したというか、前世の知識のせいで無理やり自分が殺される覚悟させられたという感じではあるが一応覚悟していたし、きっと彼女たちも覚悟していただろう。
とまあ、こうして一応朕の死亡フラグは華琳の活躍により粉砕されたのであった。
~数年後~
あ…ありのまま 今 起こっている事を話すぜ!
気づけば我が宮殿の頭に美のつく女性という女性(頭に美のつかない女性は宮殿内にはいない)が華琳’s ハーレムの一員になっていた。
新しく女官や女性の文官・武官が入ってもすぐ彼女のハーレム入り…。
わけがわからなかった。
北郷一刀だとかオリ主・クロス主なんてそんなちゃちなもの断じてねぇ。
もっと恐ろしいものの片鱗を現在進行系で味わっている。
あの連合との戦から数年、強大な敵対勢力もおらず漢はずいぶん安定した。
そのせいか、華琳のハーレムに入っていなかった霞は旅に出て、季衣・流琉(料理人になるらしい)は村に帰り、魏の三人娘も武者修行、カラクリ開発、オシャレ修行とそれぞれの夢に進んでいった。
馬騰陣営も涼州に戻り、董卓も国が割れない様にと副丞相の位を返還し、西涼の太守として戻っていった。
そのせいで、華琳ラブの百合っこしか、この宮殿には残っていないのである。
死ぬ心配もほとんどなくなったのでそろそろ嫁さんとかほしいのだが、周りには百合っこしかいないorz
なぜか、朕への縁談の話は全然来ないし。
早く朕の立場を日本の天皇陛下的な国の象徴ポジションにして皇居とか作って、そっちに住まわせてくれないものだろうか?
そろそろ、この百合百合空間に耐えられなくなってきた。
最近だと、恋愛ヘタレの朕が玉砕覚悟で西涼にいる華雄にプロポーズしようかななんて考えてしまう。
まわりで百合とは言えイチャイチャされると自分だって異性とイチャイチャしたくなるってもんだろう。
あっ、華琳。
「ふふっ、今夜私の閨にいらっしゃい。」
「はい、華琳様♡」
………明日、西涼に行こう、マジで。
あとがき
どうもお久しぶりです。同版に【習作】殲滅眼を持ちし者(ネギま!×伝説の勇者の伝説)を投稿していますdaiです。
この作品は恋姫の世界の漢王朝に生まれた凡人転生オリ主がどうやって死亡フラグを回避するのかというネタが浮かび2月の下旬の大学院の卒業が決まってからせっせと書いたものです。
書いてるうちに主人公の転生先は違うけど、同じ漢ルートで、死亡フラグを回避するための鍵が華琳なところとか若干ネタかぶっていて、自分のよりぜんぜん面白い作品が投稿されていたので、投稿するのやめようかと思ったけど、せっかく書いたのでUPしました。
このssを面白いと思ってくれる人が1人でもいればうれしいです。
もし作者の書いたこの話の後日談やこの転生オリ主が他の勢力を頼ったIFストーリーを読みたいという奇特な読者様がいれば短編でよければ書くかも。
殲滅眼を持ちし者の方も今月末には更新しようと思います。