びっ!
「消えろ。ぶっとばされんうちにな。」
「「まさか……ヤ、ヤムチャなのか!?」」
第287回ハンター試験には受験生ほぼ全員に知られている
知名度の高い人物が存在する。
去年20人の受験生を再起不能にして試験官を半殺しにした『奇術師ヒソカ』
本試験連続出場30回の大ベテラン『新人つぶしのトンパ』
なんと一次試験開始前に脱落していたうわさの下痢ルーキー『ウ○コ野郎のヤムチャ』
……以上の3名である。
「凡愚どもは下がっていなさい。ヒソカは最強の戦士であるヤムチャ様がかたづけます!」
ヤムチャさんの背中にひっついてきたニコルが、堂々と宣言した。
(バカな!? あいつは命を捨てるつもりなのか!?)
「へぇ、キミが最強の戦士なのかい?」
「あまり他人に迷惑をかけるな。降参するならいまのうちだぞ。」
「無謀だ! よせ!」
ビュッ!
ヒュオッ!
ザララララ!
シパパパパンッ!
ヤムチャさんはヒソカの攻撃をよゆうで回避し
投げつけられたトランプもかるく弾いてのけた。
「ふーん。」
「なん……だと?」
チェリーは目を疑った。
これまで受験生たちを紙のように切り裂いてきたヒソカのトランプを
ヤムチャは素手で防いでいたのだ。
「今度はこっちからいくぞ。」
びしっ!
(こいつヒソカを相手にたいした自信だぜ)
(あの構えはいったい?)
(ウ○コ野郎のヤムチャが……ほんとうに強いのか?)
「狼牙風風拳!」
シャッ!
バババババ、シュバッ、ドォン!
「はやい!」
「あいつヒソカに攻撃を当てやがった!」
「いま、狼の影のようなものが見えなかったか!?」
「……なかなかいい攻撃だ。それで終わりかい?」
「ふん。少し手加減しすぎたようだな」
(骨折してもおかしくないくらいの攻撃だったはずだが…
このヒソカってやつ意外と頑丈だな……ならば!)
「見せてやるぜ!! 新狼牙風風拳!!」
ギュンッ!
さらに速度と威力を増した攻撃がヒソカをおs
「足元ががら空きだよ。」
ゴッ!
地を這うような水面蹴りがヤムチャさんの足元をとらえた。
「なっ」
ヒソカのカウンターアタック!
バシッ、ガン、ドゴォッ、バキィッ!
ヒソカの連続コンボが
ヤムチャさんにクリーンヒットした。
…グシャッ!
トv'Z -‐z__ノ!_
. ,.'ニ.V _,-─ ,==、、く`
,. /ァ'┴' ゞ !,.-`ニヽ、トl、:. ,
rュ. .:{_ '' ヾ 、_カ-‐'¨ ̄フヽ`'|::: ,.、
、 ,ェr<`iァ'^´ 〃 lヽ ミ ∧!::: .´
ゞ'-''ス. ゛=、、、、 " _/ノf:::: ~
r_;. ::Y ''/_, ゝァナ=ニ、 メノ::: ` ;.
_ ::\,!ィ'TV =ー-、_メ:::: r、
゙ ::,ィl l. レト,ミ _/L `ヽ::: ._´
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`’ `´ ~
byサイバイマン
「「ヤムチャーーー!!」」
「クッ!」
「お待ちなさい!!」
ヤムチャに加勢しようとするクラピカを、ニコルが止める。
「しかし!」
「ヤムチャ様に敗北はありえません。」
ニコルの言葉通り、
ヤムチャはふらつきながらも立ち上がった。
「な、なかなかやるな。ちょ、ちょっとだけ本気をだしてやろうじゃないか!」
バババッ!
ヤムチャさんは必殺技のかまえをとった!
「とっておきを見せてやる!」
ボウッ!
「繰気弾(そうきだん)!!」
ギューン!
ハッ、セイ、ムン、ハァッ、チェィッ!
ヤムチャさんの気合の入った指の動きを受けて、
繰気弾がヒソカのまわりを縦横無尽に飛び回る!
(遠隔操作型の念弾。あの指の動きでコントロールしているのか。)
ギューン! スカッ!
ヒソカはよけた。
ギューン! スカッ!
ヒソカはかわした。
ギューン! スカッ!
ヒソカはしらけたかおでこちらをみている。
(あ、あたらん!? なぜだ!?)
「それがキミのとっておきかい?」
ヒソカはさっと腕をうごかすと、
自身の念能力を発動する。
『伸縮自在の愛(バンジーガム)』
グン!
ヤムチャさんの顔面に張り付けてあったオーラが
急速に伸縮する。
「のわっ!?」
ヒソカの腕の動きに合わせてヤムチャさんの身体が宙を舞う。
ギュン!
コントロールを失った繰気弾と
一本釣りされたヤムチャさんの軌道が空中でクロスした。
そして…
「念弾の操作に気をとられすぎ。お粗末だね。」
ボムッ!!!
トv'Z -‐z__ノ!_
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rュ. .:{_ '' ヾ 、_カ-‐'¨ ̄フヽ`'|::: ,.、
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`’ `´ ~
byサイバイマン
「ヤムチャーーー!!」
「クッ!」
「お待ちなさい!!」
再度ヤムチャに加勢しようとするクラピカを、
やっぱりニコルが止めた。
「だがあれでは!」
「ヤムチャ様は無敵です。敗北などありえません。」
「わるいがオレはいく。止めたって無駄だぜ。
ヒソカの相手はもともとオレ達だったんだからな!
助っ人に任せてこそこそしてられっかよ!!」
苦戦しているヤムチャをみて
我慢の限界に達したレオリオがほえた。
「……そういうことだな。私も付き合おう。
右から行く。レオリオは左に回り込んでくれ。」
「おうよ!」
「レオリオ! クラピカ!」
「ゴン!?」
「おまえ、戻ってきちまったのか!?」
「うん、レオリオの声が聞こえたから。あの人は?」
「地下でゴンも見ただろう。あのヤムチャだ。どうやら私たちを助けに来てくれたらしいのだが……」
うまく説明することができず、クラピカは言いよどんだ。
(さっきのあれはなんだったんだ?)
(才能はある。オーラ量は多いし力も強い。けど戦闘センスの悪さが致命的だね。能力もありきたりだし。)
ぴぴぴ。
ヒソカの携帯の着信があった。
『ヒソカ、そろそろ戻ってこいよ。どうやらもうすぐ二次会場につくみたいだぜ』
「OK.すぐ行く。」
協力者からの連絡をきいて、
「じゃあね。」
ヒソカは霧の中へと姿を消した。
・・・
「痛タタタタ…」
ヒソカが立ち去ったのを確認して
やられたはずのヤムチャさんがむくりと起き上がる。
「やれやれ。なんだったんだいまのは?
自分の必殺技をくらって倒れてたんじゃカッコがつかないぜ。」
(まさかオレの繰気弾がやぶられる日がくるとは…
少し鍛え直した方がいいのかな?)
ひそかに自信を抱いていた必殺技をあっさりやぶられて、
さすがのヤムチャさんも少しショックを受けていた。
「やられたふりですね! 敵といえども慈悲の心で見逃してやるとは、さすがはヤムチャ様です!!」
「へ? …あー、うむ。オレさまにおそれをなして逃げ出したようだな!」
「「あっはっはっはっはっ」」
(これが熱狂的なファンってやつか。ミスターサタンもあれでけっこう苦労してたのかな?)
((…なんなんだこいつら……))
「ま、なにはともあれ、あんたのおかげで助かった。礼を言わせてもらうぜ。
オレはレオリオという者だ。」
「ヤムチャだ。無事で何よりだった」
レオリオとヤムチャさんが握手を交わす。
「ありがとうヤムチャ。私の名はクラピカだ。」
「オレはゴン!」
「ニコルです。よろしくお願いします」
ザザザザザッ。
ゴン、クラピカ、レオリオの3人は
ヤムチャとニコルの先導で二次試験会場へ向かっていた。
「おい! あのヤムチャってやろうのいうことは信用できんのかよ!?」
「私たちには現在地も目的地もわからないのだ。他に選択の余地はないよ。」
(あれだけヒソカにやられていたのにほぼ無傷。
なにやら爆発もしていたのに胴着がぼろぼろになっただけで平然としている。
このヤムチャという男はあきらかに異質だ。)
ヤムチャとニコルが空から降ってきたところは全員が目撃している。
その気になれば数百キロ先にいる人間の気配がわかるという話も
おそらく真実だろうとクラピカは判断していた。
「大丈夫だよ。臭いけど悪い人じゃなさそうだし」
「お前は人を簡単に信じすぎるんだよ!」
「ソッチハキケンダ! コッチガアンゼンダゾ!」
「あれはホラガラスですね。嘘をついて獲物を罠に誘いこみます。」
「ぐわっ!?」
「ああ、そっちに生えているのはジライダケです。踏むと爆発するので注意してください。ヤムチャ様でなければ死んでいたかもしれません。」
(-_-;(-_-;(-_-;)
「ほんとうに大丈夫なんだよな?」
「うーん、たぶん。」
「ソッチハキケンダゾ!」
「ホラガラスか。詐欺師の嘘だけが私たちの安全を保証してくれているとは、皮肉だな。」
「やっぱおめえらも半信半疑なんじゃねえか!!」
「あっ! いまなにか建物が見えた!」
「よし、もうすぐゴールだぞ! あそこに大勢の気が集まっている!」
「どうやら間に合ったようですね。」
5人は無事に二次試験会場へとたどりついたのだった!
「第一次試験、
地下通路耐久レース 脱落者92名!
ヌメーレ湿原 脱落者161名!
ヤムチャさんたち150名、第一次試験突破!」