第一話 『第1章日常世界』から『第7章現代ファンタジー』の構成でした。
やあ!俺は 蒼龍 刹那
日本人みたいな名前だけど 母親はイギリス人で
髪の毛は金色 目の色は青。身長は188cmの18歳
あんまり大きな声じゃ言えないけど、俺実はトリッパーってやつなんだ。
死んだ時に神様に会って、ちょっと力を貰って転生した俺は、いろんな世界を回って平和を維持している。
具体的には自分のことしか考えない、自己中心な厨二的オリ主を倒すのが俺の役目さ!
どんなやつでも俺の闘気を圧縮して打ち出す技 「神破断滅弾」で一撃だぜ!
まあ、昔俺が未熟だった頃は、たくさん失敗したけどな。そのせいであいつも………。
おっと、今話すことじゃなかったな。忘れてくれ。
でも最近悩みがあるんだ、妹分の幼馴染と、近所のお姉さんがどーも仲が悪そーなんだ。
朝起こしにくる時とか、昼の弁当の時とかいつも争っている。
昔は仲良かったのにどうしたのだろうか?
他にも、クラスメイトとかに俺がお礼を言ったりする時、笑って「ありがとな」っていうと急に皆よそよそしくなるんだ。
本当にどうしたんだろうな?
おおっと!出動の連絡だ! やっぱり俺は今日も闘わないとな!戦場がオレを呼んでるぜ!!
TTOJ(Trippers Team Of Justice)の切り込み隊長 SETUNA SORYU として!!
14歳の時の「僕の来世帳」 第4章最強系 候補7 より(通称黒歴史ノート)抜粋
「ああああああ!! もういっそ誰か僕を殺してくれ!!」
えーと、始めまして、絶賛絶叫中の僕は大田達也 19歳
どこにでもあるような名前と、何所にでもいそうな外見の持ち主だ
身長170cm 体重75kg 黒髪に茶色の目、若干猫背ぎみ。
体格はいいけど特にスポーツをやっていたわけではないので、べつに喧嘩とかに強いわけでもない。
彼女いない暦14年。これだけはゆずれない、人生=じゃないのだ。
さて僕のことを長々と語ってもつまらないし、現状を説明すると────
「えーと、今度は人外とのハーフ系か………なになに………「やめろぉ!!」
えーと、引越しを友達に手伝ってもらったのが運の尽き、仕舞ってあったブツを発見されて僕の目の前で読まれている。
何とか阻止しようとしているのだが、さすがに3人で押さえつけられたら勝てるわけがないだろ。
四対一とか卑怯だろう、常識的に考えて。
「悪魔と天使のハーフの父親と、世界一の魔法使いである母親を持つ俺の名前は『闇の番人』ラザフォード=N=カイザー………英語とドイツ語のごっちゃかよ………うわー。しかもラザフォードって苗字だぞ」
もう止めてくれええぇ!!
「ああ………酷い目にあった」
あいつらが帰って2時間後。あいつらが一通りからかって引越しの手伝いも終わらせて帰ったあと。
僕は4畳半の和室で仰向けに倒れていた。きっと今鏡を見たら、ハイライトの消えた目が見えると思う。
経験のある人はわかるかもしれないけど黒歴史ノートは暴露されると本当にきついね。
親にベッドの下に隠してあるアレなものを机に出されるのより精神的に来るものがあるよ。
「畜生………僕が何をしたって言うのだ」
あんなやつらもう、友達と呼ぶものか!!
でも、あれ? 僕ってそうするともう友達がいないような……
ええい! そんなことどうでもいい! 今は荒んだこの心を癒すべくゲームをするぞ。
「さて………昨日インストを終えたばかりの奴でもやるかね」
さっきは言わなかったが、僕はいわゆるオタクと呼ばれる人種だ。
人種ってなにさ。みたいな方もいるかもしれないが、僕はそう思うから割愛する。
僕は、アニメとかラノベより、ギャルゲーのほうが好きで、ほとんどコレにお金をつぎ込んでいる。
生まれて始めてやったギャルゲーはGalaxy Angelシリーズだ。
僕の一番のお気に入りで、今でもついついやってしまう作品だ。
何よりも好きだ!! みたいなヒロインはいないけど、一部の例外を除いてはどのキャラクターも嫌いじゃない。
シグルト・ジーダマイアとかぐらいだね、嫌いなの。あとその参謀。
エオニアだって、彼なりの考えがあったのだと思うし、レゾムだってどこか憎みきれない馬鹿さがある。
ついつい語ってしまったが、実を言うと僕はこんなにもGAが好きなのに『Ⅱ』をやってないのだ。
なんというか、ストーリーは知っているけど、手をつけていないのだ。
理由は笑っちゃうような物だけど、自分で攻撃できるモードがあるのがどうも気に入らない。
やっぱり、タクトの指揮下で指示によって動く戦闘にあこがれるのだ。
とまあ建前はそういう事にしている。本当のところは
「エンジェルと肩を並べて戦える主人公に嫉妬して感情移入できない気がする。だよね………やっぱり」
そう、やっぱり僕も男の子である、年齢=彼女いない暦ではない(ココ重要)が、それでもやっぱりそういう感情はあるのだ。
え? ゲームのキャラクター相手に何言っちゃっているの?だって?
ふっ………今世界中の人間の1割を敵に回したようだな………。
え?多すぎだと?いやいやきっとそんな事ないよ。コレぐらいが妥当な割合だよ。たぶん
まあいいや、ともかく僕はいわゆるオリ主みたいな存在になるのにすごく憧れていたのだ。
主人公になるより主人公の友達になりたい。RPGでも主人公は喋るほうが好きだったし。だからこそのあのノートだしね。
さて、こんな話おいといて………ってあれ?
ゲームを起動しようとしたPCの画面を見ると、ディスプレイいっぱいに黒い背景に白地でメッセージが書かれていた。
────おめでとうございます。あなたは別に選ばれたわけではないけど、こちらの一身上の都合により、転生してもらいます
「何だ? これ? 」
おいおいおいおい、テンプレだよ。この後画面に吸い込まれるか意識が真っ暗になるのだろ? きっと。
やべーよ! オリ主だよ! オリ異世界か? それともどっかの作者が書く二次創作か? うおー!テンション上がってきた!!
『能力を差し上げます。なにかはおのずと解るでしょう。では5秒後に開始します。5,4,3,2』
「お!? 続きが出た! おおー!!」
そのとき僕はその能力にすごく期待していた………
でもまさかあんな能力を貰うなんて思いもしなかったのだ………
みたいなこと言うと最強形じゃなくなるから決して言わないぜ!
さあ、カウントが0になるぞ!
『1,0 いってらっしゃい もう戻って来られないけどね』
その文字を僕が読みきった瞬間。昔のコントみたいに床がぱっかり割れて僕は落ちていった。
やあ! 僕は太田達也だったものさ、今の僕の名前はタクト・マイヤーズ そう、ギャラクシーエンジェルの主人公さ!!
彼みたいな柔軟な発想が出来るかわからないけど、今の僕は原作知識を持っているからね………子供のうちから勉強すればなんとか代役くらいは出来るだろ。レスターもいるし。
さーて、早くエオニアクーデター始めないかなー。エンジェル隊は皆僕のものだぜ!!
なんて展開にはなるわけもなく
普通に僕は転生した。まあ憑依じゃなくて転生って言っていたものね。
現在の僕の名前は
「ラクレット、お父さんが呼んでいるから来なさーい」
「はーい」
今呼ばれた通り僕『太田達也』の名前は ラクレット ラクレット・ヴァルターって名前になった。
確かスイスか、フランスだかのチーズの名前だった気がするのだけどまあ気にしてもしょうがないのでいいや。
髪の色と目の色は限りなく黒に近い青です。普通に黒に見えるけど、よく見るとダークブルーってやつ。本当に濃い色だけど。
ちなみに家族ではこの色は母さん似だ。父さんや兄さん達は、薄いブルーだ。そして、家族みな美形だ。僕は前世の顔ほぼまんまだ。理不尽である。
僕の住む星は辺境であるクリオム星系にある星で、
特に名前はないというえらい田舎な星だ。便宜上、クリオム星系第11星というらしい。エリアならぬ、プラネット11ですね。
星の大きさもわりかし小さい、と言っても前の世界の月と同じくらいだけど。
重力とかそういうのは、ゲームだからなのか知らないけど、皇国内では共通だそうだ。
まあ重力発生装置があるのだしその辺を使っているのだとは思う。
さて、ここでちょっとこの世界について説明しておこうと思う。
まず、トランスバール皇国には3種類の星がある。皇国の直轄星(通称直轄星)と、皇国貴族領星(貴族星)、そして、現地政府の自治権の認められている星(自治星)の3つだ。
直轄星は、その名の通り皇国の直轄領で、トランスバール本星を中心に、全体の4割ほどだ、辺境に行けば行くほど少ない。
貴族星は貴族の領地でおおよそ全体の3割ほど。だいたいが直轄星を囲むように存在している。
最後の自治星も3割ほどで、コレは基本的に辺境の星となる。
まあ自治と言っても、軍の規模とか、中央への上納金の額とか決まっているから、属国みたいなものだね。
僕の住むクリオム星系第11星は、当然自治星となっている。
ともかく、これから僕はどうしようかと悩んでいたら母さんに呼ばれたのだ。いや、父さんか。
何で悩んでいるかというとこれからの介入予定についてだ。
そもそもこの世界には先ほど軽く述べたとおり貴族制というものがある。
こんな辺境にすんでいる人物はよほどの努力をしない限り、中央で何かを成すなんてことは出来ないのだ。
まあ、軍の士官学校に通うくらいならそこそこのお金さえあればいけるんだけどね………基本的に慢性的人材不足だし。
問題なのはどのような兵科に行くかだ。普通に考えて、原作介入には指揮官とかになるのが一番なのだろうけど。
自分レスターみたいに優秀な人物でもないのだ。士官学校にいってもモブの1人で終わりかねない。そもそも年齢も違うし。
かといって、既存の紋章機の………例えば『カンフーファイター』のパイロットになって、代わりにエンジェル隊入りしたとする。
そうした場合ヒロイン達の誰かとは会えないし、原作から離れすぎるし、何より自分に適正があるかどうかもわからないのだ。
何気にこの世界って、市民Aからの原作介入が難しいのである。まあ、前例というか二次創作が少ないのも原因なのだろうけど。
リリカルな世界とか少年魔法先生の世界みたいに、前例が山ほど確立されているわけじゃないからね。
「で、何か用事?父さん?」
「ああ、今日でラクレットも5歳になるからね。ちょっと見せたいものがあるんだ。ちょっとついてきてくれないか?」
そういえば、今日は僕の5歳の誕生日だった。
そう言って歩き出す我が父の背を僕は歩いて追いかける。
さて、歩いている間暇だからこんどは僕の生活について少し説明しておこうか。
この星の生活水準だけど、結構高い、イメージして欲しいのは、地球の現代でヨーロッパのほうの田舎暮らしだ。
水は湧き水だけど、電気はあるし、ガスもある。普通に地球と同じだ。
まあ、惑星間移動とかが出来るからね………田舎でも大して差はないのかね。
家族構成は両親と兄二人だ。最も兄さん達は今学校のため別の星に行っていて、年末くらいにしか帰ってこないけど。
上のエメンタール兄さんは、クリオム星系の本星にある学校に通っている。僕の9歳年上で、いま14歳のはず。やっていることは普通の勉強らしい。将来は家を継ぐから、いずれは農業関連の勉強をしたいといっていた。帰ってきている時は、ガールフレンドと通信をしているのをよく見る。まあ……普通の人だ。
下のカマンベール兄さんは、7歳上。12歳ですでに、トランスバール本星の大学院で研究をしている。何かロストテクノロジーの研究をしているらしいが、詳しくは解らない。「ロストテクノロジー研究の若き天才」とか呼ばれていた。いずれはどこかの研究所で働きたいらしい
ロストテクノロジー研究の総本山の白き月の巫女は、まだ男性ではなれないらしいので、皇国立の研究所に行くのだろう。
こっちは結構な変わり者で、よく独り言をつぶやいていたりしている。何言ってるかわからないけど。
両親の職業だけど、父さんはなんとこの星の総督だ。と言っても名前だけでやっていることはたいしたことはなく、会社でいうと、日本の企業の海外支店長みたいな役目らしい。何でそんなことやってるかというと、昔々ご先祖様がなんかこの星の開拓をしたんだと。
クリオム星系は星系でひとつのまとまりなっていて、エメンタール兄さんが行っている星に国会があり、そこで決めた内容に従うというのがそれぞれの惑星の役目みたいな感じである。
イメージ的には、農業用プラントの代表者(名前だけで権力は無い)みたいな感じかな?
第11星は、住民のほとんどが農業に携わっているから。まあ祭りの時とか何かあるとき以外は普通に、執務室でなんかやっているだけだけどさ。ちなみに家の畑は別の人が管理してくれている。
母さんはいわゆる専業主婦に近い。たまに父さんの仕事を手伝ってはいるけど基本的にはそうだ。使用人とかいても、家事が好きな母は自分でやるのだ。本人曰く昔は周りの者がやってくれたから、覚えるのに苦労したそうだ。
ちなみに、アニメとかエロゲとかによくいる年齢不詳の母親じゃあない。でもなぜか父親は無駄に外見が若い。14の子供がいるくせに、20台くらいにしか見えない。どうよ、それ?
家はまあ、田舎ならこんなもんだろうってぐらいには広い。100m四方くらいの土地に家が建っている。回りは皆畑で、最寄りの町まで農作業車で30分。お隣さんまで歩いて30分。
代々総督なだけはある。まあ、名前だけで基本的に権力持たないのだけど。貴族じゃないからね。
しかも上の兄さんが後継ぐから、僕は好きなものになっていいそうだ。この辺は感謝だね。
「父さん、見せたいものって何?」
「ああ、ヴァルターの家が代々受け継いできたもので、裏山の洞穴の奥にあるものさ」
「代々受け継いできたもの?」
おいおい、なんか面白そうなものじゃないか。コレはオリ主パワー覚醒アイテム入手イベントか!
魔王……失礼、魔砲少女のところのデバイス見たいな感じの。
「ああ、なんでも、ご先祖様が使っていたものらしく、『意志ではなく、その友により、この翼は動かされん』っていわれていてね」
その時僕はティン! と来たね、オリ紋章機きた!! って。コレで僕が乗れて覚醒イベントですね解ります。
「へー、どんなのなの?」
「それは見てからのお楽しみさ」
(おいおいおいおい、なんだよこれ………)
裏山の洞窟についた僕は、父さんの案内で奥に進んだ。
中はひんやりしていて、そんなに奥まで深くも無く、懐中電灯があれば余裕で見渡せるくらいだった。
1分ほど歩いたら少し開けた場所に出た。
そこにあったのは、青色の装甲を持つ、僕の主観からすれば巨大な戦闘機のような形のモノだった。
「驚いたか、これはな、我が家に伝わる、ロストテクノロジーかも知れないものだ」
というか、すごくマイナーだと思うが、これは某エロゲに出てくる攻速天使に少し似てる。
アレは装甲が赤いが、それを丸々黒色っぽい青に変えたものだ。僕の髪と同じ色だ。
うん、ぶっちゃけ紋章機っぽいもんねあれ。翼あるし。
両手は、装甲と一体のジャベリンではなく、剣のようなものを握っている。
「これに乗れるものが現れた場合、その者に授けよ。と代々言われていてな、俺も5歳の時にやったがうんともすんといわなかった。もちろんエメンタール達も試してみたけど、動かせなかったんだ。二人ともたいして気にしなかったけどな」
「つまり、僕が動かせたら、あれ、僕のになるの?」
「そうだ、100年以上前に来た調査団も、この洞窟から出すことが出来なくてな、動かせたらやるといわれてしまったよ。この梯子を上って中に入ってみろ。そして座席に座って両手でレバーを握る。それで動いたらお前のものだ」
この洞窟入り口は狭いけど、『ソレ』がおいてあるところはホールみたいな吹き抜けになっている。
この上のから吊り上げようとしても、ソレ自体が固定されていて起動しないと動かないそうだ。
にしても、うんともすんともいわないとかいうのから考えて、オリ紋章機か………いや、それとも漫画版かな?確か2つくらい別のもの正式名称不明みたいのがあったし。
まあいいや、今わかることでもないし。
「じゃあ、乗ってみるね」
僕はそう言って、設置されている梯子を上りコックピットに入る。
中は……座席が浮いている細長い箱ッといった感じだ。座席が浮いている球体の紋章機のコックピットとはデザインが違う。紋章機じゃないのかな?
あまり気にせず座席についた僕は、手汗をズボンで拭ってから、深呼吸して操縦レバーと思うそれを握った。
そして僕は、『ソレ』を起動させることに成功した。
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オリ主がうざいのは仕様です。