「光を感じます。
淡いながらも強く輝こうとする光を
素養はあるようですがそれだけで判断するのは早計。」
一体何だ?
女の声が聞こえる。
「はじめまして、今、貴方の心に直接語りかけています。」
心に?
「はい。私は破滅に向うこの世界を救える人達を探しています。」
俺の目の前には声の主と思われる女性が居た。
特徴その1 美人
特徴その2 オッドアイ(瞳の色が左右違う。)
特徴その3 巨乳 ←これ重要!!
「もしかしたら、貴方がその戦士であるかもしれません。
ですから、貴方が私の探している人物であるかどうか、これから少し見せて頂きたいのですがよろしいですか?」
「構いませんが、その前に貴方のパイオツを見せて貰えませんか?」
「・・・・えっ?」
「いえ、失礼しました。貴方のオッパイを見せて見せて貰えませんか?
後、出来れば触らせて下さい。それが本物かどうか確認したいので・・・。」
「・・・・・・残念ながら貴方は私の求める戦士では無いです。
このまま、永久に眠っていて下さい。」
「あ、ちょっと・・・・。」
第一話 目覚め
何処だここは?
見慣れないポッドの様な物の中で目覚め、外に出てみたは良いが相変わらず見慣れない風景だった。
俺の入っていたポッド?は砂浜に打ち上げられており、近くではウミネコの鳴く声が聞こえている。
俺はポッドの中にあった双剣を意味も無く振り回しながら、周囲を調べる事にした。
結果、何も分からなかった。
そもそも、俺は誰だ?何か変な夢を見た気がするが・・・・それ以前の記憶が無い。
このポッドに入った記憶も無いし、名前も思い出せない。
唯一分かる事は、この両手に持っている双剣が俺の物だと云う事だけだ。
さっきから、妙に手に馴染んでいる。きっと記憶を失う前の俺は双剣使いだっのだろう。
それはそうと、何時までもこんな所に居ても仕方ない。
とりあえず、俺は誰か人が居ないか探してみる為にその場を移動する事にした。
人を見つけること自体は簡単だった。
ポッドのあった場所から少し歩くと街道があった。
その街道を道なりに歩いて行くとキャラバンに遭遇した。
最初は怪しまれたが、事情を説明すると商人達が同情してくれたらしく
次の町まで一緒に行かないかと誘われたので同行させて貰った。
途中、何度かモンスターに遭遇した。
戦い方は体が覚えていたので何とかなった・・・・・訳でも無かった。
やられそうになった所を、他の護衛に助けて貰ったりしながら何とか戦っていたのが真実だった。
何度か戦っている内に、勘が戻ってきたのかどうかは知らないが
他の護衛達に迷惑を掛けない様にはなった。
その後、町までたどり着いた俺は商人達から金銭を受け取ると彼らと別れた。
一応護衛をしてくれたので、その報酬との事だった。
その後、俺は町をブラブラと歩き回っていた。
ポッドの中に独りと云う事態よりは、好転しているものの現状は不安だらけだ。
この町に着くまでの間に、商人や護衛達から色々な話を聞いたのだが
何一つとしてピンと来る話が無かった。
そんな、心の中でため息をつきつつ、町を散歩しながら人生という名の道に迷っている俺に声を掛けて来た人達が居た。
「その頬の印、もしかして守護勇士(ブレイブ・ガード)様では?」
「・・ブレイブ・ガード?」
なんじゃそりゃ?
「申し訳ありませんが、記憶が無いので私がブレイブ・ガードかどうかは判りません。
もし、宜しければ詳しい話を聞かせてくれませんか?」
「記憶が無い?」
「・・・そういえば、イリステレサ様が『私の守護勇士は記憶を失っている』と、以前話して居られた様な。」
「確かに。」
「やはり、本物だ。」
何だコイツら、コソコソと。
「申し訳ありませんが、私にも分かるように説明して貰えませんか?」
「失礼しました。貴方は本物の守護勇士です。巫女様が貴方を待っています。
我々と一緒に『大地の里』まで来て頂けませんか?事情は道中説明します。」
「・・・分かりました。」
自分の事についての手掛かりを掴んだ俺は、コイツ等を怪しいと思いながらも同行する事にした。
「つまり、貴方達の里(大地の里)に居る『大地の巫女』を守護するの役目を持っているのが
守護勇士(ブレイブ・ガード)と云う事ですか?」
「はい、そして貴方の頬にある印が守護勇士の証です。役目が迫った時に大地の巫女はポッドの中から目覚めます。
そして、守護勇士も巫女を守るべくポッドの中から一人目覚めるのです。」
「・・・確かに、ポッドから目覚めた。それで、私は大地の巫女とやらが役目を果たす手伝いをすれば良いのですか?」
「実は今回の大地の巫女の役目は既に果たしているのです。」
「果たした?」
「はい。その役目を果たした帰りに、貴方と離れ離れになって仕舞った様なのです。」
「帰り道でねぇ。それはついてない。」
「はい、里に戻ってきたイリステレサ様の落ち込み様は酷いものでした。」
イリステレサ様ってのは、大地の巫女の名前らしい。
話を聞いている内に、少しづつ違和感を覚えてきた。
何だ、この感じは?
そして、大地の里に到着した俺は碌な心構えも出来ないままに大地の巫女さんに会う事になった。
「イリステレサ様は、奥の広場にいらっしゃいます。早く会って、安心させてあげて下さい。」
里の案内を買って出てくれた若者に促されて、俺は重い足取りで巫女さんの居る広場に向った。
なんて話しかければ良いんだ?
久しぶり?
始めまして?
下らない事を考えても足は動く。
気付くと目の前の広場には、数名の子供達とこっちに背を向けて座っている女性が居た。
あの女性が巫女か。
さて、何と声を掛けたもんか。
イリステレサside
(インフィニトーは死に、私の巫女としての使命は生まれる前に解消された。
平和なはずの世界。なのに、私の心は・・・。)
子供達と相手をしつつ物思いに耽っていた私は、不意に背後に視線を感じて振り返った。
そこには困った表情を浮かべたあの人が立っていた。
私は咄嗟に立ち上がり、気付くとあの人の元へと駆け寄っていた。
モノポリス社に捕まった私を、自らの命を犠牲にして助け出してくれたあの人。私の守護勇士。
その後、インフィニトーとの戦いで私を守ってくれた守護勇士が新たに目覚めた守護勇士では無く
モノポリス社に捕まり人体実験をされ、記憶を無くしていた私の守護勇士だと気付き
私はあの人と共に生きて行こうと決心した。
でも、あの人はインフィニトーとの最終決戦の為に向った2000年前の過去に置き去りになってしまった。
もう会えない。
でも、もしかしたら会えるかも知れない。
そう思って、今日まで生きて来た。
感情が、涙が溢れる。
私はあの人に駆け寄ると、感情に任せて平手打ちをしてしまった。
主人公side
何て声を掛けたら良いか悩んでいた俺だったが
俺に気付くと巫女さんの方が先に行動を起した。
涙を流しながら俺に駆け寄ってくる巫女さん。
美人の巫女さんだ。そして、巨乳。
駆け寄ってくる巫女さんの、自己主張が激しい実った果実に目を奪われていると
バチーン!!
巫女さんは、俺に盛大な平手打ちを喰らわせて来た。
オッパイを凝視していたのがばれたのか?唖然とする俺に巫女さんは言葉を掛けてきた。
「私の気持ちが判りますか?世界が変わって、巫女の使命からも開放されて、なのにその喜びを分かち合える人が隣に居ないなんて。
酷いです、遅いじゃないですか。私にこんな寂しい思いをさせて、酷い人です。ずっと、ずっと待ちました。
でも、もう待つのは嫌です。約束して下さい。もう、私の隣から離れないと・・・愛しています。」
かなり、予想外だ。
その1 駆け寄る
その2 平手打ち
その3 抱き付いて来る
その4 プロポーズ
俺は若干混乱しつつ、抱き付いて来た巫女さんを抱きしめて
丁度、目の前にある巫女さんの髪の匂いを嗅ぎつつ、果実の感触を体で感じながら
これからの対応について考えた。
選択肢1 巫女さんの恋人の振りをして結婚する。都合の悪い事は記憶喪失で誤魔化す。
選択肢2 「俺の事は忘れろ」と、巫女さんを冷たく突き放して旅に出る。
選択肢3 巫女さんに、本当に俺が恋人で間違い無いか良く確認する。
選択肢4 クールな俺は、現状を打破する為の名案を思いつく。
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選択肢3で行くか。
選択肢1は論外だ、戻ってきた本物の恋人に刺し殺されるのがオチだ。
選択肢2も不味い。ヤンデレ化した巫女さんに刺し殺される気がする。
選択肢4は在り得ない。何故なら今の俺は巫女さんの所為で一部がホットになっているからな。
「すみません、私は記憶を無くしています。本当に貴方の恋人なんでしょうか?」
「えっ!?」
驚愕に染まる巫女さんの顔。
「そんな・・・。私の事が判らないのですか?」
「はい。人違いでは無いですか?」
「・・・胸。」
「胸?」
俺は巫女さんの『胸』と言う呟きに反応し、至近距離から巫女さんのオッパイを凝視した。
ナイス・オッパイ。
「貴方の胸にはキズがあったハズです。それが証拠になります。」
「胸にキズ?」
「ちょっと見せてください!!」
「なっ!!」
そう言うやいなや、巫女さんは俺の服を引っぺがし、胸元を露出させた。
そこにキズは、無かった。
「そんな・・。貴方は誰です!!」
「分かりません。ここの里の人達には『ブレイブ・ガード』だと言われましたが。」
「貴方は私の守護勇士(ブレイブ・ガード)ではありません!!」
「すみません。」
「返して!!私の涙と純情を返して!!」
バキッ!!
そして、巫女の右ストレートが顔面に炸裂するのと同時に俺は意識を手放した。