アイドル。
この単語を聞いてあなたはなんと思うだろうか?
可愛い・きれい・歌がうまい・おもしろい
様々なことを思うだろう。
そしてこの話はあるプロデューサーとアイドルを目指す少女たちの物語。
『ピピピピピッ!』
「ぁ~朝、か…」
朝、それは気だるいものである。
どっかの誰か鳥のさえずりが聞こえるだのなんだのとさわやかに言っていた気がするがいうがしんどいものはしんどい。
『ピピピ』
「うるせ~」
俺は体を布団の中で反転させ、体を起こしながら時計の電源を切る。
「あ~っと、今日はバイト…あぁ、クビになっちまったんだっけか」
俺は昨日のことを思い出し、顔を右手の手のひらで隠し、少し憂鬱に浸る。
バイトをするたびミスをし、そのツケが回ってきてしまいクビになる。
理由はありきたりだが、実際なってみると金銭的にも肉体的にもしんどくなってくるものだ。
「はぁ、今日もバイト探しかなぁ」
俺は外出するための準備をして、バイト探しへと街にくりだした。
「み、見つかんネェ…」
昼過ぎ、そろそろ一つは見つけたいところだったが中々見つからない。
街はビルが立ち並び、いかにも都会といった感じをかもし出しているが、俺にとってソレは「俺はお前より高いんだぜ」といわれているように感じて腹が立つ事もある。
まぁ、事実だから変えようは無いのだが…。
(そろそろ諦めて帰ろうかな)
俺は諦めて今日は家で大人しくしていようと思い、帰宅することにした。
その帰宅の途中、ふと上を見てみると小さなオフィスビルのガラスの窓に黄色いガムテープを貼った感じで小さく見栄を張っている場所を見つけた。
(へぇ、『765』か。結構凝ったやり方してんな。って此処何するところだ?)
もし何か仕事をくれるところならば是が非でも受けたいが…。
「どうしようか…」
俺はその場所で腕組をして、入るかどうか悩んでいたところ。
「君、どうしたんだい?」
「へっ?あ、あぁすいません」
突然中年の男性に声をかけられ、俺は少し驚いた。
ただその男性、俺の立ち位置からだと太陽の光のせいで顔が良く見えないのである。
「ふぅむ…」
そしてなぜか男性は俺の顔を見るなり何かを探るような目つき(表情は見えないが言動からそうだと判断した)で顎に手を当てて考え込んでいた。
(あ、あれ?俺なんか悪い事したかな…)
「あ、あの~」
さすがに俺も落ち度があったのかもしれないと思い、男性に謝ろうと声をかけようとしたところ
「君!私は君のその面構えを見てピーン!と来たよ!」
「……はいぃ?」
いや、そんな肩を掴みながら言われても話が読めませんよ。
そんな俺の心情など知らずに男性は話しを続けてきた。
「765プロには君のような存在が必要だ!…どうかね、この事務所でプロデューサーをしてみないかね?」
「い、いやいやいや、いきなり必要とかどうとか言われても急すぎますよ!もう少し詳しく説明してください!」
俺はさすがについて行けなくなってしまい、慌てて理由を説明してくれるよう頼んだ。
「あぁ、すまないね。私も少し熱くなりすぎたようだ。」
男性はやっと俺の肩から手を離して、咳払いをしたあと説明をしてくれた。
その理由を簡単に言うと
この男性が将来有望なトップアイドルの女の子たちを育てている765プロは人材不足であまり手が回らないらしく、様々なプロデューサーを探していたがあまり有名ではないこの事務所では人手を回してくれるほどの人はいなかったらしい。
そして事務所に帰ってきたところ、俺と出会い、勘的なもので俺が適任だと思ったらしく俺をスカウトしたらしい。
「まぁやるのはいいんですが、俺がプロデューサーとかでアイドルの子達は納得するんでしょうか…?」
「はっはっはっ、確かに最初は心配だろう。しかし彼女たちも根は良い子なんだよ?きっと会って見れば彼女たちも君を認めてくれると思うよ」
男性は豪快な笑いをしながらそう言った。
…なんだこの人、雰囲気がすっごく某パン工場のおじさんみたいに優しい感じがする。
「そ、そうですかねぇ」
さすがに俺も何度もバイトをクビなって来ているので、軽く弱腰になってきてしまったかもしれない。
現に足は軽く震えてるし、声も覇気が失せてきている。
「まぁとりあえず今日は見学、という形で見て決めてくれても構わないよ。我が765プロはいつでも君を待っているからね」
とりあえず、俺はこの提案に従い男性…いや社長についていくことにし、プロデューサーになれるのか自分で見い出したかったため、765プロへの入社の見学をすることにした。
そして俺は、彼女たちと出会う。
アイドルを目指し、日々努力する彼女たちと…。
(の の)あとがき
アニメを見てアイマスにはまってしまい、ついつい書いてしまった…。
ゲームやアニメとは違う感じになったりすると思いますが、がんばります!
あと、このごろPSPのアイマスのゲームがほしくなってきました。
真マジカワエエ。