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[293] 機動戦艦ナデシコ~願わくば・・・~
Name: MAD
Date: 2005/08/31 11:53
プロローグ


火星極寒遺跡


今ここに、対峙する二つの機動兵器がいた

一つは、搭乗者の左の義眼を想起させる程に真っ赤な機体
名は夜天光、搭乗者は北辰
男は影の中の影を生きる外道

もう一つは、宇宙の闇よりも黒く所々見せる赤はまるで返り血のよう
名はブラックサレナ、搭乗者はテンカワ・アキト、またの名を闇の王子
”The prince of darkness”
男は復讐人、外道の者に愛する者と五感と夢と幸せを奪われた復讐人

彼らの一つの戦いは終わりを迎えていた


火星極寒遺跡上空


「テメェラ、まっじめに戦いやがれ!!!」

そう言いつつも攻撃を続ける赤いエステバリスのパイロット、スバル・リョーコ。そして、

「戦ってる戦ってる!」

「真面目な戦い、討たせていただきます!」

そう答える二人のパイロット。アマノ・ヒカル、マキ・イズミ。それぞれ黄色と青色のエステバリスを操っている

バババババ!!

ドゴオオォォォ!!

一つの六蓮が落ちた
こちらの戦いもまた、終わりを迎えていた


火星極寒遺跡


未だに二つの機体は動かない。ただじっと上の戦闘が終わるのを待っていた
最後の六蓮が落ちた!それと同時にバーニアを吹かす二つの機体
二つの機体はあっという間に距離を縮めた

「もらったあぁぁー!!」

先に攻撃を仕掛けたのは北辰の駆る夜天光だ!その拳がブラックサレナの胸部に突き刺さる!
しかし、決定打にはならなかった・・・
ブラックサレナも拳を突き出す。狙いは夜天光のコックピット!その拳が夜天光のコックピットを捉えた!

「ぐふうぅ・・!?」

北辰の口から血が噴出す
その苦痛の声を聞いたアキトは、

「ハァ、ハァ、ハァ、勝った・・」

肩で息をしながらも純粋に勝利したことを喜んでいた。が、

「クックク・・見事・・だ・・・」

「何だ?まだ喋れたのか?」

「クク、冷た・い奴・・だ・・」

「当たり前だ、何故俺がお前に同情してやらねばならんのだ?この俺が!!?」

だんだん語気が荒くなる。それが分かっているのにアキトは感情のままに叫んだ

「お前に攫われて、ヤマサキに実験され五感を失い、夢を潰されたこの俺が!!!」

独白するアキト。アキトとリンクしていてアキトの気持ちが、想いが伝わるラピスには痛いほど理解できた
しかし北辰は

「クックック・・ふふ・ハハハ・・」

笑った・・・心底可笑しそうにただ笑った

「何が可笑しい!!?」

アキトがまた叫ぶ

「こ・・の勝負・に・・勝・者はい・・ない・・」

「なに!?なにを・・!?」

アキトは気づいた。北辰の言っていることの意味が・・・
しかし、気づくのが遅すぎた

「フフハハハ!も・う遅い・・わ・・あと・は・・時を・待つだ・け・・」

北辰はそう言って気絶した
北辰はアキトが叫んでるときにボソンジャンプの準備をしていたのだ
そのジャンプフィールドは北辰が気絶する少し前にアキトとブラックサレナを包んでしまった・・・北辰と夜天光と共に・・・

「くう、悪あがきを・・ユリカ、ルリちゃん、ラピス、ごめ・・」

アキトが言い切る前に夜天光とブラックサレナはジャンプした
その後、この世界で、ジャンプした真っ赤な機動兵器と黒い機動兵器を見たものはいない・・


あとがき

はじめまして、MADです
初心者なんでやや文章が変かもしれませんができれば読みきってもらいたいです
さて、この後の展開ですが、まあ分かる人には分かっちゃうでしょう
一応逆行なんで
ではまた会いましょう



[293] Re:機動戦艦ナデシコ~願わくば・・・~
Name: MAD
Date: 2005/08/31 11:54
第一話 過去へ


火星


ブウゥゥン
一人の青年がボソンの光の中から姿を現した
青年の名はテンカワ・アキト。ついさっきまで黒い機動兵器に乗り、夜天光を相手に死闘を繰り広げた男だが、どうやら気絶しているようだ

「ぐぅ、こ・こは・・?」

目を覚ましたアキトはまだ覚醒しきってない頭で何とか現状を理解しようとしている

「たしか、俺は、北辰のボソンジャンプで・・・生きているのか?俺は・・・また、生き永らえたのか・・大気の彼方此方にナノマシンが見られるということは、ここは火星か・・?」

今得られる情報でここが火星だということを把握したアキトは取り敢えずラピスにリンクで呼び出すことにした

「ラピス、ラピス・・?どういうことだ?ラピスが感じられない・・まさかリンクが切れたとでもいうのか!?何故?」

ラピスとリンクが繋がっていないことに虚無感を感じてしまうアキト。それもそのはず、アキトはラピスとリンクを繋ぐことによって五感を人並み程度まで感じることができるからだ。だから今のアキトはバイザーなしでは物を見ることができない状態なのだ。そして、アキトは気づいてしまった

「ハハ、何てこたない・・俺はすっかりラピスに依存してしまってたんだな・・ラピスが傍らにいることがさも当然だと思ってたのか・・ユリカァ、やっぱり俺は弱いよ。お前の望む王子様にはなれなかった・・そうだろう?俺の半分も生きてない女の子に頼りきってたんだ。それも、お前の知らない子に・・・」

つぅー、ポタッポタッ
独白するアキトの両の目から頬を流れる二筋の涙
だがアキトはそれに気づかない。既に触感が感じられないからだ
その後、一時間ほど立ちすくんでいた
そして、パイロットスーツを脱ぎ、やっとこさ自分のいる正確な場所を確認するため動き出した。(この時、コミュニケを持っていなかった)そして見つけたのが、

「!!?馬鹿な!何故ユートピアコロニーが!?あそこは蜥蜴戦争で壊滅したはずだろ!?」

そう、ユートピアコロニー。それは前回の戦争で壊滅したはずの彼の故郷。一度は失ったはずの故郷が目の前にあるのだ。驚かないほうがおかしい。そしてその戸惑いは確信へと変わる

「まさか、過去に来たというのか?ハハハハ、とんだお笑いだな。運命という奴も、皮肉なもんだ!」

突然アキトは笑い出し、その顔にバイザーをつけててもはっきりと分かるぐらいにその顔いっぱいに自虐的笑みを浮かべた
そして突如笑うのを止め、

「今の俺には意味が無いだろうが、変えてやるよ、未来を!!」

そう言ってまた高らかに笑い出した。意外と立ち直りの早い奴である
そして、

「取り敢えず、今が何時なのか、誰かに聞かなくてわな・・・」

しかし、言ってみたはいい物の、周りに誰も見当たらない。人っ子一人もだ。さすがに昼間っから誰もいないのを不審がるアキト。しかもそこら中に乗り捨てた自動車やら単車やらがある。おまけに店を開けたまま居なくなっている店の人・・・

「何かあったのか?まさか今蜥蜴に襲われている途中なのか?」

そう呟き確信するアキト。と、そこに一台の軍用ジープが、

「民間人の方ですか?だったら早く近くの地下シェルターへ・・」

アキトの姿を見ても何も思わないのか?アキトに注意を促す。その軍人にアキトが、

「何があった?何故町に一般人が誰も居ない?」

と、念のため確認してみる
するとその軍人は

「何を馬鹿なことを言っているんです!?今ここは危ないから、早く地下シェルターへ!避難勧告を聞いてなかったんですか!?」

そういう軍人に質問に答えてくれなかったが、アキトはしぶしぶ従った。が、六年間もユートピアコロニーに居なかったアキトにシェルターの位置なんか覚えてるはずも無く、仕方なくその軍人が連れて行ってくれた

「すまんな、なんせここに来たのがつい最近なもんで・・」

ジープの助手席に座りながら軍人に話しかけるアキト

「いえ、良いんですよ。それに人の趣味に口を出す気は無いんですが・・その格好だとあなたが怪しまれえそうなんでね、自分が口添えしておきます」

「・・・」

やっぱりどこへ行っても、アキトの格好は怪しかった・・・


あとがき

読み返してみると、他の人とは何か違う、
そう思うMADです。

さあ、アキトが過去へ戻ってきて本編スタートなわけですが、私MAD、早くも力尽きそうです。でも頑張ります。
アキトは結構ユリカが恋しいという感じでいくと思います。
へたくそな文章ですがこれからも暇つぶし程度に見てやって下さい。
それではまた



[293] Re[2]:機動戦艦ナデシコ~願わくば・・・~
Name: MAD
Date: 2005/08/31 11:54
第二話 二人のアキト?


地下シェルター入り口


「はい、はい、それではお願いします。許可は取りましたんで、入っていいですよ。では、自分はこれで!」

そういって、ジープで走り去る軍人。ところで許可って何の許可だろう?
そしてアキトは、

「あそこまでやってくれたんだ・・・行かない訳にはいかんよなあ・」

そう言って地下へと入り、地上と地下とを繋ぐ通路を閉じた


地下シェルター


ぐうぅぅぅ~
栗色の髪をしたかわいらしい子が、これまたかわいらしくお腹を鳴らせた。

「アイ、すぐにまた家へ帰れるからもう少し我慢してね・・」

そう言ったのは二十代半ばの美しい女性だ。どうやらこの子の母親らしい
だがアイと呼ばれた子は

「でも、お腹減ったよう・・ママ、なにか無いのぉ・・」

駄々をこねる
アイが駄々をこねているとき

ズズゥゥゥン

といって、地下シェルターが揺れた


地下シェルター隔壁ドア前


「地上班、地上班、応答してくれ!地上班!?」

地下シェルターが揺れ、何があったのかを地上の部隊に聞こうとする軍人。だが、地上の部隊が応答しないことに途惑いだす

「もう駄目なんじゃねえの~。地下がこの有様なんだ、もうどうし様もねえっしょ。違うか?若造」

と、やや酔い気味の老人が軍人に言う。そしてお酒の栓を開けその喉にお酒を走らせる。そのお酒を飲み終わるのと同時に

「お~い、ここ、開けてくれないか?一応許可は取ってるんだが・・」

アキトの声だ。その声に軍人が反応する

「あ、はい。連絡は着ております。地上の者からは真っ黒な方と連絡が入っておりますが・・」

「真っ黒って・・まあ、否定はできんが・・」

そう呟くアキト。そして、

「そうだ、だから早い所開けてくれないか?」

アキトがそう言うと、隔壁が少しずつ開く。そして開ききる前にアキトはシェルターへ入った


地下シェルター


「はい、これをあげる」

そう言ってさっきの栗色の髪の子、アイにみかんを渡したのは、過去のアキトである(面倒なんで、少しの間、未来アキトが黒アキト、過去アキトがそのままアキトとします)

「お兄ちゃん、ありがとう。わたしね、アイっていうの」

「そっか、君の名前、アイっていうんだ。よろしくね、アイちゃん」

その光景を見ていた一人の男がいた

「なっ!?アイちゃん!?しかもあれは昔の俺!?ということはここはあの時と同じシェルターだっていうのか!?」

そう、黒アキトである。彼の周りの人々はそう叫ぶ黒アキトに冷たい視線を向ける
彼がそのまま見ているとアキトが驚き慌て、それを聞いたアイの母親がくすくすと笑っている。どうやらあの台詞を言われたようだ
そのとき、
シェルターの天井の隙間からから一機の黄色い無人兵器が、後にバッタと名づけられる兵器が降りてきた

「うわあぁぁー!!!」

「イヤァァァー!!!」

叫び逃げ惑う一般人たち、それを守るためにバッタに向かって銃を乱射する軍人たち。どうやら新兵のようだ

「民間人を守れー!!」

そう言って銃を撃つが一向に止まる気配がない
そんな軍人を見かねてアキトが、

「俺が奴を止めます!その隙に・・」

そう言ってジープに乗ろうとする。そこに、

ガァン、ガァン、ガァンン!!

三発の銃声、そして動きを止めるバッタ

「え?」

アキトが間抜けな声を上げながら後ろを振り向く。そこに居たのは硝煙を銃口から出している銃を持つ真っ黒のマントを全身に羽織、顔にはこれもまた黒いバイザーをつけている怪しい男(アキト談)こと、黒アキトが居た


あとがき

ここまで話を作るだけで頭が痛くなる、
そんなMADです

黒アキトがやっちゃいました(笑)
アキトの活躍するシーンを奪っちゃいましたね
次もできるだけ早く更新するつもりでいますので見放さないで下さい
でもやっぱり変な文章・・・
では、次回も会いましょう



[293] Re[3]:機動戦艦ナデシコ~願わくば・・・~
Name: MAD
Date: 2005/09/01 12:00
第三話 火星のシェルターにさようなら


地下シェルター


「そこの老人!隔壁を開くな!逃げるなら向こうの通路から逃げろ!」

そう言って潰れたバッタの向こう側の通路を指差す黒アキト。言われて隔壁を開けようとした酔っ払った老人と軍人の動きが止まる。が、すぐに反論しだした

「馬鹿言ってんじゃねぇ!その機械はそっち側から落ちてきたんだぞ!?わし等に死ねってーのかい?」

そう言ってまた開けようとする。他の人も同じ気持ちなのだろう。黒アキトを非難の目で睨む
そのとき、隔壁が爆発した
隔壁の向こう側にいたバッタどもがミサイルを撃ったのだ
隔壁の近くに居た人たちは爆風で吹き飛び、多くの人間が隔壁の破片などが体に突き刺さり、潰され、本当に元人間か疑うほどにぐちゃぐちゃになっている者も居た
まさに惨劇と呼ぶに相応しい光景・・

「だから言ったのに・・馬鹿どもが!」

そう言葉を吐き、隔壁に限りなく近かったものたちの死体を見て罵倒する。そして黒アキトは動き出す。前回救えなかった親子を救うために
その頃アキトは、

「何でだよ・・なんで、こんなことに・・」

そう呟いてアイ親子に近寄る。アイの母親は爆風で吹き飛んだ際に頭を強く打ったのか気絶している。アイも母親の腕の中で気絶している。しかし今のアキトにそれを確認できるほどの冷静さが無い。

「う、ああぁ、ああううぅ・・・」

生き残った人も今は黒アキトの言うとおりに逃げている。だが、アキトは動かない。ひたすら嘆いていた。確かに恐怖は感じる。が、それ以上に目の前の親子を救えなかった事に苛立ちともいえ、悲しみともいえ、無力感ともいえる不思議な感覚に体を支配されていた
そこに、

「邪魔だ、どけ!」

黒アキトがやってきた
そして、過去の自分を突き飛ばし、

「まだ生きている。そこのお前、さっさと逃げるぞ!」

アイ親子の生死を確認し、抱え、アキトに言う。それを聞いたアキトは安堵したがその時今まで見えてなかった周りの状況を見て再び、

「うわあああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああ!!!!!」

見てしまった、自分の周りに在る死体と迫りつつある大量の、
バッタバッタバッタバッタバッタ無人兵器バッタバッタバッタバッタバッタ無人兵器無人兵器バッタバッタ無人兵器バッタ無人兵器バッタバッタバッタバッタバッタバッタバッタバッタバッタバッタバッタバッタ無人兵器無人兵器無人兵器無人兵器無人兵器無人兵器バッタバッタバッタバッタバッタバッタバッタバッタバッタ無人兵器無人兵器バッタ無人兵器無人兵器無人兵器無人兵器無人兵器無人兵器無人兵器無人兵器無人兵器無人兵器無人兵器無人兵器無人兵器無人兵器無人兵器バッタバッタバッタバッタ死体無人兵器バッタバッタバッタバッタバッタバッタバッタ無人兵器死体無人兵器無人兵器無人兵器死体バッタバッタバッタバッタバッタバッタバッタバッタバッタバッタバッタバッタバッタ・・・・・・・・・・黄色い悪魔・・・・・・・・・・

「うあああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああああああああうううぅああ・・・ぁああぁぁ・・」

叫びと同時に広がるジャンプフィールド。それは黒アキトたちも包んでいく。もう止まらない

「ランダムジャンプ!?くそ、今度はどこへ・・・」

死体とバッタたちが見守る中、彼ら四人はボソンジャンプした
どこへ行くかも分からない、ランダムジャンプで・・・


あとがき

明日から学校、宿題も終わってない・・・
そんなMADは高校生です

自分なりに精一杯書かせて貰ってますが、脱字、誤字などがありましたら申してください。できる限り早く書き直します。
さて、分かりにくくてつまらん文章でしょうが、頑張りますので。
では、また今度お会いしましょう



[293] Re[4]:機動戦艦ナデシコ~願わくば・・・~
Name: MAD
Date: 2005/09/01 12:03
第四話 目覚めれば・・・


サセボシティ


「さっさと帰って、夜の仕込をすっかあ!」

買い物袋を両手にぶら下げている男が川沿いの土手を歩いていた
男の名はユキタニ・サイゾウ。雪谷食堂の店主である。彼の店は意外と有名で、美味しいと評判である。その彼がふと見下ろすと、草むらに二人の男女が

「なんでえ、こんな時間帯にこんなとこで寝込むとは・・・
 中々度胸があるじゃねえか」

と、顔を赤くしながら言うのだった
少なくともこのおっさんの考えてる様な事態には陥っては居ないが・・


???


真っ暗な室内・・そこで寝ている男が居た
どういう訳か、両手両足には拘束具が付けられている
自動ドアが開き、何者かが入ってくる

「本当にいいんですか?この----治しちゃって」

「無論、この男には----の最後に更なる絶望を味わって貰いたくてな。
 それに、治すといっても寿命が在る程度回復するだけなのであろう?」

軽い口調の男と、どこか古めかしい口調の男たちの会話。しかし男は何の反応も見せない・・・どうやら寝ている様だ

「後、五感が若干直りますね。それこそ----と----しているぐらいに」

「そうか、別に如何でもいいがな・・」

「アハハ、随分冷たいですね?こんな僕でも少しぐらい感謝しているのに。なんせ、これの----があればまた----ができちゃうもんですから。
----さんも感謝ぐらいしたほうがいいですよ?」

「くく、感謝ぐらいならしておる。----がこうしてここに居てくれたおかげで我の計画が予想以上に早くなっているからな・・。それに感謝しているからこそ、貴様に----の治療と、----を頼んだのだ。そうでなければ、何も----の----を使わずに直接----させるしな」

そう言う古めかしい男に軽い男は同意しつつ機械や注射器をいじる。古めかしい男はその行為を見ても何も言わず、部屋を出て行く
一人になった軽い男は、

「まったく、彼にも困ったもんだよ・・。自分の----の為にこんな計画を考えるんだから・・。ま、僕はそれなりに楽しめるから良いけど・・君も、そう思わないかい?」

と、軽い男は寝ている男に語りかける

「ねえ、テンカワ君」

寝ている男は、黒アキトだった・・・


雪谷食堂


今ここに二人の男と一人の女が居る
この店の店主ユキタニ・サイゾウと、テンカワ・アキトと、アイの母親ことミアン・フォードである
どうやらあの後サイゾウに拾われたらしい

「さあ、食え食え!遠慮なんていらねーぞ!後で払ってもらうからな」

「すいません・・」

「・・・」

そう言い、出されたラーメンを食べるアキト
しかし、ミアンは一向に手を付けない。それに心なしか、顔色が悪い
それを見たアキトが

「すいません、何度も聞きますが、本当に他にだれもいなかったんですか?」

「ああ、あんたらの言う七歳くらいの女の子と、真っ黒な服装の怪しい男なんて居やしなかったぞ」

ミアンの顔色が悪い理由はアイが居ないからである。そしてそれを聞いて益々顔色を悪くし、元気を無くす
そして、

「やっぱりあの男が無理矢理アイを連れて行ったんだわ・・・
変態、ロリコン野郎!」

と呟く。もう既に涙は流し切っていた・・
それを聞いたアキトもサイゾウも、気休めも掛けずにただ黙る・・
ミアンのラーメンはすっかり伸びていた・・


あとがき

また更新しちゃいました(笑)
もう余裕のないMADです(宿題)

さて、どういうわけか、黒アキトにアイ誘拐疑惑&ロリコン疑惑が・・
黒アキトも可哀想な奴です 
この後の展開は作者である私の考えで行きますんで益々不可解な点が増えるかも知れませんが、頑張ります
では、いつか又会いましょう



[293] Re[5]:機動戦艦ナデシコ~願わくば・・・~
Name: MAD
Date: 2005/09/01 17:00
第五話 変化


サセボシティ郊外


リリー、リリー
虫の鳴く声のする此処は人気のない夜の公園。その公園の草むらで一人の男が寝ていた・・・男は肩口位まで伸びた赤みがかった黒髪に、顔半分を黒いバイザーみたいな物で覆い、全身に黒い服とかなり変わった服装が特徴的だった。
目を開く・・・バイザーで分かりにくいが瞳は金色のようだ
上半身を持ち上げ辺りを見回す・・・周りにあるのは、風で独りでに揺れるブランコと年季の入っている滑り台など公園に在る一般的な遊具ばかりが彼の目に入る
立ち上がって見てみる・・・視界が広がった。公園の入り口近くのトイレや周りの住宅街がはっきり見える。どこの家も真っ暗、かなり遅い時間帯のようだ・・・そして、星を見上げ・・・

「?此処はどこだ?」

男・・・いや、黒アキトの第一声。しばらくボーっとして、自分の身の異変に気付く

「・・?髪が伸びた?それに、少し赤い・・・!!
何故色が分かる!?まさか・・」

そう言ってバイザーを外す黒アキト

「!!・・・少しだけ、見える・・そうだ、他の部分は!?」

そう言って手で音を鳴らす。前よりは聞こえる
抓ってみる。はっきりと痛みを感じる
自分の靴の匂いを嗅ぐ。若干嫌な臭いを感じる
素直に喜ぶ黒アキト。そして、手近の草を引き千切り、口の中に放り込む。が、突然暗くなる

「味覚だけは、未だに感じないか・・・」

そう、味覚だけは分からなかったのだ。他の感覚がある程度感じるのは喜ばしいこと。だが、コックを目指していた彼にとって味覚を味覚だけを感じないことはとてもショックだった

「フフフ・・・未練、だな・・・クク、アハハハハハー!!」

不気味に笑い、呟く。そして狂ったように笑い出す黒アキト
彼の心の内は、今や彼にしか分からない・・・


雪谷食堂


「いらっしゃいませー!何にしましょうか?」

「え?ああ、じゃあ天津飯で」

アキトに言われ、初めて見る顔に客は戸惑いつつも答える。メニューを見ずに言うあたり、どうやら常連客のようだ

「はい、天津飯ですね?サイゾウさーん!!天津飯一つっす!!」

そう言ってアキトはカウンターへ行き、別の客のラーメンセットをお盆に載せ運ぶ。昼時なので客も多く、とてもしんどそうだ

「塩ラーメンと鳥の唐揚げの二点で八百十円です。ありがとうございました・・」

そしてミアンはできる限りの愛想と笑顔で勘定をしていた
何故こんなことになっているかというと、二人共お金を全くと言っていいほどにお金を持っていなかったので、昨日のラーメンの代金を払えなかったのだ。それに職もないし、住む家もない・・・そこでサイゾウの食堂で住み込みで働くことになったという訳だ
ちなみに、アイの事を警察に言ったところ、話を信じてもらえず、(音信不通の火星からどうやって地球に来たとかそこら辺の話)取り合ってくれないので、サイゾウの店に張り紙を貼らせてもらっている
昼のピークも終わり、サイゾウが静かな店内で昼飯のチャーハンをアキトたちと食べていると唐突に

「そういやお前ら、住民票とかは如何すんだ?」

それを聞き、アキトもミアンも蓮華を止めた


町外れ


その頃、黒アキトは町から外れた人気の無い道を歩いてた。服装はいつも道理のバイザーにマントだ。ちなみに彼はもう戸籍も創り、クリムゾンから大量の金を横領した。それを可能にしたのは黒アキトに宿ったオペレート能力である。何故その能力が身に付いたり、瞳が金色になったり、髪の色が若干変わったりとかは分からないが、取り敢えず黒アキトはランダムジャンプの影響と言うことにして自分に納得させている。視力などの味覚を除く感覚の回復もそういう事にしている
さて、この話は置いといて、何故黒アキト(戸籍上の名前はハヤカワ・アキラ)がこんなところを歩いているかと言うと、過去(未来)にラピスが北辰に攫われる前に居たネルガル系列の非公式の遺伝子研究所が在るからである。当然アキラの目的はこの時代のラピスと生き残りのマシンチャイルドの救出である。
突然アキラが気配を消し身を隠した。アキラの前方にあるのは研究所の入り口と思われる門と二人の警備員。どうやら未だ気付かれていないようだ。
アキラが銃を取る。そして身を翻し、警備員の前に出て一人に向かって発砲。警備員の一人の頭に着弾し頭が吹き飛ぶ。

「うわああ!!」

突然隣に居た同僚の頭が吹き飛んだことに状況が判断できなくなっていた。その警備員が冷静さを取り戻しアキラに反撃する前に、アキラは二十メートル位の距離を全速力で駆け、あっという間に警備員の目の前に迫る。そして、その警備員の鳩尾にアキラは手加減無しで正拳を放つ。五メートルほど吹き飛び、気絶する警備員。アキラは止めと言わんばかりにその警備員の喉をナイフで切り裂く。

「本当の惨劇はこれからだ・・・」

最後にそう呟き研究所の敷地内に侵入するアキラ。その顔は何気なく楽しそうであった


あとがき

学校の片道で一時間半掛かる
そういうMADは始業式早々大遅刻(爆)

しんどいです。文章考えるのは・・・
後、アキラの性格ちょっと危ない気もしますが、気にしないで下さい。
そういう訳で、また今度



[293] Re[6]:機動戦艦ナデシコ~願わくば・・・~
Name: MAD
Date: 2005/10/23 19:22
第六話 大切な子


ネルガル非公式研究所


パラララララ・・・

ダン、ダン、ダン

研究所の廊下で多対一の銃撃戦が開かれていた。それでも”多”の方の人数も僅か数分で二十名ぐらいの警備員が既に二人しか居ないが・・・

タン、タン・・・カチ、カチ

「ちぃ、弾ぎ・・・」

弾が切れ、拳銃の撃鉄だけが虚しく響く

ガァン

一発の銃声、それとほぼ同時に吹き飛ぶ同僚の顔。警備員の男は弾を装填するのも忘れ、その光景を見て恐怖した

「ヒイイイィィィィィ!!!」

まだ弾を込めていない。黒尽くめの男の足音がはっきりと聞こえる。近づいてくる。

「なんで、如何して俺が・・・?い、嫌・・だ・・・死にたくない・・死にたくない・・・死にたくない!!」

「・・・如何してお前が俺に殺されるか、教えてやろうか?」

そうアキラに言われると同時に発砲音。視界が暗転し、意識が無くなる警備員。心臓を撃ち抜かれたのだった

「お前が俺に殺される理由。それは、お前がここに居て、俺と出逢ったからだ・・・」

そう言いながら銃に弾を装填するアキラ。そして硝煙と血の臭いのする廊下を進む


地下二階


シュン

自動ドアが開く。室内に居た研究員が反応し近寄る

「君は誰だ!?此処は一般者立ち入り禁止だぞ!ったく、警備員は一体何を・・・」

「警備員は全員処分した・・・後はお前ら研究員だけだ」

そう言い、近づいた研究員のナイフで心臓を一突き。研究員はすぐに絶命した

「け、警報装置だ!早く、警報装置を!!」

言われて警報装置を鳴らすほかの研究員。だが、警報装置は作動しなかった・・・

「無駄だ。既にメインコンピュータは外部とのネットワークを遮断している。それに加え、警報装置の機能の完全停止。緊急脱出経路と出口のシャッターによって物理的に脱出を不可能にさせて貰った」

「な、ならば、貴様を殺して連絡員を待つだけだ!
我々はいつも定期的に連絡を送っているのだ!連絡が来なければ我々の雇い主も異変に気・・・」

研究員の男が銃を翳しながら言う。が、言い切る前に、アキラは銃を抜いた。そして生き残った七人の内、何かと五月蝿い研究員の男以外の六人の頭をちょうど六発で打ち抜いた

「ああ、うわあああぁぁぁ!!た、助け、助けて・・・」

身の危険を感じたのか、いきなり命乞いし出す研究員
そして、

「遠慮させてもらう。俺はお前らの様な研究者が嫌いなんでね・・・」

そう言って研究員の首の骨を折った

「ここには居ないか・・・次の部屋へ行くか」


別の部屋


「何だね、君は!」

注射器を片手に怒鳴る研究員

「まったく・・・部屋に入る度にいちいち怒鳴られるのはかなり癪だよ。ん・・・?あれは・・・」

手術台の上に寝かされている女の子を見て顔の表情を変えるアキラ。そして、

「おい、お前。その子に何をしようとした?」

そう言って研究者を睨みつける。
しかし、その研究者は度胸があるのか、図太いのか、それとも大物なのか、怯まずに言う

「ん?ああ、これのことか?今からこの新型ナノマシンをどこまで耐えれるかの実験をしようかと・・・」

「そうか・・・」

そう呟くと研究者を気絶しない程度に殴りつけた
そして、

「痛いか?」

そう研究者に聞いた。当然研究者は

「な・・何を言っている!痛いに決まってるだろうが・・・!」

「ああ、そうだろうな。痛いだろうな。その痛みの何倍も、この子は味わってきたはずだが・・・なんとも思わなかったのか?」

「は?何を言っている?そんなの関係ないだろう?これは、私の所有物だろうが。
何故君にそんなこ・・・とを・・・」

研究者の口調が変わる。アキラが急に殺気を放ったのだ。脅える研究者。その様を見て笑うアキラ

「どうした?恐いのか?この俺が、恐いんだろう?
ところで、この新型のナノマシン、人体に影響は無いのか?」

研究者に尋ねるアキラ
そして研究者は

「え?あ。は、はい!勿論です」

「ほう?そうか?なら、貴様で確かめてみようか・・・」

「な、ち、違うんだ!それは、それは・・・」

「人体に影響は無いんだろ?なら何も恐がること無いじゃないか・・・もしかすると、注射が恐いのか?くくくくく・・・」

研究者を馬鹿にして笑いながら無針注射器を逃げようともがく研究者に打つ

「ぎいやあぁぁぁぁぁーーーーーーー!!!!!」

絶叫を上げ、ごろごろ転がり苦しむ研究員。そして止まったかと思うと何回か痙攣した後、絶命した

「どれだけ、未知のナノマシンを打たれるのが恐ろしいか・・・少しでも分かったか?」

そう言った後、女の子に近づくアキラ。
女の子の特徴は、銀色の髪に真っ白な肌。恐らくは、マシンチャイルドだ。しかし、よく見ると結構体は大きい。きっとホシノ・ルリよりも年上であろう
アキラはその子の前まで来ると、突然マントに手を突っ込んだ。そこからにゅ~と、バスタオルを取り出す。そのバスタオルを掛けてやろうとすると、女の子が不意に目を覚ました

「また実験?」

目覚めて早々に、そう言い出す女の子。瞳はやはり金色をしていた

「・・・」

フワリ

アキラは何も言わずにバスタオルを掛けてやる。

「何の実験をするの?」

「・・・」

彼女の問いに答えないアキラ。ただじっと彼女を見ている

「如何して何も言わないの?」

「君が実験のことを言うから・・・」

そう答えるアキラ。その返答に女の子は

「如何して?如何して実験の事を行ったら黙るの?」

「君には、もう関係の無い言葉だから・・・」

優しく女の子に言うアキラ

「もう実験しなくていいの?
もう痛い想いしないでいいの?」

「ああ、君はもう自由だ」

そうアキラが言うと女の子は泣き出した。今までの思いを、吐き出すように・・・


また別の部屋


アキラが入るとそこにはもう研究者は居なかった。どうやらさっきの部屋で終わりのようだ
部屋の中を歩くアキラ。いろいろな機器があるのでまっすぐ進めない。そして一番奥に着いた

「ラピス・・・」

ラピスと呼ばれた女の子はカプセルの中でぷかぷかと浮きながらねていた。見た目は小さいが、彼女は確かに未来でラピスと呼ばれた子であった
彼はとうとう、前の世界で唯一戦友と呼べる自分の半身であった子を見つけた


あとがき

明日テストがあります。寝たいけど寝られない。
不眠の戦士MADです

オリジナルのマシンチャイルドが出てきました。
しかもルリより年上・・・
設定を無視しまくってますがそこは如何か、勘弁して下さい。一応考えあっての出演なんで
さて、とてもしんどいですが、頑張りますので見てやってください
では、またお会いしましょう



[293] Re[7]:機動戦艦ナデシコ~願わくば・・・~
Name: MAD
Date: 2005/09/03 17:58
第七話 ネルガル会長


ホテルの一室


シャアアァァ

アキラがシャワーを浴びている

「もう匂わないか?」

アキラの鼻は余り機能しないのでよく分からない。だから十分に血の匂いを落としていることに気づいていない
アキラが再び体を洗っていると、何かが動く気配を感じた。それを感じると、体を洗うのを切り上げ、シャワーで泡を落とす。泡を流し落としてタオルで体を拭き、着替えてシャワールームを出るアキラ
出てきたアキラを待っていたのは目を覚ました薄桃色の髪の女の子。それを確認するとアキラは微笑んだ

「ここはどこ?あなたはダレ?アタラシイケンキュウイン?」

薄桃色の髪の女の子がアキラに尋ねる。それを聞いたアキラは

「此処は研究所の外にあるホテルだ
俺はハヤカワ・アキラ、君を研究所から連れ出した男だ
最後に、俺は研究員などではない・・・」

できるだけ、無感動に答えるアキラ

「・・・ちがうとこでジッケンスルノ?」

少し考えて再度質問する薄桃色の女の子

「実験をするつもりは無い。俺は一時的に君を保護しているだけだ・・・(君たちの自由を尊重したいからな・・・俺がそれを俺の我侭で縛るわけにはいくまい・・・)」

そう答えるアキラだが内心では、百八十度違うことを考えていた

「じゃあ、もうジッケンしなくていいの?」

頷くアキラ。それを見た薄桃色の髪の女の子は、その金色の瞳から涙を流してた。そして手に付いた涙を不思議そうに眺める

(良かった。未だこの頃のラピスの感情は大丈夫だな。手遅れじゃなかった・・・)

薄桃色の髪の子の感情がまだあって表情には出さないが嬉しそうなアキラ


ネルガル重工本社会長室


「いやいや、まいったね~。いや、ホント」

口調からは困ったようには思えないが、実際彼、元大関スケコマシことネルガル会長、アカツキ・ナガレは困っていた

「なにが”まいったね~。”よ!?実際問題大困りよ!?それが分かってんの、アンタ!?ふざけるんじゃないわよ!!」

アカツキの口調に苛立ちを隠せない会長秘書のエリナ・キンジョウ・ウォンがアカツキを怒鳴りつける

「ア、アンタって・・・仮にも上司のぼ・・・」

「五月蝿いわね!だったら偶には会長らしく仕事をしなさいよ!!」

そう言ってエリナは今までアカツキが溜め込んでた仕事の書類を会長のデスクに載せた

「こ、こんなにもかい?あ、そうそうそれよりもこの件、どうしようか?」

「話を逸らさないで、と言いたいけど・・・確かにこれは早いとこ解決した方が良さそうね」

そう言いながらアカツキのプライベート用メールを覗き込むように見るエリナ

「しかも、会談まであと少ししかないじゃない。何考えてるのよ、この男は!」

「分からないよ。それよりエリナ君、時間、取ってくれたかい?」

「当たり前じゃない。もしこれが明るみに出たら、あんたどころかネルガルまで大変なことになるわ!」

そう言い合うネルガル上層部の二人の会話。彼らが問題視しているメールにはそれほどのことが書かれていた
二人が思案しているその時

「会長、面会者がいらっしゃいましたが・・・いかがいたしましょう?」

来たな、心の中でそう呟くアカツキであった・・・


あとがき

先に送った中途半端な文章は手違いで更新したものです。すいませんでした・・・

さて、私MAD、最近感想が増えてきたので嬉しく思います。あと意見等を言ってくれたことに関しても感謝です
まだナデシコが発進しておりませんね。自分も展開が遅いと思うのですが、まだまだ未熟者なのでそこんとこ、ご了承ください
ではでは、またいつか更新しますのでその時会いましょう



[293] Re[8]:機動戦艦ナデシコ~願わくば・・・~
Name: MAD
Date: 2005/09/03 17:59
第八話 取引


ネルガル重工本社会長室


「・・・君の名前は?」

アカツキが会長室に通された黒ずくめの男に尋ねる

「ハヤカワ・アキラだ。ネルガル会長アカツキ・ナガレ」

「へぇ、僕のこと、知ってんだ?じゃ、自己紹介はいらないね・・・
で、ハヤカワ君だっけ?君は僕らに何を望むんだい?」

アカツキの声は普段道理軽い口調だが、相手に気圧されない様にしていた
そんなアカツキにアキラは

「そうだな・・・ネルガルが俺に協力するのと、さっき送った研究所のマシンチャイルドの保護だ」

「ちょ、ちょっと!ふざけないでよ!アンタみたいな奴に如何してネルガルが協力しなくちゃならないのよ!!」

アキラの言葉を聞いてヒステリック気味に叫ぶエリナ

「黙れ、女!」

低い声で威圧するようにエリナに言うアキラ。さすがのエリナもアキラの雰囲気に黙り込む

「エリナ君、ちょっと黙っててくれないか・・・
ところで、君へのネルガルへの協力って例えばどういう事をすればいいんだい?」

「!?会長!!」

アカツキに言われ益々気迫を失うエリナだったがアカツキの言葉を聴き、また突っかかりだした。それもその筈、アカツキの言葉は”君への協力は惜しまない”と言っているのと同じだ。そう言ったアカツキに突っかかるのは会長秘書の性だろう
しかしアカツキはエリナのそれを流すと、アキラに話をさせるべく黙らせた

「そうだな、まずは俺の専用の機体を作ってもらう。それと、俺をネルガルで開発中の新造戦艦ND-001に乗せてもらおうか・・・」

さらっと言うアキラ。それを聞いたエリナがまた何かを言おうとするがアカツキが先に口を開いた

「なぜND-001を知っているか聞きたいけど、僕でも知らない非公式の研究所を知っていたんだ。調べるなんて造作も無い事だろ?」

そういうアカツキに沈黙で答えるアキラ

「沈黙は肯定と取らせてもらうよ・・・
それで、君にうちが協力することで何のメリットがあるんだい?何のメリットもなしに研究所の情報をちらすだけで僕が、企業人が動くとは思ってないよね?」

それを聞いたアキラは

「もちろんだ、非公式の研究所などこの世から消してしまえばいくらでも言い訳が付く。
だから俺はある情報を持ってきた。お前にとって今、一番欲しい情報だと思うが・・・」

それを聞いたアカツキは考えた

(僕が今一番欲しい情報?何なんだ?
ボソンジャンプ・・・は無いよな流石に。なんたって今、地球上で一番研究が進んでるのがうちなんだから
木連の情勢?しかしそんなの聞いても僕には余り関係ないし。戦争が続けば儲かるといってもボソンジャンプを独占しての移動手段を立ち上げる方がいいもんね。じゃあ、一体なんだってんだ?僕が今一番欲しい情報って?)

考えて考えて、結局はアキラに答えを聞くアカツキ

「一体何なんだい?僕が今一番欲しい情報ってのは?」

「ネルガルの社長と社長派の人間のこれまでの悪行を詰めたデータだ・・・お前とて、ネルガルを統一できなかったら好き勝手できないだろう?」

それを聞いたアカツキは

「それは本当かい!?
・・・如何してそんな情報を・・・?」

「企業秘密だ。
それで、俺の話を受けるのか?受けないのか?」

アカツキは思う。おいしい話だと。ただその話を持ちかけて来たのが目の前の真っ黒な男だと言うのがアカツキを不安にさせるのだが

「・・・ふぅ、分かったよ。受けるよ。それでいいんだろう?
それで、データを・・・」

「ちょ、会長!?いくら社長派を一掃できるからと言って、こんな話・・・」

アカツキは素直に受けようと思うが、エリナは快く受けようとは思わない。何故なら彼女はアカツキにストレスで連続でミスをしてもらい、その後アカツキの失脚、そしてゆくゆくは自分が会長にと思っていたのだ。それなのにストレスの原因である社長派を一掃、というか大人しくさせるのが嫌だったのだ

「エリナ君・・・此処は素直にこの話を受けることだ。きっと彼は念のために僕らのことも調べているはず・・・」

そういう少し暗いアカツキの言葉を聴きながらアキラを除き見るエリナ。その視線に気づいたか、アキラはエリナを馬鹿にするように笑っている。エリナは、逆らわないほうがいいと、少し思った

「そうそう、ところでもう一つの君のお願い、マシンチャイルドの保護だっけ?今すぐそこにうちのシークレットサービスを向かわせるよ。」

急にパッと明るくなったアカツキがアキラに言うちなみにエリナはまだ沈んでいる・・・
しかし、そんなアカツキにアキラは

「それには及ばん。もう既に昨日の夜遅くに研究所を襲撃、そしてマシンチャイルドの救出をしている。」

「えっ!?じゃあ、如何して保護しろって言うんだい?もう君が助け出したんだろ?」

何を言ってるんだろうと思うアカツキ。だがアキラの次の言葉を聴いてそんな考えが一瞬にぶっ飛んでしまった

「いや、そうなんだが・・・
俺が救出したマシンチャイルドは二人。そして二人とも女の子だ。しかも一人は年頃の女の子でな・・・そんな子を俺の手元に居させておくにはいかんし、何より彼女らは一般常識を知らなくてな。ネルガルに教育でも頼もうかと・・・」

そこまで言ったアキラを待っていたのはアカツキとエリナの笑い声であった。此処まで図太いのは流石はナデシコクルーになる者だと思える
そして笑いながらアカツキは

「クッククク・・・じゃあ何かい?君はその子らの為に?クククク、ハハハハハハハハ!!」

「何が可笑しい?」

アカツキの態度に少々怒気を含ませつつも言うアキラ

「だって、だってぇ。フフフフ・・・ギャップが、フフ・・・違いすぎるんですもの。ウフフフフフフフフ」

「と、取り敢えず、俺は二人を迎えに行くぞ!
アカツキ、車の手配をしろ!
エリナ、女物の服を用意しておけ!」

エリナに言われ、恥ずかしそうなアキラであった


あとがき

テストの結果が出ました
再テストを迫られるMADです

いや、大変ですねこういうやり取りをする話は。
かなり変でしょうけど、まだ続けます。続くといったら続きます。
それでは、また今度
 



[293] Re[9]:機動戦艦ナデシコ~願わくば・・・~
Name: MAD
Date: 2005/09/04 21:57
第九話 護衛?


ユキタニ食堂


「ハア、ハア、ハア、・・・」

昼を過ぎた時間帯、客足も減り始めた頃、アキトが何故か中華なべをもってブルブル震えていた

「かぁー!またかよ、お前は?あいつらの何がそんなに怖いってんだ?」

そんなアキトの気持ちを知らず、話かけてくるサイゾウ
それでもアキトはただ震えているだけだ・・・

「ったく、いい加減こういう環境に慣れろよ。」

そして視線をミアンに向け、また続ける

「ほれ、あいつを見てみろ。お前と同じ火星出身だと言うのにお前みたいにびびっちゃいねーぞ。お前がびびり過ぎなんだよ」

そう言って厨房の奥へ消えるサイゾウ
サイゾウの言うとおり、ミアンは木星蜥蜴に臆する事無く勘定を支払う客に営業スマイルをしていた。ミアンは別に木星蜥蜴にそんなに恐怖していなかった。時たま強い爆発があっても、そこらの人とあまり反応が変わらない・・・それは何故か?それは、ミアンがバッタの大群に襲われたときに気絶していたためアキトのように死体とバッタの山を見ていなかったからだ。それに開戦当初は皆それなりに恐怖を感じていたが、民間人にあまり被害が及ばないため恐怖する必要が無くなったのだ
そんなミアンや他の町の人たちをアキトは心底分からないと思うのであった


ネルガル重工本社会長室


会長室の扉が開き、入ってくるエリナとアキラ。そしてアキラの後ろからこそこそ入ってくる薄桃色の髪の女の子と銀色の髪の少女。二人はかなりかわいらしい服を着ている。エリナがコーディネートしたのだろう
それを見たアカツキがその二人に向かって

「やあ、君たちかい?ハヤカワ君に救出してもらった子らってのは?」

そう訊ねるアカツキ。しかしその言葉を聴くと少しだけ見えていた顔までも隠してしまった

「あれあれ?まさか僕、初対面で嫌われちゃった?
あ、そうだ!この子らの名前はもう決まってるのかい?」

アキラに尋ねるアカツキ

「ああ、まあな・・・。こっちのピンクのほうがラピス、そして銀のほうがヒスイだ」

二人を前に出して二人を紹介するアキラ。その手は二人の頭の上に置かれている。二人は別に嫌な顔をせず、むしろ嬉しそうにしている
それを見たアカツキが

「へぇ~、ラピス君にヒスイ君か・・・
君には随分と懐いてる様だけ・・・」

「ちょっとちょっと、アカツキ君!見てよこの子達!服が似合って似合って困るぐらいにいろんな服が似合うのよ!も~ホント、素材が良くて良くて・・・」

アカツキの言葉を遮るエリナ。その手には女性服の雑誌。それを見ながらエリナは嬉しそうに言う。そんなエリナの変貌振りに引きつつもアキラに話しかける

「で、どうするんだい?この子達の居住と戸籍のほうは?」

「ん?ああ、そうだったな。エリナにでも預けておくか・・・」

そんなアキラの言葉を聴き、アキラを見上げるヒスイとラピス

「君が一緒に住めばいいのに・・・ファミリーネームもハヤカワでいいんじゃない?それにこの子達も君に懐いてるようだし、丁度いいんじゃない?」

「ならこの子達の教育はどうするんだ?言っておくが俺はそういうのは無理だぞ」

「それなら毎日君が二人を此処に連れてきてくれたらいい。そしたらこっちで教育をさせてもらうよ。
それに君の専用機を作るんだったら君のIFSパターンのデータも取らないといけないし、君自身で機体の微調整をやって貰わなきゃなんないし・・・どっちにしても此処の工廠に来なくちゃいけないんだから、ついでと思ってくれたら」

「し、しかしだな・・・」

アカツキの言葉に反論しようとするアキラ
しかし

「あーもう、五月蠅いなぁ!そんなに言うんなら二人に決めてもらえばいいじゃないか!!」

その言葉を聴き、二人を見るアキラ。当の二人はじっとアキラを見ている。

「・・・」

「「・・・」」

「・・・」

「「・・・」」

「・・・わかったわかった。アカツキの言うとおりにするよ」

先に折れたのはアキラであった
そのときアカツキのデスクからキャッチホンが鳴る。そして通信を繋げるアカツキ

「ああ、プロス君か。ああ、入っていいよ」

アカツキが言うと開くドアから入ってくる二人の人物
一人は赤いベストにサラリーマン風の男、プロスペクター。もう一人は黒いスーツを着た髪をセンター分けにした童顔の少年
そしてプロスペクターが口を開く

「どーも初めまして。あなたがハヤカワさんですね。私こういうものです」

アキラの姿を見て驚きつつもアキラに名刺を渡すプロス

「会長、連れてきましたよ。会長の要望通りの方を・・・」

そのプロスの言葉を聴いて上機嫌に笑みを浮かべながら、自己紹介をさせるように促すアカツキ。そして

「初めまして!今日よりあなた方の護衛をするよう言われたショウ・ルーフー(翔流風)です。主な仕事はあなた方が外出する際に身辺警護をさせて貰います。宜しくお願いします」

礼儀正しく自己紹介する黒スーツの少年、ショウ
しかし、アキラは

「あ、ああ・・・
・・・どういうことだ、アカツキ?護衛などいらないのだが」

適当に答えた後、アカツキに問う

「いやー。やっぱりさ、彼女らの護衛は必要だと思ってね
いくら君でも一人で二人も守れないでしょ?だからさ
あ、あと数人が影から護衛することになってるから。そこんとこ宜しく」

そういうアカツキにアキラは

「そうか、だが・・・身辺警護をする者が何故こんなにも若いやつなんだ?」

そう若すぎるのだ。中学生ぐらいのヒスイと同じぐらいの若さ
こんなやつで大丈夫かと思うアキラの言葉を聴いてショウが少しむっとするが、すぐにその感情を押し殺した
そしてその問いに今度はプロスが答える

「それはですねぇ、会長の要望で十代で普通に若い女性の方と居ても不自然じゃない方をとのことでして・・・
あ、それでも実力の方は保証しますよ。なんせ実力はうちのSS(シークレット・サービス)でもその若さで十分に通用する方ですから、はい」

それを聞いてアキラは黙った。”プロスが言うのなら問題ない”と何故か思うアキラ
そのアキラの様子を見て汗を流してもいないのにハンカチで拭くプロス
アキラの右隣に立ちアキラのマントを掴みアキラを見上げるラピス
アキラの左隣に立ちラピス同様にアキラを見上げるヒスイ
そのヒスイを見て何故か顔を赤くして、嬉しそうな、恥ずかしそうな、照れた顔をするショウ
そのショウの様子を見て面白い物を見る様にニヤニヤと笑うアカツキ
そして女性服の雑誌を見ながらエリナが

「う~ん・・・これもいいわね。あ、これなんかも似合いそう!どれが一番似合いそうかしら?う~ん、もう全部買って着せちゃいましょう!」

一人危なげなことを言っていた


あとがき

本筋自体は変わってませんが会話等を書き直しました
でも、オリキャラの名前は変わってません
では、また会いましょう



[293] Re[10]:機動戦艦ナデシコ~願わくば・・・~
Name: MAD
Date: 2005/09/04 22:17
第十話 「「エリナ」」


ネルガル重工本社・第二工廠


工廠内にはプロトタイプ・エステバリスが一台立てられていた。そしてそれを見上げる技術班班長である、スキンヘッドのいかつい顔をした男、イイダ・マコトとアキラが居た

「で、どういった機体を作って欲しいんだ?」

アキラの方を向き、物珍しそうなものを見る様な視線でアキラに聞くイイダ。そんなイイダにアキラは

「そうだな、汎用性に富んだ機体がいいな。後、ブースターパックを付けて機動力を底上げして貰いたい」

「ああ?機動力ぅ?そんな事したら運動性能がガタ落ちするぞ?それに今の技術じゃあ方向転換するたびに信じられないほどのGが掛かって戦闘中に死んじまう・・・それでもいいのか?」

確かにそうなのだ。現にアキラはブラックサレナに乗ってた頃、耐Gスーツに身を包んでたのだ。幾らブラックサレナほどの機動性が無いと言ってもきつい物はきつい。

「大丈夫だ。俺なら乗れる。何なら確かめてみるか?俺がどこまでのGに耐えれるか・・・」


ネルガル重工本社秘書室


今此処に四人の人間がいる。エリナとヒスイとラピスとショウだ。此処ではラピスとヒスイが一般常識の勉強をしている。ちなみにエリナは教える者として、ショウは護衛として此処にいる

「いーい!目上の人の名前を呼ぶときは”さん”を付けるの!
それじゃあ私のことを呼んでみて!」

「「・・・エリナ?」」

「ちが~う!!目上の人には”さん”を付けるって言ってるでしょ!?だから私の事は”ウォンさん”わかった?もう一度私のことを呼んでみて」

「「・・・エリナ」」

「ちが~う!!」

そんなエリナたち・・・いや、どちらかというとヒスイを見て、顔を赤くしながら苦笑するショウだった。


ネルガル重工本社・第二工廠


アキラの耐Gテストの結果が出たのでまたプロト・エステの在るとこに戻ってきたアキラたち。そのテスト結果を見てイイダは

「・・・」

「どうだ、まだ足りないか?」

「・・・化け物かおめぇは・・・」

「褒め言葉として貰っておくよ」

実際に結果はアキラが化け物染みた者としての結果しか出なかった
それもその筈、ブラックサレナは耐Gスーツを着ても凡人なら気絶するような代物だったのだ。そんな機体に乗って急制動や急な方向転換などをしていたアキラだからテストでそういう結果が出たのだ

「で、俺の言うような機体は作ってくれるのか?」

「ああ、わーった。作ればいいんだろ?作ればさあ・・・」

「頼む」

「任せろ・・・つっても何時できるか分かんねぇぞ?いいのか?それでも・・・」

「ああ、俺には戦うための力が欲しいからな・・・」

「・・・そっか。
ぃよし!それじゃあ俺はデータ作成でもするからお前さんはさっさとIFSデータを取っといてくれ!」

そう言ってイイダは自分のパソコンがある部屋へと向かう。そしてアキラはIFSデータを取るためにシミュレーション室に向かう


ネルガル重工本社秘書室


「「エリナ」」

「だからちが~~~う!!!!」

「くくく・・・」

「アッハハハハハハハ!!」

「ククク・・・失礼・・・クックク・・・」

いつの間にかアカツキとプロスがこの部屋に来て、エリナたちのコントを聞いて笑っていた。ショウも既に声に出して笑っている

「「エリナ」」

「ちっが~~う!!!”ウォンさん”!!
ほら、言ってみて!!」

「「エリナ」」

「ちがうのよ~~!!」

「くくくくく・・・」

「クックックック・・・」

「アハハハハ・・・
こいつは傑作だ!」

「会長!!!!!?」

「「エリナ」」

「ち~~が~~う~~!!!!」

ネルガル本社に、顔を赤くしたエリナの叫びが木霊した


あとがき

今のとこ連日更新!
駄目な暇人間MADです

新たなオリキャラ出演。そろそろオリキャラのネタが切れてきました。
さて、次回からナデシコクルーのスカウトに入る予定です。既に頭の中が真っ白になってます。それでも頑張って続けますので読んでもらえれば幸いです。
では、できるだけ早く更新しますのでまた会いましょう。



[293] Re[11]:機動戦艦ナデシコ~願わくば・・・~
Name: MAD
Date: 2005/09/05 22:35
第十一話 スカウト


ネルガル本社会議室


「ようするに、私に何をやれと・・・?」

そう口を開いたのはネルガル警備部に所属するゴート・ホーリー。とてつもなくいかつい顔をした男である。
そしてその言葉に重役である一人の老人が答える

「聞いたことぐらいあるだろう?”スキャバレリ・プロジェクト”。そのプロジェクトで飛ばす戦艦に従軍経験の有る君を、という意見が出ているんだよ」

「・・・それは、軍務ですか?」

「いいや、クルーは民間人の中から選出する・・・
だから一人でも従軍経験の有るものを、と思ってね」

その言葉を聴き、結局自分に拒否権はないのだと思うゴート
いかつい顔にさらに皺を増やし、顔をいかつくするゴートにプロスペクターが

「まあまあ、今度の職場は女子も多いですよ~。それに加えお給料が月割り、春夏冬にボーナス付きで・・・」

と言いながらポンポン愛用の電卓を押していく

「この位で如何でしょう?」

電卓はとんでもない桁を表していた。ほんとに月給かと聞きたくなるぐらいの桁
それを見たゴートが

「・・・すいません・・・
・・・それ、税別ですか?」

会議室が静まり返った


ウリバタケの店


「むふふふ・・・
此処をこうしてこうすれば・・・」

怪しげな機械を弄くりながら言う男はウリバタケ・セイヤ

「アンタ~止めときなよ。捕まっても知らないよ?」

そう言ったのはウリバタケの妻ウリバタケ・オリエ。近くには彼らの子どもが控えている

「うっせえなぁ~。少し黙ってろよ。もうすぐリリーちゃんが最強になって完成するんだからよ~」

そう言って作業を続けてると突然開くシャッター

「お邪魔しますよ」

そう言って入ってきたのはプロスペクターとゴートであった
自分を捕まえに来たと勘違いして当然びびるウリバタケ。

「!?ちっ、違うんだ!これは・・・」

そして、ウリバタケが言い切る前に動き出すリリーちゃん

「ワタシ・リリー・ヨロシクネ。ワタシ・リリー・ヨロシクネ」

と言いながらミサイルを発射!瞬く間に逃げ出すウリバタケ一家。突然の出来事に驚きつつも逃げ出すプロスとゴート。ミサイルは店のすぐ外で花火として爆発していた
そして

「俺をメカニックぅ!!?」

プロすらに捕まると思ったウリバタケは逃げようとしていたがゴートに捕まり話を聞いていた

「ええ、はい。実は今日はあなたを私たちがスカウトに来たわけでして・・・
でひきうけてくれますか?」

「違法改造屋だが腕が良いからな」

プロストゴートの言葉を聴き上機嫌になるウリバタケ

「ぃよーし!すぐ行こう!今すぐ行こ~ぅ!!」

「それでは契約の方を・・・」

そういうプロスにウリバタケが二人を近づけ彼らの耳の傍で

「いーのいーの。そんなのい~の。パーっと行っちまおう。パーっと
あいつと別れられるんだったらたとえ地獄でも・・・」

そう言いウリバタケは後ろを向く。その視線の先には心配そうにしているオリエの姿が・・・


どっかの社長室


「はい、どーぞ」

そう言って社長に辞表を渡す社長秘書のハルカ・ミナト
彼女の手に有る辞表を受け取り社長は

「やっぱり嫌なのかな~?社長秘書って職業は・・・」

「ん~~・・・やっぱり、充実感かな~」

そう答えるが実際はただ単にセクハラが嫌だったミナト


収録室


「さあ、戦いましょう!!」

「「「お~~~~!!」」」

「カット!」

「お疲れ様で~す、お疲れ様~」

収録室に居た声優の一人、メグミ・レイナードは今売れっ子の声優である

「メグミちゃん」

呼ばれて振り向くメグミ。呼んだのはディレクターのようだ。手を振っている

「お客さん・・・ネルガルの人だって」

そう言葉を続け、親指で指差す。指を指す先にはプロスとゴート。メグミが気づくと頭を下げ一礼するプロス。それにつられて同様に頭を下げるメグミであった


人間開発センター


「・・・」

黙りながら黙々とオペレートをする女の子・・・いや、少女。名はホシノ・ルリ
此処ではルリのオペレート能力向上を図っていた
何か話し声がするので目を開くルリ。その視線の先では彼女の養父母、ホシノ夫妻とプロスペクター達の姿が・・・そしてその手にはアタッシェケース一杯に詰まった金塊・・・それを見て嬉々爛々とするホシノ夫妻
その様子を窓越しから見たルリは自分が売られるのだろうと思うのであった


ネルガル重工本社・第二工廠


「すまねえ、お前の専用機はまだできねえよ・・・」

「そうか・・・それならエステを持っていくか・・・エステの方は俺の分が在るだろう?」

会話する二人の男、イイダとアキラだ

「ああ、ちゃんとお前が乗れるように一応IFSの反応を限界まで上げて有るがそれでもきついならあっちでどうにかしてくれぃ!
・・・まあ、戦艦に乗る奴等の方が、俺よりいい技術者とは思えんがな・・・」

そう言って笑うイイダ。そしてそんなイイダにアキラは

「一応念のため、俺の機体を作っておいてくれ。アカツキの許可は取って在るから・・・」

そして踵を返すアキラ。そんなアキラにイイダは

「オウ!任せておけや」

と、言葉をアキラに投げかける
アキラが廊下を歩いていると

「ハヤカワさん!!」

と言ってアキラに走りながら喋り掛ける女性。

「何のようだ?ユナ・・・」

「はあ、はあ、はあ・・・スキャバレリ、はあ、はあ、プロジェクトに参加するってホントですか?はあ、はあ・・・」

そうアキラに問う彼女の名は、イイダ・ユナ・・・イイダの一人娘である。しかしその割にはユナはイイダに全くと言って良いほどに似ていない。髪の毛は肩ぐらいまで伸びた黒髪、体のラインは綺麗で出るとこはきっちり出ている。歳は二十歳前後といったところか、美人といっても何の遜色も無いほどに整った顔立ちをしている・・・ちなみに彼女が此処に居るのは父親であるイイダに弁当を持って来た訳ではない。テストパイロットとして此処で働いて居たのである。後、アキラとシミュレーションで戦い、負けてしまったことでアキラの事を師と仰いでいる。最も其れだけではないが・・・

「?そうだが、それがどうかしたか?」

そう聞くアキラ。ユナは呼吸を整えて言おうとするが、アキラにお客が来てしまった

「ハヤカワさん。此処に居ましたか・・・
いやいや、探しましたよ・・・」

そう言いながらユナとアキラに一礼するプロス

「何のようだ?プロス」

「御用はこちらの契約のことです。ヒスイさんやラピスさんの契約を先に済ましておきたかったんですが保護者であるあなたの立会いの元、行わなければなりませんので・・・」

そういいながら契約書を一枚取り出すプロス。そんなプロスにアキラが

「分かった、それじゃあラピス達のとこに行くか・・・」

そう言ってまた廊下を歩きだすアキラとプロス。それを見てユナは

「は~、あ~あ、言いそびれちゃった・・・」

そう言ってシミュレーション室へと歩き出すユナだった


あとがき

しんどい・・・
またまたオリキャラ出ちゃったよ。しかも設定超テキトー・・・
また、すぐ更新できたらいいな、台風来て警報が出て欲しいと思うのは学生の性でしょうか?



[293] Re[12]:機動戦艦ナデシコ~願わくば・・・~
Name: MAD
Date: 2005/09/06 23:36
第十二話 ナデシコ発進


サセボドック


「どーです!このナデシコは!」

そう言ってプロスが戦艦ナデシコを見上げる。それにつられて見上げるアキラとラピスとヒスイとショウ

「変な形だな・・・」

「先っぽの棒、折れそう・・・」

「航空力学を無視してるね、アキラ」

「・・・本当に飛ぶんでしょうか?プロスさん?」

それぞれ好き勝手言う彼らにプロスは苦笑しながら説め・・・解説する

「確かにハヤカワさんの言うとおり変な形ですが、意味あってのこの形ですから・・・まずラピスさんの仰った先っぽの棒のことですが、名前はディストーションブレードと言います。後、折れることはありませんよ。そしてヒスイさんの仰った航空力学の事ですが、それはディストーションブレードから発生されるディストーションフィールドのおかげで従来の流星型にする必要がなくなったのです。詳しいことは後でメインオペレーターの方に聞いといてください。後ショウさん、飛ばない様な戦艦を作るほどにネルガルが暇じゃないのは知ってますよね~。冗談は程ほどにしといて下さい」

そう言ってラピスとヒスイに解説して、ショウの疑問に怒りの言葉で答えるプロス。そんなプロスにショウは少し怖じ気付いた

「プロス、アリガト」

「ありがとうございます、プロスさん」

上はラピス、下はヒスイの感謝の言葉。ちなみにヒスイは敬語は覚えたが年上の人にしか使わない。後、アキラとエリナは別である

「いえいえ、結構ですよお礼なんて。クルーの方にはそれぐらい知る必要が有りますからね。それでは先ずブリッジへ行きましょうか。ヒスイさん、ラピスさん、もうメインオペレーターの方は来ていますから仲良くしてくださいね?」

そのプロスの言葉を聴いて頷く二人
何故年長のヒスイがメインではなくサブかと言うと彼女はマシンチャイルドとして生まれはしたがオペレート能力が凡人のそれと変わらなかったのである。だからヒスイの居た研究所でも彼女は比較的きついものばかりさせられていたと言うことである


ユキタニ食堂


アキトとサイゾウが向かい合って椅子に座っている

「・・・アキト」

サイゾウが重い口を開くアキトは何となく分かった。分かりたくは無かったが・・・

「お前、この店止めてくれないか・・・」

そら来た、と心で思いながら軽く舌打ちするアキト。ミアンも立ちながらサイゾウの話を聞いていた

「・・・そんなにいけないんすかね。この、IFSって・・・」

「別にお前を責める訳じゃないが、弱虫パイロットが居る店なんて風に噂されたくないんでな・・・悪いな
なぁ、アキトよ。俺の知り合いにな、男のコックを探している奴が居るんだ。何でも女手しか今のとこ無いらしくてな。ホントは俺が誘われたんだがこの店を畳む訳には行かなくてな。断ったんだが。お前がそこで働かないか?」

その話を聞いて驚くアキト。なんせたった今リストラされて、また職場が出来るかもしれないと言うのだ。

「・・・いいんですか?俺が其処で働いても・・・」

「言っただろう。男手が必要されてるって、な。で、働くのか?働かないのか?」

「働きます!働かせてください!」

「よし分かった!それじゃぁ俺は今から連絡するからお前は荷造りでもしとけ!」

そう言って何処かに電話するサイゾウ
相手はどうやら、友達のような人らしい。口調がいつも以上に明るいサイゾウ

「おう!そうだ、うちの奴を俺の代わりに使ってくれ!いいだろぉ?
おう!そりゃぁ~勿論だ!鍛えればそれなりに使える奴だ。ああ、ああ、いいんだな!?ああ、分かったそれじゃ・・・」

そして別れを告げ、電話を切るサイゾウ
そして何分かたちアキトが荷物を一杯に背負って出てきた

「アキト、迎えが来るってよ」

「迎えですか?」

「アア、迎えだ。頑張れよ、向こうのコックも相当の腕前らしいからな」

そう言って笑うサイゾウ。其処にミアンがやって来た。その手にはペンダントが握られていた

「アキト君、ごめんなさい。私はあなたに何もしてやれなかった・・・
アキト君だって不安だった筈なのにアイのことを協力してもらったのに・・・」

そう言うミアンの顔はすまなさそうに言った。そして手に持っていたペンダントをアキトに手渡し

「これ、アイが、あの子が身に着けていた物なの。死んだ夫があの子に上げた最初で最後のプレゼントなの・・・これを、あなたが持っていて頂戴。私も、何時までも幻影のアイじゃなくて、本物のアイを見たいから・・・」

ペンダントを受け取ったアキトはただ静かにミアンの話を聞いていた


ナデシコブリッジ前


ピッ

プロスのコミュニケに通信が入った

「はい、はい、分かりました。はい、はい、すいません」

そう言ってコミュニケを切るプロス

「ハヤカワさん、すみません。私の知り合いの方が紹介してくれた方が今此処に来たらしくて・・・私は彼のお迎えに行きますので、後はよろしく頼みます」

そう言ってプロスはブリッジに入らず元来た道を戻った
プロスはブリッジへ行くと言っていたが結局他のとこも回ったのだ

「ラピスたちは先にブリッジに行っといてくれ。俺は格納庫に行ってくる
ショウ、ラピスとヒスイを頼むぞ」

そう言い残し、プロス同様元来た道を戻るアキラ
それを見送り、ショウを先頭に彼らはブリッジに入った


ナデシコブリッジ

「艦長はまだなの~~~~!!!」

この船に副提督として乗ることになった連合宇宙軍少将ムネタケ・サダアキ

「艦長ってどんな人なんでしょうね~、ミナトさんは気になりませんか?かっこいい人だったらいいですね~」

そう言ってムネタケを無視するのは通信士の仕事に付いたメグミ。そしてそんなメグミに操舵士のミナトが

「あんまり期待しないほうがいいわよ~。なんたってブリッジに女の人ばっかだもん。どーせ、そこらのボンボンのお坊ちゃんかセクハラ上司よ」

「えええ~~!?もしそうだったら嫌ですね~」

「ルリちゃんも、何かされたらお姉さんたちに言うのよ?」

そのミナトの言葉を聴いてルリがやや呆れながら

「はあ、そうですか。多分その心配は無いと思いますが・・・」

そのルリの言葉に反応したのはメグミだった

「え、如何してそう思うの?艦長に会ったことがあるの?ルリちゃん」

ルリが、メグミに答えようとしたときブリッジのドアが開いた
入って来たのは三人の人間。ショウとヒスイとラピスだ
ルリは入ってきたヒスイとラピスを見て驚く。自分と同じ目、自分と同類の人間を初めて見たルリ

「あら、あなたが艦長?随分若いわね~」

「いえ、違いますよ。自分は警備部に所属するものです」

ミナトの言葉を聴き否定するショウ

「な~んだ、ブリッジ勤務じゃないんですか。ちょっと残念」

メグミが残念そうにすると顔を赤くするショウ。そんなショウの様子を見たミナトがショウをからかいだす。そんな三人に付いて行けず、ボーっとそれを眺めるヒスイとラピス、そしてそんな二人を見ているルリ。そして、若者の話に入れずボーっと艦長を待つゴート、茶を啜るフクベ、そして騒ぐムネタケと、三人それぞれの行動をとるおっさん組みであった
何分かしてまたブリッジのドアが開く入って来たのは

「初めまして~!私が艦長の、ミスマル・ユリカで~~~す!!っぶい!!」

そう言って指をVの形にするユリカ。その後ろには影の薄い幸薄い青年が居た

「「「「「ぶいぃぃぃ~~~???」」」」」

「ばか」

ルリが言うと突然の振動。そして艦内にけたたましく警報が鳴り響く


格納庫


「ゲキガンガーの人形!?ったく、一体幾つなんだよ・・・」

アキトがエステバリスの中に居た。どうやらプロスの言う知り合いの紹介者とはアキトの事の様だ。ぶつぶつ言いながらシートに足を掛ける。そのエステバリスはさっきまで暑苦しい男ヤマダ・ジロウ(魂の名前はダイゴウジ・ガイ)が乗って暴れていたものである。ちなみにゲキガンガーの人形の持ち主であるヤマダは骨折の為たった今医務室へと連れて行かれた。その時にヤマダはアキトを指名し、人形を取るように言ったのだった。渋々それに従うアキト
アキトがゲキガンガーの人形を手に取ると突然の震動、そして五月蝿く鳴る警報。

「奴らが来た・・・」

そう言って動き出すピンクのエステ。今アキトの脳裏には炎の中をこちら側に進んでくるバッタの大群が写っていた
彼は知らないうちに、首から下げていたミアンに貰ったアイのペンダントを触っていた


あとがき

やっぱり文章が下手糞なMADです

次回はやっと機動兵器の戦闘です。でも上手く表現できないと思います。
今回のアキトのナデシコへの来かたがすんげ~意味分かりませんがアキトをクビにして、追い出したとき、ミアンをどうすればいいか思いつかなかったのでこんなことに・・・そのせいでサイゾウとプロスが知り合いに・・・やばいです、適当すぎました。
・・・でも続きますよ?ですからまた会いましょう



[293] Re[13]:機動戦艦ナデシコ~願わくば・・・~
Name: MAD
Date: 2005/09/14 21:34
第十三話 ナデシコ発進その2


エステバリスコックピット


「ハア、ハア、ハア・・・
やつらが来た・・・」

ピンクのエステバリスの中で呟くアキト。表情が暗く、そして青い。今アキトの頭の中では、いつも通り火星での惨劇が繰り返されていた。守りきれず、生きてるのかどうかすら分からないアイ。もしかすると、アイを誘拐したのかもしれない黒く、怪しい男。生き残った火星の人たちは無事逃げ切れたのだろうか。そこまで考え、何時もの様にある記憶が、消し去りたい記憶が呼び起こされる。死体の山、燃え盛る炎、そして群れるバッタたち。

「畜生、チクショォオ!!
俺はコックになるんだ、まだ死にたくないんだよー!!!」

叫びエステを地上へつながるエレベーターへ向かわせるアキト。そんなアキトのエステを見て期待と悲しみに顔を染める者が居た


ブリッジ


「対空砲火を上に向けるのよ!そして天井ごと敵を焼き尽くすのよ!!」

「でも~、上にはまだ軍人さんが居るんじゃないの?」

「なっっ、そ、そんなのもうとっくに全滅してるに決まってるわよ!」

「それって、非人道的じゃありません?」

ムネタケの提案に間髪入れず指摘するミナトとメグミ

「きいぃぃ~!!五月蝿いわね!!アタシは連合宇宙軍少将でこの船の副提督なのよ!?だからアタシは偉いの!だからアタシの言うことを聞きなさ~い!!!」

「そんな事を言われましても此処は軍隊ではありません。ですから副提督の命令を聞く必要はありません」

今度はヒスイがムネタケのばかげた台詞を指摘した

「五月蝿いわよ!こ・・・」

「いい加減にせんかぁ!ムネタケ!軍人であるお前がうろたえてどうする!?」

ヒスイに言われ顔を真っ赤っ赤にしたムネタケが言い返そうとするが、フクベに言われ押し黙る

「艦長、何か策はないかね?」

「はい!これより海底ゲートを抜け、海底へ出ます!その後敵の後方よりこの艦の主砲を発射、これを殲滅します!!」

艦長であるユリカの作戦を聞き、何時の間にいたのか、プロスが拍手していた

「でもぉ、敵さんがそんなにも都合よく固まってくれるの~?」

「そうと決まればパイロットに囮をさせるのよ!」

ミナトの意見に蘇ったムネタケが言う。

「ばかな!?あれだけの数を相手に囮を出すだと!?」

ゴートが反論し、メグミもそれに賛同する。そこにルリが

「囮ならもう出てます。エレベーターにエステバリスが乗って地上へと向かってます」

「通信を繋げろ!」

叫ぶゴートの言うことを聞いて通信を繋ぐヒスイ
三人のオペレーターの仕事はそれぞれ違う。ルリがナデシコの主な運営、ヒスイが通信管制の管理、最後にラピスが火器管制である
そして通信が開く

「!?うわ!なんだこれぇ!?」

「何者だ、貴様!所属を答えろ!」

「テ、テンカワ・アキト。コックです・・・」

ゴートの声に畏縮しながらも答えるアキト

「コック!?如何してコックがロボットなんかに乗っているのよ!!?」

ムネタケの言葉を初めに好き勝手言うブリッジクルーたち
そんな中、ユリカが

「あ~~~~!!アキト、アキトだ~~!!!!
ひっさし振り~!!ねえねえ、地球には何時来たの~!!」

「アンタ、誰だ?なんで俺の名前を・・・」

「ほぇ?やっだな~~、私だよ。ユリカ、ミスマル・ユリカ!!ほら、火星でお隣だった・・・」

それを聞き、アキトは泣きながら誰かに助けを請うのだった


格納庫


「整備班そこの機体はもう使えるか?」

黒い機体を指差しながら、黒い制服に身を包んだアキラが近くに居た整備班に訊ねる

「あ、はい。何時でも行けます!」

それを聞いたアキラは礼も言わず機体に乗り込む

「ブリッジ、聞こえるか?俺も出て、敵を殲滅する!!」

そう言って、機体の足をエレベーターに向ける

「ここからは、俺も歴史に干渉してやる!確実に未来を変えてやる!!」

そう言いながらも、アキトが使ったエレベーターが降りてくるのを待つアキラだった


あとがき

久々の更新!
本当だったら、今回の話でナデシコを発進させたかったのだが、途中で私MAD、明日のテストの為勉強しなくてはならなくなった為、途中で切り上げました・・・誠に申し訳ございません
次回ではちゃんとナデシコを発進させますんで見捨てないでください。それではまた今度



[293] Re[14]:機動戦艦ナデシコ~願わくば・・・~
Name: MAD
Date: 2005/10/24 15:15
第十四話 ナデシコ発進その3


ブリッジ


<ブリッジ、聞こえるか?俺も出て、敵を殲滅する!!>

サウンドオンリーでアキラの声がブリッジに響いた

「はい?・・・って、ちょ、ちょっと待ってください!
あなたは誰ですか?殲滅って・・・」

「艦長、通信切られてます!」

「通信士さん、通信繋いで!!」

「むりです!通信切られました!」

ユリカとメグミのやり取りじっと黙って聞いていたプロス
そんなプロスにユリカが

「プロスさん、どういうことです?今の人は何者ですか!?」

「今の方は・・・」

「・・・アキラ・・・」

プロスが言い切る前に先に答えたラピス
そんなラピスの視線の先にはアキラのエステがエレベーターに乗っているのを表すモニターがある

「はいそうです。今の方はこのナデシコのクルーでパイロットをやってもらう事になっております」

「テンカワ機、被弾」

プロスがラピスに続き、答えたとき、ルリの事務的な声がした
それを聞きユリカが

「え、アキトが!?アキト~!あなたのユリカが直ぐに行くからまっててね~!!」

「バカ・・・」

言うまでも無く、ルリの突込みである


サセボドック・地上


「来るなー!来るなよ、畜生ぉぉぉぉ!!」

少し遡ってエレベーターから出て間もないアキト。懸命にローラーダッシュで逃げ回っている。その後ろについてくるジョロの大群、さらに上からバッタの大群が・・・。全部合わせて200は下らないであろう

<作戦時間は10分、健闘を祈る・・・>

ゴートの事務的な声がする。励ましでさえ事務的であった

「10分!?なげぇって!長すぎるって!!」

閉じられたモニターのあった先に怒鳴りつけるアキト。当然返事など返ってこない
そのとき、空からやってきたバッタの群れから大量のミサイルがアキトのピンクのエステに向かって飛んできた。そして被弾。例えディストーション・フィールドを張っていても爆発の衝撃まで防ぎきれなかったエステは前のめりに吹き飛ばされた

「いたたた・・・チクショ、一体何が・・・?」

言いながら頭をおさえ、エステの前方を移すモニターに目を向けた

「・・・っああ、うああぁぁ、あ・・・」

エステ、アキトの視線の先にはバッタとジョロが群れていた

「あああぁぁぁぁ、ううぅあああぁぁぁぁ、あああ・・・」

アキトの頭の中ではまた火星の惨劇を映していた。守れなかった小さな女の子。アイの嬉しそうにみかんを持つ笑顔を思い出すだけでアキトは涙を流してしまった

(俺は無力だ、何も出来ない・・・今だってそうだ。逃げ回るだけで何もしちゃぁいない)

無力感を感じ首から下げているアイのペンダントを握り締めながら目をつぶるアキト。しかし何も起きない。爆発の音などはするがエステ自体には何の衝撃もない。恐る恐る目を開けるアキト。そこには真っ黒なエステバリスがバッタとジョロを難なくと倒していた


ブリッジ


黒いエステがアキトを助ける少し前
ユリカが散々アキトに対するわけありな台詞をいい終わり、ブリッジクルーが呆然としているとき突然ブリッジの扉が開き誰かが入ってくる

「おいおいおい!何なんだぁ、この揺れはよぉ!」

ダイゴウジ・ガイことヤマダ・ジロウであった。足にギプスをつけ歩きにくそうにしながらブリッジの最下層に行くヤマダ。周りから冷たい視線を向けられながらもそれに気付かず堂々とした態度で皆の横を通り過ぎる。因みに何故ヤマダが冷たい視線を向けられているかというと、パイロットであることを示す赤い制服を着ているにも拘らず出撃していないからだ。素人のアキトがエステで戦闘に出ているというのにこのパイロットは何をすることも無くブリッジに来たからだ

「ん?あーーーーー!!!あれは俺のエステーーーーー!!!!!」

ヤマダがモニターに目を向けるとそこには吹っ飛ばされたエステが映し出されていた

「誰だーーーー!!!おぉれぃのぉエェェステに乗ってやがるのはぁぁーーーー!!」

ヤマダが叫んだその時、黒いエステバリスが戦場を駆けた


サセボドック・地上


黒いエステバリスは地上に出ると同時にバーニアを吹かし低空飛行でピンクのエステバリスの元へと向かった

「間に合えよ!」

パイロットのアキラはそう呟き、さらにスロットルを上げた。そして、アキトの元に付くと同時にアキラは近くからアキトのエステを攻撃するバッタたちをライフルで穿ち、ある程度数が減ったところでアキトのエステにサウンドオンリーで通信を繋げながる

「おい、そこのパイロット!邪魔だ!とっとと逃げろ!!」

そう言いながらアキトのために近くのバッタに瞬く間に吸着地雷を取り付け未だに無人兵器の群れているところに投げつける。そして爆煙が引くまでにアキトの左側に居る無人兵器に向かってライフルで的確にその装甲を穿つ

「おい!聞こえてるんだろう!今俺が道を作ったからそこからとっとと海に向かえ!!」

その言葉を聴きアキトが動き出す。アキラはアキトが海に向かうのを見るとイミディエット・ナイフを取り出し、無人兵器の群れに向かって突入した


サセボドック・上空


「少し早くないか?ユリカ・・・」

少し余裕を取り戻したか、ナデシコの上に乗ったエステバリスの中で呼吸を整えてからユリカに聞くアキト

「あなたのために急いできたの!」

そんなアキトの疑問にそう答えるユリカ。ブリッジクルーの大半が(あんたが急いだ訳じゃないでしょうが・・・)などと思っていた

「あの~、艦長?早いとこアキラのとこに行かなくてはならないのでは・・・」

ヒスイがおどおどしながらユリカに聞く。その隣ではラピスも頷いていた

「そうですね、それでは操舵士さん!早いとこ行っちゃいましょう!」

「りょ~かい」

「オペレ-ターさん、残存敵数は?」

ユリカはミナトに命じた後、ルリに聞く

「残り3機です。2、1、全滅しました・・・」

「「「「「「・・・え?」」」」」」

ルリの言葉にユリカたちが聞き返す

「ですから、敵が‘全滅’しました」


あとがき


久々の更新!誰も楽しみにしちゃ居てくれて無いかもしれませんが私自身が嬉しい限りです

アキトが情けないですね。ガイなんかボケにすらなりきれて居ないし・・・。やっぱりまだまだ文章を書くのが下手糞です。お許しください
さて、次回はムネタケの叛乱まで行かないと思います。それでも呆れないでください。見捨てないでください。
それでは、また今度お会いしましょう!



[293] Re[15]:機動戦艦ナデシコ~願わくば・・・~
Name: MAD
Date: 2005/10/14 20:14
第十五話 アキトの災難


格納庫


慌ただしく動き回る整備員を余所に、アキトは格納庫の隅に居た

「此処に居ましたか。捜しましたよ、テンカワさん」

「えっ!あっ、プロスさんですか。何か用ですか?」

アキトは突然話しかけられ戸惑いつつも、相手がプロスだとわかるとごく普通に聞き返した

「それがですねー、どんな理由があろうと勝手に我が社の最新鋭機であるエステバリスを動かした訳ですから・・・」

「罰を受けろって言うんですか?此処は戦艦だから・・・」

「いえいえ、違いますよ。
実は艦長がその事で話があると仰りまして・・・あなたをブリッジに連れて来いという事になりまして・・・はい」

アキトが思わぬことを口にした事にハンカチで汗を拭く真似をするプロス

「そうっすか・・・それはそうとユリカが艦長って本当ですか?」

「ええそうですよ。決して冗談ではございませんよ。事実無根で彼女がこの戦艦、ナデシコの艦長さんです」

そう言い切るプロスを見て大袈裟にため息をつくアキト
そこに黒いエステが格納庫に入ってきた。それを見たアキトが

「今すぐ行かなくちゃならないんですか?」

「ええ、出来ればそうして欲しいんですが・・・何か用事でも?」

「はい。あれのパイロットに助けて貰ったお礼を言いたくて・・・」

そう言って自分が乗っていたエステを見上げるアキト。そのエステにはいたる所に凹みがあったり傷があったりしていた

「それならば後からでもいいでしょう。後であの方もブリッジにきますから」

そう言ってアキトを促してブリッジへと先導するプロス。アキトは格納庫を出る前に振り返って後ろを見た。その視線の先には整備員に先導されてハンガーに収まろうとする黒いエステがいた


ブリッジ


ブリッジの入り口近くでユリカは今か今かとアキトの到着を待っていた

「ユリカァ・・・あのアキトって人、誰なのさ?」

ジュンの台詞。その台詞を聞き、ミナトとメグミ、それに如何いう訳かゴートも興味津々といった感じで聞き耳を立てている

「アキトはね、私の王子様なの!!」

「「「王子様~~~~!?」」」

ユリカの予想外の発言に声に出すジュンとミナトとメグミ。因みに何故かゴートは顔を朱色に染めていた

「うんそうなの。ユリカが困ってる時にいつも助けてくれる私の王子様!!」

ユリカがそう言うと突然開いたブリッジの扉。そこにはプロスとその後ろにいるアキトの姿が

「あ~~!アキトアキト~~!!」

突然アキトに抱きつくユリカ

「うわ!な、何すんだよ、お前!」

「相変わらず照れ屋だねぇ~、嬉しいくせに~。なんたってアキトは私がだ~い好きだもんね~!!」

「な、はぁぁ!?何言ってんだ、おい!誤解を招く様な事を言うなよ!」

二人の漫才(?)を見て呆然とするブリッジクルー。そんな中で一人だけショウが小刻みに肩を揺らしながら笑いを堪えていた


格納庫


アキト達が出て行った後、黒のエステがハンガーに収まり、コックピットを開いた

「待ってろよ~!直ぐに降ろしてやるからな~!」

ウリバタケが叫ぶ。しかしコックピットの中から出てきたアキラは

「いや、いい。このまま降りる」

ウリバタケがアキラの意図に気付いて止めるよりも早く、アキラはエステから飛び降りた。それを見て周りから歓声が上がる

「整備班班長は誰だ?」

歓声に応えず、取り合えず周りに尋ねるアキラ。それを聞きつけたウリバタケがアキラの前に出てくる

「俺が整備班班長だが、何か用か?」

アキラの黒い制服に黒いバイザーという姿に物怖じせずアキラに問う

「IFSの反応をもっと上げて欲しい。エステが俺の反応についてこれないようだ。それだけだ」

そう言って格納庫を出て行くアキラ。そんなアキラの態度を見て整備班の一人が

「何だ、あいつは?なにが『それだけだ』だ
もっと愛想ってのがないのかねぇ。それに黒尽くめの服装なんかしやがって、カッコイイつもりか?」

その言葉を聴き複数の整備員が愚痴をたれる。そんな中、ウリバタケはアキラの機体を見ていた

(傷が付いてないだと?被弾してないっつうのか?それにエステが反応しきれないだと?これでもネルガルの最新型のはずだぜ。そんなことがありえるのか?)

最後にやる事が増えたと呟きながら頭をガシガシと掻くのであった


ブリッジ


「アキトは私が大大だ~~~い好きぃ~!!」

「恥ずかしいからもう止めろって!!」

まだ二人のまんざい(?)は続いていた

「なんだか先行き不安です」

「そぉ?私は楽しめそうだからいいけど」

「ねえ、ヒスイ」

「なにラピス?」

「アキラはまだなの?」

「さぁ、私には分からないけど・・・」

「自分が呼びに行きましょうか?」

「いえ、いいですよショウさん。そのうち来ると思いますし・・・」

アキトとユリカの漫才(?)を聞き流しながらお喋りするメグミ外4名

「ほーんと、馬鹿ばっか」

当然の如く、ルリの台詞だ

「アキトは私が・・・」

「いい加減にしろ~!!」

「ユリカァ~~・・・」

「貴方たち、静かにしなさい!!」

「俺に台詞を~~~!!!」

若干オカマと暑苦しいのが混じったがナデシコの新たな歴史が少しずつ、少しずつ刻まれていく


あとがき


あはははは、あ~っはっはっはっは!!
壊れ気味のMADです

初めてジュン単独の台詞が出て来ました。おめでとうジュン!でも正直キーボードを打ってる途中までジュンのこと、忘れてました。(笑)
次回はとうとうアキトとアキラの火星以来の顔合わせ!因みにムネタケの叛乱はまだです。ごめんなさい!
では、また次回で会いましょう



[293] Re[16]:機動戦艦ナデシコ~願わくば・・・~
Name: MAD
Date: 2005/10/24 19:44
第十六話 人の趣味はそれぞれだけど、やっぱり怪しくて・・・


ナデシコ居住区 


此処居住区の一室で男が一人、ベッドに転がっていた。部屋は簡素でテーブルとベッド、それにタンスがある位だ。部屋の主は赤みがかった黒のボサボサではなく整ったやや長めの髪に金色の瞳、そして真っ黒な制服。アキラだ
アキラはベッドの上で寝返りを打ち、気だるそうにしている

<おっ、繋がりましたか>

そこにプロスから通信が来た

<ハヤカワさん、至急ブリッジへ来て下さいませんかねぇ>

前振りも無く、挨拶も無くただ一言アキラに言うプロス

「・・・何故行かねばならん?」

これまた気だるそうに、寝転がりながら背を向けているプロスに簡単に聞くアキラ

<いや、あれですよ。自己紹介!聞けばブリッジの人はヒスイさん達を除いて誰もあなたのことを知らないじゃないですか。それに艦長にもパイロットとして働くことを知って頂かねばいけませんし・・・>

「分かった、行けばいいのだろう?」

<はい。それでは出来るだけ早くお願いします。それでは>

そう言って一方的に通信を切るプロス。それを聞きアキラは起き上がりバイザーを掛け、部屋を出て行くのであった


ブリッジ


「なんて事してくれたんだよ~・・・」

「ごめんなさい、ごめんなさい、本っ当にごめんなさい!!」

ヤマダ-ガイだ!-が涙目で手に持っている物、壊れたゲキガンガーの人形を見る。そんなヤマダに-ガ~イ!-アキトは何故かただ謝るばかり。実はさっきの出撃でアキトはゲキガンガー人形を持ったまま戦闘をしていたのだ。しかも一度派手に吹き飛ばされている。その衝撃でゲキガンガー人形を壊してしまったのだ

「謝ってすんだら警察はいらねぇよ・・・」

そう言いながら取れている腕の部分をカチッカチッという風に付けたり外したりしている。とてつもなく滑稽な光景だ
因みにユリカはゴート等に説教を受けていた。後ジュンも・・・。メグミとミナトは今まで通り会話に勤しんでいる。ヒスイはルリと話をしようとするが切っ掛けを掴めず、気まずい雰囲気である。ラピスは今か今かとアキラの到着を待ち、ショウはプロスに銃を持参していることがバレ、没収されたので端っこのほうで落ち込んでいた

「ねえねえ、ルリちゃんもヒスイちゃんも如何してこの船に乗ることになったの?」

突然ルリ達に話をふるミナト。そんなミナトにルリは表情を変えず

「養父母が私のことをネルガルに売ったからです」

と、事務的な声で答えた

「・・・あっ、そ、それじゃあヒスイちゃんは如何してこの船に?」

だんだん暗くなる空気に絶えられなくなったのか、メグミがヒスイに話を振る

「私はラピスが乗ると言い出したからです」

「ラピスちゃんが?じゃあ如何してラピスちゃんは・・・?」

「それはきっとアキラの傍に居たいからだと思いますけど」

「アキラって、さっきのロボットの・・・?」

ミナトの質問に、「私たちが言ったことをよく覚えてますね」等と言いながらヒスイが答えようとする。その時ブリッジのドアが開く。入って来たのは、赤みがかった黒の整った髪に顔を覆う位の大きさの黒いバイザー、そして真っ黒の制服。殆どのブリッジ要員は突然の怪しい来訪者に思考がフリーズしていた

「アキラ!!」

そう叫び、突然怪しい男に抱きつくラピス

「・・・ラピス、離れろ・・・」

怪しい男ことアキラはラピスに言い聞かせようとする。そして軽くブリッジを見渡す。見渡しているとアキトがアキラを人差し指で指している
そして

「あ、あんたは・・・」

「何者だ貴様ぁ!?
っ!!そ~か分かったぞ!お前木星蜥蜴のスパイだなぁ!!」

アキトが何か言葉を発しようとした矢先にヤマダ-ガイなんだって!!-が叫びだす。ヒスイは(なにを言い出すんだ、この馬鹿)と心の中でヤマダ-ガイ、ガイ、ガーー~イ!!-を馬鹿にしていた

「違う!!それは間違ってる!!」

アキトも叫びだす。ヒスイは頷きながらアキトの事を‘いい奴’と思ったが・・・

「そいつはロリコンでアイちゃんを誘拐した奴だ!!」

そのアキトの言葉を聴き、アキラの事を良く知らない者たちは「鬼畜!」だの「その子から離れなさい!」だの「ルリちゃん、ヒスイちゃん、こっちに来なさい」だの「誘拐だと~。てめぇには正義の心という物は無いのかー!!」だの「ジュン君、私怖い」だの「ユリカは子供体系じゃない・・・だろ・・・(///)」だの「プロス、ロリコンって何?」だの「・・・」だとか好き勝手言っていた。アキラがこんなことを言われる羽目になったのはアキトの爆弾発言もあるが、それ以上に決め手となったのは、やはり服装であった・・・

「な・・・?ちょっと待て!!俺がロリコンだと!?ふざけるな!!」

アキラが憤る。無理も無かろう、突然親しくも無い人間に突然‘誘拐犯’だの‘ロリコン’だの言われたのだから・・・。もっとも親しくは無いかもしれないが同一人物ではあるが・・・

「嘘をつくな!!それならアイちゃんは何処に行ったんだ!?アンタはあの時火星のシェルターにいた奴だろうが!!」

その言葉を聴き、一瞬プロスが反応した

「火星のシェルターに居ただと?はっ!何を言っている?なら如何して俺が此処に、こうして存在しているのだ?火星のシェルターに居た者が!
例えそうだとしても俺がそいつだという証拠でも有るのか?(プロスが反応した。もしあのまま火星に居たということを否定せずにいたら俺もボソンジャンプを使えると怪しまれただろうな・・・)」

「なっ・・・。しょっ、証拠ならある!あんたの真っ黒の姿がその証・・・」

「俺だけがこんな格好をしていると確証を持っているんだな?なら答えてみろ・・・」

「う、五月蝿い!アンタ以外に考えられないんだ!!アイちゃんを誘拐したのは」

「あの~・・・テンカワさん?」

アキトとアキラの言い合いに周りの皆がぽか~んとしていた。そこに再起動したプロスがアキトとアキラの言い合いに割り込みだす

「何ですかプロスさん!?今は・・・」

「あ~、その事なんですがテンカワさん。実はですね~この方が黒いエステバリスのパイロットなんですが・・・お知り合いですか?」

顔を引き攣らせながらプロスがアキトに言う

「何言ってるんですか!プロスさん!俺にロリコンの知り合いな・・・んて・・・え?い、今なんて・・・?」

「彼とはお知り合いですか?」

「その前です!」

「・・・冗談ですよ。『この方が黒いエステバリスのパイロットなんですが・・・』と言いました」

それを聞きアキトはアキラを見たりプロスを見たりと繰り返していた。因みに周りの皆は二人の言っていることに興味を持ったのか、急に静かになった

「・・・お前がさっきのパイロットか?」

突然アキラがアキトに問いかける。聞かなくても分かっているが聞かずに突然そんな事を言うと怪しまれかねないのでとりあえず聞く。聞かなかった場合の言動よりもアキラの見た目の姿のほうが怪しいが・・・
因みに周りの皆は突然会話の内容が変わってしまったので余計に混乱してた。アキラとしては何も余計な口出しが無く話の内容を変えられたので少し喜んでいる

「は、はい。そうです」

「そうか、素人の癖に何故そんなにでしゃばる?自殺願望者か?貴様は」

「ち、違います!ただ俺は、逃げようとして・・・」

アキラにきつく言われ尻込みしながらも答えるアキト

「逃げる?どこへ逃げようとしたのだ?エステバリスに乗って・・・
・・・覚悟も無い素人があれに乗るな。早死にするぞ・・・
最後に言うが俺はロリコンでもないし誘拐した覚えも無い!」

そう言ってラピスを自分から離し、身を翻して出て行こうとするアキラ。ロリコン呼ばわりされたので気分を害したようだ

「あ、ちょっ、ちょっと待って下さい!ハヤカワさん!あなたには自己紹介をして貰わなければ・・・」

「・・・そうだったな」

そう呟いて戻ってくる

「ハヤカワ・アキラ、パイロットだ・・・」

そう言ってまたブリッジを出ようとする

「え?それだけなの?」

ミナトが疑問に思ったことを言った

「・・・他に何を言えばいい?」

「それでは一人ずつに質問していっては如何でしょうか?そうすれば各自聞きたいことが聞けますし・・・」

プロスの提案にミナトが賛成し、ミナトが質問する

「歳はいくつなの?」

「25だ」

「そのバイザ-を外してくれませんか?」

「それは出来ない」

メグミの質問、というかお願いには応えない

「ロリコンって本当ですかぁ?」

「断じて違う!それにさっきも言っただろう!(もうその話を穿らないでくれ!!!)」

ユリカの質問に怒鳴って返した。さらに頭の中で嘆いている

「いや、念のための確認ですよ~」

「何のための確認なのさ?」

ジュンに突っ込まれてしまったユリカ・・・

「アイちゃんが何処にいるか知らないんですか・・・?」

「・・・知らないな。先ずアイとは誰だ?」

アキトの質問に知らないと答えるアキラ

「ふふふ、今回は譲ってやったが今度は俺が活躍してや・・・」

「次は誰だ?」

ヤマダ-ガイだって!-の質問(?)を軽く一蹴するアキラ

「ほっほっほ、あの操縦技術はどうやって身に着けたんじゃ?」

「IFSだから体を動かす事に慣れれば誰にだってできる」

フクベの質問にさらっと答える

「アタシの出世のために頑張りなさいよ」

「・・・質問じゃなかったのか?」

ムネタケの言葉を聴き無視する

「もう一回質問していいかしら?
ラピスちゃん達とはどういう関係?少なくともラピスちゃんは貴方に懐いてる様だけど・・・」

「一応保護者だ」

ミナトの再質問に普通に答える

「・・・なんでそんな格好をしているんですか?」

「・・・趣味、とでも言うのかな。まぁこの色とこれを付けてると落ち着くしな」

ジュンの質問にバイザーを指差しながら答えるアキラ。因みにブリッジ要員の半分以上が

(((((((・・・変な趣味・・・)))))))

と思っていた。アキラ、まだロリコン疑惑が他の皆に公にならなかっただけ幸運と言えよう


おまけ


[ぐす、俺の銃が・・・コレクションがぁ・・・」

ショウが端っこの方で話に加わらず、泣きべそ掻いていた


あとがき


テストのせいで一週間以上も更新が遅れました。申し訳ありません

アキトが大衆の面前でアキラに「ロリコン」と言ってしまいました。ああ、哀れな奴だ、アキラよ・・・



[293] Re[17]:機動戦艦ナデシコ~願わくば・・・~
Name: MAD
Date: 2005/10/26 19:20
第十七話 ムネタケの叛乱


ブリッジ


「あぁ、疲れた~」

そう言いながらミナトが席に座りながら体を伸ばしていた。戦闘が終わったばっかなので、本来ならブリッジはクルーで賑わう筈だが大変少なく、ミナトとルリとメグミとプロスとフクベとあとは・・・ジュンの六人だけであった
もう既にアキラの自己紹介した日から二日経っていた。それなのに未だ宇宙にすら出ていなかった。その間何をしていたかというとサセボシティを出て東シナ海に入り、北上し、日本海で木星蜥蜴と戦闘。その次に日本海よりさらに北上してオホーツク海に着き、太平洋に出てまた木星蜥蜴と戦闘した。サセボを出て一回目の日本海での戦闘は敵の数もそれなりに多く苦戦したがアキラが撃墜しながらバッタを追い込み、バッタを集中させたところにナデシコのグラビティブラストで殆どを撃破。その後アキラが残り物を殲滅。二回目の太平洋での戦闘は敵の数も少なかったので殆どアキラ任せだった。何故直ぐに火星に行かず、こんなことをしていたかというとサセボの戦闘ではナデシコの力を見せられなかったので、軍の評価がいまいちだったからだ。これではネルガルの製品が売れないと思ったアカツキが『何回か戦闘してから火星に言ってくれないかな』とプロスに連絡したのだ。その連絡を受けわざわざ木星蜥蜴と戦闘したのだ
そして現在に至る

「ねえプロスさん。何時までこんな事するの?」

ミナトがプロスに問う。因みに『こんな事』とは日本の周りを回って戦闘したりすることだ

「そうですね・・・もうそろそろ良いでしょう。メグミさん艦長と他のブリッジクルー、それとパイロットの皆さんを呼んでくれませんか」


食堂


「ア~キ~ト!」

「う、うわぁ!何すんだよ!」

食堂ではまたユリカとアキトの夫婦漫才(?)を繰り広げていた。それをショウは食堂の片隅でヒスイと昼食をしながら羨ましそうに眺めていた

(・・・はぁ、ヒスイも艦長みたいに積極的で自分にあーゆーのをしてくれたらなぁ・・・しつこ過ぎるのは嫌だけど・・・)

そう思いながらチラッチラッとヒスイの事を見ていた。流石に心の中まで年下や同年代に敬語を使うつもりは無いようだ
そこに何時の間に食堂に来たのか、ラピスがショウ達に向かって歩いてきた

「ねぇヒスイ。アキラは何処?」

ヒスイはそれを聞き、口の中の物を急いで飲み込もうとする。食べているのは塩ラーメンであった

「アキラ?さあ、私も知らないけど・・・ショウさんは知っていますか?」

「はい。でも今はたぶん仕事中ですから会えないかと思いますが・・・」

「仕事・・・ですか?でも今はパイロットは必要ないはずですが・・・」

「ええ。ですから今は違う仕事をしているんですよ。分かってくれますか?ラピスさん」

「・・・何時終わるの?」

「えっ?それは~・・・」

ラピスの言葉に返答に困るショウに救いの手がやって来た

「え~と、ラピスちゃんだっけ?何か食べに来たのかな?」

突然アキトがラピスに問いかける。それを聞き少しビックリするラピスだが直ぐに首を横に振った

「アキラに会いに来たけど居なかったの・・・」

「え!?アキラさん?ん~・・・そういや今まで一度も食堂で見かけたことが無いなぁ・・・」

アキトが呟いたとき艦内放送が流れた

<艦長、ブリッジクルーの皆さん。それとパイロットの人は至急ブリッジへ来てください。プロスさんから大事な話が有るそうなので>

「え~、そんな~。まだアキトとお話してないよ」

「いいからさっさと行ってくれ。は~、やっと静かに仕事が出来る・・・」

アキトの言葉を聴きユリカはぶぅ~と頬を膨らませて食堂を出て行った。ヒスイも昼食を食べ終わり、ショウやラピスと共に食堂を出て行った

「・・・ようやく静かになったねぇ・・・」

ホウメイがユリカが出て行った時にボソッと呟いたのは秘密だ


ブリッジ


「今までナデシコの目的地を明らかにしなかったのは、妨害者の目を欺く必要があったからです
我がネルガル重工がわざわざ独自に宇宙戦艦を建造した理由は、木星蜥蜴と戦うためではありません」

「戦ってたじゃないですか?」

プロスの話を聞き呟いたメグミ。それが聞こえたのか、プロスが「いやはや、手厳しい」と言いながらハンカチを取り出した

「それじゃあ何のために作ったの?」

「我々の目的地は火星だ!」

話を進めようとしたミナトの質問をフクベ提督が答えた

「火星?それでは地球の戦況を見過ごすと言うんですか?」

「ええ、そうなりますね。連合宇宙軍は前線とも言うべき地域、コロニー、月、火星を見捨て地球周辺にのみ防衛ラインを引きました。では、見捨てられた火星の人はどうなったのでしょう?
そういうわけで我々は以降、軍とは別行動を取り・・・」

「そうはさせないわよ」

プロスの言葉を遮り、ブリッジに入ってきたムネタケが言う。ムネタケが手を上げると同時に数名の軍人がブリッジに侵入し、それぞれブリッジクルーの背後に一人ずつ付いた。どの軍人も手には機関銃や銃を所持している

「ムネタケ!これはどういうことだ!?」

「あ~ら、提督。ごめんなさいねぇ、これは軍の意志なの。だから大人しくしてくれないかしら」

「分かったぞ!てめぇら木星蜥蜴のスパイだなぁ!!」

ヤマダ-ダイゴウジ・ガイだ!-が叫ぶが銃口を向けられて押し黙る

「おや、おかしいですね~。軍とはもう話が付いてる筈ですが・・・」

「残念ね。軍はこんなに優秀な艦とパイロットを手放す余裕はないの」

「何!?やはり軍は俺を手放せないのか?すまん皆、俺はどうやら此処でお別れのよ・・・」

「アンタじゃないわよ。まぁそういう訳だから大人しくして頂戴。ふふ、もうじきあの黒い男アタシの部下に連れて来られるわ。そうそう、他の所はもう制圧したんだから抵抗は無駄よ」

そう言いながら通信機に話しかけるが応答が無い。おかしいと思い他の所にも通信するが応答が無い。ムネタケが焦り出したその時、ブリッジに軍人とは違う者が入ってきた

「アキラ!!」

そう言ってラピスがアキラに駆け寄ろうとするがヒスイがそれを止める

「!?なっ、なんでアンタが一人でここに来るのよ!?」

ムネタケが手に銃を持ち叫びだす

「何故って、他の軍人を始末したから最後に此処の軍人を始末しようと思ってな」

「ハッタリ言うんじゃないわよ!!そんなことがある訳・・・まさか、さっきから通信しても応答が無いのは・・・」

そう言い顔が青ざめていくムネタケ。その様子を見て口の端を吊り上げながらアキラが

「今さら気付いたか・・・無能な親の七光りが」

挑発するようにムネタケに投げかけた言葉はムネタケの頭をプッツンさせるには十分であった
銃の安全装置を外したかと思うとそれをヒスイに突きつけた

「今すぐさっきの言葉を撤回しなさい!!でないとアンタの大切なこの子が如何なっても知ら・・・」

銃をヒスイに突きつけながら叫ぶが言い切る前にムネタケは誰かに銃を弾かれ、そのまま関節を極められ、さらにそのまま盾にされた

ショウはムネタケがヒスイに銃を突きつけた時、背後の兵士に迷わず右手で裏拳を鼻っ面にかました。その一撃で兵士は何が起こったか理解出来ない状態であったが、さらに追い討ちをかけるべくショウは裏拳の勢いを殺さずにそのまま右足を軸に体を捻り左足で兵士の首筋を蹴り上げる。それを喰らった兵士は少し滞空した後地面に倒れそのまま気絶した。ショウはそれに目も向けず、ムネタケに接近し、銃を叩き落としそのまま関節を極め、兵士の武器から身を守るためムネタケを盾にした。これだけの動作全てを、ショウは兵士に反応しきれないスピードでやってのけた

「つぅ・・・!ちょっとアンタ、何すんのよ!!」

後ろで自分の右肘の関節を極めてるショウに向かって叫ぶ

「何って、アンタを助けてやったんだよ。キノコ」

ショウは敵、又は自分の嫌いな奴に対してはとことん冷たい態度をとる人間だった(もっとも、幾ら嫌いで気にくわなくても護衛対象や自分の上司に対する人に関しては冷たい態度は取らない)

「キノコって、アンタ・・・
それよりもアタシを助けたって、どういうこと・・・!!」

ショウに聞こうとするが、言い終える前にムネタケは気付いた。いつの間にか倒されている自分の部下。さらに自分のコメカミにはアキラが銃を突きつけているという事実を・・・


あとがき


うちの学校の定期テストは基本が十教科、今九教科返っていますがそのうち既に四教科が赤点・・・うわーー!!補習決定だ~~!!

今回はショウがちょっぴり活躍。殆ど笑うのが役だったショウでしたが今回はかなり目立っております。それにこれは結構強い。私も頑張って書きましたが皆さんから見てどんな感じでしたでしょうか?
それではまた、会いましょう


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