<このWebサイトはアフィリエイト広告を使用しています。> SS投稿掲示板

SS投稿掲示板


[広告]


感想掲示板 作者メニュー サイトTOP 掲示板TOP 捜索掲示板 メイン掲示板

[29339] まどか☆マギカ:暁美ほむらの苦悩,まどか救済計画 ~悪魔の契約~
Name: 恐怖のマラソンマン◆a078c6e3 ID:a7c9edb5
Date: 2011/08/17 20:38
きゅっぷい。

鬼畜陵辱系
ほむらがワルプルギスを倒すまで。

クロス先
 サザエさん他一種類

ほむら「サザエさん時空?」QB「そうだよ」



[29339] 強襲
Name: 恐怖のマラソンマン◆a078c6e3 ID:a7c9edb5
Date: 2011/08/17 18:58

~通学路~

さやか「く、くぅぅ……」ギリギリ

 強靭な二の腕で、か細い首を締め上げられるさやか。

まどか「あ、あゎゎ……さやかちゃん……」
まどか「や、やめてよぉ! おじさんさやかちゃんをいじめないで!」

ノリスケ「え? なんだって?」ギリギリ

さやか(く、首が……折れる……!!)モガモガ

仁美「ひゃ、百当番にお電話を……」アセアセ

 仁美は携帯を取り出した。

マスオ「ダメじゃないか志筑くぅん! そんなことされちゃ困るじゃないか~」

仁美(>_< )ビクッ
仁美「ひ! か、返してくださいませ! わたくしのケータイ……」

マスオ「ちょ、ちょっと君! 汚い手で触らないでくれたまぇ!」ゲシッ

仁美「い、痛いですの……」ガクリ

 マスオのやくざキックが仁美の下腹部を抉った。

まどか「ひ、仁美ちゃん!?」

ノリスケ「おっと、こっちの方はもう眼中になくなっちゃったのかい? まどかちゃぁん」

さやか(;´ρ`)ゲェェェ

まどか「ひ、ひどい! こんなのってないよぉ……」
まどか「どうして……どうしておじさん達はこんな酷いことするの……?」ポロポロ

ノリスケ「マスオさんそっちはどうですか?」クビシメシメ

マスオ「ああ、ノリスケ君、こっちもそろそろだよ」ガシッ
ストーン
仁美「(≧△≦)!!」

ノリスケ「はは、脳天落としとは通ですね~マスオさん!」

マスオ「や、やめてくれよノリスケくぅん! 照れるじゃないか~」グリグリ フミフミ

仁美(……)

まどか「あ……あ……」
まどか(仁美ちゃんの頭がつぶされちゃう……!?)




[29339] 反撃
Name: 恐怖のマラソンマン◆a078c6e3 ID:a7c9edb5
Date: 2011/08/17 18:59
さやか(ハッ……!? 気を失ってた!?)

ノリスケ「(σ・з・)σ」
マスオ「(>ω< )」

さやか(こいつら……今ならこいつの絞めから抜け出せる……!)
さやか「う、うわあああ!」ガッ

ノリスケ「ぅお! しまった!」

さやか(このオヤジども……変身して蹴散らしてやる!!)
さやか「はあぁあああああ!!」ゴゴゴゴゴ

ノリスケ「な、なんだいこれは!」

まどか「さ、さやかちゃん!?」

仁美((-_-)気絶中)

さやか「あんた達……」(変身完了)
さやか「よくもやってくれたわね! ぶっ飛ばしてやるから覚悟しな!!」(`Д´)

 さやかはノリスケ目掛けて走り出す。

マスオ「え”ぇ~~! さ、最近の女の子は変身ができるのかぃ!?」

ノリスケ「マ、マスオさん! あ、あんなのはったりですよ」
ノリスケ「ほら、こうやって……」

さやか「これでもくらえぇぇ!!」ズバッ剣

ノリスケ「う、うわああ!? 刃物!?」ヒョイッ

マスオ「大丈夫かぃ! ノリスケ君!」アセアセ
さやか「大丈夫なわけないだろぉぉお!!」ダダダ

マスオ「ひぃ!!」

 その時、マスオの目前にさやかの剣が迫った。
 しかし――





[29339] はぐらかし
Name: 恐怖のマラソンマン◆a078c6e3 ID:a7c9edb5
Date: 2011/08/17 18:59
マスオ「ひぃぃぃぃ……」ジョボジョボ

ほむら「  」

さやか「転校生、あんた……」

ノリスケ「マスオさん!? 今のうちに!」ダダダ

マスオ「う、うん! ノリスケ君!」ダダダ

 ノリスケとマスオは飛び出すように逃げ去っていった。

さやか「あんたが邪魔しなければあいつらを……!」ギロ

ほむら「フン……美樹さやか、そんなことを今更言う暇があるなら志筑仁美の傷を癒してあげるべきじゃないかしら」

さやか「!?」

まどか(さ、さやかちゃん……お願い)
仁美(……)

さやか「く! 仁美、今助けてあげるからね……」

 さやかの癒しの魔法で仁美の陥没した頭部が元に戻る。

仁美「あ、あら……わたくし一体?」
仁美「あら? さやかさん……先ほどの怖い人たちは……?」

さやか「……」

まどか「ひ、仁美ちゃん! 私、仁美ちゃんが急に倒れるからびっくりしちゃったよ!」アセアセ

仁美「?」

さやか「……だ、だよね! 仁美最近疲れてるんじゃない? 貧血気味とか……」

仁美「そうですわねぇ……そういえば最近そのような気もしないでも……」

まどか「と、とにかく早く学校行こっ! このままじゃ遅刻しちゃうよ!」

仁美「まぁ! 大変ですわ」(時計見ながら)
仁美「まどかさん、さやかさん急ぎましょう」

さやか「お、おう!」

 三人はトコトコと走りながら学校へ向かった。
 さやかとほむらの衝突は、まどかが咄嗟に取った仁美に魔法少女のことをばらさないための気遣いによって、先延ばしにしされたのであった。

さやか(でも、どうして……転校生が……?)





[29339] ほむら暗躍
Name: 恐怖のマラソンマン◆a078c6e3 ID:a7c9edb5
Date: 2011/08/17 19:00
~通学路から離れた路地裏~

ほむら「……」ムスッ

ノリスケ「ご、ごめんよぉ……ほむらちゃぁん」
ノリスケ「さやかちゃん達があんまりにも可愛かったからつぃ……」

ほむら「そのことはいいわ、波野ノリスケ。それにフグ田マスオ」

マスオ「ほ、ほんとうかぃ!? ありがとう、ほむらちゃん!」バンザイ

ほむら「だけど、今後まどかに近づくようなことがあったら……」

マスオ「よ、よしてくれよほむらちゃん! そんなこと絶対しないよぉ!」
マスオ「ねぇ! ノリスケくぅん!」

ノリスケ「あ、ああ! 天に誓うさ!」

ほむら「……」
ほむら「それならかまわないわ。散りなさい」

 ほむらは蟲でも払うかのように手を一振する。
 マスオとノリスケはへこへこと頭を下げながらその場を去った。

ほむら(……これも、全てはまどかを救うため)
ほむら(繰り返されたループの中で……ようやく迷路の出口が見えかけてきたのだから……)
ほむら(なんとしてもこのループで終わらせるわ……)
ほむら(たとえ悪魔の力を借りることになっても……ワルプルギスの夜を……)




[29339] QBの困惑
Name: 恐怖のマラソンマン◆a078c6e3 ID:a7c9edb5
Date: 2011/08/17 19:00
~数時間後・昼下がりの公園~

QB「どうしたんだい?」

?「え? 誰!?」
?「あたしの頭の中に直接話しかけてくるのは……」

QB「こっちだよ」

?「あら?」
?(猫かしら……?)

QB「やぁ、僕の名前はキュゥべえ」

?「きゅうべえ? まぁ珍しい。あなた、人間の言葉が話せるのね」

QB「そうだよ」
QB「それで僕は……」

?「あたし……っていうの」
?「だけど、子猫さん あたし急いでるからそれじゃあね」

 QBが話を進める間も無くミレはそそくさとその場を去っていった。


~公園入り口~

QB(むぅ……せっかく契約をお願いしようと思ったのに)

 ミレとの契約を逃したQBは公園を後にしようとしていた。

QB(あれはとびっきりの上玉だ。鹿目まどかに匹敵する因……)

?2「た~ま~」キコキコ

QB(?)

?2「たま~、こんなところでなにしてるですか~」キコキコ
?2「いまイクで~す」キコキコ

QB「!?」

?2「あれ……よく見たらたまじゃなくてうさぎさんです~」

QB「き、君には僕が見えるのかい?」

?2「このうさぎさん喋るです~面白いで~す」ガッ

QB「ちょ……そうだ、君の名前はなんていうんだい? 僕の名前はキュゥべえっていうんだけど……」

タラヲ「ぼくですか? ぼくはフグ田タラヲっていうで~す」キコキコ

 QBの首根っこを掴みながらタラヲはニヤリと不気味に笑った。

QB「タラヲ……ということは君は男の子だよね……?」

タラヲ「何当たり前のこといってるですかうさぎさん」グググ

 タラヲは手の力を強めた。

QB「い、痛いよ……タラヲ」

タラヲ「タラちゃんって呼んでくーださ~い」グググ

QB「や、やめてよタラちゃん……」

タラヲ「は~いです」パッ

ドサッ
QB「はぁ……はぁ……君はどうして初対面の僕にこんな酷いことをするんだい?」

タラヲ「一味です」

QB(わけがわからないよ……)



[29339] マミとの相談
Name: 恐怖のマラソンマン◆a078c6e3 ID:a7c9edb5
Date: 2011/08/17 19:01

~その後~

 さやかとまどかはマミに今朝の騒動の相談をしていた。

マミ「災難だったわねぇ、美樹さん」

さやか「そうなんですよーマミさん」
さやか「もう、ほんとに仁美にばれたらどうしようかと……」

マミ「そうねぇ。でもばれずに済んだのでしょう?」

さやか「えぇ、まぁ……」

まどか「だけど……あのおじさん達、結局誰だったんだろう……」
まどか「明日も待ち伏せされてたらって……考えたら……」

マミ「まあ、今日みたいに美樹さんに守ってもらえばいいとは思うけど……」

さやか「でも、もしまた転校生が邪魔してきたら?」
さやか「それどころか、あいつのことだからあのオヤジどもに加勢するかもしれないし……」

マミ「それは……一般人を殺しちゃまずいからきっと」

さやか「あの時の転校生の目、そんな目じゃなかった」( `_ゝ´)

まどか(ほむらちゃん……)





 結局、その後の話し合いの結果、これからは仁美をハブって登下校することに決まった。




[29339] 肉踊る磯野家の食卓
Name: 恐怖のマラソンマン◆a078c6e3 ID:a7c9edb5
Date: 2011/08/17 19:02
~その日の晩~

カツオ「う~ん、いい匂いがするぞ」クンクン

タラヲ「こうばしい香りですね、カツオ兄ちゃん」クンクン

カツオ「(っ´ω`c)」ジュルリ

 カツオは舌なめずりをして右のえくぼを窪ませた。

カツオ「少しだけなら……」ティロ

 厭らしい手つきでゆっくりと赤い肉をつまみ上げるカツオ。
 肉にのった脂が爪先にかじられて滴り落ちた。

カツオ「(´ ▽`).」アーン
カツオ(いただきま~す)


~~

サザエ「カツオ! 何やってるのよ!」ピシィ

カツオ「いてっ」

 頭をはたかれた衝撃でつまんでいた牛肉を落とすカツオ。

フネ「夕飯はお父さんとマスオさんが帰ってきてからっていったでしょうに」

カツオ「そ、そんな~……もう30分も待ったんだよ~」
カツオ「一口くらいいいじゃないか~」

ワカメ「だめよ、お兄ちゃん。ごはんは家族みんなで食べなきゃ」
ワカメ「それに生でお肉を食べたらお腹を壊しちゃうじゃない」

カツオ「ふん、ワカメはわかってないな~」
カツオ「高い肉は生で食べるのが通ってもんなんだよ」

サザエ「つまみ食いをする食通さんがいるもんですか」

カツオ「ちぇっ」

カツオ以外「あははははははは」





 それから数分して波平が帰宅した。
 しかし、どうもマスオは会社で飲み会があるらしく、
マスオ『おとぉさん、サザエ達には先にご飯を食べててくれって言っておいて下さい』
と波平は駅で伝言を預かってきたらしい。
 結局、磯野一家はマスオ抜きで、こうばしい香りのすき焼きを楽しんだのであった。




[29339] 注文の多いレストラン
Name: 恐怖のマラソンマン◆a078c6e3 ID:a7c9edb5
Date: 2011/08/17 19:04
~深夜・レストラン裏路地~

杏子「ふぅ、食った食った」ゲプ
杏子「それにしても今日はやけに残飯が多かったな」
杏子「きっと食えもしない料理や量の注文をした馬鹿がいたんだな……まったく」

 レストラン裏のゴミ捨て場を漁り終え、杏子は自宅に帰ろうとしていた。
 すると、丁度その時、レストランの表から女性の悲鳴が聞こえてきた。

杏子(なんだ?)

 好奇心に駆られて、杏子はそっと路地裏から表を覗いた。

~レストラン表・正面入り口~

マスオ「君ぃ! あんなおいしくない料理で、僕達からこんなにお金をとるってぃうのかぃ!?」ドンッ!

受付「ひゃ……ですがお客様……」

ノリスケ「はっはっは、マスオさん落ち着いてくださいよ」
ノリスケ「これ、きっとドッキリTVかなんかですよ」
ノリスケ「じゃなきゃ、こんな馬鹿みたいな真似できるわけないじゃないですか」

受付「あ……あ……」ガクガクブルブル

マスオ「あ……え“ぇ!? なぁんだ、そうだったのかぃ」
マスオ「いやぁ、お嬢さん。驚かしてしまって悪いねぇ。あはははは」

 受付の女など眼中にないかのように談笑する二人。
 その様子を見て受付は店内の同僚に合図を送っているようだ。

受付(け、警察……!!)

 ジェスチャー、両手の指で110番を表す受付。
 しかし、周りから恐る恐る店外を見つめる店員達は中々その合図に気づかない。

マスオ「あれ、君何してるんだい? 1……10?」
ノリスケ「百当番ですね、マスオさん」ニヤ
マスオ「ああ、おまわりさんかぁ」

 恐ろしいことに、一番初めに合図に気づいたのはマスオ達であった。

受付(た、たすけ……逃げなきゃ……)

 受付が腰を上げるよりも早く、ノリスケの太い指が受付の長い前髪を鷲掴みにする。
 そして、一瞬頭を上に引き上げると、勢いよく額から地面に叩きつけた。

杏子(!? な、なんだよ……あいつら……)




[29339] 野良猫
Name: 恐怖のマラソンマン◆a078c6e3 ID:a7c9edb5
Date: 2011/08/17 19:05
~杏子の回想~

杏子「ちっ、今日は残飯が少ねぇな……」

受付「あら、あなたは……」

杏子(あ、やべ……」

受付「待って……」

 帰りがけの受付の手には大きなビニール袋が二つ。
 家が貧しい彼女はレストランで余った食材や料理を持ち帰らせてもらっているそうだった。
 そして、それ以来、彼女は杏子を見つけると自分の分の余り物を分けてくれるのであった。

 もっとも、杏子はもらいものばかり受け取るのは良くないと思って基本的には残飯しか食べないのだが。
~回想終了~

ガンッ!

ノリスケ「いて!」

 ノリスケの後頭部に中身がまだ残りかけの缶ジュースが直撃した。
 かなり強い力で投げられたのか、缶は弾け飛び、中のジュースがノリスケの高価なスーツを盛大に汚していた。

マスオ「あ、あっちに怪しい子がいるよ! ノリスケ君!」

 マスオは路地裏を指差した。
 街灯の無い路地裏の影には、走り去る少女の姿がかすかに見えた。

ノリスケ「くっそぉ! あいつ、父の日にタイコから貰ったスーツをよくも……!」
ノリスケ「いきましょう! マスオさん!」

マスオ「うん! ノリスケ君」

 二人は受付を放り捨てると韋駄天走りに走った。





[29339] 激戦
Name: 恐怖のマラソンマン◆a078c6e3 ID:a7c9edb5
Date: 2011/08/17 19:05
~路地裏深部~

ノリスケ「ははは、随分すばしっこいようだけどもうこれで終わりだ」

マスオ「まさか自分から行き止まりに入るなんて、ぼかぁ思いもしませんでしたよ」

杏子「はぁ?」

ノリスケ「袋のねずみってことさ!」シュバッ

 肩を投げ出しながらの飛び込みタックル。
 強烈な一撃が華奢な杏子の体を襲う。

ガッ!

ノリスケ「わぁ!?」

しかし、必殺の一撃は長い槍で軽々と払われてしまった。
それどころか、逆に槍の切っ先でノリスケは横腹に傷を負ってしまった。

マスオ「ノ、ノリスケくぅん!?」

杏子「ぜってぇ許さねぇ」ボソッ

マスオ「え“ぇ!? なんだって!?」

杏子「うるせえええ!!」ダッシュ

 杏子は地面を抉るように蹴り上げマスオに迫る。
ノリスケ「たぁりゃ!」バッ

迂闊、マスオと杏子の直線上に倒れていたノリスケの張り手を杏子はまともに喰らってしまった。
杏子は側転して形勢を整えると、両側のビルの壁を蹴りながら上空に上がった。(三角飛び)

ノリスケ「マスオさん!」

マスオ「う、うん! ノリスケくん!」

杏子を追って二人もビル壁を蹴り上がる。
そしてノリスケが先に上に上がると、手をバレーボールを受けるように固め、腰に重心を置いた。

マスオ「え“えぇぇぇーーーい!!」

 ノリスケの手台を足場にマスオが大きく飛び上がる。
 両手をピンと上に伸ばしながら高速で飛翔するマスオは瞬く間に杏子の頭上を捉えた。

マスオ「びゃあああああ!」

 そして奇声を上げながら杏子の脳天目掛けて、折り畳んだ左足を銛のように突き出した。

(浜口まさるが「取ったどぉぉ」って言うときに持ってるのが銛)

杏子「……!」

 マスオの革靴が頭部に触れる寸前、杏子は左腕でマスオの蹴りを受け止めた。
 そしてそのまま腕と一緒にマスオを下に受け流すと、丁度自分の横にマスオの顔が来た時に思い切りその顔を殴りつけた。

マスオ「べっ!」

 マスオはきりもみ回転しながらビル壁に激突し、気を失った。

ノリスケ「マ、マスオさ……」
杏子「やっ!」グサッ
ノリスケ「あぐぅう……!」ガクッ

 落下するノリスケが着地するよりも早く、杏子の槍がノリスケの胸の中心を貫いた。

~数分後~

杏子「ふぅ……」
杏子「これも自業自得ってやつじゃねーの」

 倒れこんだ二人を見下ろしながら杏子は呟いた。

マスオ「う、うぅ……」

ノリスケ「こ、この悪ガキめぇ……大人にこんなことしてただで済むと……」

杏子「まだ足りねーみたいだな」グッ

 杏子が再び槍を構える。

ノリスケ「ひ……や、やめ……」

杏子(遅ぇんだよ……!」

 杏子は無言で槍を突き出した。
しかし――

?「そうはさせないわ、佐倉杏子」

 杏子の槍がノリスケの頭部を貫く寸前、何者かが槍を掴み止めた。




[29339] 最悪の魔法少女
Name: 恐怖のマラソンマン◆a078c6e3 ID:a7c9edb5
Date: 2011/08/17 19:06

杏子「て、てめぇは……」

?「うふふ」

杏子「波野タイコ!? どうしてお前がここに……」

タイコ「あら、あんまりじゃない? 私の夫をこんな酷い目に合わせておいて」
タイコ「それがいけないことした子の言う言葉なの?」

 人畜無害なタイコの瞳が杏子を見つめた。

杏子「夫って……こいつ、あんたの旦那かよ……」

タイコ「そう。波野ノリスケ、私の大事な旦那ですのよ」ジロ

杏子「ぐっ! くそ!」

 杏子はタイコに掴まれた槍を放り捨てると即座に逃げ出した。
 再び三角飛びでビルを駆け上がろうとした。

杏子(ちっ……やっぱりか……!!)ガクッ

 頭に浮かんでいた通りのことが起きた。
 かつてグリーフシード争奪の縄張り争いをしたときと同じ現象。
 タイコが現れると全身に気だるさを感じ、普段のような俊敏な身のこなしができなくなる。
 空中で体勢を崩した杏子は真っ逆さまにコンクリートの地面に墜落した。




[29339] 陵辱、屈辱。燃えずに散ったねずみ花火
Name: 恐怖のマラソンマン◆a078c6e3 ID:a7c9edb5
Date: 2011/08/17 19:07
~数分後~

杏子「う……こ、ここは……?」

 気絶していた杏子が目覚めた。

杏子「お、おい……なんだよ……これ」

 そこには予想もしない光景が広がっていた。

マスオ「いくよーノリスケくぅん!」ゲシッ

ノリスケ「OK! マスオさん!」ドカッ

 そこは杏子が育った教会であった。
 そして、ノリスケ達が教会のステンドガラスや椅子をバットで叩き壊していた。

杏子「や、やめろー!! うおおお!」

 杏子は変身してノリスケに殴りかかった。
 しかし、その拳はノリスケの大きな手にあっさりと受け止められてしまった。

杏子「え……」

ノリスケ「ウーロン茶☆ヌルヌル!」グリッ
杏子「ぐあああああ!」ジタバタ

 謎の掛け声と共に杏子の右手が捻られた。
 勢いをつけて捻じられた手はメキメキと音を立てながら関節から外れた。

杏子「うぅ……て、てめぇ」

マスオ「これはお返しだよ~佐倉君」ザッ

 不意に背後から現れたマスオの手刀が杏子の右胸を貫いた。

杏子「が……! あぁぁあああああん!! うわぁああああ!」

 喉が裂けるような悲鳴を上げながら杏子は倒れた。
 そしてそれを見ると、二人はニヤニヤと笑いながら杏子を抱え上げた。

ノリスケ「さぁて、マスオさん。僕達に嫌なことをしてくれたこいつをどんな目に合わせてあげましょうか?」

マスオ「う~ん、そうだねぇ……」
マスオ「そうだ! ノリスケ君、ここは教会らしく魔女狩りといこうじゃないかぁ」

 マスオはこの名案に我ながら驚いている様子だ。

ノリスケ「おお! さすがはマスオさん、風情がありますねぇ」

マスオ「そ、そんなに褒めないでくれよぉ、ノリスケくぅん」

杏子(ぐ……う……ま、魔女……だと……?)

ノリスケ「よーし、そうと決まったら準備をしなくちゃ」ダダ

 そうすると、ノリスケはどこから持ってきたのか十字架や棘付きワイヤー、農具で出来た槍や燃えやすそうな藁などをかき集めてきた。
 そして、二人は童心に戻って工作でもしているかのように魔女の処刑場を教会の真ん中に作り上げた。

ノリスケ「やぁっつ!」グサッ

 棒の先端にくくり付けられた鎌が杏子の太ももを裂く。

マスオ「ぇえい!」グイ

 杏子の首に何重にも巻きつけられたワイヤーをマスオが締め上げる。
 無数の棘が細い首に突き刺さり、赤い血が線を伝って滴り落ちた。

杏子「ぁぐ……ぁ……ゃぁ……」

ノリスケ「はは! 流石魔法少女だ、ここまでやって生きてるなんて遣り甲斐があるってもんさ」グサグサ

杏子「ひぃ……うぅ……ぐすっ」
マスオ「魔女め」

 意識が朦朧とした杏子の耳元でマスオが囁いた。

マスオ「君のせいでみんな苦しんだんだ、この償いはしっかりしてもらうからね」

 マスオの言葉が杏子の胸に突き刺さる。
 みんなとは当然、マスオとノリスケのことだ。
 しかし、杏子にはまるで自分の過去をかき回されたような、そんな気持ちがした。

杏子「うぅ……うぅ……ぅざん」

ノリスケ「えぇ!? なんて?」

杏子「おとぅざん……ぐすっ」

ノリスケ「(っ´ω`c)」ププッ
ノリスケ「ぶわっはっはっはっは!」
ノリスケ「き、聞いたかいマスオさん! こ、この子、この後におよんで、お……お父さん!(裏声)、だって!」ブー

マスオ「ふぷ……うぷ……や、やめてくれよぉノリスケくぅん」
マスオ「ふ、噴出してしまうじゃないかぁ」ゲラゲラ

杏子「……ぐすっ」

ノリスケ「はは、まぁまぁ……マスオさん落ち着いて」
ノリスケ「まぁここまでやれば他にやるのも面倒ですからこれぐらいにしときましょう」

マスオ「それもそうだねぇ、ノリスケ君」

ノリスケ「じゃあ、最後は盛大に……っと」

 ノリスケは十字架に掛けられた杏子の周りに藁を集めた。

マスオ「こっちはバケツ用意できたよ~」

ノリスケ「おっと、ありがとうございますマスオさん」シュッ

 ノリスケはカバンからライターを取り出した。

マスオ「こっちのねずみ花火なんか綺麗だと思うんだけど……」

 マスオは家族用花火セットから一際大き目の花火を取り出す。

ノリスケ「おぉ~いいですねぇ、マスオさん」
ノリスケ「最近は花火をするにも一苦労する世の中になりましたからねぇ」
ノリスケ「たまには、こう、広い場所でパァーッと見てみたくなるもんですなぁ」

マスオ「ふふ、まぁゥチは庭があるからよくタラちゃんとやるんだけどね」

 マスオが差し出した花火にノリスケが火をつけた。
 そしてねずみ花火が杏子に向けて投げられた。






[29339]
Name: 恐怖のマラソンマン◆a078c6e3 ID:a7c9edb5
Date: 2011/08/17 19:08
~ほむホーム~

杏子「ハッ……ここは!?」

ほむら「私の家よ」

杏子「え……あいつら、タイコの旦那達は……?」

ほむら「タイコ……」

杏子「そ、そうだよ! タイコ、波野タイコ……」
杏子「あいつがこの町に……!!」

ほむら「あなたが何を言っているのかわからないわ」
ほむら「私は路地裏のゴミ箱の近くで寝ていたあなたを見つけた……」
ほむら「そして見るにあまってここまで連れて来ただけよ」

杏子「そ、そんな馬鹿な! 確かに私はあいつらと……」

ほむら「あいつらと?」

杏子(!? 傷が無い……あんなにズタボロにされたってゆーのに……)

ほむら「夢でもみていたんじゃないかしら」

杏子「……」

ほむら「今日は遅いから泊まっていくといいわ」
ほむら「疲れているんでしょう、よく休むといいわ」ファサァ

杏子「……すまねぇ」

 そうして杏子はほむホームで一夜を過ごすと、ほむらが起きるよりも早く家を去っていた。




[29339] マスオ、アナゴの誘いを断る
Name: 恐怖のマラソンマン◆a078c6e3 ID:a7c9edb5
Date: 2011/08/17 19:08
~数日後~

アナゴ「マスオくぅん」

マスオ「あぁ、どうしたんだい、アナゴ君」

アナゴ「今日、ちょっと彼が急用できちゃったみたいなんだけどさぁ~、君やってかない?」

 アナゴは手をジャラジャラと動かして見せた。

マスオ「いやぁ、実は僕も今日は用事があってねぇ」
マスオ「また今度、是非誘ってくれたまぇ」

 そう言ってマスオは麻雀の誘いを断った。

~その頃・磯野家~

サザエ「タラちゃ~ん、タラちゃ~ん!」

 今、磯野家にはサザエとタラヲしかいない。
 というよりは、二人しか起きていない。
 どういうわけか他のみんなはそそくさと寝床についてしまったのだ。

サザエ「まったくぅ……今日はおかしなことが続くわねぇ。タラちゃ~ん」

ボッ

サザエ「!? タラちゃん?」

 風呂場の明かりが急についた。

サザエ「タラちゃん……こんなところに……ぎゃあああああ!!」

 風呂場に入ったサザエ、しかしそこにはタラヲは居なかった。
 代わりに浴槽から大きな蛇が首を出し、サザエの口に頭から突っ込んできた。

サザエ「う……う……」

 大蛇が吐き出す謎の液体がサザエの胃に染み渡る。

?「一味です」

 サザエは眠るように倒れこんだ。



[29339] あたしって、ほんとバカ
Name: 恐怖のマラソンマン◆a078c6e3 ID:a7c9edb5
Date: 2011/08/17 19:11
~駅~
 魔女化寸前の事態に陥ったさやか。
 それを発見した杏子は引きとめにかかる。
 しかし、さやかは杏子の言葉に耳を貸さない。
 さやかのソウルジェムはドス黒く淀んでおり、もはや杏子の持っているグリーフシードでは穢れを吸いきれない。

杏子「さやか……まさかお前……」

さやか「あたしって……ほんと馬鹿……」

 さやかの瞳から一粒の涙が零れ落ちる。
 そして――



[29339] そんなの、あたしが許さない
Name: 恐怖のマラソンマン◆a078c6e3 ID:a7c9edb5
Date: 2011/08/17 19:12
マスオ「え“ぇーーい!」ゲシッ

さやか「!?」ビクッ

杏子「さやか!?」

 マスオの蹴り上げにさやかはソウルジェム手から落とした。

ノリスケ「危ない危ない」シュゴゴゴゴ
ノリスケ「あやうく魔女化しちゃうところだったじゃないかぁ、さやかちゃん」

さやか「え……な、なんで……あんた達……」

杏子(こ、こいつら……やっぱりあれは夢なんかじゃ……)

マスオ「流石はタラちゃんが用意したグリーフシード、よく穢れを吸ってくれたじゃないか」

さやか「……」

杏子「てめぇら、まさかさやかを救いに来たなんてこと言うわけじゃ……」

ノリスケ「まぁさか? そんな馬鹿馬鹿しいこと僕らがするわけないじゃないか」

マスオ「ノリスケ君のお気に入りなんだよね、君達は」

ノリスケ「あ、ほら、これ」ポィ

さやか(あたしのソウルジェム……!)キャッチ

マスオ「それじゃぁさやかちゃん、一緒に……」

 マスオは紳士的に手を差し出した。

杏子「く……逃げるぞ! さやか!!」
さやか「え!?」
杏子「いいから!」ダッ

 杏子は、まだ意識がはっきりとしていないさやかを抱えると一目散に逃げ出した。
 あの夢が真実だとしたら、このままさやかを引き渡せばどうなるかは考えるまでもない。




[29339] 怪奇、深夜の駅の双暴漢
Name: 恐怖のマラソンマン◆a078c6e3 ID:a7c9edb5
Date: 2011/08/17 19:17
ノリスケ「そうはいかないよ! そぅれ!」

 サッカーボール大の鉄球が取り付けられた鎖が二人目掛けて飛びついた。

杏子「くぁ! こいつ……!」

さやか「杏子!?」
さやか(あたしも変身しなくちゃ……)

マスオ「やぁああ!」

 四つんばいからの大ジャンプによる飛び掛り。
 鋭い爪をむき出したマスオがさやか達に襲い掛かる。

さやか「うわああああ!」ガキィィン

杏子「!?」
杏子「さやか……お前」

マスオ「むぅぅ、やるなぁさやか君は」

さやか「杏子……あたし、もう大丈夫だから……」

杏子「でも、お前……」

ノリスケ「おぉっと! こっちも忘れないでくれよぉ!」

 ノリスケが杏子の腰に絡まった鎖を引っ張った。

杏子「う!」

 バランスを崩した杏子がノリスケに引き寄せられる。
 しかし、その途中でさやかが鎖を引きとめた。

ノリスケ「さやかちゃん!?」

さやか「杏子!」
杏子「ああ!」

 二人はアイコンタクトをすると、綱引きの要領で鎖を掴み、逆にノリスケを引き付けた。

さや杏「やあああああ!」

 そしてそのまま振り回し、鉄球ごとノリスケをマスオにぶつけた。

マスオ「びゃあああああ!」
ノリスケ「ぁぁあああい!」




[29339] 決裂
Name: 恐怖のマラソンマン◆a078c6e3 ID:a7c9edb5
Date: 2011/08/17 19:17

 そうして、さやかと杏子、マスオとノリスケのコンビは数十分に渡る死闘を繰り広げた。

さや杏「はぁ……はぁ……」

ノリスケ「はは、やっぱり女の子は体力がないね」

マスオ「ノリスケくぅん! あと一押しだよ!」

杏子「くそ! ここまでかよ……」

さやか「はぁ……はぁ……畜生……」

マスオ「さーぁ、これで止めだ! えぇぇい!!」
ほむら「その必要は無いわ」ファサァ

 突如現れたほむらがマスオとさやかの間に立ちはだかった。

マスオ「え“ぇ!? そ、そうなのかぃほむらちゃん!?」

さやか「転校生……あんた、また!?」

ノリスケ「と、突然現れてどうしたんだいほむらちゃん」
ノリスケ「あ、そうか……僕達の手助けに来てくれたってわけかぁ」

マスオ「あぁ、な、なるほどぉ」

ほむら「」
さやか「」
杏子「」

 ノリスケとマスオが目を合わせてうなずいていると、魔法少女達はいつの間にか消えていた。





[29339] 悪魔の契約
Name: 恐怖のマラソンマン◆a078c6e3 ID:a7c9edb5
Date: 2011/08/17 19:19
~ほむホーム~

杏子「おい、ほむら……」

ほむら「……」

さやか「どういうことか説明してもらおうじゃないの、転校生」
さやか「どうしてあんた、あいつらと知り合いなのさ」

ほむら「……」

杏子「……あたし達を助けたってことは、さぁ」

ほむら「見ていられなくなったのよ」

さやか「え……」

ほむら「いくらワルプルギスの夜に対抗するためとはいえ……」
ほむら「波野タイコに協力してまで……とは思えなくなったのよ」
ほむら(自分でも甘いと思うわ」

さやか「それってどうゆう……」

QB「僕が説明してあげるよ」

さや杏「!?」

杏子「て、てめぇどの面さげて……」ガッ

QB「時間遡航者・暁美ほむらは鹿目まどかを救うために悪魔と契約したのさ」

さやか「悪魔!?」

杏子「タイコのことか……」

QB「うん、まぁことはもっと根深いんだけどね」

ほむら(やはりインキュベーターも……)

QB「波野タイコが暁美ほむらに協力する」
QB「その代わりに、暁美ほむらは波野ノリスケ達の玩具を提供する」
QB「こういう契約さ」

杏子「お、玩具って……あたしらのことかよ! おい!」

ほむら「……」

QB「いや、佐倉杏子、君は彼らにとってイレギュラー」
QB「つまり偶然さ」
QB「暁美ほむらが差し出した玩具、それは美樹さやか、君一人だけさ」

ほむら「……間違いないわ」

さやか「……」

QB「? さやか、いつもの君ならすぐにほむらに飛び掛ると思ったけど」
QB「病み上がりだから具合が悪いのかい?」

さやか「……聞かせてよ」

ほむら「……?」

さやか「まどかを救うとか、玩具とか、なんか色々わけわかんないけどさぁ」
さやか「……結局あんたはあたし達のこと見捨てなかったわけなんでしょ」
さやか「だったら全部聞かせてよ、そいつの口からじゃなくてあんたの口からさぁ……」

QB(どうして僕の説明じゃ満足できないのかなぁ……まったく)

ほむら「ええ、わかったわ……」



[29339] 真相
Name: 恐怖のマラソンマン◆a078c6e3 ID:a7c9edb5
Date: 2011/08/17 19:21

 ほむらは重い口を開いた。
 自分がどういう経緯で魔法少女になったのか。
 まどかを救うために何度ループを繰り返してきたのか。
 そして何度失敗してきたか。
 さらに、波野タイコ、最悪の魔法少女という新たなイレギュラーの存在。
 それがワルプルギス突破の鍵になりうると考えた経緯まで。
 ほむら自信がタイコの力を甘く見すぎていたことも。

ほむら「まさか、ただの人間を魔法少女相手に戦えるようにできるだなんて思ってもいなかったわ」

さやか「変身したあたしだったら玩具にされても平気だと思ってたってこと?」

ほむら「正直に言えばその通りよ」
ほむら「せいぜい半殺しくらいであの変態達を懲らしめると思っていたわ」
ほむら「だけど、佐倉杏子との戦いぶりを見て自分の間違いに気づいたの」
ほむら「波野タイコは私がコントロールできるような相手じゃないと」

杏子「……」

QB「さぁ、さやか、どうするんだい?」
QB「今のほむら落ち込みようなら、君でも十分彼女を倒せると思うけど」

さやか「……す」ボソッ

ほむら「!!」
ほむら(……許す?)




[29339] もう悪魔には頼らない
Name: 恐怖のマラソンマン◆a078c6e3 ID:a7c9edb5
Date: 2011/08/17 19:50
~数日後~

ほむら「ついにこの日が来たわ」

マミ「ワルプルギスの夜が……この結界の先にいるのね」

杏子「ん……どうした? まさか怖気ついたなんていわねぇよな」

マミ「むしろその逆ね。この手で伝説の魔女を倒すんですもの」
マミ「今から武者震いが止まらないわ」キリッ

さやか「結局今日までタイコとかいう奴は来なかったけど……」

ほむら「……そのことについてなんだけど」
ほむら「実は波野夫妻達がこの結界の先にいる可能性が高いわ」

マミ「え!?」アセアセ

杏子「ど、どういうことだよ?」

ほむら「これは波野タイコ自身から聞いたことなのだけど……」
ほむら「どうやら彼女の親玉が……この見滝原町にワルプルギスの夜が来たら困るということを言ってるらしいのよ」

さやか「親玉?」

ほむら「詳しくは知らないわ。だけど口ぶりからしてそんな感じだったわ」
ほむら「なんでもお気に入りの子が住んでるらしいから、”ワルプルギスの夜は私たち共通の敵ね”と言われたわ」

杏子「でもよぉ、それってその子だけ逃がせば……」

マミ「町で見かけた子に勝手に一目ぼれしたんじゃないかしら」
マミ「だからどの子かはわからない、とにかく町が全滅したら困るのよ」

ほむら(意外と鋭いわね)
ほむら「まあ、とにかくこの結界に入る前に、それなりの覚悟をしておいた方がいいということよ」




[29339] 嵐の前触れ
Name: 恐怖のマラソンマン◆a078c6e3 ID:a7c9edb5
Date: 2011/08/17 19:23
~結界内~

 いざ結界内に突入したほむら達であったが、まだ目前にはワルプルギスの姿は無かった。

さやか「ふぅ……」

ほむら「美樹さやか、今は見当たらないようだけど、戦うことには変わりないのよ」

さやか「わ、わかってるわよ」(`ε´)

タイコ「あら、そうでもないわよ」

マミ「!?」
マミ(こ、この人がタイコ? いつの間に……)

杏子「て、てめぇ!? 一体どこから……」ジャキッ

ノリスケ「おいおい、気づかなかったのは君たちの不注意のせいだろう?」
ノリスケ「僕らに八つ当たりしないでくれよ」

さやか「く……」

マスオ「久しぶりだねぇ、さやか君に暁美君……あと」

サザエ「佐倉杏子ちゃんでしょう?」

杏子(し、新顔!?)

ほむら(フグ田サザエ!? 彼女は一般人のはず……どうしてここに?)

タイコ「ワルプルギスの夜を倒すのは私達なんだから、あなた達が心配する必要なんてなくてよ」
タイコ「だから、少しだけ私達のウォーミングアップに付き合って頂きますね」ニコ

ほむら「く……それはこっちの台詞よ」
ほむら「あなた達こそ戦う必要は無いわ!」キッ

ほむら(時間さえ止めてしまえば……!?)
ほむら(あ、頭が……痛い……)
ほむら(時間停止を維持できない……)ガクッ

マミ「暁美さん!? 大丈夫!?」

マスオ「えぇ!? どういうことだい!」
マスオ「さっきまであそこにいたほむらちゃんがあんなところに!?」

タイコ「(・c_、・ )」
タイコ「まあいいわ、それじゃあ皆さん、始めましょうか」

 タイコの目配りを受けて、サザエ達が動き出した。




[29339] サザエさん時空
Name: 恐怖のマラソンマン◆a078c6e3 ID:a7c9edb5
Date: 2011/08/17 19:23

サザエ「いくわよー! そりゃぁー!」

 包丁を逆手に持ったサザエがマミに切りかかった。

マミ「きゃ!」ガキィン(マスケット銃)

杏子「喰らいやがれぇぇ!」ザシュ

マスオ「ぅわぁ! あ、危ないじゃないか! 佐倉君!」ヒョイ
マスオ「え“ぇーい!」ズバッ

杏子「くっ……」ドパッ

さやか「!?」
さやか「ちくしょーー!」サーッ

マスオ「びゃああああ!」
ノリスケ「マスオさん!」ガキィン

 ノリスケの鎖がさやかの剣を弾いた。

マスオ「あ、ありがとうノリスケ君!」

ノリスケ「いいんですよ、マスオさん」
ノリスケ「だけど今度、コレッお願いしますね」クイ

 ノリスケはお猪口をくいと寄せる仕草をした。

マミ(今だわ!)パパパ
マミ「美樹さん! 佐倉さん! 離れて!」

サザエ「うひゃー、銃が空に一杯……」

 マスケット銃の弾幕がサザエファミリーを襲った。





[29339] 悪魔の囁き、少女に迫る三重結界
Name: 恐怖のマラソンマン◆a078c6e3 ID:a7c9edb5
Date: 2011/08/17 19:25

~ビルの屋上~

タイコ「思ったよりもすごいわねぇ」

 下界を見下ろしながらタイコは楽しそうに呟いた。

ほむら「一騎打ちが望みだなんて、いくらあなたでもあの乱戦に恐れをなしたのかしら?」

タイコ「あら、お願いそんな皮肉言わないで」
タイコ「あなたとっても可哀想な子に見えるわよ」

ほむら(ほむぅ……)ムスッ

QB「その通りだ暁美ほむら」

ほむら「インキュベーター……!?」
ほむら「どうしてあなたがここに……」

QB「君に助言をしてあげようと思ってね」

タイコ「まぁ、キュゥべえったら私の味方はしてくれないのね」

QB「……はっきり言うよ暁美ほむら、君はこの時間軸から早々に立ち去るべきだ」
QB「鹿目まどかをこの時間軸で救うことは不可能だからね」

ほむら「何を馬鹿な……」

タイコ「何の話か気になるわ。続けて、キュゥべえ」

QB「暁美ほむら、仮に君が波野タイコ、そしてワルプルギスの夜を倒したとしても鹿目まどかは救われない」

ほむら「な、何を根拠に……」

QB「僕がフグ田タラヲ……タラちゃんにまどかの居場所を教えたからだ」

ほむら「?」

QB「今現在、タラちゃんはまどかを追跡中だ」
QB「じきに追いつくだろうから、その時は彼女は無事では済まないだろうね」

ほむら「!? ど、どういうこと……!?」

タイコ「うふふ、タラちゃんっていうのは私達のボスよ……」

ほむら(!?)
ほむら(タイコの親玉……この町の女の子を狙っている男……)

QB「ちなみに、今まどかは君のいるこの場所を目指して走り続けている」

ほむら「……」

QB「この場を放り出してまどかの元に駆けつけてもいい」
QB「だけど、それだとワルプルギスの夜が来た時には手遅れになるだろうね」

タイコ「あらあら……」
タイコ「それじゃあ暁美さんは私達とワルプルギスの夜、そしてタラちゃんの全員を倒さなきゃ鹿目さんっていう子を救えないのね。可哀想」

ほむら「……」プルプル

QB「だから君にはこの時間軸から立ち去ることをお勧めするよ」
QB「その方がまだ希望があるからね」

ほむら「……」

QB(ほむら、君には教えていないけど、君が時間を遡る度にまどかにはどんどん因果が溜まっていくんだ)
QB(しかも、その増加量は指数爆発的に増加する……いや、それ以上と言ってもいいくらいだ)
QB(さあ、暁美ほむら……・君は君のいるべき場所に帰るんだ)





[29339] 常識的節度、前線にも残る大人の尺度
Name: 恐怖のマラソンマン◆a078c6e3 ID:a7c9edb5
Date: 2011/08/17 19:27

ワルプル「(゚∀゚)アハハハハハハ」

ほむら「!?」
ほむら(ワルプルギスの夜……もう来てしまったの!?)

QB「さぁ、ほむら! 君が死んでしまっては元も子もない」
QB「怪我をしないうちに……」ゲシュ

タイコ「……」

ほむら「波野タイコ……一体どういうつもり?」

タイコ「暁美さん、ここは元々の約束どおり一緒に戦いましょう?」
タイコ「こんなに早くワルプルギスの夜が来てしまったんですもの」
タイコ「私達が戦うのは後回しにすればいいんじゃないかしら」

ほむら「……」
ほむら(嘘を言っているようには見えないわね……)
ほむら「わかったわ」シュビン

タイコ「あら、もうあんなところにワープしてるわ」
タイコ「私も急がなくっちゃ」シュゴゥ

~下界~

ゴゴゴゴゴ

さやか「な、何よ……あのでっかいの……」

マスオ「え“ぇぇ! あの大きいのがワルプルギスの夜だっていぅのかい!?」

サザエ「ど、どうするの? 貴方……」

マスオ「き、決まってるじゃなぃかぁ、サザエ!」
マスオ「タラちゃんのために頑張るのさぁ!」

 フグ田夫妻はさやか達を放り出してワルプルギスに向かった。

ノリスケ「あぁ!? ま、待って下さいよぉマスオさ~ん!」ダダダ

杏子「ふぅ……」カクッ

マミ「はぁ……はぁ……」
マミ「私達もうかうかしていられないわ」
マミ「行きましょう! 美樹さん、佐倉さん!」

 マミ達もワルプルギスに向かった。




[29339] 最後に残った道しるべ
Name: 恐怖のマラソンマン◆a078c6e3 ID:a7c9edb5
Date: 2011/08/17 19:28

~数分後~

ワルプル「(゚∀゚)アハハハハハハ」

ほむら(……やはりこの程度の爆撃ではダメージを与えられない)

マスオ「いくよーサザエ!」
サザエ「合点承知よ!」

 マスオに投げ飛ばされたサザエがワルプルギスの夜に噛み付く。
 しかし、強靭な装甲を前にサザエの牙が砕けてしまう。

サザエ「うひゃー」

ほむら(タンクローリーよ……っ!)ドカッ

ワルプル「(゚∀゚)アハハハハ……アハ」

ほむら(次はミサイル……)

タイコ「キェェェエエエエエイ!!」シュゴウ

ほむら(!?)

 天狗のように駆け回るタイコがワルプルギスの全身を駆け上る。
 そしてスカートの中の歯車の上まで来ると、竜巻のように体を旋回させながら大きく足を振り下ろした。

ワルプル「((;´ρ`) アハ……アハハハ」ガコン

 金属がぶつかり合う音と共に、ワルプルギスの歯車が大きくずれた。

ワルプル「((;´ρ`) アハハハハ……」ギコガコン

ほむら(動きが不自然に……)
ほむら(ハッ……そうよ、今まで何故気づかなかったのかしら……)
ほむら「巴マミ! これ以上の銃撃は必要ないわ! それよりも……」

マミ(なるほどね……)

 ほむらからのテレパシーを受けたマミが動き出す。




[29339] 陥落
Name: 恐怖のマラソンマン◆a078c6e3 ID:a7c9edb5
Date: 2011/08/17 19:29

~そして~

ワルプル「(;´ρ`) アー……アー……」ガタガタ

 歯車の回りに無数のリボンと剣が絡まったワルプルギスの夜。
 タイコが加え続けた強烈なラッシュも合わさり、もはやまともに身動きが取れなくなっていた。

杏子「よーし、これでいいか、ほむら!?」ガンッ

ほむら「ええ、それくらいの隙間があれば十分よ」

 杏子達は、陥落したワルプルギスのスカートをたくし上げていた。

ほむら(今の状態なら、内部からミサイルを爆発させれば、完全に歯車を外すことができる……)
ほむら「さぁ、みんなここから一旦離れるのよ!」

マスオ「えぇ!? もういいのかい? ほむらちゃん」

ワルプル「(;´ρ`) アー……アー……」ガタガタ

ほむら(これで最後よ……ワルプルギスの夜)

 ほむらはありったけの火薬をワルプルギスの夜に叩き込んだ。




[29339] 這い寄るキコキコ
Name: 恐怖のマラソンマン◆a078c6e3 ID:a7c9edb5
Date: 2011/08/17 19:30

~数分後~

まどか「ほむらちゃ~ん」トテトテ

ほむら「まどか!?」

まどか「はぁ……はぁ……」
まどか「ワ、ワルプルギスの夜は……?」

ほむら「……」視線をずらす

まどか「あ……」
まどか(機械の破片?)

さやか「遅かったじゃない~まどかー」

まどか「さやかちゃん!?」

マミ「鹿目さん、もうあなたの出番は残っていないわよ」ニコ

まどか「そ、それじゃぁほんとに……」

?「そうは問屋がおろさないで~す」キコキコ
ヒュン

ほむら「!? まどか! あぶな……」グサッ
ほむら「うぅ……」

まどか「ほむらちゃ……」

杏子「吹き矢だと!? だ、誰だ!?」

?「ぼくで~す」キコキコ
ヒュン

杏子「ぐっ……」チクリ

マミ「鹿目さん、美樹さん! と、とにかくここから……」

?「ヒュッ」キコキコ

マミ「あ……」グサッ

さやか「マミさ……」グサッ

まどか「え……え……?」
まどか「み、みんな……」

タラヲ「一味です」キコキコ




[29339] 原罪的欲求! 「逃げて! まどか!」 ほむらの叫び
Name: 恐怖のマラソンマン◆a078c6e3 ID:a7c9edb5
Date: 2011/08/17 19:32

まどか「え……お、男の子?」

タラヲ「お姉ちゃんまどかちゃんって言うんですね」キコキコ
タラヲ「ようやく会えましたーで~す」キコキコ

さやか「まどか……」ムクッ

まどか「あ……さやかちゃん……大丈夫だったんだ……え!?」ガシッ
まどか「や、やめてよさやかちゃん! 放してよ!」

タラヲ「いくらお願いしても無駄で~す」
タラヲ「僕のおしっこ塗った矢が刺さったからにはみんな僕の言いなりで~す」

杏子「」ムクッ
マミ「」ムクッ

まどか「ひゃひ……み、みんなどうしちゃったの……」
まどか「や、やめて……」

ほむら(う……まどか……)

QB(だから言っただろう、暁美ほむら)
QB(君にはまどかを救えないってね)
QB(それどころか、君の意識は今タラちゃんに蝕まれつつある)
QB(これじゃあ、もう時間遡航はできないだろうね)

ほむら「う“うぅぅぅ……」

QB「きゅっぷい」チョコン

タラヲ「あ、うさぎさんで~す」ヒュン

QB「おっと」ヒョイ
QB「まどか、どうやら君は僕と契約する運命があるようだね」

まどか「え……?」

QB「たとえワルプルギスの夜の脅威が去っても、こうして新たな問題がやってくる」
QB「これこそが君の因果の由縁だ」

まどか「うぅ……」

QB「このままだと、君はおろか他のみんなもタラちゃんに犯されてしまうだろうね」

まどか「そ、そんなぁ……そんなこと言わないでよぉ……」ポロポロ

タラヲ「うさぎさんの言うとおりで~す」
タラヲ「まどかちゃんはぼくの赤ちゃんを産むんです」

 タラヲが半ズボンを下ろした。
 そこにはペニスの代わりに黒々とした大蛇が鎮座していた。

まどか「い、嫌ぁ! 嫌ぁ!!」ジタバタ

QB(わ、わけがわからないよ……あんなもの入れたら赤ちゃんを産むどころか下半身が破裂しちゃうじゃないか!)
QB「諦めたらそれまでだ! でも、君なら運命を変えられる。避けようの無い滅びも、嘆きも、総て君が覆せばいい」
QB「その為の力が、君には備わっているんだから」
QB「さあ! 早く僕と契約を!」

タラヲ「なんだかわからないですけど……」

 マミに捲り上げられたスカート、杏子にずり落とされたパンツ。
 その中身を見て、タラヲは両手を拝むように合わせた。

タラヲ「とにかくいただきま~すでーす」

 大蛇がまどかの陰部目掛けて突き進んだ。

ほむら「まどかぁああああああ!!」




[29339] ワルプルギスの夜
Name: 恐怖のマラソンマン◆a078c6e3 ID:a7c9edb5
Date: 2011/08/17 19:34

~その頃・見滝原研究所~
見滝原博士「あぁ! ス、スーパーセルが……消滅?」

ヤマトネ「えぇ!? なんですって?」

ナレーター「一ヶ月ほど前から見滝原博士の依頼を受けていたヤマトネ博士」
ナレーター「大都市を一夜にして破壊してしまうという、恐ろしい災害、スーパーセルの前兆を察知した二人は、この竜巻を食い止めようと今日まで日夜研究を重ねていたのであった」

ヤマトネ「うーん実に不思議だ……」

マリー・ミレ「あら、でもおじさま……また雲が集まっているわよ」

見滝原博士「そ、そんな馬鹿な……そんなことは科学的には……」

ダレオ「うわ~すごいや、さっきよりも大きくなってますよ博士」
ダレオ「これが全部水あめだったらいいんだけどな~」

マリー「ダレオさん黙って」

ヤマトネ「うむ……まずい、これはまずいぞ」
ヤマトネ「あの成長度合いではすぐにこの研究所まで雲が届いてしまう」

タケル「えぇ! そ、そんなぁ」
タケル「どうしよう……どぅしよぅお父さん」アセアセ

マリー(助けて……助けてコウモリさん……)





[29339] ひびわれる悪魔の野望
Name: 恐怖のマラソンマン◆a078c6e3 ID:a7c9edb5
Date: 2011/08/17 19:38
~その頃・ワルプルギス結界内~

タラヲ「とにかくいただきま~すでーす」

 大蛇がまどかの陰部目掛けて突き進んだ。

ほむら「まどかぁああああああ!!」

――ザクッ

タラヲ「!?」

 ペニスとワギナが結合する寸前、鋭利な先端の銀色の杖がタラヲの亀頭――大蛇の頭を貫いた。

タラヲ「うわーーーん! 痛いですーー!」ジタバタ

?「ワハハハハハハ、ハハハハハハ」

ほむら(何!?)

サザエ「だ、誰!? タラちゃんにこんな酷いことをするのは!!」(#`_つ´)

黄金バット「正義の味方、黄金バット!」

マスオ「えぇ!? このガイコツが喋っているのかぃ!?」

タラヲ「うぅぅ」

 切れ落ちたタラヲのペニスがトカゲの尻尾のように再生する。

タラヲ「パパ、ママ! あいつは僕の邪魔する悪い奴です!」
タラヲ「倒すで~す!」

 タラヲの命令により、波野夫妻とフグ田夫妻が黄金バットに飛び掛る。

バット「サーーッ!」

タイコ「きゃああああ!! げほっ!」ドパドパ

 しかしサザエファミリーは強烈な一撃を腹部に喰らい、あっという間にあしらわれてしまう。
 みな一様に白く濁った黄色い液体を吐き出した。

タラヲ「くぅ~、よくも僕のおしっこを吐き出させてくれましたね」イライラ

ノリスケ「あ、あれ……ここは一体……」ガクッ

タラヲ「パパたちの代わりにお前達がイクで~す!」

バット「!」サー

 しかし、タラヲが命令するよりも早く黄金バットの雷がマミ達に降り注いだ。
 タラヲに打ち込まれた毒小便が蒸発する。

マミ「こ、これは……」

タラヲ「むぅ~~、もう許さないです~」キコキコ

 自慢の三輪車を漕ぎ回し、タラヲが吹き矢の雨を放つ。

バット「ワハハハハ」

 しかしタラヲの矢は黄金バットの体には突き刺さらない。

タラヲ「く~二味です!」キコキコ
タラヲ「このまま轢いてヤルで~す!」キコキコ
 猛進するタラヲ。

バット「来るか!」サー

 黄金バットの強烈な蹴りをタラヲは顔面にまともに食らってしまった。
 愛用していた三輪車はその衝撃で吹き飛んだ。ネジが外れ、タイヤが破裂した。

タラヲ「うわ~んです!」

 白目を剥いたタラヲは汚い舌を出しながらビルに衝突した。
 後頭部を強く打ったのか、タラヲは臭い泡をゴポゴポと吹き出しながら地面に墜落する。
 その拍子に全体重のクッションとなった金玉が弾け飛び、赤白い液体をほとばしらせながら根元から陰茎が千切れた。

ワルプル「(゚∀゚)アハハハハハハ!」
ほむら「!?」




[29339] こうもりだけが知っている
Name: 恐怖のマラソンマン◆a078c6e3 ID:a7c9edb5
Date: 2011/08/17 19:42

杏子「ワ、ワルプルギスの夜!?」

マミ(あたりに落ちていた破片がいつのまにか無くなっている……)

さやか「ま、まさか再生……」

ワルプル「(゚∀゚)アハハハハハハ!」

ほむら「そ、そんな……」

 撃破したかに見えたワルプルギスが巨大ビルの陰からのそりと姿を現した。
 しかもその体は無傷である。

タラヲ「お、おのれ~です……よくも……」ゴポ

 タラヲは千切れ落ちた自らの陰部を踏み潰しながら起き上がった。

ワルプル「(゚∀゚)アハハハハハハ! アヒャヒャヒャヒャヒャ!」ガコン

ほむら(……!! ワルプルギスの夜が……正転した……!?)

 突如、凄まじい風が巻き起こり、周囲のものをそぎ落としながら巻き上げた。

ワルプル「(゚∀゚)アハハハハハハ!」

タラヲ「う、うぎゃああああです!!」

 その強風により、タラヲは股間から血を吸いだされながら空の彼方へと消えていった。

まどか「うぅぅぅ……」

 マミのリボンによって地面やビルに体をくくり付けるまどか達。
 しかし、強烈な突風はその土台さえも崩しながら瓦礫を撒き散らす。

QB「まどか……早く契約を……」
QB「こ、このままじゃあと数日で人類の文明が滅びちゃうよ……!」

 いつのまにか杏子の髪に掴まっていたキュゥべえがまどかに契約を迫る。

杏子「て、てめぇ……こんな時まで!」


ワルプル「(゚∀゚)アハハハハハハ!」
バット「(◞≼◉ื≽◟◞౪◟◞≼◉ื≽◟)ワハハハハハハハ!!」

QB「!?」
QB(あれは……)

ナレーター「正位置を取り本来の力を発揮したワルプルギスの夜」
ナレーター「その前に立ちはだかるのは何者か」
ナレーター「秘密のマントを広げ、さらに大きな声で高笑いをする者」
ナレーター「それは我らが正義の勇者・黄金バットです」

バット「ワハハハハハハ!」

 黄金バットがマントをはためかせると、ワルプルギスに劣らぬ逆風が吹き荒れた。
 そして互いの風を相殺しあうと、あたりには両者の笑い声がだけが鳴り響いた。

ワルプル「(゚∀゚)アハハハハハハ!」
バット「ワハハハハハハ!」

~そして~

 ほむら達は逃げるだけで精一杯だった。
 正転したワルプルギスの力はほむらの想像以上だった。
 それはまるで、普段のワルプルギスの攻撃など寝言か寝返りの類に思えるほどの凄惨さであった。

バット「ワハハハハハハ!」

ワルプル「(;´ρ`) アハハハハハハ……」

ナレーター「しかし、突如現れた謎の超人・黄金バットの働きはその上を行くのでした」

バット「ワハハハハハハ! ワハハハハハハ!」カァーッ
ワルプル「ポーーーゥ!」

ナレーター「真の力を振り出したワルプルギスの夜」
ナレーター「しかし、黄金バットが繰り出すシルバーバトンの輝きに、ガラガラと音を立てながらその体を崩してゆくのでした」

~結界の外~

マミ「結界が消えていくわ……」

さやか「それじゃあワルプルギスの夜は……」

ほむら(本当に、これで最後なのよね……)

杏子「終わったんだよな……やっと……」

まどか「みんな……」

QB(く……こんなのってないだろう)
QB(これじゃあまどかとの契約は二度と……)

ナレーター「こうして四人の魔法少女と鹿目まどかは救われた」
ナレーター「ありがとう黄金バット、おめでとう暁美ほむら」
ナレーター「そして……強い、絶対に強い! 我らが黄金バット」

チャーラーラーッラー♪




[29339] 【最終】わたしの、最高のともだち
Name: 恐怖のマラソンマン◆a078c6e3 ID:a7c9edb5
Date: 2011/08/17 19:45
~その後・夏休み~
~海~

ほむら「ほむぅ」///

まどか「ウェヒヒ……ほむらちゃんの水着かわいいよぅ」(σ・з・)σツンツン

マミ「あらあら」

杏子「たく……見てられないぜ」
杏子(さやかも来ればよかったのに……)
杏子(まあ旦那がいるんじゃ仕方ないか)

 その後ほむら達は、偶然知り合った世界的科学の権威ヤマトネ博士の尽力により、ソウルジェムに閉じ込められた魂を元の体に戻すことに成功した。
 そして博士によって開発されたQB探知装置は瞬く間に世界中に普及していったのだった。

まどか「ティヒヒ」スリスリ
ほむら「ほむぅ……」




[29339] 【番外】絶命,悪魔が知った真の絶望
Name: 恐怖のマラソンマン◆a078c6e3 ID:a7c9edb5
Date: 2011/08/17 19:45
~その頃・磯野家~

タラヲ「はぁ……はぁ……」
タラヲ「やっと帰ってこれたです……」

ドンドン!

タラヲ「ママ~! 開けるですー!」
タラヲ「僕が帰ったですよー!!」

 奇跡的に生き残ったタラヲが帰宅した。
 タラヲの毒小便の呪縛から逃れた波野・フグ田夫妻は既に平穏な暮らしを取り戻していた。
 タラヲは再びそれを壊そうとしている……

タラヲ「ママー!!」
フネ「おや、タラちゃんじゃないか」ピト

タラヲ「!? お、おばあちゃん……」ゾゾ

フネ「今開けてあげますからね」カチャ

タラヲ「……」
~磯野家・居間~

タラヲ「マ、ママやカツオ兄ちゃんはどこですか……?」

フネ「サザエ達ならデパートに買い物に行ったところだよ」

 フネは自分の昼食の用意を台所でしている。

タラヲ「おじいちゃんもですか?」

フネ「そうだよ」

タラヲ「……」
タラヲ「どうしておばあちゃんだけうちにいるですか……」

フネ「おばあちゃんはあんまり騒がしいところは好きじゃないからねぇ」
フネ「あたしとタラちゃんは家に残ることにしたんだよ」

タラヲ「? 僕もですか?」

タラオ「あれ……僕がもう一人いるです……」

タラヲ「!?」

フネ「( ̄― ̄)」サッ

タラオ「あ……いなくなったです」

フネ「気のせいじゃないかねぇ、タラちゃんはそそっかしいから」

タラオ「えへへ、恥ずかしいです~」

フネ「さ、タラちゃんや、おそばができたから一緒に食べよう」

タラオ「食べるです~」





 その時タラヲは思い出した。
 一ヶ月前、タラオが交通事故に遭ったこと。
 そして、タラオの移植臓器を作るために、フネがタラヲを錬金したことを。

 フネの左腕には、一際年季の入った宝石付きの腕時計がはめられていた。




[29339] あとがき
Name: 恐怖のマラソンマン◆a078c6e3 ID:a7c9edb5
Date: 2011/08/17 19:53
2011年8月17日
 バットさんとワルプルギスが戦うssを書きたかったんだよ。
 あと、まどか達にもハッピーエンドになってもらいたかったんだよ。
 
 タラヲは魔法少女フネが錬金で作った怪物。
 マスオやノリスケがおかしかったのは毒で洗脳されてたから。
 タラヲは居なくなり、本物のタラオが帰ってきたから磯野家は元通り安泰。

 みんなハッピーエンドなんだよ。

 ちなみに,今(2011年8月17日)から数ヶ月はニコニコ動画で黄金バットが公式配信ちゅうなんだよ。

悟空「みんな、絶対ぇみてくれよな!」


感想掲示板 作者メニュー サイトTOP 掲示板TOP 捜索掲示板 メイン掲示板

SS-BBS SCRIPT for CONTRIBUTION --- Scratched by MAI
0.071186065673828