ああ俺はこのまま何も成さずに惨めに生きて行くのか?
勉強なんてしなくてもなんとかなると思っていたが。大学行っとくんだったぜ。
流石にフリーターのままじゃ・・・はぁ。だりい何もしたくねえ。だがしかし勝手に体が動いた。
さてと、ネトゲでもするか。ポチっと。パソコンを立ち上げると俺の好きなファンタジーカオスセロを起動した。
そう、この世界で俺は超有名人であり、みんなが慕うヒーローだ。
膨大な時間と労力、そしてマネーを費やして築き上げたキャラを持っている。俺が何かを言えば皆
大抵したがってくれるし、感謝されたりするんだ。必要とされているんだ。
大規模な部隊も作って向かう所は敵無しと言ったところだ。
さてと今日は何処に攻め込んでやろうかなっと。。。ん?ゲボランドが攻めてきそうだぞ!!
馬鹿め、我がホロデインに盾突こうとはいい度胸じゃないか。
さて、仲間を呼ばないとな。スカイポを起動して俺は仲間を呼ぶことにした。
いるいるざっと100人くらい居るな。おーいFCSやろうぜ?ゲボが攻めて来そうだからよ~防衛だけどさ。
「行く行く~」と、仲間が80人くらい集まった。よし、パーティ組んでっと。「じゃあ布告してくるまで首都で待機な!」
いっぽうそのころゲボランド人はダガーンに集結しつつあった。
「ぐへへ今日もホロホロしてやんよ~。布告するぜ~うきょきょきょきょ」
ダガーンは我がホロデインの玄関口であり、なぜかいつも攻められる砦である。昔は砦が無く
負けっぱなしであったが、現在は俺のリアルマネー投資により強固な要塞が完成し、非常に強固な拠点になった。まさに不落の要塞である。
「隊長~~~!ゲボが攻めてきましたよ!!」「よしお前ら出陣だ~。」「隊長につづけーうおおおおお!」士気はなぜか高い。
俺は金に物をいわせた重装備戦士。重装備だが金をかけただけあって軽量化に成功している。
右手には身丈ほどある魔法長剣に左手には巨大な反射の盾。頭部には翼のある兜。鎧は一見すると、ただの豪華な絹の服に見えるが実はほとんどの攻撃を反らす魔法の服。足具は魔法の具足だ。こういった強い装備は隊長しか装備が出来ない。しかも実績が必要なのだ。
実績とは隊員数や勝利数、後はリアルマネーだ。副隊長もある程度は出来るが、隊長とは比べると貧祖なものだ。
ホロデイン一の大部隊隊長だけあって俺は莫大な資金をつぎ込んでいる。まぁまずやられることは無い。やれるとすればあいつだけだ。
隊員の偵察によると敵には大手部隊はいないっぽいと言う事だった。となると俺の独壇場だな!あーはっはっはっは!
ーダガーン会戦防衛戦ー 勃発。
俺は魔法の具足でいっきにブーストを発動した。じゃあ先に西方主戦に行ってなぎ払ってくるわ!ドゴゴゴゴゴッゴゴゴゴ
俺は隊員達を尻目に主戦目掛けて突進した。
「おうおうノコノコお出ましか!たったっきってやるぜ!」
俺は思い切り長剣で空を切った!すると斬激が発動し、敵の先陣は吹っ飛び軒並み瀕死だ。
「うわー黄色い盾じゃんやべえ!!下がるぞ!!」
黄色い盾とは我が部隊名である。このまま追って倒してもいいが仲間のために獲物は取っておくか。。。1分ほどで仲間が追いついてきた。
「隊長~もう全部倒しちゃったの?」
ログ見てないのか!!と思ったが言わずに飲み込んだ。今日は新人しかいないみたいだしな。しかたないね。
「いや、逃げてったよ。」と笑顔で答えた。
「とりあえずこの辺の守りを固めようぜ。さて、オベリスクは伸びてきてるな、よし強化10アロータワー(AT)をまず立てよう。」
ダガーンはMAXまで投資しているのであらゆる建築物や召還が強化されているのだ。
うーんこんなもんかな?強化AT6を設置したところでとりあえず砦の様になった。
丁度その時、敵影が見えた。お、召還を出してきやがったな!影でも分るあれはレイスそれに護衛ナイト1だな。
早速軍団チャットで報告した。じきに強化10ナイトが来るだろう。
「よーしここで迎撃するぞ!!」「おおおおおお!!」と仲間の掛け声。
とりあえず相手は大手部隊がいないので俺が出て行くと仲間がしらける。なので後方待機でやばい時だけ助けることにした。
まあ新人ばっかだし、どの程度なのか見ておこう。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
「おい!!お前ら前に進めよw」「 だってレイスいるじゃん。」「馬鹿やろう!相手はびびってるんだぞ?突っ込めばなんとかなるってば。」
そう言うと仲間はしぶしぶ前進していった。。。。。。何してんだ?あいつら。
遠距離職は射程ギリギリで大魔法とかぶっぱ、近接職は個別に突っ込んで死んで、短剣はレイスに闇撒いて死んで。おいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい。
ゲボ民、「あれ?こいつら弱くね?おいこいつら雑魚だぜ?突っ込めw乗り込めーーーーーーーうひょーーーーー」
「隊長~~~」と俺の仲間はAT砦まで一目散に下がってきた。あーあ、こんなに早く俺の出番が来るとは情けないわ。
「俺も出るから行くぞお前ら!。」「うおおおおおおお!!!!やってやんよ。」調子良いな同士よ。
自軍ナイトは来る気配がないので、俺はレイスをまず叩き切ることにした。ブーストでレイス横まで前進し、そこでファイナルバッシュ!!スタンしたところで、ファイナルブレイズ百連打!!必死に逃げるレイス、だがHPは既に一桁だ。
これで止めだ!!ファイナルフォースインパクト!!アボーン。レイスは散った。俺にびびった敵はバラバラになり、仲間達に格個激破されるのだった。完全に歩兵力で押し切りオベも破壊して半ゲージ差だったがなんとか勝利できた。
ははは弱いんだよ!!雑魚どもが!!ダガーンに攻めようなんざ10年早いわ。と心でつぶやいた。
僻地がボロ負けだったのでこんな物か。 「隊長やっぱ強いですよねー」って仲間が言うてるけど軽く流して、今日は見知った奴もいないし、ログアウトすることにした。そして、、、
二日後の火曜日午前4時。
ピコピコピコ ピコピコッピコピコ と携帯が鳴る。
あ?何時だと思ってんだよ。間違い電話かな?携帯を見るとゼイからの着信だった。なんだ?こんな時間にとりあえず電話に出ることにした。
「 武夫(たけお)!!ダガーンが落ちちゃうよ!!」
「あ?別にいいじゃん取られるわけじゃないしよ。」
「だから取られそうだから電話してるんでしょ!!」
「落ち着けゼイよ!!お前、だってあそこは、ダガーンMAXだぞ?11回連続で負けないと取られないんだぜ? いったいいくら投資したと思ってんだよ。建築、召還もMAXだしよ。落ちるわけ無いじゃんむにゃむにゃ。」
「あんた、昨日のアプデ見てないでしょ?」
「 あ?なんかデカイの着たのか?」
「あーじゃあまず公式見てから連絡して。」とゼイは電話を切った。眠かったけどゼイの様子はただ事ではなかったので、公式を見てみた。何々?
深夜帯に戦争が起きにくいからなんとかしろ!とのご要望から、AIモンスターのNPC戦争システムを導入しました。詳細はこちら
何々?ぽっちっと。
一定のアクティブ数以下になると自動でモンスターNPCが発生します。中央大陸の中央に新たな本拠地が発生。そこからMOBの進攻が始まります。戦争においてはプレイヤー様と同数、一部例外有り。で戦っていただくことになります。
敵モンスターの布告は通常1~2戦場とします。戦争が終了しない限り通常は3戦場目の布告はありません。モンスターとの終戦は敵本拠地を制圧した時点までとなります。プレイヤー様の主都はこれまでどおり布告不可となります。
発生するモンスター種族はさまざまでランダム出現、強さはランク付けされております。詳細はこちら 何々? ふーんゴブリンとかオークとか今いるMOBか。なんだ最上位はシークレットになってるな。
MVPモンスターってなんだこれ ポチっと。
でけええええ!!レイスの二倍くらいのボスがいんのかよ。ほとんどシークレットになってんな。
どうやら色々な種族があって強さにランクがあり、どれが発生するか分らないみたいな内容だった。
戦争ルールは同じみたいだけど、一部例外ありって。多分これは最上位のシークレット種族なんだなきっと。
っていうかゼイよ。お前ホロデインは中央大陸の7割取ってるんだぞ?ダガーンはリンクがおかしいから玄関だけどすぐ攻められるけどよ。ダガーンばかりNPCが攻めてくるってのか?他もあるのにありえねえだろ。
しかもほとんど負けたことないじゃん。MAXなってから。まあいいわ。
電話は面倒だし、とりあえずFCS見てみるか。ねみいわ。眠い目をこすりつつINした。
「な、な、な、なんじゃコリャああああああああああああああああああああああああああああああああ」
つづく。