<フェイトside>
何が起きてるのか分からなかった。裁判が終わってなのはに連絡を入れようとクロノ達もいるアースラから通信をしようと思ったら繋がらなく、調べてみたら広域結界が町を覆っていた。
最近魔導師を襲う事件が発生していると少し聞いていたため、なのはやヴィータに何かあったんじゃないかと思いあわててユーノ、アルフと共に結界内に侵入をして魔力探知をしてみるとなのはとヴィータの二人だけが確認できた。とりあえず二人の元に向かって行って見えたのは、ボロボロになったなのはと止めを刺そうとするヴィータの姿が見えた。
理解なんてできる訳がないなんでこんな事になっているのかなんて、でもとにかく、
「止めなきゃ!!」
その思いで私はさらに飛行速度を速めた。
第十九話「したつもりだった覚悟・・・・・」
<ヴィータside>
「教えてヴィータ。何でこんな事になってるのかを!」
俺は対峙しているフェイトにそう問われた。
「おいおい、言う台詞が違うんじゃないか。フェイト?」
「・・・どういう意味?」
・・・・・フェイトにも、ついでにユーノにも認めさせないといけないな・・・敵だと、
「言うべき言葉は、『民間人への魔法攻撃は許されない罪だ!』とかじゃねぇのか?」
「っ!?・・・まさか本当に!?」
フェイトが悲痛の言葉を言う。
「そういうこった、フェイト。」
「・・・・・それなら、時空管理局嘱託魔導師フェイト・テスタロッサとしてあなたに言う。抵抗しなければ、弁護の機会がある。だから、同意して、武装を解除して。」
「ふん、そう言ってかつてのお前はしたか?」
俺は言った。フェイトには言ってはならないであろう言葉を。・・・・・心の中で謝りながら。
「っ!?そ、それは!」
動揺した今がチャンス!!そう思い俺はビルの外へと飛ぶ、シグナム達が来るまで時間稼ぎといくか!!
・・・・・飛び出す瞬間一瞬なのはとユーノを見て言おうとした事があった『ユーノなのはの治療を頼む』と、でもすぐに考えを改め言うのを止めた。だって俺にそんなこと言う資格は無いからな・・・。
<なのはside>
「ユーノ、なのはをお願い!」
「うん。」
そうユーノくんとのやりとりをした後フェイトちゃんはヴィータちゃんを追って飛び出した。ヴィータちゃんが飛び出す前に一瞬何か言いたそうにこっちを見たのが少し気になったけれど・・・
「ユーノくん・・・」
「うん。」
そう言うとユーノくんは目を閉じ私に治癒魔法を掛けてくれた。緑色の温かい光が私を少しづつ癒してくれた。
「フェイトの裁判が終わって、ヴィータの連絡先は分からなかったし、とりあえず皆でなのはに連絡しようとしたんだ。そしたら通信は繋がらないし、局の方で調べたら広域結界ができているし。だから、慌てて僕達が来たんだけど・・・・・そのヴィータが・・・・・」
その言葉にヴィータちゃんの名前が出るたびに私は少し胸が痛くなりました。・・・・・ヴィータちゃん・・・・・・。とにかく今はユーノくんにお礼の言葉を、
「そっか・・・・・ごめんね、ありがとう。」
「いったなにがあったの?何でヴィータがなのはを・・・・・」
「わかんない。急に襲ってきたの。・・・・・でも、絶対何かわけがあると思う・・・ううん、絶対ある。だってずっと苦しそうな顔で戦っていたから。」
それだけじゃない。私との会話する時だってまるで私に戦うようにけしかけるような事を言っていたから。だから絶対・・・・・
「とにかくヴィータを捕まえてから話を聞こう。フェイトがいるし、アルフだっているから。ベルカ式を使うヴィータは手強いけどきっと大丈夫。」
「え?アルフさんも?・・・・・でも・・・・・」
私も何かしたい・・・・・だってヴィータちゃんは私にとっても大事な友達なんだから。
<ヴィータside>
さてさて、今俺はフェイトを待っている状態だがどうするかな?アニメの戦いの流れは覚えている。今の俺なら再現可能ではあるが・・・アニメのヴィータは無理にフェイトの魔力を蒐集しようとした結果ああなってる訳であり、この場でフェイトの魔力を蒐集するべきじゃないと知っている俺はそんな無理はするつもりも無い。しかもカートリッジはシャマルが用意したのは2つしか残ってないが、俺個人で用意したのが3つ、つまりアニメのヴィータと違い計5つあるが・・・。
ふむ・・・・・それでもここはやはり、アニメよりの展開で時間稼ぎが無難だな。
「ついでだカートリッジ無しでどこまでやれるか試すか・・・アイゼン!!」
『Schwalbefliegen』
銀弾を4つ精製してフェイトに向け放つ、さてアニメだとフェイトが先制だったがはずだが、どうでる?
「バルディッシュ!」
『Arc Saber』
掛け声とともに俺に向かって魔力刃を放つ、さて先制が俺だったためアニメと違い無理に障壁を出す必要は無いのだが・・・
「アルフをあぶりだす必要があるな・・・・・障壁!!」
『Panzerhindernis』
フェイトの放った魔力刃は俺の作った障壁にぶつかりせめぎ合った結果消えた。一方フェイトは俺の誘導弾に追っかけられてるが、
「バリアァーーブレイクゥゥ!!」
よし、アルフが出てきた!!俺は誘導弾のコントロールを破棄し(その結果誘導弾はフェイトに避けられ爆発したが)自身の障壁の強度を上げたが、
<パリィィィイン>
「やぶれたか・・・ちっ!肉弾戦において力だけならザフィーラにも負けてないな!!」
障壁がやぶれた瞬間アルフの拳が俺に直撃する前にいったん少し離れアルフに向かってアイゼンを振りかざす!!咄嗟にシールドを張るアルフだが、
「真正面から受けるのは命取りだ!!」
いくらカートリッジを使用してないとはいえ近接系に特化したベルカ式の攻撃だ、アルフはシールドをあっさりやぶられ吹き飛ばされる。もっとも大してダメージはないようだが・・・
「はぁ!!」
「っ!?フェイトか!!」
『Pferde』
俺は自身に高速化魔法をかけフェイトの攻撃をかわした。あっぶねぇ!!アルフに気を取られて一瞬忘れてたぜ・・・さて、シグナム達は・・・・・まだか、残りは適当にフェイトとぶつかりながら時間を稼ぐとするか。・・・・・っと、アルフのバインドにも気をつけないとな(汗)(今捕まりそうになった)
しばらくしているとシグナム達の結界内に侵入したのを確認したためわざと隙を作りアルフのリングバインド・・・っだったけ?とにかく捕まった。・・・・・言っとくがわざと捕まったんだぞ!?
「終わりだね・・・さぁ話してヴィータ何でこんな事をしてるのかを・・・」
そう言ってフェイトは構えを解いて言う・・・構えを解いて!!?
「っ!?なんかや・・・」
何かに気付いたアルフが何か言うよりも早く俺はフェイトに向かって叫ぶ。
「馬鹿やろう!!最後まで気を抜くんじゃねぇ構えろフェイト!!!」
「え!?・・・あぁ!!?」
フェイトは突然現れた人物に吹き飛ばされた、幸いデバイスでなんとかガードしてくれたが、
「・・・シグナム」
俺はその人物の正体を確認して呟いた、そして
「うおぉぉおおぉおぉぉ!!!」
「く!?・・・きゃぁ!!?」
続けて現れたザフィーラがアルフを蹴り飛ばした。一方シグナムはフェイトへの追撃の構えをする。
「レヴァンティン・・・カートリッジロード」
『Explosion』
カートリッジをロードするとレヴァンティンは勢い良く炎を吹き出す!!
「紫電一閃・・・・・はぁ!!」
シグナムはフェイトに向かって飛ぶ、フェイトはバルディッシュで防御しようとしたが受けとめた柄はあっさり折れてしまう。そして更なる追撃がフェイトを襲う。
『Defensor』
主を守るため咄嗟にバルディッシュは障壁を張るがその甲斐無く、フェイトはビルに向かって叩きつけられた。
「フェイト!?」
アルフはフェイトの元に行こうとするがザフィーラによって阻まれた。・・・たしかそろそろユーノも出てくるな・・・と思っていたらシグナムが俺に声を掛けてきた。
「どうしたヴィータ、油断でもしたか?」
「うん!!」
強がってもよかったがなんとなく元気よく言ってみた。その後シグナムはバインドを解除しながら言う。何だよその痛い子見る目は!?
「・・・・・その様子だと我らが来るまでの時間稼ぎの結果か・・・まぁいい、ホラ。」
そう言うとシグナムは俺に帽子を被せてくれた。・・・・・あれ?いつの間に外れていたんだ?フェイトと戦ってた時かな?
「特に破損は無かった安心しろ・・・・・それと、一ついいか?」
「ん?なんだよ?」
「なぜ、敵に警告した?」
「・・・・・まぁ理由があるとすれば二つだな・・・・・一つ目は、あいつ結構強いぜ。いくらなんでもあんな不意打ちで決まったんじゃ勿体無いし、お前の騎士道とかにも反するんじゃなぇか?」
「やれやれ、今はそんな悠長な事言ってる場合では・・・・・まぁいい二つ目は?」
「それは・・・・・・・・だから」
「ん?すまんが聞き取れなかった、もう一度頼む。」
「・・・・・友達だから・・・・つい声が出ちまった・・・・・」
俺は絞り出すような声で言った。
「・・・・・ヴィータ、お前は・・・」
「下がってろなんて野暮なこと言うんじゃねぇぞ、それに・・・」
俺は不意になのはがいるであろうビルを見ていった。
「もう・・・一人傷つけちまった・・・・・今更止まる事なんてできねぇ・・・」
「そうか・・・・・だがあまり無理はするな、お前に怪我でもあれば我らが主は心配する。」
「なんだよ、主だけか心配するのは?」
俺は少し笑いながら言う。
「ふ、・・・もちろん我らもだ。さて、状況は実質3対3か・・・・・1対1なら我らベルカの騎士に・・・」
「負けはねぇ!!!」
その俺の掛け声で俺達二人も戦場へと飛んだ。あん?夜天たん・・・もとい闇の書がねぇ!!?・・・まぁいいやアイツ自分で移動できるしシャマルの所にでもいるだろう。シグナムに遅れて結界内に入ったの確認したし。さて、ザフィーラとシグナムに指示だしとくか。
『ザフィーラ、シグナム。別に無理に返事はしなくてもいい話だけ聞け、相手でこの結界の外へ転移できる可能性のあるのは守護獣とデバイスを持たない結界魔導師の二人だ。念のためザフィーラはそのまま守護獣の相手をして転移の準備の集中をさせるな。結界魔導師はあたしが抑える。シグナムは黒いのを頼む。』
『心得た。』
『やれやれ、どっちが将か分からんな?』
『この中であいつらを知ってるのはあたしだけだから仕方ないだろ?つか二人して返事しやがって・・・余裕かましてまけんじゃねぇぞ!!?』
さて、言うこと言ったしこっちに向かって来るユーノの相手に集中するか。
「吠えろぉ!!グラーフアイゼン!!」
『Jawohl』
<シグナムside>
私は今、敵の黒い魔導師と対峙している。さてヴィータが言うにはそれなりにできるようだがはたして・・・デバイスの形や今までのせめぎ合いからして珍しく接近戦重視の者と見たのだが
『Photon lancer』
・・・ホウ、やはり魔導師らしく遠距離攻撃も可能か、
「レヴァンティン・・・私の甲冑を。」
『Panzergeist』
私は全身を纏う装身型バリアを展開した。これなら今から敵が撃ち出そうとしている小技くらいなら簡単に弾く事が可能だ。前にヴィータにこれを見せたら『今レヴァンティンが【パンツ赤い】って言った!』とか言ってきたが・・・発音は確かに似てるが本当に失礼な奴だ!!
「撃ち抜け・・・ファイヤ!!」
ん?いかんな考え事をしてるうちに攻撃してきたか・・・だが、
<パシィイン!!>
敵の雷弾は次々と私に当たるがすべて私の展開した甲冑に弾かれる。
「っ!!?」
「魔導師にしては悪くない・・・だが、ベルカの騎士に1対1を挑むのはまだ足りん!!」
今度はこちらの番だ!!高速で相手に接近してレヴァンティンを叩き込む。シールドをあっさり叩き斬り次の攻撃へと移った。
「レヴァンティン、叩き斬れぇ!!」
『Jawohl』
私の掛け声に合せてレヴァンティンは再び炎を吹き出し、そのまま私は敵目掛けて叩きつけた、その結果黒い魔導師は再びビルに向かって吹き飛ばされた。・・・・・これで終わりか?念のためカートリッジをレヴァンティンに補充しておくか。
『Nachladen』
さて、補充は完了したどうやら相手はまだ意識があるようだ、一応警告しておくか。
「終わりか?ならばじっとしていろ。抵抗しなければ命までは取らない。」
無論命などどの道取るつもりはない。だが、脅しにはちょうどいい言葉だ。
「だれが!!」
「・・・いい気迫だ。」
なるほど、これだけの実力の差を見せたというのに、ヴィータが言うだけのことはあるな。認識を改めるとしよう。
「私はベルカの騎士、ヴォルケンリッターの将シグナム。そして我が剣、レヴァンティン。お前の名は?」
「ミッドチルダの魔導師、時空管理局嘱託、フェイト・テスタロッサ。この子はバルディッシュ」
ふむ、よし覚えた。こいつらは名を覚えるに値する相手だ。
「・・・テスタロッサ。それに、バルディッシュか。」
私は再びレヴァンティンを構えながら言う。続きといこうか、テスタロッサよ!!
<なのはside>
ぶつかり合う光を皆が戦っている光を私はただ見てるだけでした。何かしたい、止めたい、
「止めなきゃ・・・」
歩こうとした時まだ治ってない体は痛みを感じた。咄嗟に左手を押さえた、それでも・・・
「止めなきゃ・・・私が皆を止めなきゃ・・・」
痛いのを我慢して私は前に歩いていく。だっておかしいよ、なんでフェイトちゃん達やヴィータちゃん達が戦い合わなくちゃいけないの?絶対間違ってるよ!
『Master、 Shooting Mode、 acceleration』
そう言うとレイジングハートは魔力の羽を展開させた・・・これは・・・
「レイジングハート・・・・・」
『Let's shoot it, Starlight Breaker.(撃ってください スターライト・ブレイカーを)』
「む、無理だよそんな状態じゃ!!」
ただでさえボロボロなのにあんな沢山の負担のかかるスターライト・ブレイカーを撃てば壊れちゃうかもしれないのに!!それでもレイジングハートは言う、
『I can be shot. (撃てます。)』
「あんな負担のかかる魔法、レイジングハートが壊れちゃうよぉ!!」
『I believe master.Trust me, my master.(私はあなたを信じています。だから、私を信じてください)』
私はその言葉に涙が出そうになったけど、何とかこらえて決意をする。
「わかった・・・レイジングハートが私を信じてくれるなら・・・私も信じるよ」
私はユーノくんの張ってくれた結界を消して前に魔方陣を展開した。
『フェイトちゃん、ユーノくん、アルフさん。私が結界を壊すから、タイミングを合わせて転送を!』
『なのは!?』
『なのは、大丈夫なのかい!?』
『・・・っ!?』
『大丈夫、スターライト・ブレイカーで撃ち抜くから!』
「レイジングハート、カウントを!」
『All right.(わかりました。)』
私の展開した魔方陣にどんどん魔力が集束していく。
『Count,9,8,7,6,5,4,3・・・』
順調に魔力が集束していく、だけど、
『3・・・3・・・3・・・』
カウントが止まりかける、やっぱり負担に耐え切れない!?
「レイジングハート、大丈夫?」
『No problem. (大丈夫です。)』
『Count,3,2,1・・・』
本当は辛いはずなのに、レイジングハート・・・でも、私を信じてくれたるのだからその思いに応えないと!!そう思いスターライト・ブレイカーを撃ち出すための構えをしたその時胸の辺りに振動がきて、私はよろめいた。見てると手が私の胸に生えていた・・・・・ナニコレ?
「あぅ!?」
その手は一回引っ込んだと思ったらまた生えてきた・・今度は小さな光の珠とともに。すると次の瞬間にその光の珠は徐々に小さくなっていきそれに合わせるかのように私は苦しくなってきた・・・そんな中、
『Count,0.』
スターライト・ブレイカーの準備は完了した。もう立ってる事すらままならない状態、早く打たなきゃ!
「スターライト・ブレイ・・・・・」
だけどスターライト・ブレイカーは放たれる事は無かったなぜなら撃ち出そうとした瞬間レイジングハートが私の手から離れたから。意識が限界で朦朧として倒れる中何故かヴィータちゃんの今にも泣きそうな怒った顔が強く頭に残った。
<ヴィータside>
俺は今ユーノの相手をしていたのだが、あん?なんだ?ユーノの動きが一瞬止まった。誰かと念話をしてるのか?・・・・・ん?ビルの所に大きなピンクの魔方陣が・・・そうかなのはか・・・スターライト・ブレイカーを撃つのか。これで今回の戦いは終わりだな。確か蒐集行為をされてる最中に撃つんだったけ、アニメじゃ何気なく見てたけど今までの蒐集を目の前で見てみた今の俺の意見としては正直無謀な行為だと思える。まぁ、命には別状は無いって展開のはずだ特に心配はしねぇつもりだったが・・・・・けど、本当に大丈夫なのか?・・・本当に・・・・・。
そんなことを考えていたせいか俺は自然と視力強化をしていた。そして、俺の目になのはが映った。
―――――――――――リンカーコアの輝きがどんどん小さくなっていき苦しんでいるなのはが。
気が付いた時には俺はなのはに向かって飛び出していた。あんな状態でスターライト・ブレイカーを撃つ?それで命に別状が無い!?そんな保障どこにある!!物語?アニメ?この世界で必ずしもあてはまるとはかぎらねぇじゃねぇかよぉ!!!
なのはに向かって飛ぶ俺の前にユーノが立ち塞がるが俺はスピードを緩めない。
「・・・・・じゃま、すんなよ・・・」
「悪いけど今の君をなのはの元に行かせるわけには・・・」
「邪魔すんじゃねぇ、あの馬鹿止めねぇといけないんだよぉぉ!!!」
『Explosion・・・Gigantform』
「え!?うわぁぁぁあぁぁぁ!!!」
なりふり構わずにユーノを叩き飛ばし俺は感情のまま行動していたもはや自分でも何がしたいのかなんざわからねぇ。ただなのはを止めないと、その一点だけであった。
「スターライト・ブレイ・・・・・」
「ばかやろぉぉぉぉぉぉぉお!!」
なのはが撃とうとしたその瞬間俺はなのはの手からレイジングハートと弾き飛ばした。結果スターライト・ブレイカーは不発に終わりなのはは満身創痍で倒れた。俺はなのはを座って抱きかかえた。
「馬鹿かテメェ!!何であんな無茶をした!?あんな状態でスターライト・ブレイカーを撃てば下手したら命にさえ関わっちまうかもしれなかったんだぞ!!」
俺は溢れる涙を我慢する事もなく叫ぶ、そんな中なのはは
「あはは・・・やっぱり・・・ヴィータ・・・ちゃん・・・だ、やさ・・・しい・・・・・」
「・・・・・っ!!?」
無理やり笑いながらそういった。俺は何をしている、覚悟はしてたんじゃなかったのか!?なのはをこんな事にする覚悟は!!?
結局俺は覚悟をした【つもり】だったんだ。
『・・・ヴィータ・・・』
『・・・・・シグナムか・・・』
『その・・・』
『・・・あたしの・・・事は気にするな、指示を頼む。』
『ああ・・・時間が大分過ぎてしまったそろそろ撤退しなければ。』
『分かった・・・結界の維持は・・・ん?シャマルが補助してるのか?』
『え?ええ、今は私も結界の維持をしてるわ。』
いつの間にか結界の維持はシャマルもしていた。それなら、
『ただ解除するだけじゃ捕捉されるかもしれん。意表をつくためにあたしが結界を破壊して管理局に対して目くらましをかける。その隙に離れるぞ。』
『ええ!?ま、待って!!』
『馬鹿を言うな!!』
『無駄な魔力を無理に使わなくとも!!』
『・・・ワリィ・・・今回だけでいい、あたしの我侭を聞いてくれ・・・』
『ヴィータちゃん・・・』
『ヴィータ・・・』
『・・・・・分かった、ヴィータが結界を破壊した後一旦散りいつもの場所で合流だ。』
『・・・・・サンキュ、皆・・・』
これは唯の自己満足・・・それでも何かしたかった。こんな事でわびになるとは思わねぇ・・・それでも、最後に何かをしたかった。
「なのは、今日はお前に免じてあたしがお前の変わりに結界を破壊してやる。・・・・・だから、今度こそもう寝てろ。」
俺はなのはを壁により掛けて言う。何を言ってるんだろうな俺は・・・・・
俺は残りのカートリッジと魔力をすべて注ぎ前に魔方陣を展開してスフィアを形成する。そして、
「一撃入魂!!―――――――――ブレイカァァァァァア!!!」
それを撃ちだす!!それは閃光となり結界を吹き飛ばした。
『よし、今だ!!全員撤退!!!』
『『『了解』』』』
俺達はその場を離れた。一体俺は今どんな顔をしてるんだろう?
<エイミィside>
解析が全然終わらない結界に焦っていた私達。でも、一つだけ該当するものがあった。それはかつてヴィータちゃんが使っていた結界と一致していた。ますますわけが分からない中突如結界が破られ映像が送られてきた。その中に、
「ヴィータ・・・ちゃん・・・?」
なのはちゃんを助けに来た?ううん、それにしては様子がおかしい!!とにかく転送しようとしている人達のロックを急がないと逃げられちゃう。私は急いで指示を出し自分も転送の足跡を追った。結界破壊の時の魔力残滓の影響かジャミングが酷いけど何とかしないと!・・・けど、
『駄目です・・・ロック外れました・・・』
「あぁ!!もう!!!」
<バンッ!!>
失敗した。私は悔しさのあまりキーボードを手で叩きつけた。
「ごめん、クロノ君。しくじった・・・・・クロノ君?」
私の言葉に何も言わないクロノ君を不審に思い見てみるとモニターをじっと見詰めていた。その表情は険しいものだった。
「第一級捜索指定遺失物、ロストロギア・闇の書」
「クロノ君、知ってるの?」
そう言いながら私も再びモニターを見る。あの緑の服の人が買い物袋と一緒に持っている古そうな本の事なのかな?
「・・・・あぁ。知っているよ。少しばかり、嫌な因縁がある・・・」
そう言ったクロノ君の声もまた険しいものだった。
おまけ
「ヴィータちゃん・・・本当に大丈夫?」
一度散った守護騎士たちは指定していた場所で合流を果たしていた。
「ああ、もう泣いてない・・・だ・か・ら!!ハンカチだすなぁ!!」
「え?じゃぁ・・・はい、チ~ン。」
「ティッシュも出すな~~!!」
「落ち着けヴィータ。あまり興奮するな。」
「しかし、まぁそれだけの元気があればとりあえずは主はやての前では大丈夫だな。」
「ああ・・・・・そう言えばはやてには何て言って誤魔化してるんだ?」
「え?『いつものオリーブオイル無いから遠くのスーパーに探しに行く』と『ついでに皆の迎え』の二つかしら?」
「・・・・・なぁ、遠くのスーパーって言うがそんな離れてない場所にいくつスーパーあると思うんだ?」
「・・・・・」
「・・・・・」
「え?ちょっと!シグナムまでそんな反応しないでよ!!一緒に考えてくれなかったくせに!!!」
涙目になりながらシャマルは叫んだ。
「はぁ・・・しかたねぇ・・・もし、不審に思われたりしたらあたしが電車の中でうたた寝して訳分からん場所にいて遅くなったってことにしとけ。」
「うぅ・・・ありがとう・・・ヴィータちゃん・・・」
「どっちが将かわからんな、シグナム?」
「やかましいぞザフィーラ。」
他人に言われるのは駄目らしいシグナムであった。
あとがき
ん~~~ちょっと最後無茶があったかな~~なのはのS・L・Bは止める気満々だったので、なんか結界破壊をヴィータにやらせちゃいました。自分で張ったのを破壊ってのも変なのでいつの間にかシャマルが維持していたという事で。(汗)ヴィータの新技見ついてはまだ名前は伏せます。特に意味なんて無いけどやっぱこんな状況で名前明かすのもなんかな~と思って(笑)
ではでは。
あ、それと前回の『感づかれる~』の誤字は訂正しますた。ご指摘ありがとうございます・・・なかなか誤字がなくなる日は来ないなぁ・・・(汗)