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[33247] 【習作】アタシかぐや姫 (短編,1話完結) 前書き
Name: SY◆69fd893d ID:9f83f142
Date: 2024/09/29 14:26
初出:2024/09/29(日)

■前書きページの追加にあたって
年月の経つのは早いもので、本文投稿から早12年が経過しました。
当時の関係者も独立された方、家庭を持たれた方、色々です。

2022年~2023年頃でしょうか、若いクリエイターさんが朗読のイベントで利用可能な作品を探している事をぽつぽつと見かける様になってきました。
本作は、日本の民話を元にした二次創作であり、著作権がどうこうという事は、20世紀なら何も言われなかったでしょう。
ですが、厳密には、私の脚色要素や文章表現には、日本国法上、私に著作権が発生してしてしまっており、昨今の状況下においては、クリーンにやろうとすれば使いにくい事と思います。

そこで、今更ではあるものの本作も後世の方が利用しやすい様に、その為のガイドラインを定める事にしました。
したがって、後述するガイドラインは、以下の様な点を目指しています。

① 後世のクリエイターが利用できることに正当性を主張しやすい事
② 一方で、丸コピーや、おかしな利用はしにくい事
③ 簡素のものである事


■二次利用に関するガイドライン
1. 著作権は、放棄しません。
2. 本作は、有償・無償を問わず、二次利用可能です。
3. 二次利用の際は、原本へのアクセス手段を用意すると共に、著作権表記をお願いします。
3.(1) 著作権表示の一例は、"Copyright (C) 2012-2024 SY" です。
3.(2) 二次利用は、翻訳、朗読、本作を原作とする小説やアニメ制作を含みますが、これに限りません。
3.(3) 本作を原作として改変したものを制作する場合、改変が加わったものである事が伝わる様に務めてください。


■謝辞
本文にも書かれていますが、本作は、元々あるイベント用に書き下ろした脚本から小説化しています。
イベントの際、Mちゃん、クレ〇ンのSさん、Kさん、Oくん、だい〇いとマスターの好意とご支援を頂いた事は、今の私を形作る大切な要素です。
みなさんにも、当時ギャラリーだった方々にも、そして小説版の掲載機会と場所を提供くださった舞さんにも感謝を。


今後も、日本において創作の精神と活動が引き継がれ、発展していく事を願っています。



[33247] 【習作】アタシかぐや姫 (短編,1話完結)
Name: SY◆69fd893d ID:cd23f3b7
Date: 2012/05/26 13:25
初出:2012/05/26(土)

※本作は、15分程度の朗読イベント用に書き下ろした自作脚本から小説化したものです
※元となった脚本を使った朗読イベントは、2012/05/23(水)に行われました
※都合によりイベントとは作者名を変えてあります
※平安時代以前の言葉ではわかりにくいものは、現代の言葉・表現に置き換えたものがあります
※作者の独断と偏見によるアレンジも加えています


むかし、竹を取っては様々な事に使うお爺さんとお婆さんがいました。
ある日お爺さんが竹を取り行った時の事です。
「あれは何だ。まるで竹が光っているようだのぉ」
不思議に思って近づいていくと、大層かわいらしい女の子が出てきました。

お爺さんは、女の子を連れ帰ると、お婆さんと相談しました。
「お爺さん、この子は、天からの預かりものです。大切に育てましょうや」
「そうだのう。お婆さんや、この子は輝(かがや)く姫。かぐやと名づけよう」
こうしてかぐや姫は、お爺さんとお婆さんの子供になりました。

お爺さんはかぐや姫を育てるために、もっともっと竹を取ろうとしました。
ある日、お爺さんが竹を取りに行くと、光る竹に金を見つけました。
「お婆さんや、かぐやを見つけた光る竹に金があった。どうしようかのぉ?」
「そうですねぇ。きっとかぐやを育てる為に授かったものではないでしょうかねぇ?」
「そうだのう。ありがたく使わせていただく事にしようかのぉ」
その後も金を見つける日が続き、お爺さん達は、次第に豊かになっていきました。

やがて年月がたち、裳着(もぎ)を迎えて大人になったかぐや姫は、それはそれは大層美しい姫になりました。
「えっへん!アタシかぐや!チョー美人だしぃ」
そして、その美貌を聞きつけた男達3人からプロポーズされました。

一人目、働いているかどうか判らないけれどかっこいい……イケメンが言いました。
「すっげーカーイーじゃん?俺とケッコンしてみね?」
二人目、あまり優しそうに見えませんが、身分の高そうな……貴族が言いました。
「お前は、わが妻にこそふさわしい。私のところに来なさい」
三人目、見た目はパッとしないものの、優しそうな……社長さんが言いました。
「姫、私の隣を、この先ずっと、共に歩んではいただけませんか?」
でも、それを聞いたかぐや姫は……
「エェー。なにそれー。ありえなーい」

諦めない男達に、かぐや姫は課題を出す事にしました。
「じゃーさーぁ?課題出すからぁ、それやってよぉ」
「そぉしたらさぁあ?かぐや、考えちゃおっかなー」
かぐや姫は、プロポーズを受けるなんて一言も言ってません。
でも、男達は、言う事を聞くしかありませんでした。

「はぁ?1000カラットのダイヤぁ、あるわけねーじゃん」
「お釈迦様の使ってた石のどんぶり?また何でそんなモノを?」
「焼いても絶対燃えないオーバーですと?買える物と思って?」
「無理ならぁ、別にいいよぉ?アタシは別に困んないしぃ。バイバーイって事でよろしくー」

しばらくすると、男達がそれぞれ課題の品を持ってきました。
しかし……
ダイヤは、金属でこすったら傷がつきました。
王位という地位も財産も捨て、煩悩への執着を戒めたシッダールダが金銀をちりばめた鉢を日常で使う事もあり得ません。
オーバーコートは、鉄粉やら木炭粉やらトイレ近くで取れた結晶の粉やらと一緒に炭焼き釜の中でしばらく火にくべたら、炭や飴のようになってしまいました。
「ちょっとぉ、コレ全部さぁ、ニセモノじゃん?だます気ぃ?」
しかし、誰もかぐや姫の課題を達成する事は出来なかったのです。
「それとさぁ、悪いけどぉアタシ月に帰る事になったから」
かぐや姫、いきなりの爆弾発言です。
周りのみんなが引き止めましたが……止められませんでした。

十五夜の夜、月からお迎えが来ました。
お爺さんとお婆さんは、地に頭をつけ、天の使者に懇願しました。
「天の方、どうか帰ってください。姫は月に戻る事を望んではいません」
しかし、使者は聞き届けてはくれませんでした。
「おきなよ、姫の世話はご苦労でした。黄金は好きにするとよいでしょう。だが、罪の期限は過ぎました。お前は下がるように」
すると、姫とお迎えの使者以外は身動きが取れなくなってしまいました。
かぐや姫は、ゆっくりお爺さんとお婆さんに抱きついて、顔を見ずにこう言いました。
「お爺さんお婆さん、アタシってばぁ、全然孝行娘じゃなかったけどさぁ……マジでスッゴイ感謝してる。みんなもさぁ、色々サンキューね」
旅立つ直前、かぐや姫はふと立ち止まったかと思うと……次の瞬間サッと振り返り、これまでで最高の笑顔をうかべると、こう言いました。
「じゃあねー。ばいびー♪」

月へ帰る途中、窓から地上を見てみていたかぐや姫が、誰に言うでもなく、ポツリと、つぶやきました。
「アタシってばさぁ。月の都じゃサ、タダの犯罪者だってぇの」
そう、かぐや姫は、月の都で罪を犯してしまい、幼児化地上送りの刑、懲役12年だったのです。
「なぁんにも知らないで、お爺さんもお婆さんも優しくしてくれたしぃ……」
「下界の人間とケッコンできないから無理難題出しちゃったけどぉ……それでも、みーんな、アタシのコト、大切にしてくれたしぃ」
かぐや姫の声は、震えていました。
「気に入って20年居座っちゃったアタシも含めてさぁ、バカばっかよねぇ」
手に、しずくが落ちます。

「……ま、風邪ひかないように元気でやってよねぇ」
それきり、かぐや姫は、もう何も言いませんでしたが、いつまでも、いつまでも、地上のほうを眺めていましたとさ。


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