マブラヴのアニメを見て胸の奥にくすぶっていたAC好きが刺激されてしまいました。
アニメの一話から二話までの部分を書こうと思っています。感想によっては続くかもしれません。
息抜き程度に書いたものです。よろしくお願いいたします。
【追記】息抜き程度に書いたつもりが、予想以上にのめりこんでしまいました。設定云々ががががが・・・。とりあえず、アニメの二話辺りまで書こうと思います。
【更に追記】この作品についての注意書きを書いておりませんでした。読者の皆様の誰かがこの小説に不快感を持っていた方がいたのならば、申し訳ありませんでした。
【さらに追記】5月13日Muv-Luv版に移行しました。今後ともよろしくお願いいたします。
この小説には オリキャラ TE再構成 オリメカ 独自設定 原作カップ無視があるかもしれない 独自解釈 ハーレム要素 などが含まれております。これらを見て嫌な予感を感じた方はプラウザで戻るを押してください。
よろしくお願いいたします。
メインシステム起動。ミッションを開始します。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
それはただ最強だった。人類のために、それは動き、破壊しつくした。力を持ちすぎたものが全てを壊すのだから。
だからこそ、論理的に、己を完璧に律することができる存在と、最強であり続けられる機体を作り、動かした。
だが、それは覆された。たった一人の傭兵によって。
「………。」
その戦いを見ていたものが一人、存在していた。背の低い子供だった。病人服を羽織、中性的な顔立ちで、色白の肌と赤い瞳、雪原のような銀髪を無造作に背中まで伸ばしていた。
その『存在』はただジッと、二つのACが戦っているのを見ていた。赤いACが幾度となく形態を変え、移動しながら敵、バックユニットから垂直降下式ミサイルを、腕からはマシンガンとブレードを振るい、飛翔する一撃必殺の刃を放つ。黒いACを倒すために戦っていた。
黒いACは右手にレーザーライフル、左手にマシンガン、両肩にはそれぞれミサイルとグレネードランチャーを携えていた。
黒いACは何のためにアレと戦うのか。
戦いを見ていた存在が、ふと、疑問を持った。赤い機体は答える。それは復讐のためであると。
『存在』が首を傾げる。「復讐」とはなんだ?と。
いずれわかる。赤いACは、いや、ACの中にいるモノは、それしか答えなかった。
黒いACの肩のグレネードが赤いACに直撃する。爆発によって揺れ、一時的な電波障害を脳内で木霊すノイズが教えた。
『存在』の視線の先で、赤いACが膝をついた。
最強が負けたのを目にした。炎に焼かれていくその姿を見て、『存在』は心の中から何かが沸き上がってくるのを感じた。
しかし、それがなんなのかはわからない。そこから生まれ出でたばかりの存在には理解できないことだった。
黒いACは赤いACをしばらく見つめた後きびすを返す。もう用はないと言外にいっているかのように。
呆気なく、あっさりと。
だが、赤いACのカメラアイに光がともったのを視界の端にとらえた黒いACは再度それを見つめる。
立ち上がり、腕を欠損させながらも赤いACは静かに見据えた。そのカメラがとらえたのは、黒いAC、その背後にある、その先だ。
《足りなかった。》
「?」
『存在』が首を傾げる。赤いACが何を言いたいのかが分からなかった。
《お前を・・・。・・る・・かん・・・ない》
「???」
意味がわからないとばかりに、『存在』は再度疑問符を浮かべる。
赤いACが黒いACにパルスライフルを向けようとする。
だが、それは叶わなかった。再び倒れ伏す赤いAC。機体の限界だった。もうあれでは動かせないだろう。
『存在』は論理的に、赤いACの状態を分析する。
《ザザ・・学べ・・・ザザァァァ・・・それが、ザァァァァァァ・・・・・・》
赤いACの声が拾えなくなっていく。機能が停止し、赤いACが完全に破壊されたのを『存在』が確認した。
「・・・・・。」
黒いACから見れば、どれも同じ壁に見えるだろうが、その一つだけが、こうして強化ガラスとなっているのだ。
『存在』がガラスに手を触れる。すでに黒いACはその場からいなくなっていた。
燃え盛る赤いACを見ながら『存在』は何かを言いたくなった。だが、その言葉が出なかった。咽頭まで出かかった言葉は、己自身でさえどういう言葉か理解しきれていないものだった。
「………!」
バン!と力一杯にガラスに掌を打つ。心のうちにある何かを吐き出しているかのように。
幾分か時間がたった後、その『存在』はいなくなっていた。許可がなければ出口もなにもない筈の、その一室に取り付けられていた監視カメラが、とあるレポートを手に取っていた『存在』が、コンマ一秒の合間にレポートごと消えてなくなっていたのを捉えていた。
それ以降、監視カメラはほかの生命体をその視界に収めることはなかった。
◆◆◆
「?………??………???………」
『存在』が辺りを見渡した。緑色のヒラヒラしたようなものが巨大な茶色い柱に幾千、幾万も付いていた。
「?????」
これを『存在』は知識のみで知っていた。
これは木だ。実際に見たことは無い。
『存在』は手に取ってみる。表面がつるつるで、裏面は少しざらざらしている。
今まで感じたことのない感触だ。脳を刺激する「発見」に、『存在』は表情を動かしてはいないが、その瞳が今『存在』が興奮していることを教えていた。
「君、何をしているんだ?」
「??」
『存在』が振り向く。視線の先には人間がいた。性別的に男と呼ばれる目の前の人間は、ほりの深い顔で、顔に側面に一つの古傷ができている。身長は170から80後半で、髪形をオールバックにし、ピシっとした黒い制服を着ていた。
「?」
誰だ?と『存在』は首を傾げた。
これが、この世界を、人類の運命を、未来を左右させる一ページとなる最初の出会いだということは、誰も知らない。