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[34372] 【習作】ソードアート・オンライン 鮮やかな世界(SAOオリ主)
Name: ふー◆e148816d ID:ca7881ff
Date: 2012/08/06 23:17


 2022年11月4日。その日私の人生は大きく変わった。
 真っ暗な世界、それは比喩表現ではなくまさに真っ暗、一筋の光もない世界。それが私の唯一の世界でありすべてでもあった。

 だけどそれが当然と言われれば当然でもあった、なぜなら私の目は見えないのだから。
 いや正確には見えなくなったか。まだ自我が芽生える前、赤ん坊のころは見えていたらしい。
 だけど私が遡れる記憶の範疇には色は存在しない。
 
 主治医の話では私の眼球は外界の映像を捉え脳にそのデータを受け取っている、なら何故見えないのか。
 主治医が言うには脳が目から得た情報を目から得た情報と正しく認識していないということらしい。

 なんだかややこしい言い方になったけど例えるなら……そうパソコンを思い浮かべてほしい、簡単に言うなら脳というハードウェアに目といソウトウェアが正しくインストールされていないのだ、つまりインストールはされていてもその途中でバグが発生し正しくは行えなかった。ならどうなるか、ソフトウェアからの情報をハードウェアは正しく認識できない。それが今の私の状況だ。

 なら目以外のソフトならどうだろうか?
 そんな疑問を私は持ってしまった。
 見たことはないが何度か聞いたことがある話題の代物、ナーヴギア。感覚器官ではなく脳に直接情報を送るNERDLESマシーンの民生機。

 もし脳に直接情報が送られるなら、淡い期待だけを頼りに私一つのゲームソフト、ソードアート・オンライン、通称SAOを手にするためにゲーム屋に並んだ。
 周囲には奇特な目で見られたと思う、何度か警察と思われる人にも声をかけられた、その度に私はありもしない話をでっち上げその場を凌いだ。

 そして苦労の末私は世界初のVRMMORPG『SAO』を手に入れた。
 ゲームなど一度もやったこともない、それどころか説明書すら読むことはできない、それでも私は色鮮やかな世界に憧れたその先にある悲劇を知らずに


   ――――――――――――――――――


 怖いほどに綺麗。それが私が最初に抱いた感想だ。
 一つ一つの建物が人がモノが確かに存在し色があった。
 これが仮想世界、そんなこと信じられなかった、そうこの世界が私の「現実」だ、そんなことを考えてしまうほどに。

 最初は色のある世界が見れるだけでいい。そう考えていたけど願望が達成されれば新たな望みが出てくるそれは自然なことだろう、だから私は「もっと広い世界を見てみたい」そう思ってしまった。

 そして自然と私の足は街の外へと向かう。この時はモンスターのことなども知らなかった。後にして思えば自殺行為。

 でもその望みはその時は達せられなかった、街から外へ、その一歩を踏み出したとき私の体は光に包まれ一瞬の浮遊感、咄嗟に目を閉じた私が次に見たのは街の外の草原ではなく最初に目にした大きな広場だった。

 周りを見れば光の収束するエフェクトと共にアバターがいくつも現れていた。
 そしてその数はどんどんと増え。いつしか広場を埋め尽くす数となり。

「おい、どうなってるんだ」
「さあ?」
「なにかのイベントじゃないの」
 
 ところどころでそんな言葉も聞こえてきたが私はその中でも一つ気になる言葉を聴きた、誰が言ったかもわからない、でも確かに聞こえた「ログアウトができないぞ」と。

 ログアウト? ゲームをやらない私にとって専門用語はわからない、だけど変な胸騒ぎを覚えた。それが虫の知らせだったのか……けどもう遅かった、そう何もかもが既に手遅れだったのだ。
 
 誰かが言った「上を見ろ」と、それに釣られ私は上を見る、そこにあったのは巨大な人だった。

『プレイヤーの諸君、私の世界にようこそ』

「私の世界?」

 意味がわからず私はオウムのようにその言葉を繰り返した、が答えはでない。だが次の言葉で私はすべてを理解する。

『私の名前は茅場晶彦。今やこの世界をコントロールできる唯一の人間だ』

 けど私の理解できたのはそこまでだった。ログアウトボタンだとか脳破壊だとか、回線切断だとか、まったくというわけではないが咽ほど理解ができず、わかったのはこの世界から出られないということだけ。
 そして私がその答えにたどり着き顔を上げると件の巨人こと茅場晶彦の姿は既にそこになかった。

 そこから先は阿鼻叫喚の地獄だった。



――――

趣味で書くことはありましたがこういった風に投稿するのは初になります。
あとがき状態ですが、今更ながらこの作品はSAOの二次作品で主人公はオリキャラです。
ほとんど一発ネタに近いのでどこまで続くかわかりませんがアインクラッド編ぐらいは書ければなーと思ったり。

最後になりましたがこの度はこの作品を読んでくださりありがとうございました。


[一部内容と設定を変更しました]



[34372] 02
Name: ふー◆e148816d ID:2ee216d6
Date: 2012/08/06 22:41


 後から知ったことだけどこういったゲームの管理者のことをゲームマスター(GM)と言うらしい。
 GMの茅場晶彦のデスゲーム宣言から一ヶ月が過ぎた。
 
 この一ヶ月でいろいろなことがあった。
 デスゲーム宣言の後私はひとまず人ごみを回避するため路地裏へ逃げ込んだ。
 これからどうするか、そんなことを考えながら私は空を見上げた、ゲームで負ける=死。それがあまり実感できなかったからだ。

 私にとってこのSAOは肉体のある現実より遥かに現実といっていい世界、この世界で言うHPが生命力ならそれがゼロになれば死ぬ。それは当然ではないのか。

 そんな風に私はこの世界のルールを受け止めた。なら次に何をすればいいか、それはどう生きるかだ。
 そしてここで重大な問題が発生した。これまではなんとなくで何とかなった、だけどこの先はなんとなくでは通用しないだろう何故なら文字が読めないからだ。

 言葉は喋れる、けど売ってる物の名前も読めない。
 そしてゲーム特有の専門用語やプレイ方法が一切分からないのだ。

 そんなこんなで三日が過ぎた、その間の生活は自分のことながらすごく情けないと思う。
 路地裏で眠り、初期に与えられたお金を節約しながら最低限の食料を指差すことで買う。
 人と接するのが苦手な私は人目を避け隠れるような生活。

 そんな生活が改善したのが四日目だった。いつものように食料を買い路地裏に潜り込む、その途中だった大勢の人が集まっているとこがあった。

 自分で言うのもなんだけど私の勘は冴えてると思う、その勘がこれは見逃すなと告げている。
 だから私は最後尾の方にいた男性に話しかけてみる。

「あの……何かあったのですか?」
「ん? ああ。何でもβテスターがSAOのガイドブックを配布してるんだ」

 βテスター? またよく分からない単語ができたけどつまり説明書みたいなのが配布されたってことでいいのかな。
 私はその男性にありがとうと礼を言ってその場所を離れた。
 その先私の盛大な戦いが始まった。街の人々に話しかけガイドブックの説明をしてもらう、何度も可哀相とか馬鹿だとか言われたし、何度も哀れむような目で見られた。それでも私はやらなくてはいけなかった。

 その中で幸運だったのは一人の女性と出会ったことだろうか、サーシャという名前の女性は嫌な顔もせず丁寧に物事を教えてくれた。

 そして私は街を出た。
 後々サーシャと再び会う機会が出来た時、サーシャが唖然としていた。それほどまでに無茶な行動。

 なにせ私のレベルは一。近場なら問題なかっただろうけど私は人ごみを避けるため奥へと向かった。
 ソードスキルすら満足に使えない素人。
 
 それからいくつかの日が過ぎ。

 朝、昼、夜。時間を問わず私は森で短刀と呼ばれる類の武器を振り回し出てくるモンスターを倒し続けた。
 何が私をそうさせたか、それは生き残りたいではなく景色を見たかっただけなのだと思う。
 死んでもよかったのだ、誰も悲しむ人なんかいない。でもせめて死ぬなら仮想でもいい自然の中で。そんな想いで私は戦い続けていた。

 そんなある日私の元に一人の男性がやってきた。名前はディアベル、なんでも私にボスの攻略戦に参加してほしいと言って来たのだ。
 悩む必要はなかった。人の役に立てて死ねるなら私の人生も無駄ではないのではないか、このサバイバルを生き残る気などない私にとってそれは私の存在意味を見出すことでもある。

 そして今日この日初めてのアインクラッドボス攻略会議が行われることとなり、多くが男性で構成されるメンバーの中にポツンと私がいた。

 中央には私を誘ったディアベルさんがボスについての説明をしているけど、やっぱり私にはよく理解できない。
 そしてディアベルさんはパーティを組めと言う。
 MMORPGの専門用語? よくわからない間にバラバラに座っていた人たちは五六人ぐらいのグループを作っていた。
 
 ハッと辺りを見回せばそのグループを作っていないのは私と私より少し上ぽい少年だけだった。


   ――――――――――――――――――


 ヤバイ、そう思った時には既に遅かった。
 あの日、俺はクラインを見捨てて自分が生き残ることを優先し他者を遠ざけた。
 その結果俺には仲間といえる人物はいない。前もってならともかくこうした突発的なパーティ編成ではそういった事が否応無しに現れる。

 周りはもうパーティを組み終えている、残っているのは俺ともう一人、俺より年下ぽい青、いや空色の髪をした少女だけ……、確かSAOの対象年齢が十二歳からだったはずなんだけどいいのかあれ?
 でも入ってしまったものは仕方ないのだろうか、この際相手を選べる立場ではない。
 そう結論付け俺は椅子伝いに移動し少女の横に腰を下ろす。

「なあ。君もあぶれたのか」

 この状況ならこういう話し方もありだろう、ここで俺はこの少女とパーティーを組む、もしくはそれらしいその場しのぎでも出来ればいいそう考えていた。
 けど、少女の答えは俺の斜め上を行くものだった。

「あの、パーティって何ですか?」

 今の俺の顔は盛大に引き攣っているだろう。誰がこんな答えを予測できたか、否誰にも予測できまい。

「もしかしてMMORPG初めて?」
「いえ、ゲーム自体初めてです」

 そして更に斜め上をいった。ゲームが初めて、それでこんなところにいるのか!? 
 いや初心者でも筋のいい奴はいる。クラインとかすぐにソードスキルをマスターしたじゃないか……でも状況が違うよな。
 でも腹を括るしかないのか……。

「そうか。パーティってのは戦闘時のグループでそのメンバーで情報が供給されたり、報酬が分配があったりで戦闘を有利に進められるんだ」
「そうなんですか」

 俺の言葉に少女は長い空色の髪を揺らしながら何度も頷いている。
 
「で、俺たちは見事にあぶれたわけだけど、君もボス攻略戦に参加するんだよな?」
「はい」

 一応の確認。少女は先ほどよりも深く頷く。

「なら俺とパーティを組まないか?」
「いいですよ」

 即答だった、何を考えてるのかよくわからない。そんな印象を押さえつけながら俺はメニューバーを操作しパーティ申請を目の前の少女へと送る。
 そして少女はおそるおそるといった様子で空中に浮かんで見えるはずの俺からの申請のYESの文字を右の人差し指で押した。

 左上に映し出されるKirito、つまり俺の名前とHPバー以外の文字、それが少女の名前だ。
 Maturi……マツリか。

 一時的にだが背中を合わせる仲間となる少女。
 この少女、マツリの能力で明日のボス戦での俺の立ち位置が変わる。
 すべては明日だ。



――――


 ここしかキリト君と合う場面ないと思いアスナさんの場所にねじ込みました。
 途中で視点が変わったのは主人公視点のまま進める力量がなかったからです……
 そしてキリト君のキャラが違う気がする…orz


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