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[36045] 【SAO】○○のアスナ【一発ネタ】
Name: 葉川柚介◆9ddbfd91 ID:e09c9b4c
Date: 2013/06/30 20:19
 ソードアート・オンライン。
 天才ゲームクリエイター、茅場晶彦が作り上げた世界初のVRMMORPG。発売前から絶大な注目と期待を集め、発売日に1万本のソフトを入手したプレイヤーたちはこぞってその剣と冒険の世界へと没入し……そして、その場で茅場からSAOがゲーム内で死亡すれば現実の肉体も死亡するデスゲームであるということを知らされた。


 あの日からすでに2年が経とうとしている。
 プレイヤーが現実へと生還する唯一の方法であるゲームの攻略は、順調とは言い難いが着実に進んでいる。ゲームクリアを目指す攻略組の努力が実を結びつつあるのだ。クリアした階層は既に74層。残り四分の一に近い。


 俺ことキリトもまた、ソロではあるが攻略組として最前線に立ち続け、二刀流などというユニークスキルを身に付けてしまったこともあり、それなりに過酷な日々を過ごしているのだが……。


『おーい、キリトくーん。このあたりはあらかた片づけたし、少し休憩にしない?』

「っ! あ、ああ。そうだな」


 最近はソロでダンジョンに潜ることも少なくなっている。
 何故ならば、アスナというかけがえのない存在ができたからだ。
 同じ狩場で互いをカバーしうるくらいの距離を取ってエネミーを狩っていたアスナが俺に声をかけてくる。大層かわいらしい少女の声で、しかしなんとなく聞こえ方がおかしいと感じるのは、これがゲーム世界だからだろう。うん、そうに違いない。


 そう自分に言い聞かせながら振り向いた俺は。


『キリト君、あぶない!』


「……へ?」


 それなりの距離を隔てたところから一瞬にして接近し、すれ違い、俺の背後へと突き抜けた……白い影の巻き起こす風に吹っ飛ばされた。


『もう、気を付けないとダメだよ。こんなのがキリト君を狙ってたんだから』

「あ、ああそうか……ありがとう」


 木の葉のように舞い上げられてべちゃりと地面に落ち、落下ダメージの痛みに耐えながら改めて声の主を見る俺。実は俺を吹き飛ばした存在と同一でもあるソレことアスナは……。




『クイックブーストが無かったら間に合わなかったかもしれないところだったもん、よかったね』

「……ソウダネ」


 俺の大切な人であるアスナが……白い甲冑で全身をガチガチに固め、なんかうすぼんやりと緑の光を放つ粒子バリアに包まれ、背中にずらりと並ぶスラスターからQB後の噴射炎の名残を放っていた。


 彼女こそ、血盟騎士団副団長にして、SAO内での俺の結婚相手。
かつて<閃光>の二つ名を拝し……今では白い閃光ホワイト・グリントの異名を持つプレイヤーである。




 誤解ないように改めて言っておくが、彼女はアスナだ。
 モンスターではなく、ボスでもなく、れっきとしたプレイヤーであり、中の人はちゃんと女の子だ。それも、かなり美人の。


 だが彼女の元の姿を見たものはここ最近全くいない。
 なぜならば、これこそ彼女の得たユニークスキル<ホワイト・グリント>の効果だからだ。


 <ホワイト・グリント>の特徴は、全身を覆う鎧……というか装甲。白い装甲板が全身を覆い、背中から伸びた羽のような肩パーツはSAOの世界観をぶっ壊すスラスターを備えて空を飛び、頭部は複眼のようにカメラがたくさんついた異形の代物。ぶっちゃけ中身の骨格まで変わっているのではないかと疑うほどの格好だ。これで身長自体は俺と大差ない等身大なのだから、どうかしているとしか言いようがない。
 しかもこれはパッシブスキルであるらしく、解除不能。そのためアスナは最近ずっとこの恰好である。


 だが、たくましきはデスゲームを今日まで生き残り、MMORPG初心者からトップギルドの副団長まで上り詰めた彼女の適応力。最近では『空も飛べるしQBとかOBとかAAとか使えるし、便利だよね』の一言で片づけている。


 ちなみにQBことクイックブーストはブーストによる緊急加速、OBことオーバードブーストはチャージ時間を必要とするものの、超音速で長時間高速移動が可能なブースト、AAことアサルトアーマーとは<ホワイト・グリント>の能力の一つである防御シールド、プライマルアーマーを爆発させて周囲に破壊を引き起こす技である。
 これらを使いこなし始めたアスナの二つ名は微妙に変化を見せ、それこそが白い閃光なのである。


 俺は頼もしくもゴツイ、このアスナを見るたび思う。




 茅場、お前は必ずぶっ殺す。




『さあ、行くわよっ!』


 勇ましい掛け声とともにボスモンスターへ突貫していくアスナ、というかホワイトグリント。俺も速度ステータスには自信があるが、それでもQBなどという機械的なサポートまである速度にはかなわねーよ音速超えてるじゃねーか、と思いながらえっちらおっちら二刀を構えて一応追いかける。


 だがそのころにはすでに、両手のライフルとアサルトライフルがボスをボッコボコにして、どれだけ逃げ惑おうと分裂ミサイルが包み込み、最後には再びQBで肉薄したうえで顔面のカメラを保護するシャッターが下り、アサルトアーマーが起動。急いでUターンして距離を取っておいた俺の視界を緑に染めて、ボスを跡形もなく拭き飛ばしていた。


『キリトくーん、やったよー!』

「あ、ああ。すごいな、アスナ……」


 それでいてなお、ぴょんぴょこ飛び跳ねて喜びをアピールする動きはまさしく以前のアスナのもの。ばっちり中は女の子なので、どれほどゴツイロボの外見をしていてもモーションは年相応のそれである。珍妙極まりないが、「だがそれがいい」とますます入れ込むファンもいるというのだから業が深い。


 ――余談であるが、キリトがアスナと結婚したのはホワイト・グリントを発症した後のことである。
 月夜の晩に、あの複眼に自分の姿を映しながらプロポーズし、目を閉じる代わりにシャッターを閉じたホワイトグリントに口付けたのは、色んな意味で一生の思い出だ。角が額に刺さって痛かったし。
 ちなみに、その後照れたアスナがプライマルアーマーを暴走させてしまい、至近距離からアサルトアーマーに巻き込まれた。恋するアスナは切なくて、キリトのことを思うとすぐAAしちゃうのだ。圏内でなければ確実に死んでいただろう。




 それからも、アスナとの日々は続いていく。


「ほらアスナ、装甲調整してあげるからそこ座りなさい」

『あ~、やっぱりリズにしてもらうのが一番気持ちいいわ~』

「……」


 アスナの装甲も装備品扱いなので定期的な調整が必要で、リズの持つ金槌でトンテンカンテン叩かれて気持ちよさそうにしてみたり。




「ナーヴギアから、光が逆流する! ギャアアアアア!」

『ナーヴギア適性が低すぎたのね、無理もないわ』

「いや、そんなものあったのか?」


 ラフィンコフィンと通じていたクラディールにトドメを刺したら、こんな断末魔を挙げられてしまったり。アスナが『まあ名前の響きも似てるしね』とか言っていたのは一体どういう意味なのだろう。




『キリトくんは殺させない!』

「バカな、再起動だと!? ありえるのか、こんなプレイヤーが……」

((その姿の時点でありえねーだろっ!!))


 75層ボス攻略直後、ヒースクリフの正体が茅場晶彦であると見抜き、なんやかんやでSAOのショートカットクリアを賭けた一対一の真剣デュエルをすることになり、敗北の直前麻痺毒状態を気合で何とかしたアスナが助けに入ってくれたりなどの末、この事件は解決するのであった。




「あ、アスナ……無事だったのか!?」

『うん。いやになるよね、あんな鳥籠くらいで私を捕まえておけると思ってるんだもん。ムカっと来たからAAで壊して、ついでに世界樹のガーディアンも全部倒してきちゃった』


 そしてALOはこのアスナがいて事件になろうはずもなく、須郷涙目であったという。


 ちゃんちゃん。


◇◆◇


 アスナの二つ名って<閃光>だよな->でもって白いよな->つまり、白い閃光->……ホワイト・グリントッ!


 以上、私の脳内変換でした、葉川です。
 タイトルの「○○」に入るのはホワイトグリントの略称であるWGのつもり。

 思いついた直後、絶対既にやってる人がいると思ったのに、ちょっと探しただけでは見つからなかったので自分でやってみました。もしどこかでネタ被っていたらごめんなさい。むしろ見てみたいので教えてください。












◇◆◇


「おめでとうキリト君。君のユニークスキルがアスナ君と同じようにネクスト進化を遂げた!」


 キリトの目の前で、なんかやけっぱちに叫ぶのはヒースクリフ。アスナのアレやそれやでおそらく心労溜まりまくっているのだろう無理やりな様子で高らかにキリトの新たなスキル獲得を謳っている。


「君の最大の特徴は二刀流だからね、そんな君の新たなスキルは!」


 言われ、キリトは慌てて自分の体を見下ろす。いったいどんな変化が起こっているのか恐ろしくてしょうがなく。


「両手に備えた鉄塊で建造物を壊すがいい! これぞ<キルドーザー>!」

『やっぱりかああああああああ!?」


◇◆◇


「……ハッ!? ゆ、夢?」


 自分の悲鳴で目が覚める、などということをキリトは初めて経験した。
 つい先ほどまで、妙な夢を見ていた気がする。理不尽で、いまだ自分が知らないはずの知識を元に構築されたようなアレなシチュエーション。
 だが目覚めた場合の常として既にほとんど覚えていない。今日ばかりは、なぜか覚えていなくてよかったとしか思えないのだが。


「パパ、大丈夫?」

「あ、ああユイか。心配かけたな。大丈……夫……」


 不安げな声をかけてきたのは、ユイ。
 自分とアスナを両親と呼ぶ可愛い少女……のはずなのだが。


「……ユイ、だよな?」
「? そうだよ。私はユイ」


 なのになぜこの子は、まるで地下世界の安寧を守るために送り込まれたアリーナランク1みたいな恰好をしているのだろう。


「パパ達が助けてくれた、SAOの管理AIの、ユインボール・セラフだよ?」


 きゅい、と稼動音を響かせて可愛らしく小首を傾げるその姿を見て、キリトはまたゆっくりと意識を失った。



――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


 本当にすいませんorz

 色々妄想してたらこうなっちゃいまして。
 多分ラフコフにもそのうち一人くらいネクストが生まれるでしょう、オールドキングが。
 やってること大体同じだし、中の人もいるし。


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