初めまして。
ミルフォーユです。
この作品はのテーマは純愛です。
そして、結構2・5次元的な感じです。
キャラはとあるアニメのキャラの名前を使わせて頂いています。
他は大体、オリジナルです。
ではでは。
どうぞ~。
タイトル
『LOST DREAMS』
この作品はとても物悲しいです。
お兄ちゃん・・・
お兄ちゃん・・・
「起きた?お兄ちゃん」
今、起こしてくれたのは妹の来栖まりもだ。
俺の実の妹で在り、両親が居ない俺にとっても
とても救われる存在だ。
「お兄ちゃん、早く支度しないと間に合わないよ?」
「ああ、今起きる」
2階から降りて台所に向かう。
とても良い匂いがした。
「今日はカレーだよ」
「そうか・・・」
「早く食べてね」
「ああ・・・」
俺は自分が寡黙で在り、とても大人しい事を理解していたし、
何より妹もそれを理解している気がした。
「お兄ちゃん、最近の私の料理どうかな?」
「まあまあって感じだな」
「うん」
「御馳走様・・・」
俺は携帯の時計を見た。
今は7:50分、ギリギリだ!!
「まりも!急ぐぞ!!」
「分かった」
俺の通う高校は明治学院高校。
町一番の進学校だ。
因みにまりもは小学4年生だ。
近くの私立の小学校に通っている。
「お兄ちゃん。またね」
「ああ。頑張れよ」
「うん!」
元気に走り去った。
俺は坂道を上った。
校門には未だ生徒が居た。
間に合う様だ。
教室に入るとクラスメイトの高島が話しかけてきた。
「おはようさん」
「ああ、高島。おはよう」
「相変わらず暗いなぁ」
高島はそう言うと後ろの席に座った。
「そうか?お前が明るすぎるんじゃないのか?」
「ああ、そうかもな」
「ところでお前最近好きな女の子は出来たか?」
俺はその質問に鬱陶しさを感じた。
「ああ、居ないな~」
「へぇ」
あっという間に下校時間がやってきた。
俺はさっさと教室を出た。
その帰り・・・
桜井有生さんを見かけた。
桜井さんと謂えば2-Bで内の学校でも根暗で評判だった。
俺みたいな同じく根暗同士気が合いそうだった。
桜井さんは本屋でいた。
俺は・・・。
「桜井さん?」
俺は呼びかけてみた。
その顔が微かに反応する。
「来栖さんですか・・・」
僕はその本の表紙を盗み見た。
「ヒビキのマホウ・・・」
「これですか?」
「うん。それは漫画だね」
「はい。私の好きな本の一つです」
「へぇ、そうなんだ」
俺は何をやっている。
今更ながら、俺はこの秋に変わろうと決めていた。
それは、この暗い湿った泥水の様な気持ちを
隠して、それが転移を起こしての行動だろう。
「来栖君はどんな本を読むんですか?」
「っていうか桜井さん、僕の事知ってるんだね」
俺は疑問をぶつけてみた。
「はい。一応・・・」
その反応は割と傷付く。
まぁ、こんな事で僕の鬱屈が晴れるなら良かった。
「僕は・・・ライトノベルかな」
「どんなのですか?」
「とある魔術の禁書目録とかかな・・・」
「ああ。アレは私も持っています」
意外だな。
「何か最近はネタ切れみたいになってるけどね」
「来栖さん・・・」
「何?」
「私そろそろ・・・」
時計を見ると5時を回っていた。
其処で俺は今日、撮り溜めていた、アニメを思い出した。
「じゃあ、桜井さん。俺も用事有るから」
「来栖さん・・・」
「ん?」
「明日又学校で・・・」
「ああ、うん!」
俺は暗くなってもいけないと思い、さっさと歩きだした。
桜井有生さん。
何かかなり普通の人で、
案外喋る事も出来たんだな・・・。
そういう思案が頭を過った。
その明くる日の学校・・・
俺は屋上で桜井さんを見かけた。
そして・・・
「・・・」
お互い何故か向かい合いながらも、
黙って、何も喋らず、終始無言で食べていた。
「では・・・」
そう言い残し、桜井有生は去った。
その隣の桜井さんの友人で在ろう人が俺に話しかけてきた。
「あの・・・ユウキのお友達ですか?}
「ええ」
「あの私これを頼まれてて」
俺はその紙切れを凝視した。
「何か・・・?」
「これ、来栖君に渡してくれって」
「そう」
僕は受け取った。
その友人らしき人も立ち去った。
中身は・・・どれどれ。
今日、公園で待ってます
放課後、俺はその公園に行ってみる事にした。
「来て下さいましたね・・・」
「ああ・・・何?」
「私・・・」
一呼吸置いた後、沈黙が流れる。
「好きですっ!!付き合って下さい!」
そんな言葉が吐き出された。
僕は・・・
「ありがとう」
「あ・・・」
「で、僕の事知ってたの?やっぱり・・・」
「はい、ずっと来栖さんの事ばかり考えていました」
「そう」
胸がドキドキした。
こんな感情は人生で初めてだ。
僕はこの秋感じた予感を改めて心に焼き付けた。
「じゃあ、付き合おうか」
「そうですね・・・でも・・・」
「どうかした?」
「あの、少しやっぱり」
「どうしたの?」
「余り人目に付きたくないんです」
「そうかな?そんな事気にしなくていいんじゃない?」
「ですが」
「やはり、分かりました」
僕は胸を撫で下ろした。
「じゃあ、これから私達は恋人同士ですね」
「うん、まあね」
「では、今から和輝君の家に行っても良いですか?」
「それは・・・」
「どうしましたか?」
「いや、未だ其処までは無理というか」
「では今度の日曜日、デートは如何ですか?」
「分かった」
桜井さん、いや、有生さんは僕の頬にキスをした。
「どうしたの!?」
「やはり、和輝さんは内気ですね。この程度の不意打ちで」
「いや、おかしいから!!」
「では、今度こそ」
「うん・・・解った」
その10月の澄んだ空気が肌に張り付く。
よし、今日から、大変だぞ。
そして次の日の学校。
今日は火曜日だ。
「よぉ」
「ああ、高島か・・・」
「何だ、憂鬱そうだな?」
「ああ、ちょっとな」
俺は溜息を吐いた。
「解ったぞ。お前桜井さんに告られたろ?」
「なっ!何で知ってるんだよ!!」
「いやー。、昨日桜井さんの友人から訊いてさ」
「そうなのか・・・」
「いやーお前も隅に置けなくなったな~」
「からかってんなって!」
「まあまあ、それで、何か進展有ったのか?」
「告白されたのが昨日だぜ?そんな1日目から無いだろ。
進展なんて」
「それもそうか」
高島はそう言うと自分の席に項垂れた。
俺は何となく気になって
「寝てないのか?」
「ああ、昨日徹夜でネットしてた」
放課後
俺は桜井さんのメールを昨日帰る際に聞き忘れたと
お互いのメールアドレスと電話番号を交換した。
俺は・・・メールを打った。
「(桜井さん、今どこにいるの?)」
暫くするとメールが返ってきた。
「(今は用事は特に無いですが・・・)」
俺は
「(良かったら・・・一緒に帰らない?)」
俺はそうメールを打った後一呼吸置いて、
「(分かりました)」
「(校門で待ってます)」
俺は普通に校門まで来た。
「やあ、有生さん」
「ああ、和輝さん・・・」
俺達は互いに存在確認をして、
それから歩き始めた。
「有生さんはどんなゲームやるの?」
「私ですか・・・?」
「うん」
「私は、本は色々読むのですが、ゲームは余りしないのです」
「そうなのか~」
「これと謂って好きなゲームが無いのです」
俺はう~んと考えると。
「じゃあ、今度俺の家来る?」
俺はそんな事を聞いた。
「解りました」
「えっ!?良いのかい?」
「そりゃあ、私達恋人同士ですし・・・」
俺はその言葉にやはり嬉しさと興奮を隠し切れなかった。
「じゃあ、何時が良い?」
「そうですね。5日後の日曜日でどうでしょうか?」
「解った」
俺は頷いた。