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[36223] 『LOST DREAMS』第1話。
Name: ミルフィーユ・桜葉◆a5bf8bbc ID:48eb5da2
Date: 2012/12/21 05:06
初めまして。
ミルフォーユです。
この作品はのテーマは純愛です。
そして、結構2・5次元的な感じです。
キャラはとあるアニメのキャラの名前を使わせて頂いています。
他は大体、オリジナルです。
ではでは。
どうぞ~。
タイトル
     『LOST DREAMS』
この作品はとても物悲しいです。



お兄ちゃん・・・
お兄ちゃん・・・

「起きた?お兄ちゃん」
今、起こしてくれたのは妹の来栖まりもだ。
俺の実の妹で在り、両親が居ない俺にとっても
とても救われる存在だ。
「お兄ちゃん、早く支度しないと間に合わないよ?」
「ああ、今起きる」
2階から降りて台所に向かう。
とても良い匂いがした。
「今日はカレーだよ」
「そうか・・・」
「早く食べてね」
「ああ・・・」
俺は自分が寡黙で在り、とても大人しい事を理解していたし、
何より妹もそれを理解している気がした。
「お兄ちゃん、最近の私の料理どうかな?」
「まあまあって感じだな」
「うん」
「御馳走様・・・」
俺は携帯の時計を見た。
今は7:50分、ギリギリだ!!
「まりも!急ぐぞ!!」
「分かった」


俺の通う高校は明治学院高校。
町一番の進学校だ。
因みにまりもは小学4年生だ。
近くの私立の小学校に通っている。
「お兄ちゃん。またね」
「ああ。頑張れよ」
「うん!」
元気に走り去った。
俺は坂道を上った。

校門には未だ生徒が居た。
間に合う様だ。

教室に入るとクラスメイトの高島が話しかけてきた。
「おはようさん」
「ああ、高島。おはよう」
「相変わらず暗いなぁ」
高島はそう言うと後ろの席に座った。
「そうか?お前が明るすぎるんじゃないのか?」
「ああ、そうかもな」
「ところでお前最近好きな女の子は出来たか?」
俺はその質問に鬱陶しさを感じた。
「ああ、居ないな~」
「へぇ」

あっという間に下校時間がやってきた。
俺はさっさと教室を出た。
その帰り・・・



桜井有生さんを見かけた。
桜井さんと謂えば2-Bで内の学校でも根暗で評判だった。
俺みたいな同じく根暗同士気が合いそうだった。
桜井さんは本屋でいた。
俺は・・・。
「桜井さん?」
俺は呼びかけてみた。
その顔が微かに反応する。
「来栖さんですか・・・」
僕はその本の表紙を盗み見た。
「ヒビキのマホウ・・・」
「これですか?」
「うん。それは漫画だね」
「はい。私の好きな本の一つです」
「へぇ、そうなんだ」
俺は何をやっている。
今更ながら、俺はこの秋に変わろうと決めていた。
それは、この暗い湿った泥水の様な気持ちを
隠して、それが転移を起こしての行動だろう。
「来栖君はどんな本を読むんですか?」
「っていうか桜井さん、僕の事知ってるんだね」
俺は疑問をぶつけてみた。
「はい。一応・・・」
その反応は割と傷付く。
まぁ、こんな事で僕の鬱屈が晴れるなら良かった。
「僕は・・・ライトノベルかな」
「どんなのですか?」
「とある魔術の禁書目録とかかな・・・」
「ああ。アレは私も持っています」
意外だな。
「何か最近はネタ切れみたいになってるけどね」
「来栖さん・・・」
「何?」
「私そろそろ・・・」
時計を見ると5時を回っていた。
其処で俺は今日、撮り溜めていた、アニメを思い出した。
「じゃあ、桜井さん。俺も用事有るから」
「来栖さん・・・」
「ん?」
「明日又学校で・・・」
「ああ、うん!」
俺は暗くなってもいけないと思い、さっさと歩きだした。


桜井有生さん。
何かかなり普通の人で、
案外喋る事も出来たんだな・・・。
そういう思案が頭を過った。



その明くる日の学校・・・
俺は屋上で桜井さんを見かけた。
そして・・・
「・・・」
お互い何故か向かい合いながらも、
黙って、何も喋らず、終始無言で食べていた。
「では・・・」
そう言い残し、桜井有生は去った。
その隣の桜井さんの友人で在ろう人が俺に話しかけてきた。
「あの・・・ユウキのお友達ですか?}
「ええ」
「あの私これを頼まれてて」
俺はその紙切れを凝視した。
「何か・・・?」
「これ、来栖君に渡してくれって」
「そう」
僕は受け取った。
その友人らしき人も立ち去った。
中身は・・・どれどれ。

        今日、公園で待ってます


放課後、俺はその公園に行ってみる事にした。
「来て下さいましたね・・・」
「ああ・・・何?」
「私・・・」
一呼吸置いた後、沈黙が流れる。
「好きですっ!!付き合って下さい!」
そんな言葉が吐き出された。
僕は・・・
「ありがとう」
「あ・・・」
「で、僕の事知ってたの?やっぱり・・・」
「はい、ずっと来栖さんの事ばかり考えていました」
「そう」
胸がドキドキした。
こんな感情は人生で初めてだ。
僕はこの秋感じた予感を改めて心に焼き付けた。
「じゃあ、付き合おうか」
「そうですね・・・でも・・・」
「どうかした?」
「あの、少しやっぱり」
「どうしたの?」
「余り人目に付きたくないんです」
「そうかな?そんな事気にしなくていいんじゃない?」
「ですが」
「やはり、分かりました」
僕は胸を撫で下ろした。
「じゃあ、これから私達は恋人同士ですね」
「うん、まあね」
「では、今から和輝君の家に行っても良いですか?」
「それは・・・」
「どうしましたか?」
「いや、未だ其処までは無理というか」
「では今度の日曜日、デートは如何ですか?」
「分かった」
桜井さん、いや、有生さんは僕の頬にキスをした。
「どうしたの!?」
「やはり、和輝さんは内気ですね。この程度の不意打ちで」
「いや、おかしいから!!」
「では、今度こそ」
「うん・・・解った」



その10月の澄んだ空気が肌に張り付く。
よし、今日から、大変だぞ。


そして次の日の学校。
今日は火曜日だ。
「よぉ」
「ああ、高島か・・・」
「何だ、憂鬱そうだな?」
「ああ、ちょっとな」
俺は溜息を吐いた。
「解ったぞ。お前桜井さんに告られたろ?」
「なっ!何で知ってるんだよ!!」
「いやー。、昨日桜井さんの友人から訊いてさ」
「そうなのか・・・」
「いやーお前も隅に置けなくなったな~」
「からかってんなって!」
「まあまあ、それで、何か進展有ったのか?」
「告白されたのが昨日だぜ?そんな1日目から無いだろ。
進展なんて」
「それもそうか」
高島はそう言うと自分の席に項垂れた。
俺は何となく気になって
「寝てないのか?」
「ああ、昨日徹夜でネットしてた」



放課後
俺は桜井さんのメールを昨日帰る際に聞き忘れたと
お互いのメールアドレスと電話番号を交換した。
俺は・・・メールを打った。
「(桜井さん、今どこにいるの?)」
暫くするとメールが返ってきた。
「(今は用事は特に無いですが・・・)」
俺は
「(良かったら・・・一緒に帰らない?)」
俺はそうメールを打った後一呼吸置いて、
「(分かりました)」
「(校門で待ってます)」
俺は普通に校門まで来た。
「やあ、有生さん」
「ああ、和輝さん・・・」
俺達は互いに存在確認をして、
それから歩き始めた。
「有生さんはどんなゲームやるの?」
「私ですか・・・?」
「うん」
「私は、本は色々読むのですが、ゲームは余りしないのです」
「そうなのか~」
「これと謂って好きなゲームが無いのです」
俺はう~んと考えると。
「じゃあ、今度俺の家来る?」
俺はそんな事を聞いた。
「解りました」
「えっ!?良いのかい?」
「そりゃあ、私達恋人同士ですし・・・」
俺はその言葉にやはり嬉しさと興奮を隠し切れなかった。
「じゃあ、何時が良い?」
「そうですね。5日後の日曜日でどうでしょうか?」
「解った」
俺は頷いた。



[36223] 『LOST DREAMS』第2話。(というより第2部)
Name: ミルフィーユ・桜葉◆a5bf8bbc ID:48eb5da2
Date: 2012/12/21 05:10
その翌日。
教室に入ると、周りが騒々しかった。
「今日、転校生が来るらしいぜ」
「へぇ・・・」
俺は桜井さんの事も有るし例えどんな子が来ようと覚悟は
決めていた。
先生が入ってくる。
「ではHRを始める」
「起立!礼」
俺は何かとても何故か不吉な予感を感じ取った。
何故。
「今日は転校生が来ているんだ」
「両親の転勤先が偶々この近くだったんだそうだ」
「では、入りたまえ」
教室に入ってきた少女はとても可愛らしかった。
「宝野由惟(たからの ゆい)です。何かこの学校は凄く有名ですし、
何か音楽活動やっていく中で、軽音部が在るし、自分の居場所が出来て
過ごせたらいいです。よろしくお願いします」
「ああ、君は後ろの席にあそこね・・・」
「はい・・・」
「ではHRを終了する!」
「起立!礼!」

クラスはその女の子の話で持ち切りだった。
兎に角男子に人気が出そうな容姿だ。
案外両方もイケる気がするが・・・。
そんな思案に浸っていると。
「あんた、私の事知ってるでしょ?」
「何?」
俺は鬱陶しそうにそう言った。
何と。
転校生が話しかけていた!!
「あなた。まぁ良いわ・・・」
そう言うと宝野は去って行った。

その昼休み。
「ふー。学食行くか?和輝!」
「いや、俺少し用事思い出したわ。お前一人で行って来い」
「何だよ連れねーなー」
そう断って俺は転校生の後を付けた。
転校生は職員室に入っていった。
「何やってんだ・・・?」
俺は暫く待った。
そして出てきた。
「お前どうしたんだ?この学校に不安が有るなら言えよ。
俺が色々教えてやるから」
「あなたの名前は?」
宝野由惟はそう聞いた。
「俺か、俺は来栖和輝だ。」
「それで、何か思い出せた?」
「いや、何も思い出せない。お前と会った事、本当に有るか?」
俺は素直にそう聞いた。
「ああ、まぁ私も其処まで気に留めてないからいいけどね」
「ああ」
俺は適当に合ずちを打った。
「で、何しに職員室入ってたんだ?」
「いやー、軽音部への入部届を出そうと思って、今色々活動してんの」
「へー。楽器なんて出来るのか」
「まぁ、私はこの学校の音楽活動を一貫して行い、皆を歓喜の渦で巻き混もうという
魂胆だからね」
「ああ、そうか・・・」
この自由性と自信は俺には無いものだった。
だから俺は今こうして目の前に居る少女に凄く惹かれていた。
しかし・・・。
「じゃあ、俺行くから」
「うん」

ああいう活動的で割とツンデレっぽい戸頃はやはり苦手だ。
これからは桜井有生という彼女の為に生きていこう。
そう誓った。
しかし、その想いとは裏腹に、既に自体は急速に破滅へと向かっていたのである。

学校へ帰る途中、桜井さんを見かけた。
俺は話しかけてみた。
「やぁ、桜井さん!}
「近ずかないでください!!」
俺は唖然とした。
何故、彼女がここまで僕を否定するのかが、
理由が理解できなかった。
「和輝さん、私はあなたの過去を知っています」
「何だって・・・??」
「あなたは以前、一人の女の子と友達だった。
そして私はそれを見ていた」
「どうして君は僕と初対面じゃないかったのか?」
「私はあなたの未来の子供です」
「えっ!?」
俺はその有生さんの発言を全く消化出来ずにいた。
「何で、桜井さん、僕は一体何者なの?」
「あなたは宝野さんに子供を作らせたのです」
「そしてあなたは最終的に私を産んだ」
「私は力を持っている。それは把握しておいて下さい」
「何、言ってるか全然解らないよ!!」
俺はそう言うと桜井さんの肩を揺らした。
桜井さんは身じろぎ一つせずに、
「あなたは宝野さんの婚約者に為る事でしょう」
「そして私は最終兵器、この世界の終わりの・・・」
突然の出来事だった。
桜井さんは急に居なくなった。
まるで最初からそこに居なかったみたいに・・・。
僕はそれからと謂うもの悪寒と憎しみに似た感情を抱いたまま時を過ごした。


そして、冬休みが始まる12月20日。
その日の学校。

「宝野さんは最近、どんな音楽聴いてるの?」
一人の女子が宝野さんにそう言っていた。
「私は・・・」
「ロックだけど、ローリングストーンズとか、PINK FLOYDとか・・・」
「へぇ、凄いね。流石は軽音部のギタリストだけ有るわ~」
「じゃあね」
皆がそれぞれの想いを胸にこの冬を過ごすのだろう。
だが、俺はその自信が無かった。


帰り道。
俺は宝野さんの家に何故か来ていた。
「何故俺はこんな戸頃に居るーーー!!!」
俺は絶叫した。
「まぁまぁ、観念しなよ。私の家だよ」
「まぁ、お前の家に興味が無い訳じゃあ無いが」
「じゃ、入って」

外観はまぁ普通の家だった。
鉄半分、和室半分、洋室2部屋みたいな一般的な作りだった。
「じゃあ、ちょっとコーヒー入れてくるね」
そう謂うと案内して貰っている部屋を出ていき、
どうやら茶菓子を用意してくれている様だった。
女の子らしくも謂えない部屋だと思った。
何か6畳くらいの畳の和室だった。
でも机もちゃんと在って、部屋は片ずいていた。
「お待たせー」
そう言うと、由惟は部屋に入ってきた。
「和輝君、少し真面目な話しよーか」
「えっ!?何?」
「いやー私も色々有ってさ~」
「えっ!?」
俺はその一言で2週間前のあの桜井さんの言葉を思い出した。
「あの由惟ちゃん」
「んっ?」
「桜井さんて知ってるかな?」
「あの人ね・・・」
ユイは怪訝な顔を覗かせていた。
やはり何か知っている・・・?
「その人が言ってたんだ。あなたとユイさんは結婚するだの」
その瞬間、俺の中のレートが切れた。
「そうなんだ・・・」
「実は私も和輝君の事嫌いじゃないよ?」
「えっ!」
俺はもう訳解らない状況になっていた。
「和輝君は私の事嫌い?」
「何言ってるのさ!!僕だって由惟さんの事嫌いな訳無いじゃないか!!」
そう謂うと宝野さんはこう言った。
「もしその人が言う事が嘘だったとしても・・・」
「私たちはきっと大丈夫だよ・・・」
その瞬間、俺はこの冬は奇跡だと痛感した。
「和輝君」
「ユイ・・・」
俺達は唇を重ねた。
そして・・・。
「ああっ!和輝君・・・当たってる」
「もうイクよっ!!」
「私も・・・もうっ!!」
「あああああああああああっ!!!!」

俺達は一つになった。
それから俺達のウィンターラビリンスが始まった。

そして冬休みに入った頃。
今日は12月22日土曜日。
俺は今日の深夜アニメを心待ちにしている所だった。
見終えると、
俺は部屋に戻った。
そして眠りについた。

12月29日。
今日は俺の誕生日だ。
俺はパーティの段取りを決め
人も呼んだ。
「和輝君、誕生日おめでとうー」
「おめでとう」
「おめでとうございます・・・」
高島が言い出した。
「俺は本当良い友達を持った」
「何だよ突然・・・」
「いやーお前何時も悩んでばかりいるだろう?」
「そうかもな」
「いやーしかし和輝にこんな可愛い彼女が出来るなんてな」
そう高島が言うと
「高島君、それはもう・・・和輝君のエッチ・・・」
「これは・・・もう・・・」
俺達は朝まで飲んだり食ったりゲームしたりして過ごした。

そしてある日・・・。
クラスの中に入ると
「和輝、お前もう駄目だよ・・・」
そうクラスの誰かに声を掛けられた。
「何がだ?」
「世界最終戦争が始まろうとしている・・・」
そう高島が言った。
「何?」
俺はふざけた冗談だと思った。
しかし。
「俺は見たんだ。桜井さんが・・・」
「止めろ!!!」
俺は叫んでいた。
「あ・・・すまない」
俺は謝った。
「しかし、何でそんな事があの桜井さんに行き付くんだよ?」
「俺も訳解らないよ」
「でも本当なんだ」
「えっ?」
「桜井さん昨日帰り道で見かけたんだけど、猫が良く居る団地が在るだろ?」
「ああ」
「そこで桜井さんが偶々怪我をした猫を見つけたんだ」
「ああ・・・」
「それでその猫は足に怪我どころか、全身に打撲で瀕死だった。
「それをその桜井さんは・・・」
俺は息を飲んだ。
「一瞬で治ってたんだ・・」
「マジかよ・・・」
俺はその話が余り信じたくは無かったが、
桜井有生という少女の奇天烈ぶりから、俺はそんな
ふざけた思考に至った。
「何だよ・・・それ・・・」
「どうした、和輝」
「俺はそんな話信じないからな!!」
俺はその場から逃げ出した。
そして、放課後。
俺は桜井さんが軍の傭兵として働いているという噂を聞いた。
そして、

「突然のニュースです。政治経済の悪化に伴い、私達日本政府は、
カタストロフィと称する、戦争を開始せざるを追えない事を政府側が発表致しました」
俺はもう、絶望の淵でどうにかなりそうだった。
そして冬休みも半ば。
俺は桜井さんに会いに行った。
でも家も分からなかった。
しかし、町中を探して歩いた。
でも成果は無かった。

「俺は、もう駄目だ・・・」
クラスメイトの一人、藤原がそう言った。
「俺は未だ、日本が勝つと思うぜ」
「そんな事言ってるのか・」
「大丈夫さ。有生が居てくれるからな」
俺はそう呟いていた。

その頃の米軍が集まる日本の山々では、
「ズドドドドドドド!!!」
「糞!!我々の玉が利かない!!」
「何故だ!!何者だ!!!!」
「糞!!DX891用意!!!」
「もう、止めて下さい」
そんな少女の声が響き渡った。
まるで、世界を優しく包み込むイブの様なその姿は。
「うあああああ!!!!!!!!」
一人。
二人。
次々に人が木端微塵に砕けていく。

なぁ、ユイ、いつか、お前の歌が聴きたいよ。
きっと大丈夫だから・・・。
お前はきっと皆を幸せにするから・・・。

冬休みも終わり、俺は学校へ向かった。
「その途中で宝野由惟を見かけた」
俺は話しかけた。
「ユイ!!」
「和輝君」
「久しぶりだな」
「うん。そうだね」
俺達は沈んでいた。
兎に角この鬱積を晴らせたらいいと思っていた。
「和輝君、もう私・・・」
「大丈夫だ。きっと俺達が幸せに為る日が来る」
「そうかな・・・」
俺達は肩を寄せ合って歩いた。
そして有生がこの学校の近くで"戦う"日もそう遠くは無かった。


LOST DREAMS
第2部で御座います!
さてさて、「LOST DREAMS」
も中盤~終盤で御座います。
もう何ていうか本当にこんな話を書いて良いのか?
とも思え始めた。
今日この頃。
まぁ、兎に角、最後まで付き合って上げて下さい。
『LOST DREAMS』
次回を待て!!!
第3部に続く!!!



[36223] 『LOST DREAMS』第3話。
Name: ミルフィーユ・桜葉◆a5bf8bbc ID:48eb5da2
Date: 2012/12/21 06:54
そして、又俺の地獄の日々が始まった。
「和輝君。君は死んでね」
「和輝君、何か暇なんだ」
「和輝君、どうしてだい?」
俺はもう駄目だった。
何故ならこの状況こそ、最後の地獄だったからだ。
そして。

「和輝君、私、子供出来たの・・・」
「えっ!?」
俺は耳を疑った。
「昨日検査に行ったらね、妊娠4か月だって・・・」
「そうか。産めば良いんじゃないかな?」
「ああ。ありがとう」
俺は既に高校を辞めて、大検を受けようとしていた矢先だった。
24歳の春の日だ。
「ねぇ、和輝君・・・私達、幸せだよね」
「当たり前だろう。もうあんな事有って堪るか・・・」
俺はその日の光景を思い出していた。
そう桜井有生は死んだ。
生命力の限界を超えた稼働をした性だろう。
そう桜井有生は人間では無く、造られた存在だったのだ。
俺はもうあの微笑に逢う事は無くなった。
そして、一番寒い冬の日・・・。

「元気な女の子ですよ」
そう看護婦さんの言葉が掛けられた時、俺は果たした気分になった。
「ユイ。女の子だぞ」
「うん。そうだね」
「可愛いな~。肌だって凄く綺麗だな」
「うん・・・」
「名前は何て付けるんだ?」
「えーと、来栖キズナそれがこの子の名前」
「へぇ。良いんじゃないのか?」
俺達は互いに支え合って生きていた。
そして。


「どうしたんですか?」
突然声が掛けられた。
「これ。落としましたよ」
「ああ」





全ての生きとし生ける者に。
この物語を捧ぐ。
そして、世界は・・・。



次回はエピローグです。



[36223] エピローグ。
Name: ミルフィーユ・桜葉◆a5bf8bbc ID:48eb5da2
Date: 2012/12/21 06:57
何故彼女は救われなかったのか。
てんびんの測りに幸せが乗っている。
でももう一つの測りには必ず不平等が乗っている。
そう、誰かが幸せになればきっとその測りの担い手は
どれ程の天使なのだろう。
僕達はきっと明日の為にそして皆の為に自分の為に生きている。
それはきっと幸せというゴールと死という終わりに只生きている。
しかし、生きているのはきっと僕達が過酷な運命に立ち向かい、それを乗り越えた時、
人は神々しいばかりの何かを得るんだ。
ありがとう。
有生。
ありがとう。
皆が天秤に同じく両方の皿が幸せというもので埋め尽くされたら。
きっと有生も救われたんだ。
ありがとう。

『LOST DREAMS』
この投稿で最後になります。
第3部とエピローグは一気に書き上げました。
かなり強引で、淡泊なそんなテキストだったのでは無いでしょうか?
では又、機会が有れば。
どこかで。


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