「これで最後だ! 一気に終わらせるぞ!!」
エビルマウンテンにリュカの叫びが響き渡る。
「はいっ!!」フローラ、ティミー、ポピーもそれに答える。
「バギクロス!!」
「ベギラゴン!!」
「イオナズン!!」
リュカ、フローラ、ポピーは自身の持つ最強の呪文を放つ。
「ぐぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「こ、この程度で!このミルドラースが倒せるとおもうなぁぁぁ!!」
ミルドラースは3人を振り払おうと灼熱の炎を吐こうとする。
そこでリュカが叫ぶ。
「ティミーーーー!!」
後ろで魔法力を溜めていたティミーが飛び出す。
「うぉぉぉぉ!!ギガデイィィン!!」
ティミー放った稲妻が天空の剣に落ち刀身が光輝く。
「これで!おわりだぁぁぁ!!」
「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!!」
ティミーの一撃がミルドラースを切り裂き、そのまま崩れ落ちる。
「はぁ、はぁ、終わったのか?」 リュカが呟く。
「か、勝った!勝ったよお父さぁぁん!」
ティミーが満面笑みで父に飛びつく。
「うぅ!私たち勝てたんだ、うぁぁん!」
ポピーなどは感激で泣き出してしまう。
フローラは、ポピーをあやしながらリュカに歩み寄り…
「やりましたね、あなた」と微笑む。
「ああ!これで父さんと母さんも安らかに眠れる」
リュカは今までの旅を思い起こし心の中で両親に告げる「終わりました、父さん母さん」と
「きっとおじいちゃん達も見ていてくれたよ!ねぇポピー!」
「うん!お兄ちゃん!!」
二人がリュカ、フローラに笑いかけると…
「ああ!そうだな」「ええ!そうね」
二人も息子達にむかい微笑む。
「さあ!帰ろうか、グランバニアへ」
「うん!!」
その時リュカの後ろから声が聞こえた。
「無事に帰れると思うのか!」『!!!』
「私が滅ぶのは避けられないが!せめて天空の勇者だけでも道連れに!!」
ミルドラースの腕から黒く輝く珠が飛んでくる。
「うわぁぁぁ!!」「ティミーーー!!」
リュカがティミーを突き飛ばし代わりにその珠を受ける。
「うあぁぁぁぁぁ!!」「ぐふぅ」
リュカが倒れると同時にミルドラースの体も灰となり消えてゆく。
「あ!あなたぁぁ!!」『お父さぁぁん!!』
フローラ、ティミー、ポピーはリュカに駆け寄る。
「うぅ!ティ、ティミー無事か?」
「う、うん!それよりお父さんが!!」
「い、今回復呪文を」フローラ、ティミーが二人で回復呪文をかける。
「そ、そんな回復呪文が効かないなんて!」三人の顔に絶望の色がうかぶ。
「ご、ごめんな三人とも僕は一緒に帰れなそうだ」
「な、なにを言って!!」『いやだよ!お父さん』
三人は涙を流しながらリュカに縋り付く。
「フローラ、ティミー、ポピー、僕は一緒に居られなくなってしまったけど ごふぅ!」言い切れずに血を吐く。
「あなた!!」『お父さん!!』
「さ、三人とも し、幸せに暮らし…」
(幸せに暮らしてくれ)最後まで言い切れずにリュカの漆黒の瞳が閉じてゆく。
「あなたーーーー!!」「お父さーーん!!」「いやぁぁぁぁ!!」
フローラ、ティミー、ポピーの叫びが響き渡る。
そのとき、リュカの体が突然光りだしあたり一面を照らしだした。
リュカは眠気に負けじと体を起こす、そこへ
「坊ちゃんおはようございます。朝食の準備が出来ておりますぞ」
「サンチョ?」(何でサンチョが、僕はミルドラースと戦っていて…)
「はは!相変わらずリュカは寝ぼすけだな!」
「!!と、父さん」(と、父さんは死んだはず!)
「まだ寝ぼけているのか?早く顔を洗って来い、朝食がさめてしまうぞ。」
「はい、わかりました」(どうゆうことだ?)
とりあえず顔を洗いに行こうと起き上がり、窓に写った自分を見て驚愕した。
「な!!この姿は!」(子供に戻っている!!)
「バカな!」驚き外を見る「ここは…」
「サンタローズ…」