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[38485] [ネタ]短編集  ヒカルの碁更新
Name: 七誌ちゃん◆c618a2f2 ID:8ec2e7b7
Date: 2013/10/05 21:35
一発ネタの短編や中編をこちらで投下します。

10月5日 ヒカルの碁(タイトル未定)投下開始




[一発ネタ] ドラゴンクエスト5 (転生憑依)


 ゴクリ。少年は目の前に聳え立つ居城──ラインハット城を見上げて、無意識のうちにのどをならした。
少年の名前はリュカ。この物語の主人公であり、転生者である。



 時間は遡り一ヶ月ほど前。
 気がついたら彼は船の中の一室に居た。近くには筋骨隆々の男が一人、剣のメンテナンスをしている。
 その男性の名前が『パパス』であるということを、何故か彼は知っていた。そして今の自分の名前が『リュカ』であるということも。

 彼は自分がドラゴンクエスト5の世界に来てしまったんだということを理解する。

 最初のうちこそテンションは高かった。
 自分はあのドラクエの世界にいる。しかも主人公として!
 常人ならば浮かれても仕方が無い話だ。

 スキップをしながらビスタ港からサンタローズへと向かうその途中、リュカは唐突にある事実を思い出した。ド忘れていた原作知識の一つを。
 そう、ドラクエ5の主人公は───

「……あ゙っ、このままだと父さん死ぬ。」

 ───ドラクエシリーズの中でもトップレベルの不幸属性を持っているということを。





 リュカは考えた。どうすればパパスが死なずに済むのか。
 一番確実なのはラインハット行きを止めるとこなのだが、それは間違いなく無理だろう。
 止めることが出来たら出来たで別の問題が浮上する。ヘンリー王子だ。
 リュカはまだ会ったことも無いあの王子の身に起こる不幸を防ぎたいと思っていた。彼も対外お人よしである。

 リュカは考えた。どうすれば自分が望むルートを辿れるかを。
 ビアンカと会った時も、サンタローズの洞窟で親方を助ける時も、レヌール城を攻略している時も、妖精のベラに頼まれて春風のフルートを取り戻すために雪の女王の館に乗り込んだ時も。
 ずっとずっと考えていた。

 悩んでも悩んでも答えが出ないことにイラつくリュカ。そしてとうとうラインハットへ向かう時期がやって来た。
 歴史は変えられないのか……そう絶望している彼の元に、一人の青年が現れる───







『や! こんにちは、トリッパー君』
「なッ───あ、そっか。未来の……」
『そうそう。未来のね。制約か何かかかってるせいで名前で呼べないんだ、ごめんね?
 それじゃさ、例の球もらえるかな?』
「うい。ゴールドオーブね」
『あいあい、サンキューサンキュー。それじゃお礼にこれをあげよう。君の悩みを解決するスーパーアイテムだ』
「……これって」


 “未来から来たリュカ”が“過去(現在)のリュカ”に渡したアイテム。
 それは───







───古代遺跡



「ほっほっほっ。見事な戦いぶりですね。……でも、こうするとどうでしょう」
「りゅ、リュカ!」

 ジャミとゴンズを圧倒的な力でねじ伏せたパパス。その強さを侮りがたしと見た魔道士ゲマは、パパスの息子であるリュカを人質にする。
 息子の命が惜しくなければ存分に戦えと嘲笑するゲマ。息子の命が握られればパパスは絶対に逆らえない、それを理解していながらゲマはそう言い放ったのだ。
 両肩を落とし、次いで剣を捨てる。パパスは死を覚悟した。

『へっへっへ、さっきはよくもやってくれたな!』
『覚悟しな!』

 下卑た笑みを浮かべながらジャミとゴンズが腕を振り上げる。この二人の手には武器は無い。どうやら素手でなぶり殺しにするつもりのようだ。
 そして“原作”の通り、パパスの処刑が───





「かかったな、ゲマ!!」
『!?』






 ───始まることは無かった。ゲマに抱えられたリュカが目を覚ましたのだ!
 いや、目を覚ましたというのは正確ではない。彼は気絶したフリをしながら“機”を待っていたのだ。“ゲマが自分を抱え人質にする”という、その“機会”を!
 一瞬驚いたゲマだが、「ほっほっほっ」と余裕の笑みを取り戻す。この状況下で、リュカが自分に対し何か出来ると彼は思っていなかった。
 しかし、そのゲマの余裕は僅か数秒後に崩れ去る。

「食らえ、ゲマ!
必殺! キメラ・ストライク!」




 リュカは キメラのつばさを ほうり投げた!

 ぎゅいーん!ぎゅいーん! めぎごごっ!!!

 ゲマは天井に激しく頭をぶつけた!



『くぁwせdrftgyふじこlp!!?!??』
『げ、ゲマ様!』『ゲマ様!?』


 リュカは懐から取り出したキメラの翼を使った。その効果によりリュカとリュカを抱えているゲマは天井へ向かって上昇、その身を激しく天井へと打ちつけた。
 ただし、全身を打ち付けたのはゲマのみである。リュカはゲマを天井と自分との間になるように身体を上手く動かし、ゲマをクッション代わりに使った。小柄な子供であるリュカだからこそ出来た芸当だ。
 すなわちゲマは“天井の衝撃+リュカの衝撃”の二つの衝撃をその身に受けたことになるのだ!

 サンタローズの村で未来の自分に渡されたアイテム、それがキメラの翼である。
 未来の自分は『問題を解決するアイテム』といってキメラの翼を一枚渡した。
 それを受け取ったリュカは一つの必殺技を閃く。そう、それこそが“キメラ・ストライク”である───!

 キメラ・ストライク! それはダンジョン限定の必殺技である!
 これはターゲットを羽交い絞めにし、その後アイテムの『キメラの翼』を使い天井へ向かって上昇、その勢いで敵を天井へ叩きつけるという恐ろしい必殺技である!

 完全に不意をついた形の一撃だったため、ゲマに大ダメージが入った。頭はカチ割れ、青い血がドバドバと流れている。
 そのゲマにビシィッと指指し、リュカは───

「俺のターンはまだ終わってないぜ! ドロー、キメラの翼! ドロー、キメラの翼! ドロー、キメラの翼───」
『くぁwせdrftgyふじこlp!!?!??』


 リュカのキメラ・ストライク! ゲマは231のダメージ! リュカのキメラ・ストライク! ゲマは229のダメージ! リュカのキメラ・ストライク! ゲマは238のダメージ! リュカのキメラ・ストライク─────






 10分後。
 古代の遺跡入り口に、青いミートソース(血)を撒き散らしミンチ化した元ゲマが!(グロい)

「勝った! 第一部、完ッ!」
「やかましい!」


 高らかに勝利宣言をするリュカに、ジャミ・ゴンズを瞬殺したパパスによる渾身のローリングソバットが綺麗に炸裂した。



 なお意識を取り戻したヘンリーとプックルはミンチまみれのリュカを見て怯え、隅っこでプルプル震えている模様。



[38485] ヒカルの碁(タイトル未定)第1局
Name: 七誌ちゃん◆c618a2f2 ID:2d16ecd7
Date: 2013/10/08 21:09
ヒカルの碁の逆行系SSです。最強系のため苦手な方は注意。


ヒカルの碁SS(タイトル未定)





 貴方は運命というものを信じるだろうか

 貴方は神の存在を信じるだろうか

 私は信じている

 私が“彼”と出会ったのは神様によって導かれた運命───そう思えて仕方が無いのだ







 2068年、冬。
 かつて囲碁界に旋風を巻き起こした進藤ヒカルも、今では寝たきりの老人となってしまった。
 若い頃は「神の一手」を知るために、そして囲碁界から引退後は囲碁界の普及を目指し奔走した彼は、秋頃にひいた風邪を拗らせベッドの上から起き上がれなくなるまでに衰弱してしまった。
 周りには彼の息子や孫、かつてのライバル、囲碁の弟子達が居る。ヒカルが弁護士を通じて彼らをこの場へと集めたのだ。

 ヒカルは理解していた。今日、自分は死ぬと。だから別れの言葉を彼らに告げたかったのだ。


 ───父さん……
 ───今までありがとうな。先に母さんのところに行ってくるよ

 ───おじいちゃん、僕、絶対プロの棋士になるよ!
 ───ああ、なれるさ、お前なら。なんたって私の孫なのだからな

 ───……僕はあと20年は生きる。僕が向こうに行くまで天国の塔矢達と碁を打って腕を磨いておくんだね
 ───ちぇ、お前は本当に20年は生きそうだよ。……越智、若い連中は任せた

 ───先生、いままでありがとうございました…!
 ───碁界の未来は君達若者の手にかかっている。頼んだぞ


 弟子一人一人に声をかけたあと、ヒカルは深く息を吐き、瞳を閉じる。……別れの時が来た。
 人は死の直前にそれまでの人生を無意識に振り返るという。
 ヒカルは思う。多くの悔いはある、しかし楽しい人生だった。
 ヒカルの人生を変えたのは囲碁だった。親友、宿敵、超えるべき目標、支えてくれた後援会の人達、多くの弟子達、そして良き理解者である妻。
 囲碁と巡り合えたことで、彼の人生はとても充実したものとなった。もし来世があるのなら、彼は来世も囲碁を打っているだろう。


 ───ありがとう、皆。さようなら……


 最後の力を振り絞り、別れを告げる。ヒカルの閉じられた瞳は二度と開かれることは無かった。


 進藤ヒカル。二十歳の時に得てから引退するその時まで誰にも本因坊のタイトルを渡すことがなかった偉大な棋士。その偉業からただ一人「永世」の称号を許された名誉本因坊。
 2068年の冬、自宅にて永眠。囲碁と共に生きた彼は、その生涯に幕を下ろした───。







 ───そして“彼”は目覚める。







 さて、これは一体どういう状況なのか。
 目の前でグズグズと泣く見覚えのある少女に、若干呆れた顔でこちらを見るやはり見覚えのある御老人。
 私はそれを自分でも驚くほど冷静な目で眺めていた───ただし仰向けの状態で。

「ヒカル…ひっく……よかった……ひっく…目が覚めてよかったよぉ……!」
「やれやれ。ヒカル、何があったかは知らんが女の子を泣かしちゃいかんぞ? ほら、あかりちゃん、飴でもなめて落ち着きなさい」

 むくりと上体を起こし、二人を見る。……やはりどこかで見た顔だ。
 いや、訂正する。どこかで見た顔ではない。その言い方はあまりにも他人行儀だ。
 そう、私は二人を知っていた。私の目の前にいるこの二人は───

「……あかり? じいちゃん?」
「ヒカル~」
「おう。どうした馬鹿孫、呆けた顔をして」

 ───目の前にいるのは、亡くなったはずの私の祖父と、妻の二人だった。
 ど、どういうことだこれは!?





 私が目覚めてから一週間経った。
 俄かに信じがたい話ではあるが、どうやら私、進藤ヒカルは“昔”に戻ってしまったらしい。逆行とでも言えば良いだろうか?
 死んだと思ったら小学生になってた。まるで映画か漫画みたいな話だが、事実そうなのだから仕方が無い。
 祖父母や両親ともう一度会えたのは嬉しかった。前世では妻であったあかりともだ。……うん、彼女はこの頃から私に好意を見せていたのだな。それがこの一週間でようく分かった。何故若い頃の私は気付かなかったのか理解に苦しむ。

 あかり達ともう一度会うことは出来たが……“彼”と再会することは叶わなかった。
 私の師であり目標とする棋士───藤原佐為。どうやら彼はこの世界に幽霊として留まってはいなかったようだ。
 悲しくはある。しかし引き摺るようなことはない。彼は私の碁の中で生きているのだから。

 私が目覚めてから一週間、ずっと考えていたことがある。それは“どうやってプロ棋士になるか”だ。
 私の将来は棋士───プロの碁打ち以外ありえない。公務員だとかサラリーマンだとか、そういった未来はどうしても考えられん。
 だから来年プロ試験を受け、プロ入りしたいのだが……問題が一つある。両親のことだ。
 “前回”は散々二人には心配をかけてしまった。プロ入り前も、その後も。
 だから今回は出来るだけ二人に心配かけないようにしたい。私の囲碁界入りを安心して見送って欲しいと考えている。
 その為にはまず実績だ。貴方達の息子は碁打ちとして稀有な才能を持っている、それを分かりやすい形で二人に示す必要がある。

「第1回子ども本因坊戦……本因坊か。どうも私には本因坊と強い縁があるのかもしれないな」

 学校のパソコンからプリントアウトしたそれを見て呟く。これは今年新しく開設されたジュニア大会だ。
 ジュニア大会では一番有名な「全国子ども囲碁大会」は、記憶のすり合わせなど確かめることが多々あり多忙を極めたため、残念ながら参加出来なかった。だがこの大会なら問題なく参加出来るだろう。
 まずはここから始めよう。ここから私の新しい碁打ちとしての人生をスタートさせよう。

 ……よし、そうと決まればさっそく準備だ! かあさーん! 来年の二月にある囲碁大会に参加したいんだけどー!


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