5月30日の夜、その他から、チラシ裏へと板を変更します。
→訂正、もう少し延期しますが、一ヶ月はかかりません。
→もう少しかかりそうです。というより、以前に感想にて『その他』のまま在籍しても良いかと、ある人にお訊ねしたのですが、あれから返事がないので、このまま『その他』の板にこの小説を置いておいても良いということでしょうか?
→なにもコメントが来ないので、『その他』に置いたままにします。
はじめに
①この小説は、原作の時系列と異なります。
〇原作
文化祭→体育祭→修学旅行
〇この小説
文化祭→修学旅行→体育祭
しかもこの小説では、上記の3イベントは9~10月頃にあったものとします。
②以前、私の書いた小説内にて、アニソンを歌ってるシーンにて、一部だけ歌詞を掲載してしまったことがありました。実をいうとそれ自体が法律違反でした。なので思いっきり突っ込みをもらいました。
この小説でも歌ってるシーン(その場の雰囲気に合いそうな、私の趣味の曲)は存在するものの、歌詞は載せないようにしました。曲名や歌手名は掲載しているものの、調べた限りでは、それらの掲載は法に触れないとの事でした。なのでご安心を。
以上の点を踏まえて、『読んでやっても良いかな?』と思った方に読んで頂きたく思います。
――ナレーションサイド――
―――震災。
それはいつ訪れるか分からない、極めて唐突な自然災害と呼んで良いだろう。
台風であれば数日前から天気予報で知ることができるし、まだお目にかかってはないが、人類滅亡級の巨大隕石であっても同じ事が言える。……まぁ津波ともなれば、たとえ予測が出来ても、避難警報が出る前にやってくる恐れがあるが、そもそも津波そのものが地震による被害の一種である。
また地震には余震という単語が付きまとう。最初の揺れの後に来る余震は、最初の揺れをも上回る大震災になることだって、決して珍しくない。そして―――最初と、その後に何度もやって来る余震と、それら地震の数だけ津波が押し寄せてくることも、最悪な予想ではあるが、ありえなくもない。
―――結論を言おう。俺たちの町は、大地震と度重なる大きな余震、そして一回の大津波によって壊滅した。
元々、千葉県は地震の多い土地だった。だから耐震強度もそれなりにはあった。……もっとも、この耐震強度というのは阪神大震災以降に叫ばれるようになったからの産物であって、金銭に余裕の無い者は、昔ながらの建築法か、手抜き工事の家に住んでいる事が多い。
まぁ何にせよ、なまじ耐震強度のある建物が多い分、町がすぐに更地になることが無かったのだが、逆に言えばそれだけ最初の地震を生き残った人間たちにとって、恐怖を感じる時間が長くなったと言える。……実際、度重なる余震により、何度も人が死んでいった。
あの大震災で、俺達の暮らしは激変した。総武高校で生き残ってるのは、普段からつるんだりする仲間や顔見知りだけでも10人ちょっとしかいない。
幸い、生き残った奴のうち、祖父母がルームシェアタイプのアパートを経営してるって奴が居たので、全員でそこに移住したので寂しい思いはしていない。金銭的にも、あまり誉められた事ではないが、廃墟となった千葉から脱する際、震災で死んだ銀行強盗から金を盗み出してきたゆえ、全員が大学に通うことができた。今では全員、家も所帯も持っている。
ああ、そうだ。俺みたいな目立たない背景みたいな奴でさえ、あんな美人と結婚できたんだ。葉山隼人みたいなイケメンでもなければ、比企谷八幡みたいに俺以上に影の薄いながらもダークヒーローな奴でもない、材木座義輝みたいに中二病をこじらせて悪目立ちするわけでもない、こんな俺ですらな。
今が幸せかと訊かれれば、幸せだと断言できる。
でも時々、ふと思う。
仲間内の家で酒盛りをしたり、そいつらと家族ぐるみで旅行に行ったり、川原でバーベキューをしたり……その時々に俺や仲間の子供がはしゃぐ光景を見ていると、ふと思うんだ。
―――――――本当ならここに、死んでいった奴と、その家族も居たんじゃないかってな。