「あぁくそ!ムシャクシャする!!!」
それはある日曜の午後の出来事。
コスプレを趣味に持つ女学生、長谷川千雨は撮影用の新規衣装の材料を調達しにオタクの街、秋葉原へ向かいお買い物を楽しんだ後、ふと帰り道の電車の中でこれから戻らなくてはならない女子寮に住む自分のクラスメイト達の破天荒ぶりを思いだし、唐突な苛立ちを覚えてた。
「なんでクラスにロボットや金髪ロリ、明らかにモデルガンじゃないの持ってきてる奴、ましてや桜咲なんかあれ絶対ポン刀だろ! 茶々丸はオーバーテクノロジーだし…。あんなのはアニメとかのフィクションでいいんだよ!」
電車の中でブツブツと独り言を呟く女子中学生。
実際にコスプレをし、ネットアイドルとしても活動している千雨はマンガやアニメなど理解がある。しかしそれが現実に、誰もがおかしいと感じない麻帆良と言う街が頭痛の種であり大嫌いなのであった。
麻帆良に戻らなくてはいけないという現実にグチグチと文句が漏れてしまう千雨。
やがて座席に座って休んでいた彼女は愚痴を言うのに疲れきったのか急な眠気が襲う。ガタンゴトンと電車に揺られ進んでいく一定のリズムが心地よく感じ、彼女を夢の世界へ誘う。頭が前後に揺れ、口端の方から涎が見え隠れ。やがて夢の世界へ旅立つ千雨。
そんな彼女を乗せた普通電車は彼女が気付かぬ間に降りるべき麻帆良学園都市中央駅を通りすぎ、終点である三峰口駅へ向かっていったのであった。
『次は~終点~三峰口~』
電車のアナウンスが終点を伝えた頃、千雨は微睡みから目を覚ます。
窓の外から見える太陽は傾き電車の中をオレンジ色に染め上げ、周りには千雨以外の乗客が誰一人いない状況。千雨はハンカチで涎を拭くと急いで電車を降りる。
「うわぁ! マジか、寝過ごした! こりゃ遅れるって寮に連絡しといた方がいいな…」
千雨は常識を重んじているためこのような社会的マナーは中学一年生でありながらしっかりと身に付けてある。実際は他者との常識の違いを比べるためにも人一倍知識と呼ばれるモノを身に付けていたのが正しいのだが。
「次の電車まで2時間はあるのかよ。どうやって時間を潰そうか…」
麻帆良へ戻る電車が2時間も先だとわかった千雨は頭を抱えながら駅の前をぶらぶらする。駅前には殆ど人通りがなく、タクシーが一台二台止まってる程度。周りを見回してもコンビニすら見当たらない田舎な駅である。そして暫くすると駅前の周辺地図の看板に一社の神社が記載されているのを見つけた。
そこに載っていたのは秩父の山を代表する三峰神社までのルート。
『山々の強い気が流れ込む、関東屈指の龍穴パワースポット』との謳い文句でその看板は観光客を呼び寄せていた。
「…時間はあるんだし行ってみるか。最近はイライラしてばかりだし」
リアリスト気味な千雨であるがまだまだ花の中学生、占いなど気にならないとは嘘になる。それはパワースポットみたいな話も変わらず興味津々なお年頃であった。
しかしこの時はこれから訪れる神社で彼女、長谷川千雨の運命が大きく左右されるとは夢にも思わなかったのである。
駅から神社までは徒歩15分。そして見えてくるのは珍しい三ツ鳥居。
そしてその前には狛犬ではなく狼が向かい合っていた。
「へ~。この神社、狼が神様の遣いをやってんだ。信仰の対象が狼ね。もう日本には居ないんじゃないっけな」
三峰神社は御眷属信仰として山犬、つまり狼を奉っているのだが日本に生息していたニホンオオカミは1905年には絶滅したと言われている。それではこの神社は何を祀っているのだろうか? そのような事を連々と考えながら進む千雨。
ひんやりと澄んだ空気の中を歩いて更に奥へ。夕方の神社と言う事もあり周りに人影はない。周りには高い木が無数にそびえ立ち、参道を薄暗く照らしていた。
そのまま現随身門を通り二股にわかれたところへ。そして左へ進む。
途中で夫婦杉が顔を出しそれを目印にそのまま道なりに進んで行くと、やがて奥の方からこの神社の拝殿が見えてきた。
バックを肩に掛けメガネを掛け直すと拝殿の前で手を合わせ、深々とお参りをする千雨。
無病息災、交通安全と定番物から
『ストレスが軽減されますように』『ネットアイドルランキングで一位が取れますように』『とにかく願いが叶います様に』など世俗的かつ曖昧な願いも一緒に。
彼女はまだまだ幼い中学生。神社特有の祀ってある神様によるご利益など知る筈もない。
しかし三峰神社のご利益は明確な願望実現、金運、仕事運、浄化となっており、結果的に世俗的な願いは願望実現として叶えられるかも知れない。偶然とは言えこれが彼女の加護になり得た。
そうして鳥居を抜けると深々とお辞儀をし、電車の時間もあるのでぐるっと神社を一回りして山を降りる千雨。周りは更に薄暗くなり自然と足先は早くなる。
そんな時であった。縁結びの木からお犬様を奉ったお宮あったりの道を下る途中にポツンと寂れた社殿が見える。立ち止まる千雨。
鳥居が薄汚れており、社殿の方も長年人の手が入ってないためか廃墟みたいに薄暗く、不気味な空気が漂っている。周りは漆喰で塗られた真っ白な壁に囲まれており、鳥居の方からしか入ることも、覗くことも出来ない。そして薄汚れた鳥居には沢山の札が括り付けられた縄がツタの様に柱を這っていた。
千雨はふとこの場所だけ異様に寂れているのが気になり、中の様子を覗こうと鳥居をくぐった。それはただの興味本位であり何一つ他意はない。全くの偶然。
しかし、この選択が「人生」の終わりであり、新しい人生の始まりであった。
『このような寂れた場所に来るとは小娘。なにもんだ…』
なんだあれは。
鳥居をくぐった途端、周りの空気が一変する。ひんやりと肌につく、ねっとりとした感覚。
恐る恐る社殿の方を振り向くと、そこには一匹の銀色の毛をした大きな狼が屋根の上に佇んでいた。首元の長い銀毛が風に靡かれ、その冷たい風が千雨の耳元を通り過ぎる。
『ほう、結界を抜けて来たのか。小娘1人ということは人身供養の生け贄かの。実に一世紀ぶりのおなごじゃのう…』
『十分、楽しませておくれよ』
こいつは何を言っている。
人身供養、生け贄、楽しませてくれ。おいおい冗談じゃない。
すぐに逃げ出そうと後ろを振り返る千雨。後ろから得体の知れない畏敬が肌を舐め回すように犇々と伝わってくる。
ここは危ない、逃げなくては! それは本能からの警告。
走り出す千雨。だが鳥居の前で目に見えない何かに遮られ、逃げ出すことが出来ず思いっきり転んでしまう。石畳に顔をぶつけ、額からは血が流れる。
屋根から飛び降り、ゆっくりと彼女に近づくとまるで品定めをするような目を向ける銀狼。
その銀狼の股間には皮鞘から伸び出た赤黒い獣器が禍々しく揺れていた。
「じょ、冗談じゃない。なんだよ生け贄って! それになんで私がお前みたいな奴の相手をしなくちゃならないんだ!!」
震えた声で泣き叫ぶ千雨。額から流れた血が鼻先に流れる。
彼女がネットのアングラな世界で身に付けた知識はこの銀狼が今何をしたいのか、これから何をするのか容易に想像する事が出来た。
そして一歩、また一歩と千雨に近づいて行く銀狼。
『小娘は生け贄じゃない…ということは迷い込んだ訳か。なに、この周りは結界で覆われているから逃れる事など出来んぞ』
「だ、大体なんなんだよお前は! 狼が喋ってるし、結界ってファンタジーかよ!」
『ふぁんたじーとやらは知らんがこれは現実だぞ。残念だったな』
そう言って銀狼は石畳にうつ伏せで倒れていた千雨を足の方から馬乗りになるとそのままスカートを噛みちぎる。必死に抵抗する千雨だが女子中学生1人の力が敵う筈がない。そのまま股間に顔を埋めるとさらに下着も噛みちぎった。
途端に露わになる彼女の素股。恥丘の先に小さく生え揃った陰毛。
『小娘は処女か。これは楽しめそうだ…』
「ヒィ……」
大声を出せず、微かに怯えた声を出すしかない千雨。必死に逃げ出そうと藻掻くが左足を大きな右前脚で押さえつけられ逃れられない。
銀狼は千雨の背中にのし掛かると前足を胴体に回し前肢でがっしりと抱え込む。そして腰にあの禍々しい獣器がお尻に押し当てられた。
「や、止めろ。おっ、お、降りてくれよ……」
恐怖で怯えながらも必死に懇願する千雨。
露になったお尻に触れ、ドクンドクンと血の流れを感じる生暖かい獣器に恐怖と戦慄を感じる彼女。しかし現実は非情であり、彼女の必死な願いを聞き入れられる事はない。
銀狼は挿入すべく固くなった生殖器を千雨の股間に押し付けていく。
「ひゃん!」
千雨の大事な秘部に固く禍々しい獣の生殖器が当てられ思わずビクリと肩を震わせる。今まで感じたことのない未知の感覚。ただひたすら恐怖と気持ち悪いと言う2つの感情が支配する。
「や、やだ…」
嫌悪感が溢れ絶望の底に陥りながらも微かな声で紡ぐ彼女の願い。しかしその声は銀狼を更に興奮させるには持って来いであり、生殖器が更に一回り二回りも大きくなる。
そして銀狼の生殖器は千雨の秘門を捉え、まだ一度も使われていない、決して狼に差し出す物ではない未使用である処女口にズブリと音を立て突き付けられた。
「ひぎぃぃい!!!」
『ほう、これは良い』
成人男性より一回り大きな肉棒は処女膜を突き破り中へ中へと進んで行く。純潔の花を散らし、その証である赤い血が太ももにツーと垂れる。
千雨はカッと目を見開き、苦痛に顔を歪ませながら悲鳴を漏らした。
「ぎひぃ…あぁ…ぁ……」
破瓜の激痛で腕に力が入らずお尻を突き上げた格好で倒れる千雨。力が入らず地面に頬が擦り付けられる。
銀狼はなおも彼女の背中に馬乗りに、そのまま腰をゆっくり奥へと動かし、野太い陰茎を彼女の胎内にねじ込んだ。千雨の内股には処女の証である赤い鮮血で赤く染まる。
「あひぃ…ぐ…っ…」
涙を浮かべ必死に激痛に耐える千雨。押し込まれた肉棒は膣内のひだを掻き分けながら突き進み、下腹部を傷付け、激痛が走り続ける。
そこには快楽は存在せずただひたすら苦痛のみ。千雨の目には大粒の涙が貯まっていく。
「いっ、いや…。助けて……」
『なんだ、痛いのか。それはそれは可愛そう…にっと!』
そうわざとらしく哀れみながらも膣から肉棒を抜くのを止めず奥へ奥へと進める銀狼。 100年分の性欲が貯まっていたのか止める気は更々ない。性欲に支配され、本能の赴くまま。
ほどなく牡器の先端が千雨の最深部までたどり着き、子宮に突き上げた。
頭に突き抜ける衝撃。
口端から涎を垂らし悶絶する千雨。
「うぅ、あぁ…ぁ……」
微かな呻き声をあげる。なんで私がこんな目に。
理不尽と絶望、怒りが千雨を染め上がる。そうしている間にも銀狼は腰をゆっくりと動かし初め、太く固い肉棒は膣内を抉り、そのまま子宮を突き上げた。
「ひぃ…。う、動か…ない…で…い、嫌っ、うっ…ぃ……!」
泣きながら止めるように訴える千雨。
しかし銀狼はそんな願いなど聞き入れず本能に身を任せ腰を降り続ける。感じるものは痛みと吐き気。抗う気力が次第に衰え、肉便器のようになされるがまま性欲の捌け口へと。
そして陰茎は次第に大きくなり、膣内から離れないように陰茎の根本が瘤状に膨れ上がり、子宮口を叩きつけ千雨のお腹に熱い精液が勢い良く流し込んだ。
お腹の中で感じる生暖かい精液。千雨の目からハイライトが消える。
しかし地獄はこれからである。
イヌ科の生物は受精の可能性を高くするためにセックスの間、絶えず精液を流し込み続ける。陰茎は膨らみコブとなり離れないように締め上げ、精液を何十分も流し込む。それはこの狼にも言える事であり、千雨の扱いはメス犬同等。
「ふぐぅ…ぅ…ヒギィ…っ…!」
千雨の口からは絶望と嫌悪にまみれた喘ぎ声が漏れ、彼女の秘部からは身体に収まることの出来ない精液が溢れ出し、ゴポゴポと小陰唇と陰茎の合間から溢れこぼれ落ちていた。
陰茎を射し込み射精、精液を千雨に中に流し込んでいる間、銀狼は動かなくなる。これはイヌ科全体に言える習性であり、狼も例外ではない。ドクドクと波を打ちながら放心状態の彼女に確実に孕む様に注ぎ続ける。
何も考えられない、考えたくない千雨はただひたすら無心でこの信じられない最悪な現状を耐えていた。しかしここで千雨の体に変化が表れ始める。
身体中がまるで筋肉痛の様に痛みだす。まるで無理やり骨を動かし、骨格を組み換えてるような痛み、例えるなら成長痛であろうか。
痛みに悶え涙を浮かべる。その時であった。
ふと目についた千雨の右手。なんと千雨の右手首から銀狼と同じ銀色の毛が手先を覆い始め、そのまま腕に沿って全身へ広がって行くのである。
彼女の両指は短くなり爪は尖り始め、小指が内側に引っ張られる。鼻は前に突き上げられ、両腕の間接の位置が前のめりになり、足の間接の位置も同様に変わり始めた。
ただでさえ狼に犯されて満身創痍なこの現状。
ここに来て彼女の身に一体何が起きているのか。
呻き声の中、必死に、声を振り絞り聞き出す千雨。
「な、なにを…しっ、した……!」
『なに。人のままだと性交した意味がないからな。お前さんを私と同じ存在に変えさせてもらったよ』
それは言葉を疑う、信じられない話。同じ存在、同族化。
人間を…辞める…私が、狼に……!?
「つ、つま…り…」
『そう、お前は人間を止めてメスの狼になってもらおうかと。私のつがいに、な』
言っている意味がわからなかった。わかりたくなかった。考えたくなかった。
只でさえ喋る狼と獣姦という非現実を味わっているのにここで自分が狼になるんだって。
「ふぐっ…あぁ…いや…ぁグワァ…アゥ、ガッ!!!」
この状態から必死に逃げようと這いつくばるが腰に力が入らず、身体中の痛みと膣中で感じる熱い精液が彼女を襲い続ける。跨る銀狼はピクリも動かず、ガッチリと千雨をホールドし続けた。
そうしている間にも彼女の耳は上に延び縦長になると毛に覆われ獣耳となり、尾骶骨は長く太く延び尻尾となる。そして身体中の骨格や体つきが変わり銀色の毛に覆われてゆく。
身体が膨れ上がるように大きくなり、制服であるブレザーがはち切れ散り散りに。掛けていた丸眼鏡のフレームも曲がり、そのまま黒く湿った鼻先からずり落ちた。
か弱い少女の嘆きの声は獰猛かつ品のない、狼のメスとしての喘ぎ声に。口端から涎を垂らし目が虚ろになる。
身体中が新しく作り代わっていく痛みと感覚、狼と交わっているという現実。
何もかも考えられなくなった千雨はそのままこの信じられない、最悪と言って良い現実から微かに保っていた意識を完全に手放したのであった。
千雨が目を覚ました時周りは夜の闇に包まれており、微かな月明かりが千雨とその周りを照らす。
空に浮かぶ満月が廃れた神社を幻想的に作り変え、チラリと見える自分の肌、銀色の体毛に覆われてた身体が月明かりに反射し石畳を淡く染め上げる。
力を入れて二足で立ち上がろうとも重心を一点に保つ事が出来ず地に前脚が付いてしまう千雨。四つん這いの状態で何とか立ち上がる。
そうか、自分は今、人じゃなくて狼なんだ。
石畳の参道に佇む一匹の銀狼。
千雨は自分を犯した狼と同じ銀色の毛をした一匹のメスの狼に成り変わっていた。
喋ろうとも口からはグルルッと唸る獣のような声しか出せない。
今思えばあの狼は喋っているじゃなくてテレパシーみたいに伝えていたんだなと冷静に判断。妙に冴える頭はまるで今までの出来事が客観的にテレビの先の出来事の様に感じ、冷静に落ち着いた思考へと繋げていた。
しかし千雨の股間の秘穴からは人のモノより水っぽい精液がごぽごぽと泡を吹きながら未だに糸を引き、地面に垂れ落ちている。それはあの出来事、狼との情事が現実であった証拠。変えられない真実。
ゆっくりと一歩一歩、全ての元凶である銀狼の元へ向かう千雨。
気絶から目を覚ました千雨がこんなにも冷静だったのは狼に向ける憎悪と憎しみが感情を支配する為。また生存本能での現実逃避。
銀狼は社殿へと続く参道で脚を折って丸くなり泥の様に眠っている。約一世紀ぶりの性交は体力を使ったのだろう。彼は近づいて来る気配に気付かず眠り続ける。
千雨は銀狼の所まで近づく。黄金色の縦に裂けた眼が絶えず狼を捉え続ける。それはまるで捕食者の眼。逆毛立つ身体。
そして彼女は一変の迷いもなく一気に銀狼の首元に噛み付くとそのまま根本から思いっきり頭を引きちぎった。途端に空を舞う鮮血。銀色の体毛が赤く染まる。
銀狼は何が起きたのかわからないまま命を経つ。銀狼自身、長年封印された状態で信仰が得られておらず力が衰えており、また千雨の特殊な体質も相まってこうも簡単に主人である筈の銀狼をぶち殺す事が出来たのだ。
それにもしかしたらこの神様の救いもあったのかも知れない。乾いた笑いが漏れる。
ギラギラと輝く縦に裂けた獣の目。
憎悪と憎しみに溢れた瞳。
復讐の目。
そして千雨は狼の本能のまま、全ての元凶である忌々しい銀狼の亡骸に襲い掛かった。
右足、左足、後右足、後左足。
四股を引きちぎり腹わたをぶちまけ、自分に押し込んだ禍々しい陰茎は鋭く尖った爪でバラバラに切り裂く。散らばった肉を喰らう。
自分の毛皮と爪は返り血で全身赤く染まり、銀狼はまるで毛皮の敷物みたいに赤い血溜まりの中に敷かれた状態に。そして前肢で頭部を踏み潰し、脳髄や脊髄が飛び散った。
見るも無惨な惨憺たる現場。
銀狼の屍の上に佇むのはまた一匹の銀狼。復讐の血で真っ赤に染まった元人間の女の子。
そうして千雨の復讐は呆気なく終わる。
幻想的な神社の一角、誰も居ない赤く染まった参道で一匹狼の哀しき遠吠えは静かに山の中へと響き渡ったのであった。
《後書き》
実在する三峯神社ではなくフィクションの三峰神社です。
(10月4日補足)
最終回前に第一話を修正、2000字程度書き足してボリュームアップしました。前のはちょっと少なかった……。
ストーリー自体は殆ど変わってないので読まなくても問題ないかと思います。