今から百数十年前
黒船来航から始まった「幕末」の動乱期過中であった京都に
「人斬り抜刀斎」と呼ばれる志士がいた
修羅さながらに人を斬り その血刀を以って新時代「明治」を切り拓いたその男は 動乱の終結と共に人々の前から姿を消し去り
時の流れと共に「最強」という名の伝説と化していった
そして浪漫譚の始まりは
東京下町より
もしかしたらあったかもしれない時を超えた出会いと共にー。

〜現代・東京〜

乱馬「時の手鏡？」

コロン「掃除していたら出てきてな、婿殿に教えようと思ったんじゃ」

乱馬「それはどんな感じの道具なんだ？」

コロン「その名の通り、あらゆる時空を超えて旅をする手鏡なんじゃが、少し特殊なルールがあってな、一度時空を超えたら何かしらの条件を満たさなければ再び時を超える事はできないという事。その条件は明かされず自分自身で探さなければならないのじゃ」

乱馬「一度時を超えたら戻るときはどうなるんだ？」

コロン「この道具自体は女傑族の修行用として作られた物で、使った者も少なからずいたが、帰ってこれなかった者は見たことがない。だから条件を満たしたら勝手に時空を超え帰って来るんじゃろう。ワシは使った事はないが、戻ってこれなくなるのは手鏡を無くした時だけだと思うぞ」

乱馬「ふーん…何で婆さんは使わなかったんだ？」

コロン「当時は八宝斉の奴を退治するのに手いっぱいで譲られたことも忘れていたんじゃろうな。それと、気をつけておく事を言っておかなくてはの。鏡を破損でもしたら時空が歪み二度と戻ってこれなくなるらしい。それ以外は無くさないようにすれば良かろう」

乱馬「…ま、頭の片隅にくらいは置いとくよ。俺はそういうインチキくさいのには興味ねーからな」

コロン「む、インチキじゃと？女傑族に伝わる神聖な品物だというのになんと罰当たりな…」

コロン「…そうじゃ婿殿、一つこれについて言い忘れていた事があった」

乱馬「あん？」

コロン「そりゃ！」バシッ

乱馬「うわっ！」

乱馬「…なんだよ、ただ鏡を当てただけじゃねーか。驚かせやがって、なんなんだよバーさん」

コロン「…言い忘れていた事というのはな」

コロン「この鏡は他者が使用した場合でも時空を超えるという事じゃ」

乱馬「は？」

ズオオオッ

乱馬「！？」

乱馬「な、なんだこれ！？いきなり変な穴みてーなのが…す、吸い込まれる…っ！」

コロン「せいぜい時空旅行を楽しむんじゃな、婿殿」

乱馬「てめぇ…っ！ふざけんな…」

乱馬「っ、うわあああああ！！」ズオオオッ

カラン…

コロン「おや、手鏡だけ残ってしまった」

コロン「婿殿がどの時代に行ったかは知らんが、女傑族を馬鹿にした罰じゃな。少しは成長して帰って来れば良いがの」






プロローグ〜旅立ち〜




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第一幕「剣心・緋村抜刀斎」
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こんばんは、キャキャロットです。
今回は昨日お知らせした通り、「激闘！明治格闘浪漫譚！！」を再構築して投稿し直しました。
最近は色々なSSを並行して執筆しているのでペースはかなり遅くなると思いますが、読んでくださる方はよろしくお願いします。