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[4638] 一人旅(現実->DQ3)
Name: ハロ◆6571bd49 ID:01d8a6f1
Date: 2008/12/09 20:59

*まえがき
テスト板にて投稿させて頂いてましたが、
規約の変更によりスクエニ板に移させて頂きました。
未熟な点も多々ありますが、よろしくお願いいたします。








「ここはどこでしょう?」



周りの様子を見て初めに出た言葉がそれだった。

いや、だって、周りには見るからに中世風の建物と城、

同じく中世風……と思われる服装の人々がたくさんいるんだもん。



すぐそばには同じように目を丸くして驚いている日本人っぽい人が十数人いるけど、

それ以外はみんな中世風の服装の人たち。



つい先ほどまでは日本にいたはずなのに、いつの間にヨーロッパに?



「また来たな……」

「ほんとね。」

「あいつらの服装はいつ見ても……」



そんな声が聞こえてくる。

周りにいる日本人(と勝手に断定)の声じゃなく、

中世風の服を着ている人たちだ。



(日本語……?)



ヨーロッパの古い町などでは、中世風の建物が残っているし、

町並みもそのまま保存している。

観光客誘致を目指しているところでは、中世風の服を着ているところだってある。

だけど……全員が全員ということはまずないし、それに日本語……。



「アリアハンだ!!」



日本人のだれかがそう叫んだ。

中学生ぐらいだろうか。



(アリアハン?)



そんな名前の都市は聞いたことがない。

中東かどこかでイスファハンとか~ハンいう名前の都市はあったと思うけど、

ヨーロッパにそんな名前の都市があったか?



「ドラクエだよ、ドラクエ3!!」

「はぁ?」

「ドラクエ3の最初の城のアリアハンだよ、間違いない!!」



先ほどの中学生(勝手に断言)が友達らしい奴に言っている。

その友達は、何バカなことを言っているんだ、という呆れた眼をしている。

自分も含めて他の人間も同じだ。



「聞いてみればわかるよ。ちょっと待ってて。」

「お、おいっ。」



友人が止めようとする前に、中学生は町の人の元へ駈け出して行く。

寄ってこられた町の人は、ちょっと引いている。



「ここはアリアハンですよね?」

「……は、はい、そうです。」

「やっぱりそうだ!!な、言ったとおりだろう?」



……マジか……。

セットか何かだろうという考えが頭をよぎるが、

街並みとかの奥行きが違いすぎる。



ドラクエの世界に来ちゃった?

いやいや、そんな恐ろしいこと……。



俺と同じようにここに来たと思われる人達は、

互いを見回している。



あの中学生だけがなんか元気だ。

他の面々は、驚きで何もできない感じ。

それは俺も同じなんだが。



まあ、そこにいる人に確認を取っただけだし、

まだそうと決まったわけではないだろう。



ドタドタとなんか騒々しいと思ったら、

仰々しい格好をして、槍を持った人たちがたくさん来ましたよ。

ゲームなら警備兵とかかな?



なんてことを考えていると、警備兵は俺たちを取り囲んだ。

そして一番のお偉いさんっぽい人が一歩前に出た。



「お前たちは異世界から来た者たちだな。大人しく付いてきてもらう。立て。」



いきなり、ひっ立てられるのですか?

まあ、槍で突かれたくはないから従うけど。

あの槍の先端は光沢加減から見て、本物かどうかはともかく金属だよな……。



他の連中も、嫌々ながら従っている。

あの中学生だけは、隊長さん(これも勝手に断言)にいろいろ聞こうとして、

警備兵A(勝手に命名)に槍で突かれてふてくされている。



俺たちが立ち上がると、こっちだついてこい、とばかりに

隊長さんは城のほうへ歩き出す。



俺達もそれに従い歩きだす。



しかしここは本当にどこなんだ?

ヨーロッパの割には日本語が通じすぎる。

最近では日本語を話せる人が増えているとはいえ、

ここまでしっかりしたセットを作る必要性がわからない。

それにどうやってここに連れてきたのかも不明。

寝ている間に、というわりにはちゃんとした服装をしているし。



ここで気がつく前のことを思い出そうとするが、

全然思いだせない。

……寝て起きた直後という感じだ。



仮に中学生の言うことが正しくドラクエの世界だとしたら。

…………やだなぁ…………。

死と隣り合わせの世界でしょ?

しかもドラクエの世界観とか全然知らないし……。

一つもまともにやったことがないからなぁ。



そんなことを考えているうちに城門につきました。

城門の上にはなんか旗がはためいています。

警備兵(城門バージョン)もいますね。

思いっきり稼働している城っぽいです。



城門が上がり、俺達は隊長さんに従い中に入っていく。



中は……赤い絨毯にシャンデリア……豪勢ですね。

フカフカです。

銀行の重役室前とかの絨毯を思い出しました。

あそこって足が沈むんですよね。

シャンデリアも電気じゃなく蝋燭?っぽい灯りです。



隊長さんの様子を見てると奥のほうの階段で上にあがるようです。

中学生は「おぉ、マジでドラクエ3だ。」とか言ってるけど放置。

他の面々もそんな感じっぽい。



そりゃそうだよね。

いきなりこんなどことも知れない城に連れてこられたんだし。

俺自身もなにげに落ち着いている感じなのが不思議な感じ。

普通叫びだす人が数人はいてもおかしくはないと思う。

中学生ぐらいだしね。

鎮静剤でも打たれているのだろうか?



階段の両側には階段警備兵(命名!!)が両側を固めているが、

隊長さんを見ると両脇に移動し道を開ける。



隊長さんはそのまま上へと登っていくので、

俺たちも仕方なくそれに従う。

警備兵たちも後ろからついてくる。



上につくと巨大な両開きの扉があり、全員が上がると同時に開き始めた。



「「おぉぉ」」



そこに広がる光景は、今までよりも豪奢な部屋だった。

奥には、これもまた見事な椅子に座った人がいる。

そのすぐ近くにひげを生やした爺さんとまではいかないけど、

そんな感じの人がたっている。

ほかにも王室警備兵(命名!!)が数人いる。



流れからすると王様役の人と大臣役の人?

役とか付けてるのは、未だにゲームの中なんて信じられないから。

当然だよね。



隊長さんは王様役の前に来ると片膝をつく。

中学生もそれを見習っているが、その友達や自分を含めた他の人は立ったままだ。



「そのままでよい。ようこそアリアハンへ、異世界の旅人よ。」



王様役はにこやかに変なことを言いましたよ。

アリアハン……。

中学生はほれ見ろと言わんばかりの顔で、その友達を見ている。



そのあと、いろいろ説明が行われたのですが長くなるので割愛。



要約すると、ここ数週間の間、異世界(俺たちのいた世界)から、

この世界に来る人がいるらしい。

毎日とは言わないが、数日おきにやってくるそうだ。

で、その最初の一団に中学生みたいなやつがいて、

俺達は勇者の手伝いをするために来た、とか何とか言ったらしい。

あわてて冷静なやつが、そのための初期資金と武器防具などを

要求したらしいが、そのために俺達にもお金50Gと

銅の剣(?)、旅人の服(?)が渡されて、勇者の手伝いをすることになった。



手伝いと言っても勇者がどこにいるかわからないので、

とりあえずルイーダの店というところで冒険者として登録し、

冒険者として生活するように、と。

民として暮らすのであれば、その路銀が尽きる前に、

自分で職を見つけて生活をしろ、ということらしい。



ドラクエをやったことのある人の話を盗み聞くと

宿屋が一晩2G、安ホテルで5000円として換算すると

合計で50万円ぐらいにはなるらしい。

支度金という形の手切れ金といったところか。

何もなしで放り出されても困るし、これは助かった。



そのあとルイーダの店に連れていかれて、

各々の職業を調べられた。

フォー○ュンクエストみたいに冒険者カードというものがあり、

それに職業や能力値が自動的に書き込まれる。



俺の冒険者カードの職業は……「賢者」……?

なんですか、これは?

ルイーダさんに聞いてみると、魔法使いと僧侶を合わせたものだと。

ウィザー○リィでいうビショップか。

成長遅そう……と思って聞いてみるとやっぱり遅いらしい。

でもウィザード○ィとは違って僧侶も剣を使えるらしい。

もちろん賢者も。戦士よりは使える種類は減るみたいだけどね。



裏にはメラ、ホイミと書いてある。

これは魔法かなぁ、たしかホイミって回復だっけ?

メラは攻撃魔法?



ドラクエ3はやったことがないけど、1と2ならレベル5~10ぐらいまでは

かなり昔にやったことがあるので、それぐらいは判った。

とりあえず、僧侶のフリをしてようかな……。

普通は転職でしかなれない職業らしいので、

下手したらいろいろなことに巻き込まれかねないしね。



全員の冒険者登録が終わると、ルイーダさんからこの店の説明が行われた。

ここでは同じ目的のもの同士でパーティを組むための斡旋をしたり、

いろんな依頼を受けたりするらしい。

他にも食堂や酒場、銀行も兼ねているそうだ。



その説明が終わると解散になった。



中学生はなんかやる気になって、早速パーティを組んで

冒険に出ようとしているみたいだ。

他の連中は、どうしたものかと、中で近くのものと喋っている。

泣いてる女の子もいれば、怒っている奴もいる。

俺はそれらを放置して外に出ることにした。



外に出ると俺はまず、宿を探すことにした。

通りすがりの人に聞いて、宿に到着。

宿屋の主人に部屋を確保してもらった。

ゲームだと宿屋の主人に話しかけるといきなり泊まることになったけど、

まあ、普通はそうじゃないよね。

2G払って部屋へ向かう。



部屋に入りベッドに寝転がり考える。

どうやってここへ来たのかは今考えても無駄だろう。

帰る方法についてももしそれがわかっているなら王様(役は外した)が話すだろう。

あるいは隠している可能性がなくもないけど、

追及したところで無駄だろう。

その方法を探すにしてもレベル1じゃ何もできない。

生活もしなければならないし。



結局は冒険をして、レベルを上げないとだめってことだね……。



そこまで考えて冒険者カードを改めて確認する。



職業:けんじゃ
レベル:1
ちから:15
すばやさ:21
たいりょく:32
かしこさ:16
うんのよさ:53
さいだいHP:57
さいだいMP:33

使える魔法:メラ、ホイミ



この能力が高いのか低いのかもさっぱり。

運はこれでも低いんだろうね。

こんな世界に来てしまうぐらいだしね。



持っている武器は銅の剣、防具は旅人の服。



銅の剣って1じゃ最初の村あたりで売っていた武器で

一番高い奴じゃなかったかな?

青銅じゃないのが微妙な感じがする。



左手で振って確認してみるが問題ない。

柄の長さは両手でも持てるようになっているので、

形としてはバスタードソードといったところか。

剣道を少しやっていたので「左で振って右で支える」ができるのがありがたい。

西洋剣と日本刀ではバランスとかが違うけど、

段を持つほど剣道をやっていたわけでもないので問題なし。

レベルが上がるうちに慣れてくるだろう。



旅人の服は冒険者らしく少し厚めの頑丈な服だ。

帆布製といってもいいかもしれない。

着てみても動きに違和感は感じない。

もともとの服はしまっておこう。

あ、武器とかをもらったときに袋ももらいました。

バックパックって感じの小さい奴だけどね。



次は魔法か。

どうやって使うんだろう、と考えたら頭の中に浮かんできました。

なんですか、これは……便利だけど。

使い方は基本的に相手に手を向けて魔法名を唱えるだけ。

手は開けた状態でも、指先を向けるのでもいいとか。

手は適当でも相手を視認していれば勝手に当たるとか。

なんか、無茶苦茶。

まあやりやすいからいいけど。



魔法の効果はメラが火の玉をぶつける魔法で、

ホイミが回復魔法。



僧侶の振りをするつもりなので

メラは人が見てないところのみで使うことにしよう。



判ったところで早速、レベル上げに出発しますか。

最初の町のあたりならスライムとスライムベスだっけ?

ちょっと離れたらドラキー、だったかな。



ま、ホイミもあるし、死なないでしょう。

と、死んだらどうなるんだ……?



もう、ここまで来たら仕方がないよね。

いっちゃえー。

パーティ?そんな面倒なことは嫌です。



ということで、宿屋を出て、町の外に出てきました。

広い平原ですね。

遠くに森が見える。



とりあえずは森を目指して、1戦してみる。

その戦い次第で、連戦するか帰るか決める、と考えていたら

早速、スライム君が出ました。



一体だけですね。ありがたや、ありがたや。

2以降は複数体でるんだよね、たしか。



ゲームの通りの形でした。

うーん、可愛い。

見とれていると、プルプル震えて、飛んできました。



「うぉっ」



危うくぶつかるところでしたよ。

可愛いとは言えモンスターでしたね。

スライム君は俺の後ろに移動したので振り向いたあと、

あわてて剣を鞘から抜き構えた。



おっ、またプルプルしてる。

今度は飛んでくるのがわかっていたので楽に避けることができました。



こいつはこんな単純攻撃なのか……。

飛んできた時に、その軌道上に剣を置いたら倒せるんじゃない?

やってみよう。



と、あっさり切れちゃいました……。

えーっ、こんなに弱いの?



切られたスライム君の死体(?)は蒸発するように消えて

なんか小さな宝石になりました。



「これがお金の代わりになるのかな?」



独り言とともに拾ってお金入れの袋に入れる。

たぶんそうなんだろう。



こんな感じなら余裕だね。

もういっちょ行ってみよう。



そのまま森を目指して歩く。



しばらく歩くと近くの草むらがガサガサして、

またスライム君が出てきました。

今度は4体……。

ちょっと多すぎ?



今度はあわてずに剣を抜き構える。



「ぬぉっ。」



一斉にプルプルし始めた。

これはやばい。



最初に飛んできたやつの軌道に剣を出し、倒すことに成功したものの、

他の3体にはぶつかられてしまった。

痛い…………けどやれる。



「今度はこっちの番だ!!」



と振り向きざまに1体に切りかかる。

スライム君がプルプルし始める前に1体を倒した。



残り2体。



その間に2体がプルプルし始める。

さすがにそれに攻撃はできないものの避けることには成功。

まあ、直線だしね。



で、その2体が着地した瞬間に1体に切りかかり倒す。



残り1体。

まあ、余裕だね。

飛んできた時にその軌道に剣を置いて倒す。



「ふぅ……疲れた。」



剣を持つ手を下し、そうつぶやいた瞬間、例のレベルアップ音が!!

カードを懐から取り出しみてみるとレベルアップしてました。



職業:けんじゃ
レベル:2
ちから:17
すばやさ:22
たいりょく:35
かしこさ:17
うんのよさ:54
さいだいHP:69
さいだいMP:33

使える魔法:メラ、ホイミ、ニフラム



なんか全部の能力が上がって……はいないか。



お、魔法が増えてる。

何だろうこの魔法は、と考える。

敵1グループを戦闘から消す?

いざというときには使えるか。



それはともかくレベルアップしたことだし帰ろう。

あ、もちろん宝石は拾いましたよ。

いくらぐらいになるんだろうね。



町まではモンスターに遭遇することもなくたどりつけました。

スライムベスにも会ってみたかったんだけど、

ベス4匹とか出るとさすがにやばい気もするしね。



宿屋に到着して、宝石のことを聞くと店ならどこでも換金してくれるらしい。

で、合計10Gになりました。

1G2500円換算でいくと2万5千円?

命がけということを考えると……どうなんだろう?



その金はそのまま宿の人に、5日分として前払いとしました。

それほど大きい宿屋でもないし、部屋は確保しておかないとね。



で、部屋に戻ることはせずルイーダの店に食事に。

まだ早い時間だからなのか、人がいない。

俺と同じようにこの世界に来た人たちも……2人ほどいるだけ?



まあ、放置。



注文を済ました後、テーブルに着く。

そうして少しすると2階(今それがあることに気がついた)がなんか騒がしい。

関わらないようにしよう。



耳を澄ましても何を言っているのかは聞き取れないし、

自分のやることをするだけ。

他の人間のことまでは知らん。



食事は2G……妥当なのか?

この世界の金銭感覚がよくわからない。

1Gより下のお金はないみたいだし……。

物々交換が基本だったり?



食事を済ませると宿に戻って寝た。



あとがき
ドラクエ3の世界にトリップする話を
他の方が書いているのを見て、
面白そうだということで書いてみましたが、
なんかMMOの日記みたいになってる……。

ドラクエ3は本当にやったことがありません。
今回これを書くのに始めてみました。
作中では賢者一人にしていますが、ゲーム上では勇者一人ですね。
レベルの上げ方や日数等はそれを参考にしてます。
モンスターデータやパラメータなどは攻略サイトを参照にしてますが、
攻略チャートは読んでません。
パラメータを最後に書いたのですが賢者ってレベル1だと強すぎなんですね(汗)

TEST板での投稿なので優しく見てもらえるとありがたいかなぁ、
なんて思ってます。
もちろん誤字・脱字とかは歓迎ですよ。

追記:2008/11/21
賢者一人で進める方法を教わり20日目以降は
実際の賢者一人でのプレイになっています。
19日目までについても賢者一人で
同様に進めることができることも確認しました。


修正履歴
2008/11/29 前書きを追加
2008/12/09 パラメータ修正



[4638] 一人旅 2日目
Name: ハロ◆6571bd49 ID:01d8a6f1
Date: 2008/12/09 21:00



2日目



朝だ。

すがすがしい感じ。



早速次のレベルを目指して頑張ろうと宿屋を出た。

フロント付近では他にも冒険者がいたが、放置。

話しかけてきたわけでもないしね。



元の世界の人なのか、この世界の冒険者なのか、

すでにわからないし、一人でレベル上げをする以上関係なし。



残金46G。

1日の生活費が宿代2G+食事代2Gの合計4G……。

10日しかもたないね。

まあ、今日稼げば大丈夫だろう。



町の外に出て、森を目指す。

今日は辿りつけるかな。



森までの半分ぐらいまで来たところでスライム君が出てきました。

カラスと一緒に……。



このカラスはなんでしょう?

頭蓋骨を持ってますが……。



とりあえず、剣を抜き構える。

カラス1羽とスライム1体。

よくわからないカラスは様子見にして、スライムを倒そう。



カラスは突っ込んできて頭蓋骨を落とすと言う攻撃をしてくるが、ギリギリでかわす。

かわしたところにスライムが突っ込んでくる。



スライムの体当たりをくらって痛みを覚えるが、

そのスライムを振り向きざま剣で切り裂く。

残るはカラスだけ。



……カラスは元通り頭蓋骨を掴まえてます。

んで、突っ込んできてはそれを落とす。

突っ込んだ後は、また頭蓋骨を掴む。



スライムと同じで、突っ込んでくるときに剣を出せば死んでくれました。



………………なんだろう、この馬鹿さ加減は。

集団で来ると結構怖いだろうけど……ねぇ?



まあいいや。

次に行こう。



その後は何も出てくることなく森についちゃいました。

なんか残念なような、嬉しいような。



人の手が入っていないきれいな森です。

そのかわり非常に歩きにくいけど。



そう思いながらうろうろしていると出てきました。

スライム君と頭蓋骨カラス…シャレコウベカラス?略してシャガラス?

それぞれ3体ずつ!!



これはきつい、と思いながらも剣を構える。

先手必勝とばかりに、頭蓋骨を落とそうとしていたシャガラスを切り裂く。

しかし、他のシャガラスの頭蓋骨に当たる。



この頭蓋骨……勢い付いてるから結構痛い。



その攻撃にたじろいだ瞬間にスライム君の三連撃。

やばいと思いながらも戻って頭蓋骨を掴もうとしていたシャガラスを倒す。



後ろからスライム君の攻撃が。

1体は避けたものの2体分の攻撃を食らう。



結構ふらふらです。

と、魔法を忘れてた。



シャガラスの攻撃をよけながらホイミを唱える。



軽く光りながら、傷が消えていく。



「すげぇ。」



って言ってる場合じゃない。



突っ込んでくるスライム君をやり過ごし、

シャガラスの突撃に合わせて、シャガラスを切り裂く。



これで、残りはスライム君だけ。

3体攻撃も昨日と違って避けれるな。



ということで、スライム君3体は無事倒しました。



倒したところでまたレベルアップ音が。

いいねぇ、この音、嬉しくなってきます。



職業:けんじゃ
レベル:3
ちから:19
すばやさ:24
たいりょく:36
かしこさ:17
うんのよさ:54
さいだいHP:71
さいだいMP:34

使える魔法:メラ、ホイミ、ニフラム



ちからとすばやさ、たいりょくが上がってるね。

魔法は増えてない、と。



さぁて、さくっと帰ろう。

レベルアップしたし十分、十分。



途中ではモンスターと出会わずに帰りつけました。

今日一日の宝石を換金すると20G!!

なかなかの稼ぎですね。



魔法の使い勝手も何となくわかったし、

よい感じにレベルアップしてます。



今日もルイーダの店に食事に行きました。

昨日と違って、人が多い。



どれだけが元の世界から来たのか、

この世界の住人なのかよくわからない。

まあ店としてはどっちでも良いんだろうね。



食事を終えると宿屋に戻り寝ました。


修正履歴
2008/12/09 パラメータ修正



[4638] 一人旅 3日目
Name: ハロ◆6571bd49 ID:01d8a6f1
Date: 2008/12/09 21:00

3日目



「今日もレベルアップに勤しむぞ!!」



なんて、窓を開けて言ってみたり。

大声では叫びません、チキンなので。



ということで、宿を出てまた森へ。



今日は途中で何も出なかったなぁ。

途中に出る奴は弱い奴だけを狙っていたりして。



道ばたの草葉の陰(と書くと違う印象が……)で



「あいつ弱そうじゃね?」

「おう、いけるぜ、あれなら。」

「やっちまえ。」



とか、



「あ、あれはやばそうだ。」

「誰も手を出すなよ。」

「気づかれるなよ。」



という会話をしてたりして……。



まだ3日目で出てこなかっただけでこんな想像をしてしまう俺って……orz。



と言う間にシャガラスが3体出ました。



飛びかかってくる前に1体を倒し、

突っ込んでくる1体をなぎ払い、

残る1体は避ける。

んで、とどめとばかりに最後の1体を倒す。



うーん、余裕ですね。

レベルが上がったせいかな?



しかしベス君(スライムベスの命名)はいないのかな?

今まで一度も出てきてないな。

ドラちゃん(ドラキーの命名)も。

シャガラスの髑髏が本体が消えるとともに消えるという不思議もあるけど、

ま、考えても仕方がないか、次、次。



おっ、いたいた。



スライム君5体だ。

これなら不意打ちできそう。



ということで後ろから攻撃。

しかし、1体しか倒せなかった。



残り4体。



プルプルを一番最初に始めた奴に狙いを定めて、

飛んできた瞬間に斬る。

残りは避ける。



これを繰り返して全部倒しちゃいました。

慣れてくるとちょっと物足りない?



単純攻撃だしね。

でも一番最初の頃は、プルプルする順番も見えてなかったし、

短期間とはいえ俺も成長したんだろうね。



木の上からの攻撃とかも練習してみるか?

いや、やっぱりそれは別の意味で危険な気がする。



今はともかくもレベル上げ、レベル上げ。



次に出てきたのは昨日苦戦したシャガラス3体&スライム君3体。



シャガラス1体を即座に倒し、他を避けようとしたものの

スライム君1体&シャガラス2体の攻撃を食らってしまいました。



やっぱりまだまだだね。

でもダメージは昨日より大したことがない気がする。



スライム君一体の攻撃は腕でなぎ払ったし、

まともに食らったのはシャガラス2体分だけだしね。



次いでシャガラス1体を切り裂き、残るシャガラスの攻撃を剣で受ける。

スライム君の攻撃は今度は上手く捌けた。

剣道で習った捌き方が意外と役に立つもんだ。



シャガラスを攻撃開始前に斬り、残りはスライム君だけ。



まあ、余裕ですね。

ということで連続攻撃の練習でも、と

1体をなぎ払い、返す刀でもう1体を……外しちゃいました。

ついでにスライム君の攻撃を食らっちゃいました。



残る2体。

もう一度。



今度は微妙に成功しました。

2体とも無事(?)斬ることができました。



これはまだ練習が必要、と。

一人で旅をすることを前提とすると、

こういう技ができないと厳しくなるしね。



ちょっと素振りをしてみる。

うーん、燕返しとかどうやるんだっけ?

あ、でも燕返しは一人を相手にする技?



うーん、難しい。



ブンブン剣を振り回す音が聞こえたのか、

スライム君が3体現れました。



ちょうど良いとばかりに突っ込んで斬る。

返す刀でもう1体……と思ったら、

別の1体の攻撃でよろけちゃった。



で、その間に斬ろうとしたスライム君が飛んでくる。

慌てて剣を前に出したら、倒しちゃった……。



残り1体。



そのままあっさり斬ってお終い。



というところでレベルアップ音♪



職業:けんじゃ
レベル:4
ちから:20
すばやさ:26
たいりょく:40
かしこさ:18
うんのよさ:54
さいだいHP:82
さいだいMP:36

使える魔法:メラ、ホイミ、ニフラム、スカラ



なんか全部上がったみたいですね。

運がちょびっと上がったのは嬉しいかも。



あとスカラ……?

うーん、なるほど、防御力を上げる魔法、ね。

効果時間は……短時間、と。

元々は戦闘中とかの魔法かな?

戦闘中と言ってもすぐ終わる場合もあれば、

時間がかかる場合もあるのに……。

具体的な時間とかは使っていって覚えるしかないか。



まあ、レベルも上がったことだし帰ろう。

日も暮れ始めて、空が赤くなってきてるし。



そろそろ1日1レベルはきついのかもね。

遠くに行くとなると野営も考えないと、かなぁ。



戻ったら野営についての話を聞いてみるとしよう。



夜になったらモンスターが狂暴化したりとか……。

ドラクエの1や2では夜なんて無かったけど、

3はどうなんだろう?

現実としてはあるのが当たり前だけど……。



そんなことを考えているうちに町に到着。



宿屋で宝石を換金。今回は多いと思っていたけど40G!!



手持ちのお金が最初の倍以上の104Gになりました。

まあ、飯で消えるので102G?



宿屋の主人に野営について聞くと、

聖水をまいておけば寄ってこないとのこと。

しかし、この町では売ってないって……。

一人で野営は厳しいか。



と思っていたら追加情報。



このアリアハンの北の方にレーベというところがあって

そこになら売っているらしい。



今度行ってみるか。



今日もルイーダの店で食事をして寝ました。

店の中は人が減ってたけど、

時間帯の問題かな?


修正履歴
2008/12/09 パラメータ修正



[4638] 一人旅 4日目
Name: ハロ◆6571bd49 ID:01d8a6f1
Date: 2008/12/09 21:01

4日目



今日で4日目。

レーベというところに行きたいけど、

まずは2連撃がちゃんとできるようにならないとね。



ということで、また森でレベルアップに勤しみます。



しかし、この宿屋ってパンと飲み物だけだけど、

朝食と昼の弁当まで出るのはありがたい。

それで2G!!



ルイーダの店なんて、食事だけで2Gだしね。

まあ、しっかりとした量と内容だけど。



それにしても初日に5日分の代金を払ったけどちょうどよかったのかも。

今日、明日中に2連撃ができるようになれば……ってできるのかな?

できなきゃできないで別の方法を考えるしか、だね。



ということで、再び町の外に。

今日はちょっと気分を変えて別の森へ。



今までは正門を出た先(方向的には南になるのかな)の森だったんだけど、

北のほうにも森があるみたいなので、今日はそっちへ。



これで出るモンスターが変わって、強力なのが出たら……。

その時はダッシュで逃げる。

逃げ切れるかどうかは別問題として。



1は橋とかそういうので出るモンスター領域が変わった……はず。



ちなみに東には断崖絶壁とまではいかないけど登るには厳しそうな山があり、

西は平原となんかの塔しか見えない。

そのうち行ってみよう。



森へ向かう途中でスライム君が5体でてきた。

平原で見るのは久しぶり。



さっそく2連撃の練習を、と構える前に3体が突っ込んできた。

あわてて避けるが、そのあとに続く2体の攻撃を食らってしまう。



「ぬぅ。」



最後に攻撃をしてきたやつに、後ろから剣を振り下ろし倒す。



残り4体。

練習とは言え、油断は禁物だね。



今度はこっちから、と剣でなぎ払い倒す。

返す刀でもう1体を、と思ったが既に飛びかかってきていた。



剣の腹でその攻撃を受け、いったん下がって距離をとる。

やっぱり2連撃は難しいね。

他の2体の攻撃は避けた。



考えが間違っているのか?



その迷いの間に飛びかかってくるスライム君1体を撃退。

他は避け、着地した瞬間をねらってもう1体を倒す。

残る1体は再び飛びかかってくるところを狙って倒す。



これは2連撃じゃないよなぁ……。

だけど、この考え方を進めるほうが効率がよいのかな?



今は一撃で倒せてるけど今後はたぶん変わってくるだろうし、

そのときにはまた戦い方を変えないとならないんだろうね。



そんなことを考えながら森に到着。



こっちの森は南とはちょっと違うね。

下生えが少なめで歩きやすい。



またスライム君5体発見。



先ほどの要領でやってみることにする。

1体に切りかかり、返す刀で次に襲ってきたやつの

着地の瞬間をねらい攻撃。



うん、成功。



そのかわり、他の3体からの攻撃をまともに食らったけど……。



でもスライム君の攻撃にも慣れてきた。

初日なんかは結構痛いと思ったけど、

今は気にするほどにもならない。

レベルが上がってダメージを受けなくなったのかな?



これで他の攻撃を避けれるぐらいに余裕が出てきたらばっちりかも。

うん、これでいこう。



残る3体に対しても同じように攻撃し、問題なく倒せた。



その後も戦いを続けました。

スライム君のダメージはほとんど無視できるようになったとはいえ、

シャガラスはさすがに痛かった。

途中でホイミを2回ほど唱えて回復しつつ、2連撃(擬似)の練習。



で、気がついたら気がついたら夜になってました。

レベルアップはしたけどね。



職業:けんじゃ
レベル:5
ちから:22
すばやさ:27
たいりょく:42
かしこさ:18
うんのよさ:55
さいだいHP:85
さいだいMP:36

使える魔法:メラ、ホイミ、ニフラム、スカラ、ピオリム、ヒャド



MPが増えない……。

でもこの数値が多いのか少ないのかもさっぱりなんだよね。



今日、宿屋に戻ったら無駄打ちして

一度使いきってみるか。



あとピリオムとヒャドという魔法が増えてる。

うーん、ピオリムはすばやさを上げる魔法か。

これは便利そうだ……ってスカラを試してみるのを忘れてる……。

ヒャドは氷系の魔法か。

メラも一度も使ってないなぁ。



俺って戦士のほうが向いているんじゃ?

回復剤を購入するという余計な出費はあるけど変わらないよね?



……回復剤も近いうちに試さないとなぁ。

いろいろ試さないとならないことが増えてる。

さすがに、死んだら生き返れるのか、なんてのは試せないけどね。



町に到着後、まずはルイーダの店で食事。

今日は人が多く、ちょっと騒々しい。

また2階で騒ぎが起きている模様。



2階には何があるんだろう?

そのうち行ってみよう。



食事を済まして宿屋へ。

部屋に戻り、ホイミを使ってみる。



…………変化無し。



ケガしてないと使えない?



仕方がないので部屋に置いてあった果物ナイフで

指先をちょっと切ってみる。

血はちょっと出るけど痛みを感じない程度ね。



で、ホイミ。



今度はちゃんと発動したみたい。

で、それを繰り返す。



…………14回目で発動しなかった。

というか疲労が半端じゃない。

MPって精神力みたいなものだっけ?



昼間に2回使ったので合計15回。

これってかなり多いんじゃ?



1とかだと最初は2、3回しか使えなかったような記憶が。

3だと違うのかな?



ハッ、他の魔法も使ってみれば良かった……。

メラはさすがにまずいけど、他は使ってみても良かったよね?



疲れすぎたのでどうでもいいや、と寝ちゃいました。




修正履歴
2008/11/04 魔法にヒャドを追記
2008/11/07 町の名前を正しいものに修正し、ルビを解除
2008/12/09 パラメータ修正



[4638] 一人旅 5日目
Name: ハロ◆6571bd49 ID:01d8a6f1
Date: 2008/11/02 18:44

5日目



さて、今日はレーベと言うところを目指してみようかな。

宿屋の主人に行き方を聞く。



アリアハンから北西に進むと橋があり、

そこから北の森沿いに進むと見えてくるらしい。



橋か。

越えると敵の種類が増え強さも変わるんだろうなぁ……。

ま、駄目なら逃げればいいし、何とかなるだろう。



ということで橋まで来ました。

橋からもあの塔が見える。



塔はどうも島にあるみたいだね。

ゲームなら何かのイベントで行くんだろうか?

少なくとも今は放置……しておくしかないよね。



そして、一歩、橋から西に足を踏み出す。

うし、行くぞ。

とりあえず、森は迂回で。



森は西に延び、徐々に北へまわっていくところで

スライム君が出てきた

6体!?



今まではスライム君だけでは5体までだったのが変わった?

まあ、でもスライム君だしね。



と、思ったけどスライム君の攻撃パターンが変わった?

1体だけが他の5体とちょっと違う気がする。



5体は連携しているかのように攻撃するのに対して、

1体は連携してない。



だけど、攻撃方法は同じなので、まずはその1体を。

そして残りを倒す。



グループが違うとかそんな感じかな?

これからは同じモンスターだけでも気をつけよう。



再びレーベを目指す。

森の縁は徐々に北向きに変わる。



少し進んだところで森からモンスターが出てきた。



角ウサギ!?

それが2体とスライム君2体。



一瞬、ボーパルバニーを思い出すが、

前歯が短いのでちょっと安心する。

ドラクエ世界で良かった。

ウィザード○ィの世界だったら、

こんなにのんびりできないよね。



とはいえ、どんな攻撃をしてくるか。

まずはスカラで防御力を固めようと、

攻撃態勢に移る前に唱える。



角ウサギ、ツウちゃんとでもしとくか。



スカラを唱え終わるぐらいにツウちゃんが襲ってくる。

やっぱり角での突撃か。



スライム君よりは素早いけど避けれる!!



念のためピリオムも唱える。

これでさらに避けやすいはず。



おぉ、なんか身体が軽い。



少しの間、避け続けて、攻撃パターンを見てみるか。

どうする?



まずはスライム君を倒しておこう。



ツウちゃんの突撃を避けて、スライム君を倒す。

ツウちゃんはやっぱり突撃だけかな?



ということで、倒すことにする。

今までと同じように突撃してくる瞬間に

剣でなぎ払い1体を倒す。

そして残り一体は、突撃後に振り向こうとする瞬間を狙って

剣を振り下ろし倒す。



やっぱり敵の種類が増えたなぁ。



その時、森の方から悲鳴が聞こえた。



これをさすがに放置はまずいよな、と考えながら

悲鳴の聞こえた方へ走る。



あ、宝石拾うの忘れた……けど、戻らず走る。



森はアリアハンの北の森と同じく下生えが少なく走りやすい。

悲鳴はもう聞こえないけど、剣戟の音が聞こえるので迷わない。



たどり着くとそこにはシャガラス2体とスライム君2体、

そしてそれに対峙する剣を構える男と、横たわる男、

横たわる男をかばうように立つ女がいた。



俺は剣を抜きつつ、横たわる男に近づきホイミを唱える。

反応がない。



「え?」



何で反応がないんだ?



女は俺が突然現れたためか驚いている。



「手伝ってくれるのか?頼む。」



剣を構える男が俺を横目にそう言い、シャガラスに突っ込む。

俺もそれに続いて、もう一体のシャガラスに向かい、剣を振り下ろす。

後ろから小さな火の玉がスライム君に飛んでいき丸焦げにする。



「今のは……っと。」



火の玉が飛んできた方を向こうとしたところに、

残る一体のスライム君が俺に向かってくるが、

避けることに成功。



男が着地したスライム君に斬りかかり、撃破。



それを見て、俺は横たわる男に近づき再びホイミ。

しかし反応がない。



「無理よ……死んでる……。」



女がつぶやくように言う。



「じゃあ、教会に連れて行かないと。」



「それも無理だ。彼は異世界の人間だからな。」



男がそう返す。



「教会で死んだ人間を生き返らせることができるんじゃないのか?」



女が首を振る。



「この世界の人間なら教会で生き返らせることができるけど、

 彼はこの世界の人間じゃないの。」



俺は眉をしかめる。

どういうことだ?



「見ろ。」



俺のその様子を見て、そう男が倒れた男を指さす。

倒れた男は足の先が光り、小さな粒子となって消えていく。

光は足の先から徐々に身体の上の方へ進み、

やがて、その光とともに身体は消えた……。



俺はその様子に何も言えなかった…………。



「最近、異世界から冒険者が沢山来ているんだが、

 そいつらが死ぬとこうなる。」



俺は男の言葉にそちらに顔を向ける。



「この世界の住人は死んでも、すぐに教会へ連れて行けば生き返るわ。」



「大量の金は取られるけどな。」



男はこの雰囲気を壊したかったのだろうか?

しかし、それは失敗に終わる。



「だけど異世界から来た人は何も残さずに消えるの。跡形もなく、ね。」



「そんな……ことが……。」



「今見たとおりよ。」



HxHだったか。その漫画の中で同じようなのがあった。

その漫画ではゲームの中に実際にはいることができ、

中で死ぬと現実世界に帰る。

ただし、死体として……。



俺たちに起きた現象も同じなのだろうか。

それとも死んだら元の世界に帰り、生き返る……?

少なくとも死体はこの世界には残らない。



「助けてくれてありがとう。助かったわ。」



「そうだった、礼を言うのが遅くなった。ありがとう。

 おかげで俺たち二人だけでも生き残ることができた。

 コウイチは残念だったけどな……。」



二人が礼を言ってくる。



「いや、俺の方こそもう少し早く駆けつけることができれば……。」



女は首を振る。



「そんなことは言わないで。たら、れば、は言っても仕方がないわ……。」



俺たちの間に沈黙が落ちる。



やがて男が口を開いた。



「俺たちはアリアハンに戻るが、お前はどうする?

 できればアリアハンまで一緒に行かないか?」



「そうだな。そうさせてもらうよ。」



今はさすがに一人で移動する気にはならないので、

その申し出を受けることにした。



「俺はラーク。戦士だ。よろしく頼む。」



「私はエーネよ。魔法使い。アリアハンまでよろしく。」



二人が少し寂しげながらも笑いかけてくる。



「ああ、俺はリョウだ。僧侶だよ。よろしく。」



このような状況の中で賢者であることを隠すのは少し気が引けるが、

それは黙っておいた方がいい気がする。



「リョウ……?なんか不思議な響きね。」



「あぁ、俺も異世界から来た人間だよ。」



その答えに二人は目を丸くする。

俺はそれに苦笑で答える。



ラークが何と言ったらいいのかわからずに、そうか、とだけ言う。



その後、俺たち3人はアリアハンへ向かった。

途中で一度だけモンスターに遭遇したが、

ラークがかすり傷を負った程度で問題なかった。



ただ……スカラは魔法使いの魔法だったんだね。

防御力を上げる魔法なので僧侶の魔法とばかり思ってた。



途中でモンスターの話を聞いた。



このアリアハンは大きめの島で、

出るモンスターは10種類ぐらいらしい。



スライム
おおがらす
いっかくうさぎ
おおありくい
じんめんちょう
フロッガー
バブルスライム
まほうつかい
さそりばち
ホイミスライム


バブルスライムは毒をもっているそうだ。

あとじんめんちょうがマヌーサ(幻覚を見せるらしい)、

まほうつかいがメラ、ホイミスライムがその名の通りホイミを唱えるらしい。

さそりばちは仲間を呼ぶ習性があるので気をつけた方が良いとも。



危険な奴はほとんどが東部の方に生息しているらしいので

そちらに行くときにはちゃんと準備をしていった方が良いようだ。



アリアハンに戻った後、ルイーダの酒場で一緒に食事をした。

パーティに誘われたが断った。

二人は残念そうにしていたが、やっぱり俺は一人で旅をする。



またどこかで会えたら、一緒に飯でも食おう、と言って別れた。



俺は宿屋に戻り、寝た。

とりあえずはレベルアップをして強くなり、

いろんな事態に対処できるようにしよう。




あとがき
今回はちょっとシリアスに書いた……つもりです。
上手く表現できているといいのですが^^;

次回からは元のようになると思います。



[4638] 一人旅 6日目
Name: ハロ◆6571bd49 ID:01d8a6f1
Date: 2008/12/09 21:02

6日目



昨日はちょっといろいろあったけど今日もレベル上げするか。

東の方に行けば面倒なのがいるみたいだけど、

逆にいえば西側なら大丈夫ということだね、



宿屋の主人に今日はレーベに泊まる旨を伝えて、

一旦ここでの宿泊は終了とする。



で、町を出て橋を渡る。

森の外が見える位置でレーベへと、森の中を進む。



と、早速出てきた。

ツウちゃんとスライム君2体ずつだね。

まあ、余裕ですね。



スライム君に対するような疑似2連撃はツウちゃんには無理だったけど。

1回に1体しか倒せないね。



確実に1体ずつ倒せるように、というのを

今後は目指していく方が良いのかもしれない。



倒し終わったところでレベルアップ音が。



職業:けんじゃ
レベル:6
ちから:23
すばやさ:28
たいりょく:45
かしこさ:18
うんのよさ:55
さいだいHP:91
さいだいMP:36

使える魔法:メラ、ホイミ、ニフラム、スカラ、ピオリム、ヒャド



おぉ、MPが増えた。



そういえばドラクエってレベルアップしたときの

MPとかってどうなるんだ?

底上げされるのかな?

底上げ無しと考えておく方が無難かな。



まだ日は昇りきってもいないし、

昨日の分を取り返すべく戦うか。



少し歩くとまたモンスターが。

お、アリクイが出た。

これがおおありくいか。



予想としては舌で攻撃かな?

仰け反ったかと思うとその勢いに合わせて舌を出してきた。



予想してたので無事避けれた。

さすがに舌を斬るだけで倒せはしないんだろうね。



「っと、あぶな。」



ツウちゃんの突撃が来た。



この組み合わせは結構きついな。

舌の動きは結構素早いし、ツウちゃんの突撃も。



しかし、アリクイは身体の位置がほとんど動かない上に、

巨体なので斬りやすい。

ツウちゃんは素早いとはいえこいつも直線だしね。



まずはアリクイを1体倒す。

もう1体のアリクイの攻撃をかわす。

ツウちゃんの攻撃は食らってしまったが、角の直撃だけは何とか避ける。



残るアリクイを剣でなぎ払い、ツウちゃんの攻撃を避ける。

今度はちゃんと避けれた。



残るはツウちゃんだけ。

素早く体勢を整えて剣を振り下ろす。



「ぬぉ。」



避けられてしまった。

横飛びもするとは思わなかった。



びっくりしてまともに2体の攻撃を食らってしまった……。

刺さることはないけど、結構痛い。



気を引き締めて再度攻撃。

今度は命中。



残り1体。



油断せずに攻撃を避け、振り返る瞬間を狙って振り下ろし倒した。

結構きついかもね。



でもこれはまだ序盤なんだよなぁ……。



ホイミで回復して先に進もう。



しばらく進むと森は北が切れ、東の方へ伸び始める。

遠くには町が見える。



あれがレーベかな?



というところで、モンスター出現。



「げっ。」



アリクイ1体、ツウちゃん2体、シャガラス1体、スライム君2体の計6体……。



まずはアリクイを、と斬りかかる。

無事撃破。



ツウちゃん2体も避けることに成功。

他は覚悟して攻撃を受ける。

シャガラスのダメージは痛いけど、スライム君は問題なし。



次はツウちゃんだ。

同じくシャガラスとスライム君の攻撃は覚悟して、

ツウちゃん2体を順番に倒す。



残るはシャガラス1体とスライム君2体。

確実にとどめを刺して終了。



ふぅ、落ち着いて戦えばなんとかなるな。

でも疲れた。



日も暮れてきたので、レーベに向うことにする。

レーベに着いたときには、既に夜になっていたので

すぐ宿屋に向かった。



宿屋の人に聞くと追加1Gで食事も出してくれた。

良かった…………飯抜きになるかと。



明日もあの森で戦って練習していかないとな。

今のままじゃ、たぶん先には進めない。

ということで、明日に備えて寝ました。



修正履歴
2008/11/09 誤字修正
2008/12/09 パラメータ修正



[4638] 一人旅 7日目
Name: ハロ◆6571bd49 ID:01d8a6f1
Date: 2008/12/09 21:02

7日目



さて、今日は町をちょっと見てからレベルアップに行こう。



まずは武器屋だな。

新しい武器がある……はず。



「おっ、あれだな。」



判りやすい看板だ。

店に入り、品物を見る。



いくつかあるけど、どれが僧侶でも使える武器なんだろう?

店員に聞いてみよう。



銅の剣より強い武器では鎖鎌らしいけど、

これは使いにくそう……。

使える自信がないや。

利点としては少し離れていても攻撃できること、かな?



次にたどり着く町までは銅の剣のままにするか。



っと、忘れるところだった。

道具屋で聖水を買わないと。



聖水20G……うーん、しばらくは野営しなくても良さそうだけど

一応一つ買っておこう。

あとはキメラの翼と毒消しも2個ほど買っておくか。

キメラの翼って町に飛ぶんだよね、たしか。

最後に立ち寄った町……でいいのかな?

今の状態ではアリアハンだろうとレーベだろうとどっちでもいいけどね。



キメラの翼って木箱に入ってるんだ……。

木箱に魔法がかかっていて、箱から取り出さない限り効果を発揮しないらしい。

なので、箱を放り投げても効果は起きない。



毒消しは基本飲み薬だけど、魔法的効果もあってすぐ効くらしい。

毒を受けた人にぶっかけても効果があるらしい……。

こんな魔法効果は便利すぎるだろう。



とりあえずの準備もしたし出かけるか。



レーベの南の森へ向かう。

昨日のような組み合わせはさすがに勘弁して欲しいけど、

あれはあれで良い経験にはなるし、悩みどころ。



森へ侵入と同時にモンスター出現。



アリクイ2体とツウちゃん2体。



アリクイの攻撃をかわし、ツウちゃんの攻撃を払う。

うん、こういう感じが良いみたい。

次の攻撃に合わせて、こっちも攻撃しよう。



アリクイが正面、ツウちゃんが背後。

アリクイに狙いを定めて、剣を振るう。

アリクイを切り払った後、後ろから来るツウちゃんの攻撃を

サイドステップで避ける。



もう1体のアリクイの攻撃は正面なので楽に避けれるし、

ツウちゃんの攻撃も大ききサイドステップすれば大丈夫。



サイドステップの着地と同時にもう1体のアリクイに突き。

アリクイに蹴りをかまして、その勢いで剣を抜く。



飛んできたツウちゃんを振り下ろす剣で攻撃、撃破。

残りはツウちゃん1体。



あ、逃げてった……。



初めてモンスターが逃げるのを見ちゃった。

そう言えばそういうこともあるんだよね。



逃がさないような戦いというのも考えておいた方が良いのかもね。

たしかメタルスライムだっけ、経験値が多いのは。

奴がすぐ逃げるはず。



ドラオエにはメタル密集地帯があったけど、

ドラクエ3にもあるのかな?



それはともかく次、次。



その後、俺は森の中を南に進みつつ、モンスターと戦っていった。

森の方がモンスターが多くいそうなのと、東は怖いので。



そのうちに突然森が開けてた。



これはなんだろう?、と見回すと石造りの建物が一つ。



建物には扉が一つ。

ノックをしてみるが、何の反応もない。

扉を開こうとするも鍵がかかっている。



どうしようもないね。

勇者関連のイベントで開けることができるんだろうね。



この辺で少し休憩しよう、と手頃な木陰を探していたら、

地下へ降りる階段があった……。



いやいやいやいや、降りませんよ。

そんな危険な。



降りようという誘惑をする悪魔が

頭の中で沢山沸いてますが、頑張って無視する。



レーベに知っている人がいるかな?



というか、ゲームなら2Dだから見つけられるかもだけど、

3Dじゃ厳しいよね、こんなところ。

偶然にしてもよく見つけたもんだ、俺。



その階段から何か出てきても嫌なので、

ちょっと離れたところで休憩して、また森に行きました。



日が暮れかかる頃には何とかレベルアップ。



職業:けんじゃ
レベル:7
ちから:24
すばやさ:30
たいりょく:48
かしこさ:19
うんのよさ:56
さいだいHP:101
さいだいMP:37

使える魔法:
 メラ、ホイミ、ニフラム、スカラ、ピオリム、ヒャド
 ギラ、マヌーサ



おぉ、魔法が増えてる。
しかも2つも。



ギラ……攻撃魔法か。

メラの強化版で複数を対象にできるのか。

対象を選ぶというのがゲームと違って難しそう。



マヌーサ……幻で敵を包む。

敵の命中率を下げる効果だね。

じんめんちょうが使うんだっけ?



……ギラは魔法使いの魔法だと思うけど、

マヌーサはどっちだろう?



ま、そのうち誰かに聞いてみよう。



といったところで、レーベに戻ることにしました。



レーベの宿屋で先ほどの階段の話をすると、

どうやらナジミの塔というところに行けるらしい。



ナジミの塔はアリアハンの城の西にあった塔で、

島の上のあるけども、あの階段から地下で繋がっているそうな。



ふむ、明日はそこに行ってみるか。



ということで、飯喰って寝ました。



ちなみにあの森の開けた場所へは、

ちょっと細めの道があって、

迷うことなく行けるらしい……。



修正履歴
2008/11/05 「リーベ」にルビを付ける
2008/11/07 「リーベ」にルビのルビを解除し、「レーベ」に直す
2008/11/09 誤字修正
2008/12/09 パラメータ修正



[4638] 一人旅 8日目
Name: ハロ◆6571bd49 ID:01d8a6f1
Date: 2008/12/09 21:03

8日目



レーベの宿で目覚める。

今日はナジミの塔を目指すぞ、と準備をする。



日が暮れるまでに戻って来れない可能性を考えて、

宿屋の主人にお金を払って余分に食料をもらう。

よくあるのか保存食をくれた。



聖水は1回分はあるし、とりあえず大丈夫だろう。



レーベを出て森へ向かい、昨日聞いた道を探す。

…………あっさり見つかった。



獣道に毛が生えた程度だが、消えないのだろうか?

それとも沢山の人が使ってるのか?



途中でモンスターに遭遇することなく昨日の場所へ着き、

階段の前に立つ。



大丈夫だよね。

ちょっと怖いけどまあ、即死にはならない……と思いたい。



俺は決心して、階段を下りていく。

あ、たいまつとか忘れた……けど、地下は明るかった。



壁にちゃんと灯りがついている。

さっきの道と同じく誰かが灯りをつけているんだろうね。



中は結構広い通路になっている。

通路は南に延び、西へ曲がっている。

西に曲がるとさらに通路は大きくなっている。



少し進むと左側に大きめの扉があった……。

何か仕掛けがありそうだよね、明らかに。

触らぬ神に祟りなし、藪をつついて蛇を出す真似はしない、と。



そのまましばらく進むと通路は再び南向きに変わった。

右側に通路が延びているのが見えるが、

その先がなぜか暗がりになっていて見えない。



そういえばドラクエのダンジョンって、

先に進まないと暗くて見えない場所とかがあるんだっけ?



見に行ってみるか。



警戒をしながら、その暗がりの方へ進むと、

ある点を境として目の前が開ける。

後ろを振り向くと、今度は後ろが暗がりになっている。

一種の結界みたいなものかな?



この暗がりは部屋になっている感じだ。

部屋の中央付近に宝箱があるが開いている。

覗いてみると中には何もない。

元はアイテムでも入っていたのかな?



というか誰がこんなところに宝箱を?

と言う突っ込みはしちゃいけないね。

既にいろいろ突っ込んでいる気もするけど。



元の場所に戻ろうとしたところで、

暗がりからモンスターが出てきた。



カエル1体とスライム君1体だ。

即座に剣を抜きカエル君を切り裂く。

スライム君の攻撃は避け、着地で斬る。



まあ、余裕だったね。



というか、ここはアリアハンの東の方と同じモンスターが出る?

今ぐらいだったら何とかなるか。



そのまま南へ進む。



やがて開けた場所に出た。

巨大な石柱まである。



そして南の端に上へ登る階段が。

あの階段を登ればナジミの塔かな。



剣を抜き、警戒しながらその階段を登る。



日の光が眩しい。

ここは、塔の内部っぽいな。



外に出て振り返ると、確かにあの塔だ。



中に戻って探索することにする。

左右に暗がりがある箇所が、合計5カ所。

暗がりになっていないのは3カ所。



入り口近くの2カ所を見に行くが特に何もない。

もう一つの場所は……テーブルと椅子、それに植木鉢?

違和感がありまくりです。

中央の階段が一番違和感がない。



階段?

部屋の中央には降りる階段が……。



降りてみるか、と降りてみた。



「おお、しばらくぶりのお客さんだ!

 うれしいなあ。

 こんにちは。

 旅人の宿屋へようこそ。」



…………??????

地下の部屋にいた男がそんなことを言ってくる。



「……宿屋?」


何とかそれだけ声に出す。


「ええ、そうですよ。お泊まりになりますか?」



「あとでまた来ますよ……。」



主人がちょっと残念な顔をしたが、知らん。

何でこんなところで宿屋なんて。



階段を上に登り、探索を続行することにする。

頭を振って、気を取り直す。



いろいろ聞きたいことはあるけど、

今の状態では無理だ、驚きすぎた。



1Fに登り、まずは正面の暗がりへ。

暗がりに入ると、地下と同じようにいきなり明るくなり背後が暗くなる。



小部屋のようになっているその奥に登る階段が。

いくつか登る階段があるのかな?



まあ、いきなり罠ってことは……ないよねぇ?



俺はゆっくり階段を登る。

階段は小部屋のようなところに続いていた。

小部屋からは右前方と左前方に通路が延びている。



左前方の通路からモンスターが出てきた。

アリクイ1体と、これはバブルスライム?

緑色で溶けかけたアイスのような外観から泡が出ている。



たしかバブルスライムは毒を持っていたはず。



まずはバブルスライムに斬りかかり、撃破。

アリクイの攻撃を手で払い、そのまま突撃する。

剣を突き倒し倒す。

なんとか毒は食らわないで済んだね。



宝石を回収しつつ、モンスターが出てきた通路へ向かう。

出てきたところならすぐには出てこないだろう、

なんて都合の良いことを考えながら。



通路を進むと、そこには石柱が並んでいる部屋?通路?があった。



「げ…………」



これはボスフラグ?

いや、大丈夫、いたとしても勇者が倒しているはず。

勇者がどこにいるか知らないし、

ここに来ているかも知らないけど。



石柱の間を通りながら進むと、通路は右に曲がっていた。

特にモンスターの姿は見えないが、右側に暗がりが2カ所あった。



どちらかが正解、と言うことだろうね。

まずは手前から。



……外れ。



奥の暗がりへ向かうと、上へ向かう階段があった。

そのまま上へ登った。



登り切った先は通路のようだった。

通路を少し進むと右へ曲がり先へ続いている。

そして、再び右へ曲がり、道は二つに分かれていた。



こういうときは右手の法則?

右側に少し進むと暗がりがあった。



入ってみるか。



中は小部屋のようになっており階段があった。

いきなり正解……?



階段を登るとそこは書斎のように本が沢山ある部屋で、

老人が机の前で居眠りしていた。

ベッドもあるのになぜ机の前で?



はっ、と気が付いたように老人は目を開けて言葉を紡ぐ。



「カギは役に立ったかな?」



「は…………???



「本を取りに来たのかね?」



……寝ぼけてる?



「これじゃこれじゃ、ほれ持って行け。」



そう言って「おてんばじてん」というのを渡して、

再び眠りに入った……。



いや、こんなのを渡されても。

中を開いて読んでみてもさっぱりだ。



まあ折角くれたんだしもらっておこう。



老人は気持ちよさそうに寝ているので出て行こう。

部屋には扉が一つあったので、そちらをちょっと覗いてみると

そこには空が広がっていた。



そーっと扉から出て、外を眺める。



左の方に降りる階段がある。

こっちが正しいルートなのかな?



どうやらここは塔の最上階らしい。

部屋の周りを歩いて景色を堪能する。

結構遠い山々も見える。

いいねぇ、ここ。



十分景色を堪能した後、先ほど見つけた階段で下へ降りることにする。



階段を下りるとここも小部屋のようになっており、

奥に暗がりが一つ。



暗がりの先は通路が続いていた。

やがて左に折れる。



その先で通路は左と正面に道が分かれるが、

正面はすぐ行き止まりになっているので左へ進む。



左はまたすぐに二つに分かれている。

来るときは右手だったから、帰りは左手かな?



左に進むと左に暗がりがあるので、入ってみる。



っと、いきなりモンスターが。



蜂!?

それが3体いて襲ってきた。



1体は避けることに成功するが残り2体の針攻撃を食らってしまう。

毒は無いようだけど無茶苦茶痛い。



とりあえず、1体に攻撃し撃破。



残る2体に剣を構えるが、なんか震えてる。



げ、増えた。



仲間を呼んでいたのか。



その後、1体を倒すたびに新しいのが出てきて、

どんどんダメージが蓄積していく。

ホイミを3回唱えた後、ようやく全滅させることに成功する。

合計10匹以上倒したぞ。



…………やっかいすぎる。

1体1体は弱くても、連続で来られるときつい。

しかもその攻撃も痛いし。



っと、ギラを使えば良かったのでは……?

ガックリ来てしまった。



部屋にはまた宝箱があったが、当然何も無し。



部屋から出て左に進む。



ん?ここは先ほど通ったところでは?



左に暗がりがあり、右と前方に道がある。

左の暗がりに階段があったはず。



一応中に入って確認するとやはりそのとおりだ。



今日は疲れたので帰ろう。

地下の宿屋で……大丈夫だよな?



来た道をたどって地下へ向かう。



途中でスライム君やらカエルが出てきたが無事撃破。



それでレベルアップした。



職業:けんじゃ
レベル:8
ちから:25
すばやさ:33
たいりょく:51
かしこさ:19
うんのよさ:56
さいだいHP:101
さいだいMP:37

使える魔法:
 メラ、ホイミ、ニフラム、スカラ、ピオリム、ヒャド
 ギラ、マヌーサ、ルカニ



新しい魔法はルカニか。

ルカニ……敵の防御力を下げる魔法、と。



少しの間、ここでレベル上げするか。



地下の宿屋に向かい、今日はここに泊まることにした。

なんか別の意味で怖い気もするけど……。




修正履歴
2008/11/09 誤字修正
2008/12/09 パラメータ修正



[4638] 一人旅 9日目
Name: ハロ◆6571bd49 ID:01d8a6f1
Date: 2008/12/09 21:03

9日目



地下なので朝日がないため寝過ごしかけた。

宿屋の主人が食事に呼びに来て眼が覚める。

ある意味良い目覚ましかも。



聞いてみると、ここに泊まる人は滅多に来ないけど、

やっぱりみんな寝過ごすらしい。

で、食事ができたら呼びに来るようにしてるとか。



食料とかは適度な間隔で知り合いの冒険者が持ってきてくれるらしい。

その為にあの小道も残っているんだとか。



塔の上のじいさん?

あの人は何を食べて生きているのか知らないそうだ。

それなりに高い塔だから霞でも食って生きてるのか?



それはともかく、昨日に引き続いてナジミの塔の内部を探索することにする。

探索と言ってもほとんどレベルアップ作業だね。



1Fの暗がりには何もありませんでした……。



2Fには空っぽの宝箱が一つと、別の階段が。

その階段を登ると小さな小部屋で宝箱が一つ。

宝箱の中には何もなかったけど、宝箱の裏になんか小さなメダルが落ちてる。

お金じゃないみたいだし何に使うんだろう?

まあ、確保。



再び2Fに戻って、昨日の階段で3Fへ。

特に目新しいものは無し……。



ここまでモンスターが出なかったので、

油断してたら、じんめんちょうが4体出てきて、

構える前にマヌーサをかけられた。



こいつらキモい。

人の顔に蝶の羽がついているんだけど、

その姿よりも、顔がキモい。

しかもその口で噛みついてきやがる。



ダメージは大したことがないけど、

こっちの攻撃が当たらない。



これがマヌーサか。

敵が二重、三重に見える。



二つ三つ同時に攻撃するつもりで……当たった。

えー、こんなものなの?



攻撃速度も遅いし、それほど注意しなくても良いのかな?

あっさりモンスターを全滅できました。



その後は、モンスターが一杯。



バブリーが3体出てきたときは

ちょっとびっくりしたけど特に問題なく撃破。

スライムと言ってもバブリーは

地面を這って攻撃してくるんだね。



足下にやってくるのはちょっと鬱陶しいかも。

今回は他のモンスターが出てこなかったけど、

他と戦っているときに足下をちょろちょろされると、

足を取られて戦いにくいかもしれない。



これからは足下にも注意しながら戦うことを覚える、か。



キモ蝶とバブリーが出てきたときは、

バブリーが1体だけだったのでまずはそれを撃破し、

残るキモ蝶はマヌーサをかけられる前に倒すことに成功。

上下での攻撃も考えなくては、か……。



その後、まほうつかいに初めて遭遇。

さすが魔法使い、メラを使ってきた。

動作が丸見えで、避けれるかと思ったら、

これって追尾するんだね。



魔法使い1体だから良かったけど、

集団で来られたら大ダメージ覚悟しないならないかな。



しかも一撃では倒せなかった……。

初めて一撃で倒せない敵と遭遇か。

これからはこういうのを増えていくんだろうね。



まあ、2発目の攻撃を食らう前に倒したけどね。



それからしばらくはその辺をうろうろして、

モンスターと戦った。



やがて昨日苦戦した蜂が登場。

でも1匹。



なんかもったいない気がするので、

仲間を呼ぶまで放置してみた。



………そんなことをするんじゃなかったと、すぐに後悔。



2匹になったところで1匹を倒す、

と言うことを繰り返したんだけど、

3匹になり、4匹になり……。



倒しても倒しても沸いてくる。

ホイミを何度唱えてもダメージが非常に大きいし、

非常にやばい…………。



その時昨日のことを思い出した。

ギラを使えば良かったんだよね……。

また忘れてた。



ということで、右手を相手の方に向け、

初の攻撃魔法ギラを唱える。



手のひらから炎が吹き出てきた。

ぬぉ、なんだ、この殺虫剤&ライター遊びみたいなのは。

とりあえず、その手を蜂に順番に向けていく。

向けられた蜂はその炎から逃げまどおうとするが、

移動距離の短いこっちの方が早い。



ふぅ、何とか撃破……。

危うく死にかけた。

別の意味でもびっくり。



撃破と同時にレベルアップ。



職業:けんじゃ
レベル:9
ちから:27
すばやさ:35
たいりょく:53
かしこさ:20
うんのよさ:56
さいだいHP:108
さいだいMP:40

使える魔法:
 メラ、ホイミ、ニフラム、スカラ、ピオリム、ヒャド
 ギラ、マヌーサ、ルカニ、スクルト、リレミト、ラリホー



うわ、魔法が3つも増えてる。

MPも大量に増えてるし。



死にかけた甲斐はあったのかな?



スクルト……味方全員の防御力を上げる、と。

これは僧侶の魔法だね。きっと。



リレミト……ダンジョンから脱出する魔法か。

これは便利そうだ。

これは魔法使い、かな?



ラリホー……は眠らせる魔法だっけ?

これは魔法使いの魔法っぽいね。



……そろそろどれが僧侶の魔法か調べないとだね。



やはり蜂は危険だね。



今日はこれで終わろう。

宿屋に戻って寝ました。



修正履歴
2008/11/07 ギラの効果を修正、伴って文章をちょっと修正
2008/11/09 誤字修正
2008/12/09 パラメータ修正



[4638] 一人旅 10日目
Name: ハロ◆6571bd49 ID:01d8a6f1
Date: 2008/11/09 18:21

10日目



今日は宿屋の主人が起こしに来た気配で起きれた。

昨日よりも警戒感を強めて野営の練習代わりにしてみた。

気配で起きれるなら野営しても大丈夫かな?



宿屋の主人も俺が起きていたのでちょっと驚いていた。



今日も塔内でレベルアップを頑張ろう。

蜂はちょっと危険だけど、

あれぐらいは捌けるようにならないと、

今後の旅路が危険すぎるしね。



敵が一番出る感じなのは3Fかな。

ということで3Fまで来ました。



うろうろしてると何度かバブリーやらカエルやらが出てきて

戦って経験値稼ぎをしてました。

バブリーの足下からの攻撃も何とか慣れてきたね。

カエルはまあ、余裕。

一度、その長い舌に腕を絡め取られたけどその程度だった。



問題はその後に出てきたキモ蝶とアリクイのセット。

キモ蝶がマヌーサをかけてきたけど、

昨日の感じだと大丈夫、と楽に構えていたら

攻撃が当たらない……。



キモ蝶の攻撃は大したことがないと思って

アリクイに攻撃をしたら全て避けられた。

攻撃対象をキモ蝶に変えても全て避けられてしまった。



一回一回のダメージ自体が大したことが無くても、

そのダメージは徐々に蓄積していく。

さらには剣を空振りするため体力も奪われていく。



4度目のホイミを唱えたぐらいで、

やっとキモ蝶に攻撃が当たる。

ホイミって体力も回復してくれるんだね。

おかげで助かった。



その後は、一匹ずつ何とか倒すことができた。

攻撃の半分以上はずれたけどね。



マヌーサってこんなに危険なんだ……。



ギラを使えばたぶん余裕なんだろうけど、

使わずに綺麗に終わらせることができるようになりたいね。



あ、アリクイが宝箱になった。

宝箱の中には「かわのぼうし」が入っていた。

ふむ、こういう風にアイテムも手に入るのか。

アイテムを取り出すと箱が消えた……。

よく判らない仕組みだ。



早速装備しておこう。

これから少しはダメージも減るかな?



まあ、でも今日は疲れた。

今日は早めに引きあげよう。



帰りの道で、またキモ蝶が出たけど2体だったし、

マヌーサを使ってこなかったので余裕で撃破。



地下の宿に戻ると、他の冒険者達がいた。

向こうは3人でパーティを組んでいるようだ。



俺は軽く会釈をする。

向こうのうち一人だけが会釈を返す。



食事を待っていると、その人達がこちらのテーブルにやってきた。

一緒に、ということらしい。

まあ、たまには一緒に食事も楽しいよね。



その後はいろいろな話をした。



彼らは戦士の女、僧侶の男、魔法使いの男というパーティだった。

先ほど会釈を返してきたのは僧侶の男だ。

僧侶の男だけ、異世界、すなわち俺たちの世界から来た人間らしい。



そして彼らは、「とうぞくのかぎ」を取りにここへ来たそうだ。

しかし頂上のじいさんの話をすると、

目を丸く開いて驚いた後ガックリしていた。



無駄足になった……とぼやいていた。



「じゃ、次はロマリアかな。」



「「「ロマリア?」」」



僧侶の男以外の3人の声がハモった。



「うん、東の外れに旅の扉というのがあって、

 そこからロマリアに行けるんだ。」



なるほど。

次はそこを目指せばいいのか。



明日はそこを目指してみようか。

たしか東の方って塔の敵と同じだよね?



キメラの翼を持って行けば、大丈夫だしね。

夜になったら戻ればいいし。



彼らは折角来たので、この塔でレベルアップしていくとのこと。

地下に宿屋があってすぐ回復できるし、

モンスターの数も、外よりも多いから、と。



ちょうど良い機会と、魔法使いの魔法について聞いてみた

どんな魔法があるのか興味ある、と言ったら教えてくれた。



魔法使いの魔法

メラ
スカラ
ヒャド
ギラ
スクルト
リレミト
イオ



うーん、ちょっと予想外。

イオはまだ覚えてないけど見えている敵全部に攻撃できるらしい。

それは便利そうだ。



んじゃ、残りが僧侶の魔法だね。

僧侶の魔法

ホイミ
ニフラム
ピオリム
マヌーサ
ルカニ
ラリホー



これからも機会があれば誰かに聞いてみることにしよう。

しかしこの感じだと魔法の内容で区別が付かない……。



そんなところで食事は終わり、それぞれの部屋に戻った。

明日はまずレーベに戻って、それから東だね。

レーベで聞けば知っている人がいるかな?




修正履歴
2008/11/9 誤字修正



[4638] 一人旅 11日目
Name: ハロ◆6571bd49 ID:01d8a6f1
Date: 2008/11/09 18:22

11日目



今朝も起こされる前に起きることができた。

昨日の人たちも起こされているようだ。



軽く挨拶して、出発することにする。



塔の1Fから地下通路に降りる。



……あれ?

左右に通路がある?



来るときにはまったく気が付いてなかった。



どっちかに行ってみるか。

ど・ち・ら・に・し・よ・う・か・な、と右か。

と言うことで、右に進む。



右の通路は真っ直ぐと結構長く続いていた。

そして奥には暗がりが。



と、その暗がりからツウちゃん3体が飛び出してきた。

俺は剣を構えるが……全部逃げてった……。



おい。



俺も少しは強くなったって事なのかな?



暗がりの中にはいるとそこには上へ登る階段があった。

どういうところに出るんだろう?



階段を登ると気配が変わった。

なんだろう?

やばそうな雰囲気ではなく、逆にそう言うものがない状態だね。



目の前に扉があり、その先には通路が延びていた。

通路を進むに従って、やばそうな雰囲気がどんどん消えていく。

奥にたどり着いた先には……牢屋があった。



牢屋には人が入っており、牢番もいる。



牢番はまた来たか、とつぶやいて、登る階段を指さす。



ここは、アリアハンの城の地下牢らしい。

アリアハンに繋がっているとは……。



地下牢から出ると城の中。

警備兵とかに見つからないようにこっそり城を出る。



久しぶりのアリアハンだな。



特に見るものもないので外に出てレーベへ向かう。



途中、スライム君とかが出たけどみんな逃げてった。

確かに余裕で倒せるようにはなったけど…………。



レーベでまずは買い物。

革の鎧を購入後、試着室で装備する。

旅人の服は売り。



なんか冒険者らしくなった?

帽子がちょっといただけないけど、

それでも鎧を装備するとなんか変わった気分。



買い物ついでに昨日聞いた旅の扉について聞く。



どうも、勇者の親父さんがそこを使って旅立ったらしい。

…………最終ボス戦への入り口?

かとおもったがそうではないっぽい。

昔はそこを使って旅行をしていたとか。



場所は、この町から東に向かい、山脈を南へ向かう。

すると、山脈に何とか通れる程度の峠があるので

そこを抜けて東の山沿いに行けばいいそうだ。



ついでながら店の主人も最近まで旅の扉を知らなかったらしい。

最近よく現れる異世界の冒険者から聞いたそうだ。



ありがとう、見知らぬ同胞よ。



と言うことで出発。



町を出て東へ、テクテクと。

途中のシャガラスやツウちゃんなんかを倒しつつ。



やがて山にぶつかる。

いや、もう絶壁です。

フリークライミングなら面白そうなぐらい。



ここを南に、と見てみると、確かに低くなっているところが見える。

あそこを目指せば良いんだな。



少し進んだところで空飛ぶクラゲが出てきた。

フラフラ踊ってるよ。



敵だよね?

モンスターだよね?



剣を構えているけど攻撃してくる気配がない。

でも自分にホイミを唱えてる……ホイミスライム?



剣で切ったらあっさり死んだ。



なんだろう、この脱力感…………なんか既視感もあるなぁ。



そうこうするうちに峠にたどり着いた。

峠の頂点から向こう側を見ると海が見える。



あとは山沿いだね。

やがて日が沈みかけた頃、湿地帯に変わった。

湿地帯の中に、なんか変な建物が。

あれがそうなのかな?



何かまたありそうなので、湿地帯を戻り、

山の麓で野営することにした。

身を隠せるような岩陰を探し、

周りに聖水をまいた。



これでとりあえずは大丈夫かな?



特に寒くもないので火は焚かずに置こう。

火を焚くと目立つし、暗がりが濃くなってしまうしね。

保存食を軽く食べ、寝ました。



何も襲ってこないことを祈りつつ。




修正履歴
2008/11/9 誤字修正



[4638] 一人旅 12日目
Name: ハロ◆6571bd49 ID:01d8a6f1
Date: 2008/12/19 20:52

12日目



朝、眼が覚めて外にいたことにびっくり。

そう言えば野宿したんだっけ。



ぐっすり寝ていたから気が付かなかったのか、

近づくモンスターとかがいなかったのか、

少なくとも襲われることなく朝を迎えられて良かった。



朝食を軽く取り、昨日の建物を目指す。



途中でじんめんちょうとバブリーが出てきたけど、

特に問題なく撃破。



変な建物の近くまで来ると

それは祠のようなものだと言うことが判った。

祠には一つの入り口があり、そこから中に入れるようになっている。



中にはいると……部屋だった。



部屋の中には老人が一人。

旅の扉のことを聞くと、奥の泉に行け、と。



ここじゃなかったのか。



泉までの道を聞くと礼を言って奥の泉とやらへ向かう。



湿地帯を抜けると砂浜……いや砂丘が広がっている。

砂丘を北に向かうとやがて森となった。



この森の中に泉があるはず。



っと、すぐに見つけた。



この泉?

何の変哲もないけど……。



手を入れてみても特に何も起きない。

足を入れてみても何も……。

身体ごと泉の中に入らないと駄目なのか?



あ……泉の対岸に地下へ降りる階段が……。



………………………………。



頭をかきつつ水からあがり、その階段へ向かう。



階段を下りると少し通路があり、左奥の壁が崩れているのが見えた。

右奥の方は部屋のように調度があり、また別のじいさんがいた。



じいさんはその崩れた壁の奥に旅の扉がある、と教えてくれた。

ロマリア、というところへ行けるらしい。



崩れた壁(ダイナマイトで吹っ飛ばした感じに壊れている)を越えて奥へ進む。



奥には下へ降りる階段があった。

階段からは何か怪しい雰囲気が漂ってきている。

モンスターがいる?



警戒しながら降りていくが、

下はただっぴろい通路とそこからの支通路があるだけ……。

しかもどっちへ進めば良いんだ?



左側の奥は通路が崩れていて進めないようなので、とりあえず右側へ。

少し進むと通路は3つの方向へ延びている事が判った。



左右は細く、正面は広い。

まずは広いところ、と進むとすぐに通路は崩れて進めなくなっていた。

通路は下に落ち込んでいるようだが、底までは暗くて見えない。



周りを見渡すとこの場所も4つに道が分かれている。

正面と左は、崩れているため右の小さい通路へしか進めない。



右側の通路へ進む。

通路は2度左に折れ、再び大きい通路に繋がっていた。

どうやら、さきほどの落盤地点の先に繋がっていたようだ。



正面に細い通路、左は落盤、右が本筋……かな?

一応細い通路を進んでみると、2度左に曲がった後、最初の辻に出た。



ちょっとずれているけど、まあ、大きな通りが本筋みたいだね。



先ほどのところまで戻り本筋を進む。



少し進むと突き当たりになり、左右に細い道が延びている。



うーん、右。

特に理由もないが右を選ぶ。



右の通路はかなり延びていて、やがて右へ折れる。

右へ折れた後もかなりの距離を進んだところで

正面からモンスターが。



キモ蝶と紫のツウちゃんがそれぞれ3体。

紫ウサギなのでムウちゃんで良いか、

とか考えながらキモ蝶に攻撃。



マヌーサもなかったし余裕だったんだけど、

ムウちゃんはキモ蝶と戦っている間に、

全部逃げていった……。



というところでレベルアップ。



職業:けんじゃ
レベル:10
ちから:28
すばやさ:36
たいりょく:56
かしこさ:22
うんのよさ:57
さいだいHP:112
さいだいMP:44
使える魔法:
 メラ、ホイミ、ニフラム、スカラ、ピオリム、ヒャド
 ギラ、マヌーサ、ルカニ、スクルト、リレミト、ラリホー



レベルアップの音を聞きつけたのか、

奥からでかい芋虫が出てきた。



うわぁ……角とか出して、くさい臭い出さないよね?



とりあえず、剣を構える。

芋虫は2体。



そのうちの1体に斬りかかる。

さすがにでかいだけあって1発では倒せない。



芋虫は丸くなって転がってきた。

1体は避けたけど、もう一体は横から受けてしまい、

壁際まではじき飛ばされた。



体制を立て直し、先ほどの1体に攻撃。

何とか倒せた。



もう1体の攻撃は、腕をボクシングのようにして受ける。

若干後ろに下がったが、はじき飛ばされずには済んだ。



芋虫が、まるめを解除したところを狙って攻撃。

やはり1発では倒せない。



また転がってくるが、今度は避ける。

既に腕の感覚がなくなり始めている。



これでとどめ、とばかりに剣の柄に右手を添え、

芋虫を突き、倒す事に成功する。



ふぅ……痛かった。

剣を鞘に収め、しびれた両腕を振る。

受けるのは間違いだったかもしれない。



次はちゃんと避けるようにしよう。

スライム君とかと違ってでかいから捌くのが難しいんだよねぇ。



通路をしばらく進むと、また右へ折れていた。

まだ続くのか……結構長いぞ。

これで間違っていたらどうしよう…………。



さらにしばらく進むと大きな通路に出た。



大きな通路の反対側の端かな?

大きな通路は右に延びていて、正面に小さな通路、

左側は壁になっている。



大きな通路を進むべきと判断し進む。



途中で横に小さな通路があるが大きな通路をそのまま進む。



やがてまた大きな通路が崩れていた。

今度は正面と右側が進めなくなっているので、

左側の小さい通路を進む。



通路はやがて左に折れ、再び左に曲がっていたが、

その曲がり角に降りる階段があった。



やっとたどり着いたか。



しかし階段を下りると、また辻となっていた……。

今度は3つとも同じ大きさの通路だ。



右から行くか。

今まで右が正解のことが多かったしね。



あ、念のためホイミを唱えておこう。

うん、ばっちり回復。



回復後、右の通路へ進む。

通路はやがて左に折れ、先へ続いている。



しばらく進むと大きな扉があった。

これは正解と言うことかな?



扉を押し開けるとさらに通路が続いていた……。

まだ続くのか。



やがて行き止まりになるが、

右側に小さな通路が延びていた。



その通路にはいるとすぐに左に折れ曲がっており、

その先は小部屋になっていた。



小部屋の奥には、変な模様の床があり、

中央には渦巻くような泉(?)があった。



これが旅の扉?



近づいて見てみるが渦巻いていて、その底は見えない。



この中に突っ込むのはかなり勇気がいるんですけど……。



とりあえず、と手を入れてみた……ら、

そのまま身体ごと吸い込まれてしまいました……。



目の前がゆがみ、徐々にブラックアウトしていく。

しかし真っ黒な状態はすぐに終わり、

気が付くと、扉が一つある部屋にいた。

部屋は先ほどより小振りで、

部屋の中央に先ほどの旅の扉がある。



なるほど、旅の扉ってこういう仕掛けなんだ。



小部屋にある扉を無造作に開ける。

……部屋の中に小部屋がある作りになっている。

正面には登る階段。



扉を閉め、階段へ向かう。

階段を登るとそこは森の中だった。

遠くに城が見える。



あれがロマリア、かな?



森には城の方への小道があったので、

その道を通って城へ向かう。



城門は開いており、門番が警備している。

門番にこの城のことを確認すると、やはりロマリアのようだ。



とりあえず、新しい武器を買いに行こう。

……たぶんあるはず。



門番に場所を聞き、武器屋へ向かう。



ロマリアの武器屋は道具屋と同じ建物の中にあった。



武器屋の主人に武器を見せてもらう。



聖なるナイフ
鎖鎌
鉄の槍



おぉ、槍だ。槍だ。

これに決定。

槍を使ってみたい。



主人によると僧侶でも装備できるとか。

ばっちりだね。



あとは防具……鎖帷子が売ってる。

これも買い、と半分衝動買いしてしまった。



おかげでこれまでに稼いだお金がほとんど無くなったけどね。

でもって銅の剣と革の鎧を売り払う。



……革の鎧……昨日買ったばかりなのに。

買うんじゃなかったかな?



この店で一番高い武器と鎧を買ってくれたので差し上げますよ、

とすごろく券というものをもらった。



この城から北に向かったところにすごろく場というのがあり、

そこで双六をして遊べるそうだ。

上手くゴールするとなかなか良い品がもらえるとか。



気が向いたら行ってみよう。



後ろでざわめく声が聞こえたので振り返ると、

そこには階段があり、声はそこから響いていた。



俺の様子を見て、主人が地下に

モンスター同士が戦う格闘場があると教えてくれた。

そこでどのモンスターが勝つかを予想するギャンブルができるそうだ。



ちょっと覗いてみるといい、と言われたので行ってみることに。



地下に降りると、巨大なホールのようになっていて、

中央に闘技場(たぶん)があった。



階段近くの人が、親切にシステムを教えてくれた。

マスクのマッチョマンから掛札を購入し、

その予想が当たっていれば、倍率に応じたお金が返金される。

モンスターの強さに応じて倍率は変化し、

強いと倍率は低め、弱いと倍率は高めとなっている。



とりあえずやってみようと、マッチョマンのところへ向かう。



次の試合はじんめんちょうとさそりばちらしい。



じんめんちょう 3.8
さそりばち   2.1
じんめんちょう 4.1



いや、これは倍率通りさそりばちだろう?

たとえ増殖えなくても、十分強い気がする。



さそりばちで掛札を購入する。



やがて戦いが闘技場の中心で始まった。

じんめんちょうはさそりばちにマヌーサをかけるものの

予想通りさそりばちが勝利した。



2回目。



じんめんちょう 3.7
さそりばち   1.9
じんめんちょう 4.0



えと、同じ組み合わせしかないの?

再びさそりばちの掛札を購入。

結果も前回通り……。



3回目



まほうつかい 3.3
アルミラージ 3.7
まほうつかい 2.9



おぉ、やっと組み合わせが変わった。

いまいち強さがわからないので倍率が真ん中の

まほうつかいAを選択。



あ、ムウちゃんってアルミラージって言うんだ。

それじゃムウちゃんが勝利するんじゃ?



まほうつかいもメラで頑張るが、

ムウちゃんが勝利した。



賭には負けたけど、モンスターの戦い方を調べるには

良いところかもしれない。

この辺にいるときは寄ることにしよう。



まあ、少しは稼いだし今日はここまでにして宿屋に行こう。



宿屋は3Gでした……。

ひょっとしてアリアハンの2Gは安かったのか?




修正履歴
2008/11/09 誤字修正
2008/12/09 パラメータ修正、二つに分けていたのを一つに変更
2008/12/19 脱字修正、文章修正



[4638] 一人旅 13日目
Name: ハロ◆6571bd49 ID:01d8a6f1
Date: 2008/11/10 20:27

13日目



ロマリアの宿屋で目覚める。

なんか久しぶりに熟睡したような気がする。



やっぱり街中の宿屋はいいよね。

塔の宿屋は、別の意味で安心できなかったし。



今日はすごろく場を目指そう。

途中で敵と出会って、

危険そうなら途中で引き返す、と言う方針で。



昨日購入した装備も試さないといけないんだっけ。

槍……いいよねぇ。

早く慣れて使いこなせるようにならないとね。



鎖帷子を着込み、準備を整えると宿屋を出た。

宿屋から城門へ向かい、外へ出る。



城から北へ進む。

やがて森にぶつかるが、迂回するべく森沿いに西へ向かう。



少し進んだところで森は北へ回り込む。



森の中からモンスターが出てきた。

芋虫と紫カエル。



まずは芋虫。

槍を振り上げ、上から刃を落とす。



ちっ、芯を外した。

でも少しはダメージを与えたはず。



横からカエルが何かの液体を拭きかけてくる。

予想していなかったのでその液体を浴びてしまった。



目の前が少しくらむ……毒か!!



気を取り直し、槍をしごいて芋虫にとどめを刺す。

そのまま飛ばし、カエルを切る。



ぐっ、何とか倒したが……毒が……。

バッグから毒消し草を取り出し嚥下する。



歪んでいた視界が、正常な状態に戻る。



凄い効き目だな。

こんなに一瞬で効くとは思わなかった。



しかしこれが毒の威力か。

気をつけないといけないな。

毒消しもそうだけど毒も即効性みたいだしね。



宝石を拾い、再び北へ向かう。



やがて森は東へ向かい始め、途中で平原がとぎれ低山地帯へ変わる。



この辺から北に方向を変えるか。



平原をのんびり進む。

良い天気だ。



北の方の高山は北東方向へ延びているように見えるので、

方向を少し変えて、北東へ進む。



北に森が見えてきた、ところで毒カエルが4体出てきた。



やばい、毒消しがもう無いんだった……。



速攻で倒す!!



中握をを握りしめ、思いっきり突き、1体目を倒す。

2体のカエルが舌を出して攻撃してくるがわざと受ける。

もう1体が毒液を飛ばしてくる。



毒液が一番やばいのでこれだけは確実に避ける。



槍を撥ねて、もう1体を倒す。



1体が舌を伸ばしてきて、右手に絡まる。

もう1体が毒を飛ばしてきたので避けようとするが、

右手の舌のせいで食らってしまう。



くっ……。



舌を絡めてきているカエルに槍を突き倒す。

倒すと同時に舌が緩んだので、舌から右手を引き離す。



残り1体。



舌で攻撃してきたが、それをかわし廻して切る。



はぁはぁ…………。

町まで保つか?



最後に倒したカエルが宝箱へ変わった。

とりあえず、宝箱を空けると中には毒消し草が!!



ありがたい、即毒消し草を使って解毒する。



ふぅ、やばかった。



戻るか進むか……。

今まで来た道と向かおうとしていた森を見る。



ん?森の中に何か建物が?

とりあえず、そこまで行ってみるか。



その建物を目指して進む。



ある意味不自然な建物だ。

小さな城という感じの建物になっている。



入り口に近づくと柵があがり、中へ入れるようになった。

誰が開けたんだ?

姿が見えないけど。



中にはいると軽快な音楽が流れてきた。

入り口の両側にはサイコロを持ったマッチョマンの像がある。

……すごろく場かな?



奥に進むと上から人が落ちてきた。



「あいやーっ。

 まただめだったあるよ。」



…………なんだ、このえせ中国人ぽいしゃべりの奴は………。



無視して奥へ進む。



奥には花壇があり行き止まりとなっている。

右の方には部屋が広がっており、またあのマッチョマンの像がある。



右の方へ進むと、広間に出た。



左の方には……あれは表彰台かな?

右の方には上へ登る階段がある。



2階に上がると、星マークの床が階段の近くに配置されている。

あ、奥の方に人がいる。



「ようこそ、旅人のすごろく場に!

 すごろく1回につき

 すごろく券1枚です。

 おやりになりますか?」


やってみるか。

バッグからすごろく券を取り出し渡す。



「ここはサイコロを10回ふることができます。

 頑張ってくださいね。」



と、スタート地点に案内してくれる。



空中にサイコロが浮いてる……。



サイコロを振る、と言えばあれが転がるらしい。

で、それに従って進むらしい。



「サイコロを振る」

お、サイコロが転がった。

"2"

床の模様に従って進めばいいのか。

"+3"

追加で3マス移動できるそうだ。

2マス進んだところで、道が左右に分かれている。

前に進むと50Gもらえて、右に進むとサイコロを振る回数が1回増える。

これは右かな。



右へ進み、サイコロを振れる回数が増えたらしい。

あ、奥の壁にサイコロを振れる回数が表示されてる。



「サイコロを振る」

"3"

道に従って進むと壺がある。

壺の中には薬草があった。



「サイコロを振る」

"1"

100Gゲット。



「サイコロを振る」

"4"

宝箱があった。

開けるとブーメランが入っていた。



「サイコロを振る」

"5"

3つ進んだところで道が分かれているが、

右へしか進めないらしい。

さらに二つ進んだところの床には"!"と書かれている。

床に乗ると、チャリンチャリンと、お金がこぼれた……。

おいおい、50G失った……。

まあ、進むか。



「サイコロを振る」

"3"

森のようになっている。



「サイコロを振る」

"5"

ん?床に"GOAL"の文字が。

床に乗ると、ファンファーレが鳴った。

おぉ、ゴールだ!!

ファンファーレが鳴り終わると正面の大きな扉がゆっくり開いた。



扉の奥は豪華な部屋のようになっており、

マッチョマンの像が二つあった。

像の間には宝箱が二つ。

そのそばに老人がいてにこやかに話しかけてきた。



「やったな!

 ここはあがりの部屋じゃ

 ほうびの宝をとったなら

 そこの穴からもどれるぞい。

 ともかくおめでとうじゃ!

 そうそう宝をとる前に

 うっかり穴に落ちないようにな。

 またやりなおしになるぞい。」



部屋の奥にある宝箱を開ければいいみたいだ。



右側の宝箱には500G、

左側には剣が入っていた。

銅じゃないな、鉄……鋼?

ロマリアに持って帰ってみてもらうか。



帰りは穴って……右奥に穴があったけど、そこから落ちろと?



穴を指差し、頭をかしげると、

老人はにこやかにウンウンと……。



穴に近づいて見てみると、先ほど下の階で見た表彰台みたいだ。

大した高さでもないので思いっきり飛び降りる。



無事着地。

何とか大丈夫だった。



ん?表彰台の床にすごろく券が……。

もらっておくか。



さて、帰ろう。



ちょっとため息をつきながら、すごろく場を後にする。



帰りは真っ直ぐロマリアを目指す。



少し進んだところで魔法使いが4体出てきた。



槍を振り下ろし1体を切る。

そのまま廻し、2体目。

それを見て驚いたのか1体が逃げていく。



もう1体はそのまま殴りかかってくる……。

ダメージは大したことがない。

そのまま槍で突き、倒す。



うし、余裕。



再びロマリアへ向かう。

森にぶつかるが、そのまま真っ直ぐ進む。



森に入って少ししたところでモンスター出現。

ムウちゃん1体、毒カエル1体、芋虫1体。

まずは毒カエルと、振り下ろし、倒す。



次は、と振り向いたとき、ムウちゃんの角からラリホーという響きが。



………………睡魔が……………………zzz。


zzzzzzzzzzzzzzz。



zzzzzz。



突き刺すような痛みで眼が覚める。



寝てたのか!!

身体中の痛みで瞬時に頭が覚醒する。

身体を見ると傷だらけになっている。



ムウちゃんと芋虫を警戒しながら、ホイミで傷を治す。

そしてムウちゃんに攻撃。

ムウちゃんを槍で薙ぎ、横から丸まって突っ込んでくる芋虫を柄で払う。



再び構え直し、芋虫に対してしごいて突く。

さすがに芋虫は頑丈で1発では倒せないが、

そのまま払って倒す。



ふぅ、気が付くのが遅かったらやばかったかもしれない。



空が赤く染まり始めてる。



歩く速度をさらにはやめ、ロマリアを目指す。

やがて森を抜け、城が見えてくる。



ぬ。



どこから現れたのか、鎧が剣を持って襲ってきた。

兜の中に赤い目はあるが、肉体は無さそうだ。



槍を構えたところで、鎧は剣を振り下ろしてきた。

その剣を捌き、柄で鎧を払う。

そのまま廻し、切る。



鎧は再び剣を振るってくる。

避けようとするが、左腕に剣が命中。



左腕から鮮血が飛び散る。



右腕1本で槍を振るい、なぎ倒す。



鎧はそれで動かなくなり、やがて宝石に変わった。



俺は左腕にホイミをかけ、治す。

血が止まり、傷がふさがっていく。



さすがホイミ、凄いね。



傷は治ったものの、痛みがまだ残っている感じがする。



早くロマリアへ戻ろう。



ロマリアへ到着すると宿屋へ直行し、

部屋にはいり、腕を洗う。



傷口は完全になくなっているし、痛みももう全くない。



左手を開いたり閉じたりして確認するが問題無さそうだ。

やっぱりホイミって凄い。



剣の鑑定とかしてもらいたかったけど、

今日はもう寝ることにした。



あとがき
なんとか一つ分で収まった……。



[4638] 一人旅 14日目
Name: ハロ◆6571bd49 ID:01d8a6f1
Date: 2008/12/09 21:05

14日目



今日はどうするかな……。

と、まずは武器の鑑定か。



武器屋に到着し、昨日手に入れた剣を見てもらう。



「うーん、これははがねのつるぎだな。

 その持ってる槍より切れ味は良いと思うぞ。」



鋼の剣だったか。

でも今は槍が気に入っているので売り払った。

結構良いお金になった。



ついでにブーメランも売る。



「しかしそれを売っちまうと

 2度と手に入らないかもしれないぜ。

 いいのかい?」



いやいや、そんな使いにくそうなものいらないって。

滅多に手に入らないものなら高く買い取ってくれるかと思ったが、

鋼の剣より安かった……。



用事も終わったし、外に行くか。

昨日のすごろく場のあたりでレベルアップに勤しむか。



門を出て北へ向かう。



森をそのまま北進する。

途中でムウちゃんが出たけど2体だけだったので、楽勝。



森を抜けた後は、低山地帯に入りそのまま北へ。



お、緑蜂と、でかいカニ!!



ジュルリ…………。

食べれるかな?



カニがはさみで攻撃してきたので避けつつ、

上から槍を振り下ろす。



カンッ。



やっぱり甲羅は固いか。



蜂の攻撃はもう慣れた。

前の蜂と変わらない感じなので、余裕で避ける。



カニが再びはさみを振り上げてきた。



口ががら空きだ!!



俺は口に向かって槍を突き出す。

槍はしっかりとカニの口に刺さる。



あ、泡吹いてひっくり返った。



後は蜂を倒せば料理できる。

蜂を料理すれば終わり……?あれ?



ま、いいや、と突っ込んできた蜂を薙ぐ。



お、軌道を変え、槍を避けた。



油断しすぎたかな。

気を取り直して、槍を振り下ろし倒す。



うし、カニ鍋、カニ鍋♪



…………カニは既に消えて宝石になってました……。



あれだけ大きければ食べ甲斐があったのに残念だね。

生け捕りにしないとならないのか?

いや、死んだ時点で宝石になるんだろうから無理か。



諦めて歩き出す。



ん?あの峠の向こうに集落?



低山地帯はしばらく北へ続いているが、

東西には高山地帯がある。

そして、北側には一部だけその高山が無く

その合間から集落のものと思われる幾筋かの煙が見えた。



あそこに行ってみるか。



峠を越えたところで集落がはっきり見える。

盆地という感じかな。

盆地には少しばかりの草原と森、その中央に町があった。



山を下り、草原地帯を抜け、たどり着く。

入り口近くにいる人に聞くと、カザーブというらしい。



町の雰囲気は結構のんびりしてるね。

周りにはモンスターがあまりいないのかな?



そんなことはないよなぁ。



お、武器屋がある、ちょっと覗いてみるか。



武器屋にはいると壁に楯が飾ってあった。

青銅の楯とうろこでできた楯。



スケールシールド!!



衝動買いしちゃいました……。

右腕にはめ込むタイプの楯なので、

武器の扱いには問題ないっぽい。



うし、早速試しに行こう。



町の外に出てうろちょろする。



緑蜂が一杯出てくる。

緑とはいえ余裕だね。



なんか仲間を呼ぶこともなく、無事全部倒せた。



この辺には蜂の巣でもあるのかな?

どこかに女王蜂とかいたりして…………。

そんなのとは戦いたくないなぁ。



やがて日が沈み始める。

そろそろ戻ろうかと、カザーブの方に向かおうとしたところで

腐った犬が2体が蜂2体と一緒に出てきた。



…………バイ○ハザード?



感染したくないです。

T-○ィルスなんていやです。



え、まさか、あの蜂もウィルス感染済みの蜂?

既に何度か刺されたんだけど…………。



うぉ、飛びかかってきた。



槍でなんとか払う。



もう1体も飛びかかってくるが、それは避ける。



とりあえず蜂は無視して、犬を倒すか。

うわぁ……眼が……どろっと出てるよ……。



槍を振り下ろし倒す。



弱くて良かった。



もう1体の犬は飛びかかってきたところを、

楯で受け、そのままはじき飛ばす。



そのまま槍を横に振り回し、犬の頭を薙ぐ。



残りは蜂のみ。



1体はなんか逃げていったけど、

もう1体は突っ込んできたところを突き、倒す。



この世界ってドラクエだっけ?

じゃ、ウィルスとか無いよね、よね?

FFだったらあり得そうだけど……。



森を抜けたぐらいで日が暮れた。



早く戻ろう。



あ、またなんか出てきた。

芋虫2体と……コウモリ羽の男?が2体。

吸血鬼とかそんな類?



血を吸われたら仲間になってしまう?

何でこんな感染とかしそうなのばっかり出てくるんだ……。



羽男に槍で攻撃する。

うし、倒せた。



もう1体がマホトーンと、唱えてくる。

マホトーン?

なんだろう?



芋虫は尾を振り上げ振動させ、スクルトを唱える。

え、防御力アップ!?



まずは羽男だ。



槍をしごく。

そして振り上げ羽男を切り裂く。



あとは芋虫だ。



芋虫は2体とも転がってきた。

1体を避け、1体を楯で受ける。



うん、痛くない。

前は素手で受けたもんなぁ。



楯にぶつかってきた奴に、軽くジャンプして上から突き刺す。



素早く槍を抜き取り構える。

残りは芋虫1体。



再び丸まって転がってきたところを、

軽く横にステップして、槍を横に振るい切り裂く。



何とかなったね。

まさか魔法を唱えるとは思わなかった。

特に芋虫。



しかしマホトーンってなんだろう?



そこでレベルアップ音が響いてきた。



職業:けんじゃ
レベル:11
ちから:30
すばやさ:39
たいりょく:59
かしこさ:23
うんのよさ:58
さいだいHP:118
さいだいMP:47

使える魔法:
 メラ、ホイミ、ニフラム、スカラ、ピオリム、ヒャド
 ギラ、マヌーサ、ルカニ、スクルト、リレミト、ラリホー
 イオ、キアリー



お、例のイオが使えるようになった。

見えている敵全体に攻撃できるんだ。



あとはキアリー……毒消しか!!

これは便利だ。

これは僧侶系だよね。



今日は良い収穫だった。



この日はカザーブに宿泊しました。


修正履歴
2008/12/09 パラメータ修正



[4638] 一人旅 15日目
Name: ハロ◆6571bd49 ID:01d8a6f1
Date: 2008/11/12 21:28

15日目



カザーブの町の宿屋……か。

一瞬、どこにいるのか判らなかった。



今日もレベルアップに勤しむか。



ということで、外に来ました。

しばらく歩いているとカニとキモ蝶がそれぞれ2体ずつ出現。

まずは蝶だな。



槍を突き、キモ蝶を倒す。

しかしもう1体がマヌーサを。

カニのはさみ攻撃が3重に見える!!



とりあえず、全部避けておけば大丈夫だろう。

うん、大丈夫。



キモ蝶も3体に見えているが、上手く軌道を合わせて

3体ともに当たるように槍を振るい、倒す。



カニのうち1体がはさみを振り上げ振るわせる。



……カニが増えた……。



カニの弱点は口だったけど、この状態では……。

避けることはかろうじてできるが、

こちらの突きも命中しない。



動き回り疲れ、動きが遅くなったところにカニのはさみが命中する。

その瞬間、俺はそのはさみを腕でつかみ、もう片方の腕で槍を突く。



命中。



肉を切らせて骨を断つ……か。

でも仕方がない、と諦め、同様にもう1体を倒す。



残り1体。

だが、また仲間を呼んだ。



元からいた1体に槍を突く。

よし、命中した。



あとは呼び出された1体のみ。

時間をかけるとまた仲間を呼ばれかねないので、

先ほどと同じように自らの身体を囮にして槍を突く。



ふぅ、やっぱりマヌーサは危険だな。



ホイミを唱え傷を癒し、再び歩き出す。



お、また緑蜂だ。

4体だね。



まあ、余裕。

1体を攻撃開始前に突き、その返す刃で突っ込んできた1体を倒す。

残りは避けようとするが、1体の攻撃が少し動きが違った。



緑蜂の針が俺に刺さる。

その瞬間全身に電気が走ったような感じを受けた。

そして……体が動かない!!



筋弛緩系の毒か!!

やばい。



蜂達は動かない俺に攻撃を加え、俺は動けないまま地面に倒される。

蜂は飛ぶのをやめ、歩いて近づいてくる。



その口先をカチカチ動かしながら……。

俺はそれを見ながら、死を覚悟した。



その時だ。

どこからか笛の音が聞こえてきた。



蜂達はピタッと動きを止め、笛の音が聞こえる方向へ頭を向ける。

俺もそちらを見たいが頭すら動かない。



やがて蜂達は飛び立ち、笛の聞こえた方向へ飛んでいく。



「キャー、来た来た♪」

「よっし、にっげろー♪」



場違いな楽しそうな声が聞こえる。



「もう大丈夫ですよ。」



俺のすぐ後ろから、落ち着いた雰囲気の声が聞こえてきた。

俺は振り向いた。



体が動く!!



そこには道具屋の主人のような人が、しゃがみこんでいた。



「まんげつそうです。麻痺に効くんですよ。」



たしかに体のしびれが取れている。



「あ、ありがとうございます。」



なんとか礼を言ったが、遠くでピエロと踊り子が

蜂相手に逃げ回っているのが見えたので

すぐ槍を掴み直し、蜂を追いかける。



「とりあえず、蜂を倒した後で。」

「ええ、お願いします。」



商人はその行動がわかっていたのか、即座に返事をする。

俺は蜂に向かって走り始める。



踊り子もこちらに気がついたようだ。

「あ、キタキタ。」

右往左往していたが、こちらに向かってかけてくる。

それに合わせてピエロも同じように走ってきた。



俺は走りつつ槍を振り上げる。

「「あとはよろしく♪」」

すれ違いざまにピエロは俺の肩を軽くたたき、

踊り子は投げキッスをしてくる。



俺は軽くうなずき、ピエロたちを追いかけてきた蜂に槍を振り下ろす。



もう1体も改めてこちらを攻撃目標にしたが、

突撃してくる前に槍で突き、倒す。



危なかった……彼らのおかげだ。



ピエロと踊り子は何かのリズムをとりながら、

商人はのっそりとこちらに近づいてくる。



「あぶなかったわねぇ♪」

「でもそのあとはさすが、賢者だねぇ♪」

「うんうん♪」



は?

何と言った?



「どうしたんですか?」

「いや、俺のことを賢者って……。」

「ああ、雰囲気でね、判るんですよ。私みたいな商人は人を見る目が大事ですし、

 彼らにしても人を見る目がなければ楽しませることができませんしね。」

「そうなんですか?」

「ええ、普通の人には判りにくいかもしれませんね。

 でも最近では賢者の方も増えていますから、

 わかりやすくなっていると思いますよ。」

「増えているんですか?」

「異世界からの冒険者の10人に1人が賢者だそうです。」



……そんなに賢者が……。

俺が隠そうとしていたのは何だったんだろう……?



「隠そうとしていたの?ダメダメぇ、そんなんだから死にそうになるんだよ♪」



俺の表情から考えを読み取ったのか、追い打ちをかけてくる。



「え、隠そうとしていたんですか?」

「ええ、まあ、なんか賢者ってすごそうじゃないですか。

 なので変なことに巻き込まれないように、と……。」

「そうでしたか。でもミネアの言う通りですよ。」



 ミネアというのは彼女のことですよ、と続けて言ってくる。



「自己紹介が遅れました、私はサトルといいます。

 あなたと同じ異世界から来た人間ですよ。

 あ、あそこで遊んでいるピエロも私たちと同じく異世界出身です。

 名前をアツシといいます。」

「俺はリョウといいます。」



こちらも名乗り返す。



「確かに彼女の言う通りですね。」

「落ち込まないでください。

 今まで無事だったんですし、

 これから変えていけば良いんですよ。」

「そうですね…………。」

「あ、そうだ。ついでと言ってはなんですが、

 カザーブの町まで護衛をしてくれませんか?」



なんか気まずい感じもする。

自分の失敗で死にかけたところを助けてもらった恩人の護衛、か。

その手助けをするのはいいんだが……。



「気まずいですか?」



見透かされている感じだ。



「私たちは遊び人と商人という変なパーティです。

 こういうパーティもあると学ぶことは今後の貴方のためになると思いますよ。

 たとえ短い間でもね。」



なんか全部見透かされてるなぁ。

人間として格が違う感じがする。

ありがたく受けよう。



「ありがとうございます。

 勉強させてもらいます。」



なんとか返事をすることができた。

サトルはそれを微笑ましそうに見ている。


「よかった。

 彼らとの旅は非常に楽しいのですが、

 少し怖いのも事実なんですよ。

 なんせモンスターの目の前でも遊びますからね。」



サトルはにこやかにそんなことを言う。

モンスターの前でも?

そういえばさっきも遊んでいたような……。



「あ、そうそう、先ほどのまんげつそうの代金ですが、40Gになります。」



……なんか、ガックリ来た。

いや、まあ、払うのは当然だけどね。

笑いながらバッグからお金を取り出し、サトルに渡す。



「まいど。」



サトルは先ほどよりもにこやかだ。



その後はカザーブに戻り、みんなで酒場へ。



アツシとミネアは軽く食事をすると酒場の中央で芸を始めた。

酒場は非常に盛り上がり、立ち見まで出始めた。

少しすると客まで巻き込み、踊り始める。



俺とサトルはそれを見ながら食事を続けた。

彼らはしばらくここで稼いだ後、北を目指すらしい。



うーん、そのときには俺も連れて行ってもらうか。



善は急げとその話をするとサトルに喜ばれた。

その時まではこの近くでレベルアップに勤しもう。

これからは魔法も使って。



その後は先に宿屋に戻って寝ました。



あ、酒場の代金はお礼代わりに支払っておきました。



[4638] 一人旅 16日目
Name: ハロ◆6571bd49 ID:01d8a6f1
Date: 2008/12/09 21:06

16日目



朝、目が覚めて外に出ると、一人の男が声をかけてきた。

記憶にはないし、誰だろうといぶかしんでいると、

それに気がついたのか笑いながら名乗ってきた。



ピエロのアツシでした……。



…………いや、まあ、化粧に衣装だというのはわかっていたけどね。

素顔で、普通の服だとさすがに気がつかないよ。



昨日は遅かったはずなのに、朝が早い。



「これでも冒険者、だからね。」



そんな軽い回答でした。

ピエロも冒険者になるんだ……。



そのあと食事の時間までいろんな話を聞いた。



元の世界でも大道芸人をやっていたこと。

でも向こうの世界でも面白がってくれる人はいるけど、

嘲笑うような眼で見てくる人も結構いたこと。

今思えば些細なことだったんだけど、自分にとってはかなりきつくて

もうやめようかと思っていた矢先に、この世界に来たそうだ。



この世界を見て最初に感じたのは、人々の様子が暗かったこと、らしい。

表面上は明るくふるまっていてもやはり魔王の侵略のためか

どこかにかげりを帯びている。

俺にはそこまでの様子が感じ取れなかったが、

その様子の違いは元の世界とでは雲泥の差に見てとれたという。



そして、その人たちを少しでも元気づけることができれば、

と思い始めたらしい。



そんな時に酒場にいたミネアと出会い、

彼女に合わせて、元の世界のいろんな芸をして見せたところ、

一時的とはいえ、心の底から笑う人たちを見ることができた。



そのときのうれしさは言葉に表すことができない、と。

そして大道芸人を目指したときの気持ちを思い出したそうだ。



ミネアも同様の気持ちでいたらしく、

二人は組んでさらに頑張っていたそうだ。



だがお金に関しては疎かったため、

日々の生活がどんどんと困窮していった。



その頃に出会ったのがサトルだ。



詳しいことは聞いていないが

サトルも元の世界で色々あったらしく、

この世界に来た時はかなり落ち込んでいたそうだ。



町の外に出る決心も付かず、いっそのこと自殺でもするかなどと

考えていたときに、酒場で芸を見せる彼らを見つけた。

最初は何気なしに見ていたそうだが、

徐々に引き込まれ、励まされたらしい。

元の世界に戻れるかどうかはわからない。

だけどもその時まではしっかり生きていこう。

そんな考えを持つことができるようになったそうだ。



そして、考えを改めることができた礼を言おうと

彼らのもとに会いに来たら、彼らの余りにも困窮していたため

私がプロデュースしてやる、とばかりに一緒に行動し、

生活全般の面倒を見てくれるようになったそうだ。



生活も安定し、今度はこれを世界に、と旅に出てきたそうだ。

戦闘中も芸をしているのは、それこそ命がけで芸をしていることの証。

それだけのことをしているからこそ観客は喜んでくれる。

こんな世界の状態でも生きる希望を少しでも見いだせれば、と。



「とはいえ、危険だからね。護衛についてくれると非常に助かるよ。」



「わかりました。どこまでできるかは判りませんが、精一杯やります。」



アツシの笑顔に、同じく笑顔で答えた。



自分には確固たる目的がない。

だけどその目的を持っている人を手伝えるだけでも

嬉しいと感じられる。



自分にどれだけの実力があり、何ができるのか。

魔法や武器の扱いと言うことではなく、人間として。



そのためにもまずは魔法を使った戦い方だね。

魔法の特性を理解し、戦術に組み込む。

そうすれば、3人を守る戦いもできるはずだ。



そう決めると、アツシに礼を言い、町の外へ向かう。



昨日のこともあるので町から余り離れずにいよう。



少し歩いていると鎧とホイミスライムが1体ずつ現れた。

鎧にマヌーサを唱える。

これで避けやすくなるはず。



鎧は剣を振り上げたが、攻撃はしてこない。



ホイミンが増えた!!

こいつはホイミンを呼ぶのか。



元からいたホイミンは鎧にホイミをかける。



たしかホイミンはホイミと触手による攻撃のみ、

鎧は剣での攻撃とさっきの呼び寄せ、だけのはず。



良い練習台かもしれない。

ホイミンにメラを唱える。



手から飛び出した火の玉はホイミンに命中するが倒すには至らない。



その間に鎧はさらに1体のホイミンを呼び出した。

1体のホイミンが攻撃されたホイミンにホイミを唱える。



攻撃されたホイミンがこちらに触手を伸ばしてくるが避ける。



次は……まずは自分にスクルトをかける。



唱え終わるぐらいのタイミングで鎧が攻撃をしてくるが、

ずれたところを攻撃する。



マヌーサの効果か。



ホイミン3体は互いにホイミを唱えている。



ホイミン1体に向けてヒャドを唱える。

ホイミンの下の地面から氷柱が飛び出し、ホイミンに命中。

倒してしまったようだ。



鎧が剣で攻撃してくるが、楯で受ける。

鎧の攻撃が弱く感じるが、これがスクルトの効果か?



そんなことを考えていたためホイミンの攻撃を受けてしまうが、

全く痛みがない。



スクルトの効果っぽいな。



残りのホイミンはまたも互いにホイミを唱えている。



とりあえずはこんなものか?



鎧に攻撃を仕掛ける。

しかしすぐにホイミン回復される。



鎧は再びホイミンを呼び出す。

ふむ、ホイミンから倒さないとならないか。



その後は、ホイミンを6体倒したところで追加が出てこなくなり、鎧を倒しました。



ホイミンが一緒に出てきたときには、

先に倒した方が良いみたいだね。



あ、でも一撃で倒せる場合はホイミンより先の方が良いのかも。

ホイミンの攻撃は大したことがないしね。



次に出てきたのはゾンビ犬4体。



まずはマヌーサ。



おぉ、3体の犬が変なところに飛びかかっている。

1体はこちらを攻撃してくるが、槍で切る。

綺麗に命中したのか、倒せた。



残りの3体も同様に倒すことができた。

マヌーサって怖いけど使う側だとかなり便利だね。



というところでレベルアップした。



職業:けんじゃ
レベル:12
ちから:32
すばやさ:40
たいりょく:63
かしこさ:25
うんのよさ:59
さいだいHP:127
さいだいMP:50

使える魔法:
 メラ、ホイミ、ニフラム、スカラ、ピオリム、ヒャド
 ギラ、マヌーサ、ルカニ、スクルト、リレミト、ラリホー
 イオ、キアリー、ボミオス、ルーラ、バギ



ボミオス……敵の素早さを下げる、ね。

使いどころが難しそうだ。

素早い行動をする奴にかける、と言う使い方だろうね。



ルーラ……立ち寄ったことのある町へ飛ぶ。

キメラの翼と同様っぽいね。



バギ……切り裂く竜巻を作って攻撃。

かまいたちを作るような感じか。

ギラが炎系で、バギが風系という使い分けかな?



その後は夕方まで何も出てこなかった。

町に近すぎるからかな?



仕方がないので町に戻った。



酒場ではアツシたちがまた盛り上げているようだ。

サトルはその手伝いをしている。

主にお金を集めている感じだ。



軽く頭を下げ、少し離れたところで食事をする。

途中サトルがやってきたので、

どのぐらいいる予定なのか確認するが、

まだしばらくはここにいるそうだ。



食事を終えるとすぐ引きあげ明日に備えることにする。

明日もまた魔法との連携訓練だね。



宿に帰って気が付いた。

自分一人なんだからスクルト(パーティの防御力を上げる)じゃなく、

スカラ(味方一人の防御力を上げる)でいいじゃないか……と。



修正履歴
2008/12/09 パラメータ修正



[4638] 一人旅 17日目
Name: ハロ◆6571bd49 ID:01d8a6f1
Date: 2008/11/15 21:07

17日目



朝起きて、外を見ると既にアツシが起きていた。

芸の練習をしているようだ。



邪魔をしては悪いので軽く頭を下げるだけにして町の外へ向かう。



今日もレベルアップに勤しもう。



昨日は町に近すぎて余り出てこなかったので

今日は少し離れることにする。

と言っても町が十分視認できる範囲で。



町の北の低山地帯でうろちょろする。



緑蜂。

ギラで全滅した。



カエル。

キアリーがあるので毒は平気だが、

用心のためマヌーサをかけてから倒す。



カニ。

スカラ&ピリオムで相手からの攻撃を防ぎ、

1体だけ残して仲間を呼ばせては倒す。

合計7体撃破。



魔法使うとかなり余裕になるね。



その後に初のモンスターが。

緑カラス、雲(?)、ゾンビ犬。



いや、またバイ○ハザードですか?

このカラスもなんか怪しい……。



そう思っていたら緑カラスが攻撃してくる。

シャガラスより攻撃速度がある、

が攻撃パターンは同じなため、簡単に倒す。



そちらに気をとられているところにゾンビ犬の突撃。

楯で防いだつもりだったが、爪で引っかかれてしまった。



そして雲は少し膨れあがったかと思うと

メラを唱えて火の玉を出してきた。



……雲なのに火?

雷じゃなくて?



さすがにこれは避けれないので覚悟して受ける。

楯を前に構えたので少しはましだった……と思う。



まずは、と雲に槍を振り下ろす。

言葉通り霧散した。



倒せたんだよね?

あ、宝石に変わったから間違いなく倒せたんだろう。



残りは犬。

1体だけなら余裕とばかりに突撃してきたところを槍で突き、倒す。



雷系の魔法とかもあるのかな?

あったらこんな金属製品ばかり

身につけている状態じゃ非常にいやなんだけど。



その後は、特に珍しいモンスターもなく、

適度に魔法を使って倒していった。



ラリホーが意外に使えない。

カニ4体に使って、動かなくなったのが1体とか……。

逆にカニにはルカニが非常に有効だった。

さくさく切れた。



ゾンビ犬にはニフラムが有効だったけど。

なんか、ねぇ……。

余り面白みがない。



使い勝手がいいのはマヌーサ、スカラ、ギラ、イオといったところかな。

一人じゃないときはスカラじゃなくスクルトがいいんだろうね。



気が付くと夕方になっていたので町に帰ろうとしたところで

変なモンスターが……。



真っ黒なんだけど非常に薄っぺらい感じで、

影が起きあがってきた感じだ。



よく判らないけどとりあえず、と槍を振り下ろしたら

雲よろしく霧散した……。



宝石に変わったから倒したんだろうけど、

なんだったんだろう?



まあいいや、町に帰ろう。



町までの道中、と言っても大した距離でもないが、

何事もなく、日が暮れる前にたどり着いた。



昨日と同じく酒場にいくと、さらに盛況になっていた。



こういう娯楽は少ないんだろうね。



サトルが顔を出してきて、

明日にはここを出発して、北にある町ノアニールを目指すと伝えてきた。



いよいよ明日だ。



了解の旨を伝え、食事を済ませると宿屋に戻って寝ました。



[4638] 一人旅 18日目
Name: ハロ◆6571bd49 ID:01d8a6f1
Date: 2008/12/09 21:06

18日目



朝起きて、準備を整えて外に出ると、

既にサトルたちは準備を終えていた。



アツシとミネアは既に化粧も終えていた。

そういえばミネアの素顔ってみたことが無いけど、

それは言っちゃ駄目か。



「それでは行きましょうか。」



サトルがみんなに声をかける。



槍をしっかり握りしめ北の空を見る。

今日も綺麗に晴れている。



心持ちアツシとミネアの顔も引き締まったような気がするが、

すぐにいつもの顔に戻った。

引き締まるのは当然なんだろうけど、

それをすぐに隠すことができるのはさすがと言うべきか。



サトルはいつものようににこやかにしている。



やがてサトルが歩き出す。

それに従って、アツシとミネアが続き、

その後ろから俺が着いていく。



先導すべきなんだろうか?

いや、それだと後ろから襲われた場合に対応できないし、

誰も何も言わないから、このままでいいんだろう。



町を出て、北に。

やがて低山地帯に入る。



パーティでいるから襲ってこない、と言うわけでもないだろうが

モンスターに襲われることなく低山地帯を抜ける。



低山地帯を抜ける少し前に、北西に町が見えた。

とりあえずはあそこを目指すらしい。



そういえばアツシが今日は口笛を吹いていない。



聞いてみたところ、あの口笛はモンスターを呼び寄せるんだよ、

と口笛を吹いた。



そのとたんどこからか雲2体と緑の芋虫が2体出てきた。



「ね?」



いや、ね?、じゃないから。



慌てて、槍を握りしめ雲に斬りかかる。

雲は霧散する。



サトルはどっこいしょと、荷物を降ろした。

そしてその上に座って、休憩の構えのようだ。

アツシは転がってきた芋虫に飛び乗って玉乗りしてる。

ミネアはがんばれー、と言う声援とともに拍手している。



…………………………ミネアの声援はどっちに向けてるんだろう?



残った雲は膨れあがって、俺に襲いかかってくるが大きく飛び下がって避ける。

もう1体の芋虫の突撃は何とか楯で受ける。



アツシが乗っていた芋虫は転がるのを止めた。

そのタイミングが判っていたのかアツシは飛び降りざまに何かを投げた。



平たい棒のような物体は回転しながら、

モンスターにぶつかっていく。



あれはブーメラン!?



ブーメランは雲を突き抜け、芋虫に命中し跳ね返る。

跳ね返った先にはもう1体の芋虫がいて命中。

最後にアツシの手元に戻る。



一瞬あっけにとられそうになるが、

気を取り直し、まだ霧散していない雲を切り裂き倒す。



芋虫は今の攻撃に驚いているようで、頭を左右に振っている。



それを見たアツシが近くに転がっていた石を拾い上げ

芋虫に投げようとするが、自分の頭に命中。



思いっきり痛がっている。



ミネアはそれを見てキャッキャッと笑っている。



いかんいかん、つい見とれてしまいそうになる。

慌てて槍をしごいて、芋虫に飛びかかる。

上から槍を突き入れ倒した。



残り1体。



芋虫は丸まってこちらに突っ込んでくるが、

横にステップし槍で切り裂く。



何とか撃破したけど……。



サトルが腰を上げ近づいてきた。



「私の気持ちがよく判るでしょう?」



いやいや、あなたも同類のように思えるのですが……と

心で思いつつ、苦笑いだけで返す。



「さあ、行きましょう。」



サトルが先を促し、再びみんなで歩き始める。



歩きながらアツシにブーメランについて聞くと、

ロマリアで購入したらしい。



「なかなかうまいでしょ?

 昔、大会で優勝したこともあるんだよ♪」



「うんうん、凄い凄い♪」



俺が返事をする前にミネアが返事したので、

俺は苦笑するだけになってしまった。



あのブーメランは俺が売ったものかな?



その後、特にモンスターが出ることもなく町へたどり着いた。



アツシには口笛はしないようにお願いしておいたけど、

便利なこともありそうなので、後で教えてくれるように頼んだ。

さすがに芋虫乗りは教えてもらう気にならないけど……。



この町はノアニールというらしい。

少し前までエルフの呪いで眠り続けていたそうだ。



だからというわけではないだろうけど、

いろいろな芸をやってくれる人たちは

大歓迎という感じで受け入れられた。



早速、と言うことで町の中央で芸を披露することになった。



俺はその間にと、町の近くでレベルアップに勤しむことにする。

町の北は森になっており、そこなら町から離れなくても出てくるだろう。



予想通り、町から大して離れていないところで

モンスターが出てくる。



特に目新しいモンスターが出ることもなく難なく倒す。



イオを初めて使ったけど、巨大な火の玉が出て、

それが分裂してモンスターに当たるという、なんかとんでもない魔法だった。



バギは竜巻が発生し、モンスターを切り裂いた。

かまいたちを含んだ竜巻かな?



そういえば、ゾンビ犬がボミオスを唱えてきて、

動きが少し鈍った。

頭で考える動きと、実際の動きが異なるという違和感は

かなり攻撃力に影響された。

ボミオスってこういう風に使うんだね。



やがてレベルアップ音が聞こえてきた。



職業:けんじゃ
レベル:13
ちから:35
すばやさ:41
たいりょく:68
かしこさ:27
うんのよさ:60
さいだいHP:132
さいだいMP:54

使える魔法:
 メラ、ホイミ、ニフラム、スカラ、ピオリム、ヒャド
 ギラ、マヌーサ、ルカニ、スクルト、リレミト、ラリホー
 イオ、キアリー、ボミオス、ルーラ、バギ、マホトーン



マホトーン?

この間、羽男が唱えてきた奴か。

……魔法を封じ込める!?

あのときは体力が十分だったけどやばかったんだ……。



日が落ち始めたので町へ戻ると、

町の中央が宴会場と化していた。



簡単な舞台が作られ、その上でアツシとミネアが芸を見せる。

周りで子供たちが一緒になって踊る。

さらにその外側では大人たちが酒を酌み交わし楽しんでいる。



これが彼らの目的なんだよなぁ。

わずかな時間でこれだけのことをやってのけるとはさすが。



ぼんやりその様子を見ているとサトルが近づいてきた。



サトルの話によるとこの町の住人の若い男が

エルフの王女と恋に落ち、駆け落ちを計ったらしい。

そしてそれを怒った女王が町の住民に呪いをかけ

約2年ほど眠らされていたそうだ。



少し前に勇者が訪れ、その呪いをといたらしい。



その話を聞いて、明日はエルフの村を目指すことにしたらしい。

何日かいるつもりかと思っていたけど……。




勇者と言えば、とサトルが話を続ける。

「勇者の父親のオルテガという人が少し前、

 といってもここの人たちの感覚なので2年以上前でしょうか。

 その頃にここを訪れ、アッサラームという町へ旅立ったそうですよ。」



アッサラームというのはロマリアの南東にある町らしい。



しばらくすると宴会はお開きになった。

結構早い時間から始まったようなので当然といえば、当然か。



アツシとミネアも疲れてはいるようだが

まだ余裕がありそうだ。



どんな体力をしているんだ……。



その後は町の宿屋へ行き、大人しく寝ました。



あ、口頭で、だけど呼び寄せ口笛を教えてもらいました。

今度、練習してみよう。



修正履歴
2008/12/09 パラメータ修正



[4638] 一人旅 19日目
Name: ハロ◆6571bd49 ID:01d8a6f1
Date: 2008/11/17 21:43

19日目



ノアニールの宿屋で目覚める。

今日はエルフの村へ出発する。



ノアニールの人々は1日だけしかいなかったため

非常に残念がっている。

また来て欲しいという意思表示なのか、

宿屋の主人は食料を多めに包んでくれた。



連れだって町の出口へ向かうと、

幾人かの人が見送りに来てくれた。

泣いている小さな女の子もいる。



これが彼らが望み、そして作り出したもの、ということなんだろうね。



町を離れる俺たちに、見送りの人たちは手を振り続けている。

アツシとミネアは、時々振り返っては

遠くからも見えるように大きく手を振り返す。



やがて人々の姿は見えなくなる。



エルフの村はノアニールの西。

平原地帯を西に突き進み、平原の西の端から森へと入る。

森に入ったら、そのまま真西へ進めば辿り着けるそうだ。



途中で蜂と蝶が出たがイオで一掃。

他には何も出ずに平原地帯の西の端まで到着する。



ここからは視界が悪くなるので気をつけないとね。



周囲に気を配りながら歩く。



アツシが時々つまずいて転んでいるが、

あれはわざと……だろうね。

ケガはないようだし放っておこう。



ミネアはどこで手に入れたのか花を手に、

髪飾りを編みながら歩いている。



サトルはいつもの通りにこやかに歩いている。



やがて森が開けた。

巨大な木があり、そこからの木漏れ日が

幻想的な雰囲気を醸し出している。



少し進むと緑の髪の女の子がいた。

耳が尖っている。

エルフに間違いないな。



サトルがにこやかに話しかけた。



「こんにちは。」



「ここはエルフのかくれ里よ。

 あっ人間と話しちゃ

 いけなかったんだわ。

 ママにしかられちゃう。」



その少女はそう言ってそっぽを向こうとするが、

アツシとミネアの姿に興味津々な様子だ。



それを見て、ミネアは踊り始めた。

アツシも手拍子でそれに合わせる。



やがてアツシもミネアとともに踊り始めるが、

その時には少女は完全に見入っていた。



それだけではなく気が付くと、

木の陰から幾人ものエルフが覗いている。



エルフたちもあっという間に虜にするとは、さすが。



そのエルフたちに笑顔を向けるが、隠れられてしまう。

場合によっては逃げていく。

いや、まあ、完全武装してるけどさぁ……。



というか、アツシたちの邪魔をしてるっぽい。

ここにいない方がいいかもしれない。

俺は村の入り口付近で待つことにしよう。

あの様子なら大丈夫だろう。



そんなに広いところでもないので、

何かあってもすぐに駆けつけることができるだろうしね。



そう考えるとサトルにこっそり話しかけた。

サトルも同じ事を考えていたらしい。



了解が取れたので、俺はそっとこの場所を離れ入り口付近へ向かう。



入り口付近では何度かモンスターを見かけるが、

中に入ってこようとはしない。

結界みたいなものでも張られているんだろうね。



アツシたちの音が少し遠ざかる。

奥の方へ進んだのだろう。



………………



…………………………



……………………………………



かなりの時間が経ったころ、サトルがひょっこり現れた。



アツシたちの芸はかなり気に入られ、

エルフの女王との謁見までかなったそうだ。



そして、いろいろな話を聞いた。



人間の男とエルフの王女が恋に落ちたが、

女王はそれを許さなかったこと。

その結果、二人は駆け落ちをするのだが、

その際にエルフの宝を持って行ってしまったこと。

勇者が近くの洞窟でそれを見つけてきたが、

そこには王女の書き置きがあり、二人が死んでしまったこと。

女王はそれを後悔しているが、

それでもまだ人間が好きになれないこと。



その話を聞き、サトルは説得を試みたそうだ。



今のままでは再び同じような悲劇が起きる可能性があること。

すぐに好きになるのは無理だろうけど、

連れの芸を見ているエルフたちの様子を見ていると

そう遠くない日に、仲良くできる日が来るだろうこと。

これからもこの村を訪れる人間が来るはず。

その時にトラブルが発生しないように

自分たちが何とかしたいと考えていること。



魔王の侵略が進んでいる世界で話し合いができるもの同士で

いがみ合っているのではなく、仲良くしていきたい。

アツシたちの芸は、人間もエルフも楽しめるものだ。

そういった共通の楽しみから、道が見いだせるはず。



サトルの話にやがて女王は滞在の許可を出したそうだ。



その後はとんとん拍子に話が進み、

サトルはエルフの村に道具屋を出すこととなった。

アツシとミネアは、この村のエルフたちや

旅人を楽しませるための食堂兼宿屋を。

食堂には勿論ステージを作る。

建物に関してはエルフが手伝ってくれるそうだ。



そうして交流していくことで

徐々に種族間の確執は失われていくことだろう。



そしてサトルは謝ってきた。



護衛をお願いしておきながら、

わずか2日で、ここに長期間留まることになったことを。



その謝罪を俺は断った。

護衛は俺が望んだことであり、

わずか2日でも自分にとっては大きな収穫だったことを説明した。



だがサトルたちがここに留まる以上は

俺がここにいる意味もない。

何か目的があるわけでもないが、

武装した状態で入ってきた俺の姿をエルフたちが見ている。

俺が留まることは彼らにとっては邪魔になるだけだろう。



それを見て取ったのか、アッサラームを目指してみては、と

サトルがある提案してきた。



「このあたりのモンスターより

 はるかに強力なモンスターが出るという話なので

 かなり気をつけなければなりませんが、

 勇者の父親であるオルテガが向かったという話です。

 勇者もそこに向かったとの話も聞いています。

 勇者の足跡を追いかけることで

 何かを見いだせるかもしれませんよ。」



サトルの話し方には何かの含みを持たせているように感じられるけど、

それを聞いても答えてくれない気がする。

だけどとりあえずの目的ができたわけだ。

サトルの言に従ってみよう。



「わかりました、行ってみます。」



そう伝える。

善は急げとばかりにロマリアへルーラで飛ぼうとすると

サトルに止められた。



ちょっと待っててください、と慌てて村の奥へ走っていく。



急ぎすぎたか……。

アツシやミネアに挨拶も無しに行くところだった。



やがてアツシとミネアがやってくる。



ミネアは泣きながら抱きついてくる。

短い間だというのに泣いてくれるとは……。



「世界を見て回って、悲しみにくれている町などが

 あったら教えに来てくれ。」



そう言ってアツシは右手を出してくる。

俺もそれを握り返す。



サトルもにこやかに右手を出してくる。

同じくそれを握り返す。



なんか泣けてきた……。



「それでは行きます。いつかまた再会できる日を楽しみにしてます。」



俺はそれだけをなんとか言うと、ルーラを唱える。

行き先はロマリア。



ルーラを唱えると身体が急に持ち上げられ、

空へ向かって飛び上がっていく。



下ではサトルたちが手を振っているのが見える。



ある程度まで上昇すると今度は横方向へ移動し始める。

ものすごい速度で移動し、気が付くとロマリアの城の前にいた。



城門をくぐり、宿屋に入る。



明日はアッサラームを目指そう。

そこで彼らのような目的が見つかるといいなぁ。




あとがき
すみません、上手く表現できていない気がします><
この展開は当初より予定していたとおりなのですが、
いきなりっぽく感じられるかもしれません。
何度か手直しをしたのですが、上手くいってないように思えます。
序盤のターニングポイントに当たるところなので、
今後も手直しを続けていくと思います。
本来はこの段階でアップするべきは無いのかもしれませんが、
まだ先は長く(と思う)、完結を目指すことを優先し、
とりあえずのアップさせていただきます。



[4638] 一人旅 20日目
Name: ハロ◆6571bd49 ID:01d8a6f1
Date: 2008/11/18 21:59

20日目



久しぶりにロマリアで目覚める。



今日はアッサラームを目指す予定。

向こうは今までよりも強いモンスターが出るという話だったので

宿屋の主人にアッサラーム付近のモンスターについて聞いてみるが、

このあたりより強いモンスターが出るという程度しか知らなかった。

城門付近の衛兵にでも聞けば少しは判るかもしれない、と言っていた。



宿を出て城門近くの衛兵に声をかける。

衛兵は気軽にあいさつを返してきた。



堅苦しくないのはいいけど、ここまで気軽でいいんだろうか。



アッサラーム付近のモンスターについて聞いてみると、

詳しいモンスターとかはわからないが、

北のほうで腕試しをして問題なければ大丈夫だろう、とのこと。



っと、アッサラームの場所を知らなかった……。



ついでに聞いてみる。

アッサラームの場所を知らないのに

その付近のモンスターについて聞いてきたのかと笑われてしまった。



まあ、そうだよね。

苦笑で返す。



アッサラームへは、ここから北へ向かい森にぶつかったら森の中を東へ。

森を抜けると橋が見えてくるのでそれを渡る。

渡った後は南へ進む。

やがて東に森が見えてくるので、その森の南にあるとのことだ。



「まほうのカギを取りに行くのかい?」



は?魔法の鍵?

なんですか、それは?



「おや、違うのかい?てっきりそうだと思ったんだけど。」



いやいや、そんなものは知りませんよ。

知らないことを伝えると、衛兵は親切に説明してくれた。



ロマリアの西にポルトガという国があり、

そこに行くには関所を通らなければならない。

その関所を通るためには魔法の鍵が必要となっているらしい。

魔法の鍵は砂漠のピラミッドに隠されており、

そこから無事に持って来る必要があるとか。



これはポルトガ王が大陸の東への通行証を発行するための

手続きを兼ねており、魔法の鍵を取って来ることができないようでは

大陸の東へ行ってもすぐに死んでしまうため、

強さを測るバロメータとして使っているそうだ。



ポルトガって……ポルトガルっぽい名前だね。

そういえばロマリアってローマ?

でもアリアハンに相当しそうな場所は知らないし、気のせいかな?



「ピラミッド付近はアッサラーム近辺よりも

 強いモンスターが出るという話なので

 もし行くんだったら気を付けなよ。」



砂漠はアッサラームの西に広がっていると教えてくれたが、

ピラミッドの場所は砂漠のどこか、としか知らないらしい。



衛兵に礼を言い、町の外へ出る。



しかしピラミッドか、面白そうだ。

ピラミッドってどんな形なんだろう?

きれいな四角錐かな?それとも屈折タイプ?



そんなことを考えながら北へ歩いていると

久しぶりにカエルが4体出てきた。



ギラで一掃してもいいけど、

久々だし、闘ってみるか。



槍を取り出し突っ込む。

カエルの舌攻撃は余裕で捌けた。



まずは1体に槍を振り下ろし倒す。



振り返ったところをカエルのうち1体に攻撃されるが、

痛みはほとんどない。

強くなったということだろうね。



槍を廻し、もう1体を倒す。



1体は舌を伸ばしてくるが、回避に成功。

もう1体は……毒液!?



ぬぅ、思いっきり浴びてしまった。



解毒前に倒す、と毒液を吐いてこなかった方に槍を振り下ろす。

まっぷたつに切れた。



威力も上がったのかな?

力が付いた感じか。



残り1体が舌を出してくるが、

それにわざと腕を出し、巻き取らせる。

そのまま舌をつかみ、力任せに引っ張ると、倒れた。



そのまま頭部に槍を突き降ろし、倒した。



うし、解毒、解毒。

キアリーを唱えて治す。



便利だね、魔法は。

前にロマリアを出発したときは、

毒消し草が足りなくなりそうになったよね。



ギラを使って倒した方が良かったのかな?

MPの温存には繋がってないしね。

でも自分が少しは強くなっていることを

再認識できただけ良かったかな。



と、ここで慢心しちゃまずいね。



やがて森にぶつかり、進路を東へ変える。

森の中は今日は平和で特に何も出ることなく通過。



森を抜けると少し南の方に橋があった。



橋ってなんか嫌だなぁ……。

最初にこっちに来なくて良かった。

すごろく場が北になかったらこっちに来てたかも。



橋を渡り、南へ進路を変える。

橋を渡った先は平原になっており、

西に森、東に湿地帯らしき場所が見える。

東の湿地帯は少し南で低山地帯になっているようだ。



そのまま平原地帯を南へ進む。

東が低山地帯となったあたりで雲が4体出てきた。



雲だしということでバギを唱える。

これで散ってくれるかと思ったが、

1体が霧散しただけだった。



仕方がないので1体に槍を振り下ろす。

これで霧散。



残り1体はメラを唱えてきた。

覚悟して受ける。



受けきったところで槍を廻し、1体を霧散させる。



残る1体は少し大きく広がり打撃を与えてくる。



雲の打撃!?

一種の念動力みたいな感じか?

痛みは大したことがないので、

廻した槍を勢いを殺さないまま振り下ろし、倒す。



メラで受けたやけどをホイミで治し、再び歩き出す。



少し進むと西の森が無くなり海が見えてくる。

同時に東の低山地帯が森林地帯へと変わる。



この森林地帯の南か。

森沿いに歩いていけばいいか。



日が傾き始めた頃、森は東へ向きを変える。

それに従って東へ向きを変えたところで、町が見えた。

加えて、ゴリラが3体出てきた。



パワーがありそうだ……なので、スカラを唱える。

唱えた瞬間、ゴリラが腕を振り下ろしてくる。

バックステップで避けようとするが、

わずかにかすり、吹っ飛ばされる。



さすがにパワーがある。



他のゴリラも腕を振り下ろしてくるが何とか避けれた。



念のため、もう一度スカラを。

って、重ねがけできるのかな?

だめもとでやってみるか、とスカラを再び唱えた。



そんなことを考えていたので

ゴリラの再攻撃を避け損なうが、

目の前でゴリラの攻撃がはじかれた。



これがスカラの効果か。

重ねがけもできるみたいだね。



これならいける。



他のゴリラの攻撃も食らってしまったが

ほとんどダメージは受けない。



今度はこちらの番だ。



槍を突き出し、ゴリラを刺す。

が、こちらの攻撃も大して効いていないようだ……。



仕方がない。



ギラ。

ギラ。

ギラ。



ふぅ、倒せた。



魔法で倒すのは簡単だけど、

これだとMPがいくらあっても足りないよね。

アッサラームでいい武器があるといいけど。



日が暮れる前にはアッサラームへ到着。



町並みはアラブ風だけど余り人がいない?

まあ、いいや、とりあえず宿屋に。



宿屋の値段はちょっと高かったけど、

仕方がないので泊まる。



町の探索は明日にしよう。



[4638] 一人旅 21日目
Name: ハロ◆6571bd49 ID:01d8a6f1
Date: 2008/11/19 22:27

21日目



アッサラームの朝日。

今までより眩しい気がするのは気のせいかな?



宿屋の主人にピラミッドについて聞いてみた。

ピラミッドがあるのは知っているが、

どこにあるのかは知らないらしい。



それを探すのも試練のうちってところなのかな……。

砂漠の中のピラミッドを探すって大変だよね。



ひょっとしたら、と主人は話を続けた。

西の砂漠にはイシスという国があり、

そこに行けば場所がわかるかもしれない、と。



それ以上の情報は聞けなかった。



礼を言って宿屋を後にする。

次は武器屋かな。



武器屋の看板が出ているところ……は閉まってる。

通りがかりの人が、そこは夜だけですよ、と教えてくれた。



砂漠に近いから夜間営業なのかな?

仕方がない、夜に出直すか。



町を出ようとしたところで、こじんまりとした店を見つけた。

表向き看板はないけど、店の奥に武器や防具が飾ってある。



ちょっと覗いていくか、と入ったとたん、

勢いよく店主らしき人が話しかけてきた。



「おお!わたしのともだち!

 お待ちしておりました。

 売っているものを見ますか?」



おいおい、どこの宗教勧誘なんだ……?

いや、キャッチセールスか?

あきれた眼で見ると、何かの兜を取り出してきて話を続けた。



「おお!お目が高い!

 16000Gですが

 お買いになりますよね?」



いや、高いって。



「おお お客さん

 とても買い物上手。

 わたしまいってしまいます。

 では8000Gに

 いたしましょう。

 これならいいでしょう?」



いきなり半額かよ!!

驚いて見ていたら、さらに続けてきた。


「おお これいじょうまけると

 わたし おおぞんします!

 でもあなたともだち

 では4000Gに

 いたしましょう。

 これならいいですか?」



さらに半額。

しかも何も言ってないのに……。



「おお あなたひどいひと!

 わたしに首つれといいますか?

 わかりました。

 では2000Gに

 いたしましょう。

 これならいいでしょう?」



…………これぐらいなら……。

ちょっと面白かったし買ってあげた。



そのままいるとまた何かを持ち出してきそうだったので、

慌てて店を出た。



広場まで行って品物を確認する。

んー、結構しっかりしたものっぽいけど、鉄製の兜か。

道具屋かどこかで確認してみるか。



道具屋は広場にあった。

道具屋に入り、兜を見てもらう。



品物は良いものだったようだ。

品物を見て町の出口近くの店で購入した事を言い当てられた。



あの店は暴利な値段で売っているらしい。

でも黙っていれば勝手に値下げして来るので

買える値段になったときに買うといいらしい。



で、実は適正な値段は1000Gらしい…………。

ぼったくられたか。



ま、品物がしっかりしていただけ良しとするか。



皮の帽子はもういらないので売った。

で、店を出ようとすると店の中に武器屋もあった。



道具屋の中に武器屋もあるとは。



品物を見せてもらったけど、真新しいものはない。

強い武器について聞いてみると、

あの閉まっている店なら強い武器を扱っていると教えてくれた。



夜にまた来るしかないか。

それまでは近くでレベルアップでもしてよう。



町を出て、東の森に入る。

けど、いつでも逃げ出せるように奥には入らないでおく。



すぐにモンスターが出てきた。



羽男の色違いと羽の生えた猫?

羽猫がいきなり地面に手を付きマホトーンを唱えてきた。



げ、やばい。



その呪文とともに自分の周りに何か障壁のようなものができた。

魔法を封じる結界みたいなものか。



羽男改は片手を上にあげて、ヒャドを唱えてきた。

足下から氷柱が出てき手足を傷つける。



まずは羽男改だ。



槍を振り下ろすが、避けられて命中しない。

しかし羽に当たり、それを引き裂いた。

そのまま槍を振り上げ、倒す。



猫が腕をひっかいてくる。

右腕から鮮血が飛び散る。



猫は少し距離をとろうとするが、

そのまま追いかけ槍で突く。



傷つけられた猫は再び襲いかかってくるが、

槍を振り下ろし二つに切り裂いた。



それと同時に自分の周りの障壁が消えた。



ホイミを唱えて治す、が完全にはふさがらない。

再度ホイミを唱えることで何とか治った。



ちょっと危険だけど、まだいけるか。



しばらく森を歩いていると

今度は羽男改2体と茶色のゾンビ犬2体が出てきた。



イオ2発で撃破。

羽男がヒャドを唱える前に何とか倒せた。



次に出てきたのが羽猫2体。

マホトーンを唱えてくるが、なぜか自分の周りに障壁ができなかった。



ギラを唱えると魔法がちゃんと出た。

猫の攻撃をかわし、再度ギラ。



1体はそれで動かなくなり、

もう1体も弱っているようなので槍でとどめを刺す。



魔法も効かないことがあるんだね。

過信のしすぎは良くないということか。



次が雲4体。

ギラ2発で殲滅。



倒した後で、気が付いたけど、

メラを使ってくるのにギラでも倒せるんだね。



属性とか無いのかな?



次に出てきたのが、羽男改とゴリラがそれぞれ1体ずつ。

ゴリラの攻撃はまともに食らうと

動けなくなりそうな気がするので

まずは、とスカラを唱える。



おかげでゴリラの攻撃は何とか防げたが、

羽男がヒャドを唱えてくる。



まずは羽男だね。



槍を振り上げ、羽男を倒す。



ゴリラの攻撃を防がないと、とゴリラを見ると

何か不思議な行動をとっている。



……ゴリラが増えた。



ギラを唱えようとするが魔法が発動しない。

やばい、MP切れ!?

逃げようとするが1体が回り込まれる。

逃げられなくなった……。



仕方がないので槍で斬りかかる。

少しだけ切ることができた。



ゴリラの攻撃は片方は楯で受ける事に成功するが、

もう一体の攻撃は食らってしまう。

でもそれほど痛くもないし、まだ動ける。



同じゴリラに再び攻撃し、ゴリラの傷を増やす。



よし!!



ゴリラの攻撃は一つは何とか回避し、

もう一つは楯で受ける。



再度攻撃。

先ほどの傷口に上手く命中し、ゴリラを倒した。



しかし、残るゴリラがまた仲間を呼んだ……。



その後はそれを繰り返すことになり、

結局、合計6体のゴリラを倒すことになった……。



満身創痍だけど、何とか生きてる。



町へ帰ろう。



まだ日は高いが宿屋に入る。

傷だらけの身体を濡らした布で拭き、ベッドに横たわる。



その後の記憶はない……。




あとがき
わかるとは思いますが一応書いておきます。
文中でモンスターをを羽男改としておきながら、
途中で羽男と略したりしているのは脱字ではありません。
羽猫を猫としているのも同様です。
これは主人公の雰囲気を出すためのものであり、
今後もこういった省略は出てくるかと思います。
そのため文章として意味が通っている場合は流してください。



[4638] 一人旅 22日目
Name: ハロ◆6571bd49 ID:01d8a6f1
Date: 2008/11/20 22:22

22日目



……気が付いたら、と言うか眼が覚めたら朝でした。

あの店は夜のみの営業だというのに!!



まあ、どうしようもないよね。

時間を巻き戻せるわけでもないし。



今日は町でゆっくりして過ごすかな。

たまには戦いのない日があってもいいよね。



外に出ると日差しの強さに眼を細める。

やがて目が慣れてくると広場の人の往来が見えてくる。

広場の中央には池があり、わずかな清涼感を作り出している。



池の端に腰掛け、街の様子を見ながら、

昨日の戦いの様子を思い出した。



魔法を使ってくる奴も危険だけど、

ゴリラのように仲間を呼ぶ奴が結構やっかいなんだよね。

仲間を呼ぶ前に倒すといっても、

昨日のゴリラじゃ、すぐには倒せないし……。



前にアツシが見せたブーメランは便利だったけど、

あれはアツシだからこそ使えるようなものだしね。

武器屋の主人にちょっと相談してみるか。



早速、と武器屋(道具屋の中)に行って聞いてみたところ

チェーンクロスと言う武器が閉まっている武器屋で取り扱っているそうだ。



鎖の鞭という感じのものなので、

上手く使えば集団に対して攻撃ができるという。



詳しくはその店の店主に聞いてみては、とのことだった。



結局は夜まで待て、ということだね。

しかし鎖の鞭か……。

かなり昔の不良が武器にしていたような感じの奴かな?

あれはかなり痛そうだ……。



広場の池のところに戻ったところで、

アツシから口笛の吹き方を教わったのを思い出した。



……街中なら吹いても大丈夫だよね?



まさか外から入ってくるなんて事は無いと思うけど

念のため町の外には漏れない程度の大きさで練習してみた。



なかなか上手くいかない。



通りすがりの女性から変な目で見られた。

いや、別にナンパしようとしているわけではないんだけど。



そうこうするうちになんとなく、

アツシの笛の音に似ている音が出せた。



そのときバーンという音とともに、

閉まっている武器屋の隣の家の2階から

変なものが飛び出してきた。



「にゃーん。」



いや、明らかに猫じゃないから……。



「うげ!化けそこなったか!

 えーい!どうせ同じ事よ!」



言葉を話した!!

それと同時に……大きなフォークを持ったちびっ子悪魔になり、

町の人々を追いかけ始めた。



町の人は逃げまどっている。



俺は槍をつかみチビに飛びかかる。

槍はチビの身体をかすめるだけに留まるが、

チビはこちらに向きを変える。



完全にチビと相対する形になった。

町の人に被害が出る前に、なんとか戦う形に持って行けたけど、

チビとはいえ悪魔っぽい奴に勝てるのか……。



でもやるしかないよね、もう。



チビはザラキと唱えるが、何も起きなかった。

チビはあれ?、という表情をしている。



今の内に、と槍で突く。

槍は命中するが、致命傷には至らない。



チビは再びザラキを唱える、がまた何も起きない。



槍を廻し、チビを切る。

今度はかなり痛がっている。



チビは怒ったような表情になってイオナズンと唱える。

が、また何も起きない。



槍を振り下ろし、チビを切り裂く。

さすがに倒れて動かなくなった。



擬態じゃないよね?



少しして宝石へと変わるのを見て、槍を降ろした。



焦った…………。



チビが飛び出てきた家の人が、近くまで寄ってきた。



「ありがとう、おかげで助かったよ。

 夜になると猫の鳴き声が聞こえていたんだけど、

 まさかモンスターだったなんて!!」



ケガの功名?

いや、なんか違うな。



町の人も俺の周りに集まってきた。

他の人たちも感謝の言葉を述べてくる。



いや、まさか自分が原因で出てきた、なんて言えないよね。

モンスターが隠れていたのがわかって、

それがいなくなったことは良いことだけど。



黙っておこう。



その後、いろいろな話をした。

俺がどこから来て何をしにここへ来たのか、と言う質問から始まり、

オルテガの話、まほうのカギの話、大陸の東へ向かう方法などが聞けた。



オルテガは何年か前にまほうのカギを求めて

ここを訪れた後、南にむかったそうだ。



砂漠の南に沼地があり、そこの祠の老人が

まほうのカギについて知っているらしい、とも。



大陸の東へは、ホビットのいる洞窟から行けるが、

そのためにはポルトガ王の許可がいるとか。



オルテガはその老人のところへむかったのか?

砂漠は西だったよね?



その辺りも聞いてみたがよく判らないらしい。

まずはその南の祠を目指してみればいいのかな?

ピラミッドの場所もよく判らないしね。



そうこうするうちに、日が暮れ夜となり、

武器屋が開店した。



武器屋に入り、チェーンクロスを見せてもらう。



チェーンクロスは本当に鎖だった……。

鞭のようにしならせて相手にぶつけ、

それを引くことでダメージを与えるらしい。

なので横に振り抜けば多数の敵にダメージを与えることも可能だとか。



結構えげつない武器じゃない?



それを購入し、武器屋を後にする。

購入のおまけと言って、すごろく券をもらった。



町の南に進んだ先の森の中に前のとは別のすごろく場があるらしい。



まさかオルテガはそこへ向かったのか?

まあ、いいや、明日はそこへ向かってみよう。



武器屋を出ると宿屋へ戻り、寝ました。



宿屋に戻る途中でなにやら騒がしい一角があったけど、なんだったんだろう?



[4638] 一人旅 23日目
Name: ハロ◆6571bd49 ID:01d8a6f1
Date: 2008/12/09 21:07

23日目



アッサラームで3回目の朝。

相変わらず眩しい朝日だ。



今日はすごろく場を目指そうと思ってたんだっけ。

南の森の中とか言ってたな。



宿屋の主人に聞こうと思ったら、昨日の件を聞いていたのか、

向こうから話しかけてきた。



町中にモンスターが出ることは滅多にないらしい。

もしあのままだったら犠牲者も多く出て、

場合によってはこの街が壊滅していたかもしれない、と。



自分が呼び出したなんて言えないので、適当に笑って返す。



少ししてやっとすごろく場の場所を聞くことができた。

すごろく場は、町を出て少し西へ向かい、海沿いを南に進む。

やがて西に森が見えてくるので、その中に入る。

すごろく場はその森の真ん中あたりにあるらしい。



森は結構広いが建物自体が目立つのですぐ見つけられるらしい。



礼を言って、宿を出る。

その足で町を出て西へ向かう。



今まで全然気にしていなかったけど、

町の南には海がある。



町から少し西へ進むと、海岸線が南へ進んでいた。

海岸線沿いを少し進んだところで、西に森が見えてきた。

森の奥のほうに建物の屋根が見える。



あれがすごろく場かな?



その建物を目指して、森の中に入る。

途中、モンスターに出会うこともなく到着。

中からは軽快な音が聞こえてくる。



やっぱりすごろく場だ。



門に近づくと、門が引き上げられ中に入ることができた。

中は前のすごろく場と違って結構狭い部屋が一つあるだけ。

部屋の右のほうに階段があったので登る。



上の階は前と同じようにすごろくのマスが周りにあるが、

前よりも大きなすごろくとなっているみたいだ。



奥のほうにいる人に話しかけ、

すごろくけんを渡しすごろくをスタートする。

ここではサイコロの回数が22回らしい。



「サイコロを振る」

"3"

つぼがあった。

つぼの中を見てみると種があった。

何の種だろう?



「サイコロを振る」

"2"

2マス進む、とある。

2マス進んだ先には魔法陣が書かれている。

自分の体が光に包まれるが、何も変化はないようだ。



「サイコロを振る」

"5"

サイコロ+1と書かれている。

残りサイコロ数が1増えて、20に戻った。



「サイコロを振る」

"2"

スライムの絵が描かれている。

乗ったとたんモンスターがどこからともなく出てきた。

キモ蝶の色違いが3体と茶色犬が2体。



まずはスカラを唱えて、防御力を上げる。

犬の攻撃は受け止める。

蝶のうち1体はマヌーサをかけてくるが、効かない。

残りはかみついてくるが、大したダメージでもなかった。



チェーンクロスを取り出し、蝶に投げつける。



おぉ、蝶3体全部にうまく命中した。

1体目へのダメージが一番大きいようだが、

他の2体にも結構傷を付けている。



犬のかみつきを食らうが、これも大したことがない。

蝶も同様。



再び蝶に鎖を投げつける。

一気に消えた……。



これはかなり便利かもしれない……。



残りは犬2体。



さらに鎖をふるい、犬に打ち付ける。



犬は痛みを感じないのか、そのまま突っ込んでくるが、

その体の崩れようからかなりダメージを受けているのがわかる。



1体をかわし、1体を楯で払う。



再度の投げつけで、犬は横たわった。



やっぱり、これは便利な武器だ。

もっと早く使っていればよかった。



戦いが終了し再びすごろくに戻る。



「サイコロを振る」

"5"

平原。

特に何もない。



「サイコロを振る」

"2"

宝箱があった。

中には……爪?

鉄製の手甲に大きな爪が飛び出ているようなものがあった。

これは使えると面白そうだ。

でも格闘戦はあまりしたくないね。



「サイコロを振る」

"4"

タンスがあった。

タンスの引き出しをのぞいてみるとすごろくけんがあった。

…………失敗してももう一度できるように?



「サイコロを振る」

"3"

森。

特に何もないようだ。



「サイコロを振る」

"6"

サイコロ+2と書かれている。

残りサイコロ数が2増えて、16になった。



「サイコロを振る」

"3"

平原。

ここも何もない。



「サイコロを振る」

"5"

旅の扉?

そのマスに入ると旅の扉みたいに

目の前がゆがんで、気がついたら別の場所にいた。

とはいえ、すごろくのマスの上のようだ。

ワープマスってところかな?

少し先にゴールの文字が見える。



「サイコロを振る」

"5"

ちょうど、ゴール地点にたどり着いた。

盛大な音が鳴り、その音とともに正面の扉が開かれる。



扉の先は小さな部屋になっており、

宝箱が二つ置いてある。

左奥には穴が…………。



またあの穴を落ちるの?



とりあえず宝箱を開ける。

左側の宝箱には小さなメダルがあった。

これは前にどこかで拾ったやつと同じ……?

この場所に置いてあるということは結構な貴重品なのかもしれない。



右側の宝箱にはモーニングスターがあった。

柄から鎖が出ており、鎖の先にはとげとげのついた鉄球が。



…………これはまた凶悪な武器が………。

これも鎖のように使えそうな気がする。

しかも先が鉄球なだけに破壊力もすごそうだ。

あとで試してみよう。



他には何もなく、出口もないので仕方がなく穴から飛びをりる。



うし、無事着地!!



さて、帰るか。

モーニングスターも試したいしね。



すごろく場を出て、アッサラームへ向かう。

森の中は安全ということはないんだろうけど、

森の中ではモンスターが出ることはなかった。



その代わり森を出たとたんモンスターが出てきた。



羽猫2体、羽男改1体、茶色犬1体とまとまってない編成だ。

スカラを唱えて、モーニングスターで羽猫に攻撃する。

鉄球がぶつかり、羽猫は地に落ちうめいている。



そのまま羽猫はマホトーンを唱えてくるが、

自分の周りに障壁はできない。



羽男はヒャドを唱えてくる。

足元からの氷柱を避けようとするが、避けきれず足を切り裂く。



犬はルカナンと唱えてきた。

自分の周りにあったスカラの障壁が薄くなる。



防御力を下げる魔法か!!

でもまずは猫を倒しておくべきだろう。

少しの間ぐらいはもつしね。



そう考えるとモーニングスターを振るう。

鉄球は1体の頭を砕き、そのままもう1体の腹にめり込んだ。



残るは2体。



再びスカラを唱えて構えるが、そこに再びヒャド。

避けるまもなく再び足を裂かれ、地に膝をつく。

そこに犬が飛びかかってきた。



犬は首筋を狙ってくるが、その軌道は単純だったので

なんとか楯で受けることに成功する。



すぐに立ち上がり、モーニングスターを振り回して、羽男にぶつける。

羽男は直撃を受け落下。

そこに再び、鉄球を振り落とし、倒す。



犬は今度は逆側から飛びかかってきた。

楯はさすがに間に合わないので、肘で鼻っ柱を打つ。

牙が、少し肘に刺さった……。



残りは犬1体のみ。

楯を構えながら、モーニングスターを頭上で振り回す。

そして、犬が飛びかかってきたところに、鉄球を放ち撃破。



今回の相手は相性が悪かった気がする……。

ホイミで両足を癒すが、1度では治らず、

結局3回唱えることになった。



もう少し良い回復魔法が欲しい……。



その後は町が見えてきたあたりで再びモンスター出現。



ゴリラ、犬、猫がそれぞれ1体ずつだったが、

猫のマホトーンは効果を現さず、

スカラで防御力を上げて、犬から先に倒し、

猫、ゴリラと順調に倒せた。



というところでレベルアップ。



職業:けんじゃ
レベル:14
ちから:37
すばやさ:43
たいりょく:72
かしこさ:29
うんのよさ:61
さいだいHP:143
さいだいMP:56

使える魔法:
 メラ、ホイミ、ニフラム、スカラ、ピオリム、ヒャド
 ギラ、マヌーサ、ルカニ、スクルト、リレミト、ラリホー
 イオ、キアリー、ボミオス、ルーラ、バギ、マホトーン、
 ベホイミ、ベギラマ
 くちぶえ



……くちぶえ?

あれは習得したということなのか……。

魔物を呼び寄せる効果、ね。



ベホイミ……おぉ、つい先ほど欲しいと思った奴だ。

ホイミの強化版だね。



ベギラマ……ギラの強化版か。

確かにそろそろギラでは一掃ができなくなってるしね。



能力を確認しつつ町へ入る。

まだ日は傾き始めたぐらいだが宿屋に入る。



そう言えば、何かの種があったな。



種を取り出し、主人に聞くと、「ちからのたね」というものらしい。

食すと力が上がるとか。



早速食べてみた。



…………



……………………



よく判らない……けどカードを見たら1上がってた。



その日はそのまま部屋に入り寝ました。



明日は南の祠……だっけ?

そこを目指してみよう。


修正履歴
2008/12/09 パラメータ修正



[4638] 一人旅 24日目
Name: ハロ◆6571bd49 ID:01d8a6f1
Date: 2008/11/22 15:56

24日目



アッサラームの宿屋で目を覚まし、

例の南の祠を目指すために宿屋を出る。



宿屋を出る際に砂漠と祠について聞いた。

といっても情報としては町から

西の低山地帯を北に見て

山沿いに西へ向かえば砂漠があり、

祠はそのまま南にあるらしい、と言う程度だった。



町を出て砂漠を目指す。

砂漠までは平原が続いており、やがて砂漠が見えてくる。

途中でゴリラや猫が出るが問題なく倒した。



平原がいきなり砂漠に変わるというのも妙な感じだけど

何かの理由があるんだろうね。



砂漠に入り、南へむかう。

砂漠に入った当初は東に森があったが、

少し進むと海になっている。



砂丘が大きくなった感じ……というわけじゃないよね?

西はどこまで見ても砂漠が続いているし。



ちなみに砂漠は元の世界のサハラのように砂が多い。



東に海が見えていたのもつかの間で、東は山並みと変わっていく。

砂漠のすぐそばは低山地帯だがその向こうには高山地帯が見える。



しかしその低山地帯もまもなく高山地帯へと変わる。

砂漠のすぐそばに切り立った崖があるような状態だ。



南の方に目を向けると沼地……らしきものが見えてきた。



その時、砂の中からモンスターが出てきた。

緑色のカニ2体と赤紫の芋虫2体だ。



とっさにカニに向けてベギラマを唱える。

自分の手から業火と言ってもいいような炎が出てくる。



焼きガニ1体の仕上がり。

もう1体は生きているっぽい。



赤紫が2体とも口から炎を吐いてきた。

ギラよりはちょっと弱い感じだけど、

頭を振りながらなので避けようがない。



その炎が尽きると同時に、カニにモーニングスターを振るう。

が、甲羅にはじき返された。



慌ててヒャドを唱える。

砂の中から氷柱が出現し、カニを貫く。



再び赤紫が炎を吐いてきた。

楯で少しでも防ごうとするが、あまり効果がない感じだ。



炎の終了のタイミングを計って

モーニングスターを振るう。



よし!!

こっちは十分ダメージを与えてる。



赤紫は今度は丸まって突っ込んでくる。



芋虫は芋虫か……。



1体はかわし、1体は楯で受ける。

そして再びモーニングスター。


1体は潰れ、もう1体はぴくぴく動いている。

念のためにとどめをさす。



なんとか倒したものの身体中がやけどだらけ……。

昨日覚えたばかりのベホイミを唱える。

ホイミよりも急速に治療が行われていく。

いい感じだね。



治療を終えると、沼地の方へ歩いていく。

沼地の中央には祠があった。



沼地からは異臭がしているけど道があるわけではないので

その中に入って行こうとするが、一歩目ですぐ戻った。



なんかヒリヒリする……。

酸?



服とかが焦げたりしているわけではないので、

酸じゃないようだけど、ちょっと痛い……。



祠までは大した距離でもないので、

できる限り急いで駆け抜けることにする。



無事到着。



足を取られて転ぶことがなくて良かった。

痛みもヒリヒリする程度だしね。



祠には入り口が一つだけあった。

中にはいるとそこは、周りとは別空間のように

綺麗な部屋になっていた。



老人が一人だけいて、こちらを見ると話しかけてきた。



「まほうのカギをお探しか?」



こちらが頷くとさらに話を続ける。



「カギはさばくの北

 ピラミッドに眠ると聞く。

 しかしその前にまずっ!

 イシスの城をたずねなされ。

 たしかオアシスの近くに

 あるはずじゃ。」



北!!

逆なのか?

その前にイシスの城にいけ、と?

しかもそこをかなり強調しているし。



と言う以前にイシスの場所を知らないので、

聞いてみたら、ここから少し西に行けば

オアシスが見えてくるそうだ。



礼を言って、この場を立ち去った。



外に出て、ため息をつく。

もう一度、この沼地を抜けないとならないからだ。



仕方がないので再び駆け抜ける。

駆け抜けた後、近くの砂に足を突っ込み水分を吸収させる。

これで少しはましだろう。

しばらくは歩きにくいけど、砂は乾けば自然と落ちるしね。



沼地にばかり目がいっていたけど、

沼地の南は高山地帯となっている。

その高山地帯はそのまま西に向かっていて、

砂漠との境目になっている。



そのまま砂漠を西に向かって進み出す。



少し進んだところでモンスター登場。

紫芋虫、キモ蝶の変種、羽猫だった。



芋虫の炎が鬱陶しかったけど、

特に問題なく倒せた。



そのまま進みやがて、日が傾き始める。

日の傾きは速度を増し、

空が赤くなり始める頃に、オアシスが見えてきた。



蜃気楼じゃないと良いけどね。



ちょっと急ぎ足で歩き始めたが、

町へ行くのを防ごうとするかのように

モンスターが現れた。



緑カニ2体とキモ蝶改2体。



緑カニは自分たちに対してスクルトを唱えた。



……元々ダメージが与えられないところに、

スクルトじゃ、武器攻撃は諦めた方が良さそうだね。

結局、イオを2回唱えたあと、ヒャドでとどめをさした。

キモ蝶改は、イオの巻き添えで吹っ飛んだ。



カニが消えると同時に宝箱となり、

中身を確認すると青銅らしき材質の楯だった。



装備しようとするがどうも身体に合わない。

仕方がないので売っぱらうことにした。

ちょっと重いけどもう少しだし持っていく。



オアシスに近づくと町と城が見えてきた。

ここは町と城が別にあるみたいだ。



日が完全に暮れるぐらいに町に到着。

近くにいた人にここのことを聞いてみると、

イシスで間違いなかった。



城に行くのは明日にして、

宿屋を探し泊まることにした。



宿代は10G……アリアハンの5倍とは……。

水代が高いのかな?




[4638] 一人旅 25日目
Name: ハロ◆6571bd49 ID:01d8a6f1
Date: 2008/11/23 18:24

25日目



イシスで目覚める。

アッサラームより日差しがきつい……。



宿屋を出る前に主人にピラミッドの場所を聞くが知らないそうだ。

道具屋、武器屋と置いてある品物を確認しつつ、

ピラミッドの話を聞くが、存在は知っているが

正確な場所は知らない、という。

ただ、武器屋にいた冒険者(戦士?)が

ピラミッドについて少し知っていた。



しかし場所についてはやっぱり砂漠の北としか知らなかった。

ピラミッドは王家の墓であり、1000年も昔から存在し、

近づいたり宝物に触れたりすると呪われるに違いない、そうだ。



ピラミッドの呪いか…………。

この世界なら十分にあり得るよなぁ。



城に行けば場所を知っている人がいる事に期待しよう。

城に入れれば、だけど。



ここの武器屋の品物を見ていて気が付いた事が一つ。

例の鉄の兜が1000Gで置いてあった…………。



気を取り直して城に向かってみることにした。



町の北に城はあるが、一度町を出てから向かうことになる。

そんなに遠くに離れているわけではないのですぐに到着する。



入り口は開放されており、両脇に門番がいる。

近づくとようこそ、とにこやかに歓迎してくれた。

特に身体検査をするわけでもなく通してくれる。



こんなにあっさりと押してくれるとは思わなかった。



中に入ると、中央に石畳があり、その側が砂地の大きな広場になっている。

石畳を少し進むと、石畳の両側にスフィンクスもどきっぽい石像が並んでいる。

広場を見渡すと、広場は石柱で取り囲まれており、

石畳はそのまま城の正面入り口へと続いている。



エジプトっぽいねぇ。

国も名前もイシス、エジプト神話でゲブの長女の名前だっけ?



城に入る前にこの広場を見て回ることにした。

スフィンクスもどきの数は合計14体。

よく見れば建物の上にもスフィンクスもどきがある。



右の砂地へ入り、石柱を眺めていく。

石柱の上の方には何かの意匠が凝らされているが、

途中はギリシャの石柱のように真っ直ぐになっている。



ぐるっと一周するつもりで、見て回っていたら。

広場の左端に石柱のない場所があった。

石柱はぎっしり並んでいて、裏側が見る事ができなかったのだが、

ここからなら裏側が見る事ができるみたいだ。



喜々としてそちらへ進んでいく。



やがて、その石柱群は建物のところまで到達する。



…………壁が崩れてる?

入っていいのかな?

一応門番に確認しておこう。



門番のところまで戻って聞いてみたら、かなり驚いていた。

でもすぐにはここを動けないのでどこに繋がっているのか、

誰がそれを作ったのか、ちょっと調べてきて欲しい、と。



今日来たばかりの人に頼んでもいいのかな?



悪い人だったら女王様が呪いをかけるから大丈夫だよ、

とありがたくないことを言われてしまった……。

おおらかというか、なんというか。



でもまあお墨付きが出たので行ってみることにした。



崩れた入り口からはいると細い通路になっていた。

通路そのものはしっかりしているので、

壁が後から作られたのかもしれない。

壁などからわずかに光が入ってきているため暗くはない。



通路はやがて右に曲がるが、その角に下へ降りる階段があった。

階段は後回しにして、右の方へ進む。



かなり進んだところで再び通路は右へ。

その角にはまた降りる階段があった。



通路を先へ進むと、太陽の光が見えてくる。

通路の奥は、元は行き止まりだったのだろうか、

崩れた壁があり、外に出れるようになっていた。



外に出て確認すると、城に入ったときの広場の右側の柱裏だった。



中に戻って最初の階段へ向かう。



階段を下りると、通路の端っこのようで通路が延びていた。

ここにはさすがに太陽の光は入ってきていないが松明が灯っている。



通路を進むと左に行く通路と正面の通路の二つに分かれている。



まずは正面。



正面に進むと登る階段があった。

階段の上からはわずかに太陽光と思われる光が漏れている。



さっき見つけたもう一つの階段?



上がってみるとやはりもう一つの階段だった。

階段を下り、曲がり角まで戻る。



うーん、非常に危険な気がしてきた……。

誰も知らないはずの通路に松明が灯っているのが怖い。

変な神様を祀っている集団がいたりして。



…………



……………………



もしそんな集団だったら既に見つかっている気もする。

で、外に出た瞬間、後ろからぐさり、と。



進むか止まるか迷ったらまず進め、だっけ?

なんかそんなことを言っていた人がいたような……。

一応頼まれているんだし、進むことにする。



槍と楯をしっかりと持ち、警戒しながら通路を進む。

モーニングスターはこの場所では不便なので槍を構えている。



通路は細いがしっかりした作りになっている。

やがて小部屋にたどり着いた。



小部屋の奥にはさらに通路が延びているが、

その通路も含めて、部屋の半分が砂に覆われている。

奥から砂が流れてきた感じに見える。



……トラップとかも可能性があるのか。

奥から大岩が、とかの場合、この部屋で横に避ければいいかな?



砂地に槍をさすがすぐに石畳にぶつかる。

落とし穴を警戒しながら進むことにした。



通路はそれほど長くは続かず、

先ほどの小部屋よりは少し大きな部屋に出た。



部屋の中央は赤い煉瓦で覆われており、その真ん中に墓らしきものが。

その前には階段、周りにはかがり火が焚かれている。

人の気配は全くない。



…………………………どんどん深みにはまってる?

でももうここまで来たら引けないよね。

死亡フラグを言っている気もするけど…………。



階段を下りるとそこは小部屋になっていた。

正面に祭壇のようなものがあり宝箱が一つ安置されている。

祭壇の手前の両側に松明があるため部屋は暗くなっていない。



開けるべきか否か。

諦めて開けることにした。



ここまで来たら逃げられない気がするしね。

でも一応、横から宝箱を開ける。

矢が飛び出してきたとか嫌だし。

ガスならすぐにダッシュ。

他は知らん。



と警戒しつつ開けるも特に何もなかった。

中には腕輪が一つ。



腕輪を取り出したとたん、

宝箱の後ろに人影が出てきた。



半透明なミイラという感じだ。

こちらが槍を構えるより先に言葉を発してきた。



「わたしの眠りをさましたのは

 お前たちか?」



嘘を言うべきか迷うが、手元には腕輪があるので、

はい、と答える。



「ではそのたからばこの中身を

 とったのもお前か?」



同じく手に持っているので嘘の付きようがないので

はい、と答える。



「お前は正直者だな。

 よろしい。どうせもう

 わたしには用のないもの。

 お前たちにくれてやろう。

 では…。」



そういうと消えていった。



助かったのか……?



背中にはびっしり脂汗が。

返答を間違えていたらやばかったんだろうね。



ミイラがいた場所に頭を下げ、

腕輪を持って外に向かった。



外の光を見たときには、嬉しかった。



外に出て門番にその話をしたら、

一人が慌てて城の中へ入っていった。



それほど時間をおかずに門番は戻ってきた。

城に入っていったときより慌てている感じだ。



息を切らしながら、女王が会いたがっている旨を伝えてくる。



…………。



門番の様子を見ると、息を切らしながらであってもにこやかだ。

悪いことではないと思おう。思いこもう。



結局、女王のところには行ったが怒られることはなかった。

逆にその通路を見つけたことをほめられ、

腕輪についてもそのミイラが言っていたのであれば、

と持っていて良いということになった。



ミイラはこの城を立てた王らしい。

王族がピラミッドに葬られるようになったのは、

その次代以降のことらしい。

いってみればこの城そのものが初代のピラミッドのようなものらしい。



そして、荒らしに入ったのであれば、

おそらくその王によって呪いをかけられていただろう、と。



だからこそ無事にその腕輪を持ってきた事自体が、

俺が腕輪を持つ資格がある、ということらしい。



腕輪は星降る腕輪といい、素早さを格段に上げる効果があるという。



またピラミッドの場所を聞いたら、

この町から北に向かえば見えてくると言うことを教えてくれた。

いろんなモンスターも徘徊しているから気をつけるように、と。



そして、登城はいつでも歓迎するので、

また来て話を聞かせてくれると嬉しい、と伝えてきたので、

また来ます、と伝えて辞去することにした。



城を出て、町へ向かう。



今からピラミッドに向かうには時間が経っているので

今日は町でのんびりすることにした。



街をうろついていると闘技場を発見。



覗いてみると見たことがないモンスターが戦っている。

近づいて見ようとするが、近くで見るためには

掛札を購入しないとならないそうだ……。



これは、モンスターの攻撃パターンを調べるのに便利、

と考え、掛札を購入することにした。



結局、30数回掛札を購入することになった。

その代わりいろんなモンスターを見ることができた。



ありくい    舌で攻撃
おばけありくい 舌で攻撃
スカイドラゴン 火を吐く、かみつき
くさったしたい のびあがってかみつき
軍隊ガニ    かに はさみで攻撃
どくいもむし  緑芋虫 毒吐き
バリイドドッグ 茶色犬 ルカナン
キャタピラー  芋虫 スクルト
デスフラッター 緑カラス 2回攻撃
わらいぶくろ  青い袋に顔
        袋が開いてお金の音で多種の魔法、跳ね上がって笑いつつぶつかり
キャットフライ 羽猫 マホトーン
だいおうガマ  赤カエル カエルの攻撃、ラリホー
マタンゴ    紫キノコ 回転して尻餅で攻撃、あまい息で眠らせ
ひとくいが   キモ蝶改
ミイラおとこ  ミイラ 上半身を回転、前に倒れ込んで攻撃
あばれザル   ゴリラ 両腕を地面にたたきつけ
はぐれメタル  銀色バブリー ギラ、
メタルスライム 銀色スライム メラ
ドルイド    茶色のへちゃむくれ バギ、杖で攻撃
さつじんき   斧持った変態男 片手で斧攻撃、両手で斧攻撃 
キラーエイプ  紫のゴリラ ゴリラと同じ
ガルーダ    巨大な鷲 羽ばたいてベギラマ、くちばしで攻撃
こうもりおとこ 羽男 
キラービー   緑蜂
マミー     紫のミイラ 上半身を回転して攻撃



一番見所があったのがはぐれメタルとメタルスライムの戦い。

互いに攻撃魔法を使いまくるが、それを全て無効化。

長期戦になり、ついにメタルスライムのMPが切れたところを

這い寄ったはぐれメタルが打撃を与えてはぐれの勝利となった。



掛札は一番倍率の低い奴にかけていったところ、

若干増やすことができた。

まあ、お金を増やすことが目的じゃないしね。



地下なので気が付かなかったが、

外に出ると既に夜になっていたので、

宿屋に戻って寝ることにする。



明日はピラミッドを目指そう。

ミイラ男とかマミーとかいそうだよなぁ……。




あとがき
プレイではすぐに終わる星降る腕輪の話(?)を長くしてみました。
うまくできているといいのですが……。

プレイではモンスターの調査が一番時間がかかりました。
戦いを見ながら全部メモをしていくのは結構大変^^;
知り得た情報を全て記載しましたが、
これはひょっとしたら邪魔かも知れないですね



[4638] 一人旅 26日目
Name: ハロ◆6571bd49 ID:01d8a6f1
Date: 2008/11/24 17:52

26日目



イシスの宿屋で目覚め、準備を整える。

昨日もらった腕輪を装備するが、いまいちよく判らない。



カードを見ると素早さが倍増していた……。



これは危険すぎる品物なのでは?

見つけない方が良かったのかもしれない……。



服の下にしっかり隠れるように装備し直す。

何か偽装方法を見つけた方が良いよね。

ピラミッドでミイラでもいたら、その包帯をとって巻いておくか?

で、呪いの腕輪ではずせないとかなんとか、と言う言い訳は

……無理があるか……。



それはともかく準備を終えて町を出てピラミッドを目指した。

町を出た後、北に向かう。



後方の町が見えなくなるぐらいで、ピラミッドが見えてきた。

四角錐の綺麗な形をしている。



近づくと正面に入り口が見えてくる。

入り口の両側には石柱があり、階段が中へ誘っている。



一度ピラミッドを見上げた後、覚悟を決めると中へ入っていく。

階段を登った先は通路になっていた。



その通路も長くは続かず、小さな広間に出る。

広間からは正面と左右の3つの通路が出ている。



どっちに行ったものか、と広間の真ん中付近に近寄ったとき

床が抜けて落下した。



落とし穴か!!



体勢を立て直すまもなく着地するが、

それほど高くもなかったため、ダメージはない。

上を見ると、床が閉まっていく。



何度でも利用可能な落とし穴か……。

油断しすぎかな。

仕方がない、上へ登る道を探そう。



周りを見渡すと床に骸骨が沢山……。

脱出口がない……とか?



この場所は部屋のようになっており、左右に通路が延びている。

とりあえず、左側の通路へ進む。



通路は少し進んだところで再び小部屋に繋がっていた。

この小部屋にも骸骨が散乱している。

部屋からは正面と右に通路が出ている。



正面の通路に入る。



通路はすぐに左へ曲がり、歪曲しながら奥へと。

その最奥には上への階段があった。



あっさり見つかったけど、罠じゃないよね?



階段に近づくと上から太陽の光が漏れていた。

一段ずつ気をつけて登っていくが、

特に問題なく上へ到達。



外に出た…………。

こんなにあっさり外に出ることができるのに

あんなに沢山の死人が出ているのはなにかあるのか?

非常に危険な何かが…………。



気を取り直して再びピラミッドの中へ。



最初の小部屋に到達。

槍で中央付近を叩いてみると床が開いた。



なるほどね。



落とし穴の箇所を避けて左の通路へ入る。

通路は少し進んだところで小部屋に繋がっていた。

小部屋からは他に通路はないが、中央に宝箱があった。



宝箱を開けると中身は空っぽだった。



落とし穴の小部屋に戻り、今度は正面の通路を進む。

通路は再び先ほどと同じような小部屋に出た。

槍で中央付近を叩いてみると、ここにも落とし穴があった。



こういう小部屋は気をつけることにしよう。



この小部屋にも正面と左右に通路が延びていた。

中央を避けて、左側の通路へ入る。



通路は横長の部屋へと繋がっていた。

部屋には3箇所のくぼみがあり、それぞれに宝箱があった。



一番左側の宝箱を開けようと近づくと

その宝箱が突然動き、襲いかかってきた。



ミミック!?



槍を横に放り捨て、モーニングスターを構える。

そして、スカラを唱える。



ミミックは噛みつこうと飛びかかってくる。

避けようとするがその巨大な口からは逃れきれず

左肩を大きく咬まれてしまう。



スカラの効果が余り感じ取れないほど、

肩に大きく食い込んでくる。

宝箱は肩をガチガチと咬んでいる。



少し口を開けた隙に横へ飛び、その口から逃れる。



スカラを再び唱える。

念のためもう一度スカラを唱える。



宝箱が飛びかかってくるところを腕で払いのけようとするが、

その腕に噛みつかれる。



なんとかスカラの障壁で防げているようだ。

痛みはあるが、大した程でもない。



その後は多少囓られながらも少しずつ宝箱を破壊していった。

宝箱を倒し、ベホイミで回復する。



こんな罠まであるとは…………。



3つの内1つだけだよな、と中央の宝箱を開けたらこれもミミックだった。



…………。



今度はちゃんと最初にスカラを3連続で唱え撃破する。

しかしそれでもダメージは大きい。

ベホイミでかろうじて治す。



もう一個は近づかないようにしよう…………。



魔法を使いすぎたせいかMPが心許ない気がする

なんとなくMP切れが近づく感覚がわかってきた。

今日はここまでで帰ることにした。



ピラミッドを出て、イシスへ向かう途中、

緑カニが4体出てきた。



面倒なのでベギラマを唱える。

1発では死なず、2発目を唱える。



4体中3体は死んだが、1体が残ったところでMP切れ。



残り1体なら武器でも、と思ったところで

緑カニがスクルトを唱える……。

しかも3度連続。



モーニングスターをぶつけるが、

全く傷つかない。



さらにカニはスクルトを唱える。



無理だ、これ。

逃げよう。



砂をつかみ、緑カニに投げつける。

それと同時にダッシュ。



…………。



なんとか逃げ切ったようだ。

スクルトの連続ってやっかいだね。

逆に言えば、自分が使う分には非常に有効って事だね。



その後はモンスターに遭遇することなくイシスに到着。

そのまま宿屋に戻り、寝ることにした。



[4638] 一人旅 27日目
Name: ハロ◆6571bd49 ID:01d8a6f1
Date: 2008/12/09 21:07

27日目



今日も準備を整えるとピラミッドへ向かう。



ピラミッドに入り、再度探索を開始する。

昨日の残った宝箱は無視することにする。



またミミックだったら疲れるしね。



通路には行き止まりも多かった。

しかし小部屋の中央に石像がある小部屋から続いている通路の先に

上へ登る階段を見つけた。



上の階は通路が細く、まるで碁盤、と言う程ではないが

綺麗な構造になっていた。

ただし、行き止まりも多い。



何度か行き来していると、自分の位置がちょっと判らなくなってくる。

やがてさらに上への階段を見つける。



階段を登った先は今までとは趣が異なっていた。

正面に大きな通路、左右に細い通路が延びている。



まずは正面の通路に。



正面の通路を少し進むと横長の部屋に遭遇する。

部屋の入り口両側には石柱があり、

正面には少しの段差が。

段差の先には大きな扉があった。



部屋の中央を避けて扉へと向かう。

扉を押してみるが全く動く気配がない。

当然ながら引いてみても駄目。



鍵穴も見つからないので何かがあるとは思うんだけど……。



ここは後回しにして別のところに行くことにした。



階段のところへ戻り、右の通路へと入る。

右の通路はすぐに左へと折れ曲がり、再び右に折れ曲がる。

そして正面と左に通路が別れていた。



左の通路へ進むことにする。



左の通路はすぐに小部屋にぶつかり、

小部屋からは右に通路が延びていた。

右の通路はすぐに左へ折れ曲がり、

少し歪曲しつつも再び小部屋へと繋がっていた。

小部屋には上へ登る階段。



4F……かな?



上に登ると通路が一つだけ延びていた。

通路は歪曲しながら進んでいる。



途中に大きな扉を発見。



扉を押してみると扉はすんなりと開いた。

そこは大きな部屋になっており、

一部の壁には絵が描かれている。

部屋の両端は壁がくぼんでおり、

くぼみには大きな柩らしきものがある。

また部屋の中央には石像が設置され、

その周りには宝箱が多数あった。



…………。



このどれかにまほうのカギがありそうだな。

まほうのカギか罠か。

罠の場合はミミックかな……やっぱり。



仕方がないので開けてみようと手をかけたとたん、

どこからか不気味な声が聞こえてきた。



「……王さまのざいほうを

 あらすものはだれだ。

 われらの眠りを

 さまたげるものはだれだ…」



げ…………。



声が静まるとほぼ同時にミイラが4体現れ、襲ってきた。



ミイラは上半身をぐるんと一回転以上も回転させて殴ってくる。

勢いはあるものの大したことはない。



モーニングスターをミイラにぶつける。

ミイラは取り囲むようにして襲ってくるので

こちらも鉄球を大きく回転させていればミイラに当たる。

ミイラはさすがに干涸らびているのか鉄球が当たるたびに壊れていく。

2度程当たるだけで完全に壊れた。



再び静寂が戻ると宝箱の中を見てみる。

中身はキメラの翼だった…………。



キメラの翼を宝箱に戻し次の宝箱を開ける。

再び変な声が聞こえてきてはミイラが襲ってくる。



結局それを10数回繰り返し、全部の宝箱を開け終わるが

まほうのカギは入ってなかった。



本当に王家の宝物庫だったのかな……。



しかし大漁のミイラを倒したおかげでレベルアップした。



職業:けんじゃ
レベル:15
ちから:41
すばやさ:96(48)
たいりょく:75
かしこさ:31
うんのよさ:62
さいだいHP:148
さいだいMP:63

使える魔法:
 メラ、ホイミ、ニフラム、スカラ、ピオリム、ヒャド
 ギラ、マヌーサ、ルカニ、スクルト、リレミト、ラリホー
 イオ、キアリー、ボミオス、ルーラ、バギ、マホトーン、
 ベホイミ、ベギラマ、キアリク、マホトラ
 くちぶえ



魔法が二つ増えている。


キアリク……麻痺を治す。

以前に死にかけたときのような麻痺毒を治す、かな。



マホトラ……対象のMPを奪う。

うーん、これは微妙な気がする。



それはともかく、まほうのカギがない……。

柩の中とかやめてほしいよねぇ。



一応柩を調べてみるが、石棺の蓋は重すぎて開きそうになかった。

調べている内に部屋の奥に階段があるのを発見。



さらに上があるのか。



階段を登った先には大きな扉があった。

扉は押すとあっさりと開いた。



扉の先は小部屋になっており、中央に宝箱が一つ!!



よし、と思って開けてみたがまほうのカギは入ってなかった……。

代わりに入っていたのはとても派手な服。



そのまま箱に戻しました……。

見なかったことにしよう。



周りを見渡すと小部屋から別の通路が延びていた。

通路は短く、その先には登る階段が。



階段を登るとそこは外だった…………。

ピラミッドの頂上がすぐ近くに見える。



あれ?

どこかで間違えた?



途中の路程を思い出してみる。

……3Fのあの扉かな?

なんかがっくりきたのでまた明日にしよう。



ちょうど外に出ているので

ルーラで戻ろうとルーラを唱えるが発動されなかった。



??????



再度唱えるが、発動直前にかき消された……。



ここは魔法が使えないのか?

といっても中を降りるのも面倒だったので、

ピラミッドの端を降りていくことにした。



ピラミッドの段差は意外に大きかったため降りるのに手間取り

下までたどり着いたときには既に日が暮れ始めていた。



念のためピラミッドから少し離れてからルーラを唱える。

ここでなら問題ないらしく、ちゃんとルーラが発動しイシスに到着。



明日の探索に備えて、薬草を3つ程購入。

また魔法が使えない場所に行くことになったら怖いしね。



その後は宿屋で就寝しました。



そういえば、ピラミッドではあのミイラとミミック以外の

モンスターが出てこなかったけど……他にはいないのかな?



修正履歴
2008/12/09 パラメータ修正



[4638] 一人旅 28日目
Name: ハロ◆6571bd49 ID:01d8a6f1
Date: 2008/11/26 20:30

28日目



イシスの宿屋。

長期ってほどの滞在でもないんだけど、

宿屋の主人には完全に顔を覚えられたようだ。



宿屋の主人と軽くやり取りをしてピラミッドへ。

今日は3Fを重点的に調べよう。



ということで3Fまで来ました。

2Fでちょっと迷ったけど、それはよしとしよう。

相変わらずモンスターは出ない……。

良いことなんだけど、これは逆に落ち着かないかもしれない。



結局のところ、扉の仕掛けを解くには

フロアの端のほうにあるボタンを正しい順番で押す必要があった。



ボタンは計4つ。

間違えると落とし穴で下の階へ。

昨日、今日と2Fを彷徨ったおかげか

落ちても現在位置がすぐわかり、3Fに戻ることができた。



3回落とし穴に落ちたところで順番があるということに気が付き、

1度落とし穴に落ちると最初からやり直しになることに気がつくまでに

4度落とし穴に落ちて、正解を見つけ出すまでに7度落とし穴に落ちた。



途中モンスターとの遭遇は1回だけ。

やっぱりここはモンスターの数が少ないのかもしれない。

落とし穴も下の階に落とされるだけでダメージもなかったしね。

落ち方を間違ったらやばいかもしれないけど。



正解を導き出して、奥からゴゴゴという音が聞こえてきた時は嬉しかった。

それが大きな罠の発動かもしれないなんてことはみじんも思わなかった。



罠じゃなく、奥の大きな扉が開いた音で間違いなかったけどね。



奥に向かうと扉が開いていた。

扉の奥は小さな部屋になっており、宝箱が二つ…………。



どっちかがミミック?



まずは左側の宝箱を開ける、と同時に飛びすさる。

襲ってこない。

中を見ると種が入っていた。



もう一つに鍵が入っていることを願おう。



同じように開けると同時に飛びすさる襲ってこない。

安心して宝箱の中を見ると鍵が入っていた。



やっとみつけた。

これがまほうのカギかな?

まほうのカギと言ってくれ。

って話すわけがないのでイシスに行って聞いてみることに。



ピラミッドを出てルーラでイシスへ飛ぶ。

イシス到着後、女王に会いに行った。



あっさり通してくれるんだけどいいのかなぁ……。



カギの話を聞いてみると、間違いなくまほうのカギだそうだ。

一緒に置いてある宝箱は、たどり着くことができた者への褒美とか。



そういえば、そのまま持ってきてしまったけど、

終わりよければ全てよしという感じかな?



上の階の棺部屋の話をしたら、よく無事だったと驚かれた。

宝物を戻したことには礼を言われた。

やっぱり王家の財宝だったらしい。

もっとも、盗んだ場合は呪われるとか何とか笑いながら言っていたが……。



そんなこんなで歓談した後、王宮を辞した。



次は目指せポルトガ。

ポルトガに行けば東へ行くことができるようになる、はず。

まずはルーラでロマリアまで飛ぶ。



そういえば、ルーラって行ったことのある場所をイメージしたら

その場所まで高速で飛ぶけど、飛んでいる途中で目的地のイメージを変えたら

変えた目的地に移動したりするのかな?



そんなことを考えていたからかロマリアに到着するも、

ちょっと離れた場所に着地…………。

次からはちゃんと集中しよう。

海にでも落ちたら大変だ。



場所的にはロマリアの南、旅の扉の洞窟との中間ぐらい。

そして眼の前には芋虫2体と戦っている女性が二人。

一人はメラを飛ばし、もう一人は素手で戦っている。



あ、魔法を使っていた方が芋虫に吹っ飛ばされた。



それを見て、もう一人は相手にしていた芋虫をぶん殴って後退させ

倒れた女性に近寄った。

俺もモーニングスターを振り回し駆け寄ると、芋虫に投げつける。



素手で戦っていた女性は驚いたように一瞬こちらを見るが、

すぐに倒れた女性の介抱を始める。



放った鉄球は芋虫2体をまとめてつぶした。

すぐさま倒れた女性に近づきベホイミを唱える。

呪文とともにその女性の傷は消えていく。



よかった、どうやら間に合ったようだ。



解放していた女性も少し傷を負っているようなのでホイミを唱えて治した。

手を向けたときにその女性はいぶかしむ様な表情を見せるが、

ホイミだと知って安堵の息をもらす。



「ありがとう。」



介抱していた女性が礼を言ってきた。

倒れていた女性も気が付き、礼を言ってきた。



ここじゃ危険なので町へ入ろう、と促すと、二人ともうなずいてついてきた。

町まで、といってもすぐ近くなのでモンスターが出ることもなく到着。



じゃあ、と言って別れようとするが二人ともついてくる……。



「えっと……?」



立ち止まって振り返ると、二人とも顔を見合せる。

そして意を決したように素手で戦っていた女性が尋ねてきた。



「あの、勇者は今どこにいるか知りませんか?」



勇者……ねぇ……。

どこにいるんだろうね?



「勇者?いや、知らないけど……?」

「全然?」



魔法を使っていた女性がおずおずと聞いてくる。



「しばらく前にエルフの村に現れたというぐらい、かな?」



たしかサトルがそんな話をしていた記憶が……。



「それってどのぐらい前なんですか?」

「うーん……さあ?」



どのぐらい前かとかは言ってなかったよな、確か。



「そうですか……。」



なんかかなり意気消沈している感じだ。



「なんで勇者のことを?」

「そ、それは……」



魔法を使っていた方が口ごもっているのを見て、

もう一人が助け船を出す。



「実は私たち、この世界の人間じゃないんです。」



あ、やっぱりそうなんだ。

そんな気がしてた。

勘みたいなものだけどね。



「俺もそうだよ。」



俺の回答に二人は目を丸くして驚いている。

なんか変なこと言ったかな?



「そんな……嘘……。」

「でも……だって……。」



二人の驚きはなかなか収まらないようだ。

そんなに驚くことでもないと思うんだけど……?



このままじゃらちが明かないので

驚きに固まる二人を連れて、食堂(と言っても酒場だけど)に向かうことにした。



酒場につく頃には二人はようやく気を取り直したようで自己紹介をしてきた。

魔法を使っていた方がエリ、魔法使いだそうだ。

素手で戦っていた方がマリ、武闘家らしい。

俺も自己紹介を返した。



驚いていた理由を聞いてみたが、それはかなり予想外の内容だった。



元の世界からアリアハンにたどり着いた人間のほとんどは

アリアハンからの脱出すらできていないとのこと。

今まで武器を持ったことのない人間がほとんどで

武器に振り回される結果となり、

モンスターに的確に命中させることができないそうだ。



あれ?俺は結構普通に使っていたような…………。



魔法が使えると言われた人間も、今まで魔法なんか使ったことがなく、

使い方もわからないため、なかなか使うことができない。

ドラクエに詳しい人はいたので、カードに書かれた魔法の名称で

魔法の内容がわかっても使い方がわからなかったそうだ。



……思い浮かべただけで判るものなんじゃ……?



モンスターに襲われ、生き延びることができたのは

攻撃魔法が最初から使える魔法使いと賢者が最も多く、

次いで回復魔法の使える僧侶、という状態らしい。



そしていきなり戦いに出かけた人のほとんどは帰らぬ人となっている。

そのため、特に初期にこの世界に来た人の半数以上はすでにこの世界から消え、

残りはアリアハンの街中で仕事を見つけ生活しているという。

かろうじて最初の戦いに勝利した人も、その戦いの辛さから

城の近くでモンスターを倒し生活費を稼ぐ程度で、

ロマリアまでたどり着いている人がいるとは思ってもみなかったそうだ。



最近になって異世界からの来訪者たちの大多数が集まり始めた。

その結果、情報交換が盛んになり、この場所にずっと留まることに

疑義を持つ人も増えてきた。



この場所に留まることは元の世界への帰還方法の探索を放棄することと同じ。

この世界で生きることを決めた者もいるが

そのほとんどは帰還を望んでいた。



どうすれば帰還できるかはわからない。

しかし死ぬことによって消えるという現象から、自殺を選ぶ者も出てきた。

消えることによって元の世界に帰ることができる、と。



やがて、勇者が今どこで何をしているのか、

何か手伝えることはあるのか、それによって何かわかるのでは、

といった議論になり始めた。



しかしロマリアへの旅の扉すら遠く、辿りつけるものはいない。

少なくともロマリアへでもたどり着くことができれば何か判るかも、

ということで斥候隊が編成され、向かうことになった。



マリとエリはそのメンバーとして選ばれたそうだ。

エリは何度か行うこととなったモンスターとの戦闘で

メラを使いこなすことができるようになっていたため選ばれ、

マリはエリが行くなら私も絶対に一緒に行く、と。



メラを発動させることができない魔法使いも多いらしい……。



斥候隊のメンバーは4組16名で構成された。

マリとエリの組には他に戦士と僧侶がいたそうだ。



洞窟までたどり着くまでに3名が欠け、

洞窟の内部でも仲間がどんどんとやられ

ようやく旅の扉までたどり着いたときには二人だけとなっていた。



「アルミラージがラリホーを使ってきて、気がついたときには既に……。」

「アルミラージ?」



なんか聞いたことがあるけどなんだっけ?



「紫色の角の生えた巨大ウサギだけど、見たことない?」

「あぁ、ムウちゃんか。」

「「ムウちゃん?」」

「あぁ、いや、こっちのことで……。」



話の腰を折ってしまった……。

とはいえ、あとは知っての通り、旅の扉を抜けロマリアが

見えてきたところで芋虫に襲われた、と。



この話を聞いていると俺はかなり運がよかったんだろうなぁ……。



この1週間は異世界からの来訪者もなく、

ルイーダによると生き残っているのは半数に満たない数という。

そしてそのほとんどがアリアハンに残っている。

俺のようにアリアハンを出て、消息がわからないものは30数名とか。

それらはどこかで死んでいるものと思われていたので

最初に出会ったときには自分たちと同じ異世界からの来訪者と知り驚いた、と。



確かにそんな状態なら驚くだろうね。

俺は逆の意味で驚いたけど……。



「そういえば、賢者ってことはルイーダの店で大変だったんじゃない?」



突然マリが言ってくる。

暗くなった雰囲気を変えようとしてるのか?

でも大変……?



「あの店の2階に吟遊詩人がいて、その人が

 『勇者が天に選ばれしものなら、賢者は神に選ばれしもの。』

 とか言って大騒ぎにならなかった?」

「うんうん、私たちの時もそうだったし、ルイーダも毎回そうだと言ってたよ。」



……そういえば2階が騒がしかったことがあったような……。

あれはこのことか。

しかし神に、とはねぇ。

そもそもこの世界に神なんているのだろうか?



そのあとは俺の旅の様子を聞かせることとなった。



まほうのカギのところで、それは勇者が手に入れるはずらしい、と言ってきた。

どうやらゲームでは勇者が先へ進むために必然的に手に入れるものらしい。

東へ行くためのバロメータとして使われている話をして、

明日はポルトガへ向かう予定だと話をすると、

一緒に連れて行ってほしい、と言い出した。



連れて行っていいものなんだろうか?

途中のモンスターは大したことがないと思うけど、

正直なところ自信がないので断ることにした。



エリは残念がっているだけだが、

マリはそこをなんとか、と頼み込んでくる。



そこで代替案として、まず俺が一人でポルトガへ向かい、

そのあとルーラでロマリアからポルトガへ連れて行く、

という方法を伝えたら二人は手を取り合って喜んでくれた。



ルーラが使えるレベルになっていることにも驚いていたが

それはまあ、ささやかなことだ。



そうだ、ひょっとしたら使えるかもしれないと、

バッグの中から以前に手に入れた鉄の爪を取り出した。

俺には使いこなせそうにはないけどマリなら。



案の定、マリは使えそうだ、と喜んでくれた。



エリは期待の目で俺を見てくるが……なんかあったかなぁ?

バッグの中を見てみるが……おてんばじてん?

こんなものなら、と渡してみる。



エリは開いて中を見るが、読めないよ、と言って返してきた。



読めない?意味はサッパリだったけど、文字が読めないなんて事は……?



他にはないことをエリに伝えるとエリはがっくりを肩を落とす。



そういえばピラミッドの宝箱の中にスカートがあったなぁ……。

そのまま宝箱の中に戻したけど。



そんなところで明日の朝にまた落ち合うことを決めて

宿屋に向かうことにした。




あとがき
以前に実剣(だいたい2~3Kg?)を持ってみたことがあるのですが
振り回してみたところ正直振り回されました。
動く標的に対して命中はしても、逆に命中するというだけですね。
その経験から現代人がこの世界に来たら、ということをこのように解釈しました。
中世の人たちって現代人より体力があると考えられますし、
その人たちですら町から外に出てないと考えると、こんな感じかな、と。

じゃあ、主人公は?という疑問はあるかと思いますが
それはいずれ出てくることになります。

ちなみに遊び人のアツシなんかはもともと大道芸人をやっていて
体力がありますし、ナイフ投げも得意という裏設定があったりします。
くちぶえを覚えている時点でレベルはそれなりにあるんですけどね。

それはともかく初期に配置した伏線、といえるほどではないですが、
それをやっと回収できました……。



[4638] 一人旅 29日目
Name: ハロ◆6571bd49 ID:01d8a6f1
Date: 2008/11/27 20:30

29日目



ロマリアの宿屋で目覚める。



宿屋の入り口付近でマリたちと合流し、

ともに食事をした後、ロマリアを旅立つ。



宿屋の主人によるとポルトガは特に何もなければ夕方にはつける距離という話なので

3日連絡がなければ戻ってこれない事態となったと考えてくれと伝えておいた。

死んだというような事態でない限りは後でアリアハンへ向かう、と。

所持金が少し心もとないようだったので少しのお金とキメラの翼を渡しておいた。



最初のころ以来あまり気にしなくなっていたが、

昨日確認したらいつの間にかお金が1万Gを超えていた……。

そんなに使ってないからねぇ。



ロマリア入り口近くにいる衛兵にポルトガへの行き方を聞く。

以前にまほうのカギのことを教えてくれた人で、

手に入れてきたことを伝えると我が事のように喜んでくれた。



ポルトガへ向かうにはまず関所へ行かなければならない。

そこからポルトガへは、そこで聞け、と。

で、関所はしばらく西の海沿い北に進み、

高山地帯に出たら、高山地帯沿いに進めば見えてくるらしい。



礼を言ってロマリアを出立する。

まず西へ進み海に出る。

そして海沿いに北へ。



やがて海岸は西の方へ進み始める。

少ししたところで海岸は高山地帯の絶壁に阻まれる。



あとは高山地帯沿いだっけ?

ずっと高山地帯が続いているように見えるけど……。



少し進んだところで高山地帯が途切れているところがあった。

そこは少し木立となっており、その奥には建物があった。



その建物は海際に建っていた。

海の向こうには小さな島が見える。



建物に近づくとそこは衛兵が守っていた。

何かが近づいてきたと警戒しかけた衛兵は、

俺の姿を見て安堵する。



こちらが何かを話しかけるより先に話しかけてきた。



「トビラを開けば

 その先はポルトガの国だ。

 まほうのカギを持っているなら

 通るがよい。

 だけどもってないよなぁ?」



持ってる人が来ないこと前提なのか?

持ってることを伝えるとかなり驚いていた。



「な、本当か?勇者以来初めてだよ。」



ここに勇者が来たんだねぇ。

いつ頃かを聞いてみると一ヶ月ほど前らしい。

1か月前か…………俺がこの世界に来たぐらいかな?



衛兵にポルトガまでの道を聞いておいた。

関所を出て橋を渡ったらひたすら南へ。

それでたどり着くそうだ。



礼を言って扉に手をかける。

カギがかかっているので当然開かない。

まほうのカギを使って扉を開ける。

扉の中は小部屋になっており、中央に降りる階段がある。



階段を降りると湿気た通路があった。

通路を進むと大きな扉があるが、まったく動かない。

さらに先には登る階段があった。



素直に階段を上る。

階段の上は先ほどと同じく小部屋になっていた。

ここにも扉が一つありまほうのカギで開ける必要があった。



こちら側の建物には衛兵はいないようだ。



建物から出るとこの場所は関所に入る前に見えた小島であることがわかった。

西の方に少しの木立があり、その隙間から橋が見える。

橋の向こうも森になっている。



橋を渡って南へ。

やがて森は切れ、平原地帯へと変わる。



東は海、西は森。

西側が森から低山地帯へと変わるころ

関所を越えてから初めてのモンスターが出てきた。

茶色いへちゃむくれ(ドルイドだっけ?)1体と鎧1体。

へちゃを先に倒し、そのあと鎧を倒す。



……今となっては余裕で倒せるようになったけど、

ここに来たばかりのころだときつかったよなぁ。

でもまだ1か月しかたってないことを考えると……。



他の人間と俺では何かが違うのだろうか?

この世界に来るまでにこんな武器は使ったことがないのに

十分使いこなせているといっていいぐらいにはなってるはずだ。



それに魔法。

話ではカードに魔法が記載されてもすぐには使えないとのこと。

魔法ごとに特性があり、発動方法も違うという。

俺はその魔法を思い浮かべるだけでその魔法の特性がわかる。

そして発動方法も全て同じ感覚で実行しているし、問題も発生してない。



職業が賢者ということはたぶん関係がないと思うけど……。

他にもいるみたいだしね。



とはいえ、それ以前に俺たちがこの世界に来た理由からして判らないのに

一人悩んでも答えは出ないか。



いつの間にかうつむき加減になっていた頭を上げると、遠くに城が見えていた。



あれがポルトガの城だろうなぁ。



ポルトガの城は海辺に建っていた。

遠くからでも港と城が一体化している様子が見て取れる。

ほどなくポルトガに到着。



意外と早く着いた。

まだ昼を過ぎたぐらいだ。



さて、東への許可を取りに行く前にロマリアに戻るか。



ルーラでロマリアまで飛ぶ。

もともとルーラは一瞬で移動するけど、

ポルトガとロマリアは本当にすぐ近くなので景色を見る暇もなかった。



城門前の衛兵は、さっき行ったはずなのにどうしたんだ、と聞いてくる。

ポルトガに到着し、ルーラで移動できるようになったので

いったん戻ってきた旨を伝えると、そんな便利な魔法があるんだと驚いていた。



魔法の種類ってあまり知られてなかったりするのかな?

まあ、キメラの翼があればルーラは必要ないしね。



そんな会話をして、町の中に入る。



そういえば、落ち合う場所を決めてなかった……。

宿屋にいるといいけど、外に出ているなら探すのが大変だ。



宿屋に向かったらちょうどマリたちは宿屋から出るところだった。

こちらを見つけると駆けてきた。



ポルトガへ無事着いたことの報告したあと、

ルーラで飛ぶので準備して来るように伝える。



二人はあわてて宿屋に駆け戻り、すぐに出てきた。

そしてルーラでポルトガへ飛ぶ。



…………到着地点がずれた。

それもかなり大幅に。



ポルトガの城が見えているから、それほど遠くはないけど

ポルトガの西2kmといったところか。



ポルトガを知らない人がいたからかな?

実際の距離を知らない人がいたためにずれが生じたのかもしれない。

ロマリアとポルトガはすぐ近くだからいいけど

遠い距離だとこの誤差も広がるのだろうか……。



マリ達はルーラはもちろんのことキメラの翼も使ったことがないらしく、

空を高速で飛ぶのを喜んでいた。

この移動って人によっては酔ったりして……。



ポルトガまではの道中は歩くことになったが、

モンスターに出くわすことなく到着する。



街に入り、城を目指す。

城の入り口でまほうのカギを持ってきたことと

東への許可を取りに来た旨を伝えると、

その場で待機するように言われ、衛兵の一人が城の奥へと向かった。



少しして衛兵が戻ってきて、王様への謁見が行われることを伝えてきた。



「このようなちいさな国とはいえ

 王さまはりっぱなおかたです。

 どうかそそうのないように。」



緊張する……。

マリたちも緊張しているようだ。



城の奥にある階段で上の階へ進み、王のもとへ。

玉座には椅子が二つあり、片方が王様、もう一つがお妃様が座っている。

王様の斜め前にはなにやら貫禄のある人が立っている。



「この手紙を東への洞くつに住む

 ノルドに見せれば

 みちびいてくれるはずじゃ。」



王様がそう告げると、王様の前に立っていた人が手紙を持ってこちらまで来る。

その手紙を受け取ると王様は話を続けた。



勇者が以前に来た時もまほうのカギを携えてやってきたそうだ。

勇者はそのあと東へ旅立ったのだが、

そのときに黒コショウを手に入れてくるように頼んだとのこと。



勇者は無事に黒コショウを手に入れてきたものの、

東はやはり危険だという話を聞かされた。

そのため、勇者と同じように魔法のカギを手に入れたものだけに

東への移動許可を出すことにしたという。



「しかし実際に許可を出すのはそなたらが初めてじゃ。」



関所でもそんなことを言っていたなぁ。



「行ってくるがよい。

 勇者と同じくコショウを持ち帰ったならば

 同じようにわしの船を与えよう。」



え?勇者は船に乗ってどこかに行ったの?

マリたちはあまり驚いていないようだ。

知っていたのかな?



「勇者が船の乗って旅立ったのはいつごろのことですか?」



マリが王様に尋ねる。

王様の前に立っていた人が代わりに3週間ほど前だと答えてくれた。



「おおくのものたちが

 東をめざしそして死んだ。

 気をつけることだな。」



そんなに危険なのか…………?



そこで謁見は終了し、退室の運びとなった。



外に出て勇者が船に乗って旅立ったことの話を聞いてみる。



「まさかもう船に乗っているとは思ってなかったけど、

 ゲームでは東でコショウを入手した後、船を手にいれ

 他の国へ旅立つことになる、って言ってた。」



エリがそう答える。



なるほど。

勇者はゲーム通りに進んでいるっぽいってことか。

予想よりも早く。



「でもこれだけ分かれば十分だと思う。ありがとう。」



マリは満足げに話す。

そして、また勇者についてわかったら伝えに行くことを約束し

キメラの翼でアリアハンへ飛ぶマリたちを見送った。



そういえば…………アリアハンとここってどのぐらいの距離なんだろう?

ずれて海に落ちたりしてないといいけど……大丈夫だよね?



東へ向かうにはホビットの洞窟だっけ?

アッサラームで聞けばわかるかな?

最初に聞いたのはあそこだったし。



と、その前に武器屋をのぞいてみることにした。

店に入ると店員がいきなり話しかけてきた。



「こしょうひとつぶは

 おうごんひとつぶ。

 あんなねだんの高いものは

 ここにはおいてませんよ。

 ところで……

 ここは武器と防具の店だ。

 どんな用だい?」



…………。



武器を見せてもらってはがねのむちを購入する。

チェーンクロスやモーニングスターのように扱えるみたいだ。

材質は鋼、細い鋼線が束になって、一本の鞭のように扱えるようになっている。



この系統の武器は見慣れないからかもしれないけどかなり…………。



武器屋を出るとルーラでアッサラームまで飛んだ。

アッサラームの宿屋に入ると、久しぶり、と歓迎してくれた。

ホビットの洞窟のことも知っていて教えてくれた。



この町から東へ進んで、高山地帯沿いに北へ向かえば見つけられるそうだ。



すでに日は落ち始めていたから、そこへ向かうのは明日ということで

アッサラームの宿屋で宿泊することにした。




[4638] 一人旅 30日目
Name: ハロ◆6571bd49 ID:01d8a6f1
Date: 2008/11/28 20:15

30日目



アッサラームで目覚める。

準備を整えて、町を出る。



東に向かい、高山地帯に沿って北へ。

やがて洞窟が見えてきた。

入口はかなり大きく比較的楽に見つけることができた。

中の様子をうかがうがモンスターの気配は無さそうだったので入っていく。



洞窟に入って間もなく大きな扉があった。

扉には鍵もかかっておらず、あっさり開く。



引き戸になっているのはモンスター対策かな?



そのまま奥へ進むと広い空間に出た。

壁際には草が生えている。



行き止まりかなと周りを見渡していると、

草によって見つけにくくなっていたが、端の方に細い通路を発見。



そのまま細い通路を進む。

少し進んだところで開けた空間に出た。

中央付近に井戸がある。



井戸に近寄ってみると、水が少しはねて周りに飛び散っていた、

と、左の方からわずかに明かりがもれている。



明かりのほうに歩いて行くとそこには整えられた部屋があった。

部屋には小人が一人。

こちらを見つけるなり、どなるように言ってきた。



「わしはホビットのノルド。

 おまえさんはなんだね?

 さっ出てゆきなされ!」



この人か。



ポルトガの王様から頂いた手紙を渡すと、

素早く奪うように受け取り、声を出して読み始めた。



『しんあいなるノルドよ。

 この手紙をもつ旅びとを

 バーンのぬけ道へあんない

 してやってくれ。

 ポルトガの王より。』



「ふむ!」



一息入れて続ける。



「すると

 おまえさんは東へ

 いきたいのかね?」



ええ、その通りです、と伝える。



「ふむ!」



これは癖なのかな?



「ほかならぬ

 ポルトガの王さまのたのみ

 とあらば…

 さ!ついて来なされ。」



そう言うと返事を待たず、井戸の方へ走って行った。

あわてて後を追いかけるが井戸のところにはいない。

細い通路の方へ向かうと、広間のところにいた。



「ふむ!」



癖だな、これは。



「そこで

 待っていなされ。」



ノルドは壁をいじくり始めた。

暗くてよくわからなかったが、その壁は最近塗り直されたように

他とはちょっと色が違うことがわかった。

ノルドは壁に少し穴を開けると、今度は思いっきり蹴り始めた。

何度かの蹴りを受けると壁は壊れた。



…………。



……………………。



まさかまほうのカギを手に入れる人が出るたびにこれを繰り返すつもりなのか?



壁を壊したノルドは満足げだ。



まあ、これだけ満足できるのならいいのか。

塗り固めるのも壊すのも本人だしね。

で、帰りはキメラの翼かルーラを使え、とそういうことなんだろうなぁ……。



「さ お通りなされ!

 これがバーンのぬけ道への

 入り口じゃ。」



抜け道へ入る前に、この洞窟の先のことを聞いてみた。



「ふむ!

 南へ向かいなされ。

 町があるはずじゃ。」



礼を言って抜け道へ入った。



抜け道は細く、曲がりくねっていた。

徐々にその幅は広がり、やがて行き止まりとなる。

行き止まりには上へ昇る階段があった。

上からは太陽の光が少し漏れている。



外に出た。

洞窟近くは低山地帯となっていた。

そのまま南へ向かい、日が暮れ始める前には町に到着する。



途中、森を越え、山を越え、湿原を超えと結構な距離だった。

幾度かモンスターも出現。



ゾンビ犬の赤バージョンは、マヌーサを唱えてきたり

仲間を呼んだりするもののそれほど苦労することなく倒した。



真っ赤な雲は炎を吐いてきたが、今までに出会った雲が使ってきたメラと

同レベルの強さの炎でしかないので、鞭を振り回して霧散させることができた。



赤紫の蜂は、羽音でギラを使ってくるが、所詮は蜂なので鞭で一掃できた。

針の攻撃が怖かったが、それも問題なく回避。



青いアリクイは、今までのアリクイと同様に舌で攻撃してきた。

結構痛かったのでスカラを唱えてから倒した。



少しずつのダメージでも貯まると大きくなっていくので

ベホイミを唱えたが、町に着くまでに使った回数は2回。

その程度の傷で済んだ。



しかし最近は本当に戦闘が楽になったように思える。

戦闘そのものに慣れてきたこともあるだろうけど、

何か別の可能性という疑いが頭から離れない。



町は川沿いにあり、水浴びをしている人もいる。

それを眺めながら街へ入った。

入口近くの人に聞いてみるとここはバハラタというらしい。



宿屋に向かおうと思ったが入口近くに武器屋があったのでのぞいてみることにした。



巨大なハサミ?

いや、これは…………。



品物を眺めていると賢者ならこれはどうだい、と杖を出してきた。

杖の名前は理力の杖というらしい。



「理力の杖はMPのちからを

 攻撃力に変えて

 敵を攻撃する武器だ。

 戦うたびMPを使うが

 魔法を封じられたとき

 これでたたくとよいだろう。」



ほう、それは便利だ。



「あと、この楯。この楯は魔法の楯といって、

 魔法を防ぐ力が込められているんだ。」



ほほう、それも便利だ。

価格もそう高いものではなかったので両方とも購入。

おまけでまたすごろくけんをもらった。



今まで装備していた楯と、そのまま持ち続けていた青銅の楯も売った。

他も売ろうかと思ったが、やめておいた。



すごろくけんをもらったのですごろく場の場所を聞いてみたが、

知らないと言われてしまった。



知らないものを渡されても……。

まあ、何かの機会に前に行ったところにでも行ってみよう。



そのあとは宿屋へ向かった。



宿屋で部屋を取って、休もうと思ったら、

同じく宿屋に部屋を取っていた戦士っぽい男性に声をかけられた。



「北の山奥には転職をおこなう

 ダーマの神殿があるそうだ。」



賢者への転職?

そんなことができるのか……。



その男性は俺が賢者だと知ると目を見開いて驚いていた。



「オレもいつかは遊び人…

 じゃなくてりっぱな賢者に

 なってみたいものだな。」



男性はこのあと川で身を清めると言って出て行った。

宿屋の主人にダーマの神殿の話を聞くと、

町の南東にある橋を渡って、北を目指して進むと辿りつけると教えてくれた。



賢者への転職すら行うことができる神殿。

そこに行けば何かわかるかもしれない。

この世界のこと、元の世界のこと、そして俺の力のこと……。



部屋に入り、ベッドに体を横たえてそんなことを考えているうちに寝ていた。




[4638] 一人旅 31日目
Name: ハロ◆6571bd49 ID:01d8a6f1
Date: 2008/12/09 21:08

31日目



バハラタで目覚める。

外では合唱をしているかのような声が聞こえる。

外では川で身を清めつつ、祈りのようなものを捧げている人たちがいた。

それを横目に見ながらダーマの神殿を目指して出発する。



バハラタを出て南東に向かう。

橋が見えてきたところでモンスターが襲ってきた。



青アリクイ、赤紫蜂、青いキノコ、赤犬がそれぞれ1体ずつ。

位置や高さが違うので、鞭で一気に攻撃というのができそうにない。

イオを2発唱え数を減らした後、鞭で倒した。



そこで久しぶりのレベルアップ。



職業:けんじゃ
レベル:16
ちから:44
すばやさ:102(51)
たいりょく:77
かしこさ:34
うんのよさ:64
さいだいHP:153
さいだいMP:67

使える魔法:
 メラ、ホイミ、ニフラム、スカラ、ピオリム、ヒャド
 ギラ、マヌーサ、ルカニ、スクルト、リレミト、ラリホー
 イオ、キアリー、ボミオス、ルーラ、バギ、マホトーン、
 ベホイミ、ベギラマ、キアリク、マホトラ
 くちぶえ



今回は魔法が増えなかった。

これから魔法はどんどん増えていくんだろうな……。

よく使う魔法は限られているとはいえ、

効果を覚えるのが結構大変かもしれない。



確認を終えると橋を渡って北へ。



やがて平原は森へ変わる。

森の中では青アリクイ3体に襲われるが、鞭だけでなんとか撃破。

1体は逃げたけどね。



でもさすがにダメージも大きかったのでベホイミで治す。



森の中を進み風景は低山地帯へと変わる。

遠くの森の中に巨大な神殿が見えてきたころ、

雄牛と青アリクイが襲ってきた。



雄牛は角で突進とかかな?



かなりきつそうな気がするのでスカラを唱えて対処する。

特に問題なく鞭だけで倒すことができた。



低山地帯をもう少しで抜けるといったときに

森から紫の猿、キラーエイプが3体飛び出してきた。



念のためスカラを唱える。

魔法の楯も猿の攻撃を軽く受け止めてくれ、

大した被害を被ることもなく全部倒すことができた。



そして、ダーマの神殿に到着。



ダーマの神殿はインド風の建物になっていた。

屋根が傾斜しており、段差がある。

それぞれの段差には像やら文様が彫り出されている。



正面に大きな扉があり、開けると巨大な広間になっていた。

人の姿はまばらで、奥の段差の上に豪勢な服を着た老人が立っていた。

老人の前には時折、人が立ち、老人から何かを聞いているようだ。



近くにいた人に声をかけて話を聞いてみた。



「あの神官様は転職を希望する人に

 どのように訓練をしたら転職できるかを

 教えてくださる方ですよ。」



さらに話を続ける。



「その人にその実力があるかを見極め、

 実力があるのであればその為の道を

 指し示してくださいます。」



なるほど。



「私は武闘家になろうと思ってます。

 ですが、駄目だと言われたらと思うと……。」



礼を言ってその場を離れ、神官の元へと歩む。

神官の前に立つと、神官が怒鳴ってきた。



「なんと、まだ一人前の賢者になってないというのに、

 未熟者の分際でもう職を変えたいとは何事じゃ!」



一瞬、その気迫に身を引きかけるがなんとか留まり事情を話した。



賢者として一人前ではないことは理解しているつもりであることを説明し

自分がこの世界の人間ではないこと、この世界や自分自身について

知りたいと考えていることを伝えた。



「この世界についてならば、ここには書物が沢山あるからの。

 存分に調べていくがよい。

 賢者としてふさわしくないとお主自身が考えているのであれば

 なおさらここで学んでいくがよい。

 そして自分が行うべき事を見つけ出すがよいじゃろうて。」



答えをはぐらかされた気もするが、それでもありがたい。

それだけでも十分だ。



その後、書庫へ案内してもらった。

多数の書物が保管されていた。

これだけあれば知りたいことの大半は判るような気がする。



神殿には宿泊施設も用意されていた。

無料ではないが安価で宿泊できるようだ。



俺はしばらくここに留まり、学んでいくことにした。

自分自身と、そして進むべき道を見つけるために。




あとがき
31日目を持って序章終了とさせて頂きます。

主人公の楽天的な性格から、危険性の知識を持ちながらも
行動にそれが反映されないようなところから始まり
いくつかの出会いから徐々に行動が改まっていき
賢者と呼ばれる存在への第一歩を踏み出す。
ということを序章で描こうと思っていたのですが
上手く描けているでしょうか?

何分、小説を書くのはこれが初めてなもので
未熟な点が多々あるかと思いますが、
大目に見て頂けるとありがたく思います。

次章までに少し休憩を取らせて頂いて
続きは1~2週間後に開始予定です。

今後ともよろしくお願いいたします。



おまけ

主人公の装備は現段階で以下の通りです。

武器:はがねのむち
鎧:くさりかたびら
楯:まほうのたて
兜:てつかぶと
装飾品:ほしふるうでわ


またオリジナルの登場人物の一覧を記載しておきます。

リョウ:賢者
性別:男
説明:異世界人、本作の主人公

コウイチ:僧侶
性別:男
説明:異世界人、消失

ラーク:戦士
性別:男
説明:コウイチのパーティメンバー

エーネ:魔法使い
性別:女
説明:コウイチのパーティメンバー

サトル:商人
性別:男
説明:異世界人

アツシ:遊び人
性別:男
説明:異世界人、サトルのパーティメンバー

ミネア:遊び人
性別:女
説明:サトルのパーティメンバー

マリ:武闘家
性別:女
説明:異世界人、ロマリア斥候隊メンバーの生き残り

エリ:魔法使い
性別:女
説明:異世界人、ロマリア斥候隊メンバーの生き残り




修正履歴
2008/12/09 パラメータ修正



[4638] 一人旅 承前
Name: ハロ◆6571bd49 ID:01d8a6f1
Date: 2008/12/09 20:55

承前



ダーマの神殿でいろいろなことを学んだ。



元の世界へ戻る方法や俺自身については判ることは非常に少なかった。

元の世界の情報はここには全くなかった。

元の世界についての情報すらここにはないのに戻る方法については見つかるはずもない。



俺自身についてもほとんどわからなかったが、

魔法の習得と同時にそれを理解する人の話はあった。

噂レベルでしかないが、そういう人間は存在するそうだ。

武器の扱いに関しても同様だ。

それを知り、俺は自分だけではないことに安堵を覚えた。



そのような情報はともかくこの世界や、魔法の種類、武器防具については

多数の資料が存在しており、知識を得るのに困ることはなかった。



まずこの世界。

ダーマの神殿に来て初めて世界地図を見た。

世界地図は高価なものであり、所有しているのはごく一部の人だけだという。

その地図に描かれていたのは元の世界と非常に似ている世界だった。

全くそのままというわけではないが陸地の形などはかなり似ている。



ロマリアはイタリア半島に存在しており、ちょうどローマの位置に近い。

ポルトガはイベリア半島に存在している。

位置的にはセビリアになるが全体の誤差から言えば

ポルトガルの場所と言っても良いだろう。

カザーブはモスクワ付近、エルフの里はスカンジナビア半島、

アッサラームは中東、イシスはサハラ砂漠に相当する場所に存在する。

バハラタはインド、このダーマ神殿はチベットだろうか。



日本に相当する島も存在した。

国名をジパングといい、黄金の国と言われているそうだ。

一度行って調べる必要はあるかもしれない。



アリアハンだけは元の世界に存在しないところにあった。

位置的には南太平洋の真ん中。

オーストラリアやニュージーランドの東にあった。

伝説上のムー大陸……と考えるとそのぐらいの場所にある。



モンスターについては多数の資料が存在していたが、

役に立たない部分が非常に多かった。

というのは魔王の出現によってモンスターが変質しているからだ。

そのため同じモンスターの様に見えても色が少し違えば

違う能力を持っていると考えた方が良いようだ。

また元々モンスターでなかったものまで狂暴化している。

この近辺に出没する牛がその典型だ。

牛……マッドオックスと呼ばれるそれは非常に凶暴で魔法までも使ってくる。

さらに変質の影響は巨大化を引き起こしているものもいる。

芋虫がその一例かもしれない。



その変質の影響というのは死ぬと宝石へと変わるのも特徴になっている。

どういう原理かはわからないが、変質によって体内に宝石が生成されており

死ぬと同時に肉体は消失し、宝石だけが残るようだ。

宝箱についてはさらに意味不明だ。

宝箱を食らうから宝箱が出てくるのか、体内で宝箱が生成されているからなのか。

また中身を取り出した後の宝箱が消失するのもよくわからない。



無機物が動く例もある。

ミミックやさまよう鎧などがその代表だろうか。

何かが憑いて動き出しているのではないかとされるが、

死ぬと元の物質(箱や鎧)も消えてしまう。



調べれば調べる程判らなくなる。



俺はダーマに来てからそのように書物で学ぶ時間は夜間としていた。

それとは別に近辺での戦闘訓練も行っていたからだ。

最初のうちはダーマの神殿の近くで、神殿の北にガルナの塔という

賢者を目指す者たちの試練の場があると知ってからは、訓練の場所をそこに移した。



ガルナの塔は外から見てもいくつかの塔がくっついたような複雑な構造になっていたが、

中に入るとさらにややこしい構造になっていた。

塔から塔へ綱渡りで渡ったり、そのロープから飛び降りたり、

旅の扉のようなもので移動したりしながら探索をすることになる。

最も効率的な訓練ができたのは真ん中の塔の頂上だった。



頂上ではモンスターが飛来し襲ってくる。

飛来してくるモンスターのうちスカイドラゴンが結構きつかった。

直接攻撃はそれほどでもないが強力な火炎を吹いてくる。

チョ○ボみたいなおおくちばしというモンスターは、

飛来というよりは上から落ちてきている感じで現れるのだが、

動きが素早く、こちらが1回攻撃を加える間に2回攻撃してくる。



その他に、メタルスライムがときおり現れた。

現れる瞬間はよくわからないのだが、床からしみだしてきているのだろうか。

こいつは動きが素早い上に表面がツルツルしていて攻撃がまともに命中しない。

さらに逃げ足が速くこちらの攻撃が命中する前に逃げ出してしまう。

しかしたまに倒すことに成功すると、それでレベルアップということになった。

さすがに経験値が大きい。



ここでの訓練はレベルアップが早く、面白くもあったが、

いつまでもここにいるわけにはいかないという思いから

メタルスライムを1回の戦闘で2体以上倒す、という目標を作った。

それが達成できることには学ぶべきことも十分手に入れられると考えてだ。



レベルが上がるに従って命中しやすくなっている気がするが、

それでもメタルスライムにはなかなか命中しない。

しかし約2週間が経過したころにようやく目標を達成することができた。



そしてそのときにはレベルは24になっていた。



職業:けんじゃ
レベル:24
ちから:59
すばやさ:146(73)
たいりょく:93
かしこさ:56
うんのよさ:75
さいだいHP:190
さいだいMP:111

使える魔法:
 メラ、ホイミ、ニフラム、スカラ、ピオリム、ヒャド
 ギラ、マヌーサ、ルカニ、スクルト、リレミト、ラリホー
 イオ、キアリー、ボミオス、ルーラ、バギ、マホトーン、
 ベホイミ、ベギラマ、キアリク、マホトラ、メラミ
 ルカナン、インパス、トラマナ、バシルーラ、ヒャダルコ
 ザメハ、バイキルト、ザキ、イオラ、ザオラル、マホカンタ
 くちぶえ



あとがき
次の話より中盤開始です。
ガルナの塔でのレベルアップが楽しく、ちょっとやりすぎた感もあります。
ここでの日数はMPが切れたらダーマに帰って泊まり、再び塔へと繰り返してのものです。
キャラステータスはプレイ中のものに変更したため以前とかなり変わってます。
なお、途中で手に入れた種はその場で使ってますので、
レベルアップ以上に上がっている部分もあります。
話の中には出しませんがあまり影響がないと考えてます。



[4638] 一人旅 スーの宝物編 1日目
Name: ハロ◆6571bd49 ID:01d8a6f1
Date: 2008/12/09 21:09

スーの宝物編 1日目


ダーマの神殿の宿舎で目覚める。

神官に挨拶をして出発することにする。



「来たときよりいい目をしているようじゃの。

 何か見出せたかね?」



神官が声をかけてくる。

変わったのだろうか?



「いえ、特に何かを見出せたわけではありませんが、

 勇者の様子を調べに行こうと思ってます。

 そして世界の様子を見てこようかと。」



俺の言葉に笑みを浮かべながら神官は話を続ける。



「それでよいのじゃ。常にだれもが目的を持って生きているわけではない。

 それを見出そうとすることが重要なのじゃ。

 世界を見てくるがよい。それは全てお主の糧となるじゃろう。」



神官に礼を言って、ダーマの神殿を後にした。



確か勇者は船に乗って旅だったはず。

ポルトガ王がコショウを持ってくればとか何とか……。

コショウはインドだからバハラタに行けばあるのかな?



ルーラでバハラタへ移動。

入口近くの店(武器屋)で尋ねると、裏の店で扱っているらしい。

礼を言って裏の店へ向かう。



裏の店ではコショウだけではなくここより東でとれたクローブなども扱っていた。

目的は黒コショウなのでそれを一袋購入する。

一袋と言ってもかなりの量だ。30Kgぐらいある。



こんなものでいいのかな?



そんなことを思って袋を見ていると、店の主人が勇者の話をしてきた。



少し前に奥さんがカンダタという悪党に誘拐されたらしい。

自分が何としても救出するんだ、と意気込んでカンダタのアジトへ

向かったのだが、自分も捕まってしまったそうだ。

そこに勇者が登場。

勇者とその仲間達は自分と奥さんを助け出してくれただけではなく

カンダタも退治してしまったそうだ。



よほど嬉しかったのか主人はそれを自慢げに語ってくる。

時期を聞いてみると一か月以上前とのことだった。



勇者もここに黒コショウを買いに来たらしく、

コショウを買いに来るお客さん相手に毎回この話をしているそうだ、

というのは店にいた他のお客さんの話。



こちらが他の客と話をしているのにも気づかず主人は話を続けている。



奥さんと二人でバハラタに帰ってきたあと、主人は親からこの店を

任されることになって現在にいたる、というところで話は終わった。



これから勇者を探してみようと考えているという話をすると

改めて礼を伝えてくれ、店は順調です、バハラタに来た際は歓迎します、

と伝えてくれと熱意をもって言ってきた。

俺はわかりました、と了承の意を伝えその場を後にした。



袋を担ぎあげるとルーラを唱え、ポルトガへ飛ぶ。

その重さからか着地地点がずれ、ポルトガの北にある低山地帯に着地。



北だからよかったけど、南とか東なら海だった。

これは……交易には使えないかもしれない……。



ポルトガまでコショウを担ぎ向かう。

日が傾き始めたぐらいにポルトガに到着した。

モンスターに出会いたくはないので早足で歩いたため

到着する頃には汗だくとなっていた。



軽く息を整え城へ向かう。

ゆっくり歩いたので城につく頃には汗も少し引いていた。



城門では前回の俺のことを覚えている人がいて

そのまま王のもとへ連れて行ってくれた。



王は俺を見るとすぐに声をかけてきた。



「おお そなたはたしか

 東の地にこしょうを求めて

 旅に出たリョウじゃったな。

 してどうじゃったのじゃ?

 やはりだめであったであろう。」



失敗することが前提?

コショウを持ち帰ってきたことを伝え、担いできたコショウの袋を前に差し出すと

興奮して玉座から降りて走ってきた。



「な なんと!持ち帰ったじゃとっ!

 おお!これはまさしく

 くろこしょう!」



そして袋から眼を上げ、こちらを見ると近づいて俺の肩に手を置いてきた。



「よくやったぞリョウ!

 さぞやキケンな旅であったろう!

 よくぞなしとげた!

 やくそくどおり そなたに

 船をあたえよう!

 おもてに出てみるがよい。」



準備はちゃんとしてくれたんだ。



王に礼を述べ、辞去する。

王の斜め前に立っていたお偉いさんが、こちらです、と案内をしてくれた。



外に出るまでにお偉いさんがいろいろな話をしてくれた。



お偉いさんは大臣らしい。

大臣と言っても一人だけで、主に王の雑用係みたいなことをやっているそうだ。

こんな感じにね、と笑いかけてくる。



以前に一緒に来た女性がまたこちらまで来たことを教えてくれた。

そして、武闘家の女性があなたが来たら伝えてほしいと言われていたことがあるという。



『次に会うときは必ず強くなっていてみせるから、そのときには今度は私が助けるね。』



その言葉を聞いて笑みが浮かんでくる。

負けん気が強かったようには見えなかったけど……。



大臣はさらに話を続ける。



「あなたの差し上げた武器がとても役立っているそうですよ。

 まだ完全には使いこなせてはいないけど、とは言ってましたが……。

 前回来たときにはまほうのカギを手に入れるために旅立つと言ってました。」



そうか、マリたちも頑張っているんだな。



城の外に到着し、船が見えてきた。

船は船体が3本マストの中央がややくぼんだキャラック型で、

帆装がフォア(前)とメイン(中)が横帆、ミズン(後)が縦帆のバークだった。



大臣が船の使い方を説明してくれた。



船は魔法の力でほとんど自動操縦になっているという。

まほうのカギを舵輪に差し込めば、差し込んだ人間が操縦者扱いとなり

操縦者の意のままに舵は切られ、帆の展開や向きも自由にできるそうだ。

帆の向きは風に合わせて自動的に向きを変えるようにすることも可能とか。



これはすごすぎる…………。

一人でこの大きさの帆船を動かすことができることが見ていても信じられない。

魔法が万能の力に思えてくる。



これだけの船があるのになぜ自分たちでコショウを

手に入れに行かないのかを聞いてみたら

海に出るモンスターと戦える人が非常に少ないのだという。

東で出没するモンスターと十分に戦えるぐらいでないと無理だそうだ。



話の最後に大臣は勇者のことを教えてくれた。



「勇者は海峡の向こうにある灯台へ寄ったはずです。

 そこに行けば勇者がどこへ向かったのか少しは判るかもしれません。」



海峡って、そういえばジブラルタル海峡みたいになっていたな。

灯台はセウタあたりかな?



「魔王との戦いで我々ができることはこの国を守ることぐらいです。

 外に旅立つ方に手伝えることはわずかしかありません。

 それでもこの国は守りきってみせます。

 ですからいつでもいらしてください、歓迎いたします。

 いつの日かこの世界の人々が心から笑って過ごせる日が来ることを。

 それでは良き航海を。」



大臣はそう言って立ち去って行った。



そうだよな。

俺たち以上にこの世界の人々は魔王による侵略にさらされ、

大変な思いをしてきたんだ。



夕焼けで赤く染まった船を見上げる。



その後は食料品や水の積み込みを行った。

どこで補給できるかもわからないため、十分な量を積み込む。

壊血病対策に果物も大量に積み込みヒャドを唱えて凍らせる。

一部の果物はヒャドによって壊れたが、まあそれは仕方がない。

果物を閉じ込めた氷塊は藁で包みこみ保冷対策としておいた。



準備ができた頃にはすでに日は完全に沈んでいたためポルトガの宿へ向かう。



明日はまず灯台へ。

そのあとはそこでの話次第だな。



そんなことを考えながら宿に入り寝た。




あとがき
船のイメージはコロンブスのサンタ・マリア号や
マゼランのビクトリア号をイメージしてます。
ゲーム内の画像から推測しましたがあっているのかな?
キャラベルでも良かったのですがここはキャラックで。



[4638] 一人旅 スーの宝物編 2日目
Name: ハロ◆6571bd49 ID:01d8a6f1
Date: 2008/12/11 20:49

スーの宝物編 2日目



ポルトガの宿で目覚める。

宿を出て港へ向かう。



船に乗り込み錨を上げ出帆する。

まずは南にある灯台へ。



港を出た時点ですでに灯台は見えていた。

灯台近くに船をよせ、上陸できそうな浜を見つけると停泊する。

そしてカギを抜いて上陸。



上陸には備え付けのボートを使う。

さすがにこのボートは自分で漕がなければならない。

波もあってちょっと苦労するが、何とか上陸できた。



ボートを浜に引っ張って波にさらわれないようにすると灯台を見上げた。

灯台は浜から少し上に登った所にあった。

浜から灯台へは小道が続いており難なく灯台まで達する。



灯台の扉を叩き、中へ入ると男性が一人いた。

船が来るのが見えていたらしく、いきなり話しかけてきた。



「この灯台に来たのは

 正解だったぜ。

 海の男のオレさまが

 世界のことを教えてやる!」



そう言ってニヤッと口の端を上げる。



「ここから南 りくにそって

 船をこげばやがて

 テドンの岬をまわるだろう。

 そしてテドンの岬から ずっと

 東へゆけばランシール。さらに

 アリアハン大陸が見えるだろう。

 アリアハン大陸から

 ずっと北へ船でゆくと

 黄金の国ジパング。

 で世界のどっかにある6つの

 オーブをあつめた者は船を

 必要としなくなるって話だ。

 とにかく南にいってみな。」


一気にここまで話した。

最後にという感じでさらに付け加える。



「おっとそれから

 今のオレの言葉をよおく

 心にきざみこんでおけよ。」



オーブねぇ。

テドンの岬というのは喜望峰かな?



手書きで簡単な世界地図を描いて聞いてみると

やはりテドンは喜望峰に相当するようだ。

ランシールはオーストラリア。



世界の地図が元の世界と似ているとはいえ少しずれているため

ランシールの東にあるアリアハンの北がジパングになる。



ここで地図の見方が根本的に間違っていることが判明……。



元の世界では大西洋を北に進み、まっすぐ行くと太平洋方面に出るが

この世界ではずっと大西洋のままらしい。

つまり元の世界では球体を横に広げた地図だが、

この世界の地図は縦横に広げた地図になっていた。

そのため縦も横も両方とも一周分のサイズで表現されている。



地図上で北にまっすぐ向かえば、地図が切れたところから

まっすぐ一番下の個所につながる。横も同様だ。

元の世界の地図では横はその通りだが、縦は地図が切れた地点から

地図の上部の180度分ずらした場所につながることになる。



もう少し良くこの世界の地図を見ておくんだった……。

まあ、東西への移動は記憶通りだし、何とかなるか。



灯台守に勇者のことを聞いてみたところ、勇者にも同じことを話したそうだ。

そのあと勇者の船は西へ向かったという。

ただしここから見える範囲でのことなので

その後はどっちへ向かったのかはわからないとのこと。



礼を言って灯台を去ることにした。



西か……。

大西洋を越えたか、いったん西に出てそのあと南へ向かったか。

北へ向かった可能性もないとは言い切れない……。



とりあえずはアメリカ大陸に向かうか。

そこで何かがわかるかもしれないし。



船に戻り、錨を上げ帆を開く。

そして西に向かって速度を上げる。

順風満帆で航行する。



予想よりも速度が出ていたのか、あるいは近かったのか

昼を過ぎたぐらいには陸地が見えてきた。



しかし見えている陸地は高山地帯ばかりだった。

海岸沿いを南へ回る。

少し進んだところで大河が見えた。

川の両側は森に覆われている。



位置的にはミシシッピか?



川は幅はもちろんながら深さも十分にある上に流れもゆるいので

川に入り遡ってみることにした。



やがて川は3つに分かれていた。

悩んでいる間に船は進み、ちょうど真ん中の川を進む。



船は急には止まれない……よね。



再び川の合流地点。

今度は北と西の二つに分かれている。

とりあえず、北上。



川はゆっくりと蛇行し北へ延びている。

やがて橋が見えてきた。



あわてて船に止まるようにさせると、

船は裏帆を打たせたあと縮帆して止まった。



危ない危ない。

しかし裏帆打ちとか簡単にやってくれて助かる。



しかしそこに貝殻をかぶったスライムが4体甲板に飛びあがってきた。

鞭を取り出し攻撃する。



貝スライムは飛びあがって貝殻の先端をこちらに向けて突っ込んでくるやつと

貝をふるわせてスクルトを唱えるやつがいる。

突っ込んでくるやつのダメージも大したことがないので

そのまま鞭で攻撃を続ける。

3回ふるうことで全滅させることができた。



これは川だからか?

海でもこんなのが出てくるのかな?



それはともかく、どうするべきか周りを見渡す。

橋があるということは人が住んでいる可能性が高い。



見張り台に上って確認してみると、家は見えなかったが

先ほどの川の分岐が少し上流で合流していることがわかった。



再び帆を展開し、分岐点まで戻る。

先ほどの分岐点を西に。



少し進むと再び北と西に分岐。

見えていた川は北側の方なので北側へ進もうとしたときに

今度は人魚が現れた。



キモいタイプの人魚が2体だ。

マーメイドじゃなくマーマンという感じかな?



マーマンは飛びあがってしっぽを振って攻撃してくるが

予備動作も大きいため結構避けることができる。

鞭を2度ほどふるっただけで殲滅できた。



気を取り直して北へ進む。

北の水路は細く入り組んでいて、何度か岸に船体をこするが何とか抜ける。

そして再び分岐点。

北と西。

迷うことなく北へ。



北の水路は徐々に東へ向かい、先ほどの橋の北側へ出る。

川はさらに北へ進んでいるが、日が暮れて先が見えにくくなりつつあった。



しかし少し北へ進み川が折れ曲がったところで

その先に街の明かりが見えた。



助かった、と思ったその時、川から灰色のカニが4体、甲板に這い上がってきた。



カニが攻撃態勢に移る前にと鞭をふるうが効果はほとんどない。

カニにはたしかヒャドが効いたような記憶があったので

ヒャダルコを唱えると3体が潰れた。

残り1体もダメージは受けているのでヒャドでとどめを差した。



甲板を片づけて、町の近くに停泊したあと上陸。



町はネイティブアメリカンっぽい人たちがいた。

すでに夜になっていたが、宿屋っぽいところはあいていたので

そこに宿泊することにした。



宿屋の主人に聞いたところ、ここはスーという村だそうだ。



今日はこのままスーに泊まった。



修正履歴
2008/12/11 誤字修正




[4638] 一人旅 スーの宝物編 3日目
Name: ハロ◆6571bd49 ID:01d8a6f1
Date: 2008/12/11 20:49

スーの宝物編 3日目



スーの宿屋で目覚める。



朝になると住民がかなり出てきていた。

めったに人が来ることがないのか、あるいは同じ肌の人間だからなのか

こちらを見つけると人が寄ってきた。



どこから来たのか、何しに来たのかから始まり

何の脈絡もない話をしてくる人もいる。



「オーブのあるところ

 山彦の笛吹く。そうすると

 山彦かえってくる。」



6つのオーブを集めるとどうのという話だっけ?

山彦の笛の話を聞いて別の人が続ける。



「山彦の笛 どこかの塔

 ある 聞いた。」



どこかの塔ねぇ。

そんな話をどこから仕入れてきたんだろう?

聞いてみても、どこかで聞いたとだけ。



別の人がいきなり話を変えてくる。



「北の海 グリンラッド呼ばれる

 氷におおわれた島 ある。

 その島の草原 偉大なる

 魔法使い 住むという。」



グリーンランドかな?

偉大な魔法使いというのには一度会いに行ってみるといいのかもしれない。

噂に尾ひれがついたわけじゃないといいけど……。



「かわきのつぼ もともと

 この村のもの。

 でも昔 東の海

 渡って来た人 持っていって

 しまったよ。」



東の海ってことはポルトガとかその辺の人か……。

純朴そうだしだますのは簡単なのかもしれない。



向こうに戻った時に聞いてみますよ、と答えておいた。

ポルトガ王に聞けば何か知っているかもしれないしね。

取り返せるかどうかはともかく聞くだけなら……。



「私はしゃべる馬のエド。

 みなさんにいいことを

 教えましょう。

 もしかわきのつぼを

 見つけたら西の海の

 浅瀬の前で使うのですよ。」



フウイヌム!?

馬がしゃべってる!?

しかし周りの人は全然驚いてない。

まあ、この世界だしなんでもありなのかな?



エドは俺が驚く様子を見て笑っている。



西の海って太平洋かな?

話を聞くと氷が浮かんでいたりするようなところらしい。

アラスカ北の北極海かな?



何があるのかを聞いてみても教えてくれなかった……。



そんな話をしているうちに俺が冒険者ということを知って、

調べてほしいことがある、と言ってくる人がいた。



話を聞いてみると、時々井戸の中から光が出たり

声が聞こえてくることがあるという。



町の中には井戸が一つしかないため使わざるを得ないのだが、

気味が悪くて、ということらしい。

他の人も期待の目で見つめてくる。



断りきれない状況……?



仕方なく案内されるままに井戸へ向かう。

井戸を上からのぞくと真っ暗で何も見えない。



やむを得ず釣瓶につかまって下に降りることにする。

ゆっくりと下に降りていくと、下の方に明かりが見えてきた。



徐々にその明かりは強くなり、下についたときには

十分に目が通るようになっていた。



そして、下は……部屋がきれいにしつらえてあり、老人が一人いた。

老人はこちらを見つけると叫びだした。



「うわっ!ついに

 見つかってしもうたかっ!

 ゆ ゆるしてくれ!

 かえす!ツボはかえすから!」



俺が落ち着くように伝えようとする前に、老人はいきなり落ち着いた。



「と思うたがおまえさん

 スーの村の者じゃないようじゃな。」



スーの村の人間ではないことと、ここを調べて来るように

依頼されたことを伝えるとゆっくりと自分のことを話し始めた。



「わしはその昔 エジンベアの

 兵士でこの村に来たんじゃが…

 わしだけ船に乗りおくれて

 しもうてのう。あれから

 何年たつかのう……。

 ツボは仲間の兵士が

 もっていってしまったんじゃよ。」



エジンベア?

知らないことに対してかなり驚いていた。

話を聞く限りポルトガの北にある島国らしい。

エディンバラ……スコットランドかな?

いや、島全体という話なのでUKか。

しかしこんなに何年も地下に隠れているなんて……。



スーの人たちには報告をしないとならないので、

説得して外に出てもらうことにする。

当初はかなり怖がっていたが、俺が船を持っていることを聞くと

故郷に連れて帰ってほしいと頼まれる始末だった。



そのあと、地上に連れて戻り、スーの人たちに事情を説明。

かわきのつぼを取り返しにエジンベアまで行くことになった。

取り返せるんだろうか……。

老人は任せろと言っているが、あてにできないような気がする。



それはともかく勇者はここには来てないとのことだった。

やっぱり灯台守の言う通りに南へ向かったのかな?



出発の準備を整えつつスーにある店をのぞく。

武器屋には欲しいと思えるものはなかったが、

道具屋には2つほど面白いものがあったのでそれぞれ3つずつ購入した。



一つはきえさりそう。

使うと短時間だが他人から姿が見えなくなるらしい。



もう一つはどくがのこな。

使うと相手が混乱するらしい。

モンスター相手に使うと同士討ちをしたりするとのこと。



準備を終え出発だ、というときに一人の老人が尋ねてきた。



「ここからちょうど東。

 海岸の小さな草原に

 町あったか?」



いや、そんなのは見た記憶がないなぁ。

ひょっとしたらその辺りまで行ってないかもしれないけど。



知らないことを伝えるとさびしそうな表情を見せた。



「やはりだめじゃったか……。

 ずいぶん前 この村の者

 そこへ町作ると

 出かけたままじゃ。」



そんなことがあったのか。

どうせこれから東へ向かうからその辺りも調べてきますよ、と

伝えるとよろしくお願いしますと手を握ってお願いされた。



船に乗り込み出発する。

エジンベアの老人には船室に入っていてもらう。

モンスターが現れたら大変だしね。



案の定、海に出るまでに2回ほどモンスターが出た。



マーマン1体、貝スライム1体、緑のへちゃむくれ1体、蟹1体という

組み合わせで出てきた時は面倒になってイオラで一掃。



クラゲが4体のときは鞭で一掃。

途中仲間を呼んだけど構わずに武器で倒した。



海に出た後は海岸沿いを北上していく。

日が暮れかかり始めたぐらいに、陸地に煙が上がっているのが見えた。

近づくに従って、家が建っているのがわかるようになってきた。

海岸からその家までは遠くはないが森で囲まれているようだ。



手頃な海岸近くで停泊し、上陸する。

森の中に侵入したとたんモンスターが襲ってきた。



楕円の仮面をつけた原住民っぽい奴と紫の鷲。

原住民は髑髏のついた杖を振り回して攻撃してくる。

鷲は一度飛びあがった後、ヒップアタック……。



イオで牽制した後、鞭で攻撃。

鷲はバシルーラを唱えてくるが効果なし。

原住民はゾンビを召喚(?)した。



面倒になってきたのでイオラで焼き尽くした。



戦闘を終えると森の中を進んでいく。

すぐに開けた場所に出た。



そこには中央に泉があり、そのほとりに見えていた建物があった。

建物は意外と小さかった。



扉を叩いて中へ入る。

中には老人が一人いた。



スーで聞いた話をすると、やはり町を作りに来た人だった。



「わしここに

 町つくろう思う。

 町あればきっと

 みんなよろこぶ。」



でも、と話を続ける。



「商人いないと

 町できない。

 レベル低くてもいい。

 商人ならもんくない。

 だれか来ないか……。」



まあ、そうだよなぁ。

建物だけなら作れても、人がいないと。

人を集めるには商業が一番手頃だしね。



東に戻った時にサトルにでも聞いてみるか。

あるいはアリアハンに行けばだれか見つかるかもしれない。



人と話すのは久しぶりなので今日は泊って行ってほしいと言われ、

その言葉に甘えることにした。

船にエジンベアの老人を迎えに行き、今日はここに泊らせてもらうことにした。




[4638] 一人旅 スーの宝物編 4日目
Name: ハロ◆6571bd49 ID:23933cec
Date: 2008/12/12 11:53

スーの宝物編 4日目



町づくりの人のところで目覚める。

泊めてくれた礼を伝え、商人を探してくる旨を伝えてその場を立ち去る。



森を突っ切り船まで戻って出航。

西へ、エジンベアを目指して。



大西洋は来るときと同様にあっさり越えることができた。

陸地が見えてきたので北に針路を変える。

陸地が見えてきたことを老人に伝えるとあわてて甲板に飛び出してきた。



計算通りならこのあたりはビスケー湾のはず……。

間違っていたらどこへ行くかわからないけど。

一応、陸地沿いに進む。



やがて陸地に一つの塔が見えてきた。

エジンベアの老人がそれを見てシャンパーニの塔だ、と叫んだ。

非常にうれしそうにしているのはいいが、

甲板から落ちそうなくらい身を乗り出している。



その声に呼ばれたのかクラゲが5体でてくるが鞭でせん滅。

老人が腰を抜かしてるが、まあ、大丈夫だろう。



老人に手を貸して立たせた後、地理について聞くと

このまま北へ向かえばエジンベアにつくということなので

陸沿いをやめてまっすぐ北に針路を向ける。



老人はかなり興奮しているようだ。

何年振りかは知らないけど、久しぶりの故郷だしね。



シャンパーニの塔が見えなくなるころ、北に陸地が見えてきた。

老人に言わせると間違いなくエジンベアだそうだ。



やがて城も見えてくる。

城の西になるように船を進め、船を停泊させ上陸する。



城は見える限りでは城門が一つだった。

老人とともにその城門へ近づくが衛兵に止められる。



「ここはゆいしょ正しき

 エジンベアのお城。

 いなか者は帰れ 帰れ!」



……………………。



エジンベアには間違いがないようだが、老人の話をしても

つぼの話をしても、そんなものは知らないといって通してくれない。



老人は怒っているが、衛兵は頑として言うことを聞かない。



仕方がないので船に戻ることにした。

老人はかなりしょぼくれている。



しかしあの様子ではつぼの話を聞くこともできないよなぁ。

潜入するしかないのかなぁ。



老人がそうじゃ、といきなり叫んだ。

そちらを見ると、早口で思いついたアイデアを伝えてきた。



内容としてはスーの村にあったきえさりそうを使えば

中にこっそりはいれるはずだ、とのこと。

で、それを手に入れるためにスーへ戻ろうというのだ。



面白そうだったので買ってきたけど……。



そのことを伝えるともっと早く言わんかい、と怒られてしまった。

でも中に入ってもすぐ追い出されるんじゃないのかと伝えると

中には知っている人間がいるはずだから大丈夫、と言う。



…………説得は諦めた…………。



一旦船に戻って、音が出そうな装備を外した。

鎧とかの音で気づかれたらおしまいだし、戦闘はない……はず。



準備を終えると先ほどの門の近くまで行き、

門番から見えない場所できえさりそうを使う。



きえさりそうの粉が体にかかるたびにその部位が透明化していく。

二人の体が完全に消えたところで、門へ向かう。



門番の近くではできるかぎり音をたてないようにこっそりと進む。



無事、抜けることができた。

城門の横にある扉を音をたてないようにゆっくり開いて中に入る。



中に入ったとたん老人が奥に向かってダッシュ!?



「わしは帰ってきたぞー!!」



やばい……。

あわてて物陰に隠れる。



ちょうどそのとききえさりそうの効果が切れた……。



あの老人は大丈夫かな……。

まあ、同国人であることがわかれば、ひどいことはされないだろう。

連れてくるという約束も果たしたことだし……少なくともこっちは……。



老人のことは頭から忘れて、つぼを探すことにする。

人に見つからないようにしつつ、内部を探索する。

右手にはいつでも使えるようにきえさりそうを準備しておく。



少し進んだところで地下への階段を発見。

音をたてないように階段を降りる。



地下はしっかりとした造りになっていた。

中央付近に岩が3つとちいさな池?

奥の方には扉があった。



人影はないようなので奥の扉まで移動する。

扉は柵のようになっており奥が見えた。

扉の奥には宝箱が一つ安置されている。



あの中にかわきのつぼが?



扉はカギは付いていないが、押しても引いても動かない。

何かの仕掛けがあるのだろう。



部屋の中を調べていくと、岩があった少し先の床にボタンがあった。

ボタンは3つあり、それぞれを押しても何の反応もない。

それぞれのボタンの位置は離れているため同時に押すことはできない。



ボタンは三つ、岩の数も三つ…………倉○番?



岩を一つ押して、ボタンの上に載せる。

二つ目も同様に。



そして残ったボタンを手で押してみると、カチッという音がした。

指を離すと再びカチッと音がする。



扉に向かってみると扉は開かない。



仕方がないので残る一つの岩を残ったボタンの上に載せる。

載せたとたん、またカチッという音が聞こえた。



扉に行くと今度はすんなりと開いた。

ゆっくりと扉を開けて奥へと進む。

そして、宝箱を開けるとつぼが入っていた。



たぶん、これがかわきのつぼだよね……。

あ……つぼの詳細を聞くのを忘れてた。



つぼの中を覗いてみるが普通のつぼのようだ。

手を突っ込んでみても変わらない。

しかし小さな池で水を汲んでみようとつぼを水に浸したとたんに

とんでもない変化が起こった。

水を勢い良く吸い込みはじめたのだ。

あっけにとられているうちに池の水は空になった……。



間違いなくかわきのつぼだろう。

つぼの中には水が満たされているが重さはつぼ一つ分の水の重量だ。

それでも重いのでつぼを傾けると、池の水がすべて戻った。



大量の水を運べるとんでもないアイテムだなぁ……。

イシスとかに持って行ったら非常に喜ばれるかもしれない。

まあ、それはともかく後は脱出のみ。



音をたてないように階段を上り、城門近くの扉まで進む。

物陰に隠れてきえさりそうを使って消えた後、外へ出る



衛兵に気づかれないように城門から離れることに成功。



城内で騒ぎになってなかったのであの老人もおそらく無事だろう。

ここまで連れてくるだけの話だったし、とりあえずはいいだろう。

つぼが間違っていたら、また来ないとならないかもだけど、

あの感じじゃ間違いないし大丈夫だろう。



船に戻り、エルフの村へ向かうことにした。

すでに日は傾いているが、そんなに遠くないはず。



エジンベアから真東に向かう。

やがて陸地に到達するが、北へ突き出した半島なので恐らくストランド半島。

まっすぐ北に針路を向ける



すぐに陸地が見えてくる。

その少し内陸部に巨大な木が見えてきた。

あそこがエルフの里だろう。



手頃な場所に停船し上陸する。

森の中を進みエルフの里へ。



………エルフの里に近づくに従って、森の中が荒れてくる。

木々がなぎ倒されており、地面には多数の足跡が。

争いがあったような形跡もちらほら見える。



森が開けエルフの里に到着。



エルフの里は戦乱の巻き込まれたような様相をしていた。

木々には焼けて黒ずんだ跡があり、一部の家屋は破壊されていた。

すでに火の気はないもののその痕跡はそれほど日が経ってないように見える。



しかし人の数は以前よりもはるかに多くなっていた。

以前は人はほとんどいなかったのだが今は違う。

多数の人間がそこにいた。

そのほとんどは冒険者たちだが、一般人と思われる人もたくさんいた。

エルフと人間は共に手を取り合って復興作業をしていた。

瓦礫を除去し、新しい家屋を作り、水を分け合って飲んでいた。



その様子を茫然と眺めていると声をかけてくる人間がいた。



サトルだった。

ミネアもいた。



しかしアツシの姿はどこにもなかった…………。





あとがき
最後の部分はいろいろ非難がきそう………………。
ですがこれは当初からの予定通りとなってます。



最近理解した事実
星降る腕輪って一人旅プレイでは必須アイテムなんでしょうか?
何の気なしに入手していたんですが…………、
レベルが上がるごとに凶悪なものになっている気がします。



[4638] 一人旅 スーの宝物編 5日目
Name: ハロ◆6571bd49 ID:01d8a6f1
Date: 2008/12/13 17:46

スーの宝物編 5日目


昨日のことはよく覚えていない。

アツシが消滅したことを聞きショックを受けすぎたためだろう。



目覚めた俺にサトルとミネアが心配そうにしてくる。



頭もはっきりしてきた。

改めてそのときの話を聞くことにした。



サトルとミネアは顔を見合せたあと、ゆっくりと説明を始めた。



…………



……………………



………………………………



サトルがエルフの里に店を出し、アツシとミネアは芸を披露する。

商品の買い付け等のためにノアニールとの間を行き来しつつ、

エルフの里のことを広めていった。



ノアニールの人たちもエルフに眠らされていたことがあるため

エルフたちを恐れていたが、サトル達の働きもあって交流が始まった。

店もあり、アツシ達の芸も見ることができる。

それはノアニールの人々にとっても楽しみの一つとなった。

距離としては大したこともなくいってみれば一泊旅行のようなものになる。



その話を聞きつけカザーブの人や、ロマリアの人までも来るようになってきた。

当然一般人がここにくるにはモンスターが出るため危険が付きまとう。

そのために護衛として冒険者を雇う。



冒険者たちも近くの洞窟内に体力を回復させる不思議な泉があることを知ると

それを利用してレベル上げをしようと多数押し寄せるようになってきた。



この状態に至るまでわずか3週間。



近くに冒険者に向いた洞窟があったという僥倖。

アツシやミネアがそれぞれの街で芸を見せていたため人々に知られていたこと。

それらのことを上手く利用して人々にエルフの里のことを知らしめたサトル。

わずかな期間で成し遂げたサトルの手腕は見事というほかない。



一般人たちは勿論、冒険者たちも暴れたりすることもなく

エルフたちと仲良く過ごし、エルフたちの感情も徐々に軟化してきていた。



モンスターが里を襲ってきたのはそんなときだった。



その数日前から付近のモンスターの数が激減していた。

不思議には思ったものの、冒険者たちが多数ここを訪れるように

なったためだと考えられていた。

しかしそれは嵐の前の静けさだった。



その日、日が沈むと同時にモンスターたちは襲いかかってきた。

モンスターが連携を組み、襲ってきた。

普段でも多少の連携があるものの、偶発的な連携だったが、

このときの連携は明らかに意志のある連携だった。

しかもこの付近にはいないはずのモンスターも出現し襲いかかってきた。

大陸の東の方に生息するというクマ。

火山地帯にいるとされる溶岩でできた巨人。

魔法によってよみがえったゾンビ。



それらのモンスターはこの付近に出るモンスターよりも強く、

熟練の冒険者が次々と倒れていった。

幸いだったのはそれらのモンスターでも

エルフの結界を破ることができなかったことだった



しかしそれらのモンスターを指揮していると思われる巨大なモンスターが出現。

そのモンスターは巨大な体に蛇のような頭を5つもっているやつだった

その巨体で木々をなぎ倒し、その口からは火を吐き、人々を蹂躙していく。



エルフの結界もそのモンスターには通じず、わずかな時間で結界が破れた。

もうおしまいだ、と皆があきらめかけた時にアツシが飛び出したのだった。



アツシは口笛を吹きならしつつ、モンスターの中に突入。

モンスターの攻撃をうまくかわしながら、

敵を引きつけ里から離れるように誘導していく。

モンスターたちはその笛の音に逆らうことができないようで

ヒドラすらもアツシを追いかけていく。



それを見たミネアが戦いのリズムに合わせてタップダンスをはじめた。



ミネアの踊りによって気を取り直した冒険者達が、

モンスターたちの後背から攻撃を加えていった。

モンスターは徐々にその数を減らしていく。



日が明ける頃にはモンスターたちは付近から消えていた

リーダーと思われるヒドラもいつの間にか姿がなかった。



………………………………



……………………



…………



そして一人の冒険者が、立ったまま光となり消えていくアツシの姿を見たそうだ。



場が静まりかえる。



俺がいたら……いや、いたとしても結果は変わらなかったかも知れない。

しかし…………。



俺のその様子を見て取ったのかミネアが俺がこれまでどうしていたのか聞いてきた。



俺は少しずつこれまでのことを話し始めた。

魔法のカギを手に入れたこと。

ダーマの神殿に行ったこと。

船を手にいれ、西へ向かったこと。



そして、商人のつてがないかを聞きにここへ来たことを告げた。



その話を聞いて、サトルは町を見渡した。

そして、俺の方を向いて話し始めた。



「ここはもう私がいなくても発展するでしょう。

 私自身がそこへ行きますよ。」



サトルが開いていた店もすでに代理となる人間がいる。

人間とエルフの交流もほとんど問題なく仲良くしている。

先日の襲撃も、逆に交流を進める結果となった。



エルフたちの里の襲撃に対して、人間が命をかけて一生懸命戦ったのだ。

その結果としてエルフの里は守られた。

家屋が壊れたものの一部に過ぎず、復興にはさほどの時間は必要ではない。

復興にしても自分たちが忌み嫌っていたはずの人間が手伝ってくれている。

サトル達の行動によって軟化していたところにその様子をみて

一気に親人間になったそうだ



サトルとしてはここの発展はもう十分という考えのようだ。

ミネアも同意している。



では早速、とサトルとミネアは出発準備を始めた。

その様子を見てちょっと慌てるが、二人は気にしていないようだ。



個人の荷物自体は大したことがないが、店を開くなら商品が必要になる。

家を建て直しているエルフやそれを手伝っている冒険者達に声をかけ、

商品の一部の荷造りを手伝ってもらい始めた。



新しい町を作るという試みを聞き、驚くもの、俺も行くと名乗り出るもの、

残念がるものなど様々だ。



そしてサトルは女王にもあいさつに行ったようだ。

女王は残念がってはいたが、ここと同様に発展することを

願っていると言っていたそうだ。



人々の行動は素早く、日が真上に上るころには準備が整っていた。

俺も手伝おうとしたが、船での荷物の指示だけしているように言われてしまった。



結局、一緒に行くにはサトル、ミネア以外に8名の冒険者だった。

本当はもっと沢山の冒険者が行こうとしたのだが、船がなくては発展が難しい

という理由から船を手に入れるために東へ向かうことを決めたもの、

再びここが襲われないように護衛に付くもの、未だ実力が足りずここで訓練するもの。

冒険者達はそれぞれ分散し結局これだけの人数となった。



もちろんエルフの里の発展のために残る人が一番多い。

最近はロマリア-カザーブ-ノアニール-エルフの里と

街道を作る話も出ているらしい。

ロマリア王もその話には乗り気で、近々国を挙げての街道工事が始まるとか。

そのための安全を確保する目的で残る人たちが多いようだ。



そして、出航。

海岸沿いには残る人々、東へ向かう人々、エルフたちばかりではなく

エルフの女王まで見送りに来てくれた。

皆こちらに手を振っている。

船上でも俺を含め皆が手を振っている。

それは海岸線が見えなくなるまで続いた。



針路は西。

真西に向かえば陸地にぶつかるはず。

そこで南に針路を向ければいい。



他の人間は暇を持て余して、何か手伝えることはないかと言ってくるが、

俺自身することがないのに何かをしてもらうこともない。

ただ、モンスターが出た時はよろしく、とだけ言っておいた。



サトルは貨物の再確認を行いに船倉へ潜ったまま出てこない。

ミネアは船室で踊りの練習をしているそうだ。

甲板でやればいいのにと言ったら、まだ見せられるほどじゃないからと言われた。



日が傾き始めたころ陸地が見えてきた。

氷河が見える島だ。

北に行き過ぎてたか……。



針路を南に向ける。



すぐに陸地は見えてきたので、海岸沿いを進む。

日が暮れるまでに貝と鷲が出たが、イオラで軽く焼いたあと、

みんなでタコ殴りして殲滅した。

これだけの人間がいると余裕だね。



日が暮れるころ、例の家が見えてきた。



海岸近くに停泊し、上陸する。

そして家へ向かう。



家の戸をたたき中へ入る。

老人はサトルを見て非常に喜んでいた。

そしていきなり俺に向かって話し始めた。



「サトルここ置いていく

 お願い聞いてほしい。」



俺がサトルを見ると、サトルは老人に向かって頷いた。

それを見て老人はサトルに向かって続ける。



「それほんと?

 サトル旅あきらめる。

 骨ここに埋めるかも。

 それでいいか?」



サトルは再度頷く。



「おお、それありがたい!

 わしサトルとふたり

 町づくりはじめる!すぐ!」



老人は非常に興奮している。



その後は泉のほとりで軽い宴会となった。



その時に老人が一言。



「お礼にいいこと教える。

 この大陸のまんなか

 スーの村ある。

 井戸のまわり調べろ。」



どうせ明日にはスーへ向かうので調べてみよう。



やがて夜も更け、今日はこのまま宿泊となった。

家にはさすがに入りきらないので、女性陣(ミネア含めて3名)だけ

家の中に泊まり、残りは野宿。

まあ、みんな冒険者だしね。




あとがき
DQ3をプレイした人には今後の展開が一部判ると思います。
が、ネタバレはしないようお願いします。



[4638] 一人旅 スーの宝物編 6日目
Name: ハロ◆6571bd49 ID:01d8a6f1
Date: 2008/12/14 17:27

スーの宝物編 6日目



目覚めると青空。

久しぶりの野宿だった。



俺が起きたときには、既に約半数の人が起きて朝食の準備を始めていた。

俺も泉で顔を洗い、準備を手伝う。



朝食後は船から荷物を下ろす作業。

たくさんの荷物があるわけでもないのでほどなく終了。

荷ほどきと整理はサトルに任せ、他の人は家屋の建設を始めた。



あるものは木を倒し、削り、建設の木材としていく。

あるものは粘土を集め、かまどを作り、煉瓦を作る準備をする。

あるものは切り倒された木の切り株を取り除き、耕し始める。



さすがに手慣れているなぁ……。



俺はスーの村へ向かう予定なのでそろそろ出発する旨をサトルに伝える。

そして、アツシの仇探しをすることも。



アツシを殺した原因はヒドラ。

ヒドラだとすれば湿地帯を住処にしている可能性が高く、

ここから近いところでは南米がその条件に当てはまりそうだ。

たしか南米にはサマンオサという国があったはず。

そこに行けば何らかの情報が得られると思う。



そのことを伝えると、サトルはいい顔はしなかった。

しかし気を付けてください、とだけ言って送り出してくれた。



ミネアや他の人たちにも挨拶してその場を後にする。

次に来る時までには大きな町にしておくよ、とみんな笑顔で送り出してくれた。



船まで戻り、出航。



海岸線を南へ向かう。

川が見えたところで川に入りスーを目指す。



途中に出てきた紫鷲は鞭で撃破。

クラゲも同じく。

蟹は飛び跳ねてきて、押しつぶされそうになったが、

ヒャダルコで串刺しにして倒せた。

マーマンは鞭で問題なく倒せた。



そんなところでレベルアップした。



職業:けんじゃ
レベル:25
ちから:61
すばやさ:152(76)
たいりょく:95
かしこさ:62
うんのよさ:76
さいだいHP:190
さいだいMP:124

使える魔法:
 メラ、ホイミ、ニフラム、スカラ、ピオリム、ヒャド
 ギラ、マヌーサ、ルカニ、スクルト、リレミト、ラリホー
 イオ、キアリー、ボミオス、ルーラ、バギ、マホトーン、
 ベホイミ、ベギラマ、キアリク、マホトラ、メラミ
 ルカナン、インパス、トラマナ、バシルーラ、ヒャダルコ
 ザメハ、バイキルト、ザキ、イオラ、ザオラル、マホカンタ
 ラナルータ
 くちぶえ


新しく増えた魔法はラナルータ……また微妙な魔法を。

昼と夜を変えるって一種のタイムワープかな?

寝ないで動くなんて大変すぎるだろう。



それはともかく日が暮れる前にスーに到着。



まずは、と長老の所につぼをもって行った。

しかし、本人たちが返却しに来なければ意味がないことなのだ、

と言って受け取ってくれなかった。

だがそれでも取り返してくれたことには礼を言う、と続ける。

そして、礼代わりとしてそのつぼを持っていくがよい、と。



…………。



何度か渡そうとしたものの、頑固に拒否されもらっていくことになった。



そのあとは、村を出て行ったもののことを心配していた人の所へ。

街づくりが始まっていることを伝えると非常に喜んでおり、

そのうち行ってみよう、と言っていた。



そうそう井戸の近くを調べたところ、杖が出てきた。

その杖のことも聞いてみると、村を出た人が

大事に持っていた雷の杖とのことだった。

隠し場所を教えてもらったのであれば、その杖はお前が

持っていっていいということだろう、とのこと。

ありがたく頂戴することにした。



なんか大したことはしていないのにいろいろもらってばかりのような……。



日が暮れてきたので今日はスーに宿泊することにした。



[4638] 一人旅 古からの伝言編 1日目
Name: ハロ◆6571bd49 ID:01d8a6f1
Date: 2008/12/15 20:26

古からの伝言編 1日目



スーで目覚め、すぐに出立する。



海に出るまでに一度だけモンスターと遭遇するが特に問題なく倒す。



海に出た後は南米を目指して南下。

すぐに南米大陸が見えてくるが、高山地帯に閉ざされている。

そのため海岸線は断崖となっており、上陸できそうな場所がない。



仕方なく海岸線沿いを東へ進みつつ上陸できるところを探す。



ゆっくりと東へ進むと川があった。



川幅はかなり広くアマゾン川に相当すると思われる。

しかし河口付近は広範囲にわたって岩礁地帯となっており

どんなに気を付けても船では進むことができない。

またその岩礁の影響で河の流れと潮の流れが複雑に絡み合い

一部では渦潮まで発生している状況となっている。

これではボートを出すことも、ましてや泳いで進むこともできない。



川の両岸は相変わらず高山地帯で断崖になっている。

断崖地帯が少し先で途切れているのが見えるが、

そこまでたどり着く手段がない。



試しにかわきのつぼを浮かべてみる。

つぼは水をどんどん吸い込んでいくが、

川からの水が大量に流れてくるためか吸い終わることがない。

つぼを引き上げ水を海に戻す。



川は諦めて別のところを探しに行くことにした。



陸地沿いに東へ進む。

やがて海岸線は南へと向きを変えたため、針路も南へ向ける。



しばらくは海岸線はずっと高山地帯だったが、いきなりその様子を変えた。

高山地帯が南西へ向きを変えたのだ。

それに代わって陸地はジャングルになっている。



高山地帯はずっと西まで続いているため、その中には侵入できそうにない。

ジャングルもずっと続いている。



そのまま少し南下したところで、高山地帯に切れ目が見えた。



あそこからならいけるかも。



上陸ポイントを探し、上陸する。

そのままジャングルを西へ進み、高山地帯の切れ目を目指す。



ジャングルが途切れ、視界が開けたその前にあったのは巨大な湖だった。

湖の中央には島があり、湖の反対側から橋がかかっているのが見える。



湖の両側に高山地帯があり歩いて向こう岸へ行くことはできない。

そして湖水の中は藻が大量にあるのが見て取れる。

こんな中を荷物を持って泳ぐのは自殺行為だろう。

かといってジャングルの中をボートを運ぶのも不可能に近い。



高山地帯は湖の西から南西方向に延びている。

その先に目を向けるとかなり先で高山地帯が再び途切れていたため

そこに向かってみることにした。



森林地帯はやがてとぎれ、低山地帯へと変わり……そして、海に出た。

おそらく南米西岸だろう。

見えている海はおそらく太平洋。



高山地帯は確かに途切れているが、その辺りから北に向かっているだけのことだった。



行ったん船に戻り、船で太平洋を目指すことにする。

マゼラン海峡(あるかどうかは知らないが)をまわればいけるはずだし。



船に到着する頃には夜になっていた。



海岸線で泊まるよりは船の方が安全だと思うので船で寝ることにした。



[4638] 一人旅 古からの伝言編 2日目
Name: ハロ◆6571bd49 ID:01d8a6f1
Date: 2008/12/17 08:29

古からの伝言編 2日目



船で目覚める……といってもあまりよく眠れなかった。

夜中にモンスターが出てきたこともその一因だけど

船での宿泊に慣れていないことが一番の原因だろう。



夜が明けて出航する。



出航後間もなく貝殻スライム登場。

7体もいて面倒なのでベギラマを唱えて焼き貝にしようとするが

1体しか倒せなかった。

その間に貝スライムは貝殻をふるわせてスクルトを互いに掛け合う。

合計4回……。



もう一度ベギラマ。

残り1体となった。



1体だけならと鞭で攻撃するも障壁に阻まれ

全くダメージは与えられない。

向こうの攻撃も単純なので避けることができる。



結局、ヒャドで倒して終わった。



あれが出たら先に鞭で倒した方がいいかもしれない。

スクルトをかける前なら鞭で倒せるしね。



海岸線の風景が森から平原に変わったころ、陸地に大きな家が見えてきた。



船を海岸に寄せて上陸する。

平原をその家を目指して進む。



家の近くまで来たところで突然木の陰から男性が現れ声をかけてきた。



「この先の家は

 海賊たちの住みか。

 近づかないほうがいいですよ。」



海賊の住みか?

また変なのがいるもんだ……。



男性は再び木の陰に隠れた。



この人は何をしているんだろう?

でもまあ、ちょっと調べてみよう。

あの山を越える手段でも見つかるかもしれないし。



そう考えると家に近づいて歩いて行く。

念のため、まずは家の周囲から様子をうかがうことにした。

幸い家の周囲は森になっており身を隠す場所は豊富にあった。



ただ、一か所だけちょっと開けている場所があった。

そこには大きな岩が一つあるだけでそれ以外に身を隠す場所はない。

窓の様子をうかがい、人の影がないことを確認すると

素早くその岩陰に飛び込む。



岩に手をかけ、そこから見つかっていないかを確認しようとすると

その岩がごろんと転がった…………。



あわてて周りを見回すが人の気配はない。

胸をなでおろす。



ん?



岩がもともとあった位置の地面がなにかおかしい。

よく見ると板のようなものの上に土がまぶしてあるのがわかった。



土を払いのけるとそれは地下への入口であることがわかった。

周りの様子をうかがい、問題なさそうだと判断するとその中へ忍び込む。



中に入ると階段があり、物音をたてないように気を付けて降りていく。

階段を降り切るとそこは小部屋になっていた。

部屋にはだれもいない。



部屋の片隅に宝箱を発見!!

宝箱は3つもあった。



ゆっくりその宝箱を開ける。



髑髏のマークの入った指輪。

紅色の水晶球。

なにかの種。



海賊がどこか強奪してきたものかな?

もらっておこう。

特にこの紅色の水晶球は……ひょっとしてオーブ?



『世界のどっかにある6つの

 オーブをあつめた者は船を

 必要としなくなるって話だ。』



船を必要としなくなるという意味はよくわからないけど

何かに役立ちそうだね。



しかし泥棒の上前をはねている気分だ……。

いや、まさにそうか。

相手が知っているか知らないかの違いだけで。



壁とかを調べても他には何もなかったので外に出る。



再び家の周囲を回り中の様子を探ろうとするが全く人の気配がしない。

窓に近づいて覗いてみても人の姿が全く見当たらない。



窓の一つを開けて(カギはかかってなかった)中に入る。



片っぱしから部屋を見ていくが、人はいなかった。

奥の方の部屋に地下へ下りる階段があって

地下室にとらわれているっぽい人を見つけたがぐっすり眠りこけていて

声をかけても目覚める様子がなかった。

牢屋のカギも見当たらないのでとりあえず放っておくことにした。



結局、あの高山地帯を越える方法は見つからなかった……。



海賊に見つからないうちに逃げよう。

モンスターの出る海で荒らし回る連中相手に戦う気は起きない。



警戒しつつ家から脱出し、船へ向かう。

途中、例の男性がまた現れた。



「無事だったようですね。」



中には誰もいなかったことを告げると、そうですか、

と言ってまた木の陰に隠れた。



なんだろう、この人……。

海賊の仲間というわけでは無さそうだけど。

とっととここから離れた方が良さそうだ。



船に戻りすぐさま出航する。

南へ針路を向ける。



しばらく進むと岬が見えてきた。

岬は南東方向に延びている。



岬を回り込んで今度は陸地沿いを北へ進む。

海岸線は森で覆われている。



やがて日が暮れてきたので停泊することにした。

モンスターが出ないことを祈りつつ寝ました。



[4638] 一人旅 古からの伝言編 3日目
Name: ハロ◆6571bd49 ID:01d8a6f1
Date: 2008/12/17 20:43

古からの伝言編 3日目



祈りは通じなかったようだ。

夜中に巨大イカが3体現れた。



イカは触腕が2本あるので、連続して2回攻撃してきたりする。

しかもそれが結構痛い。

でもまあ、それほど問題なく倒せた。



夜明けが来て出航する。

海岸沿いに北上する。



やがて海岸線は低山地帯となり、高山地帯も見えてきた。

高山地帯は北へ延びており、やはり隙間がない。



高山地帯が見えてきた辺りから海岸線は北西方向へ進む。

船の針路も同様に変更した。



日が真上に登りかけた頃、海岸線は北東方向へ進み出す。

高山地帯も同様に進んでいる。



さらに進んだところで海岸線は北へ、高山地帯は東へ進み始める。



上陸して確認したところ、すぐ東に海が見えた。



…………おそらく見えた海はメキシコ湾。

つまりは南米の中央サマンオサは高山地帯と岩礁で

侵入できなくなっているということだ。



元々はどうやって交流があったんだろう?



ルーラかキメラの翼だろうなぁ……。

サマンオサに行ったことがある人を探すのはかなり大変だろうなぁ。



近くに町がないか探してみることにした。

船に戻り北上する。



陸地の低山地帯はやがて平原地帯へと変わる。

海岸線は平原地帯へと変わったところで北西へ向かい始めた。



そして塔が見えてきた。



近くに船を止め、塔の中を探索した。

ナジミの塔のように人がいることを期待したが誰もいなかった。



しかし山彦の笛を発見。

手元のオーブが反応したから間違いないだろう。

そういえばスーの村で誰かが言っていた記憶がある。



山彦の笛は塔の中のへんぴな場所にあった。

階層的には3Fだが3F以上は吹き抜けとなっており、

その真ん中に宝箱があった。



そこに行くためには5Fまで登った後、飛び降りると言うことが必要だった。

5Fは5Fで吹き抜けにロープが多数渡してあるだけ。

そのロープを伝って、宝箱の真上から飛び降りる。



あやうく足を踏み外すところだったけどなんとか成功して手に入れた。



5Fにも宝箱があって、その内の一つがミミックだったりもしたけど

まあ、問題なく倒すことができた。

スカラを唱えないとやばかったけどね。



塔からはリレミトで脱出。

初めてリレミトを使ったけど唱えたとたん塔の外に出たときはびっくりした。

旅の扉のように目の前が歪むかと思っていたけど

そんなこともなくいきなり外にいた。



外に出るとすでに日は傾き始めていた。



船に戻り出航。

海岸線沿いに進むと、やがて針路は西へ変わる。



風が冷たくなってきたかと思うと陸地は氷に覆われ始めた。



そのまま西へ進む中、ついに日が暮れるが、

西に町の灯りが見えてきた。



町の近くまで行って上陸する。

久しぶりに町で寝れる……。



町に入ると宿屋を探して部屋に入る。

宿屋の主人に聞くとここはムオルという町だそうだ。



サマンオサについては明日聞くことにして今日は寝た。



あとがき
実際のプレイではスーからムオルの町で泊まるまでMP回復無しの状態でした。
しかも作品と日数を合わせるために夜間は移動せず
同じ場所でぐるぐる動くとかしてたし、よく死なずにたどり着いたものだと。
塔が単純な構造で迷うこともなかったのが幸いでした。
といってもムオルにたどり着いたときにはMPが一桁でしたけどね。



[4638] 一人旅 古からの伝言編 4日目
Name: ハロ◆6571bd49 ID:01d8a6f1
Date: 2008/12/18 20:28

古からの伝言編 4日目



ムオルの町で目覚めた。

久々の快眠。



元気よく目覚めて宿を出る。

宿屋の主人にサマンオサのことを聞いたけど、

サマンオサの名前すら知らなかった……。



町をうろついて武器屋とかを探していると老人が話しかけてきた。



「あんたがた船できたのか?

 そうじゃろうと思ったよ。

 ひとついいことを教えてやろう。

 ここから海を渡って

 北東の陸地にはふしぎな泉が

 あるそうじゃ。」



不思議な泉ねぇ。

どう不思議なのかは教えてくれなかった。

サマンオサについては名前を聞いたことがあると言うだけだった。



でも武器屋とかの場所を教えてもらった。

この町では市場があってその建物に全て揃っているとのこと。



市場へ向かい、武器や防具を見せてもらった。

武器は大した物がなかったけど防具で面白いものがあった。

みかわしのふくという防具だ。



服にもかかわらず鎧よりも防御力があるという。

ほれこんな風に、とその場で店の主人がその服に

ナイフを突き立てるが貫通しない。



なるほど。



これまで着ていた鎖帷子を売却し、その服を購入する。

おまけといってまたすごろくけんをもらった。



すごろく場の話を聞いてみると噂では北西の遙か向こうにあるという。

以前に行ったことがあるところかな……。

この店の主人もサマンオサについては知らなかった。



市場の一番奥の店で面白いものがあった。

珍しい形の兜が店先に置いてあったのだ。

それを見ているとその店の主人が話しかけてきた。



「それはポカパマズさんの

 忘れ物なんですよ。

 そういえばここしばらく

 ポカパマズさんがお見えに

 ならないなあ。

 むかしはよくこの市場に

 きてくれたのに……。」



ポ、ポカパマズ……?

言いにくい名前だ。



話によると以前この付近にいた戦士の名前だそうだ。

この近くでケガをして倒れていたのを子どもが見つけ、

ケガが癒えるまで町に滞在していたという。

癒えるか癒えないかという頃にふといなくなったそうだ。

それ以来姿が見えないとのこと。



そんな話をしていると店の奥から竪琴を持った男性が話しかけてきた。



「あなたたちはもしや

 アリアハンのお方では?」



アリアハンの人間じゃないけど、

アリアハンから来たといっても過言じゃないのかな?

旅の始まりはアリアハンだったし。



「やはりそうでしたか。

 ポカパマズさまもそこからきたと

 申しておりました。

 たしかアリアハンでの名前は

 オルテガ……。

 まだ赤ん坊の息子を

 残してきたのが心残りだと

 そう申しておりましたなあ。」



オルテガ!?

たしか勇者の父親の名前じゃなかったか?



その話をすると驚いていた。

そして店の主人は、勇者に出会えたら父親の
忘れ物があることをお伝えください、と。



勇者はここには来ていないみたいだね。



サマンオサについて聞いてみたところ竪琴の男性が少し知っていた。

そして簡単な地図を書いてくれた。



北の海峡を抜け、北北西に向かうと川がある。

その川を遡った先に湖があって、その畔にサマンオサへ行くための

旅の扉があるそうだ。



旅の扉か……そんな存在もあることを忘れてた。



礼を言ってその場を去る。

急いで船に戻り出航。



北へ!!



氷で覆われた陸地に隙間があり、そこが海峡となっていた。

海峡を抜け、そのまま北へ。



書いてくれた地図は見る限り距離がかなり細かく書かれていた。

このまま北へ向かって、日が真上に昇るぐらいで

西に進路を変更すればいいはず。



海峡を抜けたぐらいのところで緑のマーマンが出てきたけど鞭で余裕勝ち。



やがて岩礁地帯が見えてきた。



海の真ん中にいきなり浅瀬……?



『もしかわきのつぼを

 見つけたら西の海の

 浅瀬の前で使うのですよ。』



馬がそんなことを確か言っていたような……。

地図で見る限り確かにここはスーの西。



岩礁地帯に近づいてかわきのつぼを浮かべてみた。

かわきのつぼは勢いよく水を吸い込み始め、そして海全体が揺れ始めた。



あわてて船縁にしがみつく。

揺れている時間は短く、すぐ収まった。



周りを見てみると島が一つ浮かび上がっていた。

島と言っても小さな岩礁のような感じではあるが、

その中央には祠があった。



馬が言っていたのはこれのことか?



島に上陸し、祠の中へ入る。



祠の中は巨大な空間になっておりその中央に宝箱が一つ。

宝箱を開けてみるとそこにはカギが一つ入っていた。



カギを手に取り見ていると奥に扉があるのが見えた。

カギをしまい込むとその扉へ向かう。



扉はカギがかかっていて開けることができない。

しまい込んだばかりのカギを取り出し使ってみると開いた。



扉の奥は小さな部屋になっており、

部屋には椅子に座った遺体が一つあった。

遺体は既に白骨化している。



近づこうとすると頭の中に声が響いてきた。



《私はいにしえを

 語りつたえる者。

 イシス砂漠の南

 ネクロゴンドの山奥に

 ギアガの大穴ありき。

 すべての災いは

 その大穴よりいづるものなり。》



ネクロゴンド?

ギアガの大穴?

魔王の住みかがギアガの大穴ってことか。

イシスの南というのはあの高山地帯の南か……。



骸骨に声をかけてみるものの反応がない。



今の伝言を伝えるためだけに存在していたのだろうか。

これは本来勇者が聞くべき言葉じゃないのか?

勇者に会わなければならない理由が増えた、か。



祠から出て船に戻ると、かわきのつぼから水を出す。

海が揺れて再びその島は沈んでいく。



俺はぎこちないながらもそれを敬礼で見送った。



島が沈むのを見届けると、船の針路を西に向けた。



西に向けるのはちょっと早い気がするけど、

後は陸地沿いに行けばなんとかなるだろう。



途中空から紫鷲が襲ってきたりしたが鞭で倒した。



そして陸地が見えてきた。

陸地は氷で覆われている。



船の針路を陸地沿いに北へ向ける。

やがて大きな川(海峡?)が見えてきた。

その岬には家が一つ。



日も傾き始めてきたので一旦上陸し、その家を目指す。

外は吹雪いていたが、迷う程でもなかった。



戸を叩いて中にはいると中にはドワーフっぽい男性がいた。

部屋にはネコが2匹うろついている。

泊めてもらうことができないか尋ねてみた。



「旅の者か……そなたらを

 見ているとわしの若い頃を

 思い出すのう。

 わしも昔はオルテガという

 勇者さまのおともをして

 冒険をしたものじゃ。

 オルテガさまは火山の火口に

 落ちて亡くなったそうじゃが

 わしにはまだ信じられぬ。」



そうか、オルテガのパーティメンバーだったのか。



オルテガの息子の話を聞いてみたが、

ここには来ていないそうだ。



だが俺が勇者を捜しているということを聞くと、

ここに泊まっていけ、と泊まらせてもらえることになった。



ありがたく泊まらせてもらうことにした。




おまけ

まだ寝るには早かったのでネコと遊んでいたら、

いきなりネコが人語を話し始めた。



「ここから南。

 4つの岩山のまんなかを

 調べてみてください。にゃーん。」



外に出て南を見てみると確かに岩山が4つ見える。

真ん中あたりまで行ってみると、そこには奇妙な形の葉っぱがあった。


これのことかな?



よくわからないけどとりあえずしまっておいた。



[4638] 一人旅 古からの伝言編 5日目
Name: ハロ◆6571bd49 ID:01d8a6f1
Date: 2008/12/19 20:52

古からの伝言編 5日目



ドワーフの家で目覚める。

泊めてもらった礼を言って去ることにした。



船に戻り出航。

川をさかのぼって行く。



川は蛇行しつつ上流へと進む。

紫鷲が登場するも撃破する。

やがて大きな湖へと到着する。



陸沿いに進むと水道が見えてきた。

水道近くは少し岩礁があり、南側に祠、北側に洞窟があった。



旅の扉は祠にありそうだけど、洞窟が気になった。

洞窟へは水道を越えた方がよさそうなので越えようとすると

どこからともなく悲しげな歌声が聞こえてきた……。



そして前方から突風。

風にあおられ、船は後進を始めた。

操船は言うことを聞かず、北側の岬へ座礁しかける。



なんとか座礁は回避したものの、湖の中央付近まで押し戻されてしまった。



船が止まったのを見たのかモンスターが現れた。



亀の甲羅を持ったドラゴン2体と蝶3体だ。



いきなりイオラを唱え、ドラゴン1体と蝶2体を倒す。

ドラゴンは甲羅の中に手足を引っ込めて甲羅でつぶそうとしてきた。

楯で受けるも受け切れず弾き飛ばされてしまう。

しかし弾き飛ばされたおかげで蝶の攻撃は空を切る。



蝶に鞭で攻撃し倒す。



ドラゴンが甘い香りのするブレスを吐きだした。



くっ……zzzzzz。

zzzzzzzzzzzz。



グハッ。



ドラゴンの押しつぶしで目が覚めた。

慌てて鞭をふるうが甲羅に阻まれる。



危ない、危ない。

ダメージ自体は大したことがないだけましだけど……。



再び甘い香りのブレスを吐き出してきたが、そのタイミングに合わせて

鞭をふるい、ドラゴンの頭に鞭を絡ませ引きちぎる。



久しぶりにやばい戦闘だった気がする。



息を整えると、洞窟を目指すために近くに上陸する。

洞窟までの間にドクイモムシが出たが、懐かしい感覚を思い出しつつ倒した。



洞窟に入るとすごろく場の軽快な音楽が……。

洞窟は巨大な空洞となっており、奥に上への階段があった。



近くにいた戦士に聞くとやはりすごろく場らしい。

その戦士はすごろく場が目的ではなく精霊の泉とやらを探しているそうだ。

ムオルの老人がそんなことを話していたことを伝えると喜んで出て行った。



階段を上りすごろく場へ。



すごろくを見渡すと途中で3つに分岐しているのが見て取れた。



「見てくださいよ。

 ここで3つのコースに

 わかれていってるでしょ。

 やっぱりあがりやすいコースとか

 あるんでしょうね。

 どれがそうなんだろ?」



同じように見ていた男性がそんなことを話してきた。



まあ、やってみればわかるだろう。

入口の人にすごろくけんを渡し、すごろくを開始した。

ここのサイコロの数は20回だそうだ。



「サイコロを振る」

"5"

平原だった。



「サイコロを振る」
"3"
低山地帯。

青牛2体と箒に乗った魔女(?)2体。

魔女がベギラマを使ってくるが鞭だけで全滅させることができた。



「サイコロを振る」

"4"

別れ道のところだった。

到着したマスは「?」マーク。

かしこさが2上がった……?



「サイコロを振る」

"1"

右側へ進み森林地帯。



「サイコロを振る」

"1"

低山地帯。

黒鎧2体と魔女2体が現れた。

魔女に鞭で攻撃するが、その横から黒鎧が大きく振りかぶって剣を落としてきた。



……。



…………。



……………………。



気がついたらすごろく場の入り口にいた。

どうやら途中で死んでしまったらしい。

すごろく場では死んでも気絶だけで済む様だ……?



2回目の挑戦。



「サイコロを振る」

"1"

平原。



「サイコロを振る」

"1"

+3マスで進んだ先は平原。



「サイコロを振る」

"3"

低山地帯。



「サイコロを振る」

"6"

別れ道にたどり着き右へ進む。

再び低山地帯。

モンスター登場。青牛2体と仮面原住民1体、影1体。

イオラで影を倒し、鞭で青牛を倒す。

仮面原住民がゾンビを呼び出すが、イオラで全滅させる。



そこでレベルアップした。



職業:けんじゃ
レベル:26
ちから:64
すばやさ:156(78)
たいりょく:96
かしこさ:67
うんのよさ:77
さいだいHP:194
さいだいMP:134

使える魔法:
 メラ、ホイミ、ニフラム、スカラ、ピオリム、ヒャド
 ギラ、マヌーサ、ルカニ、スクルト、リレミト、ラリホー
 イオ、キアリー、ボミオス、ルーラ、バギ、マホトーン、
 ベホイミ、ベギラマ、キアリク、マホトラ、メラミ
 ルカナン、インパス、トラマナ、バシルーラ、ヒャダルコ
 ザメハ、バイキルト、ザキ、イオラ、ザオラル、マホカンタ
 ラナルータ、バギマ、ヒャダイン
 くちぶえ

バギマとヒャダインが増えた。

両方とも以前の魔法の強化版か。



「サイコロを振る」

"3"

平原。



「サイコロを振る」

"1"

モンスターマス。

紫羽男が4体だが早速バギマを使ってせん滅。



「サイコロを振る」

"6"

階段があった。

上の階まであるとは……。

上の階へ進む。



「サイコロを振る」

"5"

平原。



「サイコロを振る」

"1"

4進むだった。

進んだ先には宿屋があり、一泊100Gとかふざけていたので断った。



「サイコロを振る」

"5"

平原。



「サイコロを振る」

"2"

サイコロ-1……。

サイコロの残りが残り8回になった。



「サイコロを振る」

"2"

モンスターマス。

紫へちゃ2体と熊が1体。

熊の攻撃が怖いのでスカラで防御を固くする。

紫へちゃはメダパニを唱えてくるが効果は出なかった。

熊の攻撃はやはり強力で、その爪によって右肩がえぐられた。

ベホイミを唱え治療し、紫へちゃを倒す。

再度の熊の攻撃は何とかかわす。

鞭を熊の足に絡ませ引き倒し、上から鞭をふるい熊を倒した。



「サイコロを振る」

"4"

宝箱があった。

中身はダガーだった。

ダガーを取ると品札が付いており、「アサシンダガー」と書いてあった。



「サイコロを振る」

"1"

マス上にバリアがある。

そのマスに入ると周りから電撃が……。

体のあちこちに小さなやけどができた。



「サイコロを振る」

"4"

宿屋だったが、高いので断る。



「サイコロを振る」

"5"

モンスターマス。

緑牛2体とゾンビ2体が出てくる。

覚えたばかりのヒャダインを唱えた後、鞭で攻撃して倒した。



「サイコロを振る」

"3"

やっとゴールに到着。



奥の扉を開くと宝箱が二つ。

左には緑色の鱗でできたような鞭が入っていた。

鱗は持ち手側を向いており、相手の皮膚を削り取るような動きをしそうだ。

また鱗もかなり頑丈な代物。

次からはこの鞭を使ってみよう。



右には種が入っていた。

種を食べてみるとすばやさが4上がった。



ゴールもしたことだし、すごろく場を出る。

外はすでに朝になっていた……。



船へ戻り南の祠を目指す。

祠近くに停泊し、上陸する。



祠に入るとそこは宿屋だった……。

一晩寝ていないので宿泊することにした。



[4638] 一人旅 邂逅編 1日目
Name: ハロ◆6571bd49 ID:01d8a6f1
Date: 2008/12/20 17:07

邂逅編 1日目



岬の宿屋で目覚める。

宿屋の主人に聞くと、岬はオリビアの岬と呼ばれているらしい。



宿に泊まっていた吟遊詩人が話に割って入ってくきた。



「ここはオリビアの岬

 嵐で死んだ恋人を思い

 オリビアは身を投げました。

 しかし死にきれぬのか

 通りゆく船を呼びもどす

 そうです。

 もし恋人エリックとの

 思い出の品でもささげれば……

 オリビアのたましいも天に

 めされましょうに。

 うわさではエリックの乗った

 船もまた幽霊船として

 海をさまよっているそうな。」



なるほど、あの悲しい歌声はオリビアのものだったか。

恋人は幽霊船とは大変だねぇ。



そんなことはどうでもよくて旅の扉の話を聞くと

やっぱり、ここにサマンオサへの旅の扉があるという。



しかしそこへ入るための扉が閉ざされてしまっており、

使うことができなくなっているという。



「おかげで商売あがったりですよ。」



と宿の主人は続けた。



旅の扉は宿の奥にあるとのことなので奥まで行ってみる。

扉は確かにカギがかかっていたが、例の沈んでいた島で

手に入れたカギで開けることができた。



宿屋の主人に知らせると非常に喜んでいた。

また、扉の鍵はもう閉めないようにお願いしておいた。

あんなところで手に入れるような鍵でしか開かない扉なんて……。



扉の中に入るとそこは細長い部屋になっており、

旅の扉が手前と奥の二つあった。



まずは手前の旅の扉に入る。



目の前がゆがみ、元に戻っていく。

軽い冷気が肌をさらう。

そして目の前には通路が伸びていた。



通路を進むと中央に池のある広間に出た。

正面には外に続いていると思われる出口。

左右には今通ってきた通路と同様の通路が伸びていた。



まずは正面の出口から外へ出てみる。



外に出ると結構大きな島であることがわかった。

凍っている大地もあるので北の方の島だろう。



船がここにあるわけでもないのでここがどこだかを調べることもできない。

仕方なく中に戻り、右側の通路へ進む。



右の通路の先にも旅の扉があった。



旅の扉へ入る。

目の前のゆがみが元に戻ると小部屋のようなところへ出た。

扉はひとつ。



扉は鍵がかかっていた。

鍵を開け外を見ると、そこは教会だった。



神父がいて、俺が出てくるのを見てかなり驚いていた。

この場所について尋ねてみたらここはサマンオサという答え!!



「サマンオサはこのほこらの西。

 山ぞいをぐるりと西に

 すすまれるがよかろう。」



礼を言って出発しようとすると話を続けた。



「うわさではサマンオサの王が

 人がわりしたらしい。

 勇者サイモンが右の

 旅の扉より追放されたのも

 王の命令と聞く。」



人がわり?

なにか起こっているんだろうか?



右のほうを見ると確かに扉があった。

俺が使った扉は左。

講堂をはさんで右側にも扉がある。

その扉もカギがかかっており、同様に開けることができた。



神父にこの鍵は閉めないようお願いして、サマンオサへ出発する。



教会を出て周りを見渡すと高山地帯で囲まれている。

北西方向に隙間があるのが見て取れたので平原を北東方向へ進む。



やがて川に出た。

川の流れは緩やかだが、岩礁が多数存在していた。



あの川だろうね。



川には橋がかかっていた。

橋を渡って西へ。



しかし橋の上でモンスターが襲ってきた。

甲羅ドラゴンと赤い魔女がそれぞれ2体ずつ。



ヒャダインを唱えるが全く効果なし。

まずは、と魔女たちを鞭で倒す。

その横から甲羅ドラゴンが甘い息を……。



つい吸い込んでしまって眠りかけるが、

甲羅アタックを食らってすぐに目が覚める。



ベホイミで体を癒し、バイキルトで攻撃力を増加させる。

しかし甲羅に阻まれて鞭はほとんど効果なし。

甲羅アタックはかろうじて避ける。



スカラで防御力を上げる。

腕はミシミシいってるけどなんとか受け止めることができるようになった。



ベギラマを唱えて1体を倒す。

残り1体。



甲羅アタックを避けつつ、鞭でダメージを与えていく。



数発の鞭攻撃で何とか倒すことができた。



受け止めることができてもダメージなしというわけにはいかなかったため

ベホイミを唱えて、傷を癒す。



傷を治すと橋を渡りきり、さらに西へ向かう。



低山地帯を越え西へ。

低山地帯の西は森になっており、森に入ったとたん緑のゴリラが3体現れた。

スカラを唱えて防御力を強化し、後は鞭をふるい倒す。



森の中を西へ進むと道に出た。

道の両側を見てみると南に城が見える。

おそらくあれがサマンオサの城だろう。



城の方へ向かって歩いて行く。



あと少しというところで赤い鎧が襲ってきた。



スカラを唱えて後は鞭で、とスカラを唱えるが、

その直後にルカナンを唱えられて、ほぼ無効化される。

バイキルトを唱えて攻撃力を上げ、鞭で叩く。



ルカナンを連続して唱えてくるが、

向こうの攻撃前に一気に攻撃して倒した。



あと一歩倒すのが遅かったらとんでもないダメージを受けていたかもしれない。



城に近づき城下町へ入る。

城に入るころには日が沈み始めており、

まずは宿屋に入ることにした。



この近くにアツシの仇がいるかもしれないと思うと

心が逸るがなんとか抑えて、寝ることにした。



[4638] 一人旅 邂逅編 2日目
Name: ハロ◆6571bd49 ID:01d8a6f1
Date: 2008/12/21 17:45
邂逅編 2日目



サマンオサで目覚める。



まずは情報収集をかねて武器屋へ。



武器屋は2階建てになっており、店は2階にあった。

強力なゾンビキラーという武器があったが

鞭系の武器が良いので購入は止めた。

しかし防具で魔法の鎧があった。

みかわしのふくを売却し、魔法の鎧を購入する。

おまけとしてまたすごろくけんをもらった。



すごろく場の場所を聞いてみると、今は閉鎖された旅の扉の先にあるという。



行ったところだよなぁ……。



ついでとばかりに店主は愚痴をこぼしてきた。



「多くの人たちが毎日

 牢に入れられたり

 死刑になっているんです。

 昔はおやさしい王さま

 だったのに……。」



そうなのか……。

そういえば、神父が人代わりしたようだとかなんとか。



ヒドラの話を聞くが知らなかった。



店を後にして道具屋へ向かう。

道具屋は店主がいなかった。



客がいるから開いていると思ったんだけど……。



そんな俺を見て客が声をかけてきた。



「どうやら店の者は

 葬式へ参列しているらしい。」



それじゃ後でまた来てみるか、と思っていたら裏口から人が入ってきた。



「王さまの悪口をいっただけで

 しけいだなんてあんまりですよ!

 これじゃおちおち商売も

 できませんよ!」



店主は怒ったような口調だ。



悪口を言っただけで?

圧政だな。



話をちょっと聞いてみると戦士ブレナンという人物が処刑されたとのこと。



こんな世の中だから守るために圧政というのはある程度は判る。

一致団結して対抗するためにということもあるしね。

だがその為の力である戦士を?

見せしめにしてもやりすぎだろう。



話を聞くと一致団結して対抗するという話もないそうだ。



一度城に行ってみるか。

ポルトガ王の名前を借りれば会ってくれるかも知れない。

勝手に使用したら怒られるかもだけど……。



そう決めると城へ向かう。

しかし、衛兵に追い返されてしまった。

ポルトガ王の名を出しても全く聞こうとしなかった。



城門から離れどうした物か考えていると一人の戦士が声をかけてきた。



「私はサイモンの息子サイアス。

 ゆくえ知れずになった

 親父をさがして旅をしている。

 うわさではどこかの牢屋に

 入れられたと聞いたのだが……。」



そのことを聞くために王に会いに来たものの、俺と同様に追い返されたらしい。

そして、夜にこっそり侵入して王様に直訴をしようと考えており、

俺にも一緒に来ないかと誘ってきた。



俺の様子を見て重大なことで王に話があったと思ったらしい。



まあ、ポルトガ王の名前とか出していたし、

ヒドラの件は少なくとも俺にとっては重大なことだ。



……誘いに乗ってみるか。



俺はサイアスの手を取った。



…………



………………………………



…………………………………………………………



夜まで俺たちは宿で休んだ。

鎧や武器は宿に置いておく。

夜が更けてきたところで起き出し、そっと宿を抜け出した。



できる限り物音を立てないように町の中を進み城へ向かう。

城の裏門にまわり中に入る。



中を見渡すが人の気配が少ない。

静まった城の中を歩き回る。



王は2階で寝ているという情報をサイアスが手に入れていたので

上への階段を探すがなかなか見つからない。

しかし城の最奥でようやく階段を見つけた。



階段を登るとそこは城の一角でしかなかった。



「あれを見てくれ。

 おそらくあそこが王の寝室だ。」



サイアスが指すその先にはわずかな月明かりを

カーテンが反射している一角があった。

反射の様子からそのカーテンが豪華な物だとわかる。



その一角まではベランダが続いている。



俺がそれを見て取ったときにはサイアスは既に窓からベランダに飛び出していた。

俺も慌ててそれに続く。



俺たちはそのままベランダの上を王の寝室へ向かって歩いていく。

誰にも見つかることなく王の寝室に到着。



窓から部屋の中へ侵入する。



部屋はかなり大きく、中央にはこれまた大きなベッドがあった。

ベッドでは誰かが寝ている。

おそらく王だろう。



サイアスはベッドの横まで歩いていくと跪いた。

俺もそれに習って跪く。



サイアスは慎重に声をかけて、王を起こそうとしている。

やがて王が目を覚ます。



が、こちらを見ると大声を出した。



「うぬらはどこから

 入ってきたのじゃ?

 あやしいヤツめ!」



その声を聞いて衛兵が部屋に入ってくる。



「この者らを牢に

 ぶちこんでおけい!」



サイアスは何か言いたそうにしていたが、それでも大人しく捕まっている。

俺だけが暴れるわけにも行かず、二人して捕まってしまうことになった。



衛兵達を俺たちを引っ立てて、階下へ。

城の中を奥に進み地下への階段を下りていく。

地下で牢番に引き渡し帰って行った。



牢番は引き継ぐと俺たちを一番手前の牢屋へ入れた。



「おとなしくしているんだぞ!」



そう言って牢番は入り口へ向かっていく。



……どうしたものか。

リレミトで脱出できるかな?



サイアスを見るとサイアスは項垂れている。

そして一言、すまない、と。



あれ?

そういえば牢屋にカギをかけられた音がしなかったような……?



牢屋の入り口に手をかけると……カギはかかっていなかった……。

扉はすっと開いた。



サイアスはそれを見て驚いているが、俺も驚いている。

なんでだ?



牢屋を出て、牢番の方へ向かうと声が聞こえてきた。



「私は眠っている。

 だからこれは私の

 ねごとだ。

 たしかに最近の王は

 おかしい。だがわれわれは

 王さまには逆らえぬ。

 私はここから動けぬが

 うわさではこの地下牢には

 抜け穴があるそうだな……。」



そうか、わざと開けておいてくれたのか……。

しかも抜け穴、か。



他の牢屋を見てみると人が入っている。

皆、項垂れている。

助けようにもカギがかかっている。



それぞれの牢屋を見ていくと一番奥の牢屋には人が入っておらず、

その奥に通路が延びているのが見えた。



これが抜け穴かな?



その牢屋にはカギがかかっておらず中に入ることができた。

中に入り、奥の通路へ進む。



奥には階段があった。

階段を登り先へ進む。



その先には再び牢屋があった。



牢屋を覗いていると牢屋の奥から声が聞こえてきた。



「だれかそこにおるのか?

 わしはこの国の王じゃ。

 なに者かがわしから

 変化のつえをうばいわしに

 化けおった。おおくちおしや…。」



そう言って出てきた姿は王と同じ姿だった。

サイアスはその姿を見て跪いた。

俺はさすがに跪く気になれず、立ったまま話を聞いた。



簡単に言うと王から変化の杖を奪った奴は王に化け、王を監禁した。

その後、王に成り代わり圧政を行い始めた、ということだ。



王は圧政の話を聞いて、涙を流し始めた。



「わしが、わしがしっかりしておれば……。」



サイアスは王を慰める。

しばらくしてその慰めに気を取り直したのか

王は俺たちに頼み事をしてきた。



「真実の姿をうつす

 ラーの鏡というものが

 南の洞くつにあるそうじゃ。

 それがあれば変化の杖の効果を

 取り消すことができるはずじゃ。

 頼む、それで奴の正体を暴いてくれ。」



サイアスは勿論です、とすぐに頷いた。

俺も了承することにした。



王は通路の奥に外へと続く隠し通路があることを教えてくれた。

俺たちはそれを聞くと、その場を離れた。



言われたとおり奥には通路があった。

通路はかなり細く曲がりくねっていた。



かなりの距離を歩いたところで上へ登る階段があった。



階段を登るとそこは町の墓地だった。

入り口を判らないように隠すと墓地から出て、

人に見られないように気をつけながら宿へ向かう。



宿の部屋に入り、ベッドに腰掛ける。



サイアスが口を開くより先に俺が提案をした。



「俺が真実の鏡を見つけてくる。

 その間に王を含めた牢屋の人たちを助けておいてくれ。」



「しかしあの洞くつは危険だぞ。」



「やばくなったら逃げ帰ってくるよ。

 それより正体を暴いたときに王達を人質に取られたら

 何もできなくなってしまう。」



「だが……。」



「それに暴くためには準備が必要だろう?

 その為の準備を任せたいんだ。

 俺にはそれは難しいからね。」



暴くときのための準備には沢山の人を説得する必要がある。

少なくとも俺よりもサイアスの方が向いているだろう。



時間をかければ俺たちが脱出したこともばれる可能性が高くなる。

二手に分かれた方が犠牲者も少なくて済む。



そんなことを伝えてサイアスを納得させる。


明朝すぐに洞くつに向かうことにして今日は寝ることにした。



あとがき
かなりの難産でした。
何度書き直したことか……。
難しいです。

サイアスは半オリジナルキャラクタです。
サマンオサにサイモンの息子と名乗るNPCがいたので
名前を付けて主人公と絡めてみました。
かなり強引ですが……。



[4638] 一人旅 邂逅編 3日目
Name: ハロ◆6571bd49 ID:01d8a6f1
Date: 2008/12/22 20:26
邂逅編 3日目



サマンオサの宿で目覚める。



早速、ラーの鏡があるという洞窟を目指して出発することにした。

サイアスは町の人たちに事情を説明し、協力を頼むために出かけた。



サマンオサを出て南へ。

サマンオサは森に囲まれている。

さらにその周りは低山地帯。



森をぬけ、低山地帯に入る。

南の方には高山地帯が見えている。



低山地帯を少し進んだところで赤い魔女が2体出てくる

しかし意外と弱くて鞭の一撃で撃退できた。



そのまま低山地帯を進むうちに東の方に湖が見えてきた。

その中央には島があり、島の中央には洞窟が見える。



進路を変更して湖へ向かう。



湖の東西に高山地帯があり向こう側へは行けそうにないが、

中央にある島へは橋がかかっていて進むことができる。



…………ここは、以前に対岸に来たことがあるところだ……。



橋を渡ると、洞窟までの地面が非常にぬかるんでおり

腐っているかのようなにおいを発していることがわかった。



イシスに行く前に立ち寄った湿地と同じような感じで

その中に足を踏み入れるとピリピリと痛い。



以前と同様に一気に走りぬけることにした。



洞窟に到着。

そのまま洞窟内へ侵入する。



洞窟の内部はややこしい構造になっているように見える。

入口から見えるだけでも道が左右にそれぞれ一つずつ。



入口ぐらい一つだとよかったのに……。



悩んでも仕方がないので左手の法則で移動することにした。



少し進んだところで仮面原住民2体と甲羅ドラゴンが2体出現。

ちょっと厄介だったけど何とか倒した。



一番痛かったのは仮面原住民のマホトラ。

こっちのMPを吸い取ってくる。

それに対応するためにマホカンタを唱えると、

仮面原住民のMPがどんどんどこかに飛んでいくのが見えた。

あとはイオラを唱えた後、鞭でせん滅した。



次いで出てきたのは鎧と赤クラゲ。

赤クラゲが何かやらかしそうだったのでまずイオラで倒す。

そのあとはスカラで防御力をあげて、鎧を倒した。



赤クラゲたちが出てくるまでに別れ道があったが、気にせず左へ進む。

やがて右に折れ、再び別れ道。

そのまま左へ。



次の別れ道も左へ進むと、地底湖が見えてきた。



地底湖沿いを歩いていると、甲羅ドラゴンが2体でてきた。

バイキルトで攻撃力をあげて鞭で攻撃。

さすがに甲羅は堅いが、それでも何とか倒せた。



そのまま左の壁沿いに進む。

道は再び右に折れ、大きな空間に出た。

その場所からは正面と右に通路が伸びている。



左手の法則にしたがい、正面の通路へ進む。

再度右に折れ曲がり、別れ道。

そのまま左へ。



少し広めの空間と地底湖が見えてきた。

奥へ通路が伸びていたので奥へと進む。



通路へ結構長く、やがて右に曲がる。



右に曲がったところで仮面原住民2体、甲羅ドラゴン1体と

6本腕スケルトン2体が出てきた。

マホトラが嫌なのでまずマホカンタを唱える。



すると……仮面原住民はどんどん自分のMPを放出していき、

スケルトンは自分にルカナンを唱えて弱くなっていった。



その間に甲羅ドラゴンを仕留める。

次いで防御力が無くなったスケルトンを破壊。

仮面原住民は最後のあがきかゾンビを呼び出すが、

そのまま鞭で撃退した。



マホカンタってかなり便利?



倒し終わって、通路を進むと入口へ戻ってきてしまった……。

どうやら一周してしまったらしい。



最初の仮面原住民にMPを吸い取られすぎたため残り少ない。

今日はここでいったん引き揚げることにした。



サマンオサの町へ帰り、宿屋へ向かう。

宿屋にはサイアスも戻ってきていた。



神父の協力を得ることに成功したそうだ。

神父を通じて、町の人の説得を開始するとのこと。



こっちの現状を報告すると心配そうにしていたが、

そんなに強いモンスターはいなかったので、

その旨を伝えると少し安心してくれた。



サイアスは夜に再び、牢屋に向かうとのこと。

俺も行こうかといったが、ゆっくり休んでくれと断られてしまった。



確かに明日も再び洞窟へ向かわなければならないので

今日は寝ることにした。



[4638] 一人旅 邂逅編 4日目
Name: ハロ◆6571bd49 ID:01d8a6f1
Date: 2008/12/23 17:47
邂逅編 4日目



サマンオサの宿屋で目覚める。

宿屋の主人に聞くと、サイアスは帰ってこなかったみたいだ。



宿屋の主人も王の入れ替わりの話を聞いて協力してくれている。

昨晩、宿の主人も差し入れを持って王に会いに行ったそうだ。

カギを開けるのに苦労しているらしい。



そんな話を聞いたあと、サマンオサを出発して洞窟へ向かう。



すでに洞窟の場所は判っているのでまっすぐ洞窟へ向かう。

今日は洞窟に到着するまでにモンスターは出てこなかった。



洞窟に入る。



今度は正面の壁に対して左手の法則で移動する。

そうすると距離は短いが一周して再び同じ場所に戻ってくることになった。



途中、甲羅ドラゴンと仮面原住民が出てきたが

マホカンタの後、バイキルトで問題なく倒せた。



今の一周の途中の別れ道まで戻ってその先へ進む。



また仮面原住民が出てきたが、マホカンタを唱えた後に鞭で余裕勝ち。



その先は別れ道になっていたが左へ進むと、下りる階段があった。



下の階へ降りると巨大な空間となっていた。



すぐ近くに宝箱がある。

開けてみるとお金が少し入っていた。



顔を上げると少し奥にまた別の宝箱があった。

目を凝らすとその先にも宝箱がある。



宝箱を開けながらそれを追っていく。



何かに誘われているような感じを受けるなぁ。

罠っぽい気はするけど……。



宝箱の道しるべは徐々に右へ進み、細い通路に続いていた。



宝箱を追いかけつつ襲ってくるモンスターを倒す。



モンスターが出たときにはついマホカンタを使うようになってしまった。

おかげで影が出たときにはヒャダルコを防ぐことができ、

スケルトンが出たときにはルカナンをはじき返した。

で、鞭攻撃で簡単に倒した。



宝箱の道しるべは通路の先にある小部屋まで続いていた。

小部屋には宝箱が4つ。



明らかに罠っぽい……。

でも開ける。



案の定、宝箱は罠だった。

緑色のミミックが襲いかかってくる。

まずはマホカンタ。



ミミックはザキを唱えてくるが、その魔法は跳ね返ってミミックに。



そして、消えて行った……。



………………。



…………………………倒した?



まあいいや、次。



次の宝箱も緑ミミックだった。

マホカンタを唱える。



ミミックはまたもザキを唱えてきて、それが跳ね返るが効果がなかったようだ。

スカラを唱えて防御力をあげて鞭で迎撃。



緑ミミックは以前に遭遇したミミックより攻撃力はない感じで

大したダメージを負うこともなく倒せた。



3つ目も緑ミミック。

先ほどと同様にマホカンタ&スカラの後、鞭で倒した。



最後の一つも緑ミミック。

こいつは最初のミミックと同様、ザキで自滅…………。



結局全部罠だった、と。

しかも弱い…………。

半分は自殺しただけだしね。



しかし結局、ここにはラーの鏡はなかった。



部屋から出ようとしたところで仮面原住民が4体襲ってきた。

まあ今までと同様にマホカンタを唱えた後に鞭攻撃で倒した。

マホカンタで相手の魔法を封じれば、かなり余裕。



そこでレベルアップアップ。



職業:けんじゃ
レベル:27
ちから:69
すばやさ:166(83)
たいりょく:100
かしこさ:70
うんのよさ:80
さいだいHP:194
さいだいMP:134

使える魔法:
 メラ、ホイミ、ニフラム、スカラ、ピオリム、ヒャド
 ギラ、マヌーサ、ルカニ、スクルト、リレミト、ラリホー
 イオ、キアリー、ボミオス、ルーラ、バギ、マホトーン、
 ベホイミ、ベギラマ、キアリク、マホトラ、メラミ
 ルカナン、インパス、トラマナ、バシルーラ、ヒャダルコ
 ザメハ、バイキルト、ザキ、イオラ、ザオラル、マホカンタ
 ラナルータ、バギマ、ヒャダイン、メダパニ
 くちぶえ



メダパニ……混乱を引き起こす魔法か。

また微妙な魔法だ。

でも敵の数が多い場合なんかには有効か。



MPも少なくなってきたので今日は引き上げることにした。



外に出るまでにスケルトン3体が襲ってきたが、

マホカンタを唱えたら、案の定自分にルカナンをかけて自滅。



うーん、マホカンタは非常に便利だ。



外に出てサマンオサに帰る。

宿に到着すると、サイアスも帰ってきていた。



一晩以上、牢屋のカギを開けようとしていたらしいが開かなかったそうだ。



使えるかどうかわからないが、と魔法のカギと古からのカギを渡した。

それで開くようなら……どんな牢屋なんだか、という話になるが。



明日の朝、再び牢屋へ向かうとのことだったので、俺も寝ることにした。




[4638] 一人旅 邂逅編 5日目
Name: ハロ◆6571bd49 ID:01d8a6f1
Date: 2008/12/24 20:12
邂逅編 5日目



サマンオサで目覚める。



なんとか今日にはラーの鏡を見つけたい。

サイアスは今日は衛兵達を味方に引き入れるつもりのようだ。

そうすれば牢屋のカギもなんとかできるだろう。



俺は宿の入り口でサイアスと別れ、洞くつへ向かう。



途中で赤魔女2体と鎧2体が出た。

昨日と同じくマホカンタを唱えておくと

魔女はバシルーラを唱えるものの跳ね返り、

どこかに飛んでいった……。



バシルーラって……ルーラじゃないよね?

どこに飛んでいったんだろう?



鎧はサクッっと鞭で倒しました。



洞窟へ到着し、すぐに階段へ向かう。

階段を下りて大広間に出る。



昨日は右の方へ進んだので今日は左へ進む。

左の方へ進むと、すぐに袋小路になっていた……ところで

落とし穴にはまって、下に落ちてしまった。



落ちたところは地底湖に浮かぶ島になっている場所だった。

対岸に宝箱……と、落ちた場所のすぐ近くにも宝箱があった。



宝箱を開けてみるとそこには鏡が入っていた。



……ラーの鏡?

なんかある意味あっさり見つかったんだけど……。



対岸に宝箱も気になるので渡れるところを探していたら、

またも落とし穴で落ちてしまった。



…………。



落ちたところは小さな空間で、端の方には水たまりがあった。

水と反対方向には上へ登る階段がある。



階段を登ると、そこは島から見えた対岸だった。



おぉ、ラッキーかも。



喜び勇んで対岸にあった宝箱に向かおうとするが

甲羅ドラゴンと仮面原住民が正面をふさいできた。



マホカンタで魔法を防御し、バイキルトで攻撃力強化。

その間に仮面原住民がゾンビを呼び出したが、

それは鞭攻撃で撃破した。



しかしその後の甲羅ドラゴンの甘いブレスで眠らされてしまった。

なんとかすぐ目覚めて鞭で倒した。



あの宝箱を開けたらすぐに脱出しよう……。

欲をかいたらまずいかもしれない。

宝箱に到着し開けると中には着ぐるみが入っていた……。



…………何も言うまい。



リレミトで洞くつから脱出し、町へ戻る。



町に到着し宿に戻ると、サマンオサ王が宿にいた。

サイアスも戻ってきており、話を聞くと古からのカギが役に立ったらしい。



カギは最後のカギという名前で、サマンオサでは

重要なところにそのカギを使っていたそうだ。



王の他にも監禁されていた人たちを脱出させることにも成功したそうだ。

また王が脱出したことにより、衛兵達も玉座にいる人物が

偽物であることを知り、味方になり始めたとのこと。



そして皆がこちらを向く。



荷物の中から鏡を取り出し、王に確認してもらうと

間違いなくラーの鏡、とのこと。



「よし、これで奴の正体を暴くことができるぞ。」



サイアスが意気込む。

その場にいた他に人たちからも歓声が上がる。



その後は一つの部屋に入り、打ち合わせを開始する。



衛兵の幾人かも味方になってはいるが全員ではないため

普通には城にはいることができない。

そのため、再び夜間に寝室へ侵入することになった。



あんな事があったにもかかわらず偽物は警護を強化してはいないらしい。



偽物の元へ行くのは王とサイアス、そして俺の三人。

侵入自体は他の人も行くが、彼らは王女達の救出へ向かう。



おおよその方針はそのように決まり、その後は細かいことを決めていった。



やがて打ち合わせも終わり、夜まで待つことになった。

俺も一眠りすることにした。



…………。



……………………。



夜のとばりが落ち、夜が更けた頃に目覚める。

既に他の人たちも準備が整っていた。



音を立てないようにしなければならないが、

戦いになる可能性も考えられるため鎧や武器は装備したまま向かう。



どちらにせよ人数がいるためそれなりの音は出てしまうしね。



宿を出発し、城へ向かう。

城に到着すると裏口から侵入する。



城内部に入ると、それぞれ分担した場所へ向かう。

俺たちは以前と同様に2階を目指す。



奥にある階段を登り、窓からベランダへ飛び出す。

そして、寝室へ侵入する。



寝室へ侵入した俺たちは鏡を取り出し、偽物を写す。



ラーの鏡をのぞき込むと鏡には

眠っている化け物の姿がうつしだされていた!



「見~た~なあ?」



突然、低い声が響いてきた。



声の方を向くと偽物が起きあがってしゃべっていた。

偽物は鏡によってその変身が解かれて化け物の姿となっていた。



「けけけけけっ!

 生きて帰すわけに

 いかぬぞえ。」



そう言って棍棒をベッドの下から取り出すと襲いかかってきた。



「トロール!!」



サイアスが叫ぶ。

トロールは王に襲いかかっていくが、その前にサイアスが立ちふさがる。



「王は逃げてください。」



トロールはそれに構わず棍棒を振り回し、サイアスを壁まではじき飛ばした。

そして再び王に襲いかかろうとする。



俺は鞭を取り出しその腕にからみつかせる。



「王!!早く外へ!!」



俺の叫びを聞いた王は慌てて窓から外へ逃げ出す。

サイアスの方を見ると動くことはできないようだが死んではいないのがわかった。



トロールは腕に巻き付いた鞭を俺ごと振り回すが、

なんとか飛ばされる直前に、絡まった鞭を手首を回して解く。



トロールはこちらを振り向く。



スカラを唱え防御力を上げるが、トロールはルカナンをかけてきた。

慌てて再度スカラをかける。



今度はトロールは棍棒で襲いかかってきた。



トロールは巨体の割に素早く、こちらが一度攻撃する間に

2回棍棒を振り回してくる。



楯で棍棒を受けるが、かなりの衝撃を食らう。



鞭の攻撃はそれなりにダメージを与えているようだが、

トロール自身は全く気にしていないように襲いかかってくる。



バイキルトを唱えて、攻撃力を上げて再び攻撃に移る。

トロールの衝撃によって手がしびれるが、そのたびにベホイミを唱えて抑える。



時折、トロールは大きく振りかぶって棍棒を振り下ろしてくる。

大きな動作なのである程度は避けきることができるが、

攻撃を食らうと壁に叩きつけられてしまう。



戦いはどのぐらい続いたのだろうか。

徐々にトロールから流れる血が増えていくが、まだ倒れそうにない。



しかしMPが切れる寸前でようやくトロールが動かなくなり、

そのまま後ろへ倒れた。



「ぐげげげ……お おのれ……

 うぐあーっ!!」



そしてサマンオサの夜は明けた!



あとがき
わずかな回復にもベホイミを使うというもったいないことをしてしまい
ボストロール戦は結構苦労しました。
倒したときの残りMPは2とか。
その後に3回程試してみましたが、その辺りを注意してやると結構弱かった……。



[4638] 一人旅 邂逅編 6日目
Name: ハロ◆6571bd49 ID:01d8a6f1
Date: 2008/12/25 20:44
邂逅編 6日目



サマンオサの朝。



トロールが化けていた偽物の王から国は解放され

お祭り騒ぎになっている。



城の衛兵たちも粛清を恐れて従っていただけで

解放された王に改めて忠誠を誓っているようだ。



その解放を手伝った英雄として祭り上げられそうになったので

サイアスを差し出して、俺はその場から逃げ出した。



トロールとの戦いを終えて考えるに敵が1体、もしくは防御力が高い敵に対して

鞭で攻撃を続けることは効率が悪い。

今更ながらそのことに気がついた。



ということで武器屋に顔を出し、ゾンビキラーを購入。

ゾンビキラーは攻撃力も高いがゾンビのような

不死系のモンスターによく効くそうだ。



試し切りのためにお祭り騒ぎのサマンオサを抜け出して洞窟へ向かった。



洞窟のすべてを探索したわけではないのでついでに、とうろつきまわってみた。



仮面原住民は大概が2体以上で出てくるのでマホカンタ後、鞭で倒す方が早かった。

呼び出されたゾンビはゾンビキラーで攻撃すると、斬ったところから

炎のようなものが吹き上がり追加でダメージを与えた感じでサクッと倒せた。

スケルトンも同様。

甲羅ドラゴンは剣で攻撃しても堅かったが、鞭よりは楽に傷つけ倒すことができた。

バイキルトをかけてみるとさらに楽に倒せた。



洞窟の内部の探索において地下2Fに別の通路を発見。

また宝箱が置いてあり、最奥にはまたミミックがいた。

予想していたのでさほど驚くこともなくマホカンタを唱えた後に攻撃。

3回ミミックとは遭遇したが、2回はザキで自殺していった。

1回は剣であっさり倒せた。



いろいろな敵と何度か戦ううちにレベルアップした。



職業:けんじゃ
レベル:28
ちから:70
すばやさ:172(86)
たいりょく:104
かしこさ:73
うんのよさ:81
さいだいHP:213
さいだいMP:143

使える魔法:
 メラ、ホイミ、ニフラム、スカラ、ピオリム、ヒャド
 ギラ、マヌーサ、ルカニ、スクルト、リレミト、ラリホー
 イオ、キアリー、ボミオス、ルーラ、バギ、マホトーン、
 ベホイミ、ベギラマ、キアリク、マホトラ、メラミ
 ルカナン、インパス、トラマナ、バシルーラ、ヒャダルコ
 ザメハ、バイキルト、ザキ、イオラ、ザオラル、マホカンタ
 ラナルータ、バギマ、ヒャダイン、メダパニ、ザラキ
 くちぶえ



増えた魔法はザラキか……複数の敵に対してザキ、と。
またしても微妙な魔法だ……どの程度効くんだろう?



それはともかく剣での戦いは久しぶりだったがなんとか慣れてきた感じだ。

鞭と剣の持ちかえもスムーズにできるようになった。



物理攻撃に弱い敵がたくさん出たときには鞭で、

物理攻撃に強い敵が出たときには剣で攻撃するようにすればいい。



洞窟から抜け出し、サマンオサへ戻る。



サマンオサではいまだに祝賀ムードが漂い、

そこら中で飲んだくれている人たちがいる。



それに参加する気もなく宿に戻るとサイアスが待っていた。

王が来てほしいと言っているとのこと。



仕方がないのでサイアスとともに城へ向かう。



城門のところでは衛兵が俺を見て驚いていた。



「ややあなたさまはっ!

 本物の王さまをたすけていただき

 本当にありがとうございました。」



軽く会釈を返して城の中へ入る。

そのまま謁見の間へ連れて行かれた。



王は俺を見ると、椅子から立ち上がり近づいてきた。



「ふたたびここに座れるとは

 思わなかった。

 心から礼をいうぞリョウ!」



そう言って俺の手を握り締めてきた。



その後はわずかばかりではあるが褒賞を渡そう、と言ってきたが断った。

これからこの国は建て直さないといけないんだしね。



ただ、一つ頼みがあると言って変化の杖を渡された。

再びこのようなことが無いように受け取ってほしいとのこと。

まあ、大して邪魔になるものではないし受け取ることにした。



ヒドラの話を聞いてみるがこの付近では聞いたことがないそうだ。



サイアスの父親の消息についても王は知らなかった。

しかし牢に閉じ込められていた吟遊詩人がその消息を知っていた。



サイアスの父親サイモンはロマリアの北東にある湖のほこらの牢獄にいるらしい。

ただし……そこで朽ち果てたと聞いている、と。



サイアスはそれを知りすぐにそこへ向かおうとしたので

俺も同行することにして、王にその旨を伝え、城を辞去する。



このまま城にいたら……どんなことに祭り上げられるか……。



城を出て、教会へ向かう。

教会に入ると右の扉へ。



中にあった旅の扉へ入ると、そこはオリビアの岬にあった宿屋へとつながっていた。



湖ってここのことか……。



宿から出て湖を見る。

岬から見える湖は東西の二つ。

東西の湖を結ぶ水道は、例のオリビアのせいで通行できない。

俺の船は東の湖。

そして西の湖の中央に島があった。



島へ向かう小船がないか宿の人に聞いてみるが、

オリビアのせいですべて沈んだらしい。

結局、オリビアを何とか鎮めないとその島へ向かうことはできないようだ。



サイアスはここに残り、何とか手段を探してみると言っていた。

俺はヒドラを探す旅に戻り、その中でオリビアについての情報を集めることにした。



岬の宿屋の戻って、軽く別れの杯を交わし、今日はここに泊まることにした。



[4638] 一人旅 邂逅編 7日目
Name: ハロ◆6571bd49 ID:01d8a6f1
Date: 2008/12/26 20:56
邂逅編 7日目



岬の宿屋で目覚める。



自分の船に戻り出発する。

1週間近くここに船を置いていたが、問題はなかったようだ。



川を下り、海にまで戻る。



湿地帯……あとはアフリカか東南アジア。

東南アジア経由でアフリカに向かおう。



船の針路を南に向ける。

海峡を越え、陸地沿いに南へ。



陸地にムオルの町が見えるが、素通り。

そのまま日が沈むまで南へ向かうと南北に伸びている島に

町の明かりが見えてきた。



ジパングかな?



上陸して町に入ると、弥生時代っぽい感じの服装の人たちがいた。

奥の方には鳥居が並んでいて社っぽい建物まである。



ここには宿屋はないみたいなので近くの家に泊めてもらおうと近づくと

中から話し声が聞こえてきた。



「おお!なんということじゃ。

 ひとり娘がいけにえに

 選ばれてしまうとは……。」



「いけにえをささげなければ

 おろちがやってきて

 みなを食べてしまうでしょう。」



「やまたのおろちは

 おそろしいばけものじゃ!」



八岐大蛇…………?

まさか…………!?



俺はその家に飛び込んで行った。



家の住人は俺の様子を見てびっくりしている。

しかし、俺はそれに構わず問いただした。



八岐大蛇の姿について、頭の数、そしてその居場所を。



八岐大蛇はこの地域に伝わる伝承で、頭が八つある巨大な蛇のことだった。

それが数年前に実際に現れ、いけにえを捧げなければ町を襲うという。

頭の数は正確に数えた者はいないが、沢山あり火を吐いていたそうだ。



おそらくヒドラだ。

居場所は近くの洞窟らしい。



俺はそれを確認すると、家を飛び出し洞窟へと向う。

走りながら装備を確認する。



問題ない。



洞窟はすぐに見つかった。

そのまま洞窟の中に侵入する。



洞窟の中は熱気に包まれてかなり暑い。

少し奥へ進むと溶岩で閉ざされている道もある。



暑いわけだ……。



そのまま奥へ進むと暗がりから熊が2体現われ襲いかかってきた。

念のためスカラで防御力を固め剣で1体ずつ倒していく。

それほど強くもなくあっさり熊は倒れた。



そのまま奥へと進み下へ進む階段を見つけた。



階段を下りるとしっかりした作りの通路になっていた。

通路を進むと十字路に出る。



十字路をまっすぐに進むとやがて祭壇のような場所が見えてきた。

祭壇の近くには多数の人骨が転がっている。



八岐大蛇の食堂といったところか?



十字路に戻り左へ進む。



通路を進むにつれて奥から溶岩の赤い光が見えてくる。

それと同時に剣戟の音が。



俺は剣を抜き、奥へと走る。



開けたそこは大きな空間となっており、一番奥には5つの首を持ったヒドラが

炎を吐きつつ暴れていた。

ヒドラの前には4人の男女がいて、ヒドラと戦っていた。



俺はそのまま参戦するべく走って向かう。



そこにヒドラの首の一つによってふっ飛ばされた女性が飛んでくるが、

それをなんとか受け止めることに成功する。



女性は俺を見て驚いている。

かなり傷を負っていたので、ベホイミを唱える。



女性は俺を見て頷くと、再びヒドラのもとへ向かっていった。

俺もそれに続く。



その先にはヒドラの前面で剣で戦っている男性と女性、

その後ろに回復魔法を唱えている男性がいた。

そして、今助けた女性はヒドラにヒャダルコを唱えていた。



吹き飛ばされた女性が問題なく動いているのをちらりと見て

他の3人はそのまま戦闘を続行していく。



俺はバイキルトを自分に唱えるとその戦いの中へ飛び込んだ。

4人はそれを見て陣形を少し変えた。



一瞬で陣形を組み直すとは……。



ヒドラに対していちばん左が俺、男性剣士、女性剣士。

その後ろに男性僧侶、女性魔法使いという状態となった。



しかし、それもわずかな時間のことだった。



ヒドラは5つの首を巧みに使って4人に攻撃していたが、

俺が参加したことでその動きが乱れた。



その瞬間を見逃すことなく俺を含めた前衛3人が

それぞれ手近の首を剣でたたき落としたからだ。



ヒドラの残った二つの首からは叫び声がもれる。

そして、炎を吐いて威嚇したかと思うと突然後退し、消えた。



ヒドラの消えた後には赤い旅の扉があった。



俺は迷わずそこに飛び込む。

他の4人も顔を見合わせるとそれに続いてきた。



…………



……………………



………………………………



……………………



…………



旅の扉を抜けた先は大きな屋敷の中だった。

周りを見渡すが、見える範囲にヒドラはいない。



そこに叫び声が聞こえてきた。



「ヒミコさまっ!

 今すぐきずのお手当てをっ!

 それにしてもヒミコさまは

 いったいどこでこんなおけがを

 なさったのやら……。」



その声のほうに近づくと、古代の巫女装束っぽい女性が血まみれで横たわっていた。



ヒミコ?



先ほどの声を上げたと思われる男性がその女性を助け起こしている。

その時、頭の中に声が響いてきた……。



『わらわの本当の姿を

 見たものはそなたたちだけじゃ。

 だまっておとなしくしている

 かぎり そなたを殺しはせぬ。

 それでよいな?』



俺は、そのまま近づき、ヒミコの胸に剣を突き刺した。

ヒミコを助け起こしていた男性も、他の4人も目を見開いて驚いている。



ヒミコはそのまま息絶えた……。

そして変身が解け、死んだままヒドラの姿へと変わっていった。



「なんと!ヒミコさまはおろちだったとは!」



そんな叫び声が周りから聞こえてくる。



やがて、ヒドラの姿は消え、そのあとには一振りの剣と紫色のオーブが残る。



そして俺は、これが俺と勇者の邂逅だった事を知る。




あとがき
八岐大蛇は実際戦ってみてかなり弱かったのであっさりと終わらせました。
実際のプレイでは一人で戦っているのはもちろんですが
オリビアの岬から宿泊なしで、ヒドラと2連戦して
MPが1/4以上残ってましたからね……。
念のため3回ほど同じことをして確認してみましたが、
1/2以上MPが残ることも……。



[4638] 一人旅 幕間
Name: ハロ◆6571bd49 ID:01d8a6f1
Date: 2009/01/05 21:02

幕間

腐臭が漂い、埃っぽい薄暗い石畳の上を二人は歩いていた。その通路は床も壁も同じ材質の石、というよりも巨大な岩で構成されており、外は暑いはずなのに、ここだけはひんやりとした冷気が漂っていた。

地下ならば内部の空気が湿っていることが多いが、ここは非常に乾燥している。それが今に始まったことではなく常日頃から乾燥していることは、ここが何百年以上も前に作られたにもかかわらず、壁にコケやカビの跡が全く残っていないことからも推測することができる。

建物そのものが砂漠の中にあるため、その砂がどこからか入ってきているのか通路の端には砂が積もっている場所がある。

マリとエリの二人は、朝早くにイシスの宿を出発しイシスの北にあるピラミッドに来ていた。ピラミッドの奥深くに設置されているまほうのカギの取得は既に一昨日の段階で完了している。

リョウと別れアリアハンに戻ってから二人は以前よりもレベル上げに勤しんだ。マリはリョウからもらった鉄の爪を使いこなすために付近のモンスターを相手に毎日のように戦闘して練習していた。エリもその戦いに付き添うことで、どのよう場面でどの魔法を使うか、どの敵にはどの魔法を使うかなど、魔法の効果的な使い方を死を間近に控えた実戦の中で確実に学んでいった。

マリの装備する鉄の爪の威力は凄まじく、正直言ってアリアハン付近では敵なしの状態と言ってもよかった。

二人はキメラの翼を使ってポルトガへ移動することができるようになっていたため他の皆と協力してお金をためて、ポルトガで武器を購入することも行っていたので、アリアハンに残っていた他の人たちも少しずつではあるがレベルが上がっていった。街中で暮らすことを選んでいた人たちの中にも再び戦いに身を投じる人も出てきてアリアハン周辺では、比較的安全に過ごせるような環境が整ってきていた。

少しずつ確実にその影響範囲は広がり、やがてその範囲はロマリアまでも到達するようになっていく。その先陣を切って安全を確保する役割がマリとエリに二人となっていた。

先陣を切るという役割と鉄の爪の力によって二人は訓練以上に戦闘を経験することになり、順調にレベルを上げ、ようやくイシスにたどり着いたのだった

イシスに来た目的はまほうのカギ、のはずだった。ダーマの神殿へ赴くことで転職が可能になる。これは今の二人には必要のないことかもしれないが、異世界人全体としてみた場合には複数の職業の能力を手に入れることは大きな戦力の変化となる。少なくとも二人だけでもダーマの神殿に到達すれば、キメラの翼を使って誰かを連れて行くこともできる。そのためにカギを取りに来たはずだったのだが……。

出発の直前に来訪者仲間の一人がピラミッドへ向かうことになったマリによけいなことを伝えたことが原因となっていた。曰く、ピラミッドの地下2Fに「黄金の爪」という武闘家用の強力な武器が隠されている、と。

それを聞いたマリは当然といった風情でカギを取得した後、地下へ向かうと言い出していた。カギの取得を優先してくれたことだけが救いといえば救いだとエリは考えていた。マリはカギを取得後、直ぐに地下へ向かおうとしていたが、さすがにそれは危険なので一度イシスに戻って体力やMPを回復させた後にしよう、とエリはなんとか妥協点を提示してマリに認めさせた。

ピラミッドについてはよけいなことをマリに伝えた仲間が詳しく知っていたため迷うことなくカギも取得できたし、地下2Fにも何とかたどり着いた。骸骨が散らばっている床を調べて地下2Fへの階段を探す作業は、非常に嫌なものがあったがそこに至るまでの通路や部屋にも骸骨は散らばっていたので二人とも慣れてしまっていた。

そして今に至る……。

地下2Fには宝箱をあけるまでは罠がないと聞いているが、それでも慎重に進む。出てくるモンスターは主にミイラだが、ここでは魔法を使うことができないので戦闘はマリに任せてエリはアイテムを使った回復に専念するために後ろを警戒しつつ、マリから少し離れたところからついて行く。マリは出てくるミイラの姿が見えると即座に飛び出して先制攻撃をして少しでも受けるダメージを減らすように戦っていた。

一番奥にある小部屋に到達するまでに数回の戦闘があったが、二人とも大したダメージを受けることはなかった。小部屋には祭壇があり、そこには古びた柩が祀られていた。

「やっとたどり着いたね。」

小部屋に先にたどり着いたマリが振り返ってエリに話しかける。

「本当だね。これで柩に何もなかったら……。」

「大丈夫だよ、こんなところ誰も来ないって。」

「だと、いいけどね……。」

「心配性だなぁ、エリは。」

そう言ってマリは柩に近づいていく。それは無造作のように一見見えるが、周りに注意を配っているのがエリには判った。ここにたどり着くまでに、いろいろなことがあったために自然とその行動は慎重になっているのだろう。

「ちょっと待ってよ。それを開けたらミイラが沢山出てくるんでしょ。」

マリが柩に手をかけようとしてる様子を見て、慌ててエリも柩に近づいていく。

「そうだったね、ごめんごめん。」

マリは柩から手を離し、エリがやってくるのを待った。そしてエリが直ぐ近くに来たのを確認してエリに尋ねる。

「それじゃ、開けるよ?」

「うん、いいよ。」

エリの返事を聞いてマリが柩を開けると、柩からは光が漏れ始めた。柩の蓋が開くにつれてその光は強くなり、全てが開くととたんにその光は消える。そして見えてきた柩の中には金色に輝く黄金の爪が入っていた。

マリがそれを手にするとどこからともなく不気味な声が響いてきた。

『黄金の爪を奪う者に災いあれっ!』

その声とともにここまでにたどってきた通路にあった岩でできた柱の一部が下にスライドし、それぞれに小さな空間が沢山できていた。その一つ一つにミイラが安置されており、それが次々と動き始めたのだった。

ミイラの目的は黄金の爪を手に持ったマリだろう。安置場所から出てきたミイラはマリに向かって一直線に向かってくる。その速度は速くはないが、じりじりと確実に迫ってくる。

マリは直ぐに鉄の爪を外し、黄金の爪を装備するとミイラの群れに突っ込んでいった。

「先手必勝!!」

そう叫ぶと、爪で攻撃するのではなく飛び上がった後、両足を揃えて先頭のミイラに対して横から踏みつけ、すなわちドロップキックを放った。先頭のミイラはマリのキックによって後ろに吹っ飛んで倒れ、さらに他のミイラに踏めつけられ、身体が壊れていった。

マリは蹴りを放った後、地面に横たわるが直ぐに起きあがり、次のミイラに黄金の爪を装備した拳で殴りかかった。エリは直ぐにその後ろにつき、薬草をいつでも使えるように準備する。

…………。

……………………。

………………………………。

「やったね、これで黄金の爪ゲットだよ。」

「だねぇ。でもこんなのはもうやりたくないよ……。」

「そう?結構面白くなかった?」

「そんなことないよぉ。何度、死んでしまうかと思ったことか……。」

「へへへ、でも何度かレベルアップもしたし、良いことずくめだったんじゃない?」

「ううぅぅ……、それはそうだけど……。」

二人は何度か危険な目に遭いながらも、かろうじてピラミッドからの脱出に成功して、太陽の強い日差しを浴びながら話していた。マリは傷を負いながらも元気に、エリはそれを見ながらも苦笑しつつ。

そして二人は互いを見合わせて笑い出すと、イシスへ向かってを歩き始めた。



あとがき
ちょっと書き方を変えてみました。
今までと違って読みにくいかも知れません。
書き方を変えたのは幕間だけですので、次からは元に戻ります。




[4638] 一人旅 勇者の軌跡編 前編
Name: ハロ◆6571bd49 ID:01d8a6f1
Date: 2009/01/05 21:02


勇者の軌跡編 前編



ジパングで朝を迎える。



昨晩は大騒ぎだった。

ヒミコというのはこの国の女王で崇め奉られている存在だったらしい。

その女王が死んだことと、その正体が実はヒドラだったということが

混乱に拍車をかけていた。



そんな中、勇者と邂逅を果たした俺は勇者達と食事をしていた。

いたってのんびりと。



勇者の名はアルス。

女戦士はビジィ、女魔法使いがサラ、男僧侶がマークという名前とのこと。



アルス達はやはり大西洋を南に移動し、テドン、ランシールとたどって

ジパングに来たそうだ。



テドンは過去に魔王の軍勢によって滅ぼされていた。

しかしテドンの人々はそのことを認めたくないのか、

夜には肉体を取り戻し、滅びる前の生活を始めていたという。



夜明けとともにその肉体は消えるが、夜になると再び肉体を取り戻す。

彼らはそれをおそらく永遠に繰り返すことになるのだろう。

アルスたちが彼らに既に死んでしまっていることを伝えても

かたくなにそれを拒んでいたそうだ。



原因と言えるのかどうかわからないが、テドンの北の山奥、

ネクロゴンドに魔王がいることをそこで知ることとなった。

そんな中、牢屋に閉じ込められていた人がアルスたちを見て

グリーンオーブを渡してきたそうだ。



「世界にちらばるオーブを集めて

 はるか南 レイアムランドの

 さいだんにささげるのです。

 あなたがたにならきっと

 新たなる道がひらかれるでしょう。」



牢屋に閉じ込められていた人はそのオーブをアルスたちに渡し終えると

その想いから解放されたのか成仏していった。



翌朝、その牢屋の壁を見ると文字が刻まれているのを見つけた。



「生きているうちに

 私が持っているオーブを

 誰かに渡したかったのに……。」



彼はそのためだけに成仏しなかったのだろう。

アルスたちは彼らに対して哀悼を捧げ、改めて魔王との戦いを決意した。



テドンを出発したアルスたちは南にあるというレイアムランドを目指した。



レイアムランドは氷に覆われた陸地で、その中央には祠があった。

祠はかなり大きな神殿のような作りとなっており、

入口から頂上への長い階段だけが見えていた。



頂上は巨大な広間となっており、中央には卵が安置された祭壇があった。

その周りには6つの台座があった。



卵の前には二人の巫女がいた。



「わたしたちは

「わたしたちは

「たまごをまもっています。

「たまごをまもっています。

「世界中にちらばる

 6つのオーブをきんの台座に

 ささげたとき……。」

「伝説の不死鳥ラーミアは

 よみがえりましょう。」



二人は詠唱のように不死鳥ラーミアについて伝えてきた。

手に入れたグリーンオーブをその一つに設置すると

台座の周りに炎が灯る。

残り5つ集めることでラーミアが復活し道が開かれる、とはいうものの

どのような道が開かれるのかは結局わからなかったという。



アルスたちはレイアムランドを後にすると、ネクロゴンドへ向かうことにした。

テドンの東の海を北上し、海峡を進む。

ネクロゴンドは高山地帯に囲まれていた。

北側に少しだけ高山地帯が途切れているところがあったが、

そこにも火山が道をふさいでいた。



後から違うかもしれないということがわかったが、このときには

ラーミアによって開かれる道とはこのことかな、と思ったそうだ。



そのまま進むことはできないため、アルスたちは来た道をそのまま戻り、

ランシールへと向かった。



あとがき
ここからプレイ記録と剥離していきます。
実際のプレイではこの勇者の行動を逆にたどった行動を取っています。




[4638] 一人旅 勇者の軌跡編 後編
Name: ハロ◆6571bd49 ID:01d8a6f1
Date: 2009/01/06 20:06
勇者の軌跡編 後編



ランシールへ到着したアルスたちはイエローオーブの話を聞くことができた。



「イエローオーブは人から人へ

 世界中をめぐっているそうじゃ。

 たとえ山びこの笛であっても

 それをさがしだすことは

 むずかしいであろうな。」



アルスたちは山びこの笛というものがなんなのか知らなかったので

説明とともに山びこの笛をアルスたちに渡した。

アルスは本当にいいのか、と何度も確認してきたが

俺には特に必要とないものだったので頷いて渡した。



そのあとアルスたちはランシールの神殿へ向かったそうだ。

ランシールの神殿は勇気を試す場所として有名な場所だった。

アルスたちも自分たちのの勇気には自信があったが

それを再確認するためにもこの神殿で勇気を試すことにした。



神殿の試練には一人ずつ挑まなければならなかった。

一人で進むこと自体が勇気を試すことだったのだ。



試練はランシールの中央にある洞窟の最奥を目指すというもの。

4人ともそれぞれ試したが、最奥までたどり着けたのはアルスだけだった。

洞窟の途中には「引き返せ!」と告げる顔が壁にあり、

それは忠告であり警告でもあったそうだ。



そしてその最奥でブルーオーブを手に入れたという。



神官からその勇気について自問自答の必要性を説かれたあと

アルスたちはランシールを発った。



ランシールとアリアハンは近いため、一度アリアハンに戻ったそうだ。

その話を聞いて異世界からの来訪者のことを話してみたが

戻ったといってもわずかばかりの時間だったらしく、誰にも会わなかったという。

ただ、以前よりも付近のモンスターの数が減っているようには感じたらしい。



アリアハンを出立した後、南へ針路をとったらしい。

その結果たどりついたのがルザミというさびれた町だった。

そこでネクロゴンドへ進む方法を知ったという。



「わしは予言者。

 そなたらがここに来るのを

 ずっと待っておった。

 魔王の神殿は

 ネクロゴンドの山奥!

 やがてそなたらは

 火山の火口にガイアの剣を

 投げ入れ……

 みずからの道を

 開くであろう!」



そう、ルザミの預言者は言っていたそうだ。

このことでネクロゴンドへの道を開くのはラーミアではないこと理解したという。

またルザミの店をのぞいてみるとそこの主人が、ガイアの剣について教えてくれたそうだ。

ガイアの剣はサイモンという男が持っていたそうです、と。



その話を聞いて、俺は驚いてしまった。

サイモンってサイアスの父親だっけ……?



話は続くようだったので、そのことを伝えるのは後にして聞くことにした。



アルスたちはそこからさらに南へ向かったそうだ。

ルザミの南にはレイアムランドと同じく氷におおわれた大陸があり

そこには一人の老魔法使いがいたという。



位置的にどのあたりだろう、と疑問に思っていると、アルスが地図を出してきた。

そして、地図を指してこのあたりだ、と教えてくれた。



なるほど、スーの村の人が言っていた魔法使いかな。



そこの老魔法使いは「変化の杖」を欲しがっていたそうだ。

それを持ってくれば「船乗りの骨」をくれるという。



なにそれ、と聞くとアルスたちも同じように思ったらしく老魔法使いに尋ねたそうだ。

回答はその骨は幽霊船となった船の船員の骨で

幽霊船を求めてその方角を指し示すという……。



気持ち悪い骨だ、がなんか全部つながってきたような…………。



その老魔法使いのもとを去った後、アルスたちはさらに南へ移動しムオルに到着。

ムオルではアルスの父親オルテガの軌跡を知り、その兜を譲り受けたらしい。



そしてジパングにたどり着いたそうだ。



[4638] 一人旅 死しても護る愛編 1日目
Name: ハロ◆6571bd49 ID:01d8a6f1
Date: 2009/01/16 21:32


死しても護る愛編 1日目



アルスたちの話が終わり、今度はこちらの話をすることとなった。



俺が異世界から来たこと。

アルスたちの足跡を追いかけたこと。

しかし船を手に入れた後、アルスたちは南へ、俺は西へと違った方向へ進んだこと。



その結果、西の大陸に進み、そこで出会ったスーの村の話

エジンベアに奪われた宝物のこと。



そして発生したエルフの里の襲撃事件。

アルスたちによってエルフの王女の件は一応の解決はしたが

再び悲運に見舞われたエルフの里の話を聞くアルスたちの様子は

かなり苦々しい感じだった。



その仇を探して俺が再び船で旅だったこと。

途中でレッドオーブと山びこの笛の入手し、サマンオサへ到着。

結果的にサマンオサを解放するにいたったこと。



ジパングへ至り、ようやくここで仇討ちを果たしたことを告げた。



そして、アルスたちの話を聞いて、情報が繋がったことを伝えた。



ガイアの剣を持つサイモンは湖の牢獄にとらわれている。

湖の牢獄へ向かうには、オリビアの霊を鎮めなければならない。

鎮めるためにはその恋人エリックの思い出の品が必要となる。

恋人エリックが乗っていた船は幽霊船となって彷徨っている。

幽霊船を見つけるには船乗りの骨が必要。

船乗りの骨はサマンオサでもらった変化の杖と交換できる。



つまり情報もアイテムもそろった状態ということだ。



「じゃあ、これでネクロゴンドへ行けるんだね?」



ビジィの確認におそらく、と頷いた。



「その変化の杖はもらってもいいのかい?」



マークが俺に尋ねてくる。

渡してもいいような気はするけど、一応サマンオサ王からもらったものだから

変な人に譲り渡すことになるのは危険かな……。

なので、俺も一緒に行ってその人物に直接渡すことを告げる。



アルスがわかった、と言うと互いを見合せ出発準備を始めた。



早速の行動か……いいけど。

人のことは言えないしね。



俺も出発準備を整え、船に向かう。

アルス以外は同様に自分たちの船に向かう。

アルスはジパングの人と話をしてから、とのこと。



そしてアルスたちの船と俺の船は2隻そろって北へ出発した。



既に日は高く上っており、恐らく今日中には辿りつけないと思われる。



やがて海峡に到達。

海峡を越え、東の陸地沿いに北へ進む。



途中、数度マーマンやら貝スライムが襲ってきたが、

どちらの船も問題なく倒して、進んで行った。



2回目の戦いの結果、レベルが上がった。

ヒドラとの戦いの結果かな……?



職業:けんじゃ
レベル:29
ちから:76
すばやさ:184(92)
たいりょく:105
かしこさ:78
うんのよさ:82
さいだいHP:213
さいだいMP:153

使える魔法:
 メラ、ホイミ、ニフラム、スカラ、ピオリム、ヒャド
 ギラ、マヌーサ、ルカニ、スクルト、リレミト、ラリホー
 イオ、キアリー、ボミオス、ルーラ、バギ、マホトーン、
 ベホイミ、ベギラマ、キアリク、マホトラ、メラミ
 ルカナン、インパス、トラマナ、バシルーラ、ヒャダルコ
 ザメハ、バイキルト、ザキ、イオラ、ザオラル、マホカンタ
 ラナルータ、バギマ、ヒャダイン、メダパニ、ザラキ
 ベギラゴン
 くちぶえ



ベギラゴンねぇ……。



海峡を越えてから見えていた東の大陸は氷に覆われていたが、

やがて、その陸地は森へと変わる。



ちょうどその辺りで日が暮れてきて停船することになった。

互いの船をロープで連結し、船上で寝ることにした。

合計5人いるので交替で眠ることとなった。



夕食の席で、レッドオーブとさいごの鍵をアルスに渡した。

そして、古からの伝言を伝えた。



《私はいにしえを

 語りつたえる者。

 イシス砂漠の南

 ネクロゴンドの山奥に

 ギアガの大穴ありき。

 すべての災いは

 その大穴よりいづるものなり。》



「魔王はギアガの大穴から現れた、と?」



アルスがその話を聞いて尋ねてきた。



俺にも正直よくわからないので、さあ?とだけ答えておいた。

アルスたちなら何かわかるかと思ったがそうでもなかったようだ。

まあ、ネクロゴンドまで行けば分かるか。



そして船中泊した。


修正履歴
2009/01/16 パラメータ修正




[4638] 一人旅 死しても護る愛編 2日目
Name: ハロ◆6571bd49 ID:01d8a6f1
Date: 2009/01/08 20:38

死しても護る愛編 2日目



船で目覚める。



夜間に一度、交代のために目覚めたがモンスターが出ることもなく終わった。

見張りはマークとの組だった。



僧侶のマークは元々戦士のビジィと組んでいたそうだ。

そしてアリアハンでアルスたちと出会ってともに旅をするようになったという。

レーベで魔法使いのサラが加わり、アリアハンを出立した。



いざないの洞窟で壁が破壊されていたのはアルスたちがやったらしい。

レーベの老魔法使いからまほうのたまというアイテムをもらって

壁に設置したところ、とんでもない爆発を起こしたとか……。



それはまほうのたまという名前ではあるものの爆弾だよなぁ。



アリアハン出立の後、ロマリアではカンダタという悪党から

盗まれた王冠を取り戻し、アルスが王になりかけたそうだ。

カンダタはそのあとバハラタ付近に逃げ、誘拐事件を起こしたが

それもアルスたちが懲らしめた。



カンダタはそれで改心したという話だけど、怪しい気がする。



それをマークに話すと、僕もそう思ったよ、と返ってきた。



「でもアルスはカンダタの言葉を信じるというから、僕も信じようと思ってる。」



いい人だ。



そんな話をしながら見張りの時間は過ぎていった。



朝になり、最後の見張りだったビジィとサラ以外も起きてきて朝食となった。

朝食を終えるとすぐに出発。



再び陸沿いに北へ進む。

その進路がほぼ真北になった後は針路を変えずに進む。

やがて一部以外は氷に覆われた大陸に到達した。



今度はその大陸沿いに東へ進む。

しばらく進んだところでアルスたちの船の帆が畳まれ始め、停船する。

俺もそれに従って船を停船させる。



サラがここで上陸するよ、と大声で叫んできた。



アルスとビジィがボートを出そうとしている。

俺もボートを出して、乗り移る。



っと、変化の杖を忘れてた。



慌てて、船に戻って変化の杖をバッグに入れる。

再びボートに乗って、アルスたちを追いかけて上陸した。



雪原をしばらく歩いて一軒の家にたどり着いた。

アルスがノックし、俺達は中に入った。

そして、どこから話そうかと杖を取り出したとたん

老魔法使いが騒ぎ出した。



「おお!それは変化のつえ!

 わしも欲しかったのじゃ。

 ものは相談じゃが

 この船乗りの骨とつえを

 とりかえっこせぬか?」



勢いに負けてつい渡しそうになってしまった。

が、何とか踏みとどまり、入手のいきさつを説明する。

そして悪用しないことを約束させた。



「いやー ありがたい

 わっはっはっ。」



……大丈夫か、この爺さん。

まあ、研究のためと言ってるから大丈夫だと信じよう。

多少の悪戯ぐらいはしそうだけど……それぐらいなら、まあ……。



言っていた通り、船乗りの骨を受け取った。

船乗りの骨はおそらく右大腿骨。

それに紐がくくりつけられていた。



使い方を聞くと、老魔法使いはスキップしながら砂時計を奥から出してきた。



…………そんなにうれしいのか?



使い方はまずひもを持って骨をぶら下げるだけ。

そうすれば骨が回転するという。



それを聞いてアルスが試してみると、すぐに骨は回り始めた。



それを東西南北の方向を向いて行い、砂時計で砂が落ちまでの間に

何回回転するかによって方向を調べるという。

幽霊船がある方向に近ければ近いほど回転数が多くなるそうだ。



砂時計は大体3分ぐらい。

その間の回転数は300回ぐらい。

その差は数回程度……。



結果わかったのは、おおよそ南東の方角ということ。



アルスが出してきた地図を確認する。

南東ということは大西洋か地中海。

まさか黒海とかいう落ちはないと思いたい……。



老魔法使いに礼を言って船に戻ることにする。

俺は念のためにもう一度、悪用しないようにお願いしたが、

ちゃんと聞いているのかどうか怪しい気もする……。

まあ、世捨て人っぽいし、大丈夫だろう。



マークが首を振りつつ、俺の肩に置いてきた手が暖かい……。



船に戻り、針路を南東に向け出発することになった。

俺が行く必要は特にないかも知れないが、サイアスのこともあるので

同行させてもらうことにした。

決して、幽霊船が見たいとかそんな理由じゃなく……。




出発して進むうちに西に陸地が見えてくるが、程なく見えなくなる。

日が暮れかかるころ今度は東に陸地が見えてきた。

位置的にはイベリア半島だろうか。



アルスたちの船が停船した。

何事かと思って船を寄せて停船すると、船乗りの骨を使っているのが見えた。

結果が出たのかアルスは東を指差している。



地中海か。



サラが舷側まで走ってきて、今晩はポルトガに泊まろうと言ってきた。

了解、と返事をして船を動かす。



日が落ちるが、すでにポルトガの灯は見えてきている。

迷うことなくポルトガに入港。



久しぶりのポルトガ。

港にある船の数が増えている。



すでに夜半になっているので宿に直行して部屋に入る。

明日の予定はここに来るまでに話してある。

明朝、一度城に顔を出してから出発する予定だ。



朝早そうなのでとっとと寝た。



[4638] 一人旅 死しても護る愛編 3日目
Name: ハロ◆6571bd49 ID:01d8a6f1
Date: 2009/01/09 20:24

死しても護る愛編 3日目



アルスが部屋に起こしに来たことで目覚める。

ポルトガ王のところへ行くので誘いに来たそうだ。



久しぶりなので行くことにする。



城への道すがら、マークが昨晩ポルトガの人から聞いた話をしてくれた。



「ここの王さまはこしょうが

 大すきだ。

 さいきんではとうとう

 はるか東の国からとりよせるように

 までなったらしい。」



またこしょうを運んできた商人はこんなことを言っていたそうだ。



「わたしは王さまの命令で

 バハラタからくろこしょうを

 はこんできました。

 いや~魔物はこわいし

 道はけわしいし

 もう大変な仕事です。

 それでもわたしは旅が

 好きなのでこんな仕事を

 してますがね、わっはっは。」



アルスたちが道を開拓し、それに続いた冒険者達。

その結果、バハラタまでの道のりでの危険性が非常に下がったため

かなり安定した香辛料交易が可能になったそうだ。



やがて城に到着。

そのまま謁見の間へ通された。



「こしょうはうまいのう。

 わしはたべすぎでねむい。」



相変わらずだなぁ。

横では大臣が苦笑している。



「おお そういえばホビットの

 ノルドがそなたらの旅の心配を

 しておったぞ。

 あいつもぶっきらぼうで

 クチはわるいがなかなか

 やさしいところがあるのう。」



ノルドって「ふむ!」の人(?)だっけ?

大臣の話では、最近は陸路での交易だけではなく

海路で西の大陸との交易も始めたそうだ。



西にある大陸の端に町ができて、そこを経由してスーとの取引も行われているらしい。

サトル達が向かった町のことだろう。



特に報告することもないので、城を辞去することになった。



城を出て船に戻る。

そしてジブラルタル海峡を越えて東へ。



そして島嶼付近で、帆がぼろぼろになってあからさまに幽霊船という船を発見。

アルスたちの船と俺の船でその幽霊船を挟み込むようにして拿捕。

即座に船に乗り込んだ。



船に乗り込んで最初に驚いたのが大砲。



なんで、こんなものがあるんだ?



「どうしたの?」



頭をかしげていた俺を見てサラが声をかけてきた。



「いや、なんで大砲があるんだろう、と思って……。」



「船に大砲があるのがそんなにおかしい?」



「船にあることはいいんだけど、船にあるなら

 なんで城にはないのかな、って。」



「ん?大砲は船につけるものでしょ?

 城につけるものじゃないでしょ?」



結局のところ、考え方の違い……で済ませられる問題かはわからないけど

大砲とは船に装備するもので、他では使用しないものだという

固定概念がなぜか出来上がっていたらしい。



そのため、城や港などには大砲が装備されていなかった。

俺やアルスたちが乗る船も軍船ではないため大砲は積んでいなかったし

この世界に大砲があるとは思ってもいなかった。



とはいえ大砲を作れる人もほとんど生き残ってはいないそうだが……。



今は気にしないでおこう。



そんなことを考えていると目の前にゾンビが現れたが、

ゾンビキラーでなぎ払った。



アルスたちのほうを見ると、そちらもゾンビと戦っていた。

さほど時間がかかることもなく戦闘は終了する。



船の中には幽霊やスケルトンがうろついていた。

そのほとんどは無気力そうに存在しているだけで

襲ってくることはなかった。



話しかけてみると答えてくるのもいる。

エリックのことを聞くと船倉にいるという。



俺達は船倉に降り、エリックを探す。

何人(?)かの幽霊に聞いてようやくエリックを見つけた。



エリックはほとんど骨のようになりながら横たわっていた。



そして右腕を中空に差し出し、小さな声で何かをつぶやいている。



「オリビア…もう船が

 沈んでしまう…キミにはもう

 永遠に会えなくなるんだね…

 でもぼくは永遠に

 忘れないよ…キミとの

 愛の思い出を……

 せめてキミだけは…

 幸せに生きておくれ……。」



よく見るとその右手でペンダントを持ち上げていた。

アルスはエリックに近づくとその右手を両手で握る。



「その想いは必ずオリビアに伝えるよ。」



エリックはアルスのその言葉を聞くと、アルスにペンダントを渡し

力尽きたように右腕を降ろした。



「行こう。」



アルスは俺たちに向かって言う。

俺たちもそれに頷き、船を離れる。



自分の船に戻ったときにはすでに夕方になっていた。

そんなに長い時間はいなかったはずだが、

幽霊船の中では時間の流れが違うのかもしれない。



そのため今晩はロマリアへ泊ることになった。



ロマリアは半島にあるが港町ではないためロマリア近くに船を止め上陸した。



そのままロマリアの宿に入って、今日はここに泊まった。




[4638] 一人旅 死しても護る愛編 4日目
Name: ハロ◆6571bd49 ID:01d8a6f1
Date: 2009/01/10 18:20

死しても護る愛編 4日目



ロマリアで目覚める。



アルス達はロマリア王に会いに行ったが、

俺は面識がないので遠慮しておいた。



その間に二つの船に食料やらを積み込んで出発の準備をする。



積み込みが終わる頃アルス達が帰ってきた。

アルスは戻ってくると俺に一つの楯を渡してきた。



楯の名は風神の楯。

ロマリアの地下に開かずの扉があってそこに安置されていたらしい。

その扉が開かずの扉になったのは王がカギを無くしてしまったからだという。

そこを開けることができたら中身はくれると言うことになっていたそうだ。



で、その扉を俺が渡した最後のカギで開けることができたので、

そこにあった楯を俺に、と言うことだ。

他にもダガーがあったが、俺には装備できないだろう

と言うことで楯を俺にくれた。



遠慮したもののこれぐらいは受け取って欲しいと言われたので

ありがたく受け取ることにした。



そして、ロマリアを出港。

目指す先はオリビアの岬。

陸路の方が岬へは早くたどり着けるが、船がないと意味がないので

北を廻ってオリビアの岬へ向かうことになった。



ジブラルタル海峡を抜け大西洋に。

針路を北に変更。



やがてエジンベアが見えてくる。

エジンベアを迂回しさらに北へ。



途中、数回モンスターに襲われたが、慣れたもので問題なく倒した。



スカンジナビア半島が見えてきたところで、

アルスがエルフの里に寄ろうと言ってきた。

日も傾き始めていたところだし、他に反対する理由もないので

賛同して、エルフの里に向かうことになった。



エルフの里の北側で船を泊め、上陸する。



森の中を進み、エルの里に入る。

エルフの里は既に襲撃の後はほとんど残っていなかった。



大きな木に焼けこげた跡が少し残っているぐらいで、

壊れた家はなく、逆に建物が増えている状態だった。

あんな事があったにもかかわらず、以前にも増して人の数も増えている。



俺たちはまずは、と女王の元へ向かった。

エルフの女王は俺たちを見ると話しかけてきた。



「あなたがたにはお礼を

 いわねばなりませんね。」



そう言って、部屋の奥から指輪をいくつか出してきて

俺たち一人一人にそれを渡してきた。



その指輪は祈りの指輪といい、指輪に祈ることでMPを回復してくれるそうだ。

女王は俺たちの感謝の言葉に頷きつつ話を続けた。



「さあおゆきなさい。

 ふたたびあの悲劇を

 くりかえすことのないよう……。」



そのように話す女王の顔は悲しそうだった。



外に出ると既に日は暮れていたため、今日はここに泊まり

明朝、再び東を目指すことにした。




[4638] 一人旅 死しても護る愛編 5日目
Name: ハロ◆6571bd49 ID:01d8a6f1
Date: 2009/01/11 17:41
死しても護る愛編 5日目



エルフの里で目覚める。



出発準備を整えていると、村の人がアツシの墓を教えてくれた。

アツシの墓は村から余り離れていないところにあった。

遺体はないが形だけでも、と作られたそうだ。



アツシの墓の前で膝を付き、仇を討ったことを告げる。

そしてそのまま黙祷。



どのぐらいの時間が経ったのか判らないが、

マークの出発を呼びかける声が聞こえてきたので目を開けその場を去った。



船に戻り、帆を上げる。

南に陸地を見ながら東へ進む。



日が沈む頃ドワーフの祠に一応、到着した。

一応というのは一人欠けているからだ。



といっても死んだわけではない。

いつもの通り、ここに至るまでに何度かモンスターに襲われたが

その戦闘の中、ビジィがバシルーラで飛ばされたのだ。



向こうの船に鷲が襲ってきたと思ったら、

ビジィが空高く飛んでいったのを見たときには驚いたが、

アリアハンに飛ばされただけと言うことで安心した。



アリアハンに迎えに行くかと思ったら、たぶんこの先で合流できると言って

先に進むことになった。



上陸してから詳しく聞くと、こういう事は想定しており今回の場合は

ビジィが自力で辿り着ける場所だから大丈夫だ、と返ってきた。



確かにキメラの翼を使ってアッサラームへ飛び、

そこから歩いても大した距離じゃないしね。



上陸後、ドワーフの祠に向かったところ、ドワーフから熱烈な歓迎を受けた。

ドワーフはアルスの手を取り、オルテガ様によく似ている、と涙を流していた。



その後は宴会となった。

ドワーフは大量の酒と食事を出してきた。

さすがドワーフ、大量の酒をがぶ飲みしていた。

酔っぱらいつつオルテガと旅をしていたときの話をアルスにしている。



俺は軽く呑みながらネコと遊んでいた。

ネコに奇妙な葉っぱの礼を言っていると、それをマークが聞きつけてきた。



バッグからその葉っぱを取り出すと、驚いた表情で世界樹の葉だと教えてくれた。

死んだ人間を生き返らせる効果があるそうだ。



それじゃあ、ということで世界樹の葉をマークに渡す。

そちらにこそ必要な物だろう、と。



その後は適当なところで宴会を引き揚げて寝た。

アルスを生け贄に置いておいたから大丈夫だろう。





[4638] 一人旅 死しても護る愛編 6日目
Name: ハロ◆6571bd49 ID:01d8a6f1
Date: 2009/01/12 18:02

死しても護る愛編 6日目



ドワーフの祠で目覚める。



…………まだ呑んでる…………。

アルスの目が死んでる。

サラやマークも苦笑してる。



マークがアルスを担いで船まで運び、出発する。

アルスは船に着いたとたん寝込んだ。



まあ、到着まで多少の時間はあるし。



しばらく川を遡り、湖に到着する。

オリビアの岬にはビジィとサイアスの姿が見える。



ここに至るまでに一度、貝スライムの襲撃があったが

こちらはもちろんだがマーク達もアルス抜きでも問題なく倒していた。



岬の近くに船を停止させ、ビジィとサイアスと合流する。



サイアスはなんとか船を造ろうと頑張っていたそうだ。

そこにやってきたビジィと会って、待っていたという。



ようやくアルスも起きてきたが二日酔い状態っぽい。

かなり加減が悪そうだ。



キアリーって二日酔いとかにも効くのかな?

試してみるか。



俺はアルスにキアリーをかけてみる。



あ、なんか顔色が良くなってきた。

効くもんなんだ。



そんなことはともかく船に乗り込み水道を目指す。

水道に近づくと風が吹いてくる。



アルスは愛の思い出を空にかざした。

エリックとオリビア

ふたりの愛の思い出があたりを

あたたかくつつむ。



「ああ エリック!

 私の愛しきひと。

 あなたをずっとまっていたわ。」



「オリビア ぼくのオリビア

 もう君をはなさない!」



「エリックーッ!」



二人は互いに手を取り合って天に昇っていく。



風も吹かなくなったことだし…………何も言うまい。



水道を越えて湖の島を目指す。

島には中央に洞くつがある。



島に上陸し中に入ると、入り口はともかく中はちゃんとした牢獄になっていた。



入り口近くに火の玉がいた。

襲ってくる様子はない。



「ここはさびしい

 ほこらの牢獄……。」



そんな声が聞こえてくる。



奥に進むと牢屋が並んでいる。

牢屋の一つに火の玉が浮かんでいる。



「私はサイモンのたましい。

 私のしかばねのそばを

 調べよ……。」



「親父!!」



サイアスが叫んでその火の玉に近寄っていく。

しかし火の玉は、同じ言葉しか言わない。



別の場所を調べていたアルス達が叫び声を聞いてやってきた。

アルスの手には一降りの剣があった。



「むっ!そ、その剣は

 親父のガイアのつるぎ?

 おまえ親父に会ったのでは!?」



アルスが剣のあった牢獄の場所を教えるとサイアスは走ってそちらへ向かう。

俺たちもその後を追いかける。



サイアスは牢獄の中で、白骨化した遺体の前で泣いていた。



「親父は無実の罪でとらえられ

 さぞかし無念だったことだろう。」



サイアスは立ち上がり、アルスに向かって続けた。



「しかしガイアの剣があんたがたの

 手にわたってよかった。

 どうか親父のためにも

 その剣を役に立ててくれ…。」



そしてサイアスは遺体を抱きかかえた。



その後は岬の宿屋へ向かった。

サイアスはサマンオサに父親の遺体を葬りに向かうという。

アルス達は当然ながらネクロゴンドへ。



どのぐらい手伝えるかどうかは知らないけど、俺もネクロゴンドへ行くことにした。

露払いぐらいはできるだろう。



ネクロゴンドへの出発は明日。

今日はここに泊まることになった。



ところでサイモンが死んだのはオリビアのせいなんじゃ……?

牢獄に食料が運ばれていたかどうかは不明だけど、

運ぼうとしていたのにオリビアのせいで運ばれていなかったとしたら……。

とはいえモンスターのせいにしておくほうがいいよね……。




[4638] 一人旅 ネクロゴンドへの道編 1日目
Name: ハロ◆6571bd49 ID:01d8a6f1
Date: 2009/01/13 20:31

ネクロゴンドへの道編 1日目



岬の宿屋で目覚める。



サイアスは既に旅の扉でサマンオサへ出発したそうだ。



準備を整え、俺たちもネクロゴンドを目指して出発する。

湖を出て、川を下り海へ。

そして針路を北へ向ける。



夕刻頃にランシールに到着し、今日はここに泊まることになった。

ランシールは森に囲まれており、町から森をはさんで巨大な神殿があった。



勇気を試す神殿という話だったっけ。



時間もあることなので、神殿で試練を受けることにした。



神殿に入り、奥へ進むと神官が一人いた。

神官は俺を見ると声をかけてきた。



「よくきたリョウよ!

 ここは勇気をためされる

 神殿じゃ。」



名前を教えたっけ?



神官は続ける。



「たとえひとりでも戦う勇気が

 お前にはあるか?」



もちろんはい、と答える。

今までも基本的に一人だったしね。



「では私についてまいれ!」



そう言って神官は奥へ歩きだした。

俺もそれに続く。



神殿の奥には通路が伸びており、そこから外に出ることができた。

そこは高山地帯で囲まれた場所になっており、

神殿の奥の通路からしか進むことができないようになっていた。

また一帯は砂漠のようになっており、中央に洞窟があった。



神官はそのまま洞窟へと進んで行った。

洞窟の中は人の手が入った内装となっており

入口からはドクロを模した柱が立ち並んでいた。



その奥に巨大な扉があり、神官がその扉を開ける。



「ではゆけ!

 リョウよ!」



そう言って奥へ進むよう指示された。



その指示に従って奥へ進む。

神官はこれ以上は付いてこないようだ。



奥へ進むとそこは柱が立ち並んでおり、壁のようになっていた。

柱の隙間から奥に通路があるのが見えた。



いったん戻り、柱の裏へまわってその通路を目指す。

その通路までにも横に通路があったが無視して奥へと進む。



奥の通路を少し進むと小部屋に出る。

小部屋からは左に通路が伸びていた。

そして、通路の奥に降りる階段を発見した。



階段の下は非常に大きな空間となっていた。



近くの壁沿いに左手の法則で進む。

やがて上る階段が見えてきた。



階段を上った先は小部屋になっており、通路が一本伸びていた。

通路を進むと……行き止まり。



戻って下に降りる。



再び壁沿いに進むと今度は下りる階段があった。



階段を下りるとまた通路が伸びている小部屋だった。

しかし今度は通路を進むとT字路になっていた。



左の通路へ進む。



その通路はやがて右に折れ曲がる。

通路の壁には顔がいくつも彫られていた。

そして顔の前を通ると、顔が動き声を発してきた。



「引き返せ!」



そのまま進む。

次の顔もまた声を発してきた。



「引き返した方がいいぞ!」



次々と顔が声を発していく。


「引き返せ!」



「引き返した方がいいぞ!」



通路は再び右に2度折れ曲がっていた。

その先にも顔が並んでいた。



「引き返した方がいいぞ!」

「引き返せ!」

「引き返せ!」

「引き返した方がいいぞ!」

「引き返した方がいいぞ!」



そして、その先にはただの壁があった。



「ふあっふあっふあっ…

 おまえの意志の強さだけは

 認めよう。だが……

 むこうみずなだけでは

 勇気があるとはいえぬ。

 ときには人の言葉にしたがう

 勇気もまた必要なのじゃ。」



行き止まり近くの顔からそんな声が聞こえてきた。



これは……進み方に対する忠言?

それとも……?



T字路まで戻り今度は逆の方向へ。



こちらの通路は左、左と折れ曲がっていた。



途中の壁には同じように顔があり、引き返せ、と告げていた。

そして、その最奥には宝箱が二つ、変な像に挟まれて置いてあった。

左側の宝箱にはすごろくけん、右側には小さなメダルが入っていた。



宝箱の中身をバッグに入れると来た道を戻り入口へ向かう。



入口では神官が待っていて、俺を見ると告げてきた。



「よくぞ無事で戻った!

 どうだ?ひとりで

 さびしくはなかったか?」



さびしさ、か。

そんなことは考えなかったな。



「そうか。

 お前は強いのだな。

 ではお前はゆうかんだったか?

 いや…それはお前がいちばん

 よくしっているだろう。

 さあゆくがよい。」



そう言って神官は笑顔で送り出してくれた。



正直、勇気がどうだったかはよくわからない。

だけど、来たかいはあったように思う。



そのあとは宿屋に戻り、心地よい眠りに落ちた。




[4638] 一人旅 ネクロゴンドへの道編 2日目
Name: ハロ◆6571bd49 ID:01d8a6f1
Date: 2009/01/14 20:10

ネクロゴンドへの道編 2日目



ランシールの宿屋で目覚める。



準備を整えランシールを出帆する。

北へ。



インド亜大陸が見えたところで針路を西に。

再び陸地が見えてきたところで、陸地沿いに北へ進む。



見えていた陸地は高山地帯だったが、北の端でようやくそれが途切れる。

そして途切れたところには火山があった。

火山からは煙が出ている。



近場に船を泊め、火山の頂上を目指す。



やがて火山の山頂に到達。

火口を見ると下に溶岩が見えていた。



噴火した際の溶岩の流れ道なのか、西側が大きくえぐれている。

火口をぐるっと回って進むことができればいいのだが

東側も一部がえぐれ崖のようになっている部分もあるため進むことはできない。

結局はガイアの剣を投げ入れるしか方法はないのだろう。



投げ入れると同時に逃げられるよう準備を整えた。

それを確認するとアルスはガイアの剣を火山の火口に投げ入れた。



5人ともダッシュで山を駆け下りる。

溶岩は先ほど見えた粘度から西側に流れると思われるが

どんな爆発を起こすかはわからない。



走り出してからさほど時間を置かずして地面が揺れ始める。

走ることができないほどの揺れとなり、山頂方向から小石が転がってくる。



そして、爆音とともに火山が噴火した。



山頂からはもうもうと黒煙が上がり、赤い奔流があふれ出す。

その赤い流れは予想通り西へ流れ出す。

黒煙の中から石が降り注ぐ。



地面の揺れは収まってはいないが、走れないほどではなくなっていた。

俺達は急いで火口から離れ、海岸へ。



海岸沿いには火山から逃げてきたモンスターがたくさんいた。

なんとかそれを切り裂いて、ボートに乗り込み船に戻った。



ちょうどその時、火山の西側で大きな爆発音が聞こえた。



…………他のところでも噴火?



即座に船を動かして少し北の洋上まで移動した後、停止する。

船上から火山の様子を確認する。



火山は当然ながら黒煙を上げていた。

既に日は落ちているが、その煙は溶岩の明かりで見ることができる。



…………火山が収まるまでって結構時間がかかるよね?



少なくとも今はどうしようもないため、船中泊することとなった。





[4638] 一人旅 ネクロゴンドへの道編 3日目
Name: ハロ◆6571bd49 ID:01d8a6f1
Date: 2009/01/15 22:15

ネクロゴンドへの道編 3日目



船で目覚める。

夜間は交代で見張りをしていたが、モンスターが出ることはなかった。

火山騒ぎで襲うことなどできなかったのかもしれない。



火山はというと……噴火していたことが嘘のようにきれいに治まっていた。

火口からは一筋の煙も出ていなかった。



上陸しても地面の揺れは全くない。

火山に近づいても溶岩の熱気は全く感じ取れなかった。



一応警戒しつつ山頂まで登る。

火口は噴火した割に昨日と大きくは変わっていなかった。

つまり、火口を越えて進むことはできない。



しかし溶岩が流れた先が大きく変わっていた。

溶岩は西側に流れ、西側にあった巨大な湖の一部に流れ込んでいた。



昨日の爆発音はひょっとしてこれが原因の水蒸気爆発かな?



溶岩が流れ込んだ結果、そこから南へ渡ることができるようになっていた。

冷え切れば、の話だけど。



火山を降りて、その場所へ向かう。

その場所へはいったん海岸へ戻ってから回り込まなければならなかった。



そして、溶岩は冷え切っていた…………。



一晩で噴火がおさまったのも、溶岩が冷えたのもガイアの剣の影響かな?

噴火そのものもガイアの剣の影響だし……。



行ったん船に戻って、先へ進むための準備をした。

再び上陸して先を目指す。



溶岩を越えて南の岸へ。

しばらくは低山地帯が続き、やがて平原地帯となる。



俺たちの前にチビ悪魔が現れたが、俺がアルスたちの前に出て

自分にマホカンタを唱えておいたら、チビ悪魔はメラミを唱えてきて自滅した。



やっぱり魔法で攻撃か……。



やがて森林地帯に。

両側が高山地帯の谷間となっているため進む方向に迷うことはない。

谷間はやがて西へ向かう。



近くに沼地があるらしく変なにおいが漂ってくる。

そんなところに森の中からトロールが2体現れた。



サラが俺たちにスクルトを唱える。

俺もそれにならってスクルトを重ねがけした。



マークは後方待機、アルスとビジィはそれぞれ別のトロールにかかって行く。



トロールは二人にこん棒を振り下ろそうとするが

俺はそれを鞭で牽制してひるませることに成功する。

そこにアルスとビジィの剣が刺さる。



トロールはさすがに体力があり倒れない。

俺もトロールたちのもとに向かった。



2体のトロールの間をすり抜けて背後に回る。

俺を追いかけようとトロールは振り向こうとするがそこにアルスたちが切りつける。

再びアルスたちを向いたトロールに俺が背後から鞭で叩く。

以後それを繰り返して、トロールはまともに一撃も出せないまま倒れた。



さすがに頭はなかった。



そして森をぬけ砂地の場所に出る。

砂地は北へ続いており、その先には洞窟の入り口が見えた。



「あそこがネクロゴンドの入口か……。」



かみしめるような声でアルスがつぶやいた。



そんなところで、森からトロールが現れた。

正直面倒なので、俺達は顔を見合わせると洞窟へダッシュ。



洞窟にたどり着くとそのまま中へ。



トロールはそれを見ると引き返して行った……?

まあ、いいや。



洞窟の中は人工的な作りとなっており、大きな通路が奥へ延びていた。

通路の両側には鎧が飾ってある。

最初は動き出すのでは、という疑念もあったがそういうことはなかった。



そして通路の奥から右の方へ昇っていく大きな階段があった。

警戒しながら階段を上って行くとその先にはさらに登るための小さな階段があった。



ここにはなぜかモンスターの気配がなく、洞窟に侵入したときには

すでに夕方になっていたため今日はここで宿泊することとなった。



とはいえ、ここではさすがに危険なので大きな階段を下りたところの暗がりで

交代で見張りをしながら寝ることになった。


修正履歴
2009/01/15 魔法名修正



[4638] 一人旅 ネクロゴンドへの道編 4日目
Name: ハロ◆6571bd49 ID:01d8a6f1
Date: 2009/01/16 21:29

ネクロゴンドへの道編 4日目



洞窟内で目覚める。

宿営した場所は入口から直線的な場所なので太陽の光がさしているのが見えた。



準備を整えて出発する。

大きな階段を登り、その先の小さな階段から上へ。



下のフロアと異なりここは自然洞窟のように見える。

階段のある場所は小さな空間となっており、そこから小さな通路が一つ伸びていた。



アルスとビジィが最前列で、サラとマークがそれに続く。

俺は一番後ろからついていくという隊列となった。



俺は前衛としても後衛としても戦えるので最後尾が一番適任かもしれない。



といってもその隊列だったのはわずかな時間だった。



通路少し進んだところで通路が二手に分かれていたのだが、

その左の通路からモンスターの襲撃を受けたからだ。



ちょうどモンスターが飛び込んできたところがサラたちと俺の間。

出てきたモンスターはトロール2体。



トロールがサラやマークを攻撃しないように鞭で攻撃を加える。

アルスとビジィが来れば昨日のように2正面での戦いとなるはずだったが

右の通路からも別のモンスターが現れた。



このままの乱戦は非常にまずいので、俺はいったん後ろに下がって

階段のあった小部屋までトロールを引きつける。



その間に自分にスカラをかけ、武器を剣に持ち変えた。



そして小部屋に入ってきたトロールの足を払う。

トロールの1体がその攻撃で転び、転んだトロールに躓いてもう1体も転んだ。



立ち上がろうとバタバタするトロールを見ながら

バイキルトをかけつつ態勢を整え直す。



上にかぶさっていたトロールが起き上がりこちらに向かってくる。



剣でその腹を横に切り裂くが、トロールはひるむことなくこん棒を振り回してきた。

避けきることができずにその攻撃を受けてしまうが、さほどのダメージはない。



もう1体のトロールも起き上がってくる。



傷を負わせたトロールに再び切りかかり、今度は縦に腹を切り裂く。

それでもまだこん棒を持ち上げるが、それ以上は動けなかったようで後ろに倒れる。



残ったトロールは怒ったようになってこん棒を振り回す。

その攻撃を楯で受けつつ、こん棒を持つ腕を切ろうと振り下ろすが、切れない。



トロールはこん棒を大きく振りかぶり、打ち下してきた。

楯で流そうとするが流しきれずに後ろに吹き飛ばされる。



すぐに体制を立て直して、剣で腹を切り裂く。

トロールは再びこん棒を振り上げようとしたが、先ほどの腕への切りつけが

役に立っていたらしく腕がもげた。



そして腕と腹から血を流しつつ倒れた。



体にかかった血はトロールが消えるのと同時に消えていく。



ベホイミを唱え治療すると、アルスたちの方へ向かう。



別れ道。

進んだ方向は右のはず。



そう思っていると右から6本腕のスケルトンが2体現れた。



マホカンタを唱えて剣をふるう。

火を吐いてくるが大きな炎ではなく小さな炎のため避けることができた。

しかもこちらの攻撃はゾンビキラーで追加のダメージを与えることができるため

それほど時間をかけずに倒すことができた。



しかしその直後に再び右の通路から雲が何体かやってくるのが見えた。



アルスたちは左に進んだのだろうか?



雲に気づかれる前にと、左側の通路へ進む。

少し進んだところで辻に出た。



辻に出たところでチビ悪魔が4体でてきた。

マホカンタを唱えて鞭を取り出して態勢を整える。



4体のチビ悪魔は散らばって、持っていた大きなフォークを振り回してくる。

1体の攻撃は楯で受けることができたが、ほかは命中。

しかし痛みはほとんどない。



鞭を振り回し、チビ悪魔たちに攻撃を加える。

目の前にいたチビ悪魔はそれで倒れたが、他はまだ攻撃してくる。



そのあと、何度かの攻撃ののち全滅させることができた。

そこでレベルアップした。



職業:けんじゃ
レベル:30
ちから:78
すばやさ:194(97)
たいりょく:106
かしこさ:82
うんのよさ:83
さいだいHP:213
さいだいMP:160

使える魔法:
 メラ、ホイミ、ニフラム、スカラ、ピオリム、ヒャド
 ギラ、マヌーサ、ルカニ、スクルト、リレミト、ラリホー
 イオ、キアリー、ボミオス、ルーラ、バギ、マホトーン、
 ベホイミ、ベギラマ、キアリク、マホトラ、メラミ
 ルカナン、インパス、トラマナ、バシルーラ、ヒャダルコ
 ザメハ、バイキルト、ザキ、イオラ、ザオラル、マホカンタ
 ラナルータ、バギマ、ヒャダイン、メダパニ、ザラキ
 ベギラゴン、ベホマ、シャナク
 くちぶえ


ベホマ……HPを完全回復する魔法か。これは便利だ。
シャナク……呪いの解除か。これは微妙だな。



それはともかく…………自分はどっちから来たんだっけ?



戦闘していた場所は辻。

ここからは4つの通路が伸びている。

洞窟自体が暗いため自分が来た通路の形を細かく覚えていない……。



迷った…………。



耳を澄ませてみても音は聞こえてこない。

モンスターを呼び寄せることになるので、叫ぶわけにもいかないし。



仕方がないか、適当に進むか。

そのうちどこかで会えるだろう。



遭難した場合は動かないのが基本だけど……互いにどこにいるかわからない状態では

動いても動かなくても変わらないだろう。



そう考えると適当な通路へ進む。

通路は広がったり狭くなったりしながら、徐々に右のほうへ曲がって行く。

明らかに来た道とは違うが、先の状態を確認するまでは、と先へ進むことにした。



やがて大きな空間に出た。



そこには赤い甲羅ドラゴンが2体いた。

赤い甲羅ドラゴンはこちらを見つけると襲いかかってきた。



バイキルトを自分にかけ剣で応戦する。

青い甲羅ドラゴンよりも少し硬く、炎を吐いてくる。

炎を楯で受けつつ頭を剣で切りつける。



1体目を倒したところで、敵の背後から声が聞こえてきた。



アルスたちだった。



アルスたちはそのまま甲羅ドラゴンに切りつける。

俺もそのまま切りつけていく。



3人だとさすがに早く、さほど時間をかけずに倒すことができた。



アルスたちと再会を喜び合う。



アルスたちの話を聞くと、アルスたちも迷子の状態になっていたらしい。

別れた後、連続してモンスターに襲われ進んできた道がわからなくなっていたそうだ。



お互いさまってことだね、とサラが笑いながら言った。



この広間からは通路が4つ延びていた。

一つは俺が進んできた通路。

もう一つはアルスたちが来た通路。



残りは二つ。



そのうちの一つに進んだところ袋小路となっていた。

行き止まりではあるが、奥は左右にちょっと広がっていた。



身を隠すにはちょうどよい場所だったためここで休憩をとることになった。

バッグを下ろし簡単な食事をした。



少しの間休憩したのち、再出発する。



広間に戻り残った一つの通路に入る。

通路を少し進んだところで別れ道に出た。



どういう選択かわからないがアルスとビジィは顔を見合わせると左を選んだ。



マークに聞いてみたところ、別れ道が来るたびに

こっそりと二人で何かをして決めているらしい。



「それが常に正解というわけではないけどね。」



マークはそういって笑う。



しかし今回は正解だったのか、通路の奥には上へ進むための階段があった。



階段の上は先ほどの広間と同じぐらいの空間となっていた。

広間からは通路が二つ。



アルスとビジィはまたなにかをやって今度は右側の通路へ進んだ。



そして再び別れ道。

今度も右の通路を進んだ。



なにをやっているんだろう?



そんなことを考えていたため、注意を怠り落とし穴に落ちてしまった……。



幸い大した高さでもなく、着地もしっかり行ったためけがはなかったが

さすがにそのまま上に戻ることはできない。



アルスたちの心配する声に対して、問題ないことを伝える。

さらに、後で追い付いてみせるので先に進むよう告げた。



こんなところで俺が足を引っ張るわけにはいかないしね。

一人でも無茶をしなければなんとか……なるはず。



アルスたちは少し渋っていたが、すぐに了承してくれた。

そして後でまた会おう、と言って落とし穴の上から去って行った。



俺も上への道を探すために歩きだした。

が、すぐに見つかった……。



落ちた場所は登る階段から余り離れていなかった。



これなら待っていてもらった方が良かったかな……。



すぐに上へ戻り、右の通路を進む。

別れ道も右へ。

途中何度か戦闘があったが、さほど手こずることもなく倒せた。



そして落とし穴のある場所に到達。

落とし穴を避けて進んだところ、また別の落とし穴で下へ……。



……………………。



本当に俺は何をしにここに来たんだろう………………?



三度、落とし穴の場所まで進む。

壁沿いに、落とし穴を警戒しながら進む。



今度は問題なく通り過ぎることができたようで、奥まで来ることができた。

奥には上への階段があった。



階段を上ったところは少し大きめの広間となっており、大きな通路が伸びていた。

当然ながらアルスたちの姿は見えない。



通路を進む。

やがて通路が崩れている場所に出た。

その幅はかなりあって、飛び越えることはできそうにない。

いい考えが思い浮かばない。



疲れているためかもしれないと思い、休憩をとることにした。

通路を少し戻ったところにくぼみがあったので、そこに身を隠す。



恐らくよほど注意してみないと俺を見つけることはできないだろう。



バッグから少し食料を取り出して食べる。

食べ終わったところで、剣を抱いて目をつむり仮眠をとった。



修正履歴
2009/01/16 パラメータ修正



[4638] 一人旅 ネクロゴンドへの道編 5日目
Name: ハロ◆6571bd49 ID:01d8a6f1
Date: 2009/01/17 18:55

ネクロゴンドへの道編 5日目



仮眠から目を覚ます。

モンスターが来ても目を覚ますことはできたとは思うが

幸いなことに現れなかった。

気づいてなかっただけかも知れないが……。



道が途切れたところまで進む。

やはり、飛び越えることはできそうにない。



崩れたところから下を覗いてみると、うっすらとだが地面が見える。

高さ的には飛び降りて問題は無さそうだったので飛び降りてみることにした。



飛び降りたところはかなり巨大な空間となっていた。



そしてすぐ近くの壁際に登る階段があった。

そのまま階段を上る。



階段の上は小部屋のようになっており、端の方には水がたまっていた。

部屋からは通路が一つ延びている。



通路を奥へと進むとすぐに右に曲がっていた。



右に曲がったところでコウモリのような羽の生えたライオンが2体襲ってきた。



バイキルトをかけ剣で攻撃を開始する。

ライオンはその間にベギラマを唱えてきた。



盾で防ごうにも防ぎきれずダメージを受ける。



そのまま剣で攻撃。

ダメージを与えるが致命傷には至らない。



ライオンは飛びかかって爪で引き裂こうとしてくる。

1体は剣で払い、もう1体は楯で受ける。



そして再び剣で攻撃して倒す。



残り1体も同様に倒すことができたが、最初のベギラマが結構痛かったため

ベホマで完全に直した。



続いて、雲とチビ悪魔が2体ずつ。

マホカンタを唱え、雲から倒す。

雲もチビ悪魔も攻撃魔法を唱えてきた。

チビ悪魔はそれで自滅。

雲のほうが賢いのか自分には無効となる魔法だったようだが

その間に剣で攻撃して倒した。



さらに通路を進むとまた小部屋に出る。

小部屋には中央に裂け目があり、通路が正面と右に延びていた。

そして、登る階段が一つ。



裂け目に落ちないように気をつけながら階段へ向かう。



階段にたどり着いたちょうどその時、裂け目からスケルトンが2体飛び上がってきた。

マホカンタを唱え剣を構える。



スケルトンは6本の腕を駆使して攻撃してくる。

それを巧みに楯で受けつつ、剣で攻撃して倒した。



そこでレベルアップした。



職業:けんじゃ
レベル:31
ちから:83
すばやさ:204(102)
たいりょく:108
かしこさ:86
うんのよさ:84
さいだいHP:213
さいだいMP:170

使える魔法:
 メラ、ホイミ、ニフラム、スカラ、ピオリム、ヒャド
 ギラ、マヌーサ、ルカニ、スクルト、リレミト、ラリホー
 イオ、キアリー、ボミオス、ルーラ、バギ、マホトーン、
 ベホイミ、ベギラマ、キアリク、マホトラ、メラミ
 ルカナン、インパス、トラマナ、バシルーラ、ヒャダルコ
 ザメハ、バイキルト、ザキ、イオラ、ザオラル、マホカンタ
 ラナルータ、バギマ、ヒャダイン、メダパニ、ザラキ
 ベギラゴン、ベホマ、シャナク
 くちぶえ



魔法は増えなかったようだ。

それにしてもレベルアップが早い。

それだけここのモンスターが強い……のか?



何度か攻撃を受けて傷を負っていた身体をベホマで癒すと階段を上る。



階段の上は通路になっていた。

といってもその端の行き止まりとなっている部分のようだ。



通路を進むと水の音が聞こえてくる。



やがてその水が見えてきた。

地下の川のようだ。

その川には橋も架かっている。



橋に近づいていくと、水の中から赤い亀ドラゴンが2体現れる。



剣を抜いて、バイキルトをかける。

亀は2体とも自分自身にマホカンタをかけた……。

亀は魔法障壁に包まれたようだが、剣での攻撃には関係ないはずなので

そのまま剣を振り下ろす。



頭を狙ったのだがそれは外され、背中の甲羅に命中。

バイキルトがかかっていたからか、甲羅ごとたたき割れてしまった。



残り1体。



剣をそのまま横に薙いで頭を刈り取って倒した。



剣を収めると橋を渡る。

川沿いに道が左右に分かれている。



川下へ進む。



途中、横に進む道があったがそのまま川沿いに進む。

やがて川沿いのみちは行き止まりとなった。



途中で見つけた道まで戻りそちらへ進むが、そこもすぐに行き止まりだった。

しかしそこは休憩をするのにちょうど良いような場所だったので

ここで再び仮眠を取ることにした。



アルス達はどこまで進んでいるんだろう……。




[4638] 一人旅 ネクロゴンドへの道編 6日目
Name: ハロ◆6571bd49 ID:01d8a6f1
Date: 2009/01/18 17:35

ネクロゴンドへの道編 6日目



仮眠から目覚める。

寝ている間に何度か水音がして目を覚ましたが

モンスターが襲ってくることはなかった。



道を戻り川に出る。



そこでまた川から亀が現れた。



バイキルトをかけ攻撃する。

甲羅を割るには至らなかったが、足を切り裂くことができた。

亀はマホカンタを唱えている。

その間に頭をたたき落とした。



川沿いの道を戻り橋までたどり着く。

今度は橋から見て右側の道を進んだ。



少し進んだところで横にそれる道があった。

川沿いの道もまだ続いているが、そちらの道を進むことにした。



通路は間もなく大きく広がった。

小部屋と言う程ではなく少し大きめの通路といったところだ。

それもすぐに終わり再び細い通路となった。



その細い通路からスケルトンと影が2体ずつ現れた。

マホカンタを唱える。



その直後に影がザキを唱えてきた。

魔法は跳ね返るが影には効果がないようだ。



スケルトンが剣で攻撃をしてくる。

楯で受け流そうとするが流しきれず、腕から鮮血が出た。



まずは、とスケルトンを剣で破壊する。

もう1体のスケルトンからの攻撃はなんとか防ぐことができた。



影は自らの身体を伸ばして攻撃してくるがダメージはほとんど無かった。



そして残る1体のスケルトンを倒す。

残るは影2体。



影はザラキを唱えてくるが効果無し。



影に剣が効くのか、とは思ったが問題なく切ることができた。

手応えはなかったが、そのまま霧散していく。

もう1体の影も同様に倒せた。



影が出てきた細い通路へ進む。

やがて道が右と正面の二つに分かれていた。



正面の道からは水音が聞こえていたため、そちらへ進むことにする。



やがて川が見えてきた。

川の上流の方に橋も見えていた。



川からはまた亀。

橋を渡った先ではライオン。



それぞれ、対処は判ってきていたので問題なく倒す。

とはいえ、出現頻度が高いため魔法を最小限度に抑えて戦った。



川を渡った先には通路が延びていた。

川沿いに川下へ進むこともできたが、通路を選んだ。



その奥の道でチビ悪魔。

他にも多数のモンスターが現れた。



しかしその結果が行き止まり…………。



通路の奥で再び川があり、川向こうに上へ登る階段が見えてもいたが

そこに至るための道がなかった。



仕方が無く道を戻る。

川まで戻って、川下へ進む。



川からはまた亀が出現した。



その亀を倒したところでまたレベルが上がった。

レベルが上がるのが非常に早い…………。



職業:けんじゃ
レベル:32
ちから:86
すばやさ:216(108)
たいりょく:109
かしこさ:91
うんのよさ:86
さいだいHP:216
さいだいMP:185

使える魔法:
 メラ、ホイミ、ニフラム、スカラ、ピオリム、ヒャド
 ギラ、マヌーサ、ルカニ、スクルト、リレミト、ラリホー
 イオ、キアリー、ボミオス、ルーラ、バギ、マホトーン、
 ベホイミ、ベギラマ、キアリク、マホトラ、メラミ
 ルカナン、インパス、トラマナ、バシルーラ、ヒャダルコ
 ザメハ、バイキルト、ザキ、イオラ、ザオラル、マホカンタ
 ラナルータ、バギマ、ヒャダイン、メダパニ、ザラキ
 ベギラゴン、ベホマ、シャナク、フバーハ、マヒャド
 くちぶえ



増えた魔法はフバーハとマヒャド。

冷却系の魔法であるマヒャドはともかく

ブレスを防ぐフバーハは役に立ちそうだ。



気を取り直して川下に進むと再び橋が見えてきた。



橋を渡るとたぶん、戻ることになるんだろうなぁ……。



そんなことを考えていると、川のこちら側に通路があった。

よかった、とそちらへ進む。



やがてT字路に出る。

正面と右に道が分かれていた。



その時だった。

奥から足音が聞こえてきたと思った瞬間、真上から剣の斬撃が落ちてきた。

なんとか剣を抜くのが間に合い、その斬撃を受け止める。



…………ビジィだった。



互いに目を見開き驚いた。

ビジィの後ろからはアルス達が駆けてきた。



苦笑しつつ剣を収める。

そして、無事な再会を喜んだ。



ここまでの話を聞きつつ、道を進むことになった。

アルス達が進んだ奥の道は川で行き止まり。

俺が進んだ上流の道も行き止まり。

残るは右の道。



その道は少し進んだところで小部屋になっていた。

その小部屋にはすぐには判らないような細い小道があった。

小道は左の方へ進んでいる。



アルスは振り向いて頷くとその道へと入っていった。

俺たちもそれに続く。



その小道を進むと再び川に出る。

そこは今までのような行き止まりではなく橋が架かっていた。



橋を渡って川沿いを上流へと進む。

途中何度か亀やライオンに襲われたが、さすがにこの人数なので楽に倒せた。

とはいえ、サラもマークもMPが残り少なくなっている。

勿論俺やアルスも同様だ。



そして階段にたどり着いた。

階段からは夕焼けの赤い光が差し込んでいた。



階段を登って地上に出る。



そこには巨大な城がそびえ立っているのが見えた。

城の周りは崖で囲まれており、見上げるようにしないと

城が見えないぐらいの高さがある。



しかもそれは湖の中央にあった。

湖も渦巻いており、船があったとしても渡ることはできない。



…………これがバラモスの住み処…………。



アルスはその城をにらみつけている。



折角ここまで来たのに、城を視認できるところまで来たのに

そこへたどり着く術がない……。



「結局、ラーミアの力が必要と言うことか…………。」



そうつぶやいた俺の声に4人ともが俺のほうに顔を向けた。

生気を失い始めていた4人の顔に色が戻っていった。



その時、マークが少し離れたところに祠が建っているのを見つけた。



既に日は落ちかけているため、一旦そちらへ向かうことにした。



祠に近づいていくと祠から灯りが漏れているのが見えた。

中に入ってみると老人が一人いた。



老人は俺たちを見ると驚いて声をかけてきた。



「なんと!ここまで

 たどりつく者がいようとは!

 さあ このシルバーオーブを

 さずけようぞ!」



そう言って老人はオーブをアルスに渡してきた。



「そなたならきっと魔王を

 うち滅ぼしてくれるであろう!

 伝説の不死鳥ラーミアも

 そなたらの助けと

 なってくれるであろう。」



老人はここにたどり着くだけの力を持つものが現れるのを待っていたという。

思わぬところでオーブを手に入れることができたものだ。



残るオーブは一つ。



今晩はここに泊めてもらうことになった。



[4638] 一人旅 ネクロゴンドへの道編 7日目
Name: ハロ◆6571bd49 ID:01d8a6f1
Date: 2009/01/19 20:34

ネクロゴンドへの道編 7日目



ネクロゴンドの祠で目覚める。



準備を整え、祠を出発する。

洞くつに入る前に誰と無しにバラモス城を振り返る。



必ずここへ戻って来るという意思を自身の中で確認して

それぞれが洞くつの中へ入っていった。



帰りは比較的スムーズに進んでいった。



それほど迷うこともなく、わざと落とし穴から降りたりして進んでいった。

途中に幾度かモンスターに襲われたものの

俺もアルス達も戦い方が判っているモンスターばかりなので

効果的に魔法を使うこともでき、安心した戦いができた。



それよりもやっかいだったのが洞くつを出てからだった。



洞くつを出たときには既に夕刻となっており、船に帰り着いたのは夜だった。



夜間になるとモンスターの行動は活発化するため

少し移動するごとにモンスターが出現する。



その物音を聞きつけたのか、戦闘時の血のにおいをかぎつけたのか

次から次へとモンスターが出てて来た。



おかげでレベルがまた上がることとなった。



職業:けんじゃ
レベル:33
ちから:88
すばやさ:224(112)
たいりょく:110
かしこさ:95
うんのよさ:88
さいだいHP:224
さいだいMP:192

使える魔法:
 メラ、ホイミ、ニフラム、スカラ、ピオリム、ヒャド
 ギラ、マヌーサ、ルカニ、スクルト、リレミト、ラリホー
 イオ、キアリー、ボミオス、ルーラ、バギ、マホトーン、
 ベホイミ、ベギラマ、キアリク、マホトラ、メラミ
 ルカナン、インパス、トラマナ、バシルーラ、ヒャダルコ
 ザメハ、バイキルト、ザキ、イオラ、ザオラル、マホカンタ
 ラナルータ、バギマ、ヒャダイン、メダパニ、ザラキ
 ベギラゴン、ベホマ、シャナク、フバーハ、マヒャド
 レムオル
 くちぶえ



増えた魔法はレムオル。

姿を消す魔法……きえさり草と同じ効果?

これを使っていたらモンスターが襲ってこないなら良いけど……。

そうでないなら微妙な気がする。



船にたどり着いたときには5人とも疲れ切っていた。

船を発進させ、少し沖合まで来たところで船を寄せて停泊する。



アルスの船に移り、食事をしながらこれからのことを話すこととなった。



残るオーブは一つ。



この情報を集めなければならない。



残る一つはイエローオーブ。



アルス達がランシールに行ったときにこんな話を聞いたそうだ。



「イエローオーブは人から人へ

 世界中をめぐっているそうじゃ。

 たとえ山びこの笛であっても

 それをさがしだすことは

 むずかしいであろうな。」



人から人か……それは難しい。

人が一番交流していると思われるのはポルトガだろうか?



ポルトガは香辛料交易を始めていると言うことなので

東西の人の交流が今一番多いと思える。



話は一旦ポルトガへ向かうと言うことで落ち着いた。



ポルトガへ向かうなら、と俺はサトルのところへ向かうことを告げた。

あれから一度も行ってないし、仇を討ったことを伝えたいしね。



アルス達もそれを了解してくれた。

アルス達はレイアムランドに寄って、手に入れたオーブを捧げてから

ポルトガへ向かうと言ってきた。



合流地点はポルトガ。



そこで何か判ると良いが……。



方針が決まると寝ることとなった。

疲れてはいたものの、当然ながら交代で見張りを立てて。



あとがき
実際のプレイではネクロゴンドの洞くつは、MPが切れたら
バハラタに戻ってやり直すと言うことを繰り返しました。
そのためプレイでは本文以上に戦闘をしています。
おかげで洞くつを抜けれるようになったときには
レベル33まで上がってしまいました。
薬草等を使えばもっと低いレベルでも抜けられたのでしょうけどね。

個人的にはここでもう少しレベル上げをして遊びたかったものの
これ以上は書くのが大変なことになりそうだったので止めました。
それでも上がりすぎたような気もしますが……。



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