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[4755] Lost Memory 魔法少女リリカルなのはStrikerS (オリ主) 新話投稿
Name: アフロディーテ◆72310edc ID:49f0ee8d
Date: 2017/05/13 11:28
はじめまして。今回初投稿させていただくアフロディーテと申します。
この作品は魔法少女リリカルなのはシリーズの二次創作作品となります。主人公は作者が勝手に創造した者なのでご理解いただけると幸いです。皆様の一時でも時間を楽しんでいただけたら嬉しい限りでございます。



「ふぅ・・・・・」

懐かしい椅子に背中を預けて女性は一息をつく

「まさかこんな事になるとはなぁ・・・」

彼女の名は 八神はやて 
今度再編される部隊のメンバー表を見ていた

「まぁなのはちゃんやフェイトちゃんとまた一緒に居られるのはうれしいけどな」

再編部隊の召集メンバー表に目を落とす

その中には以前のメンバーには居なかったメンバーがちらほらと見受けられた
新規メンバーが30人ほど居るのはわかったが、そのほとんどは本部でも名の知られたエリートばかりである。

だが・・・

「この三人・・・一体なんなんやろ・・」

はやては表を見て呟きをもらした

一人は男、他の二名は女

男の方は髪は黒色でサングラスらしきものをしていて表情は窺えないがおそらく端整な顔立ちだろうと予想がついた。

女の方は二人とも女であるはやてですら嫉妬しそうになるくらいの女性だ。

「しっかし部隊表の顔写真でサングラスは反則やで!ww」

はやてはバン!バン!と机を叩いて笑っていた

「よぉ~こんな写真でOK出たもんやなぁ・・・」

いまだに目元や口元に笑いが残りつつも表を眺めるはやて
すると

「八神部隊長 お二人がお着きになられたようです」

副部隊長のグリフィス君からの通信が入った

「了解。二人ともココに通してあげて」

わかりました。と言って通信が切れた後すこししてドアの開く音がする

「はやてちゃん!」
「はやて」

元気に入ってきたのは白い制服女性 高町なのは

後に続いて黒い制服を着て綺麗なブロンドの髪をした フェイト・T・H

二人の元気な姿を見てはやては椅子から飛び出すように駆け寄る

「二人とも久しぶりやなぁ、元気そうでなによりやわ」
「はやてちゃんも!」
「半年ぶりかな?元気みたいだね」

三人とも手をそれぞれが片方ずつ取り合い再会を喜び合いながら自然と笑みがこぼれる

「あっと忘れるとこだった」

そう言うとなのはは手を離して

「高町なのは一等空尉 只今を持って機動6課に着任致します!」

なのはは右手の親指を手のひらに折り曲げるようにして敬礼をする

続いてフェイトも

「フェイト・T・H執務官 只今を持って機動6課に着任致します!」

「はいはい、お堅い挨拶はそれぐらいにして二人とも座ってぇや」

「うん!」
「それじゃ失礼して」

三人とも笑いながらソファーに座った

それからしばらくはそれぞれの近況報告や他愛もない冗談などに花を咲かせていたが、ふとなのはがはやての机に目をやったときに話の種類がガラリと変わる

「あれ?これって新しい部隊表なのかな?」

「ああ~ なのはちゃん達が来るまでちょ~時間があったさかいに再確認しながら目を通してたんよ」
 
はやてが席をたって部隊表を取って元の位置まで戻ってくる

「二人ともこれ見て~な」

部隊表を広げて二人にみせる

「「・・・なんでサングラス・・・?・・・」」

二人は綺麗に声をハモらせながら少し笑っている

「そやろ!?笑ってまうやろ!?」

はやては自分だけではなかったという安堵を覚えつつまたも笑ってしまいそうになるのを堪える

「ん~・・でも訓練のときでもこれってサングラスしてるのかな・・・?」

「まぁなのはちゃんが気に入らんかったら上官命令で外させれば良いんちゃう?」

と、いうようなやりとりを見ていたフェイトが

「え?この人たちって前線部隊なの?」

「そやで~しかも三人とも魔力はAA+の期待のルーキーや」

「へぇ~どこの部隊に前は所属してたんだろう」

そうなのはのこぼした言葉に返すようにはやては難しい顔をして

「未所属」

「「え?」」

なのはもフェイトもそんな馬鹿なという顔つきではやてを見た

それもそのはず

Aクラス以上の魔道士になろうとすると最低でも半年以上の実務経験がないと試験すら受けれない。または、なのはやフェイトのように嘱託扱いで難事件を解決したり、何らかの形で功績を挙げなければ認定されないのである。
フェイトははやてに顔を向け

「過去の詳細は?」

はやては溜息をつきながら

「名前は不和晶(ふわ あきら)産まれは地球で親兄弟はなし、誕生日は12月21日、年齢は20歳、魔道士クラスはAA+・・・それ以外は一切が不明」

そう言い終えるとはやてはなのはを見た

「この人・・・・どこかで・・・・」

なのはは写真を見ながら記憶を掘り返す

だがこの男性の事を思い出そうとすると霧がかかったように記憶の中の映像がボケた。

「なのはちゃん!この人知ってるん!?」

その瞬間三人の頭が激しい頭痛に襲われる

「あうっ・・!・・・!?」
「っっっ・・・なんなんこれ!」
「くっ・・っあっ・・・」

少しすると頭痛は治まり安心する。
これは明らかにおかしい

「うちら三人に何か関係があるみたいやな」
「だね」
「みたいだね」

フェイトは少し考えてなのはに聞いてみた

「なのは・・本局に問い合わせてみないかな?上は絶対何かを隠していると思う」

「そうだね。それとユーノ君にも調べてもらうように言ってみるね」

それをみていたはやてが

「なぁ二人とも・・・いきなりなんやけどおかしいと思わへん?」

「「?」」

「機動6課を解散したのが半年前、そしていきなり再召集や」

続けてはやては

「しかも前以上の戦力に加えて詳細不明のメンバー」

他にも色々と不明確な部分が多すぎる。

例えば最新鋭の戦術機母艦ルクセン

この母艦はアルカンシェルを装備しているうえに1200mレールキャノンを装備している。
それに加え同型船のアナイアレイターと姉妹機のガトランディ

その気になれば小さい星であれば二日とかからず制圧するであろう。

それに医療設備。設備が良いのは悪いことではない。むしろ喜ぶべきであろう。しかし良過ぎるのだ。医療カプセルの数など普通は課に与えられるのは多くて10台ぐらい、少なければ3台くらいだろう。なのにココの医療設備にはカプセルだけでも50台、医者の数なんて20人も居るしまつだ。

極め付けにこの部隊全局員には魔力リミッター無しときたもんだ

どうやって本局や地上の連中を黙らせたのやら・・

まるでこの部隊で戦争でもしろと言わんばかりの・・・・っ!?

ここまで考えてはじめて気づいた

「もしかして・・・いや・・これは・・・・」
「はやてちゃんどうしたの?」
「はやては何か気づいたの?」

「まぁあれこれ考えてもなるようにしかならん!」

はやては今まで考えてた事を振り切るようにしてそう二人の目を見て叫んだ

「そうだね、目の前の事を全力全開で解決していく!それが私達の答えだね」

なのはははやてを見てそう答える

「私はみんなが一緒に笑えるならそれで良い」

フェイトは柔らかく微笑むとなのはとはやてを交互に見た

そして三人はまた少し話し笑い合うとこの場はお開きとなった。

一人になったはやては窓から見える海をみながら

「上が何考えてようとも絶対にみんなの笑顔を守りきったるさかいな」

そう自分に言い聞かせるはやてだった。









ということで1話が終わりましたけどどうでしたでしょうか?
かなりのキャラ崩壊を含んでますのでご理解していただけると幸いです^^
また感想や意見などをいただけると嬉しいですw











[4755] Lost Memory ACT2
Name: アフロディーテ◆72310edc ID:e211785a
Date: 2009/12/24 04:17
-------------------------

「・・・やっと着いたか」

航空機から降りて彼は呟くようにそう言った

それに答えるように二人の女の内の黒髪の女性が

「そうですか?意外に早かったような気もしますよ?」

それに対しもう片方の赤髪の女性が答える

「あらあら、長くはあったかもしれませんが楽しかったではありませんか」

赤髪の女性は柔らかい笑みを溢しながらそう応えた

「セラスは随分と楽しかったようだが俺はもう勘弁願いたい」

黒髪の男は赤髪の女にそう言うと黒髪の女に

「レナ、6課の宿舎がある場所にはココからどれくらいで着きそうだ?」

レナと呼ばれた黒髪の女は5秒ほど考えて

「車で一時間ほどで到着します」

「一時間か・・・またお前達に冷やかされるのかと思うと気が重くなるな」

男は心底疲れるといった様子でそう言う

その表情を見てセラスがコロコロと笑いながら

「晶ちゃんが頑張って見守り続けた娘達にこれから会いに行くのだから気にならない方がどうかしてますわよ」

「はいはい・・・・もう好きにしろ」

晶はもう諦めたといったような感じになった

そんな様子をレナは嬉しそうに眺めていたが、空港を出た所に6課の制服を着た二人組みが居ることに気づいた

「晶様、もう迎えが来ているようです。少し急ぎませんと・・」

「わかった」

晶は短くそう応えると、レナとセラスを見て

「二人とも、巻き込んでしまってすまない、だけど・・・俺についてきてくれるか?」

「私の存在が消滅するまでついていきます」
「来るなと言われても一生勝手についていきますわ」

レナとセラスは晶の目を見てそう言うと片膝をついて

「「ご命令を」」

晶は

「俺が死んでもついてこい」

「「御意」」

気がつくと周りがざわついている

それもそのはずだ。こんな場所で男に膝をついていれば何事かと思うだろう

「あらあら お恥ずかしい♪」

セラスはまったく気にしていない様子で笑っている

「晶様、行きましょうか」

レナも周りのことなど気にもせずにそう言う

晶は顎の辺りをポリポリと指でかきながら

「は、早く行くぞ・・」

そう言うと迎えに向かって歩き出した

少し早足だったのはいうまでもない






外に出るとこちらに気づいた様子で二人が近づいてくる

二人のうちツインテールの女の子が晶の目の前まで来て敬礼をする

「ティアナ・ランスター執務官補佐です、不和晶さんですね?」

晶も敬礼して応える

「不和晶三等空尉です」

それに並ぶようにしてレナとセラスが敬礼をして

「レナ・スティングレイ三等空尉です」

「セラス・レイナード三等空尉です」

そのやりとりを見て気づいたように慌ててティアナの側に居たショートカットの女の子が敬礼をする

「スバル・ナカジマ三等陸尉です」

ティアナがやれやれといった様子でスバルを見ている

「あ、私のことはスバルって呼んでね!」

元気にスバルはそう言うと表情を崩す
ティアナもそれに続いて

「堅苦しい挨拶はもういいわ。私もティアナとそう呼んでくれていいわよ」

晶たちは好意に甘えるようにした

「わかった。それじゃティアナにスバル、これで良いかな?」

「では私達もレナ、セラス、と呼んでくださってけっこうです」

ティアナとスバルは少し苦笑して

「了解、なんとなくまだ硬いけどね」

「りょ~かい~」

ティアナはそう言い終えると車のほうに案内した。

車を出してから10分はたっただろうか

するとティアナが聞いてきた

「あなた達はフォワード部隊なんでしょ?何ができる?」

晶は少し考えて

「俺はミドルレンジからの砲撃かな」

レナは

「私はクロスレンジです。主に槍状のデバイスで攻撃します」

セラスは

「私もクロスレンジですわ。デバイスは斧状ですが主には砲撃手を護衛ですね」

スバルはふむふむと頷いてから

「私もクロスレンジだよ!空は飛べないけどマッハキャリバーとだったらどんなことにも負けない!」

ニカッと笑うスバルは楽しそうだった

ティアナは、はいはいといった感じで

「私は砲撃と射撃がメインだけどロングとミドル、どちらでも戦闘をするわ」

それを聞いたスバルが

「ティアはね凄いんだよ!射撃とかも凄いんだけどクロスレンジもできるんだよ!」

「流石は執務官補佐といったところだな」

晶は感心した様子でそう応えた

「また今度お手合わせしていただけますか?」

と、レナが言い出した

「私と模擬戦なんかやってる暇なんてないと思うわよ~隊長達と練習してまだそんな元気が余ってたらやってもいいわよ」

スバルはうんうんと頷いている

「お、あれが6課の宿舎かな?」

晶が車の窓から見える巨大な建物を見ている

「うん、あれが私達の守るべき家だよ」

スバルは優しい声でそう言う

ティアナも顔をほころばせて

「あんたが言わなくても晶たちもわかってるわよ」

声が嬉しそうだ

「そうだな・・・俺が全てをかけて守るべきものだ」

晶は何か思いつめたように・・しかし何が何でも守ってみせるという眼差しで宿舎を見て答えた

そんな晶を見てレナとセラスは晶の手を互いが握り

「必ず・・・守りきってみせます」
「どんな犠牲を払ってでも晶ちゃんの願いは叶えてみせますわ」

レナは晶に寄り添うようにして手を握り
セラスは見るもの全てを包み込むような笑顔を晶にだけ向けて手を握っている
その様子は車の前の座席に座っている二人にはわからなかったが晶たちの言葉を聞いて自分達に背中を任せても良いと思える仲間が出来たのだと確信していた。









これにて2話終了です
感想にあったことにたいして少答えたいと思います
アルカンを三基搭載はやりすぎ&ムリがあるのでは?と感想をいただきました。
確かにやりすぎたと思ってます(ノД`)
6課の異常戦力をわかりやすくしたかったのですが・・・ムリありすぎ?w

クロスオーバーではなかったのですか?
その予定だったのですが5話くらいまで構想を練ったのですがどうしてもその辺りから苦しくなったので、まだ引き返しがきく間に再度クロスではなくこのように致しました。
感想文を下さった方々にこの場をかりてお礼申し上げます。
またいただけると励みになりますので感想お待ちしてます^^





















[4755] Lost Memory ACT3
Name: アフロディーテ◆72310edc ID:3eb1d26e
Date: 2009/12/24 04:19
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「それじゃ後でミーティングルームで合流しましょ」

ティアナはそう言うと地下駐車場からスバルと出て行った

それを見送って姿が見えなくなるとレナが口をひらいた

「これからどうなさいますか?」

「どう・・と言われてもなぁ・・・・レナも気づいてるんじゃないか?」

レナは不機嫌そうに

「あんなに見られていては誰でも気づきますでしょうね。セラスなんて目を合わせてたくらいですし」

「ふふ、あんなに熱心に見られては応えてあげないと可哀想じゃない?」

セラスは相変わらずニコニコしながら応えた

「まぁどうせ呼び出されるくらいなら先手を打つか」

「なら私達も同行します」

「うふふ、どれだけ可愛くなったか間近でお披露目~♪」

実は晶もまんざらではなかった

ようやくあの三人とまともに会って会話できるのだ

あの見守り続けた娘達に・・・

彼女達は覚えているはずが無いが俺はしっかり覚えている

忘れるはずが無い

あの「それぞれの日」俺は彼女達の望む明日は作ってやれなかった・・・

俺は見ているだけだった

決して救えないわけじゃなかった

救わなかった

だけど「変えて」はいけなかった

今日という日が来るまでは「変えて」はいけなかったのだ

だがそれも今日で終わる

「いや・・・始まりなのかもな」

自嘲したように笑う晶

「時計の針は動き始めました・・後は晶様が「戻る」のを待つばかりですね」

レナは晶を見てそう応えた

セラスがニコニコしている表情を崩して晶に聞く

「あとどれくらいで晶ちゃんは戻りますの?」

「おおよそでしかないが、おそらくは2~3週間と思う」

セラスの問いにそう答えると晶は6課の本部に向かって歩き出す

「それじゃフロイラインに会いにいきますか」

「はい」
「楽しみですわ♪」

二人は晶について歩き出そうとしたとき晶が振り返り

「それと俺のことは呼び捨てにしろ、とくにレナは俺に敬語使うなよ」

「善処します」
「あらあら、私は大丈夫だけどレナは大変ね♪」



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




「ようやく彼がご到着や」

はやては部屋から外を見下ろしながら言った

「彼女・・・えと・・・・セラスだったかな?手振ってたね」

フェイトは苦笑いしている

「スバルとティアナは気づいてなかったみたいだけど、あの三人は気づいてたようだね」

なのはも苦笑い

はやては難しい顔をしている

「防御結界を二重にしてるうえにアンチサーチャー、インビジブルシールドまでかけて手を振られるとおもわんかったわ」

結界は機能していた。魔力も出来る限り抑えてある。絶対に気づくはずがなかった・・いや「絶対」ではない

ないが・・・目を合わせて手を振っていた

たとえS+のなのはちゃんでさえぼやけて見える程度のはず

「まぁええわ、明日にでも呼んでみて本人に会ってみればわかるやろ」

はやては納得できないといった感じでソファーに座る

フェイトははやてが座るのを見てなのはに視線を移す

「本局で調べてみたんだけどファイルに書いてあること以外何も出てこなかった」

なのははやっぱりといった感じで

「こっちも・・・・一つわかった事といえばあの三人には親や兄弟どころか親戚も居ない、しかも学校ですら在学した形跡がないことくらいかな」

「けどうちらには関係がある・・・」

「「「・・・・・」」」

「なんによせ身内を疑うのはよくないなぁ・・・これからうちらの家族になるんやし仲ようやっていきたいんやけどね」

「はやてちゃんが今更それ言うかな」
「はやてが最初に言い出したんだよ」

「あれ?そうやっけ?」

部屋は笑い声が飛び交い暖かな空気に包まれる

そのとき

「はやて部隊長、不和晶三等空尉、レナ・スティングレイ三等空尉・セラス・レイナード三等空尉の三名が来られました。」

「はぁ?」

グリフィスからとんでもない通信だ

まさか自ら来るとは思わなかった

「・・・・・・」

みかねたなのはがグリフィスに

「三人ともココに通してあげて」

そう言うと通信をなのはは切ってしまう

「ちょ!なのはちゃん!?」
「なのは・・・・」

はやてとフェイトは唖然としている

「せっかく会いにきてくれたんだから皆で楽しくお茶しようよ」

ニッコリとキラースマイル

そんな笑顔をされたらもう何も言えないではないか

はやては覚悟を決めた

「えと・・・髪大丈夫かな?服おかしくない?!」

フェイトは何を思ったかテンパっている

「ないない、おかしくないよ」

なのはは にゃはは と笑いながら二人をみていた

そのとき

「不和晶、レナ・スティングレイ、セラス・レイナードの三名、ただいま着任いたしました!」

ドア外の通信から男の声が聞こえる

「どうぞ」

はやてが言うとドラが開かれた







これにて3話---------- 終了 -----------

厩舎だと馬小屋みたいな感じと言われたので宿舎に変更しますw




[4755] Lost Memory ACT4
Name: アフロディーテ◆72310edc ID:3444d7bb
Date: 2009/12/24 04:21
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失礼しますと声を出しドアが開く

そこにはやや緊張気味の二人に普段とかわらない様子の三人の少女・・いや、もう女性とよべるような美しい三人が居た

「不和晶三等空尉及び他2名ただいま着任いたしました」

敬礼をする

俺が敬礼すると後ろにいたレナとセラスもそれに続いた

目の前にいた女性の中の一人が前に出る

「八神はやて陸上一佐、ここの部隊長や」

知ってる

「フェイト・T・H執務官です。よろしく」

わかっている

「高町なのは一等空尉。よろしくね」

知らないはずが無い

俺は守るためにココにいる

その為に「戻した」のだ

今この瞬間から俺は始まる


守るための「戦い」



-----------------------------------------------------

はやては俺に手を出した

「これからよろしくな」

出された手を少し戸惑ってしまったが握る

「よろしくお願いします」

小さい

なんと小さい手だ

この小さい手を泣かせてはイケナイ

俺はそっと手を握った

「あかんで、握手ゆ~んはもっとガッチリせな!」

力強く俺の手を握る

「わかりました」

万感の想いをこめて握り返した

「まぁ立ってるのもあれやし座り~や」

背を向けてソファーに歩いていく

正直いうと俺は泣きそうだった

この娘達が目の前にいる

俺に喋りかけている

俺に笑いかけている

嬉しい・・単純に嬉しいのだ

ぼ~としているとレナに急かされた

「早くいかないと怒られますよ」

「あらあら、晶ちゃん泣くと思いましたのに♪」

セラスにからかわれる

席に着くとフェイトがコーヒーを持ってきた

「どうぞ」

「すいません」

構わないといった感じで笑うと皆に配っていく

「えと・・良いかな?」

なのはが言い難いように

「その・・・なんていうか・・それ取れないのかな?」

なのはは自分の顔を指差しながら俺をみた

「病気とかだったら別に良いんだよ!」

ぶんぶんと顔を振りながら慌てたように言う

俺は少し間をおいて

それに手をかけた

(よろしいのですか?)
(晶ちゃんは選んだのね?)

念話がくる

(彼女達がそれを望んでいるのなら隠す必要などないだろ?)

(甘いですね)
(甘いわねぇ~)

二人が呆れたといったふうな顔をする

そして・・・取った

「・・・・・ぅゎ」
「・・へ~」
「・・・綺麗」

それは小さな・・ほんとに小さな呟きだった


俺の目は少し・・いやだいぶ異質だった

右がゴールド
左がシルバー

最初見た物は皆気味悪がった

それに写真を取るときなどは色が写らなかった

周りには遠ざかれた

見るなと言われたことさえある

それと・・・この目は「おかしい」のだ

未来線が見えたのだ

人が次どう動く、物がどう動くかが見えてしまう

故に皆が恐れた

皆が遠ざけた

そして・・・・隠した

「気持ち悪いでしょ」

それを隠すようにサングラスをかけなおそうとすると腕をつかまれた

「なんでそないな目隠すん」

はやては不思議そうな顔をする

「ちょっと驚いたけど綺麗だね」

なのはが腕をつかんだまま目を見ている

「凄く・・・澄んだ目・・そして強いね」

フェイトが見つめる

俺は再度かけようと思い腕を上げるが

「ダメだよ、もったいない!」

なのはが俺からサングラスを取り上げる

俺は・・・・諦めた

ここは・・6課はそおいう所なのだと思い出した

だが

「返していただけませんか」
「あらあら、お茶目がすぎましてよ」

両脇に座っていたはずの二人が立っている

目の前の三人は驚いた

「二人ともどうしたんや?」

「えと・・」

「あ、あれ?私なにかしたかな?」

レナとセラスはなのはの手を見て

「聞こえませんでしたか?返して戴きたいと言ったのです」

「それ以上でもそれ以下でもありませんわ」

なのははサングラスを晶から取り上げた

そう「取り上げた」のだ

それがいけなかった

晶がかけなおそうとするのを「邪魔」したのだ

俺は気づいた

それが二人の癇に触ったのだと

二人は俺の邪魔をするものを一切許しはしない

それは誰であろうともだ

「やめないか二人とも!」

「「・・・・」」

返事はない

「このっっっっ過保護が!」

そういうと晶は二人の頭をテーブルに叩きつけた

「すいません・・・二人にはよく聞かせますので」

俺の向かいに座る三人は・・・・・

笑っていた

「元気があって良いんじゃないかな」

なのはは にゃはは と笑っている

「今のは気にしてないよ」

フェイトもクスクスと

「別にかまへんよ、うちも過保護やさかい何もいわれへんわ」

はやても笑いを堪えているようだがクックと笑っている

「それより二人とも大丈夫かいな?」

ん?と俺はまだ二人とも頭を押さえている自分に気づいた

「晶・・・痛い」
「ひどいですわ」

「っすまんっ」

急いで手を離した

二人とも額が赤い

赤くなったのを気にもせず

二人は突然

「ご無礼申し訳ありませんでした」
「すいません。カッとなってしまいました」

頭を下げた

「もうかまへんいゆ~てるやんか」
「だね」
「うん」

はやてはそんな二人を見て

「頑張りや」

何を頑張るんだ?と俺は思っていたが

「はい」
「言われずとも」

と二人は返していた

「二人とも座ろうよ」

フェイトがそう促したのをみて二人は座る

はやては先ほどのやりとりを見て確信していた

この三人は信用できる

そして信頼できる・・・と






















[4755] Lost Memory ACT5
Name: アフロディーテ◆cbf70c06 ID:ba98ea71
Date: 2009/12/24 04:27


あれから少ししてもまだ俺達は部隊長室にいた

女三人寄ればなんとやらと言うがこれは・・・

三人ではなく五人いるのだから凄いことになっている

互いの趣味や好きな物、嫌いな物など俺個人としては少し興味があるもののここいらで考えていたことを口にする

「明日6課の部隊挨拶の後にはやて部隊長を交えた模擬戦をやってみたいのですが無理でしょうか?」

「「・・・・・・」」

会話が止まってしまった・・・・

「はやてちゃんは無理かも・・」

「はやては地上の方に挨拶とかもあるだろうから少し無理かもしれないね」

なのは隊長とフェイト隊長が難色を示す

「べつにかまへんよ?」

「「え?」」

二人の否定をあっさりとぶち破るはやて部隊長

「久しぶりにやりたいゆ~のもあるし、何より自分等三人の力も見てみたいしなぁ」

「はやて・・・本部への挨拶どうするの・・・」

「模擬戦やゆ~ても一日やるわけやないし、その後でも間に合うはずや」

ニヤリと笑いながら言っている

「はやてちゃん・・もしかして溜まってる?」

「かなりな」

なのは隊長に即答

「「はぁ・・・」」

隊長二人が同時にため息をつく

「それにしてもなかなかの勇者やねぇ」

はやて部隊長は俺たちを見ながらニヤニヤしている

「隊長、副隊長&うちを交えてとはよほどの自信?」

俺ははやて部隊長を見て

「そうですね・・俺だけでは勝てないでしょうね。でも明日は勝ちますよ?」

しれっと答えた

「ほほぅ・・・面白いやんか」

はやて部隊長はニヤニヤとしているが・・・目が笑ってない

「なら賭けをしようやんか」

「受けましょう」

二つ返事で承諾

「うちらが勝ったら・・・そうやねぇ晶は全裸で6課一周で・・・エリオもそれに決定!」

なにやらとんでもない事を言い出した

「は!? エリオは関係ないでしょはやて!」

フェイト隊長は顔を真っ赤にしながらはやてに言い寄る

「連帯責任や!」

「それとティアナとスバルとキャロ、それにレナとセラスの女性陣は・・・YフロントTバックの水着で一日仕事してもらおやないか!」

「拒否します」
「あらあらどうしましょう?」

レナとセラスは今まで涼しい顔して我関せずだったのだがはやての連帯責任の一言で終わってしまう

フェイト隊長は泣きそうな顔をして

「なのは~・・・」

「もう無理じゃないかな?」

一蹴

俺は考えていた

負けても水着姿が拝める・・・

「・・・負けても良いかも」

「晶!」

レナが睨んでくる

セラスはコロコロと笑いながら・・問題発言

「あらあら、では私達が勝てばそこの御三方には晶のママになっていただきましょう」

「「はぁ!?」」

なのは隊長とフェイト隊長は意味がわからない

「上等や!ママでもパパでもなんでもなったるわい!」

はやて部隊長は即答

「「はやて!(ちゃん)」」

はやて部隊長は止めようとする二人を見て一言

「覚悟決めぇや!」

もうだめだ絶対止まらない・・・二人は諦めた

「!?晶のママ!?」

先ほどのセラスが言い出した一言以来ピクリとも動かなかったレナが叫びだした

「そんなとこは許しません!セラスあなたは勝手なことを言いすぎです!」

セラスは口に指を当て考える風にして

「あらあら良いではありませんか?ママになるだけで恋人ではありませんよ?」

レナは

「・・・・・恋人・・・・」

どうです?と言わんばかりにセラスはニコニコしている

「明日は全力で勝ちます」

おいおい・・

セラスはレナが陥落したのを確認してトドメの一発

「それと言っておきますがちゃんと戸籍としてママになってもらいますから覚悟してくださいね?」

「それこそ上等や!」
「エリオ・・キャロ・・ごめん」
「えと・・・お母さんとお父さんに電話しないと・・」

なにやらフェイト隊長は泣きそうな顔して謝っている

なのは隊長は通信パネルを開いて家に電話をしているようだ

はやて部隊長は・・・

「ボコボコにしたるボコボコにしたるボコボコにしたる」

なんか恐ろしいことを呟いていた

まだ俺の希望を言ってないのに話が進んでしまった

そして

「うちらはこれから作戦会議するさかい出ていきぃ!」

と言われて締め出されてしまった

「晶」
「晶ちゃん」

「なんだ?」

「先ほどは意にそぐわぬ事をしてしまい申し訳ありませんでした」
「すいません・・いつもの癖でやってしまいましたわ」

「構わないよ」

俺が口元を緩ませてもういいからと態度で示すとふたりはホッとしたようだ

それよりも・・・

「ティアナとかにどう説明しようかねぇ・・・」

「おそらく殴られますね。それもグーで」

「あらあら、それで済めば良いですけど」

どう説明しようかと考えながら俺は待ち合わせの場所に足を進める

「やっぱ殴られるんだろうなぁ」

俺は顔を綻ばせて

二人はそんな俺をみて嬉しそうに歩いていた













[4755] Lost Memory ACT6
Name: アフロディーテ◆cbf70c06 ID:659cca87
Date: 2008/12/02 00:50
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---------------------------


「この世から消えてなくなれぇぇぇぇぇぇ!!!!」

メキョ!と奇妙な音を立てて俺の顔は歪む

そして大げさではなくマジで7Mくらい飛んだ

人がこんなにも飛ぶとは思わなかった

部屋に置いてあったイスや机などをなぎ倒し見事に転がる俺

女が本気になった時の手の速さはプロのボクサーのジャブの三倍は速いと前に本で読んだことがあったが・・・

実際はもっと速く

そして・・・・・重かった

「ティ・・ティアさん・・その、それくらいにしたほうが・・・」

集まっていたメンバーの一人エリオが止めとうと説得するが

「あんた・・・裸で一周したい・・・?」

「・・・・ごめんなさい」

エリオ撃沈

まるで親の仇を見るような・・とはこのような目なのだろう

「ティアさん落ち着いてください・・・えと・・多分はやて部隊長も冗談で賭けただけですよ・・・?」

エリオと一緒に来ていたキャロがフォローするが

「あんた・・・さっき聞いたような水着着る気?」

「・・・すいません」

キャロ撃沈

「だ、大丈夫だよ!私たちなら勝てるよ!ティアも居るんだし!」

「AAがオーバーSに勝てる?ええそうね普通ならなんとかなるかもね。でもね相手は「あの」部隊長と隊長陣よ?」

「・・・・・無理・・・かも・・・・」

スバル撃沈

そこでようやく俺が立ち上がる

「まぁ気にしてもしょうがない。勝てるようにがんばろうぜ?なるようにしかならないんだから」

「・・もう一回飛ぶ?」

ヤヴァイ

目がマジだ

「勝てます」
「おそらく勝てますわよ~♪」

不意にレナとセラスが告げた

「・・・・その根拠は?」

ティアナが二人を睨みつける

レナ達は揃って

「あなたが居ます」
「あらあら、あなたが居ますわ♪」

「「「「・・・・・・」」」」

4人はしばらく固まってしまった

沈黙をやぶるようにティアナが言う

「あのね!私が居るだけで勝てるなら苦労なんてしないのよ!大体それのどこが根拠!?」

「俺達にはそれが十分なかてる根拠なんだよ」

「・・・・」

俺が自信満々といったように笑ってやると

「もうわかったわよ。それで?」

「それで、とは?」

「あのね・・当然勝てる根拠があるということは何か策くらいはあるんでしょ?」

「ないよ?」
「ありません」
「考えてませんでしたわ♪」

「黙ってもう一回飛べ」

ティアナの腕が上がり握りこんだ拳が胸よりさがる

そして腰が円を描くように腕と見事な回転軸を作る

完璧なフォームから出される拳

スバルの言っていたティアナはクロスも出来ると言っていたのは「クロスも」ではなく「射撃も」と言い替えたほうが良いんじゃね?と思いながら

避けた

「・・・・なんで避けるのよ?」

「二発目は流石に俺も飛ぶが意識も飛んでしまいそうだったので」

「記憶も飛ばす?」

「・・・勘弁してくれ」

「・・はぁ・・・・もういいわとりあえず作戦でも考えましょう」

どうやら拳という名の凶器を収めてくれるらしい

事が収まったのを確認してエリオとキャロが声をかけてくる

「だ、大丈夫ですか?凄い飛んでましたけど」

「いま回復魔法をかけますからまってください」

エリオに何とかな、と声をかけ魔法を使おうとしているキャロを制止する

「たいしたこともないから回復魔法はいいよ」

キャロは心配そうな顔をしながらも聞いてくれたようだ

「そっくりだな」

そう呟いた俺に

「まったくです」
「あらあら、当然です♪」

二人は俺の独り言に答えると倒れた時に付いた埃などを俺から掃ってくれた

「すまんな」

俺がそういうと二人は笑顔で返した

「そういや自己紹介がまだだったな。俺は不和晶、晶でいいよ」

エリオとキャロは慌てて

「エリオ・モンディアル二等陸士です」

「キャロ・ル・ルシエ二等陸士です」

二人はきれいな敬礼をする

「こっちは俺と一緒で今日からここで世話になる・・・」

「レナ・スティングレイ三等空尉です」

「セラス・レイナード三等空尉です」

レナ達も敬礼で返す

「私たちもレナ、セラスと呼んで下さって結構ですよ」

「そのほうが嬉しいですわ♪」

エリオとキャロはなんとも無邪気な笑みを作る

「はい。ではレナさん、セラスさんと呼ばせていただきます」

「これからよろしくお願いします!」

よろしくと言って自己紹介を済ませると

「それくらいにして一緒に考えてくれる?」

ティアナが目からレーザーが出そうなほど俺を見ていた

「わかってるからそんなに怒らないでくれ」

「私もこれ以上今日初めて出会った人間をこれ以上殴りたくないわよ」

俺は苦笑しながらティアナの座っている机に寄っていく

「予想より軽かったですね」

「あらあら、あの方はいつも肝心なとこで晶に甘かったですからね♪」

皆には聞こえないように俺の後ろに居る二人は勝手なことを言っていた

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「まずはポジション、これは言わなくてもわかってると思うけど・・・」

ティアナは俺をちらりと見る

「大体把握している」

ティアナは頷くと次々と作戦案を言っていく

俺達は驚かされた

俺達三人はティアナのことを知っている

彼女が後に優秀な執務官になることも知っているし非常に頭が切れることも知っていた

だがそれは執務官で培われた経験や理論で裏づけされた賜物だと思っていた

しかし違う

彼女は自分のことを凡人だと言っていた

違う

これはそんなものではない

確かに彼女は凡人だったのかもしれない

だが彼女はもうそんなものではない

これは魔力うんぬんではない

彼女は明日の模擬戦というゲームを「支配」しているような感じだ

彼女はもしかして気づいていないのか?

この類稀なる演算能力

そして個々の能力の細部まで把握している「眼」

そして・・・・・・明日の模擬戦での作戦

(驚いたな)

(そうですね)

(まさかこれ程とは思いませんでしたわ)

俺は二人に念話を送っていた

(これが凡人の力だってよ)

俺は皮肉を込めて言ってやった

(凡人が聞いて呆れます)

(マルチタスクとはよく言ったものですわ♪)

(だな)

そんなことをしていると

「あなた達にはこれをやってもらうわ」

「了解。上手くできるかは自信がないが・・・・成功させてやろうじゃないか」

口元を吊り上げる

「出し惜しみは無しよ」

ティアナもニヤリとしながら皆を見る

エリオとキャロはあれこれと考えているようだ

スバルは・・・・

「えと・・・・ごめん。もう一回・・・・お願い」

「・・・この馬鹿!」

やっぱりスバルだった

ティアナがスバルに説明しているのを横目にエリオに喋りかけた

「エリオ~」

「あ、はい。なんでしょう?」

「とりあえず覚悟決めとけ」

「へ?」

「へ?じゃない。明日は裸になるんだ、キャロに了承ちゃんと取っとけよ」

「ちょっ!なんでキャロが出てくるんですか!?」

エリオは顔真っ赤だ

「あれ?違うの?」

「だから何がですか!?」

「キャロ・・・可哀想に・・・・」

キャロは

「どうしたんですか??」

鈍い・・・・この子はそんな所まで母に似たのですね

「いや、気にすることではないよ」

「??」

キャロはティアナに先ほどの作戦案で聞きたいことがあるのかティアナのほうえ行った

「エリオ・・・頑張れよ」

「だからですね!ぼ・僕たちは別にそんなんじゃ・・・」

そう言うとエリオは口ごもってしまう

何とか落ち着こうと手元に置いてあったスポーツ飲料に手を伸ばす

「なぁエリオ」

「はい?」

「話に聞いたんだけど前にさぁ6課で地球にロストロギアの捜索で行ったことあったんだろ?」

「あ、はい。あの時は地球でなのはさんのお姉さんやフェイトさんの親友とかが居られて楽しかったですね~」

「ほうほう」

「それと、はやて部隊長の手料理とかも凄く美味しくてびっくりしました」

「そうか・・・」

「それがどうかしたんですか?」

「ふむ・・・実はな・・その時皆で銭湯に行ったと聞いてな・・」

「・・い・・・行きましたよ?」

「なんで疑問系なんだよ」

「・・そうか・・」

「「・・・・・・」」

沈黙が流れる

向こうではまだティアナが説明しているのを確認

そしてレナ達もそちらに気がいっているようで俺の事は目に入っていないことを確認する

「単刀直入に聞こう」

「・・・・・・」

エリオは顔を真っ赤にしながらなんとか落ち着こうとドリンクに手をのばし

「誰が一番でかかった?」

そして落とした

「ななななななななな何のことですか?!」

「ほぅ・・シラきるのかねエリオ君?」

「ぼ・ぼぼぼ・・僕はそんな・・・女性の胸の大きさなんてみてません!」

「・・・・見たんだな?」

「見てません!」

「見たんだな?」

「見てません」

「見たな」

「・・・・ごめんなさい」

「うむ」

「個人的にはシャマル先生がトップかもと思っていたのだが・・・先ほど見た限りではフェイト隊長も凄かった」

「!?!?」

「そしておそらくシグナム副隊長はそれ以上かもしれん・・・」

「な!?なな!?」

「そこでだ!」

「!?」

「実物を見たエリオ・モンディアル二等陸士よ」

「・・・・は、はい」

「ティアナはどうだった?」

「えと・・・その・・・結構な御手前でした」

「そうか・・・」

「はい・・・」

「で、でもでもなのは隊長とかも凄かったですし、それにフェイトさんも負けていません!」

すげぇよ・・・漢だなエリオ

みてくださいフェイトさん!貴方の息子はすくすくと順調に育ってますよ!

「そ、それにアリサさんとかも凄かったです!」

「!?・・・それはフェイト隊長の御友人だな?」

「・・・」

エリオは無言で頷く

「そうか・・・エリオよ・・これからゆっく」

ゆっくり飯でも食いながら語ろうと言うはずだったのだが




俺は飛んでいた・・・・・



俺の右顔面を見事に茶髪ツインテールの自称凡人は捉えていた

俺は飛びながら意識が遠のくのをなんとか堪える

・・・・が!

俺の飛んでっている方向になぜかレナとセラスが居る!

レナの前を飛んでる俺が通過しようとしていると何とも無機質な笑顔がそこにあった

レナは飛んでいく俺の背中を蹴り上げる

見事なボレーだ・・・

だがしかし!

このままでは終わらん!

終わらんよ!!

ボレーキックを受けた俺の体は垂直に上がる

俺は姿勢制御して天井に足を着いてその勢いを利用して扉まで跳躍する!

・・・・はずだった

垂直に上がり始めた体を制御しようとしたとき・・・

セラスが待ち構えていた

美しく微笑みながら俺のレバーめがけて神速のフックが入る

重力に逆らえず見事に床に直撃

「・・・あんた今エリオと何はなしてた?」

その目でマジで人が殺せそうだった

「晶・・理由は問いません・・・沈んでください」

「あらあら、晶ちゃんたら・・・お茶目はいけませんよ?♪」

薄れていく意識の中見えたのはエリオが真っ青になり泣きそうになりながら全身を震わせている姿だった・・・













[4755] Lost Memory ACT7
Name: アフロディーテ◆72310edc ID:4d488239
Date: 2008/12/07 05:24
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これは夢の中の現実か・・・・?

これは現実の中の夢なのか・・・?

俺は今どこに居る・・・・?

俺は今・・・どっちに居る・・・?

俺は・・・・今・・・・

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「おね・・が・・い・・・この子・・・を・・おねが・・・い・・」

そう言って女性「だった」人の傍らには今生まれたと思われる赤ん坊が居た

その赤ん坊は泣いている

悲しいのかお腹が減ったのか・・・

いや、生まれたばかりなのだから違うのだろう

ただ泣いているだけ

自分はココにいるのだと

自分は生きているのだと

赤ん坊の傍らに女性だった死体

赤ん坊の前には6人の女性と1匹の狼がいる

しばらくすると3人の女性を残して皆どこかへ行ったようだった

銀髪の黒い翼がある女性が「俺」に近づいてくる

まだ俺は泣いている

女性は俺を抱きかかえると涙を流し始めた

後ろに居た女性二人も俯いてはいるが泣いていた

「ごめんな・・・ごめんな・・・!うちらがもっと早く着いてれば・・・!」

俺を抱きかかえている女性は優しく・・・そして強く抱きしめてくれた

そんな俺を「俺は」見ている



そうか・・・これは現実という夢か・・・

そう気づいた時、急速に夢の中の自分が覚醒していく


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「晶~そっち行ったら危ないで~」

「大丈夫だよ!ママたちと一緒だもん!」

晶と呼ばれた少年は二人の女性の手を引っ張って走っていく

それを見ている女性は優しく微笑んでいた

「なんや晶を取られたみたいやなぁ」

微笑んでいた女性はそんなことを言って笑っている

「久しぶりやなぁ・・・こんなゆっくりするの」

「はやては働きすぎ」

「おわ!?ヴィータおったんかいな」

ヴィータと呼ばれた小柄な女の子は晶の方に目を向けている

「あいつもでかくなったな」

「そらもう9才やしなぁ」

ヴィータにはやてと呼ばれた女性は屈託無く笑う

「うちら三人が「ママ」なんやから絶対幸せにしたるでぇ!」

「はやてになのは、フェイトまで保護責任者とはな・・晶も幸せだろうよ」

晶がヴィータに気づいて走ってくる

「ヴィータ姉ちゃんも遊ぼう?」

「おう!良いぜ!キャッチボールでもするか?」

「うん!」

ヴィータが晶と広場に行ってボールを投げ始めた

「にゃはは、晶はいつも元気だね」

「男の子だしね」

「元気なんは良いことや」

晶がヴィータとキャッチボールするのを見ていると、なのはちゃんとフェイトちゃんが近づいてきていた

「もう9年やねんな・・・」

「そうだね・・晶に言わないと・・・だね」

「でも・・・まだ9才だよ・・・」

晶の本当の母親が死んで9年

あの子を私たちの家族にしてから9年

色々なことがあった・・・

親が三人・・・というか母親が三人というせいか周りから好奇の視線でみられることもあった

晶の瞳の色が珍しい事であの子がイジメられることもあった

そのせいであの子はサングラスをかけるようになってしまった

そして・・・・

「あの子の側に行かんでええの?」

うちが少し大きな声をあげて離れたベンチに座っていた二人に声をかける

すると二人はうちの側まで来て

「晶様は今ヴィータ姉様と遊んでおられます。私達が居ては迷惑かと」

「晶ちゃんが呼ぶまでは見ていますわ♪」

この二人・・・

晶が3才になるころに突然目の前に現れた

別におかしい事は無い

自分もそうだったのだから

晶はうちと一緒で「主」に選ばれたようだった

うちは「夜天の書」

晶は「光輪の書」

この光輪の書というのは、うちの夜天の書と同じ時期に作られた物だそうだ

もちろん捜索指定ロストロギアだったのだが、うちら三人が保護責任者で後見人にカリムとクロノ君にリンディ提督がついてくれたおかげで週に一回の本局で検査と、本局の目の届く範囲での生活ならば・・・ということでうちらと家族になった

管理局としては未来の「戦力」を出来る限り目の届くところにおいておきたいのだろう

それというのも晶の魔力はすでにうちらを超えている

6才になるころには魔力だけならAAクラスだった

8才になったころにはティアナ達は言うに及ばずオーバーS以上に・・・

今では晶のせいでSSSクラスという馬鹿げた魔力クラスが出来てしまったほどだ

晶の光輪の書は体の中に存在していて晶が呼ぶと出てくる

そしてなんとも驚いたのが・・・すでに蒐集は完了していたということだった

光輪の書の管制人格「ルナ」(晶がそう呼んでいる)曰く

「実は毎日少しずつ皆さんから蒐集してましたwてへ!」

てへ!っちゃうっちゅ~ねん!

光輪の書は夜天の書と違い同じリンカーコアから何度でも蒐集できるというなかなかのインチキ魔道書だ

どうりで毎日なんとなく気だるかったわけやわ!

上からどんなけ怒られたことか・・・始末書も今まで見たことも無いような枚数だった・・・

まぁそんなわけで管理局は晶を武装局員として迎えたいそうだ

んなことさせるわけあらへんけどな♪

「はやて様」

そんな事を考えているとレナが声をかけてくる

「ん~?」

「はやて様は晶様にお伝えするのですか?」

「それは・・・」

一呼吸おいて

「ゆうで」

「何故です!?晶様は今のままで良いではありませんか!?何故わざわざ過去をむしかえす必要があるのです!?」

「晶に幸せになってほしいからだよ」

答えようとするうちの代わりになのはちゃんが横から入る

「晶には過去と向き合い、知ってもらって・・・それでも私達をママと呼んでほしいから」

なのはは晶を信じている

いや

「私ね・・・晶のこと好きなんだよ」

フェイトも晶のことを愛している

「っ!そんな事はしって「レナはそこまでよ♪」」

レナは知っているて言いたかったのだろうがそれはセラスに遮られる

セラスは普段めったなことではしない顔でレナを見ている

「レナ、よくお聞きなさい。はやてママもなのはママもフェイトママも苦しいのですよ?三人とも晶ちゃんを本当に愛してくださっています。そんな事は知っている?ならば何故あなたは理解しようとしない。晶ちゃんを愛しているのは私たちだけではない、はやてママ達は晶ちゃんのことを一番に考え、そして下した結論です。そんな事がわからないあなたではないでしょう?」

「・・・・しかし!」

「しかしもかかしもありませんわ」

「レナ、晶ちゃんを信じてあげなさいな♪あの子は答えてくれますわよ♪」

レナは暫く目を瞑っていたが・・・

「はやて様・・申し訳ありませんでした・・・わかってはいたのですが・・」

「かまへんよ。私もこの事でなのはちゃんに咬みついたことあるしなぁ」

はやてはちらりとなのはを横目でみた

「にゃはは あのときのはやてちゃんはすっごい怖かったんだよ~」

「あの時はやてはリインとユニゾンしてて力ずくでも自分の意見を押し通すつもりだったみたいだしね」

なのはに付け足すようにフェイトが続いた

レナははやての方をみて驚いていた

「うちもな最初はレナと同じやったんよ」

「今ある幸せをわざわざ潰すようなことなんでしなあかんねん!?て言ってななのはちゃんといつのまにか喧嘩してた」

「でもなのはちゃんがな・・・「それでも本当に晶が私を愛してくれたらもっと私は晶を愛せる」て言われてなぁ」

「そこで折れてもうたわ」

「あの子が・・・晶がそれでもうちらをママと呼んでくれるなら全てをかけて愛そう・・・そう決めたんや」

「拒絶されたらどうされるつもりですか?」

「その時は・・・死をもって償うかな?」

レナは観念した

この人たちは本当に晶様を好きなんだ・・愛しているんだなと思う

ならば私は見守ろう

晶が未来を見失わないように・・・

「あらあら♪すっかりおとなしくなったわねレナ♪」

「私は晶様を愛していますから」

自信満々にレナは応える

「むっ!晶はやらんで?」

はやてはレナを睨む

「あ、晶にはまだ・・・その・・早いよ」

フェイトは少し顔を赤らめてレナを見た

「どっちでも良いよ~晶が幸せなら」

なのはは笑っていた

「な!?何故ですか!?セラスも何か言ってください!」

「あらあら♪晶ちゃんは私のですよ?」

「セラーーーーース!」

皆笑っている

この時はアレが起こるなんて想像だにしなかった・・・・











[4755] Lost Memory ACT8
Name: アフロディーテ◆72310edc ID:4d488239
Date: 2009/02/24 05:47
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その日は皆どこかそわそわしていた

一体なんなのだろう・・

「レナとセラスは何か知らない?」

事情を知っていそうな二人に聞いてみるしかないか

「申し訳ありません」

「あらあら、そのうちわかりますわよ♪」

む~・・知っているけど教えないということか

ならば仕方ない

「ルナ」

俺は手を出して本を具現化する

「なんですかマスター?」

「どうやら皆が俺に隠し事しているらしい」

「はぁ・・・」

「何か知っているなら教えてくれ」

ルナなら何か知っているだろうと俺は思い聞いてみたのだが

「知ってるけど駄目です」

「おいおい・・・」

「マスターはオトナシク外で遊んでてください」

こいつら本当に俺の守護騎士なんだろうか・・・何とも冷たい対応に泣けてくる

「ああ!もうわかったよ!んじゃちょっとクリスのとこでも行ってくるから帰りは少しだけ遅くなると思う」

クリスとは三年ほど前に学校でクラスメイトになった女の子だ

何度か家に遊びに来いとは言ったのだが何故か断固として拒否されていた。そのときの表情は少し怖がっていたようだが何故だろう?

後にセラス曰く 「御三方の監視と教育と「躾」が見事に機能していますわね♪」

後にレナ曰く 「晶様・・・御自分が女性と話しておられる時のはやて様とかを見たことありますか?」

後にヴォルケンズ曰く 「死者が出なかったのは奇跡だな」「「「まったくだ」」」

んな事は露知らず俺は遊びにでも行こうとすると

「三時間です」

「その時間内で帰ってきてくださいね♪」

無茶言うなよ

「まってくれ・・・それはつまり・・・行ってスグに帰ってこいと・・?」

クリスの家まで行くので一時間

つまり往復で二時間

「遊ぶ時間ないじゃん!?」

「それは残念です」

「あらあらどうしましょう♪」

この野郎・・・・

「わかったよ・・・ゲーセンにでも行って少し遊んでくる」

ゲーセンなら20分くらいで着くだろうし適当に時間つぶしもできるだろう

「駄目です」

「なんで!?」

レナは厳しい目で俺を見ている

俺なにも悪いことしてないのに睨まないで!

「晶様はあのような場所に行くべきではありません!」

きた・・・レナの説教タイム・・・・・

「空気が悪い、ガラが悪い、不健康極まりないです!それに・・・・・・・・」

レナが何か言っているようだがここはスルーだな

しかし困った。遊びにいけない、でも時間はある

お!そうだ

「そういえば家でも遊ぶ道具があったな」

うむ、これならば何とかなるだろう

「晶ちゃん、家で遊ぶのならば部屋から出ないでくださいね♪」

「はい?」

いやいや何でさ!?

「トイレとかどうすんの!?」

「我慢で♪」

笑って言うことじゃねぇ

「ルナ・・・俺なにかした?」

「マスターは何もしてないですけど・・・」

三人に我慢しろと言われればもう何もいえねぇ

「はいはい、わかりました。部屋で一人で遊ぶからレナ達はもういいよ」

もういいから部屋から出ろと冷たく言い放つと

「・・・・・・」

レナが泣きそうだ

「・・・・晶ちゃん」

セラスも困っているようだ

ああもう!

「ごめん・・言い過ぎた」

「部屋でおとなしくしてるからセラス達もゆっくりしててよ・・・・な?」

途端にレナの顔が戻る

セラスはニコニコしていた

それから俺は一人で部屋に閉じこもって?パソコンをいじって遊んでいた

何をしていたかは・・・まぁ何というか18き・・・げふんげふん

まぁゲームをしていたわけだ

前にそれで遊んでいたときに、なのはママが部屋に来て見られたことがある

そりゃもう恐ろしかった

寝巻き姿から一転してバリアジャケットに身を包み俺の大事な自作PC第一号が見事にお空の星になった
その後俺は二時間近くもアクセルシューターに追い回されるはめになった
詳しい話はまたいずれ・・・・

そんなこんなでゲームをしていてふと画面右下の時計に目をやる

「三時間近くたったのか。んじゃそろそろ大丈夫だろう」

そう思い部屋の外に音が洩れないようにヘッドフォンをしていたのを外して席を立つ

後ろを向いてドアの方向へ向こうとしたそのときだった

「晶・・・何をしてたのかな?」

おいまて・・・俺は部屋に鍵をしていたはずだ

なんでここにフェイトママがいるのかな?

「さっきその画面に居たお兄ちゃんて誰のことかな?」

考えろ

「晶は妹が欲しかったのかな?」

欲しい!いやまて今はそれどころじゃねぇ!

考え抜け俺!

「フェイトマ「ズドォーーン」・・・」

「マ」と言おうとしたら俺の部屋の右側が大きな換気口が出来てました

俺のPC第二号はどうやら塵になられたようです

「どうしたの晶?」

笑顔が怖い!こんなフェイトママみたの初めてです神様!

「お・・おおお・お、俺はフェイトママが好きです!」

「へ!?」

よし!掴みはOKだ

「愛しています!」

「え・・・えええぇぇぇぇぇ!!??」

フェイトママに効果は抜群だ!

あとは・・・

「あ、晶!?」

俺はフェイトママに抱きついた

「ごめん・・・ママ」

「晶・・・」

フェイトママは俺に手を回し抱きしめてくれた

「ごめんね晶・・寂しかったんだよね」

フェイトママは泣いていた

ちょ!なんで!?あれ!?誤魔化すだけのはずがなんでママは泣いていますか!?

「仕事ばっかりで構ってあげられなくてごめんね・・・・」

んな事あるかぁ!フェイトママはいつでも構ってくれる

確かに休みは少ない

少ないけどそれでも俺の為に休みを作っては構ってくれる!

「フェイトママ・・・」

俺は力いっぱい抱きしめた

そして

「えと・・・お邪魔だったかな・・・?」

ナイスタイミングだ!なのはママ!

「あははwフェイトママに甘えてた」

「ずるいで!」

おおう・・はやてママも一緒ですか

「さぁ!晶こっちや!」

いや両手広げて準備万端になられても困る

フェイトママを見上げるとニコニコしていた・・・行けってか!?

覚悟を決めるか・・

ボスッとはやてママの胸に顔を埋める

するとはやてママは頭をなでてくれた

すると

「えと・・・やっぱり私もしたい」

ちぃ!これが集団心理てやつかなのはママ!

まぁ三人のママにもみくちゃにされてやっと開放されたわけだが


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「それでママ達はなにしてたの?」

「それはこれからわかるで」

何がなんやら・・・

連れられてリビングに来た瞬間

パンッ  パンッ

「ハッピーバスデー晶!」

「「「「ハッピーバースデー!」」」」

お?おお?おおおおおお????

「おめでとう晶」

フェイトママ

「ハッピーバースデー晶」

なのはママ

「おめでとうな晶」

はやてママ

まずい・・・泣きそうだ

「晶様おめでとうございます」

「晶ちゃんおめでとう♪」

「マスターおめでとうございます」

ちくしょう・・・・ヤバイ

「お?晶泣いとるで!?」

ちょ、言うな!

「泣いてない!」

また三人のママにもみくちゃにされてしまった

この日はヴィータ姉ちゃんやシグナム姉貴とかシャマル姉さんはママーズの代わりに仕事だったそうだ

それでも夜にはちゃんと顔出してくれた

あざーすっ!

そしてそれも終わりに近づいたころ・・・・




































皆静まり返っている

どうしたのだろう?

「ママ達なにかあったの?」

気まずくなって声を発していた

「「「・・・」」」

沈黙しか流れない

最初に口を開いたのは・・なのはママだった

「晶にね大事な話があるの」

大事な話?

何故か聞いてはいけない・・だけど聞かなくてはいけないような

「本当はね・・もっと前にするつもりだったんだけど・・・落ち着いて聞いてね?」

「・・・・わかった」

告げられた事実は・・・・

正直痛かった

嘘だと言ってほしかった

これは夢なんだと・・

結構・・・いや、かなり堪えた

今までのことが・・・信じられなくなりそうだった

「・・・・そっかぁ・・・」

「「「・・・」」」

「晶様・・・」

「晶ちゃん・・」

それでも

「・・ママはさ・・・」

それでも良い

「ママは・・俺のこと嫌いになっちゃった?・・・」

それでも

「晶様!」

「晶ちゃん!」

それでも俺は・・・

「でも・・・ごめん・・・」

俺は!

「やっぱり・・さ・・・ママ達のこと好きだ」

「好きなんだもん!嫌いになれないもん!一緒にいてほしいもん!」

俺は完全に駄々っ子と化してしまった

泣きじゃくって・・鼻水たらして

それでもママ達に一緒にいてほしい

「嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ!やだ!離れたくない!一緒に居たい・・・ママといたい・・いた・・い・・ょぉ・・・」

っドンっ!

突然柔らかい衝撃に包まれた

「っあ・・・ぅ・・?」

「絶対や・・・絶対にずっと一緒にいたるさかいな・・もう絶対に離さんからな!!」

「晶は絶対に私から離れちゃ駄目だよ?ダメなんだからね!?」

「護るよ・・いつだって!どんな時だって必ず晶を護ってあげるから!」

いつのまにか・・三人に・・・ママに抱きしめられてた

「ぜっ・・・絶対に・・離さないもん!ママと一緒にいるもん!愛してるもん!」

「うちらのほうが1万倍愛してる!」

「違うよ・・一億倍だよ!」

「みんな違うよ!一兆倍だよ!」

優しさに包まれて・・・おれは眠る

今日ほんとうのママになった三人に包まれて・・・・・













[4755] Lost Memory ACT9
Name: アフロディーテ◆72310edc ID:4d488239
Date: 2008/12/12 06:04
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あの誕生日から3年がたった

俺は今でも普通に魔法学校に通っている

実はあの日からしばらくして俺は武装局員になってママ達の仕事を手伝いたいと言ったら

はやてママには泣きながら合計20発以上の平手をもらった

フェイトママは普段飲まないお酒を飲んで泣いた

なのはママは俯いて無言で・・・・やっぱり泣いてた

俺ははやてママに貰った平手のおかげで両頬を真っ赤に腫らして鼻から赤い何かが出てるというシュール極まりない状態で

「ごめんなさい・・・もう二度と言いません」

ママーズはさっきまで泣いてたとは思えないほどの笑顔で抱きしめてくれた

それでも最低限の魔法の使い方と自分を守れるだけの力がほしいとお願いすると

「ほんま晶は融通の利かん子やなぁ」

「晶は誰に似たんだろうね」

「にゃはは~ 私じゃない・・・・よね?」

ママーズは苦笑しながら答えてくれて、その日の夜から数時間の教導を毎日交代でしてくれるようになった

というわけで

「それじゃ晶また明日な~!」

「お~またな」

現在学校の放課後

俺は一枚のプリントを片手に悩んでいた

プリントには授業参観の御案内とと書かれている

「今回ばかりは誤魔化せねぇ・・・」

プリントの下には

三者面談も行いますと書かれていた

「うちの場合は五者面談だな」

今までは忘れてただのプリント無くしただの言って誤魔化してきたがこれは無理ぽい

出来るだけママーズの仕事を邪魔したくなかったし何より

「先生が緊張するような面談に意味あんのか?」

はやてママは准将

フェイトママは執務官(執務官の中でも大佐クラス)

なのはママは一等空佐

このメンツで正面きって話せる人間がこの学校にいるわけねぇ・・・

「とりあえず帰るか」

校門を出た俺はレナとセラスをみつける

「ただいま」

「お勉めご苦労様です」

「おかえりなさい♪」

レナの893みたいな返事はスルーに限る

「んじゃ帰ろう・・・・ん?」

「どうなさいました?」

「晶ちゃん?」

あれ?クリスじゃね?

地面に膝なんかついてどうしたんだろう?

気になった俺は声をかけてみた

「どうしたクリス、探しものか?」

「あ、晶君・・・・実はサイフ落としたみたいなの・・」

「まじか!?ヤヴァイじゃないか!」

「・・・・ぅぇ・・どうしよう・・」

泣かれても困る

「定期とかもその中か?」

「・・・・うん」

どうしようもねぇな

「レナ、セラス」

「「はい」」

「この近辺100mくらいにサーチかけてみてくれ」

「御意」

「了解ですわ♪」

「すまないなクリス、少し待ってくれ」

「う・・うん」

しばらく待つこと1分

「この辺りにクリス様の魔力は感じられませんでした」

「う~ん・・恐らく逃げられましたね」

クリスは半泣きになってる

頼むからそんな目で俺をみないで!

「わかったから泣くな・・・」

「どうなさいますか?」

「あらあら、困りましたわね」

仕方ない・・・飛ぶか

「クリスつかまれ」

ほれ、と手を出す

「え?」

「え?じゃない。飛ぶんだよ」

「ええ!?無理だよ!」

「人一人ぐらい何とでもねぇよ」

「いや・・そうじゃなくて・・・」

なんで俺が飛ぶと言っただけでこんな怯えるかな・・・それとも何か!?俺には触れられないてか!?

泣くぞ!?まじで・・・・

「はぁ・・・すまなかった・・俺みたいな男には触られたくないだろうがこれしか思いつかなかったんだ」

「ち、違うの!わたし晶君のこと前から・・ひぃ!」

何が違うんだよ・・・んな怯えた顔された挙句にんな声だされたらすげぇヘコム

「もういいよ、避けられるのなれてるから」

精一杯笑顔を作るも彼女は俺を見ていなかった

俺は財布から金を取り出してクリスに渡す

「最初からこうしてれば良かったな、ごめんな。」

「だから違・・!ぃひっ」

その反応を見て俺は

「ちくしょうーー!!」

全力で走った

いつになったら俺にモテ期はくるんだ!?

そんな事を心の中で叫びまくった

この時なぜ怯えていたか後に向かいのアイスクリーム屋にいたスバル曰く 「レナさんが女の子見ながらデバイス磨いてましたよ?」

道連れにアイス屋に連れてこられたティアナ曰く 「セラスがニコニコしながらデバイスを野球の素振りみたいに振ってたけど何かあったの?」

ティアナ達に話を聞いたヴォルケンズ曰く 「今まで一回も巡回局員に捕まってないのが不思議だ」「「「同感」」」

ママーズ曰く はやてママ「レナとセラスは良くやった!」 フェイトママ「晶にはまだ早いよ!」 なのはママ「にゃはは~♪」

何故なんだー!?俺が何をしたー!?

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「晶~ご飯にするで~」

「今いく~」

はやてママに返事をして俺は部屋から出る

「おっと、これを持っていかないとな・・・」

ん?今日は焼きそばか

キッチンの方から匂いがする

リビングに行くとフェイトママがお皿を用意してた

こらこら・・それくらいは俺がするから休んでてくれ

「フェイトママは座っててよ。俺が並べるから」

「それくらいは私もするよ?」

「いやいや、それくらいだから俺がやるんです」

フェイトママから皿を奪い並べ始める

自分から仕事を奪われて手持ち無沙汰なママさんは何とか仕事を見つけようとキョロキョロと周りを見ている

いや・・だからね少しは休めよ!

「だからフェイトママは座って少しはやんでください・・・ね?」

でも・・と食い下がるママを無視して皿を並べ終えた俺ははやてママがいるキッチンへ突撃

なんじゃこりゃぁ!

「はやてママ・・・作りすぎ・・・・」

半端ねぇよ!とんでもねぇよ!多すぎだよママン!

「いや、晶も大きぃなったからこれくらい食べるかなぁおもてw」

軽く10~12人前くらいあるんじゃね?無理決まってるべ?

ヴィヴィオねぇねぇが居たら何とかなったかもしれんが(ヴィヴィオねぇねぇは女のわりに食うんだよな)

ねぇねぇは現在、なのはママの実家で喫茶店の店員をしてるそうでまったく帰ってきません!なのはママが嘆いてました!

おっと話がずれたね

「いやぁ・・流石にこれは・・」

「・・・ぅぅ」

くそ!そんな顔しないでママ!

・・・・やってやらぁ

「余裕!超余裕!はやてママ最高!」

「やろ!?」

やろ!?じゃねぇよ!

とりあえずこれ運ぶか

「よいしょっと」

重い・・・・こいつぁデンジャーな重さだ

なんとか無事にリビングにこのモンスター焼きそばを送り届けることに成功したぜ

「はやてちゃ~ん、買ってきたよ~」

ん?なのはママが帰ってきたようだ

「ナイスタイミングやなのはちゃん」

何を買ってきたんだろう・・

気になって覗いてみたら大量の生姜と鰹節だった

これまた凄い量だなオイ

とりあえず皆自分の席について

「「「「「いただきます」」」」」

いつのまにかちゃっかりレナとセラスが居た

とりあえず着々と焼きそばを減らしていた俺はふとあの事を思い出してポケットに入れてたプリントを出す

「ママこれ・・・」

「なんや?」

「なになに?」

「どうしたの?」

ママーズは一枚のプリントを食い入るように見つめてる

そんなに見てると穴があきそうだなと思いながら俺は焼きそば完食を目指す

「キターーーーーーー!」

ビクッ!

び、びびったぁ・・何があったんだ?

「きたできたできたで!なのはちゃん、フェイトちゃん、気合いれや!」

「まかせてはやて!」

「全力全開だよはやてちゃん!」

はい?気合?全力全快?まかせろ?

・・・・・俺は知らない何も見てない

「晶まかせときや?」

「何を!?」

「晶にバッチリええとこ見せたるさかいな!」

いや・・俺が見せるとこでしょそれは

「晶・・私がんばるからね!」

フェイトママ・・・流されちゃ駄目です!

「晶!全力全開だよ!」

頭いてぇ・・・

誰か止めてぇ!この暴走ママーズを止めてくれ!

ポンッ とレナが俺の右肩に手を置く

ポンッ とセラスが俺の左肩に手を置く

「「・・・・・・」」

振り向いた俺に二人は首を横に振るだけだった・・・


食事も終わって俺はママーズと風呂に入っていた

俺は・・・・マザコンなんだろうかと最近思う

というか物心ついたときから一緒に入ってたからこれが普通だと思ってた

ところが最近友人にこの話をしたところ

「晶、お前に言っておくことがある。絶対にこのことは誰にも喋るな」

「は?どして?」

「僕は決してこの事は口外しない。この話が終われば忘れることを君に誓おう」

「いや意味わかんないし」

「わからなくても良い。だがな僕は君の事が心配だから言わせてもらう・・・」

いつになく真剣な友人の顔におもわず俺も緊張してしまう

「寿命を縮めたくなければ・・これ以上敵を増やしたく・・・いや死にたくなければ絶対に口外するな?わかったな?」

「お、おう」

なんで死ぬのかはわからんがあまりに友人の顔が真剣だったために頷いてしまった

「それと晶、面白い物をみせてやろう」

友人はそう言うと写真を三枚みせてくれた

その写真にはそれぞれママーズが写っていた

ふむ・・・なんかバリアジャケットがいつものとほんの少し違う気がするが紛れもなくママーズだ

「これを見てどう思う?」

「いや普通にママ達だが?」

「そうか・・・ではこれはどうだ?」

また写真が三枚出てきた

ん・・これはいつものバリアジャケットだ。ママーズは気分によってバリアジャケットを変えてるのだろうか?

「どう思う?」

「まじで意味わからん。だいたい何でおまえがママ達の写真もってるのかもわからん。お前ストーカーか?」

「違うわボケ!・・・あのなよく聞けよ晶」

「だから何だよ?」

「最初に出した写真な・・・15年前の写真だ」

「・・・・」

「次に出したのが先週にあった戦技教導模擬戦の時の写真だ」

「・・・・・・まじで?」

「まじで」

「寝言は寝て言えよ?」

「昨日は9時間寝た」

「うちの知り合いに非常に腕の良い医者がいるが紹介してやろうか?」

「残念ながら間に合っている」

「・・・・・」

「・・・・・」

「ま・・・魔法?・・・」

「まぁそおいう事だ晶」

そうして友人は俺の前から去って行った

何がそおいうことなのか理解できないが・・・ママーズが若作りという事だけ理解できたぜ


そして現在に至るわけだが・・・・

「晶~頭洗ったるさかいこっちき~」

「あい~」

ガシガシとはやてママは髪を洗ってくれる

「んじゃ流すで」

「うい~」

ザパーと流してもらい湯船に浸かる

「晶こっちにおいで」

フェイトママに背中から抱かれるようにもたれかかる

向かい側にはなのはママが浸かっていた

「晶がプリント出してくれたのって何年ぶりかな?」

なのはママがはやてママに聞いてくる

「ん~・・二年ぶりくらいちゃうか?」

キッ となのはママが俺を見てくる

なんか怖いんすけど・・・

「な~んでいつも出してくれないのかなぁ?」

「晶は寂しがり屋なんだよね」

フェイトママは俺の頭を手を乗せて髪の毛弄って答えてくれる

「フェイトちゃん甘~い」

「え?・・そうかな?」

「まぁええやんか、今回はちゃんと出してくれたんやし」

はやてママはそういうとなのはママに寄り添うように湯船に入る

「む~・・はやてちゃんも甘~い」

「はは・・ごめんなさい」

謝る俺になのはママは

「もういいよ。こっちにおいで晶」

なのはママの所へいくとフェイトママと同じように背中から抱いてくれる

「ぬぬ、なのはちゃんずるいで~次はうちの番やとおもったのに!」

「にゃはは~ お風呂は戦場なのだ♪」

そしてたらい回しされた挙句にのぼせそうになった俺はフェイトママに抱き上げられて風呂を出れたので事なきを得た

風呂から出ると毎回レナとセラスが恨めしそうにママーズを見ているのはよくわからん






そしてとうとうこの日が・・・・参観日がきてしまった

もう朝からママーズの気合の入れようは尋常じゃなかった

三人ともこの日のために仕事を残業しまくって休みを取り、朝五時からメイク開始してドレスで着飾っていました

ママーズよ・・・いったいどこのパーティ会場にいくおつもりですか!?

「ごめんなさい・・・勘弁してください(泣)」

俺は何とか土下座で懇願し着替えてもらうことに成功したときは神に感謝した!

それでもママーズは一時間近くぶつくさ言っていたがそこはあえてスルーだ。あんな格好でこられたら俺が全力で逃げるわ!

んで俺も学校に行く準備ができたので

「気ぃつけるんやで」

「晶わすれ物はない?ハンカチ持った?ティッシュは?あとは・・ええと・・・」

「晶!全力全開だよ!」

朝から元気だなぁと思いつつ

「それじゃ行ってきます。学校で待ってるね」

俺はママ達にそう言って家を出る

「気合やで気合!」

「晶負けちゃだめだよ!」

「必ず護るからね!」

後でママーズはシャマル姉さんに診察してもらおう・・・絶対どこかのネジが逝ってると思われる







































そして学校に到着して授業参観が始まっても約束を破ったことの無い三人の姿はどこにも見当たらなかった・・・・・・・・





















 








[4755] Lost Memory ACT10
Name: アフロディーテ◆72310edc ID:4d488239
Date: 2008/12/15 08:22





「不和晶君、校門まで迎えが来ている。すぐに用意して行くんだ」

授業参観も残すところあと5分を切ろうとしていたころ突然教室に入ってきた校長にそう言われて俺は校門に向かう

教室はざわついていたが今はそんな事を気にしている余裕など俺にあるはずもなく・・・

「くそ!なんなんだよこの嫌な感じは!」

悪態をつきながら走って校門まで来た俺は迎えと思われる人影を見つけた

茶色いロングヘアーの女性が俺の方へ走ってくる

「晶!早く乗って!」

ティアナさんは手を取って車まで引っ張って行き車に俺を押し込んだ

「ティアナさんどうしたの!?」

「・・・・・」

「ママ達に何かあったの!?」

「・・・・・」

「今日授業参観に来るはずだったのに来ないし・・・!」

「・・・」

ちくしょう!なんで何もいわねぇんだよ!

どうしても嫌な感じが離れない

「ティアナさん!」

「黙って!!」

ビクッ と俺が怯えると

「・・・怒鳴ってごめん・・・でもお願いだから・・」

その言葉を最後に俺も黙り込んでしまった

車はパトランプみたいなのを回しながら猛スピードで走る

しばらくすると停車した

「降りて・・・」

「・・・はい」

そこは本局の医療施設だった

ティアナさんに連れられて俺は地下の部屋に案内された

ドクン・・・ドクン・・・・

なんなんだよ・・・

「最初に言っておくわ・・・死んでないわよ」

「・・・・え?」

ティアナさんが扉にカードを通すとプシュッと音を立てて扉が開かれた

開いた先には・・・・・



「・・・・・何なんですか?」

「・・・・」

「どういうことですか?」

「・・・・・・」



「答えろよ!なんなんだって聞いてんだよ!」

「静かになさい!」

ママ達は医療ポッドに入れられて眠っている

周りには俺には見たこと無い機械ばかりが並んでて ピッ・・ピッ・・と音を鳴らしてる

わけわかんねぇよ・・・なんだよこれ・・

「冗談だよね・・・?・・・・いつもみたいにすぐに笑ってくれるんだよね?」

俺はママ達に近づいていく

「・・・・今朝8時13分に第一種警戒態勢がひかれたわ」

んなことお前に聞いてない

「黒い大きな霧と共に現れた「あいつ」に管理外世界128が襲われた」

あいつ?

「そのまま「あいつ」は管理外世界97・・・地球に移動しようとしていることがわかった」

地球・・・・ママ達の故郷だ

「そして・・・はやて准将達は128で食い止めて地球を守ろうとしたの・・」

「そのとき何があったかは私はわからない・・だけど「あいつ」は止まった・・・」

「ううん・・・消滅した」

「一気に霧が晴れて・・・はやて准将達が・・・倒れてた・・・・・」

「すぐに救護班が駆けつけたけど・・・」

そう言うとティアナさんはママ達の方へ顔を向ける

「外傷は無し、ただ・・・」

ただ?

「魔力反応ゼロ・・・生命反応は生きているかどうかもわからないほど微弱・・・」

「・・・・はっきり言うと・・死んでいないだけ・・」

「ふざけんな!死んでない「だけ」?!よく見ろよ!ママ達はこうして今生きてんだろうが!」

ティアナの胸倉を掴んで俺は叫んだ

「だいたい「あいつ」てなんだ!?んなわけわかんねぇものにママ達が何されたって言うんだよ!?」

「・・・・・あいつは・・・ネクロマンサーよ」

「ネクロマンサーだ!?それこそ知るかそんなもん!ママは何されたってんだよ!」

「多分だけど・・・・ありったけの魔力を当てて霧ごと本体を消滅させたんだと思う」

ティアナは俺の手を払いのけて説明を続ける

「ネクロマンサー・・・通称は闇、詳しくはわからないけど霧に包まれたら魔力や生命力を根こそぎ食われるわ」

「それだけならまだ良いわ・・・その後食われた者は死んだまま動き・・・他者を食う・・・・・」

「・・・・以前にも襲われた世界があった」

「そのとき私達は・・・管理局は間に合わなかった!」

声を荒げてティアナは叫ぶ

「私達が着いた時には闇に食われた後で・・!・・人が人を食ってたのよ!」

「意味がわからない!?知らない!?よくそんなことがいえるわね!」

「あんたの仇だから!あんたの為だからはやて准将達は全てをかけて戦ったのよ!!」

お・・れ・・・?

「・・どう・・・・い・・うこと?」

何を言ってるんだ・・?

俺の仇?

俺の為?

わからない・・・

「あんたは・・!晶の本当の両親はあいつに殺されたのよ!」

ドクンッ

俺の両親?

ドクンッ

「・・・晶?」

あれ?

ドクンッ!

「何これ!?・・・晶!?」

殺された?

ドクンッ!ドクンッ!

「晶様!」

「晶ちゃん!」

あれ?なんでレナ達がいるの?

「晶様おちついてください!」

「晶ちゃん目を閉じて!」

目を閉じる?なんで?

「セラス!」

「わかっていますわ!」

セラスが詠ってる・・・綺麗な声だな・・・・・・

なんか・・・眠い・・寝ちゃいけないのに・・・・・ママ達を・・助けないと・・・・・・・・・・・・・・・・



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「間に合いましたか・・・」

「セラス助かりました・・」

ティアナは

「何が起こったの・・・?」

あの魔力の膨らみようは普通じゃない

「ティアナ様、この事は・・・」

「内緒で♪」

明らかに異常だ

「・・・SSSていうのは嘘ね?」

「「・・・」」

レナ達は答えない

「私が以前見たSSSクラスの魔力計数の比じゃなかったわ」

ティアナは二人を睨む

「危険なことは見過ごせない。どうなの?」

レナはティアナを睨みつける

「危険はありませ「危険ですわ♪」ん」

セラスが被せた

レナは標的をセラスに変える

「レナ、この方に嘘は通じませんわ♪」

「・・・・・」

ティアナはセラスを問い詰める

「どういう事?」

レナは一向に睨むのをやめない

セラスはため息を一つして語りだした

「晶ちゃんのリンカーコアはまだ成長段階で完成してません」

「完成してない?」

「はい。そしてコアが成長するにつれ魔力が高くなるのはご存知ですね?」

「馬鹿にしないで、それくらいは知ってるわ」

「では逆は?」

「逆?」

「ええ、魔力が高くなるにつれコアが成長する」

「ありえないわね。コアにあわせて魔力が高くなることはあっても逆はないわ」

「なぜです?」

「まず体がもたないわ、それにコアが許容量超えたら耐えられない」

「そうですわね」

「何が言いたいの?」

「ではコアが複数存在すればどうなりますか?」

「それこそありえないわ、コアはその人の魔力結晶よ。唯一無二の存在だわ」

「そんな事は聞いていませんわ♪ どうなるか?と聞いているのです♪」

「・・・単純に言えばエンジンを二つ装備してるわけだから膨れあが・・・る・・・・!?」

「やっとお気づきになれましたか?♪」

「まさか!?」

「はい♪」

「・・・・驚いた・・・・・・リンカーコアが二つとはね・・・・」

「いいえ♪」

「怒るわよ?あんた今自分で言ったでしょうが?」

「二つだなんて言ってませんわ♪」

「・・え?」

「4つですわ♪」

「・・・・・・・・は?」

「だから「これ以上はいいでしょう」4つ♪」

レナがこれ以上は必要ないといった感じで止めに入る

「ティアナ様、これ以上の詮索は為になりませんよ?」

「あんたに聞いてない」

「そうですか・・・では!」

レナはデバイスを展開する

「あんたの過保護に付き合う気なんかないわ・・・けどやるからには堕とすわよ?」

「二人とも落ち着きなさいな♪」

「・・・セラス・・黙りなさい」

「あんたは黙ってて」

セラスはそれを聞き一気に殺意を開放する

「今ここでやりあって機材に傷一つでもつけて御三方に何かあれば晶ちゃんが悲しむわ・・・・そんな事になってしまえば・・・・二人とも殺す」

「「・・・・」」

「わかってくれれば良いのよ♪」

セラスがニコリと微笑む

「次は私達の番ですわね♪」

「・・・・何が聞きたいの?」

「簡潔に申しましょう、元に戻す方法はあるのですか?」

「・・・無くは無いと思う」

「聞きましょう♪」

「ただ・・・あまりにも無謀で・・・そして無理よ」

「どちらでも関係ありません。あるのですね?」

「・・・・・」

「時間は無限ではありません。有限なのですよ?早くおっしゃいなさい」

「・・・・・最初の難関が生命力の補充、この地点で躓いてると言って良い」

「どういうことです?」

「生命力とはその人の「根源」。他者から持ってくるということが出来ない。けど・・・」

「けど?」

「仮の話だけど、「同じ」なら持ってくるのは不可能ではないと思う」

「同じというのは?」

「はやて准将からはやて准将にということよ」

「そのようなことをすれば前者のはやて様が現在のはやて様のような事態になってしまうのでは?」

「いいえ、生命力とはいわば「気」だと思ってもらって差し支えないわ。そしてそれはある「一定量」あれば後は自然に回復する。でも今のはやて准将達にはその一定量ですら無い」

「ではそれが何とかできれば目が覚めると?」

「・・・・それだけでは無理よ」

「では他に何が?」

「第二の難関、それが魔力補充」

「補充ならば管理局でできるのでは?」

「魔力の補充というのはそんなに簡単じゃないわ、他者の魔力を自分の魔力に変えるのにはお互いのパスを繋げなければならない上に、完全に魔力が底をついている状態のはやて准将達は・・・そうね、いわばコップはあるけど中に水が無いのよ。そして補充する魔力は補充される魔力より少なければならない。そうでなければ溶け合う事が出来ずに拒否反応を起こして下手をすれば今より酷い状況になる可能性が大きい」

「パスを繋げるのは不可能じゃないわ、リンカーコアを引っ張り出して無理やり繋げれば良いだけの話だから」

「その二つを用意できれば問題ないのですか?」

「・・・・・絶対とは言えないけど・・・おそらくは」

ティアナはそこまで言い終えると付け足すように言う

「・・・まず不可能だと言っていい、同じ生命力に同じ魔力・・・そんな物が存在するはずが無いから・・・」

「可能、不可能なんてものは関係ありません。方法はある、それだけで結構ですわ」

セラスはそう言うと眠っている晶を抱きかかえて

「レナ、あなたは無限書庫に行きなさい」

「解かっています、必ず晶様の為に見つけてきます」

レナはティアナに振り向き

「無礼失礼しました。貴重な情報ありがとうございます」

そう言い残し無限書庫に向かおうとする

ティアナは苦笑してそれに答える

「あんた達の過保護には頭が下がるわ・・・」

レナはティアナに少し頭を下げ

去り際にセラスに一瞥くれる

「我等スプリガンに」

「護れぬものなど在りはしませんわ♪」

レナの言葉に続いてセラスが応えた





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セラスはレナが無限書庫に向かったのを確認して未だ部屋にいるティアナに向き直った

「お礼を言わなくてはなりませんわ♪」

「・・・お礼ならもうレナからもらったわよ」

「いいえ・・・晶ちゃんの為にありがとうございます」

セラスはティアナに頭を下げた

「・・・何のことかしら?」

「あくまでもシラをきる・・・と?」

「さぁね」

「・・・そうですね・・ならば何故「あの」ような言い方をされたので?」

「・・・・」

「別に答えて頂かなくてもかまいません」

「・・あっそ」

「やり方は少々乱暴ではありましたが効果はあると思いますわ」

セラスは続ける

「あの時の晶ちゃんは非常に不安定でした、そしてこの事件は誰もがわかっているように「悪者」がいませんものね」

セラスの言葉にティアナが反応する

「・・・違うわ・・「居た」のよ・・」

「言葉遊びをするつもりはありませんわ♪」

セラスは晶の頭を撫でながらティアナに再び言葉を紡ぐ

「ですがそれは、もう「居ない」のです」

「晶ちゃんは子供ではありませんがまだ幼い・・だから矛先が必要だったのですね?」

セラスはティアナをじっと見つめる

するとティアナは俯いて肩を震わせはじめた

「・・私は・・・私は!・・」

「わかっておりますわ」

「わたしは!」

「でもティアナ様は一つ失敗してしまいましたわね♪」

「私は晶に・・」

「自分に矛先が向いたのに、あんなに優しい目、をされては次は騙されてくれませんわよ♪」

「・・晶に生きていて欲しい・・・・!」

ティアナの床はいつの間にか濡れていた

セラスは晶をイスに置いてティアナに近づき・・・・

「申し訳ございません、私達が至らぬばかりに」

抱きしめた

途端にティアナは声をあげて泣き始める

「ちがう・・ちがう・・!・・こんなはずじゃ無かった!私がもっとしっかりしてれば!」

ティアナは泣きじゃくり謝罪の言葉を繰り返す

「ティアナ様がいかに優秀な方であろうともその場に居なかったのですから・・」

「誰もあなたを責めることなんて出来ません。感謝こそすれ責めるなんてもってのほかですわ」

「後は我等スプリガンにお任せください、必ずお救いしてみせますわ♪」



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ティアナはあれから一時間近くもセラスに抱かれて泣いていた

「・・ご・・めん・セラス」

「いいえ、お役に立てたのならば何よりです♪」

落ち着きを取り戻したティアナにセラスは笑顔を向ける

「えと、離して欲しいんだけど・・?」

「あらあら、残念ですわ♪」

セラスは残念だといっておきながらまったく未練を感じさせずティアナを開放した

「ティアナ様はあれですね♪」

「あれ?」

「好きな子は虐めて気を引くタイプですわ♪」

「な!?急に何いってんのよあんた!」

「あらあら、図星ですか?♪」

「~~っ!堕とす!今ここで!」

「ふふ、ティアナ様はそうしていたほうが「らしい」ですわ♪」

「!・・・あ・・ありがと・・・」

「うふふ、可愛いこと♪」

「~~っセラス!」

いつもどおりのティアナに戻ったティアナはやはり美しかった

セラスはそれを見てから頃合を確かめる

(そろそろ良い頃ですね)

セラスはそう思うと扉に向かって声をあげる

「お分かりになられましたか?苦しいのは傍に居たあなた達だけではないのですよ!」

「セラスいきなり何を・・・」

わけがわからないといった具合にティアナは扉の方を見る

・・・微かだが何人かの気配がする

「お傍に居ながら止められなかった悔しさや現状に追いやった自分達の無力さを嘆くのは勝手ですが、その時傍にいれば何か出来たかもしれないと思い嘆き悲しむ者もいるのを忘れたのですか!?」

「「「「・・・・」」」」

声は返ってこない

それでもセラスは

「あなた達にはあなた達にしか出来ない事がありますでしょう!?このような所で二の足踏んでいる時間があるのならば翔く(とく)動きなさい!」

「「「「!!」」」」

「現状を悲しみ涙するだけなら赤子にだってできますわ!」

セラスは扉を睨みつける

ガンッ!ガンッ!

もの凄い音がした

扉の向こうに居る誰かが壁を殴りまくっているようだった

しばらくするとその音も消え・・

「上等だ!あたしにそんな口きいたことぜってぇ後悔させてやっからな!」

「無論貴様のような小娘に言われるまでもなく我等は動く!」

「必ず助けますから・・待っててねはやてちゃん!」

「・・・ゆくぞ!」

「「「言われずとも!」」」

扉の向こうだというのに鼓膜が痛くなるような大声だった

恐る恐るティアナはセラスに聞いてみた

「い、今のって・・」

「ええ♪お姉さま一行ですわ♪」

「・・・・・よくやるわ」

ティアナは呆れてものが言えない

よくもまぁあの人たちに向かってそんな恐ろしい口の利き方が出来たもんだと思った

だが自分もこうしている場合ではない

「さて、と」

「あら、どうなさいました?」

「私も動かないとね」

「そうですか・・ならお願いを一つ♪」

「・・・・なに?」

嫌な予感がする

「これから私達がすることに目を瞑ってくださいな♪」

的中

「・・何をするつもりなの?」

「それはまだわかりませんわ♪」

セラスは、でも、と付け足して

「おそらく私達のすることには危険が付き纏う可能性が大きいですわ。ですので・・・・」

「・・・・・・ですので?」

「もみ消しをお願いします♪」

「あんたねぇ・・・正気で言ってんの?」

「はい♪」

「あのね、私は執務官なの!わかる!?」

「知っていますわ♪」

「なら分かるでしょうが!さっきも言ったけど危険なことは見過ごせない!」

「でも晶ちゃんのこと好きですわよね♪」

「はぁ!?」

「好きですわよね♪」

「何言って!」

「愛してますわよね♪」

「だから・・」

「愛してますわ♪」

「・・・・・・」

「はい決定♪」

「・・・もう好きにして・・・」

ティアナはさっきと違った理由で泣きそうになる

セラスに晶のことがばれたのが運のつきだった・・・こうも簡単に付け込まれるとは・・・

「それでは私達はもう行きますわ♪」

「これからどうするつもり?」

「まずは晶ちゃんを落ち着かせてそれから考えますわ♪」

「・・・・晶をお願いね」

「当然ですわ♪」

「それじゃね」

ティアナに軽く微笑み晶を抱きかかえたセラスは

「言い忘れていましたわ」

セラスはティアナを見据えて

「晶ちゃんはあげませんよ♪」

「~~っセラスっ!」

ティアナの照れ隠しの叫びと共に晶を抱きかかえセラスは逃げ出した












[4755] Lost Memory ACT11
Name: アフロディーテ◆72310edc ID:4d488239
Date: 2008/12/16 11:52


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「ここ・・・は?」

目が覚めると俺は自分の部屋に居た

「目が覚めたのですね晶ちゃん♪」

今まで側に付いていてくれたのかセラスがそこに居た

「セラス・・・これはゆ」

「夢や幻ではございませんわ」

俺が言う前にセラスは解かっていたのか答えてくれた

「・・・・そっか」

「はい」

そうか・・夢じゃなかったのか・・・

ママ達はここには居ないのか・・・

「セラス」

「はい」

俺は我慢出来そうにない

「少し出ていてくれ」

一言告げるとそれは溢れ出そうになる

「なりません」

「俺のことはいいから出てくれ」

「出来ません」

セラスは一向に出て行こうとしない

それに苛立ちを覚える

ただでさえこんな状況なのに何故言うことを聞かない!?

俺は八つ当たりだと知っていたのにセラスに怒鳴っていた

「いいから俺の前から消えろと言ったんだ!」

「出来ません」

「うせろ!」

「どんなに罵られようと、どんなに嫌われようとも構いません!ですが今お側を離れるわけにはまいりません!」

「っおまえ!」

近くにあったテレビのリモコンらしき物を力いっぱいセラスに投げつけてしまう

それはセラスの頭に当たる

避けようともしなかった

「これ以上されたくなかったら出て行け!」

セラスは頭から血を流しながら俺を見ていた

俺をみるな!

そんな目で俺をみるな!

そんな・・・

そんな・・・・優しい目で俺をみるな・・


しばらく沈黙がこの部屋を支配していた

次第に高ぶっていた感情が冷やされていく

「・・・・ごめんセラス」

「大丈夫ですわ♪」

セラスはいつもと変わらぬ笑顔を俺に向けてくれる

くそが!俺は何をしている!

セラスに八つ当たりして!

今はそんな場合じゃないだろ!

俯いてシーツを掴む

自分の餓鬼っぽさに腹が立つ

視界の隅に赤い染みを捉える

「!?セラス早く止血しないと!」

「え?ああ、すぐに血など止まりますわ♪」

「・・・・ほんとにごめん」

「どれくらい俺は寝ていた?」

「二日ですわ♪」

俺は二日もママ達の事をほったらかして寝てたのかよ!

「セラス・・・ママ達は今どうなってる?」

「容態は依然変わらず、といったところです」

「・・ちくしょう・・・ちくしょう!」

先ほどまで我慢していたそれがこみ上げてくる

「泣いてはなりません!」

「!?」

「はやて様達は今戦っておられるのです!」

「っ!」

「晶ちゃんの為に戦い、そして晶ちゃんの所に帰ろうとして今戦っておられますわ!」

「・・・・」

「すでにお姉さま方に加えティアナ様も動いておられます」

「・・・ティアナさんが?」

「晶ちゃんも本当は気づいているのではありませんか?」

「・・・・・知ってるさ・・ティアナさんが俺の為にしてくれたことくらい・・・」

「なら結構です♪今度お会いしたらちゃんとお礼のキスをするのですよ?♪」

「キ、キス!?」

「はい♪必ず喜んでくださいますわ♪」

「・・・俺に死ねと?」

俺はあの人が男と居るのを殆ど見たことない

ティアナさんは誰がみても美人、それも結構上位に入ると思われる。(ママ達の方が美人だけどな!)男に興味が無いのか理想が高いのかは知らんが・・・

そんな人にだ!俺がキスなんてしてみろ・・・まず俺の顔は原型を留めることが難しいだろうと予想できる、次に俺の股間めがけてクロスミラージュ・エグゼ(少し前にデバイスを改造したそうで家に見せに来てたのを覚えてる)をぶっぱなすだろうよ・・・・

「・・死んだなオレ」

「大丈夫ですわよ♪」

「ま、まぁそれは一先ず置いておこう」

「逃げましたわね?」

あたりまえだ!俺だって命は惜しい!

そんな軽口を交し合っているとまるで・・・まるでいつものような日常に戻ったような錯覚に陥りそうになる

「・・駄目だな俺は・・・」

「いいえ」

「ほんとに駄目なやつだ・・・みんなに護ってもらってばかりの・・餓鬼だ・・」

「晶ちゃん・・・」

セラスは俺の頬を優しく両手で挟みこみ俯いていた顔を上げさせる

「私達が必ず帰してみせますわ」

その言葉を聞いて俺は

「!方法があるのか!?」

「方法はあります、後は「やり方」ですわ」

そういうとセラスはティアナさんが教えてくれた情報と自分達がなにをするべきなのかを話してくれた

「そっか・・ティアナさんには感謝してもしきれないな」

「そうですわね♪」

「しかし私共もトップシークレットな情報をちゃんとお聞かせしましたので大丈夫でしょう♪」

セラスの笑顔に何か嫌な予感がする・・・

「・・・何言ったんだよセラス」

「晶ちゃんの事を少し話しちゃいましたわ♪」

「な!どこまで!?」

「リンカーコアが複数あるというところまでです♪」

それ8割方だろうが!

「はぁ・・・なんで?」

「以前計った魔力計数とあまりにかけ離れた魔力を晶ちゃんが見せてしまいましたしね♪」

俺は普段の時は自分で他のコアにリミッターをかけて隠していた

それでもSSSに認定されるだけの魔力を出していたのだから皆は俺が複数のコアを所有し、隠しているなんて露ほども思わないだろう

おそらくティアナさんは実験で出した最高出力計数を知っていたんだな

でも俺があれを聞いて不安定になった事で普段隠していたコアにリンクしてしまったのか・・・

「・・手間をかけたなセラス」

セラスは首を横に振って微笑む

その時だった

コンコンッ とノックの音がする

「レナか?」

ドアの向こうから返事が返ってくる

「晶様、失礼します」

「レナ、首尾はどうですか?」

レナはセラスに頷いてみせて俺に向き直る

「晶様、結論から申しますとはやて様達が助かる可能性はあります」

「ほんとか!?」

俺はベッドから飛び出してレナに詰め寄る

「落ち着いてください、今から説明を申します。ですがこれは可能性ということをお間違えの無いようお願いします」

「わかった」

レナは皆を一瞥し説明を始めた

「晶様は「時の廻廊」というのはご存知ですか?」

「いや・・・初めて聞いた」

「そうですか・・この時の廻廊というのは過去や未来に通じているということが文献に記されておりました。ですが、すでにその存在は次元廻廊に取り込まれてしまったと記されています」

「次元廻廊?」

「はい、簡単に言うと次元の狭間ですね、虚数空間とも言えるかもしれません」

「うん、それで?」

「まずは次元廻廊を見つけ出し時の廻廊を見つけ出す、そして時の廻廊を使い魔力のラインを繋げて過去のはやて様達から魔力と生命力を頂く」

「・・・・・」

「簡単に申しますとそういうことです」

無茶言ってくれる・・・過去にアクセスして魔力を盗むってか!?

あほか!んな事できるわけないだろうが!

「妄想もいいとこだな」

俺がガックリと肩を落とすとセラスが

「晶ちゃん顔を上げてくださいな♪」

「あのなセラスにレナ・・・どこにあるかもわからない次元廻廊をみつけて、しかも夢物語もびっくりの時の廻廊をみつける?何年かかるんだよ!」

「落ち着いてくださいな晶ちゃん♪」

落ち着いてるよ

でもな俺が生きてる間にみつかる算段がまったくたたねぇんだよ!

「次元廻廊ならスグにでも「作れ」ますわ♪」

「は?作る?」

「そうです晶様、さっきも申したとおり次元廻廊とは次元の狭間です」

「なら作っちゃいましょう♪」

「・・・どうやって?」

そんな簡単に作れるもんなのか?

「マナの濃い管理外世界に行き大きな魔力同士をぶつける、そうすると次元境界面に歪が生じます、そうして出来た歪を広げて固定します。固定してる間に時の廻廊を見つけ出しパスを繋げる」

「・・・・出来るのか?」

俺は不安を露にして二人に聞く

「出来るのか?ではありませんわ♪」

「やるのです」



そうして俺たちは準備をはじめた

まずはマナの濃い世界を探す

そして管理局の目が届かない世界であるか確かめる必要もあった

俺達がやろうとしていることは他人から命を掠め取る行為に等しい・・犯罪と言ってもいい




そして・・・5日ほどで準備は出来た

管理局の目の届く届か無いはティアナさんを通じて確かめた

ヴィータ姉ちゃんとかには内緒にしてある・・・もしもの時はママ達を護ってほしいから・・・

後はやるだけだ



「ルナ」

俺は呼びかけるとルナが姿を現す

髪は紫、瞳は瑠璃色、世間では美少女と思われる女の子が目の前に居る

「マスター、用意はできています」

「コアリンクはトライアングルまでだ」

「イエス、マスター」

ルナはそう応えると

「トライアングルリンク確認、魔力リミッター第三門まで開放開始・・・・開放完了」

途端に魔力が俺の身体からあふれ出す

(レナ、セラス準備はいいか?)

(こちらはいつでもいけますわ♪)

(御安心を)

セラス達にはママ達の寝ている所で待機してもらっている

その理由は・・

(晶ちゃんいつでもコアはだせますわよ♪)

そう、コアと出してリンクさせないといけなかったからだ

(それじゃ始めるぞ)

(了解ですわ♪)

(心得ました)

手元にありったけの魔力を収束させる

自分の30倍はあろうかと思われる塊ができる

「ルナ!」

「マスター!」

ルナが収束させていた魔力を切り離し俺の後ろに来る

それを確認して俺は自分の魔力をもう一つの塊に向けて放つ

「っらぁ!」

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俺は今次元廻廊というものの中に居る

(ルナ、あとどれくらいだ?)

(2時間が限界ですマスター)

すでに探し初めて3時間を過ぎていた

ルナは境界面を固定するために魔力を放出し続けていた

ふう・・やっぱりというか何というか・・

「簡単にはやらせてくれないな・・・」

けど見つけなくてはいけない

必ずママ達を助けてみせる

そんな事を考えていたせいか急に目の前に接近してきた岩にぶつかってしまう

「っが!?」

その衝撃で俺は飛ばされてしまい周りとは一風違った馬鹿みたいに巨大な球体状の岩の上に降りる

「いっつぅ~・・・」

俺はぶつかった身体を異常がないか確認する

うむ、何ともないようだな

確認してまた飛ぼうと一歩足を出した瞬間だった

ズボッ

「へ?」

突然足場を失ったように身体が飲み込まれる

咄嗟に出した手が何かに引っかかったようで何とか落ちずにはすんだが・・・

「おい・・・これって・・」

手だけが外に出てる状態で中を確認するとそこには無機質な空間が広がっていて・・・周りにはめまぐるしく「過去」や「未来」かもしれない映像が動いていた

(レナ!セラス!)

((はい!))

(見つけた!たぶんこれが時の廻廊だ!)

(晶様!)

(さっすが晶ちゃん♪)

(ラインを出してくれ!こっちからじゃ出せない!)

(了解です!)

レナが返事をしてどれくらいたったかわからない

この空間には時間が存在しているかもわからない有様だ

ん?なんか暖かいな

俺の頬に何かある?細い三本の虹色の糸みたいなそれは光っていた

もしかしてこれがラインか?

(晶様!)

(レナ、この虹色の細いのがラインか!?)

(そうです!それをどうにかして過去のはやて様達に繋げてください!)

ええ!?

勝手に繋がらないの!?

(早く!長くは持ちません!)

(んな事いわれても!)

俺は考えた末に・・・・それを掴んで適当な映像の中にぶち込んだ

ついでに俺の頭も一緒に入れる

するとラインに惹かれてきたのか小さな映像が俺の目の前で止まる

「こ、こいつぁ・・・」

そこには高校の制服と思われる服に身を包み、笑いあう三人のママと思われる女の子が居た

「これで間違いだったら自分を恨むからな!」

ラインをその画面に向ける

そしたらラインはまるで意思を持ったように画面に吸い込まれていく

俺はラインを見つめて

「頼む!」

祈りが通じたのかどうかはわからないが映像の向こうで笑っていた三人は何かに気づいたように恐る恐る手を伸ばす

それを掴んでくれ!

そして・・・・三人はそれを掴んだ

途端にラインが輝きを増す

増したなんてレベルじゃない

目を開けてられねぇ!

それでも何とか見ようと画面を見る

そこにはママ達三人が道端に倒れていた

!!!!

(レナ!ママ達が!!ママ達が倒れてる!!!)

(心配いりません!急に魔力と生命力を同時に抜かれて軽いショック状態になっただけと思います!)

(ほんとだな!?絶対だな!?)

(・・はい!)

(晶様!補充は完了しました、すぐにそこからお戻りください!もう持ちません!)

(わかった!ラインはどうすればいい!?)

(こちらで切断しますので心配はいりません!)

(まかせた!)

そしてそれはラインが切れる直前だった

俺とママ達が写っている映像が突然流れてきてママ達が倒れてる画面に重なってそれは消えていった・・・

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(ルナ聞こえるか!?)

(イエス、マスター!早くお戻りください、もう10分と持ちません!)

(どこだ?!出口を見失った!)

(マスター!私の魔力を辿ってください!)

(わかった!)

ルナの魔力反応は・・・・あった!

こっちか!

反応を見つけた俺は必死で飛ぶ

ルナは・・・・・見えた!

「ルナ!」

「早く!こちらです!」

俺は全速で飛び、ルナとすれ違う直前にルナの腰に手を回しルナ抱きかかえて一気に境界面から脱出した

「ルナ、このままミッド近くまで飛ぶぞ!」

「イエス、マス・・ター」

どことなくルナの元気が無い

どうしたのだ?

「ルナ?どうした?」

「すいま・・せん・・・マ・・スター・・・・」

そう言い残しルナは・・・・寝てしまった

仕方ない

あれだけの魔力を放出した後、ずっと境界面を維持してくれていたので

相当な負担だったはずだ

「ゆっくり寝てろ・・・」

俺はルナを俺の「中」に戻してやる

こいつはママ達以外に姿をみられるのを極端に嫌がるからな

そしてミッドの近くに入ると俺は飛行を止める

ばれたらヤバイからな

俺はモノレールを使い医療施設まで行く

するとレナとセラスが表で俺を待っていたのか立っていた

「レナセラス!」

「!・・あ、晶様」

「・・・晶ちゃん」

レナ達の様子がおかしい感じがしたがルナと一緒で疲れているのだろう

そんなことは俺はお構いなしでレナ達に聞く

「ママ達は!?」

「「・・・・」」

「黙ってたらわからないだろ!」

「「・・・・」」

「もういい!直接見てくる!」

「「晶様!(ちゃん!)」」

レナ達は俺の前に出る

・・・・どういうことだ

なんでレナ達は俺が行こうとするのを邪魔するんだ?

「・・んだよ?」

「晶様・・・はやて様達は目を覚ましました・・・」

「晶ちゃん・・・・今日の所は帰りましょう」

「目を覚ましたんだな!なら会いにいこうぜ!」

二人は俺の前を頑なに退こうとしない

「・・・なんなんだよ!なんで邪魔すんだよ!?」

「・・・・・」

レナが応えない代わりにセラスが重い口を開いてくれた

「晶ちゃん・・誰も悪くは無い・・・ただそうなってしまった・・・・」

いつも物事をはっきり言うセラスの歯切れが悪い

背中に嫌な汗が流れた

俺は二人を押しのけて走る

走りまくった

周りの誰かに止められたような気もする

そんなのに構ってられない

「ハァ、ハァ」

着いた・・・・

俺はティアナさんに用意してもらったカードを差し込むとドアが開く






そこにはママ達が居た

立っていた

笑っている

医者らしき誰かと会話している!

成功した!!

俺は・・

俺は・・・声を出して泣いていた

びっくりしたママ達が俺に気づいて寄ってくる

いつもみたいに抱きしめてくれるのだろう

そう思っていた

だが

「どうしたんや?迷子か?男が泣いてたらあかんで?」

「えと、どこの子かな?大丈夫どっか痛いの?」

「でもここに居るって事は局員の子なのかな?」

俺は固まった

「お?泣き止んだなぁ、もう大丈夫か?」

はやてママ何言ってるの?

「はは、男の子だもんね」

フェイトママ冗談だよね?

「にゃはは 勝手にこんな所に入ってきたら駄目だよ?」

なのはママ嘘だと言ってよ・・・

俺は呆然としていると

「ごめんね、ここは関係者や入院してる人の家族以外は入っちゃ駄目なとこだから・・」

そういってフェイトママに背中を押されて部屋から出され扉を閉められた

「・・・・晶様・・」

「・・・晶ちゃん」

扉から出た俺を待っていたのは









俺に残された二人の・・・・・・・・・・家族だった
















[4755] Lost Memory ACT12
Name: アフロディーテ◆72310edc ID:4d488239
Date: 2009/01/21 06:01


あれから数時間・・・もしかしたら数十時間かもしれない

事があったあの日俺はどこで手に入れたか覚えが無いが酒瓶を持ってまるで夢遊病者のように街中を彷徨っている

普段ならレナ達が俺を止めていただろうが管理者権限を使い俺の許可があるまで郊外の廃墟で待機するよう無理やり張り付けた

ルナは疲れて寝ているし元々俺の許可がないと出れないので放置してた

吐いては酒を飲み、それだけを繰り返していた

「・・・・はは・・・あはは・・・」

「・・・くく・家族しか入っちゃいけないってよ・・はははは!・・・傑作だねっ!」

どうでも良い

もう何でも良い

早く・・・壊れないかなぁ

早く・・・死にたいなぁ

早く・・・消えたいなぁ

「あっはははは!早く殺してくれないかなぁ!!」

街中で叫び、今の俺にはぴったりな薄暗く汚らしい路地を見つけた

そこには社会からはみ出した者や普段なら相成れない存在が沢山居た

その中の一人が俺に声をかけてきた

どうやら愉しくなるクスリをこんな俺にくれるらしい

気に入ったら今度は買ってくれとか言ってたようだが近々くたばる予定なのでそれは無理だな

「へぇ、これで愉しくなれるのか」

「はは!んじゃ早速やってみますか!」

もうテンションが上がりっぱなしの俺は何の疑いも迷いも無くそれに手をかける

ええと注射器の針を腕に刺して後は入れるだけだったかな?

さっきの親切な奴がそんなこと言ってたな

「ファイトー!いっぱーつ!」

あれ?なんで刺さらないんだ?

ああそうか

腕を掴まれてるからだ

「おいおい~邪魔しないでよぉ♪」

俺は掴んでる腕に向かって愉しげに笑いかける

「ハァハァ・・・・晶、あんた何やってんのよ?」

腕の主がなんか言ってる

「えへへ~愉しくなれるんだって」

俺が笑って返すと

「・・・帰るわよ」

あれ?なんで引っ張られてんの?

「帰る場所なんてないよぉ」

「っ!・・・帰るのよ」

「だから無いって」

「無いならあたしが作ってやるわよ」

それを聞いて今まで無かった思考というものが俺に戻ってくる

「・・・要らない」

「要るのよ」

「要らないって言ってるだろ!」

「晶に要らなくても私には要るのよ」

「だったら一人で帰れよ!要るんだろ!?早く一人で行けよ!」

「私には「晶」が要るのよ」

「嘘つくな!誰も俺なんか必要じゃない!」

「嘘じゃない!」

「証明できもしないのに適当なこ・・・・!?」

視界が真っ暗になった

良い匂いがする

「そうね・・証明なんて出来ないかもね・・・でもね私達には晶が必要なのよ」

ティアナさんは俺の頭を自分の胸に埋めて頭を撫でてくれる

「・・・自分が必要ないなんて悲しいこと言わないで」

「みんな晶のこと心配してる・・・帰ろ?」

「ぅっ・・・ごめ、、ん、、、なさい、、、、ご、、、めん、なさ、、、い」

「もういいから行こ?」

俺は泣きながらティアナさんに抱きついて頷いた





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俺は今ティアナさんの家に居る

あの後ティアナさんが連絡したようでヴィータ姉ちゃん達が家の前で待ってた

それと姉ちゃん達に内緒にして事を起こしたこともティアナさんから姉ちゃん達に伝わっていたようだ

酒臭い俺を気にもせず抱きしめ、迎えてくれた

家の中に通されソファーに座らされる

「これ飲みなさい、落ち着くわよ」

「ありがとう・・ございます」

「敬語なんていらないわ、いつも通りでいいわよ」

ティアナさんは笑い掛けてくれる

「・・・うん」

精一杯の笑顔で返してみたが上手く笑えただろうか・・

「無理して笑わなくていい、今は自分の事だけ考えていいのよ」

そう言うとティアナさんは俺の後ろにいる姉ちゃん達に視線を向ける

「あのぉ、ヴィータ大隊長・・・そんなに睨まなくても何にもしませんってば」

「睨んでねぇ!元からこおいう目つきなんだよ!悪かったな!」

「いや、知ってますけど今のは明らかに睨んでたような・・・」

ティアナさんは苦笑していた

まぁ確かに姉ちゃん達の見た目は怖いけどな

シグナム姉貴も何かティアナさんを睨んでるけどどうしたんだろう

「ティアナ、お前に言っておく事がある」

「あ、はい。シグナム大隊長どうしました?」

シグナム姉貴は言い難そうに

そしてなんとなく顔が赤かった

「お前のことはセラスから聞いている・・・その、だからだな?」

「セラスから?」

「分かっているとは思うが晶に手を出したらどうなるかわかっているな?」

「な!?何言ってるんですかシグナム大隊長!」

「いや、セラスからそう聞いたものでな」

「・・・・あの女やっぱり堕とす・・!」

俺に手を出す?なんの事だ?

そういえばレナ達の姿が見え・・・な・・・い!?

「あああぁぁっ!!!」

急に大声を出した俺に何事かと視線が集中する

「忘れてた!」

「大声だしてどうしたのよ?」

「あん?晶トイレか?」

「どうした!?既にティアナに何かされたのか!?」

ヴィータ姉ちゃんトイレとちげぇよ!

シグナム姉貴俺は何もされてません!むしろ優しくしてくれました!

「レナとセラスだよ!」

「そういえば居ないわね」

「あの二人なら晶探してるときに郊外でみかけたな。晶が居なくなったのにあんな所で油売ってるからぶっ飛ばしてやろうかと思ったけどそれどころじゃなかったからな」

「ああ、二人の魔力反応がまったく動いてなかったから私はそこに晶が居ると思って飛んでいたらティアナから連絡が入ったので引き返したんだが」

俺はすぐに管理者権限の命令を破棄する

これで自由にはなったはずだ

「えと・・あの時は一人になりたかったので・・二人にはあそこで待機命令だしてまし」

パリーンッ!

はい?パリーン?

「晶様!ご無事で!?」

「晶ちゃん怪我は!?痛い所ない!?」

はやっ!

お前等どんな速さだよ!?

「ああ、うん。怪我は無いけど・・・・俺はこれからの二人が心配だな」

俺に詰め寄ってきた二人は向かいに座っていたティアナさんが見えないのかなぁ?

「・・・晶伏せてなさい」

「言われなくてもそうします!」

ティアナさんはクロスミラージュ・エグゼをレナとセラスに・・・・ぶっ放した

「甘い!」

「あらあら♪」

二人も咄嗟に左右に分かれそれを寸前のところで避ける

避けた先には呆気にとられた二人の姉ちゃんが居た

ヴィータ姉ちゃん達は避けようともせず障壁で防ぐ

「・・・上等だ・・上官に不意打ちたぁ良い度胸してんじゃねぇか」

「・・・ふむ・・ここでは少し手狭だが・・・覚悟はできたか?」

もう無理!絶対とまらねぇ!

それから10分ほどだろうか?見事なドンパチだったぜ?

姉ちゃん達はティアナさんに攻撃するのかなと思ったら突然「こないだのこと忘れたとはいわさねぇ!」とか言ってセラスに飛び掛るし

ティアナさんは見事にそんな姉ちゃん達に援護しながら指示してたし

事の発端の二人のうち片方は「なんの事か存じませんが?」もう片方は「細かい事をお気にされると老けますわよ♪」とか言ってたな

そんな騒ぎを目の辺りにして・・・・俺は笑ってた

「っぷ!・・あははは!!」

声を上げ笑う俺を見て五人はドンパチをお開きにしたようだ

「ようやく笑ったわね」

「やっぱ晶はそうやって笑ってるほうが良いぜ」

「ふふ、そうだな。でないと我等の調子が狂う」

そうか・・俺はまた「護って」もらったのか

三人は俺に近づいてきて笑いかけてくれる

「あなたは笑ってなさい」
「晶は笑ってろ」
「お前は笑っていろ」

「・・・うん!」

今度は上手く笑えたと思う

セラス達はそんな俺達を眩しそうに見て

「あらあら、やられましたわ♪」

「ここは譲りましょう」


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若干?壊れた家でくつろいで

それは始まった

「おい、これに目を通してみろ」

ヴィータ姉ちゃんは何冊かの古びた本といくつかの箱をどこからか取り出し、レナ達に突きつけた

「それは我等が主を救おうと模索している時に見つけた物だ」

シグナム姉貴がそう言うとレナ達は本に目を通しだした

俺は手持ち無沙汰ということもあり気になっていた事を聞く

「ヴィータ姉ちゃん、シャマル姉さんとザフィーラ兄貴は?」

「・・・二人には今はやてに付いてもらってる」

「・・・・そっか・・・」

俺はすぐに黙ってしまう

そっか・・・ママ達のところか・・・

ママ達のことを考えるとどうしても涙が出そうになる

ヴィータ姉ちゃんはそんな俺の頭に手をおいてくれる

「さっき言っただろうが・・・笑ってろ」

「・・・ごめん姉ちゃん」

「あやまんな!笑え!」

「うん」

しばらくすると読み終えたのかレナ達が口を開く

「わかりました」

「そういう事でしたのね」

姉ちゃん達は頷く

「危険な賭けになる・・・それでも「行く」か?」

「お前達次第だ、我等は主の側を離れることは出来ん」

何のことだろう?

するとティアナさんが静かに言う

「忘れたわけでは無く、流出したのね」

忘れた?流出?

「なるほど・・・これで納得できたわ」

「ごめん、何のこと言ってるかわかんないんだけど・・」

さっぱりだ

邪魔になるかも知れないけど聞くしかない

「晶様」

「晶ちゃん」

「な、何?」

いきなり振られても何がなんやら

「晶様、はやて様達の記憶を取り戻せるかもしれません」

「・・・・・・え?」

取り戻せる・・・?

記憶を!?

「どうすれば!?」

俺は以前同様レナに詰め寄った

「早く・・!早く教えてくれ!」

ティアナさんが答えてくれた

「晶・・よく聞いてね、はやて准将達の記憶は忘れたわけではないの」

「忘れてない?」

「忘れたのでは無く、流出したのよ」

「忘れてない?流・・出?」

「ヴィータ大隊長の持ってきた文献にこう記されていた「世界は平行を求める」」

「平行?」

「あの時、過去のはやて准将達から「私達」は魔力と生命力を持ってきたわね?」

「・・・うん」

「それはこの世界では存在し得ないものよ、それを私達は持ってきた」

「世界の許容量は常に一定なのよ。何かが入れば何かが抜ける」

「そして魔力と生命力を持ってきた代わりに・・記憶が持っていかれた」

「持っていかれた?・・・どこに!?」

「・・過去のはやて准将達によ」

「そんなのおかしいよ!だったら何で今のママ達の記憶が無いの!?過去にいったんなら未来の今ならそれはあるはず!」

「晶の言ってる事は正しいと思う」

「だったらなんで!?」

「でもそれが違う世界の過去だったら話は変わってくるわ」

「違う・・・過去?」

「信じ難い話だと思うけど・・私も未だに信じてないけど、こう考えれば全ての歯車が噛み合う」

「この世界とは違うもう一つの同じ世界がある」

「同・・じ、世界・・?」

「並列世界と言うらしいわ」

「違う世界に晶に関する三人の記憶が流出した、それは向こうの世界が魔力や生命力を持っていかれたせいで平行ではなくなったから何かで補わなくてはならなかったからだと思う」

「そして補おうとした結果・・・パスが繋がっていた三人の晶の記憶で補われた」

「それじゃ・・・二度と帰ってこない・・・?」

「晶次第よ」

「俺・・?」

「・・・万に一つ・・億に一つもないかもしれない・・・世界は無限にあるのだから・・・でも兆に一つはあるかもしれない!」

「記憶の流出した世界に行き次元境界面を開いてもう一度はやて准将達とラインをリンクさせる・・そして晶の記憶をはやて准将達に入れる」

「そうすればこちらに来た記憶は世界は平行を求めるが故にはやて准将達に戻すはずよ」

途方もない話だ・・・

過去に行く?

俺が?

「で、でもその話が本当だとしてもこっちに記憶を持ってきたら向こうにまた何か持っていかれるんじゃないの!?それに過去に行かなくてももう一度ラインを繋げば戻るかもしれないし!」

「・・・例えもう一度ラインを繋いだとしてもそれが記憶が流出した世界かどうかその場では時間が無さ過ぎて調べられない」

「だからこそ過去に行き、確実に確かめなくてはいけないのよ・・そこが流出した世界ならば必ずはやて准将達や晶になんらかのアクションがあるはず」

そんな・・・

「もしそれが成功したとしても他の誰かが・・・ティアナさんや姉ちゃん達の記憶が持っていかれたらどうすんだよ!?」

「晶、私達の事なんか気にしなくて良い。晶が笑えるならそれで良いのよ」

そうは言うけど・・やっぱり・・!

「正直言うとね、私は反対よ」

だったら!

「この世界から晶が消滅する・・・一時かもしれない・・でも一生かもしれない・・二度と会えないかもしれない!」

「だったら俺は行きたくなんかな「でも!」?!」

「でも!晶がそんな顔してちゃ駄目だよ・・・前みたいに笑ってくれないと駄目なのよ!」

ティアナさん・・・・

「そうだな・・・あたしも晶の最高の笑顔が見たいな」

ヴィータ姉ちゃん・・・・

「我等の弟が世界ごときに負けるとは思えんが?」

シグナム姉貴・・・・

「晶様、参りましょう」

レナ・・・・

「晶ちゃん、期待に応えませんとね♪」

セラス・・・・

ごめん・・・そして・・・ありがとう

「俺は・・俺を過去に行かせてほしい!そして必ず帰ってきてママ達の笑顔を見たい!」



「まかせなさい!」
「やってやんよ!」
「必ず叶える!」
「御意!」
「おまかせを♪」





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「良い?さっきも言ったけど私達が開いていられるのは5分が限界よ」

ティアナさんが口をすっぱくして何度目かわからないことを言ってくる

俺だって何度も言われりゃ覚えるって・・・

そんなにアホに見えるのかな・・ちょっとショックだ

「その間に中に入ってフィールドを展開、出来る限り自身を魔力に近づけるのよ?」

「わかってるよ」

「それと、こっちに来なさい」

「何?」

「いいから来なさい」

ティアナさんに来いといわれ近づく

「どうし・・ぅっぷ!?」

俺が自暴自棄になったときのように抱いてくれる

「約束しなさい、必ず帰ってくると」

「約束する」

「絶対よ?」

「・・・絶対」

「晶様、そろそろ・・・」

「晶ちゃん挨拶はそれくらいにしましょう」

ん、と返事を返しティアナさんから離れる

「それじゃ・・・行ってきます」

「ええ、気をつけてね」

それだけを言ってヴィータ姉ちゃん達に念話をおくる

(姉ちゃん、こっちはいつでもいけるよ)

(わかった・・それじゃ始めるぞ)

(晶・・・気をつけてな)

(姉ちゃん達も身体に気をつけてね・・・)

((ああ))

念話が終わると大きな魔力が二つ出てくる

魔力をぶつけて次元境界面に穴をあけるまでは前と一緒だ

けどそこから先は以前とは異なる

時の廻廊を使い過去に行くわけだがそのままで通れるわけでは無いし

前に行ったときママ達のラインを近づけて映像が出てきたのなら今回もそれをするのが良いのだろうが今回はママ達が起きている為それも無理だ。だからママ達の魔力が付いていると思われる服を拝借してきた

これを使い映像をおびき寄せる

そしてラインが映像に飲み込まれ向こうの世界に繋がったということは、それに近い物になれば干渉できるという事だ

自身をそれに近い魔力フィールドで包み、おびき寄せた映像に接触する

そうして向こうの世界に割り込むといった作戦だ

ただし・・・・

俺達が割り込むということは・・・

こちらの世界に何かが入り・・・

向こうの世界の何かが失われる・・・

もしくは俺達が消滅する可能性もある。むしろそっちの方が大きいだろう

((開くぞ!))

次元境界面に穴が開く

「晶!今よ!」

ティアナさんが穴の前に立って境界面を広げて固定してくれる

「いくぞ!」

「「はい!」」

ティアナさんの脇を抜ける直前

「行ってきます!」

「必ずよ!帰ってくるのよ!」


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飛び込んですぐにそいつは見つかった

「こんなに簡単に見つかっていいもんかね?」

あまりの呆気なさについつい言葉が洩れる

「早く見つかるにこしたことはありません」

「楽なのは良い事ですわ♪」

まぁそうなんだけど

「始めるか・・」

「はい」

「了解♪」

その前に・・・・

「ルナ」

右手を出して俺は光輪の書を出すと書と共にルナが出てくる

「言っていた事を頼む」

「・・・イエスマスター」

ルナは寂しそうな顔をする

側で見ているレナ達も複雑な顔をしている

「ごめんな・・ルナ」

「いいえ・・マスターが望むのなら・・」

俺は向こうの世界に行くのにルナを・・・しばらくの間封印することにしていた

理由は色々あるがその最たるものが俺の暴走だ

向こうでは俺のままならない事なんていくらでもあるだろう

もしそれに我慢できず魔力を暴走させてしまったら未来を大きく変えてしまう恐れがある

ティアナさんは多少の事では確定されている未来は変わらないだろうと言っていたが流石に暴走は多少ではないだろう

ルナの封印は向こうの世界で俺がママ達に元の世界のママ達の記憶があると判断したときに解除しようと俺は決めた

しかし封印はすぐ出来るのだが解除はそうもいかないらしい

しかもスプリガンを残しての封印

解除したときに切り離したプログラムを関連付けするのに一ヶ月近くかかるらしい

あ~だこ~だと説明してくれたが俺に解かったのはそれくらいだった

そんな事を思い出していたら封印作業が始まったようだ

「マスター・・暫しのお別れです」

「ああ、必ず起こしてやるからな」

「お待ちしています。それと、レナ、セラス」

「なんですか」

「どうしたの?」

「マスターが「フラグ」を立てないようにちゃんと見張っててくださいね」

「心得ました」

「つまりはいつも通りですわね♪」

フラグ?何のだ??

「スプリガンプログラム切り離し開始・・・・終了」

「光輪の書、限定封印開始」

「マスター、最終封印をお願いします」

「我の半身、光輪の書よ・・・汝に暫しの安らぎと休息を与えん」

そういうとルナの姿は次第に薄くなっていき消えた

光輪の書も俺の胸元に浮いて近づいてきて消える

「それじゃ賭けを開始しよう」

「「はい」」

時の廻廊に入り拝借してきたママ達の服を取り出す

「・・・成功してくれよ・・・」

しばらくすると一つの映像が近づいてくる

「・・・・なんだこれ?」

「・・・子供・・ですか?」

「あらあら可愛い♪」

その映像には一人の女の子が広い部屋でジュースを飲んでいた

その表情はひどく寂しそうで・・・・なんか嫌だった

しかし待てど暮らせどこの映像しか無い

とりあえず服を他の方向へ向けてみるがその映像がちょこまかと付いてくる

ウザ!

その女の子の顔みてるとこっちまで寂しくなるんだよ!

ついてくんな!

ぶんっぶんっ と振りましても付いてくる

・・・・これしかないか

「どうやら決定らしい」

「そんな簡単に決めてよろしいので?」

「あらあら♪」

これしか無いんだから仕方ないじゃんかよぉ

それに・・・女の子も気になるし・・

「レナ、セラス」

「わかりました」

「は~い♪」

二人はそれぞれ準備に入る

俺もやりますか

「ルナティックガーデン!」

魔法陣を展開する

俺を中心に光が集まりだした

次第に俺を視覚に捕らえることが難しくなるくらいの高純度魔力の塊が身体を覆う

(レナ、セラス)

(いけます)

(いつでも♪)

二人が俺に抱きつくように腰に手を回す

(よし!飛び込め!)

グンッと俺は二人に引っ張られる

俺は魔力フィールドの維持に集中する

二人の引っ張る速度が増していく

それと同時に俺の魔力が加速度的に失われていく

なんだ!?

俺は必死に魔力を出そうとするが・・

くそ!出力があがらない!それどころか落ちてる!

まずい・・・まずい!

このままだとどうなるかわかんねぇ!

考えろ!どうすればいい!?

どうすれば!

その瞬間とつぜん身体が下に引っ張られる

今度はなんだよ!?

「晶様!飛んでください!」

「晶ちゃん飛んで!」

飛ぶ!?

俺は自分を覆っていたフィールドを解除する

すると視界が戻ってきたが・・・

「ちょっ!なになに!?なんで落ちてるの!?」

「晶様!」

「晶ちゃん!」

飛ばないと!

って力が入らない!

ヤバイヤバイっ身体も上手く動かない!

俺は二人に手を出して助けを求める

二人は落ちる俺に追いつき落下を止めてくれた

「はぁ・・・すまん、助かった」

「「・・・・」」

二人は俺をみて固まってる

どした?

「ん?どうした?」

「あ、いえ・・その・・」

「あらあら♪」

とりあえず俺たちは上空から見えた大きな森に降りることにした

二人は俺を離すと

「・・・・晶様・・」

「はいはい晶ちゃんはこれを見ましょうね♪」

セラスは胸元から鏡を出して俺に向けてくる

・・・・・・

・・・・・?

・・・・・!?

・・・・・!!??

「な・・なんじゃこりゃぁ!!!!????」

まて!落ち着くんだ俺!

とりあえず落ち着け!

って落ち着けるかぁ!

「晶様・・・可愛い・・・」

「あらあら晶ちゃんが戻ってしまいましたわ♪」

俺は・・・・子供になってた・・・!

「どどどどどうなってんの!?」

「推測の域を出ませんが・・・」

「晶ちゃんと私達がこの世界に入ってきたときに世界が平行を求めた結果ですわ♪」

意味解からん!

「恐らくですが元の世界が私達の抜けた箇所を補うのに選んだのが・・・晶様の「年月」だったのではないかと」

「それに成長していた「身体」と「魔力」のようですわね♪」

おぃぃ!

「どどどうしよ!?」

「これも推測ですが大丈夫かと思います」

「晶ちゃんはこれからまた成長すれば良いだけですわ♪」

良いの!?そんな簡単に片付けて良いの!?

二人は良くても俺が良いわけあるかぁ!

「晶ちゃんよく考えてくださいな♪」

何を?!

「晶様、これは僥倖です。私達が入った対価がそれだけで済んだかもしれないのです」

・・・・そうか!ということは俺のせいで被害を受けた人が少ない可能性が大きいということか

「それなら我慢するしかないか、というかラッキーかな?」

「はい」

「ですわ♪」




俺はティアナさんに言われていたことを思い出す

「向こうの世界に行ったらまず何年の何月かを確認しなさい、そして最初の6課が立ち上がりJS事件が解決して6課が解散するまでは動いては駄目よ」

「晶の記憶に関する事がその後始まるからそれからが本番よ」

ということらしい

てなわけで言われたとおり確認しますか

「レナ、セラス、とりあえずここがどこで今がいつなのか確認しよう」

「晶様、ここがどこなのかははっきりしています」

「海鳴市ですわ♪」

・・・・・まじで?

「冗談じゃないよな?」

「「はい」」

「という事はママ達の家もこの辺りなのか・・」

「先ほど晶様が落ちているときに、なのは様の御実家が見えました」

「まず間違いないでしょうね♪」

俺が落ちてる時にそれを見ている余裕があったのかよ・・・

「とりあえず、なのはママの様子でも見てみるか・・・レナ頼む」

「はい」

レナは結界を張って魔力でウィンドウを作り出す

そこには・・・・

「・・・なぁ、俺はなのはママの様子が見たいと言ったんだが?」

「はい」

映し出された映像にはこの世界に来る前に時の廻廊で見た女の子が映っていた

来る前に見た映像とは比べ物にならないほどの笑顔だ

まぁあんな辛気臭い顔されてたらこっちの気も滅入るからな・・・とりあえず元気になってよかった

だが今はそれどころじゃねえ

「これはなんだ?」

「なのは様の御実家です」

「んじゃこの女の子は?」

「・・・・なのは様だと思われます」

「・・マジで?」

「あらあら可愛い♪」

嘘!?まじで!?

あんな辛気臭い顔してた女の子がなのはママ!?

ってか 

ちっさ!

おお~・・・笑うとめちゃ可愛いな

でもさ・・・・

「・・これ何才だと思う?」

「7~9才くらいでしょうか?」

「6課立ち上げるのはいつだ?」

「はやて様が19の頃ですから・・・」

「これから約12年待てと!?」

「しかないかと」

「ですね♪」

NOOOOOOOOOOO!!!!!!

ありえねぇよ!

あんまりだよ!

呆れたよ!

「やべ・・・なんか目から汗が・・・」

「お気をしっかり・・」

「感激の涙ですわ♪」

ちげぇ!

まぁでもしかし

やるしかない

その為にここに来たのだ

その為に戻したのだ

「二人ともごめんな。振り回してばっかで、心配かけてばっかで・・護ってもらってばっかで・・・」

「晶様」

「晶ちゃん」

二人は

「私の全ては晶様の物です。振り回す?心配?護る?何をおっしゃいますか、それこそが我が本望」

「私達は全てを賭して主の全てを護り抜く。それが我等が宿願」

それに、とセラスが付け足した

「私達は晶ちゃん以外に仕える気なんてさらさらありませんわ♪」

「そういうことです」

「なぁ・・レナ、セラス」

「「はい」」






「ありがとう。二人とも、、その、、ぁ、ぃ、、てる、、」

改めて二人に言うとなると・・・めちゃくちゃ恥ずかしくて・・最後はゴニョゴニョとなってしまった

「あ・ああ・・・・ああああありがとうございます!」

「わ、私も・・愛しておりますわ!」

もっといつもみたいにアッサリ返されてしまうだろうと予想してんだけど二人とも珍しく動揺というか焦ってたっていうか・・・

よく考えれば二人に面と向って言ったの初めてか俺!?

べ、別に良いか、これについては考えるのをもうやめよう!




気を取り直して




「それじゃ行こうか!」

「「はい!!」」








そして始まったんだ・・・俺たちの旅が























[4755] Lost Memory ACT13
Name: アフロディーテ◆72310edc ID:4d488239
Date: 2008/12/23 01:22
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「・ぅ・・・ん・・・」

「お気づきになられましたか?」

「あらあら、オネムからお目覚めですか♪」

「ここは・・・どこだ?」

なんか身体の節々が痛い

「私達のお部屋です」

「私達の新しい居場所ですわ♪」

「・・・・・・・そうか」

そうか・・・ここは6課だったな

俺の反応に何かを感じたのか二人は怪訝な顔をしている

「少し夢を見たよ」

こんな事を隠しても二人にはすぐバレてしまうだろうから言うことにした

「ママ達の・・・皆の・・・昔の夢だった」

「・・・そうですか」

「・・晶ちゃん・・・」

こんなに時間が経っても俺は・・弱いな

夢を見たくらいでこんなにも・・・こんなにも折れそうになる

「・・ん・・・もう大丈夫だ、心配かけたな」

「いえ」

「♪」

二人は静かに笑い俺の不安を取り除いてくれる

ほんと護ってもらってばかりの駄目主だ

これじゃ戻ってもママ達にどやされるな

ところで・・

「なぁ、お前等けっこう本気で殴ったな?」

「・・・存じません」

「あらあら、躓いただけですわ♪」

嘘付け! 躓いただけで空中でフック出す女を見たことないよ!

「それで年下の可愛いお兄ちゃんとおねえちゃんはどうでしたか?♪」

「・・・そうだな・・」

「わざわざ晶ちゃんがロクに喋れもしない会話を披露したのですから気になりますわ♪」

「エリオ兄ちゃんもキャロねぇも変わらないな」

「あの二人ですからねぇ♪」

「それは良かったです」

俺達は少し笑うと明日の模擬戦について考え出す

「明日はどうなされるつもりで?」

「どう、とは?」

「あらあら、晶ちゃんとぼけるのはよろしくありませんわ♪」

「・・・・」

「はやて様を交えた模擬戦をするということは・・・動きますか?」

「晶ちゃん・・良いのね?」

「動きたい、がそうもいかないだろうな」

「どうなさいました?」

「晶ちゃん?」

「俺個人としては三人の協力を取り付けたかったんだが・・・二人はどう思う?」

「難しいと思います」

「少し骨が折れますわね」

「だろうね・・だから迷ってる」

出来れば事情を話し、協力を仰ぎたいところだが・・・

話したところで信じはしないのが妥当な線だな

俺だってこんな事聞いたとしても信じるわけがない

俺が血の繋がった息子ならDNAやらで多少なりとも信じさせる事が可能かもしれないが・・・

それに

「まだルナが戻っていない・・・今はおとなしくするのが良いと俺は思うけど二人はどうだ?」

「晶様がそう言うのでしたら異論はありません」

「あの子の解除はどうなってますの?」

「さっきも言ったが2~3週間、遅ければきっかり一月といったとこだな」

ルナの解除は終わっている

後はルナが目を覚ましスプリガンプログラムの関連付けを済ませれば・・・・その時が動く時だな

それまでは一時の安らぎを楽しむのも良いかな

「とりあえずルナが目覚めるまでこの状況を楽しんでみないか?」

「はい」

「もちろんですわ♪」

ふむ、二人とも賛同してくれて何よりだ

レナとセラスにはこの十数年間にだいぶ迷惑をかけてきたのだ

少しは彼女らにも安息や休息といったものをあげたい

「晶ちゃん」

声をかけられてセラスを見る

「確証を得られたですのね?」

「・・・ああ」

少し間が空いてしまったがしっかりと答える

「6課に向う前に突然俺が倒れたのを覚えてるか?」

「「はい」」

「あの時にママ達の記憶が見えた。それと同時に三人が頭痛に苦しんでるのも見えたんだ・・・」

二人は少し考え込み各々の答えを聞かせてくれる

「おそらく共振ですね」

「晶ちゃんの事を考えたときに入り込んだ記憶が御三方に反応したのですわね」

「多分な」

「そしてその記憶の媒体に近い晶ちゃんも共振したのですわ」

「ティアナさんは必ず何らかのアクションはあると言ってた」

「それが共振・・ですか」

「ですわね♪」

「俺はこの共振を信じたいと思ってる」

「はい」

「信じるには十分かと思いますわ♪」

「・・ありがとう」

二人に感謝を述べると微笑んで返してくれる

ほんとこの二人は・・・優しいなぁ

レナとセラスはほんとに優しくしてくれる

そんな二人に甘えっぱなしの俺は自己満足もいい所だが自分ルールというのをこの世界に来て少ししてから作った

ルールはたった一つ

この世界のママ達を、「ママ」と心の中でも出来る限り呼ばない事

ただそれだけだ

元の世界のママ達に会える日まで我慢しようと勝手に心で決めた

こっちの三人はママ達じゃないんだから当然だと言われればそれまでだが俺の中では世界は違ってもやっぱりさ・・ママなんだよ・・・

だからこそそう決めた

だから三人を・・この世界のママ達を「護る」

いや・・護るなんて厚かましいな・・・「護りたい」のだ

でもレナとセラスは気づいてたんだろうな・・・

だから今回の模擬戦での賭け品を俺のママに成れなんて言ったのだろう



「さて・・・まずは明日の模擬戦なんだが・・・」

「私ははやて様の仰るような水着は着る気ありません」

「あらあら、晶ちゃんの生まれたばかりが拝めるのですから良いではありませんか♪」

「だからこそ負けるわけにはまいりません!!」

おいおい、それだと俺が裸じゃなかったらお前等負けてもいいんかい!

「俺ははママ達の言いつけを守るつもりなんだが?」

俺がニヤリとしながら言うと

「わかりました」

「了解ですわ♪」

二人もニンマリと笑う

よしよし、ママ達の言いつけをレナ達はしっかり覚えてるようだな

明日は楽しくなりそうだ

そんなことを考えていた俺は・・

「ところで晶ちゃん♪」

セラスを見て

「晶ちゃんは胸が大きいのがいいのかしら?♪」

部屋は暖かいはずなのに

「晶様、あれはどういうことですか?」

寒気がした

てか何でそんなに笑ってるのに怖い!?

どこで地雷踏んだ?

実は個人的には胸の大きさなんてどうでも良いんだが・・・

世間では違うらしい

以前、俺は学校の友達に

「お前は不健全だ!これを読め!そして悔い改めろ!」

そういわれて本を借りたことがあった

家に持って帰りその本を読んでみたのだが・・・

その時は本当に意味がわからなかった(今でも実はよくわかってなかったりする)

女の人が裸で写っていて、何かよくわからないポーズをとっていた

その後はやてママが部屋に入ってきて俺がその本を持っていることに気づき・・・

烈火の如く御立腹したようで・・・

俺から本を取り上げ

本は窓ガラスをぶち破り宙に舞う

そしてそいつは放たれた

ピカッ と光って

どでかい花火というか・・閃光弾というか・・まぁとりあえずでかかった

一瞬光ったなと思ったら、お次は凄まじい衝撃が音と共に辺り一面に広がった

ズゴゴゴゴゴ・・・・・ズーン・・・て感じだったのを覚えてる

それを聞きつけてなのはママとフェイトママが何事かと思い部屋に来た

はやてママは笑顔で

「害虫がおったんよ♪なぁ晶?」

俺はコクコクと頷くしかなかった

それからしばらくしてからその友人はパソコンで出来るという恋愛ゲームを貸してくれた

俺は恋愛というものをしたことがない

いや、それがどういう物か知らないだけで実はしていたのかもしれない

故に恋愛を疑似体験できるというそのゲームに強く興味を持っていかれた

そこで俺は初めて人を求めるという行為を知った

結婚出来るのが18歳からだから18禁というのは分かる

そして俺がそれをしているのを見てなのはママが怒ったのも結婚できるようになってからしろという理由だったのだと俺は気づいたのだ!

その結論に達したときレナとセラスに、ママ達の怒った理由がわかった!と言って自慢げに話したのは良い思い出だ

その時のレナ曰く 「晶様はそのままでいてください」

その時のセラス曰く 「あらあら、晶ちゃんたら♪」

二人は今まで見たこともないくらいの眩しい笑顔で答えてくれた

俺の出した答えは間違ってなかったとその時確信を得たね!

だが・・・・・

今はそんな事をカミングアウトしている場合ではないようだ

「どうなのですか!?」

「どうなのかしら?♪」

「いや、ほんとによくわからないんだって!」

必死で説明する

「あの時は以前本で書いてあった事を応用してエリオ兄ちゃんに聞いただけだし、男同士だとああいう会話のほうが盛り上がるって書いてあったんだよ」

レナとセラスはじっと俺の目を覗いてくる

怖いんすけど・・・

「・・・信じましょう」

「嘘では無さそうですわね♪」

良かった・・・信じてくれたようだ

ホッと胸を撫で下ろす

「あ~でも、ゲームで出てきたような妹は欲しいかも」

「「はい?」」

「以前に友達に借りた恋愛ゲームでな?主人公に妹がいるんだけど、それが凄い性格の良い子で俺にも妹が居たらあんな子なのかなぁて思って欲しくなったなぁ・・・」

「そのゲームの途中でフェイトママが来てゲームはお亡くなりになったけどな」

あの時はフェイトママにも悪いことしたな・・でも安心してくれママ達!今度は18歳になってからするよ!

「晶お兄様、次からは私の事を妹だと思ってください」

「晶お兄ちゃん♪」

「・・・・二人とも何してんの?」

その一言は二人の何かを打ち砕いたようだった

がっくりと膝をつき肩が震えていた

「くっ!・・・どうすれば晶様に・・!?」

「晶ちゃんはロリではなくツンデレ系で責めるべきだったのかしら!?」

なんかよくわからんが二人を傷つけてしまったようだ・・

何となくだがスマンと心の中で謝っておこう

「あ、いま何時だ?」

時計を部屋の中に探してみるが今日着いたばかりの部屋では見つかるはずもなかった

「現在夜中の2時ですわ♪」

「正確には2時13分です」

セラスは胸元から懐中時計

レナは腕時計を見る

俺が気を失ってから6時間近く・・・6時間!?

「そんなに寝てたの!?」

「はい」

「ですわ♪」

いや、良いんだけど・・何となく勿体無い気がしただけだし

「まぁいいか、とりあえずご飯でも食べよっか?お腹減ったし」

「そうですね」

「はいは~い♪」

俺は食堂に行こうとして部屋のドアを開ける

出た先には

Tシャツにトランクスといった格好のティアナが居た

俺は一瞬ティアナさんと呼んでしまいそうになるのを堪える

「よう、こんな時間に何してんだティアナ」

「・・・・・・へ?」

「へ?じゃない、もう2時だぞ?なにしてんだ」

「あ、明日の作戦の見直しとかしてたらこの時間になったんだけど・・・」

「そっか、んじゃ俺達は食堂にでもいってくるわ」

「え、ああ、うん」

軽く挨拶を交わしてその場を後にする

そして廊下を曲がろうとしたときだった

「い・・いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」

なんだ!?

俺はすぐにティアナの方に走る

「どうした!?何があった!?」

「失せろこの痴漢がぁ!」

まさに一蹴

そいつは俺の腰を捉える

綺麗な一撃を貰い膝をついて

「なんで!?俺なんにもしてないよ!?」

「この場でそのセリフが出るとは思わなかったわ!」

ティアナの悲鳴を聞いた人たちがぞろぞろと部屋から出てくる

その中にはあの人たちも居て・・・

「どうしたんやティアナ・・て何で晶がこないなとこ居るん?」

こないなとこ?

「こんな夜中にどうしたの・・・え?晶?」

フェイトさんなんで驚いていますか?

「う~ん・・どうしたのティアナ・・晶!?」

あれ?なのはさんも驚いていらっしゃる?

どゆこと?

「・・・すいません晶」

「あらあら、忘れてましたわ♪」

すいません?忘れてた?

「「ここは女子寮です(わ♪)」」

女子寮?何だそれ?何か問題あるのか?

「俺が居ちゃまずいの?」

俺のセリフに周囲が固まった

レナが小声で言う

「晶様には選択肢が二つございます」

セラスがそれを提示してくれる

「1全力で逃げる、2全力で土下座する、の二つですわ♪」

逃げる?なんで逃げなきゃいけないの?だってみんな仲間だろ?

土下座?悪いことしてないのに頭を下げる理由が見当たらないよ

「それ以外の選択肢は?」

「一つあるにはあります」

「3開き直る、ですわ♪」

一番ましな選択肢だな

「「でも」」

そう言うとレナ達は周囲を見渡す

「どうやら選ぶのが遅かったようですね」

「時間切れですわね♪」

ええ!?時間あったの!?

はやて部隊長は一歩前に出る

「ここは男の晶が居て良い場所ちゃうで?」

フェイト隊長も一歩出る

「ここは駄目だよ」

なのは隊長もそれに続く

「にゃはは、流石にこれはますいかな~」




・・・俺が居てはいけない・・・?

・・・俺は居ては駄目なのか・・・?

・・・俺はやっぱり・・ここでも必要ないのか・・・


気づかないうちに俺の頬には・・


「晶様!?」

「晶ちゃん!?」

え?あれ?

こんなはずじゃ・・!

ちょっ違う!

「ご、ごめん!そんなつもりじゃ・・あ、あれ?」

何度拭いても止まらない

く、くそ、何で止まらないんだよ

その時一声が響いた

「みんな早ぅ部屋戻り!」

皆それを聞いて渋々といった感じで戻っていく

そこには6人の女と一人の男だけが残った

「ティアナも戻りぃ」

「・・・」

ティアナは答えない

「責任取れるんやな?」

「・・・はい」

ティアナは頷く

はやて部隊長はティアナに「ならええ」と言って俺に近づいて腰を下げて目線を合わせる

「理由・・はなせるか?」

俺は・・・首を横に振る

「そっか・・・いつか聞かせてくれるんやね?」

しばらく間を置いて俺は・・・首を縦に振った

「なら今は聞かへんよ・・・」

はやて部隊長はグッと俺を引き寄せて

「ごめんなぁ・・うちら晶のことよう知らんさかいに何か言ってもうたんやね・・」

包んでくれた

その時はやて部隊長が「はやてママ」に思えて・・・その温もりに甘えてしまった

しばらくして ぐぅ~ と俺の腹がなってしまった・・・

「ぷっ、あっはは!自分ぶち壊しやで!?」

「ははは」

「にゃはは」

「もう・・あんたは」

俺は恥ずかしくなって俯いてしまう

「ご、ごめん・・なさい・・」

このタイミングでやってしまうとは・・・おれ恥ずかし!

「えと、寝てて目が覚めて、そしたらお腹減ってて、そしたら叫び声が聞こえて・・・・」

「かまへんよ、行ってきぃ」

「ご、ごめんなさい・・」

そう言って俺は食堂に向った

レナとセラスも俺について来る

去り際になのは隊長とフェイト隊長に頭を撫でられてちょっと嬉しかった



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うちは晶を見送った後、自室に戻り考えていた

「・・・晶様・・・か」

先ほどレナが咄嗟に晶のことを「晶様」と呼んだ

部隊長室に来たときは「晶」と呼んでいたはずだ

同じ階級の者を普通は「様」付けなんてしない

いや、例え階級が上だとしてもそんなことはしない

それに晶が涙を見せたときのレナとセラスの動揺・・そして周りに対するあの殺気・・・

ううん、違う

あれは「私達」に対するものだった

うちがあの時みんなを下がらせた理由は二つ

あのままだったら皆に危険が及ぶ可能性があったのが一つめ

二つめは・・・何故か晶を泣かせてしまった自分に腹が立ったからだ

二つめの理由は非常に不可解極まりない

だけど何故か晶の泣いている姿を自分達以外に晒すのが嫌だった

「・・・ようわからんわ」

これ以上はどうこう考えても答えなんて出ないだろう

「ティアナにはキツイ事言ってもうたな・・」

自分の言った言葉を思い出して今更ながら後悔してしまう

「責任取れやなんて・・・私こそ無責任や」

うちのいう責任とは晶が背負っていると思われる重荷

それはきっと生半可な重さではない

そう眼が語っていた

目は口ほどに物を言うとはよく言ったものである

うちはティアナに重荷を一緒に背負ってやれるんか? そう言ったのだ

それでもティアナは頷いた

だからこそあの場に残すことを良しとしたのだ

ティアナも晶に何かを感じて、それでも頷いたのだ

「うちらも一緒に背負ってやれへんのかな・・・」

晶はいずれ話してくれると言った

ならばその時少しでも持っている物を軽くしてあげれるようにしよう

そう思いながらうちはベッドに入って意識を落とす









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食堂に着いて俺は適当に注文する

出てきた物を受け取り席に向う

席に着くとレナ達も俺と向かい合わせになるようにして座った

「あれ?二人とも食べないの?」

そういえばさっきから二人は無言で俺に付いてきてたな

「二人ともどうしたんだ?なんかおかしくない?」

「・・・すいません、少し所用がありますので私は先に部屋に戻らせてもらってもよろしいですか?」

レナはどうやら用事があるらしい

引き止めるのもなんとなく気が引けるので行かせてあげよう

「忘れ物か?別に構わないよ。気にしないで行ってくればいいよ」

「・・ありがとうございます。それでは失礼して・・・」

レナは感情の入ってないような声で言うとその場を去ろうとする

それをセラスは引き止めた

「レナおちつきなさい」

「・・・すいませんがセラス・・私は我「堪えなさい」慢できません」

「私も堪えます・・ですからレナも堪えなさい」

言い合うレナとセラスの眼には形容しがたい「色」が窺えた

それに何か危険なものを感じた俺は二人にこっちを見るようにと言う

「なぁ二人とも、どういう事だ?」

「「・・・・」」

「レナ、今から何をしようとしてた?」

「セラス、何を堪えるんだ?」

「「・・・」」

「黙ってちゃわかんないだろ?」

二人が答えないという事は少なくとも良いことではないな

むしろ何かしら事を構える気だ

思い当たることをとりあえず言ってみるか・・

「俺を痴漢呼ばわりしたティアナにでも何かしにいくつもりだったのか?」

「「・・・・」」

顔色一つ変えないか・・・これでは無いようだ

ならもう一つだ

「それともさっき居た中に気になる人でもいたか?」

「・・・いえ」

「・・・違いますわ」

顔色は変わらなかったが二人が答えた

という事は少なくとも俺に譲歩、もしくは今の会話で時間が経ったことで頭が冷えたか・・・

どちらでも良い

二人が今まで俺の為に全てをなげうってくれた

そんな二人がだ、それほどまでに耐え難い事・・

「・・はやて部隊長たちか?」

「「・・・・」」

表情は変わらないが雰囲気が変わるのがわかる

「当たりか」

「・・・晶様」

「・・・晶ちゃん」

どうしたもんかね

でも聞くしかないだろうな

「ここじゃ誰に聞かれるかもわからないし外に出よう」

「・・はい」

「わかりました」

俺は二人を連れて外に出る

外は少し冷え込んでいたが今はそんな事を言っている場合ではないな

昔にティアナが練習していた木の下に行く

「・・ここなら問題ないと思う」

木の根元に腰を下ろして二人を見る

二人は暫く動かなかったが俺が寒さでくしゃみをするのを見て心配してくれたのか語りだす

「・・あの時、はやて様達は晶様に「居てはいけない」と申されました」

「・・そしてあのような形で晶ちゃんを泣かせてしまいましたわ」

「・・・それだけか?」

「「・・・」」

「もう一つあるんだな?」

「「・・・・あの眼です(わ)」」

眼?どういうことだ

あの時は必死で涙を拭いてたからそんなこと気にしてなかった

「あれは・・・あの眼ははやて様達が晶様に向けるような眼ではありません」

「はやて様達はもっと慈しむような・・愛しい者を見る眼で晶ちゃんを見ておりました」

「でも先ほどのあれは違います・・・あれは「気遣った」眼です」

「確かに優しさもありましたが「あった」というだけですわ」

・・・なるほどね

それが気に入らないか・・・

あの人達にとって俺はその程度でしかない・・それはショックだが・・・・

「あたりまえの事だろ?」

「「ですが!」」

そう

あたりまえの事なんだよ

今日初めて会った人間をママ達と同じ眼で俺を見ろという方がおかしい

「でも、ありがとうな」

「「え?」」

レナとセラスは俺の為に怒ってくれた

それだけでいい

俺は二人を抱き寄せた

「あ、あああ晶様!?」

「晶ちゃん!?」

ぎゅっと力を込めて抱きしめる

「俺の為に・・・ありがとう」

「・・・晶様」

「・・・晶ちゃん」

暫くして二人を解放する

「どうしてもと言うなら明日があるじゃん」

笑って俺が言うと

「よろしいのですか?」

「あらあら、手加減できませんわよ?♪」

二人も笑って答えてくれた

うん、やっぱレナもセラスも笑うと綺麗だな

そうしてたほうが良い

「ティアナの作戦通りには当然やるさ・・でも」

「「?」」

「作戦が上手くいかなかったらレナとセラスは好きにすると良いと思うよ?」

「わかりました」

「あらあら、明日が楽しみですわ♪」

二人に戻ろうと促すとレナは俺の左腕、セラスは俺の右腕をそれぞれ自分達の腕に絡ませて付いてきた

最近思うんだがセラスは前からそうだったんだけどレナも俺にくっついてくるようになったのはなぜだろう

動きにくいったらありゃしない

そのまま中に入ると何人かの人と挨拶を交わす

その中の何人かに

「おい新人・・・羨ましくなんかないからなーー!!」

「それはあれか!?俺に対するあてつけか!?ちくしょー!!」

とか言いながら全力で走って行ったがありゃなんだ?

レナは俺を見て

「敗残者の戯言ですから気になさらず」

セラスは走っていった人達を見て

「あらあら、滑稽ですわね♪」

そんな事を笑顔で言ってたな

その後レナとセラスは俺の部屋に連れて行ってくれると申し訳無さそうな、残念そうな表情をして

「晶様、お部屋は違えども心は常に共にあります」

「晶ちゃん、少しの間ですので我慢してくださいね」

そう言い残すと自分達の部屋に帰って行ったようだった




次の日の朝、部隊挨拶を終えてそれぞれ自己紹介などを終えると

「フォワード陣は即行で準備して練習場に来い!」

ヴィータ副隊長にそう言われて全力で用意した

練習場に行く前に皆と合流して作戦の再確認と最終打ち合わせをする

そうして練習場に着いたが・・・・

「・・・ねぇ・・・これどういう事か説明してくれる?」

ティアナが俺を睨む

「あはは・・・きっついね・・」

スバルが嫌な汗を流している

「えと・・・本気・・ですか?」

エリオ頑張れ

「・・もう白旗揚げちゃったほうが・・・」

うん、そうかもなキャロ


おかしい・・当初考えてた人数と違うんですがどういうことですか!?

なんで・・・

なんでそっち七人も居んの!?

いやこっちも七人だけどさ!

はやて部隊長、なのは隊長、フェイト隊長、ヴィータ副隊長、シグナム副隊長、ここまではわかる

というかここまでしか予想してなかったんだよ!

なんでシャマル先生とザフィーラまで居るかな!?

おかしくね!?絶対おかしいよな!?

そんな暇なのかよ二人とも!

そんな感じでフォワードの俺を含めて5人が混乱していると

「「予定通りです(わ♪)」」

「「「「「へ?」」」」」

フォワード5人は一斉にレナとセラスを見る

その様子を見ていたはやて部隊長が不思議そうに聞いてきた

「なんや自分等聞いてないんか?」

「「「「「何をですか?」」」」」

綺麗にハモった俺たちに笑いながら言い放つ

「レナとセラスがな夜中にうちの部屋に訪ねて来てな、そっちも七人やからこちらも七人で来いて言うから揃えてきたんよ」

「いやぁそこまでやる気満々やねんからこっちも本気でいかんとなぁ」

「「「「「・・・・・」」」」」

あの二人やりやがった!

作戦が上手くいかなかったら好きにして良いとは言ったけどさ!

よっぽど怒ってたんだな・・・

呆れていると

「あらあら、これでは作戦が無駄になってしまいましたわね♪」

「仕方ありません、各個撃破ということでいきましょう」

いやもう戦る気満々・・てか殺る気満々だなお前等!?

そんな二人を見て他のフォワードは・・・

「今更逃げるわけにもいかないしね」

「空は晶とレナとセラスに任せるね」

「僕は中で引っ掻き回すのでフォローお願いします」

「フリードで援護と、ティアさんにブーストかけますので後はお願いします」

随分と割り切ったなぁ

決断のお早いことで・・

「おいお前等!手加減なんかしてやらねぇから安心しろよ!」

「覚悟は決まったか?なら前に出ろ」

「久しぶりの模擬線ね?ザフィーラ」

「なぜ我まで・・・」

ヴォルケンズも戦る気ですな~

「にゃはは、ヴィータちゃんやりすぎちゃ駄目だよ?」

「エリオ、キャロ、頑張ってね」

なのは隊長・・・ヴィータ副隊長に何言っても今は無駄かと

それとフェイト隊長・・あなたもやるんですよ!こっち応援してる場合じゃないでしょ!?

「ほんじゃそろそろ準備ええか?」

はやて部隊長が痺れを切らそうとしていた時にレナとセラスが近づいていく

「はやて部隊長」

「少々御相談がございますわ♪」

「なんや?」

「「こちらへ」」

そういうと三人は少し離れた所で会話している

あいつら・・・今度は何企んでやがる!?

こんなとこで問いただす事も出来ないのでおとなしくしているしか無い

少しすると会話も終わったようで三人は帰ってきた

はやて部隊長はニヤニヤと俺を見ていたが・・なんだ?

「それじゃルール説明するで」

はい!と全員が応えてはやて部隊長を注目

「うちが「散開」て言ったら10分後に戦闘開始、それまでに各自散らばるか、作戦立てるなり好きにしたらええよ」

「勝利条件は全員の撃墜かリーダーとサブリーダーの撃墜、敗北はその逆や」

「説明は以上や!何か聞きたいことあるか?」

「部隊長よろしいでしょうか?」

「ん?」

ティアナが一歩前に出た

「部隊長側のリーダーとサブリーダーは誰でしょうか?」

「それは言われへん、戦場で敵はそんなこと教えてくれへんやろ?」

「ではこちら側のリーダーとサブリーダーもそちらは知らないという事ですか?」

「そういうこっちゃ」

はやて部隊長はニヤリとして俺達フォワード陣を見渡す

はい!この人いま嘘つきましたよ!部隊長のあなたが知らないはずがありません!

みんな気づいてるだろうが何も言わない・・・・ある意味凄い連係だなオイ!

「リーダーまたはサブリーダーが撃墜された場合はオープンチャンネルで通信が行くようになってるさかいに撃墜しなわからんようになってるで」

「わかりました。自分からの質問は以上です」

ティアナは一歩下がる

「他に質問したいのは居るか?」

「「「「「ありません!」」」」」

「ならいくで・・・・・・散開!!」



こうして6課での模擬戦は幕を開けた









[4755] Lost Memory ACT14
Name: アフロディーテ◆72310edc ID:4d488239
Date: 2009/01/08 19:30


はやて部隊長の声と同時に一斉に散らばる

模擬戦の設定は市街地戦、住民は収容施設にて避難済み

作戦目標は敵のリーダーとサブリーダーの撃破、もしくは敵一味を殲滅

・・・模擬戦とは思えない過激な設定だな

(みんな聞こえる?)

ティアナからの念話がくる

(一度H13のポイントB11に3分以内に集合よ)

了解と答えマップを表示し確認しながら向う

戦闘開始まであと6分か・・・さぁどう出るティアナ

ティアナの通信から2分弱

ポイントに到着するとすでに皆揃っていた

慣れたもんだな・・・いや、流石と言うべきか

当然みんなバリアジャケット姿

ティアナ達のバリアジャケットはなのは隊長とフェイト隊長のをベースに作られている

それに対して俺たち三人のはオリジナルだ

レナは黒をベースに、セラスは黄色をベースにしたチャイナドレスのようなバリアジャケット

俺は白をベースに学生服のようなデザインで胸の縁には金のライン、腕の縁には青のラインが入っている

そのバリアジャケットの上から黒いバリアコートを着込むといった具合だ

そしてコートのせいで見えないが背中には金色の輪の中に銀の十字架を描き十字架の中心には桃色の珠が刺繍されている

ティアナは全員が到着したのを確認すると一つの作戦を提示する

作戦の内容は至って単純

幻術を使い「敵」を欺く

俺たちの知っている敵は間違いなく強敵

正面からぶつかり合えばまず間違いなく堕とされる

「でもそれだけじゃ足りない、だから「それ」にトリックをしかける」

全員の頭に「?」が浮かぶ

「だから・・・・こうするわけ」

へぇ・・・面白い

これなら堕とせなくてもかなりの打撃を与えられ可能性があるな

「レナ、あなた「強化」できる?」

「出来るというほどではありませんが・・」

レナは試しにティアナに強化をかけてみる

「これなら・・いける!」

ティアナは満足そうに言う

「配置は昨日も言ったやつでいくわ」

「「「「「「了解」」」」」」

「晶達三人は空を抑えて!」

「「「了解」」」

戦闘開始まであと一分

広域サーチをかけてみたが一切誰も掛からない

あたりまえか

隊長陣がそんなヘマをするとは思えない

途端にブザーが鳴る

開始の合図だ

「いくわよ!」

「「「「「「了解!」」」」」」

(晶達は空に上がって周囲を警戒、私達はこのままF21の公園の辺りまで出るわ)

(わかった)

(わかりました)

(了解ですわ♪)

返事をして上がろうとした矢先

「おっせぇんだよ!っおらぁ!!」

ヴィータ副隊長が俺をめがけてが突っ込んでくる

寸前のとこで避けて俺はデバイスに向って叫ぶ

「アルテミス!」

俺のデバイス「アルテミス」形状はディスク型、ディスクというよりチャクラムだな

ただし投げるのではなく中心の穴に腕を入れる

握ったりして装備するのではなく体に通して装備する

「ミスティック・レイン!」

アルテミスが高速回転して魔力弾を無数に打ち出す

撃ちだされた弾は一度上にあがって目標に向って雨のように降り注ぐ

「ちぃっ!うぜぇんだよ!」

ヴィータ副隊長が全て避けながら向ってくる

(晶ちゃん少し下がって)

(わかった)

俺はセラスに従い追ってくるヴィータ副隊長から距離を置く

(ティアナ!ここは抑えるから行け!)

(了解!頼んだわよ!)

ティアナ達が走りだした瞬間だった

「遅いな」

「行かせないよ」

シグナム副隊長とフェイト隊長のお出ましだ

はぁ・・最悪のコンビの登場だな

始まってまだ3分も経ってないのにもうピンチかよ

(レナ!ティアナ達の援護いけるか!?)

(おまかせを)

レナがシグナム副隊長に向って飛ぶ

「万物悉く討ち滅ぼせ「プロヴィデンス」」

レナの手にしているそれは海を思わせるような蒼色の槍、下も上も関係なく、後ろも前も関係ない、プロヴィデンスと呼ばれた槍は「どちらにも」刃があるのだ

槍をシグナム副隊長に投げ放った

「っ!」

シグナム副隊長は槍の障壁で受け止めつつ体を逸らす

「ほぅ・・良い攻撃だ」

逸れた槍はすぐさま主の下に戻る

「逸らされましたか」

シグナム副隊長はレナを睨む

フェイト隊長はティアナ達と交戦しはじめた

フェイト隊長といえど一人で4人は厳しいだろう

俺がティアナ達の様子をちら見した瞬間

「余所見してんじゃねぇ!」

ヴィータ副隊長はご立腹のようだ

「あなたもですよ♪」

セラスがヴィータ副隊長の後ろから

「天壌を紅く染め上げなさい「シンフォニア」」

刃まで深紅のトライデントアクスはヴィータ副隊長の障壁をものともせずに貫通する

「!?」

咄嗟にデバイスを盾にしてヴィータ副隊長は防いだが勢いを殺しきれずに横のビルに突っ込んでいく

うわぁ・・・痛そう・・・

「こうなってしまっては作戦など無いに等しいですね、晶ちゃんははやて部隊長の捜索をお願いしますわ」

「わかった」

「出鼻を挫かれてしまいましたわ♪」

セラスは嬉しそうにそんなことを言う

まったく・・そんなにストレス溜まってたのか・・恐ろしい

(ティアナ、俺ははやて部隊長を探して叩く!)

(!?・・・わかった、早く行って!こっちは長く持たないわよ!)

では行きますか!

その刹那

「ディバイン・・・バスターー!」

ピンクの魔力光かがこっちに向ってくる

「うお!?」

何とか避けるには避けたが・・・後ろのビルに穴が・・

こえぇ!

「にゃはは 行かせないのだ」

笑いながら言うこっちゃねぇ

「うちならここに居るでぇ?」

なのは隊長の後ろ、遥か上空に探し人は・・・居た

球体状のどでかい何かがある

はは・・・やってくれんじゃないの・・

でも・・・負けるわけにはいかないんだよね!

ママ達の言いつけでね!

一つ! 喧嘩は良くないけど負けちゃ駄目だよ?

一つ! にゃはは、勝って護れるものがあるなら何が何でも勝つよ?

一つ! 勝ったほうが気持ちいいやん?

という事で・・・やりますか

(レナ、セラス)

(なんでしょう?)

(晶ちゃん?)

(ネメシスを使う)

(・・・わかりました・・ですが一度だけです)

(それ以上は使用しないと約束して晶ちゃん)

(わかった)

返事するとレナ達は一言付け加える

(晶様、ルナが戻るまではサーチの使用も認めません。よろしいですね?)

(これが守れないようでしたらここで晶ちゃんはリタイアですわ)

(分かってるよ、二人には心配かけない)

苦笑まじりに俺はそう答えた

ほんと心配性だなレナとセラスは・・

心が温かくなる

二人共ありがとう

そう心で礼を言って現状の情報整理をする

レナはシグナム副隊長

セラスはヴィータ副隊長

ティアナ達はフェイト隊長

はやて部隊長になのは隊長、それにシャマル先生とザフィーラははやて部隊長に随伴

現状は隊長陣に囲まれて八方塞か・・・

そして上ではもう完成間近のディアボリック・エミッション

あんなものを撃たれたら飛べる俺達や隊長陣はともかくティアナ達は根こそぎいかれる

はぁ・・・普通なら圧倒的な隊長陣の勝利で終わりだな

ルナのサポートが無い上に魔力リミッターでAA+まで落としてる状態でどこまで持つかわからないが・・

「ネメシス・スタビライザー」

白い魔力が俺を包む

「ミレミアム・アイ」

視界が色を失い「未来線」が浮き彫りになる

・・・いつ「視」ても気分が悪くなる

「なのは隊長~~!」

俺は遠くで警戒しているなのは隊長に声をかける

「・・・・・なにかな?」

明らかに俺が何かしようとするのを解っているのか警戒しながら応えてくれる

「高速て知ってます?」

「え?」

なのは隊長の「後ろ」からそう言って俺は延髄に一撃入れて意識を刈り取る

「高速てこういう事を言うんですよ」

気を失ったなのは隊長を抱きかかえる

するとオープンチャンネルで通信が入る

((サブリーダー、高町なのは一等空尉、戦闘の続行不可能と判断、戦闘メンバーより離脱))

なのは隊長はサブリーダーか・・ということははやて部隊長が当然のごとくリーダーかな

そんな事を思っていると視界に無数の線が出る

「てめぇ!今のはなんだ!?」

「貴様!何をした!?」

「なのは!」

三人が迫ってくる

「レナ、セラス」

「「ここに」」

呼びかけると既に二人は俺の後ろで控えていた

目の前まで迫ったフェイト隊長たちに一瞥くれてレナとセラスの方へ向く

「無視してんじゃねぇ!!」

「騎士に背中を見せるとは!侮辱は許さん!!」

「なのはを離して!」

俺は声を無視して二人に告げる

「レナ、魅せてくれるかい?」

「セラス、聞かせてくれる?」

「「御意」」

ヴィータ副隊長がデバイスを振りかぶり俺を狙う

ガキィ・・・!

それはセラスの一振りで防がれる

「あたなの方のお相手仕りましょう♪」

「っ!馬鹿力かよテメェ・・・」

ヴィータ副隊長がぼやく

シグナム副隊長が俺の正面に回りこんで突いてくる

切っ先が俺を捕らえようと迫る

ギィィッン

「貴方の相手は私のはずですが?」

レナは剣の切っ先を槍の切っ先で「止めた」

「なっ!?」

シグナム副隊長の顔が驚愕に揺れる

当たり前だ

剣の切っ先、一番細く狭く鋭い部分を切っ先で「止められた」のだ

俺は二人にまかせて一度なのは隊長を置く為に地上に降りる

するとフェイト隊長が猛追してきた

「何をしたの!?」

「後ろに回って一撃入れた・・それだけですよ?」

「・・・あの距離をつめて後ろに回る・・しかも誰にも見えなかった・・・レイジングハートも反応出来なかった・・」

「嘘なんてつきません・・・でも、こんなとこに居ていいんですか?」

「え?」

ティアナ達がフェイト隊長を取り囲んでいる

「俺に気を取られるからですよ」

フェイト隊長はこれで身動きが取れないはずだ

「ティアナ、頼めるか?」

「・・聞きたいことあるけど・・・言えないんでしょ?」

「・・・ごめん」

「いいわよ、その代わり絶対勝ちなさいよ」

「約束だ」

「約束よ」

俺ははやて部隊長に向って飛んだ


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晶がなのはを抱いて地上に降りている時それは始まっていた

レナとセラスは同時に言葉を発する

「お魅せいたしましょう・・「舞闘」を」

「お聞かせいたしますわ・・「詩」を♪」

二人はそこで模擬戦が始まって初めて「構え」を見せた

レナは足を肩幅より少し広げ槍を持つ右手を腰の後ろに回し槍を水平にして左手を前に突き出す

セラスは目を細めて両足をピタリと合わせて両手を仰々しく広げる

ヴィータとシグナムは二人に異様な空気を感じ取り完全に仕切りなおす為の距離を取って構える

「Vorspiel♪」

セラスが詩を紡ぎだす

「~♪~~♪っ♪~~~~♪」

その声はどこまでも透き通っていて

その詩はどこまでも果てしなく届く

距離をとっているヴィータ達にもそれは聞こえる

「なんだあいつ・・・」

「戦場で歌など・・・騎士を愚弄しているのか?」

二人がそう呟いた瞬間だった

ズンッ!

「「なっ!?」」

身体が感じたこともないほど重くなる

「Marsch♪」

セラスが続けて詩う

「ヴィータ!」

「わかってらぁ!」

これ以上歌わせてはならない

二人はそう判断して前にでる

同時に詩っているセラスの前にレナが出る

「一の舞」

レナはそう言うとステップを踏む

それは軽やかに

だけど力強く

まるで詩っているセラスに同調するように

ヴィータは目の前のレナに下からデバイスを振り上げる

「っざけんなー!」

シグナムはセラスに斜め上から斬りかかる

「そこまでだ!」

それは・・届かなかった

ヴィータはデバイスを蹴り上げられ、シグナムは槍で返される

だが一度防がれたくらいで退きなどしない

「「まだだ!」」

ヴィータは蹴り上げられたそれの勢いを利用し回転しながらレナを横殴りにするために振りぬこうとする

シグナムはセラスの背後から突きを放つ

「二の舞」

レナは瞬時に槍を真ん中から二つに分けた

すると分かれた結合部分からもう一つの刃が出る

両方の槍を回転させヴィータとシグナムのデバイスを巻き込み吹き飛ばす

流れるような動作

レナは腰を捻りヴィータに蹴りを入れシグナムに高速回転させた槍を投げつける

ヴィータは地上に激突する前になんとか止まる

シグナムはレナの槍を受けて隣のビルに突っ込んだ

槍はまるで生きているかのようにレナの元に戻り、まるで主を護るかのようにレナとセラスの周りを回転しながら飛んでいる

「valse♪」

「終局です」

セラスは新たな詩を紡ぎだした

その詩を受けてレナの身体が青白く輝く

レナはまだ体勢を整えきれていない二人に向って飛ぶ

ヴィータは迫りくるレナを見て叫ぶ

「よく聞け新人・・」

それにもう一つの声が応える

「我らベルカの騎士に・・」

いつの間にかシグナムは自身のデバイスを手にしレナに飛び掛る

「「負けはねぇ!(ない!)」」





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俺ははやて部隊長を探して飛ぶ

なのは隊長が堕とされたのを危険と判断したのか

詠唱を止め姿を眩ましたようだ

「まずいな・・・完全に隠れられたかな」

ズキン! ズキン!

身体が軋む

「もう少しだけ持ってくれ・・」

痛みで顔が歪む

当初の俺の目的・・・新しく入った三人は「使える」ということは、なのは隊長を堕としたことである程度達成できたはずだ

最初はそれが出来れば負けても良いと思っていた

だけど・・それだけじゃもう終われない

約束をしてしまった

ティアナに勝ってみせると約束したんだ

俺は嘘つきにはなりたくない

「後でレナ達に怒られるかな・・・」

レナとセラスが俺を叱る様子を想像する

「ごめんな・・・でも約束したんだ・・」

俺は目を閉じて集中する

「ホーリー・サーチャー」

光の輪が俺を囲む

そして一気に広がった

ホーリー・サーチャーはその範囲全てを俺に見せてくる

それは結界で隠れていようと関係ない

光ある所は全て俺の「範囲」だ

本来はルナがサーチによる情報を処理し、必要な情報だけを俺に映像として送る

人間の脳などではサーチで送られてくる大量の情報量など処理できないからだ

とくに長時間のサーチともなれば脳に負荷がかかりすぎて良くて廃人、悪ければ死だ

脳が処理しきれず頭が割れそうに痛む

時間にしてわずか数秒・・たったこれだけの時間でも死んだほうが楽だと思うような痛さが襲う

「ぁぐ、、、も、少し、、!」

もう少しだけ頼む!

自分に言い聞かせる

・・・・見つけた!

サーチをやめて膝をつく

「はぁ、はぁ、、、み、見つけた・・・」

ここから700Mの先のビル群の中か・・

「あと1分でいいから・・頼む」

身体に言い聞かせると俺は飛ぶ

空を飛ぶと見つかってしまうかもしれないので低く速く滑空するが先ほどのサーチのせいで視界が定まらない

ふらふらと壁などにぶつかりそうになりながら飛んだ

「居た・・・」

見つけた

「・・・ごめん、はやて部隊長・・」

世界は違えど・・・三人に手を出すのは・・やっぱり嫌だった・・・でも!

アルテミスに魔力を込める

残り50M

はやて部隊長がこちらに気づく

遅い・・!

「これでっ!」

俺が手刀をはやて部隊長の首めがけて疾走した瞬間・・・

緑色のバリアに防がれる

しまった!シャマル先生か!?

なぜ気づけなかった!

なぜ考えなかった!

はやて部隊長が一人で居るわけないのに!!

そして下から「牙」が地を貫いて出てくる

くっ・・避けきれない!

喰らいつつも牙を蹴って何とか致命傷は避けた

避けた勢いのまま俺は裏路地のゴミ箱に突っ込んでしまう

「自分いま勝ったおもたやろ?」

はやて部隊長の声が聞こえる

守護騎士を従えて俺に近づいてくるとデバイスを俺に突きつける

「チェックメイトや」

隠れたのではなく誘っていたのか・・・やっぱ凄いなぁ

「残念だけど晶君はここで撃墜されて終了ね」

「よく頑張ったな」

シャマル先生とザフィーラが喋りかけてくる

でも・・・

「・・・ネメシス・スタビライザー」

軋む身体を無理やり動かし・・・

「「「!!??」」」

俺ははやて部隊長達の背後を取って

「・・・勝っ・・・た・・・と思っ・・・たでしょう?」

ごめんティアナ・・・約束守れなかった・・

ごめんレナ、セラス・・・約束二回も破っちゃった・・

俺の意識はそこで切れた





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うちは動けなかった

晶が何か言った瞬間後ろに居た

何が起こったか理解できなかった

確かに勝ったとは思ったが・・・油断など微塵もしていない

「・・・勝っ・・・た・・・と思っ・・・たでしょう?」

そう言い残すと晶はうちに凭れ掛かるように倒れる

うちは咄嗟に受け止める

っ!?

明らかに顔色がおかしい

手足が痙攣している

((サブリーダー、不和晶三等空尉、戦闘の続行不可能と判断、戦闘メンバーより離脱))

そんな事はどうでもええ!

「シャマル!早く晶を!」

「どうしたのはやてちゃん!?」

「主よ、どうなされた?」

「晶の様子がおかしいんや!」

シャマルは急いで治癒魔法をかける

もう模擬戦なんてやってる場合やない!

早く医務室に連れていかんと!

「模擬戦は中「駄目です(わ)」!?」

「「!?」」

「中止ではありません・・・終了です」

「はやて部隊長はここで撃墜され終了ですわ」

うちの首筋に冷たい物が当たる感触がする

「あなた達!今はそんなこと言ってる場合じゃないでしょ!?」

「貴様等・・この状況を見て言っているのか?」

シャマルとザフィーラがうちの後ろに居る二人を睨みつける

「終わりだと言っているのです」

「早く敗北宣言をなさい」

「・・・・それでええさかいに晶は連れて行くで?」

腸が煮えくり返りそうになる

この子のこんな状況を見てこの二人はまだそんな事を言うのか

首に当たっているもんなんかもう知らん!

殴ったらな気が収まらへん!!

そう思ってうちは後ろを向いて二人を見たんやけど・・・

「早く撃墜報告を!」

「通信を早く流しなさい!!」

振り向いたうちが見たんは・・・

レナとセラスが涙を流していて・・・

怒りでデバイスが震えるくらい力を入れてて・・・

悔しさで唇を噛み切ったのか血を流してて・・・

それを見てうちは二人を殴るどころか晶に嫉妬すら感じてしまう

この子は・・晶はこんなにもレナとセラスに愛されとるんやね

うちはバリアジャケットを解除して戦闘不能の意を表す

するとすぐに通信が入る

((リーダー、八神はやて陸上一佐、戦闘の続行不可能と判断、戦闘メンバーより離脱))

((リーダー、サブリーダーの戦闘不能を確認、現時刻をもって模擬戦を終了))

通信が入った瞬間

「はよぅ行くで!付いてきぃ!」

「「はい!」」

なんでやろなぁ・・さっきまでうち怒ってたはずやのに笑ってる

あはは、ごめんな~なのはちゃんにフェイトちゃん

最初にうちが散々疑っておいてアレやねんけど・・・

うち晶達のこと好きになってもうたみたいや

うちは心の中で親友二人に謝りながら再びバリアジャケットを纏うと晶を抱いて全力で飛んだ



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「はぁ、、はぁ、、、」

(追い詰めるはずが逆に追い詰められている)

ティアナは眼前のフェイト隊長に迫れずにいた

すでにエリオとキャロは撃墜されてしまった

(残りカードリッジは2発・・・・「あれ」を撃てれば勝機はあるけど・・)

「・・撃たせないよ」

「っ!」

すでにバレているらしい

スバルと私でフェイト隊長を挟み込む形になっているのがまだ救いだ

(スバルいける?)

(・・やってみる)

(私が先に仕掛けるから逃げ道で叩いて)

(OKティア)

本来なら特攻はフロントの十八番だけど正攻法で行ったところで無駄だろう

ならば奇策を取るしかない

フェイト隊長もだいぶ消耗しているはずだ

これで駄目なら私は執務官にはまだなれないだろう

これが成功しても怪しいところだけどね・・

突然通信が入る

((サブリーダー、不和晶三等空尉、戦闘の続行不可能と判断、戦闘メンバーより離脱))

!?

まずい・・これで私がやられれば敗北という事になってしまう

晶がやられたという事はスグにはやて部隊長もここに来るだろう

これ以上時間をかけるわけにはいかない

落ち着け・・焦るな・・・冷静になるんだ

そして迅速かつ的確に狙え・・

自分に言い聞かせる

深く深呼吸する

(GO!)

シューターを7発撃ち込んでフェイト隊長を逃げ道に「陽動」する

予想に反してフェイト隊長は逃げ道に回りこもうとしていたスバルに攻撃を仕掛ける







違う・・・私の予想は「正解」だ

フェイト隊長は必ずそうすると思っていた

必ず私達の裏をかいてくると私は予想していた

だからあえて私は先に動いた

フェイト隊長が私のシューターを難なく避けきるとハーケンでスバルを薙ぎ倒す

一対一ならスバルはこうも簡単にやられはしないだろう

いや、むしろ良い勝負かもしれない

だが虚を衝かれれば場数が圧倒的に違うフェイト隊長の前では話にならない

それも予想範囲だ

瞬時に私は残り二発のカードリッジをロードする

これが私の「とっておき」

オレンジの魔力が集まり収束していく

「!・・・させない!」

フェイト隊長が猛然と飛んでくる

「スターライト・・・」

((リーダー、八神はやて陸上一佐、戦闘の続行不可能と判断、戦闘メンバーより離脱))

((リーダー、サブリーダーの戦闘不能を確認、現時刻をもって模擬戦を終了))

「「!?」」

収束させていた魔力を四散させる

フェイト隊長も私のすぐ側で急停止した

「・・・え・・?・・・・・勝った・・の?」

「はは、負けちゃったね」

フェイト隊長が笑って肩を叩いてくれる

「おめでとう」

ほんとに?

ほんとに勝ったちゃったの?

「ティア!やったぁ!」

「ティアさん!」

「わ、わわわ私たち勝っちゃいました!」

皆が駆け寄ってくる

信じられない・・・私たちが勝った!?

次第に嬉しさがこみ上げてきて

「「「「やったぁ!!」」」」

つい柄にも無く嬉しくて叫んでしまった

「にゃはは、負けちゃったね」

「なのは!?」

さっきまで向こうで気絶していたはずのなのは隊長がそこに居た

フェイト隊長が凄いスピードでなのは隊長に寄る

「いつ気がついたの!?大丈夫!?」

「大丈夫だよフェイトちゃん。それに気絶なんてしてなかったしね」

「「「「「へ?」」」」」

その場に居た全員がその言葉に固まる

「晶に後ろを取られた時に、あの子一瞬だけど躊躇したんだよね」

「どういう事?」

フェイト隊長が不思議そうになのは隊長に聞いている

「その一瞬で出来た隙で避けようと思えば避けれたんだけど、晶が躊躇わなければ堕ちていたのは事実だから少し当たり所ズラして気絶ふりしてたの」

「もう!心配したんだからね!?」

「にゃはは、ごめんね」

なのは隊長は笑っていたが私は・・・

少し残念でもあり

少し嬉しくもあった

もしあのまま、なのは隊長が晶の攻撃を避けて戦闘を続けていたら私達はおそらく負けていただろう

でもそれが嬉しい

そうでなくては困る

私の壁は大きくなくては困る

だから私はそれを越えてみせる!

越えて・・・もっと強くなるんだ!

でも今は例え仮初の勝利であろうとも少し酔いしれたいと思う

私は隊長二人に

「今度も勝ちますからね?」

「「次は負けないよ!」」

そう言い合うと皆で笑いあった








「なぁシグナム・・・」

「なんだヴィータ・・・」

何とも寂しそうに

「・・・乗り遅れたな・・」

「・・言うな・・」

そして羨ましそうに向こうを二人は見ていた














[4755] Lost Memory ACT15
Name: アフロディーテ◆72310edc ID:4d488239
Date: 2008/12/31 05:57



ほんとこの子は不思議な子や

うちは今、晶を抱いて飛んでいる

すぐ後ろにはレナとセラスの二人が付いてる

「、、、マ、、マ、、」

晶はさっきからずっとうなされるように「ママ」と、それだけを言っている

「うちまだ20になったばっかりやで・・」

何故かはわからないが自分の事を呼ばれていた気がしてつい口にしてしまう

6課の治療室に着いたうちは急いでポッドの中に晶を入れようとするが・・

「えと・・離してくれへんと・・・ち~と困るんやけど・・」

晶はうちのバリアジャケットの胸元を掴んで離してくれへん・・ほんまにさっきまで痙攣してたとは思えないほどガッチリと握ってる

「・・・もうしゃ~ないな」

うちはバリアジャケットを脱いでそれを掴ませたままポッドに入れる

備え付けの機械に触れて操作しはじめる

すると晶の身体状態やら異常個所が出てくる

てかなんで医者がおらんのや?

あ、そうか・・そういえば部隊挨拶の後は、なんや講習がなんとか言ってたな

しかも肝心の頼りになる医者は自分が置いてきてしまった

(シャマル聞こえるか?すぐに治療室まで来て)

念話を送り助けを請う

(えと・・実は扉の外に居るのですが・・・・)

(居んのかいな!はよう晶診てあげて)

(そうしたいのですが・・開かないんです・・)

「え?」

うちはすぐに扉を見ると普段は緑色に点灯しているはずのドアロックが赤色に点灯している

そして扉の側にはレナとセラス

「・・・邪魔しても得なんかないで?」

二人は静かに首を振ってうちに近づいてくる

「今この部屋に人をいれる事は出来ません」

「はやて・・部隊長、御覧になったのでしょう?」

「・・・・見たで」

とぼけても無駄だろう

「ならばこの場は」

「私たち三人でやりましょう♪」

レナとセラスは機械に近づき操作をしはじめる

「ごめんやけどそれは出来へん」

「「・・・」」

言葉を聞いて二人はあからさまな殺意という名のプレッシャーをかけてくる

「そないピリピリしても晶は元気にならんで」

「・・黙りなさい」

「それ以上囀らないでいただきたいですわ」

なんちゅう殺気や・・・でも譲れへんのや

「ここに後二人だけ入れたいんやけど構へんな?」

「「・・・」」

「その二人なら口も堅いし信用できるで」

二人は考えているようだ

少しの沈黙の後

「わかりました」

「信用していいのですわね?」

「約束は守るよ」

そう言ってうちは二人を呼んだ






「・・・はやて」

「はやてちゃん」

「待っとたで」

うちはフェイトちゃんとなのはちゃんを呼んだ

「さてと・・それじゃ聞かせてくれへんかな?」

「・・話すことはありません」

「私たちから話すことはありませんわ」

レナとセラスは冷たく言い放つとうち等を睨む

「あの・・話が全然わからないんだけど・・」

「はやてちゃん・・何のこと?」

「・・・この子の事や」

うちは晶の入っているポッドの側に行く

「でも晶が言うまで待つって昨日・・」

「そうだよはやてちゃん・・こういうことは晶本人に聞かないと・・・」

「ほんまならそうしたい・・けどな晶が話してくれるころには・・・遅い気がすんねん」

晶の寝ているポッドに手をあてて続ける

「うちな、この子のこと好きになってもうたんよ」

「「ええ!!??」」

「ちょっ!勘違いしたらあかんで?恋人とかそんなんやなくて・・家族!そう家族や!」

「・・はやて」

「・・はやてちゃん」

どうやらなのはちゃん達はその一言でわかってくれたらしい

「そやから・・聞かせてくれへんか?」

再びレナとセラスに目を向ける

二人はうち等を覗いてくる

その目はまるで見定めるように・・

見透かすように・・

しばらくすると二人は晶の入っているポッドに近づいて、うちと同じように手をあてる

「晶様、すいません・・・このお叱りはまた後ほど」

「晶ちゃん、私は「こちら」の御三方を信用しようと思います」

二人はそう言うとうち等に向き直り

「なにが聞きたいのですか?」

「御質問にお答えしますわ」

どうやらうち等のことを信用してくれたみたいや

ならその信用に応えようと思う

「まずは晶の魔力性質はなんやの?今まで見たこと無い感じやったんやけど・・」

白いというか銀というか・・あったかい感じのする魔力光やった

「晶様の魔力性質は・・」

「光ですわ」

「「「光?」」」

うち等はいまいちピンとこない

レナ達は続ける

「全ての物には色というものがあります」

「その色をあらわすのは光・・そして光とは全ての色ですわ」

「・・・なるほど」

うちは納得する

「はやては今のでわかったの?」

「はやてちゃん説明できる?」

「えとな、なのはちゃん達はどうやってそこに物があるか認識する?」

「ん~・・目で見て判断・・かな?」

「そや、目で見たとき形や色で認識するんや」

そう言うとフェイトちゃんは気づいたように「あっ」と声をあげる

「なるほど、全ては色がないと「見えない」ていうことだよね?はやて」

「そういうこっちゃ」

「色は光が無いと色として認識できひんいうことや」

フェイトちゃんは理解できたみたいや

まぁなのはちゃんも何となく今のでわかったみたいやし次いこか

「それじゃ次の質問、うちや、なのはちゃんの後ろとった「あれ」はなんなん?」

フェイトちゃんの動きも速いけど、あれはそんなもんやない

「あれは・・・」

「ネメシス・スタビライザーのことですわね。私から説明いたしますわ」

「うちの勝手な推測なんやけど、あれ危なく感じたんやけど?」

「普段なら危険はございませんが今は少し事情があって一度の戦闘で一回・・それだけなら二回が限界ですわ」

「二回ね・・・晶はそれを二回使ったから倒れた・・そういうこと?」

「それだけではありませんが倒れた原因はそれもありますわ」

「それじゃ、それはどういうものなのか教えてくれる?」

「はい。晶ちゃんの性質は光・・晶ちゃんは視認できる光の所まで「移動」することができるのです」

「もうちょっと砕いて言える?」

「そうですわね・・・あの時、なのは隊長は遠くに居られましたが晶ちゃんの視界には入って居られました。晶ちゃんはなのは隊長の色を光で追ったのですわ。決して瞬間移動してるわけではありません、視認する範囲を動いたのですわ」

「フェイトちゃんの速い版てことかいな?」

「そうですわね、フェイト隊長のは素早いだけで高速ではございませんが、そう思ってもらって差し支えはありません。但し移動できるだけであってフェイト隊長のようにそのまま攻撃や何かを出来るわけではございませんわ」

フェイトちゃんを素早いだけって・・・

「それじゃ次は何でうちを見つけられたか・・・」

これが今回の戦闘で一番の疑問点

シャマルの補助にうちもアンチサーチャーをして完全に隠れながら誘っていたのにすぐに見つかってもうた

視界に入っていたのなら話は違うけど入ってなかったはずや

すると二人は

「はやて部隊長が上手く隠れたからこそ晶様がこのようになったのです・・」

「一番心配していたことが起こってしまいましたわ・・」

「・・え?」

どういうことや・・うちが隠れたから倒れた?

「晶様が使われたのはホーリー・サーチャーというものです」

レナを引き継いでセラスが説明し始める

「あれは光を利用して範囲全ての情報を取り込みますわ、言わば視覚として見ている・・光の届く場所ならば全てが有効範囲です。アンチサーチャーなど無意味ですわ。小石の一欠けらから塵一つまで・・そして人間がそんな膨大な情報量を処理できるはずがございません」

「塵一つて・・・そんなことが出来るはず「出来るからこそ倒れたのです!」

レナの叫びがうちを黙らせた

「晶ちゃんは使わないと約束してくださったのに・・・どうして・・・」

セラスは肩を震わせる

見ていてわかる・・晶が約束を破ったことに対してではなく・・・

晶をそうさせてしまった自分達に対してなのだろう

「うちが・・そうさせてしまったんやね・・・」

「はやて部隊長が悪いのではないことはわかっています・・」

「ですが・・どうしても割り切れませんわ・・・」

「許してくれなんて言わへんよ・・・それでも・・ごめんな」

レナの言う通りうちは悪くなんて無いのかもしれんけど・・結果的にうちは悪いんよ

「ほんとに、、ごめんな晶」

うちは晶に向って呟いていた

そして近くのモニターに目を移す

・・・やっぱり見間違いやない

聞くしかないんやろね

「バイタルモニター・・あれはどういうことや?」

「バイタルモニター?」

「どういうことはやてちゃん?」

うちはなのはちゃん達にバイタルモニターに向って指をさす

「見てみ・・凄いことになってるで」

それを聞いてなのはちゃん達がモニターを見て

「・・ありえない・・・」

「・・故障?」

モニターにはリンカーコアらしきものが4つ映し出されていた

二人の言葉を待つ

「そのままです」

「コアが4つ、おかしい事はございませんわ」

まるでそれが当たり前のように話す二人

「それとこのリミッター・・・普通の数やないね?」

「晶様のリミッターは全部で20あります」

「メインコアに5つと他にも5つですわ、そしてコアリンクしないように今は封印がかけてありますし普段ならモニターに映ることもありませんが、今は晶ちゃんの意識が完全に落ちてしまってるので見えてしまったのですわね」

「「「20!?」」」

全部で20・・・そんなにかけてもAA+・・

「リミッター無しなら・・どれくらいのランクになるんや・・・」

「こんなの身体がもたない・・」

「この子いったい・・・」

うち等が驚愕の表情をしていると、ふと晶の声が聞こえる

「・・マ・・マ・」

何故だろう晶の口からこの言葉が出るとホッとしてしまう

するとフェイトちゃんが

「晶・・この子は本当は何才なの?」

「・・それは・・その・・・・・」

レナは言い澱む

「この子は背伸びしている気がする・・確かに背も高いしパッと見た感じは大人にみえるんだけど・・・何かが違う・・そんな気がする」

フェイトの言葉を聞いてレナとセラスは互いの目を合わせて頷く

そして語ってくれた

「晶様は肉体だけで言えば20才くらいだと思われます」

「思う?」

「はい、正確な事は私たちでもわかりかねますが・・ですが心は・・・あの時で止まってしまったのかもしれません・・・」

「・・・晶ちゃんはまだ幼い・・身体は大きくなりました・・・でも・・」

レナとセラスは苦しそうに・・・何かを思い出すように話す

それに何か見えてしまったのだろう

なのはちゃんが口を開いた

「これは答えてくれなくても良いんだけど・・いいかな?」

なのはちゃんが二人を見る

「・・なんでしょうか?」

「・・なんですか?」

「晶の御両親は・・・?」

「・・・御健在です」

「・・・お元気ですわ」

なのはちゃんは続ける

「そうじゃないの・・両親は晶の事をどう思ってるか聞きたいの」

「・・愛して・・おられました」

「・・・とても愛してくださってました」

二人は俯いてしまう

この瞬間うち等は理解した・・

二人は「ました」と言ったのだ

それの意味する所は・・・

「うちじゃ・・・無理なんかな?」

「・・はやて・・・」

「はやてちゃん・・」

うちは・・うちは代わりになれへんのやろか・・

「・・・あなた達しかなれません」

「・・悔しいですが私たちでは無理でしたわ」

「「「え?」」」

レナとセラスは拳を握り締めて

「私達は・・晶様の姉であり・・・母にはなれなかった・・」

「私達は・・晶ちゃんの本当の支えにはなって差し上げられませんでしたわ」

二人は俯いていた顔を上げて

「「ですから」」

レナは・・

「晶様に居場所を・・確かな絆を・・ください」

セラスは・・

「晶ちゃんに支えを・・安らぎを・・お願いしますわ」

二人はうち等に頭を下げる

「なぁ・・フェイトちゃん、なのはちゃん・・・」

うちは親友に

「あかんかな?」

親友は笑顔で答えてくれる

「はやて、私は始めからそのつもりだったよ?」

「にゃはは だよね?」

「な!?二人ともずるいで!」

ありがとうな二人とも・・

するとレナとセラスがうちらの側に来て・・

「それでは晶様のことをお願いします、はやて様、フェイト様、なのは様」

「晶ちゃんをお願いしますわ♪はやてママ、フェイトママ、なのはママ」

他にも聞きたいことあったけど・・もうええわ

レナとセラスは晶を心底好きなんはわかったし・・

うちらは寝ている晶を見て

「まかしとき」

「はは、晶が起きたらびっくりするだろうね」

「にゃはは、ママがいきなり三人だしね」

レナ達はドアロックを外し部屋から出ようとすると

「模擬戦の事もお願いします」

「報酬の件、お忘れにならないようお願いしますわ♪」

そう言い残すと部屋から出て行く

・・・忘れてた

まずい・・負けるておもてなかったから考えてなかったわ

「模擬戦の事て母親の件じゃなかったのはやて?」

「報酬てどういうことはやてちゃん?」

「・・・・怒らへん・・・?」

「「どういうこと?」」

「え、えとな?・・その~・・晶を女子寮に入寮させる・・・・・ていう約束が~・・・・・」

「「・・・ほほ~」」

ちょ!怒ったらあかんで二人とも!

「んでな?・・晶をレナとセラスと同室にするていう約束してもうたんよ」

「「・・・」」

「負けてもうたんやから仕方ないやん!?」

なんで二人とも笑顔やのにこめかみに血管出てるん!?

やばい・・うちの本能がそう告げとる!

「あ!うち地上本部とかに挨拶いかな!んじゃさいなら~!!」

うちは全力で二人から逃げた

後ろから何か聞こえる気もするけど気にしたらあかん!今は前だけを見よう!

「はやてーー!!」

「はやてちゃーーん!!」

「堪忍やーーーーーーーーーーー!!」



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「どういう事なんですか!?」

晶が模擬戦中に倒れて運び込まれたと聞いて来てみたら中に入れないときたもんだ

「どういうことと言われても・・・」

問い詰められるシャマル先生は笑うしかない

すでに扉の前には全員が居る

「それじゃ質問を変えます、何故なのは隊長達が入れて私達は入れないんですか!?シャマル先生は医務官なのに何故扉を開けれないんですか!?」

もはやシャマル先生は私の質問攻めにたじたじである

先ほど、なのは隊長とフェイト隊長がこの中に入って行く時無理やりにでも付いていくべきだったと後悔する

晶はもしかして大怪我をしたのではないか・・そんな不安に駆られる

そうでなければ部隊を預かるはやてやなのは達だけが入るわけがない・・

皆もそう思っているのか険しい顔つきになっている

「ティア少し落ち着こうよ・・」

スバルが私をを宥めるが

「あのね!仲間が倒れたのよ!?それなのにどういう状態かも知らされない・・どういう事かわかってるの!?」

「・・・ごめん」

「「・・・」」

フォワードの皆は私の一言で黙ってしまう

そんな私とは反対に落ち着いている副隊長二名

「命には別状ないってさっきはやてから念話があったから少しは落ち着け」

「黙っておとなしく待っていられないなら部屋で待っていろ」

「副隊長は何とも思わないんですか!?命には別状ないだけで大怪我だったらどうするんですか!心配じゃないんですか!?」

私は捲くし立てる

「それとも昨日今日会った奴は仲間じゃないとおも・・・!?」

ティアナは最後まで言う事が出来なかった

「・・テメェもう一度言ってみろ?」

「本気で言っているのか?」

「・・・・すいません・・」

何時出会ったなんて関係ない

晶はもう仲間なのだ

そんな事は副隊長達もわかってるはずなのに私は!

それなのに私は・・・副隊長にまで八つ当たりして・・

「すいません・・少し外で頭冷やしてきます」

「ああ」

「さっきの事は気にするな。そういう時もある」

「・・ありがとうございます」

外に行こうとする私にスバル達が付いてこようとするが断った

「何かあったらすぐ知らせて」

「うん、わかった」

「その・・ティアさん」

「元気出してください」

ちびっこ二人にも心配されるような様だったのか・・

「大丈夫よ、別に落ち込んでるわけじゃないんだから」

私は心配かけないように笑顔を作りその場を去ろうとした時だった

プシュと音を立てて扉が開いた

レナとセラスが出てくる

私は出来る限り落ち着いて二人に近づくと問いかけた

「晶は大丈夫なの?」

「はい」

「今は眠ってます。しばらくすれば目を覚ますと思いますわ♪」

良かった・・・どうやら大事はないようだ

「私は聞きたい事があるのだけど・・」

「・・申し訳ありませんが・・・」

「いずれ話せる時が来ます、それまではお願いしますわ」

二人が私に頭を少し下げる

「信じていいの?」

「必ず」

「約束はお守りしますわ」

「・・・わかった、なら聞かない」

「「ありがとうございます」」

そして私は扉を開けようとするが

「今はお通しできません」

「晶ちゃんが目を覚ますまでは我慢してください」

私は二人を睨みつける

「「お願いします」」

どうやら何が何でも通す気はないらしい

「・・・怪我は?」

「外傷はほぼありません」

「他もすぐに完治いたしますわ」

「どれくらいで目を覚ます?」

「2~3日かと思います」

「長く見ても5~6日ですわ」

3日!?長ければ6日!?

十分な怪我じゃないの!

私が不甲斐無いばかりに・・・!

私は壁を殴りつける

大きな音が出たがどうでもいい

「あなたのせいではございません」

「全ては私たちの不注意ですわ」

「・・・やっぱ外で頭冷やしてくる」

再度足を外に向わせる

すると背後から声をかけられた

「ありがとうございます」

「やはり御優しいですわね♪」

「・・・自分に腹が立っただけよ」

そういい残して去ろうとすると・・また扉が開いた

開いた瞬間

「はやてーー!!」

「はやてちゃーーん!!」

「堪忍やーーーーーーーーーーー!!」

はやて部隊長がもの凄い速さで廊下を走っていく

なのはさん達は大声を出しただけで部屋からは出てこなかった

「な、なに?」

私が呆けているとレナとセラスはクスクスと笑い出した

「何か知ってるの?」

私が不思議そうに聞くと

「すぐにお分かりになると思います」

「そうですわね。すぐにわかりますわ♪」

その後はやて部隊長から局員全員に晶が女子寮に入寮するという事が伝えられ・・・身内裁判が始まったことは言うまでも無い










[4755] Lost Memory ACT16
Name: アフロディーテ◆72310edc ID:4d488239
Date: 2009/01/03 05:05




「・・・・どうなってんのこれ」

目が覚めてみれば俺の横にフェイト隊長が寝てて・・

逆を見ればはやて部隊長が寝てます・・・なんで!?

よく思い出せオレ!

昨日は何してた!?

ん~・・模擬戦して・・・・・あっ!

そっかはやて部隊長にやられたんだっけ・・

なるほど、なるほど

っておい!

やられたというか倒れたとこまでしか覚えてねぇよ!

倒れて気がついたら何でこうなってるのかわからん

いやいや・・倒れたんだから普通は医務室だよな?

ここは医務室か?・・・どうみても違う気がするんだけど・・・・

周りを見れば可愛らしい装飾品や化粧台やらあるけど・・

もしかしてここは寝ているお二人のうちのどちらかの部屋なのかな?

周りを見渡してから自分の身体を確認する

うん、大丈夫だ

手も足も動くし痛みもまったく無い

多少気だるさはあるもののそれは寝すぎただけかな

俺は異様にでかいベッドから二人を起こさないように出る

とりあえずレナ達を探そう

俺は扉の前までそ~っと忍び足で行って開けようとしたが・・

あれ・・開かない

何度ボタンを押しても開かないんですけど・・・

う~ん・・どうしよう

「勝手に出て行ったらあかんで?」

!?

声がした方を見るとはやて部隊長が眠そうにしながらもベッドから上半身を起こしてこっちを見ている

「ふぁ・・・・ようやくお目覚めかいな」

「ごご、ごめんなさい!すぐに出て行くので!」

よく考えればはやて部隊長達がここに居るということは・・ここは女子寮!?

俺なんかが居ても良い場所ではないと昨日知ったばかりで俺はなんてことを!!

「あ~、大丈夫やで。それより身体はどもない?」

「あ、はい!何ともないようなので俺はここでで失礼します!」

急いでドアを開けようとするも・・・開かねぇ!

「あの・・すいません。起きたばかりであれなんですけど・・ドア壊れてるみたいなんですけど?」

「壊れてへんよ」

まじで!?俺のやり方が悪いんだろうか?

そんなにメカオンチだった筈はないんだけどなぁ

「うちがロックかけてるだけや」

なんだそうだったのか

焦ってしまったではないか・・・ってなんで!?

「あの・・開けてもらえると助かるのですが~・・・」

「だめ~」

何故!?俺なんかしましたか!?

「ここ俺の居て良い場所じゃ無いし・・その自分の部屋に帰らないとまた皆に怒られるし・・えと・・」

「ここ晶の部屋やで?」

「だから早くここから出ないと・・・はい?」

俺の部屋?

何を仰っているんですか?

俺の部屋はこんなにでかくないし化粧台なんてなかったような・・・

「だから晶の部屋やでここは」

いやいや・・俺の部屋だったらなんで二人とも寝てるんですか!?

そうか!これは夢なんだな!OKOK理解した

もう一度寝直そう!そうすれば次目を覚ませば自分の部屋か医務室で目が覚めること間違いなし!

「言っとくけど夢ちゃうで?」

一発否定キター

「はは・・ご冗談を」

「いやいや、冗談でもないし」

何がどうなってこうなってるんだ?

「あの~・・・どうなってるんでしょう?」

「説明してもええけど・・その言葉遣いやめてくれへん?」

「いや、やめろと言われても・・上官に対して敬語を「お母さんや」使うの・・・・は!?」

「上官やのぅてお母さん、もしくはママや」

「何を言ってるんですか?」

「言葉遣い」

「そんな事は聞いてません」

「言葉遣い」

「いや・・だからですね?」

「言葉遣い!」

「・・その・・・だから」

「言葉遣い!!」

「・・・わかったよ!」

「よっしゃ!」

負けた・・・いやそんな事より

「ママてどゆこと?」

「どないや言われてもなぁ・・だって約束したやん?」

「約束?・・・・あ~!!!」

「やっと思い出したんかいな」

「え・・ということは勝ったの?」

「負けたで」

どっちが!?

「てなわけでや・・・さぁ呼んでみ!」

「・・はい?」

「はい?やない!さぁママと呼んでみ!」

「・・・」

「・・・・出来へんか?」

出来るわけがない

「うち等じゃあかんか?」

駄目なわけない

でも・・「ママ」という言葉は・・・「特別」なんだ・・

「・・・ママやなくてもええ。でも晶はもう家族なんよ」

俺は・・・

「・・・はやて・・母さん・・」

俺はまた甘えてしまう

弱い・・

それでも・・・嬉しい

「なんや晶?」

「・・はやて母さん」

「ん?」

「・・ぁ・・・・ぅぅ・・」

駄目だ・・・もう我慢なんて出来そうにない・・

「おいで晶」

そう言われて俺はベッドまで走って・・・飛び込んだ

「あはは、大きい子供できてもうたわ」

はやて母さんは撫でてくれる

気持ちいい・・・なんて優しい・・・なんて落ち着くんだろう・・

「あっーーー!!!!」

ん?なんだろう?

「はやてずるい!抜け駆けした!」

フェイト隊長が起きたようだ

てか起きたばかりでいきなり叫ぶとか元気ですなぁ

「抜け駆けなんてしてへんよ、先に起きただけやで?」

「今の状況を抜け駆けって言うんだよ!」

なんかフェイト隊長がぷりぷりと怒っていますが・・なんなんでしょう・・・

「ほな晶、フェイト母さんにおはようの挨拶や!」

へ?

フェイト母さん!?

・・・そういやセラスが「御三方には」て言ってたような・・

つまりそれは・・

「・・晶」

フェイト隊長は・・期待しまくりの目で俺を見ている

過度な期待はご遠慮願いたい!

「・・あきら~・・・」

いや・・そんな泣きそうな顔されてもね・・・わかりましたよ!呼べば良いんでしょ!?

「フェイト・・母さん」

「もう一回!」

「・・・フェイト母さん」

「もう一回!!」

「フェイト母さん!」

「もう可愛い!」

な!?

いきなり抱きつかれた

「最初はこんな大きい子供びっくりしたけどやっぱり・・可愛い!」

あなたにはエリオ達が・・・あ~確か兄ちゃん達はすぐに離れ離れで暮らしたってフェイトママが言ってたような気もする・・

それでも自分より身長の高い男捕まえて可愛いは無いかと・・・

プシュッ

そう音がして扉が開く

おいまて!俺が開けようしたら開かなかったくせに何でそんな簡単に今開いた!

「あっーー!!」

なのは隊長の叫び声が・・聞こえた

「お、三人目の母さんの登場やで」

「なのは、おはよう」

「二人が裏切ったぁ!!」

「人聞き悪いなぁ、ちょっと早く起きただけやん」

「そ、そうだよ裏切ってなんか・・・」

なのは隊長がダッシュで寄ってくる

「晶痛いところない?大丈夫?」

「身体は大丈夫みたいです。痛いところもありませんよ」

そう答えるとなのは隊長はもの凄く不機嫌そうな顔で俺を見る

「え~と・・なんでそんな怒ってるんですか?」

「違う」

「はい?」

「違う!」

「な・・なにか?」

「違うの!」

「どうしろと・・」

「ち・が・う・の!!」

「え~と・・なのは母さん?」

「気づくの遅い!」

なのは母さんはそう言うと例に洩れず抱きついてきた

もうなにがなんだか・・・

と・・とりあえず現状を理解するためにももう一度聞こう

「あの・・ちょっと良いですか?」

「「「・・・」」」

いやめっちゃ不機嫌そうな顔されても困るんだが

「えとですね?」

「「「言葉遣い」」」

「あ・・ごめんなさい」

「よし!」

「うん!」

「にゃはは」

いかんいかん・・どうしても上官だと思って敬語になってしまう

「んと・・俺達は模擬戦に勝ってこうなった??」

「ちゃうよ」

「違う」

「うん、違うね」

いや、さっきそう言ってなかった!?

「うち等はそうしたいから、そうしたんや!」

「うん!」

「そうそう」

・・・そこがおかしい気がするけどまぁ良いか

「ここはどこ?」

「晶の部屋」

「私たちの部屋」

「皆の部屋」

どれだよオイ!

「まぁとりあえず晶はここで寝泊りするっちゅ~こっちゃ!」

「うんうん!」

「だね!」

なるほど・・とりあえず俺の部屋だという事は理解した

「でも女子寮に俺が居たらまずいんじゃなかったの?」

例え母さんが良くても周りが許さないだろう

「皆からOK出たで?」

「みんな納得してくれたよ?」

「なんとかなったね」

初日の騒ぎはなんだったのか・・・良いのか?

「それじゃ何で俺はここで寝てたの?模擬戦で倒れたから医務室のはずだと思うんだけど?」

「傷は二日目で治ってたんよ、んでポッドから出してもどもないてシャマルがゆうからうち等が連れてきた」

ん?今おかしな単語が・・

「最初はレナ達の部屋にしようかとも思ったんだけど・・・」

「にゃはは、皆で会議したときにレナ達の部屋だと周りの女の子達も気になるんじゃないかな?て思ったから。ここなら部隊の責任者が一同に集まってるから間違いは起こさないだろうという結論になったの」

「・・・えと、二日目てどゆこと?」

「「「ん?」」」

そう、「二日目で治ってた」これおかしくない?

「俺は何日寝てたの?」

「「「5日」」」

「5日!?」

「「「うん」」」

そんな冷静に言われても困る

5日も仕事サボって何してんだよ・・・俺

「そ、それじゃ早く仕事の準備しないと!」

俺は大急ぎで準備しようとすると

「晶は安静!」

「じっとしてて!」

「動いちゃ駄目!」

怒られました

「あのなぁ怪我で5日も寝てた人間をいきなり働かせられるかいな」

「晶は休んでて」

「最低でも後2日は動いちゃだめだよ?」

ふぅ・・・まるで本当のママ達に言われてるみたいで何故か嬉しくなってしまう

「わかった・・・じっとしてる」

「「「うん!」」」





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うち等は着替えなどを済ませて各自の仕事に向うために現在廊下を歩いている

「しっかし・・・ほんまにあの子反応してくれへんかったなぁ・・・・自信なくしそうやわ」

「まぁレナ達が言ってたとおりというか何というか・・」

「にゃはは 別に良いんじゃない?」

晶がうち等の・・と言っても前になのはちゃんとフェイトちゃんが使ってた部屋やけど、そこに連れてくる時にはレナとセラスから大反対されたものだ

けど二人がどれだけ晶のことを想っていようと周りの反対を押し切るにはこれしか無かったというか・・

実はうちがそうしたかっただけやねんけどな

そしたら二人が

「晶様と一緒にはやて様達が過ごされるというのにはこの際・・しょうがありません妥協いたしましょう」

「ですが晶ちゃんのお世話をしてくださるには講習を受けてもらわなければなりませんわ♪」

そんなことを言い出した二日前の出来事である




---------二日前----------




うち等はその日「先生」にミーティングルームに集められた

「今回集まっていただいたのは他でもありません」

「晶ちゃんのお世話マニュアル講座~♪」

パフパフ ドンドン

・・・どっから持ってきたんやその小道具

うち等三人が冷たい目線をレナ達に送るも・・・まったく気にした様子がない

「はやて・・これはどういう・・・」

「はやてちゃんどういうこと?」

「・・・うちが聞きたいわ」

女子寮のみんなを説得したと思ったらレナとセラスが「約束が違います!」と言い出した

まぁ確かに同室にすると約束してしまったのだが周りの女子がそんなことを了承するはずもなく・・

ならばと、妥協案でうち等三人と同室にして間違いがないように、とこれで納得してもらったんやけど・・・

皆を説得したその夜にティアナ辺りにでも話を聞いたのだろう、二人が猛抗議しにわざわざ部屋まで来てくれた

なのはちゃんとフェイトちゃんを交えて5人で4時間にも及ぶ話し合いの結果・・・現在このようになってもうた

「はいそこ!ボーッとしてないで聞きなさい!」

「「「は、はい!」」」

レナの激につい返事してまう

レナの横に居るセラスはニコニコと笑ってはいるが・・あれはまだ納得してないといったオーラが出てる

ここはおとなしく「講義」を受けておかないと後が怖そうやなぁ・・

「では始めます、セラスは余計な事は言わないでください・・わかっていますね?」

「仕方ありませんわ♪」

レナはセラスにそう言ってうち等に納得出来ないオーラを纏わせて向く

「一つ目です、晶様は炊事、家事、洗濯、は一切出来ません」

「まぁ男の子やしな、そんな事もあるやろ」

うちの言葉に親友二人もうんうんと頷いている

「そしてそれらを決してさせてはいけません!」

「いや、それはおかしくない? やらせへんかったら出来るようにならへんで?」

キッ とうちを睨んで一言

「怪我をされたらどうされるつもりですか!?」

「「「・・・」」」

セラスはレナの言うことはもっともだと言わんばかりに頷く

この子達・・頭大丈夫かいな?

いやまぁ過保護やとは思ってたけど・・

「納得されたところで二つ目に行きます」

こらこら納得なんてしてへんで!?

みんな呆れて物が言えんかっただけや!

「二つ目、必ず一日一回はお風呂に入れてあげてください」

「そんなん普通やろ?誰でもお風呂くらい入るで?」

「聞こえませんでしたか?「入れてあげてください」と言ったのですよ?」

・・・ちょっと・・

「まさか自分等・・・一緒に入れて言うてるんか!?」

「「嘘!?」」

うち等が!?

男と一緒にお風呂に!?

「何を驚いているのですか、家族ならば当たり前のことです」

「ですわ♪」

どこがやねん!?

親友二人が瞳を潤ませてうちを見てくる

し・・仕方あらへん、駄目元で言うしかないか・・・

「うち等も女やで?・・だから同い年の男の子はちょっと「あ゛あ゛!?」大丈夫!いつでも入れるで!準備いつでもOKや!」

「理解していただけたようで何よりです」

なのはちゃんとフェイトちゃんは目が点になってしもた

ごめん!今のレナは超怖かったんよ!

「それでは次は箇所の分担を決めましょう」

「「「!?」」」

箇所!?

箇所てなんや!?

「はやて様は髪を担当、なのは様は手や足、フェイト様は体や背中をお願いします」

「「「出来るわけない!!」」」

「「何故です!!?」」

うちらの抗議に対してレナとセラスはそれこそ解らないと抗議してくる

何故てアホか自分等!?

「晶かて自分の身体くらい洗えるやろ!」

そうだそうだと親友二人の後押し

「大体今までどうしてたんや!?今まで出来てたんやから大丈夫やろ!」

「今までは私たちがしておりました」

はい!?

「頭はセラス担当で、身体は私がしておりましたが?」

「ですわ♪」

馬鹿な!?

過保護だとは思っていたが・・もうそんなレベルやないで自分等!?

親友二人はもう涙を流す一歩手前でうちの袖を引っ張ってる・・・

うちも泣きたいわ!

「それともう一つ」

まだ拷問が続くんかいな!?

「晶様を襲わないでくださいね?」

「晶ちゃんに手を出したら許しませんわよ♪」

「うち等のセリフや!」

うちの袖を掴んでいた親友二人は完全にアッチの世界に行ってしまったようや

「それでは三つ目です。これはやってもらうのでは無く注意事項と申しましょうか・・」

まだあるんかいな!?

身構えたものの三つ目の項目が聞こえてこない

レナを見るとどう説明しようかと迷っているように見える

しばらくするとレナが口を開いた

「晶様は女性というものを知らないと言ってもいいです」

えらい今までとかけ離れたことやな・・

それでもレナの表情をみればこれが一番重要な事が感じられる

「・・どういうことや?」

「男の方は女の方からモテたい、言わばちやほやされて付き合いたい愛し合いたいと思ってる方がほとんどです」

「まぁそうやろな」

「ただ晶様はその「モテたい」を勘違いなさってるというか・・なんと言いますか・・」

「「「??」」」

「晶様は男とか女とか無いんです」

「無い?」

「友達が多いことを「モテる」と思っていられます」

「はぁ・・」

可愛い勘違いやなぁ・・

「愛し合い身体を重ねて子を成すという事は知識としては備えていますが・・それが自分に当て嵌まらないのです」

レナの言葉を聞いてうち等三人は顔が熱くなる

「だから女性が全裸で目の前に居ようと何一つ感じなさらない、それどころか眼中にないと申しますか・・」

一呼吸おいて

「晶様は恋愛というものをしたことがありません、むしろ嫌われ、阻害され、遠ざかれ、迫害される・・・そんなこともあったせいで自分が他者に愛される・・というか家族以外から愛されるという事が無いと本気で思っていらっしゃいます」

「その為、嫌われる事を極端に恐れておられます・・そのくせ愛には凄く鈍感なんです」

レナは普段晶にしかみせないような優しい微笑みをする

「晶がなんでそんな目にあったんか教えてもうてもええか?」

笑みが消える

「少しならば・・」

「ならその少しで良いから聞かせて」

「私達はもっと晶の事を知りたい」

いつのまにかアッチの世界から親友は帰ってきてたみたいや

「・・・わかりました」

そう言ってレナはポツポツと途切れ途切れながらも語ってくれた

時には拳を握り

時には肩を震わせる

聞いた内容は決して気持ちのいい内容やなかった

晶にそれらの行為をしていた連中を今からでも探し出して殴りたかった

謝らせてやりたかった




「これで終了です」

あれから1時間ほどだろうか

「今言った内容はご内密にお願いします、それと先ほどの事は強制はしません・・ですが」

「晶ちゃんを泣かせたり悲しませたりすれば容赦はいたしませんわ♪」

うち等は

「うちこそ晶を泣かす奴がいたら許さへん」

「大事な息子だもんね」

「宝物だね」

そう言い返す

「それは結構なことです、では私達は・・」

「寝ている晶ちゃんをお風呂に入れてきますわ♪」

なんか知らんけどカチンときた

ふつふつと形容し難い感情が込み上げる

レナとセラスは何事もないように晶の下に向おうとする

「まぁ待ちや二人とも」

うちは二人の肩を掴んで引き止める

「晶の世話はうち等がするさかいに今日はもう休み?」

うちはそう言うと親友二人にアイコンタクトを送る

どうやらなのはちゃんもフェイトちゃんも同じようや

「なのはちゃんは晶連れてきて、フェイトちゃんはお風呂あっためてきてくれるか?」

「まかせといて!」

「おまかせだよ!」

なのはちゃんとフェイトちゃんはダッシュで行ってくれた

ギギギギ・・・と音が出そうな感じでレナとセラスはうちの方を振り返る

「は、はやて様達は晶様の目が覚めてからのはずです!」

「そうですわ!」

「そんな約束した覚えないで?」

「「なっ!?」」

うちは二人にバインドをかけてミーティングルームの扉にロックをかけてお風呂に行く

「卑怯です!」

「汚いですわ!」

「あ~あ~!聞こえへ~ん!」









その後、寝ている晶をお風呂に入れようと服を脱がしているとレナとセラスが乱入してきて結局二人にご教授されながらうち等三人は晶の体の洗い方をマスターした

フェイトちゃんは鼻血だして倒れるわ・・

なのはちゃんは全裸の晶みて固まるわ・・

うちは・・まぁそんな事はどうでもええやん!

とりあえずそんな訳で四苦八苦しながらも晶を迎え入れることにうち等は成功したわけや!

でも・・・

「・・「ママ」とは呼んでくれんかったな・・・」

「そうだね・・・」

「それでも「母さん」と呼んでくれたよ・・それで今は十分じゃないかな?」

なのはちゃんの言う通りや

これから始めていけばいい

「そやな!それじゃ頑張りますか!」

「「うん!」」

晶にママと呼んでもらえるように・・いつか本当の家族になれるように・・・・・・




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「・・・俺が倒れている間に何があったんだ?」

だだっ広い部屋に一人残されて呟く

何があったか・・・か

自分で言ってて笑えてくる

多分俺は気づいてる・・

故に確かめなければならない

ドアの前まで歩いていく

ボタンを押すと今回は素直に開いた

プシュ と音をたてて開いたドアから部屋を出て周りを見渡す

流石にみんなもう仕事に出ているのか静かなもんだな

これだけ静かなんだから声も響くだろう

「話がある・・!隠れていないで部屋まで来てくれ!」

少し声を張り待つこと十数秒

レナが右の角から、セラスが左の角から出てくる

それを確認して俺は部屋に戻る

しばらくするとレナとセラスが部屋に入ってきた

俺はソファーに二人を座らせる

「・・・何が言いたいか分かってる?」

「「・・はい」」

「なら何故勝手なことをしたの?」

「「・・・」」

「約束を破った罰か?」

「「いいえ」」

「なら何?」

「「・・・」」

だんまりか・・

これじゃ埒があかない

ストレートにいくしかないか

「・・・どこまで話した?」

するとセラスが口を開く

「晶ちゃんの魔力に関する事柄と・・・「御両親」について少々・・ですわ」

「少々じゃわからない、どこまで?」

次はレナが口を開く

「この世界の住人では無い事、元の世界のはやて様達の事、旅の目的、光輪の書・・・それ以外は全てだと思います」

「・・・わかった」

そう言うと俺は飲み物でもと思い部屋の中を歩きまわる

どこに何があるなんてまったく知らないから探すしかない

てか改めてこの部屋を見るとデカ過ぎだろ!

んな事を思いながら探していると冷蔵庫らしき物が目に入る

ふむ、この中にならありそうかな

「あの・・怒りになられないのですか?」

「・・・晶ちゃん?」

怒る・・・ねぇ・・

「怒ってるよ?多分」

「「え?」」

「怒らない理由が無い。勝手に話した挙句に今仕事さぼってるもん」

「ならば何故・・」

「何故にそのような穏やかな顔を・・」

あれ?俺そんな顔してたのか

一応怒ってます的な雰囲気を出したつもりだったんだけどな~

「変かな?」

「いえ」

「そのような事はございませんわ♪」

なら良かった

お、オレンジジュース発見

コップは適当にその辺のでいいか

俺はジュースを注いで持っていく

「二人はさ・・考えた末に言ったんでしょ? それとも勢いだった?」

「勢いだなんて・・!」

「ありえませんわ!」

「ならそれで良いよ、確かに最初はビックリしたけど・・それだけかな」

俺が不利になるような事は絶対に二人はしない

そう考えたら最初に少しあった怒りの部分もどこかへいってしまった

「それじゃこの話はこれでお終い!」

「「はい」」

うむ!素直でよろしい!

俺は満足して頷く

「では晶様、模擬戦のことについて」

「説明していただけますわね?」

・・・おお!?

「な、何のことかな?」

「ご安心ください」

「晶ちゃんが忘れても私達がしっかりと」

「「覚えています(わ)」」

さっきまでの空気はどこへやら・・・怖!

二人は席を立ち俺の目の前に来る

普段、俺に対してまったく怒らない二人は・・一度怒りだすと容赦が無い

二人は手を振り上げる

ぶたれるという恐怖が込み上げてきて俺は目を瞑ってしまう

手が振り下ろされる気配がする

ポフッ

あれ?

良い匂いがする

俺の頬に何か落ちてくる

「晶様・・お願いです・・!・・・お願いですからこのような事は二度と止めてください!」

「晶ちゃんは悪い子です!・・だからこれはオシオキですわ・・・・!」

二人に抱きしめられていた

そして頬に落ちるそれを何か認識する

レナとセラスが泣いている・・・

それだけで俺は悪いことをしたんだと思ってしまう

「ごめんなさい」

俺は二人に身体を預ける

その瞬間

「やっぱり二人ともここに居た!って晶に何してるの!!」

なのは母さんが特攻してくる

「時間になっても訓練に来ないと思ったら!」

レナ達から俺を引っぺがして自分の方へと抱き寄せる

「む、取られました」

「あらあら、無粋な母さんですわ♪」

もう二人は泣いていない

変わり身早いな二人とも・・・

「こんなとこで油売ってないで早く訓練に行く!」

「仕方ありません」

「わかりましたわ♪」

二人は渋々といった感じで部屋を出て行く

まぁ・・頑張れ!

「晶は私達の部屋に勝手に人入れて何してたのかなぁ?」

・・・ハンパなく怖い!

「えとえと・・あのぉ・・・少し話しを・・」

「へ~・・お話すると抱きしめられるのかなぁ?」

やめて!もう俺のHPは0よ!

てか何でそんなご立腹で!?

「もう!・・・二人にあんまり心配かけちゃ駄目だよ?」

え?

「それじゃ私も訓練に行くね、晶はちゃんと安静にしてるんだよ?」

「あ、うん」

なのは母さんは部屋から出ていく

・・なんだ・・・知ってたのか

まんまと一杯食わされた

はは、やっぱ敵わないなぁ

今日は言いつけ通りおとなしくしていよう

そう思ってベッドに転がりこむとすぐに睡魔に襲われた・・・



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レナとセラスは訓練場に行くために現在廊下を歩いている

「セラス・・いつ以来でしょう・・」

「そうね、あちらに居た時以来ですわね」

自分達は間違っていなかったと思えた

「晶様のあのような顔・・・本当に久しぶりです」

「あらあら、嬉しいですが悔しくもありますわ♪」

確かに悔しい・・・だけど

「ふふ・・」

「あらあら、レナがそのように笑うのも久しぶりですわ♪」

「セラス・・私はやはり晶様が笑っていないと駄目なようです」

「何を今更ですわね♪」

晶様が笑うだけで力が湧いてくる

「あなたはどうなのですセラス?」

「愚問ですわ♪」

確かに愚問のようだ・・セラスの足取りは今まで見たことないくらい軽いというかリズミカルというか・・

「ふふ・・本当にこんな気分は久しぶりです」

「あらあら、私もこんなに気分が良いのは久しいですわ♪」

最初は不安で仕方なかった

あの三人でももしかしたら駄目かもと思っていた

だがそれは杞憂だったようだ

今なら言える・・・

「本当に良かった・・」

「ですわね♪」

私達は嬉しさもあってか早足で訓練場に向った

願わくばいつまでも晶様があの笑顔を失いませんように・・・












[4755] Lost Memory ACT17
Name: アフロディーテ◆72310edc ID:4d488239
Date: 2009/01/08 03:12


俺が目を覚ましてからもう10日

スターズ分隊に配属された俺は今基礎訓練の真っ只中である

最初はスターズとライトニングに振り分けられると思っていたんだけど、模擬戦の様子を見て一つに纏めておいたほうが良いという事でこのようになったようで・・

「それじゃ次は連係の確認いくよ」

「「「「「はい!」」」」」

「フロントにスバルとレナ」

「「はい!」

「ガードにセラス」

「はい!」

「センターはティアナ、フルバックに晶が入るからそこを頭にちゃんと入れてね」

「「はい!」」

なのは母さんがポジションを確認しながら連携の説明に移っていく

「それじゃ仮想標的はガジェット30体でいくから・・・制限時間は5分」

「っ!」

30体を5分と聞いて全員が返事することを躊躇ってしまう

「皆返事は?」

「「「「「はい!」」」」」



まぁ毎日こんな感じで訓練してるわけですよ

実は俺は慣れっこだったりする

元の世界に居た時もなのはママ達に基礎などを叩き込まれたのでのこ程度ならなんともない

こっちの世界に来てからも毎日レナ達に見てもらってた

「晶!そっちのお願い!」

「了解」

回り込んできたガジェット郡にティアナの指示が出る

「エウリュトス・ダガー!」

俺はアルテミスをガジェットめがけて投げる

アルテミスはガジェット郡の中心に入ると回転し、短剣状の誘導弾を撃ち出す

次々と撃ち落していくが何体か撃ちもらしがあったようだ

その瞬間オレンジの魔力弾が残ったガジェットを全て撃ち落す

「詰めが甘いのよ」

「助かったよ」

ティアナがやれやれといった感じで言ってくる

「向こうも終わったようね」

「意外に早かったな」

フロント組も片付いたみたいだ

「それじゃ集合~」

なのは母さんの号令で集められる

「午前の訓練はこれで終了、午後は休みにするね」

「え?何かあったんですか?」

ティアナが質問する

「後で正式な通知が行くと思うんだけど、明日に出張任務があるのでその為に今のうちに休んどいて」

「了解です」

「皆もわかったかな?」

「「「「はい!」」」」

「それじゃ解散」

「「「「「ありがとうございました!」」」」」

今日はこれで終わりか・・・

午後から何しようかねぇ・・・ごろごろ部屋でしてようかな

休めていわれてるし、うん!そうしよう

その前にお腹も減ったしご飯でも食べよう

そう思った時

「晶ーこっち~」

「あ、なのは・・隊長どうしました?」

「・・・・」

「・・・どうしました?」

「また言葉遣い」

ぷぅと頬を膨らませるなのは母さん

「いや、勤務中なんだし・・」

「もう訓練終わったから勤務中じゃないよ」

「屁理屈だし」

「違う!」

そんな俺たちのやりとりを見てニヤニヤしているティアナとスバル

「晶も諦めなさいよ、それに皆もう知ってるんだし気にしてもしょうがないわよ」

「そうそう、今更だよね~」

まぁそうなんだけどさ~・・

なんていうか歳が同じなのに皆の前で母さんは言い辛いんだよ!

とは言うものの・・

「何? なのは母さん」

呼んでしまうんだよな~・・俺は・・・

「うん! 一緒にお昼しよう!」

「ん、了解~」

そうして食堂に向おうとすると

「違う違う!部屋で食べるんだよ」

「部屋で? 別に良いけど」

午後からは休みだからたまにはゆっくり部屋で食べるのも悪くないかも

俺はティアナ達とそこで別れてなのは母さんと部屋へ向う

「そういえば出張任務てどこいくの?」

「またっていうか晶は任務で行くのは初めてかな・・第97管理外世界、地球だよ」

「・・・わかった」

「どうしたの? 晶の故郷でしょ? 嬉しくないの?」

「いや・・まぁ・・・嬉しいよ?」

「・・そっか、良かった」

地球・・・か

あの世界を守るために・・・俺の仇のために・・・ママ達は・・

そう思うとどうしても素直に喜べない

そんな事を思っていると ポンッ と頭に手の感触がする

「無理して言わなくていいよ」

「・・・ごめんなさい」

「早くご飯食べよ?」

「うん」

部屋に着くとはやて母さんが既に料理をしていました・・仕事放棄ですか!?

フェイト母さんはエリオやキャロとお昼をするようで来ないらしい

寂しくなんかないんだからな!?

「はやてちゃん何か手伝うことある?」

「もうすぐ出来上がるさかい大丈夫や~」

んじゃ俺は皿でも並べて料理を運びますか

皿を並べ終えた俺は料理を運ぶべくキッチンに向かい・・そこで見たものは・・・

「どうや!美味しそうやろ!」

ええそうですね

確かに美味しそうではありますが・・

「はやて母さん・・これ何?」

「何て見てわからん?」

いえいえ、非常によくわかりますよ~

焼きそばですね 

それくらいわかりますよ俺だって

「・・・多くない?」

デジャブだ・・昔俺はこれに似たのを見たことがあるぜ・・

「晶も大きいしこれくらい余裕やろ?」

言う事まで似てますね!

だが俺はNOと言える○○人に・・・・・!?

「・・・無理ちゃうよね?」

オーマイガッ!なんで泣きそうになるとことこまで一緒かな!?

「余裕!超余裕! こんなんじゃ足りないかも!?」

「やんな!?」

すいません・・NOと言えない○○人でした・・・

いざとなればレナ達に・・・てあれ?

そういえばレナ達が居ないような・・・

「なのは母さん~ レナ達どこ行ったかしらない?」

「ん~とティアナ達にさっき引きずられてたけど・・どうしたの?」

「ん~ん、聞いただけ~」

ティアナ達とお昼してるなら邪魔するわけにはいかないか

ここは潔く受け入れるしかあるまい・・・モンスター焼きそばを・・

んじゃ運びますか

ズシッ!!

なっ!? なんという重さ!

前の比じゃないような気がするのは気のせいですか!?

と、とりあえず持っていこう・・

なんとか無事に送り届けることに成功

モンスター焼きそばを取り囲むように座る

「そんじゃ食べようか」

「「「いただきます」」」

なのは母さん・・この量をみて何も言わないとは・・・

「晶は明日の事聞いた?」

「うん、さっきなのは母さんから聞いたよ」

「そうか、なら食べ終わったら準備しときな」

「うん」

・・・完全に子供ですな俺

ほんとに今更ながらこっちの三人も凄いなぁと思ってしまう

なんていうか広いというか暖かいというか・・まぁとりあえず凄いんだよな

そんな事を考えながら食べていたらいつの間にか随分と焼きそばが減っている・・・結構食えるもんだな

食べ終えるとはやて母さんとなのは母さんは明日の準備やら手続きやら色々あるらしく仕事に戻っていった

残された俺はとりえずシャワーでも浴びてベッドに転がる

・・いつまでこうしていられるんだろう

いつまでここに居るんだろう・・

いつまで・・母さん達を騙していればいいんだろう・・・・

俺は・・・いつまで・・・・・

(マ・・・タ・・-・・)

ん?

(・・・・・ス・・・タ・・・)

なんだ??

(・・マス・・・・・タ・・-・・)

もしかして!?

(・・・マスター・・・)

ルナか!?

(・・呼ん・・で・・・マスター・・)

呼ぶ?

(・・・・私・・を・・・書を・・・・マス・・・ター・・)

わかった!

「光輪の書よ! 我を守護せし書よ! 我と契約せし書よ! 我の声を聞け!」

「我の眼前にその姿を現せ!!」

(イエス マスター!)

俺の目の前に光輪の書が現れる

それを抱くようにして寝ぼすけのあいつは出てくる

「お久しぶりですマスター! お変わりないですか!?」

「ああ、久しぶりだなルナ! てか予想より早くないか?」

「頑張って出てきちゃいました!えへへ!」

「そっか、ありがとうな」

「はい!」

ルナはそのちっこい体を使って懸命に抱きついてくる

頭を撫でてやると気持ちよさそうに目を細める

「っと、ルナ早速で悪いんだが・・・また俺が呼ぶまでは中に居てくれるか?」

「ぶ~・・しょうがないですね。マスターがそう言うのでしたら・・」

「ごめんな、また改めてレナ達と会わせるよ」

「了解ですマスター」

「それと遅くなったけど・・おかえりルナ」

「はい! ただいまですマスター!」

そう言ってルナは俺の中に戻っていく

揃った・・か

予想よりも早くなってしまったけど動かないとな・・・・

後は期を待つ

そして・・・

そして・・・俺は・・

・・・ここを離れられるのだろうか・・・

不安しか浮かばない・・・

これで上手くいかなければ・・また何年も待たねばいけないのだろうか・・・・・

そんなの・・・・・・我慢できるのだろうか・・

今は・・今だけはこの温もりに・・・もう少しだけこの優しさに触れさせていてほしい

もう少しでいいのだから・・・・・

ビーッ! ビッー!

ん? 何だこの警報?

《非常警報! 非常警報!》

敵か!?

《隊舎内Y19にて高魔力反応!繰り返す!隊舎内Y19にて高魔力反応!》

《スターズ及びライトニングは至急第一級戦闘配置せよ!》

隊舎内だと!?

Y19は・・・・

館内MAPで確認する

ドガンッ!

何だ!?

「晶!?一体何があったの!?」

ティアナが扉を破って突っ込んでくる

その瞬間他のフォワード陣もフォーメーションを組んで部屋に入ってきた

もしかして・・Y19て・・・

俺は開いていたMAPを確認して・・・この場であることに気づいた

しまった・・・ルナが出てきた時に反応したのか・・

何とかして誤魔化さないと!

「ああ・・ええと、すまん!」

俺は土下座した

「「「「「へ?」」」」」

ティアナ達は何のことかわからず混乱している

「少し寝ぼけてて・・自分の影にびっくりして思わず魔力放出しちまった・・!」

「「「「「はぁ!?」」」」」

「だから・・ごめん!」

咄嗟に考えれたのはこれしかなかった・・俺の能無し!

「あんたね!それで済むと思ってんの!?」

・・・思ってません

「どうすんのよもう!」

ティアナ以外はもう苦笑いするしかない

「まぁ何事も無かったということで・・・ね?ティア」

「そうですよティアさん」

「とりあえず隊長達に報告しましょうよティアさん」

「晶が無事で何よりです」

「あらあら、平和ですわ♪」

キャロが通信を開いた瞬間

「晶は無事!?」

「何があったの!?」

隊長母さん二人が到着

お~・・完全武装ですなぁ

「いや実はですね・・・」

ティアナが説明してくれる

そして・・・当然の如く雷が落ちました

何の比喩もなく・・・雷でした

なのは母さんの怒りの魔力波でガラスが割れ

フェイト母さんの怒りの雷で俺はちびりそうになりました

畜生・・ルナの奴覚えてろよ!

(マスターのせいじゃないですか!)

何か言っているが今はスルーしかない

お叱りが始まって小一時間・・・

通信が入る

「もうその辺でええんちゃう?なのはちゃんにフェイトちゃん」

「晶も皆にちゃんと謝っときや?」

「はやてちゃんがそう言うなら・・・もうこんな事しちゃ駄目だよ晶?」

「っもう! 晶に何かあったと思ったんだから!」

「・・ごめんなさい」

はやて母さんの救いの手によって何とか許してもらえました

ありがとう母さん!!

そして俺が叱られてるのを見てニヤニヤしてたお前等・・趣味悪いよ!?

その中に二人だけ・・・いつになく真剣なレナ達がいた

(起きたのですね?)

(こちらでも魔力ラインが繋がりましたわ♪)

(時期を見て動くから準備だけしておいてくれ)

((御意))

送られてきた念話に短く答えて・・俺は局員全員に謝りに行くことになった・・とほほ




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「みんな晶がごめんな、あの子ちょっと抜けてるとこあるさかい堪忍したって」

うちはロングアーチのスタッフに声をかける

「はは、構いませんよ」

「何もなくてよかったです」

みんなもホッとしたようで笑っている

するとグリフィス君が声をかけてくる

「はやて部隊長、明日のこともありますし今日はもうお休みになってください。後は皆でやっておきますので」

「ん・・それじゃお願いするわ。 シャーリー少しええか?」

「あ、はい。なんでしょう?」

うちはシャーリーを連れてデバイスのメンテナンスルームに入る

「頼んでおいた調べ物・・・どやった?」

「・・・現状では何とも言えませんが・・・・・」

「解ってる事だけでええよ」

「現在の管理局の技術では難しいとしか言えません・・ただ」

「ただ?」

「完全にワンオーダー物と思います」

「どういうことや?」

「模擬戦の記録を見ましたが晶君のデバイス・・アルテミス?ですか・・あれほど特殊なデバイスはまず量産はしないでしょう」

「それに模擬戦映像からの解析でしかありませんがデバイス構築原理は管理局のそれと酷似しています・・」

「結論は?」

「私以上のデバイスマイスター・・それか未知の技術としか・・」

「わかった・・この事は絶対に外部に漏らさんようにお願いな」

「わかっていますよ、部隊長の大切なお子さんですもんね」

「はは、そうやで? 泣かしたりしたらしょうちせぇへんよ?」

「怖い怖い」

うちはシャーリーをロングアーチに戻して一人考える

シャーリー以上のデバイスマイスター・・・探せば確かに居るだろう・・だけどそんなに腕が立つ職人ならば名前くらい知っている

でもシャーリーは分からないという・・という事は残っているのは未知の技術ということ

晶とレナとセラス・・この三人が未知と言っても過言ではないのだからこの線が濃厚だろう

それとあえて言いはしないがレナは模擬戦をやった後から晶の事をうちらの前だけ「晶様」と呼び続けている・・この事もまだ引っかかっている

ただなんとなく癖なんだろうと予想はついている

そしてここ数日・・・訓練の様子を記録映像などでみているが・・

晶は基本が出来ているのに応用がまったく利かない

いや・・基本が出来すぎているが為に応用にまで行ってないような気もする

そしてその基本は守る事に特化して鍛えられている節がある

晶の攻撃は敵を倒すのではなく自身を守り、敵を撒くような感じだ

「優しいあの子らしいな」

恐らく晶に教えていた教導官・・いや、師匠がそのようにしたのだろう

「ええ人に教えてもろたんやね」

これ以上は考えてもしゃ~ないか・・わからんもんはわからん!

今は晶が居て皆が居て・・・笑えればそれでええ

何かあれば護れば良いだけ

うちは明日の準備と身体を休めるため・・そして愛しい息子に会うために足を部屋に向けた

部屋に着いたうちが見たのは

「これは・・・また豪快にやったもんやねぇ・・」

扉が破壊され、窓ガラスが全部割れているという惨状だった





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「みんな用意できた?」

「「「「「「「はい」」」」」」」

「今回は、というか今回もフォワード陣全員で出動だからそんなに肩を張らなくても大丈夫だよ」

なのは母さんから今回の任務内容が伝えられる

「今回の任務は未確認ロストロギアの捜索なんだけど、何か異常を発見した場合はまずその場から離れて皆に連絡、そして確保できるようなら全員でやるから絶対に一人で突っ込んだりしないようにね?」

「「「「「「「はい!」」」」」」」

そこでヴィータ副隊長が付け加える

「特にティアナとスバル、お前らはすぐに突っ込むからよく聞いとけよ!」

「いや、もう子供じゃありませんよ」

「そうですよヴィータ副隊長~」

「あたしから見たらお前らはまだガキなんだよ!」

ヴィータ副隊長も実はティアナとかに過保護だよな~

横を見るとフェイト母さんがエリオとキャロに無理はしないようにと促している

フェイト母さんも相変わらずだな・・

すると突然身体が後ろに引っ張られる

「おお!?」

「晶はうちと一緒に来るんやで~」

「え?どゆこと?」

「うちの友達とかにも紹介しとかんとな」

あ~・・アリサさんとすずかさんか

「ん~、わかった」

俺ははやて母さんに肩を後ろから押されるように転送ポートに入る

「ほんじゃまた後で合流な」

「了解 はやて」

「了解だよ はやてちゃん」

そしてそれぞれ転送ポートに入っていく

「そんじゃうちらもレッツラゴー!」

古っ!

はやて母さんそれもう死語だよ!

突っ込む間もなく気がつけば綺麗なお部屋に居ますよ俺・・・

というか何で部屋? 以前・・元の世界では庭だったはずなんだけど・・・

ニャァ・・・ニャァ・・・・

足になにやら気持ち良い感触がする

視線を下ろすと猫が二匹ほどじゃれついていた

「おお~、可愛いな」

「そやろ?」

「!?っビックリしたぁ!」

いつの間にかはやて母さんも着いていた

はやて母さんの周りにも猫が寄ってくる

5・・6・・7・・っておい!何匹居るんだよ!?

するとガチャッと音がしてドアが開く

ドアの向こうから綺麗な紫の髪をなびかせて美しい女性が走ってきて・・・

「はやてちゃん!」

「すずかちゃん!」

手を取り合いぶんぶんと上下させてお互い再会を喜んでいるようだ

「久しぶりやなぁ!元気にしとった?」

「はやてちゃんこそ!病気とかしてない?」

「うちは大丈夫や!いつでも元気やで」

「私もアリサちゃんと元気でやってるよ」

・・・割り込めない・・どうすりゃ良いんだろう

なんとなく寂しかったので周りの猫を集めて猫達に遊んでもらおう

俺は屈んで猫においでと手を出すと一斉に飛び掛られた

「うお!?」

こんなにも人懐っこい猫なんているんだな

猫の顎下を撫でてやるとゴロゴロと気持ちよさそうに鳴いている

少しすると再会の喜びも落ち着いたようで、すずかさんが俺を見て声をかけてくる

「初めまして、月村すずかといいます」

「あ、初めまして、不和晶といいます」

お互い自己紹介をするとはやて母さんが猫を抱きかかえて寄ってくる

「すずかちゃん、この子・・晶な、うちの子供なんよ」

「あ、はやてちゃんの子供なんだ・・・・・子供!!??」

至極真っ当な反応ですねハイ

「は、はやてちゃん!!」

「うん?」

「こ・・こここ子供って!?・・・いつ生んだの!?」

「生んでないよ?」

「いや、でも子供って!」

「うん子供」

「え? 生んでないけど・・子供がいて・・・あれ!?」

「事情があってうちらが引き取って子供にしたんよ」

「あ、ああ!そういう事なのね・・・うちら!?」

「うん、うちとフェイトちゃんとなのはちゃんが晶の母親やで?凄いやろ?」

はやて母さんは自慢げにすずかさんに紹介してくれる

「あらゆる意味で凄いけど・・・ええ!?」

すずかさんはまだ混乱しているらしい

「改めまして、晶て呼んでくださいすずかさん」

「あ、はい。よろしくお願いします」

そう言って俺は握手をする

「あ、ああああアリサちゃんに連絡しないと!」

どうやらまだ落ち着いてないらしい

まぁ普通はそうなんだろうな

てか教えてなかったのね母さん・・・意地が悪いなぁ

「あっはは!すずかちゃんめっちゃ受けるわぁ」

「は、はやてちゃん?」

「あんなすずかちゃん・・うちも伊達や酔狂で引き取ったんやないで?」

「はやてちゃん・・」

「晶の事が好きやから・・愛しとるんよ」

「・・うん、わかったよはやてちゃん」

「ありがとうなすずかちゃん」

そんな改めて好きとか言われると照れます・・母さん

すずかさんが下から見上げるように俺を見る

「・・うん! はやてちゃんをお願いね?」

「はい」

短く・・それでもしっかりと俺は答える

「それじゃアリサちゃんも首なが~して待っとるかもしれんし行こか」

「了解」

「うん!」

俺の返事が気に食わなかったのか・・睨まれた

「わかったよ!」

「よし!」

公私混同も此処に極まれり・・・

もう皆の前でも母さんて呼びまくってやるー!!

そしてはやて母さんと俺は、すずかさんと一緒にアリサさんとの待ち合わせ場所に行って・・・・

「へぇはやての子供なんだ・・・・・・・はぁ!?はやての子供!!??」

はやて母さんがニヤニヤと楽しんでいました・・・

アリサさんの一方的な激しい口調での質問もどこ吹く風

はやて母さんは

「だって好きになってもうたもんしゃぁないやろ? 愛してしもたんやからどうにもならんて」

この一言でアリサさんを撃破

アリサさんはすずかさんの様に俺を覗き込んで見定めてくる

俺は堪らず

「あ、あの・・えと・・ごめんなさい・・」

思わず俯いて謝ってしまった

そんな俺をアリサさんは見て

「っ!?・・・・・何よ・・・・かゎぃぃ・・じゃない・・・」

「・・・え?」

よく聞き取れなかったけど何だろ?

「何でもない! はやて泣かしたら許さないわよ!?」

「や、約束します!」

金髪美女に鬼気迫る表情で迫られて約束してしまいました・・だって怖かったんだもん!

はやて母さんはアリサさんの耳元で何か言ってるみたいだけど・・・なんだろ?

(晶かわいいやろ?)

(っ! はやて何言ってんのよ!?)

(照れんでもええやんか、でも絶対あげへんよ?)

(い、要らないわよ!・・・たぶん・・)

あ、アリサさん顔が赤い・・・風邪かな?

そしてすずかさんも交えてきゃいきゃいと会話しだして手がつけられなくなったはやて母さんを横目に俺はすずかさんが抱いてきた子猫と戯れる

こうして俺ははやて母さんの友人にも認められて?地球でのロストロギア捜索をすることになった




















・・・終焉への歯車が廻っていることなど気づきもせずに・・・



















[4755] Lost Memory ACT18
Name: アフロディーテ◆72310edc ID:4d488239
Date: 2009/01/11 14:33







アリサさん、すずかさんと別れて今ははやて母さんとアリサさんのコテージに向っている

「それじゃ晶は・・・うちと連絡待ちといこか」

「捜索に行かなくてもいいの?」

「今から合流するにしても時間かかるしな、それにみんな出てもうたらうち一人になってまうやん?」

そうだけど・・・本当にいいのか?

「心配せんでもやる事はぎょ~さんあるさかいに楽しみにしとき」

はやて母さんは笑って言ってくる

待つのは苦手だから捜索に行きたかったんだけどなぁ・・

「とりあえず皆がお腹空かして帰ってきてもええように材料買いにいこか」

「ん、了解」

はやて母さんとこの辺りでは一番大きいと思われるスーパーに買出しに出かけた





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「あ、これも美味しい」

「だよね~!」

捜索に来たはずなのに何故か翠屋居る私とスバル・・・・と、なのは隊長

地球に来て3時間くらいだろうか

レナとセラスは地球に着いたときに団子で居ても効率が悪いだろうからと言って別行動になった

なのは隊長が休憩がてらにと連れてきてくれたんだけど完全に和んでしまってます

ヴィータ副隊長に見られたらどうなるんだろう私・・・

それに・・

「ティアナちゃんこれも食べてみてくれないか」

なのは隊長のお父さん、士郎さんがこのように次々に持ってくるもんだからどうしようもない

連れてきた当本人は何やら厨房に篭っているようで・・・どうせ晶に何か作ってるんだろうなぁ

けどそろそろ行かないと他のメンバーに怒られそうだ

なのは隊長の名前を出したらどうせ黙るんだろうけどね

そんな事を考えていると厨房からようやくなのは隊長が出てきた

「ごめんね、少し時間かかっちゃった」

なのは隊長の片手には包みが握られている

・・・今度わたしも何か作ってあげようかな・・

あいつは喜んでくれるだろうか

晶の喜ぶ顔を想像してみて顔が熱くなるのを感じる

っちがう!・・単に何となく思っただけなんだから!

頭から消そうとしてぶんぶんと顔を振った

「何してるのティア?」

「何でもない! 早くいくわよ!」

「な、なんで怒るかな~」

スバルが涙目でそれでも残ったケーキを完食せんが為に手を動かす

・・・恥ずかしいからやめてよ

スバルが食べ終わるのを待って私達は捜索任務に戻る

「ティアナちゃんにスバルちゃん、はいこれ」

桃子さんは私たち二人に包みを持たせてくれる

「こんなの悪いです! 受け取れません!」

「そうですよ! さっきもあんなに頂いたのに」

私達にそう言われても桃子さんはニコニコとして返そうとするそれを受け取ってくれない

「にゃはは、貰っておこうよ」

なのは隊長はそう言って私達に促してくる

「・・はい、ありがとうございます」

「やったぁ!」

(こらスバル!喜ぶより先にお礼言いなさい!)

念話で注意するとスバルは慌ててお礼を言って私達はその場を後にした

「なのは隊長すいません」

「気にしちゃ駄目だよ、お母さんいつもあんな感じだし」

・・・あれで儲かるんだろうか?

私とスバルのせいで潰れないことを祈ろう

うぅ・・・帰ったらまたダイエットかな・・

そうして歩いているとフェイト隊長からなのは隊長に通信が入る

《なのはそっちはどう?》

「今のところは異常無しかな」

《そう、なら一度戻ろうと思うんだけどどうかな?》

「うん、なら私たちも向うね」

通信を切りなのは隊長は私達を見て一度コテージに戻ろうと言ってくる

「「了解」」



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あたしは今、上空でリィンと一緒に地上を見下ろしながら捜索している

「リィン何かみつかったか?」

「何にもないです」

「こっちもだ、さっきなのはから通信があったから一度コテージに戻るぞ」

「了解ですヴィータちゃん」

あたしがコテージに向おうとした時だった

「あん? なんだありゃ・・」

「どうしたです?」

「いや・・何か向こうに黒い霧みたいなのが見えたんだけど・・・」

「そっちの方ならさっきリィンが見てきたですけど何もありませんでしたよ?」

一応見ておくか

「リィン戻るのは後だ。少し気になるから見にいくぞ」

「了解です」

見えた辺りに着いて調べてみたが何もない

「リィン何か反応はあるか?」

「う~ん・・やっぱり何もないですよヴィータちゃん」

「なら帰るか。何も無いことに越したことはないからな」

「了解です♪」

気のせいか・・・まぁ平和なのは良いことだしな

「さっさと帰ってはやてのギガウマ飯でも食おうぜ」

「ヴィータちゃんはそればっかです~」

「んだと!?」

ちゃんと仕事してるっつーの!

リィンを追い掛け回しながらあたしはコテージに帰ることにした



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両手に大荷物を持ちながら俺は今コテージに向けて歩いている

なぜ・・なぜ車を借りてくれない!?

まぁ俺への罰ゲームなのだろう・・

というのも少し前の話だ

買い物の為に大手スーパーに来たのは良いがタイムセールが始まる直前に着いたのが事の始まりだ

「晶!うちはあっちの戦地に行くさかいこっちのアレとアレ頼むで!」

はやて母さんはそう言い残すと主婦の戦場へ赴いた

「・・・無理だろこれ」

バーゲンセールとかタイムセールとかの状況はテレビなどで見たことはあったが、どうせテレビ局とかのエキストラも居るんだろ?とか思っていた

ところがだ・・・実際目の辺りにするとテレビでやっていたことは嘘ではないという事実を知ってしまいました

ごめん・・今まで何も考えずに食ってました・・・考えを改めます

「ちょいとあんた邪魔なんだからおどきよ!」

「ちょっと早く前いきないさいよ!」

「ここは男なんかが来るところじゃないよ!」

それは今実感しました・・・でももう退路も塞がれてるんすよ!オバサン達のせいで!

後ろから来た波に完全に飲み込まれてしまった俺は何もすることが出来ずに・・・・地面にキスしてました

主婦つえぇ・・・とんでもなくつえぇよ

もうね、手も足もでませんでしたよ

あの波の中を軽快に避けていくフットワーク

そして物を手にするまでの精神!

戦場とは恐ろしいものだ・・・

はやて母さんは地面にキスをしている俺を見つけると抱き起こしてくれた

「やっぱり晶には無理やったな」

やっぱりて言うくらいなら任せないでよ・・

「でも安心しぃ!皆の分はしっかり確保してきたで!」

母さんすげぇよ! 

あの短時間で二つの戦場を駆け抜けたというのか!?

鬼神の如きテクニックとパワーだな

「晶は罰ゲームな」

「なんで!?」

「だって頼んだもん一つも手にしてへんやんか」

「・・・ごもっともで」

「んじゃ決定」

と、こんな事があったので荷物持ってます

いや、初めから持つつもりだったけどね

でもね? こんなに多いとは予想してなかったわけですよ

はっきり言ってやろう! 

重量は両方合わせて60キロは間違いなくあるね!

何入ってんだよ!

ビニールが手に食い込んですげ~痛いです

そしてその重量に耐え切るこのビニールは強者としか思えない

畜生・・アリサさんとかに頼んで車借りればよかった・・・俺は免許ないけどな!





そしてようやく着きました・・・

長かった・・手がもう感覚ないよ

「ご苦労さん、晶は少し休んでてええよ」

「はやて母さんは?」

「うちは準備せんとな」

ニコリと笑い料理の仕度をしていく

「それじゃ俺も手伝うよ」

「ええんか?」

「母さんがやってるのに俺がやらない道理はないよ」

「ええ子や」

撫でてくれました

そうこうしてる間に皆が帰ってくる

アリサさんとすずかさんもいつの間にか到着したようだ

「こっちは何も変わった事は無かったよ」

「こっちもかな」

フェイト母さんとなのは母さんが報告してくる

「了解、そんじゃ二人とも出来上がった料理持っていってくれるか」

「「は~い」」

「晶もこっちの手伝いはもうええさかいに向こうですずかちゃんの手伝いとかしてきてくれるか?」

「うん」

そういう事なので俺はすずかさんの手伝いをするために来たのはいいのだけど・・・何もない

そう何もない

すずかさん達はてきぱきと用意をしていく

仕方ないからあそこにある食器でも並べるか

それを手に取ろうとしたらアリサさんに持っていかれてしまった

し、仕事が・・俺の手伝いが・・・

仕方がない、はやて母さんの手伝いに戻ろう

戻ってくるとはやて母さんとヴィータ副隊長が何か話している途中だった

「了解、その場に行って調べても何も出てこなかったんやからそれでええやろ。それじゃヴィータもあっちに行って休んでてくれてええよ」

「んじゃ、はやてのギガウマ飯まってる」

「おだてても何もでぇへんよ」

会話が終わったようでこっちに向ってくる

「ヴィータ副隊長おかえりなさい」

すれ違うときに声をかけたら「おう」と応えてくれた

ヴィータ副隊長はそのまま皆の方へ歩いていく

俺ははやて母さんに先ほどの会話が気になったので聞いてみることにした

「何かあったの?」

「ん?、あ~ヴィータがちょっと気になる感じがした場所があったみたいやねんけど、そこに行っても何も無かったていうだけや」

「そうなんだ」

「まぁ見に行って何もなかったんやからしゃ~ないやろ」

「そうだね」

「んで晶はどうしたんや?」

「向こうで手伝う事がなかったので戻ってきた」

「はは、すずかちゃん達は手馴れてるさかいな」

「てなわけで手伝わせて」

「手伝ってもらいたいところなんやけど・・・もう終わってもうたわ」

ありゃ・・残念

「それじゃ出来上がったこれ一緒に持っていこか」

「あ~い」

俺は出来上がった料理を持ってはやて母さんとみんなの居る所に行く

するといつの間にかレナとセラスも帰ってきていた

「二人ともおかえり」

俺は二人に声をかけた

「只今戻りました」

「ただいま晶ちゃん♪」

「何かあった?」

俺が聞くと二人は何も無かったと報告してくれた

「ならみんな待ってるから席に着こう」

「「はい」」

最後の料理をテーブルに乗せてそれをみんなで囲む

全員が席に着くのを確認してはやて母さんが音頭をとる

「みんなご苦労さん、それじゃひとまず休憩して鋭気を養おうか」

みんなそれぞれ料理に手を伸ばしそれぞれに会話などしている

・・・なんか良いなこの感じ

皆が居て俺が居て・・・嬉しいな

ふと空を見上げるといつの間にか時間が経っていたみたいで月が出ていた

「綺麗だな・・本当に良い月だ」

「そやな」

「そうだね」

「こんなにゆっくりお月様みたの久しぶりだね」

俺の独り言に母さん達が返してくれた

母さん達を見ると笑ってくれる

俺も笑い返した

そしてもう一度月を見る

すると先ほどまで綺麗だった月がすこし雲のせいなのか隠れてしまっている

「隠れたか・・・・ん?」

月はどんどん隠れていく

そういえば・・・左の星は見えるのに右の星が一つも見えない

どういうことだ・・・

その瞬間だった

バンッ!  ガシャン!

みんなビックリして音のしたほうを見る

そこにはレナとセラスが空を睨んで立ちつくしていた

「二人とも何してんだよ・・料理が「あいつが来ます!」っ!?」

レナが叫ぶ

どうしたんだ?

「はやて部隊長!本局と聖王教会、それに次元航行艦隊に至急応援要請をなさい!」

セラスははやて母さんに向って叫ぶ

「レナ! 封鎖結界を張りますわ!合わせなさい!」

「準備はできています!」

二人は一瞬で結界を張った

「どないしたんや!? なんで結界なんか張ってるんや!」

はやて母さんがレナとセラスに駆け寄る

「説明してる暇などございません! はやく応援要請をなさい!」

「晶様! あいつが・・「闇」が来ます!」

ドクンッ!

あいつが・・・闇が・・来る?・・・・・・

ドクンッ

ママ達の記憶を奪った闇・・・

ドクンッ

俺から居場所を奪った闇・・・

ドクンッ!!

「うぁあああぁああぁあぁぁぁぁぁ!!」

「「!?!?」」

「「「晶!?」」」

許さない!

あいつだけは許さない!!

「ルナ!」

「イエス、マスター」

俺はルナを呼び出す

「「「!?」」」

みんな何が起こっているのかわからず混乱してるようだがそんなの関係ない

あいつが目の前に居る

逃げるわけがない・・・・俺から全てを奪ったあいつを目の前にして・・・

退くわけがない!!!

そう思った矢先

俺の身体がバインドによって思うように動かなくなる

「っ! お前等!!」

レナとセラスを睨みつける

「晶様・・はやて様や皆さんが此処には居られます」

「晶ちゃん・・少しの間私達が押さえます・・・その間に御三方に事情を説明し、応援要請をお願いしまわ」

「関係あるか! あいつを目の前にして黙っていられるか!!」

「冷静におなりなさい!!」

っ!?

セラスに怒鳴りつけられ身体が強張る

「誰も逃げろなんて言っていませんわ・・・逃げてはほしいですけどね♪」

「・・・セラス・・」

「それに私達には「これ」がありますわ」

そう言って「箱」を取り出す

「それは!」

セラスは首を左右に振る

「晶ちゃんには悪いですけど・・もうどうこうしている余裕はございません。もしもの為の保険を御三方にかけておいて正解でしたわ」

セラスの手にしている箱はこっちの世界に来る前に手渡された物だ

全部で4つ

二つは俺たち

もう二つは元の世界のティアナさん達が持っている

箱の中には次元振動を起こすほどの魔力が込められたクリスタルが入っている

これは俺達が「帰る」為に用意された物だ

時の廻廊でクリスタル同士をぶつけることによってあらゆる世界に次元振動を引き起こす

そうする事によって元の世界にも次元振動を起こし「繋げる」合図をするための物だ

クリスタルは同じ結晶から作られた物でクリスタル自身の繋がりが強い

クリスタル同士が惹かれあうのを利用してティアナさん達が俺達の居る世界を探り当てる、もしくは俺達が元の世界を引き寄せる

それを頼りにラインを繋げた後、ラインを辿って戻る手はずとなっていた

けどそれをココで使うという事は・・・

「俺は・・・もう会えないのか・・・?」

「ごめんなさい晶ちゃん・・・けれど晶ちゃんにはもう母さんが居ますわ・・・・・」

「許してほしいとは言いません・・ですが・・・・生きてください」

・・・・ママ達にはもう会えない

・・・けれど・・それでもレナ達は俺に生きてほしいと言う

俺はどうすればいい・・・

・・・どうすれば・・・・・・・・・・・

「自分等の言う通り応援要請したで」

「さてそれじゃ」

「聞かせてくれる?」

母さん・・・・

俺は・・・・決めたはずだ

護りたいと思ったはずだ!

ならば貫き通せ!

護ってみせろ!

「レナ、セラス・・・バインドを外せ」

そういうとレナ達はすぐに外してくれた

「30分だ、持ちこたえてくれ」

「「御意!」」

レナ達はそう言ってすぐさま闇の進行を抑えるため飛んでいく

「ルナ、全リミッターを切れ。リンクはトライアングルで固定」

「イエス、マスター」

俺はルナに指示を伝えると母さん達に向き直る

母さん達はこの状況においても冷静な姿勢を崩さない・・・

いや、現状を理解してないだけなのだろう

「はやて母さん、なのは母さん、フェイト母さん・・・黙っていてごめんなさい」

「「「・・・」」」

「時間が無いから簡潔に言うね」

「わかった」

「わかったよ」

「うん」

母さん達はしっかりと俺を見据えて離さない

「俺はこの世界の住人じゃない、別の世界から・・・この世界と酷似した世界から来たんだ。その世界では今レナ達が抑えてくれている敵が俺のママ達と戦って勝ったんだけど・・」

「・・・だけど?」

「ママは勝ったんだけど死にそうになっちゃった・・・それで俺達が何とかしようとしたんだけど失敗してしまって・・」

俺はママ達の名前と記憶のことを明かさず出来るだけの事を早口で語った

俺の知ってる「闇」の事

時の廻廊の事

光輪の書の事

箱の事も含めて出来る限り・・・

「俺の知ってるのはこれだけ・・・」

「・・・とりあえずわかったのは「あいつ」が敵て事と、それでもうちは晶が好きやってことやな」

は?

「そうだね・・・聞きたいことはまだあるけどそれは敵を倒してからで良いかな?」

いや、だから!

「にゃはは、それじゃ全力全開でいこうか」

そうじゃなくて!

「・・・怖くないの?」

そう聞く俺に

「怖いに決まってるやん」

「けどね・・・だからといって退けない」

「私達の子供が頑張ってる・・・それにそんなものを逃がすわけにはいかないよ」

・・・どこに行ってもこの母さん達はこうなんだろうな

だからこそ俺は

「ありがとう母さん・・・・そして・・助けて・・ほしい」

そして

「この戦いが終われば・・・本当の母さんになってほしい!」

「まかせとき!」
「晶を泣かせた敵を!」
「全力全開で吹き飛ばすよ!」




「全員聞いてたな! 今からあいつを押さえ込むで!」

「「「「「「「了解!!」」」」」」」

「フォワード陣は応援が来るまでの間うちらをフルサポート!、ヴィータとシグナムはレナとセラスに付いて!」

「「「「了解!」」」」

「おう!」

「おまかせを!」

「なのはちゃんとフェイトちゃんはペアで遊撃!、シャマルは敵の本体を探して!必ずどこかにあるはずや!」

「わかった!」

「いくよフェイトちゃん!」

「導いてクラールヴィント!」

「晶もうちに付いてき!」

「うん!」

俺は力強く返事をして頷く

そのとき

もの凄い魔力の奔流を感じる

ゴゴゴゴゴゴッッッ!

辺りは闇に包まれそうになっていたのに光に包まれ一気に晴れていく

次の瞬間、地面に立っていられないほどの地震が起こる

そしてもの凄い余波が俺たちを襲う

俺は咄嗟にシールドを辺り一面に張り巡らす

「ライト・ウォール!!」

衝撃は一瞬だった

「使ったのか・・・・これで本当に・・」

これで本当に帰れなくなったのか・・

ポン

「うちらが絶対に護ったるさかいな、絶対に幸せにしたるよ」

はやて母さんは俺の頭を優しく撫でてくれた

「すぐに「闇」は伸びてくる! みんな気いつけるんやで!」

それの一声を皮切りに全員が飛び出す




















俺たちの・・・旅の・・・全ての決着をつける戦いが始まった
















[4755] Lost Memory ACT19
Name: アフロディーテ◆72310edc ID:4d488239
Date: 2009/01/17 01:02



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「左翼押されとるよ! エリオとキャロ援護に回って!」

「右翼にティアナとスバル! なのはちゃん頭押さえて!」

はやて母さんの指示が飛び交う

「フェイトちゃんはうちらと腹に一発いれるで!」

それでも闇の進行を止めるに至らない・・・

それどころか徐々に後退を余儀されなくなる

くそ・・このままじゃジリ貧だ

どうすれば・・・・

考えた俺は

「はやて母さん! でかいのを一発入れるから皆を一度コテージまで戻して!」

「!?・・・何するつもりや!?」

「いいから早く!」

「なんやようわからんけど、わかった!」

はやて母さんは念話で皆に一度戻るように指示する

その間に俺は魔力を収束させる

「晶! みんな退いたで!」

「了解! ルナ、一発どでかいのを入れてやるぞ!」

「イエス、マスター!」

みんなが退いたと同時に闇の進行が一気に加速する

「させるかよ!!」

俺は収束させていた魔力を一気に解放する

「クレセント・・・・バスターーーーー!!!」

白き閃光は辺りを照らしながら闇を追い戻していく

放出しながら俺は魔力を捻じ曲げる

「ルナ! ガーデンを展開!」

瞬時に俺の周りに光の魔方陣が展開される

「ライトプロテクトとウォールを張るぞ!」

俺の持つ特性の一つ・・・デュアルマジック

ルナが居ることによって二つの魔法を同時詠唱することが出来る

ライトプロテクトで自身を守りつつウォールで闇を一時的に押し込む

成功はしたが10分と持たないだろう

応援はどうなってんだ!

このままじゃ全員飲み込まれる!!

(レナ!セラス! 俺も一度戻る!今のうちに詩と踊りを皆に頼む!)

((はい!))

俺はすぐにコテージに戻る

「はやて母さん応援はどうなってるの?」

「本局からの応援は早くて後40分くらいや、教会のほうもそれくらい、艦隊は20分ほどでこれるそうや」

「くそ! それじゃ間に合わない!」

艦隊なんて来たところでアルカンシェルがここで撃てるわけじゃあるまいし役に立たない

転送魔法で宇宙に送るか?

半径5km・・・そんな範囲の転送なんて無理に決まってる

送れたとしてもアルカンシェルを撃つ前に広大な宇宙に広がりかねない・・・

「~♪~~♪っ♪~~~~♪」

セラスの詩が聞こえてくる

疲労して重たかった体が徐々に軽くなっていく

セラスの横ではレナが踊っている

魔力の増幅を感じる

「なんやこれ? もの凄い身体が軽く感じるんやけど・・・」

「うん、それに力が溢れてくる感じ」

「にゃはは、何でも出来そうに感じるね」

「レナはソードダンサー、セラスはソードシンガーて言うらしい」

「「「??」」」

「俺も詳しくは聞いてないけど踊りや詩には元々「魔力」がこもってるらしんだけど・・・それをそれぞれに乗せて強化や支援することができるみたい」

俺の説明を聞いてシグナム副隊長とヴィータ副隊長が反応する

「模擬戦のやつか」

「なるほど・・そしてそれは敵に乗せることによって妨害することもできるのだな」

俺は頷く

「でも今はそんなことどうでもいい、闇は後数分もすれば俺の壁なんか吹き飛ばすだろうから早くなんとかしないと・・・」

最悪の場合・・・みんなは逃がしてみせる

「シャマル先生、本体はどうですか?」

「・・・ごめんなさい・・でもある程度の場所はつかめたわ」

「・・・どの辺りですか?」

「やっぱりというか・・そこしか無い・・・最奥よ」

お決まりと言えばそれまでだが・・・行くしかない

俺は一つの作戦を提示する

「母さん達三人と俺は中心にめがけて突っ込む、他のみんなは最初の持ち場で押さえ込んでほしい」

そう言うと真っ先にはやて母さんが

「それは許可出来へん・・・突っ込むのはうちらだけで十分や」

それに続いてフェイト母さんとなのは母さん

「晶・・何か隠してるよね?」

「もしかしていざというときは自分だけ犠牲になろうとか思ってないよね?」

・・・そうだよ

それでも俺は嘘を貫き通す

それが皆を・・・三人を護れるなら俺は嘘つきだろうが何だってなってやる

「そんな事思ってないよ・・俺は母さんと共に居たいだけ」

「それに最奥に行くには魔力を温存しつつ行かないと例え辿りついたとしても決められない可能性もあるしね。人数は多いに越したことは無いと思う」

辿りつけないと判断すれば俺は即座に母さん達を・・・いや、みんなを「外」に弾き出して・・・・

・・・最後の手段を取るつもりだ

「・・・・嘘やったらしょうちせ~へんよ?」

「わかってるよ・・」

ごめんね母さん・・・俺は嘘をつくよ

ごめんねママ・・帰れなくて・・・俺のせいで迷惑かけて・・・・

俺は皆に声をかけていく

最後かもしれないから・・・

「ティアナ」

「な、何よ・・・」

「あのとき変な賭けしてごめんな・・・それと心配してくれてありがとう」

「仲間として心配しただけよ・・・必ず戻ってきなさいよ?」

「そのつもりだよ」

次はスバル

「スバル・・・ちゃんとティアナのこと見てやってくれな?」

「もちろん! 晶もちゃんと帰ってきてよ?」

「おうよ」

エリオにキャロ

「エリオはキャロに心配かけんなよ? キャロはちゃんとエリオに付いていくように」

「心配されないように強くなります!」

「いつでも付いていきます!」

なんかキャロが告白みたいな感じになってるな

「ヴィータ副隊長、シグナム副隊長・・レナとセラスをお願いします」

「あたいだけじゃ面倒見れないからな」

「だから必ず帰ってこい」

俺はこの二人なら上手くレナ達とやってくれるだろうと確信している

「シャマル先生、模擬戦の時は二人が失礼しました。悪く思わないでやってください・・二人とも頑固なだけなんで」

「知ってるわ。・・・お母さんを悲しませちゃ駄目よ?」

「そうですね・・頑張ります」

そして母さん達に向き直った瞬間

ゴン

「いて!」

「なんでそんな辛気臭い会話してるんや!」

ゲンコツくらいました

「そんなんじゃ駄目だよ?」

「必ずみんなで帰るの!」

はは、こんな時に怒られるとは思わなかった

でもね・・・俺は・・・・・俺には・・・







ここに居場所はないんだよ・・・

さっきようやく気づいたんだよ

・・・「ここ」から俺は「始まった」んだ・・・

だから俺はここに居ちゃだめなんだよ・・・

ごめんね母さん・・・

だからこそ俺は全てをかけるんだ・・・かけれるんだ

それに母さんはやっぱり「母さん」なんだよ・・・

母さんは「ママ」じゃない・・・

こんなのは我侭だってわかってる

自分勝手だってわかってる

でもね・・俺はママじゃないと駄目なんだ・・・

本当にごめんね・・・母さん

今までありがとう・・・・

そして・・・・



「それじゃみんな気合いれや!」

「「「「「はい!」」」」」

「第一優先はあくまでも応援を待つことや、撃破はそれからでも遅くない! 勘違いしたらあかんで!?」

「「「「「了解!」」」」」

「そして・・絶対にみんな無事で帰る・・・・こと・・ゃ・・・・」

「はやて母さん!?」

「「「「「!?」」」」」

はやて母さんの体がぐらつくと突然片膝を地につける

それにつられるようにフェイト母さんとなのは母さんも座り込んでしまった

「な、なんでもない・・・ちょっと目眩がしただけや」

「ごめんごめん」

「にゃはは、少し気が抜けてたかな?」

そう言って母さん達はすぐに立ち上がる

「嘘だ!無理しちゃだめだよ!」

こんな所で失うわけにはいかない!

「本当になんでもないんよ、晶は心配しすぎや」

はやて母さんは笑いながら杖を握りなおすと

「ごめんなぁこんな時に立ち眩みやなんて、もう大丈夫やさかいにみんな行くで!」

「わかった・・母さんがそういうなら信じる」

シャマル先生がはやて母さんの容態をみながら

「はやてちゃん、お体は大丈夫なんですね?」

「もう!シャマルは心配性なん直さなあかんで?」

ヴィータ副隊長がなのは母さんの側に行くと

「なのは・・本当に大丈夫なんだな?」

「ヴィータちゃんも心配しすぎだよ~」

シグナム副隊長はフェイト母さんに寄っていく

「テスタロッサ、嘘ではないな?」

「本当に気が抜けただけですよ、もう大丈夫です」

ヴィータ副隊長とシグナム副隊長はその言葉を信じて

「なら必ず帰って来いよ」

「お前との勝負はまだ続いている、勝ち逃げは許さんぞ」

そう告げて背中を向ける

「それじゃ作戦開始や!」

はやて母さんが叫ぶとそれぞれ散っていく

俺は母さん達の背中を追うようにして飛んだ

そしてレナ達に念話を送る

(レナ、セラス・・・今まで付き合ってくれてありがとうな・・・感謝してる)

((・・・))

(二人とももう気づいているんだろ? これが俺の始まりだってことに・・・)

((・・・はい))

(なら分かっているな?)

(・・私達は)

(晶ちゃんから離れることは決してありません」

(それじゃ困るんだよ・・・)

(聞けません!)

(断固拒否ですわ)

それじゃ駄目なんだよ

(二人にしか頼めないんだ、だから・・・頼む)

(嫌です!)

(認めるわけにはいきません!)

二人は頑なに聞いてくれない

それでも俺は二人に頼みたい・・・いや、レナとセラスにしか出来ないんだ

(勝手なことだと思ってるし俺の我侭だって事も分かってる・・・でも・・・・)

((その先は聞きたくありません(わ)!!))












-----------------------------------(だから「晶」の事を頼む)-----------------------------------
















返事を待たずに俺は回線を切ると少し距離が離れてしまった母さん達に追いつく

(ルナ、スプリガンプログラムを切り離せるようにしておいてくれ)

(・・・・マスター)

(ごめんなルナ、お前には最後まで付き合わせることになってしまって・・・)

(いいえ・・・それは違いますマスター)

(え?)

(最後の最後までマスターと共に居られる私は幸せです)

(私は嬉しい・・・マスターは私達に名を・・心を与えてくれました)

(それは何物にも代えられない宝物・・・私達がどれだけ渇望しても手に出来なかったものです)

(・・・ルナ・・)

(だからこそレナとセラスはマスターを愛したのです。それは私も一緒ですよ)

(私達はマスターの命令ならば死ぬことさえ厭いません。それはマスター晶・・・あなただからこそです)

(レナとセラスは必ずマスターの願いを聞き届けてくれますよ)

(・・・ありがとうな)

ルナに短く礼を言う

そうして俺は闇の腹に突っ込んだ




-------------------------------------------------------------------------------------------------------------






当たり前だが辺りは真っ暗・・・・10m先も見えるか怪しいくらいだ

辛うじて母さん達の姿が視認できる程度

しかも静か過ぎる・・・

ただ・・飛んでいるだけでも魔力が徐々に削られていくのがわかる

母さん達もそれは分かっているだろう

だからこそいち早く辿りつくために魔力を奪おうと纏わり付いてくる霧を殆ど無視して飛んでるくらいだ

構ってしまえばすぐに吸い尽くされてしまうだろう

中に突っ込んで分かった事・・こいつは「光」が苦手のようだ

突っ込んだときにライトウォールを張ると魔力こそ奪おうとするものの

さっきまでとは比べ物にならないような愚鈍な奪い方になっていた

恐らく奪った光の魔力を食うのには時間がかかるのか、それとも口に合わなかったのだろう

おかげで俺の魔力はいうほど削られてはいないが・・・母さん達は違う

俺が母さん達にライトウォールを張っているとはいえ母さん達は本来光性質では無い

とくにはやて母さんの消耗が激しい・・・

元々の性質が闇属性だからあいつはここぞとばかりにはやて母さんから奪おうとしている

はやて母さんの魔力総量自体が多いからまだ大丈夫だけど・・早く仕留めないとそれもいつまでもつかわからない

「うちはまだ大丈夫や、人のことより自分のこと心配しぃ」

「・・・何も言ってないよ」

「そう? 顔がそうゆうてたよ」

軽口を言ってはいるが・・・やはり心配だ

すると前を飛んでいたなのは母さんが急に止まる

それに続いて皆止まる

「どうしたのなのは母さん?」

なのは母さんは俺には答えずじっと前を凝視している

すると変な声がする

「ギョゲゲ・・ギュゴギギ・・・・」

声と共に現れたのは気味の悪いゲル状の黒い化け物だった

「晶・・・下がって」

なのは母さんの声を聞いて俺は二歩ほど下がる

「なのは・・・いくよ」

フェイト母さんがバルディッシュを握る

「はやてちゃんいける?」

「いつでもいけるで」

はやて母さんもシュベルトクロイツを握る

「晶は前に出ず、後ろから援護をお願い。出来るよね?」

「うん」

なのは母さんに返事をすると同時にもの凄い速さで化け物は身体から触手らしきものを尖らせて攻撃してくる

「ギョギョ・・ギギィ!!」

母さん達はそれぞれ左右に分かれて回避すると同時に反撃をする

そいつは母さん達の攻撃を避けようとせずにまともに当たるが・・

「「「?!」」」

まったくの無傷・・・ゲル状の身体で衝撃を吸収したのか?!

続けざまに攻撃をしていくがまったく手応えを感じない

俺はもう一度試しにダガーを撃ってみる

そつはやっぱり避けようともせずに直撃する

ダガーはそいつに吸収されるように身体に埋まっていく

なるほど・・・魔力自体を吸収されているのか

「晶!」

「わかってる! けどどうすれば・・・」

はやて母さんのそれに答えるがどうすれば良いか思いつかない

考えてる間にもそいつは触手で攻撃を繰り出してくる

少しずつだけど速くなってる・・・

こうしてる間にもどんどん魔力が吸われていく

持久戦は避けたい

「なのはちゃん!」

「まかせて!」

なのは母さんがレイジングハートを前に突き出し砲撃の体勢をとる

それを守るようにフェイト母さんが一歩出る

はやて母さんはフェイト母さんをサポートするようにシールドを張る

俺はなのは母さんから魔力を奪おうとする霧を防ぎ続ける

「フェイトちゃん!」

「なのは!」

フェイト母さんが射線上から退くと同時に

「ディバイン!バスター!!」

そいつは消し飛ぶ・・・・はずだった

「ギョ・・グュゲィギュ!」

「「「・・・」」」

「なんなんだよったく!」

俺はたまらず悪態をつく

そいつは消し飛ぶ所かピンピンしている

それよりも・・・・さっきよりでかくなってる!

「晶・・壁で閉じ込められるか?」

はやて母さんが聞いてくる

「無理・・・かな、壁も所詮は魔力だからすぐに吸収されると思う」

しかも吸収したぶん強くなってやがる・・・ほんと最悪だな

「・・・フェイトちゃんいける?」

「身体を切断する前に吸収されて駄目だと思う・・」

「それどころか切れるかどうかも怪しいもんやしなぁ」

吸収か・・・っ!

そうか!

「フェイト母さん少しだけ頼めるかな?」

「・・・何をするの?」

至って単純

「あいつの吸収できる蛇口て実はそんなに大きくないんじゃないかな?」

「「??」」

「・・・なるほどな、ならその蛇口を詰まらせるくらいすればええっちゅ~こっちゃな?」

「正解」

さっきのダガーを吸収されたときに一瞬で消えたわけじゃない

ディバインバスターは高魔力収束砲撃だけど周りの霧のせいもあって威力・・・というか魔力自体が落ちていた

「はやて母さんとなのは母さんでこの中に結界を構築できる?・・・少しでいい」

「うちが霧を押すから」

「私が結界だね」

「撃ったらすぐに俺の後ろにきて・・・でないと巻き込むかもしれないから」

「「「わかった」」」

俺はすぐさま体勢を先ほどのなのは母さんのように変える

(ルナ、制御はまかせる)

(イエス、マスター)

アルテミスを腕から外して胸の前に浮かべる

母さん達が前に出てくれているおかげで俺には一切の攻撃が飛んでこない

俺の腕に魔力が収束していく

・・・まだだ、もっと・・もっと!

「晶!まだか!?」

「もう・・結界が!!」

もう少し・・・・

俺の目の前が光で照らされていく

・・・・・・!!

「下がって!」

叫ぶとフェイト母さんが一気にこっちに向って飛ぶ

「お前なんかには見せてやるつもりは無かったんだけどな・・・・とっておきの一つを見せてやるよ!!」

ママに無理言って教えてもらった魔法の一つ

「スターライト・・・・ブレイカァァァアアアアア!!!!!!」

決して使ってはいけないと言われた魔法の一つ

「「「!?」」」

突き出した腕からアルテミスの輪の中をくぐりその巨大な魔力の塊となった砲撃は化け物を飲み込む

「っおおぉぉおおっぉおぉぉおおお!!」

まだだ!もっとくれてやる!

「っらぁ!」

辺りの霧ですら四散させるほどの魔力

「ギュギョギョ!? ギギギゥギャギュ!!」

「吹っ飛べぇぇぇ!!」

ズズズズズ・・・・オォォォ

・・・・・・・

「はぁ・・はぁ・・・・どうなった・・・?」

俺は両手を地につける

誰に聞くでもなく口に出る

(反応はありません、消滅したものと思われます)

ルナが答えてくれる

上手くいったようだな

母さん達は呆然と俺を見ている

「・・・晶」

「・・今のって」

「・・・私の魔法・・?」

聞いてくる母さんに俺は

「・・はぁ・・・はぁ・・どうだろう・・?・・・見よう見まねだし・・・ね」

ママに教えてもらったとは言えないし・・適当に今は誤魔化すしかない

「・・それより敵はどうなったかな?」

だいぶ落ち着いてきた

「跡形もあらへんわ」

「そっか・・よかった・・」

先を急ごうと立ち上がったとき

ブスッ!  グサッ!

「・・・え?」

「「「晶!?」」」

あれ? 

腕と足に何か刺さってる・・・

急速に身体から魔力が抜けていく

よく見ると触手の先が俺を貫いていた

そういやティアナが言ってたな・・俺は詰めが甘い・・て・・・

触手の先には敵は居ない

あの化け物め・・・最後にこいつを飛ばしやがったのか

っ!?

俺に刺さった触手をよく見ると先のほうが再生しはじめてる

「させるかよっ!」

俺は身体の魔力を刺さった箇所に一気に流し込む

するとそいつは奇妙な声をあげて消滅した

そして途端に激痛に襲われてその場に倒れこむ

「晶!」

「早く止血しないと!」

「晶!しっかり!」

(マスター!!)

止め処なく溢れる血・・・

はは・・こりゃまずいな

母さん達を護るどころか俺が最初に倒れてどうすんだよ

「だ、だい、、じょうぶ、、、だよ、、、、」

俺は母さん達に笑いかけると

「あほなこと言ってると怒るで!」

もう怒ってるじゃん

「だ、大丈夫じゃないよ!こんなに血でてるのに!」

刺さってたからなぁ

「私達が護るって約束したのに!!」

俺も護るはずだったんだけどな

(マスター! 意識を保ってください!)

意識だけははっきりしてるよ

次第に痛みなどなくなって貫かれた場所がじんじんと熱いくらいにしか感じられなくなる

母さん達が懸命に回復魔法をかけてくれるんだけど・・・

「・・・なんでや!・・なんで塞がってくれへんのや!?」

「っ!・・・はやてここ押さえて!」

「大丈夫だからね? 絶対に助けるからね?」

どんなに頑張ってくれても魔法はすぐに四散してしまってなかなか効果がでてくれないみたいだな・・・

こんなとこで時間なんかかけてられない・・・

俺は刺されていない腕と足を使い起き上がろうとすると激痛が走る

「がぁああ・・・っ!・・・ぐ・・・ぅぅぅっ!」

痛みが何だ!

刺されたが何だ!!

血がボタボタと零れる

「何してんねん! 動いたらあかん!」

「お願いだから動かないで!」

「すぐに治してあげるから! ね?」

それは聞けない

こんなところに居れば俺だけじゃなく母さん達までやられるかもしれない

「早く・・奥に行かないと、みんなも・・・頑張ってる・・!」

俺のせいでこれ以上失くしたくない!

ようやく少し魔法が聞いてきたのか血だけは止まったようだ

それだけで十分だ

母さん達が止めるのも聞かずに俺は立ち上がり飛ぼうと全身に力を入れると、あまりの痛みに膝が折れる

それを母さん達が支えてくれる

その時・・・

「ギョッギュギギ・・・キョガヒキキ」

「キャッキョ・・キュグ」

「ガャギョブ・・キョニャハク」

・・・・はは、笑えてくる

一体でもあれだけの魔力使わせておいてお次は三体かよ

しかもさっきのよりデカイじゃねぇか

母さん達は俺の前に出る

「駄目、だ! 逃げて!!」

「周りみてみ・・逃げれへんよ」

そう言われて周りを見ると、三体の化け物は自分達の身体を広げて俺達を囲みだしている

くそ! 俺さえこんな状態じゃなければ逃げれたはずなのに!

母さん達は俺を囲むようにして戦闘態勢になる

「ノルマは一人一体や・・・簡単なもんやで?」

「競争だね、はやて」

「にゃはは」

駄目だ!

絶対に戦わせちゃ駄目だ!!

何が何でも逃がしてみせる!!

「・・母さん・・・ごめん」

「ん?」

「なに?」

「晶?」

母さん達は俺に背中を向けたまま聞き返してくる

そして俺は母さん達に・・・

(ルナ!)

(・・・・イエス・マスター)

バインドとプロテクションをかけた

「晶!?」

「どういうこと!?」

「晶まさか!?」

全てを無視して俺は奴らに背を向けて来た道を折り返す

そんな俺を逃がすまいと奴らの身体という壁が塞いでくるが

「ぬううぅぅぅおおぉぉぉぉ!!」

母さん達のプロテクションを何重にもして壁を突き破った

が・・・・

俺だけはまだ壁の中にいる

俺も出てしまえば奴らは追ってくる

だから「餌」が必要なんだ

そしてそれはもう何の役にも立ちそうにない俺だ

「晶!冗談も大概にしときや!!」

「離して!許さないよ!?」

「嘘だよね!?晶も早くこっちに!」

はは、怒ってる怒ってる

でも・・・これは譲れない!

「今までありがとう母さん・・・・・・そして・・・・」

「「「晶!」」」

「・・・・さようなら・・・・「はやて部隊長」、「なのは隊長」、「フェイト隊長」短かったけど幸せでした」

俺はプロテクションに包まれた三人を・・・・・・・・・・・

ゆっくりな速度ではあるが遠隔操作で撃ちだした






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「・・・・どうした・・・来いよ」

奴らは俺が一人になると広げていた身体を元に戻し、三方向に分かれて囲んでくる

・・・どうやら多少の知能はあるのか?

「それとも立っているのがやっとの俺にびびってんの?」

びびってんのは俺のほうだ

たまらなく怖い・・・膝が震える

ほんと最低だな・・甘えて、頼って、足引っ張って、挙句に臆病とはな

ほとほと自分に呆れる

(そんな事はありませんよ、マスター)

(お世辞でも嬉しいよ)

奴らが徐々に距離をつめてくる

(ルナ、先に仕掛けるぞ)

(イエス・マスター)

(ネメシスはどれくらい使える?)

(今の状態ならフルで4分、断続的にでも10分が限界です)

(それだけ出来れば十分だ)

10分も稼げれば部隊長達も距離が稼げるだろう

(ネメシスの制御はまかせる、俺は眼を使うから出来る限り時間を稼ぐんだ)

(イエス・マスター)

(いくぞ!)

俺は奴らの横を通り抜けて後ろに回る

背後からアルテミスを振り下ろし切断を試みるが、やはり途中で止まってしまう

アルテミスを引き抜こうとして・・・抜けない!?

すると三体同時に反撃される

眼を使い何とか避けるがアルテミスを手放してしまった

はぁ・・開幕早々デバイスを失うとはな~

もう片方あるけど・・・ガード用の方だしなぁ

(ルナ、身体状態はどうなってる?)

(動かす程度なら可能ですが戦闘までは無理と判断しますが・・聞いてくれませんね、それと痛覚神経は遮断しました)

なるほど・・どうりで痛みが無いはずだ

次は奴らが仕掛けてくる

横、上、前、それぞれ触手をばら撒いてくる

っ! 立派な連係してくれる!

それを後方に飛んで避ける

が、避けたはずの触手が曲がって俺に向ってくる

「視えてるよ」

それを難なく避けきると魔力消費を抑えるために地上に降りる

ガシッ ガシッ

っな!?

降りた瞬間まるでそこに来るのが分かっていたように触手に捕まってしまう

しまった! 

眼の弱点を狙われていたのか!?

俺の眼は先は見えるが、それは視ていないと反応しない

奴らはそれを知っていた!?

違うな、多分・・・本能

敵の後ろは有利だという事を本能が知っているのだろう

(マスター!早く逃げて!)

俺は触手を振りほどこうとして暴れるがしっかり捕らえられている

触手を伸ばしている奴は人間でいう手で俺を掴んではいるが腹からもう一本触手を出して俺を串刺しにしようと突き出してくる

なんとか上半身を逸らし触手を避けるが他二体からも攻撃は飛んできた

暴れてなんとか片方の足を自由にすると、伏せるようにして第二、第三の攻撃を避ける

だがそれも長く続かない

捕まれていた足からどんどん魔力を吸われていった俺はもう満足に動くことが出来ない

俺の疲労を感じ取ったのか、仕留めようと触手は頭を執拗に狙いだす

眼を使い何とか避け続けてはいるが何とかしないと・・

考えていると俺の足を掴んでいた力が弱まる

今だ! 

力いっぱい足を引いて脱出する

そして俺は再び空に上がろうとした時

ブシュ!

「ぐぅっぅぅ!!」

大丈夫だった方の足までやられてしまう

そしてしのまま俺は地面に叩きつけられた

「がっ・・・あぉぁああ!」

俺を叩き落して満足なのか奴らは奇妙な声をあげている

鳥は完全に翼を捥がれてしまった・・・か

さっきの一撃で殆どの魔力を持っていかれた・・・

もう・・・手は一つしか残ってない

(ルナ・・・スクエアリンクの準備を)

(・・・・・イエス・マスター)

(タイミングは・・・ルナに任せるよ)

(・・・・・・了解です、マスター)

もう体力も自分の傷を塞ぐだけの魔力も無い

奴らはそんな俺に触手を向けて止めを刺そうとしてくる

・・・怖い

覚悟は決めたと思ってたのに・・・怖い

死にたくない・・

死にたくないよぉ・・・

あまりの死の恐怖に頬に涙が伝う

痛いよぉ・・・

誰か助けてよ・・・

一人なのは嫌だよぉ・・・

寂しいのはいやだよぉ・・・

俺はママに会いたかっただけなのに・・・

ママを助けたかっただけなのに・・・

・・・嫌だよ・・痛いのは嫌だ・・寂しいのは嫌だ・・死ぬのは嫌だ・・怖いのは嫌だ

ママに会いたい・・・会いたいよぉ・・・

「うぅ・・・ひっく・・・ぅぁ・・・ぇぁ・・・会いた・・・ぃ・・」

そして奴らのそれは突き出される




















--------------------------------------「ママーーーーァァァァァ!!!!!!」--------------------------------------





































「なんや晶?」

わからない・・・

「どうしたの晶?」

なんで・・・

「ここにいるよ晶?」

どうして・・・

「・・・マ・・・マ・・」

でも・・・・・・・

間違えるはずが無い

泣き叫ぶ俺の前に居るのは

漆黒の翼を纏う夜天の王

金の髪をなびかせる金色の夜叉

何者にも染めることの出来ない白き女王

「・・・ママ・・」

さっきよりも大粒の涙を流し呼び続ける

「ママ・・・ママぁぁぁ・・・・・ママぁ!」

「「「晶!!」」」

ママ達は血だらけで倒れている俺を抱き起こしその腕に包んでくれる

「ごめんな!ごめんな晶!」

「怖かったよね!痛かったよね!もう大丈夫だよ晶!」

「いっぱいいっぱい心配かけてごめんね晶!寂しい思いをさせてごめんね!」

「ママぁ・・・ぅあああぁあぁああ・・・」

俺はしばらく泣き続けた・・・







-------------------------------------------------------------------------------------------------------------------






うちらは今、晶によって作られた魔力バリアの中にいる

「なんでや!? なんでなんや!?」

「晶!・・晶っ!」

「護るって約束したのに!」

晶に押し出されてまだ数分と経っていない

「なんで・・・こないな事になってまうんや・・・!」

うちは二度も大切なもん失いたくない!

「こんなバリアなんかっ!」

バインドのかかっていない足でバリアを蹴りまくる

しかしそれはビクともしない

「なにが、さよなら、や!こんなん許さんで!」

うちを真似するようにフェイトちゃんとなのはちゃんもバリアを蹴る

「絶対にっ!・・・・認めない!」

「こんなものっ!こんなものっ!!」

うちら三人は頬を涙で濡らしながらひたすら蹴り続ける

バリヤを何とかしようと必死になっていたせいだろう・・うちらは後ろからくる「それ」に声を掛けてもらうまで何一つ気が付かなかった

「頭伏せときや」

「「「え?」」」

バリーンッ!

うちらの蹴っていたバリアは一瞬にして崩れる

そのまま尻餅をつくようにうちらは地面に落ちた

「晶はどこや?」

「でもこれって晶のプロテクションだよね?」

「なんでここに居ないの?」

うちらは声の主をみて・・・

「なんでうちがもう一人居るん!?」

「私の偽者!?」

「みんな下がって!敵かもしれない!」

後ろに少し下がりデバイスを握り魔力を込める

どういうことや・・・さっきの敵がうちらの吸った魔力を元に構成したんか?

「晶はどこやて聞いてるやろ! さっさと答えぇっ!!」

ゴァッ! と、うちにそっくりな奴が先ほどの質問に答えなかったうちらに怒りを露にして魔力を開放してくる

「・・こんなんじゃ埒があかん・・・先に進むで!フェイトちゃん、なのはちゃん!」

「わかった」

「うん」

目の前の三人はうちらの横を通り抜けてもの凄いスピードで飛んでいこうとする

「ティアナ!そこの「うちら」は任せるで!」

そう言い残し去って行った・・・

するとすぐに声がする

「まったくもぅ・・・晶が絡むとすぐこれなんだから・・・・」

姿を現したのは執務官の制服を着たティアナにそっくりな人だった

「初めまして?でいいのかな?はやて中将・・じゃなかった、部隊長」

「晶の事はさっきの三人にまかせれば間違いないと思いますよ。というかあんなスピードに追いつけないでしょうし」

そうだ!こんなとこで呆けてる場合じゃない!

晶は今一人で戦っている

「早く行かんと!」

「だから今はやて中将が行ったじゃないですか、それに何の対策もなしに行かせるわけにはいきません」

何か余裕を感じるその喋りに苛立ちを覚えて睨みつける

「そんな睨まなくても・・・それに・・苛ついているのは部隊長達だけではないですよ」

ティアナにそっくりさんにうちらは睨み返される

その目からは怒りや苛立ちが色濃く映し出され、うちらは気圧されてしまう

うちらの知っているティアナはこんな目は出来ない

これは・・・いくつもの修羅場や死線を潜り抜けてきたような・・・・そんな凄みを感じる

「大体の予想はついています、どうせピンチになって身動き取れなくなって晶によって強制的に自分達だけ逃がされたとかそんな感じでしょう?」

「「「・・・」」」

「・・やっぱりね・・・・あの子は優しいですから」

ティアナのそっくりさんは優しい笑みを浮かべそう語る

「・・・なんや晶の事うちらより知ってるような口ぶりやね」

「もちろん知ってますよ、部隊長達よりは」

「・・・まぁええわ、それより自分は誰や?うちの部下にそっくりなん居るけど一応聞いとくわ」

うちに続いてフェイトちゃんとなのはちゃんも質問する

「・・それにさっきの三人・・・・」

「私達に姿だけじゃなく声や喋り方・・魔力光まで似てたんだけど・・・」

その質問に

「私はティアナ・ランスター執務官です、部隊長達が知ってる私とは少し違うかもしれませんけどね」

「質問の続きは向いながらしましょう。あんまり遅いと怒られそうですし」

そう言うとティアナは先ほど三人が行ったほうへ飛ぶ

うちらは慌ててそれに付いて行き・・・・説明を聞いて腰を抜かしそうになった・・・・

「晶のママがうちら!?」

「ええ!?晶言ってたママて・・・」

「にゃ、にゃはは・・・晶の世界に居た私たちの事だったんだ・・」

「あれ?聞いてなかったんですか?」

「「「全然!まったく!」」」

そしてティアナに念話で晶の無事が知らされて、それを聞いたうちらは安堵して先ほどとは違った涙を流した







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俺は泣きやんでもママ達から離れなかった

ママ達も俺を離そうとしない

・・・あれ?そういえば敵は?

昂っていた感情が落ち着き冷静さが少し戻ってくる

「ママ・・・」

「なんや晶?」
「うん?」
「どうしたの?」

「さっきここに敵が居たと思うんだけど・・」

「あ~なんかおったな、晶に手だしとったさかいに消し飛ばしてもうたわ」

消し飛ばしたって・・・

あれを!? どうやって!?

「晶が倒れてて頭にきたからやっちゃった・・」

そんな可愛く言われても・・

「にゃはは、晶に手を出したから悪いんだよ」

はぁ・・そうですか

するとコッコッと誰かが近づいてくる足音がする

その姿を見て俺は

「ティアナさん!?」

「晶!怪我は大丈夫!?」

あ、そういえば何ともない・・・なんで?

「大丈夫や、しっかり治しておいたさかい」

この状況で治療が?

あれ?・・・よく見るとまったく霧が無い・・・なんで・・

「対闇用の結界らしいで」

俺が声をした方を向いてキョトンとしていると向こうから複数の足音がする

姿を現したのは

「はやて・・母さ・・じゃなくて部隊長!?・・それになのは隊長にフェイト隊長までなんで・・・」

俺は確かに押し出したはずだ

「誰が部隊長か! 母さんやろ!」

「そうだよ! 隊長なんて呼び方嫌だよ」

「私たちはお母さんなの!」

「あ、はい、ごめん・・なさい?」

「「「よし!」」」

あれ?なんで怒られてんの?

「はやて中将、言われたとおり連れてきましたよ」

「ご苦労さんティアナ」

はやてママはそう言うと母さん達を見る

「なんや自分に言うみたいであれなんやけど、今まで「うちの」晶の事ありがとうな」

はやてママははやて母さんに頭を下げる

「別にかまへんよ、今でも「うちの」の子供の事やねんからあたり前のことや」

言葉だけ聞くと良い会話に聞こえるんだけど・・・なんで睨みあってるんですか?

「ゆうてくれるやんか・・」

「そっちこそ今更のこのこ現れて図々しぃ」

「後から寝取るような真似してようゆうわ」

「寝取るやなんて人聞きの悪い、晶がそう望んでくれたんやけど?」

「ふ~ん・・どうせ模擬戦かなんかで賭けでもしただけやろ?」

「賭けだろうが何だろうがそうなったのは事実や」

さすがママ・・自分の事だけによくわかってらっしゃる!

というか自分同士で喧嘩はやめてください・・・

「あのね・・ママと・・母さんの・・・喧嘩やめてほしいなぁ・・・なんて・・」

何となく怖かったので仲裁できないと思いつつしてみる俺

「「ぷっ、あっはは!」」

あ、あれ?

俺おかしなこと言った?

「大丈夫や、ちょっとからかってみただけや心配せんでええよ」

「そや、ちょっと遊んでみただけや」

よかった・・・

「でもな」

へ?

はやてママがはやて母さんを睨む

一気に周りの温度が下がったような感じがする

「晶が血まみれで、しかも「一人で」泣いてたてどういうことや?」

「「「・・・」」」

「言い訳せんか・・・まぁ当然やな、しとったら張っ倒してるとこや」

「はやてママ違う! 母さん達は何も悪くない! 俺が勝手にした事で・・」

俺は咄嗟にママと母さんの間に入る

「はやてちゃん、もうその辺で・・」

「はやて、晶が無事だったんだからもう・・ね?」

「・・・自分らが悪いんやないなんて事は百も承知しとるつもりやったんやけど・・・堪忍したって」

はやてママがそう言って二度目の頭を下げた

「かまへんよ、うちが逆の立場でも同じやろうし」

はやて母さんは苦笑しながらはやてママを許してくれる

「「でもな」」

「「晶は絶対あげへんよ?」」

ママと母さんはそう言いあって二人で爆笑してる

喧嘩なのか何なのかもうわからないな

話も一区切りついたみたいなので俺はいくつかの疑問点をぶつけてみた

「なのはママ、どうしてこっちの世界にこれたの? それに記憶がなんで・・・」

「んとね、晶達さっき次元振動おこしたでしょ?」

「え、うん」

「多分ティアナ達が予想してたよりも大きい振動になったんだろうね、こっちの世界まで少しだけど余波・・ていうのかな、とりあえず影響が出たんだよね」

確かに俺が予想していたよりも大きいとは思ったけど・・そんなにでかかったのか

「私たちは病院ではやてちゃんとフェイトちゃんでお喋りしてたらいきなりティアナとヴィータちゃんとシグナムさんが扉を蹴破って入ってきたんだよね」

病院のみなさんごめんなさい・・

「そしてティアナ達が「晶が帰れるように準備するんです」て言うからその時は何言ってるかよくわからなかったんだけどね」

ズキッと胸のどこかが痛む

「連れて行かれた場所でティアナ達が突然次元振動起こしだしてビックリしたよ、しかも境界面開いて早く入れて言うもんだから二度ビックリ」

ご、強引だな~

「そしたらいきなりバインドかけられて変な部屋?に連れて行かれて魔力ライン出せだなんてヴィータちゃんが言い出すし・・最初は出すつもりなんて無かったんだけどヴィータちゃんが「大切な人を取り戻したくないのかよ!?」なんて言うから協力しないと、て思っちゃって」

懐柔されるのはやっ!

「魔力ラインを出したらふよふよと勝手に流れてた映像の中に入っていったんだよね」

俺達の最初のやり方と一緒だな

「それでね、映像見てたらはやてちゃんとかフェイトちゃんとかみんなのそっくりさんが居て、急にラインが映像の中の私に向って行ったんだけど」

っ! 母さん達が倒れたのはそれが原因だったのか!

「ラインが私にくっついたと思った瞬間、もの凄い勢いで記憶が流れ込んできて・・・晶の事を思い出したの」

なるほど・・・でもまだ一つ残ってる





「でも・・・どうやってこの世・・・っ界に?!」

グイッと突然引っ張られてスッポリとフェイトママの腕の中に納まってしまう

少しビックリしてしまったけどそのまま俺は体重を預ける

「えとね、晶の事をね思い出したら飛び込んじゃった」

なのはママと交代してフェイトママが答えてくれる

「魔力ラインは繋がってたから多分いけるかな?て思ったの」

思ったの・・・じゃないよ・・・・間違いじゃないけどさ

「そして辿りついたのは良いけれど、こっちのはやてとかなのはや私が晶の作ったプロテクションの中で何か叫びながら泣いてたからおかしいと思って三人はティアナに任せて飛んで来たんだよ」

「そのわりには闇用結界とか準備よかったよね?」

そう、まるで予想していたかのような感じだ

「あ、それはねティアナが用意してくれたんだよ? 「晶のことだから素直に帰れる状況じゃ無いに決まってる!」て言ってたよ」

俺はあの人には一生頭が上がらないと見たね

「あのさ・・俺がこっちに来てもう12年くらいになるんだけど・・・ママ達の世界でもそれくらい経ってるのかな?」

「ううん、二ヶ月くらいかな」

二ヶ月!?

「たった二ヶ月しか経ってないの!?」

「違うよ晶・・・二ヶ月も経ってるんだよ・・・・二ヶ月も晶の事忘れて・・最低だよ・・・最悪だよ・・・」

「死にたくなった・・そんな自分を殺したくなった・・・でもそれ以上に晶に会いたかった・・・・・・本当にごめんね晶・・」

フェイト母さんは力いっぱい・・苦しくなりそうになるくらい抱きしめてくれる

その苦しくなるくらいの力が心地よくて・・・切なくて・・・嬉しくて・・・





でもここで問題がもう一つ出来上がった

「・・・来たのは良いけどどうやって帰るの?」

そう質問するとまたグイッと引っ張られる

今度ははやてママの腕の中にスッポリと納まる

「安心しとき、「これ」も持ってきてるよ」

はやてママは「箱」を見せてくれる

「それって・・・もしかしてクリスタル?」

「その通り! これまたティアナが用意しててくれたんやけどな」

ティアナさん・・・何者ですか!?

「と、とりあえずわかったよはやてママ・・・その・・・離して?」

「嫌や」

はっきり言いましたな~

「もう絶対離さんよ・・・絶対に・・・!」

「・・はやてママ・・・・ありがとう」

「はやてばっかりズルイ!」

「はやてちゃんばっかり!」

もう何でもいい・・・俺はママと今一緒に居る

それだけでこんなにも満たされる

「・・ママ」

「ん?」
「どうしたの?」
「なぁに?」

ママ達はこれ以上ないくらいの笑顔で返してくれる

「いっぱい・・いっぱい! 愛してる!」

「「「うん!」」」














[4755] Lost Memory ACT20
Name: アフロディーテ◆67aca0cc ID:e10d9309
Date: 2009/07/07 12:03





これから最深部に行き闇を倒すのかと思いきや

「さてと、それじゃここから一度退こうか」

はやてママから飛び出したのはこの一言

「え!? 闇はどうするの!?」

あまりに予想だにしなかった言葉に俺は驚きしか出てこない

それは母さん達も一緒だ

「今更逃げるやなんてごめんや」

「こんなのこのままにしておけない」

「これ以上被害が出る前に仕留めないと」

母さん達の意見に俺も深く頷く

フェイトママが俺を諭すように

「誰も逃げるなんて言ってないよ、闇を確実に消滅させる為に一度退いて闇を一箇所に「集める」んだよ」

闇を集める?

俺の疑問・・というよりみんなの疑問を感じ取ったのだろう。なのはママが説明してくれる

「闇はね「闇そのもの」が本体なの。晶達が追っていたのは確かに闇の本体だったんだけどそれを消滅させたところで闇はすぐに再生してしまうの」

「んと、いまいちわかんない・・・ごめん」

理解力の乏しさについ謝ってしまう

「簡単に言うと闇は本体をいくつかに分散しているの、だからそれを一度に全部破壊しないと闇は消滅しない」

説明を聞いてはやて母さんが話に割って入る

「こんなけ広がった闇から本体を探し当てるなんて出来るんかいな?」

その疑問にフェイトママはある物を取り出し俺達に見せてくれる

「これはね聖王教会の法儀礼を施した銀十字を溶かして作った結界の構築クリスタル」

銀に輝くクリスタルを見せてくれる

「これで結界を作って闇を追い込むの」

「そうして闇を一箇所に追い込んで一気にどかーんてわけや!」

はやてママが腕を広げて大げさに説明をしてくれる

「それに・・自分等には迎えに行ってみらわなあかん子も居るしな・・・・」

「「・・・」」

「ママ・・・・」

ママ達は静かに撫でてくれる

母さん達は

「迎え?」

「に行く?」

「子??」

頭に?マークを浮かべて首をかしげている

「それじゃ決まったとこで早くいくで!」

はやてママの一声でみんな来た道を急いで引き返した





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私ことティアナ・ランスターはどうやら疲れているのか幻覚らしきものが見えている・・・・

いや・・確かに疲れてはいるんだけど・・・・・

・・・・何あれ?

私の目に映っている幻覚はヴィータ副隊長が二人居る

「あのさスバル・・・こんなときにあれなんだけど・・・・」

「・・・・多分疲れてるんだよティア! 私には副隊長が二人居るなんて見えてないよ!?」

・・・やっぱり私だけでは無いらしい

幻覚が見え出してから急に闇の勢いが弱まった

弱まったどころの話じゃない

押し返しているくらいだ

勢いが弱くなったというより逃げ出しているといったほうが良いかもしれない

それに私たちの後ろに突然出来た結界・・・

これがどんどん大きくなるにつれ闇は後退して行ってる気がする

私はもう一度幻覚かどうかを確認するため副隊長を方を見る

「てめぇさっきから要領悪いんだよ!これくらいさっさと済ませろ!」

「さっきからてめぇはごちゃごちゃうるせぇんだよ!ちょっとは黙ってろ!」

「「んだとてめぇ!」」

同じ顔、同じ声、同じ姿・・・しかも喧嘩してるし・・・・

(あの~・・ティアさん)

エリオから念話が入る

(もしかしてそっちも?)

私が聞き返すと

(もしかしてって・・・・まさかそっちもですか!?)

どうやら向こうにも幻覚が到来してたらしい・・・

(気にしたら負けかなと思ってる)

(僕もそう思います・・・)

お互い確認して念話を切る

するとさっきまで遊撃に回っていたレナとセラスが飛んでくる

一応聞いておこうかな

「ねぇ・・幻覚みえる?」

「あちらではシグナム姉様が居られましたね」

「あらあら、まさかとは思ってこちらに来てみれば・・・ヴィータ姉様まで居られますわね♪」

姉様?

どういうこと?

「おいこら!レナ、セラス!んなとこでさぼってねぇでこっち手伝え!この馬鹿の要領が悪くて思うようにいかねぇ!」

「誰が馬鹿だ!?アイゼンの頑固な汚れになりてぇか!?」

まだ喧嘩してたんだ・・・

「了解です」

「あらあら、わかりましたわ♪」

「あ、ちょっと!」

私が引き止めるのも聞かずにレナとセラスは飛んで行ってしまう

姉様てなんなのよ・・

するとはやて部隊長達が突入した方向から魔力反応が近づいてくる

出てくるという事は成功したの?

いや闇は未だに動いている・・ということは失敗もしくは何らかの緊急事態があった?

そんな事を考えているとはやて部隊長達が出てくる

ん?・・・なんかいつもとバリアジャケットが若干違うような・・・・・・気のせいかな?

あ、晶も出てきた

・・・無事で良かった・・・ってあれ?

なんか・・・・また幻覚がひどくなった?

はやて部隊長達に続いて出てきたのは・・・・はやて部隊長!?

そしてその後ろに居るのは・・・誰??

なんか妙に私に似てる気がしないでもないんだけど・・・

私の視線に気づいたのかそいつは・・・私を見てすぐにプイッと顔を背けて晶に近づいて行き頭を撫でだした

・・・・ムカツク!なにそれ!?自慢のつもり!?

「あの~ティア? なんかみんなが二人に見えるんだけど・・」

「うっさい!あんたはちょっと黙ってて!!」

あの女・・・おぼえてなさいよ!

後で私も頭撫でてやる!





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闇を突っきり俺達は出てきた

突然ティアナさんが傍に寄ってきて頭を撫でる

「ああ、良いの気にしないで」

はあ・・・まぁ良いけど

「だいぶ集められてるみたいやね」

「うん。これならもう少し」

「みんな頑張ってくれてるね」

ママ達は満足そうに言う

「ねぇ母さん、そういえば応援はどうなってるの?」

俺ははやて母さんに聞く

「あともうちょいみたいや、でもこの調子なら応援来る前に終わるかもな」

「この結界凄いね」

「そうだね~、もうあんなに闇が小さくなってる」

凄いなんてもんじゃない

驚くほどのスピードで闇が縮小している

「それじゃうちらも参戦といこか。晶はうちらに付いてき、ティアナは「自分」と協力して押し返してな」

「「「了解」」」

「うん」

ママ達に俺は付いていく

ティアナさんはティアナのところに行く

母さん達はエリオ達の援護に向うようだ

俺の姿を確認したのかレナとセラスがすぐに飛んでくる

「晶様!」

「晶ちゃん!」

ぶつかりそうな勢いで飛んできた二人に対して俺は

「はは、会えたな」

「あたりまえです!」

「晶ちゃんは帰ったらお仕置きですわ!」

お仕置きか・・・みんなが無事ならそれも良いか

「レナ、セラス。仕事さぼってるとヴィータに怒られるで?」

はやてママが二人に戻るように促す

「はやて様もお久しぶりです」

「御三方もお元気そうでなによりですわ♪」

レナとセラスがママ達を見て笑みを零す

「今まで晶のことありがとうね」

「にゃはは、これが最後だから頑張ろう」

「「はい」」

二人はフェイトママとなのはママに再会の挨拶を済ませると再び俺を見る

「ルナ、晶様のことありがとう」

「最後まで護り通してくれたのですわね」

(いいえ・・結局わたしは護れなかったのです)

ルナは暗い声で二人に返す

すると二人は

「過程なんてどうでもいいのです」

「晶ちゃんがここにいる事実、それはルナが居たからこそという証明ですわ♪」

(レナ・・・セラス・・・)

その通りだ

ルナが居なければママ達に会うことなく・・・

ここに存在していないだろう

俺はルナを表に呼び出す

「ルナ、ありがとうな」

ルナの頭を優しく撫でてやる

「マスター・・・はいっ!」

俺に抱きつくように・・照れ隠しをするかのようにまた俺の中に戻っていく

「それじゃ終わらそう!」

「「御意」」

二人は元の位置に戻っていく

俺はママ達から手渡された結界クリスタルを使い闇を少しずつ追い込んでいく

そうして・・・・・・




闇を四方約30mくらいの大きさまで追い込んだ

はやてママが闇を見てデバイスを向ける

「それじゃ仕上げといこうか・・・」

ママ達と母さん達

ヴィータ副隊長とヴィータ姉ちゃん

シグナム副隊長とシグナム姉貴

ティアナさんとティアナ

フォワードのみんなに・・・俺とレナにセラス

ようやくこの旅の終着点にたどり着いた・・・

はやてママの視線は冷たく闇に向けられ

「下衆のくせにうちの晶に何してくれてんねん・・・あんたには地獄すら生温いわ!」

フェイトママはどこまでも悲しそうに

「晶の痛み・・・晶の叫び・・・忘れたとは言わせない!」

なのはママは怒りを露にして

「あなたが奪った晶の時間・・・返して!」

そして俺は

「お前はママ達を傷つけた・・・それだけで十分だ」

ママ達はそれぞれ母さん達の横に行く

「合わせぇや」
「わかっとるよ」

「準備は?」
「いつでも」

「全力!」
「全開!」

六人に魔力が集まっていく

砲撃できるだけの魔力が残っていない俺には見るしかできない

「「ラグナロク・・・」」
「「トライデント・・・」」
「「スターライト・・・」」


































そいつは・・この瞬間を待っていた

そして俺の中の「そいつ」は動き出した

「「おォオオオォォォォオオオゴィギュゥゥィォィィィ!!!!!!!!」」

おおよそ人間が出す声とは思えない叫びにもにた声

「「「「「「っ晶!!??」」」」」」

なんだ?・・・なんで俺はこんな声を出している?

体の自由が効かない・・・

言葉が出ない・・・

なんで・・・?

途端に俺は俺の中に沈んでいく

まるで自分の中から自分を見ているような・・・そんな視点

そこから映る外を見る

目に映るのは・・・

俺がママ達を攻撃し・・・

俺が母さん達を撃ち・・・

俺がみんなを苦しめている・・・

・・・これはなんだ!?

何が起こっている!?

必死になって体を動かそうとするがまったくきかない・・

(マスター・・・)

(ルナか!? これは何だ!?)

姿は見えない・・・

(闇に・・・乗っ取られました・・・)

(・・・・え?・・)

乗っ取られた・・・?

俺が・・?

(マスター・・ごめんなさい・・・・ごめ・・・ん・・な・・・さぃ・・・)

ルナは姿は見えずとも泣いている・・・嗚咽を出し泣いているのがわかる・・・

(なんでだ!? なんでそんなことになっている!?)

(・・ごめんな・・・さいっ・・・・ごめ・・・んなさいっ!・・・)

(泣いてないで答えろよ!)

(っひ!?)

わけがわからずルナを怒鳴りつけてしまう

何やってんだよ!

やつあたりなんてみっともな真似してんじゃねぇ!

(ごめんルナ・・・)

(・・・・ひっく・・・)

(説明できるか?)

俺は出来る限り優しく聞く

(はい・・・た、多分・・です・・けど、マスターの体を刺したあの触手の欠片が・・・・中に入って・・)

あの時か・・・

(そ、それで・・マスターの魔力を媒体として・・・闇は再生し・・体の全指揮系統を奪われました・・・)

(・・・なぜ気づかなかった?)

別に責めているわけではない

体内に入り込んだ異質な魔力にルナが気づかないはずがない

(マスターの魔力に自身を包んで隠れていたようです・・・そのせいで・・・その・・)

なるほど・・・やっぱり知能はあったのか

俺は外を見る

外ではママ達が俺を呼びながら応戦している

だが俺からの攻撃をいなしているだけで反撃などは何もしていない

(ルナ・・・どうすればいい?)

(・・・幸いまだリンカーコアはマスターと繋がっています・・方法は一つしか・・・・)

方法は一つか・・・

(・・・開放しかないのか・・・・)

(・・は・・・い・・・ご・・・めんな・・・さい・・・・・)

ルナはまた泣きだす

・・・・・俺はママ達に会えた

死にたくは無いけど・・・ママ達が傷つくのは・・居なくなるのはもっと嫌だ

(ルナ、レナとセラスに繋げれるか?)

(・・・む・・り・・・・・っです)

(そっか・・)

しょうがないか・・・

嫌だけど・・・さ・・・

俺は今一度外を見る

外ではママ達を母さん達が必死に助けようとしてくれてることがわかる

「晶!返事しぃ!」

「すぐに何とかするから!」

「一緒に帰るんだよ!」

そうだね・・一緒に帰りたかった・・・一緒に生きたかった

「こんなんに負けるんやないでっ!」

「せっかく家族になれたのに!」

「最後はみんなで笑うの!」

うん・・・みんなともっと笑っていたかった・・・母さん達と本当の家族になりたかった



だから・・・みんなの幸せを・・・明日を・・・光ある未来を・・・

(スクエアリンク開始)

(・・・・イエス・マスター)

そうして俺は全てを解き放つーーーーー




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「なんやねん!なんでこうなるんや!」

晶を迎えに来たはずが・・・・なんでこうなるんや!?

「はやて中将! 本局と聖王教会の応援が到着しました!」

っ!?

こんなときに!

「応援はいらん!帰らせぇ!」

「「「「「「!?」」」」」」

この状況で応援なんて来ても邪魔なだけ

しかもこうなってしまった晶を連中は見逃してくれない

ならば取る道は一つ

「うちらとそこの母さん三人組はここに残る! ティアナは他を連れて退き!」

「・・・・わかりました。必ず連れて帰ってきてください」

「愚問や!」

うちが返事するとティアナはみんなを連れて退いていく

「はやてちゃん・・どうするの?」

「はやて・・・」

「前に言ったやろ?・・・うちは命の限り晶と共におるよ」

「そお言うと思った」

「にゃはは、だよね」

うちは親友二人が同じこと考えてた事が嬉しくて・・つい笑みを零してまう

「自分等だけで盛り上がるのはそこらへんにしてや」

「私達も居るよ」

「忘れないでほしいなぁ」

こっちの世界のうちらが並び立つ

「自分等にはやってほしい・・・いや、行ってほしいとこがあるんや」

うちは座標を表示してそこに行けと促す

「・・・ここに何があるんや?」

「しかもこのポイントって・・・」

「闇を最初に発見した場所だよね?」

そこに行ってもらわねばならない

きっとそこには・・・・

「行ったらわかる・・・・はよう行き」

あんたらにはあんたらの未来がある

納得できないのか食い下がってくる

「だいたい晶を「ごちゃごちゃ言ってんと早ぅ行き!」っ!」

うちが怒鳴りつけると

「・・・・わかった。ほな行こか、なのはちゃんフェイトちゃん」

「・・わかった」

「う、うん・・・」

三人が座標に向って飛んで行った後、入れ替わるようにしてレナとセラスが飛んでくる

「はやて様・・・」

「我らに随伴の許可をくださいませ」

当然やろな

「来ると思っとったよ。好きにしたらええ」

「「ありがとうございます」」

そう言うとうちは現状の確認をする

結界で追い詰めた闇は未だ健在・・・封じているといえどそんなに長くは持たんやろな

そして結界内なのに自由に飛び回っている晶・・・おそらく乗っ取られたか何らかの催眠状態

・・・いや、時折みせる黒い魔力、確実に乗っ取られてると言えるな

けどどうやって・・・・

「はやてちゃん!」

「晶の動きが・・?」

「晶様が・・」

「止まりましたわ」

・・・止まった?なぜ?

すると

「ギュィオオオドュブゥゥィ!!!!!」

突然に晶が苦しそうに悶える

っ!? 

晶が光に包まれて見えなくなる

一体何がおこるんや・・・

「皆様下がってください!!」

「ここに居ては危険です!すぐにお下がりを!」

レナとセラスは何かに気づいたようにうちらを下がらす

それも下がれるギリギリまで

「晶はどうなってるんや!?」

「・・・皆様はもうお気づきなのでは?」

「晶ちゃんが出来る最後の選択・・・」

それは・・・・

フェイトちゃんは膝を折る

「う、嘘・・・だよね?」

なのはちゃんはレイジングハートを握り締め

「絶対に帰る・・・・一緒に帰るんだから!」

うちは晶を包む光を見て

「うちは認めへんよ・・・許さへんよ・・・・・!!」

叫んだ瞬間・・・・・

それは神話の・・・・

それは空想上の・・・

それは居るはずのない・・・

・・・・龍・・・・

光の中から出てきたのはまさに「龍」だ

キャロの召還で出てくるのとは次元が違う

そんな可愛いものやない

大きさも、威圧も、力も・・・何もかもが違いすぎる

その鱗は全てを通さず

その眼は全てを見通し

その咆哮は全てを揺るがし

その力は全てを圧倒する

その姿には晶の面影などどこにもない・・・

なんちゅう大きさや・・・

だけど・・その光は・・・晶そのもの・・・

うちらは動けずにいた

それはあまりの美しさのせいなのか・・あまりの恐怖のせいなのかは分からん

だけど動いてはいけない・・・そんな気さえする

龍はグルグルと喉声を出すと身体を揺する

すると鱗の隙間から黒い霧が出てきた

その霧を龍は見ている

そうしていると霧の真ん中に光が集まりだして膨らんでいく

パンッ と軽い音がしたと同時にもの凄い衝撃が駆け抜ける

あまりの衝撃にうちらは体が飛ばされる

後ろで控えていたレナとセラスがそれを支えてくれる

衝撃が去って目に映るのは先ほどの龍のみ

龍の中に入っていた闇は龍の怒りを買ったのだろう

そして龍はうちらを見る

「「「・・・」」」

「「・・・」」

龍は追い詰められている闇など気にもせずにうちらに少しずつ近づいてくる

そうしてある程度距離が近づいたとき咆哮をする

《-------っ!--------!!!っ》

その咆哮だけでうちらはすくんでしまう

「悲しんでおられる・・・苦しんでおられる」

「泣いていらっしゃいますわ」

「「「え?」」」

レナとセラスが突然うちらに言うように呟く

悲しい? 苦しい? 泣いて・・いる?

うちらは龍の目を・・姿を見る

それはまるで怯えているうちらを見て泣いているように見えた・・・

そしてその目は・・・うちらの大切にしてきた者の目と同じことに気づく

「・・・晶・・なんか?」

「・・晶だよね?」

「晶だよ」

そう思うとまるで今まで怯えていたのが嘘のように消えていく

うちらは龍に近づいていく

近いづいていくとそのあまりの大きさにビックリするがそれだけだった

目と鼻の先ほどの距離まで行くと龍は警戒するように体を魔力で覆う

そしてうちらは・・・

「いきなりこんな大きいなって・・」

「あはは、ビックリした」

「にゃはは、心配しなくても大丈夫だよ?」

顔を撫でた

撫でると自分に危害を与える存在では無いと判断したのか気持ちよさそうに大きい目を細めて顔をすり寄せてくる

「はははっくすぐったいよ」

「ここが気持ちいいの?」

「にゃはは、甘えん坊さんだね」

しばらくすると晶は名残惜しそうにうちらから離れようとする

「あかん! 離れたらあかんよ?」

「そうだよ晶」

「一緒に帰る約束だよ」

晶はそれでも離れようとする

するとレナ達も近づいてくる

「晶様はまだ眠っておられる状態です」

「御三方が呼びかければひょっとするかもしれませんわ」

眠っている・・・・

そうか!

「うちと同じやねんな?」

二人はコクリと頷く

「今は晶様が護りたいという深層意識で動いている状態でしょう」

「晶ちゃんの意識が完全に戻すことができれば・・・光輪の書を「掌握」することが出来れば希望はありますわ」

「ようするに寝ぼすけを・・」

「起こせば」

「良いんだよね?」

うちらがそう言うと二人は笑って

「そうですね」

「いつもの事ですわ♪」

「レナとセラスはアレ頼むわ」

うちは顎で闇を指す

「承りました」

「損な役回りではありますが仕方ありませんわね♪」

二人に残りの結界クリスタルを渡すとフェイトちゃんとなのはちゃんに一声かける

そして晶の顔にうちら三人は額をつける

声なんかじゃこの寝ぼすけは起きひんやろうしな

直接行って起こす!

こんな勝手な事したん絶対に叱ってやるんや!

「いくで。なのはちゃん、フェイトちゃん」

「「うんっ!」」



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どんどん落ちていく・・・・

いや、落ちているのか浮いているのか・・・

それさえもわからない

目が開いているのか閉じているのかもわからない・・・

時折辺りが白く見えたり薄暗くなったり・・・目を閉じているからそう見えるのか・・それとも開いているからそれが見えているのか・・

先ほど頬を撫でられるような感覚がして気持ちよかったような気もする

いや・・・身体が在るのか無いのかもわからない今となっては感覚があるのかもわからない

もしかしたら俺がそう思っているだけなのかもしれない

ただ、俺がこうして俺を認識して何かを感じている・・・という事は俺は死んでいないのか?

それとも人は死ぬとみんなこうなるのだろうか・・・

こうなってしまった今となってはもうわからない

ママ達は無事だろうか・・・

泣いているかもしれない・・・怒っているかもしれない・・・いやもしかしたら呆れているのかもしれない

もう少しというとこでこんな事になってしまったのだ

きっと怒っているのだろう

もう謝る事さえ出来ない

・・・・・もうやめよう

一度手放した物はもう返ってはこないだろう

それにひどく眠たくなってきた・・・

考えることをやめよう・・・

もう戻れないのだから・・・

俺は考えるのを止めて意識を閉じていく

背中に水があるかのような感触というか・・・そんな感じがする

身を委ねると徐々に沈んでいくようだ

・・・すごく気持ちが悪い

でも・・もうどうでもいい事だ

「-----ッ----」

ママごめんね・・・

「---ぁ-----っ----!」

迎えに来てくれたのに・・・

「----ぁ---ら----」

せっかく会えたのに・・・

「---きら---っ!」

最後にこんなことになってごめん・・

一際大きな光が見える

なんとなくそれに手を伸ばしてみる

手なんて物があるかなんてわからない・・・身体があった時のような感覚で動かしてみた

ガシッ

・・・・?

何かに腕を掴まれたような気がする

すると突然沈んでいた身体が引き上げられるような感覚に襲われる

沈んだり浮いたり・・忙しいな

まぁ好きにすれば良い

どうせ俺は何も出来ないのだから

「・・・あ・・・ら・・!」

・・・?

何か聞こえる?

「・・あき・・・ら!」

誰かが呼んでる・・・?

「・・・目を・・・・あけ・・!」

よく聞こえない・・・

「・・・晶・・!」

・・・ママの声?

「目を・・・開けて!」

間違いない・・・ママの声だ

来て・・・くれた・・?

思った瞬間----視界が開く

「「「晶!」」」

ザパァと俺を何かから引き上げてくれる

「・・・・マ・・・マ・・?」

引き上げられた俺はフワフワとした感覚の中で目の前にいる三人を名を呼んで確認する

「・・・はやてママ?」

「やっと起きたか」

「・・・フェイトママ?」

「何度も呼んだんだよ?」

「・・・なのはママ?」

「お寝坊さんだね」

な、なんで・・・

「どうして・・・ここ・・に・・・?」

パァンッ

訊ねる俺に返ってきたのは平手

「・・え?」

突然のことで何も感じない

呆然としながら俺はママ達を見る

「あんた・・・なぁ・・・・ええ加減に・・しぃ・・・や・・・っ!」

「い・・・つも・・・いつも・・・・晶はっ!」

「・・・心配・・したんだよ・・・・一緒・・・に・・・・帰る・・・・の!」

泣いて・・・いる・・

俺が泣かした・・・

罪悪感・・・・今まで感じた事がないほどの自分に対する嫌悪を感じる

それと同時に嬉しさが込み上げる

俺の為に泣いてくれている

俺なんかの為に来てくれる

俺は・・・・

「ご・・めん・・・・・・・ごめん・・・なさいっ・・!」

泣いた

「「「晶・・」」」

ママ達は抱き寄せてくれる

俺は何度も何度もその言葉しかしらないかのように繰り返す

そんな俺の髪を・・頬を・・背中を・・・あやすように撫で続けてくれる

どれくらい経ったかはわからない

俺は落ち着きを取り戻しママ達を見ようとして・・・

「そなたは何を求める」

後ろから声がした

「そなたは何を成す」

そこに居たのは・・・髪は紫、瞳は瑠璃色・・・

一瞬ルナかと思ったが身長は俺と同じくらいか少し低め

「そなたは何を望む」

声はどこまでも透明で

「そなたはどこへ行く」

瞳は俺を離さない

その存在に気圧されて後ろに下がりそうになるとママ達が優しく支えてくれる

俺が振り向いてママ達を見ると笑顔で応えてくれた

ルナに似た存在に俺は再び向き直る

「そなたが求めるは「力」か?「生」か?」

「・・・違う」

「ならば何を求める?何を成す?どこへ行く?」

「俺が欲しいのは力とか生じゃない」

「答えよ・・・そたなの欲するは何ぞや?」

俺が欲しいもの・・・・それは

「俺は・・・明日が欲しい!」

「・・・・明日とは何ぞや?」

「明日とは笑顔・・・俺は明日を欲し・・笑顔を成す!」

「・・・ならばどこへ行く」

「どこへ?・・そんなの決まってる! 俺はママの所に行く!」

「・・・・・・」

そいつは何も答えない

じっと俺を見つめたまま身動き一つしない

俺が痺れを切らして何かを言おうとしたその時

「ははっ!あっははは!」

あれ?なんか笑わすようなこと言ったか?

俺がキョトンとしてそいつを見ていると

「よう言うた人間!気にいったぞ!」

「へ?」

「力を欲せず生も欲しない・・・明日が欲しい・・・か。そんな奴をみたのは初めてじゃ」

「そうなの?」

思わず聞き返してしまった

「くくっ、ルナが全てを委ねても良いと言ったのは真だったようじゃな」

「ルナが?」

「ああそうじゃ。なるほどな・・・お主ならば全てを受けれる皿になろうて」

「あの・・・言ってる事がわかんないんだけど・・」

「よいよい・・気にすることでは無い。すぐにわかる」

「はぁ・・・そういえばルナはどこに行ったの?ここが俺の中なら居るはずなんだけど・・・・」

どこを見渡しても一面は白い空間

「どこを見ておる、ここに居るじゃろうて」

そいつは自分の胸を指す

「・・・・?」

「ここじゃよ。ルナは我だ」

・・・・は?

「いやいやいや、さっき「ルナが」て言ったじゃん?」

「察しの悪い主(あるじ)じゃのぉ。我はルナ、ルナは我・・・そういう事じゃ」

「・・・・ごめんやっぱわかんない」

「そのうち説明してやるわい、今はそれどころじゃなかろうて?」

まぁいっか

「それどころじゃないて?」

「なんじゃ、そんな事も気づいとらんのか?」

俺は首を傾げる

「後ろの三人に聞いてみるがよかろう」

するとママ達が

「まぁ晶がこんなんなってもうたさかいに」

「本局から来た応援をはやてが追い返して」

「闇は現在レナとセラスが奮闘中?」

オイィ!

応援を追い返すてどうよ!?

レナとセラスが奮闘中!?

「・・・ほんとに?」

俺はママ達を見ると

「ほんとほんと、でもって結構・・・」

はやてママに続いて

「「ヤバイかも?」」

フェイトママとなのはママが綺麗に声を合わせてくれました

「まぁそういうことじゃ」

物知りですね!そこのあんた!

「当たり前じゃ、ここは主と我の世界ぞ」

「うわっ!心に反応した!?」

「ここでは虚言などできんのじゃ。だからこそ我はそなたを主としたのだ」

「あ、そういえば何時の間にか呼び方変わってる・・・」

「今頃気づいたのか・・・本当に面白い主じゃ・・・それに」

そいつは俺に近づいてきて顔を覗き込む

「めんこいのぉ・・・どうじゃ?我と伽をせぬか?」

「伽・・・? って何?」

俺が聞き返した瞬間、後ろに居たはずのママ達がそいつめがけて拳を放つ

「うちの晶にっ!」

ブンッ!

「何を言って・・・!」

ゴァッ!

「汚らわしいっ!」

ヒュンッ!

ママ達がそれぞれ手やら足やらでそいつを攻撃しだした

そいつはヒョイヒョイとそれを避けていく

「はっはは!なんじゃまだだったのか?それは重畳。確かにおぬし等のような年寄りでは無理じゃろうて」

何を言ってるかわからないけど、そいつの一言を聞いてママ達が切れたのはわかった

「念仏は唱え終わったか?」

「言い残したいことは?」

「遺言状は誰に届ければいいかな?」

いやいや、なんで物騒なこと言ってますかね!?

俺は慌てて止めに入る

「今はそれどころじゃ無いよね?ね!?」

「まぁそうじゃな」

「「「・・・・ちっ」」」

今舌打ちした!? したよね!?

うわ~ん・・怖いよぉ

心で泣きました

「戯れもそこまでにして・・・参るか」

そいつはそう言うと俺の手を取って

「我と心を合わせるのじゃ」

「心を?」

「うむ、受け止めてみせるがよい・・・我が全てを」

「わかった・・・なぁ君の事なんて呼べばいい?」

「・・・名なんぞ無い」

「そぅか・・・・なら俺がつけても良いかな?」

「・・・好きにせい」

「んとね、ホタルなんてどうかな?」

「・・・ホタル・・・か」

「うん、綺麗だし君の姿が今ポカポカと光ってるみたいに見えたから・・・駄目・・かな?」

「・・ふふ・・・本当に初めてばかりじゃ・・・・ホタルか・・・主よ気にいった」

「良かった、それじゃ今日からホタルは家族だ」

俺は新しく家族が増えて嬉しくなって笑う

「っ・・・!・・・・・なるほど、惹かれるわけじゃな」

「何か言った?」

「なんでもない。主よいくぞ?」

「いつでもいいよ」

繋いだ手から光が集まりそして広がっていく

光は熱を帯び始め俺を包んでいく

(主よ苦しくはないか?)

(大丈夫・・あったかくて気持ちいいかな)

(あったかい?)

(うん、凄くあったかい・・・それに優しい)

(・・・そうか・・とうとう我は出会えたのだな・・・「主」に)

(え?)

(気にするでない、戯言だ)

(わ、わかった・・・?)

(ふふ、本当に可愛い主よな)

ホタルはそう言うと俺の中に「入って」きた

それはスーッと溶け込んできて・・・

あったかくて・・・

優しくて・・・

そして・・・・






































(主、もう目を開けても大丈夫ですよ)

そう言われて俺は目を開ける

目の前に広がった風景は俺が知っている風景・・・

そして周りには俺を抱きかかえるようにしてママ達が居る

ママ達は心配するように俺を抱えて見ている

「ありがとうママ、帰ってこれたよ?」

そう言うと

「晶・・・ずいぶんと変わったなぁ・・・」

「えと・・・どうしよう?」

「とりあえず・・・今は喜んでいいのかな?」

・・・なんか反応がおかしい気がする・・

「どうかしたのママ?」

ママ達は返答に迷っているようだ

「ええ所にこれがあるやん」

はやてママが道路に立てているミラー標識を見つけて俺の手を引っ張って連れて行く

「ど、どうしたの?」

「まぁええからこれ見てみ」

連れて行かれてミラーに映った俺の姿を見て・・・

「・・・誰これ?」

「「「晶」」」

ほぅ・・・面白い冗談だ

「ん~・・・夢?」

「「「じゃない」」」

「これってさ・・・女の子?」

「「「どうだろ?」」」

お・・・おおおおおおおっ!?

俺はこんなんばっかしか!?

小さくなった次は女の子か!?

鏡に映った俺の姿は、身長ははやてママくらいで髪は透き通るような白髪に地面まで届きそうなくらいの長さ

「と、とりあえず深呼吸だ」

「「「・・・」」」

(主、一時の事です。融合を解除すれば元に戻ります)

(ホントに!?)

(・・・・・多分・・・・ですけど)

(多分じゃ困る!・・・ってあれ?ルナか?)

普通に会話してたけどこれってルナか?

でも「主」て・・・

(私はルナでもありホタルでもありますよ)

(・・・・ごめん、やっぱわからない)

(主が完全に光輪の書を掌握したことにより人格が統一されたと言いますか・・・)

(・・・ルナとホタルがくっついたて事?)

(そんなとこですね)

(・・・俺がこの状態を解除すればちゃんと二人は戻るのか?)

(確証はありませんがおそらくは)

(わかった。ならさっさと終わらせよう)

(御意)

俺はママ達に説明する

「とりあえず今は融合ていうのになってるみたい」

「うちとお揃いやな」

「なら晶は元に戻るの?」

「それじゃ融合を解除すれば戻るのかな?」

「だと思う」

「そんじゃアレやっつけてきます」

「「「え?」」」

そう言い残して俺は粘ってくれているレナとセラスのとこに既に居る

自分でも驚いた・・・普通に飛ぶ状態が既にネメシスかよ・・・

「レナ、セラス、ありがとうな」

「晶様!?」

「晶ちゃん!?」

はは、そりゃこんな姿になれば誰でも驚くか

ママ達が後ろから追いついてくる

「やっつけるて・・・そんな簡単にはもういかんよ」

はやてママが闇を見て零す

闇は閉じ込めていた結界の一部を壊し、すでに広がり始めている

「ん~・・・うん!大丈夫! ママ達は休んでて」

俺がそう言うと

「あほな事いいな・・・一人でなんか無理に決まってるやろ」

「そうだよ晶、無理しちゃ駄目だよ」

「今からフォワードのみんなとか呼び戻すからもう少し待ってて」

心配して言ってくれるママ達

でもね

「ほんとに大丈夫なんだって・・・だよね?」

俺はレナとセラスを見て言う

「今の晶様ならば」

「一瞬ですわ♪」

二人は俺に大きく頷く

決して自信過剰なんかでは無い

その証拠に・・・

「ちょっと見てて」

俺は片手を挙げて

「壁よ阻め」

言った瞬間、闇の周りにキューブ状の結界を構築してその中に閉じ込める

そして俺は掌を握る

すると結界は闇を封じたまま小さくなっていく

「ね?」

笑ってママ達を見る

「なんや・・・・それ・・・」

「晶・・何したの?・・・」

「・・反則だよ」

自分でも反則だと思う

これが本来の光輪の書の力

あらゆる物を「変換、構築」する力

それに例外は無い

それは大気でさえも例え空気でさえも光あるものなら「全て」だ

闇でさえ「闇」という色を抱えた「光」なんだ

「終止符をうつよ・・・この戦いに」

俺はママ達にシールドを張る

「「「晶?」」」

「大丈夫、どこにももう行かないよ。ママ達が怪我をしないように張っただけだから」

レナとセラスが寄ってきて膝をつく

「ウェポンシステム・・・セーフティ解除」

「「御意」」

レナとセラスの身体がボゥと光りだす

「俺と一緒に戦ってくれる?」

「御命じになられたではありませんか「死んでもついてこい」と」

「そんな御命令が無くても勝手について行きますけどね♪」

二人は微笑んで光に包まれる

「おいで」

二つの光の塊に俺は手を出す

「左手に持つは大地を焦がし紅蓮の刃」

俺の左手には深紅の弓が握られている

「右手に持つは大空を穿つ蒼天の牙」

そして右手には透蒼の矢を掴む

「良い子だ」

両手に持つそれを優しく握りなおす

「大いなる福音よ・・・・」

弓を構えてると俺を中心とした炎が円を描く

紅蓮の炎は全てを巻き込む

あまりの熱量に近くにある金属は一瞬で溶け、まるで水のように蒸発していく

「恵みを与えし天よ・・・・」

透蒼の矢を番える

矢は青白く光を放ち風を生む

その風は疾風となり全てを切り刻む

「万物の根源たる光よ・・・・」

弓と矢に光の魔力を込める

深紅の弓と透蒼の矢はその色を失い白銀に染まる

俺は闇に最後の言葉を投げる

「色々と世話になったな・・・・代わりと言ってはなんだが冥府までの片道キップを用意したんだ・・・・受け取ってくれ!」

そして俺は矢を放つ

矢は俺の構築した結界を突き破り闇を射抜く

すると・・・

キンッ

と、音が鳴り闇の中心から白い魔力が膨れ上がり闇を取り込んでいく

ズズズズズ と闇の全てを取り込んだ魔力は自分の役目は終わったとばかりにギュギュンと小さくなっていき・・・・

・・・闇と共に消滅した

その光景を俺はボーッと見ていると右手に矢の戻る感じがする

自分の手をみると何時の間にか矢が存在していた

「どういう仕組みになってんだろ・・・・・」

《・・・・》

何か言いたそうな感じだ

「ありがとうレナ、セラス。もう戻ってもいいよ」

手に持つそれに声を掛けると最初の時のように光を放つ

そして光が消えるとそこには二人が居た

二人が何ともなさそうなのを確認すると俺はママ達の張っていたシールドを消す

「終わったん・・か?」

「なんか・・・あっけなかったよね」

「にゃはは・・・一瞬だったね」

ママ達はさっきまで闇の居た所に目を向けて言う

俺はそんなママ達に

「うん・・・終わったよ」

続けて

「ルナ、ホタルもありがとう。もう融合を解除してくれ」

(御意)

次の瞬間には俺はいつもの姿に戻っていた

「二人とも俺の中に居ないで出ておいでよ」

俺がそう言うとルナとホタルが出てくる

二人を俺から出してママ達の傍に行く

「ちゃんとママ達のとこに戻ったよ」

「「「晶」」」

ママ達に抱きついて胸に顔を埋める

そんな俺をしっかりと優しくママ達は受け止めてくれる

そしてレナ達四人はそれを後ろで微笑みながら見ていてくれた・・・






少しすると母さん達が一人の子供を抱えて戻ってきた

「「「・・・」」」

母さん達は何も言わない

ママ達はそれを見て

「しっかり見てきたか?」

「・・忘れないで」

「・・・辛かったと思う、でも一歩一歩確実に進んで」

ママ達の言葉に俺は続こうとしたら赤ん坊の泣き声にかき消される

「この子が・・・そうなんやね」

「そっか・・私たちの子なんだ」

「にゃはは、可愛い」

母さん達は泣いてる赤ん坊を抱いて俺に近づいてくと

「抱いてあげてくれるか?」

「・・・うん」

はやて母さんが赤ん坊を俺に渡してくる

俺が赤ん坊を抱くとさっきまで泣いてたのが嘘のように「きゃっきゃっ」と嬉しそうに笑う

そんな赤ん坊を見て母さん達は

「な、なんで晶が抱くと笑うんや!?」

「なんか腑に落ちない」

「うん、納得できないよ」

そうは申されましても・・・

俺は赤ん坊のほっぺを突付くとよりいっそう嬉しそうに笑い突付いている指を掴もうとその小さな腕を無造作に振り回す

「こらこら、暴れると危ないって」

赤ん坊を抱きなおそうしたら包んでいた布が取れる

「っ!!??」

そこで俺が見たのは

「ね、ねぇ・・ママ・・・」

「なんや?」

「どうしたの?」

「うん?」

一呼吸置いて

「俺って男だよね?」

「なにを今更言ってるんや?」

「あはは、晶が男の子なんてみんな知ってるよ?」

「にゃはは、さっきは女の子みたいになってたけど今はいつも通りだよ?」

再確認OK!

今一度俺は赤ん坊を見る

・・・・・さっきと変わらない

「んとね・・・・?」

「「「うん?」」」

俺は深呼吸する

「この子・・・・女の子に見えるのは俺だけかな???」

「「「「「「えっ!?」」」」」」

ママ達だけでなく母さん達も驚きの声を上げる

「だって・・・ほら」

俺はその子を正面向けてみんなに見せる

「「「「「「・・・」」」」」」

現実を目の当たりにしてみんな言葉を失う

困り果てた俺はレナ達を見て

「ほんとにこの子が「俺」なの?」

レナ達は

「間違いなく晶様ですね」

「あらあら、性別の違いなんて些細なことですわ♪」

「マスターですね」

「産まれたばかりでこの魔力量に魔力性質、それに「書」が反応しておる。間違いなく主じゃな」

さ、些細なことなのか?

ママ達に向き直り

「だ、そうです」

「ま、まぁええんちゃう?」
「そ、そうやな!」

「えと・・・可愛いよね?」
「うんうん」

「と、とりあえず名前決めよう」
「にゃ、にゃはは、そうだね」

戸惑いながらも受け入れてくれるようだ

ママ達と母さん達はあれこれと名前を決めだした

流石に俺はこの子の将来を決める重要な事なので少し間を置いてみんなを見つめる

「そういやさ・・・ティアナさん達どこ行ったんだろ・・・」

俺はレナ達に聞く

「ティアナ様ならおそらくもうすぐ来ると思われます」

「そうですわね、そろそろ事態が収拾出来た事に気づいてると思いますわ♪」

レナとセラスはそう答えて

「マスター、皆様がそろそろ来られるかもなので私は・・・」

「我も戻るとするかの」

ルナとホタルはそう言って俺の中に戻っていく

「あ、うん。お疲れ様、それとありがとう」

ルナとホタルが戻る直前にそう言うと二人は微笑んで俺の中に消えていった

そうこうしていると結論が出たのかママ達が俺を手招きしている

俺は傍に寄っていくとはやてママが

「晶が決め」

「へ?」

「へ?やないよ。その子は晶に一番なついてるみたいやし晶が決めたらええよ」

「いやいや、・・・いいの?」

そう聞くとママ達と母さん達は笑顔で頷く

「それじゃ・・・・「光(ひかり)」なんてどうかな?」

「ひかり・・・か・・・うん」
「ええと思うよ」

「良いと思うよ」
「うん、綺麗だよね」

「良い名前だね」
「ひかりちゃんだね」

「そんじゃそれで決まり!」

俺はその子を見て

「今日からお前は光だ」

光は嬉しいのかきゃっきゃっと手足をバタつかせている

光を抱き上げて俺は太陽に重ね合わせる




「光は明日を目指せ!幸せになれよ!約束な!」













[4755] Lost Memory ACT21 
Name: アフロディーテ◆67aca0cc ID:393a8d4a
Date: 2009/01/30 04:17





あれから程なくしてレナとセラスには結界を解いてもらい

それとほとんど同時にティアナさんや姉ちゃん達、フォワードのみんなが飛んできた

「執務官殿、誤魔化してくれたか?」

はやてママが意地悪そうな顔をしてティアナさんに声をかける

「こちらのリンディ提督にもの凄く怒られましたけどね。この場は何とかしましたけど・・・後のことはしりませんよもぉ・・・・」

ティアナさんはママの言葉にげんなりした様子で答える

その後ろから二人の姉ちゃんが俺に近づいてきて

「心配ばっかかけやがって」

ヴィータ姉ちゃんは俺の腹に拳を当てて

「ふっ、元気そうでなによりだ」

シグナム姉貴は俺の髪をわしゃわしゃとして撫でてくれた

「ヴィータ姉ちゃん、シグナム姉貴・・・ありがとう」

「はんっ!家族のすることに礼なんていらねぇよ」

「弟を助けぬ姉など居るものか」

二人の姉ちゃんはニカッと笑って当たり前のように俺に接してくれる

すると置いてけぼりをくっていた副隊長二人とフォワードのみんなが頭に?マークを浮かべて寄ってきた

「あたしの弟だぁ!?」

「説明してもらおうか?」

副隊長二人に続いて

「さぁて・・・なんで私がもう一人居るのか説明してもらいましょうか?」

「えっと・・・ティアが二人いて・・部隊長も二人いて・・・・あ、あれ?」

「・・・スバルさん落ち着いてください」

「エ、エリオ君とかスバルさんは二人いないんだ?」

みんなが一斉に聞いてきて俺はどうしたらいいのかわからなくなる

「そんないっぺんに聞いたら晶も答えられへんよ。説明したるさかいにこっちき」

はやてママが一手に引き受けてくれた

そしてはママ達の説明をうけて・・・・

「「「「「「晶のママが部隊長達ぃ!!??」」」」」」

まぁそうなるわけで

みんなちらちらとこちらを見ながら説明を聞いている

俺が暇そうに光と戯れているとティアナさんが声を掛けてくる

「あんたはそうやって笑ってるのが一番よ」

「え?」

そういえば前にもそう言ってくれたっけ

「あは、ありがとうティアナさん」

「あんたが笑えるならそれでいい」

優しく笑い頭を撫でてくれる

先ほどから少し気になっていた事を俺は尋ねた

「ねぇティアナさん、はやてママのこと中将て呼んでたけどどういうこと?」

「あ~それは晶達が出て少ししてから闇を討伐した功績として昇進したのよ。授与式は記憶のことや色々あったせいで病院内だったけどね」

「それにしても異例の特進だったけどね。・・・それより晶」

ティアナさんは真剣な顔で聞いてくる

「こっちのあたしに何もされてないでしょうね?」

「??」

言ってる意味がよくわかんないけど

「えと・・・多分何もされてないと思うよ?」

「・・・本当でしょうね?」

か、顔が怖いよ

「いや本当だって。何発か殴られた以外には何もされてないよ?」

まぁそれも俺のせいだし、と言おうとしたらティアナさんの顔というかオーラと言いますか・・・とんでもなく怖い感じで言えなくなってしまう

「・・・・今なんて言った?」

ヤバイ・・・地雷を踏んだくさい

どうにかして地雷を処理せねば!

「お、俺がですね?悪いんだけどそのせいで迷惑かけちゃって2~3回殴られ「あの女潰す」たくらいで!?」

ティアナさんが物騒な物を構えてトリガーに指をかける

ちょっ!

ちょっと待ってぇぇぇぇ!!!!

俺は光を抱えたままティアナさんの構えた腕に体当たりをする

するとドゴォンと音がなってティアナの頭上をそれは掠める

おっかねぇ!

洒落になってませんよティアナさん!

いくら非殺傷設定でもだめです!!

そしてその場が凍りついた

「な、何してんのやティアナ?」

「はは、い、今のは危なかったね?」

「にゃはは、何かあったの?」

ママ達は冷や汗を流しながらティアナさんに問いかける

母さん達も同じような感じでティアナさんに何かを言っている

頭上を掠めた当本人はティアナさんを睨んで

「何のつもり?」

「何のつもりですって?・・・晶を殴っておいて五体満足で帰れると思ってるほど頭は春なのかしら?」

そのティアナさんの言葉に完全にその場は氷点下になっていく

ママ達がティアナさんの言葉に食いついた

「ティアナ、今言ったのほんまか?」

「それは・・どういうことかな?」

「にゃはは、借りた物は返さないと」

おまちになってぇぇぇぇ!!

「今しっかりと晶から聞きました。情報源は確かです」

おまっ! ティアナさんそれ以上煽らないで!!

元の世界サイドのみんなはデバイスを構える

「あんたら全員ちょっと顔貸しぃ」

「大丈夫、痛くないから」

「一瞬チクっとするかもだけど」

「あたしの弟を殴った自殺志願者はどいつだ?」

「前へ出ろ、拒否は許さん」

・・・・か、母さん達なら止めてくれるはずだっ!

俺は母さん達に望みを託す

「上等や」

「いきなり攻撃しちゃ駄目だよ」

「非殺傷設定でもね?」

「あたしを馬鹿だの使えねぇだの言ったの忘れてねぇよな?」

「ふむ、仲間を攻撃されたのに黙ってはおれまい?」

こっちの世界サイドのみんなもデバイスを握り締める

・・・ですよね~

さてと、光を連れて隠れますかね

「レナ、セラス、この辺りに結界張っておいて」

「はい」

「皆様は血気盛んですわね♪」

俺は呆気に取られているスバル達に声をかける

「どうすんの?」

「えっと・・・見てようか?」

「僕達は・・どうしましょう?」

「丁度6対6ですし・・・私は離れてます・・」

触らぬ神に祟りなし・・・キャロの判断は正しい!

それに何か雰囲気がおかしい

何がおかしいと言われればわかんないんだけど・・・

ママ達と母さん達から重い感じのする雰囲気がする・・・

レナ達が結界を張り終わったのを合図にそれは始まった

だが動いたのはママ達と母さん達、ティアナにティアナさんだけだった

姉ちゃん達と副隊長達は動かない

さっきまでやるき満々に見えたのにどうしたんだろう?

今はお互い言葉を交わしている

「・・・何してんだよ、さっさと「はやて部隊長」を助けにいかねぇのか?」

「「・・・」」

「ぐずぐずしている暇などあるのか?「貴殿等の主」が戦っているのだぞ」

姉ちゃん達の言葉に対して

「・・・あたしはあそこには行けない」

「我等は・・行っても邪魔になるだけだ」

副隊長達は短くそう答えただけ

姉ちゃん達は副隊長達を一瞥して

「わかってるなら何も言わねぇよ」

「後の事・・頼むぞ」

そう言い残しお互い距離を取って戦いの様を見守る

言葉は聞こえるが俺はその時まだ意味を理解していなかった

しかしそれは程なくして・・・否応なくわかることになる






俺は地上で戦っているティアナさん達を見る

「ほらまた!あんたは考えて動くまでが遅い!」

「っ・・うっさい!」

ティアナさんは教導をするようにティアナに声を掛けながら戦っている

「なんですぐに前にでるの?!もっと周りを見る!周囲の地形をしっかり把握しなさい!」

「いちいちやかましいのよ!」

「言われるのが嫌ならもっと強くなりなさい!自分の好きな奴が誰にも取られないように強く、誰からも護れるようにもっと強く!!」

「なってやるわよ!絶対にどこにも行かないように・・・取られないようにっ!」

ティアナの動きがさっきより速く鋭くなっていく

「だけど・・・なんで「今」なのよ!?なんで・・・なんでもっと時間をくれないの!」

「時間は待ってなどくれないわ。「今」ももう「さっき」にしかならない」

「そんな事わかってる!だけど・・だけど!」

ティアナは叫ぶように・・何かを堪えるように自分に迫ってくる魔力弾を堕としていく

その姿を見ていられなくなって俺は空で戦っているママ達に意識を移す







上空ではママ達が母さん達と対峙している

あちらでも何かしら会話をしているようだ

俺は聞き取ろうと意識を集中させる

「手加減はせえへんよ」

はやてママはそう言って動かない

「「・・・」」

フェイトママとなのはママも無言で対峙したままだ

「そんなもんしてもらわんで結構や」

「・・・しょうがない事くらい分かってる」

「それでも私たちは・・最後まで足掻いてみせるよ」

母さん達は一言そう洩らすと各々が交戦を開始した

それぞれが自分達の戦い方を熟知している

でも決して・・・ママ達に母さん達は勝てない

経験、知識、技術・・・・・・・何より

・・・装備だ

今より先の技術で作られたそれらには今の物と比べるまでもなく強力・・

しかも同じ者同士が使用するのであればその差は顕著に表れる

それは力が近ければ近いほど・・・その小さな差はより大きくなる

数分もしないうちにママ達が押しはじめる

「・・・自分等には悪いとは思ってる、でもな・・」

「・・・これは決して譲れない」

「だから・・負けれない」

ママ達は詰めはじめる

俺ももう気づいている

これは・・「最後」なんだと

これが・・・ここに居られる最後の「時」なんだと・・・

「・・・なんでなんや」

「・・・晶はここに確かに居るんだよ」

「・・・今更無かった事になんて出来ない・・したくない!」

母さん達はそれでも抵抗し続ける

「「「・・・」」」

ママ達は何も答えない

ただこれが最後だと言うようにデバイスを構える

「それにな・・」

母さん達が俺を一瞬見る

「あの子はうちらのこと・・・」

「呼んでくれたんだよ・・・」

「母さんと呼んでくれた・・それを」

ママ達を見据えて

「「「無かった事になんかできない!!」」」

それは特攻

後のことなんて考えていない

今はそれだけの為に・・・

「・・・言いたい事はそれだけか?」

「・・これで終わり」

「・・・・ごめんね」

ママ達はそれを知っていたかのように捻じ伏せ地上に叩き落とす

母さん達は俺の目の前に落ちてきた

俺は光をレナ達に預けて慌てて傍に寄る

母さん達をよく見ると落ちたときに切ったのだろう所々血が出ている

それでも母さん達は立ち上がり飛ぼうとする

「もういいから!もう・・・いいから・・・」

母さん達を制止する

「・・ええ・・ことあるかいな」

「・・・諦めない・・」

「最後・・まで・・・絶対にっ」

俺の制止を聞かずに飛ぼうとした瞬間にママ達のバインドが入る

「ママ達も・・・もういいでしょ?」

懇願するように俺はママ達を見た

「晶は・・納得できるんやね?」

「・・・これが最後なんだよ?」

「決めるのは・・晶だよ」

納得なんて出来るはずない・・・

でもこれが最後だということくらい・・・俺が決めなければいけないことくらいは分かっている

(ルナ、ホタル、少しの間だけ融合できるか?)

(イエス・マスター)

(わかっておる)

母さん達に向き直って俺は融合する

「少しじっとしててね」

俺は回復魔法を掛けて母さん達の傷を治療しバリアジャケットを再構築する

ついでだからバインドも壊しておいた

「「「・・・」」」

母さん達は何も言わない

俺は自分のバリアジャケットを構築してそれに魔力を込める

込めた上から凍結魔法と保護魔法をかける

それと自身の魔力でアミュレットを作る

そのアミュレットを握り締めて膨大な魔力を中に送り込んでいく

そうしてその中に一つの魔力結晶を作り上げる

(ありがとうルナ、ホタル、もういいよ)

(イエス・マスター、可笑しな言い方ですが・・・頑張ってください)

(・・・しっかりと思いを伝えるんじゃぞ)

二人はそう言ってまた俺の中で眠る

「フェイト母さん・・・これ着けて」

黒いバリアコートを渡す

「なのは母さんは・・着れるかわかんないけど・・・」

刺繍の入ったバリアジャケットを渡す

「はやて母さんには・・・これを着けていてほしい」

先ほど作ったアミュレットを首につけてあげる

「「「・・・」」」

母さん達は俺の渡した物をぎゅっと握り締めたまま黙っている

気が付けば先ほどまで交戦していたはずのティアナさんとかフォワードのみんなにレナ達、副隊長に姉ちゃんまで居なかった

この場にはママ達と母さん達しかいない

「ねぇ母さん・・・短かったけどさ・・俺、いっぱいっぱい幸せだったよ?」

「「「・・・」」」

「実はさ、母さん達のこと小さい時からみてたんだ。直接会えたのは最近だけどさ・・・母さん達が笑うと嬉しくてさ・・泣いてると悲しくてさ・・・いつも飛び出しそうになってさ・・・・」

「「「・・・」」」

「その度にレナ達に止められて怒られて・・・あ~、違うな・・・こんな事言いたかったんじゃない・・・」

「・・だから・・・さ」

「お、俺・・は・・・っ・・」

「いぅ・・いっぱ・・い・・・し、しあわせ・・・・だった・・・んだ・・ひっく・・」

もっと言わないといけないのに・・・もっと言いたいこといっぱいあるのに言葉が出ない

「かぁ・・・さん・・達のこと・・・・す・・きだし・・・愛し・・る・」

「「「っっ!」」」

「・・で・・でも・・・ママ・・達の・・・・・ことも・・・いっぱ・・い・・愛して・・て・・」

「・・だ・・・だから・・・・だか・・・ら・・・・っ・・・うぅ・・」

もう前が見えない・・・

「・・ひっく・・・ぁ・・・ぅぅ・・・・・」

そして俺は・・・最後まで言えず泣いてしまった

地に膝をついて大きな声をあげて泣く

ボスッ と小さな衝撃がする

途端に俺の声が小さく感じる

「あほぅ・・・そん・・そんな事・・・い・・・われ・・・たら・・・・・」

「・・・わ、私・・も・・・好きだよ・・・愛してるっ」

「・・何かあったら助けに行くよ・・・絶対に・・・どこでもっ!・・」

いつかの誕生日の時のママ達みたいに俺を抱いてくれる

それが嬉しくて・・切なくて・・

俺は抱かれたまま母さん達と泣き続けた












しばらくしてママ達に声を掛けられる

「晶・・・いこか」

「・・そろそろ・・・ね?」

「ちゃんとお別れ出来たね」

母さん達から俺は離れる

離れた俺を後ろからフェイトママが抱いてくれる

そしてはやてママが一歩出て・・

「この子の事・・・幸せにしてやりや」

はやてママは何時の間にか抱いていた光をはやて母さんに渡す

「その子のこと必ず護ってあげてね」

なのはママが母さん達にそう言うと

「絶対や・・」

「必ず・・」

「護るよ・・・」

俺ははやて母さんが抱いている光に近づいて

「ごめんな、光にはこんなもんしか渡せないけど・・」

光の身体の上に俺はアルテミスを置く

光はアルテミスをそのちっさい手で握りしめて笑っている

するとはやて母さんは自分の帽子を俺に被せて髪留めを手渡してくれる

「これ持っていき」

それに倣うようにフェイト母さんとなのは母さんもそれぞれリボンを俺の首に結びつけてくれる

「なくしちゃ駄目だよ」

「にゃは、大切にしてね」

黙って目を見て頷く

俺は母さん達に最後の挨拶をする

「いっぱいいっぱいありがとう!・・・バイバイ母さんっ!」

母さん達は柔らかく笑って

「ちゃうよ晶」

「そうだよ晶」

「バイバイじゃないよ晶」

俺を見て

「「「またね」」」

本当に適わないなぁ

「うん!またね!」

そしてママ達と俺は飛んだ

飛んですぐにティアナさんにレナ達、姉ちゃん達と合流する

するとティアナさんが俺にデバイスとリボンを渡してくる

「・・・あいつからよ」

ティアナさんの視線を追うとそこにはティアナが居た

どうしよう・・・デバイスコアは抜いてあるみたいだけど・・・こんな大切な物もらっても返せるもん無いよ・・

「晶ちゃん、これを」

セラスが無くしたはずのアルテミスの片割れを俺に渡してくれる

「さっき拾っておきましたわ♪」

用意の良いことで

俺はそれを受け取って少しの魔力をアルテミスに込める

ティアナに投げるとそれをキャッチしてくれる

魔力を込めたのはいつまでも俺を覚えていてほしいから・・

ティアナから貰ったデバイスを掲げて俺は手を振る

するとティアナもアルテミスを持った手を上げて振ってくれた

見えなくなるまで俺はそれを続けた

少し飛んでいるとママ達が森に向って降りていくので付いていく

「ティアナ、出してくれるか」

「はい」

ティアナさんは幾つかの道具を出して

「出来ました」

はやっ!

てか、これ何?

「そんじゃみんな行くで~」

はやてママに俺は引っ張られて抱きつかれる

「およ?」

「晶がさっき向こうの三人に抱きついててむかついた」

「ちょっと妬けたかな」

「私も」

どうしろと・・・

「はいはい、それじゃ転送開始」

ティアナさんは呆れたように言うと俺達は緑の光に包まれた

そして気がつけば見渡す限り荒野が広がっています・・・

「ここどこ?」

「この時代の管理局じゃ手の届いてない世界よ」

ティアナさんが俺に答えてくれた

「さすがにあの場所でするのはまずいしな」

「こっちの私達にこれ以上は迷惑かけれないからね」

「そういうこと」

なるほど・・・確かにあそこでまたやらかすと大変な事になりそうだし・・

「そんじゃさっさと戻ろうぜ、シャマルとかが首を長くして待ってるだろうしな」

「そうだな、心配性の湖の騎士達が待ちくたびれているだろう」

姉ちゃん達はそう言うと魔力をぶつけ合い境界面を開く

開かれた境界面に俺達はそれぞれ入る

入ると・・・これまたすぐに見つかった

「いやほんと・・・こんなんで大丈夫なのか?」

俺が言うと

「うちらは助かるんやけど・・・たしかになぁ・・」

「運が良いというか・・・これで良いのかな?」

「う~ん・・良いんじゃない?」

確かに見つからず途方に暮れるよりは遥かに良いけどさぁ・・・

・・・考えるだけ無駄か

「はやて中将、それでは開始しますよ」

ティアナさんは箱からクリスタルを取り出して一つを遠くに置いてくる

そしてもう一つを置いてきたやつにぶつける為に投げる

・・・これで外したら笑えないな

「晶、今失礼なこと考えたでしょ?」

「な、なんでもございませんです」

少しするとカッと光ってもの凄い魔力の奔流を感じる

それを確認して俺達は時の廻廊に入る

すると眩しく光る映像が目の前に出てくる

「全員ええな!?」

「いつでも」

「OKだよ」

「あたしもいけるぜ」

「参りましょう」

「いけます」

みんな答える

「・・・それじゃ俺たちの世界に帰ろう」

「御意」

「ですわね♪」

はやてママが後ろから俺を抱いて、俺はフェイトママとなのはママと手を繋ぐ

全員が円を作るようにして手を繋ぎ終わると魔力フィールドを形成して一斉に飛び込んだ

飛び込んでしばらくすると最初の時のような感覚に襲われる

どんどん魔力の出力が落ちていく

(またかよ・・・今度は幼児にまでなってたとか勘弁してくれよな)

そして・・・・





































ドスンッ! バキッ! バリバリッ!

「いっつぅ・・・」

視界が開けたと思った瞬間どこかに落ちたようだ

みんな無事かどうかを確認するために周りを見渡す

そして・・これまた・・・・目が飛び出そうなくらい驚いた

「・・・みんな無事かぁ?」

はやてママ?の確認に皆が返事する

「私は大丈夫・・・」

「にゃはは、こっちも平気だよ」

「あたしも大丈夫」

「こちらもです」

「・・・・多分ですけど・・大丈夫です」

「晶様が・・・また小さくと申しますか・・・元に戻ったと申しますか・・・」

「あらあら♪あちらに行く前に戻ってしまいましたわね♪」

全員無事なのは良い・・・

俺が行く前の状態に戻ってしまった事だってどうでも良い

それよりだ・・・・

「ティ、ティアナ・・・さん?」

「え、なに晶?」

・・・・言わないと・・・・・いけないんだろうなぁ

「セラス鏡貸してくれ」

「はい♪」

俺はセラスに鏡をかりてティアナさんに見せる

「・・・・冗談はやめてよ・・」

ティアナさんはじっと鏡を見つめている

「どうしたんや?」

「何かあったの?」

「なになに~?」

ママ達?がこっちに来て

「・・・強く生きや・・?」

「その・・ほら!何ていうか・・・ねぇ?」

「だ、大丈夫・・・だよ?」

そりゃ疑問系にもなるよね~

「・・・とりあえず寿命が延びたとでも思っておくわ」

つ、強い・・・俺はこうはいかなかったな

ティアナさんは・・・・ちっちゃくなってた

着ていた服ははだけて下着が見えている

「お、俺とおんなじくらい?」

「そうね・・・多分13くらいだと思う」

姉ちゃん達はポカンとしてティアナさんを見た後・・・

「ぷっ・・・」

「・・・くっ・・・」

笑いを堪えるのに必死の御様子

ティアナさんはそれを見てプルプルと肩を震わせて静かに怒っていました

・・・正直暴れてくれたほうが怖くなかったです・・

そしてもう一つ驚いたのが・・・

「えっとさ・・・ママ達もこれ見て」

俺は鏡をママ達?の前に出して見せる

「「「・・・」」」

あ、固まった

そして次の瞬間

「よっっっしゃぁぁぁぁぁあああああ!!!!!」

「や・・・やった!・・・やったよ!!!」

「こ、これなら!・・・これならっ!!!」

突然歓喜の叫びをあげる

はやてママは突然操作パネルを出して何かを確かめだした

そして・・・

「間違いないで!」

そう言ってフェイトママとなのはママにパネルを見せる

「諦めていた夢が・・・叶う!?」

「そうだよフェイトちゃん!これならっ!」

俺はそのパネルを覗き込んで・・・

「っっ16!!??」

思わず声が出た

操作パネルに映し出されていたのは現在のママ達の身体データと・・・過去の身体データだった

どうやら今の自分達の身体をスキャンして過去の自分達のデータに照らし合わせてたようだ

ってかさ!

16!? まじで!?

元のママ達と大して変わってないのに・・・16!?

た・・・確か元のママ達の年齢て・・・・3×才だったような・・・

は、半分以下!?

い、いやよく考えろ!

ティアナさんも約13才になったわけだから・・・おかしくは無いんだけど・・・

おかしいだろ!?

いやいや・・・冷静になれ

ママ達が16になった

ティアナさんが13になった

・・・・ふむ、よく考えれば大きな問題じゃないな

記憶もあるし

仕事は・・・・まぁ何とかなると仮定しよう

・・・・全然大丈夫のような気がする

考えていると突然ガシッとはやてママに両肩を正面から掴まれる

「晶・・・式はどこがええ?」

式?帰ってこれたパーティかな?

次はフェイトママに掴まれて

「晶は教会と神社はどっちがいい?」

どっちが好きかってことかな?

今度はなのはママに掴まれる

「好きなほうを選んでいいよ」

う~ん・・・どちらかというと・・・・

パーティするんならと思って俺は

「教会のほうが好きかな?」

そう答えるとはやてママが通信パネルをすぐさま開いてどこかに連絡している

「カリムか!? 病院?そんな事どうでもええ! 5年後の今日に式の予約いれといて! 誰の? うちらのに決まってるやん!」

あれ?

パーティて今日しないの?

しかも五年後て・・・今やればいいのに

そんな事を思っていると肩を叩かれる

振り向くと俺よりほんの少しだけ背の低いティアナさんが

「あんた・・・放っておいていいの?」

そう言ってママ達の方に視線を送る

「??」

俺は何のことか分からず頭に?マークを浮かべるだけだった

「はぁ・・・五年以内にあんたが気づく事をあたしは期待するわ」

ティアナさんは諦めにも似た溜息をついて壊れたベッドの上に座る

・・・ん?ベッド?

そういやここは・・・見たことあるぞ

机の上にパソコン

そして部屋の右隅にはベッド

左隅には本棚

その横にはクローゼット

・・・・ここって・・

「ここって・・・もしかして俺の部屋?」

「もしかしなくてもそうよ。今頃気づいたの?」

「晶様・・・戻ってきたのですよ」

「晶ちゃん・・お疲れ様でした・・・ですわ♪」

・・・帰ってこれた・・

・・本当に・・・・・・帰ってこれた

一度は諦めた・・・この場所に・・

そう思うと自然と頬にはそれが伝う

そんな俺に気が付いたのか

はやてママが・・・

フェイトママが・・・

なのはママが・・・

優しく頭を撫でながら・・・

最愛の人は俺を抱いて言葉を紡いでくれる












































「「「おかえり晶・・・愛してるよ」」」

「ただいま・・・ママ・・・・愛してる」

この先どんな事があろうと俺は最愛の人達と一緒に居ることをここに誓う

それは光ある幸せと・・・明日という笑顔の為に・・・









-----------------------------------------FIN-----------------------------------------







[4755] Lost Memory ACT Another
Name: アフロディーテ◆72310edc ID:393a8d4a
Date: 2009/07/07 12:02
「明日はあの子の誕生日か・・・・」

晶がうちらと別れてからもう16年も経とうとしている

あの日、うちらはリンディさんにこってりと怒られてその後カリムにも散々絞られた

その後自室に帰ると晶の居ない部屋は酷く空ろで・・・

その部屋の中はどこか霧がかっていて・・・

世界は霞んでいて・・・

うちら三人は泣き明かした

赤ん坊を前に大の大人が泣き崩れるのは今思い返してみると少し恥ずかしい気もする

それでも晶が残してくれたこの子・・光をみているとまるで晶がそこに居るような温かみを感じた

「晶は・・・どうしてるんやろうな」

うちは部隊長室の机に飾ってある写真に手を伸ばす

写真には母さんになって間もない頃のうちらと晶が写っている

「光は元気に育っとるよ、元気すぎるけどな」

光はいま管理局の嘱託魔道士としてうちらの管理の下で働いている

本局は武装隊に入れたかったみたいやけど、うちらが手を回して嘱託で落ち着かせた

光の魔力は晶と一緒でとんでもなく強い

魔力の力比べだけで言えば光の右に出る者はまず居ないだろう

ただ・・それだけに周りからはその力を疎まれ・・・恐れられ・・・近づこうとしない者も少なくなかった

それでも持ち前の明るい性格のおかげか友達は多いようだ

まぁここだけの話、うちらの光にいらん事しよったアホどもにはキッチリとお礼しといたけどな

それに守護騎士・・・いやスプリガンやったかな

名前は「レナス」と「セラフ」

光輪の書が起動したときに出てきたのはええけど二人とも名前が無かったのには驚いた

光が幼いながらも頑張って考えたのがその名前だった

もしかするとレナとセラスも晶が付けたんやろか?

などと考えつつまさかそこまで似た名前をつけるとは予想だにしてなかったのでうちらは驚いたもんや

当時の光はまだ三才で普通なら名前とかそんなん考えるような歳やない

しかし光は「普通」とは少し違った

非常に頭の回る子だった

頭が良く明るい子

容姿は誰がみても可愛い、美人、だと言う

うちが言うのもなんやけど光ほど綺麗な子は正直見たことあらへん

そして事あるごとに聞いてくるのが

「ねぇねぇ母様、兄様はどんな人なの?」

それと言うのも10才の誕生日に光の生い立ちをうちらは打ち明けたからだ





光はその話を聞くと声を上げて泣き始めて

「母様がわたしのこと嫌いになったぁ~!」

「「「そんなわけあるわけない!!」」」

うちらは光を抱きしめてあげた

うちらが光を嫌いになるわけがあるかいな

目に入れたって痛くないくらいや

晶と同じくらい愛しとる

そしてその日に光には兄が居ると説明した

晶の写真を見せると光はしばらくそれを見つめていた

そして言い出したのが

「兄様はどこにいるの? 会いたい!」

それから説明するのが大変やった

おまけにレナスとセラフまでも

「はやて様、どのようにすればお会いできるのでしょうか?」

「あらあら、これは会わなくてはなりませんわ♪」

そんでうちは・・・・

「ええ子にしとったら会えるよ」

晶の事を話したのは失敗したなぁと思ってる

「はやて! なんでそんなこと言ったの!?」

「はやてちゃん! なんで相談してくれないの!?」

なのはちゃんとフェイトちゃんに散々怒られた

当たり前や、「ええ子」にしてて会えるんやったらうちらも「ええ子」にいくらでもなったるわ

光には晶の事を伏せたまま生い立ちを話す・・というのがうちらの当初の方針だった

そやけど酒が入っていたのと生い立ちを話す時にどうしてもその日の事を思い出してしもて・・・つい喋ってもうた

それに光にも変な期待をさせてしまった・・・

この件については反省というか・・・もう謝るしかない

その日から光は晶に会えると信じて色々な事を勉強しだした

その姿を見ていると晶はもうここには居なくて会えへんなんてうちにはよう言われへんかった・・・

そしてある日「ある物」が見つかってしまう

それは家に保管してある大切な物

家のある一室に厳重なシールドをかけてうちら三人以外が出入り出来ないようにしていたのに・・・

うちらが仕事を終えて家に帰るとそのシールドが壊されている事にすぐ気が付いた

慌てて何かに入ると光はそれを目の前にして見惚れるように立ち尽くしていた

「・・・ねぇ母様・・・・これ兄様のだよね?」

光は置いてある物には一切触れてはなかったみたいやけど一目で・・・というか自分と同じ魔力・・晶の残した魔力でわかったんやろな

その部屋には晶の残してくれた物がティアナの持っている物を除いて全ておいてある

晶は身に着けてほしいと言って渡してくれたが、うちらは一線で戦うことが多い

だからもしも傷が付いてしまったら・・と思うとどうしても身に着けて戦場に出る事は出来なかった

うちのアミュレットは傷つくことなどそうは無いと思うけど、なのはちゃんやフェイトちゃんのはそうはいかん

うちだけそれを持って戦うのは二人に悪い気がして・・・だから三人一緒にここに保管しようと決めたんや

「母様・・これ触っても良い?」

光は晶のデバイス、アルテミスを指差している

うちはアルテミスを手にとって光に渡すと光はそれを抱きしめ泣き出したのを覚えてる

何故泣いたのかは分からない

もしかすると兄にはもう会えないことに気づいたのかもしれない

けれども光は何かを感じたんだろうと思う

しばらく泣いた後は普段通りにすぐ戻った

それ以来、光はアルテミスを片時も離そうとしなかった

元々晶から光に渡された物だからうちらは何も言わんかった






そして数年の月日が流れ・・・現在に至る






うちは手にしている写真に写っている晶を指でなぞる

今でも昨日の事の様に思い出せる晶のこと・・

思い出せる所かまだその手に晶の温もりが残っているようにすら感じる

晶の声・・・

晶の姿・・・

晶の笑顔・・・

晶の匂い・・・

「なつかしいなぁ」

うちらと光と晶・・・

みんなで暮らせたらどんなに幸せか・・・

「あかんあかん、こんなこと考えてると先に進めへんで」

自分に言い聞かせて残っている書類に目を通そうとした時だった

「はやて!」
「はやてちゃん!」

血相を変えて二人が部屋に飛び込んでくる

今日は二人とも家で誕生会の準備をしてるはずやのに・・・

「な、なんやの二人とも・・・」

二人の顔をみてただ事では無さそうな感じがする

「「光が!」」

っ!?

「光がどうしたんや!?」

その名前を聞いてうちは二人に詰め寄る

「光が晶のを勝手に持ち出して!」

「飛んでっちゃったの!」

・・・・・はぁぁぁああ!!??

「あのお転婆姫はなにしとるんや!?」

「そ、それで止めようとしたらレナスとセラフに」

「邪魔されちゃって・・・」

あんの過保護スプリガンか!

「とりあえず追うで!」

「「うん!」」

うちはまだ終わっていない仕事を放棄して愛娘を追うことにした




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私は今、ある人に指定された場所に向っている

脇目も振らずその場所に向っていると私の両脇に並ぶようにして二人の女性が付いてくる

私は二人にある事を確認するために口を開いた

「レナス、セラフ、ちゃんと母様達を撒いた?」

「はい、問題なく」

「光ちゃんに言われた通り危害は一切加えていませんわ♪」

返答を聞いてほっとする

「なら良いわ!母様達には悪いけどもう私は待ってられないの!」

私は一層速度を上げて指定場所に向う

しばらくするとその場所が見えてくる

その場所を目を凝らして見ると人影を見つける

私の「共犯者」ティアナさん

速度を落として私達はティアナさんの傍に降りた

「例の物は確保できた?」

「これで全部のはずです」

私は母様から強奪・・・もとい、借りてきた物をみせる

「OK、なら行きましょうか」

ティアナさんはそう言って簡易転送ポートを開く

「・・・本当に会えるんですね?」

私は不安になって聞いてしまう

「さぁね・・・でも今のままじゃ会えないのは確実よ」

「さぁねって、それじゃ困ります!」

母様達の大切な物を無理やり持ってきたのだ・・

今頃私を探して飛び回っているはず

「ねぇ光、あなたは・・・ここで帰りなさい」

「な!?」

ティアナさんの一言に頭に血が上るのが自分でわかる

「ここまでさせておいて今更じゃないんですか!?」

「ティアナ様、一体どういうことですか?」

「あらあら、ここまで期待させておいて帰れ・・・と?」

ティアナさんは落ち着いた口調で私達を諭すように言ってくる

「光・・・あんた全てを捨てれる?」

「・・・どういうことですか?」

私はティアナさんにこれがあれば兄様に会えると言われて持ってきた・・・けど・・よく考えればそれしか聞いていない

ティアナさんは続ける

「晶に会いに行くという事は全てを捨てるのと同義・・・そして全てを背負う覚悟があるのかと聞いてるのよ」

「・・・」

言っている意味を理解できない

捨てる?・・・背負う?・・・わからない・・

「私はね、昨日管理局を辞めてきたわ」

「!?」

執務官という立場を捨てた!?

ティアナさんは若くして執務官になり、かなりのやり手だと私は母様達から聞いている

このままいけばそう遠くない未来には中佐クラスにはなれるだろう、むしろ自分が推薦しても良いとさえはやて母様は言っていた

「夢だった執務官を捨てて・・・上司や同僚・・・・親友までも私は捨てて行くのよ」

「・・・・それくらいの覚悟がいるということですか?」

「そうね、でも覚悟だけじゃ足りないのかもね。私は本当にここを・・・この世界を「捨てる」のよ。わかる?」

「・・・」

「それにね光?・・・会うどころか辿り着く前に死ぬ可能性だって0じゃない・・・ううん、その可能性のほうが高い・・」

「・・・ティアナさんはそれでも・・」

「ええ、行くわよ。だってあの日私の夢は「執務官になる」から「晶に会う」に変わったのだから・・・私の気持ちが本物だと証明するために」

「・・・」

「あなたは帰りなさい。友達が・・家族が・・・母親が待っているのでしょう?」

確かに待っている

母様達はきっと怒りながらでも許してくれる

だけど・・・・

だけど、行かないと私はきっとこの先ずっと後悔するかもしれない・・・

そんなのは嫌だ

やらないで後悔するくらいならやって後悔する

それが私・・・不和光なのよ

「・・私も行「光様」く!」

レナスに言葉を遮られてしまう

「答えを言う前に・・・」

「強制でリタイア・・・ですわ」

レナス達はそう言うと顔を上に上げて空を見る

その視線の先を追うと・・・・

「このお転婆娘がー!」

「光!それを返しなさい!」

「それをどうしようというの!」

時間を掛けすぎたみたいね・・・

母様達がもの凄い勢いで私の目の前に降りてくる

最悪・・・こんな早く捕まるとは思ってなかったのに・・・

私はどうやってこの場を誤魔化そうかと考えようとした時だった

「これで主役は揃ったわ」

ティアナさんは強張っていた顔を緩めてこの場に居る全員に言う

「晶に会いにいきませんか?」




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「このお転婆娘がー!」

「光!それを返しなさい!」

「それをどうしようというの!」

うちらはようやく探し当てた馬鹿娘の目の前に降りる

・・・ティアナも一緒か・・

うちらが降り立ってそれは放たれる

「晶に会いにいきませんか?」

それは何にも勝る甘美な誘惑

それはあらゆる心を撃ち抜く言葉という弾丸

「ティアナ・・・自分が今何を言ってんのか分かってるんか?

「「・・・」」

フェイトちゃんとなのはちゃんは何も言わない

「覚悟はとうに出来ています。後は・・・行くだけです」

「・・・辞めたんはその為か?」

ここに来る途中スバルから緊急通信でうちに直接入ってきた情報

「お耳が早いですね」

「・・・本気なんか?」

「冗談でこんなこと出来ません」

その瞳に偽りは無い

「その為に何も知らん光を利用したんか?」

「・・・・」

「答えんかい!!」

答えないティアナに苛ついてうちが怒鳴り声を上げると光が身体をビクつかせた

それを見たなのはちゃんが光を抱いてくれる

すると状況を見ていただけのレナスとセラフがティアナを庇うようにうちの前に出てくる

「・・怪我せんうちにそこ退き」

二人を睨む

「はやて様、先に聞いたのはティアナ様です」

「先にお答えしていただくのははやて様ですわ♪」

「・・・うちの答えなんて聞くまでもないやろ」

そんなもん言うまでもない

言葉にする必要などない

いや、ちゃうな・・・言葉にすると止まりそうにないからや・・

「でもな・・もう無理なんよ」

そう言うとティアナがレナス達を押し退けてうちの目の前に来る

「何故ですか?どうして無理なんですか?」

「・・・うちらはもう色んなもんに縛られてもうた・・・・・」

「そう言ってまた逃げるんですか?」

「・・・逃げるてなんや・・うちは逃げてなんか・・・・」

「なら何故あの時無理にでも追わなかったんですか?何故すぐに追わなかったんですか!?」

「・・・・る・・さい」

「何故あの時諦めたんですか!?」

「・・ぅ・・・るさ・・ぃ・・・」

「あなたはあの時逃げたんだ!!」

「うるさいっ!」

ティアナの言葉で今まで押さえ込んでいたダムが決壊した

「うるさい!あんたに何がわかるんや!?あの時うちらに託されたこの子を置いていけるんか!?あの時の晶の言葉を裏切れるんか!?あの時の晶の涙を無駄に出来るんか!?あの時のうちらの気持ちがわかるんか!?!?」

「わかりたくなんかありません!何一人で被害者ぶってるんですか!?悲劇のヒロインにでもなったつもりですか!?そんなんだから取られるんですよ!」

「っ! あんたかてあの時追わんかったやないか!あんたかて逃げてるやないか!」

「ええ逃げましたよ!だからもう逃げない!私は逃げるのを止めて追うんです!なのにあなたはまた逃げるんですか!?」

「うちは!・・・うちは!!・・・・うち・・・は・・・・・」

「逃げるな!あなたはどうしたいのか言ってみろ!!こんな小娘にここまで言われても何も出来ないのか!?八神はやて!!」

その言葉にまるで後押しされるようにうちはその言葉を口にして叫ぶ

「うちは晶に会いたい!!もう我慢なんて・・・もう耐えられへんのや!・・・・・うちは晶に傍に居てほしいんよ!!晶の傍に居たいんよ!!」

知らん間にうちは・・泣いてた

うちの叫びを最後にそこは静まり返る

そしてティアナが

「だ、そうですよ?」

・・・・?

ティアナを見ると笑っている

そしてうちではなくうちの後ろに向って言っているように見えた

うちは後ろを向くとそこには・・・

「そんじゃ行くか」

「行きましょう」

「はやてちゃん行きましょう」

「主よ、しかと聞いた」

「リィンも行くです」

何時の間にかうちの守護騎士が居て・・・

「はやて・・・行こう!」

「はやてちゃん・・・行こうよ!」

二人の親友は笑ってくれる

うちは自分の愛娘を見て

「・・光はお兄ちゃんに会いたいか?」

光はうちを見てハッキリと頷く

「はやて母様・・・私は兄様に会いたい・・・・私たちの「家族」に会いたい!」

話にしか聞いたことない兄にそこまで会いたいんかいな・・・・

ん?・・・・よく考えればおかしくなかこれ?

なんでティアナは物を受け取ったらさっさと行かんかったんや?

光なんていくらでも誤魔化せたはずや

それになんでヴィータとかも居るんや?・・・うちらを追ってきたにしてはタイミングが良すぎる

しかもこんなとこでゆっくりしとったら光の魔力を追ってうちらがすぐに追いついてくるなんてことティアナが見過ごすはず・・・が・・・・!?

・・やられた

どうやら・・・女狐にハメられたらしい・・

「ティアナあんた・・・初めからこうなるて知ってたな?」

「さぁどうでしょうね?」

ティアナは舌を少し出して惚ける

ええ歳して可愛くなんてないで

ほんまやられたで・・・うちが狸ならティアナは狐やな

「・・でも部隊とかどうするねん?こんな勝手なことしたら管理局が黙ってへんで?」

部隊を預かっているうちは部下の命を預かってるのと同じや・・・それを放棄なんてことできひん

「はぁ・・・まだそんなこと言ってるんですか・・・・・ならこれをどうぞ」

ティアナがそう言って出してきたのは秘匿回線の通信パネル

「ちなみにさっきの会話は全部筒抜けですからね」

・・・どういうことや?

うちはその通信を開くと

「はぁ~い♪」

「リ、リンディ提督!?」

通信に映るリンディさんは手を振っている

「はやてさん行ってきなさいな」

いきなり了承!?

「あ、いや・・・でもですね・・」

「大丈夫よ、あなた達が居ないくらいで管理局は潰れたりしないわよ」

「そりゃそうでしょうけど・・・でも・・」

「あ~もう仕方ないわね~・・・・それじゃクビ」

「・・・は?」

「クビって言ったのよ。ようするに解雇ね♪」

「な、なななな!?て、提督にそないな権限は無いはずや!」

「私がクビと言ったらクビなのよ」

「そんなあほな!?」

「フェイト、なのはさん、ティアナさん、それに皆さん、少し寂しくなっちゃうけど・・・元気でね」

うちのこと無視!?

「はやてさん、貴女はもう自由なのよ?お好きになさいな♪」

「・・・・このことは決して忘れません・・・今までありがとうございました!」

「向こうの私によろしくね」

「はい」

リンディさんはそう言って通信を切った

切る直前に見えた一筋の光は見間違い・・・やないやろな

「なのはちゃんとフェイトちゃんは家族に連絡とか相談せんでこのまま行ってしもてもええんか?」

「うちはほら・・さっきも母さんが言った通りだし、クロノとかエリオとキャロにはもう言ってあるよ」

「うちもお父さんとかお母さんにも言って納得してもらったし、ユーノ君とヴィヴィオも同意してくれたよ」

・・・・ちょっと待ってや

「なぁ・・・もしかしてティアナだけやなくみんなでうちの事ハメたん?」

「え、えっと、光達とはやて以外は・・・多分知ってると・・思う」

「にゃ、にゃはは・・・怒っちゃだめだよはやてちゃん」

・・・ほんまにやられたわ

「くっ、あっはは!ははは!」

「は、はやて?」

「はやてちゃん?」

これが笑わずにいられるかいな

こんなに・・・後押しされな動けへん自分に笑ってまうわ

こんだけお膳立てされて逃げれるかいな!

するとティアナがもう一度聞いてきた

「晶に会いにいきませんか?」

うちらは迷いなく答える

「「「今すぐに!」」」




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俺の旅が終わりを告げてからもうすぐ三年

明日は俺の16才の誕生日だ

こっちに帰ってきてから実を言うと少し塞ぎこんでしまった時期が半年ほどあった

それはこっちに帰ってきてすぐの事だ

ママ達とこっちに帰ってこれたのは凄く嬉しかった

記憶も戻って言う事無しだったはずなんだけど、母さん達との事を考えるとどうしても手放しで喜ぶことは出来なかった

夜寝ていると母さん達が泣き崩れる夢を見ることが多かった

夢を見た日は決まって俺は枕を濡らして飛び起きる

俺はこんな未来を望んだ訳ではなかったはずなのに、と自分の無力さを嘆き部屋で暴れたのも少なくない

そんな俺にママ達は何も言わず、ただずっと傍に居てくれた

母さん達の事は仕方がなかったのかもしれない・・理解はできても納得はどうしても出来なかった

だけどそんな欝だった日々はある日を境に思い出に変わる





======これは二年と半年ほど前のことだ======






俺は夢をみて飛び起きた

その日も俺は泣いていた

俺は自分を落ち着かせるために水でも飲もうとして部屋でる

すると夜中だというのにリビングに明かりが灯っていることに気づく

近づいて行くとママ達の声が聞こえる・・・声をかけようとしたとき中から嗚咽混じりのママ達の声が聞こえた

声をかけることが出来ずに盗み聞きするような形になってしまう

聞こえてきた会話の内容・・・それは・・

「なぁ・・なんであの子が・・・・こんな苦しまなあかんのや?」

「・・・なんで私達じゃ無かったんだろう・・」

「私達なら・・良かったのに・・・」


「・・・誰か・・・教えてや!うちはどうしたらええんや!?・・・どうしたらあの子は・・晶は笑ってくれるんや・・・」

「・・・はやて・・」

「今は・・待つしかないと思うの・・」

「待つ?いつまでや!?もうこんなにうちらは待っとる!なのに・・・なんでなんや!?」

「「・・・」」

俺はその場から居られなくなって部屋に戻ろうとして振り返るとそこにはレナとセラスが居た

「晶様、まだ逃げ続けるのですか?」

「晶ちゃん・・・十分な時間だったはずですわ」

「レナ・・・セラス・・・俺は・・どうすればいい?・・どうすればママ達を泣かさなくて済むんだ・・?・・・」

「晶様、答えはもう出ています」

「前を向き、全てを受け止め・・・甘えちゃえば良いんですわ♪」

「え?」

これは自分だけの問題だと俺はこの時まで思っていた

他者を頼るなどもってのほかだと思い上がっていたのかもしれない

でもこれはそんな問題じゃなかった事にこの時ようやく気づけた

これは俺の問題では無く「俺達」の問題だったんだ

こんな簡単な事にも気付やしない自分に腹が立つ

ママ達を泣かせている自分をぶん殴ってやりたい

けど今はそんな事してる場合じゃない

「・・・ちょっと行ってくる」

俺は背を向けたはずのリビングにもう一度向う

「私達はこれで失礼します」

「あらあら♪御三方に妬いてしまいますわ♪」

レナ達は久しく笑ってくれたような気がする

俺はレナ達に背を向けたまま

「逃げるのはもうやめだ・・・一緒に背負ってくれるか?」

「晶様、私達は最初から」

「そのつもりですわ♪」

「・・・ありがとうな」

そうして俺はリビングの扉を開いた

「晶!?」

「ど、どうしたのかな?」

「こ、こんな時間にどうしたの?」

ママ達は取り繕おうと笑顔を作り喋りかけてくる

俺ははやてママの前に立って・・

「はやてママ・・・俺を殴って」

目を見て言う

「な、何言ってんのや!?そんなことでき「いいから!殴って!」っ!?」

俺は目を瞑って頬を差し出す

「い、いきなりどうしたの晶?」

「晶・・何かあったの?」

なのはママとフェイトママは何とか俺を部屋に戻そうと寄ってくるけど

「来ないで!」

「「ッ!」」

俺が声を出すと止まってくれた

「ほんまに・・・ええんやね?」

はやてママが確認してくる

「早く!」

そう・・・一刻も早く・・・ママ達に笑顔を取り戻すために・・俺が立ち上がるために・・・

手の振りあがる気配がする

・・・・・あれ?

いつまで経っても来るはずの痛みがこない

そう思った瞬間にそっと頬に掌が添えられる

「・・ママ?」

俺は目を開けてはやてママを見る

はやてママを見ると涙を瞳に溜めて俺を見ている

はやてママだけじゃない・・なのはママもフェイトママも同じだった

「言われた・・・通り・・したで?」

涙を我慢しているせいかその声は途切れ途切れで・・

「・・・うん・・・ありがとう」

俺はそう言って・・・ママ達に飛び込んだ

「「「晶!?」」」

あはは、ビックリしてる

「ごめんね・・・今まで心配かけてごめんね・・もう大丈夫だよ?」

「「「・・・晶」」」

「もうね・・・逃げないよ・・・・だから・・」

一息置いて

「一緒に背負って・・・・俺の傍に居て・・・・俺と一緒に笑って・・・・」

そう言った俺をギュッと抱きしめてママ達は・・

「なんぼでも・・・なんぼでも背負ってやるで!晶の背負う物が無くなるくらいまで背負ってやるで!」

「晶が嫌がったって傍に居るよ!もう邪魔だって言われても離さないんだからね!」

「晶が笑うだけで私達は笑える!いつでも一緒に笑える!どこでも笑えるんだよ!」

途端に心が軽くなったような気がする

雨が止んで雲が晴れて・・・全てに光が灯った感じがする

俺は顔を上げて

「背負う物が無くなるまで持ってもらう!何が何でも傍に居てもらう!絶対に一緒に笑うんだ!」

最高の笑顔で言った

俺の顔を見てママ達は固まっている

もしかして全然ダメダメな顔を俺はしていたのだろうか?

そう思って声を掛けようとしたその瞬間だった・・・不意打ちとしか言い様がない

「・・・・マ、ママ・・・・ン・・・ッ!?」

突然はやてママの顔が近づいてきて唇を塞がれる

え・・・何々?・・・何が起こってるの?

「・・・・んっ・・・・・。んぅ、ふ・・・ん、ちゅ・・・・ちゅ、ちゅぅぅ・・・・・・っ・・・・・」

ぷはぁっ てな感じではやてママは俺の口を塞いでいたそれを離してくれる

「・・・ごめんな晶、我慢出来んかったわ」

え・・・何が?

状況が理解できていない俺は今度はいきなりフェイトママに両頬を手で挟まれて・・

「フェ、フェイトママ?ど、どうしたの・・・・っ・・ん・・・ッ」

「・・ちゅぅ・・・・ちゅぱ・・・・・ん、ちゅぅ・・・・・・っ。ちゅぷ・・・・」

徐々にだが思考が戻ってきた・・こ、これは・・・

「えへへ、やっちゃった」

フェイトママは可愛く言うと手を離してくれる

これはもしかして・・キッッキキキッキスってやつ!?

ちょ・・・・待って待って!・・・え?どゆこと!?

「次は私なの!」

「な、なのはママ!ちょっと待っ・・・!・・・・んッ・・・ん~っ・・!」

「んむぅ・・・んふ、んぅぅ・・・・っ。じゅ、じゅるぅ・・・・・ぢゅる、じゅぷぅ・・んふっんむぅ・・・んんふ、んちゅ・・ぁむ、んぅぅ・・・・っちゅる。んぷっ・・・」

戻り始めていた思考がぶっ飛んで行きそうだった

「はぁ・・・にゃはは、ご馳走様なの」

「はぁ、はぁ・・・・御粗末様でした?・・」

ってオイ!違うだろ俺!

何でこうなった!?・・・考えてもわかるかぁ!!

「い、いいいい今のって!?」

「あ~、なんや晶の顔見た瞬間な・・なんていうかな・・」

「その、胸がきゅ~ってなっちゃって・・・ね?」

「うん、今までの我慢してた分がでちゃった」

あ、そうなんだ。我慢してたのなら仕方がないか・・・・って納得するはずがないだろ!?

OKまかせろ、状況をよく分析するんだ俺

1、俺はママ達が泣いてるのを見た

2、俺はそれを見て逃げようとした

3、レナ達に見つかって覚悟を決めた

4、ママ達に甘えた

5、キスされた(舌も入ってきた)

・・・・・すまん、やっぱわからん

えと、キスというのは愛してる者同士がするものであって・・・あれ?

ふむ・・・俺はママ達を愛している

ママ達も俺を愛してくれている

・・・なんだ問題ないじゃないか

何で焦ってたんだろうな・・・ん~、何か違う気がしないでもないが・・・

・・・気にしても始まらないな、俺はママを愛している→ママ達も愛してくれている→問題なし◎

うん、全然大丈夫じゃん

「ママ・・・ありがとうね」

「「「晶」」」

「愛しとるよ」
「愛してるよ」
「愛してる」

「俺もママ達のこと愛してる」

そうして抱き合っていると・・

ピンポーン

来客を知らせる音がする

「こんな夜中に誰だろう?」

「なんや?今ええところやったのに」

「こんな時間に珍しいね」

「緊急の用事かな?」

緊急の用事なら通信が入るはずだし・・・「ズドンッ!」・・・・何今の音?

ドゴーーンッ!!!!メキメキ・・・・カランカラン・・・

玄関のドアが壊される音がする、続いて聞こえてきたのは・・・

「保健所で~す・・・・発情している猫が居ると聞いて「駆除」しにきましたよ~~・・・・」

ティアナさんの声だ

こんな夜中にどうしたんだろう?

てか何でドア潰してるんだ?

「晶様、少々下がっていたほうがよろしいかと」

「あらあら、随分と早い到着でしたわ♪」

いつの間にかレナとセラスが傍に居た

すると突然叫び声が聞こえる

「居るのは知っているんですよ!・・・さっさと表出ろ淫乱メス猫どもがぁ!!」

・・・・何やら御立腹の御様子・・・・・一体何があったんだ?

はやてママがレナ達を見て・・

「レナ、セラス・・・あんたらもしかして・・・」

レナは気まずそうに

「申し訳ございません、私は止めたのですが・・・セラスがどうしてもと言ってきかないもので・・」

セラスは万遍の笑みで

「あらあら、晶ちゃんの復活シーンを独占生中継で御届けしただけですわ♪」

・・・何でそれで怒ってるんだ?他に何かあったのかな?

するとなのはママが庭に出る為のガラスドアを開けてフェイトママはリビングに入るためのドアを魔法で強化する

「はやてちゃん!」

「はやて!」

「わかっとる!一時撤退や!!晶はこのままおとなしくしときや!?」

「あ、うん。わかったけど・・ママ達はどこいくの?それにティアナさん来てるけどどうするの?しかも扉壊すくらい急いでるみたいだし・・会わなくて大丈夫?」

俺が質問し終わる頃にはママ達はもの凄い勢いで飛んでいってしまった

俺はレナ達を見て

「なぁ、何かあったのかな?」

「晶様、心配には及びません」

「晶ちゃんは笑っていれば問題ありませんわ♪」

その後ティアナさんが壁をぶち抜いて部屋に入ってきたがママ達がどこかに行ったのを確認すると俺に近づいてくる

俺の目の前まで来ると突然俺の肩を掴んで・・・・・

「ティ、ティアナさん?怖いんだけど・・どうし・・・・んっ・・・んぅぅ!?」

ママ達と同じことされました

「ぷはぁっ・・・これから私の事は「ティア」て呼びなさい・・・良いわね?」

「う、うん」

「・・・・やっぱりそれだけじゃ納得できない・・・一番は私が狙ってたのに・・・狙ってたのに・・!・・・・狙ってたのにっっ!!」

・・・すげぇ怖いです

どうやったらこの人をこんなに怒らすことができるんだよ・・・

「地の果てまで追い回してやる・・・」

その言葉を残してママ達と同じように飛んでいこうとして

「まったく・・どれだけあんたのその「笑顔」の帰りを待ってたと思ってるのよ」

「・・うん、ありがとう。それと・・・ただいまティアさん」

「礼なんていらない。笑ってくれればそれで良いのよ。・・・おかえり晶」

そう言ってティアさんは飛んでいった







======そして現在======





あの時、俺はそのままママ達が帰るまで待っていると昼頃に帰ってきたがバリアジャケットがボロボロになってた

何があったかは知らないけど俺は慌てて傍に行くとボロボロなのはバリアジャケットだけで身体には怪我を負ってなかったので安心したのは今となっては良い思い出だ

「結局あのときなんでティアさんは怒ってたんだろう」

つい声を出してまった

「晶様、どうかなさいましたか?」

「晶ちゃん?」

レナ達が俺の声に反応して聞いてくる

「いや、なんでもないよ」

二人にそういうと俺はプレゼントを買いに街まで来ていたことを思い出して、とあるアクセサリー店に足を運ぶ

明日は俺の誕生日・・・別に俺の誕生日なんてどうでも良い

ただ、重要な日であることは確かである

実はママ達に今までのお礼や感謝の意を込めたプレゼントがどうしてもしたくて俺はアルバイトをして金を溜めたのだ!

そして明日それをプレゼントする!初めてプレゼントする!

まだ前日だというのにめちゃくちゃドキドキしてますよ俺!

買ってもいないのに浮き足立ってます!

正直な所、こんな気持ちになったのは初めてで完全に感情を持て余していた

それに最近ママ達の事を考えると胸が凄く暖かくなっていく

以前もママ達の事を考えたり笑顔を見ていると暖かくなったけど、これはどこか違う・・・何が違うかわかんないけどとにかく違うんだ

その違いが分からず最初は戸惑ったけど不快ではではなかった

レナ達に相談すると・・・

「晶様、今のその気持ちをお忘れないよう大切にしてください」

「晶ちゃん、それは「宝物」ですわ♪決して無くしてはなりませんよ?」

そう言って微笑んでくれた


そんな事を思い出していると目的地の店に着く

店内に入り早速物色を始める

レナとセラスは俺が選び終わるまで待っているという

二人曰く「私達が居てはお邪魔になりますので」「それは晶ちゃんが一人でお選びにならないと意味がありませんわ♪」

ということらしい

そういうわけで店内を見回る

しばらく見ているとある指輪に一際目を惹かれた

「うわぁ・・・きれいだなぁ」

その指輪は三つで一組になっているようでそれぞれ違う形をしていた

その形は、十字架、星、月、となっていてまるでママ達を表しているように見えた

ショーケースに入ってるその指輪の値段を見るとそこには・・・・

・・・無理!なにそれ!?絶対買えない!

俺がその指輪を見ていると店員さんに声を掛けられた

「今ケースから出しますので一度手にとってみますか?」

「え?あ、はい」

返事してしまいました・・・・

店員さんは白い手袋をしてケースから出してくれる

出された指輪はケースの中でさえ輝いて見えたのに目の前で見るとより一層輝いて見えた

それに見とれていると店員さんが聞いてくる

「大事な人への贈り物ですか?」

「は、はい。・・けどちょっと、その・・・予算が足りなくて・・・・」

「そうですか・・・御予算はおいくらでしょうか? もしよろしければ御予算にあわせた物をこちらでピックアップさせていただきますが?」

「あ、いえ。自分で何とか探してみます。ありがとうございました」

「いいえ。それではごゆっくりお選びください」

俺は店員さんがケースに戻そうとするそれからどうしても目が離せなかった

すると突然声を後ろから掛けられる

「なんだ兄ちゃん、それが欲しいのか?」

「び、びっくしたぁ・・あの、失礼ですが・・・誰?」

喋りかけてきたのは三十台前半?くらい、背丈は180くらいだろうか。無精髭を生やしスーツを着ている男性だった

「誰だっていいじゃねぇかよ。それよりそれが欲しいのかって聞いてるんだ」

「欲しいけど・・・格好悪いことに予算が足りないから諦めることにしたんですよ」

見ず知らずの奴に突然喋りかけられた挙句に何答えてんだよ俺・・・

「そうか・・・予算はいくらあるんだ?」

「これだけしかないです」

俺はそう言って財布の中身を見せる

「ふむ、確かにそいつは厳しいな」

「そういうわけで他の探してみます」

話を切り上げて他のを見ようとすると

「なぁ兄ちゃん、そいつは誰にやるんだ?」

その人につい返答してしまう

「・・・俺の大切な人です」

「それだけじゃ分からない。どれくらい大切なんだ?」

「どれくらいとか比べる事なんて出来ない・・・・」

「はっ!模範的な回答だなそりゃ。んじゃ何かい?命でも張れるのか?」

なんかムカツクなこの人

「うるさいなぁ、俺の命なんかでその人達が助かるならいくらでもあげるよ」

「ほぅ・・面白い事言うな兄ちゃん。しかも「達」ときたもんだ」

「悪いか?」

「いいや、別に悪かねぇよ。ただこんな時代に命を張れるだけの価値のある人間なんて本当に居るもんかね?」

「・・なぁ、馬鹿にしてんの?」

別に俺が馬鹿にされんのなんてどうでもいい、確かに俺は自分でも思うほど馬鹿だからな

ただし・・・

「いや、兄ちゃんの事を馬鹿になんてしてねぇよ。ただ兄ちゃんの言うその大切な人達てのが胡散臭くてね」

・・・・・ママ達の事は別だ

「ママ達は胡散臭くなんて無い」

「ママ達?それが兄ちゃんの大切な人達かい?やめとけやめとけ親なんて一番最初に裏切られるだけだぞ」

・・・今なんて言ったこいつ?

「悪いこた言わねぇよ、その指輪をプレゼントしたところで親なんて子を見てくれやしねぇよ。もしかしたらプレゼントしたその日に売られちまうかもな」

・・・ちょっと黙れ

「大体なぁ、本当に兄ちゃんのママ達とやらににこれを渡すだけの価値なんてあるのか?どうせあの辺りで子供ほっぽりだして井戸端会議でもしてるような親だろ?」

はい決定・・・こいつ死なす

絶対死なす!

何が何でも死なす!

俺がそう思って魔力を込めた腕を振り上げようとした時・・

「でもな兄ちゃん」

なんだ?遺言でも言いたいのか?

「本当に命を張れるだけの価値があるだけのママ達なら・・・持っていきな」

そいつは店員さんに指輪をケースから出すように指示して俺の前に出してくる

・・・・・は?意味がわからん

「なんだ兄ちゃん、要らねぇのか?」

俺は呆気にとられて腕に込めていた魔力を四散させてしまう

「いや、だからお金が足りないって言ったの覚えてないの?」

「んなもん要らねぇよ。ほれっ持ってけ」

これまたきれいなケースに入った三つの指輪をそいつは俺の胸に押し当ててくる

押し当てられたそれを俺は手に取る

「え、いや・・・なんで?」

そいつを見ると店員さんがそいつの事をこう呼んだんだ

「オーナー、よろしいのですか?」

お、オーナー!?

こいつが!!??

「かまやしねぇよ。俺はこいつが気に入ったんだ、文句あるか?」

「いいえ。皆はオーナーのそういうところが好きなんですよ」

初対面の人間にいきなりあんなこと言う奴がオーナー!?

ありえねぇよ!

「なぁ兄ちゃん、名前は?」

「え、あ、不和晶・・・て言います」

俺は混乱しながらも答えた

「敬語なんて要らねぇよ、って!?不和晶!?」

な、何で名前くらいで驚くかな?

俺の名前てそんなに変か?

「兄ちゃんもしかして「桃園の三姉妹」の息子、不和晶か!?」

「桃園の・・・何だって?」

誰の事かわからず聞き返してしまう

「兄ちゃんの言ってたママ達てもしかして、八神はやてさん、フェイト・T・Hさん、高町なのはさん、か!?」

「そうだけど・・・なんでママ達のこと知ってるの?」

「財界のパーティやら要人警護やらで会ったことが、それにテレビで・・・・ってそんなことはどうでもいいんだよ!」

オーナーとやらはいきなり俺の顔を覗き込んで

「確認したいことがある・・・兄ちゃん、サングラス取ってくれるか?」

俺は少し悩んで・・・恐る恐るそれを取った

サングラスを取ると店員さん達が何かしら声を上げている

・・・やっぱ引いたな

どうせ気持ち悪いとか思ってんだろうな~

「・・・本当に右が金で左が銀なんだな。聞いてた通りだ」

もういいだろうと思い俺はサングラスを戻そうとすると店員さんの一人が「あっ」と声を上げた

俺はその店員さんをつい見てしまう

「す、すいません!その、せっかくのきれいな瞳をなんで隠すのかなぁと・・・」

きれい?

どこがだよ・・・こんなの気持ち悪いだけろうに

すると先ほど俺に指輪を見せてくれた店員さんが俺を覗き込んできた

「きれいな瞳ですね。まるで宝石のように輝いていらっしゃいますよ」

・・・正直嬉しかった

ママ達や家族以外にそんな事を言われたのは初めてだ

「き、気持ち悪くないの?」

今の言葉が嘘では無い事を知りたくなって確認してしまう

「気持ち悪いなんてとんでもありません、とてもきれいでいらっしゃいますよ」

「あ、マネージャーもそう思います?」

「ですよね~」

店員の女性達はきゃいきゃいと騒ぎ出した

するとオーナーと呼ばれていたやつが店員さん達を一瞥して俺に向き直る

「兄ちゃん、自己紹介がまだだったな。俺はサス・アイアスだ。サスでいい、よろしくな晶」

「あ、よろしくお願い・・・します?」

「なんで疑問系なんだよ」

「だってママ達のこと悪く言ったし」

「はは、すまんすまん。そんなつもりじゃなかったんだけどな」

もういいけど・・・

「そうだな、お詫びと言ってはなんだが兄ちゃんにやった指輪に名前を彫ってやるよ。それと一つだけ何か奢ってやる。・・それと晶、これは頼みごとなんだがな・・・・」

サスは俺の後ろに目をやって

「頼むから後ろの二人をどうにかしてくれねぇか?おっかなくて客が全部逃げちまった」

サスに言われて俺が振り向くとそこにはレナとセラスが戦闘いつでもOK!てな感じで仁王立ちしている

「晶様、串刺しでよろしいでしょうか?」

「あらあら、ぶつ切りの方が好みですわよね♪」

どっちも嫌だよ!

「晶の連れだろ?何とかしてくれ・・・流石に婚約する前に死にたくないからな」

「レナ、セラス、なんでもないから下がっててくれ」

そう言うとレナ達は獲物を下げてくれる

というか店員さん達は今のレナ達を見て何とも思わないのか?普通ならビックリするだろ?

「あんがとよ。んじゃ名前彫るか」

サスはそう言って店の奥へ行こうとする

「ちょ、ちょっと待ってよ!」

俺は慌てて呼び止めた

「あ?心配すんな時間はかからねぇよ」

「そうじゃない、知り合いでもなかったのに何でそんなことしてくれるんだよ?」

「気に入ったんだ。ただそれだけだな」

「さっきもそう言ってたけど、気に入ったてなんだよ?俺はただ指輪みてただけじゃん」

「そうだな・・・暗い店内に居るのにサングラスを取らないちょっとおかしな所が気に入った「晶様、やっぱり」・・・・てのは冗談な?」

レナが睨むと言い直しやがった

「この指輪はちょっと特殊でな、指輪が持ち主を選ぶんだ。わかるか?」

「まったく」

「ちょっとは悩んでから言えよ!まぁいい、晶はこの指輪見た時どんな感じに見えたか覚えてるか?」

「普通にきれいに輝いてた・・かな」

「まずそこだな。「こいつ」は自分の気に食わない奴には鈍くしか輝かない。というか俺はそれしか見たことないな」

「え?今でもきれいに輝いてるじゃん」

俺はサスに渡した指輪を見て言う

「そうだな。だから晶にやるんだよ」

「??」

「まだわかんねぇのか?ショーケースから出した時はどうだった?」

「めちゃくちゃ輝いてたかな」

「そういうこと。「こいつ」は晶を主に選んだんだよ。というか晶にプレゼントしてもらいたがってるんだ」

「・・サス・・・今すぐ一緒に病院に行こう。安心してくれ凄く腕のいい俺の姉さんだ」

「おいこら、可哀想な人を見るような目でみてんじゃねぇよ」

いや、普通ならそう見るだろ

「こいつは俺がある銀鉱から一から削りだして作ったんだが・・・どうやらその銀鉱が特殊すぎたらしくてなぁ・・・・・精霊石ていうらしいが、少しだが自分の意思というのを持ってるらしい」

・・・本格的に病院を勧めないといけないような気がする

「意思を持ってる指輪て・・・ありえるのか?」

「あるんだからしょうがねぇだろ?それに会話をしていた時、お前の「意思」を俺は感じた。俺はそこが気に入ったんだ」

「・・・・」

「まだ信じてねぇて顔だな、まぁそのうちわかるさ。しっかし晶があの噂の息子とはね~・・・驚いたぜ」

「そういえば何で俺の名前しってんの?」

「知ってるも何も有名だぞ?財界のトップ連中や管理局の御偉いさん達の誘いを「晶が待ってますのでこれで失礼します」と言って撃墜した数は1000以上とか言われてるしな」

「?せっかく誘ってくれてるのに何で俺なんかの為に断ってんだろママ達」

「・・・晶、本気で言ってんのか?」

「だってそうだろ?ママ達はいつも俺の為に時間とか割いてくれてるんだよ?たまにはゆっくり遊んだり休んでほしいよ」

「鈍いってのは罪だな。それもこいつの場合は大罪だ。そりゃ桃園の三姉妹も苦労するわな」

「??」

「もういい、気にすんな。というわけで名前彫るけどリクエストあるか?」

「あ、うん。じゃぁ・・・・・・・・て彫ってほしいけどいいかな?」

「わかった。俺が彫り終わるまでにもう一つ選んどけよ」

「あ、ちょっと待って。こんなけしか無いけど受け取ってほしい」

「だから要らねぇて言ってんだろうが」

「そんなわけにはいかないよ。それに俺がママ達に買ってあげたいんだ」

「・・・・益々気に入った。そんじゃこれは受け取っておいてやるよ」

「ありがと」

俺はサスに全財産を渡した

サスは奥へ彫りに行ったのでお言葉に甘えてもう一つの物を選ぶ

それはすぐに見つかった

「店員さん、ちょっといいかな?」

「はい」

さっきマネージャーと呼ばれていた女性が来てくれる

「これにしたいんだけど良いかな?」

俺は銀十時のネックレスを指差す

「かしこまりました。こちらはどうなさいますか?」

「んとね、出来たらこれにも彫ってほしいんだけど無理かな?」

「どのように致しましょう?」

「・・・・・て彫ってってサスに伝えてくれるかな?」

「かしこまりました。ではそのようにお伝えいたします。少々お待ちくださいませ」

それはもう一人の俺の大切な人への贈り物

喜んでくれるといいけど・・・

「晶様、きっと喜んでくださいますよ」

「喜ばないはずがありませんわ♪ ですがあの指輪・・・」

「指輪がどうかしたのかセラス?」

「あの指輪が精霊石で出来ているのは確かです。それも極上物ですね。しかもあの方は銀鉱から採れたと仰いましたわ」

「ああ、言ってたな」

セラスが説明を続ける

「本来なら精霊石は地中奥底のクリスタルから極稀に採れる奇跡の石です。ですが銀鉱から採れた・・・それは多分ですがマジックレアメタルからですわ」

「マジックレアメタル?」

「遥か昔に神々の時代の戦争で神が使った魔法が何らかの形で鉱石に付着し、それが固着された物・・それがマジックレアメタルですわ。まさかこの目で見れる日が来るとは思いませんでしたけどね」

「そんな凄い物なのか?」

俺の問いにレナが答える

「晶様、凄い物とかそんなもではありません。神の寵愛を受けし者しか授かる事が出来ないとまで言われる物です」

「ほぇ~・・・なんでそんな物がここにあるんだろうな・・」

「主を求めていたのかも知れませんわ。そしてそれは今日達成されたのでしょうね」

「てかさ、俺が主に選ばれたとしてそれをプレゼントしてしまっていいのかな?指輪が拗ねそうなんだけど」

そう言うとレナ達は突然笑い出した

「拗ねる・・ですか。晶様らしいです」

「ふふ、大丈夫ですよ晶ちゃん♪。寵愛を授かりし者は己の寵愛を表す為にそれを愛する者へ渡すと言われています。拗ねる所か指輪も喜んでくれますわ♪」

「なら良かった。安心して渡せるね」

「はい」

「ですわ♪」

しばらくすると奥からサスが出てくる

「待たせたな、しっかし後から持ってきたネックレスに入れる名前を聞いてビビッタぜ・・・まさかあの「管理局のアイアンメイデン」とはな・・恐れ入った」

「誰それ?」

「誰それって・・・・お前ほんと何も知らねぇんだな。まぁいいや完成したぜ」

サスはそれをきれいな包みに入れて渡してくれる

「本当にありがとう。おかげでママ達に喜んでもらえそうだよ」

「かまわんさ、俺が勝手にしたことだ」

「それでもさ。ありがとう」

「あ~、はいはい・・わかったからそれ持って早く行ってやんな。渡すんだろ?」

「渡すのは明日だけどね。それじゃ行くよ」

「ああ、また暇だったら顔出せよ」

「うん。またね」

そして俺は店を出た

店から出ると途端に冷たい寒気が押し寄せてくる

「~~っさぶ!」

「晶様、このままではお体が冷えてしまいます。お早く戻りましょう」

「あらあら、風邪でもひいては大変ですわ♪」

「そうだな、早く戻ろう」

そう言って俺達は車の停めてある駐車場に向う

駐車場に着くと運転はレナで助手席にセラスが座り・・・・

「なぁ、来るときもそうだったんだけどさ・・・・なんで俺はここなわけ?」

俺はセラスの膝の上だった

「あらあら、私では嫌ですか?」

「いや、そうじゃなくてだな・・・これって危なくない?」

しかも狭い

「御安心ください晶様、事故が起ころうと晶様には怪我一つさせません」

そりゃレナ達がいれば事故なんて起こっても大丈夫なんだろうけどさ・・・

「晶ちゃんは気にせず膝の上で私に抱かれていればいいのですわ♪」

「わかったよ」

そうして俺達は家に向って車を走らせる

何時の間にレナは免許を取ったんだろうな・・・まさか・・・・いや、余計な事を考えるのは止めよう・・・・・知らないほうが良い事もあるさ!

もうすぐ家に着くなぁ、とか考えていると突然視界がブレる

「おぉっ? な、なんだ?」

「セラス!晶様を!」

「大丈夫ですわ!」

レナは車を急停止させる

車が停止しても俺の視界はブレている・・・ということは地震だなこりゃ

しばらくすると揺れが収まる

「地震なんて珍しいな」

「そうですね、何かの予兆でなければいいのですが」

「あらあら、さしたる混乱も無いようですし帰りましょう」

車をまた走らせると程なくして家に着いた

俺は家に誰も居ないことを確認するとそそくさと自分の部屋に戻り先ほど手に入れたプレゼントを隠す

「明日が楽しみだな」

まぁ明日のことは今は置いておいて、とりあえず学校の課題でもするか

その日はそのまま何事もなく過ぎて・・・・






そして・・・・とうとう当日の夜

「やべ・・・なんか・・・身体が震えてる・・」

プレゼントを手にしたまま部屋で固まってしまう

受け取ってくれなかったどうしよう・・・・ガッカリさせてしまったら・・・

そんな事を考えると怖くなって動けなくなってしまった

既にママ達にティアさんはリビングで待ってくれている

「晶ー準備できたさかいにはようおいで~」

はやてママの声が聞こえる

こ、こういう時は深呼吸だ!

・・・・よし!

依然身体は震えているが行くしかない!

「い、今行くよ~!」

返事しちまった!とうとう返事しちゃったよ!

覚悟を決めろ不和晶!

何の為に今までバイトしたんだ!?

ママ達の為だろ!

気合を入れろ!腹を括れ!

・・・・・いざ出陣!

部屋を出て廊下を歩き・・・リビングのドアの前までくる

俺は未だかつて無い程の緊張を体感しております!

だ、誰か助けて・・・

いつもなら俺の後ろに居るはずのレナ達も今日はこの扉の向こう側・・

俺はドアノブに手を掛ける

ガチャリという音を立てて扉が開いていく

扉を開いて俺が中に入ろうとすると部屋の明かりが全て消えて真っ暗になる

その暗転に目がついていかず完全に視界を失う

すると部屋の真ん中からポツポツと小さな明かりが灯りだす

それは一つ一つ灯っていき全部で16灯るとその明かりのおかげで周囲が少しだが見えてくる

周囲にはママ達が居て・・・ティアさんが居て・・・レナ達が居て・・・ルナやホタルまで居た

「晶、おめでとうな」

「おめでとう晶」

「おめでとう。とうとう16だね」

ママ・・・ありがとう

「私も16なんだけどね・・・おめでとう晶」

ティアさんありがとう

続いてみんなが俺を祝ってくれる

「みんな、あり・・・が・・・とぅ・・っ」

あれ・・・何で泣いてんだよ・・

「去年は泣かんかったくせに今年は何で泣くねんや晶は」

「あは、嬉しいからじゃないかな」

「にゃはは、晶こっちにおいで」

「もぅ、泣くのは後にしてロウソクを吹き消しなさいよ」

俺は涙を拭い、ママ達の傍に行ってロウソクを吹き消す

「よっしゃ!それじゃ料理でも食べよか」

はやてママがそう言うと部屋に明かりが戻ってきて、みんな料理に手をつけようとする

「あ、その・・・ちょっと待って・・・ほしい・・・かな」

声を出すとみんなは一斉に俺を見る

「どうしたんや?」

「晶?」

「どうしたのかな?」

「なんかあったの?」

みんな一様に聞いてくる

深呼吸をして落ち着く

周りを見るとレナ達が居ない・・・気を利かせてくれたんだろう

「そ、そのっ!・・・こ、ここここれを受け取ってほしい!」

ママ達の目の前にそれを差し出す

「「「・・・」」」

ママ達はそれを無言で受け取ってくれる

そして・・・

「これ・・開けてもええか?」

「はは、何だろうね?」

「楽しみだね」

包みを丁寧に取ってくれると一つの箱が出てくる

「開けてみて」

俺がそう言うとはやてママがそっと開けてくれる

「「「っ!!」」」

箱の中には昨日とは比べ物にならないくらいの輝きを放つ指輪が三つ

「これ・・・指輪・・・か?」

「・・た、多分・・・」

「そう・・だよね」

ママ達は指輪を見続ける

「良かったら・・着けてほしい」

「・・・・晶がうちらに着けてくれへんか?」

「うん・・晶に・・・ね?」

「・・晶から私達に着けてくれる?」

「うん!」

良かった・・・受け取ってくれた。喜んでくれてるかはまだわからないけど・・・

俺は十字を模った指輪を手に取り・・・・あれ?・・どの指に入れるんだっけ・?

指輪を手に取ってどの指に嵌めていいか分からず迷っていると指輪がとある指の前で輝きを増したような気がする

・・?・・気のせいかな?

俺はもう一度指輪をはやてママの指も前でふらつかせると左手の薬指の前で輝きを増した

・・ここに嵌めろって事なのかな?

はやてママは何も言わず俺が嵌めるのを待ってくれている

この指輪は意思があるって言ってたし・・・こいつが教えてくれてるんだろう

そして俺は・・・はやてママの左手の薬指にそれを嵌める

少し大きいかもと思っていた指輪は指に嵌めるとまるではやてママの為に作られたようにピッタリだった

・・・なんか縮んだように見えたのは俺だけか?

はやてママは嵌められた指を顔を赤らめて見ている

「私も早く嵌めてほしいなぁ・・・」

「晶~は~や~く~」

フェイトママとなのはママに早くとせがまれて俺ははやてママと同じように左手の薬指に嵌める

ママ達は嵌められた指輪をしばらく見つめていると・・・

「・・・ほんまに貰ってもええんやね?」

「・・・嘘とかじゃないよね?」

「・・・後から返せって言っても返さないよ?」

「ママ達の為の物だよ・・・ありがとうママ。愛してる」

するとママ達は・・・・

「おッっっっっっっっっっっっっしゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!見て!見て!フェイトちゃん!なのはちゃん!」

「晶から指輪!晶から指輪だよ!!夢じゃないよね!!??」

「指輪だよ!左手だよ!?薬指だよ!?間違いないよね!?晶から貰ったんだよ!?」

まさに狂喜乱舞とはこのような事を言うのだろう・・・ママ達は指輪を互いに見せ合ったり部屋を走り回ったり・・挙句には・・

「後二年なんかもう待ってられるかぁ!!」

「もう限界だよ!今すぐに!!」

「我慢なんてできないよ!してたら死んじゃうよ!!」

な、なんかすげぇな・・・ま、まぁ喜んでもらえてよかった

もうママーズはここに居るもう一人の事なんて忘れてるんだろうなぁ・・・と思いつつ俺はティアさんを見ると

っ!? な、なんで泣いてるんすか!?

ティアさんは足をペタンと地面につけて泣いている

「あ、あの~・・ティア・・さん?」

「・・うぅ・・・ふぇぇ~ん・・・・・」

なんかマジ泣きです!本気と書いてマジで泣いてますよ!なんで!?どしたの!?

そ、そうだ!ティアさんにもあれ渡さないと!

「ティ、ティアさん・・・こ、これティアさんの為に選んだんだ!受けって・・・くれる?」

「・・・ふぇ・・・ぐす・・・・・え?」

あ、泣き止んだ

「・・・わ、私に?・・」

「うん。ティアさんも開けてみてよ」

ティアさんが包みを開けると木製のアンティークっぽい長細い箱が出てくる

「・・・鉛筆ケースとかじゃないわよね?」

「そんな悪趣味な冗談しないよ!」

俺に確認を取ってティアさんはそれを開けた

「・・・・・」

「どうかな?」

しばらくそれを見ていると突然俺にそれを突きつけてくる

ど、どうしよう・・・突っ返された・・・・・・気に入らなかったのかな・・・

俺が本気で泣きそうになっているとティアさんがペタリとその場に座り込んだままで

「早く・・・いつまで待たせるのよ」

ティアさんは俺と突っ返したそれを交互に見て睨んでくる

「・・・?。え、えと・・・」

「早く!」

「は、はい!」

多分だけど着けろと仰っていると思います!・・・そう信じたい

俺はネックレスを取り出して屈んでティアさんに着けてあげる

その際、ティアさんに近づいたときに凄く良い匂いがして・・・何でかしらないけどドキドキした

昨日寒かったから変な病気にでも貰ったのかなぁ・・

「出来たよティアさん」

ティアさんはコンパクトを取り出して自分の姿を確認する

「・・・・・どう?」

俺に意見を求めてくる

「うわぁ・・綺麗・・・・」

めちゃくちゃ綺麗でした・・・半端無く綺麗だ

「・・・・ゃった・・・」

何かボソッと呟いて小さくガッツポーズをしてティアさんは俺を見る

「晶、来月頭の日曜日私に付き合いなさい」

「え?あ、うん。良いけどどうしたの?」

「兄さんに紹介するのよ。いいわね?」

「わ、わかった」

ティアさんはそう言うとテラスに出る。そしてその瞬間

「私だって我慢の限界なのよぉぉぉぉぉ!!!!!」

なにやら叫んでました

「み、みんなどうしちゃったんだろ・・・」

呆然とその様子を見ているとママ達がこっちを見ている事に気づく

・・・何かもの凄く熱心に見られてるような気がする

しかも・・・ちょっぴり怖いです・・

ママ達はジリジリと俺に近づいてきて・・・目の前まで来るとはやてママが・・・

「まぁティアナにプレゼントしたのは大目にみるわ。・・・けどな・・」

フェイトママも・・・

「・・・晶・・私もう限界だよ~・・・」

なのはママまでも・・・

「もうお預けは耐えられないよ・・・晶も良いよね?」

・・・何が限界で、何が耐えられないのかわかんないけど・・・・これはもしかして危険?

俺はママ達から一歩退くとトンッと背中に柔らかい感触がして止まる

後ろを振り向くとそこには・・・・

「ねぇ晶、上の一番くれなかったんだから・・・次は私からでいいわよね?」

ティアさんが顔をほんのり赤らめて俺の腕を掴んできた

・・・・確信した・・危険かもじゃない・・・・・危険だ!

俺を待ってる間にお酒でも飲んだ!? いや、お酒の臭いはしないし、テーブルを見るとまだ封が開いていない

俺が以前やろうとしてた薬でも打ったのかな?・・・そんなわけないか。あれが危険な物だって事くらいみんな知ってる

そんな事を考えているとママ達がティアさんと揉めだした

「ティアナ、その手を離し」

「晶と少しお話があるからティアナは少し待っててね」

「そこの料理でも食べて待っててね」

ティアさんは俺の腕をさっきよりも強く掴む

「丁重にお断りします。中将達こそそこにあるお酒でも飲んでゆっっっくり待っててください。あ、大丈夫ですよ?時間はそんなに取りませんから」

ティアさんは気迫の篭った目でママ達を見る

俺はこの空気に耐えられなくなって止めようとして声を出す

「こんな時に喧嘩はやめようよ。ね?ママ達もティアさんもみんな一緒に料理食べよう?」

その言葉にフェイトママとなのはママは、しゅん、とした顔になって「ごめんね」と謝ってくれる

ただ、はやてママとティアさんは・・・・

「大丈夫やで晶、喧嘩とちゃうよ・・・・・意地やっ!」

「晶は少しまってなさい・・・・今すぐこのメス猫の魔の手から助けてあげるわ」

「ほぅ・・言ってくれるやないの。自分に止められるおもてるんか?」

「止めるだなんて・・勘違いしないでください。潰すだけです」

「嫉妬はみっともないで」

「年中発情してるよりましです」

「本性だしたな女狐」

「黙れ子狸」

プチッ・・・・

あ、何か変な音がした

「上等やぁ!表でんかい女狐ぇ!!」

「言われなくても出てやるわよ!ぎゃ~ぎゃ~うっさいのよ子狸!!」

何で・・・何でこうなっちゃうのかな・・・

何でもっとみんな笑ってくれないの?

せっかく・・・せっかく・・

「・・・う・・・・うぇ・・・・うぅ・・ぐすっ・・・」

二人が喧嘩しているのをみて悲しくて堪らなくなって俺は格好悪くも泣いてしまう

その刹那

ズドドドンッ! え?

「二人とも・・・ちょっと頭冷やそうか」

なのはママがはやてママとティアさんの間に撃ち込んだようだった

「晶を泣かせて何してるの?まだ続けるようだったら・・・・許さないよ?」

フェイトママが今まで俺が見たことないような凄みをきかせて喧嘩をしていた二人に言う

「け、喧嘩なんかしてへんよ!?親睦を深めてただけやで!?そやなティアナ!?」

「そ、そうですよ!ほら見てください!もう抱きあっちゃうくらい仲良いんですよ!?」

良かった。仲直りしてくれたみたいだ

俺が泣き止むのを見てなのはママとフェイトママが声を掛けてくれる

「晶、二人のこと許してあげる?」

「二人ともちょっとはしゃいでただけだから許してあげて?」

「うん。別に怒ってなんてないし、ちょっと悲しかっただけだから・・・もう大丈夫だよ?」

そう言って喧嘩していた二人に近づく

「泣いてごめんね・・料理食べよ?」

「晶は悪ぅない」

「晶が謝る必要なんてないわよ」

二人の手を引っ張って俺は料理の置いてあるテーブルまで連れて行こうとして

「・・・・あ・・・・れ・・・?・・」

俺はその場に倒れた

「「「「晶!?」」」」

身体に力が入らない・・・

「晶!どうしたんや!?」

「フェイトちゃんシャマルさんに連絡して!」

「わかった!晶待っててね!」

「中将!救護班ごと呼んでください!そのほうが早いと思います!」

すぐに身体に力が入るようになる

「だ、大丈夫だって!プレゼント渡して気が抜けただけだよ!」

立ち上がって何とも無いことをみんなに見せる

「ほら、ね?」

怪訝な顔をしながらも

「・・わかった。けど明日はシャマルに見てもらうで?」

「晶がそういうなら・・・」

「でも心配だよ」

「これが終わったらゆっくり休むのよ?」

何とか信用してくれたようだ

「ほんとに大丈夫だよ。それよりも料「ドンッ! メキ! ドドドン! ゴンッゴンッ!」・・・!?」

・・・な、なんだぁ!?

「今度はなんや!?」

「今の音・・・上から?」

「この上って・・晶の部屋だよね?」

「まさか泥棒?」

この家に泥棒とか勇気あるなぁ・・・そんなこと考えてる場合じゃないか

「うち見てくるわ。なのはちゃんとフェイトちゃんは晶を頼むわ」

「あ、私も付いていきます」

「わかった。気をつけてね」

「はやてちゃん、何かあったらすぐ呼んでね」

はやてママとティアさんが行こうとする

「待って!みんなで行こうよ。そのほうが安全だと思う」

俺がそう提案するとママ達は少し考えて

「それじゃみんなでいこか」

「晶は私から離れないでね?」

「にゃはは、絶対に護るからね」

「それじゃ行きましょう」

みんなバリアジャケットに身を包んでリビングを出る

警戒しながら廊下を渡り、階段を上がって俺の部屋の前へと着いた

すると聞き取れないが中から話し声が聞こえる

「晶、少し下がっとき」

俺は無言で頷きママ達から少し離れる

ママ達はデバイスを握り締めて部屋のドアを蹴るようにして開けたその瞬間・・・

・・・・・あれ?なんでママ達は固まってるの?

すると突然はやてママが部屋のドアを潰れそうな勢いで閉める

「・・どうし「なのはちゃん!フェイトちゃん!部屋と壁全体に強化かけて!ティアナは晶を連れて下に降りて待機や!」・・!?」

「どうしたのママ!?何があったの!?」

俺がはやてママに詰め寄って聞くと

「ええから早く「何閉めてんねん!開けんかい!」・・ちぃ!うるさいやっちゃなぁ!」

・・・・今中から聞きなれた声がしたような・・

《壁と部屋にまで強化かけてるね・・これ》

この声も聞いたことがある

《にゃはは、完全に警戒されてるね》

この笑い声・・・

《くそ!うちらじゃ時間かかる!光やってもうてええで!》

やっぱり・・・この声は・・

「はやてママ・・・もしかしてこの声って・・」

「・・・しつこいやっちゃで・・ほんま・・」

「じゃ・・じゃぁやっ「ドッゴーンッ!」うお!?」

突如壁がぶち抜かれる

「けほっ・・けほっ・・・光やりすぎや・・ちょっとは手加減しなあかんで」

「だって母様がやっても良いって・・」

「光は加減を覚えようね?」

「にゃはは、完全に壊しちゃったね」

「准将がやっていいなんて言うから・・・」

壁の中から出てきたのは・・・

「「「「晶!!」」」」

はやて母さん・・・フェイト母さん・・・なのは母さん・・・ティアナ・・・それに部屋の中には守護騎士のみんなが居て・・・・

そして・・・黒髪の綺麗な女の子が居た

俺はその女の子を見て

「君は・・うごはぁ!!」

君は誰?と聞こうとして俺は母さん達に突撃という名のタックルというか抱擁というか・・・なんでもいいや。食らってしまいました

「晶!ほんまに晶やねんな!?嘘ちゃうよね!?」

「会いたかった!晶!晶!!」

「護りに来たよ!もう離さないよ!」

はは・・・嘘じゃないよね?本当に母さん達なんだよね?

「母さん・・・なんだよね?・・・」

「あったり前や!なんや知らんけどちょ~と若くなったけどな!」

「晶はもう忘れちゃったの?」

「晶が忘れても私達は絶対に忘れないよ」

「俺だって絶対に・・・忘れないよ・・・・・だって母さんだもん!愛してるもん!」

「「「晶!」」」

俺は母さん達と抱き合った

時間を忘れるくらい抱き合った・・・

すると先ほどの黒髪の女の子に声を掛けられる

「・・あ・・あきら・・兄様・・・・」

兄様!?俺って妹居たっけ!?

「・・・君は・・・・?」

「あ、あの!わたしっ!光って言うの!」

「・・・光・・?・・光・・・・・・光!?」

「私の事・・覚えてる?」

「覚えてるけど・・・・・本当に君が光?」

「やったぁ!母様聞いた?兄様覚えてるって!」

光と名乗る少女は母さん達を見て嬉しそうにまた俺を見る

「本当に光・・なのか?」

「ぶ~・・・兄様はさっき覚えてるって言ったのに私のことわかんないの?」

「俺が知っている光はまだ赤ん坊だったから・・・その・・・・ごめん」

「~~っ!兄様かわいい!!ほら、あなた達も兄様に挨拶をしなさい」

か、可愛いって・・・・

「こちらが光様のお兄様ですね?お初にお目にかかりますレナスと申します」

「あらあら、想像通りの方ですわね♪私はセラフと申します。以後よろしくですわ♪」

「あ、はい。よろしくお願いします」

突然レナとセラスそっくりの二人に自己紹介されて唖然としてしまう

そして俺の横にはいつの間にかレナとセラスがついている

「こちらが光様ですか・・大きくなられましたね。レナと申します」

「あらあら、綺麗になられましたわね♪セラスと申しますわ♪」

こっちの二人も自己紹介してました

「へぇ・・レナとセラスね、よろしく!」

いとも簡単に受け入れてますねこの子・・・・すげぇよ

「晶、久しぶりね・・・元気にしてた?」

「ティアナ・・・・今は元気だよ」

「そう、なら良かった・・・それじゃ・・・」

ティアナはそう言って顔を近づけてくる

「どうしたんだティ・・・・ん~っ!?」

「・・ちゅぅ・・・・ちゅぱ・・・・・ん、ちゅぅ・・・・・・っ。ちゅぷ・・・・」

「「「「「「「「!?」」」」」」」」

「・・・ぷはぁっ・・・・・会いたかったわよ晶」

ティアナは満足したような顔で言う

「・・・う・・・うちの晶に何さらしとんねん・・・・殺す!」

今まで傍観していたはずのママ達が・・・

「ゆ。ゆゆゆゆ許さない!」

おぞましいオーラを纏い

「ちょっと・・・表に出ろなの」

かなり恐ろしい事になりそうでした

でも今はそんなことどうでも良くって・・・今問題なのは・・

「ねぇ・・・母さん達は・・・・帰っちゃうの・・かな?」

はやて母さんが真剣な顔で一歩前に出て聞いてくる

「晶はそのほうがええんか?」

「っ!?良いわけない!傍にいて欲しい!」

でもそれは叶わぬ願い・・・母さん達にも向こうの生活がある・・友達も居て仕事もある・・・俺の我侭で縛るわけには・・・

「かまへんよ」

・・・え?

「晶が望んでくれるんやったらいつまでも居たる」

「で、でも!」

「でももヘチマもあらへんよ、なぁ?なのはちゃん、フェイトちゃん」

「うん、傍にいるよ」

「ずっと居るからね」

するとママ達が俺の前に出て母さん達と対峙する

「覚悟決めたんやね?」

「もう・・決めたんだよね?」

「晶をこれ以上泣かせないと誓う?」

母さん達はママ達の目を見て

「誓うよ」

「もう離さない」

「もう泣かせない」

母さん達の言葉を聞いてママ達は・・・・微笑んだ

「自分の事とはいえ・・・ようやるわ」

「あは、まぁ予想できたことかな?」

「にゃはは、本当に来るとは思わなかったけどね」

そう言ってママ達と母さん達6人は互いに笑う

「笑ってる場合じゃないですよ中将・・・とりあえずどうするんですか?」

「そうですよ准将。仕事に生活・・・色々と考えなきゃいけない事が多いんですから」

確かに・・・色々問題は山済みだな~

ガシッ!

ん?ガシっ?

腕に柔らかい何かが押し当てられている・・・

腕を見るとそこには光がくっついていた

「ねぇ兄様!光ね今日で16才になったんだよ!だから結婚できるんだよ?」

「おお!そうなんだ?俺も今日で16才になったんだよ。一緒だな」

「ほんと!?兄様とお揃い!」

「はは、そうだな。お揃いだな」

俺が光と喋っていると脇腹に何か拳が当たるような感触がして振り向くと

「よう、久しぶりだな晶」

「久しいな、元気だったか?」

「やっほ~、元気にしてた?」

「元気そうだな」

「リィンも居るですよ~♪」

「お久しぶりです副隊長、シャマル先生も元気そうですね。ザフィーラも相変わらずだな。リィンも来たんだな」

再会の挨拶をしていると次はママ達に引っ張られる

ボスッとフェイトママにいつものように背中から抱かれる

「はは、ママと母さんが合わせて6人になっちゃった」

俺がそう言うとママ達と母さん達はまるで照らし合わせたように

「「「「「「晶を幸せにするからね」」」」」」

「俺も絶対に幸せにしてあげるよ!」






それからの事を少し話そうと思う

あの後、俺の誕生日会は俺と光の誕生日会に変わり・・・・正しくどんちゃん騒ぎになった

ママ達は俺から貰った指輪を母さん達に見せ付けてご満悦だったようだ

母さん達は俺に駆け寄ってきて自分達も欲しいとせがまれたわけだが

「またバイトするから待ってて」

と、いうと百万ドルの夜景も霞んで見えるくらいの笑顔で了承してくれた

その際、母さん達はママ達と式がどうとか順番がどうのとか相談していたがよくわからないので割愛

突然出来た俺の妹の光はママ達と母さん達の会話に割り込んで

「兄様は私とするの!」

と言っていたが俺と何をするんだ?

あ、それと母さん達とティアナなんだけど・・・・やっぱりというかなんと言いますか・・・若くなってました

実は俺は20才までしか母さん達を知らなかったのでよくわからないんだけど向こうの世界では俺がこっちの世界に帰ってきてもう16年も経過してたらしい

母さんは19才、ティアナは16才になったようだ(データ参照らしい)

光はどうやらそのままで来れたらしくて、副隊長とかは・・・まぁ同じくそのままみたいだ

光の中に居る管制人格「ルイ」も俺に挨拶してくれた。ルナにそっくりだったのは言うまでもないかな

どうやら光はまだ完全に光輪の書を継承していないようでホタルのそっくりさんに会うことは出来なかった

まぁあんな状態にならないと継承できないようなら継承なんてしないほうが良いと俺は思う

そんなこんなで誕生会も終わりに近づいた頃・・・俺は一人テラスに居る




「ふう・・・・」

俺は宴の熱気から身体を冷まそうとテラスに置いてある椅子に腰掛けた

・・・色々な事があったな

ママ達に出会って育ててもらって・・・

「ママ達で良かった」

そして誕生日に出生を聞かされて・・・

「あの時は泣いたっけ」

それでも俺はママ達を愛してて・・・

「今はその時以上に愛してる」

そして授業参観のあの日それは起きて・・・

「あ、そういや帰ってきてからの授業参観は凄かったな・・・」

俺は一人そう呟いて思い出にもう一度考えを移す

そして俺は母さん達を見守り続けて・・・

「母さん達を助けようとしてレナ達に怒られたな」

母さん達に出会い・・・

「あの時はティアナに殴られたっけ」

模擬戦をして・・・

「7対7だもんな~・・びっくりした」

気が付いたら「母さん」になってたな・・・

「起きたらいきなり母さんだもんな。でも・・嬉しかった」

その後地球に行ってアリサさんとかすずかさんに挨拶して・・・

「二人ともびっくりしてたよな。はやて母さんも意地が悪いなぁ」

はやてママの料理を食べていたら闇が来て・・・

「取り乱してセラスに怒られた」

俺が死にそうになって・・・

「あの時は怖かった・・・な・・」

そしたらママ達が助けに来てくれた・・・

「死ぬほど嬉しかった」

闇に身体を乗っ取られて・・・

「そしてホタルに会えた」

光輪の書を継承して・・・

「融合すると女の子みたいになっちゃうんだよな」

闇を倒した・・・

「終わりは呆気なかったな」

そして・・・

「母さん達と別れたときは・・・悲しかった・・胸が引き裂かれそうになったっけ」

でも今は・・・

「みんなが居て・・みんなが笑っていて・・・みんなが幸せで居てくれるなら・・・俺はそれで良い」

俺は考えるのを止めて空を見つめる

「・・・綺麗だ・・・・・本当に・・・・綺麗な月だ・・」

「そやな」

「うん」

「綺麗なお月様だね」

「前の時も綺麗やったな」

「そうだね」

「でも前以上に綺麗だね」

いつの間にかママ達と母さん達もテラスに出てくる











「ねぇ・・ママ・・・母さん・・・」

「「「「「「・・・」」」」」」














「ずっと・・・ずっと傍に居て・・・・・俺を離さないで・・・・・絶対に・・・・もう居なくならないで・・・」

「「「「「「晶」」」」」」


















「いっぱいいっぱい幸せにしてね・・・・・いっぱいいっぱい幸せにするね!」

「「「「「「いっぱいいっぱい幸せにしてあげる・・・必ず傍に居る・・・絶対にもう離さない・・・死んだって晶と一緒にいる!」」」」」」

















「ママ、母さん・・・・銀河の何よりも・・・世界の誰よりも・・・」

「「「「「「晶・・・銀河の何よりも・・・世界の誰よりも・・・」」」」」」







































〝愛してる〟


























[4755] Lost Memory AnotherEpisodeⅠ
Name: アフロディーテ◆14bf79fe ID:c0bba4a6
Date: 2009/06/11 02:22








「晶君~こちらのお客様をお願い!わたしはあちらのお客様に説明してくるね!」

「わかりました。 失礼しますお客様、ここからは先ほどの者に代わって私がご案内いたします。」

母さん達がこっちに来て早くも半年が経過した

俺は今あの時の約束を果たさん為にバイト中である

バイト先はというと・・・・

「おいこら晶、サイズ聞かないで指輪勧めてどうすんだよ」

「も、申し訳ありません・・・オーナー・・・・」

「あほか、俺に謝るんじゃなくてそちらのお客様にだろうが」

「し、失礼しましたお客様。サイズのほうはいくつでございましょう?」

そう・・・サスの店でバイト中なのである

あの誕生日の後、以前バイトしていた所にもう一度雇ってもらおうと思い顔を出したのだが、もう他の人を雇ってしまったらしく空きが無いという事だった

他のバイト募集のところに応募してみてもやはりサングラスはダメと言われてしまう。まぁ当然だな

サングラスを外してバイト面接に行ったものの・・・・

「あ~、、すまないね。客が気味悪がって逃げちゃうから・・・」

はぁ・・・どこでもこの目は俺の足を引っ張りやがる

そんな感じで途方に暮れていた時にここの事を思い出した

ここの皆はこの目の事を綺麗だと言ってくれた

ならばと思い店に足を運んでサスに相談したところ

「好きにしたら良いんじゃね?」

「そんな軽く返事すんなよ・・・」

「あ?なら断ったほうが良かったか?」

「それはもっと困る」

「なら良いじゃねぇかよ。そんかしキッチリやってもらうぞ?」

「当たり前だ。お金を貰うんだから当然だろ?」

「その当たり前が出来ねぇ連中が多いんだよ。それとな一つ条件がある」

「条件?」

「晶んとこのママには内緒にしとくこと、晶がはやてさん達の息子であることも話すな。それとそこの付き人AとBもバイト中は家にでも待たせとけ」

「レナ達の事は良い、内緒にしておく事もわかったけど・・・ママ達の子であることも隠さないといけないの?」

「そうだ」

「なんで?」

「ふぅ・・・お前自身が悪いわけじゃ無いんだがな・・まぁ良い、説明してやんよ」

サスが言うには

「お前は顔が良いし声も綺麗、客寄せにはもってこいだ。だがな・・・お前は世間を知らなさ過ぎるんだ」

程よく馬鹿にされてる気がしないでもない

顔が良い?んな馬鹿な

声が綺麗?セラスのが綺麗だろ

そんなんなら俺はもっと友達が多いはずだ

世間を知らない?これでも本当は20年以上生きてるんだけどな・・・・知らないだろうけど

「晶んとこのママは有名すぎんだよ。そんな人の息子がここで働いてるなんて世間にバレてみろ・・お前に近づいてくるアホな連中があとを絶たなくなる」

「・・・・なんで?」

「なんでじゃねぇんだよ。晶に取り入ってお前のママに気に入ってもらおうとするアホが居るってことだ」

「意味わかんないよ・・・今までそんなこと一回もなかったよ?」

「嘘だと思うんならそこの付き人にでも聞くんだな・・・」

サスは俺の後ろに居るレナ達を見る

「どうなんだ?付き人さんよ」

「・・・お答えしかねます」

「あらあら、何のことやら♪」

サスは俺を見て

「だろ?」

「いや、レナ達は知らないって言ってるじゃん」

「おまっ・・・・どうみても今の付き人AとBの反応はおかしいと思わないのかよ?」

「??」

レナとセラスは俺に嘘はつかないし不利になるような事は絶対にしないんだ

疑う必要がどこにあるんだよ

「だ、だめだこいつ・・・いや、ある意味これが晶ってやつなのか・・・・」

サスが何やら呆れているが何なんだ?

「まぁいい・・・んでどうなんだ?」

「わかったよ」

「なら決まりだ。しかしこの前指輪やったのにまたママに何やんだよ?」

「今度はママじゃなくて母さん達にあげるんだ」

「・・一緒だろ?」

「え?全然違うよ?」

「・・・・ちょっと待ってくれ・・・・」

何やらサスは考え出した

「なぁ晶、この前のはママにやったんだよな?」

「そうだよ」

「今度のは?」

「母さんにあげる」

「・・・・だから一緒じゃないのか?」

「何言ってんだよサス。ママ達と母さん達は全然違うよ?」

「・・す、すまん・・・一ついいか?」

「なに?」

「お前・・・何人親居んの?」

「6人だけだよ?」

「・・「だけ」ときたか・・・そうか・・・ちなみに名前聞いてもいいか?」

「はやてママとなのはママとフェイトママと、はやて母さんとなの「まてやコラ」は母さんとフェイト母さん、てどうしたのサス?」

「な!ん!で!はやてさんが二人居んだよ!?」

サスはイスから身体を前に乗り出して俺に聞いてくる

「なんでと言われても・・・ああ、そっか!サスは知らないのか」

「何をだよ?」

言っても良いのかな?

俺はレナ達に聞いてみる事にした

「これって言っても良いの?」

「今となっては隠す必要は無いとは思いますが・・・私の一存では何とも言いかねますね」

「あらあら、皆様方に聞かないと後が怖いですわ♪」

ん~・・・んじゃ今度ママと母さんに相談してみよう

「ごめんサス、今度ママと母さんに言って良いかどうか聞いてみてからサスに話すよ」

「そんな言い方されたら気になるじゃねぇかよ!!」

サスは頭を抱えて悶えていた

と、まぁそんなわけで俺はサスの店でバイトすることになった

ちなみにサングラスは取ってバイトをしている

最初は抵抗があったが慣れてしまえばどうってことなかった

アクセサリーを扱う店ということもありファッションやカラーコンタクトと思っているお客様が殆どということもあり誰も何も言ってこない



そうしてバイト始めて2ヶ月が過ぎた



「ありがとうございました」

先ほどのお客様に頭を下げて見送る

時計を見るともう夜の8時を過ぎていた

「不和君お疲れさま。さっきので最後のお客様だったみたいだし閉店作業しましょう」

「お疲れさまです。ではシャッター下ろしてきますね」

営業時間は基本20時までだがお客様が居る場合に限り延長するのがこの店の方針だ

俺はシャッターを下ろしてマネージャー・・・メイズさんの所に行く

「シャッター終わりました、次はどうしましょう?」

「不和君はもう時間だしあがってください。家族の方が心配されるといけませんし」

「ありがとうございます。お言葉に甘えさせていただきます」

「はい。それじゃお疲れ様でした」

「お疲れ様でした。失礼します」

メイズさんに頭を下げてサスのところに行く

「オーナー、それじゃお先に失礼します」

「おう、ご苦労さん」

サスに軽く頭を下げて俺は店を後にした

あのまま店に残っていても売り上げの計算やら商品を磨いたりするわけだが・・・・残念ながら一バイトの身分でそこまではさせてもらえないのである

だから居ても邪魔になるだけだから帰るしかないわけで・・・しかもこれ以上帰るのが遅くなるとママーズや母さんズにバレてしまうわけなのですよ

ただでさえこの時間まで家に帰ってこない俺を怪しく思ってそうだし・・・

この時間まで俺はクラスメイト家で勉強会していることになっている

正直かなり苦しい理由だと思うが何とか三ヶ月だけということでお許しをもらった

そんなことを思い出しつつ俺はある人に通信をする

「ティアさん~、バイト終わったよ~」

《ん、お疲れさま。それじゃ今迎えに行くから待ってなさい》

「うん」

迎えに来てもらうまで俺はボーっとしている

実はティアさんだけにはバイトの事を話して協力してもらっている

ママと母さんが「夜の一人歩きは絶対に許さんで!」との事だったのでティアさんに送り迎えしてもらう事で納得してもらった

しばらくするとバイクの音がこっちに向って近づいてくる

バイクは俺の前で停車すると

「お待たせ。さ、帰りましょ」

「いつもごめんね」

「なんで謝んのよ、ほら乗りなさい」

ティアさんは俺にメットをかぶせてサイドカーに乗るように促してくる

「うん、ありがとう」

「いいのよ・・・好きでやってるんだから」

ティアさんはそう言ってバイクを出した



「バイトの方は上手くいってる?」

「うん、みんな優しくて色々教えてくれるよ」

「そう、なら良かった。あんまり皆に心配かけるんじゃないわよ」

「わかってる。もう少しだけだから・・・・」

そんな会話をしているとデカイ家が見えてくる

そのデカイ家が俺の家である

母さん達がこっちに来た事で家を改築したのですよ・・・・ありえないくらいデカク・・・

今この家で暮らしているのはママーズ、母さんズ、ティアナとティアさん、スプリガン4人に光と俺の合計14人も暮らしているわけで・・

そりゃデカクもなりますよ

管理局曰く「この世で一番安全な家」らしい

ヴィータ副隊長やシグナム副隊長はこのデカイ家の隣にあるマンションに住んでいる姉ちゃんズの所に行った

ちなみにこのマンション・・・マンションと言うには少し・・というかマンションと言ってはいけないようなくらい一室一室が大きい

ママ達の部隊の人達が寮として使ってるそうだ

まぁそんなわけで家に到着

ティアさんはバイクを駐車場に停める

そして二人で玄関のドアを開けようとしたら・・・

「遅いんちゃうんか!?遅いよな!?ああもう・・・うちが迎えに行けばよかった!!」

「ああああ晶は大丈夫だよね!?絶対に怪我とかしてないよね!?」

「もう帰ってくるよね!?変な事に巻き込まれてないよね!?」

ママーズが叫んでる・・・

・・・・・何か雰囲気おかしくない?

「な、中でいったい何が起こってるんだ・・」

「だから言ったでしょ。あんまり心配かけるなって」

気を取り直してもう一度玄関のドアに手を掛けたその時

「はやてママ!晶が帰って来てへんてホンマか!?どういうことや!?」

「フェイトママ!こんなの聞いてないよ!?説明して!!」

「なのはママ!すぐに準備して!何かあってからじゃ遅いんだからね!?」

母さんズの声もしっかり聞こえてきました・・・

あ、それとママーズと母さんズは皆が一緒に居る時はお互いの事を名前の後ろに「ママ」「母さん」と呼ぶようにしている

今までの呼び方だと一人呼んだから二人が反応してしまうからこのようになった

それとママーズの補佐官に母さんズが就くように現在なってる

管理局でも色々噂が流れているようだけど本人達はまったく気にしてなかったりする

そんな事は今はどうでも良いか・・・それよりも

「このドア早く開けないと軍が動きかねないわよ?」

ティアさんが俺に言ってくる

「・・・開けるのが何故か怖い・・」

「でしょうね」

でも開けないわけにはいかないわけで・・・俺は勇気を振り絞りドアを開ける

「た、ただい「「「「「「晶!!」」」」」」ま!?」

ドアを開けて声を出した瞬間ママーズと母さんズにもみくちゃにされる

はやてママ&母さんに腕を引っ張られて・・・ズキンッとある所に痛みが走った

「こんな時間まで何しとったんや!?」
「連絡しなあかんやろ!?」

フェイトママ&母さんは前後から俺を抱きしめて・・

「こんなに遅くなるなんて聞いてないよ!」
「勝手に離れちゃ駄目だよ!」

なのはママ&母さんは仁王立ちして・・

「明日からはちゃんと連絡しないと駄目だよ?」
「もう!迎えに行く所だったんだからね?」

・・・遅いと言ってもまだ子供も寝る時間じゃないのに・・

それでも心配かけてしまったようだ

俺は心から謝る

「ごめん・・明日からはちゃんと連絡するね」

するとママ達は

「もうかまへんよ」
「早くご飯たべよ?」
「明日からはちゃんとしようね?」

母さん達も

「もうええよ」
「早く中に入ろ?」
「明日は早く帰ってこようね?」

そう言うと笑って俺を包んでくれた

「あのさ・・・私のこと忘れてない?」

玄関にポツンと取り残されたティアさんはこめかみをピクピクさせていた

家の中に入り自分の部屋に向おうとしてリビングの前を通る

そのとき俺はいつも居るはずの何人かが居ない事に気づいた

「あれ・・・光は?」

その問いに母さん達が答えてくれる

「あの子はなのはママの実家にお泊りや」

「確か2週間くらいて聞いてるけど」

「うん。しばらくは家に泊まるって言ってたね」

り、理不尽だ!不公平だ!・・・俺が泊まると言うとみんなして怒るのになんで光は良いんだろうか・・・・

「ん、わかった。・・ありゃ?ティアナも居ない・・・」

その問いにティアさんが答えてくれる

「あ~、あいつも24時間待機だから暫くは局で寝泊りすることになるわ」

そうなのか・・・ちょっと寂しいな。・・ん?「も」てどゆこと?

気になった俺はティアさんに聞いてみる

「あいつ「も」てどういうこと?」

今度ははやてママが答えてくれる

「シグナムとヴィータも24時間待機なんよ」

続いてはやて母さんが

「うちの子らも同じや」

「何かあったの?」

24時間待機なんて最近なかったので不安になって聞いてしまう

「特になにもないよ」

「でも「今は」無いだけ」

なのはママと母さんが少し真剣な顔をして答える

それを追う様にフェイトママと母さんも言ってくる

「何時何があるかわからない」

「だから何時でも対処出来るようにしておかないとね」

そう言って二人は俺の髪を解すようにして撫でてくれた

そう聞いて納得した俺は荷物などを置くために一度部屋に戻る

部屋のドアを開け、待ってくれていた二人に顔をみせる

「ただいま。レナ、セラス」

「おかえりなさいませ」

「おかえりなさい♪」

二人は笑顔で出迎えてくれた

「何か変わった事はあった?」

「これといってはありませんでした。・・ですが」

「そろそろ気づかれそうですわね♪」

「もう少しなんだけどなぁ・・何とか誤魔化せそう?」

「もう2~3日程度ならば何とかなるかもしれませんが・・」

「はやて様達も既におかしいと思い始めて自分の部下を使い、物見を放つ準備をしていますわ♪」

「ぶっ!マジで!?」

「「はい」」

じ、自分の部下を使って何しようとしてんだよママ達は・・・

こうなっては仕方が無い。サスに言って後3日でバイトを一度辞めさせてもらえるように相談しよう

「はぁ・・・ティアさんが言った通り軍が動きかねないな」

「流石にそれは無いでしょう・・・・とは言えないですね」

「あのママに母ですからねぇ♪ むしろ今までよく我慢なされたと言うべきですわ♪」

「ひとまずその事は置いといてみんなでご飯食べようか」

「はい」

「は~い♪」




そして・・・・・



「覚悟はええか?」

「返り討ちにしたる」

部屋が静まりかえっている

はやてママとはやて母さんが睨み合う

緊迫した空気に部屋が包まれる

「「最初は」」

二人はそう言うと拳を握り締め

「「グー!!」」

互いの眼前にそれを突き出す

「「じゃんけん・・・・・・!!!」」

なんで・・・・

「「ぽん!!!」」

なんでじゃんけんでこんなに空気が重くなるんだよ!

結果は・・・

「おっしゃぁぁ!!」

「あ、ありえへん!こんなことがあってたまるかい!!」

はやてママがはやて母さんに勝利したようだ

何の為のじゃんけんかと言うと・・・

「んじゃお風呂いこか!」

「はは、五連勝だねはやて」

「にゃはは、ごめんね~」

勝った方が俺とお風呂に入り・・・・

「く・・・なんでや!?・・・・なんで勝たれへんのや!!??」

「・・・次は・・次こそは!」

「・・明日は絶対に・・・・・絶対に・・!!!!」

俺と一緒に寝る事になっている

みんなで一緒に入って一緒に寝れば良いのに・・・・

以前そう言ったのだが

「譲れんもんがあるんや・・・堪忍やで晶」

はやてママがそう言うと皆が一斉に頷いた

まぁみんなが納得してるんだから良いんだけど・・・・

そしてお風呂から上がって俺は寝室へと行く

部屋に入るとまだ誰もその部屋には居なかった

まぁそのうちママ達が来るだろうし先に布団に入っていよう

7~8人くらい寝れそうな巨大なベッドの中央に俺は寝転がる

すると疲れていたのかスグに意識が遠のいていく

気が付かないうちに俺は寝てしまった







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「さぁて、なのはちゃんとフェイトちゃんはここまでや」

うちはそう言うと「見張り」にきていた二人を見る

「うぅ~・・・・ずるい」

「にゃはは・・・はやてちゃんちょっと二人で話し合わない?」

二人はうらめしそうにうちに言ってくる

そんな二人にうちは

「ごめんやけど何と言われようが譲らへんで」

そう、こんなチャンスは滅多に無い

先ほどじゃんけんで決めた事・・・それは晶と一緒にお風呂&寝るだけではなく・・・・

「もう一度!もう一度やりなおそう!?」

「抜け駆けだよ!協定違反だよ!」

うちらママの間だけで交わされた約束がある

それは・・・「晶と朝まで二人っきりになれる」権利である

そして・・・「その間に何があろうと口出ししない」という約束

そう!何があろうとや!

「はいはい、決まったことやねんから二人ははよ部屋戻り♪」

「うぅうぅぅ!」

「にゅぅぅぅ!」

二人は渋々部屋に戻っていく

二人とも戻るのを見送ってからうちは深呼吸する

くくく・・・来たで!とうとう来たで!

今日こそ決める!決めたる!

二人には悪いけど一番はうちが貰うで!

うちも散々我慢してきとんのや!

うちは晶がまっているはずの扉を開ける

「晶~♪おまっと~さん!」

「・・すぅ・・・すぅ・・」

あ、あれ?

「晶~?」

「・・ん・・・・すぅ・・・・すぅ・・」

あ~・・うん

どうせそんなことやろ~なぁとは思っとったんよ?

でもな?期待するやん?

期待したいやん?

「はぁ・・・まぁええわ」

うちは晶の寝顔を見る

「もぅこの子は・・・憎たらしいやつめ」

晶の頬をプニプニと突付く

突付いていると晶はくすぐったそうに身を捩じらせてうちの手を掴もうともぞもぞとする

実のところうちは少しほっとしている

うちはこの子に相応しいのか?・・・晶はうちを受け止めてくれるのだろうか?

そんな不安しか浮かばなかった

故にうちはせっかくのチャンスである今を見逃してほっとしている

「・・・なんかちょっとたのしぃなってきた」

調子に乗って突付こうとしたとき・・

「んぁ・・・ん~・・・・・はやて・・ママ?」

しもた・・・

「ごめんな。起こしてもうたね」

「んー・・俺こそごめん。先に寝ちゃってた」

「かまへんよ。疲れてるんやろ?そのまま寝とき」

晶の頭を膝に乗せて髪を撫でてやる

「・・あれ?」

「どないしたんや?」

「フェイトママとなのはママが居ない」

さてと・・どう誤魔化そうかなぁ

考えていると晶がポツリと呟く

「あ、これがセラスの言ってた事なのかな・・」

「セラスが何か言ってたん?」

うちは少し気になって聞く

「セラスが言ってたんだけど、いつか俺とママが二人きりになれば「求められる」ことがあると思うからそれに応えるかどうかは俺の自由だって・・・」

・・・あんの阿呆スプリガン!!何吹き込んどんねん!!!!

「そ、そんなの気にせんで今日はもう寝てええよ!?」

思わぬ展開に声が上ずってしまう

うちがそう言うと晶は目を閉じる

このまま寝るかと思った矢先・・

ギュッ!

「ひゃ!?」

「あ、ごめん!ビックリさせちゃった?」

晶の手がうちの手を握っている

「ど、どうしたんや?」

「・・・・」

心なしか晶の手が汗ばんでいる

「ねぇ・・ママ」

「ん?」

うちはどこか緊張している晶と自分を落ち着かせる為に晶の髪を撫でる

「・・・俺もね・・「求める」の意味がわからないほど馬鹿じゃないよ?」

「っ!」

ドクンッと心が跳ねる

晶の髪を撫でていた手が・・・指が震える

「セラスは「求められる」て言ってたけど・・・それに応えるのも俺の自由だと言ってたけど・・・・」

次の言葉が怖い・・・・

うちはどうしたらええんや・・・

本当にうちはこの子を・・・晶を求めて良いのだろうか・・・

うちのような・・・手が赤に染まった手で・・・

この子を・・・血に汚れた手で求めて良いのだろうか・・・

うちは怖くなってまるで現実から逃げるように目を閉じてしまう

すると・・・

「ねぇママ・・・」

そっと頬に晶の手が添えられる

「目を開けて・・・・俺を見て」

うちはゆっくりと目を開ける

そして・・・

「俺から「求める」のは駄目なのかな?」

ドクンッッ!!!

「俺からみんなを・・・求めちゃいけないの?」

ドクンッ!ドクンッ!!

全身が震える・・・

うちは今「求める」側から「求められる」側になってる

この世で一番欲しているものが今ここに在る

そのものから今まさに手が伸ばされている

うちは・・・・うちは!!

「うちは晶が欲しい!!」

決断する

「うちは晶を求める!そして・・・そして晶が「求めてくれる」なら応えたいんよ!!」

うちはそのまま晶を抱きしめる

もう誰にも渡しはしない!

もう誰にも邪魔などさせはしない!

もう誰にも止めさせやしない!

「晶・・・」

晶は無言でうちを抱きしめてくれる

触れ合っている所から感じる・・・この子・・・・震えてる

逆にうちは何時の間にか震えが止まってた

そっか・・・晶も初めてやもんな

怖いに決まってる

「大丈夫や・・・一緒にがんばろな?」

そう言うと晶はうちに抱きついたままコクリと頷いて唇を近づけてくる

それに応えようとうちも唇を近づけて・・・




ガチャリ



「へ?」

突然扉が開いてティアが出てくる

「どっこいしょ」

「え?え??なに?なんやの??」

ティアはうちを晶から引き離して・・・

「さ、皆さんがおまちです。晶も一緒に来るのよ」

一言そういってうちを担いで部屋を出て行く

着いた先は明かりの点いていないリビングやった

ティアはうちを投げ捨てるようにソファーに座らす

「ちょ!あんたいきなりなんなん!?ええ加減にせんと怒る・・・・っ!?」

真っ暗だった部屋に突然明かりが灯る

そしてうちが見たんは・・・・

「ええ加減にせんと怒る?・・・そやな、うちもええ加減キレそうやわ」

「晶と二人っきりで何をしてたのかな?」

「にゃは、説明・・・してくれるよね?」

・・・・鬼や・・・ここに鬼がおる

母さんズはまるで感情の篭っていない目をうちに向けてくる

その後ろにはフェイトママになのはママが居る

うちは現状が理解できずに二人を見ると・・・・

気まずそうに二人は視線を逸らしてうちに念話を送ってくる

(はやてちゃんごめん!母さんズにバレたみたいなの・・・)

(私達も努力はしたんだよ!?でも母さんズを止めてる間にティアが・・・ね)

・・・なるほど。現状は把握した

そしてひじょうにヤバイという事も理解した

ハッキリ言って・・・マズイ!

ひっっっじょうにマズイ!

何がマズイかと言うと協定違反したことがバレたのがマズイ・・・

キスまでだったら何もここまで追い詰められることは無かっただろう

だが・・・・未遂といえどうちらは一線を越えるはずやった

そう・・・それがマズイ

この三人がこっちに来たときに決めた協定・・・

第一条、晶を泣かせない

第二条、みんなで晶を幸せにする

第三条、晶が18になるまでお互い我慢すること

第四条、抜け駆けは制裁あるのみ

・・・・うち明日の朝日拝めるかなぁ・・・・・・・・・

うちがどうやって今を誤魔化そうかと悩んでいると

「それでは協定査問会を開廷します」

ティアがソファーに座っているうちを見下ろして

「有罪」

「はやっ!」

即決かいな!

「うちにも弁護の機会があるはずや!なんでいきなり有罪やねん!」

「なんで?ふふ、そう来ましたか・・ふふふ・・・・これだけの状況証拠を前にまだ弁護の機会があるとでも?」

「はん!状況証拠だけで物的証拠も証言すらないやんか!」

「この期に及んでまだそんな事を言いますか・・・いいでしょう、ではこれをどうぞ」

ティアが出してきたのは一つのとある機械

・・・ヤバイ・・・うちあれ見たことあるわ

「あれぇ?どうしたんですか中将?これが何かわかっちゃいましたぁ?」

ティアの手にしているその機械は・・・・地球でよく見かけるヴォイスレコーダーや

てか、よくそんなアナクロなもん持ってるなぁ

「なんならこのボタン押して声聞いてみましょうか?」

「・・・・・悪魔め」

「何とでも言ってください」

うちが諦めかけたその時

「ちょ、ちょっとまってよ!はやてママは何も悪い事してない!」

晶が叫ぶ

「ママが悪いんじゃない!俺が・・俺がママを求めたから!・・・ママはそれに応えてくれただけなんだ!!」

それを見て母さんズはおろおろとしだした

「で、でもな晶?約束破ったんはママなんやで?」

「違う!俺が言ったから!」

晶は頑なに自分のせいだと言って引かない

挙句にには・・・

「ねぇ母さん・・・・俺は求めちゃ・・いけないの?・・・やっぱり「駄目」・・・・なのかな?」

泣きだした

瞳いっぱいに涙を浮かべて晶は俯く

うちはそれを見て・・・

「・・・なぁ自分ら・・こんなけの人間が雁首揃えて何しとんねん・・・っ!」

「「「「「「へ?」」」」」」

「はやてママ?」

「・・確かにうちは約束破ったな・・・けど・・・」

ガンッ!!

テーブルを殴りつけてうちは全員を睨みつける

真っ二つに割れてもうたけど今はどうでもええわ

「なに晶泣かしてんねん?・・・なぁ・・何で晶が泣く必要があるんや?」

「はやてママ俺は大丈夫だから落ち着いて!」

晶はうちに抱きついて止めてくる

「・・・・・晶を泣かせていい理由なんて今このどこにあったんや?」

「う、うちらは別にそんなつもりや・・」

「う、うん!ただちょっと悔しいなぁ・・・なんて?」

「にゃにゃ!?そ。そう!羨まし~なぁ・・・て?」

「じゅ、准将落ち着いて・・・・」

「「・・・」」

フェイトちゃんとなのはちゃんは何も言わない・・・ということは・・二人とも気づいたかな

「・・・こんなんほっといて行くで」

「はやてママちょっとまって!・・・まだみんなが・・」

「そんなんほっといたらええ。ほらおいで」

うちはそう言って晶を連れてリビングを出て行く

そのまま寝室にうちは戻る

そして寝室の扉を閉めて・・・・









































「助かったぁ!」

「・・・・・え?」

「いやぁほんま助かったわ」

「はやて・・・ママ?」

「心配せんでええよ。うちらの邪魔した三人にお灸を据えただけや」

「・・・」

さぁこれで心置きなく晶と・・・・て!?

「あ、晶!?どうしたんや!?どっか痛いんか!?」

晶がポロポロを涙を零して泣き始めた

「ほんとに心配したのに・・・!ほんとに・・・ほんとにママが心配だったのに!」

「っ!!」

ど、どどどないしよ!?

うちが泣かせてもうた!?

と、とりあえず謝らんと!

「ごめんな!そんなつもりやなかったんよ!?」

うちは必死で謝る

「堪忍したって!お願いやからそんな泣かんといてぇなぁ!」

晶を抱き寄せて背中をさすりながらもう片方の手で髪を撫でてあやしていると

ガンガンッ!・・・・ドガンッ!

もの凄い勢いで扉が破壊されて親友二人は飛び込んでくる

「・・・は・や・て・ちゃ~ん!」

「・・・はやて・・どうなるかわかってるよね?」

・・・・もう誤魔化せへんやろなぁ

「ま、まぁ二人とも落ち着きぃ」

「私は落ち着いてるよ。いいからはやてちゃんは早くこっちに来るの!」

「一度は見逃してあげたんだから・・・次が無いことくらいわかるよねはやて?」

二人はうちににじり寄ってくる

「まぁまち~て!せめて晶が落ち着くまではかまへんやろ?」

「「・・・」」

二人は止まってくれた

と、安心したのも束の間

「自分偉そうなこと言っといて・・・なんやこれ?」

「もう・・言い訳は聞かないよ」

「少し・・頭冷やそうか」

・・・・誤魔化すどころか言い訳すらもう無理!

すると母さんズの後ろからティアが出てくる

「まぁみなさん少し落ち着いてください」

ティアはそう言って皆を一瞥してうちに近づいてくる

「中将」

「な、なんや?」

「中将が泣かせたくて泣かしたわけじゃないことくらい私はわかっています」

こ、これはまさか!

「仕方なかったんですよね?」

助け舟キター!!

「そうやねん!仕方なかったんや!」

「だから嘘の演技であの場を誤魔化したんですよね?」

「そうそう!・・・・・あれ?」

・・・うち・・もしかしてやってもうた?

ティアはうちの肩に手を置いて

「中将、コンクリ履くのと風呂に沈むのどっちが良いですか?」

「どっちもいややぁ!」

ニコリと微笑んでガッシリと肩を掴んできた

うちはそのままずるずると引きずられて部屋から出される

ティアはうちを廊下に放り出して晶の泣いている部屋に戻っていく

それと入れ替わるように親友二人と母さんズが来て・・・・

「「「「「お祈りは済ませた?」」」」」

「もうちょっとまってほしいなぁ・・・なんて・・・・・あかん?」

「「「「「だめ!」」」」」

そして・・・・・







【ピギャーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッッ!!!!!】













To Be Continued



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[4755] Lost Memory AnotherEpisodeⅠ-Ⅱ
Name: アフロディーテ◆14bf79fe ID:c0bba4a6
Date: 2009/06/12 04:52
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「はいはい、男の子でしょ。もう泣かないの」

はやてママに代わってティアさんは慰めてくれる

「ありがとう・・ティアさん。もう大丈夫」

「ん。今日はとりあえずゆっくり寝なさい」

「うん」

そう返事をするとボロボロの姿になったはやてママが部屋に戻ってきた

「いつつ・・・はぁ、みんな容赦あらへんなぁ・・」

「それだけで済んだのが不思議だとは思わないんですね」

「なんだかんだゆ~てもみんな優しいさかいな」

「それがわかってるなら初めから嘘なんてつかなければ良いんですよ」

「はいはい、もうわかったからティアも部屋もどり」

「みなさんからの許可は出たんですか?」

「これからは交代で・・・てことになったけどな」

「ふ~ん・・・・・私の番はいつですか?」

「あらへんよ?」

「・・・」

ティアさんはデバイスを出してガチャリとカードリッジを装填する

「じょ、冗談やんか!」

「・・改めて聞きましょう。いつですか?」

「うち以外はまだ決まってへんからまた明日にでも決めるゆ~ことになってるから安心し」

「わかりました。それじゃ今日のところはこれで退くとしますか」

ティアさんはそう言うと俺に向き直って

「晶、少しいいかしら?」

「え?」

近づいてきてティアさんはおもむろに俺の腕の関節を触ろうとしてきた

それを咄嗟に腕を引っ込めて俺は逃げる

「・・・・何で逃げるのよ」

「ティ、ティアさんこそいきなりどうしたの?」

「・・・別に・・なんとなくよ」

「そ、そうなんだ?」

ティアさんはため息を一つついて

「それじゃおやすみ」

そう言うと部屋を出て行こうと俺に背を向けたとき突然念話を送ってくる

(今は黙っててあげるけど、これ以上酷くなるようだったら・・・わかってるわね?)

ばれたみたいだ

(ごめん・・・)

(謝るくらいなら隠さないでよ・・・このバカ!)

(ごめん・・心配してくれてありがと)

(はぁ・・・・おやすみ)

(おやすみティアさん)

そしてティアさんは部屋を出て行った

俺はティアさんに感謝しつつはやてママに向き直る

「さっきはほんまにごめんな晶」

はやてママは落ち込んだ表情で謝ってくれる

「もういいよ。それよりもどこも怪我はしてない?」

「大丈夫や、心配せんでええよ」

はやてママはそう言うと俺を抱きしめて先ほどのように背中をさすりながら髪を撫でてくれる

それが凄く気持ち良くて全身から力が抜けていく

するとはやてママは俺の肘に手を添える

・・・完全に油断していた

ズキンッ!

「っぁぅ!」

はやてママを添えた手でギュッと肘を掴む

「・・・帰ってきた時に腕掴んだら顔しかめたやろ・・あん時から少しおかしいとは思っとったんや」

「ごめん・・」

「どれくらい前からや?」

はやてママは怖いくらいに真剣に聞いてくる

「・・一ヶ月くらい前から・・・だと思う」

そう・・・一月くらい前から突然肘や膝が痛みだした

最初は激しく動かせば少し痛い程度だった

それが日に日に痛みが強くなっていって・・・

今では少し力を入れるだけで痛むまでになってしまった

しかも誰かに掴まれたりすれば激痛が走る

「なんで黙ってたんや?」

「ごめんなさい」

「ほっといたら治るとでも思ってたんか?」

「・・・だって・・ママや母さんに心配かけたく・・・なかった」

「そんなん関係ない!言われへんほうがもっと心配するわ!」

「・・だって・・・だって!みんな忙しそうだったもん!みんな疲れた顔してたもん!それなのに・・・それなのに俺なんかのせいで邪魔したくなかったんだもん!!」

「っ!・・・アホ!「俺なんか」なんて次ゆ~たらほんま怒るで!!晶は家族やろ!晶はうちの大事な人や!!心配なんていくらでもかければええんや!!」

「だって・・だって・・っ!」

「だってやクソもあるかい・・・ほんまに・・晶がうちのらの心配してくれるように、うちらも晶のこと心配してるんよ?」

はやてママはそう言うと着替えだした

「ママ・・どこかいくの?・・・」

「どっかて一つしかあらへんやろ。ほら、行くで」

いきなり俺をお姫様抱っこして寝室を出ようとする

「ま、まって!はやてママまってよ!」

ヤバイいって!

多分だけどはやてママが行こうとしているのはシャマル姉さんの所だ

そんなところに行かれたら・・・

「なんや?忘れもんなんかあらへんで?」

「そうじゃなくて!」

「なんやの?」

病院なんて連れて行かれて入院なんてするはめになったら明日のバイトに出れなくなってしまう!

そんなことになってしまえばサスやメイズさん、他のみんなにも迷惑がかかってしまうかもしれない

「明日にでも自分で行くから今日はもう寝ようよ」

「・・・怒るで?」

ママの表情がめちゃくちゃ怖い

「ごめんママ・・・でももう少しだけ・・明日までまって・・・・お願い」

「・・明日に何があるんや?」

バイトがあるなんて言えないし・・・

「み、みんな急に俺が勉強会に来なくなったら心配するでしょ?だから明日みんなに言ってくるから」

「・・・嘘・・つくのほんと下手やな晶は」

「え?」

「晶が勉強会してる言うてる家な・・この間一度様子見にいったんよ?」

うわ・・・完全にばれてたのね

「何してるかは知らんけど・・・そんなに大事なことなんか?」

「・・・うん」

「自分の身体に嘘ついてまでも・・壊してまでもか?」

「・・・わからない・・でも・・・」

たぶんこれ以上身体を騙して続けるのは難しいだろうとは自分でも少しは思ってた

でも・・続けるにしろ辞めるにしろ自分の足で・・自分の口で言わないと駄目だ!

「お願いだから・・明日までまって」

「・・はぁ、しゃぁないな。そんかわり明日までやで?これ以上嘘ついたり隠したりしたら許さへんよ?」

「ありがとう、ママ」

そしてはやてママはゆっくりと俺をベッドに降ろし寝かせてくれる

はやてママも添い寝するようにして俺を抱いてくれた

そのままはやてママの背中に手を回して顔をママの胸に沈める

「明日・・病院ちゃんと行くんやで?」

「うん」

「それと・・これだけは覚えとき、晶はうちの大事な人なんや。好きなんよ・・・愛してるんよ。誰よりも何よりもや!」

「ありがとうママ。俺もママのこと大好きだし愛してるよ」

「それと・・ごめん」

「謝っても許したらへん・・」

はやてママはそう言いながらも俺をギュッと抱きしめてくれる

そうしていると眠気が俺の意識を奪っていく・・・

「ほんとに・・ごめん・・・ママ・・・・・」

そう言い残すと完全に意識を俺は落とす












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晶が眠るのを確認してうちは部屋を出る

そのまま廊下を歩きながら怒気を含んだ声を出す

「居るんやろ」

するとどこからともなくレナとセラスは出てくる

「ちょっと話あるさかい部屋まできぃ」

自分の部屋の中に入って二人を待つ

コンコンとノックの音がして二人が入ってくる

「立ってんとそこ座り」

「「・・・」」

二人は無言で座る

「回りくどいのは無しや」

「「・・・」」

「自分ら知ってたな?」

「「・・・」」

「なんでうちにまで隠してた?」

うちは二人を睨む

「晶様の今の状態・・」

「はやて様はどのようにお考えを?」

「自分ら何聞いてんのや・・・質問してんのはうちや」

「「・・・」」

「今のうちは気ぃ長ないで・・・」

レナが口を開く

「兆候としては先ほど晶様が仰ったように一月前ほどから出ておりました」

そのままレナは続ける

「晶様は今ある約束の為に頑張っておられます。故にこの事が皆様方に知られれば止められてしまうと考えられました」

「それで?」

「私達にもこの事は皆様方に黙っておくようにと・・お願いだから・・と」

「それだけか?」

「「・・・」」

たとえ晶のお願いだとしても二人はこの事をうちに隠すだろうか?

確かに晶の頼みは二人にとって優先するべきことだろう

だが〝最優先〟ではない

今、晶の身体は明らかに異常をきたしている

だが二人はこの事を知っているのにもかかわらず普段どおりだ

・・そう、その事がもっともおかしい

「さっきも言ったはずやで・・・自分らこの事に関して何か知ってるな?」

知っていなければおかしい

でなければ今頃こんな所でうちの話を聞いてる場合ではない

今度はセラスが口を開く

「・・・確かに私達はこの事に関して知っていますわ」

「なら今何が起こってるんや?」

うちがそう言うとセラスは今まで我慢していたのか・・・・怒りに満ちたそれをぶつけてきた

「それよりもはやて様・・・何故今まで気づかなかったのですか?」

「っ・・・今はうちが質問してるて言わんかったか?」

「皆様の〝好き〟や〝愛する〟とはその程度なのですか?・・・底が知れますわね」

うちの言った事などおかまいなしにセラスは続ける

「ちゃんと見ていればすぐに気づいたはずです・・・それを・・・・何度も・・何度も気づく機会はあったはずです・・・」

座っていたセラスが立ち上がりうちを見下ろす形になる

「確かに皆様は仕事が忙しかったのでしょう・・・ですが、そんな事で・・そんな事で晶ちゃんを疎かにするとは何事ですかっ・・・」

セラスはギリッと歯を鳴らして明らかな敵意を向けてくる

正直・・・セラスのこの一言はかなり堪えた

思い返せばいくらでも思い当たる節が出てくる

晶は普段うちらが家事をしていると率先して手伝ってくれるが、その頻度がここ最近減っていたこと

イスに座るとき妙にゆっくりと座ったり、ベッドなどに寝転がるときもそうだった

仕事は忙しかった・・・疲れてもいた・・・けど・・・そんなもの言い訳にしかならない

いや、言い訳にすらならない!

そんなもので疎かにしてもいいものでは決して無い!!

セラスの言う通りや・・自分が情け無い

晶はいつでもうちらを見ていてくれた

うちらが疲れているのを隠しているのにあの子は気づいた・・・気づいてくれた

それなのに・・・それなのにっ!

なんでうちは気づいてやれへんかったんや!?

いつでもあの子は信号を出していたはずなのにっ!!

「セラス、レナ、頼みがあるねんけどええか?」

「・・なんですか?」

「・・なんでしょうか?」

「うちをおもっきり殴ってほしい」

「お断りします」

「お断りですわ」

キッパリと断られてもうた

「・・・今の流れからしてそこは頷くとこやろ」

「そんなことをすれば晶様に何を言われるかわかりません」

「まったくです。晶ちゃんが悲しむ姿など見たくはありませんわ♪」

セラスは先ほどとは変わってニコニコしながら答える

・・・はぁ、この二人の〝最優先〟は変わらんなぁ

「まぁええわ、それじゃ教えてもらおうか?」

二人を見て改めて訊ねる

「晶様は今「ヒミツですわ♪」・・セラス?」

レナが説明してくれるのかと思いきや、セラスによって遮られる

「・・どういうことや?」

「あらあら、今ヒミツと言ったではありませんか♪」

「良いのですかセラス?」

セラスはニコニコとしたまま

「あらあら、反省はしていただけたようですがこのまま教えては為になりませんわ♪」

「という事は命に関わることでは無いてことか?」

「そうですわね、危険と言うほどのことではございません」

う~ん・・・ようわからん

でも・・・・ちょっと安心した

それが表情に零れてしまう

「あらあら、まだ安心されるのはお早いですわ♪」

「まだ何かあるんか?」

「ふふ、まだ始まったに過ぎません♪これからですわ♪」

「勿体ぶってんとはよ言いな」

「だからヒ・ミ・ツと言ったではありませんか♪ でも・・・そうですわね、ヒントくらいは差し上げましょう♪」

「聞こうか」

「ヒントその1~♪ 晶ちゃんはこの三年間でどこが変わられたか考えてください♪」

「・・・」

「ヒントその2~♪ 晶ちゃんは現在16歳♪」

「・・それで?」

「それだけです♪」

「・・・それだけ?」

「はい♪ そ・れ・だ・け・♪」

カクンとうちは頭を下げて・・

「そんなんでわかるかい!!」

一気に上げる

「あらあら、当たり前じゃないですか♪ 解らないように言ったのですから♪」

うはぁ・・・涼しい顔で言わんといて~な

「はやてママには良い薬ですわ♪」

「まだ怒ってんのかいな」

「どうでしょうね♪ ですが〝先ほど〟のはやて様なら間違いなく私達は容赦なく殴っていましたわ・・・ですが今〝戻られた〟はやて様を私は信頼いたしておりますわ♪」

「はぁ、降参や。わかったさかいにそんな苛めんといてぇな」

「別に苛めてるわけではございませんわ♪」

「でも教えてくれへんねやろ?」

「当たり前です。これは本来、ママーズと母さんズが気づくべき事ですから♪」

「ふぅ・・・とりあえず命の危険が無いてわかっただけでも良しとしとくわ」

うちは席を立ってドアに手を掛ける

「二人とも堪忍な・・・」

そう言い残して部屋を後にする

そのままうちは晶の寝ている寝室へ行く

部屋に入ると寝ている晶に寄り添って・・

「おやすみ、晶」

眠りについた








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「二人とも堪忍な・・・」

そう言い残してはやて様は部屋を去って行った

ガチャリと静かな音がなって扉は閉まる

「セラス・・言い過ぎたのでは?」

レナは私を見てやれやれといった様に言ってくる

「あらあら、あれくらいで丁度良いんですわよ♪」

むしろあれくらいでは足りなかったと思っているくらいだ

仕事が忙しかった?

疲れていた?

だから何だと言うのだ

たったそれだけ・・・たったそれだけの事で晶ちゃんのことを軽視・・・いや〝見失った〟のだ

最初は許すまいと思っていた

断じて許される事では無いと・・・

だが・・・

「あのような顔をされては仕方が無いではありませんか・・・」

呟くように声が出た

「セラス・・・あなたがこうも感情を表に出したのは久しぶりですね」

レナは少し嬉しそうに言ってくる

「あなたがそんなに〝皆様〟を大切にしてるとは意外でした」

・・・?

「私が皆様を大切にしている?」

「そうです」

「あらあら、何を根拠にそんなことを・・・」

「今の行動全てが根拠ですよ」

「行動全てが?」

「まったく・・・他人の事などはすぐに気づくのに自分の事には気づかないのですね」

「レナにそんなことを言われるのは意外でしたわ」

それよりも・・

「どういうことです?」

私はその根拠が知りたくなって訊ねた

「言葉のままですよ。〝昔〟のあなたなら間違いなくこんな問答をする前に・・・」

・・・なるほど

確かに〝昔〟の私ならばこんな回りくどいことなんてしない

「それに・・もう許してしまったのでしょう?」

「そうですわね・・・何時の間にかそうなってしまいましたわ♪」

どうやら知らない間に私の〝宝物〟は増えていたようだ

「こんなに増えると思いませんでしたわ♪」

自分の気持ちに気づいて嬉しくなって笑みが零れる

「私もです」

そんな私の気持ちに気づいてくれたのかレナも笑みで応えてくれた

私は星が見たくなり、席を立ってテラスに行こうとする

はやて様の部屋は・・・というか皆様の部屋は全てテラスに出られるようになっている

そしてカーテンを開けて外に出ると・・・

「「「「「「あ・・・」」」」」」

「・・・・盗み聞きとは関心しませんわね♪」

はぁ・・・退屈しない人達ですわ♪

「ちゃ、ちゃうねん!たまたまお茶してたら聞こえたんよ!そやなみんな!?」

「「「「「うんうん!」」」」」

「秘匿魔法を使ってですか?♪」

「「「「「「・・・・」」」」」」

「まぁ良いでしょう♪ それよりも皆様、今後このような事があれば・・・分かっていますわね?♪」

言った瞬間に空気が変わる

そしてはやて母様が口を開く

「それは・・・どっちの事や?」

「さぁ・・・どちらでしょうね?♪」

次はフェイト母様が

「やっぱり教えては・・・」

「駄目ですわ♪」

そしてなのは母様が

「どうしても?」

「無理ですわね♪」

三人を一言で終わらせるとママーズはこの話はこれでお終いだといった感じで・・

「それじゃもう遅いし戻ろうか」

「にゃはは そうだね、だいぶ冷えてきたからお部屋に戻ろう」

そう告げると皆様はぞろぞろと戻っていく・・・・ただ一人を除いて

「ティア様もこのまま外に居ては御身体に障りますわ、戻りましょう♪」

「・・・」

ティア様は一向に足を動かそうとはしない

どうしたものかと考えを巡らそうとするとポツリとその方は呟く

「3年・・・16歳・・変わった・・・そう、、そういうことね」

・・やはりこの方は鋭い

とはいえあれだけのヒントを差し上げたのですから気づいて当然ですわね♪

「何かお分かりになられましたか?」

それでも私は惚ける

「・・・ねぇセラス・・〝普通〟はここまでなるかしら?」

「なんの事でしょう?」

「反動?・・いや違う・・・なら何故・・」

独り言のようにぶつぶつと言い出す

気づいたのはティア様唯一人・・・ですか

「ティア様、申し訳ありませんがこの事は・・」

私は惚けるのを止めてティア様にお願いをする

「わかってるわよ。確かにこれはあの人達が真っ先に気づかないと駄目なことだもの」

「どうやらティア様も分かってくれたようで安心しましたわ♪」

「それじゃ私も〝準備〟をして寝るわ」

「・・・準備・・ですか」

ティア様はニコリと笑い私を見て、

「そう、準備よ。あなたも手伝ってくれる?」

「あらあら、うふふ。お手伝い致しましょう♪」

私はとても〝大切〟な・・・とても〝大事〟な方達の為に動く

その中にはもちろん

「ティア様・・・貴女も入っているのですよ」

「何か言った?」

「いいえ♪何でもありませんわ♪」




そうして夜は更けていく・・・













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現在、朝の6時・・・俺は今かつて体験した事の無い状況になっている

「・・・くぅ・・すぅ・・すぅ・・・・」

はやてママが気づく前に何とかしないとマズイ・・・

でないと間違いなくこの快晴の中、雷が落ちます!めちゃくちゃ怒られます!!

その理由は・・・・

ジリリリリ! ジリリリリ!

っ!?

ヤバイ!目覚ましが!!

「ん、もう・・・朝かいな・・・?・・」

言い訳考える前に起きないでー!!

「んぁ・・晶はもう起きてんのぉ?」

寝ぼけながらはやてママは俺に声をかけてくる

・・・ちぃ!ここは狸寝入りでやり過ごすしかない!

幸い今は学校が休みだから何とかなるはず・・・

「・・・・・」

「なんやまだ寝てんのかいな」

「・・・」

「起こすのもあれやさかいに・・・まぁええか」

はやてママはそのままベッドから出ると

「そんじゃ今日も頑張りますか」

そう言って俺の頬にキスをする

「おっしゃ!」

そうしてはやてママは部屋を出て行った



「何とか誤魔化せた・・・かな?」

それにしても・・・

「マズイな・・・動かない」

そう・・・身体がまったく動きませんです

どうしよう・・・

とりあえずレナとセラスに念話を送ってみる

(レナ、セラス、こんな朝早くにごめん。ちょっと部屋に来てくれないかな?)

((・・・))

あれ? まだ寝てるのかな?

(レナ?セラス?聞こえる?)

((・・・))

返事がまったく無い

寝てるならしょうがない・・・気合で動かしてみるか

俺は全身に力を入れる

「ふっ!・・・・ぐぅ!?」

動くには動いたが・・・昨日とは比べ物にならない激痛が全身を駆け巡る

「はぁはぁ、本格的にヤバイ・・・かも」

とりあえず俺はレナとセラスに会うために二人の部屋に向おうと激痛に耐えながらベッドを降りる

「ぐっ・・はぅっ・・・・・ぅぅっ・・」

何とか寝室ドアの前まで辿り着く

ドアを開けようと手を掛けてノブを捻るが・・・・動かない・・

「くそ・・・こんなに重く感じるとはなぁ・・」

何度も何度も俺はドアを開けるために捻るが・・・

カチン・・カチン・・カチン・・・

ノブを少し回しては力が足りず戻っていく

「ちくしょう!いうこときけよ!!」

もう一度ノブに手を掛けて力を入れる

すると今度は何の抵抗も無く回った

そのままドアを開こうとすると

・・・結果から言うと「開けられた」

「・・・早くベッドに戻りなさい」

開かれたドアの向こう側にはティアさんがいた

俺は平静を装い挨拶をする

「おはようティアさん。俺も着替えてすぐに「戻りなさい」・・・」

「・・・・やだ」

俺は拒絶する

「もう一度言うわ・・・戻りなさい」

「いやだ」

「昨日言ったはずよ、これ以上酷くなれば黙ってはいないと」

「それでもいやだ」

「・・・怒るわよ?」

「いいよ、その代わりママと母さんに内緒にしておいて」

「それは無理ね」

「・・・なんで?」

「私をここに寄越したの・・・誰だと思う?」

「・・・」

「そうゆうことよ。分かったのなら戻りなさい」

「・・・ティアさんお願いがあるんだけど・・」

「残念だけどそれはきけないわ」

「・・・店に連れていって」

「今きけないと言ったはずよ」

「お願い」

「だめよ」

「・・・・もういい、レナとセラスに頼むからそこどいて」

「あの二人ならもう居ないわ」

「・・・え?」

「居ないと言ったのよ。もう一度言ってほしい?」

「どこに・・・?」

二人が黙って居なくなる?

ありえない・・・そんなこと今まで無かった

「・・・戻るわよ」

ティアさんは俺を抱きかかえて寝室のベッドに寝かす

「安心しなさい、すぐに戻ってくるわ」

「・・なんでそんなことわかるの?」

「そんなこともわからないの?」

「・・・」

そうだ・・・二人は余程でない限り俺を置いていったりはしない

多分・・・・・俺の事に関係しているのだろう

「・・・ごめん、ちゃんと考えてなかった」

「良かったわ」

「でも・・・」

「・・・」

「店には絶対に行く」

「・・・どうしても?」

「ごめんティアさん・・・自分でケジメはつけないと」

「ああもう!わかったわよ!」

「ありがと」

少し笑ってティアさんに御礼を言う

「少しだけよ?」

「うん」

「条件があるわ、私が着いて行くこと、それが終わればすぐに戻ること」

「わかってるよ」

「それと・・・・「嘘はつかない」こと」

「約束する」

「約束よ」

「ティアさん、本当にありがとう」

「はぁ、中将達に何を言われるかわかったもんじゃないわ」

「あ、そういえばママ達は?」

「朝食を作ってる途中で血相変えて飛んでったわよ」

「へ?」

飛んでいった?

「あんたのせいで朝食食べ損ねたじゃない」

げんなりとした顔でティアさんはぼやく

「な、なんで?事件でもあったの?」

「ここでね」

「・・・はい?」

ここで事件があった?

なんの?

「あのねぇ、自分の息子がドアノブひとつ捻って開けられないなんてどう思う?」

「・・・ごめんなさい」

俺のせいなんですね

理解しました・・・ごめんなさい

「今頃シャマルさんの所にでも特攻してる頃でしょうね」

「シャマル姉さん大丈夫かなぁ」

「さぁ?それよりも・・・晶、気づいてるんでしょ?」

その先は聞きたくない

「・・・」

「あんた・・・魔法使えないでしょ?」

認めたくなかった

「・・・」

「念話も出来ない・・違う?」

知りたくなんてなかった

「・・うん・・・」

実はさっきからずっとレナ達に念話を送ってつもりなんだけど一向に返事が無いしルナとホタルの存在が感じられない・・・それどころか繋がった感じがまったくしない・・

「・・・不安?」

「・・・ごめん・・さっきからずっと試してるんだけど・・・何にも「出ない」んだ・・俺さ・・・役立たずになっちゃった・・・ごめん・・っ・・ごめ・・・ん・・なさいっ・・・」

力のない俺なんて何の価値もない・・・

魔力のない俺は何の役にも立たない・・・

「ごめん・・なさいっ・・俺を・・・捨てないで・・・俺を・・居させて・・ください・・ひっく・・・俺を・・・ひっく・・ここに・・・」

「大丈夫よ、泣かないで・・・誰も晶を捨てやしない、誰も晶を否定なんてしない」

優しく包んでくれる

「晶はここに居て良いの。ここは晶の家、そして私達は家族なんだから」

「ひっく、、ほん、本当・・・に?」

「当たり前よ、そんな奴がいたら私は許さない・・そんな奴等がいたら「私達が」絶対に・・・皆殺しにしてやる!」

「・・・怖いよティアさん、でも・・でもね・・・ありがとう」

その時のティアさんはちょと怖かったけど俺は嬉しかった

「この礼は「それ」でいいわ」

ティアさんは俺の唇を指差す

「こんなのでいいの?」

「十分よ・・・・・本当は、、、全部欲しいけど」

「え?」

最後の方が聞き取れなかった

そしてティアさんは唇を近づけてくる

互いの唇が触れ合おうとした時

バンっ!

「ただいま戻りました」

「ただいま♪晶ちゃん♪」

勢い良くドアが開いてレナとセラスが帰ってきた

「・・・あんた狙ってたわね?」

ティアさんはセラスを睨んでいる

「あらあら、何のことでしょう♪」

「・・まぁ良いわ、それよりも出来たの?」

出来た?何のことだ?

ティアさんの言葉にレナが答える

「現段階で出来る事は全てしたつもりです」

「した〝つもり〟では駄目よ、わかってる?」

「重々承知しています」

「はいはい♪このお話はこれで終了ですわ♪」

セラスは話を打ち切ると俺に近づいてきて

「許可無く御側を離れたこと申し訳ありません」

膝をつく

「晶様、この度の事、如何様な処罰をも覚悟の上です」

レナもそれに続いた

そんなことどうだっていい

そんなことよりも二人が戻ってきてくれた

なんの力を持たない・・・何の価値も無い俺なんかに膝をついて頭を下げてくれる

「二人とも頭を上げてよ」

「「はっ」」

二人は返事をして顔を上げてくれる

「こっちにきて」

レナとセラスはベッドに乗っかって俺の側に来てくれる

俺は痛みに耐えて二人の首に手を回す

「っ・・心配した・・・戻ってきてくれてありがとうな」

「「勿体無き御言葉、ありがとうございます」」

二人に回した手を力を入れて俺の方へと引き寄せる

二人の顔の間に自分の顔を挟むようにして俺は顔を擦る

「っ!あ、あらあら、晶ちゃんたら♪」

「あ、あのあの!その・・・恥ずかしいです・・」

その様子を見ていたティアさんが

「じゃれあうのはその辺りにしてそろそろ行きましょうか」

俺を抱えてティアさんは部屋を出ようとする

「晶様をどこへ連れて行かれるのですか?」

「あらあら、どこへ行かれるので?♪」

その問いに対しティアさんは

「晶が自分のケジメってやつをつけるのを見に行くだけよ。あんた達も来る?」

「左様でしたか。ならば・・」

「私達も行きますわ♪」

レナ達もついてくることになったようだ

「では晶様は私が、、」

レナはそう言って俺を渡すようにティアさんに両手を出す

「違いますわよ♪ 晶ちゃんは私が抱いていきますわ♪」

セラスも手を出す

「は?何言ってるのよ、最初に私が抱いてるんだから私に決まってるでしょうが」

ティアさんは俺を強く抱きしめて離そうとしない

あ、あの・・少し痛いんですけど・・・

「誰でも良いから早く行こ?」

別に急いでるわけでは無いけど早いに越したことは無い

バイトは昼からだけど出来る限り早く言わないとシフトとかもあるだろうし・・・

「それじゃこれで決定ね」

「・・納得しかねます」

「あらあら、なら帰りは私ということで♪」

俺なんか抱いてる方が貧乏クジのような気もするんだけど・・・まぁいいや

そうして俺はティアさんに抱きかかえられて店に向った














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To Be Continued



[4755] Lost Memory AnotherEpisodeⅠ-Ⅲ
Name: アフロディーテ◆72310edc ID:c0bba4a6
Date: 2009/06/14 05:44



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「あ、見えてきた」

「喋ると舌噛むわよ」

ティアさんが部隊に連絡してくれて飛行許可を取ってくれた

上空から店が見える

高度を落としていくと店の前に人影も見えた

「あ、メイズさんだ」

あの人こんな朝早くから出勤してるんだ・・・凄いな

ティアさんが店の前に降りてくれる

「メイズさん、おはようございます」

店を開けるための準備をしているメイズさんに後ろから声をかける

「え?不和君?朝早くに・・・・って、お姫様抱っこ・・ですか?」

「あ、ごめんなさい。ティアさん下ろしてくれていいよ」

「絶対駄目」

一刀両断ですか・・・

「でもこんなんじゃ恥ずかしいよぉ・・」

「あんた下ろしたらまた無茶するでしょうが!」

まぁ・・・否定は出来ません・・

仕方ない、ここは素直にいう事聞いておこう

「すいませんメイズさん、オーナー・・・サス居ますか?」

「え、ええ。居ますけど・・・どうしたのですか?」

「メイズさん・・本当にごめんなさい!・・・今日はバイトを辞めるという事をお伝えしに来ました」

「・・・そうですか。理由・・聞いてもいいですか?」

メイズさんは怪訝そうな顔をして俺に聞いてくる

「あの、、その、、、」

どう言ったらいいんだろう・・

俺が迷っていると

「言い難いことですか?」

「そ、そうじゃないんです!え、えと・・実は・・・朝から体が動かないんです・・・」

「そうですか、体が動かな・・・っ!?大変じゃないですか!」

メイズさんは目を見開いて俺に駆け寄ってくる

「すいません、だからサスに会いに来たんです」

「そんなこと言ってる場合じゃ無いでしょう!早く病院に行きなさい!!」

あまりの剣幕に俺はびっくりしてしまう

「いや、だからサスに話を・・・」

「私から言っておきます!そんなことより早く!」

聞いてくれねぇ・・・どうしよう・・

俺は困っていると

「この子は自分のケジメをつける為に無理をいってここに来たの。言う通りにしてあげてくれない?」

ティアさんがメイズさんに言ってくれた

「し、しかしですね・・」

「大丈夫。私達が責任をもって見ているから」

メイズさんが俺たち四人を見て少し考える

そして・・・

「わかりました。オーナーを呼んできますので少々まっててください」

そう言ってメイズさんが店の中に入ろうとすると

「よう、晶じゃねぇか・・・なんでお姫様抱っこ?」

あんたもメイズさんと言う事一緒だな

「あ、オーナー今呼びにいこうと」

「あん?どうした?」

俺はそこへ割って入る

「ごめんサス、少し時間いいかな?」

「・・・かまわねぇよ。ここじゃあれだ、中に入んな」

「ありがとう」

そして俺は抱きかかえられたまま応接間に通された




「座れよ」

サスにそう言われて俺はティアさんにソファーに下ろしてくれるように言う

「ありがとティアさん」

ティアさんに礼を言ってからサスに向き直る

「で、こんな朝から話てなんだ?」

「・・・・」

サスの射抜くような視線が何故か怖くて声が出ない

「おいおい、お前から話があるって言っておいてそりゃないだろ?」

「・・あ、あの・・・」

「なんだ?」

何とか声は出たが何故か続かない

緊張のせいで変な汗が出てくる

でも・・・ここで逃げてはいけない

「ば、バイトをっ「辞めたいか?」・・・」

言葉の先を言われてしまい俺は黙ってしまう

「なぁ晶、俺は言ったよな?キッチリやってもらうって」

「・・・うん」

「それは出来たのか?」

「・・・」

「お前は胸張って言えんのか?」

「・・・」

「どうなんだ?」

・・・多分・・出来てない

胸なんか張れない

それでも・・・言わないと・・

「オーナー、今日限りでバイトを辞めさせてください!」

「・・・」

黙っていた俺に代わって次はサスが黙る

「キッチリなんて出来なかった」

「・・・」

「胸なんて張れるはずが無い」

「・・・」

「それでも・・・俺は途中でほっぽり出す最低野郎だけどっ!・・・辞めさせてくださいっ!!」

俺はサスに頭を下げる

その姿をティアさん、レナ、セラス、・・・・そして・・・

・・・サスが見つめる

どれくらいの沈黙が続いたかわからない

例え10秒しか経ってなくても俺には1時間にも2時間にも感じられた

俺は俯いてサスの返事をひたすらまち続ける

すると

「おい、晶」

もの凄く近い所で声がして俺は顔を上げると目の前にはサスの顔があった

「なんでちゃんと理由を言わないかねぇ、お前は」

サスはニヤニヤと笑いながら俺の髪をクシャッとする

「まぁそれは今回見逃してやんよ、及第点だ」

「へ?・・・あれ?・・さ、サス?」

「なに呆けたツラしてやがる、顔を上げろ!胸を張れや!」

「ど、どうして・・」

「確かにお前は最後まで出来なかった・・・が」

「が?」

「お前はキッチリやってくれたさ」

「い、意味わかんないよ」

意味が分からず焦っていると

「客に対する態度、どんなに忙しかろうが手を抜かない所、どんな雑務や掃除だろうと何一つ嫌な顔せずやってくれた事・・・他にもあるが・・・」

「そんなの仕事なんだからやって当然じゃないか」

「そうだ、当然だ。でもなこれも前にも言ったろ?その当然で当たり前の事が出来ない奴が多いってな」

「そ、そうだけど俺は最後までキッチリできなかった・・・」

「いいや、やってくれたさ。期間としては確かに最後までじゃなかったが、お前は最後までキッチリ自分のケツをもった」

サスは続ける

「俺が言った〝キッチリ〟ていうのは期間の最後まで働けてことじゃない。〝辞める〟時までケツをもてって事だ。お前はその時までやってくれた・・・それはこの場に居る奴は全員知ってるし店の連中も知ってる」

「そうだろ?メイズ」

そう言ってサスは扉に向って声を上げる

するとガチャリとそれは開く

「不和君は最後までしっかりとやってくださいました。もっと胸を張って良いのですよ?」

扉から出てきたメイズさんは俺の前まで来てそう言ってくれる

俺は・・・

「あ、ありが、、と、、ござ、ございます、、、」

最後まで働けなかった自分が情けなくて・・・

それでも胸を張れと言ってくれるサスとメイズさんの言葉が嬉しくて・・・

「おいおい、みっともねぇから男がこんなとこで泣くな」

「不和君、今までお疲れさまでした。それと・・・早く病院に行くのですよ?」

メイズさんがハンカチで涙を拭ってくれる

「今までありがとうございましたっ!」

俺は少ししか下がらない頭を頑張って下げた

「おう、またバイトしたくなったらいつでも来い」

「また一緒にお仕事しましょうね」

「はい」

良かった・・・ケジメだけはつけれた

「それじゃ帰ろうか」

後ろで見守ってくれていた三人に俺は声をかける

「そうね」

「それでは参りましょう」

「お家にもどりましょう♪」

セラスは俺を抱きかかえる

どうやら帰りはセラスが抱いてくれるらしい

帰ろうとしたその時だった



ガシャン!《お止めくださいお客様っ!》

《ああ!?さっさと開けねぇテメェが悪いんだろうがっ!》



な、何だ?

店の方から嫌な音と声が聞こえる

するとサスとメイズさんが走って行く

俺たちも後から続く

応接間から廊下に出て店の様子を俺たちは覗く

すると客とアディスさんが揉めていた

アディスさんはいつもハイテンションな女の人だ

愛想も良く人当たりも優しい人・・・そんな人が客と揉めるなんて珍しいな

揉めてる客はアディスさんが止めるのを聞かず店内のショーケースを割って何やら物色している

・・・・最低だな

「レナ、セラス、すまないけどあいつを外に摘み出してくれないかな?」

「「御意」」

セラスは俺をゆっくりと床に下ろして暴れてる奴の所にいこうとすると・・・

「手を出しちゃ駄目よ」

ティアさんがそいつの所に行こうとしていたレナとセラスを手で制する

「なんでだよティアさん!」

「ティア様どいてください」

「あのような輩には教育が必要ですわ♪」

俺に向いてティアさんは

「これは民間の問題よ。私達が手を出したら話がややこしくなる」

「っな!?」

民間の問題だ!?

そんなの関係あるかよ!

「それにここで私達が介入すれば中将達の責任問題にもなるのよ?」

「なんでママ達が関係あるんだよ!だったらレナとセラスは軍人じゃないから大丈夫だ!」

「馬鹿な事言わないでちょうだい、レナとセラスはあなたの〝家族〟でしょ」

「だから何だよ!?」

「家族の不始末は誰が拭うと思ってるの?」

「っ!?」

そうだ・・・俺達の不始末は・・・ママ達にいってしまう・・

「こんなこと言いたく無いけど、中将の足元をすくおうと考えてる奴等なんて五万といるわ。ここで私達が変に事を起こせばそんな馬鹿な奴等にその機会を与えてしまう事もあるのよ」

「・・・くそっ!」

「ティア様・・・どうする事も出来ないのですか?」

「見るに耐えれませんわね」

ティアさんは静かに・・・

「今動くわけにはいかない・・・ごめんなさい」

そう告げるだけだった

俺は・・・俺はこんな時どうすればいいんだ!?

するとサスの声が聞こえてくる

「お客様、当店の者が失礼しました。大変恐縮ではありますが事情の方をお聞かせ願えないでしょうか?」

サスが暴れてる奴に頭を下げる

なんでそんな奴に頭下げんだよ!

悪いのはあいつじゃねぇか!

「ああん!?引っ込んでろやおっさん!」

そいつはサスに向って拳を・・・・振り下ろした

「ぐっ・・・お客様、お話を聞かせてくださいませんか?」

・・・やろう・・許せねぇ

「黙れやおっさん!誰も呼んじゃいねぇんだ・・・っよ!」

そいつはサスの腹に今度は蹴りを入れる

「ゴフッ!?」

蹴られたサスはその場に膝をつく

それを見たそいつは追い討ちを入れようとしてもう一度足を振り上げた

「お客様!もうお止めください!これ以上されるようでしたら警備の者を呼びますよ!」

メイズさんがサスを庇うように前に出る

「はぁ?呼びたきゃ呼べよ?」

そのセリフを聞いてティアさんが・・

「あの男・・・確信犯ね」

「どういうこと?」

「あの男の言い分としては店の者が悪いとさっき言っていた、それが嘘であることなんてここに居る連中はみんな知ってる。けどね、それが嘘だろうと本当だろうと風評と言うのは広まるものなのよ。そんな事になれば店のイメージはガタ落ちになる、そして客というものはそういうのに流されやすいのよ」

「最悪だ・・・・っ!」

俺が悪態をついた瞬間・・

「てめぇもさっきからウゼェんだよ!」

そいつはメイズさんにまで拳を振り上げる

それを見た瞬間俺は・・・・

「ごめんティアさんっ!」

走っていた

体の痛みなんて関係ない

そんなものその時考えてなかった

「まちなさい晶!」

「晶様!」

「晶ちゃん!」

要は手を出さなければ良いんだ

俺は全力で走って・・・メイズさんを横に押し出した

「きゃっ」

ガツッ!

「っく!」

振り下ろされた拳は俺の肩を捉える

「はは、ごめん足が滑った」

俺がそう言うとサスは目を見開く

「馬鹿野郎!足が滑ったじゃねぇだろうが!」

「そ、そんな怒んないでよ・・滑っただけじゃん」

そんなことよりも

「メイズさんごめん、大丈夫?」

「不和・・くん?・・・・っ!?危ない!!」

え?

「晶避けろ!」

何を?

「おめぇら全員うっとしんだよ!!」

そいつはどこから出したのか・・・デバイスを俺に向けて・・・






魔法弾を俺に撃った






「がはっ!?」

それを腹にもらってしまい床に転がる

「おい晶!?」

「不和君!!」

「ごはっ・・・はぁ、はぁ・・・だ、大丈夫だって・・・ね?」

俺はサスとメイズさんに心配をかけないように笑いかける

「おいクソガキ!何ヘラヘラ笑ってんだよ!」

男はそういってデバイスを構えてもう一度撃とうとする

う~ん・・・流石に二発はキツイかも・・

「むかつくんだよ!そのツラァ!!」

やばい・・・マジで体が動かない・・・

俺は観念して痛みに耐えるために目を閉じる

次の瞬間

ドウッ! ドウッ!

へ?今の音・・・

「私もムカツクのよ、あんたのその顔!」

「ティ、ティアさん?」

ティアさんが男のデバイスを弾き飛ばしていた

「晶!なに無茶してんのよ!!」

「ご、ごめんなさい!」

「ごめんで済めば私達なんか要らないわよ!!」

ひぃぃぃ!!超怒ってる!めっちゃ怖!!

「レナ、セラス、晶とここに居る全員を下がらせなさい」

「「・・・」」

二人はティアさんの言葉が聞こえていないのか無表情で男に近づいていく

俺はその二人の様子を見て・・・背筋が凍る

「ティアさん二人を止めて!!」

レナとセラスはこの男を・・・〝殺す〟つもりだ!

「貴様は息をするな、晶様の空気が汚れる」

「下衆がピーピー囀るな、晶ちゃんの耳が汚れますわ」

このままじゃ二人が犯罪者になってしまう!!

「・・気持ちは分かるし賛同もしてあげたいけど・・・レナ、セラス、下がりなさい」

ティアさんはクロスミラージュ・エグゼの片方を二人に向ける

「「・・・」」

「お願いだから晶を悲しませないで」

「「・・・わかりました」」

そう返事をするとレナとセラスはそこに居る男を無視するように淡々と皆を下がらせる

よかった・・・本当によかった

二人が俺なんかのために犯罪者になるなんて俺には耐えられない

「なに勝手に動いてんだテメェらぁ!」

「うっさい、喋るな」

「何様だ姉ちゃん?殺されてぇのか?」

「管理局本局、及び、聖王教会第13騎士団、対テロ強襲、鎮圧、殲滅、制圧部隊、通称〝ジャッジメント〟所属、ティアナ・ランスター執務官よ」

「おいおい、軍属様が民間に手を出していいのかよ?」

男は余裕の表情でティアさんに口をきく

「普通は駄目ね」

「ならひっこんでろや執務官様よぉ!」

「でもあんたは魔法を使ってその民間人を攻撃した・・・その地点でこれは民間だけの問題じゃなくなったの」

「・・・・は?」

「どこで手に入れたかわからないデバイスに民間人への攻撃・・・ジャッジメントの権限を使い拘束します」

ティアさん・・・カッコイイ・・・

「助かったわ、あんたが魔法使ってくれたおかげで・・・晶を傷つけたあんたを殺せるんだから」

お~い・・・殺しちゃダメですよー

ティアさんはめちゃくちゃ怖い笑顔で男に近づいていく

「ひっ!?くるな!」

「あんたには二つの選択肢がある」

ティアさんは一歩男に近づく

「1つ、私に挑んで殺される」

また一歩

「2つ、あんたの後ろの扉を開いて外に逃げる」

男は後ずさりながら飛ばされたデバイスを拾って・・・

「選びなさい」

「ひぃっ!く、くそが!二度とこんな店くるか!」

うわぁ・・・情け無い捨て台詞だなぁ

男は一目散に逃げ出す

「馬鹿な選択ね、2つ目は嘘に決まってるじゃない」

男はそんな声など耳に入っていない

そして扉を開いて逃げようとしたとき・・・

「ぶげらっ!?」

逃げるはずだった男は吹っ飛ばされるようにティアさんの足元に転がってくる

「遅かったですね」

ティアさんが声をかけた人物・・・それは、はやてママ〝達〟だった

「そう言わんといてぇな、これでも急いで来たんやで?」
「まったくや、かなり急いで来たんやけどな」

はやてママとはやて母さんに続いてフェイトママ&母さん、なのはママ&母さんが店に入ってくる

「うわ・・これは酷いね」
「ガラスが粉々だね」

「にゃは、間に合ったかな?」
「にゃはは、そうみたい」

・・・・てか何でみんなここに居るの?

不思議に思っているとママ達と目が合う

ママ達はニコリと笑って手を振ってくれた

めちゃくちゃ余裕ですね

「晶の前でかっこ悪いとこ見せられへんで」
「あたりきや」

「さてと・・・」
「この男の人かな?」

「晶に魔力弾を撃ったのは」
「あなたかな?」

ママ達は転がっている男に視線を送る

はやてママは男から視線を外してティアさんに向き直る

「ランスター執務官」

「はっ!」

「ちょっとそこでバナナ買ってきてくれへん?」

「・・・・・ああ、なるほど。分かりました」

こんな時にバナナて・・・しかもティアさんも買いにいくんかい!

ティアさんがバナナを買いに店を出て行くとはやてママは男に向き直って

「ジャッジメントの八神はやてや、あんた名前は?」

「ひっ・・た、助けて!」

男は完全に飲まれてしまっている

「助けてて言われてもなぁ・・・うちは名前聞いてるだけなんやけど?」

「ぱ、パダック!・・・パダックだ!」

「そっか、パダックて言うんか」

パダックと名乗った男はコクコクとママに頷く

「なぁパダック、自分・・・〝誰の〟〝何に〟〝何を〟したか分かってるか?」

「知らない!そんなの知らないっ!」

「知らんやあらへんよ、なぁみんな?」

はやてママはみんなを見る

「そやな」

「今更そんなこと・・・」
「通じるわけないよ」

「にゃはは、因果」
「応報て知ってる?」

みんな顔は笑ってるけど・・・目が笑ってない

はやてママがパダックの前まで行く

「知らんのやったら教えてやるわ」

ママはくるりとパダックの前で回ったかと思ったら

「あんたはっ!」

ドゴンっ!

振り返ったと思った瞬間回し蹴りをいれるとパダックはフェイトママ達のほうへ吹っ飛ぶ

「「私達の〝未来の旦那様〟にっ!!」」

ドガンっ! メキョっ!

フェイトママと母さんは飛んできたパダックにそれぞれ蹴りやらパンチやら入れてなのはママのほうへ吹っ飛ばす

「「危険な魔力弾をっ!!」」

なのはママと母さんはパダックにアクセルシューターを二人して叩き込む

ガガガンッ! ドンッドンッ!

次ははやて母さんの所に飛んでいく

「撃ち込んだんやっ!!!」

はやて母さんの拳は勢い良く飛んできたパバックを完璧に捉える

メキッ!メキョキョッ!

「べひぁやっ!」

パダックは奇妙な声と共に地面に落ちて転がる

それを見ていた俺達は

「む、むごい・・・」

「あの程度で済ませるなど・・・皆様は優し過ぎます」

「死ねば良いんですわ♪」

サスは目を丸くして

「ほんとに二人ずつ居るんだな・・」

メイズさんとアディスさんはママ達を見て

「さっきの皆さんの掛け声の中に何かとんでもないセリフがさらっと入っていた気が・・・」

「晶君をちょっと狙ってたんだけど・・・やっぱ辞退します」

・・・・何か言ってたっけ?

「中将~買ってきましたよ」

「お、きたきた」
「やっときたで」

「はやて?」
「それで何を?」

「はやてちゃん?」
「なんでバナナ?」

ティアさんがバナナを買って戻ってくると、それをはやてママは受け取って俺の前に持ってくる

「これは晶の分な」

「あ、ありがとう・・・でも食べてる場合じゃないような・・」

「まぁええさかいに食べたらええねんて。あ、皮はうちに頂戴な?」

はやてママは皆にバナナを配っていく

意味が分からずとりあえず言われた通りみんなバナナを食べて皮をはやてママに渡す

「こんなけあれば十分やろ」

「何かするの?」

俺は聞いてみる

「ん~?こうするんや」

気絶しているパダックの前に皮を落としていく

「よっしゃ、それじゃ好きにしてええで」

「ごめん、ほんとにわかんない」

俺が混乱しているとレナとセラスがパダックの前まで行く

「よろしいので?」

「あらあら、これは素晴らしいですわ♪」

レナ達は何か知ってるみたいだ

「かまへんよ、こんなとこに〝バナナの皮〟があるのが悪いんや。そやろ?」

はやてママはみんなに聞こえるように言う

するとレナとセラスはバナナの皮を踏みつけて・・・

「ふんっ!」

「はいっ♪」

突然蹴りだした・・・なるほど、そういう事か

「自分らもそんなとこにいつまでも居らんとこっちに来てええよ」

ママにそう言われてサス達がパダックの前に行く

「おいおい、〝聖騎士、八神はやて〟がこんなことさせていいのですかい?」

「うちは何も知らんよ?バナナの皮がそこに転がってるだけやで」

「嘘くせぇなぁ、ま、いいけど。それよりも久しぶりですね八神中将」

サスがはやてママに軽く頭を下げる

「久しぶりやねぇ、まさか晶のバイト先のオーナーが〝エロぼっちゃん〟とは思わんかったわ」

はやてママはサスをニヤニヤしながら見ている

「それは勘弁してくださいよ」

苦笑いでサスはそれに答える

それを見ていたメイズさんとアディスさんが

「なんの事ですオーナー?」

「エロぼっちゃん?」

はやてママが二人に説明しだす

「何年か前にうちらが潜入護衛してたときに、このぼっちゃんがうちの胸やらお尻触ろうとしてきたんよ」

「「・・・」」

「うちらは使用人に変装してたからわからんかったんやろうなぁ・・・そんときうちがな・・」

「俺の前歯2本、奥歯1本、鎖骨1本、アバラ3本を折られたってわけよ」

「そんなけで済ませてあげたんやから逆に礼くらい言ってもらいたいもんや。だいたい晶以外がうちに触ろうとするほうが間違ってんねん」

サス・・・よく生きてたな

「以前に怪我をして入院したのは・・」
「そういう訳だったんですね・・・」

メイズさんとアディスさんはサスに冷たい視線を送る

するとサスはメイズさんを自分の腕の中に引っ張りこんで・・

「もうしませんよ。こいつが居ますんで」

「お、オーナー!こんなとこで止めてくださいっ」

メイズさんはサスの腕の中でもぞもぞと動くが・・・

「人の目なんて今更気にしてんじゃねぇよ」

「もうっ・・・好きにしてください」

諦めたようにサスに体重を預けはじめた

「見せつけてくれるやないの、結婚はするん?」

はやてママがニヤニヤとしながらサスに聞く

「一応、半年後の予定だな」

サスはメイズさんに確認するように言う

「オーナーが浮気さえしなければですけど」

メイズさんは顔を赤らめながら言った

「そっか、おめでとさん。幸せにな」

「「ありがとうございます」」

サスとメイズさんははやてママに頭を下げる

そして・・・・これが・・・あの一言が俺の人生を決定付けることになった

サスが俺を見てその一言を放つとその場に居る女性陣は凍りついたように固まる





「晶はいつ式挙げるんだ?」





・・・・

・・・・・

・・・・・・

・・・・・・・式?

なんか聞いた事ある単語だな

どこでだったかなぁ・・・

・・・・・おお!思い出した!

「あんとき五年後て言ってたから・・・あと二年後かな?」

「なんだ、ちゃんと決めてるんじゃねぇかよ。で、誰とするんだ?」

「誰?なに言ってるんだよサス、全員でやるに決まってるよ」

パーティはみんなでやるに決まってるじゃん

「・・・・・なぁ晶」

「なに?」

「お前なにか勘違いしてないか?」

「勘違いてなんだよ?パーティはみんなでやるもんだろ?」

当たり前のこと聞くなよ的な感じでサスに首を捻って見せる

「うん、そうだな。パーティはみんなでやるもんだ」

「だろ?」

ほらみろ、俺は間違ってなんかいないじゃないか

けどサスは俺を見て

「でもやっぱりお前は勘違いしている」

「してないって」

俺がそんな大事な日のことを勘違いするはずがない・・・・・と、この時まではそう思っていた

「まぁ黙って聞けよ」

「なんだよ?」

「あのな式っていうのはな挙式のことだ」

なにそれ?

「きょしきって何?」

「結婚式の事だ」

「・・・・・」

・・・けっこん?

・・・・・ケッコン?

・・・・・・・結婚?

「結婚!?!?」

「そうだ」

「誰が!?」

「お前が」

「誰と!?」

「それを聞いてるんだろが」

「何で!?」

「知らん」

「けっけけけ、結婚て俺が出来るの?出来ないよね?出来るはず無いじゃん!?」

「まぁ落ち着け」

「だ、だって俺なんかとしてくれる人なんてどこにも居るはずないじゃん!?」

「だから落ち着けって」

ガスッ

サスは俺の頭にチョップをしてくる

「・・・・痛いよ」

「ふむ、落ち着いたか?」

「た、たぶん」

「よし、ならもう一度聞くが誰と式を挙げるつもりなんだ?」

「挙げるもなにも俺なんかとしてくれる人なんて居ないって」

「そうか?そうは思えねぇけどな」

「はは、そう言ってくれるのは嬉しいけど俺には無理だって」

「・・・・」

「サス?」

「なぁ晶、お前はこの中で誰が一番好きだ?」

サスはママ達と母さん達とティアさんを見て俺に聞いてきた

そんなサスに俺は・・

「全員」

即答した

「・・・お前ならそう言うと思ったよ。なら誰を一番〝愛してる〟?」

「全員」

馬鹿げた質問だ

俺はみんなを誰よりも何よりも愛している

「そうだよなぁ・・・そうなんだよなぁ・・お前ってそういう奴だよなぁ・・・・」

サスはどこか遠いところを見つめてそんなことを言う

「どうしたサス?その方向には何にもないよ?」

「ほっとけ・・・なぁ晶、最後の質問だ」

「ん?」








「お前は・・・」

「俺は?」











「誰と結婚したいんだ?」














「俺は・・・・」













「・・・・・俺は・・」











何時の間にかみんなの視線が俺に集中している

「・・えと・・・俺は・・」

俺はどうしたいんだ?

・・・・わからない

俺はみんなが好きで

俺はみんなを愛していて

誰かと離れるとか考えられなくて

誰かが居なくなるとか考えるはずがなくて

・・・どうすれば・・いいんだ・・・・・

その時、ポンッ、と頭に手を置かれる感触がする

ふと見上げるとはやてママが笑っていて

次はフェイトママが壁に寄り掛かって座っていた俺を抱き上げる

なのはママは優しく俺の手を包んでくれる

そんな俺にはやて母さんは近づいてきて頬に口付けをしてくれる

フェイト母さんは逆の頬に・・・・なのは母さんは額にしてくれる

そしてティアさんは

「あんたの好きなようにすればいいの」

そう言って髪をほぐすように撫でてくれた




その時だったんだ



その時俺は決めたんだ



その時・・・気が付いたんだ



俺は・・・・全員と・・・



「サス」

「なんだ?」

一人ずつちゃんと見て言葉を紡ぐ

「俺はね・・・・はやてママと」

「フェイトママと」

「なのはママと」

「はやて母さんと」

「フェイト母さんと」

「なのは母さんと」

「ティアさんとティアナ」











「みんなと結婚するんだ」










サスは俺を見て

「ほざけっ 贅沢者が!」

そう言って笑ってた












-------------------------------------------------------------------------------------------------------------------













あの後店にはヴィータ姉ちゃん達が来てボロボロになったパダックを見て爆笑しながら連行していった

てなわけで現在俺は・・・・

「なんであんな無茶しよったんや!」
「足が滑ったやないでほんま!」

「今日という今日は!」
「しっかり聞いてもらうからね!」

「一つ間違ったら大怪我じゃ済まないんだよ!?」
「どれだけ危険だったかわかってるの!?」

家のベッドで寝かされながら嵐が過ぎるのを待つばかりの状態です

「で、でもメイズさんが・・」

「「「「「「黙って聞きなさい!!」」」」」」

「・・はい」

「自業自得ね」

ティアさん・・・そんな殺生な・・

俺はレナとセラスをチラリと見る

「私も皆様の意見に賛成です」

「諦めてくださいな♪」

ええ、どうせそんなことだろうなぁとは思ったよ!

「「「「「「ちゃんとこっちを見なさい!!」」」」」」

「はいっ!」

・・・・そういやママ達仕事はどうしたんだろう?

「あの・・・ママ達仕事は?」

気になったので恐る恐る聞いてみる

「「「「「「休んだ!」」」」」」

部隊のみなさん・・・・ほんっっとうにごめんなさい

それから3時間くらい俺は耐えに耐えましたよ

もうね、泣きそうになりました

そしてようやく・・・

「「「「「「わかった!?」」」」」」

「重々反省してます・・・ごめんなさい」

「「「「「「よしっ!」」」」」」

嵐はようやく過ぎ去った

すると後ろで眺めていたセラスが口を開く

「皆様がここでこうしているということは・・・もうお気づきに?」

みんなはセラスの問いに対してそれぞれ答える

「シャマルのとこに行ってる時に・・・な」
「はやてママがセラスから聞いたていうヒントを考えてたんよ」

「そしたらね、晶は〝どこも変わっていない〟って分かった」
「うん、そして〝16才〟なのに・・・ね」

「晶は今〝変わろうとしている〟・・・ううん、違う。これは身体がそれを求めている」
「そう、これは・・・晶の魔力が晶の元へ帰ろうとしている・・・」

俺はみんなが何を言っているのか何一つ分からず只ひたすらその様子を見ている

セラスはママ達の言葉を聞いて満足したように笑顔を見せる

「皆様は〝答え〟に辿りついたのですね?♪」

「「「「「「当然!」」」」」」

「晶が身体を痛がっているのは・・・」
「間接が痛いのは・・・」

「魔力が〝使えない〟のは・・・」
「念話が〝届かない〟のは・・・」

「今から起ころうとしているのは・・・」
「今、起き始めているのは・・・」




































「「「「「「晶が成長期に入ったから」」」」」」




































「正解♪」

セラスは大きく頷く

「少し考えれば分かる事ですが日々何一つ変わらなかったのが逆に〝おかしい〟事だったのです」

レナは俺を見てそんなことを言う

「ま、私の方が気づくの早かったけどね」

ティアさんはそう言って俺の寝ているベッドに腰掛けた

・・・・俺が成長期に入った?

そういえば・・・・確かに俺はこっちに戻ってきてから身長が伸びてないような・・・

「あれ?ということは俺は魔力が無くなったわけじゃないの?」

それにセラスが答えてくれる

「晶ちゃんの魔力は現在待機状態のようなものですわ♪」

「待機状態?」

「はい♪ こっちの世界の晶ちゃんの魔力を受け入れる為の準備を身体がしているんです♪」

「・・・・ご、ごめん、色々と分からないんだけど・・」

すると今度はレナが答えてくれる

「晶様、我等が〝向こうの世界〟に転移したとき〝元の世界〟には何を〝残して〟いかれたか覚えておられますか?」

「え?・・・う~ん・・・・確か二人が言ってたのは俺の〝成長した身体〟と〝魔力〟だったよね?」

「その通りです。では〝元の世界〟に戻ってこられたとき晶様はどうなりましたか?」

「行く前の状態に戻った・・・のかな?」

「そうです、今度は〝向こうの世界〟に成長していた身体と魔力をもっていかれたのです」

「うんうん」

「ここで今回の件に繋がるのです」

「・・・全然俺の中では繋がらないんだけど・・」

すまん・・・マジでわからないんだよぉ

次はティアさんが説明してくれる

「晶の身体と魔力をもっていった〝世界〟はその巨大な〝器〟と〝膨大な魔力〟を扱いかねたのよ」

「??」

「要するに晶の身体と魔力が大き過ぎて世界が困ったの」

「なるほど・・・でも俺の身体ってそんなに大きくなかったよ?」

「見た目の大きさじゃないわよ馬鹿」

面と向って馬鹿とか言われると少し凹む・・・

ティアさんは続ける

「それで世界はその身体と魔力を〝保留〟にして〝保管〟していた」

「どこに?」

「そんなの知らないわよ。そして晶がこっちに戻ってきたことによって世界は晶にそれを〝返そうとしている〟のよ」

「おお!なるほど・・・繋がった」

「だから晶の身体は普通じゃありえないほど今苦しんでいるの」

「俺の身体は大丈夫なの?」

「元々晶のものなんだし晶が拒絶さえしなければ大丈夫よ」

「うん、分かったよ。ありがとティアさん」

俺は説明してくれたティアさんに笑顔で返す

「っ!べ、別に良いわよ、後で〝さっき〟のも併せて報酬は貰う・・・からね?」

さっきのて何だ?

・・・まぁいいか

「うん、俺が出来る事なら何でもするよ」

「っ!!?? な、何でも!?何でも良いのね!?」

「え、うん・・・俺が出来る事ならだよ?」

「ふふ・・・きた・・・きたわ・・・とうとう私の時代が・・」

なんか危ない顔してますよティアさん・・・

「あの~、ティアさ~ん?、もしも~し?」

「・・・そう・・そうよね、晶だって年寄りより・・・若い方が良いに決まってる・・・・間違いないわ・・時代が来たのよ!」

だめだ・・なんか考え込んじゃってる

すると突然ママ達が・・・・

「・・・なぁティア」
「うちの耳に聞き捨てならない言葉が」

「・・年寄り・・・年寄り・・」
「私は違う・・・私は・・・」

「ティアお外で少しお話しようか」
「大丈夫、最近ちゃんと教導してあげれなかったから今日はちゃんと見てあげるね」

ママと母さんはティアさんの首根っこを引っ張っていく

「え?ちょ、ちょっと!?私何か言いました!?」

「「「「「「言った」」」」」」

「ま、まって!ちょっと晶!レナ!セラス!助けなさいよ!」

「ご、ごめん・・身体が動かない」

主に恐怖でだけど

「あらあら、正に自業自得ですわね♪」

「口は災いの元・・・よく言ったものです」

何でか知らないけどティアさんはもの凄く怒っているママと母さんに連れていかれてしまった

しばらくすると外からとんでもない轟音と共に・・・

「上等や女狐ぇぇぇぇ!!!!」
「再教育してやるでぇぇぇぇぇ!!!!」

「私のどこが年寄り!?」
「まだピチピチだよ!!」

「ほら、早く避けないと危ないよっ!」
「遅い遅い、若いんでしょ?もっと早く動く!!」











【なんで私ばっかりーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!】










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ティアさんの天をも貫く断末魔の叫びから二日が経過した

現在俺は・・・・

「あぅっ・・・ぐぅうう!!・・・っ」

身体がめちゃくちゃ痛いです

ドクンッ!

「かふっ!?」

ビクンッと身体が反応してベッドから一瞬体が浮く

「はやてちゃん!もっと押さえつけて!フェイトちゃんは足をバインドでベッドに釘つけて!」」

「これでも全力や!」

「くっ・・!キツイ・・・っ」

なのはママの言葉にはやてママとフェイトママが答えながら押さえつけてくる

「准将!結界の力が落ちてます!」

「こっちも全力やっちゅ~ねん!」

「魔力消費が激しすぎる・・!」

「これい以上はもたない・・かもっ」

ティアさんの激が飛んではやて母さん達は結界を維持するために魔力を放出し続ける

「あああっぁああっぁあああああ!?」

体が引き千切られたのかと思うほど痛い・・・

全身の血管が浮き彫りになり、身体は弓形になる

「何が命の危険は無いやねん!セラスのやつー!」

「帰ってきたら・・・お説教だねっ!」

「二人とも集中して!」

はやてママが俺を力いっぱい押さえつけながら〝消えてしまった〟セラスとレナに対してぼやく

「ぼやいてる暇あんねんやったらちゃんと押さえんかい!」

「でもっ・・・これは確かに・・っ!」

「文句の一つも言いたく・・・なるよねっ!」

そう、セラスとレナは今ここには居ない

俺がこの状態になる直前に突然二人の姿が薄くなって消えていったのだ

消える直前に二人は、

「それでは皆様、晶様の事お頼み申し上げます」

「晶ちゃんにもしもの事があればいくらママーズと母さんズといえど許しませんわ♪」

そう言って消えていった

そして現在に至るわけだが・・・

「がぁぁぁああ!!うぅ!あっあぅあああぁぁぁ!!」

こんなに痛いとは予想外だ

でも、こんなに痛いのに不思議と怖くはなかった

「っ!晶っこれ飲んで!」

ティアさんが飴玉みたいのを口に入れてくる

「うあぁぁ!!がふっ・・げはっ・・!」

飲み込む事が出来ずにすぐにそれを吐き出してしまう

「無理か・・・なら、これで!」

ティアさんは俺が吐き出したそれを口に含んで唇を押し当ててくる

「んっ!・・ぐっ・・うぅっ!?」

口の中に異物が入ってくる

それをまた吐き出そうとするがティアさんが舌でそれを無理やり押し込んできた

「っ!?・・・んっ・・・ぷはっ・・・よし、これで」

ティアさんは少し血のついた唇を袖で拭う

「舌噛むなんてやってくれるじゃない・・・ビックリしたわよ」

ティアさんはそう言いながら少し笑っている

するとさっきより身体の痛みが和らいでくる

「はぁ、はぁ・・うぅ・・・はぁ・・・はぁ・・・」

「一時的なものでしかないけど少し楽になったでしょ?」

俺は言葉を返そうとするが声が出なかったのでティアさんを見てコクリとだけ頷いた

「晶に何飲ませたんや?」

はやてママは俺を押さえつけていた力を少し弛ませて聞く

「魔力を吸収する物です、ある程度吸収すると身体の中で砕けて消えるので安心してください」

「随分と準備がいいね、こうなるって知ってたの?」

フェイトママはティアさんに言う

「知ってたわけじゃありませんよ、予想はしてましたけど」

それを聞いたなのはママが、

「予想はしてた・・?」

「はい、こっちの世界から向こうの世界に行く前で晶はすでにかなりの魔力を有していましたからね。その魔力の量は普通じゃないことくらい少し考えればわかります。そしてそんな魔力の量を、はいどうぞ、て簡単に受け取れるとも思えませんしね」

「けど・・・ここまでとは思いませんでした・・」

ティアさんは俺を見て難しい顔をする

「あとどれくらいや?」

はやて母さんが額に汗を浮かべながら聞く

「正直なところ何とも言えませんが・・・たぶん・・」

「たぶん?」

フェイト母さんがティアさんを見る

「次が最後・・・だと思いたいですね」

「そうだね、でも・・次が最後じゃなくても私達は最後まで全力全開で晶を護るよ」

なのは母さんが俺を安心させるためなのか少し笑って言ってくれた

それに俺も笑って返す

少しするとまた痛みが酷くなってくる

「はぁ、はぁ・・・うぅ!?」

ドクンッ! ドクンッ!

「晶!全身から力を抜きなさい!拒絶してはダメ!あるがままを受け取ればいいだけよ!」

ティアさんが叫ぶ

「晶!もう少しやで我慢してな!」

「これが最後だよ!頑張ろう!」

「私達がついてるからね!」

ママ達に続いて母さん達も、

「晶!こんなんに負けたらあかんで!」

「早くいつもの笑顔をみせて!」

「私達が護ってみせるからね!」

みんなが言い終わるのをまっていたように突如俺は眩い光に包まれる

俺は言われた通り力を抜いてその光に身を委ねる

先ほどまでの痛みが嘘のように引いていく

すると目の前に三つの光が俺に近づいてくる

「なんだこれ?」

それは俺の前から動こうとしない

「どうしよう・・・触って爆発とかしたら嫌だしなぁ・・」

しばらくそのままでいると、三つの光は少しずつ俺に近づいてくる

「お、おいおい・・・まだ考えてるんだから動かないでくれよ」

まぁそんな言葉が通じるはずもないわけで・・・三つの光は俺の身体を中心にゆっくりと回りだす

「・・・わかったよ・・触れば良いんだろ・・・・・」

なんだか早く触れと急かされてるような気がして俺は触れようと指をそれに近づける

指が光に近づいて行くと キィィィン と耳鳴りのような音がする

「・・・ほんとに大丈夫なのかなぁ・・」

少し怖くなって指を遠ざけるとその音は止んだ

「でもこのままじゃどうしようもないしなぁ・・」

俺は考えた末に、

「よしっ!触ってみよう!」

そして指を近づけて光に触れる

触れた瞬間 キンッ と鳴って光は消える

俺は他の光にも触れていく

そうして三つの光が全部消えると俺を包んでいた光が俺に吸い込まれるように収束していった

包んでいた光が消えて俺が周りを見ると・・

「・・・どこだよ?」

右を見る

「星がいっぱいだ」

左を見る

「うん、星が綺麗だ」

上を見る

「お、お月様発見」

下を見る

「・・・あれ俺の家・・・・だよね?」

その時俺は気づいた・・・俺は・・・・・

「またこの展開かよぉぉぉぉ!!!!!」

叫びながら俺は落下していく

落下し始めるとスグに ぼすんっ と俺は優しい温もりに包まれる

「おかえりっ晶」

フェイトママは俺を抱きかかえて頬を摺り寄せてくる

「ただいまフェイトママ」

「心配したんだよ」

「ごめん、もう大丈夫だよ」

フェイトママの首に手を回して俺も顔を摺り寄せる

「それじゃみんなの所に帰ろう」

「うんっ」

フェイトママに抱かれたまま地上に降りていくときに、

「ねぇフェイトママ」

「なに?」

「あれさ・・・・屋根に穴開いてない??」

「開いてるね」

「しかも、俺達の家に見えるんだけど・・・」

「私達の家だよ?」

「・・・ほんとに?」

随分と風通しが良くなりましたねぇ・・・しかも一瞬で・・

「晶が光に包まれた瞬間に天井を突き破っていったんだよ?」

「・・・ごめんなさい」

「あは、晶が無事ならそれで良いよ」

いや、良くないでしょう・・・直すのもお金かかるんだし・・・

そうこうしている間に突き破った天井から部屋に到着

「た、ただいま~・・・」

「「「「「「晶っ!」」」」」」

「は、はいっ!?」

帰宅の挨拶をすると一斉に飛び掛られた

「心配したんやで!?」
「あんたはいっつもそうや!」

「あは、無事でよかった!」
「ふふ、良かった」

「どこも痛くない?」
「怪我はしてない?」

「ほらほら、抱きつく前に確認しないといけない事がありますよ」

ティアさんがみんなを引っぺがして俺の目の前にくる

「・・・これはまた随分と伸びたわね」

「俺もそう思う」

ついさっきまでティアさんより低かった身長が一気にティアさんを見下ろすようになってた

「光輪の書は出せる?」

「えと、、やってみるね」

俺は掌に書をイメージすると ポンッ と書が出てきた

「それじゃ次はスプリガンプログラムと管制人格を起動させれる?」

「・・・ごめん、やり方わかんない」

言った瞬間、

「ただいま戻りました晶様」

「たっだいま~晶ちゃん♪」

「あ、おかえり二人とも」

何時の間にか俺の後ろにレナとセラスは居た

俺は二人に挨拶をするとティアさんが言葉を続ける

「管制人格・・・ルナとホタルは?」

「ちょっとまってね・・」

俺は心に語りかけるように二人を呼ぶ、すると・・

《マスター、おはようございます》

《無事終わったようじゃな》

ルナとホタルも呼びかけに応じてくれた

「うん、二人とも居るよ」

「なら良かった、それじゃ最後の確認といきましょうか」

「うん?」

ティアさんは俺をベッドに寝かして何やら機械を操作しだした

てかさ・・・そんな機械を何時の間に持ち込んだんだ?

ママ達と母さん達もその機械のモニターを覗いている

すると機械から突然 ピーッ ピーッ と音が鳴る

「あ、あの・・何か嫌な音がしてるんだけど・・・俺の身体なんかおかしいの?」

「いえ、身体は健康そのものね・・・・・でも」

「でも?」

「・・・・いったいどこまであんたは行くつもりなのよ」

「へ?」

「見てみなさい」

ティアさんが俺にモニターを見せてくれる

色々映ってるけど・・・・

「ティアさん」

「なに?」

「まったく見方がわかりません!」

「・・・見せた私が馬鹿だったわ」

ひどっ!そこまで言いますか!?

「あのね、こっちに映ってるのが以前の晶のデータ、それでこれが今の晶の取れたてホヤホヤのデータよ」

モニターを見せながら俺に説明してくれる

「何が違うかわかる?」

「ん~と・・・この中心にある〝点々〟の数が違うくらいしかわかんないや・・・ごめん」

「それがわかれば十分よ」

「ほえ?それがどうかしたの?」

ティアさんは溜息をついて一言

「これね〝リンカーコア〟の数よ」

「ああ、そうなんだ・・・・・はぁ!?」

「ようやく分かったみたいね」

「だってこれ7個もあるよ!?」

「そうね」

「こっちは4個だよ!?」

「知ってるわよ」

「絶対に見間違いだよ!」

「そう思いたいもんだわ」

「ちょ、ちょっとまってよ!何で増えてんの!?」

「魔力が返ってきたからじゃない?」

「どうしよ!?」

「さぁ?今まで通りで良いんじゃないの?」

「そ、そうなの?」

「晶はどうにかしたいの?」

「え、いや・・・どうでもいいかも」

「でしょ?」

うん、よく考えれば魔力が増えただけじゃん

ただそれだけか

「問題無し・・・かな?」

「それで良いんじゃない?」

「それで良いや」

「それで良いのよ、というわけで皆さん〝それ〟しまってくれませんか?」

ティアさんはママ達を見る

「このデータをどうこうしようなんて思ってませんよ」

「〝それ〟てなんや?」

「この場で・・・〝  〟の前でそれを言わせるつもりですか?」

俺に背を向けて喋っているティアさんの言葉の一部が聞き取れなかった・・

部屋が変な緊張に包まれる

はやてママがティアさんを少し睨んでる気がする・・・どうしたんだ?

フェイトママが沈黙を破る

「ティア・・・〝それ〟をこっちに渡して」

それにティアさんは、

「構いませんよ、はいどうぞ」

ティアさんはデータチップのような物をママ達に向って投げる

「「「「「「え?」」」」」」

みんなは驚いた感じでそれを受け取る

なのはママが驚きを隠さずにティアさんに疑問をぶつける

「ティア・・・良いの?」

「なんで聞くんですか?私がそれをもって局に行くとでも思いました?」

フェイト母さんもティアさんに聞く

「でも・・・これは立派な犯「はいストップ」・・・ティア・・」

「今更仲間はずれですか?冷たいですねぇ」

なのは母さんがベッドに腰を下ろして、

「そういうわけじゃないんだけど・・・・ね?」

「ま、いいですけど。でも仲間はずれは嫌ですよ?」

フェイトママはティアさんの側に行く

「ありがとうね・・ティア」

「私も皆さんと〝一緒〟なんですよ」

ティアさんはそう言って笑う

俺もここまで来てようやく気づいた

このデータは危険なものだと・・・これは俺が〝普通〟に・・・・今までと変わらぬ〝日常〟を過ごすためにはあってはいけないのだと

だからママ達はそれを渡せとティアさんに言ったんだ・・・俺が今まで通り生きていくために・・

「ごめん・・・俺のせいで・・みんなにまた迷惑かけてるね」

最低だ・・・俺は生きているだけで周りに迷惑をかける・・・最悪の人間だ・・

「前に言ったやないか?なんぼでも迷惑なんてかけたらええねん」

はやてママが俺の手を取って笑いながら言ってくれる

それに続いてはやて母さんが背中から俺を抱いてくれる

「そやで晶。いま晶は自分が最低とか最悪とか思ってるやろ?それは違うんよ?」

「・・・どこが違うの?俺は普通じゃ無い・・今だってそうだ・・・」

はやてママは俺を諭すようにゆっくりと、

「人は誰しも誰かに迷惑かけて生きてるんよ。それはうちらかて同じや。晶が普通やない?そんなんうちらも普通やないで?魔法が無い世界で生まれたのにうちらは魔力をもって産まれてきた・・ほら、おかしいやろ?」

「ママ・・・」

「誰にも迷惑をかけへんなんて無理なんよ、そんなことが出来るほど人は完璧やあらへん」

「でも・・・でも俺は・・どうしたら良いのかわから、、ないよ」

「そやな、いくら考えても答えなんてあらへんかもしれん・・・でもうちは思うんよ、迷惑かけた分だけその人を助けてあげれば良い。迷惑かけた分だけその人に笑顔を作ってあげれば良い・・・てな?」

「お、、俺に、も、、、出来る、かな?」

俺は知らずのうちに泣いていた・・・

そのせいで言葉が上手く繋がらない

はやて母さんがギュッと背中から回していた腕に力を入れて強く抱きしめながら俺に言葉をくれる

「晶なら出来るはずやで、だから泣いてたらあかんよ?晶が泣いてたらみんなが笑えへんやろ?晶が泣いてたらみんなが悲しいんよ?」

「かあ、、さ、、ん」

「ほら泣いてんと笑ってみ?」

俺は手の甲で涙を拭いて、

「みんなごめんなさい、それと」




【ありがとう】



そう言って笑うとみんな笑ってくれた


































「それじゃデータ分はこれでチャラにしてあげ・・・・るっっ!」

「んん!?・・・ん・・・ちゅ・・・・んっ」

「「「「「「!?!?」」」」」」

突然ティアさんにキスをされる

「ちゅっ・・・んぅ・・・、ふう、さてと私は逃げるわね」

「へ?逃げる?」

ティアさんはそう良い残して天井から飛んで行った

「ティアさん・・逃げるってなんだろ?」

俺はボーッと飛んで行った方向を見ていると後ろからもの凄いオーラと魔力を感じる

何事かと思い後ろを振り向くと・・・

はやてママ&母さんが薄く笑っている

「やってくれるやのないの・・・小娘」
「逃げる?笑わせてくれるやん・・」

フェイトママ&母さんが肩を震わせている

「成長した一番が・・・一番が!」
「取られた・・・取られたぁっ!」

なのはママ&母さんは笑いながらもこめかみに何故か血管が浮き出てました

「ターゲット補足・・・レイジングハートいける?」
「一週間くらいベッドの上で生活するかもだけど・・・いいよね?」

・・・・鬼神、闘神、戦神・・・・・ママ達の姿を見たときそんな言葉が俺の脳裏を駆巡った

その姿に俺が完全にびびっていると今まで傍観していたレナとセラスが俺の側に来るなり一言

「晶様の成長を見てみなさんはしゃぎ過ぎのような気もしますが・・このようなおめでたい日なら仕方ありませんか」

「あらあら、まぁまぁ♪みなさん楽しそうですわね♪」

お前ら・・・目は大丈夫か?

これのどこがはしゃいでるように見えるんだよ!?

俺にはちっっっとも楽しそうに見えねぇよ!!

そしてルナとホタルまでもが、

《そうですか?私には楽しそうに見えますよマスター》

《うむ、主もまだまだ修行が足らんのぉ》

マジで!?

俺がおかしいのか!?

そんな事を考えてると何時の間にかママ達はティアさんを追って行ったようで部屋には俺達だけが残された

「・・・・とりあえず姉ちゃん達に連絡して穴塞いでもらおっか?」

「そうですね」

レナは姉ちゃん達に通信で連絡する

するとセラスが、

「それよりも晶ちゃん、母さんズのプレゼントはどうしますの?♪」

・・・

・・・・

・・・・・

・・・・・・

「・・・・・あ」

「また1からやり直しですわね♪」

「まぁ・・・それもありかな?」

「ですわ♪」

そう言うとセラスは俺の腕に抱きついてくる

またセラスの抱きつき癖が始まったか・・・まぁいいけど

俺は空を見上げる

「明日は晴れるかな?」

見上げた空は雲ひとつ無く、、数多の星が輝き、、、月光が俺を照らしてくれる










そして願う








【いつまでもみんなが笑える世界でありますように】























☆あとがき

これにて後編終了となりました
最初は前編、後編に分かれるなどと言ってしまい申し訳ない;;
結局は前、中、後になってしまいました・・・
所々おかしい点や誤字脱字が多いかもしれません^^;
次はレナとセラスの前の話や、晶が元の世界に戻ってきた時の授業参観、名前の由来などやっていきたいと思っていますw

最後になりましたが、皆様にはいつも読んでくださって感謝しています^^
またよろしければ誤字、脱字の報告や感想などをいただけると凄く嬉しいですw

それでは皆様の心に何かを残せると信じて・・・(´∀`*)ノシ




[4755] Lost Memory 番外編
Name: アフロディーテ◆72310edc ID:7c47076e
Date: 2010/02/05 02:29










カチ・・カチカチ・・・・・

《私はあなたが好きなの》

カチッ・・カチ・・・

今俺は友人から借りてきた恋愛シュミレーションゲームとかいうものをプレイしている

《あなた・・・私のことどう思ってるの?》

カチカチッ

ゲームの内容は平凡な日常を過ごしていた主人公が突如転校してきた女の子をきっかけにドタバタな日常に巻き込まれて次第に惹かれあっていくといったストーリーだ

ハッキリ言って・・・・意味がわからない

カチッ

マウスをクリックしていくと画面が変わって先ほど会話していた女の子が下着姿になる

「・・・ふぅ、これ・・・面白いのか??」

一息ついて呟きをもらす

「う~ん・・・恋愛ってこんなんなのかなぁ」

画面を眺めながらクリックをしていると主人公と女の子が抱き合ってベッドで何かしている

「・・・何してるんだろ?」

とりあえず先に進むためにクリックしようとした時だった

「そうだね・・・・何してるんだろうね?」

不意に声が後ろから聞こえた

驚いて俺はマウスを握り締めたまま振り返る

「な、なのはママか・・・ビックリしたぁ~」

振り返ったそこにはなのはママがニコニコしながら立っていた

しかしながらどこかいつもと違う・・・何が違うかと聞かれたら答えられないけど・・・だけど決定的に何かが違っていた

・・・・・何故だか咽喉が渇く・・

「ど、どうしたのママ?あ、そろそろご飯だから呼びにきてくれたのかな?」

とりあえず声を出す

なのはママは表情を何一つ変えずに

「そうだね。ご飯だから呼びにきたつもりだったんだけど・・・」

だけど雰囲気はどんどん変わっていく

「な、なのはママ・・・?」

「どうしたの晶?」

なのはママは俺の言葉に応えながら近づいてくる

ママが俺に近づいてくるたびに全身の毛が立つ

・・・・マズイ

なんでかわからんがマズイ!!

よくわからない何かを察知して俺は握っていたマウスを手から離し、机から急いで離れる

「レイジングハート・・・セットアップ」

「Yes,My master」

・・・・・・は?

眩いピンクの光になのはママが包まれて・・・次の瞬間

「ディヴァインシューター・・・」

「Divine Shooter」

なのはママの声が聞こえた瞬間に俺はそこから飛ぶように床に伏せた

------------!! ----------!!!

俺は耳を塞い音を遮る

両手で耳を塞ぎながらシューターが俺のPCを完膚無きまでに破壊する姿を呆然と眺めていた

・・・・てか何で俺のPCが破壊されてんの!?

我に返った俺はなのはママを止めようとして立ち上がる

「な・・なのはママちょっとストップ!!なんでPCを「チュインッ!」・・・・ほえ?」

なんか・・・今、俺の頬の横を掠めたような・・・・・

掠めた先を見て俺は驚愕する・・・・壁に拳くらいの穴がきれいにポッカリ開いてました

嫌な汗が背中に伝う

それを感じながらなのはママにもう一度ゆっくり視線を移すとなのはママが俺に

「ねぇ晶、もう一度聞くんだけど・・・〝何をしてたのかな?〟」

そんなことをさっきと同じ表情で聞いてきた

ここまできて俺はある一つの事実に辿り着く

なのはママは・・・・怒ってる・・

それも・・・か!な!り!DA!

理由はわからん!

わからんがあれは間違いなくキレてる!!

「え、えとね・・・なのはママ?」

「何かな?」

「な、なんで怒ってるの?」

恐る恐る聞いてみる

「なんで怒ってるて思うのかな?」

・・・・・・知るわけないっす!!

「だ、だって・・・俺のパソコン「それで何をしてたのかな?」・・・げ、ゲームです」

そう答えるとなのはママは俺から目を離して近くに転がっている何とか原型を留めていたゲームソフトのパッケージに手を伸ばす

なのはママは〝表のパッケージ〟から手を返して〝ゲーム内容が書いてある背表紙〟へと目を向ける

それから数秒・・・もしかしたら数分だったかもしれない

「・・・・・・ッ!」

ガンッ! と、なのはママはゲームソフトのパッケージを床に叩きつける

最早その行動だけで俺は戦慄した

〝あの〟なのはママが本気で怒っている・・・それも物を床に叩きつけるほどにだ!

しかも・・・ワナワナを肩を震わせるほどにだぞ!!??

ヤバイヤバイヤバイ!!

マズイマズイマスイ!!

(レナ!セラス!聞こえるか!?聞こえて無くてもいいからとりあえず助けてくれ!!!!)

((頑張ってください))

そっこうで冷たい返事が返ってきたきた挙句に・・・・念話を一方的に切られた・・

(ちょっ!おまっ!?)

((・・・・・・))

なんとかもう一度助けを乞うために念話をしてみるが帰ってきたのは沈黙のみだった

チクショウ!冷たすぎんだろ!?

ありえねぇよ! 俺ピンチですよ!? 凄くヤバイような気がするんですよ!? かなりマズイ気がするんですよ!?

くそったれ!こうなったらルナに頼むしかねぇ!!

(ルナ!)

(嫌です)

(即答速攻かよ!)

(わたしに〝あんなもの〟見せておいて今更なんですか!?)

(なんでお前にまで俺は怒られてんの!?)

(マスターのバーカバーカ!!セクハラマスターはお仕置きされてください!)

ブツンッ

・・・・うっそ!?ルナまで念話切りやがった!?

・・・・・・・・・・だがわかった事が一つだけある

ルナは俺に〝お仕置きされろ〟と言った

つまりこれは俺が何かしでかしたって事だ

だが俺はそれが何かまったくわからないときている

だから選択肢はただ一つ!

・・・・・・逃げる!!

なにか知らんがとりあえず逃げる!!

逃げながら何が悪かったのかとりあえず考えるしかねぇ!!

幸い俺はなのはママより扉が近い場所にいる

そしてなのはママは現在・・・・・・先ほど床に叩きつけたパッケージをシューターにて粉々に破壊中

逃げるなら今しかない!

「遊びにいってきます!!!」

その一言を残して全力で部屋のドアを潜り抜ける

「っ!?待ちなさい晶!」

なのはママは急いで手を伸ばしてくるがそれは俺に届かない

俺は階段を飛ぶように降りてリビングの前を走り抜けようとして・・はやてママとフェイトママを横目に見かける

「少し散歩してくる!」

「気ぃつけてな~・・・・て・・・今からかいな!?」

「晶!?」

ママ達の反応を確かめる暇などもなく・・・・全力で外に飛び出した








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「はやてちゃん!晶は!?」

なのはちゃんがうちの肩を掴んでガクガクと揺さぶって聞いてきた

「な、なんや散歩してくるゆうて走っていったで・・」

うちの言葉にフェイトちゃんが続く

「なのは、何があったの?」

なのはちゃんはフェイトちゃんの言葉が聞こえていないのか・・・突然通信を開いて

「第二中隊、及び第五小隊は至急出撃用意をしてなの」

・・・・・・あの子は・・・・また何をやらかしたんや・・

《こちら第二中隊了解です高町隊長。しかし穏やかじゃないですね・・どうされました?》

《第五小隊了解!出撃内容の提示をお願いします》

「任務内容は子供の保護を最優先、それとBブロックからFブロックにかけて網を引いて」

《了解しました。・・・・サンドロ、これはもしかしていつもの〝アレ〟か?》

《どうやらそうみたいだなインノ・・・年三回のお祭りだな》

「二人とも何か言った?」

《《いいえ》》

「それと子供は抵抗するかもだけど絶っっっっっ対に傷つけたりしちゃダメだからね?」

《わかってますよ》

《つまりいつも通りですな》

「お願いね。私もすぐに行くから」

なのはちゃんはそう言って通信を切った

「はやてちゃん、フェイトちゃん、私も少し散歩してくるね」

「あんま無茶したらあかんでぇ~~~」

うちが言うとなのはちゃんは超特急で飛んでいった

「え、えええ!?止めないのはやて!?」

「触らぬ神に祟り無しや、好きにさせたげ」

「で、でも!・・・なのはは明日から・・・」

「だからや、ちょっとくらい好きにさせてあげぇや」

「・・・そうだね、少しくらいなら」

フェイトちゃんは少し笑ってなのはちゃんが飛んでいった方向を見た

「あんたらも別にかまへんやろ?」

うちは向かいのソファーに座っているレナとセラスに声をかける

「一向に構いません」

「晶ちゃんにも良い薬になるでしょう♪」

二人もちゃんとわかってくれているようだ

「そんじゃうちは部屋の片付けでもしてこよかな」

さっきの音からするとめちゃくちゃになってるやろうし

「あ、私も」

「では我らもお手伝いいたしましょう」

「そうですわね♪」








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「はぁ・・はぁ・・・・くそっ!まだ追っかけてきてるし!!」

現在俺はミッドの街中を爆走中である

「てか何で逃げてるのかもわかんないし!・・・はぁ・・・はぁ・・・・なんで怒ってるかなんてもっとわかんないし!!」

なのはママのサーチャーがずっと追いかけてきてる

「このままだったらいつか追いつかれてしまうし・・・郊外に出て一気に飛んで逃げるしかないか」

俺は街中を抜けて郊外に出るために何度か角を曲がる

そのまま少し走ると人通りが少なくなっていき街を出るための橋が見えてくる

「よし!ここを渡って一気に振り切る!」

そう口にした矢先にー

「こちらB班!目標を肉眼で捉えた!これより保護に移る!」
《HQ了解。油断しないでください、対象はSSS魔力保持者です。どんな手を使ってくるかわかりません》

「「「「「了解!」」」」」

・・・・・うっそだろ!?何で部隊まで出てきてるの!?

なのはママ怒りすぎ!!

捕まったらどんなお仕置きがまってるか検討もつきません!

「くそっ!とりあえず・・・・・Uターンしかないし!!!」

来た道を急いで戻る

「居たぞー!こっちだ!」

やば!道が封鎖されはじめてる!?

「おら〝アキ坊〟!おとなしく捕まってくれ!!」

「サンドロさん!?いーやーだー!!」

なのはママ・・・まじで部隊動かしてるし!!

「っ!?」

上から嫌な気配を感じて顔を上げる

「アキ坊!逃げても良いことなんかないぞ!」

「空戦部隊!?インノさんまで!?」

ホールディングネットが俺の上空から辺り一帯にかけて降ってくる

「ありえねぇから!俺一人捕まえるのに部隊動かすとかねぇよー!!」

ネットから逃げるために全力で脇道に駆ける

っ・・・・間に合うか!?

このままでは間に合わない・・・・一人草野球で鍛えた俺のスライディングなめんなぁぁぁぁぁぁ!!!

ズザザザァァ・・・・・

「・・・・なんとか間に合った・・・かな?」

ネットは俺からわずか数センチのところに落ちていた

「よし!こまま逃げ「おかえり晶♪」・・・た、ただいま・・・・なのはママ・・」

スライディングした数メートル先に・・・なのはママが居た

「あ、サンドロくん、インノくん、お疲れさま。ここから先は私がやっておくから部隊は引き揚げちゃって」

「はっ!それではこれで失礼します!」(アキ坊・・・骨は拾ってやるからな・・・だから)

「自分も失礼します!」(安心しろアキ坊・・線香の一本くらいはたててやる!・・・だから)

((頼むからなのは隊長の好きにさせてあげてくれ))

サンドロさんとインノさんが去り際に小声でそんなことを言ってきた

それに何か感じて俺は二人に聞こうとするが既に撤収するために飛んでいってしまった後だった

コツッ、コツッ、と足音を鳴らしてなのはママが近づいてくる気配がする

俺は後ろに向けていた顔を元に戻す

するとそこには先ほどまで数メートルは離れていたなのはママが既に手の届く距離まで来ていた

スライディングした格好のまま俺は近づいてくるなのはママを見上げるように見ている

なのはママからは何故か怒っている感じがしない・・・

その代わり・・・どことなく悲しい感じがした・・

なのはママが遠くに行ってしまう・・・そんな風にさえ感じてしまう

「・・・・晶・・」

「なのはママ・・どうしたの?・・・なんか今日はおかしいよ?」

「晶・・・肘が擦り剥けてる・・」

「え?」

あ、ほんとだ・・・さっき滑り込んだときにやっちゃったのか

それを確認して目をそらしている時だった

ぽふっ

「ほえ?」

柔らかくて良い匂いがする

何に包まれているかすぐるにわかる

「なのはママ?」

「・・・」

「なのはママ・・どこにも行かないで・・・」

ぎゅっと抱きしめ返す

「っ・・・晶」

何でそんなことを言ったのかはわからない

でも・・・そうでも言わないとどこかに行ってしまいそうな気がした

「すぐに帰ってくるからね・・・」

「いやだ」

「少しの辛抱だから・・」

「いやだ」

「ママを・・・困ら・・せ・・・・・ない・・で・・っ」

「いやだ!」

「・・・・晶っ!」

「ママを泣かせた奴のこと絶対に許さない!」

「ママを泣かせたのは晶だよ・・」

「なら俺は俺を絶対に許さないっ」

「・・・・バカ・・」

「バカでいいもん」

「そんなこと言われたら行けなくなっちゃうでしょ」

「行かなくていいもん」

「もうっ!晶は・・・」

「えへへ」

なのはママはぎゅっと力いっぱい・・・でも優しく俺を抱きしめてくれた









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まるで恋人のように抱き合う二人を通信モニターを通じて、うち、こと八神はやては見ている

《それで八神・・・わしに〝これ〟を見せてどうしようというのだ?》

別の通信モニターに写る老人が聞いてくる

「別に・・・なんとなくジッチャンにこれ見てほしかっただけや」

《抜かせっ・・・・お嬢の考えてることなんぞわかっておるわ》

老人はクツクツと笑いながら・・・しかし鋭い眼光を向けて続ける

《〝星〟の代わりになるような人物を用意できるのか?》

「・・・一人だけ」

一呼吸いれて答える

「ほぅ・・・・言ってみろ」

老人は白い顎鬚を触りながら聞く

「うちの右腕〝鋼鉄の処女〟を向かわせます」

《・・・》

老人は何も答えない

「この件に関しては〝星〟よりも遥かに頼りになるとおもいます」

《お嬢・・・貴様は家族の為に部下を売るつもりか》

老人の眼光が先ほどより鋭くなる

だがそれは・・・老人の放った言葉はうちに火を点ける

「あんまりふざけたこと言いなやジッチャン・・・家族の為に家族を売るどあほうが居るか?」

うちは今この場に老人が居れば間違いなく殴っていたろう

それほどにムカツク一言だった

《・・・謝罪しよう》

「ごめんジッチャン・・・うちも熱ぅなってるみたいや・・」

《構わんよ。それより本当に良いのだな?》

その問いに対して腹の底から捻り出すように

「良いかと聞かれたら悪いにきまってる・・・でも〝今は〟これが精一杯なんや・・」

答えた

《・・・・・》

「・・・・・」

しばらく沈黙が支配する

沈黙を破ったのは老人の方からだった

《お嬢達にはすまんかったと皆思っておる・・・・だがこれは失敗するわけにはいかんのだ・・》

「・・・わかってるよ・・この作戦に星間戦争の有無がかかってることくらい」

現在、管理局は管理世界19【ガルーデ】と一触即発状態にある

この状況を打開すべく和平の使者として誰かを送らねばならない

そしてそれに白羽の矢が立ったのがなのはちゃんやった

和平の使者と言えば聞こえが良いが・・・実のところ脅迫しにいくようなものだった

ガルーデは軍事国家だが、その技術は地球のよりも遥かに古い

もし戦争になってしまえば・・・いや、もはや戦争とは呼べないものになってしまうだろう

本局の本隊が動いてしまえば一ヶ月ほどで制圧してしまうことになるのは火を見るより明らかだった

だから使者を送り〝あなた達は私達に勝てません。だから武器を下ろしてください〟と言いに行くようなものだ

ただし・・・使者は無事に帰ってこれる保障などどこにもない

当たり前だ。一触即発状態の国に使者を送るなど普通はしない

しかも圧倒的に有利な側が不利にな側に送るなど・・・向こうからすれば馬鹿にしている以外何者でもない

だからこそ腕利きで頭の回る人材が必要だった

・・・・もしものときに逃げれるように・・少しでも生還率を上げるために・・・



《この件の人選に関してはお嬢・・・・お前に任せよう》

「ありがとうなジッチャン」

《礼なんぞ言わんでくれ・・・・恨まれこそすれ礼を言われるような立派な人間ではない》

老人は、ふっ、と柔らかい笑みを最後に通信を切った

それを確認してうちはもう一つの通信を開ける

「ティアナ・・・・聞いてたな」

《はい》

「この件、あんたに全て任せる」

《了解です》

「・・・・・」

《・・・准将?》

「・・・ほんまにええねんな?」

《私の望んだことです》

「今ならまだ引き返せるで?」

《無理ですよ・・・もう決めちゃいましたし》

「・・・ほうか・・」

《ええ》

「ティアナ」

《なんですか?》

「ほんまに・・・ほん・・・ま・・・に・・・・・ごめ《ねぇ准将》・・・」

「・・・・・なん・・や・・・?・・」

《あの子は・・・晶は笑ってます?》

「知ら・・ん・・・わ・・・・自分で・・・見てみぃ・・」

うちは目から出るそれのせいでまったくというほど何も見えなかった

けどティアナのそれに応えるべく通信ウィンドウをなのはちゃんと晶が映っているほうへ向ける

《そっか。晶が笑ってくれてるならそれでいいです》

「・・・・っ」

《それじゃ明日から忙しくなりそうなんで私はそろそろ寝ます》

「ティアナ・・・」

《はい?》

「絶対に・・・帰ってきぃや・・」

《当たり前じゃないですか》

ティアナは当然とばかりに笑いながら言ってのける

「嘘ついたら許さへんで・・・っ!」

《はいはい。ちゃんと帰ってきますよ》

「帰ってこんかったらシバクからな!?」

《帰ってきてないのにどうやってシバクんですか!?》

「ええから約束しぃ!」

《約束しますよ・・・・絶対に帰ってきて准将の狸顔シバクために》

「なんでうちやねん!」

《なんとなく?》

「なんとなくで上司をシバクんかい!?」

そんな感じで言い合っていると

《ふふっ》

ティアナが笑う

「・・・ぷっ・・あっははは」

それにつられてうちも笑う

だけどそれも長くは続かない

《それじゃ・・行ってきます》

「気ぃつけてな」

お互いそう言って通信を切った

うちは天井を仰ぐように椅子に体重を預ける

そして目を閉じてうちは祈る







----------なぁ神さんがほんまに居るんやったらお願いや・・・うちの腕の一本や二本あげるさかいに・・うちの子の・・・晶の為に命を張ってくれてるあの子を頼むさかいに見ててやってな----------

























[4755] Lost Memory 番外編Ⅱ
Name: アフロディーテ◆72310edc ID:bdca701b
Date: 2017/05/13 11:31



またせたな・・・!(CV大塚○夫





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「間もなくガルーデに到着しますよティアナ執務官」

私はモニターに映る緑豊かな星、ガルーデを見おろしながら女性管制官の報告を聞いている

「我々はこの場で待機となります・・・・どうか御無理はなさらぬよう」

こちらを心配そうな顔をして言葉をかけてくれた

「大丈夫よ・・・とは言えないわね、流石に今回の任務は」

「心中お察しします、ですがこちらも出来うる限りのサポートはします。必要以上に気負わぬようにされるのが良いかと」

「ふふ、心配ありがと・・・そうね、努力はするわ」

私は女性管制官のアニタに少し笑みをしながら言葉を返した

・・・・はぁ、とうとう来ちゃったな~
話をしてそれで武器を収めてくれれば任務完了なんだけど
まず素直にこちらの言い分に応じてくれるとは思えないし
どうしたもんかねぇ

「到着まであと6分。ティアナ執務官、輸送機で待機をお願いします」

「わかったわ」

アニタの指示に返事をして私は管制室を後にして降下するための輸送機に向かう

普段であれば転送ポートで充分なのだが現状がそれを許さない

緊張状態にある星が管理局の転送ポートを使えるような状態のままにしておくわけがないのだ

故に輸送機で降りる必要がある

それにただの輸送機であれば敵対するつもりがないというアピールにもつながる

敵対するつもりのない者に対して攻撃はしてこない

否、してはいけない

してしまえば一気に情勢は変わってしまう

もし私が乗った輸送機をガルーデが攻撃しようものなら恐らく管理局は制圧するための戦争を起こすだろう

そして戦争になってしまえばガルーデには現状管理局に勝てる要素がほぼ無い

そんな状況下でありながらも管理局はガルーデに使者を出して対話をする

当初そこの疑問を抱いてはいたがそれはほどなくして准将の言葉により解決する

「ガルーデは非常に魔素の濃い星なんよ、そんでな、文明自体はそんなに発達してるわけやないんやけど、魔法と召喚においてはかなり高度なことが出来るんや。管理局もガルーデから色々と魔力結晶を買ったり技術者を借りたり色々恩があるさかいに大きく出ることも難しいんや」

それを聞いたときに、ああなるほど。要するに使い勝手の良い連中に居なくなられると困るんだな

と、また一つ管理局の最低な部分をみてしまったなぁと思ってしまった

・・・・だけどそんなことは今はどうでも良いと感じている自分も最低だなと思う

私は早く任務を完了し、晶の元に帰りたいのだ

帰って早くあの子を抱きしめたい

早く声を聞きたい

そう思っていた

そんな事を考えながら歩いていると輸送機の前に着く

大きさは20メートルくらいのさして大きくはないどこにでもある輸送機だ

「それじゃ晶に早く会うために頑張りますか!」

そう自分に言って乗り込むためにハッチを開けようと後ろから側面へと回り込むとある疑問点が出来てしまった

「・・・ハッチが開いてる・・?」

普段であれば閉まっているはずのハッチが何故か開いている

「誰かが閉め忘れたのかしら・・・」

少し怪しく思い警戒しながら中に入る

「・・・これといっておかしなとこは・・「ガタッ」・・!?」

側面中央側から入った私の耳に輸送機後方の方から異音が聞こえた

私は静かにクロスミラージュに手をかけて最大限の警戒をしながら足を進める

異音がした辺りに目をやると

「・・・・ちょっとなにこれ!?」

私が目にしたのは・・・

「なんで晶がここに居るのよ!!」

毛布に包まってスヤスヤと寝ている私の最愛と呼べる少年の姿だった


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これはティアナさんが俺を輸送機の中で俺を発見する半日くらい前の出来事だった

その日俺はティアナさんが朝早くから長期任務に従事するとのことで朝からレナとセラスに連れられて自宅まで見送りに来ていた

「えと、怪我しないように頑張ってね」

「お気をつけて」

「こちらのことはおまかせを♪」

それぞれがティアナさんに声をかける

「別に死ににいくわけじゃないんだからわざわざ見送りなんていらないのに」

ティアナさんは苦笑いをしてた

「晶、少しいいかしら?」

手招きをしているティアナさんに俺が近づいていくと

「・・・ごめん、少し我慢してね」

そういって突然俺を抱きしめてくれた

「・・・帰ってきたら一緒にご飯でもいきましょう」

どこか寂しげな言葉に

「えへへ、うん!」

それに対して俺は楽しそうに返した

「それじゃ行くわ。さくっと終わらせて帰ってくるから」

ティアナさんは俺を解放して、また寂しそうな笑みをする

俺は何も言えずにバイクに跨るティアナさんを見送ることしか出来なかった

エンジンに火を入れて出ようとするティアナさんにセラスが近づいて何か耳打ちしている

「それじゃ頑張ってください♪」

セラスが何かを言った後、俺達の元に戻ってきてティアナさんを送り出した




ティアナさんを見送った後、俺達はすぐに近くの軽食屋に入る

何せ朝早くに見送りだったため朝御飯をまだ食べていなかったためだ

「サンドウィッチをください」

「私はコーヒーを」

「アッサムで♪」

それぞれが注文する

店員さんが軽くお辞儀をして俺達の注文をもって戻っていくの見届けるとセラスが席を立つ

「少し席を外すので晶ちゃんとレナは物が来たら先に頂いておいてください♪」

セラスはそう言ってトイレの化粧室の方へ歩いていった

「珍しいですね、セラスが席を立つなど・・・」

「ん~? そなの?? あんまり考えたことなかったなぁ」

レナの不思議そうな顔をみて何となく答えた

「まぁ別に気にすることでもないような事だし、別に良いんじゃないかな?」

「・・・ええ、まぁ・・いや、しかし・・・・」

どうやらレナはどこか納得してないようだ

特段気にするようなことじゃないと思うんだけどなぁ

まぁレナは色々と気を回すから俺にはわからない事でも気にしてるのかも

そうこうしている間に注文した品物が届く

「お、お待たせいたしました、どど、どうぞ!」

・・・なんか店員さんがすごい手を震わせて品物を置いていく

緊張でもしているのだろうか?

まぁいいや。ちゃちゃっと食べてしまおう

「「いただきます」」

俺とレナは両手を合わせてからそれぞれの品物に手をつける

と、いっても食べるのは俺だけなんだけどな

レナはコーヒー飲んでるし

「なんかセラス遅くない??」

たまごサンドを頬張りながら俺が疑問を口にすると

「晶様、口に物を入れながら喋ってはいけません。行儀が悪いですよ」

叱られてしまった

口の中を空にしてから再び口を開く

「ごめんなさい」

まずは謝った

「はい。結構です。セラスならもうこちらに歩いて来てますよ」

レナの視線を追うとその先にはセラスがにこにこしながら歩いてきた

「あ、セラスおかえりー」

「ただいま晶ちゃん♪」

「セラス、どこに行っていたのですか?」

セラスが席に着くのを待ってそれぞれが言葉を投げる

「トイレ?」

「晶ちゃんはもう少し女性にかける言葉を考えましょう♪」

なんか優しく答えてくれたのになんか怖かった

背筋が凍ったような感じがしたぞ!

「ですが本当に何をしていたのですか?普段は注文してから席を立つことなどなかったように思えます」

レナが少し心配そうな顔をしてセラスに声をかけている

「それならスグにわかりますわ♪」

「それはどういう・・・?」

カチャン

音が鳴ったほうにレナが顔を咄嗟に向ける

「す~・・・す~」

俺は食事中に寝てしまった






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「・・・セラス説明しなさい。事と次第によってはいかに貴女でも唯ではすみませんよ」

「あらあら♪ 怖い怖い♪」

「なぜ晶様に薬を?」

「見たままでしてよ♪ 寝かせるためです♪」

「・・・・はぁ、では質問を変えましょう。なぜ寝かす必要があったのですか?」

レナの美しくもこわ~い顔を眺めながら

「誘拐するためです♪」

答えた瞬間に

「・・・・死ね」

わたくしの首をめがけて槍が突き出された

「ふふ、そのような突きでは捉えられなくてよ♪」

レナの放った槍はわたくしの残像を虚しくも突いただけで終わる

「・・・どういうことです?」

納得できないといった顔をレナはしている

「それは誘拐? それとも確かに捉えたはずの槍がわたくしを貫いていないことかしら♪」

「両方です」

「ふふ♪」

「この距離で不意に放った槍をセラス・・・貴女を外すことは私はありません」

絶対の自信を持ってレナは言う

むしろそこは自信無さげに言ってほしかったですわね・・・

なんの躊躇いも無く突いてきたのは少し悲しかったですわ♪

「あらあら♪ 周りをよく見たほうが良いですわよ♪」

少し早いですがネタバラシといきましょう

「・・・? 貴女は何を・・・っ!?」

レナは十分な警戒をわたくしにしながら回りを見渡すと

「・・・私にも盛ったのですか・・」

「見渡す限りわたくしが居て幸せでしょう?♪」

「・・・・おぞましい限りですね」

晶ちゃんに盛ったのは超強力な睡眠薬

レナに盛ったのは・・・

「超超強力な指向型幻覚剤のお味はどうでしたか?レナ♪」

レナは苦々しい顔をして・・・

「私の負けです。好きにすればいいでしょう」

どこぞの騎士よろしく くっころ! といった表情ですわね♪

・・・最高の気分ですわ♪

「安心なさい♪ 別に危害を加えるわけではありませんし」

「ではなぜ?」

「貴女もティアナ女史がなぜあのような星に行くことになったかは知っていますでしょう?」

晶ちゃんは流石に知らないはずですが・・・

「完全な詳細までは知りませんが、大体の事情は知っているつもりです」

「それで十分です♪」

「・・・それで?」

レナが先を促してくる

「あらあら♪ 理由はそれで十分では? 我々は主の宝物庫を守るのがお仕事でしてよ?♪」

「・・・彼女がそれに値すると?」

「決めるのは晶ちゃんです♪ わたくしではありませんわ♪」

「貴女は晶様からそれを感じた・・・ということですか?」

「ノンノン♪ 晶ちゃんだけではないですわ♪」

「・・・・?」

「わたくしやレナ、それに御三方にもわたくしはそれを感じ、そして使命をまっとうするために動いた♪ ただそれだけです♪」

「・・・私からそれを感じた?・・まさか・・」

「ふふ♪ わたくし達もいつの間にかそういったものが増えていくのですよ♪」

「それで・・・セラスはどうしたいのですか?」

ようやく本題に入れるようですわね♪

「簡単な話ですわ♪ 追いかけます♪」

「・・・は?」

「追いかけますのよ♪ い・ま・か・ら・♪」

「セラス、貴女は晶様を戦場に放り投げるつもりですか?」

「結果的にはそうなる可能性も否定はしませんわ♪ ですがわたくしとレナ・・・貴女が居ればどのような戦場でも主を守りぬくことが出来るのではなくて?♪」

「・・・負けたのは私。勝ったのは貴女。ですが「レナ」・・なんですか?」

レナが言い終える前に口を挟む

「お願いですわ」

そう言ってわたくしは頭を下げた

「っ!?」

頭を下げた状態では表情がわからないもののレナの息を呑む気配をはっきりと感じる

「・・・ずるいです、貴女は!」

「・・女はずるいのでしてよ♪」

頭を上げてそう言うと

「私は何も知らない、ただ晶様と一緒に寝ています!」

レナは顔を真っ赤にして寝ている晶ちゃんを抱きかかえる

寝ていますとか言って抱きかかえるとは・・・ずるいですわね♪

そんなレナの姿を確認して

「ではいきましょうか♪ 我等の宝物庫を荒らす泥棒猫を退治しに♪」













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