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[4819] 【完結】高町なのはの受難(酷いネタ・壊れすぎ・キャラ改変・一部現実憑依)
Name: KYO◆55de688e ID:cbe5160a
Date: 2009/11/10 20:01
「うぅ…変な夢見たの…」

私の名前は高町なのは。
最近明日が嫌になってきている普通の小学3年生です。
今日は変な夢も見たせいで、普段より憂鬱です。

「今日こそ世界が変わっていますように…」

毎朝の日課になっているお祈りをして着替え、私は1階に降りました。



「おはようお父さん、お母さん」
「んぅ…ふ…ぷはっ…おはよう、なのは」
「はぁ…はぁ…おはようなのは」

居間に向かい、いつも通りに朝から絡みあっている両親に挨拶。
お母さんの高町桃子さんは裸エプロン、お父さんの高町士郎さんは全裸です。
教育に悪いとは思わないんでしょうか、この親共は。

「もう少しで朝御飯出来るから、恭也達を呼んできて貰えるかしら?」
「はーい」

世界が変わっていなかった事にいつも通りに絶望しつつ、お兄ちゃんとお姉ちゃんがいる道場へ向かいます。



「もっと!もっとだ!!もっと強く!!」
「あははは!恭ちゃん気持ち良い?気持ち良い?あははは!!」

道場に入るとこれまたいつも通りに、お兄ちゃんの高町恭也さんがお姉ちゃんの高町美由希さんの木刀でボコボコにされています。
相変わらずのSMっぷりなの…。

「朝御飯だからねー」

返事を聞かずに道場から出ます。
ある程度慣れてきてる私ですが、SMは見た目が痛いのでプレイ中の2人には近寄らないようにしています。

「もしかして…私がおかしいのかな…」

最近常識って何なのかわからなくなってきました。



[4819] 高町なのはの受難
Name: 暇人◆55de688e ID:cbe5160a
Date: 2008/11/14 13:22
口移しで食事したりアレをアレしたりしている食事を颯爽と抜け出してバス停へ。
時々変な声が聞こえたり、変質者が出る道ですが、それが以外平和なこの道は数少ない癒しでもあります。
視界の隅に写る全裸を無視して歩き、いつの間にやらバス停。
少し待ち、やってきたバスに乗り込みます。



バスに乗り込んだ瞬間に感じる甘ったるい空間。
相変わらず上客達は性別無視していちゃついていますが性的行動に走らないだけマシです。

「ぷはっ…おはよう、なのはちゃん」
「おはよぅ…なのはぁ…」
「はぁ…おはようアリサちゃん、すずかちゃん」

甘ったるいバス内でも異質な空間を作り出している2人は私の数少ない友人のアリサ・バニングスちゃんと月村すずかちゃん。
アリサちゃんは血を抜き取られるのが好きな変態さんで、すずかちゃんは血を飲むのが好きな変態さんです。
ただ、それを除けば数少ないまともな人なので私にとってとても貴重なのです。

「ねぇなのはちゃん、血、飲ませて」
「嫌です」
「じゃああたしの血を飲みなさい」
「却下です」

まだ朝なのに何度目かわからない溜め息をつきます。
私はこの先ずっと我慢して生きていかなきゃならないんでしょうか。

どうか…どうか、多少無茶苦茶でもいいから、私の周りの世界が変わりますように…。



[4819] 高町なのはの受難
Name: 暇人◆55de688e ID:cbe5160a
Date: 2008/11/14 14:02
突然ですが、私、高町なのはは授業が大好きです。
クラスメイトが下着姿だったり、教師の方から何かの振動する音が聞こえてきたりしますが、基本的に授業中はみんな真面目だからです。
…そして今はお昼休み。
学校で1番疲れる時間です。



アリサちゃんの血を弁当にまぶしているすずかちゃんから目を背けながら、さっきの授業の話をします。

アリサちゃんは家の後を継いで、血を抜かれる快感を世に広めるそうです。
そしてすずかちゃんは…何か不穏な発言が目立っていたのでスルーしました。

「私は…世界を変えたいかな…」

わりと本気です。
もう私がやらなきゃ誰もやらない気がするのです。

「そうよその意気よ!そして私と採血の素晴らしさを広めるのよ!!」
「違うよアリサちゃん!なのはちゃんは私と一緒に吸血の素晴らしさを世界に広めるんだよ!!」

どちらも違うと言ったら血だらけのレモンをぶつけられました。
早退したいです。



[4819] 高町なのはの受難
Name: 暇人◆55de688e ID:cbe5160a
Date: 2008/11/14 14:24
放課後になりこれから塾です。
塾もみんな真面目になるのですが、高確率で教師が暴走するので嫌になります。
ただ教師がロリコンじゃなくてショタコンなのが唯一の救いです。
一般的(…だよ…ね…?)な感性を持っている(はずなの…)私は、流石にロリコンに襲われたくありませんし。

「こっちが近道なのよ…」

貧血気味なアリサちゃんに誘導されて歩いて行くと、何やら見覚えがある景色です。
ここは…確か夢の中で、変な化け物の触手に慰み物にされかけてた女装少年が居た場所?

《助けて…》
「!!」

夢で聞いた女装少年の声…?
まさかと思いながら声の元へ走ります。
後ろの方からアリサちゃんとすずかちゃんが何か言ってますがスルー。



声の元に行くとそこにいたのは何故かフェレット。
まさかこのフェレットがあの女装少年…いや、そんなはずはないの。
流石にそこまで世界は狂って…無い…よね…?

「はぁ…はぁ…いきなり…なんな…の…よ…」
「あぁ!アリサちゃん!!」

アリサちゃんが貧血でぶっ倒れました。
自業自得なの。



休憩してから3人で相談してフェレットを動物病院へ。
机の上にあったバターを見てアリサちゃんが何やら反応してたのはスルーしました。

「はぁ…私、なんか疲れたから帰るね…」
「あ…あたしも帰る…血が足りない…」
「私はアリサちゃんを送ってくね」

すずかちゃんが止めをさしかねない気がしますが、スルーして帰宅です。
きっと大丈夫なの。
変態は総じてなかなか死なないものだから。



[4819] 高町なのはの受難
Name: 暇人◆55de688e ID:cbe5160a
Date: 2008/11/14 14:49
卑猥な夕飯(面白い言い回しだよね)を終えてすぐに自室に向かい、パソコンの電源をいれます。
これからやることは私のサイト『常識人の集い』の更新作業。
まずはブログに今日あった事を記し、掲示板をチェックする。
この掲示板のチェックこそが私の生き甲斐となっています。
何故なら数少ない常識的思考の持ち主や、多少歪んでますが許容範囲な人が集まっているからです。
休日のチャットの日になればその人数はかなりのもので、多い日では20人にもなります。
…逆に言えば、20人しか常識人がいないという事になるのですが。


《誰が助けて!!》

パソコンの電源を落として眠りについていると、そんな声が聞こえて来ました。
またあの女装少年でしょうか?

「眠いんですけど…」
《お願いします!貞操の危機なんです!!》
「貞操の?」
《はい!助け…うわぁ触手が!触手がぁ!!》

どうやら女装少年はただ女装するだけで、それ以外はまともな思考回路を持っていそうです。
状況を察するにあの触手お化けがいそうですが、数少ない常識人と思われる女装少年を見捨てるのは気が引けます。

「わかったの。急いで行くね!」
《うわぁぁ!僕男の子だよ!触手で弄っても面白く無いよぉ!!》

…何だか怖くなってきました。



[4819] 高町なのはの受難
Name: 暇人◆55de688e ID:cbe5160a
Date: 2008/11/14 15:45
動物病院が半壊してました。

「…」

…はっ!?現実逃避しちゃってたの。
えーっと…あの女装少年は…

「おんどりゃぁあー!!」

うわぁ…フェレット凄い回避性能だぁ…って、こっちに来たの!!

「助けに来てくれたんですね!!ありがとうございます!!」
「来たはいいけどどうすればいいやらぁー!!」
「力を貸して下さい!魔法の力を!」

フェレットと一緒に化け物から逃げてるこの状況でそんなことを言われました。
魔法とか言われても困ります。
というか、やっぱりあの女装少年は君だったんですね。

「これに、レイジングハートに集中して起動させて下さい!」
「この状況で集中とか言わ【スタンバイレディ】れて…え?」

レイジングハート?が受け取った途端に光り出しました。
何だか急展開過ぎて着いていけないです。

「え!?起動パスワードも唱えて無いのになんで!?」
【彼女は常識人ですから】
「ちょ、僕だって…」
【女装する人は常識人では無いと思いますが】

なにやらフェレットとレイジングハート?が言い争いをしています。
どうでもいいですけど、今の危険な状況をわかってるんでしょうか。
そろそろスタミナが切れそうなんですけど。

「っと、そうだ!イメージして下さい!魔法の杖と、身を守る魔法の服を!」

ようやく戻ってきたの…。
えっと…杖?…こんなんで…服は…あぁもうこれでいいや!

【セットアップ】

光に包まれたと思ったら想像通りの服と杖が。
うわぁ…私も常識から外れちゃったなぁ…。

【ご安心下さい。後程説明しますが、別の世界では魔法は一般的ですから】

レイジングハート?が慰めてくれました。
何だか私達はいい友達になれそうです。



その後、ささっと怪物を封印し、フェレット(ユーノ君という名前みたいです)とレイジングハートと共に帰宅しました。
夜間外出して家族に叱られないかと不安になりましたが、みんな性的に忙しいみたいで問題ありませんでした。

とりあえず詳しい話は後にして眠ることにします。
願わくは、今回の出来事が夢でありますように…。



[4819] 高町なのはの受難
Name: 暇人◆55de688e ID:cbe5160a
Date: 2008/11/14 19:21
朝目覚めてもユーノ君とレイジングハートは存在していました。
確かに世界が変わるように願ってましたがこんな変わり方はどうなのでしょうか。
仕方がないのでとりあえず普段通りの行動をとります。
こんな世界で生きてるおかげで、環境適応力にだけは自信があります。

「どうか…出来ればもう少し良い方向に世界が変わりますように…」



学校での授業中、ユーノ君から昨夜の事を聞くことになりました。
授業を蔑ろにするのは気が引けますが、仕方がありません。
ユーノ君は丁寧に教えてくれました。
次元世界…魔法…そして、ジュエルシードの事を。

《なんで…こんな欲望にまみれた世界にそんな物が…》
《確かに他と比べてもこの世界はレベル高い方だけど…》

旧き結晶と無限の欲望が交わるのはまだ先のはず…ん?何だろう、今の電波?

《このまま放置して数少ない平和を乱されても困るし、ジュエルシードの回収を手伝うよ》
《ありがとう。頑張ろうね》
【頑張りましょう】



ジュエルシード探しをはじめ、早速見つけました。
今回は…異様に舌が長い犬なの。

「たぶんバターがあったら喜んで舐め回すの…」
「絶技ならぬ舌技ってね…」
【面白くないです】

落ち込んでるユーノ君をスルーしてささっと封印しました。



後日、サッカーの応援(健全でした。幸せ)の後、応援に来ていた子がキーパーと絡んでいる隙にたまたま見つけたジュエルシードを封印。
もしこの世界の人間がジュエルシードを解放させたらと思うと、注意力も鋭敏になるというものなの。
動物でさえ快楽を求める位だし。

「順調に進んで良い感じなの」
「そうだね、人が発動させてる様子も見られないし」
【この調子で行きましょう】

ユーノ君は女装に関する事以外は比較的常識人だと最近わかってきました。
もう少し判断に時間をかけてから『常識人の集い』を紹介しようかと思います。

明日はすずかちゃんの家でお茶会です。
普通のお茶会で済む事を願いながら、私は眠りにつきました。

「…ジュエルシードに常識的な世界を願おうかなぁ」
「歪んで叶えられるから真逆になるかもしれないよ?」
「うぅ…世界はこんなはずじゃなかった事ばかりだよ…」



[4819] 高町なのはの受難
Name: 暇人◆55de688e ID:cbe5160a
Date: 2008/11/14 21:12
お兄ちゃんと一緒にやってきました性的なお茶会です。

《なのは…まだそうと決まったわけじゃないよ》
《あ…そうだったね、ユーノ君》

では改めまして。
やってきました血のお茶会です。
アリサちゃんとすずかちゃん的な意味で。

「きょーやぁー!」
ガリッ
「くぅっ!し、しのぶぅ!」

すずかちゃんのお姉ちゃんの月村忍さんは流石はです。
ただの吸血かと思いきや音からして違います。
とりあえずグロいのでスルーしてアリサちゃんとすずかちゃん、ファリンさん(スカート穿いて下さい)のみんなでテラスへ。



「ねぇユーノ、あたしの血飲んでみない?」
「キューキュー!」

アリサちゃん、わざわざ輸血しながらすずかちゃんに吸血させてさらに血を吸わせたいんですか。
レベルが高すぎなの。
あとすずかちゃん、ユーノ君の血を吸ったら駄目だよ。死んじゃうから。

【せめてもう1人常識人が欲しいですね】
《贅沢は駄目だよ…私はレイジングハートがいれば我慢出来るから…》
【ありがとうございます】

おっとアリサちゃん、無理やり飲ませるのは駄目だよ。
あとすずかちゃん、紅茶に血入れすぎ。



《なのは!》
《うん!ジュエルシードだね!》

だいぶカオスになってきたお茶会で現実逃避しているとジュエルシードの魔力を確認。
アリサちゃんとすずかちゃんは2人共色んな意味でクライマックスなので、スルーしてユーノ君と一緒に向かいました。
そして到着したのですが…そこにいたのは巨大な猫でした。

「まさか…普通に大きくなりたかったの!?」
「性的じゃないまともな願いなんて!!」
【この猫にはこのまま育って頂きたいです】

すずかちゃんの飼い猫にしてはまともに見えるこの子を保護してあげたいです。
それはさておき封印を…

【フォトンランサー】

…!!
金色の弾丸が猫に当たって悲鳴をあげました。
弾丸の発射先に目を向けると、そこにいたのは…

「なるほど、魔法少女ものにありがちなライバルですね」
「なのは、なんでそんなに物わかりがいいの…」
「だてに厳しい世界に生きてないの」

さて…まともな子なら別にジュエルシードを渡してもいいんだけど…。
とりあえず、お話かな。



[4819] 高町なのはの受難
Name: 暇人◆55de688e ID:cbe5160a
Date: 2008/11/14 21:14
とりあえずバリアジャケットを展開して、猫を守るように立つ。
さて…常識人だといいんだけど。

【フォトンランサー】
【プロテクション】
【ディバインシューター】

うぅ…なんというか…
この真面目な魔法バトルが嬉しくて仕方がありません!!
ジュエルシードの暴走体は何やら変態的なのばかりだったし。

「そのジュエルシード、故あって頂いていきます」
「ジュエルシードを集めてどうするつもりなの!?」
「…話しても、意味が無い」
「話さないとわからないってばぁ!!」

これだよ!これなんだよ!
魔法少女とかファンタジーとかは、こうじゃなきゃダメなんだよ!
間違っても触手とかそんなのはダメなんだよ!!
例え少し危険でも、こういった健全な「危ない、なのは!!」…あっ

【アークセイバー】

感動のあまり油断してたの…



気絶から目覚めたらジュエルシードを封印された後の様でした。

「なのは、大丈夫?」
「うん、むしろやる気が出てきたよ!」
「そ…そんな!なのはまでもがMに目覚めて…」
【そ、そんな!?】
「いやいやいやいや」

ユーノ君とレイジングハートに突っ込みながら思う。
あの子、貴重なシリアス要因なの…。
絶対…絶対友達になって、歪んだ世間から保護しなきゃ!!
その為にも…

「特訓しよう、ユーノ君」
「えっ…まさか苦行で快楽を!?」
「いやいや」
【では、特訓して相手をフルボッコにして快楽を!?】
「いやいやいやいや」

…まずは特訓より先に、戦う動機を説明なの。



[4819] 高町なのはの受難
Name: 暇人◆55de688e ID:cbe5160a
Date: 2008/11/14 22:35
さて、全国的に(性的な)連休となっているわけなのですが。
高町家+月村家+アリサちゃんで温泉旅行に行くことになりました。
憂鬱です。

「はぁ…今日も性欲と血と変態にまみれた1日が始まるの…」
「なのは…頑張ろうね…」
【発言はともかく女装癖持ちのあなたも変態ですよユーノ】



とりあえず温泉に到着しました。
え?車の中の出来事?
ごめんなさい、運転しながらアレしたり血だらけだったりなので、自主規制しました。
ほんと気分悪いです…。
というわけで早速温泉へ。
私は内風呂ですが、皆は露天風呂に行きました。
きっと混浴だからなの。
この変態どもめ。

「なのは…僕、男の子なんだけど…」
「わかってる。でも向こうに入れたら、獣フェチに力ずくで襲われる可能性もあるかも知れないから…」
「うぅ…この世界怖いよ…」

ユーノ君、ある程度慣れれば大丈夫だよ。
それと旅行中は警戒心を絶やさずにね。
…あ、露天風呂が赤く染まってる…。



温泉から上がってアリサちゃんに輸血していると、オレンジっぽい髪のお姉さんが近づいて来ました。
何やら私をガン見しててます。
なんでしょう、ロリコンでしょうか?
…そのまま数秒して、睨んできていたお姉さんが口を開きました。

「わん!」

はい、ありがとうございました。
疲れたので失礼しますね。

なんか後ろから「わんわん!」とか聞こえますが、私は一般人なので犬語はわからないの。
近々バウリンガルを買うので許して下さい。

「おでこに宝石っていかにも魔法チックだよね」
「あー…そうだとしたら犬の使い魔だろうね」
【思いっきりわんわん言ってましたしね】
「むしろそういうプレイにしか見えなかったの…」

はぁ、すぐにプレイとかに結びつけちゃう辺り、私も汚れてきちゃった気がするの…。
本当なら、純粋な小学生なら、理由もわからず睨まれて怖がるんだろうなぁ…。

「はぁ…もう寝ようかな…」
【ならば私は周囲を警戒しておきます】
「僕も結界を張るよ。ゆっくり休んで」
「ありがとう、本当にありがとうユーノ君!レイジングハート!」

うぅ、旅行先で安眠出来るのは初めてだよ…。



[4819] 高町なのはの受難
Name: 暇人◆55de688e ID:cbe5160a
Date: 2008/11/15 09:57
せっかく安眠していたのにジュエルシードの魔力を感知。
どうやら世界は私に安眠をくれないようです。
…近い内に次元転移の魔法組んで、無人世界で休息しよう。

「さて!たぶんあの子もいるはずだから頑張ろう!」



到着しました。
やっぱりいました金髪のあの子。
やっぱりいました犬お姉さん。

「言ったよね…大人しくしてないと、ガブリと行くよって」
犬型なら喋れるんだ…なんて微妙な…。
とりあえず犬お姉さんは同じ獣のユーノ君に宜しくしておくの。

「私、あなたと友達になりたいの!!」

でも話を聞いてくれないから…まずは戦って勝つ!!



いいところまで攻め込めたのですが、スピードに撹乱されて負けてしまいました。
…戦いでストレス発散してる辺り、私も危ないのかもしれないの…。

「私の名前は高町なのは!あなたの名前は?」
「…フェイト。フェイト・テスタロッサ」
「どうしてジュエルシードを?」
「…それは…」

ああ、あの表情はヤバいの!
明らかに何かを思い出して恍惚としてる表情なの!!
…でも、まだ矯正出来そうな範囲内のはず。
絶対…たぶん…きっと…。
友達になって正しい道に導かなきゃ。
とりあえず今は見送ろう…。

「あ、ユーノ君大丈夫?」
「かなり危なかったよ…」
「性的な意味で?」
「いや、割りとガチだった。正直嬉しかったよ」
【彼女も歪みは少ないようですね】

よし、ならあの犬耳お姉さんも保護…いや、まだ判断は早いの。
もしかしたら目に見えてないだけで、どこかに致命的な部分があるかもしれないし。

「とりあえずは戦って判断だね」
【そうですね】
「あんまり酷くないといいね」

さて、旅館に戻って寝るの。
ユーノ君、レイジングハート、警戒お願いします…。



[4819] 高町なのはの受難
Name: 暇人◆55de688e ID:cbe5160a
Date: 2008/11/15 13:08
朝、目が覚めると、

「…あ」
「…!?し、シュート!!」

すずかちゃんが上に乗って目を怪しく輝かせていたので、ついディバインシューターをぶちかましてしまいました。
魔法バレを警戒しましたが、急な展開に流石に脳が働かなかったのか、単に私が押し飛ばしたと思ったみたいです。
助かったの。

《ユーノ君、温泉に避難するよ》
《そうだね》

旅館の至るところから聞こえる変な声をスルーしてやってきた温泉は、幸運な事に誰もいませんでした。
朝風呂を1人占め+変態無し…なんて幸せ!!
…まぁ、ユーノ君もいるんだけどね。

「極楽なの〜」
「でも…この後が少し怖いかな…」
「ユーノ君、いつもいつでも本気で生きなきゃ駄目だよ。先の事なんて考えちゃダメ」
「うん…そうだね。そうする」

混浴が怖いから結界付きですが、露天風呂にも入りました。
赤く染まっていた昨日の状況が嘘に思えるくらい、綺麗で温かいお風呂でした。



温泉から戻ったのですが、どうやらまだ盛り上がってるようなので旅館内を散歩することにしました。
溜息をつきながらとぼとぼ歩いていると、従業員のお姉さんが話しかけてきました。

「どうしたの?そんなに溜息ついちゃって」
「あ、いえ、常識について少し…」
「え…?まさか…あなた、まともな思考を…!?」
「え!?お姉さんもしかして…」

まさかまさかの出来事。
常識人と知り合うことが出来ました!!
今日は本当に運がいいみたいです。

「…なのよ。で、…とか…」
「わかります。…も…だったり…」
「そうよね。…だけど…なのに…」
「…とか、…どころか…」

そのまま互いに愚痴っていたら帰る時間になってしまいました。
時間が足りないです…。
あ、そうだ。

「お姉さん、どうぞ」
「これは…?」

お姉さんに渡したのはURLの書かれたメモ。

「私、管理人のnanoが運営しているサイト『常識人の集い』のURLです。悩みが愚痴があれば、是非来てみて下さい!!」
「!!…ありがとう、今日の夜にでも見てみるわ」

帰宅後の夜、人数は少なかったですが、休日チャットは大いに盛り上がりました。
明日からまた頑張ろう…。



[4819] 外伝 集いでのチャット
Name: 暇人◆55de688e ID:cbe5160a
Date: 2008/11/16 14:54
nano:そういえば
nano:旅行先で新しく仲間にあったんだ〜
疾風:ホンマに!?
nano:うん
nano:旅館の従業員さんだったの
疾風:おお〜
nano:紹介したからそろそろ来るかも

*温泉好きさんが入室しました*

疾風:楽しみやな
温泉好き:初めまして
nano:初めまして〜
疾風:初めましてやー
温泉好き:紹介されて来てみましたw
nano:噂をすれば…w
疾風:ナイスタイミングやねw

―――

nano:そんなに大変なんですか…
疾風:うわぁ…きっついなぁ…
温泉好き:本当に勘弁ですよ
nano:私達がまだマシに見えるなんて…
温泉好き:変な客ばっかりなんです
疾風:将来客商売はしたくないわぁ
温泉好き:あれくらいは日常茶飯事ですから>nanoさん
nano:うち両親が喫茶店…
温泉好き:系統にもよると思います>疾風さん
疾風:両親がかぁ…
温泉好き:まさか跡継ぎ…
nano:未来が怖いの…

―――

温泉好き:だいたいおかしいんですよ
温泉好き:なんでこんな世の中なのにTVは常識の範囲内なんですか
nano:あー…
疾風:確かにそやねぇ
温泉好き:なら全部常識の範囲内に納めて欲しいですよ
nano:でもそのおかげで今の私がいるの…
疾風:でもそのTVのおかげで常識人に育ったから複雑や…
疾風:ちょw
nano:同じw
温泉好き:同じですかw
温泉好き:まぁ
疾風:よし、結婚しよか!w
温泉好き:私もなんですけどねw
nano:みんなTVっ子w
疾風:みんな同じやw
温泉好き:ふつつかものですが…w
nano:私はどっちと結婚すればw

―――

疾風:この前図書館行った時やけど
温泉好き:ん?
疾風:図書館でよう見かける可愛い子に話しかけられたんやけど
nano:図書館かぁ
疾風:いきなり「血吸わせて?」って…
温泉好き:怖っ!!
疾風:あれは怖かったわ…
疾風:披捕食者の気分てあんな感じやろか…
温泉好き:大丈夫だったの?
疾風:大丈夫でした〜
疾風:nanoさん一時退席?
温泉好き:気を付けなきゃね…
nano:大じょb
nano:大乗うぶ
nano:大丈夫なの
温泉好き:なんで慌ててるのw
疾風:落ち着きw



[4819] 高町なのはの受難
Name: 暇人◆55de688e ID:cbe5160a
Date: 2008/11/17 12:00
温泉旅行から数日。
いつも通り愛欲にまみれた家族を華麗にスルー。
いつも通り血にまみれた友人をもスルー。
今の私は勉強と特訓だけが友達というストイックな生活を送っています。

「なのは、僕もいるよ」
【私もいます】

ああそうだったね、ユーノ君にレイジングハート。
一緒に頑張ってるもんね。

「それにしても、最近なかなか見つからないの…」
「相手の魔導師も動いてるみたいだし、何個か既に封印されてるかもね」
「私はフェイトちゃんを助けたいだけだからジュエルシードは正直封印出来ればどうでも…」
「それは僕が困るよ…」

わかってるの。
それにフェイトちゃんの裏に誰かがいるみたいだし。
その人がまた変態だったら…なんて恐ろしい。

「とりあえず頑張って探さ…っ!?」

突然感じる魔力の波。
これは…フェイトちゃんの?

「まさか…ジュエルシードに魔力を流して強制的に起動を!?」
「えぇ!?そ、そんなことしたら…」

不味いことになりかねないの!!

「行くよ!ユーノ君!レイジングハート!」



ジュエルシードの元に行くとやはり、フェイトちゃんとアルフさんがそこにいた。

「わん!わんわん!」
「ユーノ君!アルフさんは任せたよ!」
「が、頑張る…」

フェイトちゃんの前に立ち、レイジングハートを構える。

「あのジュエルシードは私が封印します。邪魔しないで」
「だめ!私が勝って、封印して、説得して、保護するの!!」
「…保護?」

ありゃ、うっかり言っちゃったの。
まあいいや、久々のシリアスなガチバトルだし。
頑張るよ!レイジングハート!

《なのは、最近バトルマニアチックになってきてるよ…》
《仕方ないですよ、数少ないシリアスになれる場ですし》

ユーノ君、レイジングハート、わざわざ念話使ってまでそんな話しなくていいから。



[4819] StS外伝 スバルの切っ掛け
Name: 暇人◆55de688e ID:cbe5160a
Date: 2008/11/17 20:57
―あの時、私はただ、泣いているだけだった。

燃え盛る炎と瓦礫が至るところにある道を、ただただ泣きながら歩く。
お姉ちゃんはいない。
火事になる前に既にはぐれてしまっていたからだ。

「ぐすっ…こわいよぅ…」

炎の熱が肌を刺激する。
もう助からないんじゃないか、このまま死んでしまうんじゃないか。
そんな考えが頭に浮かび、それが怖くて涙が止まらない。

「…あぅっ!…いたい」

瓦礫に足を取られ転んでしまう。
足を擦りむいちゃったみたいだ。
とても痛い。

「うぅぅ…?」

近くで大きな音。
そちらへ目を向けると、私に向かってゆっくり倒れてくる柱。
ああ、私、死んじゃうの…?
そう思いながら、ただ柱を見ているだけだった私の目に、桃色の光が映る。

「…大丈夫だった?助けに来たよ」
「あっ…」

その人は、白いバリアジャケットを纏った魔導師だった。
ああ、私、助かるんだ。
また涙が止まらない。

「一気に道を開くよ、レイジングハート」
【All right】

その人は杖型のデバイスを構える。
魔力が高まって、それが杖に集中していく。

「ディバイン…バスター!!」

凄まじい魔力の波動と勢いで、射線上の障害物を全てぶち抜きく。
私はそれを、ただポカーンと見ることしか出来なかった。

気が付いたら、魔導師の人に抱えられて空を飛んでいた。
…私は魔法が嫌いだった。
喧嘩とかも嫌いだったし、痛いのも嫌だったから、シューティングアーツの練習もしていなかった。
魔法が無くても、何とか出来る、そう思ってた。
…でも、今回の出来事で私は魔法の事を知った。
魔法を使う魔導師を知った。
そしてこの人に助けられた時私は知った。
巨大な柱を簡単に縫い止める魔法を見て理解した。
あの圧倒的な砲撃を見て、確信した。

―――この世の理は、即ち、力である、と。

―――

「なのはさん、スバルがこんなんなった切っ掛けは貴女みたいなんですけど」

言わないでティアナ…泣きたくなってくるから…

「はっはっはぁ!ぬるい!ぬるいよエリオォ!!」
「まだです!この程度じゃまだ足りません!!」
「エリオ君相変わらずドMだね、死ねばいいのに」
「キュルク〜」

というか、このフォワード陣大丈夫かなぁ…?



[4819] 高町なのはの受難
Name: 暇人◆55de688e ID:cbe5160a
Date: 2008/11/17 21:41
フェイトちゃんとの戦闘、何故か心が躍ります。
遠慮無しに魔力弾を放つ事でストレス発散になるし、シリアスな空気が純粋に嬉しい。
何より、フェイトちゃんが戦闘や苦痛に快感を覚えて無さそうなのが嬉しい。
前回の恍惚とした表情の理由が気になるけれど、それはそれとして置いておくの。



戦い続けてるとジュエルシードが活性化した。
封印しようと接近しましたが、フェイトちゃんもやってきたので封印に失敗。
途端、

「きゃあ!?」
「くぁっ!?」

ジュエルシードから強い魔力波が放たれ、2人とも吹き飛ばされた。
レイジングハートは…壊れちゃった!?
不味い、このままじゃ封印が…って、フェイトちゃん!?

「止まれ、止まれ、止まれ…」

フェイトちゃんが素手でジュエルシードを掴み、封印しようとしている。
どう考えても危険なの!!
なんとかして手助けしたい。
けどレイジングハートは壊れてしまい、私は遠く飛ばされてしまったので近付くのにも大変。



結局フェイトちゃんがジュエルシードを封印し、アルフさんと一緒に転移して行ってしまった。
ちなみにユーノ君は疲れきってぐったりしてるの。

「フェイトちゃん…大丈夫かな…」
「ゼェ…ゼェ…ぁぃ…丈ぶぅ…ゼェ…だと…」
「ごめんユーノ君、喋らなくていいからゆっくり休んで」

ユーノ君なんで回避ばっかりなんだろ。
魔法使えばいいのに。

【ユーノは早く魔力を回復させたいんですよ】
「魔力を?」
【今はフェレット姿ですが、元々人間なのですが】
「あ、そういえばそうだったね」
【はやく人間に戻って女装したいのでしょう】
「あぁ、そういえば変態だったね」

まぁ発言に異常は少ないからいいかな。
とりあえず…今日は帰ってゆっくり休むの。
訓練は…今日は休みかな。



[4819] StS外伝 キャロの覚醒
Name: 暇人◆55de688e ID:cbe5160a
Date: 2008/11/17 23:03
アルザスに産まれた竜召喚師、それが私、キャロ・ル・ルシエ。
物心ついた頃から竜と遊び、竜を使役していた。
そして、とある偉大な守り神とも言える竜、ヴォルテールの力を、借り受ける事が出来る巫女になってしまった。
私はそれが嬉しかった。
でも、他の人達は、そうじゃなかったみたい。

「過ぎた力は災いを喚ぶのだ」
「我々はお前を追放せねばならん」

そう言われて私とフリードは追放されてしまった。
その日からずっと旅を続けて、旅の間ずっと、あの時言われた言葉について考えていた。



ふと立ち寄った村で、人だかりを見つけた。
自分勝手な村の領主の息子が無茶苦茶な事を言っているらしい。

『強すぎる力は災いを喚ぶ』

地位や権力も力とするなら、この状況はある意味正しいのかも知れない。
でも、何かが違う。
私はそれを眺めながらそう感じていた。
その時、1人の男性が領主に刃向い、あっという間に領主を倒してしまった。
村人は男性に「どうしてくれるんだ!」とか「領主に逆らったら大変な目に!」とか言っている。
それを聞いた男性が言い放った。

「ああ、じゃあ領主の一家みんなぶっ倒して来てやるよ」

その発言通りに僅か数十分後に一家全員を叩きのめしてしまった。
その後、男性が領主一家を脅し、無理な要求はしない事を約束させたようです。


後で知ったのですが、その男性は犯罪者の旅人だったらしく、同じように気に入らない人達をやっつけて回っているようです。
まさに、強すぎる力で災いを振り撒いている人です。
でも、その自分勝手に力を振りかざす男性のおかげで助かった人達も沢山いました。

ああ…災いも、使い方次第では良いものなんだ。

―――

「それ以降、その人と同じ様な事をしてました」
「ああ、それで発言や発想が過激なんだ…」
「過激でいいじゃないですか。敵を粉砕すれば結果オーライですし。ね、フリード」
「キュルル」
「いや、粉砕したら死んじゃうからね」
「非殺傷設定って便利ですよね。やりすぎてもある程度なんとかなりますし」
「非殺傷でもやりすぎたら…」
「それはそれです。自然保護隊で学びました。世の中は弱肉強食です」
「いやいやいやいや」

もしかして、キャロちゃんが1番危険なんじゃあ…



[4819] 高町なのはの受難
Name: 暇人◆55de688e ID:cbe5160a
Date: 2008/11/18 23:00
前回の戦いから数日たった。
私の怪我は全然酷くなかったし、ユーノ君が治癒魔法をかけてくれたからすっかり治ってる。
けど、フェイトちゃんは大丈夫なのかな…。

ちょっと気になるけれどそれはひとまず置いといて。
今日は、ちょっと前に気になっていた事を確認する為にある事をする。

「なのは、本当にバリアジャケットで家族の前に出るの?」
「うん、なんかみんなアレだから、もしかしたら気付かないんじゃないかなぁ、と」

制服に似てるしね、これ。
別にバレても問題ないしね。
昔から自分の物は自分で買いに行ってたし。
ちょっと制服に似てる服だとでも言っておけば。

「でもなんでわざわざこんな事を?」
「うん、まぁ、色々とね…」

なんというか、確認…かな?



「お父さん、お母さん、おはよー」
「ぐっ…おはよう…なのはぁ…」
「はぁ…はぁ…はぁ…」

今日も朝から直列してる両親に挨拶。
こんな光景に慣れきっている自分が嫌なの。

「ごめんなさい…今日、朝ごはん、作って、ないの…」
「いいよ、自分でなんとかするから」

朝食は無いようなので居間から出る。
さて…

《…バレなかったね》
《いや、スルーしただけかも知れないの。一応道場にも行ってみる》



「おはよー」
「なのは!お前も俺を痛め付けてくれぇ!!」
「あははは!なのはもやるぅー?」
「やらない」

朝からクライマックスな2人だったのですぐに退室。

「…気付かないね」
「まだ…このまま学校へ…」



そのまま学校へ行き、授業を受け、お昼(朝に作ったおにぎり)を食べ、また授業。
そして放課後。

「誰も気付かなかったね…」

ははは…これはこれは…。

「ここまで何もないなんて…まさか私って居ても居なくても…?」
「なのは!落ち着いて!」
【大丈夫ですマスター!私は貴女を必要としています!】
「うん、ありがとね…」

いやでも流石にダメージキツいの…。
まさか性欲が家族愛や友情をも超えてるなんて…。
まぁ小さい頃からこうだったから予想はしてたけど…。

「ユーノ君、私、近いうちに別世界に引っ越そうかな」
「落ち着いてなのはぁぁぁぁ!!」

結局引っ越しは諦めました。
管理人nanoとしてなら頑張れるからね!
泣いてないよ!



[4819] 番外編 異世界逃避
Name: 暇人◆55de688e ID:cbe5160a
Date: 2008/11/23 16:08
もう色々嫌になったので現実逃避にランダム転送で異世界に来ました。

「なんか結界みたいなのにひっかかったような…」
【結界ですね】

嫌な予感がしてきました。
とりあえずバリアジャケットを展開して…と。

【マスター!何者かが接近してきます!】

うぅ…変態じゃなけりゃいいけど…。

現れたのは…巫女さん?
しかも空を飛んでます。

「あ、あの…」
「…我は神の代理人。
神罰の地上代行者。
我が使命は、我らが郷に仇為す愚者を、その最後の、一辺までも絶滅すること…」

えっちょっ

「…夢想封印」

えぇー!!ちょっいきなり攻撃なの!?
しかも強い!?
に、逃げなきゃ!?



なんとか巫女さんからは逃げ切りましたが、誘導弾が未だに一発追ってきてるので止まれません。
って、今逸れて行きました。よかったで『パリーン!』…?
大きいお屋敷の窓が割れてる…?
あ…女の子が凄いこっちを睨んで…飛び出してきた!?
え!?私のせいなの!?

「お前ここ(紅魔館)から生きて帰れると思うなよ…ぶち殺すぞ人間!!」
ま、またなのぉ!?



少し逃げたらあっさり追うのを止めたみたいです。
正直助かりました。
というか、この世界の人達みんなとんでもない弾幕張ってくるんです。
凄い怖【プロテクション】い…え?『ダン!』って攻撃!?

「外しましたか…」

そう声がした方向を向けば…メイドさん?

「十六夜咲夜。スカーレット家メイド。紅魔館ゴミ処理係」

え?ゴミってもしかして私なの?

「行きます」

行かないで下さい!!



なんだかんだ頑張って海鳴に帰ってきました。
異世界怖いです。

「酷いよなのは…僕を置いていくなんて…」
「ふふふ…ならユーノ君行ってみる…?何度、何度死ぬかと思ったかわからない世界に…」
「…ゴメン」

その後しばらく、巫女さんやメイドさんを見ると体が震えて止まらなくなるようになりました。



[4819] 高町なのはの受難
Name: 暇人改めKYO◆55de688e ID:cbe5160a
Date: 2009/05/13 22:40
心が踊るフェイトちゃんとの戦い。
喧嘩しか安らぎが無いとか異常な感じがしないでもないけど、仕方無いよね?

そんなこんなで今日もジュエルシードで発生した変態的なモンスターを倒しました。
後はフェイトちゃんと勝負するだけ!
…だったのに。

「ストップだ!」

なんか真っ黒で小さい男の子がいきなり現れました。

「時空監理局執務官、クロノ・ハラオウンだ。事情を聞かせてもらおう」

あれ、行動も発言も普通?
もしかして、同胞なの?

私が地味に感動している間にどうやらフェイトちゃんは逃げてしまったようだ。

「ところでユーノ君、時空監理局って何?」
「簡単に言えば裁判所と警察が合体したようなものだよ」

それって大丈夫なの?
確か他の世界も色々とおかしいんだよね?
性犯罪者の逮捕で忙しく…無いよね、多分捕まえないんだろうし。

何はともあれ、常識人と思わしき男の子とお話するべきなの!
そう意気込んでいると、いきなり空中にモニター?みたいなものが現れた。
そこに映っていたのはとても綺麗で若々しい女の人…ではなく、物凄く太った女の人だった。

『クロノ、大丈夫?』
「聞いてよママ!金髪の子が逃げちゃったんだ!僕どうすればいいの?」

あー…成程、そっち側だったの。

「帰ろっか、ユーノ君、レイジングハート」
「そうだね」
【賛成です】

えーと、今日は確か宿題があ「待ちたまえ。君達からは話を聞かなければならない」…はぁ。

「話ですか?」
『ええ、この事件について色々聞きたい事があるの』
「だから我々の艦であるアースラで話をしたいんだ…だよね、ママ?」
『ええ、そうよクロノ』

なんかあんまり関わりたくないけど、仕方が無いの。
話が長くなったら帰宅が遅くなるかもしれないけど多分大丈夫だしね。
うん、別に、帰宅しなくても、心配されないと、思うし、ね…ふふふふふ。

「なのは、落ち着いて!」
【大丈夫です!マスターには私達がいます!】

うん、ありがとね。
まだ私は大丈夫だよ。…うん、大丈夫だよ。

「それじゃあ、行こうか」
「うん」

こうして私達は魔法の光に包まれてアースラへと転移した。



[4819] 高町なのはの受難
Name: KYO◆55de688e ID:cbe5160a
Date: 2009/05/14 10:41
アースラに到着した私達は、早速艦長のリンディさんの元へ行くことになった。
途中ユーノ君が人間に戻ったりしてたけど、思った通りに女装だったので相手をしない事にした。

「酷っ!」

あーあー聞こえないのー。

到着した部屋は何故か和室風でした。
ただし、日本好きな外国人が勘違いしたような和室だけど。
そして目の前にいるクロノ君と、その母親らしいリンディさんのサイズ比が凄いです。
似たようなコンビを何処かで見たような…あぁ、ロッ○マンX3のヴァ○ュリーラとマン○レーラなの。

とりあえず出されたお茶を飲んで一服。
うん、中々に美味し…

(なのは、僕は目がおかしくなったのかもしれない)
(目以外に嗜好もおかしいけど、これは現実だよユーノ君)

目の前にいるリンディさんの湯飲みの中には、お茶と思わしき色をした流動体。
例えるならば、作りかけのべっこう飴の様な。

「今後、ジュエルシードの探索は我々が引き受けます」

話し合った末にそう言われた。
確かに、魔法が使えるようになったとはいえ女の子に任せるのは問題だもんね。
フェイトちゃんに会えなくなるのは残念だけど、これを機に魔法から離れて普通の暮らし…とは言えないけど、元の生活に戻るのもいいの。

「わかりました。平和の為に頑張ってください。応援してます」
「えっ!?」

え、リンディさん?
何でそんな「なん…だと…」とでも言いたいような顔をするんですか?
まさか私達から協力を申し出て欲しかったのかな?
それで早くジュエルシードなんて危険物がこの世界から無くなるならそれでもいいんだけど…。

とりあえず、その辺は家に帰ってからユーノ君と相談することにするの。
じゃ、帰ろっか。

ちなみに帰宅した時間は少し遅かったけど、誰も心配してませんでした。
一応晩御飯は作ってあったので食べることは出来たけど、本格的に家族と思えなくなってきました。
いっそ一人暮らししたいです。

とりあえず、サイトとブログの更新をするの…。



[4819] 高町なのはの受難
Name: KYO◆55de688e ID:cbe5160a
Date: 2009/05/15 17:21
朝目を覚ましていつも通り家族の変態行為をスルーしながら朝食を食べる。
そしてアースラに行って、昨日の話の続きをする。

「というわけで、消極的に協力します。自衛的な意味で」
「じ、自衛ですか…」

普段はいつも通りに生活して、もし万が一ジュエルシードに関するものに遭遇したら協力する。
簡単に言えば、緊急時にのみ手伝うって感じなの。
ほっといたら危ないしね。

消極的とはいえ民間協力者なのでアースラのクルーと挨拶する事になった。
武装隊の人達の目が明らかにヤバいです。むしろこの人達が捕まりそうな気がします。

「エイミィは…またか…」

どうやらまだ挨拶していない人がいるみたい。
エイミィさんって、女の人かな?

クロノ君についてエイミィさんのいる場所に向かう。
机に座ってキーボードをカチャカチャしてるけど、仕事してるのかな?

「エイミィ、民間「忙しい。喋んな」…忙しいも何もゲームしてるだけだろうが」

ゲーム?

「おい、エイm「あ゛あ゛ぁ゛ぁ゛!!ピチュったぁぁぁ!!クロノどうしてくれんの!?せっかく記憶を頼りに作り上げた紅魔郷ルナティックノーコンテニューでプレイしておぜう様まで行ったんだよ!?しかもラストスペル!!なんでわざわざそこで邪魔しに来るの!?空気読めないのは原作見たときから思ってたけどあんまりじゃない!?しかも何故かマザコンだし!!つかおかしいんだよあんたらみんなここリリカルなあろ世界なんだろせっかく転生できるって言われてワクワクしてたのに何故かエイミィだしみんな変態だしふざけんなよマジで!!つか何でTSだよ俺TS嫌いだって言ったよなふざけんなふざけんなふざけんなみんな死ね全員しね世界なんか滅びてしまえ次元断層に落ちろぉぉぉぉぉ!!!!」

恐っ!?しかも目にハイライトが無い!?

「ユーノ君…あれはいったい…」
「…昔見た、常識人だった人が環境に耐えられずに壊れたのと似てるよ。何を言ってるのかはわからないけど」

わ、私も将来ああなっちゃうのかな…?
いや、私には常識人仲間がいるから、きっと大丈夫、だよね…?



[4819] 高町なのはの受難
Name: KYO◆55de688e ID:cbe5160a
Date: 2009/05/16 10:36
目の前には妙に存在が虚ろになっている気がするクロノ君と、目のハイライトを消したままニコニコと笑いかけてくるエイミィさん。
今まで色んなタイプの人に出会ったけど、今回が一番怖いの。

「エイミィ・リミエッタだよ。よろしくね、なのはちゃん」
「は、はい、よろしくお願いします」

良かった。もう暴走モードは収まってるみたいなの。

「で、なのはちゃんはどんな変態なの?」
「へ?」
「だから変態なんでしょ?今まで例外なんか見たこと無いもん。あれでしょ、どうせバトルマニアとか魔王とかそっち方面なんでしょ?」

なんか初対面で物凄い暴言吐かれてるんですけど。

「いえ、違います。私は常識的な「嘘だッ!!嘘だ嘘だ嘘だ嘘だぁッ!!どうせお前もぶっ壊れてるんだろ!?わかるんだよ俺には!!今まで何度絶望してきたと思ってやがる!!常識的かと思いきや常にバイブ仕込んでたり獣耳にしか欲情出来ないジジィだったり!!いいか、俺は騙されないぞ!!例え正常な人間が俺一人だろうと」

とりあえずシャットアウトしました。
どうやら暴走モードに入ると周りが見えなくなるみたいだから、居なくなっても問題ないと思うの。

クロノ君もエイミィさんも今忙しいみたいなので、エイミィさんがやってたゲームを見てみる。
ふーんシューティングゲームなんだ。
キャラクターは魔法使いと、巫女…巫女…巫 女

「なのは!しっかりして!!」
「はっ!?」

な、なんだろう。
なんかとても怖いものを思い出した様な気がする。

二人が戻ってくるまでしばらく時間がかかりそうなので、ちょっとやらせて貰うことにする。
キャラクターは魔法使いで難易度は最高です。

「メイド…メイド…」
「な、なのは、大丈夫?」

何とか最終面まで来たけど、流石にそろそろやられそう。
とりあえず中ボスのメイドさんは撃破出来たけど、もうボムが無くなっちゃった。
残機も一つしかない。メイドさんが初めて出てきた時気がついたら死んでたけど、何でだろ?

「ラスボスはどんな女の子なの…か…」

気がついたらゲームオーバーになってました。
後なんか「ぶち殺すぞ人間」って言われた様な気がしたの。

「なのは、大丈夫?」
「うん…なんか頭が痛いけど…」

ゲームに熱中して目を酷使し過ぎたかな?
そろそろ壊れてる二人も復活しそうだし、休みながら待とう。



[4819] 高町なのはの受難
Name: KYO◆55de688e ID:cbe5160a
Date: 2009/05/16 22:40
民間協力者になってから数日が経ちました。
たまに結界が見えたり、悲鳴が聞こえたり、性的な悲鳴が聞こえたりしてますが、概ね平和に暮らしています。

ところで今日は、久しぶりにオフ会を開く事になりました!!
疾風さん…はやてちゃんは参加確定だけど、他の人達はまだわからないらしい。
PTさんとかドクターさんとか、もしかしたら参加するかも知れないって言ってたなぁ。

ちなみにこの二人は異世界の人らしいです。
ユーノ君とレイジングハートに協力して貰って、『常識人の集い』を次元世界版にしたら新しく常連になりました。
何だか忙しいらしくてチャットにはあまり来てないけど、二人共いい人です。
改良に伴ってはやてちゃんも魔法を知っちゃったけどしばらく混乱した後、

「まぁ、道端で全裸のままブリッジしてる人よりは魔法の方がまだ理解できるで」

と、ギリギリ納得してくれました。
すっかり慣れてたけど、やっぱ魔法はこの世界で考えたら非常識だからなぁ。
ちなみにユーノ君は今日はお留守番です。
お姉ちゃんの服を色々与えておいたので多分大丈夫なの。

オフ会の集合場所は近所にある喫茶店。
ここのマスターは何故か全裸にボディペイントだけど、それ以外は紳士的だから比較的マシなの。

ドアを開けて店内を見渡す。
あ、はやてちゃん発見。あと灰色の髪の女性と紫色の髪の男性。
PTさんとドクターさんかな?

「あ、今来ました。なのちゃーん!」
「すみません、ちょっと遅れちゃいましたか?」

早足で駆け寄り謝る。
うぅ、主催なんだからもう少し早く来るべきだったの…。

「私達も来たばかりだし大丈夫よ。初めまして、PTよ」
「話は聞いていたが本当に9歳とはねぇ…。私はドクターだ。よろしく」
二人とも笑いながら自己紹介をしてくれた。
凄い美男美女なの。今まで見た美男美女はみんな変態だったからちょっと感激です。

「はい!私はnanoです!ちなみに名前はなのはなので、お好きな方で読んでください」

さて今日はオフ会でみんなで楽しく愚痴ってストレス発散なの!



[4819] PTさんの過去
Name: KYO◆55de688e ID:cbe5160a
Date: 2009/05/17 10:09
「二人とも娘さんが問題なんですかぁ」

なのはちゃんがジュースを持ちながら言う。
スカリエッティも同じく娘に苦労してるのは驚いたわ。
研究所で会った時は研究熱心な子供だったのに、今では父親なのね。
そんなことを考えながら、私は当時の事を思い出す。

アリシアを失った私は絶望に沈んでいた。
この腐敗した世界で真っ直ぐに育ったアリシアは、私の宝物だったのだ。

ある時、監理局の違法研究所から生命操作の研究の誘いが来た。
娘を蘇らせる事が出来るかもしれないと、私は即座に参加を表明した。

プロジェクトFと名付けられた研究で私はクローンや記憶転写に重点を置いた。
他の研究者はよくわからない事をしていたが、覚えていない。

計画名が気付けばプロジェクトMになっていた頃、記憶転写をある程度完成させる事が出来た。
クローンももう少しで実用段階に至る。
もう少しで、アリシアに…!!

月日が経ち、とうとうアリシアのクローンに記憶を転写させる時が来た。
愛しい娘が目を開けた姿を見て涙が溢れ落ちる。
そして私の娘は、

「おはよう、ごしゅじんさま」
「なん…だと…」

お母さんではなく、ご主人様と、呼んだ。

他の研究者の成果も使ったのがいけなかったのだろうか。
計画名は知らない内にPPM(プロジェクト・プリンセス・メーカー)と言う名前に変わっていた。
そして内容も『クローンや死者蘇生を目的とした生命操作研究』から、『全てを肯定してくれる自分好みの従順な可愛い子供を作り出す計画』になっていた。
研究に没頭していたとは言え、何故こんな展開に気付かなかったのだろうか。

アリシアにそっくりで、それでいて似ていない娘にはフェイトと名付けた。
初めは純粋に存在が気に入らなく、事ある毎に鞭や魔法で痛め付けていたのだが、その全てをフェイトは悦びながら受け止めていた。
PPMの子供はマスター認定した相手のする事を全て肯定してくれる存在らしい。
でも私はSMプレイをしているわけじゃない!!

嗚呼、せめてフェイトの行動が普通だったならば私は二人目の娘として接していたかもしれない。
でも、それはあり得ない事なのだ。
マスターが変われば可能性はあるが、そう簡単には変わらないからこそのPPMだ。

そして私はアルハザードの存在を知り、アリシア本人を復活させる為に活動を始めた。
私の希望はもうそれだけなのだから。



[4819] 高町なのはの受難
Name: KYO◆55de688e ID:cbe5160a
Date: 2009/05/17 13:21
PTさんが遠い目をしている。
あれは間違いなく過去を思い出して世界に絶望している目なの。私にはわかる。

「PTさん、どんな娘さんなんですか?」
「あ、私も聞きたいです」
「僕も聞いてみたいね」

みんなで聞くと困った顔をして話し出した。

「どんなって言われても、全属性に対応出来る変態としか…。ただ私にしか反応はしないけどね」
「それは、レベル高いなぁ…」

はやてちゃん、レベルとかそういう問題じゃ無いと思うの。

「あ、でも最近少しだけ変わって来たのよね。前までは私の事しか考えて無かったみたいなのに、今はたまに喧嘩してる相手の事も考えてるみたいなのよ」
「喧嘩、ですか?」

喧嘩相手に引かれる…まるで最近の私なの。
…何か予感がする。

「娘さんの名前はなんだい?」
「フェイトよ」
「ぶふぉっ!?」

予感が的中しました。
これはジュースを吹かざるを得ません。
にしても、PTさんがフェイトちゃんの…言われてみれば似てなくもないかもしれないの。

「ゲホッゲホッ、PTさん、その喧嘩相手、私です」
「えぇ!?本当なの!?」

そこから話は大盛り上がり。
魔法に関する事で、かつ危険な事なのであまり大声では話せませんでしたが色々話しました。
ジュエルシードを集める理由は聞けなかったけど、それは別に気にしない事にします。

「なのはちゃん、もし良かったらこれからもフェイトの相手をお願いしたいの」
「相手、ですか?」
「ええ、そしたら私以外にも目を向けてくれるかも知れない」

うーん、娘の為を思っての発言なんだろうけど、大丈夫なのかなぁ?
手伝ってあげたいけど、何か変なフラグが立ちそうな感じがして…。
…ま、いっか。数少ない常識人仲間のお願いだから、頑張るの!

「わかりました!どうなるかわかりませんけど、頑張ってみます!」
「ありがとう。ごめんなさいね、本当に…本当に(これでうまくマスター認定が移れば…!!)」

何かやっちまった感が漂ってる気がする。
早まったかなぁ…?



[4819] ドクターさんの目標
Name: KYO◆55de688e ID:cbe5160a
Date: 2009/07/18 18:32
どうやらプレシアも苦労しているらしい。
しかし私は精神に加え肉体にも苦痛が溜まっているからなぁ。

私は監理局最高評議会に作り出された存在だ。
世界平和の為にと様々な違法研究をさせられていたので、「何が平和か」と思っていた。

が、世界は思いの外問題だった。

評議会に呼び出され、世界の現状を伝えられた時は正直絶句した。
これは酷い…平和といえば(頭の中が)平和だが。
評議会も何とか世界を正しい姿に戻したいと行動しているが、正常な思考を持つ部隊は評議会直属の暗部部隊のみ。
そこで生命操作研究で正常な人間を作り出す為に私が作られたのだ。
コードネーム『無限の欲望』。
変態の様に特化さた方向に欲を集束させるのではなく、様々な方向に様々な欲を向ける『普通の人間』であるように名付けられた名前。
私の任務は想像以上に激務になりそうだった。

研究を続けてとうとう初の戦闘機人の起動にまで至った。
NO.1ウーノ、女性型の戦闘機人だ。
男性型も作ろうかと思ったが、何やらあまり気が進まなかったので止めた。
それに私の秘書も欲しかったのだ。
個人的には秘書は女性がいい。

カプセルが開き、ウーノが目を開いてカプセルから出てくる。
まだまだ人間そのものとは言えないが、思ったよりも滑らかに動いて嬉しくなる。

「おはよう、ウーノ」
「おはようございます、お兄ちゃん」

なん…だと…

ウーノは呼び方はともかく行動は比較的普通だった。
お陰で評議会から依頼される仕事もはかどるようになった。
しかし、たまに甘える妹の如くベッドに入り込むのは勘弁して貰いたいのだが。
というか妹というより娘なんだが君は。
というか脱ぐな。頬を赤く染めるな。

研究を続けて、ドゥーエ・トーレ・クアットロ・チンクの4体を更に作った。
念入りに調整したので、動きは殆ど人間と同じだ。

「お兄様」ドゥーエ
「お兄ちゃま」トーレ
「お兄たま」クアットロ
「すみません…どう言おうとしても、あにぃとしか呼ぶ事が出来ません…」チンク

私はチンクに希望を見た。
今後制作する娘達は絶対なまともにしてみせるぞ!
そして世界を平和に!

「ドクターさん、どうかしました?」
「ん?…あぁ、ちょっと最近の事を思い出していてね」

とりあえず、今はオフ会で久々にゆっくりするとしよう。



[4819] 高町なのはの受難
Name: KYO◆55de688e ID:bc6f8efa
Date: 2009/06/23 12:26
とても楽しく、そして何処か悲しくなるオフ会も終わってまたSAN値がすり減る日常に戻る。
自分の未来の可能性(エイミィさん)を見てから、以前よりも未来が怖くて堪らないけど、日々頑張ってるの。

最近は時々ジュエルシードの暴走に出会ったり、武装隊の人に襲われたりしたけど比較的平和です。
ちなみに武装隊の人はバインドで固定した後に下半身にディバインバスターしました。
2週間は使い物にならないみたいです。
ざまぁなの。

「さてユーノ君、レイジングハート。そろそろ現実に戻った方がいいかな?」
「うん、多分その方がいいよ」
【頑張りましょう】

私の視線の先…沖合の海上には数本の竜巻みたいなもの。
魔力を感じるからジュエルシードだと思うけど…あれ?フェイトちゃんかな?
アースラの人達は来ないみたいだし…PTさんと約束したし、個人的にもちょっと友達になりたいから手伝いに行こう。

というわけで海上に到着して、ワンワン煩いアルフさんを無視してフェイトちゃんに魔力を分ける。
そしてフェイトちゃんと協力して、竜巻を魔法で吹っ飛ばしてジュエルシードを封印した。
ふぅ、ちょっと大変だったの。

「どうして…」

ん?

「どうして、助けてくれたの?」
「あー、えっと、色々理由はあるんだけど…」

PTさんに頼まれたり、ほっとくと町が危なくなる可能性もあったり。
でも一番はやっぱり。

「友達に、なりたいんだ」
「友達…」

…あるぇー?何で顔を赤くしてるの?
私なにか間違ったの?

「と、とりあえず…ジュエルシードは半分こしよう」
「あ、うん」

お互い3個ずつデバイスに封印する。
直後、何もない空中から突然魔法と思わしき雷が降ってきて、フェイトちゃんに直撃した。

「ふあぁぁぁぁん!!」

フェイトちゃんは悲鳴と共に転送されてしまった。
…悲鳴、だよね。うん、悲鳴。
お兄ちゃんがボコボコにされてる時に出す悲鳴に似てた気がするけど気のせいなの。

「とりあえず、アースラに戻ろう」

あ、クロノ君いたの?



[4819] 高町なのはの受難
Name: KYO◆55de688e ID:bc6f8efa
Date: 2009/06/23 21:54
アースラの中での話し合いが終わってから、自室に篭っているエイミィさんに会いに行ってみました。

「こんにちは、エイミィさん」
「あ、なのはちゃん。どうしたの?」

あれ?何か落ち着いてる?

「いえ、会議の時に居なかったので会いに来たんです」
「あはは…外は、敵だらけ、だから、ね…ふふふふふふ」

あ、全然落ち着いて無かった。
でも比較的暴走してないみたいなの。

「そだ、なのはちゃんシューティングゲーム得意?」

シューティングゲーム?

「はい、それなりには」
「じゃあ勝負しない?対戦シューティング作ったんだ」

そういえば前もシューティングゲーム作ってたよね。
好きなのかな?

エイミィさんの隣に座ってコントローラーを持つ。
えっと…東方花映塚?前のは紅魔郷だったっけ?

「キャラが色々いるけど、説明聞く?」
「いえ、多分大丈夫です」

えっと…うぅ、まだトラウマが残ってるみたいなの。


「じゃあこの魔法使いにします」
「…やっぱり砲撃」
「え?」
「いや何でもないよ。…えーと私は…」

そして気がつけば負けてました。
酷いよエイミィさん…巫女さん使うなんて…。

エイミィさんと遊び終わった後にユーノ君と合流してアースラを降りて、帰宅しようと歩き出したら突然目の前にアルフさんが転送されて来ました。
しかも結構酷い怪我をしてます。

「アルフさん!?」
「…あぁ、あんたかい。何だかわからないけど…あいつに転送されちゃったみたいだね」
「喋っちゃダメ!ユーノ君!」
「まかせて!治癒魔法を使うよ!」

あいつって…フェイトちゃんじゃないだろうから、多分PTさんだよね?
でもなんで怪我をさせて転送なんて酷い真似を…

「ぐっ…ただ鞭に打たれて悦んでるフェイトに「よかったね」って言っただけなのに…」
「ユーノ君、もう自然治癒で大丈夫だと思うよ」
「そうだね」

さ、アースラに連絡してから帰ろう。



[4819] 外伝 集いでのチャット2
Name: KYO◆55de688e ID:bc6f8efa
Date: 2009/07/14 20:48
温泉好き:実は前に常識人な男性と知り合いまして
nano:ふむふむ
疾風:ほほう
PT:珍しいわね
ドクター:よろしい、続けたまえ
温泉好き:今日、結婚を前提にお付き合いする事になりました!!
nano:なっ
PT:ななっ
ドクター:なななっ
疾風:なんだってー!!
温泉好き:何というコンビネーション
nano:おめでとうございます!
PT:ななっなんなn
疾風:めでたいなぁ
ドクター:PTwww
温泉好き:みんなありがとう!
nano:本当に慌ててるw
疾風:PTさん萌えやな
PT:不覚…!!

―――

*温泉好きさんが退室しました*
疾風:さて、魔法組が残ったわけですが
nano:あ、PTさんフェイトちゃんから聞いてます?
ドクター:む、フェイトとは確か娘だったかね
PT:聞いたわ。ジュエルシードをかけて勝負だったかしら
PT:ええ、娘よ
疾風:そういえばそんな話もあったなぁ
nano:とりあえず怪我しちゃうかも知れませんけど、怒らないで下さいね
ドクター:ジュエルシードか…少し研究してみたいが
PT:わかったわ
疾風:破壊王nanoちゃん伝説の始まり?
nano:ダメですよードクターさん
nano:私破壊王じゃないの!!
ドクター:残念だね
疾風:なん…だと…!?
ドクター:なん…だと…!?
PT:あ、戦闘が終わったらフェイトと一緒にアースラに行って欲しいのだけど
PT:なん…だと…!?
nano:疾風ちゃんもドクターさんも酷いの!
nano:あ、はいわかりました
nano:ってPTさんも酷いのー!!

―――

疾風:私の足も魔法的な病気やったら簡単そうなのになぁ
nano:原因不明なんだっけ?
ドクター:ふむ…今度暇なときに検査してあげようか?
PT:私も簡単な検査なら出来るけど…時間が無いのよね
疾風:お願いしますー
疾風:二人ともありがとうございます
nano:治るといいね
ドクター:原因がわからなくても出来るだけサポートするよ
PT:私は…今後忙しくなりそうだからドクターに任せるわ
疾風:あかん、みんなの優しさに感動して泣きそうや
ドクター:可愛いのぅ
nano:可愛いのぅ
PT:可愛いのぅ
疾風:感動ぶち壊しや



[4819] 高町なのはの受難
Name: KYO◆55de688e ID:bc6f8efa
Date: 2009/07/18 17:04
目の前にはフェイトちゃんがいて、離れた場所にはユーノ君とクロノ君とアルフさんがいる。
今日はジュエルシードを全て賭けた最後の決闘の日です。
漫画とかではこの後二人は友達に…ってなるけど、私達の場合は友達になれるかな?

「今日で終わりなのは少し残念なの」
「私も…少しだけ」

その台詞に思わず目を見開いてフェイトちゃんを見ちゃった。
そっか、フェイトちゃんも楽しんでたんだ…ちょっと嬉しいかな。

「行こう!レイジングハート!」
【all right】
「バルディッシュ!」
【yes sir】

飛行魔法で止まらない様に飛び続けながらシューターを放つけど、素早いフェイトちゃんにはなかなか当たらない。
でもこっちもフェイトちゃんの攻撃を防いだり避けたりしてるからダメージはお互いあまり無い。
ただ…何故かフェイトちゃんの回避とか防御が遅れたりしてるのは何でだろ?
なんか当たりに行ってる様な感じも…いや、気のせい気のせい。
PTさんも「私限定でおかしくなる」って言ってたし、私には関係無いよね。

「っ!?バインド!?」

余計な事を考えてたら捕まっちゃったの。
そしてフェイトちゃんが大量のスフィアを浮かべ始める。
ちょっと…不味いかも。

「フォトンランサー…ファランクスシフト!!」

バインドを外せたけと回避が間に合わない!?

「くっ…レイジングハート!」
【プロテクション】

耐えきって…みせる!!

5発、61発、143発…膨大な数の魔力弾に襲われたけれど、なんとか気絶しないで済んだ。
今度は、こっちの番…!!

「なっ!?バインド!?」
「受けてみて!ディバインバスターのバリエーション!!」

フェイトちゃんと同じ様にバインドで手足を押さえて空高く飛び上がる。

「咎人達に滅びの光を…」

この魔法を考えたのはエイミィさんが作ったゲームが切っ掛け。
『普通の魔法使い』が使っていたもの凄いパワーの魔法を見て、私も使ってみたいと思った。
でも魔力が足りない。なら、周りから集めちゃえばいい。
そして完成した魔法。

「魔砲『スターライト…スパーク』!!」

名前と使い方も同じ感じにしてみました。
なんか念話でエイミィさんが「ちょwwwおまwww」とか言ってた様な気がするけど気にしないの。

勝負は私の勝ちで終わったのでフェイトちゃんを助けた。

フェイトちゃんが「…は様」って何か言ってたけど私は知りません。



[4819] 高町なのはの受難
Name: KYO◆55de688e ID:bc6f8efa
Date: 2009/08/01 21:02
アースラに戻ったらモニターのPTさん…プレシアさんが無双してました。

「うわぁ…やられてる武装隊の皆が凄い良い笑顔なの」
【末期ですね】

そして武装隊の皆を吹っ飛ばした後、いきなりフェイトちゃんについて語りだした。
そしてそれにクロノ君達が補足する。
…いや、フェイトちゃんの目の前でわざわざ補足する事は無いんじゃないかな?
というか、プロジェクトプリンセスメーカーって…

『フェイト、私は変態な貴女が大っ嫌いだったのよ!』

つまり変態じゃなきゃ大好きなんですね、わかります。
でもちょっと言い過ぎだよね…フェイトちゃんの目からハイライトが消えちゃってるし。
本当はフェイトちゃんをそんなに嫌ってないって知らなかったら私も怒ってたかな?

とりあえずプレシアさんの所に行くことになりました。
でもその前にフェイトちゃんを何とかしなきゃね。

「フェイトちゃん」
「…」

ダメなの…クロノ君の補足が本当なら、マスターに拒絶されて何も出来ないって状態なのかな?
うーん…ならまずは元気になって貰わなくちゃね。

「大丈夫だよ。フェイトちゃんがクローンでも、アルフさんはフェイトちゃんだから一緒にいるんだし…私もフェイトちゃんだから友達になりたかったんだよ」

今は何か止めた方がいい気がしてきてるけど…。

「プレシアさんに嫌われても、フェイトちゃんはプレシアさんが好きなんだよね?なら、それを伝えなきゃ」

さて…フェイトちゃんが心配だけど、後はアルフさんに任せて行かなきゃね。

「行こうユーノ君、クロノ君、レイジングハート」
「うん、行こう」
「ああ」
【all right】

さて…最後の戦いになりそうだし、ストレス解消も兼ねて思いっきり行くの!!



[4819] 高町なのはの受難
Name: KYO◆55de688e ID:bc6f8efa
Date: 2009/08/01 21:03
私達は今、時の庭園に侵入してロボットみたいなのと戦ってます。
エイミィさんが作ったゲームのに出てきたビームみたいにディバインバスターを横に薙ぎ払ったら一気に敵を倒せました。
あのゲームは参考になります。
名前を着けるなら…魔砲『ディバインレイ』かな?

暫くすると後ろからフェイトちゃんとアルフさんが追ってきました。
無事復活したみたいで、どうやらプレシアさんと直接話したいみたいです。

ところで、フェイトちゃんに私が励ました事についてお礼を言われたんだけど…。

「ありがとうございます、なのは」

フェイトちゃん、なんで顔を赤くしながら敬語で言うのかな!?
フェイトちゃんのマスターってプレシアさんだよね!?
マスター以外にそんな事してもいいの!?
…落ち着いて、落ち着くんだよ高町なのは。この世界なら何が起きてもおかしくはないの。
でも多分励ましたりしたせいでちょっと敬意とかがあるくらいだよ、うん。
現にまだ呼び捨てだしね。

とりあえず二手に別れてから私は時の庭園の駆動炉を破壊しました。
そしてプレシアさん達のいる場所に向かうと…

「世界はこんなはずじゃ無かった事ばかりなんだ!!」

本当に、本当にそうだよね…。

それはさておき。
さ、フェイトちゃんの番だよ。

「母さん…私は、アリシア・テスタロッサじゃありません。貴方が造った、唯の人形かもしれません。」
「…」

あれ…?不味い、何かわからないけど何かが不味い!
私の第六感が何かを訴えて来てる!!

「だけど、私は、貴方に生み出してもらい、育ててもらった貴方の娘です」
「フェイト…」

不味い不味い不味い!?
いったい何が!?何でこんなに危機感を感じなきゃいけないの!?

「フェイト…よく聞いて」
「はい、母さん」

!?プレシアさんを完全に母親として呼んでる!?

「現マスター『プレシア・テスタロッサ』のマスター登録を破棄!並びにセカンドマスター『高町なのは』を新マスターとして登録!以後マスター権限におけるマスター権移行を制限!」
「わかったよ、母さん」

あ゛あ゛あ゛あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!!!???
ななななな、なんて事をしてくれやがったの!?

「これからよろしくお願いします、なのは様」
「ごめんなさいなのはちゃん…あ、執務官。私自首するわ」

あははは…終わった…



[4819] 高町なのはの受難
Name: KYO◆55de688e ID:bc6f8efa
Date: 2009/08/03 18:11
ジュエルシードを回収し、アリシアちゃんの体が入ったカプセルと一緒にみんなでアースラに戻りました。

「ね、ねぇなのはちゃん」

それにしてもフェイトちゃんが…はぁ、貴重な友達だったのになぁ。
そりゃ多少は変態的ではあったけど、それもプレシアさんだけだったから特に被害は無かったし。

「なのはちゃん?…なのはちゃーん?」

これからどうしよう…とりあえずフェイトちゃんは監理局に行かなきゃならないだろうから、それはそれとして。
事件関連が全部片付いたらうちに来るのかな?
…まぁ、私の家族は反対しないだろうから別にいいんだけどね。

「うぅ…フェイト、なのはちゃんが無視するのよ」
「な、泣かないで母さん」
「フェイト…フェイトは優しいわね…」
「フェイトちゃん、プレシアさんと会話しちゃだめだよ」
「はい、なのは様」
「なのはちゃぁぁぁぁぁぁん!?」

ざまぁなの。

「で、リンディさん。プレシアさんはどうなるんですか?死刑ですか?」
「い、いえ、監理局法で死刑は禁止されてるからそれは無いけど…」

はぁ、そうですか。
ところでエイミィさん、何で私を見て「魔王」とか言ってるのかな?
ちょっと今の私は機嫌が悪いから、あまり刺激しない方がいいよ?

「おそらく、最も重い刑罰になると思うわ。それこそ死刑よりも…」

死刑よりも重い刑罰?

「例えば、手足の指先から順番に裁縫針を刺していくとかですか?それともカミソリを縦に敷き詰めた滑り台を滑らせるとか?」
「なのは…発想が怖すぎるよ…」

そう?そうかもね?うふふふ。
それにしてもどんな重い罰なのかなぁ?

「なのはちゃん…残念だけど、監理局はなのはちゃんが考えるよりも残念な組織なのよ」

プレシアさんは喋らなくていいです。
…でも、残念なの?

「恐らくプレシア・テスタロッサ刑罰は…」

刑罰は…?

「性的興奮の封印刑よ」

甘っ!?

「ふふふ…大抵の犯罪が性犯罪絡みのこんな世界だからこそ、封印刑が一番重いのよ。だからこそ自首したんだから」

そんな馬鹿な…
こうなったら、私がプレシアさんに罰を!!
ふふふ…楽しみにしてるがいいの。
ふふふ…

「なのは黒いよ…黒すぎるよ…」

ふふふ…そりゃ黒くもなるの…
ふふふ…



[4819] 外伝 集いでのチャット3
Name: KYO◆55de688e ID:bc6f8efa
Date: 2009/08/04 18:24
nano:とまぁ、そんな感じで帰ってきまして
nano:貴重な友達が下僕にorz
疾風:うわぁ…
ドクター:両者の気持ちがわかるからなんとも言えんが…
疾風:で、おしおきするん?
nano:するよー。むしろもう準備完了してるの
疾風:ほほぅ、それはそれは
ドクター:どんな内容なんだい?
nano:もうすぐわかると思うの
ドクター:それは楽しみだね
*PTさんが入室しました*
*PTさんが追放されました*
疾風:追放www
ドクター:これはwww
nano:ふふふ…
ドクター:しかし
疾風:参加禁止かぁ
ドクター:PTならプログラムに介入してなんとかすると思うがね
nano:大丈夫、対策はあるの
*PTさんが入室しました*
疾風:…む、早くも追放を破ったみたいやな
nano:ふふふ…
*PTさんは発言を禁止されています*
ドクター:www
疾風:www
nano:www
*PTさんが追放されました*
nano:手動で追放しましたーwww
疾風:いたちごっこやwww
ドクター:なかなか面白いイベントだねwww
nano:あ、手動プログラムがやられたみたいなの
疾風:PTさんすごいなぁ
ドクター:まぁ彼女も天才の類いだからね
*PTさんが入室しました*
疾風:さぁ今度は…?
ドクター:wktk
nano:ふふふ…
PT:なのはち
*PTさんは4文字制限中です*
疾風:なのはちwww
ドクター:78www
nano:残念でしたー
nano:あ、これも解除された
疾風:白熱する戦い…ッ!!
ドクター:ザワ…ザワ…
PT:※→=◆+'
nano:レイジングハート防壁!
疾風:文字がwww
ドクター:デバイスは流石に干渉出来ないから詰みだねwww
疾風:…動きが止まった?
ドクター:みたいだね
疾風:nanoちゃんも発言してないなぁ
ドクター:これはおそらく
ドクター:PTが転移魔法でリアルに謝罪に行ってるのではwww
疾風:それやwww
nano:正解なの>ドクターさん
疾風:PTさん必死www
nano:というか、まさかマジ泣きされるとは
ドクター:マジ泣きwww
疾風:マジ泣きwww
*PTさんが入室しました*
疾風:お?
PT:本当に申し訳ございませんでした
ドクター:www
疾風:www
nano:仕方ないの
nano:寛大に許してあげます
PT:ありがとう;;
nano:借り5で
疾風:多www
ドクター:5www



[4819] 高町なのはの束の間の平穏
Name: KYO◆55de688e ID:bc6f8efa
Date: 2009/08/04 20:08
あれから数日が経ちました。
私は自宅に戻っていつも通りの非日常な日常を過ごしています。
ユーノ君はジュエルシードの発掘者なのでアースラに乗って監理局へ。
レイジングハートは私にくれるとの事です。

フェイトちゃんとアルフさんはプレシアさんと一緒に監理局へ行きました。
ただ命令されていただけとはいえ一応事件の関係者だから、まぁ当然です。
ただプレシアさんは封印刑で済みますが、フェイトちゃんはどうなるかわからないとリンディさんが言ってました。
下僕になっちゃったとはいえ友達のフェイトちゃんが懲役とかになったら心苦しいので、翠屋のケーキでリンディさんを買収しました。
きっと上手く証言を改竄してくれると思います。

ちなみに翠屋のケーキは私も作れます。
流石にお母さん程の技術はありませんが、その代わりに変な液体や縮れ毛が入ってないのでイーブンだと思います。
味は美味しいのになぁ…お母さんのケーキ。

ところで、ちょっと長い間帰宅しなかったので流石に怒られるかもと怯え半分期待半分で帰ったのですが、至って普通にスルーされました。
…とりあえずいつでも家出が出来るように準備をしておく事にするの。
もう限界です。

そんなこんなで日常を過ごして数日。
明日ははやてちゃんの誕生日なのでお祝いすることになりました。
温泉好きさんは仕事で来れないみたいですが、ドクターさんは仕事が一段落したらしく来れるみたいです。
しかも娘さんの一人を連れてくるとの事。
どんな人かなぁ。

ちなみにプレシアさんは来れたら来るらしいです。
距離はわからないけど、凄い遠い距離を転移魔法で来るつもりみたいです。
フェイトちゃんも転移魔法で来るのかな?

まぁそんなこんなで。
私ははやてちゃんの家に今日から泊まりに行く事にしました。
家にいても…仕方無いし…

「いらっしゃい、なのはちゃん」
「こんにちは、はやてちゃん」

さぁ、今日は前夜祭ということで一緒に遊んで一緒に明日のパーティーの準備をするの!
楽しみだなぁ。



[4819] 高町なのはの束の間の平穏
Name: KYO◆55de688e ID:bc6f8efa
Date: 2009/08/06 15:03
私とはやてちゃんは現在、誕生日パーティーに食べる料理の仕込みを二人で進めています。
早く自立するために家事を頑張ってきたから自信があったけど、はやてちゃんは料理スキルが高すぎなの…
デザートに関してはなんとか私の方が上だったけど、油断したら追い抜かれそうです。
はやてちゃんは良い主婦になれそうなの。

とりあえず前日に出来る準備は全部終わったので、二人で遊ぶことにしました。
はやてちゃんの家は何気にゲームも充実していて、遊びに事欠きません。
どこからお金を持ってくるのかと思って聞いてみたら、両親の遺産だと言ってました。
流石にはやてちゃんに遺産の管理は出来ないので、遠い親戚のグレアムおじさんにしてもらってるとの事ですが…もしかしてはやてちゃんもお金持ちなんでしょうか?
テスタロッサ家もあんなもの(時の庭園)を持ってるくらいだからお金持ちだろうし…
なんだかいつもとは違うベクトルの社会の理不尽さを感じます。

「うわっなのはちゃん飛び道具の使い方上手すぎやって!」
「えへへ、多分相性がいいんだよ」

スマ○ラではやてちゃんを飛び道具で画面外まで運んだら自重しろと言われました。
はい、自重します。

晩御飯ははやてちゃんの自慢の料理を食べました。
本当に美味しいです…いつかは同じくらい美味しいのを作って見せるの!

食後にはやてちゃんの部屋で色々お話をすることになりました。

《マスター》
《レイジングハート、どうしたの?》

部屋に入ると突然レイジングハートが念話を飛ばしてきました。

《本棚から妙な魔力反応がします》
《本棚?》

気になったのではやてちゃんに許可を貰って本棚を見てみると、あからさまに封印されているなんか呪いっぽい本がありました。

「はやてちゃん、この本…」
「ああ、それ気がついたらあったんや。何かヤバそうな感じがするんやけど…捨てようとしたら、『それを捨てるなんてとんでもない!』って電波が…」
「はやてちゃん…とうとう…」
「すいませんでした冗談です。…でも、何となく捨てられへんから持ってたんや」

それって呪いのせいなんじゃ…

その後、本の事は忘れて魔法の事や今後の事を夜更かしして話しました。
そして日付がはやてちゃんの誕生日に変わった瞬間、呪いの本の鎖が弾けとんで浮かび、禍々しい光を放ち出しました。

「…捨てた方が良かったな」
「…だね」



[4819] 高町なのはの崩れ始めた平穏
Name: KYO◆55de688e ID:bc6f8efa
Date: 2009/08/07 00:18
とりあえずデバイスを起動して杖を構えながら警戒。
バリアジャケットを展開した時、はやてちゃんが「わっ初魔法や」とか言ってました。
意外と余裕あるよね、はやてちゃん。

警戒していると呪いっぽい本が強く光を放ち、それが収まるとそこには3人の女性と1人の男性がいました。

「夜天の書の起動を確認しました」

赤い髪の女の子が何故か他の3人にハンマーを構えて警戒しながら言うと、

「我ら、夜天の書の主を守る守護騎士でございます」

金髪の女の人がひざまずいてデバイスを弄りながら続きを言いました。

「夜天の主の元に集いし雲」

さらに続けて犬耳を生やした男の人が。
そして最後のピンク髪をポニーテールにした女性が…

「ククク…今宵のレヴァンティンは血に飢えておるわ…」
「「今すぐ出ていけ」」

思わずはやてちゃんと一緒にそう言ってしまいました。
するとこの願いを聞き入れたかのようにまた本が光を放って、収まると赤い髪の女の子を残して3人が消えていました。
そして女の子はデバイスを待機状態に戻して警戒を解くと、

「我らヴォルケンリッター、何なりと命令を」

多分ポニーテールの人が言う筈だったと思われるセリフをひざまずきながら言いました。

「なんなんだろうね…これ」
「わからん…もしかしたら魔法的な変態かも」
「あたしは変態じゃねぇ!!」

はやてちゃんと小声で作戦会議を開いていたら女の子に聞こえていたらしく、かなり本気で怒られました。
その後焦ってひざまずくと、はやてちゃんに物凄い勢いで謝ってます。
…はやてちゃんと目を合わせて頷く。

「名前は?」
「ヴィータです」
「ヴィータやな。私は八神はやてや」
「私は高町なのはだよ」

軽く自己紹介をした後に、私とはやてちゃんはヴィータちゃんに手を差し出した。
ヴィータちゃんはそれを不思議そうな顔で見つめる。

「「ようこそ、常識人の集いへ」」

ヴィータちゃんは驚いた顔をすると、瞳に涙を浮かばせながらも笑顔で、

「…うん」

私達の手を取った。



[4819] 高町なのはの崩れゆく平穏
Name: KYO◆55de688e ID:bc6f8efa
Date: 2009/08/08 15:39
もう夜も遅いのですが、とりあえず三人で居間に行きました。
はやてちゃんがココアを作って、今はヴィータちゃんから話を聞いてみます。

「夜天の書かぁ…」
「で、何百年も…」
「うんっ…ほんと、に…色々…大変でぇ…」

あの本の名前は夜天の書という名前のロストロギアで、昔から転移を繰り返しながらそれぞれの主に仕えてきたらしい。
…つまりそれは何百年も変態達に仕えてきたという事で、それを話してるうちにヴィータちゃんは泣き出してしまっていた。

「本当に大変だったんやろな…私らには想像もつかへん」
「よく壊れなかったよね…」

エイミィさんみたいな若い人でも壊れちゃう世界なのにね…。

「…あたし達は、プログラム体なんだ」
「うん?」

それはさっき一応聞いたけど、それが壊れる事と何の関係が…

「プログラムって、修復出来るんだよ…」
「「っ!?」」

それはつまり、何度も壊されながら元に!?
なんて、酷い…。

「他の騎士は、みんな、あんなんだし…正直今までやってこれたのは、夜天の書の管制人格のおかげなんだ」

夜天の書の管制人格はまともな人らしく、唯一まともなヴィータちゃんを守るために魔力の無い初期状態から無理をしてサポートしてきたみたい。
ヴィータちゃんを修復してきたのもその管制人格だけど、その点は怨んではないらしい。

ちなみにさっき他の三人が夜天の書に戻ったのも、常識人だとわかっていた私達とヴィータちゃんの為に無理をして回収したらしい。
ヴィータちゃん曰く、まともな主は初めてだから管制人格も張り切ってるとのこと。

「それで、それで…」
「落ち着き。無理に話さなくてもまだ時間はあるんやから」
「そうだね。続きは明日にして、今日はもう一旦寝ようか」
「うん…っ」

とりあえず、変態に怯える必要ないここで、三人でゆっくりと眠ろう。
変態ばかりの地球だけど、何故か不法侵入とかは全然無いからね。

明日は夜天の書について詳しく聞かなきゃね。



[4819] 高町なのはの崩れゆく平穏
Name: KYO◆55de688e ID:bc6f8efa
Date: 2009/08/08 23:06
翌日。
ちょっと眠いけど早めに起きた私たちは、はやてちゃんの誕生日パーティーの準備をしながらヴィータちゃんから色々話を聞いていた。

「これでケーキは完成っと…で、他の騎士はどんな人達なの?」
「あ、確かにちょいと気になるなぁ」
「そういえば説明してなかったっけか」

大まかな流れは聞いたけど、詳しくは聞いてないよね。

「先ずは烈火の将シグナム。ポニーテールのやつな」
「「あぁ、あれ」」

満場一致で狂人認定されそうなあの人、シグナムって名前なんだ。

「あいつはバトルジャンキーというかブラッドジャンキーというか…血を浴びる事に快楽を感じてる様な奴なんだ。セリフもあの時の言葉くらいしか話さないし」

どう控えめに見ても有害なの。
というか、「ククク(ry」しか喋らないって…。

「で、金髪のが湖の騎士シャマル。あたしらの中では後方支援担当だな」
「後方支援なら、やっぱ直接的な事はせえへんの?」

甘いよはやてちゃん。
次元世界は厳しいんだよ。

「シャマルはショタコンで、旅の鏡っていう魔法を使って相手のリンカーコアとか心臓を直接掴んで、怯えた相手の顔を見る事に快感を覚えるんだ」
「「怖っ!?」」

ユーノ君とクロノ君逃げてー!?

「最後は盾の守護獣ザフィーラ。その二つ名通りに主の守護を担当してる狼の守護獣だ」
「狼って…狼と人型になれるん?」
「うん」

あぁ、あの犬耳お兄さんなの。
狼って事はアルフさんと同じか…会ったら変な事になるかも。

「ザフィーラはガチホモなんだ」

ユーノ君とクロノ君超逃げてー!?

「しかもおっさん趣味」

お父さん逃げてー!?

「鋼の軛っていう攻撃にも使える束縛魔法で、締め上げられたり貫かれたりして苦しんでる相手の顔を見る事に快感を覚える奴だ」
「なんでドSばっかりやねん!?」

…嫌な事が頭に浮かんだ。
まさか、まさかだよね?

「ねぇヴィータちゃん…ヴィータちゃん達が使う魔法って古代ベルカ式って名前なんだよね?」
「ああ。…多分なにょは…なのはの想像通りだ」
「噛んだね」
「噛んだな」
「噛んでねーです」

それはともかく、もしかして…

「もしかして古代ベルカの人達って…」
「…みんな猟奇的だった。だからこそ滅びたんだ」
「「うわぁ…」」

古代ベルカ怖すぎなの…。
他の騎士が出てきた時の対策を練っておいた方が良さそうだね。



[4819] 高町なのはの崩れゆく平穏
Name: KYO◆55de688e ID:bc6f8efa
Date: 2009/08/10 08:57
準備が丁度終わった時に、ピンポーンという音が家の中に響いた。

「ドクターさんが来たみたいやな」
「ドクター?」
「常識人仲間だよ。パーティーに呼んでたんだ」

三人で玄関に向かい、はやてちゃんがドアを開ける。
そこにはプレゼントらしき包み紙を持ったドクターさんと、銀髪の女の子がいた。
この子が娘さんなのかな?

「いらっしゃいドクターさん…どないしたんですか?」

何やらドクターさんがヴィータちゃんを見て驚いた顔のまま止まっているの。
…あ、もしかして昔見たことあるとかかな?

「ヴォルケンリッター!?…成程、そういうことか」
「なっ!?何で知ってやがる!?まさか監理局…」
「ヴィータ落ち着きぃ。ドクターさん、とりあえず中に。娘さん?もどうぞ」
「あ、あぁ、そうだね」
「わかった」

とりあえず居間に行って自己紹介する事になりました。

「私はあ…ド、クターの娘のチンクだ。よろしく頼む」
「「「ドックター?」」」
「…色々事情があってな」

遠い目をするチンクちゃん。
見た目は小さくて可愛い女の子だけど、どこかクールというか大人っぽいというか…私の周りにはいなかったキャラなの。
ヴィータちゃんは近いけど、どこか子供っぽい部分があるしね。

「私は高町なのはだよ。よろしくね」
「私は八神はやてや。よろしゅうな」
「そっちの人は知ってるみたいだけど、ヴィータだ」

あ、そういえば。

「ドクターさん、ヴィータちゃんの事知ってるんですか?」
「うむ、仕事柄ね…あぁ、私も自己紹介しよう。本名はジェイル・スカリエッティだ。よろしく」
「よろしく、ジェイルさん」
「よろしくお願いしますー」
「よろしくな」


これで仲間内で名前を知らないのは温泉好きさんだけになっちゃったの。
今度あの旅館に行く時は名前を聞いてみようかな?

「それにしても驚いたよ。まさか君が病みの書の主だったとはね」

え?やみのしょ?

「ちょっと待て、あたしは夜天の書の騎士だ!何だよ病みの…あれ?あたし、知ってる…?」

え?ヴィータちゃん?

「覚えていない?…管制人格が名前に耐えられなかったか?」
「病み…病みの…思い出したぁぁぁぁ…」

青い顔で病んだみたいに「病み病み」言ってたヴィータちゃんが床に崩れ落ちた。
なんかよくわからないけど、何か良くない事が判明しそうなの…
怖いけど、詳しい話を聞いた方がいいよね?



[4819] 高町なのはの崩れゆく平穏
Name: KYO◆55de688e ID:bc6f8efa
Date: 2009/08/10 16:37
病みの書。
古代ベルカ時代に作られたと言われているロストロギアで、誰が作ったかは伝わっていない。
本来は様々な人物の性癖や属性等を蒐集して蓄積・保存し、そこから書のマスターに適正のある性癖を開化させるという何というかアレなデバイスだったらしい。
しかし後世で様々な人物が自分好みに改造したり、断言は出来ないが管制人格自らが改造したりした結果今の夜天の書と呼ばれている物になった。
しかしそれでも書のマスターの性癖を開化させる機能は失われていないので、早急に対策を練らなければ大変なことになるだろう。

「…とまぁ、そんな感じなんだが…」

ジェイルさんの説明が終わった私達の雰囲気はまさしく絶望だった。
特にはやてちゃんは自分の身に降りかかる最悪の災いを知ってしまったせいで顔色が青く…むしろ土気色になっている。

「は…はは…私は将来的に変態確定…なんか…」

…このままじゃ自殺しかねないかもしれないの。

「な、なんとか出来ませんか!?」
「そ、そや!ドクターって名前なくらいやからなんとか!!」
「頼む!あたしはどうなってもいいからはやてを!!」
「それはダメや!ヴィータはもう幸せにならなあかん!」
「で、でも…っ」

はやてちゃん、こんな時でも他人に気遣いが出来るって凄いなぁ…

「うむ、実物がここにあるなら時間はかかるが何とか出来るかもしれない」
「「「本当に!?」」」
「ああ、私も仲間を失いたくはないからね」
「もし何かあったら私も手伝おう。戦闘くらいしか出来ないがな」
「ジェイルさん…チンクちゃん…ありがとう…」

私も本気ではやてちゃんを助けなきゃね。
とりあえずは、はやてちゃんの側にいるために泊まり込みかな。
…いや、家出したいわけじゃないですよ?

「それに、おそらく書を何とかしたら足も動くようになるかもしれないね」
「なっ、ちょっと待って!!」

ヴィータちゃんが驚いたかと思うとはやてちゃんに魔法を使って調べ始めました。

「ほんとだ…書のせいでリンカーコアに負担がかかってて、それで麻痺してる」
「紅の鉄騎はどちらかと言うと戦闘系だという情報があったが…」
「…他の奴等が役に立たないから覚えたんだよ。攻撃も補助も守護も」

なんという完璧の騎士。
それはさておき、後はパーティーをしながら会議しよう提案したらみんなが賛成したので始める事に。
せめて雰囲気は明るくしなきゃね。



[4819] 高町なのはの崩れゆく平穏
Name: KYO◆55de688e ID:bc6f8efa
Date: 2009/08/11 16:39
みんなで誕生日恒例のあの歌を歌って、はやてちゃんがケーキのロウソクを吹き消しました。
パーティーの始まりなの!
…ちなみにヴィータちゃんは歌を知らなかったので教えました。
でも何でドクターさん達は知ってたんだろ?

「事前に調べておいたんだよ」
「祝い方は世界によって違うみたいらしくてな」

わざわざ調べるなんて凄いの…。

そのままパーティーで盛り上がりつつ、盛り下がる夜天の書の話題を会議する。

「今の病みの書…夜天の書は、性癖以外に魔法も蒐集出来るんだ」

魔法も集めちゃうの?
完成させるだけで大魔導師になれちゃいそうなの。
でも、なんでそんな風に?

「管制人格が物凄い頑張ってセルフ改造したみたいなんだ」
「セルフ改造…」
「すごい根性やな…」
「改造されてるのはわかっていたが、まさか本体自らとは…」
「まともな役目が欲しかったのかもしれないな…」

ああ…確かに…
性癖を集めるよりも魔法を集める方がそれっぽいもんね。

「ちなみにヴォルケンリッター初めから機能が搭載されてたみたいなんだ。昔過ぎてもう覚えてないけど」
「忘れるほど昔から一人で…」

絶対無理…絶対どこかで自壊プログラム仕組んで消えようとするよ…

「で、はやての足なんだけど…夜天の書を完成させたらはやてのリンカーコアに負担をかける理由が無くなるから、それで麻痺が治ると思う」
「ってことは蒐集かぁ…」
「いや、他人に迷惑は…」

と言いかけたはやてちゃんの動きが止まった。

「…むしろ散々迷惑かけられてるから、問題無いかもしれへん」
「かも、じゃなくて、問題無いだよ」
「むしろ蒐集されて喜ぶ輩もいそうだね」
「そういえば昔からみんな喜んでたような…」

うん、じゃあ問題無いね。

「じゃあ近いうちに蒐集を開始するって事でいい?はやてちゃん」
「出来れば私が自分でやりたいけど…流石に無理やからなぁ」
「はやてはあたし達に任せておけって」

唯一の問題は監理局だけど…

「監理局上層部は私が何とかしよう。流石に現場まではコントロール出来ないけどね」
「なら現場は私が何とかします。多分アースラ…知り合いが来ると思うので」
「蒐集なら戦闘もあるだろう。私も手伝うぞ」
「ありがとな、チンクちゃん」

これで盛り下がる話は終わり!
後はみんなで楽しまなきゃなの!

あ、そういえば結局プレシアさん無理だったのかな?



[4819] 外伝 集いでのチャット4
Name: KYO◆55de688e ID:bc6f8efa
Date: 2009/08/12 18:09
nano:というわけで
nano:蒐集会議を始めまーす
疾風:わーわー
ドクター:パチパチ
鉄槌:わーわー
5番:わーわー
PT:パチパチ
nano:新メンバーの鉄槌ちゃんと5番ちゃんよろしくねー!
鉄槌:よろしくなー!
5番:よろしく頼む
疾風:よろしくー
ドクター:よろしく頼むよ
PT:よろしく

―――

nano:じゃあ、大体1ヶ月後かな?
ドクター:そうだね
疾風:1ヶ月かぁ…長いなぁ
ドクター:それくらいあれば監理局上層部は何とか出来るよ
鉄槌:大丈夫だって>疾風
PT:それくらいあれば私も封印終わってから余裕で合流出来るわね
5番:それまで戦闘以外の事も学んでおこうか…
nano:というか、どうやってチャットに参加してるか気になるの>PTさん
ドクター:封印を解除する準備も一応しておくよ>PT
疾風:…私も封印して貰えば目覚めずに済むんかなぁ…?
nano:落ち着くの>疾風ちゃん
PT:落ち着きなさい>疾風
ドクター:落ち着きたまえ>疾風
鉄槌:落ち着いて>疾風
5番:落ち着け>疾風
疾風:フルボッコや

―――

*PTさんが退室しました*
*ドクターさんが退室しました*
*5番さんが退室しました*
nano:とりあえず、後は時期を待つだけだね
疾風:歯がゆい期間やなぁ
鉄槌:疾風は正直人生がかかってるからな
*温泉好きさんが入室しました*
疾風:ホンマやで…
nano:こんにちわー
鉄槌:初めまして
温泉好き:こんにちわ^^
疾風:こんにちわです
温泉好き:初めまして、温泉好きですー>鉄槌さん
鉄槌:よろしくお願いします

―――

温泉好き:で、ですね
温泉好き:現在なんと同棲中なんです!!
nano:おぉー!!
疾風:段階踏んでええ感じやなぁ、健全や
鉄槌:これは結婚も近いんじゃないか?
温泉好き:えへへ…もう幸せですよ
温泉好き:後は職場だけです
疾風:職場は…なぁ…
鉄槌:流石に仕事は仕方ないよな
nano:いっそ結婚してからお店を自分達で開くとか?
疾風:それ良いかもなぁ>お店
温泉好き:喫茶店とかいいかも…
nano:喫茶店なら私が色々教えますよー
nano:一応一通り出来るんで
鉄槌:流石喫茶店の娘…
疾風:流石家出予備軍…
温泉好き:彼と考えてみるね
温泉好き:いざという時はお願いします>nanoちゃん
nano:早く一人立ちしたくて覚えた技術が誰かの役に立つなら嬉しいです



[4819] 高町なのはの再難
Name: KYO◆55de688e ID:bc6f8efa
Date: 2009/08/13 09:05
蒐集会議から半月が経ちました。
今私ははやてちゃんの家に泊まりながら、魔法の勉強やヴィータちゃんとの模擬戦をしています。
はやてちゃんも魔法を使いたいと言ってたけど、リンカーコアに変に負担がかかってる今はあまり無理が出来ないみたいです。
でも、念話と飛行魔法くらいは使えるみたい。
飛行魔法は難しい方だって聞いたような気がするんだけど…

ともかく、そんな感じなのではやてちゃんは家では車イスを使わずに飛んで生活しています。
1日中飛んでても魔力がそんなに無くならないとか、はやてちゃんのリンカーコアはチートすぎるよ…

「なのはの砲撃の方がチートだろ」

ヴィータちゃんに突っ込まれちゃいました。

ところで今日は初蒐集をしてみようと思います。
実行役はヴィータちゃんで、蒐集対象は私。
変な性癖なんて持ってないから多分魔法メインで蒐集されると思うけど…

「ねぇヴィータちゃん。蒐集された時に何かに目覚めるとか、無いよね?ね?」
「大丈夫だ…多分」
「そこは断言して欲しかったの」

不安だけど耐えきらなきゃね…
大丈夫、私にはレイジングハート(不屈の心)がついてるんだから!

「よし、じゃあ行くぞ」
「うん、来ーい!」

ヴィータちゃんが病み…夜天の書を掲げる。

「…蒐集!!」
「くっ…うあぁぁぁぁ!!」

リンカーコアが体内から出てきて、激痛と一緒に魔力を奪われていく。
よ…予想以上に苦しい、けど…はやてちゃんの為なの…!?

「うわっ!?」

蒐集の苦しみに堪えていたら、突然黒と金色の何かが私の前に現れてヴィータちゃんに攻撃した。
…なんで、フェイトちゃんが?

「誰だお前!?…まさか監理局か!?」

ヴィータちゃんが警戒してデバイスを構える。
いやまぁ、監理局も来てるかも知れないけどフェイトちゃんは違うよ。
フェイトちゃんは…

「…なのは様の奴隷だ」

ですよねー…あれ、そういえばフェイトちゃんの事ヴィータちゃんに伝えてない…?

…あぁ!?ヴィータちゃん待って!?
違うから!ヴィータちゃんが今考えてる関係とは絶対違うから!?
だから止めて!?そんな目で見ないでぇぇぇ!?



[4819] 高町なのはの再難
Name: KYO◆55de688e ID:bc6f8efa
Date: 2009/08/14 14:46
とりあえずはやてちゃんの家に帰って詳しく説明することになりました。
今は歩いて帰宅中なのですが、ヴィータちゃんと変な距離があります。
フェイトちゃんは、私に仕えているかの様に斜め後ろを歩いています。

「ここに居たのね。探したわ…」
「あ、プレシアさん」
「母さん」

もうすぐはやてちゃんの家に着く頃にプレシアさんが転移してきました。
とりあえず…

「はっ!」
「ゴフッ!?」

レイジングハートを高速で起動してボディーに杖をぶちかましました。
元はと言えばこの人がフェイトちゃんを…ッ!!

「お、落ち着けなのは。怖いから。怖いから」
「ま、まさか直接攻撃とは…思わなかったわ…」
「か、母さん!?」

ヴィータちゃん何で2回言ったんだろ?
あとプレシアさん、攻撃された事を疑問に思わないって事は見てたんだよね?
なんで早く説明に来なかったのかな?

「映像がギリギリ届くくらいの転移不可能な距離にアースラがあったのよ」
「フェイトちゃんは来たけど…」
「いきなり「なのは様の身に危険が!?」とか言って転移してたわ。その後フェイトを探したらさっきのなのはちゃんたちが映像に出たのよ」
「なのは様の危機には必ず駆け付けます」

奴隷というか戦闘メイドみたいな感じだね。
…だからヴィータちゃん、お願いだからそんな目で見ないで…

というわけではやてちゃんの家に帰宅して、状況説明。
プレシアさんは自力で少し遠くから転移してきたみたいで、アースラ組がこっちに来れるようになるのは大体1時間後くらいらしいです。
蒐集作戦はチャットで話したからよしとして…ヴィータちゃんへの事情説明に疲れたの…
だってヴィータちゃん、物凄い疑り深いんだもん。

「お疲れ様です、なのは様」
「…フェイトちゃん、お願いだから敬語は止めて呼び捨てにして」
「その様なおそれ多い事は…」

むー、頑ななの。

「いいから、私がそうして欲しいの」
「ですが…」

あーもう、こうなったら!

「敬語は止めて呼び捨てにしなさい!これは命令なの、フェイト・テスタロッサ!!」
「畏まりましたなのは様…えっと、こうかな?」

よし。成功したの。
…あれ、なんでみんな正座してるの?

「いや、なんか…」
「逆らいがたい威風を感じたんや…」
「まるで魔王みたいな感じだったわ…」
「「あーそんな感じ(や)」」

みんなもの凄い失礼なの!



[4819] 高町なのはの再難
Name: KYO◆55de688e ID:bc6f8efa
Date: 2009/08/15 18:00
今私とフェイトちゃん、プレシアさんはアースラに来ています。
ちなみに今私は蒐集の影響で魔法が使えないので、フェイトちゃんに転送して貰いました。
どうやらフェイトちゃんは私に関する行動だとブーストがかかるみたいです。
プレシアさんの時はそうでもなかった様な気がするけど…心の中ではお母さんの比率が高かったのかな?

そうそう、アースラに来た理由は説明のためなの。
ヴィータちゃんの事も映像で見られてたので、夜天の書について色々言わなきゃならなりません。

「久しぶり、ユーノ君」
「久しぶりだね、なのは」

今日のユーノ君は男の子みたいな格好の女の子の女装みたいです。
それって普通の格好なんじゃないかな?って思ったけど、見てなんとなく女装だとわかる辺りに匠の技を感じます。
あと、男の子のツインテールはどうかと思うの。

「なのはちゃん、さっきの子の事なんだけど…」

リンディさんが険しい顔をしながら質問して来ました。
予想では喜んだり興奮したりしながら聞いてくると思ってたんだけど、何か夜天の書に因縁でもあるのかな?
まぁ、手出しはさせないけどね。

「答えてなのはちゃん。あれは夜天の…」
「何も言わずに翠屋ケーキ1日食べ放題券(10枚組)と、余計な口出しをして何も貰えないの。どっちがいいですか?」
『全クルーに通達!これよりアースラは高町なのはさんの指示に従い全力でサポートに移ります!異論がある方は船を降りて構いません!』
「ふえぇぇぇ!?」

な、なんか凄い事になっちゃった!?

「なのは、暫く会わないうちに魔王というか女王というか…変な風格が出てるね」
「なのはちゃんが魔王…原作より上っぽいから冥王…?」

ユーノ君とエイミィさんにまで魔王って言われたの…
もう魔王でいいよ。
魔王は魔王でも魔法の王女様だもん。
…ところでエイミィさん、原作って何ですか?

とりあえず、アースラクルーの皆さんに夜天の書について説明して現場の掌握は完了しました。
後はジェイルさんが監理局の上層部を何とか出来れば、蒐集するだけなの。
蒐集対象は…とりあえず、近いうちにみんなからやっていこうか。
もしもの時の為に、私の魔法が使えるようになってからの方がいいかな?
…とりあえず、今日はもうはやてちゃんの家に帰ろう。
フェイトちゃん、転送お願い。

「うん、任せてなのは」

…はっ!?今ナチュラルにフェイトちゃんに命令してた!?



[4819] 高町なのはの再難
Name: KYO◆55de688e ID:bc6f8efa
Date: 2009/08/16 18:38
とりあえずはやてちゃんの家に帰宅しました。
プレシアさんとフェイトちゃん、ユーノ君も一緒に来たので今日はそのままみんなで晩御飯を食べることになりました。
料理はプレシアさんとはやてちゃんが、食後のデザートは私とフェイトちゃんが担当します。
流石というか何というか、フェイトちゃん、私の作業を完全に先読みしてサポートしてきます。
うぅ、これで奴隷とか言わなかったら本当にいい友達になれそうなのに…。

ちなみにユーノ君なのですが…
はやてちゃんとヴィータちゃんに警戒されるかと思ったら、意外とすぐに受け入れられてました。
曰く、

「このくらいなら大丈夫だ」
「特に被害もあらへんしなー」

とのこと。
よかったね、ユーノ君。

「そういえば、プレシアさん達はこれからどうするんですか?家とか」
「そうねぇ…時の庭園あるけど、あそこに住み続けるのもちょっとねぇ」

途中、はやてちゃん達に時の庭園について説明しながら話し合う。
どうやら時の庭園は次元空間から世界に降ろすことも出来るみたいなのですが、あれだけのものが降りられる空き地は近くにありません。

「仕方ないから近くに部屋でも借りようかしら」
「それが一番現実的ですね」
「部屋ならアルフが鍵を作ってくれた部屋があるけど…」
「フェイトちゃん、多分それ犯罪や」

一瞬、「こんな世界で法律を守る理由があるのかな…」って思ったけど気にしないことにしました。
うん、意味は無いかもしれないけれど、守ろうとする姿勢には意味があるよね。

「とりあえずは仕事を探そうかしら」
「変な仕事に気をつけて下さいね」
「ええ、大丈夫よ」

とりあえずこの日はみんなはやてちゃんの家に泊まることになりました。
なんか旅行の時みたいで楽しいの。

ちなみにユーノ君も皆一緒の部屋で寝ると決まった時、顔を真っ赤にしながらダメダメと連呼してました。
ああ、こういうのが普通の反応だよねぇ…。
でも、ここでダメって言うならなんでフェレットの時に私と一緒に寝たの?
そう聞いてみたら「そういえば…」って自分でも不思議そうにしていました。
フェレットの時は考え方もフェレット式になるのかな?
フェレットだから問題無いとか?
…今度色々実験してみるの。



[4819] 高町なのはの再難
Name: KYO◆55de688e ID:bc6f8efa
Date: 2009/08/17 22:41
「いよいよだな…」

ヴィータちゃんが待機状態の自身の相棒―――グラーフアイゼンを握りしめる。

「イレギュラーが無い限り、邪魔は入らないよ」

ジェイルさんが空中に映し出した画面とパネルを操作する。

「イレギュラーが起きても、それが敵なら私が何とかするさ」

チンクちゃんがホルスターの投げナイフをチェックする。

「常識人は狙わずに魔力を蒐集だったわね」

プレシアさんがデバイスの最終調整を終わらせる。

「そして変態からは魔力と性癖の両方を蒐集だね」

ユーノ君が魔法プログラムに綻びが無いか確認をする。

「私はいつでも大丈夫だよ」
「わん!わん!」

フェイトちゃんが新たにカートリッジシステムを組み込んだ自分のデバイス―――バルディッシュを握りしめ、アルフさんが両手を打ち付ける。

「うん、私も完璧だよ」

私もカートリッジシステムを組み込んだレイジングハートを両手で握る。

「みんな、よろしゅうお願いします」

そして最後にはやてちゃんが、私達に自身の命運を預けた。

「「「「「「「蒐集作戦、開始!!」」」」」」」

というわけで、とりあえずアースラに来て片っ端から蒐集です。
リンカーコアがある人は魔力と性癖を、リンカーコアが無い人は性癖だけをどんどん蒐集していきます。
管制人格さんがセルフ改造してくれたおかげで、比較的早くページが埋まりそうです。
流石にアースラの人達だけで完成はしないけどね。

ちなみにフェイトちゃんやプレシアさん、アルフさん、ジェイルさんは既に蒐集済み。
充分に休息を取ったので既に魔法は使えます。

「ヴィータちゃん、どれくらい溜まった?」
「えーっと…うわ、すげぇ…」

エイミィさんは見逃して、最後にリンディさんとクロノ君から蒐集した後にヴィータちゃんに聞いてみたら、凄く驚いていたので夜天の書を覗いてみました。

―――残り78ページ。

早っ。

「アースラだけでこんなに行くとは思わなかったわ」
「まだ完成はさせない方がいいんだっけ?」
「うん、ジェイルさんがプログラムワクチンを開発中だからね」

とりあえず、早くも蒐集作戦は停滞期に入ることになりました。
まだ数時間しか経ってないんだけどなぁ。

「はは…ははは…意味わからん何だこの展開つか最初から夜天の(ry」

あ、久々にエイミィさんが暴走モードなの。



[4819] 高町なのはの再難
Name: KYO◆55de688e ID:bc6f8efa
Date: 2009/08/18 20:37
蒐集作戦を開始して数日後、はやてちゃんの遺産管理人のギル・グレアムさんが会いに来ました。
はやてちゃんは最初は喜んでたけど…

・はやてちゃんを犠牲にして夜天の書を封印しようとしていた
・猫耳こそ至高
・毎晩猫の使い魔とよろしくしている
・夜天の書を狙った理由は次元獣耳愛好連盟の副会長クライド・ハラオウン(クロノ君のお父さんらしい)の復讐

という話を聞いて、車イスのタイヤで足の小指をグリグリしていました。

「これからは遺産管理は自分でします」
「いや、しかし」
「ジェイルさん、猫アレルギーにする薬って作れるん?」
「作れるよ」
「後日書類を送るから手続きを頼むよ。それでは私は帰ろう」

そんなこんなでグレアムさんとの縁が切れてはやてちゃんは安心していました。

ちなみにグレアムさんと使い魔のリーゼロッテさん、リーゼアリアさんからも蒐集したら、残り2ページになりました。
後はプログラムワクチンの完成を待つだけです。

「はやてちゃん、異常は無い?」
「え…あ、うん大丈夫やで」

一瞬突っかかった…はやてちゃんは他人(常識人)に迷惑をかけたがらないから、多分我慢してるんだと思うの。

「はやてちゃん、無理はしちゃダメだよ?我慢しなくても大丈夫だからね」
「あちゃぁ…バレバレやったか」

あはは…と頭を書きながらはやてちゃんは苦笑した。

「でも大丈夫やで?ちょっと胸に目が行くくらいや」
「胸かぁ…プレシアさんが派手な服を着なければ大丈夫かな?」
「せやな」

じゃ、プレシアさんには後で伝えて置かないとね。

「せや…大丈夫や…揉みたくなんか…埋もれたくなんかあらへん…吸い付くなんてもっての他や…大丈夫、私はまだ頑張れるで…」
「はやてちゃーん、何か言ったー?」
「言って無いでー」

気のせいかな?何か聞こえたんだけど…



[4819] ギル・グレアムの心中
Name: KYO◆55de688e ID:bc6f8efa
Date: 2009/08/18 22:24
彼女と夜天の書を見つけてから、私は復讐の為に様々な事をしてきたものだ。
彼女の遺産管理人となったのは高レベルな美少女と関わりたかっただけなのだが…惜しむらくは、猫耳を装着して貰えなかった事か。

ふとクライド君の最後を思い出す。
犬耳派だった彼は、当時はそこまで太っていなかったリンディに犬耳を装着して毎夜ハッスルしていたらしい。
休日には尻尾までつけてたという話も聞いた。
そういえば私も猫耳を装着する様に頼んだことがあったが、断られてしまったな。

ともかく、そんな同士クライド君が、たまたま関わってしまった夜天の書事件で死んでしまうとは思わなかった。

彼の最後は壮絶だった。
夜天の書が暴走して次元航行艦に侵食した時、そこに居たのはクライド君1人だった。
そういえば、暴走して現れた銀髪の管制人格と赤髪の少女騎士は艦の隅でいじけていたな。

暴走に気付いたクライド君にポニーテールの剣士が襲いかかったものの、なんとか彼はギリギリで勝利を掴んだ。

しかし問題はその後だった。

金髪の女性にリンカーコアを抜き取られて無防備になったクライド君の新品の菊門に、青いガチムチの犬耳男が自身の股間のカートリッジを差し込んだのだ。
もし彼が同性愛に目覚めたなら無事だったかも知れないが、彼はその衝撃に耐えられなかった。
自身の愛する犬耳とはいえ、ガチムチの男に貫かれたショックで彼の精神は崩壊してしまった。
そして動かなくなった彼は腸壁からの出血多量により死んでしまい、私は怒りの感情のままアルカンシェルで夜天の書を殲滅した。

そして私は同士の復讐の為に夜天の書を追っていたのだが、まさか最高評議会から干渉を禁止されるとは思わなかった。
しかも夜天の書をなんとかする方法が見つかったという話なのだ。
その話を聞いた時は思わず呆然としてしまった。

しかしこれで良かったのだと私は思う。
クライド君の復讐は出来なかったが、夜天の書…病みの書事件は平和的に解決するのだろう。
これであの時からずっと頭のどこかで考えていた復讐の思いは消え、使い魔達との日々に全精力を傾ける事が出来るというものだ。

クライド君、今度、久しぶりに墓参りに行かせてもらうよ。
供え物にアルフという犬耳使い魔の写真を持っていくから、楽しみにしていてくれたまえ。



[4819] 高町なのはの再難
Name: KYO◆55de688e ID:bc6f8efa
Date: 2009/08/19 21:39
とうとうジェイルさんが夜天の書のプログラムワクチンを完成させました!
ワクチンは2つあって、1つは夜天の書にデータとして送ります。
そしてもう1つは、はやてちゃんのリンカーコアに送るために錠剤にして飲んで貰うらしいです。

「ワクチンを使ってから夜天の書を完成させればいいんですよね?」
「ああ。しかし、効果が出るまで少し時間がかかるからね。だから…」
「それまで私が耐えきればええんやな」

最近「くっ…腕が勝手に…!?」といった状況になったりしている精神疲労状態のはやてちゃんが、不敵な笑みを浮かべながら答えました。

「正直、耐えられそうかしら?」
「…善処します」

どうやら世界の変態補正はかなり強いみたいです。

とりあえず2つのワクチンを投与した後、アースラで近隣の無人世界へ。
そこで問題が発生しました。

「最後の蒐集、どうする?」
「もう蒐集出来そうな人いないよね…」
「ここは無人どころか無生物だし…」

残り2ページ分の蒐集対象がいません。
ヴィータちゃんは蒐集したら消えちゃうし、はやてちゃんはもっての他。
うーん…困ったの…

「お久しぶりですー…って、何ですかこれ」

突然聞いたこと無い人の声が聞こえたので振り向くと、全裸に白衣1枚だけ羽織った眼鏡女性がいました。

「やっと引きこもりから出てきたわね、マリー」
「引きこもりじゃなくてデバイス製作ですよ、艦長」

というわけで自己紹介。
女性の名前はマリエル・アテンザ。
アースラのデバイス調整等の担当をしているらしいですが、一度自分の城(研究室)に籠ると数ヵ月は出てこない上に連絡も取れないらしいです。
その間ずっと研究室で生活しながらデバイスを弄ってるとか…また違うベクトルの変態なの。
というか、同じアースラなのに干渉出来ないってどんな研究室なんですか。

「でも、これでとりあえず蒐集対象が決まったね」
「せやな」
「何の話ですか?」

じゃ、行きますよー。

「え?え?行くって何ですか?」
「蒐集です。良いですよね?」

さて、いざ決戦の無人世界へ!!

「え、蒐集って夜天の書の!?凄い、本物!?バラバラにして研究したい…」

…全部終わったらすぐ逃げた方がよさそうなの。



[4819] 高町なのはの再難
Name: KYO◆55de688e ID:bc6f8efa
Date: 2009/08/20 21:24
転移しました。
蒐集しました。
起動しました。

そして最終的にはやてちゃんが耐えきれずに管制人格さんが表に現れました。

《ジェイルさん!はやてちゃんが!?》
《落ち着きたまえ!多少後遺症(性癖的な意味で)が残るかも知れないが、まだ何とかなる!》
《本当か!?どうすればいい!?》
《まずは管制人格を説得してくれ!少しでも他の守護騎士が出るのを遅らせたい!》

説得なら、ヴィータちゃんなら多分大丈夫。
じゃあ私は守護騎士が現れた時を考えて警戒するの!
ヴィータちゃん、説得お願…

「また…ウッ…また、終わって、ヒグッ、しまったぁ…まともな主だったのにぃ…」

管制人格さんがマジ泣きしていました。
…ヴィータちゃん、説得と慰めるのお願い!

「ちょっ!?…わ、わかった!」

ヴィータちゃんが管制人格さんに近付いていって説得を始めました。
時折「もう嫌だぁ」とか「だって主がぁ」とか、「どうせ無理だもん」とか見た目に合わない子供みたいな喋り方の声が聞こえる。
…長い間変態に関わったせいで精神が不安定なのかなぁ?

暫くすると説得が済んだみたいで、ヴィータちゃん達が近付いてきた。

「すまない、見苦しい所を見せてしまったな」

キャラが…違う…?
いや、それはともかく。
はやてちゃんと守護騎士はどうなんでしょうか?

「主は…まだ完全には堕ちてません。ギリギリ持ちこたえてます」
「よかった…」
「じゃあ、アタシ以外のヴォルケンリッターは?」
「…すまない。もう止められない」

そう言った瞬間、管制人格さんの中から赤・緑・青の光が飛び出して来て、光が強くなりはじめた。

《ジェイルさん!どうしますか!?》
《時間を稼いでくれ!そろそろワクチンが働くはずだ!》
《了解だ!あとユーノとクロノは帰艦しろ!シャマルにヤられるぞ!!》

ヴィータちゃんからの忠告を受けたユーノ君とクロノ君はすぐ帰艦しました。
残る戦力は、私とヴィータちゃんとフェイトちゃんとアルフさん。
いざとなったらプレシアさんもいるけど、病気が完治してないからあまり無理はさせられないの。
…来た!

「あら、さっきまで可愛い子達が居たような気がしたんだけど」
「ふむ…俺好みの奴はいない様だな」
「ククク…今宵のレヴァンティンは血に飢えておるわ…」

さあ、決戦開始なの!!



[4819] 高町なのはの再難
Name: KYO◆55de688e ID:bc6f8efa
Date: 2009/08/21 08:56
ヴォルケンリッターとの戦いはかなりキツイものになりました。
特にシグナムさん。普通に殺傷設定なんです。
フェイトちゃんと私がシグナムさんの相手をしていますが、正直いっぱいいっぱいです。
フェイトちゃんにブーストがかかってるから、何とかなってる様なものなの…

「わおーーん!!」
「アイゼェェン!!」
「やる気が出んな…」
「私が男の子を探し終わったら貴方のも探してあげるわよ」

アルフさんもヴィータちゃんもザフィーラさんとシャマルさん相手に頑張ってますが、ザフィーラさんが余裕でシールドで全部防いでいてなかなか攻撃が通りません。
シャマルさんは振り子みたいなデバイスで何かをしています。
というか、何でこんなに強いの!?

「防衛プログラムとリンクしているからだ。ちなみに倒しても再生する」

なんて絶望的…早くワクチンが効き始めてくれないと危ないの!?

「…高町なのは、だったか?」
「はい、なんですか…?」
「ワクチンが効き始めた様だ。私は今から主を目覚めさせに行くから無防備になる。守護を頼みたい」
「ちょっと辛いですけど、わかりました。フェイトちゃん!サポートに回るから頑張って!」
「はい!なのは様!」

幸い私は砲撃型だから遠距離からでもフェイトちゃんのサポートが出来る。
でも、少し戦力が足りない。
シグナムさんにシューターを射ちながら何かしているシャマルさんを警戒していると、ゆらゆら動いていた振り子デバイスがピタッと止まりました。

「見 つ け た」

物凄く邪悪な笑みを浮かべながら、シャマルさんは目の前の空間に丸い鏡の様なものを作り出しました。
あれは…何か不味そう!でもシューターが間に合わない!

「ふふふ…捕まえ…ッ!?」
「悪い!少し遅れた!」
「チンクちゃん!?」

シャマルさんが鏡に手を入れようとした瞬間、空飛ぶボードの様な物に乗って現れたチンクちゃんが投げナイフでの不意打ちで妨害しました。

「すまないな、私は空を飛べないから準備が遅れた」
「大丈夫だ。助かる」
「これで、多少は楽になるかな…」

とりあえず、今はシャマルさんが一番危険なの。
ユーノ君達が大変な事にならないように妨害しないと!



[4819] 八神はやての目覚め
Name: KYO◆55de688e ID:bc6f8efa
Date: 2009/08/21 17:55
暗闇の中。
暗闇の中で私は埋もれていく。
埋もれてゆく、侵されてゆく、包まれてゆく――――

―――おっぱいに、埋もれてゆく。

「うぇへ、えへへへぇ…」
「主…おいたわしや…」

目の前で銀髪のええ乳を持った女性が私を見て悲しんでいた。
すまんなぁ、頭ではアカンって理解出来とるんやけど、こう、胸に包まれてると安らかに気持ちになれてしまうんや。
あかんなぁ、ほんまにあかん。

「主、目を覚ましてください!まだ間に合います!」

間に合うん?
そっか、まだ間に合うんか。
ならもう少しだけこのままでも大丈夫やな。

「あるじぃ…正気に戻って下さいよぉ…」

ああっと、泣き始めてしもた。
流石に可哀想やから、慰めてあげなあかんな。

「って、なんで私の胸に飛び込んできてるんですかぁ!?」

いや、違うで。
これはあれや、抱き締めてるだけや。
たまたま身長差とかで顔が胸に当たっとるけど、たまたまなんやで?

「うぅ…もういいです、どうせ無理だったんです…常識人なんて無力だったんです」

常識人が、無力?

「だって主はもう目覚める気無いですし、外でもみんな劣勢ですしぃ…」

それは、あかんなぁ…私だけならともかく、皆にまで迷惑かけるのはあかん。
常識人の絆は、胸なんかよりも尊いんや!

「あ、主?」

確かに胸は気持ちええ。包まれたり揉んだりすると幸せな気分になる。
多分、両親がいないせいもあるやろなぁ。
ほら、胸は母性の塊みたいなもんやし。

せやけどそれは、ただの胸や。

ただそこにあるだけの胸はただ柔らかくて気持ち良いだけ。
血の通った人間の、大好きな相手の胸でこそ本当に幸せになれるんや。
…まぁこんなんじゃあ、常識人とは言えへんかもしれんけどな。

「大丈夫です!少しくらいなら、きっと!」

そか、ありがとな。
そやな…よし、名前をあげる。
もう病みの書とか言わせへんよ。
今から貴女の名前は、歪んだ世界に秩序を運ぶ祝福の風―――リインフォースや。

「リインフォース…ありがとうございます!」

よし、行くで!リイン!



[4819] 高町なのはの再難
Name: KYO◆55de688e ID:bc6f8efa
Date: 2009/08/22 18:48
正直もうユーノ君とクロノ君が退避する理由が無いので戻ってきてもらいました。
そして全員苦労しながら全力全開でヴォルケンリッターを押さえていると、漸くはやてちゃんが目覚めました。
同時に防衛プログラムのコアと思われる物が飛び出ました。

「シグナム!シャマル!ザフィーラ!送還!!」

はやてちゃんのその発言によりヴィータちゃん以外のヴォルケンリッターはみんな居なくなりました。
はあぁぁぁ…疲れたの…
みんなも疲労困憊だし…フェイトちゃんは下僕モードのブーストが切れたみたいで、今にも飛行魔法が切れそうです。
ごめんねフェイトちゃん、無理させちゃって。
帰ったら…うーんと…膝枕してあげるよ。

「みんなごめんなぁ。ちょっと壊れたけど、戻って来たで」

壊れ…いや、それはまぁ後にするの。

「えっと、後は…」
「防衛プログラム…夜天の書の病みを作戦通りに倒して、コアをアルカンシェルで消滅させるだけや。やるで、リイン!」
「はい!」
「「ユニゾン・イン!」」

はやてちゃんと管制人格…リイン?さんが合体すると、強い光と共にはやてちゃんの姿が変わった。

「さて、漸く私にも出番が来たわね」

まだ病気で長時間戦えないプレシアさんも合流。
これで、後は防衛プログラムを倒すだけだね。

《みんな準備したまえ。そろそろ姿を現すよ》

ジェイルさんからの念話を受けてみんなが再び戦闘準備を済ませる。
そして準備も終わり、全員でコアが飛び出して行った方向にある暗い障壁の様なものを見据える。

そして、姿を現した防衛プログラム…夜天の書の病みの姿は。
なんか凄くニュルニュルしてそうな多数の触手と、どう見ても男の人の下半身のアレが巨大化しただけの様な形の2本の触手。
胴体部分は女の人の下半身のアレの様な形をしていて、その上辺りに顔の様なもの。
何というか…こう、見るからにエロの為に産まれた変態モンスターだった。

「見たくない…見たくないよ…」
「我慢よ…あれは倒さなきゃならないのだから」
「でも、きっついわぁ…」
「変態ばかり蒐集したせいなのだろうか…」

もしそうだったなら、魔力だけの蒐集にした方が良かったかもしれないよぅ。

《と、ともかく作戦開始だ!頑張ってくれたまえ!》
「「「「「「「「了解!」」」」」」」」

さぁ、最終決戦なの!!



[4819] 高町なのはの再難
Name: KYO◆55de688e ID:b5f22841
Date: 2009/08/23 17:40
姿を現した卑猥な防衛プログラムをあまり長い時間見ていたくないので、さっそく攻撃を始めました。
ヴィータちゃんのギガントシュラーク、私のエクセリオンバスター、フェイトちゃんとプレシアさんの親子ファランクスシフト。
ユーノ君とアルフさんはバインドで触手をねじ切ります(何故かユーノ君とクロノ君が痛そうな顔をしていました)
クロノ君がエターナルコフィンで一気に凍らせると、はやてちゃんがミストルテインで大きな触手を破壊しました(何故か(ry)
そしてチンクちゃんが、何処からそんなに取り出したのかと突っ込みたくなるくらいの投げナイフを放って爆発させました。
一瞬凄く怖いメイドさんと被って見えたけど忘れる事にします。

流石に変態補正が強い世界でもこれだけボコボコにされたら苦しいのか、再生が遅くなってます。

「フェイトちゃん!はやてちゃん!」
「「うん!」」

三人で空高く飛び上がって、トドメの魔法の準備。
フェイトちゃんは大剣を、はやてちゃんは複数の魔方陣を展開しました。
そして私が準備するのは、エイミィさんとの会話でヒントを得た新魔法。

―――――

「マスター○パークを真似したなら、いっそファイナル○パークも真似したらどうかな?」
「うーん…でも、集束しても魔力がそこまで溜まらないと思います」
「そっかぁ…魔術師的に考えると『足りない物は他から持ってくる』って感じだけど…」
「魔術師?魔導師じゃなくてですか?」
「あ、いや、気にしないで」
「はい…うーん…他から…」
「まぁ他から持ってこようとしても、結局使ってるのは周りに散ってるなのはちゃんの魔力だから無理だよね」
「周りに…散ってる…エイミィさん!思いつきました!」
「え?本当に?」
「はい!えっと…をこう…で、これ…こんな感じですけど…」
「そ、そんな魔法プログラム、組めるのかなぁ?かなり負担も大きそうだし…」
「とりあえず、レイジングハートと頑張ってみます!」

―――――

あれから、暇な時にひたすらレイジングハートと相談して作り上げた新魔法。
まだ実際に使ったことがないからどうなるかわからないけど、少なくとも発動は可能なはず!

「受けてみて!スターライトスパークのバリエーション!」



[4819] 高町なのはの再難
Name: KYO◆55de688e ID:bc6f8efa
Date: 2009/08/24 19:10
展開する魔方陣は4つ。
まず1つ目の魔方陣は、通常のスターライトスパークの様に周囲に散っている私の魔力を集束させる為のもの。
これだけでも、実はそれなりに制御が大変です。
私は知らなかったけど、集束砲って凄く難しいみたいなの。

「プラズマザンバー…」

2つ目と3つ目の魔方陣はセットにして使う。
組んだプログラムは、周囲に散っている私"以外"の魔力を集めて、魔方陣を通して魔力が反発しないようにする。
そしてもう1つの魔方陣でその魔力を集束させて、最初に集束させた私の魔力と一緒にする。
これは正直無理だと思ってたけど、レイジングハートが可能ですって言ったの。
凄いなぁレイジングハート…そういえばプレシアさんとジェイルさんも、レイジングハートのブラックボックス部分は一切解析出来なかったって言ってたっけ。
ユーノ君も遺跡で発見したって言ってたし…不思議。

「ラグナロク…」

そして最後の魔方陣は、私自身のリンカーコアの魔力を引き出して集束させるもの。
この時点でもう制御がすっごく大変なの…レイジングハートがいなかったら暴発してるかも。
でも、まだこれで終わりじゃありません。

「カートリッジロード!!」

レイジングハートに搭載されたカートリッジシステムを使い、極限まで魔力を使う。
そしてその全てを集束させて、出来上がったのはまさしく星の様な輝きを放つ巨大な魔力の塊。


「「ブレイカァァァ!!」」

フェイトちゃんとはやてちゃんが魔法を放って、防衛プログラムに大きくダメージを与えた。
最後は私の番!
これが私の、私とレイジングハートの、正真正銘全力全開!!

「ファイナル…ブレイカーァァァ!!!!」

そして私が放った魔法は元ネタ以上に巨大な光の砲撃になって、防衛プログラムを包み込んだ。



[4819] エイミィ・リミエッタの後悔
Name: KYO◆55de688e ID:bc6f8efa
Date: 2009/08/25 10:44
俺…いや私は、なのはちゃんに東方シリーズをやらせて良かったのだろうかと悩んでいた。
スターライトブレイカーがスターライトスパークに変わるというどうでもいいような改変なのだが、うっかり話の流れでファイナルスパークも真似したら?と言ってしまったからだ。

「と、とんでもない魔力量…」
「いくらブラックボックスだらけのデバイスでも、こんな事が可能なのかね…」

リンディ艦長とスカリエッティが驚いている。
そりゃそうだ、何せ計測された魔力量はSSSオーバーなのだがら。
それにしても、艦長とstsラスボスが一緒に居るってどういう事だよ。
いやそんな事言ったらこの世界事態改変じゃ済まされない位に変態に満ち溢れてるけど…というかおかしいだろ何でこの壊れギャグSSみたいなシナリオでエイミィに憑依しなくちゃなんねぇんだよ俺原作だとクロノ×エイミィ派だったけどこの世界じゃ明らかに不可能だろいや結婚したくな(ry

「エイミィ!エイミィ!?報告を!」

気が付いたらアースラ内に警戒ブザーが鳴り響いていた。
何が起きたのかとモニター画面を確認すると…

なのはちゃんの作り出した超魔法球を中心に次元震警戒警報が出ていた。

思わず噴き出してしまい、上手く説明出来そうに無かったので画面を直接艦長とスカリエッティに送ったら二人もドン引きしていた。
最近なのはちゃんはまともだと思って来てたけど…やっぱり冥王だったんだね。

『ファイナル…ブレイカーァァァ!!』

なのはちゃんの放ったごんぶとビームは防衛プログラムを包み込み、外殻を全て破壊しつくした。
後はコアを転送して貰ってアルカンシェルで破壊する…だ…け…?

コアをサーチする。見つからない。もう一度。見つからない。
先ほどの映像を確認。モニターも確認。
するとなのはちゃんのファイナルブレイカーの軌道に沿うように局所次元震が発生していた。

つまり…次元震ビームで消滅した?

ドン引き。みんなドン引き。
映像では疲れきったなのはちゃんがフェイトちゃんに支えられているが、それ以外のみんなはドン引き。
私が…俺が東方を作ったりアドバイスしたりしたせいでこんな事になってしまったのだろうか。
勘弁してください。
…まぁ、とりあえず、仕事しよう。

「防衛プログラムのコア、なのはちゃんの魔法での消滅を確認しました」



[4819] 高町なのはの再難
Name: KYO◆55de688e ID:bc6f8efa
Date: 2009/08/25 11:06
全てが終わり、アースラに帰ると緊急会議になりました。
しかも監理局チームの会議と常識人チームの会議の2つ。
何故か私は会議に参加させて貰えません。

「流石に個人で次元震発生は…」
「確かに放置するのは…」
「しかし大丈夫か…」

監理局チームがなんか人を兵器みたいに言ってます。
というかレイジングハート、次元震発生してたの?

【見事に発生していました】

…ま、まぁ、なら会議になっても仕方無いかな?
でも目の前でしてほしく無かったの…。

「果たしてあれで常識人と…」
「いや、何だかんだでみんな多少の欠点が…」
「でもあれ多少やあらへんけど…」

常識人チームは私が常識人として大丈夫なのか会議しています。
というか、酷くない?今まで管理人として頑張って来たのに…
確かにさっきのはちょっと…いえ、すいません、かなりなの。かなり異常なの。
でも常識に則って判断して、常識人として行動出来るから私は常識人なの!
大体魔法に出会わなかったらこんなことには…

「ヒッ!?なんで僕が睨まれてるの!?」
「あかん!?ユーノ君が粛正される!?」

泣いても…いいですか…?

「大丈夫だよなのは。私はなのはの味方だから」
「フェイトちゃん…」
「たとえなのはがどんな事になっても、下僕で有る限りずっと一緒に行くよ」

ですよねー…

会議の結果、流石に監理局に行かなきゃならなくなりました。
ジェイルさんが上層部をなんとか出来るので変な事にはならないらしいですが、それでも入局は避けられないらしいです。
ファイナルブレイカー、作らなければよかったの。

常識人チームの会議では、変わらず私は常識人という判断が下されました。
そうだよね。当たり前だよ。
私は戦力があるだけだもん。
いつも女装してるユーノ君とか、変態が喜ぶ研究を完成させちゃったプレシアさんとか、そのプレシアさんの胸を凝視してるはやてちゃんとかよりはマシなの。
ジェイルさんはまだ詳しく知らないけど…娘さんが沢山居るって事は、相応の事をしてる筈だしね。
ヴィータちゃんとチンクちゃんは、私と同じで戦力があるけど常識人だし。
だから私が常識人なのは当たり前だよ。

…何で『常識人の集い』はこんなんなっちゃったのかな…



[4819] 外伝 集いでのチャット5
Name: KYO◆55de688e ID:bc6f8efa
Date: 2009/08/26 15:06
温泉好き:実はですねぇ
nano:はい
疾風:はいはーい
鉄槌:なんだなんだ
温泉好き:少し前から彼と同棲しちゃってます!!
ドクター:おぉ!!
PT:めでたいわねぇ
5番:これは結婚も近いか…
温泉好き:ありがとうございます!!
nano:おめでとうございます!!
疾風:幸せの絶頂やろなぁ…
鉄槌:結婚式にはみんなで行くぞ
PT:結婚か…懐かしいわねぇ…
ドクター:僕も相手が居ればなぁ…
疾風:PTさんとドクターさんも結婚したらええのに
ドクター:いや、仕事があるから無理かな…
nano:あー意外とお似合いかも
5番:PTさんと…違和感は無いな
ドクター:好雄ちつきたmっあえ
温泉好き:良いですよー好きな人と暮らすのは
nano:ドクターさんが落ち着いてw
疾風:ドクターさんwww
5番:ドクターが椅子から転げ落ちた件について
鉄槌:ドwwwクwwwタwwwーwww
温泉好き:何気にPTさんのレスが途絶えた件について

―――――

*温泉好きさんが退室しました*
疾風:さて魔法組(ry
*ミィさんが入室しました*
ミィ:nanoちゃんに呼ばれて来ました
nano:あ、いらっしゃーい
ドクター:姉が2人いそうな名前だね
ミィ:誰がアイマイミィですか
PT:エイミィ?
ミィ:エイミィですよー
鉄槌:むしろドクターが英語ネタを知ってる事に驚いた
ミィ:確かに
5番:そういえばエイミィとは自己紹介してから全然会話したことがないな
ミィ:そういえばそうだね
nano:ミィさんのタイプが速すぎる件について
疾風:確かに…
ドクター:研究者の僕より早そうなんだが
ミィ:お前等に足りない物、それは!情熱、思想、理念、頭脳、気品、優雅さ、勤勉さ!そして何よりもー!速さが足りない!!
nano:お疲れ様です
5番:お疲れ
疾風:乙です
ドクター:お疲れ様
PTお疲れ様
鉄槌:乙
ミィ:みんな冷たくない?



[4819] 高町なのはの苦難
Name: KYO◆55de688e ID:b5f22841
Date: 2009/08/27 13:22
さて、時空監理局にやって来ました。
来たメンバーは私とジェイルさんの他に、フェイトちゃん、はやてちゃん、ヴィータちゃん、リインさん。
はやてちゃん達は夜天の書の関連で色々あるので来たのですが、フェイトちゃんは自称護衛らしいです。

「なんか凄いの…」
「地球は性的にアレな変態ばっかやったけど…」

自分の髪の毛をひたすらしゃぶっている年老いた女性局員、ぼーっと自分の人差し指を見ている男性局員、恍惚とした表情でクルクル回りながら、「厄い!厄い!」と言っているゴスロリっぽい服を着た若い女性局員などなど。
…あれ、最後の人どこかで見たような気がする。
どこだったかな…?

「デデン!」
「「「「「「うわっ!?」」」」」」

突然現れた変なおじさんがいきなり叫んだかと思うと、高笑いを上げながら走り去って行きました。

「ジェイルさん、こんなんで仕事が出来るんですか?」
「出来るから質が悪いんだよ…」
「確かに…」
「ベルカもベルカで問題だったけど、これも嫌だな…」
「そうだな…」

さて、とりあえず会議室みたいな場所に着きました。
中に入るとクールな感じの女性が1人と、3つのモニターが。

「お兄様ぁぁぁん!!」
「えぇい!抱き着こうとするな、ドゥーエ!!」
「何故ですか!?こんなにも(性的な意味で)愛してるのにぃ」

あれ、ドゥーエさんて確か娘さんだったよね?
そんな娘さんにお兄様と呼ばせてるジェイルさんって…

「ちょっ皆待ってくれ!?なんでそんな目で見るんだ!?」
「きっと皆さんは私とお兄様を祝福して下さって「君は黙ってろ!!」はい、お兄様」

あ、命令したら大人しく従うんだね。
それにしてもお兄様かぁ…いや、いいと思いますよ?
多分娘さん関係で色々あるんだろうなぁって思ってましたし。
どうせ皆常識人でも一般人じゃないから、そんな気にする必要なんか無いです。

「じゃあなんで目がそんなに…」

理性と感情は別なの。
ところで、とりあえず早く終わらせちゃいませんか?

「あぁ、そうだね。…後で僕の事を詳しく説明するよ。話を聞けばわかるはずだからね」

そうですね、わかりました。
それじゃあ、お話なの。



[4819] 高町なのはの苦難
Name: KYO◆55de688e ID:bc6f8efa
Date: 2009/08/28 15:44
とりあえず席について話し合いが始まりました。
3つのモニターは何なんだろうと不思議に思ってたら、なんと監理局のトップ『最高評議会』の人達らしいの!
流石に驚いちゃったよ…

そして今後の事について話をしたのですが、やはり私は監理局に入局しなければいけないみたいです。
原因はやっぱりファイナルブレイカーでした。
うぅ、本当に作らなければよかったの…

でも働く部署は、比較的まともな人間を集めた評議会直属の特別部隊らしいです。
ちなみにはやてちゃん達も夜天の書関連で色々問題があるらしく、同じく特別部隊で働く事になりました。
みんなで働けるなら、まぁ、頑張れるかな?

「あ、でも流石に義務教育が終わるまでは待ってもらえませんか?」
「あ、せやな。流石に中学すら行かないのは問題や」
『うむ。その辺りはきちんと考慮しているから安心するといい』
『これだけ多くのまともな人間が入局するのは珍しいからの』
『これからも彼女らの様な人間が入局してくれると助かるのだが…』

最高評議会さん達も大変みたいなの…

とりあえず今後の方針が決まったので、帰宅することになりました。
地球の方で既に転送装置を準備していたらしく、プレシアさんが順調に設置を済ませていればもう使えるみたいです。

「本当に、魔法というよりSFやなぁ」

確かにね。
次元航空艦とか転送装置とか、どう考えても魔法って感じじゃないし…
結局見る機会は無かったけど、アルカンシェルも波動砲みたいな感じなのかな?
ちょっと見てみたいような気がする。

「なのはの魔法でも充分波動砲…むしろそれ以上だろ」

ヴィータちゃん…それは言わないで…
まさか次元震ビームになるなんて思わなかったんだもん…
自分がいうのも何だけど、怖すぎるの…

「気にしないで、なのは」
「フェイトちゃん…」
「私はなのはのファイナルブレイカーも喜んで受け止めるよ」

受け…止める?
ちょっと、フェイトちゃん頭大丈夫?
…あぁ、生まれつき頭を変に作られてたんだったね。

「そのブラックジョークは黒すぎるで」

うん、知ってる。



[4819] 高町なのはの苦難
Name: KYO◆55de688e ID:bc6f8efa
Date: 2009/08/29 18:17
ジェイルさんと別れて転送装置に入り、装置が放つ光に包まれて転移。
しばらくすると結構広い庭が目に入りました。
というか、はやてちゃんの家が目に入りました。

「はやてちゃん、ここに設置していいって許可したの?」
「したでー。むしろ一緒に住もうかって提案したで。なかなか良い家が見つからへんみたいやったし」

まぁ、確かにはやてちゃんの家は大きいからね。
これだけ広いと、1人暮らしの時は寂しかっただろうなぁ…
…いや、変態世界から切り離されるようなものだがら、むしろ平和だったのかな?

「おかえりなさい、みんな」
「「「「「ただいまー」」」」」

あぁ…なんだろう、この幸せな家族みたいな感じ。
血が繋がってる訳でもないし、それどころか出身世界も違う。
ヴィータちゃんとリインさんは人間でもないのに…それでも皆、本当の家族みたいな感じがするの。
というか、私の実際の家族以上に家族らしいって、どうなのかな…

それはともかく、とりあえず玄関の方に回って家の中へ。
リビングにみんなで集まった後に、プレシアさんに監理局で話し合った内容を伝えました。

「最高評議会の特別部隊…結構大変だと思うわよ?」
「そうなんですか?」

ええ、と肯定したプレシアさんは、詳しく説明しだした。

「監理局の捜査部隊は緊急に対応しなきゃいけない事件にはすぐ対応するけれど、それ以外は初動が遅いのよ…何せ局員が平時から『お楽しみ』だから。それを補うために動くのが特別部隊なの」
「それって…凄く忙しくなるんやないの?」
「そうね。まぁ、武装隊員を動かせれば問題ないけれど…従わせるのは大変よ?」

そうなんだ…大丈夫かなぁ?
変態な年上の武装隊員さん達を従わせるなんて、凄く難しそうだけど。
うーん、不安になってきたの…

「大丈夫だよ、なのは」
「フェイトちゃん…」
「きっとなのはが命令したら皆服従するよ」

それはフェイトちゃんだけだからね。

「いや、割とイケると思うぞ」

ヴィータちゃん、後でお話ししようね。

「はっ!ヴィータが粛正されてまう!?」

はやてちゃんも後でお話しようね。



[4819] 高町なのはの苦難
Name: KYO◆55de688e ID:bc6f8efa
Date: 2009/08/30 20:08
時は小学4年生の夏。
服や小物、果ては学校の教科書まではやてちゃんの家に常備していて、気付けば4ヶ月くらい高町の家に行ってません。
居る場所は知らせてあるけど、携帯に電話どころかメールすら来ないのは何なんだろう。
いっそ八神なのはって名乗ろうかな…なのは・テスタロッサでもいいかもしれないの。

「全く、親として問題だね」
「大変なんだな…」

そんな話を、しばらく前から泊まりに来ているジェイルさんとチンクさんに話していました。
最近は仕事がある程度落ち着いたおかげで、こっちでも出来る仕事しかないみたいです。
たまにプレシアさんが手伝ってて覗き見してみたけど…正直、何が何だかわかりませんでした。

「あ、そうだ。これ、さっき作った新作ケーキなの。味見してもらっていい?」
「む、頂くよ」
「なのはのケーキは美味しいからな。楽しみだ」

2人の持つフォークが三角形のショートケーキ型に作った新作の端に差し込まれて、切り離されたケーキが2人の口の中に運ばれる。
さぁ、どうなの…?

「これは…!?」
「抹茶ケーキ…しかしこの口当たりは…」

ふふふ、出来る限りスポンジやクリームの舌触りを滑らかにしてみたの。
結果は大成功みたいで、ジェイルさんは満面の笑みでパクパクとケーキを食べている。

「ふぅ、おかわりはあるかい?」
「残念ながら…でも、そんなに気に入ってくれたんですか」
「もし宜しければ私の分はドクターが食べて…も…」

あれ、ジェイルさんとチンクさんの動きが止まった?
ど、どうしたのかな?

「い、今…」

え?

「今、区切ったり突っかかったりせずに、自然にドクターと言えて無かったかい!?」
「はい…ドクター…ドクター!言えます!言えました!」

あ、そういえば区切ったりしなきゃ言えなかったんだっけ?
ということは…詳しくは知らないけど、チンクちゃんは世界の変態補正に打ち勝ったの!?

「やったぞ!流石チンクだ!私の希望だ!!」
「はい!やれました!ありがとうございます!"あにぃ"!」

その後3日間、2人は部屋から出てくることはありませんでした。
…でも、あにぃって…



[4819] 高町なのはの苦難
Name: KYO◆55de688e ID:bc6f8efa
Date: 2009/08/31 13:28
小学6年生になった私たちは、事件に遭遇しました。

進級してすぐの頃。
私とフェイトちゃん、はやてちゃん、ヴィータちゃんで帰宅しようと学校の玄関から出ると、目の前でアリサちゃんとすずかちゃんがそれぞれ別の人達に誘拐されました。

「みんな、どうしよっか…」
「警察に連絡するのが筋やけど…」
「警察って機能してるのかな?」
「してねぇだろうな」

仕方がないので私達が魔法で救出しました。
アリサちゃんとすずかちゃんに魔法に関して色々聞かれたけど、ヴィータちゃんが魔法で記憶を消してくれました。
本当に万能で凄いなぁ。

「…私もその魔法覚えるよ」

フェイトちゃん、変な対抗心燃やさなくていいからね。

「でも最近、フェイトちゃんが変な事言わんようになったなぁ」
「なのはが私に調教してくれてるからかな?」
「教育ね、教育」
「根本部分は変わらないみたいだな」

生まれがあんなのだから仕方ないよ…
でも、そういった事を覗けば割と常識的な行動が取れるようになったから良かったの。

夏頃、リインさんがアルバイトを始めました。
今まではジェイルさんやプレシアさんの手伝いをしてたんですが、大人組で1人だけ収入が無い事を気にしたみたいです。
ちなみにその考えに至った原因はテレビ。
テレビ番組だけはまともだから本当に助かります。

「ミッドではテレビ番組もアレだからね」
「そういえば、正直まともにテレビを見た記憶が無いわ…」

…中学卒業してミッドに行っても、地球の番組を見れるようにしてもらおう。
ジェイルさんなら多分出来るよね?
あ、ちなみにリインさんの職場はうちの翠屋です。
リインさんが経営スキルを手に入れたら、一緒に喫茶店を開きたかったのになぁ。
はぁ、ファイナルブレイカーさえ作らなきゃ可能かもしれなかったのに。

「ところでなのは」
「なに?ヴィータちゃん」
「語尾に『なの』をつけるのは小学生までにしておけよ」

余計なお世話なの。



[4819] 高町なのはの苦難
Name: KYO◆55de688e ID:bc6f8efa
Date: 2009/09/01 19:40
中学生になりました。
中学校は、小学校の時とは比べ物にならないくらいに酷い環境でした。

まず教師と生徒が絡み合うのは当たり前、理科室の実験器具を使ってマニアックにも程があるプレイを授業中にしたり、体育もマット競技(性的な意味で)ばかりです。

「小学校の時は授業はまともだったけど…」
「こりゃ授業ちゃうやろ」
「何の義務教育なんだこれは…」
「私はもう全部出来るんだけどな…」

フェイトちゃん自重してね。

でも、これだと義務教育とはいえ続けていく自信がないなぁ。
どうすればいいかなぁ…
いっそもう監理局に行った方がいいのかなぁ。

「それもありっちゃありだな」
「監理局で働きながらプレシアさんに教えて貰うのもありやないか?」

あ、それが一番良いような気がする。

ということで、みんなで帰宅してプレシアさんにお願いすることになりました。

「という感じなんですけど…」
「そうねぇ…私は別に問題ないけれど、監理局の仕事が忙しいと大変よ?」

あぁ…そういえばそれがあったね。

「なら仕事に慣れてきてから、勉強が出来そうならするようにするか?」
「それが現実的やな」

とりあえず中学校はもう行かない事で決定でいいんだよね。
じゃあ、近いうちに監理局入りかぁ…

「こんな若いうちから仕事する事になるとは思わなかったよ」
「せやなぁ…でも早く一人立ちしたいと思ってたから、丁度いいといえば丁度いいんやけど」
「一人立ちするなら喫茶店を開きたかったよ…」
「なのはが喫茶店を開いたら私も手伝いたかったな」
「あたしも平和に暮らしたかった…」

将来はみんなで隠居してゆっくり生活したいなぁ。

「貴女達、ほんと言うことが子供じゃないわよね…」

こんな世界で生活してたら仕方無いですよ。



[4819] 八神なのはの苦難
Name: KYO◆55de688e ID:bc6f8efa
Date: 2009/09/02 17:50
12歳の春、監理局で働く事にした私達は早速みんなでミッドに移住。
評議会さん達と話し合った結果、ミッドに慣れるために監理局で働くのは夏からになりました。
え?地球にいる私の家族?
残念ながら私の戸籍は八神なのはなので、家族ははやてちゃんとヴィータちゃん、リインさんくらいですよ。
あ、でもフェイトちゃんやプレシアさんも家族のつもりですけど。

「監理局最高評議会特別暗部部隊部隊長のカルタスだ。よろしく頼む」

みんなで隊舎に挨拶に来ると、部隊長さんが迎えてくれました。
まさか一番偉い人が直接迎えてくれるなんて思ってなかったので驚いたのですが…

「実は…去年に大半の部隊員が発症してな。人手が足りないんだ」

そんな悲しい理由がありました。
早く仕事を覚えて頑張ろうと思います。

夏に仕事が始まり、とりあえず私とフェイトちゃんとはやてちゃんは、まだ子供だということで事務の仕事からになりました。
とはいっても、私達の戦力は資料を見たカルタスさん曰く「ありえん」らしいので、たまに出動要請がかかるかもしれないらしいです。
ちなみにヴィータちゃんとリインさんは歴戦の戦士という事で、副隊長待遇で暗部武装隊へ。
プレシアさんはデバイス等の機器管理の役職に就きました。

ちなみに暗部といっても後ろ暗い仕事ばかりではないらしいです。

「ではない、やから多少はあるんやろな。後ろ暗い仕事…」
「まぁ、仕方無いとは思うよ」

こんな世界だからね。

ところで事務仕事も大変です。
フェイトちゃんとはやてちゃんはこういった仕事が得意みたいなのですが、私はちょっと苦手かも…
もしかしたら私は武装隊向きなのかもしれません。
…いや、戦いが好きとか、そんなわけじゃないからね?

しかしそんな内心の考えが看破されたのか、勤務から僅か1ヶ月後に武装隊に体験の形で入隊する事になりました。
部隊名はクラッシュ隊で、隊長は早くも出世したヴィータちゃんでした。

「違うぞなのは…元隊長が発症しただけだ…」

部隊員みんなが暗くなりました。
えーと…ご、ごめんなさい…

と、とりあえず、頑張るの!
ヴィータちゃん…いや、ヴィータ隊長!よろしくお願いします!



[4819] 八神なのはの苦難
Name: KYO◆55de688e ID:bc6f8efa
Date: 2009/09/02 21:10
武装隊で働き始めて1週間。
普段は訓練が主で、ヴィータちゃ…ヴィータ隊長の意外と上手い教導のおかげか、最近バインドが得意になってきました。
その事をみんなで昼食を食べてる時に話したのですが…

「なのはちゃんがバインド…捻り切ったり出来そうやな」
「主、そういうのは思っても言ってはなりません」
「頑丈なバインドで捕らえてあの砲撃…死亡フラグね」
「なのはのバインド…」

みんな酷いです。

数日後、また暗部部隊に新しい人が2人来るそうです。
1人はリンディさんの艦で働いていたらしく、ちょっと壊れ気味だけど最近復活してきたから引き抜いたそうです。
もしかして、エイミィさんかな?

もう1人はリンディさんの伝で無限書庫で働いてたらしいです。
ちょっとだけアレな部分もあるらしいですが、言動や思考は常識的なので引き抜いたそうです。
…あれ、何かこの人も知ってそうな気がする。

そして新しい隊員が来ました。

「アースラから転任になりました、情報管制勤務のエイミィ・リミエッタです」
「無限書庫から転任になりました、同じく情報管制勤務のユーノ・スクライアです」

…あぁ!?

「いつの間にかいなくなってたユーノ君だぁ!?」
「気付いたらいなくなってたユーノだ!?」
「いなくなったのに誰も気付かへんかったユーノ君やん!?」
「キャラが女装なだけで目立たないユーノじゃない!?」
「支援魔法が凄いのに目立たないユーノじゃねぇか!?」
「付き合いが短いから良くわからないが影の薄かったユーノではないか!?」
「みんな、僕だって生きてるんだよ…」

ご、ごめんなさぁぁぁい!!
本当に忘れててごめんなさい!!
もう忘れないから、だから、元気出して、ね?
そして、許してくれると、嬉しいなぁ…ダメ?

「いいよ。自覚はあったし…ふふふ…」

うっ…ほ、本当にごめんね?
これからは一緒だから、頑張ろうね?

「やっぱユーノ君は空気になるんだね」

エイミィさん!空気読んでぇ!!



[4819] 八神なのはの苦難
Name: KYO◆55de688e ID:bc6f8efa
Date: 2009/09/03 16:04
武装隊での日々はとても大変です。
普段は訓練をしながら出動に備えるのですが、最低でも1日1回は出動する事になります。
出動する理由は主に性犯罪絡みの事件の解決。
監理局法に性犯罪を取り締まるの法律があった事に驚いたのは秘密です。

そして今日は私の初出動の日。
少し緊張していたらヴィータちゃんが、

「なのはなら犯人に命令するだけで解決できるかもな」

とか言ってきました。
嫌だよそんな支配者みたいな特技…

現場のライブハウスに到着。
どうやらここで、ヤバい薬を使った大人数プレイをしているそうです。

「ヴィータ隊長、どうしますか?」

作戦中なのできちんとヴィータちゃんを隊長と呼びます。
TPOはきちんと考えなきゃね。

「ああ、特別な事の無い事件だから、突入して問答無用で非殺傷魔法で気絶させるだけだ」

あ、そうなんだ。
想像ではもっと大変な事になると思ってたけど、違うんだね。
ほら、途中入隊の新人が初任務とか、変なフラグが立ちそうだし。

「そうそう異常事態になんかなってたまるか」

うん、それもそうだね。
でもねヴィータちゃん…

ドガァァァン!!
『隊長!!ライブハウスで爆発魔法の発生を確認しました!!』
『解析中…不味い!!ベルカ式テロ集団の一味です!!』
「…さっきのヴィータちゃんの発言もフラグなんだよ」
「…すまねぇ」

と、とりあえずどうしよう?

「『クラッシュ隊!ライブハウスを取り囲め!中から出てきた近代ベルカ式を全員捕らえろ!古代ベルカ式はあたしとなのはが対処する!』…初任務が死の危険もある事件になっちまったが、大丈夫か?」
「大丈夫だよ。これでもジュエルシード事件と夜天の書事件で戦ってきたんだから」
「そうだったな。…いくぞ、なのは!」
「了解!」

特別暗部武装隊八神なのは、行きます!!



[4819] 八神なのはの苦難
Name: KYO◆55de688e ID:bc6f8efa
Date: 2009/09/03 20:15
次々と出てくる近代ベルカ式のテロリストを武装隊の仲間達がどんどん打ち倒していく。
私とヴィータちゃんも古代ベルカ式を探して警戒しながら、誘導弾でみんなをサポートしています。

「…なのは、気をつけろ」
「ヴィータ隊長?」
「昔似たタイプと戦った事がある。油断したら爆発の餌食になるぞ」

ヴィータちゃんの言葉に気を引き締め直して警戒を強める。
近代ベルカ式はもう殆ど捕らえられたみたいだけど…ッ!?

「不味い!?アクセルシューター!!」
「どうした!?」
「あそこ!近代ベルカに擬態して捕まったふりをしてる!」
「なっ!?チィッ!」

なんとか咄嗟に放ったアクセルシューターで魔法が発動するのを邪魔出来た。
ヴィータちゃんがすぐに向かって応戦してるけど、槍と小規模爆発魔法でなかなか接近出来ないみたい。

でも…間に合わなかったら、武装隊の仲間が、殺されてたかもしれない。
流石に…少し怖くなってきた。

「なのは!?」

あっ、と気がついたら、目の前に今にも破裂しそうな魔力球。
不味い…間に合わな…

「はぁぁぁぁ!!」

破裂する瞬間、叫び声が聞こえたと思ったら私の前にプロテクションが張られた。
直後に爆発したけど、プロテクションのおかげで何とか無事だった。
助かったけど、一体誰が…ん?狼?

「大丈夫かい?」
「え、アルフさん!?なんでここに!?」
「フェイトにね、なのはに危機が迫ってるから助けに行ってって言われたんだ」

何でわかるの!?
いや、それはともかく。

「ありがとうアルフさん」
「いいよ。後でフェイトにご褒美をあげてくれれば」

うん、今回は命を助けられちゃったからね。

『なのは大丈夫か!?』
『ごめんなさい!大丈夫です!』
『そうか…戦闘中に意識を逸らすな!帰ったら反省文だ!』

うっ…ま、まぁ仕方がないよね…私が悪いんだし。

その後、八つ当たりの様にテロのリーダーらしき古代ベルカ式の魔導師にディバインバスターをぶちかまして捕縛しました。
うぅ、帰ったら反省文かぁ…



[4819] 八神はやての事務日記
Name: KYO◆55de688e ID:bc6f8efa
Date: 2009/09/03 22:21
特別暗部部隊に入隊してから、私とフェイトちゃんは事務等の作業を主にしとる。
たまに捜査の手伝いを頼まれたりもしとるけど…それでも、なのはちゃん程忙しくは無いやろ。
なのはちゃんは今や武装隊で訓練の日々やからなぁ。
ちなみに、カルタス部隊長に何でこの部隊が『暗部』なのか聞いてみたら、『損をする常識人=世界規模での日陰者』が集まる部隊やかららしい。
なんという自虐。

「私も武装隊に行きたいなぁ…」
「フェイトちゃんは捜査も事務も戦闘も出来るから、武装隊より執務官やないか?」
「執務官…なのはの部下の執務官かぁ…」

お、やっぱなのはちゃんの部下なんやな。
流石や。

そんなある日、なのはちゃんが本日始めて武装隊員として出動することになった。
私とフェイトちゃんはちょっと心配しとったけど、物凄く頼りになるヴィータがいるから大丈夫やろ。

そう思って、そわそわしとるフェイトちゃんと2人で事務仕事をしていた時、それは起きた。

「…!?なのはが危ない!!」
「ど、どないしたんやフェイトちゃん!?」

突然椅子から立ち上がったフェイトちゃんがそんな事を言い出した。
見れば既にデバイスを展開しとる。
とうとう我慢が出来なくなったんやろか?

「なのはが危ないの!行かせて!」
「いやあかんて!?なのはちゃんもフェイトちゃんに仕事頑張ってって言うとったやろ?仕事放り出したら嫌われるかもしれへんで?」
「うっ…でも、でも!!」

必死の表情。
もしかして、これはマジで危ないんか?

「うぅ…アルフ!!」
「なんだい」
「うわぁ!?どっから来たんや!?」

フェイトちゃんが後ろに振り向いて呼ぶと、一瞬でどこからか狼モードのアルフさんが現れた。
何やこの展開。

「なのはを助けて!全速全力最優先だよ!!」
「了解!!」

そして一瞬でその場から消えるアルフさん。
今度はなんとか、一瞬だけ転移魔方陣が見えた。
これもフェイトちゃんのなのはちゃんブーストの力なんやろか…

その後事務が手につかないほどそわそわしてたフェイトちゃんが、安心した様に大きく溜息をはいた。

「良かった…間に合った…」

後でなのはちゃんに事の顛末を聞いて驚いた。
フェイトちゃんがなのはちゃんの危険に気付いた時間が、明らかに敵が現れる前の時間やったからな。
フェイトちゃんはブーストかかると予知能力すら使えるのかもしれへん…



[4819] 八神なのはの苦難
Name: KYO◆55de688e ID:bc6f8efa
Date: 2009/09/04 18:36
「フェイトちゃん、この前のお礼がしたいんだけど…何がいいかな?」
「抱いて下さい」
「一緒にお買い物だね」
「はい!」

そんなわけで、よくわからない補正で助けてくれた件のお礼で、フェイトちゃんと一緒にお買い物に行く事になりました。
たまたま私とフェイトちゃんの休日が重なってたから丁度良かったの。

「たまたまや無いで。なのはちゃんとフェイトちゃんはいつもセットや」
「…なんで?」
「なのはちゃん以外にフェイトちゃんを制御出来る人がおらんからな」

…まぁ、いいけどね。

そんなこんなでミッドチルダ中心部の都市・クラナガンの駅前に到着しました。
人が多いせいで何処を見ても目の毒な光景が広がってます。
買い物は間違いだったかなぁ?

ともかく、まずは駅前のデパートに入ります。
まずは洋服売場でも見ようか。

「どう?なのは」
「似合ってはいるけどダメ」
「残念…」

フェイトちゃんが試着室に入ったと思ったら、昔のプレシアさんがジュエルシード事件の時に着てた様な、何か凄いドレス姿で現れました。
このセンスは間違いなく親子だね。

次はバッグや小物の売場。

「よし、引き返すよ」
「え?何で?」

小物ってソッチ系アイテムの事だったとは思わなかったよ…
って、ほらフェイトちゃん、その変な棒がついたパンツさっさと棚に戻して。

幸いバッグは普通だったので、フェイトちゃんに似合いそうな黒のバッグをプレゼントしました。
お礼だし、喜んでもらいたいとは思ったけど…泣くほど喜ぶとは思わなかったよ。

食事は比較的マシなお店を見つけたのでそこで食べました。
なかなか美味しかったです。

「…とまぁ、こんな感じだったよ」
「プレゼントかぁ…それでフェイトちゃんがヘヴン状態なんやな」

幸せオーラを辺りに撒き散らしているフェイトちゃんを見ながら、はやてちゃんに今回の事を話した。

「しかし何というか…」
「何?」
「話だけ聞くと普通にデートやなぁ、と」
「た、確かに…」

あ、はやてちゃんのセリフを聞いてフェイトちゃんの幸せオーラが一段と溢れ出した。
…でも、私はそういう趣味は無いからね?



[4819] 八神なのはの苦難
Name: KYO◆55de688e ID:bc6f8efa
Date: 2009/09/05 21:05
今日の訓練も終わって、現在は隊舎内で自由待機。
たまにはお菓子を作ろうと思い食堂でケーキを作ったので、たまたま休憩に来ていたユーノ君と一緒にお茶をしています。

「あっ美味しい」
「本当?良かった」

なんだかんだでユーノ君と2人でのんびりするのは久しぶりだよねぇ。
というか、人間モードのユーノ君と2人きりはもしかして始めてかも。
いつもフェレットモードだったもんね。

「なのは、武装隊はどう?」
「うん、大変だけど、順調で楽しいかな。運動は苦手だったけど空を飛ぶのは別みたいで…」
「魔法に関しては凄い才能だからね」
「にゃはは…おかげで良い職場に就職出来たよ」

あぁ、落ち着くなぁ。
ユーノ君とは何だかんだで、はやてちゃんの次に付き合いが長いしね。
…そういえば、私の始めての男友達なんだよねぇ。

「あれ、なのはちゃんにユーノ君?」
「あ、エイミィさん」
「こんにちわ」

ユーノ君と談笑をしていると、仕事を終えたらしいエイミィさんが食堂に来ました。

「お、もしかしてなのはちゃん特製ケーキ?」
「はい!エイミィさんも食べませんか?」
「んー、じゃあ頂こうかな」

というわけでエイミィさんも加えて3人で談笑。

「最近エイミィさんの目が生きてますよね」
「なのは、その表現はちょっと…」
「あはは…L5状態だったからねぇ」
「「L5?」」

時々エイミィさんは良くわからない言葉を言うので、会話するときちょっと困ります。
でも最近は暴走してる姿を見ないし、心が癒えてきてるのかな?

「あ、そうだなのはちゃん。新しいゲーム完成したよ」
「そうなんですか?じゃあ、近いうちに…」
「うん、待ってるよ」
「これは…なのはの新しい必殺技フラグ?」

その可能性は…あるかも。
あ、今度ユーノ君も一緒にやろうよ。
面白いよ?

「うーん…そうだね。興味もあるし」

うん、約束だよ?

「うんうん、やっぱ王道カプはジャスティスだよね」

エイミィさん日本語でお願いします。

…今日は平和だなぁ。



[4819] 八神なのはの苦難
Name: KYO◆55de688e ID:bc6f8efa
Date: 2009/09/06 20:28
初出動から1ヶ月。
なぜか副隊長になったり、新しい武装隊員が来たり、隊員が発症して一般局員に転属になったりと様々な事がありました。
今日も今日とていつも通りに訓練をしていると、出動要請が出ました。
リインさんのウイング隊は既に別の事件に出動しているので、必然的に私達が出動する事に。

「今回は少々面倒な事件だ」

カルタスさんが真剣な顔で事件概要を説明し始めました。
出動場所はクラナガンから少し離れた郊外地。
古代ベルカ関係のテロリストと思われる魔導師複数犯が街で事件を起こして逃走中。

「追跡時に逃走犯数人と局員数人が殺傷設定の魔力弾で死亡した」
「局員はともかく、犯人もですか?」
「ああ。撃ったのはティーダ・ランスター。ちなみに局員を撃ったのもこいつだ」

その場にいた全員が驚愕する。
何で、仲間まで撃っちゃうの!?

「そいつが普段言っていた言葉だが…『ランスターの弾丸は全てを撃ち抜くらしい』だと」

それを聞いてみんな何となく察した。
全てを撃ち抜くんだから、そりゃあ味方も撃ち抜くよね。
…いやいや落ち着いて八神なのは、環境に毒されてそんな当たり前に考えちゃ駄目だよ。

「なおティーダ・ランスターは逆上した犯人に殺された。安心しろとは言えんが、味方に邪魔されることは無いだろう」

そっか、良…くない良くない。全然良くない。
流石に相手がぶっ飛んだ人でも死んだのを良いと思っちゃ駄目だよね。

「現場付近には違法研究所があるという噂もある。もしかするとそこがテロリストの本拠地の可能性があるから決して油断するな」
「「「「了解!!」」」」
「ウイング隊も現在の任務が終了次第向かわせる。無理はするなよ。…では、出動!!」

カルタスさんの言葉を聞き、即座に全員ヘリコプターを乗り込む。

「テロリストとの総力戦になる可能性もあるね…」
「ああ。…前みたいな失態はするなよ?」
「任せて下さい、ヴィータ隊長」

お互いに微笑みながら顔を見合わせた。
さぁ、気合い入れて行くよ!!



[4819] 八神なのはの苦難
Name: KYO◆55de688e ID:cbe5160a
Date: 2009/09/07 17:39
現場に向かうと、そこは古代の血みどろな戦争風景でした。

「ご、ごめんヴィータちゃん。物凄く吐きそう…」
「あー…大丈夫だ。アタシ以外みんなヤバいみたいだから」

うぅ…映像とかでちょっとずつグロテスク耐性をつけてたんだけど、流石にリアルなのは…
ヘリコプターの中からでも臭いがする気がするよぅ…

「幸い今戦ってる場所はここ程じゃないらしい。落ち着かせておけ」
「「「「了解…」」」」

現場に到着してヘリコプターを降りると、そこで待っていたのは研究所の様なものでした。
ヴィータちゃんが今どんな状況か聞いていますが…なんで連絡役の1人しかいないんだろう…

「最悪だ…」
「ど、どうだったの?」
「首都防衛隊のゼスト隊がテロリスト殲滅に研究所へ入ってるらしい」
「え゛、ゼスト隊って…」

以前聞いたことがある。
地上の首都防衛隊の中で一番好戦的…というか古代ベルカ式とかがいる隊で、それはもうとんでもない勢いで敵を(文字通りに)粉砕する部隊。
隊長のゼスト・グランガイツさんは正々堂々と真っ正面から(弱者が相手でも)切り伏せる人。
噂では地上のレジアス・ゲイズ中将とただならぬ関係らしいです。
そして隊員のクイント・ナカジマさんやメガーヌ・アルピーノさんも色々凄いみたいです。

「だ、ダメじゃないかな、それって」
「ああ…テロリストが全滅したら資金やデバイスの流れが掴めなくなるからな」
「じゃあ…行くの?」

私と言葉と同時に研究所から凄い爆音がして、火の手が上がりました。
更に変な機械兵器が現れて周りで暴れだして、外周は凄く丈夫そうなシャッターで埋め尽くされました。

「…無理だろ」
「…無理だね」

とりあえず、このよくわからない機械兵器を倒すことになりました。

結果的にテロリストは全滅しちゃったのですが、なんとゼスト隊の皆さんも全滅してしまったらしいです。
数人の死体が見つからなかったらしいですが…うーん、何か変な予感が。

―――――

『やあ、はやて君』
「あ、ジェイルさん、こんにちわ。どないしたんですか?」
『ちょっと伝えて欲しい事があってね』
「はいはーい。何ですかー?」
『実は私の娘達が何処からか死にかけの局員を連れてきてね。とりあえず治療措置を取るから、近いうちに引き取りに来て貰いたいんだ。…治るかはわからないが』
「あらー…はい、了解しましたー」
『それじゃあ宜しく頼むよ』



[4819] 八神なのはの苦難
Name: KYO◆55de688e ID:cbe5160a
Date: 2009/09/08 21:02
本日は晴天。
風も微風で雲も少なく、とても気持ちがいい日です。

そんな日に、ゼスト隊の人が3人がジェイルさんに連れられてやってきてしまいました。

「で、だ。大丈夫なのかあいつら」
「安心したまえカルタス君。大丈夫だよ」

とりあえず隊長陣と、ジェイルさんの知り合いという事でフェイトちゃん・はやてちゃん・プレシアさんが集まって会議になりました。
エイミィさんとユーノ君はゼスト隊の人達のお相手をしてもらってます。
大丈夫かなぁ…?

「随分とあいつらに自信があるみたいだな…」
「ああ…最高評議会から研究を指示されていた物を試してみたからね」

最高評議会さん達から?

「暴走しようとすると体が極端に動きにくくなる機械を埋め込んだんだ」
「それって倫理的にどうなんかと思いますが…」
「だな。だか倫理と人命なら人命が優先だ」

部隊長…確かにその通りではあるんですが、流石に気が引けますよ。

「私もだよ。これは将来的に腕輪等にして再犯防止用に使われるものだからね」
「成程、臨床試験というわけね」
「あの、ちゃんと許可は…」
「取ってあるよ。流石に無断ではやらないさ」

あ、許可はとってあるんですか。
ならいい…のかな?

というわけでゼスト隊の方々に会いに行くことになりました。

「ぐっ…体が…」
「まさか…ここまでキツいなんて…」
「隊長もクイントも大丈夫?」

ゼストさんと…クイントさん?が床でピクピクしながら呻き声を上げていました。
メガーヌさん?は特に問題無いみたいで、仲間2人をつんつんと突っついてます。

「あ、こんにちわ。元首都防衛隊隊員のメガーヌ・アルピーノです。よろしくお願いします」
「あ、あぁ。特別部隊部隊長のカルタスだ」

そのままみんなでメガーヌさんと自己紹介をしました。
何というか…メガーヌさんって普通な気がします。
本当にあのゼスト隊の人なんでしょうか?
若干天然な感じがしないでもないですが…

「元首都防衛隊隊長ゼスト・グランガイツです」
「隊員のクイント・ナカジマです」

あ、復活した。
…大丈夫なのかなぁ?



[4819] 八神なのはの苦難
Name: KYO◆55de688e ID:cbe5160a
Date: 2009/09/09 17:54
ゼスト隊の3人がやって来て数日。
なんとなく3人がどんな人達なのか理解できました。

まずはゼストさん。
抜群の戦闘能力で、敵を容赦無く穴だらけにする残虐超人。
闘戦い以外では渋いおじさんなのですが…同性愛者のようなんです。

「レジアス…うっ」

という声が部屋から聞こえたという話もあるので、間違いないと思います。
ちなみにカルタスさんも襲われかけたらしいですが、見事撃退したようです。
カルタスさんどうやって勝ったんだろう…?

クイントさんは基本的には優しくて明るい人です。
ただ手が出るのが異様に早く、毎回体の動きを阻害されてもがき苦しんでます。
以前趣味を聞いてみたら、

「犯人をボコボコにすること♪」

と音符マークが付きそうな楽しげな声で返答されました。
ある意味ゼストさんより危険だと思います。

最後はメガーヌさん。
何処かマイペースな感じがする優しい人で、最初は普通の人なのかと思ってました。
でも、やっぱりゼスト隊の人でした。

「この虫ね、とっても気持ち良くしてくれるの」

と、何やら大きい芋虫みたいな虫や、変な液体を分泌(気持ち良くなる薬らしい)を出す虫を可愛がってました。
他人に迷惑はかけないし、基本的に人前で変な事はしないのでマシといえばマシですが…見た目は一番キツいと思います。
というか、虫は本当に勘弁して下さい。

「あの虫に襲われたらトラウマで自殺しかねんで…」
「私はメガーヌさんごと殺傷設定で魔法を当てちゃうかも…」
「私も、ちょっと遠慮したいかな」
「「フェイトちゃんが遠慮した!?」」

これは…教育の成果!?
それはともかく、基本的にオールマイティーに対応出来るフェイトちゃんが遠慮するって…
どれだけメガーヌさんはレベルが高いんでしょうか?

「だって虫じゃなくて、なのはと気持ち良くなりたいから…」

あぁ、さいですか。
驚いて損したよ。



[4819] 八神なのはの苦難
Name: KYO◆55de688e ID:cbe5160a
Date: 2009/09/10 08:42
今日は早朝訓練のみで、あとは隊舎内で自由待機の事実上休日。
フェイトちゃんが最近し始めた執務官試験の勉強や、はやてちゃんの仕事を少しだけ手伝ったりしながらゆっくり過ごしてます。

現在地は隊舎裏側。
ここはちょっとした庭園みたいになってて、良く隊員達がゆっくりしています。
今日は天気がいいので私も来てみたのですが…

「あら、なのはちゃん」
「こんにちは、メガーヌさ…ん…?」

そこにはご存知虫姫さまのメガーヌさん。
そして甲虫人間とでも呼ばれそうな人の形の虫?と、小さい女の子が居ました。

「紹介するわね。こっちはガリュー。私の召喚虫よ」

ペコリと頭を下げてきたので、慌てて私も例を返した。
見た目は少し怖いけど、意外と普通?

「で、この子はルーテシア。私とガリューの子よ」
「…え?」
「私とガリューの子よ」
「…えぇ!?」

虫と人間の子供!?
あ…良く見てみれば、右目が複眼みたいになってて、背中に薄くて小さい蝶々みたいな羽が生えてる。
虫好きで薬系で異種妊娠…メガーヌさんは今までで一番とんでもない人なのかもしれない。

「…こんにちわ」
「あ、うん。こんにちわルーテシアちゃん」

この子も普通に挨拶をしてきた。
うーん…パッと見は普通に可愛い女の子だよね。
ちょっと大人しい感じも、私の周りに居なかったタイプだから新鮮。
すすかちゃんは近かったけど…大人しい子が血を吸おうとするわけが無いしね。

「この子、本当に素直で純粋なのよね」
「そうなんですか。自慢の娘さんなんですね」
「ええ。…後は虫プレイ好きになってくれたら最高なのに」

これは私が守った方がいいのでしょうか?

「ルーテシア、丁度良いし虫としてみる?」
「うん」
「ダメー!?」

というか何でそんなあっさり了承しちゃうの!?

「ルーテシアちゃん、もっと自分を大事にしてね。いざとなったら私が引き取ってあげるから」
「うん、お願いします」

あれ、お願いされちゃった?
普通は「お母さんが好きだから…」とか言って断るとこだよね?

「この子は本当に純粋でね、すぐに他人を信用して言う事を何でも聞いちゃうのよ」

…よし、なんとかしてルーテシアちゃんがこのままいい子に育つ様にしよう。
まずはメガーヌさんに虫プレイ勧誘しないように説得しなきゃね。
普段は思考が常識寄りだし、多分大丈夫だよね。



[4819] 八神なのはの苦難
Name: KYO◆55de688e ID:cbe5160a
Date: 2009/09/11 20:31
半人半虫の素直で純粋なルーテシアちゃんは、瞬く間に隊舎中で人気になりました。

「ルーテシアちゃん、クッキーあげるよ」
「ありがとう」
「ルーテシア、そっちは危ないぞー」
「うん」
「ハァハァ…ルーテシアちゃん、お兄ちゃんの部屋で二人きりで遊ばないかい…?」
「うん、遊「ディバインバスター!!」…なのはさん?」
「更正部隊!治る余地があるかどうか確認お願い!
ダメなら…人が少ない地上にでも回しておいて!
報告は私が後でしておきます!」
「…?」

…とまぁ、素直で純粋で従順過ぎるせいで隊員の秘めた欲望を活性化させてしまう事もありますが、概ね平和です。

「なのは!ルーテシア!」
「あ、フェイトちゃん」
「…こんにちわ」

フェイトちゃんはルーテシアちゃんがとても気に入ったらしく、あれこれと世話をしたり何か買ってあげたりしています。
ただし、今回は欲望とかが見えません…普通に子供が好きなのかな?
従順なところがPPM的に近いから仲間意識みたいなのもありそうだけど。

「フェイトちゃん、あんまり何でもしてあげちゃダメだよ?」
「うぅ…でも…」
「只でさえ他人の言う事何でも聞いちゃうから、自分で色々判断出来るようにならないと。ね?」
「そっか、そうだね。頑張ってねルーテシア」
「うん」

多分生まれ持ってのものだから簡単には行かないと思うけどね…

「とりあえずお昼ご飯にしよっか。」
「うん」
「あ、私も行くよ」

というわけで3人で食堂へ向かうことに。
道中色々話をして、ルーテシアちゃんは喚ばれる(誤字に非ず)まで父親のガリューと一緒にいたらしいです。
家があった場所には色々な虫が居て、よくその辺りの虫の皇が遊んでくれたみたいです。
…何処か違う世界かな?

そんなこんなでした食堂に到着し、早速昼食を食べることにしました。
私は何故か存在する和食、フェイトちゃんはパスタみたいなミッド料理。

「ルーテシアちゃんの好きな食べ物って何?」
「…野菜が好き」

虫…いやいや落ち着くの、失礼だよ、うん。
じゃあルーテシアちゃんは…野菜いっぱいのスープとパンでいいかな?

「うん」

よし。
じゃあ、食べよっか。



[4819] 外伝 集いでのチャット6
Name: KYO◆55de688e ID:cbe5160a
Date: 2009/09/12 19:24
nano:温泉好きさんどうしたんだろうね
鉄槌:発表したいことがあるって掲示板に書いてたけど
PT:そういえば私彼女と会ったこと無いわね
ドクター:そういえば私も無いね
鉄槌:にしても、流石に仕事してるとなかなか集まらないな
nano:フェイトちゃんもはやてちゃんも仕事だし…
ドクター:チンクも用事があるね
PT:リインもね…そういえばユーノはここ知ってるのかしら?
nano:あ、忘れてた…
鉄槌:ユーノ本当に扱いが可哀想だな
ドクター:近々教えたらどうだい?
nano:すぐ伝えますー

*温泉好きさんが入室しました*

nano:あ、こんにちわー
鉄槌:おっきたきた
PT:待ってたわよ
ドクター:遅かったじゃないか
温泉好き:すいません、自分で呼んでおいて遅れちゃいました^^;
鉄槌:で、お知らせってなんだ?
温泉好き:あ、はい。えーとですね
nano:ドキドキ
鉄槌:ワクワク
ドクター:テカテカ
PT:ドクターって意外とノリ良いわよね
温泉好き:実は彼と結婚する事になりました!!
ドクター:ありがとう>PT
鉄槌:おぉぉぉぉぉぉ!?
nano:本当ですか!?
PT:ちょ
ドクター:なん…だと…
温泉好き:実は一昨日プロポーズされまして…
ドクター:これはめでたい!
nano:おめでとうございます!!
鉄槌:こりゃはやて達を呼ばないと!!
PT:凄いわね…勝ち組じゃない
ドクター:一応チンクにも知らせておこう
温泉好き:ありがとうございます!
nano:凄いなぁ…
PT:で、結婚式は?もちろんするわよね?

*疾風さんが入室しました*
*ミィさんが入室しました*
*5番さんが入室しました*

ミィ:リア充勝ち組が居ると聞いて飛んできました

*夜天さんが入室しました*
*司書さんが入室しました*
*カルタスさんが入室しました*

nano:みんな来たw
疾風:おめでとうございまーす!!
司書:本当に結婚ですか!?
夜天:何やら結婚すると聞いたのだが
5番:結婚というのは本当か!?
カルタス:誰かはしらんが結婚とはめでたいな
ドクター:君達仕事はどうしたwww



[4819] 八神なのはの近況報告
Name: KYO◆55de688e ID:cbe5160a
Date: 2009/09/14 00:08
「キングクリムゾンッ!」
「どうしたの?フェイトちゃん」
「えと、何故か言わなきゃいけないような気がして…」
「ふーん…」

数年が経ちました。
私はその間に色々とあったおかげで、特殊暗部武装隊兼隊員更正部隊のスターズ隊隊長になりました。
この仕事になってから毎日が忙しい上に、軽発症の隊員を食い止めるためのカウンセラーみたいなものもやってるので相談が絶えません。
充実してるし、隊員と復活する人がそれなりに居るから不満は無いんだけどね。

フェイトちゃんは無事執務官になって、毎日忙しくアルフさんと一緒にあちこちへ出張しています。
仕事に関してはすっかり常識的な判断を下せるようになったおかげで、ミッドの大規模犯罪(主に奴隷や裏モノ等…しかも子供の)がかなり減ったみたいです。
でもフェイトちゃん、仕事で保護した子供達が可愛いのはわかるけど、流石に全員の後見人になるのはやり過ぎだと思うよ。
…ちなみに、最近フェイトちゃんがよく気にかけてる子が2人いるみたい。
男の子のエリオ・モンディアル君と女の子のキャロ・ル・ルシエちゃんだったかな?
エリオ君はフェイトちゃんと同じPPM生まれみたいだから気にするのはわかるけど…
キャロちゃんは…というかキャロちゃんのこの経歴は何なんだろう。
マフィアを拠点ごと消し飛ばしたとか、誘拐犯を単独でボコボコにしたとか…
本当に女の子なのかな?

はやてちゃんは上を目指すためのエリートコースに乗りました。
今はもう三佐。はやてちゃん凄すぎなの。
たまにおっぱい愛好家としても魂の叫びを我慢しきれずに暴走したりするけど、概ね普通です。

ユーノ君は事務担当かと思いきやスターズ隊副隊長になりました。
エイミィさんは事務固定みたいだけど…
ところでユーノ君の支援魔法はやっぱり凄いみたいです。
最近新しく組んだっていう防御魔法でディバインバスターをガードされた時は驚いたなぁ…
ちなみに、隊が同じなので一番一緒に居る時間が多かったりします。

ヴィータちゃんとリインさん、プレシアさんジェイルさん達はあまり変わらずにいます。
ただ、最近プレシアさんはジェイルさんと一緒に居ることが多い気がします。
もしかしたら、もしかするかも?

ゼスト隊の皆さんはそれぞれ地上本部に戻りました。
ただ、ルーテシアちゃんは何故かここにいます。
よくわからないけどフェイトちゃんGJだよ。




[4819] 八神なのはの困難
Name: KYO◆55de688e ID:cbe5160a
Date: 2009/09/15 09:54
ある日、珍しく私とフェイトちゃん、はやてちゃんの3人が連休を貰いました。
実際は仕事のし過ぎで無理矢理有休を使われただけなのですが、それはそれです。

「あ、これ美味しい」
「ホンマや、意外」
「見た目が酷いから驚いたよ」

ホテル近くの街で色々食べ歩きしています。
今は何か変な動物の焼肉?を食べてますが、見た目が触手っぽいのに意外と美味しいです。
え?触手食べて大丈夫かって?
もう慣れました。ほら、タコとかイカも触手だよ?

3人でのんびり食べ歩きしていると、突然遠くから爆音が響きました。
遠くには黒煙と…炎?

「何かあったみたいやな」
「休暇中だけど、行こっか」
「そうだね」

災害規模の割にのんびりとした会話をして、ささっとバリアジャケットを展開して急行しました。

「私は現場指揮に移るわ!2人は救助よろしく!」
「「了解!」」

炎上して所々崩れ落ちた空港内を、逃げ遅れた人達を救助しながら先に進む。
こんな状況で変態行為に耽る人達は最早変態じゃなくて新人類かもしれません。

救助を続けていると、何処からか小さな子供の泣き声が聞こえてきた。

「レイジングハート、サーチ出来る?」
【all right】

子供は…いた、青髪の女の子だね。
早く助け…ッ!?
不味い!柱が倒れて女の子の方に!

咄嗟にリングバインドで空中に固定して倒れない様にする。
危ない危ない…他に崩れる前に救助しないと。

「大丈夫だった?助けに来たよ」
「あっ…」

女の子が安心したのか涙を流し始めた。
早くここから出て安全な場所に連れてってあげなくちゃいけないけど…道がないね。
仕方ない、道がないなら作るだけだよ。

「レイジングハート!!」
【All right】
「ディバイン…バスター!!」

ディバインバスターで天井をぶち抜いて道を作る。
はやてちゃんとかに見られたらまた魔王とか言われそうだけど…仕方ないよね?

「さ、行こうか。…あれ?」

女の子は何故か涙を止めて呆然としていた。
…とりあえず、抱き上げて脱出しよう。



[4819] フェイト・テスタロッサの救助活動
Name: KYO◆55de688e ID:cbe5160a
Date: 2009/09/16 22:53
なのは様とはやての3人で連休を貰ったので、みんなで小旅行に来た。
最近はなのは様やはやてに注意されたりする事も少なくなったおかげで、以前よりも迷惑をかけずに済んでいる。
はやて曰く、「なのはちゃんの調教のおかげやな」みたい。
…あれ?調教じゃなくて教育だっけ?

ともかく、私はなのは様の調教のおかげで割と常識…的?な判断が出来るようにはなったみたい。
自分の事だからよくわからないけど、なのは様が言うのだからその通りだと思う。

旅行を楽しんでいると最寄りの空港で大規模な火災が発生した。
なのは様は、「どうせ何だかんだでみんな生き残りそうだなぁ」とか考えてるみたいだけど、それでも現場に急行する辺りは流石です。

その後、はやては現場の指揮をする為に駆けつけた指揮車に。
私となのは様は逃げ遅れている人達を救助する事にした。

空港の中には意外と人が残ってたけど、みんな色々楽しんでて割と余裕があるみたいなのでスルーした。
あ、でも子供は危ないからすぐ避難させてあげたよ?
子供は大事にしなきゃいけないからね。

救助を続けていると青い髪の少女と、その少女にデバイスを向けている魔導師が居た。
咄嗟にソニックムーヴで少女を確保して、相手をバインドで絡め取ってから魔力ダメージで気絶させた。
何故か少女がポカーンとしてるけど…早すぎて見えなかったのかな?
さっきのは結構早かったからね。

呆然と少女の無事を確認してから相手を調べようとすると、どこからか…犬?のようなものが現れて相手の首に食らい付き、あっという間に絶命させてしまった。
すぐ捕まえようとしたけど、目の前で犬?は空気に溶けるように姿を消した。
レアスキル、なのかな…?

ともかく少女には見せない方がいいと思われたので、軽く見るだけにして後はバルディッシュに映像を保存しておく事にした。

「じゃあ、避難するよ」
「…あ、はい!」

早く安心させてあげなきゃね。

それにしても、あの殺されちゃった人…古代ベルカ式だった。
火災の犯人の可能性もあるし、後できちんと調査して報告しないとね。



[4819] 八神はやての指揮官記録
Name: KYO◆55de688e ID:cbe5160a
Date: 2009/09/18 00:00
私となのはちゃんとフェイトちゃんの3人で旅行へ来ていたんやけど、空港の火災事故に遭遇してしまった。
流石に無視するわけにはいかへんし、私は指揮を取って、なのはちゃんとフェイトちゃんは救出に行ってもらうことに。

せやけど、本当になのはちゃんは事件に巻き込まれやすいなぁ。
流石に名探偵並みとまではいかんけど、名探偵のクラスメイトと同じくらいには遭遇してるんやないか?
いや…むしろ主人公補正な感じもするなぁ。

さておき、指示を出さないかんのやけど…
ちゃんと指示に従ってくれたのが3割、指示に従ってはいるけど同時に何かしらしているのが4割。
…そして残りの3割の魔導師は、火事に便乗して放火してたり全裸で炎に突っ込んだりと全く指示を聞いていない。
あーもう、こうなったら!

「コラそこのアホ共!!」
「「「「!?」」」」

「さっさと指示通りに動かんか!?氷漬けにしたるで!?」
「「「「り、了解!!」」」」

…はぁ、何とかなったなぁ。
流石になのはちゃん程じゃないけど、私にも王気(オーラ)があるってフェイトちゃんが言うとったからなぁ。
実際捜査に行ったときもたまに似たような事しとるしな。
夜天の王なめたらアカンで。

暫くすると地上の部隊がようやく駆けつけてきた。
とりあえず指揮権をそっちの部隊のトップに移そうとしたんやけど…

「むぁういますあっは」
「まずはそのタバコを全部口から離して下さい」

部隊のトップの人はゲンヤ・ナカジマさん。
非魔導師ながら指揮に関してはかなりのものやと聞いたことある人。
そんなちょっとした有名人が、タバコを20本くらい加えながら走ってきた。
煙が多すぎてもはや顔がわからんがな。

「ぷはっ…助かった。あんたらが居なかったら救助が間に合わなかったかもしれない」
「いえ、うちらはたまたま近くにいただけです」
「それで…も…うぅ…はっあ…タバコ…タバコがぁ…」

どうやらニコチン中毒みたいやな…いや何か違う気がしないでも無いけど。

まあええ、とりあえず私も救助に回ろか。
リインが居なくてユニゾン出来んから、大した事は出来へんけどな。



[4819] 八神なのはの困難
Name: KYO◆55de688e ID:cbe5160a
Date: 2009/09/20 18:03
大火災に見舞われた空港内の被害者の救出も終わり、タバコを吸いすぎな地上部隊のトップの人に挨拶をしてからホテルに帰りました。
折角の休日だったのに、疲れてへとへとだよぉ…
「なのはちゃん、フェイトちゃん。聞いてほしい事があるんや」
「はやてちゃん?」
「何?聞いてほしい事って」

大きいベッドで私の胸を枕にして寝転んでたはやてちゃんが真剣な顔で起き上がったので、私とフェイトちゃんもそれぞれ起き上がった。

「今回の事故で、3割の局員はまともに対応しとったやろ?」
「そうだね。バリアジャケットとかデバイスが変だったり、わけのわからない動きをしてた人もいたけど…」
「うん。概ね救助や消化はきちんとしてた」

男の人のアレみたいなデバイスから白い凍結系魔法を使ってたのを見た時は引いたけど、仕事はきちんとしてたね。

「私はな、まだ他の部隊にいる比較的まともな局員を集めて、暗部以外にもまともな部隊を作りたいんよ」

はやてちゃんの考えていた内容に、流石にとても驚いた。
比較的まともとはいえ、一歩間違えばすぐダメになる人達を完璧に教育して、部隊を運営するって事だよね?
相当大変そうだけど…

「うん、成功したら最高の監理局改革になるね」
「せやろ?…私は近いうちに草案を纏めてカルタス部隊長と最高評議会に提案するつもりなんや」
「つまり…」
「私となのはにも、手伝って欲しいわけだね」
「そういうことや」

そこまで話すと、はやてちゃんが頭を下げてきた。

「お願いや。相当大変やし、失敗したらどうなるかわからへんけど、手伝って下さい!」

…全く、はやてちゃんったら。

「当然手伝うよ。大事な友達で、仲間だもん」
「そうだよはやて。一緒に頑張ろう?」
「…っ、ありがとう2人とも!」

さて、これから忙しくなりそうだね。
ま、とりあえずこの事はさておいて、まだ残ってる連休をしっかり満喫しなくちゃね。
これから休みがまともに取れるかわかんないし。

「じゃ、みんなで温泉入ろ!」
「せやな!」
「どんな温泉か楽しみだね」

ちなみに温泉にはおち○ぽミルク風呂がありました。
絶対入らないからね。



[4819] 八神なのはの困難
Name: KYO◆55de688e ID:cbe5160a
Date: 2009/09/19 20:29
空港火災の時にフェイトちゃんが見たという犬のようなもの。
監理局のデータベースに登録されている魔法・レアスキルには該当するものは見つからず、捜査は暗礁に乗り上げています。

「あと、可能性がありそうなのは…」
「聖王教会、だね」
「ベルカ式の総本山やな」

聖王教会。
遠距離系魔法を多様するミッドチルダ式とは逆に、近接系の魔法やデバイスによる攻撃を主に使うベルカ式を統べる組織。
ベルカ式の総本山という事でテロ組織との関わりを疑っている監理局と、戦いよりも享楽に耽る人間が多い監理局を嫌う聖王教会の中は険悪で、お互いに詳しい情報は得ることが出来ない。
一応治安とかの問題である程度の調和ある対立に落ち着いてるみたいだけど、何か火種があればすぐに爆発しかねないとのこと。
基本的にベルカ式、特に古代ベルカ式は猟奇的なものを好む傾向があるから、実際戦争になったら向こうが有利かもしれない。

「古代ベルカのレアスキルか…」
「ヴィータちゃん、リインさん、記憶にありませんか?」
「あたしは…似たようなレアスキルは見たことがあるぞ」
「私はそのものを知っているな」
「ヴィータ!リイン!ほんまか!?」

流石は長年戦ってきたヴィータちゃんとリインさん。
ベルカ式の情報を得るときは実際にベルカ式に聞いてみるのが一番だから、凄く頼りになるね。

「恐らく無限の猟犬と呼ばれるレアスキルだ。魔力で構成された猟犬を作り出す能力で、その名の通り無限に作り出せる。魔力で構成されているせいで物理攻撃は通用しないが、普通に魔法で攻撃すれば問題ない。ちなみに、攻撃は不可能だが捜査・探索用に不可視になる事も出来る。まぁ魔力は感知出来るが」
「ちょ、ちょっと待って!とんでもないレアスキルじゃないそれ!?」
「無限に作れるとか卑怯過ぎるやろ!?」
「そ、それに不可視って…」

と、とんでもない敵が出てきちゃったよ…
そんな物騒な人、逮捕出来るのかな…

「そいつが教会にいるならヤバいな。教会には予言のレアスキル持ちもいるらしいし」
「予言に不可視の捜査犬…あかん、どう考えても教会を探れん」

うぅ…こ、これから大丈夫なのかなぁ…?
いきなり襲われたりしないよね?



[4819] 八神なのはの困難
Name: KYO◆55de688e ID:cbe5160a
Date: 2009/09/20 18:35
あれから部隊の訓練や捜査、テロの制圧等で忙しい毎日を過ごしています。
ベルカ式のテロリストは殆どが自害したり事故死したりしています。
なんとか生きたまま捕縛して取り調べしようと思っても、何処からか現れる魔力体の犬…無限の猟犬が口封じに命を奪って行きます。
以前部隊の数名が全方位にシールドを張って耐えようとしましたが、その後大量の猟犬に波状攻撃されて重傷になってしまいました。
未だ、あの猟犬に対する対応策が見つかりません。

そんな中、フェイトちゃんが保護した子を連れてきました。
同じPPM生まれのエリオ・モンディアル君です。

「始めまして。エリオ・モンディアルです」
「高町なのは、なのはって呼んで。よろしくね」
「はい!なのはさん!」

うーん、やっぱPPM生まれは主従とかが絡まなかったら普通だよねぇ。
でもこの子は自分の主人が居ないって話だけど…

「フェイトさんの言った通りですね。凄い王気(オーラ)を感じます」
「でしょ?でもなのはには私が居るからダメだよ?」
「あはは…大丈夫ですよ」

こらそこ、そんな和やかに下僕談義しないの。

「エリオもいいご主人様が早く見つかるといいね」
「はい。…でも本当に見つかるんでしょうか。フェイトさんが言う様な、運命を感じる相手なんて…」
「私は実際感じたよ。その時は母さんがご主人様だったから誤魔化してたけど、この人だって思った」
「ちょっと待ってフェイトちゃん。それ初耳なんだけど」

始めから私に引かれてたなんて…じゃあ何がどうなっても、この関係になってたかも知れないって事?
そんな酷な…

とりあえずエリオは暗部隊舎でご主人様を見つける事は出来なかったみたいで、少しだけ落ち込んだ様子でフェイトちゃんに送られて帰って行きました。
…というかフェイトちゃん、その為に連れてきたの?
一応公然の秘密扱いだけど、暗部部隊だよ?



[4819] 八神なのはの困難
Name: KYO◆55de688e ID:cbe5160a
Date: 2009/09/23 18:17
現在プレシアさんの研究室に来ています。
今後戦いが悪化するだろうということでレイジングハートを更に改良するらしいですが…

「新しくブラスターモードを搭載したわ」
「ブラスターモード…ですか?」

説明を聞くと、ブラスタービットを使用して行う限界突破モードらしいです。
使いすぎると結構危ないものらしく、出来るだけ使わないようにと注意を受けてしまいました。

「そんなに危険なら、何で搭載したんですか?これ」
「局所次元震のせいで非殺傷に出来ないファイナルブレイカーを出来るだけ使わずに済む様によ」

最近研究で判明したらしいですが、あの局所的次元震はかなり危険なものらしいです。
よくわからないけど、パワーが集約された局所次元震が次元壁を破壊するかもとか、虚数空間を作りかねないとか…
そこまで影響が出る魔法だなんて思わなかったので、思わず声をあげて驚いてしまいました。

「というわけで、どうしても勝たなきゃいけない時はブラスターモードよ。ファイナルブレイカーは本当の最終手段」
「はい、わかりました」

まぁ、あんまり使いたくなかった魔法でもあったから丁度いいのかな?

「そうそう。フェイトがファイナルブレイカーと同じ系統の魔法を作ってる途中みたいだから気を付けておいて」
「フェイトちゃん!?」

な、なんでそんなことしてるの!?
と、とりあえずこんな危険な魔法を増やさないために止めなきゃ!!

「あ、なのは!」
「なのはちゃん、どないしたん?」

フェイトを探すと、はやてちゃんと食堂でお茶を飲んでいる所を発見できた。

「フェイトちゃん、ファイナルブレイカーと同じけいとうの魔法を作ってるって本当?」
「ううん」

首を横に振ったフェイトちゃん。
はぁ~、良…

「もう完成したよ」

くない!?全然良くないよ!?

「ちなみに私も作ったで」

はやてちゃーん!?

その後、ファイナルブレイカーの危険さを教えてあげたおかげで極力使わないことを約束してくれました。
ふぅ、良かった…のかなぁ?



[4819] 八神なのはの困難
Name: KYO◆55de688e ID:cbe5160a
Date: 2009/09/25 19:12
「とうとう後半年やな…」
「そうだね…」
「大変だったよね…」

とうとうはやてちゃんの夢だった部隊、通称機動六課の始動まで半年になりました。
今まで準備とか根回しとか人員探しとかで殆ど休みが無くて、半年前の現在になってようやく一息つけるくらいになりました。

「新人は…まあ凄いメンバーやな」
「戦闘機人のスバルと、ランスター家のティアナかぁ…なのはと縁がある2人だね」
「実績とかはそれなりみたいだけど、大丈夫かなぁ…?」

一応情報を貰ったりしてるから殆ど知ってはいるんだけど、性格とかは実際会わなきゃわからないからなぁ。
特にティアナが気になるよ。
だってあのティーダ・ランスターさんの妹だし…何か危険な感じがする。
まぁ、Bランク試験を見て最終判断をする事になってるから、まだ六課に来るとは決まってないんだけどね。

「でもフェイトちゃん、エリオとキャロを六課に入れて良かったの?」
「うん、本当は危ない事はして欲しくなかったんだけど…」

困ったような顔で笑うフェイトちゃん。
何かあったのかな?

「エリオはご主人様が見つからなくて元気が無いから、六課に入れば探すのにも楽かもしれないし」
「あぁ…そういえば同じPPMやったな」

まだ見つかって無かったんだ。
あれ?じゃあ、キャロは?

「キャロは…今は自然保護隊にいるんだけど、私に恩を返したいから手伝うって」
「普通に良い子な発言やな…」
「でも元指名手配犯なんだよね…」

本当にどんな子なのかな、キャロは。
写真を見た限りでは小さくて可愛らしい女の子なんだけどなぁ。
確かに覇気みたいなものを感じたけども。

「他の新規メンバーも一癖も二癖もある人ばかりやからなぁ」
「なんとか私達と暗部部隊のみんなで、上手く方向修正しなくちゃね」
「頑張ろうね、皆で」

さて、準備期間のあと半年間、頑張らなきゃね。



[4819] ルーテシアの日記
Name: KYO◆55de688e ID:cbe5160a
Date: 2009/09/26 21:08
○月×日
今日はなのはさんとお買い物に行った。
服を買ってあげるっていわれた。
どんな服がいいかな?って聞かれたからなのはさんにおまかせしたら、自分でも選んでみようって言われた。

初めて自分で選んだ服。
明日着てみようと思う。

○月△日
今日はフェイトさんと遊んだ。
フェイトさんは服が可愛くて似合ってるって言ってくれた。
ちょっと嬉しい。

フェイトさんからリボンを貰った。
明日つけてみようと思う。

○月□日
今日ははやてさんとリインフォースと一緒にご飯を食べた。
何が食べたいか聞かれたから何でも良いって言ったら、自分で選んでみようって言われた。

美味しそうだったからオムライスにした。
とろとろふわふわで美味しかった。

○月▽日

名前は知らないけど、隊員のお兄さんのお部屋で一緒に遊んだ。
途中で胸を触られたり、パンツに何かをすりすりされた。
お兄さんがいきなり服を脱ぎ出したかと思ったら、いつの間にかフェイトさんに抱かれて廊下に居た。
部屋からはピンク色の光が見えた。
よくわからない遊びだった。
変なの。

その日から、お兄さんを見かけなくなった。

○月◇日
ヴィータと一緒に魔法の勉強をした。
召喚魔法を使ってみたらお父さんが出てきた。
ヴィータもお父さんもビックリしてた。
私もビックリ。

お母さんも召喚できるかな?

○月☆日
プレシアさんと色々な勉強をした。
プレシアさんは凄く頭がいいみたい。
わからない事も難しい事も、わかりやすく教えてくれた。
この前の変な遊びについて聞いてみたら、まだ早いって言われた。
気になるけど、まだ早いなら諦めよう。

○月♪日
ドクターとチンクがデバイスをくれた。
お母さんと同じ、手袋みたいなブーストデバイス。
名前はアスク…なんだっけ?
ちゃんと覚えなきゃ。

○月£日
エイミィに黒いドレスみたいな服を貰った。
早速着てみたら、エイミィが「やっぱルーテシアならこの服だよね」って言ってた。
良くわからないけど、この服は可愛くて気に入った。
また着よう。



[4819] 八神なのはの困難
Name: KYO◆55de688e ID:cbe5160a
Date: 2009/09/27 23:40
今日はフェイトちゃん、はやてちゃん、リインさんと4人でランク認定試験の試験場に来ています。
リインさんと私は試験官としてだけど、残りの2人は別の理由。
実は機動六課に引き込む予定の新人、スバルとティアナの試験を見に来たんです。
まぁ、私とリインさんも似たような理由で試験官になったんだけどね。

「どんな感じか楽しみだね、レイジングハート」
【変じゃ無ければ良いですね】
「うん。あまり期待してないけどね」

現実が非情なのはもう経験してるからね…
唯一比較的幸せに暮らせてるのは温泉好きさんだけだし…
はぁ、結婚かぁ…

「私、この世界で結婚出来るのかなぁ…」
【ユーノが一番可能性がありそうですね】
「うん。ユーノ君が一番仲の良い異性の友達だしね」

でもユーノ君と付き合うのは、ちょっと厳しい部分がある。
いや、女装とかに関してはもう慣れたから問題は無いんだよ?
でも…ユーノ君の女装姿が物凄い美人なんだよね…
髪の毛サラサラだし、顔の作りも女性的だし、化粧なんか絶対私達より上手だし。
自信無くなるよ…

【そういえば、ドクターとプレシアも最近仲が良いですね】
「あ、そうそう!そろそろ結婚したりしてねー」
もし私が八神じゃなくてテスタロッサを名乗ってたら…ナノハ・テスタロッサ・スカリエッティって名前になってたかもね。
でも、プレシアさんとジェイルさんさんの子供が出来たら…何か物凄い天才になりそうな気がする。
そして物凄いマッドになりそうな気がする。
2人とも研究に没頭する部分があるからなぁ。

【そういえば、メンテナンス中にたまたま聞きましたが】
「ん?なになに?」
【リンディ・ハラオウン提督が妊娠したそうです】

絶対クロノ君の子供だよね…
実の母子でとか問題がありすぎると思う。
…まぁ、お兄ちゃんとお姉ちゃんも兄妹でSMプレイしてたし、下手したら今頃子供もいるかも知れないけどね。

なんて、ろくに試験を見てないうちにスバルとティアナの番になりました。
さて、どんな感じかしっかり見ないとね。

ところで、何故かレイジングハートとの会話が凄く久しぶりに感じたなぁ…



[4819] 八神なのはの困難
Name: KYO◆55de688e ID:cbe5160a
Date: 2009/09/28 17:37
目の前に浮かんでいるモニターに映っているのは、青いショートヘアの女の子…スバルと、オレンジのツインテール?の女の子…ティアナ。
スバルの方は物凄い気合いが入ってるみたいで、今にもぶっ飛んで行きそうな感じがする。
ティアナは普通に見えるけど…あ。

【デバイスを持った途端に雰囲気が変わりましたね】
「嫌な予感がするよ…」
【音声もONにしますか?】
「うん、お願い」

音声をONにすると、二人の会話が聞こえてきた。

『ねぇティアナ、手っ取り早くビルごとぶっ飛ばして大丈夫かな?』
『ふふふ…それは愚かな判断よスバル。標的だけを、確実に、容赦無く撃ち貫いてこそ…くっ!?静まれ!静まりなさい、私の右腕!!』

どこから突っ込めばいいのかわかりません。
というかティアナは…いや、何でもない。何でもないよ。

2人の試験が始まった。
さっき聞いてた会話から考えると、意外とまともな進行具合で少し安心した。
でも、所々アレな部分も見つかる。

『はぁぁぁ!!振動拳!!』

まさかそんな普通に戦闘機人としての能力を使うなんて思わなかったよ…
普通は隠すよね?…ああ、普通じゃなかったね。

『ククク…クハハハ…この程度なのかしら?』

ティアナは何かノリノリで標的を狙撃しまくっている。
というか普通に殺傷設定使ってるよね。大問題なんだけど。
しかも魔力弾に幻術被せて不可視にするとか凄すぎ。
暗殺者にでもなりたいのかな?
…まぁ、多分闇とか影とか、そんな感じのが好きなんだろうね。
六課が暗部部隊から派生したものだって知ったら大喜びするかも。

試験はそのまま特に問題なく終了。
六課で矯正は出来そうなレベルだし、引き抜きは決定だね。
さて、試験結果の書類を作りますか。

とりあえず、基本的な殺傷設定禁止を徹底づけさせなくちゃなぁ。



[4819] 八神なのはの困難
Name: KYO◆55de688e ID:cbe5160a
Date: 2009/09/29 20:58
今私は、スバルとティアナ試験判定の書類を完成させたのでそれを渡すために移動しています。
確かフェイトちゃんとはやてちゃんが六課について説明してる筈。
たぶん大丈夫だけど断られたらちょっと困っちゃうよね。

「みんな、お疲れ様」
「あ、なのは。お疲れ様」
「なのはちゃん、待っとったよー」
「ふわっ!?な、ななななのはさん!?」
「ほらスバル、落ち着きなさい」

なんかスバルが凄いテンパってるんだけど…いったいどうしたんだろう…?
そういえばティアナは普通になってるね。
デバイス持った時に雰囲気が変わってたし、普段は普通なのかな?
何か大変そうな体質?だなぁ…

「じゃあ、早速試験結果を伝えるよ」
「「はい!」」

うん、いい返事。

「ほとんどの部分が完璧に近いね。ただスバルは前に出すぎて孤立しかねないのと、ティアナは個人技に集中する傾向があるね」
「近づいてぶん殴るのが信条ですから!魔法はパワーです!」
「私は…ふふ…デバイス持ったら色々と変わっちゃうんで…」

スバルは監理局の魔導師じゃなくて格闘家になった方がいいんじゃないかと。
あとティアナ、カウンセリングはしてあげるから元気出してね。

「あと、2人とも普通に殺傷設定なのは問題だよ」
「え?前の災害救助隊では普通でしたけど…」
「わかってます、ええ、わかってるんですよ、今は…」

…矯正出来ると思ってたけど、想像以上に難しいかもしれない。

「でもそれ以外は特に問題ないから、追加の安全講習を受けたらBランク認定されるよ。おめでとう」
「「ありがとうございます!」」

でも安全講習が本当に安全かわからないから…根回しして教官を暗部の人にしておかないと。
はぁ、忙しいなぁ。

「今日はこれで終わりやな。…六課の件の返事は講習後にでもくれればええから」
「「はい!」」

最後に元気良く挨拶した2人は、そのまま嬉しそうに帰っていった。

「思ったより大丈夫そうやなぁ」
「うん、良い子達だね」
「教導頑張らなくちゃなぁ…張り切ってきたよ」

よし!教導プラン、色々と浮かんできたよ!
頑張ろうね、みんな!



[4819] sts外伝 エリオの運命
Name: KYO◆55de688e ID:cbe5160a
Date: 2009/09/30 21:11
僕の名前はエリオ・モンディアル。…正確には、エリオ・モンディアルのクローン。
PPMという計画で作り出された人造魔導師だけど、作られた後も色々と実験されたせいで普通のPPMの人造魔導師とは違うところがある。
誰に何をされても快楽に繋がるのが一番違うところだけど、その代わりご主人様を外部から決定されなくなった。
おかげで僕は主人がいないので、僕が仕えたい人を探している。
フェイトさんが言うには、

「出会ったら、この人が運命の人だってわかるよ。私もそうだったから」

らしいから焦ることは無いみたいだけど…

今日は機動六課が始動する日。
空港に着いたらフェイトさんが迎えに来てたけど、もう1人の隊員がまだ来ていないみたいだ。
仕方無いので、探しに行く事にした。

「キャロさーん!キャロ・ル・ルシエさーん!」
「はーい!すいません、遅れましたー!」

声がした方を見ると、大きな荷物を持った女の子が下りのエスカレーターに乗りながらこちらに向かって来ていた。
…遅れたと言っておきながら、全然急いでない。
でもそれが自然であるかの様な…そう、王気(オーラ)の様なものを感じる。

そんなことを考えていたら、何らかの異常があったのか、エスカレーターが急停止した。
当然乗っていたキャロさんは大きな荷物もあってか、慣性が働いてエスカレーターから落ちそうになっている。
た、助けないと!!

咄嗟にソニックムーブを使ってキャロさんを支えようとしたけど、勢い余って上まで運んだ上に倒れてしまった。

「す、すいません。失敗しちゃいました…」
「…とりあえず、手をどけて下さい」

え?…あ、む、胸に!?

「ごごご、ごめんなさい!?」

急いでキャロさんから離れる。
うぅ、いきなり失礼な事しちゃったよ…

「あ、あの…」
「ねえ」
「は、はい」
「とりあえず、落ちそうになったのを助けてくれたのもあるから…これで勘弁してあげるね」
「え?グァッ!?」

瞬間、重く鋭いボディーブローが僕を襲った。
苦しくは無い。むしろ気持ち良い。
でも…何時もと違ってそれだけじゃない?
…そっか、これが、そうなんだ。

「キャロさん」
「なに?」

その場に片膝をついてキャロさん…いや、キャロ様と向かい合う。
この方こそ…

「僕の名前はエリオ・モンディアル。…僕を、貴方の騎士に、下僕にして下さい」

この方こそ、僕が仕えるべき御人だ…!!



[4819] 八神なのはの困難
Name: KYO◆55de688e ID:cbe5160a
Date: 2009/10/01 21:49
とうとう機動六課が始動する日になりました!
部隊長ははやてちゃんで、私はティアナ・スバルを有するスターズ隊の隊長、フェイトちゃんはエリオ・キャロを有するライトニング隊の隊長です。

ヴィータちゃんとリインさんは暗部での仕事もあるので、交互に六課に出向する事になってます。
六課でする事は教導のサポートが殆どになる筈です。

エイミィさんとユーノ君は六課の管制指揮部隊のロングアーチ勤務。
ユーノ君は優秀な結界魔導師でもあるので緊急用の守備要員でもあります。
余談ですが、エイミィさんは最近自作のシューティングゲームを販売し始めたみたいです。
こんな世界で売れるのかな?

プレシアさんは暗部勤務ですが、週に1回は六課に来てデバイスや機器のメンテをしてくれます。
一応常駐のマイスターはいるんだけど…信用性が微妙だしね…

ジェイルさんは暗部の情報・研究面の主力なので殆ど暗部に居ることになりそうです。
それと一緒にチンクちゃんも暗部にいる事になるみたいですが、ジェイルさんよりは六課に来る機会があるかも知れないみたいです。

最後にルーテシアちゃんですが、私とフェイトちゃんの部屋で一緒に暮らしています。
常識度が相当微妙な人が多い六課に連れてくるのは不安があるけど…デバイスのアスクレピオスが防犯機能を追加されたからきっと大丈夫だよね。

そんな事をずっと考えていたら、いつの間にか六課始動の式が終わっていた。
あー、全然話聞いてなかったけど、多分問題ないよね?
じゃ、とりあえずフォワード隊の4人と最初のミーティングかな?
みんな問題が無ければこのまますぐ教導に入りたかったけど…最初に注意事項や常識を教えないと大変な事になりそうだしね。

「それじゃあみんな、まずはミーティングだから会議室に行くよ」
「はい。行くよ、エリオ君」
「はい、キャロ様」
「え?即実戦じゃないんですか?」
「んなわけないでしょバカスバル…」

初対面のキャロが普通な感じだけど…何がどうなったらあんな犯罪歴になるのかな…
というかキャロがエリオのご主人様になったんだね。
見た目は微笑ましいのになぁ。



[4819] 八神なのはの困難
Name: KYO◆55de688e ID:cbe5160a
Date: 2009/10/08 18:56
会議室には新人4人と、私とフェイトちゃん。
本当ならヴィータちゃんとリインさんもいたはずなんだけど、事件が起きて出動したのでいません。
まぁ仕方無いよね。

「…というわけで、とりあえず基本的な説明は終わり。みんな大丈夫だよね?」
「「「「はい!」」」」

うんうん、返事は良いね。
問題はきちんとわかってるかどうかなんだけど。

「んー、じゃあ簡単な問題を出すから答えてね」

指定した状況でどんな判断を下すか、という問題。
明確な答えがあるわけじゃないけど、その分きちんと基本的な事が理解できてるか、そして個人の考え方がわかる問題。

問題は、追い詰めた犯人がたまたま近くに居た女性を人質に取っている状況。
犯人は焦って興奮していて、下手なことをすると人質を傷つけかねない。

「こんな時、どうすればいい?」

さぁ、どんな答えがくるかな?
まずはスバル。

「問答無用でぶっ飛ばします!」

はい残念。後で大量の問題集渡すから訓練の合間にでもやってね。
次、ティアナ。

「えっと、自分ではどうしようもないので念話で上官に報告して、指示を仰ぎ…たいです」

うん、それも1つの手だね。
でも仰ぎたい、か…デバイス持ったら性格変わっちゃうんだっけ。

「ティアナ、デバイス展開して?」
「え゛!?で、でも」
「いいから」

説得すると諦めたのかデバイスを展開したティアナ。
さ、答えは?

「フフッ…人質にされる様な愚かな弱者等、特別興味は無いわ。運が悪かったと運命を怨みながら犯人と共に散って貰おうかしら」

はい残念。ティアナは近々ジェイルさんにカウンセリングして貰おうね。
次、エリオ。

「キャロ様の指示に従います」

ですよね。うん。わかってたよ。
最後、キャロ。

「そうですね…背後や横から、犯人に気付かれる様フリードかエリオ君に奇襲して貰います。意識がそっちに向いたら瞬時に速度を魔法でブーストして、人質を引き剥がした後に一撃を当ててバインドで拘束します。人質の多少の怪我は仕方無いですよね」

え、何その実戦的な判断。

「出来るの?」
「その程度なら何度も経験してますから」

最もバインドじゃなくて攻撃ですけどねって…まぁあの経歴見たら出来そうな気はするけど。
というか予定ではブーストデバイスのキャロはフルバックの予定だったけど…もしかして接近戦出来るの?
…色々考え直さないと。



[4819] 八神なのはの困難
Name: KYO◆55de688e ID:cbe5160a
Date: 2009/10/06 22:19
ミーティングも終わったのでとりあえず軽く実戦訓練をして実力を見てみる事になりました。
なので全員で訓練場所へ移動です。
シミュレーターを起動したら、最初は何も無かった場所に突然廃棄都市が現れてみんな驚いてたなぁ。
気持ちはわかるよ。私達も最初は驚いたしね。

先ずは軽く、難易度は低めにして4人で撃破ミッションをやらせてみる事に。
今回使う標的はジェイルさんが作った機械兵器・ガジェットドローンⅠ型。
突撃や魔力を用いたビームを使ってくる上に、魔力結合を阻害するフィールド…AMF(アンチ・マギリンク・フィールド)を使ってくる意外と手強い機械。

「じゃあ、とりあえず最初の訓練だから自由にやってみてね」
「「「「はい!」」」」
「それじゃあ…スタート!」

開始した途端にスバルとティアナが飛び出した。
ランク認定試験の時もそうだったけど、2人とも突撃型…というか独立行動型だよねぇ。

「うおぉぉぉ!!」

しかも何だかんだで撃破出来ちゃってるし。
スバルは戦闘機人の能力フル活用してガジェットを粉砕。
対人に使ったら間違いなく死ぬよね…矯正しないと。
ティアナは…

「『交錯する魔橙光(クロスファイヤー)』…シュート!!」

なんか変な当て字のイメージが見えたような…
というか何でAMF使ってるのにガジェットに当た…って魔力弾の中に実弾!?
ちょ、思いっきり監理局法違反だよ!?何で誰も注意しなかったの…いやしても聞かなかったのかも…
とりあえず、要矯正だね。
ところでエリオとキャロは…

「やぁっ!…フリード!エリオ君!」
「キュクルー!」
「はい!」

ガジェットの魔力弾をキャロが無機物操作で引き寄せた瓦礫で無効化して、同時に攻撃。
フリードもガジェットの背後に火炎を吐き出して退路を無くしてから、キャロのブーストで速度を強化したエリオが凪ぎ払っていた。
…エリオとキャロのコンビネーションが完璧なのは予想が出来てたけど、キャロの戦い方が上手いなぁ。
回避不可能にして攻撃したり、誘導して仕留めさせたり。
やっぱ戦闘経験が豊富…

「いっぱい居て面倒だね。…フリード!竜魂召喚!辺りを焼き払って!」

って、それやり過ぎ!?対応が乱暴すぎるよ!?
キャロはこの辺りを矯正だね。
エリオは…キャロが大丈夫なら大丈夫だよね。
頑張らなくちゃなぁ。

ちなみに、予定のタイムより遥かに早く全撃破しました。



[4819] 外伝 集いでのチャット7
Name: KYO◆55de688e ID:cbe5160a
Date: 2009/10/08 19:43
nano:そろそろ久しぶりに地球に行ってみたいかも
疾風:あーわかるわかる
疾風:一応故郷やからなぁ
ふぇいと:色々思い出があるからね
nano:フェイトちゃんと初めて会ったのも地球だしね
ふぇいと:懐かしいなぁ…
疾風:確か最初は敵やったんやっけ
nano:そうそう
ふぇいと:あの頃は母さんの為に頑張ってたから
nano:あの頃はココと、フェイトちゃんとの戦いだけが癒しだったよ…
ふぇいと:あ、勿論今はなのはの為に頑張ってるよ?
疾風:それが魔王の始まりやったんか…
nano:フェイトちゃん、それ何のフォロー?
nano:魔王じゃないの!
ふぇいと:そうだよ!なのはは女神だよ!
疾風:どっちにしろ何か超越した存在なんやな

*温泉好きさんが入室しました*

nano:め、女神は恥ずかしいよ…
疾風:あ、こんにちわー
ふぇいと:お久しぶりです
nano:こんにちわ!
温泉好き:ん、nanoちゃんが女神だって話なんですか?
ふぇいと:そうです
疾風:そうです
nano:そうd…違います!
疾風:流れに…逆らったやて!?
温泉好き:いつもはみんな乗りますよね
nano:本人が乗っちゃダメだと思います
ふぇいと:本気なのに…
温泉好き:結婚式の時会ったら、みんな女神様みたいに美人だったけどね
nano:そんなじゃないですよー
疾風:あはは、ありがとうございます
ふぇいと:ああありがっtとうごじます
nano:あれ、何でそんなに慌ててるの?
疾風:ほんまや
ふぇいと:うぅ…は、初めて言われたんだもん…
温泉好き:うわーかわいいー
nano:そういえば、何故か聞いたこと無かったね…
疾風:あれ、というか私らみんな初めてやないか?
nano:…私は淫語だらけのラブレターで言われた事があるよ
ふぇいと:あ、手紙なら私も
疾風:ああ…私もや…
温泉好き:なかなかヘヴィな…魔法だけでも私はお腹いっぱいだよ
nano:初めて見せた時驚いてましたよね
疾風:私も最初は驚いたなぁ
ふぇいと:私はなのはが短時間であんなに魔法が使えるようになった事に驚いたよ
疾風:なのはちゃんやからな
温泉好き:なのはちゃんだからね
ふぇいと:そうだね
nano:だからどういう事なのー!?



[4819] 100話記念 みんなブッ壊れてた世界
Name: KYO◆55de688e ID:cbe5160a
Date: 2009/10/09 14:31
「んっぁ…なのは様ぁ…」
「ふふ…フェイトちゃん可愛い…」

1日の始まりである朝は、フェイトちゃんを襲う事から始まる。
友人の中で一番の巨乳を両手で揉みしだき、先端にある鮮やかなピンク色の

―――終了―――

「おはよう、はやてちゃん」
「あぁ…あー、なのはちゃんやぁー…えへへぇ」

四六時中ヴォルケンリッター達に性的に責められているはやてちゃんは、ちょっと前から少し壊れてしまっている。
そんなはやてちゃんも、可愛くて好きだけどね?

「なのはちゃぁん…」
「ふふふ…いいよ。今日もイイ声で哭かせてあげる」

私は魔法で、股間に固くそそりたつモノを作り出し、最早溶けている様にも見えるはやてちゃんの

―――終了―――

はやてちゃんとの行為を終えるとヴィータちゃんがやってきた。

「はっ、はやてはまーた奥を突かれて悦んでたのか」
「ヴィータやぁ…」
「まあいいや。いくよ、はやて」
「良かったねはやてちゃん。大好きなヴィータちゃんがしてくれるみたいだよ」

ヴィータはデバイスを展開し、その長さも太さも巨大な、まるでハンマーの様な自身の分身をはやてちゃんに無理矢理

―――終了―――

六課へ向かうと血だらけになって倒れているゼストさんとシグナムさんがいた。
とりあえず邪魔だからディバインバスターで端に寄せておきました。

「あ、おはようスバ「なのはさぁーん!!」ってあ、ちょっそんないきなり…はんっ!?」

出会い頭にいきなりスバルが力にモノを言わせて私の中へ

―――終了―――

「はぁ…はぁ…」
「ふふふ…愚かなものね」
「ティアナ…ティアナも…」
「貴方の様な愚者に入れられる程堕ちた覚えは無いわ。貴方なんて足で十分よ」

そういってティアナは足で私の股間に生えっぱなしだった

―――終了―――

「ほら、舐めなさいエリオ君」
「はぁ、はぁ…キャロ様ぁ…」
「ふふ、良い子だね。…ご褒美、欲しい?」
「キャロ様ぁ…慈悲を…」
「仕方無いなぁ…エリオ君だけだ

―――終了―――

「はぁはぁ…プ…レシアァァァ!!」
「ジェイルぅ!もっと、もっとぉ!」
「はぁ…んっ…ドクター…早く私にもぉ

―――終了―――

「あー東方面白いなー東方世界に転生したかったなーでも東方世界でもみんなこんなんだったら生き残る自信無いなー嫌だなーもう死んじゃおうかなーくけけけけけけけ

―――終了―――



[4819] 八神なのはの困難
Name: KYO◆55de688e ID:cbe5160a
Date: 2009/10/10 19:39
日々の訓練や暗部からの救援要請によるテロ鎮圧など、忙しくて休みが少ない毎日です。
というかキャロはもう実力で言えば武装隊に行ってもいい程。
転送で出した武器を飛ばしたり、麻酔弾を操作して物陰から狙撃とか…実戦的にも程があるよ。
それに奥の手もあるらしいし、正直自重を覚えさせる以外に教導する事が無いような気がする。

そんな事をプレシアさんの研究室で、一緒にコーヒーを飲みながらお話しています。

「優秀なのもまた大変なのね」
「はい、基本的に良い子だから助かりますけど」
エリオもキャロとのコンビネーションが完璧だから、最近はフェイトちゃんが回避の教導をしている。
キャロは相手の攻撃を薙ぎ払ったり打ち砕いたりする事が多かったみたいだから、丁度良かったよ。

「こっちも何とかベルカの情報を探してるんだけど、なかなか手に入らないのよ…何やらロストロギアを集めているのはわかったけど」
「ロストロギアを…ですか?」

そんな物を集めてどうするつもりなんだろう。
まさか危険なロストロギアを暴走させて大量破壊なんて…無いとも言い切れないからベルカは怖いんだよね。
…ん、誰か来た?

「やあ2人とも」
「あらジェイルじゃない」
「お久しぶりです」

六課に来るなんて珍しいどうしたんだろ?

「連中が集めているロストロギアが判明してね。データと実物を持ってきたんだ」
「実物なんて持ってたの?」
「ああ。レリックという魔力結晶でね、願いを叶えないジュエルシードみたいなものだ。魔力は桁違いだが」
「あからさまに危険ですね…」

機動六課も一応対外的には機動隊だし、そのレリック回収を主な任務にして活動するべきかもね。
訓練のおかげで新人達も(多分)暴走しないだろうし。
うん、後ではやてちゃんと相談しよう。

「それと…プレシア。これを」
「ん?何かしら?」

ジェイルさんが小箱を取り出してプレシアさんに渡した。
いったい何だろうと思い、プレシアさんが開けた小箱の中を覗き見たら…指輪!?

「結婚してくれないか、プレシア」
「えっ…?」

ええー!?なにこの急展開!?
そんな雰囲気だったのは知ってたけど、まさかこんな早くに、しかも私が居る前でプロポーズ!?

「君が居たからプレシアに出会えた様なものからね。見届けて欲しかったんだ」
「ジェイル、私…」
「結婚、しよう」
「はいっ…」

と、と、とりあえず皆に連絡!?



[4819] 八神なのはの困難
Name: KYO◆55de688e ID:cbe5160a
Date: 2009/10/11 17:45
ジェイルさんとプレシアさんの結婚は多方面…いや、仲間内に衝撃を与えました。

「マッド×マッドやて…?」
「いやお似合いではあるんだけど…」
「ジェイルさんがお父さんに…?」
「フェイト・T・スカリエッティ…原作ではありえない夢のような展開だなぁ」
「この2人ならアルハザードに至れそうな気がするな」

みんないいたい放題言ってますが、それを聞いてる2人は全く怒らずにいます。
というかイチャイチャしてます。
見た目は若いけど、2人共のいい歳なんだか…っ!?何今の寒気…?

で、結婚式なのですが。
流石に今は忙しすぎて結婚式なんてやってられないという事で、六課とベルカ関連が落ち着いてからという事になりました。
結婚かぁ…

「ユーノ君はどう思う?結婚」
「うーん…少なくとも僕は当分無いだろうね。仕事が忙しいし」
「私もー…」

というかユーノ君は、結婚式でどっちの役をするのかな?
新郎?新婦?ウェディングドレスとか物凄く似合いそうだからなぁ…
何となくぼんやりと、純白のドレスを着た物凄く綺麗なユーノ君を想像する。
凄く幸せそうな微笑みを浮かべるユーノ君…その隣で微笑むタキシードを着込んだ私…

「なのは、どうしたの?」
「ひゃっ!?な、なななんでもないよ!?」
「?」

わ、私は何を想像してるの!?
…というか、タキシードを着て男装した私が思いの外似合ってた事に少し微妙な感覚になる。
私はタキシードよりやっぱりドレスがいいなぁ…

「あ、なのは。明日昼の教導が終わったら休みだったよね」
「うん。流石に休みを取らなきゃダメだってカルタスさんから怒られちゃった」

はやてちゃんとフェイトちゃんも怒られてたなぁ。
若い内からワーカーホリックだと残念な人生になるぞって。

「じゃあ訓練後に一緒に買い物にでも行かない?僕も休みなんだ」
「そうなんだ。うん、行こう!」

ユーノ君と買い物かぁ…久しぶりだなぁ。
昔は家から逃げる為にジュエルシード探しながらウィンドウショッピングしてたしね。
変な物ばかりだったけど…

さて、明日残業しないためにも、しっかり仕事しなくちゃね。



[4819] 八神なのはの困難
Name: KYO◆55de688e ID:cbe5160a
Date: 2009/10/12 23:07
「最近聖王教会の動きがあやしいんだよね」

フェイトちゃんが捜査をしていて気付いたという教会の動き。
この時期に不審な動きを見せるなんて…誘い?

「もしくは、もうそんなに周りを気にせんでもいいのかも」
「私もそう感じた。多分、近々本格的に動きを見せると思う」

そろそろかぁ…やっぱり教会と全面戦争になるのかなぁ?
でも人数ではこっちが圧倒的に多いのに、仕掛けてくるとは思えないし…

「ロストロギアを使って来たら話は別やで?」

あぁ、そっか。
うーん…今は新人矯正の大事な時期だから勘弁してほしいなぁ。

「なんにせよ、警戒レベルを最大にしておいた方がええな」
「そうだね。…じゃあ私は情報を纏めて暗部の方にも提出しなきゃならないから、後でね」
「頑張ってなーフェイトちゃん」
「頑張ってねー」

うーん…捜査かぁ…

「ん?どないしたん?」
「いや、私って戦闘専門な感じになっちゃってるから、捜査とかも出来る様になった方がいいのかなぁって」
「なのはちゃんが捜査を覚えたら犯人捕獲にディバインバスター使いそうやな」

私を何だと思ってるの…使うけどね。

「ところで最近、ユーノ君と以前より親密にってきとるみたいやけど?」
「そ、そうかなぁ?いつも通りだよ?」
「フェイトちゃんに聞いたら事実上のカップルって言っとったけど」

フェイトちゃん何言ってるのー!?
う、でもフェイトちゃんは私以上に私の事知ってるから、その通りなのかな…うぅー。

「プレシアさんとジェイルさんの次は、なのはちゃんとユーノ君かぁ…」

微笑みながら空遠くを眺めるはやてちゃんの顔が、「私は結婚出来るんやろか?」と空に聞いている様に見えた。
はやてちゃん、頑張れ!

…私が誰かと結婚したらフェイトちゃんはどうするんだろう?
気になるから後で聞いてみようっと。



[4819] 八神なのはの困難
Name: KYO◆55de688e ID:cbe5160a
Date: 2009/10/14 07:19
最近、とても忙しくなってきました。

ベルカのテロリストが列車を使ってレリックを運んでいると聞けば、急行して鎮圧。
ホテルアグスタで行われるオークションに大量の危険なロストロギアが出品されると聞けば、即座に回収。
訓練をすれば、キャロが訓練の意味が無くなりかねないトンデモ巨大竜を召喚したり。
模擬戦をすれば、スバルとティアナが危険な行動を頻繁に行ったり。
休もうと思えばルーテシアに魔の手が迫っていたり。

「私…ダメかもしれない…」
「なのは…私もダメかも…」
「私もダメかもや…」

暗部武装隊の隊長はここまで忙しく無かったのに…
こんなんじゃあ、聖王教会が何か行動を起こした時に動けなくなりかねないよ…

「みんな疲れてるね」
「…大丈夫?」
「あー、ユーノ君とルーテシア」

珍しい組み合わせだね。
何かあったのかな?

「ルーテシアが六課の事務作業員にミルクを貰って飲んでたんだけど…」
「普通のミルクなん?」
「普通じゃないミルク」
「了解…後で詳しく聞かせて。解雇するから」
「…矯正しないの?」
「もう新人達だけで手一杯だよ」

エイミィさんもプレシアさんも、自分達が矯正担当になった隊員しか見る余裕が無いみたいだしね。
ユーノ君は完全にオペレーター専門だから心労は少ないみたいだけど。

「実験的な矯正部隊とはいえ、流石に多すぎやったか…」
「効果も正直微妙だしね…一応成功してる人も居るみたいだけど」

事実、六課を通して暗部武装隊に仮配属された新人が本配属されたみたい。
それとプレシアさんが教育したデバイス関連の子も1人、暗部で働いてるらしい。

「フォワード隊はキャロとエリオが良い感じかな。キャロがちょっと過剰攻撃気味だけど、周囲の安全は確認してやってるし」
「エリオはキャロに仕えてから安定したしね」
「成功例が出来たのは助かるなぁ」

ティアナの二重人格?はジェイルさんも匙を投げちゃったし、スバルは何度言っても力押しで何でも済ませようとするし…
この二人は諦めた方がいいのかなぁ?

「そや、近々スバルの姉のギンガ・ナカジマが六課に配属になるんやけど、よろしく」

え゛、また増えるの…?



[4819] 八神なのはの困難
Name: KYO◆55de688e ID:51b53872
Date: 2009/10/14 21:01
睡眠時間もどんどん削る羽目になって、なんだか肉体的にも精神的にも不安定になってきました。
体調は最悪ですが、何故か今ならどんな敵でも消滅させられそうな気がします。

「あはははは、なのはちゃんその目で消滅は洒落ならんてー」

はやてちゃんは何故かテンションがとても高くなってしまっています。
目のハイライトが消えているせいで、とても怖いです。
かくいう私も目つきがかなり恐ろしい事になっているらしく、さっき隊員の人とすれ違った時に怯えられました。

「うふふ…うふふふふ…」

フェイトちゃんは色々末期らしく、手作りなのはちゃんぬいぐるみを抱きながら微笑んでいます。

「なーなー!そういやギンガはどうやったんー?」

あー、ギンガは矯正出来ないよ。
だって挨拶からして何か凄かったもん。

『陸士108部隊から出向になりましたギンガ・ナカジマです。魔法タイプは近代ベルカ式で主にシューティングアーツを用いた高速戦闘で戦います。ところで速さこそこの世の真理だと思いませんか?雑誌でも月刊よりも週刊、週刊より(ry』

早口すぎてギリギリ聞き取れるかどうかのレベルだったしなぁ。

『私は速さ以外に興味は無いので訓練は全て自分で行いますご心配無く』

とかいって訓練場から高速で去っていったし…
何とかならないのかな、あれ?

まぁそんな事は今はどうでもいいや。
今はようやく仕事が終わって明日1日中休みになったし、早く帰って寝よう…

「もー私もなのはちゃんのとこで寝るわー」
「うふふ…なのはー私もー」

さぁ早くみんなで寝よ「すいませんフェイトさん少しいいでしょうか?」…誰だ。

「あっはっは!なのはちゃん目がヤバすぎるで!」
「あっと、ごめんなさーい」
「あ、なのはさんとはやてさんは用が無いのでいいです。時間が勿体無いので手短に言いますがフェイトさん私とスピード勝負をして頂けませんか?」

…くすくすくす、へぇ、用が無いのでいい、かぁ。

「はい。大したスピードじゃ無さそうですし興味無いです」
「クックッ…随分調子づいてるみたいやなぁ、ギンガ」
「ふふ…隊長に対する礼儀は教わって無いのかな?」
「へぇ…なのは様にそんな失礼な発言するなんて、いい度胸だね」

私達3人の怒気にギンガが今更冷や汗を書きながら後ずさった。

「わ、私は速さを追い求めてるだけなんです!」

へぇ…ならフェイトちゃんとスピード勝負してもらおうじゃない。
但しフェイトちゃんには本気になってもらうよ。
フェイトちゃんを本気にさせるには…あぁ、頭が働かない…もうこれでいいや。

「フェイトちゃぁん、最速最短でギンガと本気勝負してあげてぇ。勝ったら明日ご褒美のチューしてあげるからぁ」
「―――Yes.My Lord」

さ、私達は部屋で眠ろうか、はやてちゃん。

「あはははは!せやなー」

その後、僅か2分でフェイトちゃんが戻ってきたのでみんなで眠りました。
何か頭の中でやっちまった警報が鳴り響いてる様な気がするけど、眠いからまた明日ねー…。

ちなみに、結局私達は20時間眠りました。



[4819] 八神なのはの困難
Name: KYO◆55de688e ID:cbe5160a
Date: 2009/10/15 09:44
散々爆睡して私達は目を覚ましました。
現在はやてちゃんは、仕事が終わったヴィータちゃんと買い物に行きました。
そして私なのですが…

「なのは…」
「ちょ、ちょっと待って!待って!」

フェイトちゃんに迫られています。
あぁー!なんで私は昨日あんな約束をしちゃってるの!?
いくら睡魔と疲労にやられていたからとはいえ、流石にあんまりだよ!?
それに、フ、ファーストキスなんだよ!?ファーストキスが同性のフェイトちゃんとか、流石に勘弁だよぉ!!

「なのはぁ…」
「うぅ…うーうー…ご、ごめんなさぁい!もうちょっと待っててぇー!!」
「あ、なのは!!」

もう色々と耐えきれなくなって宛もなく走り出してしまいました。
あーうー…どうしようどうしよう!どうすればいいの!?

「あれ?どうしたのなのは?そんなに慌てて」
「はぁ、はぁ…ふぇ?」

気が付けばユーノ君の所まで来ていました。
…ユーノ君?…うーうー…よし。

「ユ、ユーノ君、えと、その…」
「ん?なに?」

いつも通りの柔らかい笑顔で私の言葉を待つユーノ君。
…よし。よし!

「じ、実は…」

ユーノ君に昨日の出来事と、フェイトちゃんとの約束について説明。
ユーノ君は苦笑してたけど、私にとっては笑い事じゃないんだよ?

「それで、お願いがあるんだけど…」
「お願い?なに?」
「えっと、その…わ、私のファーストキス貰って下さい!」
「…ええぇぇぇ!?」
「ほ、ほら、流石にファーストキスを同性にあげるのはアレだし、ユーノ君なら良いかなって、その、あの」

うぅ、顔が熱いよ…

「えー、あー…僕で良ければ」

ユーノ君も顔が真っ赤になってる。
うぅ…恥ずかしい。

「よ、よろしくお願いします」
「こ、こちらこそ」

そして私達は、少しずつ顔を近づけて―――



「よし、いいよフェイトちゃん」
「うん、いくね」

さっきユーノ君としたばかりなのにすぐフェイトちゃんとキスとか、まるでキス魔だよね…
そんな事を考えながら顔を近づけてくるフェイトちゃんを見て…

「「んっ…」」

ちゅっ、と互いの唇が重な『にゅるん』ってディープ!?
ちょ、ちょっまっ、

にゅるにゅるくちゅくちゅ…

あっちょっ何コレ、上手…ん、身体、力入らな、あっアッ、ヤバっアッ…――――ッ!!

「ふぁ…ぁぁ…」
「ふふ…なのは…」

フェイトちゃんとキスは…危険なの…ガクッ



[4819] 八神なのはの困難
Name: KYO◆55de688e ID:cbe5160a
Date: 2009/10/16 14:21
気が付けば私はベッドの上で眠っていました。
どうやらあまりに刺激的すぎるフェイトちゃんのキスにやられて、気絶してしまっていたみたいです。
…ベッドの上?まさか!?…いや、服も乱れてないし違和感も無いから大丈夫だね。

「あ、目が覚めた?」
「あぁ、うん」

部屋の中で本を読んでいたフェイトちゃんが目覚めた私に気づいて近づいてきた。

「…キス以外してないよね?」
「したかったけど、キス以外了解を貰ってないから」

よかった。本当によかった。

フェイトちゃんと一緒に六課にやってくると、何故かユーノ君を抜いたみんなが喪服を着ていた。
そして何故か私の写真の周りにお花…しかも百合の花が。

「えー、本日は故・八神なのはの…」
「ちょっと待ってはやてちゃん!死んでない!死んでないから!」
「死んだも同然やで…フェイトちゃんとキスして恍惚とした表情を浮かべとったやろ…」
「確かにヤバかったけど、不屈の心で踏み止まったもん!」

確かに、確かにヤバかったけども!

「ヤバくなる辺りが問題じゃないかしら…?」
「キスだけでそんな事になるわけが無いだろうしね」

プレシアさんもジェイルさんも甘く見すぎなの!

「なのフェイはリアルで見るとキツいなぁ…」

エイミィさんも変なこと言ってないで!

「ホンマに大丈夫なん?でもキスだけでああなるなんて信じられへんな…」
「うぅ…なら味わってみればいいの!フェイトちゃん!はやてちゃんにディープなのをしてあげて!」
「わかったよ、なのは」
「ち、ちょい待ち、あっちょ…―――ッ!!」

ビクンビクンッと痙攣して、一瞬ではやてちゃんは気絶した。
…つい勢いで言っちゃったけど、はやてちゃん目覚めてたらどうしよう。

「と、とりあえず、わかって貰えたよね?」
「あ、あぁ。だから私にはさせるなよ」
「わ、私にもだ」

安心してヴィータちゃん、リインさん。結果が怖いからもうさせないよ。

「…何コレ」
「あ、ユーノ君。えっとね…」

現状をユーノ君に説明すると、顔を赤くしながら苦笑した。
…私もユーノ君とのキスを思い出して顔が熱い。

「へぇ」
「ほほう」
「なのユー…」
「なぁるほど」
「そうかそうか」

な、何その生暖かい目ー!!



[4819] 聖王教会騎士の笑い
Name: KYO◆55de688e ID:cbe5160a
Date: 2009/10/17 18:52
『3人の王と3人の愚者。
世を変えんと動く者達は争いを続ける。
無限の欲望より別たれた死者は禁忌への道を開く。
戦乱に満ちた世界に死せる王の船が浮かびし時。
王達は天へと至る道を開き、愚者達は光と共に消え去るだろう』

少し前に現れた予言を眺めていると笑いが収まらなくなる。
ベルカ再興の為に様々な謀をしてきた甲斐があったというものだ。

「騎士カリム。報告に参りました」
「お疲れ様シャッハ。…いえ、騎士王と呼びましょうか?」
「いえ、シャッハで構いません」

つい最近、シャッハは多大な数の監理局員(デク人形)を浄化(殺害)した功績を讃えられ、騎士の中の騎士『騎士王』の名誉を与えられた。
ヴェロッサは王の名を与えられた訳では無いけれど、『無限の猟犬』達の王…狗王とも呼称される事もある。
そして私は…

始めは慎重に考えて行動していたが、ここまでくると我々が3人の王以外にあり得ないだろう。

「それで、あのクアットロ(人形)はどうかしら?」
「お姉様の為に、と言って頑張っています。…アレが完成するまでの命とは知らずに」
「あら、寧ろ光栄でしょう?焦がれるお姉様に、最後の王に直々に殺して貰えるのだから」

偶然であったが、無限の欲望…ジェイル・スカリエッティの作品である戦闘機人のNo.4も手に入れる事が出来た。
ふふ、まさか相手をしてくれない創造主に愛想を尽かして逃げ出すなんて…ジェイル・スカリエッティも大した事の無い。
それでも、おかげであの計画を大きく進めることが出来たのは感謝しましょう。
それに何といっても、ゆりかごまで見つけてくれたのだから。
私が直々に手を下すのも、それらの功績を評価したちょっとした感謝の様なもの。

「しかし、3人の愚者とは誰でしょうか」
「大方、機動六課の隊長陣じゃないかしら?」

レリックの奪い合いや各地のテロ戦で、最も関わりがある3人といえばこの子達くらいだ。

「まぁ、散々邪魔してくれてるんだもの。ゆりかごが復活した暁には予言の様に消し去ってあげましょう」
「そうですね」

ふふふ…アレの完成が楽しみだわ…



[4819] sts外伝 ティアナの始まり
Name: KYO◆55de688e ID:bc6f8efa
Date: 2009/10/18 23:21
「愚かね…」

目の前にある、花で飾り付けられた棺に眺めながらつい呟く。
『ランスターの弾丸は全てを貫く』…そう何度も教育したとはいえ、無駄弾を散々ばら蒔いた挙句に死んでしまうとはこれ以上無い程に愚かしい。
全く、かつて機関(妄想です)から我がランスターの血族に授けられたロスト・ナンバー(妄想です)を断片しか遺伝されなかったとはいえ、こうもランスターの家名に傷を付けられるとは…
私が血を繋ぐ者(妄想です)だったとはいえ、ここまで無能だったとは思わなかった。
まさか、愚兄はエラー(妄想です)だったのだろうか?

その様に愚兄の事を考えていたら、何処からかいきり立った声が聞こえてきた。

「全く地上の恥さらしめ!ランスターなど所詮はただの狙撃屋ではないか!」

これは流石に許すわけにはいかない。
ランスターが受け継ぐロスト・ナンバー(妄想です)を巡り、かつてはファクトリー(妄想です)やZ.M.C(妄想です)にも狙われた程の我等が、全員この愚兄の様だったと思っているのだろうか?
ふふ、ならばいいわ。ランスター弾丸をその身に味わわせてあげましょう。

手に持ったままぶら下げていた『アンカーガン(射ち止める魔弾の射手)』(妄想です)の引き金をそのまま引く。
すると僅かその数秒後にはその怒声を上げていた愚者の頭が弾け飛び、ただの肉塊へと変貌した。

―――これが真のランスターの弾丸だ。
突然人の頭が弾け飛んだアクシデントで盛り上がっている葬式客達に背を向け、私はその場から立ち去った。

―――そうね、そろそろ機関(妄想です)との決着もつけなければならないし…監理局にでも入って誘き寄せようかしら。
ついでにあの愚兄のせいで暴落したランスターの家名を持ち直すためにも丁度良い。

「ならば明日辺り…裏通りのスペッキオ(妄想です)のところへ行った方がいいわね」

自宅に着いて今後の方針を考えていた私は、全てが決定すると同時にデバイスをスタンバイモードに戻した。

…さて、今日もまた新しい単語が出てきていた。
裏通りのスペッキオ(妄想です)って誰よ。

「自分で自分がわからないよ…兄さん…」



[4819] 八神なのはの困難
Name: KYO◆55de688e ID:bc6f8efa
Date: 2009/10/19 19:45
事務関係の仕事で暗部隊舎に来たので、ついでに久々にジェイルさんに会いに行きました。

「こんにちわー」
「ん?ああ、久しぶりだね」
「久しぶりだな」
「お久しぶりです、ジェイルさん。チンクちゃん」

そのまま暫くの間軽く談笑していて、ふと机の上にあるモニターに目をやった。
…え?アルハザード?

「ジェイルさん、これ…」
「ん?あぁ、実は少し興味深い資料が見つかってね」

少し前に無限書庫に行った際にたまたま見つけたアルハザードに関する資料。
大抵は伝説の検証程度のものしか無いみたいだけど、今回は少し違ったみたいです。

「アルハザードにあるというロストロギアに、世界レベルで影響を与えるものがあるという事が書いてあってね」
「世界レベルで、ですか?」

まぁ、伝説レベルの世界だからあり得そうだけど…

「でも、それがどうしたんですか?」
「…実はそのロストロギアに異常が起きて、世界にも異常が起きているのでは、と…」
「っ!?」

そ、それってまさか!?

「あぁ、もしかしたら…」
「アルハザードに辿り着く事が出来れば、世界を正せるかもしれない」
「それは…本格的に研究した方がいいと思います」
「一応プレシアには話してあるよ。彼女は過去にアルハザードを目指していたしね」

そういえば、アルハザードに行ってアリシアちゃんを蘇生させるためにジュエルシードを集めてたんだったよね。
フェイトちゃんのマスター権が私に移ってからは諦めたみたいだけど…
でも、本当にアルハザードに辿り着けるのかなぁ?

「僅かな記憶だが、虚数空間を通れば辿り着けるのは確かだ」
「ドクターもアルハザードの人間のクローンだからな。多少の記憶は継承しているんだ」

あ、そういえばそうだったね。
以前聞いたけどあまり問題にしてなかったから忘れてたよ。

「じゃあ、私達も暇があれば色々調べてみます」
「仕事が大変みたいだが、大丈夫なのかい?」

「えっと…む、無理しない程度に頑張ります」
「まぁ、まだ全然確証が無いから当分ゆっくり検証するよ」

うーん…ユーノ君は無限書庫で働いてた事があるみたいだから、協力要請してみよう。
事実だったら人類の希望になるだろうなぁ。



[4819] 八神なのはの困難
Name: KYO◆55de688e ID:bc6f8efa
Date: 2009/10/20 14:24
「最近ベルカが落ち着いてきてるね」
「どう考えても嵐の前の…やな」
「まぁ、おかげでちゃんと休めるんだけどね」

3人でお昼を食べていると、そんな話題になりました。
明らかに何かが起こりそうな感じだけど、休めるお陰で体力的には万全だから大丈夫かな?

「でも逮捕した騎士が言ってたんだよね…『時期に我等ベルカの民が王の名の元に世界に名を轟かせる事になる』って」
「え、何それ犯行予告?」
「フェイトちゃん、その騎士は?」
「すぐに自害しちゃったよ」

うーん…魔力探査のお陰で猟犬を発見出来るようになって、猟犬が現れなくなったかと思いきや今度は自害だからなぁ…

「完全に狂信者やな」
「最初から狂信者なのか、最近になって狂信行動に走る原因の何かがあったのか…」
「多分後者だと思うけど…」

うん、『王の名の元に』って言ってたみたいだし、その辺りに理由がありそうだよね。
でも…聖王教会の王って、やっぱり聖王だよね?

「まさかPPM…?」
「下僕やのに王って斬新すぎやな」
「王に仕える下僕だから下僕王とか?」
「PPMだから女王とか?」
「どちらにしろ、魔王のなのはちゃんに仕えるフェイトちゃんも王なんやな」

何かもう魔王って言われ過ぎて、どうでも良くなってきたよ…

「魔王と夜天の王と奴隷王…六課は王様ばかりだね」
「キャロはどうなん?」
「んー…どうなの?フェイトちゃん」
「惜しいかな。まだ覇者って感じ」

つまりキャロは将来覇王になるって事だよね?
…本当に、六課はどうなるんだろう?

「六課設立の根本的な目的が全然果たせてへんしな」
「武装隊員と事務官は何人か暗部に送ったけど…」
「肝心なフォワード隊がキャロとエリオだけだもんね」
「その2人も問題無い訳じゃあらへんしなぁ」

これなら隊なんて作らないで、少数ずつ暗部に呼んで集中的に教導した方が良かったのかな?


そんなこんなで昼食も終わり、仕事に戻ろうとした時、それは起こった。

『第一級警戒!聖王教会の騎士達が各地で同時にテロ行為を開始!隊長陣は至急指揮管制室に集合して下さい!』
「思ったより早くきたね…」
「急ぐで!遅れるとどうなるかわからん!」
「了解!」

さあ、多分決戦なの!



[4819] 監理局員と教会騎士
Name: KYO◆55de688e ID:51b53872
Date: 2009/10/20 21:38
管制室に集合して短い会議をした後、みんな各地に散らばってテロを殲滅する事に。
私は廃棄都市の方からクラナガンへ侵攻して来ようとしている騎士隊の相手になりました。

「ディバインバスター!!…あぁもうキリがない」

ベルカ式ってミットチルダ式より人数が少ないって聞いてたのに、何でこんなに多いのか…

「ああもう面倒!レイジングハート、行くよ!」
【all right.Star Light Spark】
「薙ぎ払えぇぇぇ!!」

スターライトスパークを放って騎士達が集中していた場所をふっ飛ばす。
そしてそのまま横薙ぎに範囲攻撃。
制御が大変な魔法だけど、ファイナルブレイカー程じゃ無いしね。

「さぁ、どんどん行くよ!」

―――――

クラナガン中心部のテロ制圧には、高速戦闘で手早く対処が出来る私が行くことになった。
なのは様は大丈夫かな…いや、心配は必要無さそうかな。

「我等ベルカ再興の礎と「残念ですがそれは無理です」ぐぁぁ!?」

一般市民に魔法を放とうとしていた騎士に電撃を流して気絶させる。
というか気持ちはわかるけど、みんな盛り上がって無いで早く避難して欲しいな。
…とりあえず、子供達が傷ついたら大変だからさっさと騎士達を殲滅しなくちゃね。

「フェイト・T・スカリエッティ…参る!」

―――――

ヴィータとリインと私の夜天チームで来たのは聖王教会。
教会から大量の騎士達が溢れ出て来とるけど…まさか、クローンとかじゃあらへんやろな。

「くっそ!キリがない!」
「主、大丈夫ですか?」
「大丈夫や。けど、少しキツいか…」

…こうなったら、覚悟を決めよか。

「ヴォルケンリッター召喚!」
「なっ!?」
「は、はやて!?」

ヴィータとリインが慌てとるけど、説明は後や。
多分…何とか出来る筈!

「ふふふ…可愛い男の子が近いわ…」
「俺好みの男も居そうだな」
「ククク…今宵のレヴァンティンは血に飢えておるわ…」

久しぶりに蘇った危険な3人組。
このまま放っておいたら危険やけど…

「命令や!聖王教会内部に居る騎士達みんな好きにせぇ!但し一般人や監理局員に手を出したら即封印や!」

言った途端ヴィータとリインは驚いた顔で私を見て、3人の飢えた獣は目を光らせながら教会へと突撃していった。

「主、まさかそんな事をするとは…」
「間違いなく全員死ぬぞ!?」
「このままだともっと死人が出かねんのや。私が罪を背負えばええ。…多分、過去の例から見て罪には問われんやろうけどな」

実際になのはちゃんやフェイトちゃんも、テロとの戦いで不可抗力だったり故意だったりでやってしまっとる。
…その事もあって、忘れる為…いや、どちらかというと無駄にしないために私達は仕事に没頭しとったんやろな。多分。

「…はやて。あいつらは私の仲間だった奴だ。私もその罪を背負う」
「私もです、主。…夜天の書がおかしくなければ、まともだった可能性もあるのですから」
「そか…ありがとうな」

…よし!こっから先、1人も教会から出さへんで!

「私は夜天の王、八神はやてや!かかって来ぃ!」

―――――

「ウーノ、私だ」
『あ、お兄ちゃん!』

ぐっ…やはり未だに慣れないものだな。
しかし、私が出来るのはこの程度しか無い。

「姉妹は全員揃っているな?」
『いえ、クアットロが家出してしまいました』
「クアットロが?…まあいい。全員戦闘準備だ!ミットチルダで暴れている教会騎士達をそれぞれ遊撃してほしい!」
『!!初めて私達に命令を…皆、聞こえているわね!至急戦闘準備!お兄ちゃんの指令に全力で臨むわよ!』

通信の向こうから歓声が聞こえてきた。
…普段は正直あまり嬉しくは無いのだが、こういう時は頼りになるものだな。

「よし、チンク!私は暗部隊舎からガジェットの管制を行う!」
「了解しました!私は暗部が落とされない様に武装隊と共に防衛に回ります!」

さぁ、来るといい。
私達は決して負けぬぞ!

―――――

みんなが頑張って戦っている。
それなのに私はずっと六課でお留守番。
私もお手伝いしたいけど、勝手に何処かに行ったら怒られるよね。
…あ、そうだ。

「…召喚」

お父さんを召喚して、お願いしてみよう。

「私もお手伝いがしたい。でも1人で行ったらなのはに怒られそうだから…一緒に行って欲しい」

そうお父さんにお願いをしたら、凄く驚いた様な表情をして、その後とても嬉しそうに私の頭を撫でてくれた。
なんで喜んでるのかな?
…そういえば、誰かにお願いしたの初めてかもしれない。

まあいいや。
それじゃあお父さん、一緒にいこう?

―――――

「おぉー、凄い凄い!何だか燃えてきたよ!」
「エイミィさん何でそんなに興奮してるんですか…」
「だって最終決戦だよ!これは燃えずにはいられないよ!」

やけにハイテンションになってるエイミィは置いといて…少し不味いわね。
六課は戦力が少ないから防御に重点を置いて戦った方がいいれけど…
そうね、フォワード隊だけ攻撃に回すだけでも充分かしら。

「ユーノ、私は六課をシールドで包み込むわ。貴方はシールド内から隊員達の治療をお願い」
「なっプレシアさん!?六課を包み込むなんて…」
「可能よ。…アルハザードの為に再研究してたけど、まさかこんな所で役に立つなんてね」

取り出したのは私が昔集めて使おうとしたロストロギア…ジュエルシード。
まだ研究は全然進んでいないけれど、魔力を引き出して利用するくらいならあの頃に研究済みだから問題ない。

「さぁ、かつて大魔導師と呼ばれた私の力…見せてあげるわ」

―――――

「振動けぇぇぇん!!」
「…狙い射つ!」

相変わらず何も考えずに突撃していく2人を横目に、私は無機物操作を利用して騎士達を蹂躙していく。
エリオ君は私が掛けたブーストもあってか、凄まじいスピードで敵を翻弄してどんどん戦果をあげている。
フリードも竜魂召喚して戦わせてるけど…あぁもうしつこい。

「天地貫く業火の咆哮。遥けき大地の永遠の護り手。我が元に来よ、黒き炎の大地の守護者。竜騎招来、天地轟鳴、来よ!ヴォルテール!」

さぁフリード!ヴォルテール!邪魔な騎士達に貴方の力を見せつけてあげなさい!

「フリード、ブラストレイ!ヴォルテール、ギオ・エルガ!!」

―――――

ふふふ…これで私は…

「騎士カリム」
「シャッハ。外はどうかしら?」
「おそらくダメでしょうね。…予想通り」

ふふ、でしょうね。
でもそれも直ぐに覆る事になるわ。

「準備は出来たよ」
「ヴェロッサも来たわね…それでは、行きましょうか」
「はい、騎士カリム…いえ、聖王カリム」

さぁ、ゆりかごよ!今こそ復活の時です!



[4819] 八神なのはの困難
Name: KYO◆55de688e ID:bc6f8efa
Date: 2009/10/21 20:42
殆どのテロを制圧し終わりみんな六課へと戻ってくると、TV放送がジャックされました。

『ご機嫌よう、ミッドチルダの皆様』
「あれ、この人ってもしかして…」
「騎士カリムだね」
「予言のレアスキル持ちの、実質的な教会トップや」

トップが表に出てくるってことは諦めたか、とんでもない逆転技が存在するかだよね。
でもさっきから何故か古代のベルカ戦争の話をしてるから、多分後者なんだろうなぁ。

『ベルカの民よ、今こそ聖王が再誕する時です!』

そして映像に写ったのは、金髪にオッドアイの目が輝く小さなお人形の様なもの。

『これは最後の聖王のクローンを元に作り上げられたユニゾンデバイス…このデバイスにより、私はこれより聖王となる!』
「クローンをユニゾンデバイスにだって!?」
「何て事を…」
『ユニゾン・イン!』

ユニゾンした騎士カリムの身体から虹色の魔力光が溢れだし、目はオッドアイに。
そしていつの間にかその両脇には、女性と男性が1人ずつ立っていた!

『さぁ!我等ベルカの民はこれより新たな戦乱の歴史を紡ぐのです!この聖王のゆりかごと共に!』

騎士カリムがそう言い放つと、地響きが遠くから響いてきました。
そして浮かび上がる巨大な戦艦―――聖王のゆりかご。
これは…相当不味いのでは?

『暴力を!死を!…私はこの世界を血で満たし、新世界の神となる!』

あ、私達の勝ちだね。

「なんで?」

あのねルーテシア、新世界の神になるって言った人は、みんな失敗して死んじゃうんだよ。

「第一級の死亡フラグだもんね」

そうだね。
きっと今にも向こうに終焉を与える急展開が…

『みんな、聞こえるかい?』
『ジェイルさん?はい、聞こえます』
『最高評議会からの指令だ。ファイナルブレイカー使用許可、3人フルパワーでゆりかごを撃ち抜け、だそうだよ』
「…うわぁ」
「向こうの死亡フラグはともかく、世界は大丈夫なのかな?」
「うーん…どうにかなるやないか?多分」

大丈夫なの?次元震だよ?

『このまま放っておいたら確実に滅ぶからね。ファイナルブレイカーの方が無事に終わる可能性がある』

成る程…じゃ、ささっとやっちゃおうか。

「うん」
「せやな」
「いくよー」
「「「ファイナルブレイカー!!」」」

そしてゆりかごは何も出来ずに消滅し、ミッドチルダの空は3色の光に包まれました。



[4819] 八神なのはの至難
Name: KYO◆55de688e ID:51b53872
Date: 2009/10/23 11:31
あれから暫くの日が経過して、事件の後始末もある程度終了しました。
一般人の被害は思っていたよりも低かったけど、それでも数人の死亡者が出てしまいました。
監理局員は重傷者もいますが、死亡者は出ていないみたいです。

テロ行為を繰り返していた騎士達はとても大人しくなってしまいました。
ゆりかごがあっという間に消滅してしまった事に加え、帰還した教会がヴォルケンリッターのせいで全壊していたのが相当キツかったんだと思います。
いくらベルカが血と殺戮を好むとはいえ根本から猟奇なのは古代ベルカ式の人だけのようで、近代ベルカ式の人は殆どがそこまで壊れていなかったみたいです。
とりあえず今は教会の再建築からやり直すみたいだけど…大丈夫なのかな?

事件後の六課は所々変化が出来ました。
まずスバルが魔力砲を強化しようと特訓を始めました。
私達のファイナルブレイカーとか、キャロが呼んだヴォルテールの魔力砲に色々と影響されたんだと思います。
…そういえば何気にキャロにも尊敬の眼差しを向ける様になってたかなぁ。

ティアナは指揮官を目指すことにしたみたいです。
デバイスを展開しなければ冷静でしっかりした司令塔向きの子だったのに加えて、指揮官ならデバイスを使わなくても仕事が出来るもんね。
将来の監理局を支える1人として頑張って欲しいな。

エリオとキャロは相変わらずです。
しいていえばキャロにファンが増えたくらいで…多分エリオが一番変化が無いんじゃないかな?

ルーテシアはあの事件以来、自分の意思を伝えてくる様になりました。
まだ相手の言う事に素直に従ってしまう所は変わらないけど、いい傾向だよね。

そして私達ですが…

「なのは、また見てたの?」
「あ、フェイトちゃん。…うん、やっぱり気になっちゃってね」
「ジェイルさんと母さんの話だとあと数ヶ月で塞がるみたいだし、危険は無いみたいだけど…」

私が見上げていたミッドの空には今、大きな穴が開いています。
私達のファイナルブレイカーで開いてしまった虚数空間への入口です。
ジェイルさんとプレシアさんが緊急で調査した結果、完全に安定しているので危険は無いみたいだけど…

「アルハザード、かぁ」
「本当に行けるのかな?」

アルハザードに至るには虚数空間を通らなければならないという無理難題があったけど、この状況はその無理難題に挑むには丁度いい環境。
なので最高評議会の全面的なバックアップの元、ジェイルさんとプレシアさんはアルハザードへの道や至る方法の研究を本格的に始めました。
もし以前ジェイルさんが言っていた世界に影響を与えるロストロギアが存在していたのなら、アルハザードへ行けば世界を正せるかもしれない…
物凄くギャンブル性の高い賭ですが、行く価値はあると思います。

「でも私達は、まずは六課で頑張らなきゃね」
「私達に研究はちょっと無理だもんね」

虚数空間が塞がる前に六課運営の期限が来るので、それまではいつも通りに教導と矯正に力を入れることになりそうです。

「よし!あともう少し、全力全開で頑張ろう!」



[4819] 八神なのはの至難
Name: KYO◆55de688e ID:bc6f8efa
Date: 2009/10/23 15:45
時が過ぎて、早くも六課解隊の日になりました。
明日からこの隊舎は暗部の新しい隊舎になります。
すっかり綺麗になったそれぞれの部屋を見ていると、もう終わりなんだなぁ…と感慨深い気持ちになります。
…が、今の私達はそんな事に構っていられない状態です。

「アルハザードへの道を確立させたって本当ですか!?」
「あぁ、本当だよ!過去の伝承や虚数空間の様々な文献を元に研究したから間違いはない!」
「調べていくうちにジェイルが徐々に思い出したアルハザードの記憶もあるし、ほぼ確実よ!」

それなら確実なのかな?

「なら、残るは…」
「虚数空間を移動する方法やな。…ユーノ君は何かアイディアあるん?」
「うーん…色んな古代文明の研究はしたけど、流石に虚数空間は…」

虚数空間はあらゆる魔法がかき消される空間。
それは飛行魔法も例外ではなく魔力結合も分解、それどころか魔力素すら消滅するとんでもない空間らしいです。

「暗部にあるヘリコプターとかは…」
「無駄だよ。あれも結局エネルギーは魔力だからね」
「戦闘機人のISみたいなのはどうですか?」
「我々戦闘機人のISも発動式と結果が違うだけで、エネルギーは魔力素を使っているから不可能だな」

うーん…これはどうしようも無いような気がしてきたなぁ。
でもここまで来て諦めるわけには…

「あのー、ちょっと聞いていいですか?」
「何だ?エイミィ」
「何かいいアイディアでもありましたか?」

エイミィさんは私達と違う着眼点で物事を判断する事がよくあるから、今回も何かいい案が浮かんだのかな?

「えーと、虚数空間ではあらゆる魔力が使えないんですよね」
「あぁ、全てがかき消されてしまうからね」
「じゃあ普通にガソリンとか使えば良くないですか?」
「「「「「「「「…おお」」」」」」」」



[4819] 八神なのはの至難
Name: KYO◆55de688e ID:bc6f8efa
Date: 2009/10/23 15:46
すっかり魔法文明に馴染んでたせいで全然気が付かなかった…

「どうなんですか?ガソリンとか」
「ふむ…検証してみる必要はありそうだが、恐らく可能だと思うよ」
「ただ虚数空間はまだ全然解明されていないから、万が一の事もありえるわね…」
「なら研究にはもう暫くかかるわけだな…」

虚数空間が閉じる前に安全性が確立されればいいけど…ん?ちょっと待った。

「アルハザードに辿り着いても、帰ってこれるのかな?」
「…」
「…」

え、ちょ、まさか。

「…五分五分だね」
「アルハザードなら帰還する手段はありそうだけど、確証は無いもの」

確かに…つまり帰って来れない事も考えないといけないんだね。
それにアルハザードに万が一辿り着けなかった場合もあるから…うわぁ、結構危険な賭かも。

「とりあえず、私とジェイルはアルハザードに行くつもりよ」
「念の為にあと2人程共に来てもらいたいから、考えておいて欲しい」

皆が顔を俯かせながら考え込む。
そうだよね…成功しても失敗しても、もう皆と会う事が出来なくなっちゃうかもしれないもんね。
でも…

「私、行きます」

皆が俯かせた顔を跳ね上げて、凄く驚いた顔でこっちを見る。
にゃはは…ちょっと恥ずかしいかな。

「お、おい本気か!?帰ってこれないかも知れないんだぞ!?」
「本気だよ。初代常識人の集い管理人として、私は行く」
「なら私も行くよ。なのはが行く所が、私の行く所だから。これはなのはがご主人様じゃなくても、友達として、ね」
「…ありがとう、フェイトちゃん」

あはは、初めてフェイトちゃんに友達って言われちゃった。
…ちょっと涙が出ちゃいそうかも。



[4819] 八神なのはの至難
Name: KYO◆55de688e ID:bc6f8efa
Date: 2009/10/23 15:47
「な、なら私も…」
「ダメだよはやてちゃん。はやてちゃんがいなくなったら、ヴィータちゃんとリインさんはどうするの?」
「ぁ…」
「はやて…」
「主…」

はやてちゃんが虚数空間に入ったら、ヴィータちゃんやリインさんとのリンクも途切れちゃう可能性もあるからね。
そしたら、下手したら2人とも消えちゃう可能性もある。

「それにはやてちゃんには常識人の集いの2代目管理人を任せたいの。…お願い、していいかな?」
「…っ、ん、了解や。でも、なのはちゃんがアルハザードに行って1年待ってからやで?」
「うん、ありがとう」

はやてちゃんと笑って握手をする。
ふふっ、はやてちゃん、目が潤んじゃってるよ。
まだ出発するわけじゃないんだから、我慢しなきゃ。
…私も、ね。

「…じゃ、今後の見通しも立った事だし!パーっとパーティーでもしちゃおうよ!これからまた忙しくなるんだからさ!」
「エイミィさん…うん、そうだねっ!」
「母さんとジェイルさん…ううん、父さんの結婚式もしなくちゃね」
「フェ、フェイト!?」
「あらジェイル、父さんって呼ばれて照れてるの?」
「珍しいな、顔が真っ赤なジェイルか」
「ああ、なかなか見れるものでは無いな」
「な、な…プレシア!ヴィータ!リインフォース!ニヤニヤしながらからかうのは止めてくれ!」
「ドクター、落ち着いて下さい」

途端に賑やかになる。
流石エイミィさんだね。

「なのは…」
「あ…ユーノ君…」

…結局、ちゃんとユーノ君に告白出来なかったなぁ。
これからしようにも、すぐに居なくなるから、言えないし…

「…私、頑張るね」
「…うん、頑張って」

…うん、頑張るよ。ユーノ君。



[4819] 八神なのはの至難
Name: KYO◆55de688e ID:bc6f8efa
Date: 2009/10/26 21:23
現在、常識人メンバー全員で海鳴に来ています。
明日ジェイルさんとプレシアさんの結婚式を行う為でもあるけど…
…もしかしたら帰れない可能性もあるので、最後に見ておくべきだと言われました。

とりあえず久しぶりに実家に戻りました。
さて…とりあえず声が聞こえる道場を覗いてみようかな?

そーっと扉を開けて中を見る。
そこには…

「あははは!あはははははは!!」
「うっ!ぐぅぁ!!」
「ふふふ…美味しい…美味しい…」

鋼糸で宙吊りにされたお兄ちゃんと、そのお兄ちゃんをひたすら木刀で殴り続けるお姉ちゃん。
そしてお兄ちゃんに噛みついて血を啜る忍さんがいました。

「帰って来たんだなぁ」

我ながら嫌な実感の仕方です。

家の中に入ると昔懐かしい両親の嬌声が聞こえてきました。
うん、もう満足。

次はすずかちゃんの家にやってきました…が、

「え?何これ…紅い…」

月村家の屋敷や門、塀に至るまで全てが血のように…むしろ血で紅く染められていました。
エイミィさんが作ったゲームにあった館みたいです。

「近づかない方がいいね…」

そして次に向かうのはアリサちゃんの家。
こっちはどうなんだろ…血を吸われてたから、真っ白だったりして。
…そんな事を考えてた私だったけど、それ以上の光景に遭遇してしまった。

「…無い」

屋敷も塀も何もかもありません。
な、何これ?流石に予想外だよ…

「えーっと…あ、すみませーん」

とりあえず全裸の通行人の方に聞いてみました。
どうやらアリサちゃんはすずかちゃんに血を吸われる度に輸血をしていたらしく、その代金だけで破産してしまったらしいです。
それが原因で屋敷も取り壊されて…アリサちゃん本人は月村の家に引き取られた後誰も見ていないそうらしいです。
…なんて馬鹿馬鹿しくも恐ろしい。

「…でも、懐かしいなぁ」

それから暫く海鳴を散歩して回ってから、私は今回泊まっている海鳴温泉へと帰りました。

明日は結婚式かぁ。



[4819] 八神なのはの至難
Name: KYO◆55de688e ID:bc6f8efa
Date: 2009/10/26 22:15
視線の先には真っ白なタキシードを着たジェイルさんと、同じく真っ白なウェディングドレスのプレシアさん。
そう、今は2人の結婚式なのです。
物凄い美男美女の夫婦だから絵になるなぁ…羨ましいなぁ…
…でも本当に何歳なんだろう、2人とも。
見た目はまだまだ若いけど、相当な年齢の筈だよね?
うーん…謎だよ。

「キレイよねぇ」

隣に座ってる温泉好きさんは絵になる2人を見て感嘆の息を溢している。
その温泉好きさんのお腹は少し膨らんでて…そう、妊娠してるんです!
それに旦那さんと飲食店も経営してて、常識人的にも社会人的にも勝ち組です。
まさしく私達の希望。
このまま温泉好きさんがこのまま幸せに過ごし続けて、私達がアルハザードに辿り着いて世界を正す事が出来たら…その時こそ、私達が歪んだ世界に勝った事になるんだと思う。

結婚式が終わり、すぐ近くにある温泉好きさんの店で2次会。
話題は勿論式を挙げた2人の事だけど、温泉好きさんと旦那さんも子供関連で話題になっています。

「へぇー、女の子なんですかぁ」
「そうなのよ、楽しみで楽しみで…」
「目一杯甘やかすつもりです」

温泉好きさんは本当に幸せそうな笑顔を見せてて、旦那さんも嬉しそうな笑顔を見せている。
けど…何だろう、何か…

「…ちょっと、いい?」
「プレシアさん?…はい」

2次会の最中にプレシアさんに呼ばれて少し外へ出ることに。
んー…ちょっとお酒飲みすぎたかな?

「で、どうしたんですか?」
「ええ…気付いたでしょ?旦那さんに」
「…はい、何かはわかりませんが」

プレシアさんの表情がとても真剣なものなので、自ずと私も真剣になる。
まさか、何か問題が?

「あの目、私の元旦那も同じ目をしてたわ…実の娘に性的興奮を覚える人間の目よ」
「そ、そんな!?」
「事実よ。アリシアも3歳の時に危うく…それが原因で別れたの」

じゃ、じゃあ虚数空間に突入したとしても、少なくても3年以内にアルハザードに辿り着いて世界を何とか出来なければ…

「あの2人は悲劇を迎えるわ」
「…これは、絶対に失敗出来ませんね」

最近ベルカ関連の事が落ち着いたおかげで少し気が緩んでたけど、これは気合いを入れ直さなくちゃね。
…でも今は余計な事は忘れてお祝いしなくちゃね!

「そろそろ戻りましょうか」
「そうね」



[4819] 八神なのはの至難
Name: KYO◆55de688e ID:bc6f8efa
Date: 2009/10/27 21:05
2次会の終わる気配が全然無く、既に店の奥で寝ている人達もいる時間帯。
温泉好きさん夫婦の店だから安心して眠れるんだろうけど…他の店だったら間違いなく色々なものを失うと思う。

少し飲みすぎた私はそんな宴会から抜け出して、少しの間の散歩中です。
変態だらけの海鳴だけど、深夜の不審者は滅多に出ません。

散歩もそろそろ終わろうとお店に向かっていると、プレシアさん達が結婚式を挙げた教会が目に入った。

「…ちょっと行ってみようかな」

中には簡単に入ることが出来た。
明かりが無いので少し暗いけど、ステンドグラスから降り注ぐ月明かりが教会中央を照らしていてとても幻想的な雰囲気。
私はその月明かりの中に向かう。

「プレシアさん綺麗だったなぁ…」

はやてちゃんとかに魔王とか言われてるけど私も女の子。
やっぱり、ウェディングドレスで結婚式には憧れちゃう。
…でも、この先する事は無いかも知れないなぁ。

「なのは」
「え?ユーノ君?」
「ここに入るのを見かけたんだ」

ユーノ君も月明かりの中に入ってくる。

「2人とも素敵だったよね」
「そうだね」

そのまま結婚式の時の話をしながら、ステンドグラスを見上げる。
…そろそろ戻った方がいいかな?

「そろそろ戻ろっか」
「…なのは」
「なに?」

ユーノ君の方に振り向くと、ユーノ君の手には何かが乗っていた。
…え?

「いきなりだけどね。…僕と、結婚して下さい」
「…え?あ、え?」

な、何で?本当に?
で、でも、

「ダメだよ…そんな事言われたら、アルハザードに行きたく無くなっちゃうよ…」
「大丈夫だよ、僕も行くから。他の3人にはもう言ってあったんだ」
「ほ、本当に?」
「うん。…一緒に行こう」
「…はいっ」

手に乗っていた小箱から取り出されたのは、綺麗な指輪。
私の左手を取ったユーノ君は、それを私の薬指へと。

「レイジングハート」
【all right】
「あ…ドレス」

更にレイジングハートがバリアジャケットで作ったと思われるウェディングドレスに身を包まれる。

「こっそり準備してたんだ。…流石に神父さんは用意出来なかったけど」
「ううん…いいよ。これ、だけでも、私は幸せだから」

普段は可愛らしく見えるユーノ君だけど、今はとても格好良く見える。
あはは…涙が出てきちゃった。

―――そして、ステンドグラスから降り注ぐ月明かりの中、私達の2つの影は重なった。



[4819] なのは・スクライアの至難
Name: KYO◆55de688e ID:bc6f8efa
Date: 2009/10/30 09:49
ミッドチルダに帰還して暫く経ったある日。
とうとう虚数空間に突入するための戦艦が完成しました。
…戦艦!?

「アルハザードに辿り着くまでどれ程の時間がかかるかわからないからね。物資を大量に積み込む為にも広さは必要なのさ」
「それに燃料関係で核融合炉もあるから、大きくなるのも仕方無いわ」

あぁ、なるほd核融合!?
な、何か大変なことになってるけど大丈夫なの!?

「はぁー…しかし船が完成したって事は、近いうちに出発なのか?」
「そうなるのかなぁ?」
「アルハは結局原作じゃ描写されなかったから気になるなぁ」

相変わらず良くわからない事を言ってるエイミィさん。
アルハがアルハザードの事なのはわかるけど…原作って何の原作なんだろう。

「頑張ってな、なのはちゃん。アルハザードに八神家の名前を刻んで来るんやで!」
「あ、ごめん。私、なのは・スクライアになっちゃったから」
「…へ?」

あ、でも八神の名前を捨てた訳じゃないから、なのは・Y・スクライアなのかな?
もしくは…なのは・T・Y・スクライア?

「「「「…えぇぇー!!?」」」」

うわぁ!?な、何!?どうしたの!?

「…結婚したの?」
「あ…うん。そうだよルーテシア」
「つまりこれで、主とエイミィだけが1人…いや独りですか」
「リイン…そんな悲しすぎる事言わんといて…」
「まぁまぁ。世界が普通に戻るんなら、それから探せば問題無いよ」
「いつになるか分からないけどな…それにしても、やるじゃないかユーノ」
「あははは…」

…実は先日ユーノ君に色々と捧げちゃったんだけど、それは言わない方がいいよね。
プレシアさんとジェイルさんとフェイトちゃん、あと何故かエイミィさんは気付いてる節があるけど…
というかエイミィさんって意外とそういうのに鋭いよね。
なんだろう、フラグでも見えるのかな?

「もっと早く言えば結婚式出来たかもしれへんのに…」
「代わりに今日は宴会だな!」
「いや仕事あるから」

またワイワイと騒がしくなる。
ここ最近は楽しい話題ばかりで平和だなぁ…ベルカ残党も今は教会の建築でテロ行為してる暇が無いみたいだし。
出来ればこのまま平和が続いて欲しいなぁ。



[4819] なのは・スクライアの至難
Name: KYO◆55de688e ID:bc6f8efa
Date: 2009/10/30 21:38
とうとう訪れた出発の日。
戦艦の中には大量の食料と、土やら野菜の種やら果物の木の苗やら色々と積み込まれました。
下手するとアルハザードに辿り着くまで何年もかかるかもしれないらしいので、戦艦内で自給自足する準備だそうです。
…アルハザードに着く前に餓死とか本当に勘弁して欲しいな。

「なのは、いよいよだね」
「あ、フェイトちゃん」

戦艦のお披露目の時に居なかったフェイトちゃんですが、数日前にやっと帰ってきました。
最近まるで見かけなかったアルフさんを探していた様ですが、すっかり野生化して近隣の山に住む動物達の女王になっていたみたい。

「誰も相手してなかったから拗ねちゃったのかな?」

と、フェイトちゃんが言ってたけど何かが違うと思う。
言うなれば…そう、何かに忘れられていたとか、そんな感じの。
…おかしいなぁ、電波はフェイトちゃんかエイミィさんの領分なんだけど。

「準備は整ったよ」
「もう、この世界も見納めかも知れないのね…」

プレシアさんのその発言を聞いて、改めて周囲を眺める。
ミッドの自然、暗部隊舎、見送りに来てくれたみんな…お別れ、なんだなぁ。

「なのはちゃん、頼んだで」
「何かあっても全力全開でぶっ飛ばしてやれ!」
「こちらは我々に任せろ」

ありがとう、はやてちゃん、ヴィータちゃん、リインさん。

「ま、頑張ってね。暇な時は私の作ったゲームでもやってさ。新作もあるから」

はい、楽しみにしてます、エイミィさん。

「最大のミッションだ。確実に成功させてくれよ?」

任せて下さい、カルタスさん。

『アルハザード、か…』
『伝説の地、無事辿り着く事を願っている』
『世界を頼む』

はい、頑張ります。最高評議会の皆様。

「…少し寂しいけど、我慢する。いってらっしゃい」

いってきます、ルーテシア。

「さあ、行こうか」

ユーノ君…うん、そうだね。

戦艦に乗り込んで席に座る。
前方にある大画面にはこれから突入する、閉じかけの虚数空間。

核融合炉が起動し、浮遊を始める戦艦。
充分な高さまで上がった後、全速前進で虚数空間へと突き進み―――そして、突入した。
モニターに映った戦艦背後の映像には、役目を終えたかの様に閉じていく虚数空間が映っていた。

いざ、アルハザードへ!!



[4819] なのは・スクライアの至難
Name: KYO◆55de688e ID:bc6f8efa
Date: 2009/10/31 21:55
虚数空間に突入してはや数ヶ月。
私は今―――

「ほらユーノ君、これ」
「うわぁ…このカボチャ育ちすぎだよ…」

―――農業をしています。

予想通りそう簡単には辿り着けないらしく、食料確保のために戦艦に作ってある畑で野菜を栽培し始めました。
今日は初めての収穫なんだけど…ジェイルさんが色々と弄ったらしく、全体的に色々とおかしなことになってます。

「チンクちゃーん、そっちはどう?」
「ご覧の有り様だ」
「「でかっ」」

スイカ並に大きいジャガイモとかどうすればいいのかわからないよ…

「なのは、何故か早くも果物が…」
「えぇ!?苗植えて数ヶ月なのに!?」

フェイトちゃんが持ってきたのはリンゴ。
サイズは普通だけど…早い、早すぎるよ。

「ジェイルさんが作るものって全部何かがおかしいよね…」
「あっさり核融合炉作るしね」
「あ、でもチンクは普通だよね」
「いや、今では普通にドクターと呼べるが、当初はな」

そんな話題を続けながらみんなで収穫を続けました。

虚数空間突入から大体1年経ちました。
ジェイルさんが電波を受信しました。

「いや、アルハザード時代の記憶が徐々に蘇ってきただけなんだが…」
「でもアルハザードの電波を受信してないとも言い切れないわよね」
「勘弁してくれプレシア…」

いつも仲の良い2人はさておいて、ジェイルさんの記憶によると進行方向は合ってるけど、到着にはもう暫くかかるそうです。
何というか都合が良いよね…今まで度々あったけど。
フェイトちゃんのブーストもよく考えたらブーストで済むレベルじゃないし、夜天の書もプレシアさんとジェイルさんが常識人の集いに来なかったら大変なことになってたと思うし。
運が良い…とはまた何かが違うよね。

「神の見えざる手が働いてるんじゃないかい?」
「科学者が神を信じるのはアリなんですか?」
「神にも色々あるだろうからね。案外神はロストロギアかもしれないよ?」

あー…私達の目的の世界に影響与えるロストロギアとか、神って言ってもいいレベルだもんね。
アルハザードに実在したとしても、そんなロストロギア、何とかできるのかなぁ?
…まぁ、そこは信じなくちゃどうしようもないよね。

じゃ、今日も収穫にいこうっと。



[4819] なのは・スクライアの至難
Name: KYO◆55de688e ID:46fd1190
Date: 2009/11/03 15:27
ジェイルさんが電波を受信してから1ヶ月程経ちました。

「だからその表現は止めてくれないか…」
「あ、はい」

ともかく時間が過ぎました。
ジェイルさんの蘇ってきた記憶によると、そろそろアルハザードに辿り着くらし
いです。

「といっても、所々劣化してる記憶だからどうなるかわからないけどね」
「そういえば私も少し曖昧なんだよね…アリシアの記憶が微妙な感じで」

そういえばフェイトちゃんには、アリシアの記憶が残ってたんだっけ。
すっかり忘れてたよ。

「そういえば、アルハザードに行けば復活出来るかも知れないのよね…」
「いや、残念だけど流石に肉体も魂も無ければ不可能だよ」
「…そう。ちょっとだけ期待しちゃったわ…」
「私も姉さんとお話してみたかったな…」

…しんみりとした空気になっちゃいました。
アリシアちゃんかぁ…私もお話してみたかったかな?

「ただいまー…なんでしんみりしてるの?」
「むぅ…桃を収穫している間に何が…」
「あ、美味しそうな桃だね。みんなで食べよう?」

ユーノ君とチンクちゃんが桃を持ってきました。
丁度良かったのでしんみりした空気を振り払う様にみんなでむしゃむしゃと桃を
食べました。

「あ、あれって…」

桃美味し…ユーノ君、どうしたの?

「ん…っドクター!?あれはまさか!?」
「むっ…あれだ!あれこそアルハザードだよ!」

前方にあるモニターに映された映像には、虚数空間に浮遊している大きな島。
島の上には小さな町の様なものが存在して…島の中心には、遥か天高く、先が見
えない程にまで長くそびえ立つ巨大な機械塔。

「思い出した…あれこそ、あの機械塔こそアルハザードが伝説たる所以!」
「あれが…?」
「そう!あれこそ世界最初のロストロギアにして、世界をも変える力を持つロス
トロギア!」

そびえ立つ機械塔はあちこちから光を放ちながら、まるで世界を支える柱である
様に私達を待ち構えている。

「アルハザードの民は代々あれを守護し、世界に異常が起きない様に守人として
暮らしてきたのだよ!」
「でも、今のアルハザードは…」
「…記憶が確かならば、私のオリジナルが最後の守人だったようだ」

守人を失って、歪んだ世界をそのまま、しかし崩壊しない様に運営し続けてきた
ロストロギア。
あれが…

「そう、あれが世界運営型ロストロギア…アカシックレコードだ!」



浮遊している島の端に戦艦を停め、私達は伝説の地に降り立った。
死者蘇生などのファンタジーな伝説がある地だけど、やっぱり機械的な魔法文明
なのは変わらないらしく見慣れた感じの景色が広がっていた。

「機械塔は驚いたけど、それ以外は思ったよりも普通だね」

ユーノ君もそう思う?
私も伝説になってる世界に来たって実感があまり無いんだよね。
町並みも建物が少ないとはいえ、近代的だし。

「見た目は確かに変わらないが…見てみたまえ」

そう言うとジェイルさんは徐に道路を魔法で破壊した。
虚数空間内だから使えないと思ってたけど、アルハザードは別なのかな?
そう思いながら穴の空いた道路を見ていると…

「っ!?勝手に修復した…」
「自動修復機能があるナノマシンが使われているのさ。アルハザードはアカシッ
クレコード以外は整備要らずなのだよ」

凄い…この技術が広まればもっとみんなの生活が楽になるだろうなぁ。

「その分終わらない戦争が起きやすくなるわね。何せ機械兵器に流用したら無敵
の軍隊が作れるもの」

あっ…だから世界に広まらなかったのかな。

「ともかく、早速アカシックレコードへ向かおう。アレを調べれば恐らく世界の
真実がわかる」

世界の真実が…もしアカシックレコードに何の異常が無ければ、おかしかったの
は私達って事になるんだよね。
そんなことないって自信はあるけど、ちょっと怖いかも…

そのまま全員で島の中心に歩き進み、アカシックレコードの根本部分を覆ってい
る建物に着きました。

「ここが制御室だ。…ここから先は私の記憶も曖昧だ。危険は無いだろうが、念
のため警戒はしておいてほしい」
「わかりました」
「ドクター、私が先を行きます」
「すまない。頼むよチンク」

制御室の扉を開くと、センサーか何かが働いたのか室内の照明が点灯しました。
中には至るところによくわからない機械が存在し、その全てが埃まみれです。
そしてアカシックレコードの根本部分と見られる場所には、制御盤と思わしき物
と巨大なモニターが。

「多分、あれですよね」
「ああ、間違いないだろう。早速アクセスを試みる」
「なら私達はここから帰る手段が無いか探してみよう?」
「そうね」

というわけで、周りに散らばっている書類やノート等を集めつつ読み進めること
にしました。



「くっ…ダメだ。肝心な制御盤のパスワードだけが思い出せん」
「だけって…他に何かあったのかしら?」
「ああ…我々が此処に至ることが出来た理由がね」

私達が、此処に辿り着けた理由?
そんなものが?

「ああ。正直…特に君にはかなり驚愕の事実だが…知りたいかい?」

私が驚愕するような事実…少し怖いけど…でも。

「はい。お願いします」
「…わかった」

そうしてジェイルさんは制御盤から此方へと体の向きを変えた。

「まず…何故我々が常識人として行動出来たと思う?」
「何故って…私はテレビとか、集いとか?」
「私は両親がまともだったからかしら?」
「私は母さんが居たからかな?」
「僕は…スクライアに比較的常識的な人がいたからだね」
「私はドクターのおかげです」

うん、みんな周りの何処かに常識的な人が居たおかげで今の様になってるんだよ
ね。

「おかしいと思わないかい?」
「え?何がですか?」
「…常識とは環境によって変わるもの。大抵は多数派の常識が世界の常識となる
。しかし私達は『少数派の常識を正しい常識として疑っていない』…この世界な
らば本来、我々が非常識なのにだ」

…そう言われてみれば、そうだ。
いくらテレビ等で色々知ったからといっても、両親や周りの人から受ける影響の
方が大きい筈…

「我々が常識を失わずにいられた理由…それは、このアカシックレコードが我々
を常識人から外れない様に操作していたのだ」
「操作…人の意思を!?」
「いや…世界を運営するんだもの。出来ない訳がないわね」

じゃ、じゃあ、何で私達がアカシックレコードに選ばれたの?

「それは簡単さ。歪んでしまった世界を正そうとしたが、守人の居なくなったア
ルハザードでは誰もアカシックレコードを操作出来ない。そこで緊急プログラム
が働き、外から新たな守人を呼び寄せる事になった」
「それが…僕達ですか」

守人…でも、それなら元々オリジナルがアルハザードの人間だったジェイルさん
だけでも…

「しかし、アカシックレコードが直接干渉出来るのは世界の特異点と言うべき存
在とその周りだけだった。故に世界が決定的に壊れないようにしながら、此処に
辿り着ける者達を揃える必要があったのだよ」
「特異点…」
「そう…違う言い方をするならば、主人公。…それが、高町なのはだ」

わた、しが…主人公?

「その証拠に、常識人の殆どが君を中心に集まっている」
「そう考えると…ファイナルブレイカーの開発も、干渉の結果なのかしら?」
「恐らくは。詳しくは分からないが、本来の歴史を辿るなら必要が無いと思われ
る魔法だからね」

私は…じゃあ、私が自分で判断してやってきた事も、実は全部、操られて…?

「それは違うよ。アカシックレコードは大まかな流れの干渉しか出来ないからね

「ならなのはがやって来た事は大きな流れは操作されたけど、細部はなのはの決
断した事なんですね?」
「ああ」
「みたいだよ、なのは。大丈夫」

ユーノ君が手を握りしめてくれた。
…うん、もう大丈夫。ありがとね、ユーノ君。

「でもなのはが主人公かぁ。流石は私のご主人様だよねっ!」
「フェイトちゃんがこうなったのは何が原因なんだろうね」
「世界よ、きっと世界よ」

フェイトちゃんの発言で一気に場が和んだ。
内容はアレだけど…ありがとうね。

「さて、肝心な制御盤のパスワードがわからない件だが」
「あ、そうそう。さっき日記みたいなものを見つけたんだ。手がかりにならない
かな?」
「ほんと?ユーノ君」
「ふむ…これは恐らく最後の守人…私のオリジナルの日記だ」
「ドクターのオリジナルの日記…なら何かわかるかも知れないな」
「じゃあ、みんなで見てみよっか」
「そうね」

そして私達は、守人の日記を開いた。




[4819] 最後の守人の日記
Name: KYO◆55de688e ID:46fd1190
Date: 2009/11/03 15:28
○月○日
とうとう私1人になってしまった。
子孫も存在せず、私が死ねばアルハザードは無人の世界になってしまうだろう。
アカシックレコードの守人が居なくなるのは少し不安だが、よく考えたら幾千年
も異常が無かったのだから恐らく守人が居なくても大丈夫なのだろう。
…ならば私も必要無いのではないか?



☆月○日
自分が守人じゃなくてもいいと気付いて暫くふて寝していた。
その間様々な事を悩み続けた結果、いっそ死ぬまでやりたい事をし続けてしまお
うという結果になった。

まずは…そうだな、ゲームでもしまくろうか。
過去の守人達が暇潰しに作り上げた作品が大量に存在するのだし、相当な時間楽
しめるだろう。

アダルトゲームを主にプレイしようと思う。
流石に1人だと性欲の発散が出来ないから、せめてゲームで発散しなければ。
…そうだ、世界にリンクして楽しめる様にアカシックレコードにインストールし
よう。
多分問題は無い筈だ。



◆月☆日
あれから幾年が過ぎただろうか。
アカシックレコードにインストールしアダルトゲームとリンクした私はついつい
夢中になり、気がつけばそろそろ寿命で生き絶える様な年齢になってしまった。
全く私の欲望は際限が無い…差詰め、無限の欲望と言った所だろうか。

しかしこのままアルハザードで死んでしまうのはつまらない。
そう考えた私は、小型挺に乗り虚数空間内を漂う事にした。
もし何らかの方法で外世界に私の死体が落ちれば、アルハザードの存在が知られ
るだろう。
心無い者に知られれば大変なことになるだろうが、もしかしたら新たな守人とな
ってくれる人物が現れるかもしれない。

この日記を見た者が居るならば、恐らく私をきっかけにアルハザードに辿り着い
た者だろう。
もし良ければ、そのままアカシックレコードの新たな守人となってもらいたい。
制御パスは■■■■だ。よろしく頼む。
私はそろそろ死出の旅へと向かおう。

P.S.
あ、アカシックレコードからアダルトゲームを消去し忘れた。
ついでに消去してくれたまえ。
もしかしたら変な影響があるかも知れないからね。

―――――

「「「「「…」」」」」
「わ、私じゃない!やったのはオリジナルであって私じゃない!!」
「いや…」
「でもねぇ」
「父さんもこうなる可能性が…」
「なんてこと…」
「ドクター…」
「私は悪くない!悪くないんだぁぁぁぁ!!」





[4819] なのは・スクライアの至難
Name: KYO◆55de688e ID:4abbb7e4
Date: 2009/11/04 20:06
「どうせ私は無限の欲望さ…どうせスケベさ…ああ、そうさエロさ…だがエロで何が悪い…」
「…ちょっとからかいすぎたわね」
「そ、そうですね」

日記を読み終わってからみんなでジェイルさんに生暖かい目を向けていたら、ジェイルさんが拗ねてしまいました。
そんなジェイルさんは今、いつの間にか戦艦から持ってきていたお酒を瓶ごと飲みながら黙々とアカシックレコード内のアダルトゲームの消去をしています。
…ちょっとだけリストみたいなのが見えたけど、正直あり得ない量だった。

「大体男なんてみんなエロだろう…男は下半身で思考する生物なんだぞ…」
「そうなのユーノ君?」
「いや…言いたい事は何となくわかるけど、流石にそこまででは…」

そっかー。
…確かに、その、夜のユーノ君は何というか、ワイルドというか、そんな感じがするけど…

「というか…生物はみんな生殖行為の為に生きてる様なものだろう…」
「ドクター、それはぶっ飛び過ぎです」

いや、子孫繁栄とか何となくわかるにはわかるけど…それだけってわけでは無いと思います。

「男も女も変わらないんだ…現にプレシアだって前半は受け身だけど後半は「ちょ!?何を言ってるのよジェイル!?」
「母さん…そうなんだ…」

何かこれ以上付き合うと更に変な事を聞かされそうなので、ここはプレシアさんとジェイルさんに任せて引越し作業に入ろうと思います。

「居住エリアはどう?」
「凄いよ、ホコリが全然無い」
「自動清掃が働いてるみたいだよ」

うわぁ、便利。
でも堕落しちゃいそうだから、最低限の清掃は自分でする様にしよっと。

「私とユーノ君は…この部屋にしよっか?」
「そうだね、広さも丁度いいし」
「じゃあ私は隣にするね」
「ふむ、なら私はここにしよう。…ドクター達は恐らく私の隣の部屋だろうな」
「なら、戦艦から荷物を運ぼっか?」
「そうだね」

食料は戦艦に備蓄してもいいから…服とかだけで大丈夫だよね。
さ、早く持ってこよっと。



[4819] なのは・スクライアの至難
Name: KYO◆55de688e ID:bc6f8efa
Date: 2009/11/05 21:03
生活基盤を整えて、お花や野菜や木を育てて、時々魔法の訓練をして…
そんな日々をアルハザードで暮らし始めて半年が経ちました。

「朗報だ。ようやくアダルトゲームの消去が完了した様だよ」
「あ、やっとですか」
「お疲れさま、父さん」

何故削除係のジェイルさんが他人事の様に報告したかというと…
自力で削除していたジェイルさんが1週間経った辺りで、

「やってられん!!」

といって自動削除プログラムを組んで放置したからだったりします。
時々異常が無いかチェックしてたみたいだけど、大丈夫だったみたい。

「それにしても、自動で半年もかかるなんて…」
「ドクターのオリジナルはとんでもないですね」
「というかアルハザードにそんな量のアダルトゲームがあるなんて…」

まぁオリジナルのジェイルさんが寿命を全うするまでの時間をアダルトゲームに費やした程の量だからね…
でも何でそんなにゲームがあったんだろうね?

「ああ、代々の守人が暇潰しで色々作ってたみたいでね。その一部にアダルトゲームがあったんだよ」
「半年削除しっぱなしで一部ですか…」
「そういえば普通のゲームもいっぱいあったよね」

そんな私はとりあえずシューティングゲームを色々プレイ済みだったりします。
勿論アカシックレコードにインストールなんてしません。
世界中が弾幕だらけとか怖すぎるもん。

でも、これで世界は正常化したんだよね。
これで後は…戻りたいけど、どうなんだろう?

「また何処かで安定した虚数空間が開かない限り、出られないだろうね」
「ファイナルブレイカーを使ったとしても、虚数空間を開くには3人分じゃなきゃ無理だろうし…」
「アルハザードの外は魔法が消えるから中から道を開くのは不可能だね」

そっか…しょうがないかな?
元に戻った世界がどうなったか気になるけれど、今は役目が終わったことをお祝いしよう!

「今日はご馳走ね。ふふ、腕がなるわ」
「プレシア、私も手伝うぞ」
「さてユーノ、料理の出来ない私達はどうする?」
「そうですね…お酒、大量に持ってきましょうか」
「私も料理を…」
「「「「ダメ」」」」

な、なんで!?

「そんな体で無理しない事だよ」
「大人しくしてなさい」
「お酒も控える事だな」
「お腹の子供を大事にしなきゃね?」

うー…黙ってるのは落ち着かないんだよね。
でも、そうだね。大人しくしてるよ。
でも宴会では騒ぐからね?



[4819] それぞれのその後
Name: KYO◆55de688e ID:46fd1190
Date: 2009/11/10 12:56
「ぐすっ…おとーさん…おかーさぁん…」
「こわいよぅ…」

ロストロギアの暴走による災害現場。
正気に戻ったとある科学者が自分の過去に絶望しヤケクソになって起こした暴走
は、一般市民を多く巻き込む大災害となった。

場所はビルの中。
崩れた天井で逃げ場を失い、いつ崩れてくるかわからない状況で2人の子供が互
いに身を寄せ合い震えて泣いていた。
ビルは再び崩れる様子を見せていないが、揺れに襲われているのでそれも時間の
問題。

そんな危機的状況で、ビルの中にモーター音が響きだした。
モーター音は徐々に取り残された2人の子供の元へ近づいて行き…

「振動けぇぇん!!」

崩れた天井を振動破砕で砂に変え、その先が監理局新災害救助部隊の隊員スバル
・ナカジマが姿を表した。

「大丈夫?助けに来たよ」

突如現れて自分達を救うと言うスバルに子供達は涙も止めて驚くが、直ぐに安心
したのか大泣きしながらスバルに抱き着いてきた。
あはは…と困った顔をしながらもスバルは子供達を安心させる為に屈んで抱きし
める。

「大丈夫だよ。すぐにここから出してあげる。安全な場所まで一直線だから」

そして立ち上がり、子供達から離れると…

「カートリッジロード!!」

ガシャンガシャンと鳴り響く撃鉄音と共にスバルの魔力が急激に高まり、それを
目の前に集約させて魔力球を作り出す。
これこそスバルの憧れた魔導師の十八番を自分流に改造した魔法―――

「ディバイン…バスター!!」

青い光の波動はまだ多く残っていた瓦礫を消し去り、更に向こうの壁等の障害物
も吹き飛ばす。
そして出来上がる、一直線の安全な脱出経路。

「さ、行くよ?」
「「…うん!」」

そして2人の子供を抱え、スバルは道を走り出した―――

『くそぉ!?またナカジマの奴か!?』
『被害甚大!被害甚大!』
『デバイスが余波で破壊されて閉じ込められた!救助を要請する!』
『うわぁ!?救出対象が魔力ダメージで昏倒した!?』

「…私も自宅に一直線だよ!」
『こんのバカスバル!逃げんな!』
「うひゃあ!?ティ、ティア!許してぇー!」
『許さないわよ!帰ったら始末書と反省文と減給!あと、任務中はランスター部
隊長よ!』
「そ、そんなぁ~」

【スバル・ナカジマ】
世界の修正後、何でもパワーで済ませようという思考にブレーキがかかる様にな
る。
六課解散後は自身の機動力とISを生かして災害救助のエースとなる…が。
やはり幼少時からのパワーバカは簡単には治らないらしく、功績と同程度かそれ
以上の問題を起こすため全然昇進が出来ない。
そんな問題児だが、割りと部隊内では人気者である。

【ティアナ・ランスター】
世界が修正された後にデバイスを展開してみるが、二重人格はどうやら血筋レベ
ルで定着しているらしく治療されなかった。
それを期にデバイスを使わなくてもいい指揮官としての道を目指し、目覚ましい
躍進を見せる。
そして元六課の人間という立場もあり、新たに作られた災害救助部隊の部隊長に
抜擢。
そこで存分に自らの能力を奮い、次世代の監理局を担う1人として日々戦ってい
る。

―――――

場所は教導隊訓練場。
最近監理局へ入局した武装隊1年目の隊員達が教導を受けるべくそこに集められ
ていた。
まだ教導までは時間があるようで教導隊員は来ておらず、監理局に入って間もな
い隊員達は整列しながら談笑していた。

「聞いたか?教導隊にすげぇ鬼教官がいるって話」
「あぁ、噂では聞いたな。すげぇ実戦的だとか」
「やっぱガッシリしたガチムチのおっさんなのかねぇ?」
「嫌だなぁ、女性教官だったらやる気が出るのに」

入局してある程度の仕事を経験した1年目は中途半端に自信が着いてしまい、だ
らけてしまう者も多い。
そんな者達を選別して集められたこの場には、これから教導を受けるという緊張
感は存在していなかった。
―――しかし、それも直ぐに思い直す羽目になる。

教導の時間になった途端、隊員達の前に転送魔法陣が現れる。
それを見た途端隊員達は先ほどまでのだらけた様子を一新させ、しっかりと整列
をした。
そして魔法陣から現れたのは―――まだ幼さの残る、2人の男女と1匹の小さな
竜。

「これから1ヶ月の間貴方達の教導を担当します、キャロ・ル・ルシエ一等陸尉
です」
「同じく1ヶ月間教導を担当します、エリオ・モンディアル一等陸尉です 」
「キュクルー」

自分達より階級が上の少年少女が自分達の教導を担当するという事に、顔をしか
める者が多数。
就労年齢が低い監理局では稀にある事なのだが、流石に教導隊ではあまり例がな
い事だったりする。
それに教導隊からの教導を直接受けられる程度に実力があると自負している者が
多いだけに、反感が強いようだ。

「あー、ルシエ一尉殿とモンディアル一尉殿?貴殿方が我々の教導を?」
「はい」
「…失礼かも知れませんが、本当に大丈夫なんですか?」

だからこそこんな言葉が放たれる…教導隊員というだけで実力がはっきりしてい
るにも関わらず。
身の程知らずな隊員のキャロを軽視する発言にエリオは怒りを感じるが、ここは
抑える。
今までも何度か同じ事があった故に、既に慣れてしまっているのだ。

「私達の実力に不安がありますか?」
「そういう訳ではありませんがね、やはり幼い子供に教導を受けるとは…」
「貴方は立場を理解していないみたいですね。…錬鉄召喚」

キャロが呟いた瞬間、驚くべきスピードで構築された魔法陣から無数の鎖が現れ
隊員を拘束し、そのまま鎖で上空へ打ち上げた後に地面へと叩きつけた。
コンクリートの地面が砕ける音と共に土埃が辺りに舞い、一瞬の内に意識を奪わ
れた相手を見た他の隊員達はキャロに対する認識を改めた。

「確かに見た目は頼りないかも知れませんが…これでも、鬼教官って有名なんで
すよ?」

顔色を真っ青にする隊員達。
まさかこんな可愛らしい少女が噂の鬼教官だとは思わなかったのだろう。

「それでは早速始めましょうか。まずは私達と貴方達全員での団体戦で実力を見
せて貰いますね」

竜魂召喚、と唱えて真の姿を表したフリードに乗り、キャロはバリアジャケット
を展開。
エリオもデバイスを起動し、槍を構える。
2人+αVS隊員30人…圧倒的な人数差だが、隊員達は自分達が勝てるとは思
えなかった。
先程まではただの少年少女にしか見えなかった2人は、まるで女王と騎士の様に
見える。
竜に至っては実際に巨大化しているのだから。

「では教導してあげます…本当の闘争というものを」

【キャロ・ル・ルシエ】
世界修正後も特に変化は無し。
多少性質が変わりやすい環境だったのは確かだが、実戦的思考になったのは自分
の意思によるものだったからだと思われる。

六課解散後は自然保護隊に戻るかと思えば、六課時代の訓練を見ていたヴィータ
が「教導隊でもイケるんじゃないか?」と提案し、それに乗って教導隊へ。
監理局では滅多に見られない実戦的教導により鍛えられた隊員達は各隊で素晴ら
しい成果を出し、その結果若くして一尉にまで上り詰める。
またキャロが教導した隊員達はキャロを信奉している者も多く、陸・海・空を越
えた派閥『キャロ派』として活動している。
将来更に上の階級になるのは確実だろう。

【エリオ・モンディアル】
キャロの奴隷騎士として付き従い共に教導隊へ。
日常的にキャロをサポートし、戦闘では凄まじいスピードで戦場を駆け抜けキャ
ロを守る。
その姿からエリオの真実を知らない者達からは最高の騎士として、男女問わず憧
れを抱かれている。
PPMの子の中で最もそれらしく、最も充実して過ごしているであろう存在となった


―――――

一件の家に、5人の女性達がいる。
うち3人は住み慣れた家らしく伸び伸びと過ごしているが、残りの2人はまだあ
まり落ち着かないらしい。

「しっかし、こうしてお前らと普通の会話が出来るとはなぁ」
「ほんまやなぁ…何せアレやったし」
「アルハザード突入組のおかげですね」

ホンマやなぁ…としみじみしているはやてとヴィータとリインを見て、最近まで
狂いに狂っていた2人は少し居心地悪そうにしている。
正気に戻って自分達が今までしてきた悪行を理解してしまい、自分がこのまま此
処に居ていいのかと考えているのだ。
自分達の主はもう大丈夫だから構わないと言っているが、それでも萎縮してしま
う。
ヴォルケンリッター唯一の男だったザフィーラに至っては自分の性癖に絶望し、
出家してしまった程だ。
ちなみに出家先がベルカの教会なので、あまり出家の意味は無い。

「とりあえず、シャマルはうっかり少年を拐わん様にしろよ」
「しません!もうしませんよぅ…」
「しかしよく少年を目で追ってるがな」
「うぅ…うーうー」

「シグナムはもう殺しはあかんで?」
「わ、私は今後一切殺しと血に飢えておるわ!…飢えません!」
「…まずは、その言語機能を何とかせななぁ」
「…申し訳ておるw…申し訳ありません」

最早何が言いたいのかわからない会話であった。

【八神はやて】
世界修正後、まともになた世界で暗部や評議会と協力し監理局を立て直す事に奔
走。
その後監理局の機能が持ち直した後、未だまともに機能していなかった元聖王教
会の立て直しにとりかかる。
その結果、元聖王教会…現四王教会の理事となり、忙しい日々を過ごしている。
尚、四王とは『聖王』『魔王』『夜天の王』『従者王(奴隷王)』である。

最近残りのヴォルケンリッターを出して仕事を手伝わせており、おかげで大分助
かっている様だ。

【ヴィータ】
世界修正後にはやてと共に監理局再生・四王教会再生と精力的に働き、現在は教
会理事であるはやての近衛騎士として活躍している。
教会の騎士達からは全てをこなせる完璧の騎士と憧れを抱かれており、四王の1
人であるはやてと共に信奉されている。
というか崇拝の域に達している。

【リインフォース】
ヴィータと同じく、はやてと共に奔走。
現在は主であるはやての近衛騎士としてヴィータと共に支えている。
最近はシャマルの少年愛とシグナムの言語機能を何とか出来ないかと、プログラ
ム面から色々と試している様だ。

【シャマル】
世界が正された後、少年を苦しめて悦ぶ様な趣味は無くなったが少年が好きなの
は元々の設定らしく、よく目で追っている。
流石に拐う事は無いがちょっと声をかけてお話したくなる事があったりするので
、何とか自重しようとしている様だ。

【シグナム】
世界修正後は殺戮と血を好む姿とは打って変わって騎士らしい騎士に。
しかし何百年もの間「今宵のレヴァンティンは血に飢えておるわ」しか言ってな
かったせいか、油断するとうっかり口にしてしまう。
おかげで中々教会から出して貰えず、自分を情けなく感じている。

―――――

場所はミッドチルダのとある住宅。
そこで2人の大人が2人の子供と食事をしていた。

「パパ、お仕事大丈夫?」
「疲れてない?」

1人身となり頑張っている父親を見てカレルとリエラは不安だった。
世界が正された時に自分達の母親であり祖母でもあったリンディが急性動脈硬化
で死んでしまって以来、色々と忘れる様に仕事に打ち込んでいる父親が心配なの
だ。

「大丈夫だよ、だからお姉さんと待ってましょ。ね?」
「エイミィさん…うん!」
「パパ、頑張ってね!」
「ああ…ははっ、エイミィには世話をかけるな」

クロノが仕事に打ち込んでいる間に子供達の相手をしていたのはエイミィだった

エイミィが『エイミィ×クロノはジャスティス…しかし私が…俺がエイミィだし
…』という葛藤をしながらも、とりあえず子供達も心配だったので監理局を辞め
て世話をする事にしたのだ。
実際エイミィは監理局で働かずとも、自らの記憶で復元した東方シリーズの売り
上げが凄まじい事になっているので働かなくて良いのだ。
何気にミッドチルダ長者番付のトップ3に入ってる辺り今のミッド人達が過去を
忘れてゲームに逃げてる事を示しているが、気にしてはいけない。

「ま、クロノ君は頑張って働いてきなよ。でも頻繁に帰ってくるように」
「ああ。提督は辞めて本局勤務にしたから、今までの様に長期で空けることは少
なくなるよ」
「それはそれは…よかったね2人共。もしかしたら毎日パパが帰ってくるかも」
「ちょっ毎日は…」
「「ほんとー!?」」

キラキラとした子供達の純粋な眼差しに心をザクザクと抉られるクロノ。
確かに多少無理をすれば出来ない事は無いが、そんな頻繁に次元転移装置を使う
のは問題では無いだろうかと考えていたのだ。が、

「あ、ゲートなら私が個人用の買ってあげるよ」
「個人用!?あ、あれが幾らするのか知って言ってるのか!?」
「うん。私の貯金なら30台くらい買えるよ」
「さっ…」

たった今エイミィのセレブっぷりを理解したクロノの思考は停止してしまった。
ちなみに次元転移装置30台分というと、監理局地上本部の予算並みだったりす
る。
つまりそれだけの収入があるほど現実逃避している人間がいるのだ。

一方カレルとリエラはそれがどれ程のものか理解できず、首を傾げていた。

「エイミィさんが新しいママだったらいいのに」
「あ、うん、たしかに」
「カレル!?リエラ!?」
「ほほう、気付かぬ内に外堀を埋めてしまっていたようですなぁー」

この先クロノとエイミィが結婚するかどうかは定かでは無いが、これからも仲良
く過ごすことは確実だろう。
そう確信できる様な雰囲気を、4人は醸し出してした。

【エイミィ・リミエッタ】
狂った世界に転生TSという地獄を経験して一度心が壊れたが、復活を遂げてから
は要所要所でなのはに影響を与えた人物。
彼女(彼)がいなければファイナルブレイカーは誕生しなかっただろう。

世界修正後はとりあえずクロノフラグを立てるだけ立てておこうと行動する。
結婚に関してはすっかり精神が女性化していたので問題は無いが、正直ジャステ
ィスに従っただけだったので特に好きなわけでは無かった。
しかし最近クロノや双子と関わるうちに、『こういうのって良いなぁ』と思えて
きている。

最近は子供達の世話をしながらもゲームを作り続け、地霊殿を発売。
今度は格闘ゲームの作り方を学び萃夢想や緋想天を作ろうと考えていたりする。

【クロノ・ハラオウン】
世界修正後に世界補正が無くなったリンディの急死と自分の性癖に絶望し、しか
し子供達を残して死ぬわけにもいかず、必死に仕事に打ち込むようになる。
最近は『マザコンはまぁ良くある事だ…それにまだマシな方だった』と落ち着き
をとりもどし、子供達と幸せな日々を過ごそうと努力している。
最近様々なサポートをしてくれているエイミィに惹かれているが、自分では気付
いていない。

【カレル・リエラ】
世界修正後に様々な常識を学び、今まで学んだ事と色々と違う事を知り混乱。
更に父親が仕事ばかりで寂しい思いをしていたが、そこはエイミィの絶妙なサポ
ートで何とかなった。
最近は父親とエイミィが結婚しないかなぁと思っている。

【リンディ・ハラオウン】
世界修正直後に変態世界補正が消えて急性動脈硬化を起こし急死。
死亡時は1部屋が埋まるほどのサイズになっていた故に避けられぬ死であった。

―――――

コースの両脇に存在するのは大勢の観客。
青い髪を風に靡かせながらスタートラインに立つ若き女性は、速度を追い求めた
自らの人生を振り返っていた。

『さぁ!エキシビションが始まります!』

会場に響くアナウンスと共に会場からの声援が大きくなる。
その歓声を一身に受けるギンガは、笑っていた。

『ローラーブーツ型デバイスを用いたレース競技、エア・トレックの創始者にし
て不動のチャンピオン、ギンガ・ナカジマは新たな記録を打ち立てる事は出来る
のか!現在のコースレコードである3周53秒という怪物級の自身の記録を追い
抜く事が出来るのか!!』

世界の修正後に監理局を辞め、この競技を始めて数年。
まさかここまで市民権を得るとは思わなかったギンガは、そのままチャンピオン
にしてエア・トレック協会会長という役職に着いていた。
最近は仕事もあり中々走ることは出来なかったからコンディションに不安があっ
たが…今は何故かイケそうな気がする。

「ギン姉ー!頑張れー!」
「行け!ギンガぁ!」
「頑張りなさーい!」

客席から僅かに聞こえる妹と父親と母親の声に笑みを深めて、スタート地点にセ
ットする。
目指すは自己新記録にしてコースレコード。
―――ギンガの速さを追い求める戦いは、未だ続いている。

【ギンガ・ナカジマ】
世界修正後も最早性格や行動に染み付いたスピード狂な部分が消えず、監理局を
辞めて自らの速さを発揮出来るものを求める。
その結果ミッドチルダで大流行するアクロバットレース『エア・トレック』の協
会長となり、チャンピオンとして君臨。
日々仕事に追われながらも最速の名を欲しいままにし、ミッドチルダでもトップ
クラスの有名人となる。
またエア・トレック用のローラーブーツ型デバイスの販売も順調であり、ミッド
チルダ長者番付のトップ10に入っている。
今後も協会は成長を続ける事だろう。

―――――

監理局地上本部の一室で3人が仲良く食事をしていた。
以前よりも少し表情が豊かになったルーテシアは、最近あまり一緒にいられなか
った母親との一時を目一杯満喫していた。

「ほんと、どうしようかしら…」
「私はまぁ自制したらいいけど…メガーヌはねぇ」

旦那が人の形の甲虫で、娘が半人半虫。
世界修正前の世界ならともかくとして、今の世界だと色々と面倒な事になりかね
ない。

「というか虫と結婚なんて…」
「お父さん嫌いなの?」
「いえ、変わらず愛しているからこそ困るのよ」
「虫だものね…」

世間体とか今後の生活とか、間違いなく大変である。
「虫嫌い!」と言えるなら楽なのだがそう言えるわけがなく、どうしようどうし
ようとメガーヌは悩んでいた。

「まぁ私もちょっと人とは違う娘がいるし、何かあっても無くてもサポートする
わ」
「ええ。感謝するわ、クイント」

今後を憂いている2人の母親の気持ちを半分以上も理解出来ず、ルーテシアは美
味しいケーキを食べながら嬉しそうに背中の羽をふりふりと揺らしていた。

【ルーテシア・アルピーノ】
世界修正後に母親と暮らし始め、少しずつ明るくなってきた。
半人半虫という特殊な立場ゆえにこれから大変と思われるが、持ち前の純真さと
素直さで乗りきるだろう。

【メガーヌ・アルピーノ】
世界修正後に「虫・触手愛はおかしい」と気付く。
が、長年の結婚生活?故かガリューへの愛は変わらず存在し、自分でもどうすれ
ばいいのかわからなくなっている。

【クイント・ナカジマ】
世界修正後は直ぐに手が出ないように心がけながら局員として活動をするが、や
はり相手が犯罪者だと見的必殺気味になってしまう。
その速度と突破力はスバルとギンガを足して2で割って割増した様な絶妙なバラ
ンスであり、まささくシューティングアーツの使い手である。
最近スバルが結婚出来るか心配。

―――――

監理局某所。
そこには3つのカプセルが安置されており、3つの脳が…否、3人の最高評議会
員が存在していた。

『世界が、正されたか…』
『我等の悲願が、ようやく叶えられたな』
『あぁ…長かった…』

監理局創立から願い続けていた悲願が達成された。
その喜びは他に例え様も無い程で、肉体を捨て去っても尚世界の為に邁進してき
た甲斐があったというものだ。

『もう我等の仕事は終わった』
『そうじゃな…もう眠りをつく事にしようぞ』
『あぁ、これからは若者達の時代だ』

そして彼等は永久の眠りにつく。

『『『願わくば、この次元世界に永久の平和があらんことを』』』

安定した世界が続くことを願いながら。

【最高評議会】
世界修正後、自分達の悲願が叶えられた事に満足し眠りにつく事に決める。
100年を越える凄まじい時を諦めずに戦ってきた彼らは監理局暗部部隊によっ
てクラナガンを見下ろせる山の頂に埋葬され、監理局内で『全てを捨てて戦った
者達』と後世まで讃えられる事となる。

―――――

「…」
「…」
「…」

へんじがない…ただのしかばねのようだ。

【ゼスト・グランガイツ】
レジアスとのプレイ中に正気に戻る。
あまりの事にレジアスを後ろから串刺しにしながらデバイスで自刃。
絶望のまま生涯を終える。

【レジアス・ゲイズ】
ゲイ's。
後ろから貫かれながら、ゼストが自刃した際に同時にデバイスで貫かれ死亡。
死因は腹上死で良いのか疑問である。

【オーリス・ゲイズ】
2人のプレイを見ながら1人で盛り上がっていた時に正気に戻り、ショックで自
殺。

―――――

【ナンバーズ】
アルハザード突入前に伝えられたジェイルの指示通りに、監理局で人々の為に働
くようになる。
世界修正後でもそれは変わらず、監理局暗部の特殊部隊として充実した毎日を過
ごす。
が、やはりジェイルが居ないのが少し寂しい様だ。

【高町家】
正気に戻り絶賛絶望中。
絶望内容は主になのはの事に関してである。
桃子に至っては自殺しかねない程に落ち込んでいる。

【アリサ・バニングス】
捕食済み。

【月村家】
世界修正後にあまりのショックに表社会から姿を消し、血塗られた忌まわしい一
族として自分達を戒める様に辺境へと引きこもる様になる。

【温泉好き】
世界修正が間に合ったおかげで娘が犯されずに済み、全次元世界の中でもトップ
クラスの勝ち組として幸せな日々を過ごす。
飲食店も食材や内装が全うなので人気があり、夫と共に家事に仕事に子育てに大
忙し。

【カルタス】
暗部部隊長として活動を続け、世界修正後には最高評議会の指令により大将まで
上り詰める。
乱れに乱れる監理局を同じ暗部部隊の仲間達と纏めあげまともな組織に改善し、
次元世界の平和の為に生涯を費やす。

【アルフ】
忘れられて野生化し、ミッドの山でボスとして君臨していた。
が、フェイトが虚数空間に突入した事によりリンクが途切れてしまい魔力不足で
倒れる。
そこを同じ山に済む魔獣に助けられ、共に山を征する番として過ごす様になる。

―――――

アルハザードに作られた花畑を走る2人の少女。
片方は母親譲りの栗色の髪をツインテールにし、父親譲りの翠色の瞳を煌めかせ
ながら楽しそうに笑っている。
もう片方は短い紫色の髪を風に揺らし、手を引かれて転びそうになりながらも笑
っていた。

「ヴィヴィオー!転ばない様にねー!」
「アリスも気を付けなさーい!」
「「はーい!」」

母親達からの注意に返事をするも、ちゃんと聞いているのかいないのか。
キャッキャと笑いながら花達と戯れる少女達は、さながら花の妖精の様だった。

「いやはや、やはり娘というのは可愛くて仕方がないね」
「ジェイルさんはナンバーズが居たじゃないですか」
「自分で造るのと妻が産むのでは全然違うよ。私も最近知ったんだがね」

2人の父親は可愛らしい少女達を眺めながら頬を弛め、時折手に持つカメラで写
真を撮っていた。

「私も子供が欲しいなぁ…2人も可愛いんだけど」
「気持ちはわかるが、相手は父親のドクターとなのはの夫のユーノしかいないぞ
?」
「そうなんだよね…なのはの子供が欲しいなぁ」
「それは…中々レベルが高いな…」

仕える者の2人は少しだけ2組の親子を羨みながら、しかし慈しむ様な目で眺め
ていた。

「平和だねぇ…」
「そうだね」
「でも少し寂しいわよね」
「なら、もっと子供達を増やせばいいさ。アルハザードの技術ならどうとでもな
る」
「父さん、私なのはの子供が欲しい!」
「ふむ、ならば私もドクターの子が…」
「「「「ちょっ!?」」」」

伝説と言われた地は穏やかな空気に包まれ、新たな守人達はささやかに、そして
末永く幸せに過ごしていった。
キラキラと電子的な光を放ち続けるアカシックレコードに見守られながら。

【なのは・T・Y・スクライア】
娘のヴィヴィオを産み、平穏と幸せに包まれた生活をアルハザードで送る。
娘の名前をつけたのはなのはだが、何の因果か歪まなかった歴史にて義娘になっ
た少女の名前と同じになった。

【ユーノ・スクライア】
なのはの夫。
アルハザードの歴史を研究しながら家族を見守り幸せに暮らす。

【フェイト・T・スカリエッティ】
なのはの従者。
ジェイルに頼んでなんとかなのはの子を身籠ろうとしている。
娘達にとっては優しいお姉さん。

【プレシア・T・スカリエッティ】
かつて産んだ娘と近い名前をした少女を産み、慈しみを持って育てる。
その姿は、正史でのPT事件からは考えられないであろう優しき母の姿だった。

【ジェイル・スカリエッティ】
アカシックレコードの解析やアルハザード研究をしながら、日々生活が豊かにな
る様に様々な物を作り出している。
娘に甘く、お願いされるとついつい叶えてあげてしまう親バカ。

【チンク】
ジェイルのサポートや子供達の世話をしながら充実した生活を送る。
最近自分も子供が欲しくなって来ているが、戦闘機人が妊娠出来るか等の不安が
あった。
が、最近妊娠可能な事が判明。
そしてフェイトの発言に便乗してとんでもない発言をかました。

―――高町なのはの受難 END

もうちょっとだけ続く



[4819] WORLD END…?
Name: KYO◆55de688e ID:46fd1190
Date: 2009/11/10 12:57
●月●日
とうとう私1人になってしまった。
子孫も存在せず、私が死ねばアルハザードは無人の世界になってしまうだろう。
アカシックレコードの守人が居なくなるのは少し不安だが、よく考えたら以前に
異常が起こってから幾千年も異常が無かったのだから多分もう守人が居なくても
大丈夫なのだろう。
…ならば私も必要無いのではないか?



★月●日
自分が守人じゃなくてもいいと気付いて暫くふて寝していた。
最近起きた巨大な次元震で、過去に世界を救った魔王が使っていたというデバイ
スが行方知れずになったのもそれに拍車をかけた。
そのまま様々な事を悩み続けた結果デバイスは諦めて、あとは死ぬまでやりたい
事をし続けてしまおうという結果になった。

まずは…そうだな、ゲームでもしまくろうか。
過去の守人達が暇潰しに作り上げた作品が大量に存在するのだし、相当な時間楽
しめるだろう。

アダルトゲームを主にプレイしようと思ったが、そこで思い出す。
何だか良くわからないのだが、『アカシックレコードにアダルトゲームをインス
トールする事を禁ずる』という古来からの制約があったのだ。
アカシックレコードにリンクさせて身体で楽しみたかったのだが…仕方がない。
…そうだ、ならば普通のゲームをプレイしよう。
多分問題は無い筈だ。



◇月★日
あれから幾年が過ぎただろうか。
アカシックレコードにインストールし様々なジャンルのゲームとリンクした私は
ついつい夢中になり、気がつけばそろそろ寿命で生き絶える様な年齢になってし
まった。
全く私の欲望は際限が無い…差詰め、無限の欲望と言った所だろうか。

しかしこのままアルハザードで死んでしまうのはつまらない。
そう考えた私は、小型挺に乗り虚数空間内を漂う事にした。
もし何らかの方法で外世界に私の死体が落ちれば、アルハザードの存在が知られ
るだろう。
心無い者に知られれば大変なことになるだろうが、もしかしたら新たな守人とな
ってくれる人物が現れるかもしれない。

この日記を見た者が居るならば、恐らく私をきっかけにアルハザードに辿り着い
た者だろう。
もし良ければ、そのままアカシックレコードの新たな守人となってもらいたい。
制御パスは□□□□だ。よろしく頼む。
私はそろそろ死出の旅へと向かおう。

P.S.
あ、アカシックレコードからゲームを消去し忘れた。
ついでに消去してくれたまえ。
もしかしたら変な影響があるかも知れないからね。
あとレイジング何とかとかいうデバイスを見つけたらアルハザードに安置して欲しい。




[4819] Re:高町なのはの受難
Name: KYO◆55de688e ID:46fd1190
Date: 2010/11/19 21:51
「今日は珍しくいつもと違う夢だったの…」

私の名前は高町なのは。
何だかよくわからないピンク色のエネルギーを使える事以外はごくごく普通の小
学3年生です。
普段は花畑で妖精さんとお話する夢や他人の夢に乱入する夢を見させられる私で
すが、今日はいつもと何かが違いました。
何だか…実際の光景みたいな?

「あのフェレットさん…何か見た事あるような?」

妙に引っかかりを感じながらもしっかりと着替えて、もしもの準備をしてから部
屋を出ました。

階段を降りて直ぐに居間には入らず、まずは音で中の様子を伺います。
…音がない、これはいけない傾向なの。
右手によくわからないピンク色のエネルギーを集めながら、素早く身を居間に滑
り込ませます。

「■■■■ー!!」
「●●●●ー!!」
「くっ!やっぱりなの!」

"反転した"お父さんとお母さんが襲いかかって来たのを瞬時に右手のエネルギー
で吹き飛ばし、テーブルの上にある簡易注射器を即座に2人に投与。
するとお父さんとお母さんは身体から煙をあげながら元に戻りました。

「もうっ!ちゃんと坑反剤射たなきゃダメって言ってるのに!」
「うっ…あぁ、スマンななのは」
「油断してたわ…」

まったく…坑反剤射たなきゃ12時間で"反転"しちゃうのに、何で早く射たない
のか不思議なの。
…というか今更だけど、"反転"って何なの…そんなゲームか何かみたいな。
いや私のピンク色のエネルギーも謎なんだけど。

「幸い朝食は作ってあるわ。道場から2人を呼んできてくれない?」
「はーい」

ま、考えても仕方ないかな…世界中が変態になるよりは住みやすいからマシなの

…何でそんな末期的な世界を想像したんだろう?
今日の私、なんか調子がおかしいのかな?

道場の前に到着すると、中から凄まじい剣撃音が響いてきていました。
今回は遠距離技無しでの戦いみたいなの。
遠距離技有りだと道場がボロボロになっちゃうからなぁ…

「お兄ちゃん!お姉ちゃん!朝ごはんだよー!」
「無限の剣閃、貴様に見えるかぁぁぁ!!」
「その身に刻れぇぇぇ!!」

まるで話を聞いていないので道場の重力制御装置を操作して20倍にしました。

「ぐぉぁっ!?な、なのはか…」
「な、なのはぁ…止めてぇ…」
「はーい。朝食だからねー」

とりあえず戦闘が止まったので重力を元に戻して家に戻りました。

朝食の変な生物の肉を使った料理を食べ終わり、登校する事に。
うっかりしているっ野生のモンスターに襲われかねないけれど、私は一応戦闘能
力があるから大丈夫。

バス亭に到着すると同時にバスが来ました。
今日はちょっとだけ運がいいみたいなの。

「おはよ!なのは」
「おはよう、なのはちゃん」
「おはよう!アリサちゃん、すずかちゃん」

この2人は私の友達のアリサ・バニングスちゃんと月村すずかちゃん。
2人とも既に会社経営に手を出しているお金持ちな天才さんだったりします。
私達3人が仲良くなったのは小学1年生の時で、当時アリサちゃんがすずかちゃ
んの会社に敵対的TOBを仕掛けていたのを私が止めた時からの友達です。
何処のゲームなのかと突っ込みたくなる様な話だけど、全てノンフィクションだ
ったりします。

学校では普通に授業が行われます。
教師に子供っぽい人とか明らかに子供な人がいますが、ちゃんと授業が出来てる
から問題ないらしいです。
…とりあえず法律的な問題はありそうだけどなぁ。

学校が終わったら次は塾。
塾には特進クラスが有るらしいけど見た事がありません。
噂では数式を用いた格闘術を教えてるとか色々言われてるから、あってもあまり
関わりたくないけど。

「こっちが近道なのよ!」

アリサちゃんの誘導に従って着いていくと、何だか何処かで見た事ある様な景色
が広がっていました。
というか…今朝の夢の?

《助けて…》
「っ!?」

今朝の夢で見た男の子の声?
夢の通りなら…この先で倒れてる筈!

「あ、なのは!?」
「どうしたのなのはちゃん!?」

後ろから聞こえる2人の声を聞きながらも、急いで男の子の元に走って向かう。
早く行かなきゃ…あの子を、あの人を助けなきゃ…!

そして見つけたフェレットさん。
よかった…無事みたい。

「はぁ、はぁ、いったいどうしたのよ」
「…あれ?その子どうしたの?」
「うん、怪我してるかも知れないの」

とりあえずこのフェレットさんを近所の動物病院へ連れていって、そのまま私達
は塾へと向かいました。

塾も終わり、帰宅して晩御飯を食べている時にフェレットさんを預かっていいか
家族に聞くと、何とかOKを貰えました。
良かったの…。

自室に戻った私はパソコンの電源をつける。
これからやることは私のサイト『一般人の集い』の更新作業。
ピンク色の謎エネルギーが使える私ですが、この程度のものはみんな使えるので
多分一般人です。
何せすずかちゃんなんか、爪を武器にしたり魔眼使ったりしてたし…

まずはブログに今日あった事を記し、掲示板をチェックする。
この掲示板のチェックこそが私の生き甲斐となっています。
何故なら数少ない一般人程度の能力の持ち主や、多少ハイレベルですが許容範囲
な人が集まっているからです。
休日のチャットの日になればその人数はかなりのもので、多い日では20人にも
なります。
…逆に言えば、20人しか常識人がいないという事になるのですが。

パソコンの電源を落として眠ろうとしますが、眠る気になれません。
明日は学校があるんだけど…でも、今はまだ寝ない方がいい気がする。

《誰か助けて!!》

ふと、そんな声が聞こえて来ました。

「うん、今行くよ!」
《通じた!?お願いします!》
「待ってて!」

急いで家を飛び出して、動物病院の方へ向かう。
早く、早く、■■■君の元へ…

そして息を切らしながらたどり着くとそこには黒い謎の物体と、それから逃げる
フェレットさんの姿。

「良かった!来てくれた!」
「助けに来たよ!」

フェレットさんが私の腕の中に飛び込んでくる。
私はそれを受け止めて、フェレットさんが身に付けてた赤い宝石に触れた瞬間―
――

―――フェイトちゃん、はやてちゃん、プレシアさん、ジェイルさん、チンクち
ゃん、ヴィータちゃん、リインさん…そして、ユーノ君。
―――地球、次元世界、ミッドチルダ…そしてアルハザード。
―――ジュエルシード、夜天の書、聖王のゆりかご…そしてアカシックレコード

かつての記憶が甦り、全てを理解する。
あぁ…また、アカシックレコードに異常が出てしまったのか、と。

「うっ…お、思い…だした…なのは」
「私もだよ。…ユーノ君」
【お久しぶりです、マイマスター】
「レイジングハートも久しぶり。また会えて嬉しいよ」

なのは・T・Y・スクライアの記憶を取り戻し、再びかつて共に戦った仲間と出
会えた事が嬉しくて涙が出てくる。

「これはアカシックレコードがやり直したのかな?」
「多分そうだね。…また誰かがゲームか何かインストールしたみたいだけど」
「あはは、やり直した意味が無いよ。…やっぱり私達がまた行くのかな?」
「多分、そうだね」

そっかぁ…また、大変だけど楽しい日々が始まるんだなぁ。
今回は変態だらけな訳じゃ無いから気が楽だけど、みんなが特殊な能力を持って
るみたいだから戦いが激化しそうだよ。

「■■■■■ー!!」

おっと、再会を祝うのは、封印してからかな?
それじゃあ、さっさと封印しちゃおっか。

出会ったのは、かつての愛しい人。

「行こっか、ユーノ君!」
「うん、なのは!」

手に入れたのは、頼りになる唯一無二の相棒。

「またよろしくね、レイジングハート!」
【All right.My Master!】

目指す先は、かつて辿っただろう戦いと出会いの道。

「我、使命を受けし者也―――」

魔法少女リリカルなのは―――

―――再開します。



-あとがき-
明らかに一発ネタなこの作品がこんなに続いて、挙句完結するとか自分でも驚愕です。
…まぁ、4~6話分を1話に纏めれる長さなので実際の記事数よりも短いんでしょうが。

このループな終わり方を考え付いたのは電波です。
いったいどう終わらせればいいのか…と考えながらTVを見ていたのですが、そのTVから聞こえてきた言葉『敵対的TOB』…アリサとすずかのケンカ…ん?といった具合です。
自分でも何故こんな言葉で考え付くのか不思議で仕方がない。

実はヴァイスやシャーリーのその後も書こうか迷ってました。
結局本編に登場してないので書きませんでしたが…もし書いていたならば、ヴァイスは妹のラグナを眼窪姦してたり目を狙撃したりしていたでしょう。
怖い怖い。かぞくだいじに。

というわけで、なのはさんの戦いはこれからも形を変えながら続いてゆきます。
それこそオリジナル・スカリエッティが自重するかゲームを自分で消すまで。
そして何の異常も無く世界が再生されたときようやく、原作通りの正史を進むことでしょう。
なんという地獄旅。作者がなのはさんなら発狂する。
頑張れなのはさん、それゆけなのはさん。

以上、よくわからないあとがきでした。
今までありがとうございました。



[4819] Re:高町なのはの受難 予告編
Name: KYO◆55de688e ID:03ee8611
Date: 2011/04/01 11:20
 再び始まった世界を正すための旅路。集うのはかつて共に戦った大切な仲間達。向かうべきは世界の中枢アルハザード。
 前回の世界は変態に満ち溢れた世界だったけど、今回の世界は言うなれば幻想に満ち溢れた世界だった。

 再会した最愛の人は、レベルアップしていました。

「私はこんな変なエネルギーが使えるんだ。魔力じゃないみたいなんだけど・・・」
「うーん、何のエネルギーなんだろうね・・・」
「あ、ところでユーノ君はどんな不思議体質を持ってるの?」
「あー、えっと・・・水をかぶると女になって、お湯をかぶると男になる」
「女装から性転換に・・・!?」

 幼馴染の常識人仲間は、変な肩書きを手に入れてました。

「ボインマスター後継者の八神はやてです・・・」
「どういうことなの」
「私にもわからん・・・」
「というかボインマスターって一体なんなの?」
「師匠はボインピックで優勝してボインマスターになったって言っとったな」
「どういうことなの」

 自称奴隷の親友は、増殖していました。

「なのは!」
「なのは様!」
「にゃのはー!」
「幼女・少女・大人の三世代!?」
「よりどりみどりやな」
「でも記憶を取り戻したせいで奴隷化しちゃったね」
「なんて事なの・・・!!」

 その親友の母親は、記憶を取り戻した瞬間崩れ落ちました。

「私は、フェイト達になんて事を・・・それになんで三人・・・」
「今回も虐待してたんだ・・・プレシアさんって深層心理ではそういうプレイを好んでるとか・・・?」
「ちょっ違うわよ!?変な事言わないで頂戴!?」
「か、母さん、その・・・い、今なら、母さんの鞭も、ちゃんと受け止められるから・・・」
「やらないわよ!?」

 かつて親友の父親になった男性は、記憶を取り戻した途端土下座を始めました。

「本当にすまない!記憶は曖昧だがほぼ確実に私のオリジナルのせいだ!」
「い、いや、オリジナルが問題であってジェイルさんは悪い訳じゃないですし・・・」
「それでも・・・くそっオリジナルめ・・・!!」
「そのうちオリジナルの自分殺しの兵器開発を始めそうやな」
「ある意味、それが世界の為なのかも知れないわね・・・」

 そして何よりも大きな変化。
 アルハザードへと至る道である虚数空間は、恐ろしい世界に変貌していました。

「なにこの次元の狭間」
「ねぇなのは、あれって前世のゲームで見たオメガっていう機械じゃないかな?」
「あっちにはデスタムーアらしきものもおるな」
「どう考えても突破不可能よね・・・」
「それにあの一番奥に見える極彩色のアレは・・・」
「見るだけじゃSAN値が減らないのは助かるが、どう考えても無理だな」

 果たして次元の狭間を越えてアルハザードへと辿り着く事が出来るのか。そして、世界のゆがみを正す事が出来るのか。
 私達の戦いは未だ始まったばかりで、そしてまだまだ続く、修羅道すら生温い絶望に満ちた戦いだった---

 Re:高町なのはの受難
 2012年4月連載開始予定
 
 
 
※予定は予告無く変更される可能性しかありません。
※決して続きません。無理。



[4819] 高町なのはの受難IF エイプリルフールネタ
Name: KYO◆55de688e ID:dac03a77
Date: 2012/04/02 01:09
「うぅ…また憂鬱な朝が来たの…」

 私の名前は高町なのは。最近明日が嫌になってきている普通の小学3年生です。
 今日はいつも通りの朝ですがそれ故に憂鬱です。こうやって憂鬱な明日を運んでくるなんて神様はなんて酷いんでしょうか。信じていませんけど。

「今日こそ世界が変わっていますように…」

 毎朝の日課になっている神では無い何かへ変態的な世界の終焉をお祈りをして着替え、私は1階に降りました。



「おはようお父さん、お母さん」
「おはよう」
「おはようなのは。もうすぐ朝ごはん出来上がるから、恭也と美由希を呼びに行ってくれない?」

 居間に向かい、いつも通りに朝から水音をぴちゃぴちゃと響かせながら熱烈に絡みあって…無い…だと…!?
 い、いや、落ち着くの高町なのは。朝から激しくプレイングなうな状況はほぼ毎日ではあったけど、今まで何回かは性的な事をしていなかった事はあったはず。そう、どうせいつも通り食事の方が危険になっているに決まってる。
 あれ、でもお父さんもお母さんもちゃんと服を着てる? 普段はお父さんは下半身はモロ出しにしてる筈だし、お母さんも棒とかパール的な物とかをぶっ挿しながらの作業だった筈。こ、これはもしかして…
 …はっ、だだ駄目なの高町なのは! この程度で期待なんて持っちゃいけない。裏切られた時の反動が物凄い事になってしまうの。まだ、まだ判断材料が足りない。ここで安易に希望を持って浮かれるのは愚か者の所業なの。

「…なのは、どうかしたの?」
「はっ!? な、なんでもない…えっと、呼んでくるね!」

 まるで『普通の母親であるかの様に』怪訝そうな表情でこっちを見るお母さんの視線から逃げる様に、私はお兄ちゃんとお姉ちゃんの居るだろう道場へと向かって走り出す。
 おかしい…あまりに不可解な光景だったおかげで目端に映ったものを確認しただけだったけど、お母さんが作ってた朝食にも不審な点は見られなかった。
 それだけじゃない、比較的マシとはいえおかしな事が多く書かれている筈の新聞も、何故か政治だとか普通のニュースみたいな堅苦しいものばかりだった。ありえない。全然ありえないの。

「もしかして、本当にもしかする…? いや、まだ、もう少し色々確認してからなの」

 もしかしたら全部たまたまなのかもしれない。そう考えながら道場の前まで来る。普段ならお姉ちゃんの狂笑とかお兄ちゃんの嬌声とか人を殴打する打撃音が聞こえてくる筈の道場に。
 緊張して心拍数が上がってきているのを何とか落ち着かせて道場の扉を開く。そして目に入ってきた光景は…

「はっ!」
「甘い!」

 お兄ちゃんとお姉ちゃんが互いに竹刀を持ち『おかしな点の見当たらない剣術稽古』をしているものだった。

「ん、なのはか。という事はもうそろそろ朝食の時間か」
「そっかー。んー、今朝も良い汗かいた!」

「ありえない…」

「どうしたなのは?」
「え? あ、ううん、何でもないの! …先に戻ってるね!」

 思わず漏れ出した言葉はどうやら完全には聞き取られて無かったらしかった。少しだけ安心しながら、しかしこの健全にも程がある光景にどこか恐怖を覚えて私は逃げる様に道場から飛び出した。
 …健全? そう、健全な剣術の稽古。何もおかしい所なんて無い普通の光景。おかしい所が無い? 普通? 普通って何だっけ?
 これは私の中の普通の状況。ごくごく普通の家族で、ごくごく普通の環境。でも私の過ごした状況での普通は私にとって異常な環境だった筈。いつ以上が普通になったの?
 いや、これはそもそも本当に普通なの? 今までは本当に私と世界の普通が逆だったの? 世界の普通と私の普通が違ったのならこの状況は? 世界が普通なら私は異常なの?

「何、これ…なんだろう…」

 毎朝私が何者かに願っていた、平和に過ごせる筈の普通の世界。それが叶えられたかもしれない状況なのに、私の心の中からは恐怖や不安ばかりがどんどん湧き出している。
 自分が正常? 世界が異常? 自分が異常? 世界が異常? 何が何だかわからない…わからないけど、とりあえず、いつも通りの行動パターンで生活する事にする。難しいことを考えすぎて頭が混乱している時は、ただ毎日行っている行動に身を任せてゆっくり状況を整理するべきなの。
 ただの思考放棄の可能性もあるけど、現状だと何もわからないし不安にしかならないから。

 朝食はごくごく普通の料理ばかりだった。一応作っている時に最後の方だけとはいえ監視してみたけど不審な点は存在していなくて、勿論白濁とした謎の液体とかちぢれ毛なんかも入っていない。
 それでも使っている食器や調理器具は過去にそういうものを調理したものの筈なので、結局私はいつも通りに自分専用の調理器具で自分の分を作って食べた。家族の皆が不思議そうにしてたけど…あんたらのせいなの!
 物凄く納得いかない心境のまま早々に朝食を食べ終わった私は、ともかく情報を得る為に外出する事にした。春休みだから学校が休みだけど、今日みたいな事になるなら授業があった方が情報収集が楽だったのに…本当に、何がどうなってるんだろう。
 突然の世界の変化に頭がついていけないまま海鳴を歩き回るけど、全裸でブリッジしてるおばさんも居なければブロック塀の穴に向かって前後移動しているおじさんも居ない。

「本当の本当の本当に、みんなまともになったの? 信じてもいいのかな?」

 そろそろお昼の時間になるので昼食の為に翠屋へ向かっています。散々確認した結果よくわからない恐怖や不安が倍増しましたが、それでも世界が正常化? したかもしれないという点は間違いないみたいなの。
 まだ安心出来る程信用出来てないけど…それでも、例え予防線を張りながらの生活でも、少しずつ信用していかなきゃいけないんだと思うの。きっと。
 まだたったの数時間しか経ってないから難しいんだけど。

 翠屋に到着した私は昼食にオムライスを食べる事にした。
 普段なら自宅に帰って自分で作っていたのにわざわざ翠屋に来た理由は、仕事風景とお客さんにおかしい所が無いか確認するのと、まずはお母さんの作る料理を信じる所から始めてみようと思ったから。
 実際お母さんが作ってくれたオムライスに何ら異常は見当たらないし、お客さんにも全然変な所は無い。相変わらず普通過ぎて疑心暗鬼になりそうになる程なの。
 これは少しずつ慣れていかないと無理なんだろうなぁ…

「はぁ…物凄く時間が経った気がしてたけど、まだ午前中だったんだなぁ」

 時計を見ると丁度あと数十秒で12時になる時間だった。あちこち出歩いて悩んで怖がって色々確認してたせいかかなり長い時間が経った気がしてたけど、まだたったこれくらいしか経って無かったんだ…
 私これから暫くは毎日すっごく疲れちゃうかもしれない。そう考えながらぼーっと時計を眺めていたら、その時計が三つの針が頂点で重なって昼の12時になった。

 ―――瞬間。

「ウェーイ!!」
「俺は自由だぁぁぁぁーーー!!!」
「やらないか」
「ン゛ギモ゛ヂィ゛ィ゛ィ゛ィ゛ィ゛!!!!」
「あひぃ…ふあぁ…」

 今まで見ていた光景が幻覚だったかの様に、一瞬にして周囲は変態だらけの世界に変化した。

「…え?」

 いやいやいやいや、待て、待って冷静になるの高町なのは。騒いだり嘆いたりするのは後でいいから何がどうなってるのか知る必要があるの。もしかしたら周囲の状況に耐え切れずに私が勝手に世界を歪めて解釈しちゃってたのかもしれないし、夢だったのかもしれない。そうだと周りに当り散らすのはいけない事なの。
 確認…そう確認しないと! お、お母さん!? いったい何がどうなってるの!?

「どうって…んっ、今日はエイプリルフールでしょぉ…?」

 お父さんに後ろから貫かれながら言ったお母さんの言葉が全ての答えだった。
 エイプリルフール。私の知ってる知識では、一日のうち午前中にはちょっとした嘘を言ってもいいという日の筈だった。というか、実際去年まではそうだったと思うの。
 何で今年はこんな事になってたの? イジメか嫌がらせか何かなの? そんな想いが私の心を駆け抜けて。

「…にゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

 流石に限界を迎えました。

 その後全速力で走って自宅へと戻り、そのまま不貞寝。その後一週間の間自室に引き篭もりました。

―――

nano:マジ無いの
疾風:わたしは午前中誰にも会わなかったから気付かなかったわ
nano:マジあり得ないの マジで
nano:危うくお母さんにスプーン刺しそうになったの
疾風:nanoちゃんには悪いけど、変に希望を持たなくて良かったわ…本当に
nano:もうどうでもいいの 皆死んじゃえばいいの
疾風:あかん…本気でやさぐれとる…



―――

いや違うんだよ遅刻だった訳じゃないんだよ。ほら、ちょっと夕方に寝落ちしたら11時半になっちゃってただけで、その…俺は悪くねぇ。悪くねぇよ!悪いのは睡魔だよ!


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