女王陛下の黒き盾
この作品は作者の稚作である
女王陛下の下僕 (ゼロの使い魔) 【原作第1巻相当・完結・続編あり】
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全43章
の続編です。
さらにこの作品の続編が
女王陛下の黒き翼 (女王陛下の下僕3) 【原作第3巻相当】
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執筆中
となっております。
ご存知の方も初めての方も、ごゆるりとお楽しみください。
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~これまでのあらすじ~
ごく普通の日本の高校生、平賀才人はある日突然、異世界であるハルケギニアに召喚されてしまう。
そこは中世ヨーロッパにも似た魔法の世界。貴族と呼ばれる魔法が使える人々が、平民と呼ばれる魔法の使えない人々を支配している世界であった。
才人を召還したのはアンリエッタと言う清楚な美少女で、驚いたことに彼女はハルケギニアでも数少ない歴史ある国、トリステイン王国の王女であった。アンリエッタは才人のファーストキスを奪い、才人を使い魔にしてしまう。
堅苦しい王宮での生活に肩身の狭い思いをしていたアンリエッタは才人が使い魔になったことを喜んだが、元老院をはじめとする他の貴族たちが才人を受け入れる筈も無かった。元老院の命を受け、アンリエッタの護衛を担当する銃士隊のアニエスとミシェルは、アンリエッタの見えないところで才人を拘束し、裸にひん剥いて取調べを行う。取り調べに立ち会ったのは高名な貴族であるラ・ヴァリエール家の娘、エレオノールだった。アカデミーの有能な研究者でもあるエレオノールは才人が異世界人だと言うことに気付くが、不味いタイミングで乱入してきたアンリエッタが才人の裸を見てパニックを起こし、王宮内は大騒ぎになってしまう。
一連の騒動の鎮静化と、使い魔としての才人を一時的に隠匿するため、アンリエッタの母であり事実上の国王であるマリアンヌ太后は、才人とアンリエッタにトリステイン魔法学院行きを命じる。同時にエレオノールは教師として、学院へと赴任する事になったのであった。
いっぽう学院ではエレオノールの末の妹であり、かつアンリエッタの親友でもあるルイズが、スイカ大の茶色い卵を召還するという珍事件を起こしていた。
ルイズは卵を温めるために部屋に引き篭もってしまうが、アンリエッタは才人に依頼してその部屋の鍵を開けさせる。難なく鍵を開けた才人はアンリエッタからの感謝を期待したが、アンリエッタは親友ルイズの事が心配で、軽い礼のみで才人を放置してしまう。そんな才人に温かい言葉をかけたのは、学院秘書のロングビルであった。
学院での才人はアンリエッタの使い魔という身分を隠し、エレオノールの助手として生活していた。特に黒髪のメイドのシエスタには何かと世話になっていた。
ところがある日、才人は学院生徒のギーシュの反感を買い、決闘を申し込まれてしまう。元々負けん気の強い才人は、何度もアンリエッタを口説こうとするギーシュを普段から快く思っておらず、後ろから殴ってギーシュをボコるという暴挙に出てしまう。結果、才人はルイズに吹き飛ばされ、反逆罪で投獄されてしまう。
アンリエッタは才人の死刑を回避しようと努力し、才人の正体を知るエレオノールもまた裏工作を試みるが、学院秘書のロングビルに先を越されてしまう。実はロングビルの正体は盗賊のフーケだったのである。フーケはシエスタを人質にして才人を脅し、学院の宝物庫の扉を開けさせてしまうが、エレオノールの機転によってワルドら魔法衛士隊に包囲されてしまう。フーケは苦し紛れに「破壊の杖」と呼ばれる地球の武器、ロケットランチャーで壁の破壊を試みるが、爆風で気絶、捕らえられてしまう。才人とシエスタも同様に気絶するが、どうにか無事に学院に戻ったのであった。
フーケ捕獲に協力したという名目で、才人のギーシュに対する罪は許されたが、実はそれは才人の知らないところで暗躍する、エレオノールをはじめとする様々な人々の思惑の結果であった。
そんなことを知らない才人は能天気に、日本の銃の性能をアンリエッタに見せると言って、学院長のオスマンに頼んで宝物庫からリボルバーを持ち出し、銃士隊のアニエスとの銃対決を行ってしまう。結果は才人の圧勝だったが、その事件はエレオノール以外の貴族が日本の技術に興味を持つきっかけとなった。
翌日、リボルバーの分析を行うことになった学院教諭のコルベールは、才人から地球式の元素記号を教わり、それがハルケギニアに古くから伝わる「粒理論」だと気付く。その事実は学院はおろか、ハルケギニアじゅうで大論争を引き起こしてしまうのであった。
才人と犬猿の仲だったギーシュは粒理論をきっかけに才人に急接近し、鉄の錬金に成功して銃士隊の銃の改良に乗り出す。
またキュルケとタバサという2人の留学生はそれぞれの思惑から才人への接近を試みたが、一緒に才人から錬金の手ほどきを受けたルイズが誤って核爆発にも似た凄まじい光を放ったため、才人ともども死にかけてしまう。幸いにもタバサの使い魔の韻竜シルフィードによって4人は救出されたが、エレオノールは実は粒理論が不完全なもので、才人は重要な何かを隠していると気付く。
そのころフーケはワルドら魔法衛士隊によって王都へ移送されようとしていた。ところがワルドは実は裏切り者で、こっそりフーケを脱出させてアルビオン王国へと連れ去ってしまう。元々アルビオン王家に対する恨みを持つフーケは、ワルドと共にアルビオンでの反乱を目論むレコン・キスタという連中に加担する事を決心する。
レコン・キスタの首領であるクロムウェルは「虚無」と呼ばれる魔法を操り、死者を蘇らせて従えていた。ワルドは己の野望達成のために、その恐ろしい魔法を必要なものだと考えていたが、フーケは直感的にそれが虚無ではないと感じる。
しかしフーケとワルドはクロムウェル命令で、ルイズの取り込みと才人の暗殺のためトリステインに戻り、機会をうかがいつつ潜伏するのであった。
いっぽう才人の重要性を再認識したエレオノールは、一計を案じて自分の母親であるカリーヌ(烈風カリン)に才人を襲わせる。それは才人を窮地に追い込むことで才人の人間性を突き止め、才人がアンリエッタの使い魔にふさわしいかどうかを判断するための試練だった。
アンリエッタを人質としたその戦いで、才人は血みどろになりながらもカリーヌの予想を超える善戦をした。結果は才人の敗北であったが、その戦いぶりはカリーヌに才人への支援を決意させる。そしてカリーヌの夫であるラ・ヴァリエール公爵は才人の独占を目論んで、自分の2番目の娘であるカトレアを才人とお見合いさせることにしたのであった。
ところがお見合いは夏季休暇の予定だったにもかかわらず、才人に興味を持ったカトレアは学院のフリッグの舞踏会へと勝手に来てしまう。カトレアの突然の登場に驚くアンリエッタとルイズ。しかし才人が驚いたのはカトレア本人よりもむしろその巨乳だった。
貴族の礼儀を知らない才人は、ちょっとした誤解からカトレアの唇を奪ってしまい、アンリエッタとルイズが激怒。2人のダブル攻撃を食らった才人は空しく絶叫するのだった。
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~登場人物に関する補足(原作からの改変点)~
平賀才人(サイト・ヒラガ):
原作どおりの普通の高校生。ただしルイズではなくアンリエッタに召還されたため、左手の甲にルーンはあるもののガンダールヴではない。
前作「女王陛下の下僕」では幾度か頭の良さげな行動をしたが、それは置かれた状況がそうさせたのであって、サイト自身の知能は原作どおり並の高校生レベルである。
使い魔であることを隠すため、普段は左手に黒皮手袋をしている。
アンリエッタ:
原作どおりの水のトライアングル。そのためサイトを召還して使い魔にはしたものの、伝説の使い魔には出来なかった。
普段はおしとやかだが、幼いころは意外とお転婆であり、走ると速い。
サイトに対してかなり好意的ではあるが、本命は原作どおりウェールズである。
現在、トリステイン魔法学院に在籍中。ルイズやギーシュたちと同じクラス。
ルイズ:
原作どおりの虚無の使い手だが、現時点ではまだ虚無だと言うことは判明していない。
サイトではなくスイカ大の卵を召還してしまうが、いかんせん卵なのでコントラクト・サーヴァントは未達成。
卵の正体は不明だが、茶色いので「マロン」と名づけ、エレオノール製の孵卵器に乗せて溺愛している(本作第3話で孵化)。
アンリエッタが人間を召還したことに不満を抱いており、何かにつけてサイトに反発する。
エレオノール:
本作中ではアカデミーの研究員と言う設定。現在はマリアンヌ太后の命令で魔法学院の教師をしている。
原作によると魔法の系統は火以外の何かであるが、本作では土のトライアングルにする予定。
使い魔は蝙蝠のピーピングトム。
カトレア:
原作同様。ただしサイトとのお見合いが決まると、魔法学院までサイトに会いに来てしまうというお茶目な側面も見せる。
魔法の系統は土のような雰囲気が原作中にはあるが(うろ覚え)、本作でどうするかは未定。
ギーシュ:
原作同様の土のドットだが、サイトから教えられた元素記号によって錬金の技術が向上し、鉄のワルキューレを作れるようになっている。
なお、本作における四系統魔法の改変部分については下記を参照のこと。
モンモランシー:
原作と同様の水系統のメイジだが、ギーシュと同様にサイトから元素記号を教わり、現在錬金の練習中。
アニエス:
原作と異なり最初から登場。平民出である上に、復讐だけを目的に生きて来たためか、軍事と無関係な事には疎く、虫垂炎を知らなかった。
ミシェル:
アニメと同様にアニエスの副官。アニメと異なり最初から登場。元貴族だけあって意外と博識で、アニエスとは逆に虫垂炎を知っていた。
ラ・ヴァリエール公爵:
原作によると魔法の系統は火以外の何かであるが、本作では水のスクウェア。
ファースト・ネームはレオン。ただしごく限られた人間(マリアンヌ太后など)しかその名では呼ばない。
使い魔はハルケギニア最大級の飛竜、オーディン。ただし大きいがスピードは速くない。
カリーヌ:
原作どおり。偏在による分身はワルドを超える7体。年齢は原作どおり50歳前後。
ワルド:
原作どおり。前作「女王陛下の下僕」では一部に矛盾した行動が見られるが、それは作者のミスである。
マチルダ:
原作どおり。現在はトリスタニアに潜伏中。
マリアンヌ太后:
原作どおりアンリエッタの母。
ラ・ヴァリエール公爵とは幼馴染。血縁関係は未定。年齢は40歳前後?
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~独自設定について~
粒理論:
始祖の祈祷書に記載されている『この世のすべての物質は小さな粒より為る』という一文が、伝説として一部貴族の間に流布している物のこと。
四系統魔法:
パワーバランス、およびサイトの存在価値を明確にするために、このSSにおける四系統魔法は以下の図のようにな関係になっています。
┌火┐
土 風
└水┘
火と水は対立関係にあり、土と風も対立関係にあります。対立関係にある魔法を習得することは非常に困難であるため、スクウェア・クラスで無い限り習得できません。
一方で対立関係に無い系統は比較的容易に習得できるため、たとえば火のラインならば火と風もしくは火と土を習得します。
また、火のトライアングルならば火、土、風を習得しますが、土と風は対立関係にあるため、たいていの場合はどちらかに偏りが出ます。両方を完璧に操れるトライアングルは多くはありません。その差によって、同じトライアングルでもレベルに違いが出ます。
例えばタバサは風のトライアングルですから、風、火、水を習得しています。一応3つの系統すべてを完璧に近く操れます。しかし土はタバサ本来の系統である風と対立するため、習得は非常に困難となっています。もちろん習得に成功すればスクウェアとなります。
鉄の錬金:
金の錬金はスクウェア以上、鉄の錬金はライン以上でなければ不可能となっています。
他の物質もメイジのレベルによって可能だったり不可能だったりしますが、これは単純に原子番号によって決まるとは思わないでください。
ギーシュは本来ドットなので銅の錬金しか出来ませんが、粒理論を習得したことにより、こと錬金に関する限りラインと同等の力を発揮できるようになっています。