【伝説の海賊、ゴールド・ロジャー処刑台へ!!】
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3日後、ローグタウンの処刑台で公開処刑になる。
そろそろ、スモーカー少年を探したほうがいいかもしれない。
モクモクの実はかなり使える能力だろう。
・・・逃走用にな。
第二話 大海賊時代の始まり Start in Ocean thief Age!
ローグタウン。知識の上では、海賊王が処刑された町。
これから、ゴール・D・ロジャーが処刑される町。
さて、最前列を確保しておこうかね。
原作のスモーカーは、海賊王が死ぬ寸前に笑ったことを知っていた。
多分、比較的前のほうにいるだろう。望遠鏡の類を使ってたら意味も無いがな。
3日分の食料と、暇つぶし用の何冊かの本。
それだけを持って、広場の前のほうへ向かう。
既に最前列は埋まっていた。その後ろの列ももう埋まりそうだ。
さすがにミーハーが多い。俺が言えたことじゃないがな。
「おぅ、あんちゃん!アンタも伝説の海賊の処刑を見にきたのかい?」
「まぁな。多分、時代の節目になるだろう。それだけの出来事だ」
「節目って・・・あぁ、確かに。海賊王が処刑されたら海賊も減るだろうしな!」
逆だ。先を知っている俺にしかわからないが、これからは大海賊時代に入る。
時代の節目うんぬんはパクリだが、間違いではない。
まだ話しかけてくる男を無視して、1冊目の本を読み始めた。
-3日後
周囲は静まり返っている。
かの海賊王が処刑台に上ったからだ。
「これより!海賊、ゴールド・ロジャーの公開処刑を執り行う!」
「海軍本部の名の下に、罪人に最後の発言を許可する!」
さすがに威圧感が凄い。ロジャーの威圧感か、場の異様さから生まれる威圧感かはわからない。
-目が合った。
勘違いかもしれないが、視線が交わった瞬間、笑った。
その次の瞬間だ。静かに口を開いて、言葉を発した。
おれの財宝か?
欲しけりゃくれてやるぜ・・・
探してみろ
この世の全てをそこに置いてきた
ザンッ・・・!!
-沈黙が辺りを包む。
始めに声を上げたのは誰だっただろうか?
わからない。
雄叫びは広場全てに伝わっていき、人々の心を震わせる。
それは、これから世界に広がる火。
そう語られたのもわかる気がする。
少なくとも自分は、それを感じ取れた。
物語の序章は幕を閉じた。
ここからは原作までは時間がありすぎる。
足りない力を補うための術を求めよう。
広場で、ぼーっとする。
悪魔の実と海軍。シャンクスにバギー。ちょっとしか見ていないが、レイリー。
それだけの情報があっても、どこか現実感に欠けていた。
ここが別世界なのも、常識が違うのも、認識が変わったことさえも、把握した気になっていた。
人の死。前の世界では触れることさえ無かった事を前にし、ようやくこれが現実だと知る。
「オイ」
既に広場には人はいない。
それもそうだろう。何せ6時間以上経過している。
空耳だ。アニメで聞いたような声なんて聞こえない。
「オイ!そこのやさ男!!」
振り返る。1人、少年がいた。
スタスタと近寄ってきたので片手で頭を握る。
「ん?空耳が聞こえたなァ、だ・れ・が!ヤサオトコだって、坊主よ」
「いたたたた!?痛ェ!離しやがれ!!」
昔から言われ続けた悪口を聞いて、陰鬱な気持ちは頭の隅へ。
目の前の小生意気な子供の頭を握りつぶすことに全力をそそぐ。
数秒もしないうちに払われてしまった。なんてガキだ。
「お前、処刑のときにもいたな。ここで何してた」
「教える気は無い。礼儀を知れ、礼儀を」
12,13あたりだろうか。
怒りで顔を見ていなかったが、こいつはどう見てもスモーカー(小)だ。
触った時点で能力が確認できなかった。どうやらまだ能力者ではないらしい。
「チッ、それはどうでもいい。海賊王の関係者か?テメェ、目を合わせてただろう」
「関係者じゃねーよ。船員と知り合いなだけだ」
「・・・俺の家に来い。事情を話してもらう」
「やなこった。話してやる理由も無いね」
能力者じゃないスモーカーに用は無い。
できれば手ごわくなる前に能力だけ回収しておこうと思ったが、無駄足だったか。
・・・立ち去ろうとしたが、スモーカーが服をガッシリ掴んで離さない。
「・・・少年、名前は?」
「スモーカーだ。さぁ、こっちへ来い!」
結局、あの後スモーカー少年の家に引っ張りこまれた。
どうせ一緒に酒を飲んだだけだ。話してやっても問題ないだろ。
「酒飲んで冒険談聞かせてもらった。それだけの関係だ。俺海賊じゃないし」
「本当か?本当だったら海軍へ行けるだろう」
「行く必要も無い。電伝虫で連絡をとってやろう。確か入り口に飼ってたよな?」
唖然としているのをほっといて、さっさと連絡しよう。疑われるの疲れるし。
-あー中佐、中佐。こちらペタペタです。どうぞー。
-こちらグリーズ中佐。何か用か?
-いや、海賊じゃないかと疑われてるんで、ちょっと弁明してくれ。
-ハァ?同胞にでも捕まったか?
-いえ、海軍希望らしき少年に。ちなみに今ローグタウンにいる。
-あっはっはっは!オイ、聞けよお前等!ペタペタが海軍希望のガキに捕まってるそうだ!
あ、ちょ、あの馬鹿何広めてるんだ!
電伝虫越しに大爆笑しているのが聞こえる。コノヤロウ。
-あー。さっさと違うと言ってくれ。視線が痛いんだ。
-ぷくくく・・・あー、電伝虫越しですまないね。少年。私はグリーズという。階級は中佐だ。
その男は間違いなく海賊じゃないよ。何せ我が町自慢の海賊狩りだからな!
「海賊狩り・・・?お前海賊狩りだったのか!?」
「ノーコメント」
-あー、中佐。ありがとう。帰ったら覚えてろよ。固めてやっかんな
素敵に最悪なことをバラしてくれた野郎はどうでもいい。受話器を叩きつけるようにして切った。
問題は、剣呑な視線を向けてくるこの少年だろう。
「オイ」
「何だ、スモーカー少年」
「俺に戦い方を教えろ」
「無理」
どうやら、本当に海軍を目指しているようだ。
身体こそしっかりと鍛えられているものの、戦う術はまだ無いってとこか。
何故かと追求されたが、能力者だということを明かしてさっさと諦めてもらった。
その代わり、明日から道場を探すのを手伝うことになってしまった。
俺に利益が無いことを訴えたが、無視された。
「お前も一緒に鍛えるぞ。能力に頼ってるようじゃ半人前だ」
・・・このやろー。
結局、一緒に通うことになった。
スモーカーが選んだ道場は何故か、<棒術・十手術教えます>
などという変な道場だったが。
まぁ、食事と住居は提供してくれるらしいからな
暫くは海賊狩り止めてゆっくりしよう。
思えば、この世界にきてからまともにまったりした記憶が無い。
いい機会だろう。
「オラァ!そこの腰抜けェ!!もっとシャンとしやがれ!!」
・・・予想外だったのが、師範が異常に厳しかったということだけだ。
2年で実戦レベルまで叩き込まれるなんて、このときは思いもよらなかった。
「よし、皆伝をやろう」
「腐ってくたばれ爺。この恨みは忘れねぇぞ」
「カァッ!!」
振り下ろされた十手を手に持った昆で防ぐ。
「ふん、成長したの。あのへっぴり腰が嘘のようじゃ」
「黙れ爺。しごくときに性格が変わるから弟子もいねーんだ」
「ふん、目の前にいるじゃろーが、1人」
俺は皆伝をした。スモーカーはまだだ。
身体が成長しきってないので、まだ無理には教え込めないのだそうだ。
「うっし、じゃあもう行くわ。2年間ありがとな」
「鍛えたくなったらいつでもくるがいい。門戸は開けておくからの」
「ハッ、アンタが生きてたらな」
それだけ言って、俺は家に向けて歩き出した。
「おーい、少年。俺は出て行くぞー」
バタバタと階段を下りる音。居間のドアが乱暴に開かれた。
「どういう意味だ!」
「そのまんま。そろそろあの町に帰らなきゃならんのでな。後はじーさんに鍛えてもらえ」
「・・・・・・」
「また来るさ。生きてたらな」
「あぁ・・・」
始めから長いことはいれないと言っておいた。別に急なわけでもない。
そっぽを向いて送り出すスモーカーに対して苦笑。
「みやげでも持ってきてやるか、世界の珍獣図鑑にしよう」
嫌がらせになるか。
まぁ、14ならまだ心は少年だろう。
次に来るのがいつになるかは知らないがな。
そのころには海軍に入ってるかもしれない。
ま、あいつなら平気だろう。何せ未来の白猟のスモーカーなんだから。
ども、作者です。
一発キャラだったハズのグリーズさんは何故か出張ってきました。仕様なんです。
スモーカー少年の同門になってしまった主人公。
海軍での通り名は「ペタペタ」です。接着剤そのまま。
本人も嫌ってはいない様子。
ロジャーと目を合わせて笑われたのは「最後に変な奴を見れた」って感じです。
さて、返信をば
>ザクロ様
かつての悪魔君の記憶があるので、人間に対しては平然としている様子です。内心は汗ダラダラですが。
原作にはもう何話かしたら入る(と思う)ので暫くお待ちをーです。
>うぃる様
トリップキャラらしきグリーズ中佐は、13で飛ばされて海兵さんに拾われています。
そこから訓練をして現在中佐になりました。肉弾戦は強くないですが、指揮能力が高いためにこの階位に
ってな感じな設定。原作知識はありません。白人設定です。
原作でもコビーが海軍に拾われてますので、地方の基地の規律はそこまで厳しくないだろうとの捏造設定です。
・・・でも、アーロンパーク編のネズミが大佐なんですよ?そこを踏まえたら・・・うーん・・・
フィ、フィクションですから・・・この作品だけの・・・(だんだん小声に
>松闇様
どうも、はじめましてです。
ガヴィ・・・というか多分グリーズですね。
海兵2人の会話の後だと思いますが、あの部分に「Side_グリーズ」と入れても、短いので視点の変更は入れないことにしました。
わかりにくかったとしたら申し訳ないです^^;実力不足でした。
>ニッコウ様
回収しても、能力重複がバレるのを防ぐために主人公は自粛しています。
能力コピー!→相手がビックリ!→能力VS能力などという展開は・・・多分無いです。
期待してたら申し訳ない^^;
でも能力者涙目ですw
>風鈴華残様
回収系です。ルフィに付いていかせるのはどの辺りからかは迷い中です。
フワフワの力は次の話かその次の話で多分また解説します、よ?うん。(挙動不審
陥落、ご指摘ありがとうございます。修正しました。
>コーラ大好き様
私は嘘つきみっちゃ(ry
ごほんごほん、応援ありがとうございます、がんばります!(多分!