『さぁみなさん本日注目の一戦!!なんとここ200階で最強の死神として有名なヒソカ選手推薦の選手が2人揃って登場です!!
ここまでお互いが負けなしという大変すばらしい成績で勝ち上がってきましたがここ200階で二人の初対決です。
いったいどちらが強いのかそしてヒソカ選手の推薦を受ける実力はどのくらいのものなのか注目しましょう!!』
ワーワーと試合会場のすごい歓声がモニターごしに聞こえている。
アナウンスとともに俺とポンズの紹介VTRがオーロラビジョンに流されていた。
いつのまに撮っててん、ポンズかわいいやんけ!!
ポンズのVTR欲しいなぁ……って販売するんかい!!
買うよ予約いるなら予約するよ、どこで売ってんねん!!
アナウンスで今流れたVTRを200階のオフィシャルショップにて1,980ジェニーで販売すると言っている。
俺は待合室のすぐ横で待機しているスタッフに買いに行ってもらった。
釣りはいらねぇよと1万ジェニーを渡した。
人生の中で言ってみたかった言葉ベスト10入りをしている言葉が言えたのでちょっとうれしい。
買いに行ったスタッフが戻ってきた…あとでポンズにサインもらおっと!!
俺はDVDを鞄の中に大事にしまい出番なので試合会場を目指し控え室を後にした。
『さあシュウ選手に引き続きポンズ選手が入場してまいりました。
200階ではめずらしい女性ということもあってか、一試合も行っていないのにファンクラブが出来ているという情報も入っています。
お~っと客席で横断幕が掲げられました!!
それとともにポンズ選手に声援そしてシュウ選手にはブーイングとシュウ選手は完全にアウェー状態です!!』
ファンクラブか…もちろん俺の会員ナンバー一桁です!!
てか俺の応援は!?ここまでアウェーってなかなかないよ?ポンズは客席の方に手を振りファンサービスを行いながらリングまでやってきました。
アナウンスの人がギャンブルスイッチを押してくれと言い集計が始まった。
少しするとオーロラビジョンに倍率が表示された。
1.5対2.5でポンズが優勢でした…空気読めってか?読むかバカ野郎!!
「ポンズ対シュウ 始め!!」
開始の合図とともにポンズは纏を行った。
以前と比べて大分発動までの時間も短縮されたし維持もできるようになっている。
俺もポンズにあわせて纏を行いそのままポンズとの距離をつめ攻撃を仕掛けた。
拳や蹴りが交差するもののお互いそれだけでは決定打にならない。
ポンズの表情もいつもの修行の時と一緒で真剣なことは真剣だが必死さがたりない……相手の能力はなにか?系統は?弱点は?それを探っているようにも見えないし殺されないと分かっているので安心しきっているのだろう凝もやっていない始末だ。
これじゃあ試合の旨みがないし……これはやりたくなかったんだけどなぁ。
俺はバックステップで5歩ほど後ろへ下がりバックステップ中に懐からダーツの矢を出しオーラをこめ距離をとったことを確認するとダーツの矢をポンズの肩にかする程度を狙い投げた。
ポンズには難なくかわされてしまったが、ダーツの矢は大きな音を立て客席の下にある壁に陥没した。
SIDE ポンズ
バン!
アナウンスでシュウの放ったダーツの矢が客席の下の壁に陥没したらしいと聞こえる。
私は念での戦闘を行ったことがない。
だけど初めての戦闘相手がシュウだったので緊張しないですんだし殺される心配もない上に洗礼なんてものも受けずにすむと高をくくっていた。
だが今の矢は完全に私を殺す気で投げられていた。
私はどうしてという表情でシュウを見たらシュウは今まで見たことのないような冷たい表情でこちらを見ていた。
「修行だって言ったのが間違いだったな…。ポンズ、俺はこの試合でお前を殺す気で試合する。死にたくなかったら俺を倒せ!」
言葉とともに矢が足元に飛んでくる。
私は一歩下がりそれを避けた…ダンダンという音とともに今度はリングが矢を中心に1mほど陥没した。
私は体制を建て直しつつ頭の中でパニックになりそうな自分を必死に押さえシュウの動きに注目しどうすれば倒せるか頭を回転させる。
シュウは放出系能力者で私より経験のある能力者で多分私より強い……どうすれば勝てる、どうすれば負けないの。
シュウから飛んでくる矢を必死に避ける。
シュウが矢を投げつつ敵意をもってオーラをぶつけてきているのが分かる。
肌にぴりぴりとした何かを感じるし足や腕が震えそうになる。
私は中距離~遠距離では分が悪いと思い近接戦闘を仕掛けることにする。
矢を一本二本と頬次に右わき腹と掠めたがそのままシュウに向かっていき、オーラを通わせた右腕でシュウの顔面に一発入れてやった……と思った瞬間自分の右拳に痛みを感じた。
まるでコンクリートを素手で殴った感触だった。
凝?…シュウを殴った場所にオーラが集中していた……違う確かこれは、そう流だ。
動きが止まってしまった所にシュウからお腹に向かって矢が一本投げられた。
オーラを集めて防御するものの目の前が真っ白になった。
体が浮いたのでまずいと思った次の瞬間に、頭上から衝撃を受けリングに叩きつけられた。
「クリーンヒット&ダウン 3ポイント」
「とっさに防御したのは褒めるけど密度がたりなかったな。今のポンズのオーラの密度なら俺は簡単に突き破るぞ。
…そういえば発も使って欲しいとか言ってたけどこのままなら使わなくても殺せそうだな。」
シュウは私を見下ろしながらそういった。
そういえばそんなことも言っていた覚えがある。
あの時の笑い会っていた時間に戻りたいなどと不可能なことを考えたがそんな考えは今必要ない。
今のシュウははっきり言ってかなり怖い。
いつも一緒に行動していたけどこんな表情や戦いをするところなんて見たこともなかったしここまで強いと思わなかった。
どこか姉というポジションに立っていてシュウに対して色々なフィルターをつけて見てしまっていたようだ。
立ち上がり少し距離をとった。
オーラの密度が足りずシュウの攻撃はダメージを受けてしまうし攻撃にいたってはシュウのオーラを突き破れない…どうすればいい。
シュウからの足元への攻撃を避けつつ私はさっきから頭に引っかかっているシュウの言葉を思い出す。
密度、そうたりないなら増やせばいい。
密度が上がる練で対抗すればいいのだが、私が全身を練で纏う時間をシュウが待っていてくれるはずもないし……。
「さっきから俺が足元に向かって投げているのがわかっているみたいだけど疑わずに放置していてもいいのか?」
私ははっとして凝を行ったが何もなかった。
シュウから、あ~あ無駄なオーラを使って、少ないオーラは考えて使わなきゃと言われた。
くやしい!口に手を当てて笑い私を煽っている。
けど発を使ってくるかもしれない相手に凝をしてないのはまずかったわ…凝か、目にオーラを集めて隠を見破る応用技。
手などにも集めることができそれを流とよぶ。
私も試したけどあれだけゆっくりなら攻撃に使えないし…まてよ、もしかしてそれ以外にも!!
私はあることを思いつき感触を確かめ…いけると感じた。
これならあのダーツを防御しつつオーラの消費もそれなりに抑えられるわ!!
「なにか思いついた顔だな。」
「さぁどうかしら、試してみれば?」
じゃあ遠慮なくとシュウは矢を投げつけてきた。
私はそれを手で受け止める…できた。
私は攻撃が当たる瞬間に手の平のみ練を行い、矢を防御することに成功した。
お腹のみや背中のみなど色々なところでも出来そうだ。
私はシュウに対しての防御手段を手に入れた。
さあシュウ試合はこれからよ!