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[9406] [ランスシリーズ外伝SS集  魔物隊長編 巫女機関編
Name: zanetta◆aeb0b303 ID:b54b8d91
Date: 2009/09/23 23:19
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zanettaです。
[三界†無双~人間記、闇エルフ演義、魔族伝~]のPRも兼ねて、始めてのランス系のSSを書きました。(他ならチマチマと)
と言いますか「多重クロスじゃないから感想もらえるかも」と言う切実な願いもあります。(涙)
このSSの発端はとある数が「10(ランスⅥ)-7(ランスⅥ)=3(戦国ランス)じゃないのかな?」と気づいた事から思い描きました。
そんな長くは続きませんが(3話ぐらい)、宜しくお願いします。

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※2009/09/23

どーも、zanettaです。
唐突にネタを思いつき、シルバーウィーク中にSSを一本書いてしまいましたー。
続くかどうかは・・・・・・まあ、皆さんの感想があるかどうかを見てから、判断しています(汗)
今回は「巫女機関」がテーマでーす。

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ひとつの大陸がある

何もない空間に浮かんでいる

これを作ったのは、巨大な意思の集合体であるクジラ

まるいもの、ドラゴン、モンスター・・・・

何百、何千年に渡りこの大陸の上で多様な生命体が生まれ、また滅びていった

今この大陸では、西側の魔物と、東側の人類が覇権を争っている



魔王暦LP0004年、人類側の大陸情勢は以下の通り



大陸極東部に位置する人類の小国、JAPAN
神より与えられし称号・帝によって治められるこの大地は、帝不在の今、第4次戦国時代の大乱世。


大陸東南部に位置する人類の諸国、自由都市郡
地理的に魔物の直接攻撃を受ける事がない。
多数の都市が乱立し、それぞれが独立した国家として機能している。


大陸東北部に位置する人類の豊穣大国、リーザス王国
自由都市郡と同じく、地理的に魔物の直接攻撃を受ける事が無く、また肥沃な土地を多く持つ非常に豊かな国で、国民の生活レベルも高い。
ヘルマン帝国とは長きに渡って争い続けている。


大陸中北部に位置する人類の軍事大国、ヘルマン帝国
鉱物資源が豊富だが、寒冷な気候のため土地も痩せており食糧事情が悪い。
大陸西側からの魔物の侵入に晒され続け、労力・資源を振り向けねばならない状態にある。
その為、肥沃な土地を多く持つリーザス王国に対し度々侵攻を試みているが、巨大なバラオ山脈に遮られ未だ成功していない。


大陸中南部に位置する人類の魔法大国、ゼス王国
魔法絶対至上主義国で、この国での地位や権力は個人の魔法力により決定され、発達した魔法文化により魔法を使える者の生活レベルは極めて高いが、魔法を使えない者は奴隷扱いされている。
大陸西側からの魔物の侵入に晒され続け、労力・資源を振り向けねばならない状態にある。



魔王暦LP0004年、魔物側の大陸情勢は以下の通り



大陸西北部に位置する魔人・魔物の一大派閥、ホーネット派
北部の魔王城を拠点に「人類の領土へは不可侵」と言う世界情勢を貫こうとする穏健派。


大陸西南部に位置する魔人・魔物の一大派閥、ケイブリス派
南部のケイブリス城を拠点に、人類に侵攻し、世界を完全征服しようとする強硬派。




この物語は、大陸西南部に位置する魔人・魔物の一大派閥ケイブリス派の所属する魔物隊長の、汗と涙と感動物語であ・・・・・・・・ったら良いなー、と言う話である。







[ランスシリーズ外伝SS   コノ魔物隊長ハ、南アフリカニテ散ル運命ニアル]




やあ、始めまして。
私は魔人四天王最強であられる魔人ケイブリス様直属の師団に属する、魔物隊長のアコンカグヤである。
今私は、広さは四畳半程で、鈍く輝く黒石でのみ構成された石室に居る。
ココは、人間領に最も近い拠点にの1つ、「引き裂きの森」と呼ばれる拠点に新しく設置された砦の中だ。
人間領に近い、と言う訳で当然人間領に攻めるための砦だ。
防衛能力自体は皆無であり、戦では余り役には立たない砦だが、何かと物資を貯蓄するのに使われる場所だ。
まあ、戦において砦の活用方法は、物資の置き場所と防衛戦ぐらいなもの。
下等生物である人間共がこんな場所まで攻めてこれるはずも無い。
さて、私は今、次の戦のための準備をしている。
ココで準備をするのだから、当然攻めるのは人間共の世界だ。
連中は「マジノライン」なる長い壁で我らの攻撃を防いでいる。
だが、今回はそれすらも破る予定だ。
我らはこの戦で雪崩れの如く人間共を駆逐するのだ!。
・・・。
・・・。
・・・。
と、私もココに来る前までは考えてはいたのだが・・・・・・・。





カチカチカチ、と私は電卓を押す。
電卓に表示された数値は、予想より下回った。

「足りん。やはりこの班の物資をココに。えーと、功績があった部隊に賞与も兼ねて・・・」

カリカリ、と机の上に置かれたメモ帳に記す。
カチカチカチ、と私は電卓を押す。
電卓に表示された数値は、予想より下回った。

「まだ足りん。ココの予算を回して・・・そうして・・・・・・うーむ、足りん」

唸りながら、何度も電卓を押し続ける。
決して潤沢とは言えない財政を取り仕切る者として、コレは必要なスキルだ。
しかし、それにしても・・・。

「足りん。プルーペットがもう少し値切ってくれれば・・・・・・いや、無理か」

我らの領内には、広大な森が広がっている箇所がある。
最南端部分は、西の「青の家」から始まり、魔人四天王のカミーラ様の城を越え、今現在私が居る東の「引き裂きの森」まで続く。
この最南端部分からゆっくり真北へ上っていくと、「骨の森」、そして魔人四天王のケッセルリンク様の城がある。
さらに北へ行くと、魔の森があり、西は最大戦闘地区「カスケード・バウ」、東はカラーとか言う種族の森がある。
さらにさらに北へ行くと、魔王城手前の「硫黄の森」へ出る。
この広大な森から、我が領内に生息する魔物達の8割が生まれ、生活している。
今度攻める場所は、この広大な森に匹敵する領土を誇る人間の国なのだ。
人間共は「ゼス」と呼んでいるらしいが。
とにかく、広いのだ。

「足りん、どうする? 本当に現地調達で賄えるのか?」

どうにも我が軍は現地調達に頼りすぎている気がする。
確かに敵拠点にはかなりの物資があり、電撃戦により敵領内の西側地域全域を制圧出来る見込みだ。
だが、如何せん侵攻箇所が広すぎる。
必然的に戦力が広大な領土に分散されてしまう。
・・・まあ、人員を現地調達出来るのが我らの強みでもあるが。

「統制が期待出来ない以上、騙し騙しか・・・・・・仕方ない、護衛隊の補給分を減らすか」

腕組みしながらそう嘆いた私。
しかし・・・。

「それはイカンぞ、アコンカグヤ」
「!?」

慌てて振り返る。
そこに居たのは、私の両肩より、さらに広い横幅の黄金の鎧を身に纏い、左肩の肩当の部分に黒い鉄球を装備し、巨大な緑色の球体によって腹の大部分を覆われている御方。
何時の間にかこの部屋に入られたのであろう、人間界制圧軍第3師団司令官、イスン将軍閣下である。

「こ、これはイスン将軍閣下!」

要するに、私の上司である。
私は慌てて立ち上がり、敬礼を取る。
イスン将軍閣下は、スッ、と腕をあげ「楽にせよ」と仰ったが、私の心は縮こまるばかりだ。
先程の発言を踏まえれば尚更である。

「それよりも、我が直属の護衛隊の支援を減らすのは感心せんな?」
「も、申し訳ありません!」

私の肩書きは、人間界制圧軍第3師団第1後方支援連隊隊長。
人間側からすれば、通称「魔物隊長」と呼ばれる存在である。
平均値の話になるが、魔物将軍閣下の方々は、我ら魔物隊長を100体程指揮出来る。
我ら、魔物隊長は200匹程の兵をを統率する。
単純計算で、魔物将軍閣下御1人で合計約2万の大軍勢(師団)になる。
しかし、以下に魔物将軍閣下と言えど、魔物隊長100体全部に同時に的確な命令を伝えられる訳ではない。
結果、魔物隊長同士でも役割分担が出来る。
例を挙げれば・・・、

敵軍と真っ向から戦う戦闘部隊を指揮する魔物隊長。
敵軍と戦う戦闘部隊を補佐或いは陽動を担う部隊を指揮する魔物隊長。
敵軍への奇襲・夜襲を専門とする特殊部隊を指揮する魔物隊長。
敵軍の情報を集める偵察部隊を指揮する魔物隊長。
敵拠点の制圧後に管理・拠点防衛を勤める部隊を指揮する魔物隊長。
補給・後方支援を専門に扱う部隊を指揮する魔物隊長。
魔物将軍閣下直属の護衛隊を指揮する魔物隊長。
 
と、挙げたら切がないが、分かれる。
また、今挙げた役割の中でも「纏め役」と言う者が居る。
先程も言ったが、魔物将軍閣下御1人に魔物隊長が100体居る。
自然と、1軍の「纏め役の魔物隊長」の数は、「10体前後の魔物隊長の内の1体」となった。
そして私は、補給・後方支援を専門に扱う部隊を指揮する魔物隊長達の「纏め役」だった。
まあ、実際は裏話と言うか、迷惑染みた現実と言うか、私が補給・後方支援を専門の「纏め役」なのは、とある技能があるのが原因なのだ。
私は、「商人LV1」と言う有難迷惑なスキルを持っているのだ。
商人、すなわち商売をする能力なのだが、なにも物の売買・流通だけに活かされる訳ではない。
魔物隊長として。
補給・後方支援を専門とする部隊の長として。
財政を取り仕切るものとして。
要するに、物資の計算と管理能力である。
いかに強大かつ絶大な我が軍とは言え、物資がなければ戦争は出来ない。
それは、魔人ホーネット派との戦いでも判っている事だ。
未だに続く、カスケード・バウ攻防戦。
城に引き篭もる魔人ホーネット派の魔軍を攻め続ける、我ら魔人ケイブルス派の魔軍は、決まって後方撹乱・・・・・・すなわち補給路の攻撃が行われる。
結果、食糧・武器不足に陥り、撤退するしかなくなる。
そのため、どうしても管理する魔物隊長が必要になってくるのだが、そこで私に白羽の矢がたったわけだ。
・・・女の子モンスターのバトルノートとかでも良い気がするのだが。
さて、そんな私が補給を減らそうと目を付けたのは、イスン将軍閣下直属の護衛隊だった。

「魔人ホーネット派との戦いの激化により、補給線がいくつか潰され、今回の作戦に支障があるのは理解している」
「は、はい」

イスン将軍閣下は演説するかのように私に言い聞かせる。

「だが、だからと言って私の身辺を護る護衛隊の補給を遅らせるのは感心せんな。それとも、私の身が危うくなっても良いとな?」
「い、いえ決してそのような事はッ!」

黄金の兜の隙間から見える、イスン将軍閣下の赤い鋭い目に、ますます私の心は縮こまるばかりだ。
だが、私個人としては物資は優先的に最前線に送り込みたいのだ。
魔物将軍であられるイスン将軍閣下が直接戦闘をする可能性は低く、なおかつ今度の作戦は奇襲による電撃戦。
直接戦闘の無い、イスン将軍閣下直属の護衛部隊への物資の補給は、現地で済ませるのならそうしたい。
しかし、御本人を目の前にそんな事を言ったら・・・・・・殺される。
我が軍は、上司の気持ち1つで命が終わる事など日常茶飯事なのだ。
故に、私は言葉を早く紡ぎ出す。

「ど、どのような事態であっても! ゆ、優先的にイスン将軍閣下直属の護衛隊に補給をお送りします! い、今の発言は、ど、どうか無かった事に!」

バッ、と風を切る音がするほどの速さで腰を折る私。
頭では、強欲商人プルーペットとどう取引するかを高速演算しているが。

「そうかそうか。まあ、判れば良い。安心せよ。私は貴様の大変な立場も理解している」

イスン将軍閣下はそう言うと、背を向けて部屋を出て行こうとする。
だが、出て行く寸前に・・・。

「おおそうだ。肝心な事を忘れていた」
「・・・」

私は顔を上げる。
次の言葉は既に予測済みだ。

「明日の出陣前の宴の準備ですね? 酒と女の準備は万端に御座います」

そうなのだ。
イスン将軍閣下が直々に来る理由など、それしかない。
こう言った自分の権威を示せる場こそ率先して動く。
上に立つ者としては及第点だろう。

「そうか。明日はベプチョとウィスピンが来るからな。しっかりと頼んだぞ?」

人間界制圧軍第4師団司令官、ベプチョ将軍閣下。
人間界制圧軍第8師団司令官、ウィスピン将軍閣下。
イスン将軍閣下と同郷らしく大変に仲が良ろしいのだ。
魔人ホーネット派の拠点であるカスケード・バウ攻防戦を何度も共にしている。
そして、その時の出陣前の宴の準備や、補給・後方支援も担当しているのが私だったりする。
故に、好みの把握も万全だ。
イスン将軍閣下は、補佐官のバトルノートのお酌程度で良し。(ちなみに、軍内部では普通の魔物隊長よりバトルノートの方が優遇されやすい・・・女の子モンスターだし)
ベプチョ将軍閣下は、メイドさんに「ご主人様~? お注ぎいたします~・・・・・きゃあ! ゴメンなさい! 粗相を! あ、お許しを・・・」みたいな展開が好みだ。
ウィスピン将軍閣下は、フローズンお手製の氷で割った酒を片手に、フローズンに「どうぞ、私のお膝をお使い下さい」と言われて寝っ転がる御方だ。

「はッ! お任せ下さい!」

私は、面倒臭そうなバトルノートに土下座し、苛めて属性持ちのメイドさんに必死にお願いし、ショタ好きフローズンに魔人パイアール様の写真で買収した事を思い出しながら、イスン将軍閣下に伝えたのだった。



(次回に続く)





アコンカグヤ(設定は妄想と戦国から)
 
登場作品:戦国
種族:魔物
性別:男
年齢:(推定)20歳ぐらい?
才能限界Lv:22/57
技能:剣戦闘LV1、戦術LV1、商人LV1
身長:(推定)200cm以上(鎧込みで、ランスⅥのパットンと同じくらい?)
体重:(推定)110kg以上(鎧込みで、ランスⅥのパットンと同じくらい?)
職業(役職名):魔人ケイブリス派所属の魔物隊長
LP0003年:ケイブリス親衛隊第2軍団第3後方支援大隊隊長
LP0004年:人間界制圧軍第3師団第1後方支援連隊隊長
LP0005年:魔軍南アフリカ方面隊司令官
特技:物資の計算と管理
趣味:迷宮探索

勝手な設定:
武闘派ばかりの魔物隊長系にしては珍しい「商人」の技能(計算が上手)を持つ。
そのため、魔軍の組織運用に必要でありながら、誰もやりたがらない物資の補給関連事項をかなり任される(半ば押し付け)。
典型的な苦労派中間管理職になってしまった男。
しかし、何気に後方支援系で出世している男。
また、知能が低い魔物が多数居る魔軍内において、強欲商人プルーペットと対等な取引が出来る希少な存在のため、魔物将軍達からは重宝される。
常に魔物隊長の剣(グレートソード、またの名を『黒剣』)と共に、電卓とメモ帳を持ち歩く生活。
なお、迷宮にて育った経歴があり、迷宮戦など狭い場所での戦いが得意(迷宮戦上手)だったりするが、今まで役に立った事は無く、単なる趣味になっている。
JAPANでは、どこをどう間違ったのか、南アフリカの最奥の拠点の司令官となり、5000の兵を引き連れて戦う事になる。
ちなみに、名前の元ネタは「南アメリカ大陸最高峰のアコンカグア山」、或いは「1986年に公開された広大な宇宙での戦争物語、ガルフォースに出てくる巨大戦艦の名前」・・・・・・らしい?。




~注釈メモ~

●技能レベル(公式ホームページより)
Lv1・・・ほぅ、やるもんだ、と感心される。
Lv2・・・驚嘆の声が上がる。匠の技。
Lv3・・・滅多にお目にかかれない伝説級



●才能限界Lv(公式ホームページより)
Lv10前後・・・一般市民
Lv20近く・・・学年に1人いるかいないかくらいの天才
Lv20以上・・・1000人に1人
Lv30以上・・・10000人に1人
Lv40以上・・・10万人に1人
それ以上・・・基本的に人間(同種族内)以上



●アコンカグア(Aconcagua)(ウィキペディア(Wikipedia)より)
次元3E2(地球)のアルゼンチン共和国のアンデス山脈にある南米最高峰の山。
標高は6.962m。
死火山であるが、火口、噴火歴はない。










[番外編 コノ魔物将軍ハ、カイロニテ散ル運命ニアル]



私は、魔人ケイブリス様直属の親衛隊第2軍団の司令官、魔物将軍イスンである。

「ウオオオオオオオオオーーーーーーーーーーーーーー・・・・・・・」

「絶望」した者が出す「絶叫」とでも言うべきか。
私はしばし、足を止めてしまう。
この地は、魔王様に選ばれし魔人様の住まう城。
私が居る場所は、城の中心である玉座の間に面する中央廊下。
主の意向により、玉座と廊下の間には扉が無いため、主が玉座に座っていた場合は丸見えの位置だった。

「・・・」

私は、足を止めたまま主を見る。
己が所業の後悔。
過去の自分への無念。
抗う術を見つけられない愚考。
全ての状況が、我が主を苦しめていると言う事に、私は・・・・・





・・・・・・・・それほど哀れみは覚えなかったりする。
つーか、自業自得だし。

「ぐスッ! ひック! ガ、ガガ、ガミーラざーーーん、ごべんなざぁーーーい・・・・・・」
「・・・」

目の前の主の直属師団の魔物将軍として、己の肉体はそれなりに巨体だが、目線の先に居る主に比べれば、なんと小さい事か。
その自分より数倍大きい巨体(身長595cm、体重1010kg)の主が丸まりながら泣いている事実は、何と言うアホらしさか。
まあ、そんな事は口は避けても言えない。
我が軍は、上司の気持ち1つで命が終わる事など日常茶飯事なのだ。
魔王様が居ない今、実質最強と言われるのはこの御方。
魔人四天王最強であられる魔人ケイブリス様の前では、私の命などその辺を飛んでいる虫となんら変わらない。

「・・・はぁ」

だが、思わず溜息が出る事ぐらいは容認して欲しい。
「人類不可侵政策」を謳う魔人ホーネット派との戦いも苛烈さを増している。
無尽蔵なストーンガーディアン軍団&強化合成キメラ軍団に何度泣かされた事か。
しかし、目の前の主にとって最も重要なのは、とある女性魔人である。

「ガガガガミーラざーーーん・・・・・・ガミーラざぁぁーん・・・・・ウォォォォォーーーーーーー・・・・・・・」
「・・・」

私は、魔人ケイブリス様直属の親衛隊第2軍団司令官、魔物将軍イスンである。
総勢約2万の大軍団を任される司令官である。
魔物兵に始まり、デカント、アイスデカント、ナマリダマ、オウゴンダマ、ストーン・ガーディアン、巨鉄ちゃん、そして魔物隊長等々を部下に持つ、栄誉ある軍人である。
だがそんな私でも、やはり上司(と言うか支配者)の機嫌が良くなるような行動を「努力」せざる得ない。

「・・・」

取り合えず、私は歩き出す。
主が喜びそうな物を用意するために・・・・・・・・・・・まあ、これ以上ココに居ると鬱憤で殺されかねないし。
だが、次に聞こえてきたセリフで私は即座に動かなければならなくなった。

「あ・・・そっか! 僕が怪我したカミーラさんを看護すれば良いんじゃないかな?」
「・・・」

私は走り出した。
とある友人に手紙・・・・・・は遅いので、連絡役を走らせるために。
このままでは私達の、特に私の命が危ない。


(次回に続かない)





イスン(設定は妄想と戦国から)

登場作品:戦国
種族:魔物
性別:男
年齢:(推定)20歳ぐらい?
才能限界Lv:30/35
技能:鉄球戦闘LV1、戦略LV1
身長:(推定)200cm以上(鎧込みで、ランスⅥのパットンと同じくらい?)
体重:(推定)110kg以上(鎧込みで、ランスⅥのパットンと同じくらい?)
職業(役職名):魔人ケイブリス派所属の魔物将軍
LP0003年:ケイブリス親衛隊第2軍団司令官
LP0004年:人間界制圧軍第3師団司令官
LP0005年:魔軍カイロ方面軍司令官
特技:魔軍団の指揮
趣味:アルコール度10%前後の酒を飲む事

勝手な設定:
魔人の命令に忠実な、典型的な魔物将軍。
適切な人員配置が可能であり、自ら軍を指揮又は鼓舞させる事も出来る。
魔物将軍の中では先陣を切るタイプであり、時には率先して単独戦闘もする。
魔人ホーネット派との戦闘(主にカスケード・バウ攻防戦)でも見事な采配で切り抜けているが、勝利には結びついていない。
敗戦の主な原因は、魔人ケイブリス派のトップの魔人達の連携が欠けている事だが、文句を言わずに従っている。
しかし、いい加減魔物同士の戦いを終わらせ、己の指揮能力を持って人間達を相手に、大規模殺戮をしたいと考えている。
JAPANでは、魔軍は東側への侵攻が主な目的になるので、カイロでのJAPAN東部方面侵攻部隊の司令官になる。
ちなみに、名前の元ネタは「李舜臣-イ・スンシン-(朝鮮の読み)」、文禄・慶長の役の時の朝鮮の王国の将軍・・・・・・らしい?。

セリフ(戦国)
「来たな、ランス!」
「勝手な事を・・・私の力をなめるな・・・!」(数分後に死亡)





[9406] [~ランス6~]
Name: zanetta◆aeb0b303 ID:b54b8d91
Date: 2009/06/14 17:16

魔王暦LP0004年。
遂に、我ら魔軍は人間領へと侵攻した。
強大にして絶大な支配者でありながら、人間の女を妻とした先代魔王ガイ。
そして、その魔王の死。
そうだ。
これこそが正しいのだ。
我ら魔物の使命は人間を駆逐し、奴隷として扱い、絶対的な支配者として君臨する事。
 
魔物の恐ろしさを知れ!
死ね、死ね!
 
人間ミナゴロシ!
人間タオセ!!
 
「ゼス」と呼ばれる王国に、雪崩れの如く進軍する我が軍。

魔物兵の集団を前に、逃げるしかない人間。

デカントやアイスデカントの怪力で潰されていく人間。

ナマリダマやオウゴンダマに殴られ、貫かれていく人間。

ストーン・ガーディアンの岩石腕にで吹き飛ばされる人間。

巨鉄ちゃんの砲撃に消滅していく人間。

そして、それらを指揮する魔物隊長に処刑されていく人間。

戦場に存在するのは「勝利」「駆逐」「支配」と言う、我が軍が負ける要素がない完全勝利決定の大戦果だけだった。
そして今、私は・・・・・・。





「宴会の準備」と言う「戦場の最後の仕事」を、酒を一滴も飲まずに終えたところです。





そこは、戦勝の宴の場である。
女の子モンスターの雷太鼓が、その名の通りの太鼓を打ち鳴らす。
ちょーちん、ちゃぷちゃぷ、ズかっぱ達がそれに合わせて踊る。
テーブルの上には、中華てんてんが作った数々の料理。
時折、まじしゃんとサワーの魔法が夜空を照らす。
出目金使いの祝砲が、それらに花を添えた。
そこは確かに、宴の場である。
今宵の宴の主賓は3名。

人間界制圧軍第3師団司令官、イスン将軍閣下
人間界制圧軍第4師団司令官、ベプチョ将軍閣下
人間界制圧軍第8師団司令官、ウィスピン将軍閣下

歴戦の猛者を思わせる風貌は、しかしこの場では多少崩れてしまうのは仕方が無い。
主に・・・

「ご、ご主人様のお好きなように、お仕置きしてくださいませ・・・・・・」
「ふおふおふお、いけないメイドさんだのー。ふおふおふお」
「あ~れ~、お許しを~」

ベプチョ将軍閣下のメイドさん苛めとか、

「うむ、良い。ヒンヤリ具合が中々素晴らしい」
「は、はあ・・・」

戸惑うフローズンに、膝枕してもらっているウィスピン将軍閣下とかであるが。
正直、変態親父臭いかもしれんが、口にしてはならない。
我が軍は、上司の気持ち1つで命が終わる事など日常茶飯事なのだ。

「うむ、お前の注いでくれた酒は、何時も美味いな」
「ハッ! お喜び頂けて光栄です」

この御二方に対して、イスン将軍閣下は己の直属の補佐官のバトルノートのお酌を受けるだけだった。
最も、ベプチョ将軍閣下とウィスピン将軍閣下の行動を見ても平然としている事に、違和感を覚える。
イスン将軍閣下にも「特殊な何か」があるのだろうか?。
魔人ケイブリス様直属の師団に属し、今は「人間界制圧軍第3師団第1後方支援連隊隊長」と言う肩書きを持つ私でも、今の所把握してはいない。



我が軍は、どう考えても圧倒的な進軍速度で「ゼス」と呼ばれる国の南半分を制圧し、北半分も8割まで制圧している。
下等生物である人間達は、逃げ惑うだけで大した抵抗は無い。
戦の前に「物資が足りん」「補給路の確保の担当は・・・」と悩んだのは考えすぎだったと認めるしかない。
どうにも、魔人ホーネット派との連戦に勝利出来なかった事が、私の目を曇らせていたようだ。



「ところでだ、ベプチョ、ウィスピン」

宴も終わりが近づいた頃、イスン将軍閣下はこの日初めての真剣な声色を出した。
ベプチョ将軍閣下とウィスピン将軍閣下は、付き合いの長さからか、その声に反応し、姿勢を正した。
そして私は、戸惑っているメイドさんとフローズンに、控え室に戻るように命じる。
イスン将軍閣下直属のバトルノートも、周囲の者達も遠ざかるように指示を出す。

「アベルト様の一件はどうなった?」

イスン将軍閣下の言葉に、ベプチョ将軍閣下が答える。

「ふおふお。ああ、噂通りで間違いない。かつて、レッドアイ様が忌々しい勇者に撃退された時の話だそうだ」

ウィスピン将軍閣下がその後の言葉を続ける。

「諜報・機密情報部隊からの情報だと、司令官のオーロラ様自らが探っていたらしい。むろん、壁の破壊と同時進行でだ」

今回編成された我が人間界制圧軍の指揮系統は、以下の通り。
まず、指揮系統のトップは魔人であられる、

人間界制圧軍本軍司令官(総司令官)、魔人四天王・プラチナドラゴンの魔人カミーラ閣下
人間界制圧軍南部方面侵攻軍司令官(第一副司令官)、ものまね魔人ジーク閣下
人間界制圧軍北部方面侵攻軍司令官(第二副司令官)、氷の魔人ラ・サイゼル閣下

の御三方である。
特に魔人カミーラ様は魔人四天王の一角。
この御方を倒せるのは、同じ魔人四天王のケイブリス様ぐらいであろう。
・・・ケッセルリンク様も強いが、死なないだけで勝負には勝てないと言う噂だ。
そして、この御三方の下に使徒の方々である、

人間界制圧軍参謀総長(総司令官補佐)、使徒七星閣下
人間界制圧軍参謀総長補佐(総司令官補佐)、使徒ラインコック閣下
人間界制圧軍諜報・機密情報部隊司令官(第一副官補佐)、使徒オーロラ閣下
人間界制圧軍特殊遊撃部隊司令官(第二副官補佐)、使徒ユキ閣下

がつく。
さらに下には下級使徒の方々である、

人間界制圧軍本軍総司令官親衛隊隊長、アウレスヒラウ閣下
人間界制圧軍本軍総司令官親衛隊副隊長、イアキユナ閣下

と言った方々が居る。
そして、これらの方々の下に第1~第10師団の魔物将軍がおられる。
なお、それぞれの指揮権は。

人間界制圧軍第1~4師団は、魔人四天王・プラチナドラゴンの魔人カミーラ閣下
人間界制圧軍第5~7師団は、ものまね魔人ジーク閣下
人間界制圧軍第8~10師団は、氷の魔人サイゼル閣下

である。
よって、第8、9、10師団は北部方面の担当に当たる。
今宵の宴は、「イタリア」と呼ばれる場所に集結していた人間軍団に対して、人間界制圧軍第3、4師団が突撃し、退路を北部からの第8師団が殲滅、勝利しての事だった。

今回の話は、ものまね魔人ジーク様の使徒オーロラ様自らが確認している一件らしい。
まあ、私には余り関係が無い話だろう。
使徒の方が増えるのならば、単純に考えて、戦力が増えると考えられる。
どのような御方かは知らないが「アベルト様」とやらは、きっと立派な方なのだろう。
我ら魔軍はこのまま、この「ゼス」と呼ばれる地帯を完全制圧し、そして、残った人間共の国家へと侵攻する。
そして、ゆくゆくは1000年以上前の大陸のように、大陸全土を魔族による統一国家に再構築する。
素晴らしい。
完璧だ。
その頃ならば、魔人ケイブリス様も、魔王様に成っておられるだろう。
うんうん、魔界の未来は明るいな!。
・・・。
・・・。
・・・。





なんて、甘く考えていた時期が、私にも有りました。





異変その1

人間界制圧軍第9、10師団が、人間の大難民集団との戦闘で、謎の爆弾が使われて9割が消滅。
第9師団の魔物将軍閣下、討死(爆死?)。
人間界制圧軍北部方面侵攻軍司令官(第二副司令官)、氷の魔人ラ・サイゼル閣下、謹慎。
第10師団の魔物将軍閣下、人間界制圧軍全軍に多大なる損害を与えた事による責任を取らされて、処刑。
第9、10師団の残存の部隊は、第8師団司令官、ウィスピン将軍閣下の指揮下へ。



人間界制圧軍北部方面侵攻軍司令官代行となられたウィスピン将軍閣下は、焦っておりました。

「いや、別に・・・元々、兵が足りなかったのだ。魔物将軍の一個師団は20000が上限。此度は魔物将軍1人に付き、兵数が10000だったからな。問題は、私が「人間界制圧軍北部方面侵攻軍司令官代行」になってしまった事で・・・・・・う~ん、訳の判らない爆弾が怖くて攻撃出来ん」





異変その2

人間界制圧軍南部方面侵攻軍司令官(第一副司令官)、ものまね魔人ジーク閣下、行方不明・・・・・・嘘、です、人間に殺されたそうです。
人間界制圧軍諜報・機密情報部隊司令官(第一副官補佐)、使徒オーロラ閣下、行方不明。

イスン将軍閣下とベプチョ将軍閣下が話し合っておられました。

「ペプチョよ、ココは我が第3師団のみ北部方面へ侵攻させて頂けるように、使徒・七星様に進言を・・・」
「ふおふおふお、ゼス首都で第7軍団が半壊したのを忘れたのか? イスンは心配しすぎだ。慌てるな慌てるな、使徒・七星様の指示を待てば良いはず」





異変その3

マジノラインの稼動を確認。(退路と補給路が無くなりました)
人間軍、各地で蜂起。
人間軍、北部より南下及び西進を開始。
人間界制圧軍本軍司令官(総司令官)、魔人四天王・プラチナドラゴンの魔人カミーラ閣下、行方不明。
人間界制圧軍参謀総長(総司令官補佐)、使徒七星閣下、行方不明。(あとで戦死を確認)
人間界制圧軍参謀総長補佐(総司令官補佐)、使徒ラインコック閣下、行方不明。(あとで戦死を確認)



「私は、私はやはり拠点防衛系なんだーーー!!!」

と、パニックなのは、ウィスピン将軍閣下。

「怯むな! 今一度残存戦力を統合して、反撃を!」

と、凄まじい怒気を振り撒くのは、イスン将軍閣下。(私の直属の上司です)

「ふおー、退却だなこれは。イスン、ウィスピン、ココは「素晴らしい未来を願っての退却」だ」

と、冷静に判断してくれたのは、ベプチョ将軍閣下。
で・・・。

「「ケイブリス様に殺されるーーー!!!」」

と、さらにパニックなられたのは、イスン将軍閣下とウィスピン将軍閣下。

そして・・・私は。

「捨てろーーー! 持ってる物は全部捨てろーーー! 何? 勿体無い!? 餓死する!? アホッ! 敗退のあとの撤退戦ってのはそう言うもんなんだよ! 風林火山の武○家が長篠の後で、戦力激減したのは、終わった後の追撃を受けたからなんだよ! ヤ○グマガジンのセン○クでも読め!」

と、声高々に叫び、逃げた。





マジノラインの未稼動区域とゼス首都の間の荒野。
何故か知らないが、都合良く未稼動の箇所があったのは幸いだった。
現在、マジノラインの未稼動区域には、人間界制圧軍第1、2師団の残党が、立て篭もり、退路を確保している。
我々人間界制圧軍第3、4、8(+9、10)師団の統合軍(と言っても、すでに指揮系統はズタズタ)は、必死にその場所目掛けて進む。
しかし・・・。

「後方で雷撃を確認!」
「7時の方角から白色破壊光線を確認! 主力の魔法使いが居る部隊だぞ!」
「機械です! 何か空に浮く棒っきれが襲ってきます!」
「警備ウォールとか言う奴だ! こっちから手を出さなければ良い! 走れ!」

最後尾が、とうとう人間共の軍勢に追いつかれたようだ。
不味い、このままでは全滅するかも。
こうなれば、後方の部隊を切るしかない。
そう、殿部隊として・・・。

「アコンカグヤよ」
「こ、これはベプチョ将軍閣下!」

何時の間にか、私の目の前に人間界制圧軍第4師団司令官のベプチョ将軍閣下が立っておられた。
接近に気がつかないとは、不覚。
はて? でもなんで私の所に・・・。

「部隊を纏めて、殿を勤めよ」

ベプチョ将軍閣下はそう仰られると、重そうな巨体を、鈍重さを感じさせない素早い動きで去っていった。

「・・・・・・へ?」

今、ナンカ、トンデモナイコトヲ、オッシャイマシタカ?。
疑問符を上げるが、最早、上司は何処にも居ない。
つまり、巡りに巡って、現場の指揮権が補給・後方支援を専門に扱う部隊の纏め役である私に回ってきたのだ。
・・・。
・・・。
・・・。
なに? 殿? 盾になれと? この状況で。

「そんな馬鹿な!」

つーか、私の肩書きは、人間界制圧軍第3師団第1後方支援連隊隊長。
人間界制圧軍第4師団司令官のベプチョ将軍閣下は管轄外である。
つまり、命令に従う義理は無い。
・・・。
・・・。
・・・。
はいはい、そうですよ。
それで、平穏無事に済む訳が無いんですよ。
魔軍は、上からの命令に逆らったら死ですよ。

「ぐぅ!」
「・・・」

我が軍は、上司の気持ち1つで命が終わる事など日常茶飯事なのだ。
やるしかない。
命令に背けば敵前逃亡。
殺される。
だが、だがである。
腹を括るにしても・・・。

「むむむむ・・・」
「・・・」

思わず考え込む。
そう、考え込む。
この私に、どうやって・・・。

「どうやってこの戦力で、殿せよと言うのだ?」
「・・・」

眼下に広がるのは、私の指揮下でかろうじて命令系統が取れている、魔素漢の群れ、兵数・約1200。

「ぱぴゅら ほろり ぱほー」
「ぱひゅー」
「ぱぴぴ ぱぱほほー」

何故、私がこんなに悩むか疑問に思う者も居るだろう。
では、以下のスペックデータ(ランスⅥ)を見て欲しい。

魔素漢
HP  2400
攻撃力    3
魔法力  380
防御力   50
魔抵力    1
回避     0


赤魔物兵
HP  6000
攻撃力 1500
魔法力    0
防御力   30
魔抵力   30
回避     0


魔物隊長
HP 15000
攻撃力 1300
魔法力    0
防御力   30
魔抵力   30
回避     0


魔物将軍
HP 20000
攻撃力 1000
魔法力  200
防御力   30
魔抵力   30
回避     0


以上。
見て頂ければ判るように、魔素漢は、魔法使いの癖に肉弾戦に強く、魔法使いの癖に魔法に弱いのだ。
・・・と言うか、「攻撃力3」とか「魔抵力1」って何だ?。
で、追撃してくる「ゼス」の人間共は「魔法大国」とやらの名に恥じない攻撃魔法を容赦無く頂ける。
つまり、魔素漢では防ぎ切れない。
もしこれが、魔法力が低く肉弾戦のみの軍団(←ヘルマン帝国とか)とかなら、むしろ反撃のチャンスだ。
物理防御力高いし。
しかし、現実的には、そんな都合の良い敵軍は居ない。(←この男はヘルマン帝国の戦力を知りません)

「うむむ!」
「・・・」

しかし、見回しても、他に統制が取れてそうな兵が居ない。
デカントの横に緑魔物兵が居るかと思えば、クロメの横にナマリダマが居る。
皆、逃げる事しか頭に無い。
なにより、魔物隊長とは言え、補給・後方支援を専門に扱う魔物隊長の命令に素直に従うとは思えない。

「名誉の死に場所にもならんぞ」
「・・・」

と言うか、死にたくない。
こんな訳の判らん状況で、訳も判らなく死んでいきたくは無い。

「ん?」
「・・・」

そこで、視線に気がついた。

「そろそろ、よろしくて?」
「は!?」

そこに居たのは、イスン将軍閣下直属の補佐官、バトルノートだった。
・・・だから、何で私の所に来るのだろうか?。

「援軍なら、あるわ」
「はい?」

何か今、とんでもない事を言われなかったか?。

「マジノラインに配備されていた、ストーン・ガーディアン、巨鉄ちゃんを前線に回せるように手配したわ」
「何と!?」

ストーン・ガーディアン、巨鉄ちゃん。
我が魔軍も最高峰の戦力部隊。
では、以下のスペックデータ(ランスⅥ)を見て欲しい。


ストーン・ガーディアン
HP 10000
攻撃力 3000
魔法力 3000
防御力   60
魔抵力   60
回避     0

巨鉄ちゃん
HP  8200
攻撃力 3700
魔法力    5
防御力   70
魔抵力   30
回避     0


腹が立つが、スペック的にも魔物隊長の私より上である。
それが、援軍として来る!?。

「本当か!? 本当なのか!? それなら下手すれば巻き返しも夢ではないぞ!」

私の喜色が混じった言葉に、バトルノートは・・・。

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ええ、その通り。後は私の指揮が加われば、問題ないわ」
「・・・」

凄まじい沈黙の後で、頷かれた。
そうか、よく判った。
最早、どう足掻いても負けなのだ。
数の暴力。
軍としての統制。
全てが、敗戦を決定的にしているのだ。
補給・後方支援を専門に扱う魔物隊長でも、それぐらい判る。

「大丈夫。そう、大丈夫。私は、「私達」は負けない。負けるもんですか」

部隊の統率、敵部隊への索敵及び分析を主任務とする、名参謀であるはずのバトルノートが、己に暗示をかけていた。
願い、夢、幻想。
極めて現実的に動くはずの、この女の子モンスターが、恐らく・・・生まれて始めて奇跡や運に縋ったのだ。
そして・・・気がついた。

「私達?」

私は、バトルノートの言葉に視線をさらに動かすと、皆がマジノラインの未稼動区域に向かう中、止まっている連中が居る。
それは、女の子モンスターの集団だった。
ああ、見覚えがある。
メイドさん、フローズン、雷太鼓、ちょーちん、ちゃぷちゃぷ、ズかっぱ、中華てんてん、まじしゃんとサワー、出目金使い・・・。
皆が、宴の席で花を添えた者達。
なるほど。
確かに、未だ彼女達は戦っていない。
戦力として数えていないからだ。
ならば、頼りにはなるだろう。



そして、もう1つの理由で、彼女達は生き残る可能性がある。
女の子モンスターは、人気があるのだ。
魔物たちからも・・・人間共からも・・・。
まあ、乱戦となれば、無事である保障は無いが。



「・・・」

我が名は、魔物隊長アコンカグヤ。
人間界制圧軍第3師団第1後方支援連隊隊長。

「・・・」

ココで退いては、魔軍に属する者として何かを失うだろう。
脆弱にして惰弱にして貧弱な、人間共。
群れるだけで強くなったと思う、救いようが無い愚者共。
たった1人では、迷宮にも入れない弱者。
そのくせ、複数になれば、のんびりと生を謳歌する我らを虐殺、または奴隷として売り捌くクズ共。

「思いっきり、足手纏いだな」
「・・・」

バトルノートは、頭が良い。
彼女は、私の言葉に答えない。

「ちょーちんやメイドさんは力が無いし、ちゃぷちゃぷとズかっぱは水が無い場所で戦えるのか? 中華てんてんなんて、料理人として呼んだだけだし」
「・・・」

バトルノートは、私の言葉に返答しない。

「連中は魔法抵抗のある魔法使いの集団だ。フローズンやまじしゃん、サワーの魔法など、効果があるとは思えん」
「・・・」

バトルノートは、私の言葉に反応しない。

「雷太鼓の雷撃は、乱戦では邪魔だ。出目金使いによる砲撃?・・・無理だ、弱すぎる」
「・・・」

バトルノートは、私の言葉を無視する。
全て、真実だった。

「ストーン・ガーディアンと巨鉄ちゃんが来るのならば、貴殿らに用は無い。行け」
「・・・」

そこまで言って始めて、バトルノートの口が動きかけた。
だが、何も言えない。
やはり、バトルノートは、頭が良い。

「私に、人間界制圧軍第3師団第1後方支援連隊隊長アコンカグヤに、恥をかかせるつもりか?」
「・・・」

本当に彼女は、頭が良い。
だから、最後の発言は決まっていた。

「・・・そう・・・・・・そう言うことなら・・・行かせて貰うわ」





「チーフ。魔軍の一部が反撃体制に移行しているそうです」
「GPSの座標は?」
「問題は有りませんけど、大丈夫なんですか?」
「まあ、このぐらいの距離なら、何とかね」





「ぱぴゅら ほろり ぱほー」
「ぱひゅー」
「ぱぴぴ ぱぱほほー」

魔素漢の群れ、兵数・約1200。
方向転換し、布陣。
とは言っても、整列するだけだ。

「まさか・・・人間なんかに・・・」

思わず、私は口に出していた。
魔人四天王・プラチナドラゴンの魔人カミーラ閣下を筆頭にする、最凶の戦列による大強襲撃。
負けるはずが無い布陣。
それが、打ち破られ、逃げ惑う我ら。
我らの横を、多くの魔物兵やデカント、多種多様な魔物が通り抜ける。
そして、多くの者達が、我らに気づきながらも通り過ぎて行く。
そして、多くの者達が、悔しさからか、憎悪からか、誇りからか、我が殿部隊の後ろに並んで行く。

「・・・」

次第に、列が割れて行く。
去る者。
残る者。
戦う者。
人間共も、コチラに気づいているようだった。

「・・・」

人間共の魔法攻撃が、一端止む。
それはそうだ。
すでに、魔素漢たちは魔力を溜め、攻撃出来る段階。
六色破壊光線。
本当に、六色に輝く、魔素漢たちお得意の破壊光線。
人間共は、慌てて防御魔法(バリア)を唱えている。
術者の前面に、半透明の魔法障壁が出来上がって行く。

「・・・」

黒剣。
魔物隊長たちが扱う、刃の部分こそ紫だが、刀芯は黒い鋼になっている、グレートソード。
それを手に、私は叫んだ。

「人間ミナゴロシ! 人間タオセ!!」

続いて、背後に居た魔物たちが、叫ぶ。

「「「「「グォェェォォォォ! グィィガガガ!」」」」」

咆哮。
怒号。
絶叫。
我らの魂の声が、荒野に響き渡る。
私はさらに、叫んだ。

「魔物の恐ろしさを知れ! 死ね、死ね!」
「「「「「ぱぴゅら ほろり ぱほー」」」」」

魔素漢たちの、六色破壊光線が放たれた。

ビーーーーーーーーーーーーーー・・・・・・・・・・ドカーーーーーン

見事直撃!。
先制攻撃は成功!。
人間共は、バリアの守られながらも、ダメージを受けている。
あとは、突撃するのみ!。
私は、黒剣を空に向かって掲げ、そして突撃のセリフを・・・。

「下等生物よ。我が剣を受け―――――」



ピューーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



「ん?」


ぼっかーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん


「ぎゃああああああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッッ!!!!!」





チューリップ2号・マレスケ(突貫修復済み)。
ヒララ鉱石をエネルギーとしたバズーカ(大砲)、「チューリップシリーズ」の最新強化版。
設計者は、「チューリップシリーズ」の生みの親、マリア・カスタード。
マレスケは固定式長距離砲であり、地盤のしっかりした場所に設置する必要あり。
また、移動させる場合は、分解した後、最低でも「うしトラック」4台、「うしクレーン」1台が必須。
なお、場所に到着後の組み立てには、6時間は欲しい所。
砲撃目標は、GPS(レアアイテム)を使用して決定。
量産を考えていないため(量産する場合はコスト削減、分解と組み立ての簡略化等々が必須)、パーツ(砲身部品)がかなり良い変わりに、パーツ損傷の際の交換用予備パーツがほとんど無い状況。
先日、マジノライン復帰計画で魔軍の部隊の攻撃を受けて半壊。

「報告します! 砲撃は敵部隊へ直撃しました」
「ご苦労様。第二射はいけそう?」
「いけます! 砲身温度は安定していますし、有爆の心配は有りません。しかしチーフ、よく代用品だけでココまで出来ましたね?」
「まあね。マリアさんは一品物の方に目が行きやすいから、量産プランは私が考えないと」
「さすがチーフ! 感激です!」
「突貫工事だったし、本当に予備パーツを使うとは思わなかったから粗悪品も混ざってるし、威力こそ何となってるけど、距離も精度も半分程度に落ちちゃってるのが問題ねー。この点もマリアさんと確認しないと」
「座標調整完了。マレスケ通常弾装填します!」



ぼっかーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん



「うぎゃああああああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッッ!!!!!」



ぼっかーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん



「ぱぴぴーぱぱほほー」



ぼっかーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん



「ギュピピピ・・・」



ぼっかーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん



「まさか・・・人間なんかに・・・」



ぼっかーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん



「クラウン様、ごみん」



ぼっかーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん



「ケケケケケケケ!!! 脳髄、脳髄、脳髄グシャー!!」



ぼっかーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん



「って、ちょっと待て! 最後の方がおかしくなかったか!?」

ぼっかーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん

「はんぎゃああああああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッッ!!!!!」




・・・。
・・・。
すべての魂はルドラサウムに還り、再びこの世に戻ってくる―――――。





―――――。





[コノ魔物隊長ハ、南アフリカニテ散ル運命ニアル ―――――完―――――]










「なわけあるかああああああああああーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッッ!!!!!!」

爆風で吹き飛ばされ、結構な距離を移動させられた私。
当然ダメージはデカイ。
だが、私は起き上がった。
何と言うか、理不尽な世界に対し、頭にきたのだ。
と言うか、誰だってそうだろう。

1、勝ち戦が、いきなり負け戦になった
2、殿部隊を指揮する羽目になった
3、訳の判らん、空から砲撃でまともに戦えずに死に掛けた

やはりアレだ。
なれない事はするもんじゃない。
バトルノート達に格好つけたのが間違いだったな、うん。
こんな状況で、格好つけるもんじゃないな、うん。
皆も、戦争に巻き込まれたら、死亡フラグは回避するように勤めようね。

「生きてやる! 生き抜いてやるうううううーーーーーーーッッッ!!!」

私は、マジノラインに向かって走り出す。
戦線維持が困難な以上、それしかない。
そうだ。
コレで良い。
今は引くのだ。
そして、何時の日か、必ず復讐してやる!!!。





ちなみに、魔物将軍閣下の皆様がどうなったかを纏めると・・・。

第1師団の魔物将軍閣下・・・・・戦死。(マジノライン)
第2師団の魔物将軍閣下・・・・・行方不明。(マジノラインに居た筈)
第3師団のイスン将軍閣下・・・・・素晴らしい未来を願っての退却。
第4師団のベプチョ将軍閣下・・・・・素晴らしい未来を願っての退却。
第5師団の魔物将軍閣下・・・・・撤退拒否、ゼス首都付近に居残り。
第6師団の魔物将軍閣下・・・・・戦死。(日曜の塔)
第7師団の魔物将軍閣下・・・・・戦死。(ゼス首都)
第8師団のウィスピン将軍閣下・・・・・素晴らしい未来を願っての退却。
第9師団の魔物将軍閣下・・・・・戦死。(アダムの砦近く)
第10師団の魔物将軍閣下・・・・・処刑。

と、なりました。
ぐすん。





「バトルノートを引かせるとは、思い切ったことをしたな。負けたとは言え、無駄な犠牲者が出なくて良かった。うぬぬ、あ奴は前線で使っても良いかもな」
「ふおふおふおー、メイドさんを引かせるとは、男気があるのー。しかし、カミーラ様が未帰還である以上、ノコノコ帰ってきた我らは、ただではすまんのう」
「フローズンが無事だったのは奴のお陰が。ふむ、取り合えず、当面の物資補給は奴にやらせよう。ケイブリス様の下へは帰りえないし」





数か月後。




大陸西部に位置する、魔が統べる広大な森の中。
南側の東半分を占めるこの森林部分は『魔の森』、『魔物の森』とも呼ばれる。

「お、おおおお。ひひひひひ久しぶりだすなーーー。さささてさて、ザ、ザビエル様の、たたたために戦ってくれる奴を、さささ探すだす」









~注釈メモ~
 
●陸軍系の集団単位の一例を、魔軍に当てはめた場合の予想(ウィキペディア(Wikipedia)より)
 
・部隊
班 (team) ・・・4~6人(指揮官は伍長~上等兵)
分隊(squad)・・・8~12人(指揮官は軍曹~兵長)
小隊 (platoon) ・・・30~60人(指揮官は中尉又は少尉、2以上の分隊又は複数の班)
中隊(company, battery, squadron) ・・・60~250人(指揮官は少佐又は大尉、2以上の小隊)
※通常の魔物隊長、魔物が率いるレベルと思われる(ランスⅥの魔物隊長は皆この辺り)
 
・小単位の指揮専門の司令部又は本部(火力支援を担当する小単位でもある)
大隊(battalion) ・・・300~1000人(指揮官は中佐又は少佐、2~6の中隊)
連隊(regiment)・・・500~5000人(指揮官は大佐、2以上の大隊又は複数の中隊)
※纏め役の魔物隊長が率いるレベルと思われる(戦国ランスの魔物隊長は皆この辺り)
 
・軍/方面隊(ココから戦略単位の扱い、補給と戦闘支援のために必要な人員装備が備わっており、単体で完結)
旅団(brigade)・・・2000~5000人(指揮官は少将又は准将又は大佐、2以上の連隊又は大隊)
師団(division)・・・10000~20000人(指揮官は少将、2~4の旅団又は連隊)
軍団(army corps) ・・・30000(指揮官は中将、2以上の師団又は複数の旅団)
※下級魔人、使徒、魔物将軍が率いるレベルと思われる
 
・総軍(2以上の軍集団)/軍集団(2以上の軍団)/方面軍/戦線
軍(army)・・・50000~60000(指揮官は元帥又は大将、2以上の軍団)
※魔王、上級魔人が率いるレベルと思われる
 
 
※他にも「独立混成旅団」の存在や、国によっては師団から戦略単位扱いになっているなど、結構説明が面倒臭いので、正式な説明ではなく簡単な目安とお考え下さい。










[番外編 コノ魔物将軍ハ、カイロニテ散ル運命ニアル]



私は、魔人カミーラ様直属の護衛隊第2軍団の司令官、魔物将軍ベプチョである。
本日未明、同郷にして同僚のイスンの連絡兵が、我が元を訪れた。

「ふおふおふお、イスンめ。一体何を・・・」

などと呑気に話を聞いた私は・・・絶望した。
そして、連絡兵が帰った後も、しばらく動けなかった。

「な、軟禁・・・・・・ケイブリス様の城に・・・・・・夫婦生活」

何と言う事だろう。
よりにもよって、我が主を大怪我させた張本人が、看病しようなどと。
・・・。
・・・。

「ふおふおふお・・・・・・やばいのー。本当にとばっちりが来そうだ」

と言うか、絶対来る。
我が軍は、上司の気持ち1つで命が終わる事など日常茶飯事なのだ。
さすがは、イスン。
よくぞ、この危機に気がついた。

「ふおー。どうしよう?」

私は、「戦略LV1」と言う便利なスキルを最大限利用して、考えた。
・・・。
・・・。

「うむ。これはアレだ。カミーラ様には別件に集中していただいて、忘れてもらおう。うむうむ。計画を前倒しすれば・・・・・・・人間界制圧軍を再編成するように・・・うむ、ケイブリス様の思案を、七星さまを通じてお知らせすれば・・・」

人間界制圧軍がこのような理由で作られた事を知る者は、一部の者を覗いて、居ないのだった―――――。



(次回に続かない)





ベプチョ(設定は妄想と戦国から)
 
登場作品:戦国
種族:魔物
性別:男
年齢:(推定)20歳ぐらい?
才能限界Lv:27/32
技能:魔法LV1、戦略LV1
身長:(推定)200cm以上(鎧込みで、ランスⅥのパットンと同じくらい?)
体重:(推定)110kg以上(鎧込みで、ランスⅥのパットンと同じくらい?)
職業(役職名):魔人ケイブリス派所属の魔物将軍
LP0003年:カミーラ軍第4突撃師団司令官
LP0004年:人間界制圧軍第4師団司令官
LP0005年:魔軍アマゾン方面軍司令官
特技:魔軍団の指揮
趣味:メイドさんと遊ぶ事

勝手な設定:
魔人の命令に忠実な、典型的な魔物将軍・・・かどうか疑問があるが、将軍としての状況判断能力は確か。
適切な人員配置が可能であり、自ら軍を指揮又は鼓舞させる事も出来る。
イスンとほぼ同じ能力だが、魔物将軍の中では先陣を味方に譲る面があり、どちらかと言うと主役ではなく補佐に徹するタイプ。
良く言えば万能で満遍なく、悪く言えば半端で器用貧乏。
JAPANでは、カイロとモロッコの魔軍の補佐に徹するために、アマゾンの拠点防衛の司令官になる。

セリフ(戦国)
「お任せを。」のみ(涙)
「ふおふおふお」は完全にオリジナルです(汗)





[9406] [~戦国ランス(ランス7)~]
Name: zanetta◆aeb0b303 ID:b54b8d91
Date: 2009/06/21 01:44

「人間退治だ・・・精を出せ・・・」
「はっ!」
「お任せを」
「殺戮の限りを尽くします」





と言う会話が行われたのは、一ヶ月前のこと。





「何ーーーー! イスン将軍閣下が、カイロが落ちただと!」

我ら人間界制圧軍の残党は、魔人ザビエルさまの使徒・魔導さまによって、人間共の支配する土地でも極東に位置する小国・JAPANに導かれました。
これが、敗軍として処刑以外の道が無い我々の、立身出世の最後の道。
と、半ば必死中の必死の我々は、JAPANの最南端である、カイロ・モロッコ・アマゾン・南アフリカにそれぞれ配置されました。
以下に並べます。

人間界制圧軍第3師団司令官、改め、魔軍カイロ方面軍司令官・イスン将軍閣下
人間界制圧軍第4師団司令官、改め、魔軍アマゾン方面軍司令官・ベプチョ将軍閣下
人間界制圧軍第8師団司令官、改め、魔軍モロッコ方面軍司令官・ウィスピン将軍閣下

そして、ココから重要。
アフリカ地方でも、最奥の地・南アフリカ。
ココには、魔導さまお手製の迷宮があり、そこを通じて、大陸西側も魔界と行き来ができます。
ある意味、最重要退路です。
そして、この拠点に配属された、私ことアコンカグヤは、人間界制圧軍第3師団第1後方支援連隊隊長だったのですが、今の肩書きは・・・。

魔軍南アフリカ方面隊司令官・アコンカグヤ

です。
「方面軍」と「方面隊」では、規模が違い(前回の後書きを参照)ますが・・・実質、一拠点の司令官になりました。
・・・。
・・・。


キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!
人(≧ワ≦)人


・・・。
・・・。
はッ! つい意識が天にも昇るものに・・・。
だって、しょうがないじゃないですか。
1番安全な場所で、未だに後方支援系の仕事ばかりだからって、出世すると嬉しいですよ。
もう「中間管理職者」なんて言わせませんよ!。
これからは「上級管理職者・アコンカグヤ」と呼んで下さい!。
魔軍万歳! ザビエルさま万歳! 魔導さま万歳! ほとんど会った事無いけど、戯骸さまと式部さまも万々歳! 
・・・。
・・・。





「報告! カイロを制圧した織田軍、モロッコとアマゾンの両方に兵を進めました!」

へ? なんですと?。

「報告! 敵兵は少数なれど、拠点を次々制圧されていきます! キズッ銀行員隊が壊滅!」

ガ━━(゚Д゚;)━━━ン!!

「報告! 織田軍に、南蛮人の抵抗勢力が加勢! 偽情報をバラまかれて、反攻中のギム_ノドン隊の士気激減!」

ガ━━━ΣΣ(゚Д゚;)━━━ン!!

「報告! 魂縛り感染者部隊、次々と壊滅! 鉄砲とか言う兵器の前に全く歯が立ちません!」

━━━((( ;゜Д゜)))ゾクゾクゾクゾク━━━

「報告! アマゾンが落ちました! ベプチョ将軍閣下は討ち死!」

━━━Σ(||゚Д゚)ヒイィィィ━━━

「報告! 戯骸さまが御出陣するも、一騎打ちの上に討ち死に!」

ウソダ━━━━(T▽T)━━━━!!!!!





「報告! 奇襲作戦成功! さいたま占領! カイロを再占領! 式部さまの部隊が大攻勢をかけてます!」





大陸の極東部、JAPAN。
その最南端、南アフリカの城。

「来たか・・・」

思わず私は嘆いてしまった。
何と言う進軍の速さ。
「作戦許可証」とか言うモノがばら撒かれてるらしいが、よくは知らない。
ともかく、アマゾンを占領した人間共は、ついにこの最奥の地・南アフリカまで攻めてきた。
幸いなのは、人間共の退路であるカイロを我らが奪還し、再び占領していると言う事。
カイロ―――戦艦長門の区間のみが、JAPAN本州とアフリカを繋げているのだ。
ココで奴らの主力を潰せば、後はアマゾンに居る敵残存兵力を殲滅するだけ。
いや・・・魂縛りに感染させればよい。
そうすれば、我が軍は再び侵攻出来る兵力を持てる。

「人間のくせに・・・それなりに出来るようだな」

私の嘆きには、ゼス王国での一件もある。
弱い連中だが、ココまで苦戦するとは思わなかった。
まあいい。
正直、戦の総司令官なんて始めてだが、勝ち目はある。
敵は退路が無くて必死。
コチラは拠点を悠々に構えた大兵力。
鉄砲隊の対策のために、足軽を真似た部隊も組織した。
勝ち目はある。



我が軍の布陣は以下の通り。(JAPANは地形的に狭いので、これぐらいが丁度良い)

前軍
ビス隊、約1000名。
レル・モップ隊、約1200名。
ペッ・ペール隊、約1400名。

後軍
アリ隊、約1300名。
アコンカグヤ隊(本陣)、5000名。
8801隊、3000名。



「人間潰し」の異名を持つビス隊と、「時間潰し」の異名を持つアリ隊は、イスン将軍閣下とベプチョ将軍閣下が討たれた時に傍に居た、と言う因縁がある。
復讐に燃える奴らは、実に頼もしい。

「本陣から命令を出した時が合図だ! レル・モップ隊を前面に展開させ、敵を受け流す。ビス隊、ペッ・ペール隊は敵の動きが止まったら、突撃だ」
「「「応ッ!!!」」」
「アリ隊の撹乱攻撃後、本陣の魔法攻撃で敵部隊を一蹴! 8801隊は突破してきた敵及び弓攻撃を受け流す事に専念せよ!」
「「応ッ!!」」



なお、人間共の布陣は以下の通り。

前軍
鳥に乗った部隊、約1600名。
槍と盾を持った部隊、約2600名。
南蛮人が率いる部隊、約3600名。

後軍
鳥に乗った部隊、隊、約1600名。
弓を持った部隊、約1600名。
黒服の怪しい部隊、約1200名。



・・・。
・・・。
・・・。

「あの、鳥は何だ?」

私の質問に、「人間潰し」の異名を持つビスは答えた。

「アレに乗って突撃してくるんだ。速いぞー」
「ふむ」

だが、大した事は無いはずだ。
コチラは城に篭っているのだ。
土塁に囲まれ、堀に囲まれ、城壁に囲まれた城の突撃に、あんな生き物は役立たないだろう。
「鉄砲」とか言う新兵器も無いし、勝ち目は十分。
さて、開戦だ。
始めての総大将だし、気を引きしめて行こう。
・・・。
・・・。
・・・。





なんて、甘く考えていた時期が、私にも有りました。





黒剣を手に、私は叫んだ。

「全兵! 詠唱開始!」
「「「「「ぱぴゅら ほろり ぱほー」」」」」

魔素男たちが魔法の詠唱を開始した。
強力な雷撃が、敵軍全てを攻撃する。
さて、その間に、アリ隊による撹乱攻撃を・・・と私が思った時だった。

「敵軍突出! ビス隊、レル・モップ隊、ペッ・ペール隊の真横を通り過ぎました!!!」

・・・。
・・・。
はい?。

「鳥です、鳥に乗った部隊です! あ! 土塁が破壊されました! 堀の上を飛んでいます! 城壁が破壊されました!」

・・・。
・・・。





信濃、貝。
かつて、この二国を治めていた国があった。
槍を装備した重装兵が、「てばさき」と言う大型の鳥に跨り、尋常ならざる速さで突進する。
この機動力と攻撃力を兼ね備えた「騎馬兵」をJAPANで唯一備え、他国を圧倒した。
故にこう呼ばれた。
「JAPAN最強」「最も天下に近い国」。
すなわち、風林火山の武田家・・・・・・武田騎馬隊である!





「グワッハハハ! 馬場彰炎! 突撃じゃー!」

ドドドドド、とオレンジ髪の巨体の人間と・・・。

「てばさき軍の力、しかと受け止めよ!」

ドドドドド、と達磨っぽい人間を先頭に、城壁の一部が破壊され・・・・・・コッチ来たよ!!!。

「は、8801隊!!! 防げ! 防げええええええ!!!!!!!」
「「「「「ギュピピピ ピピピィ」」」」」

「鉄砲」のために再編成した緑魔物兵を中心とした防御部隊が展開する。

「ギュピピピ・・・」
「ピピピ・・・」
「ピィ・・・」

なすすべも無く、蹂躙される我が軍。
幸いなのは、被害が8801隊のみだという事。

「なんと!」
「まだまだ。精進しなくてはな」

と、勝手な事を言い放って別の場所の城壁を破壊して、出て行きました。

「お、追え! 追撃をかけろ! 逃がすな!」

私は必死に命令を下すが、兵達の動きは鈍重だった。
不味い・・・・・・今更だが考えて見ると、南アフリカは戦場になる可能性が低かったから、錬度が低い連中しか居ない!。

「おのれーーー!!! 魔素男共! 一気に魔法攻撃を・・・」

と、私が直属部隊に命令しかけた時だった。

「はいはい~。やりましょうか~」
「何!?」

背後からの声に、慌てて黒剣を振るう。

ガキンッ!

「ふふふ~」
「ぐぅッ!」

そこに居たのは、身体の細い年老いた男。
持っている得物は短く、力がある様には見えない。
だが・・・・・・明らかに振るわれる刃の鋭さが違う!。

「ありゃ~?」
「人間風情がッ!!!」

私は力任せに押し切る。
得物は私の方が頑丈なのだ!。

「ま・・・こんな事もあるよ・・・」
「何をッ!」

ガキン、と押し切った瞬間、身体の細い年老いた男の姿が消えた。

「何処だ! 何処に行った!」

周囲に気配は無く、姿も無い。
逃げたと判断するべきか?。

「ええい! おのれ、おのれーーー!!! 人間風情が! 魔素男共! 今度こそ一気に魔法攻撃を・・・何!?」

だが、また間に合わなかった。



「真田透琳。出撃いたそう」



ヒュヒュヒュヒュヒュ、と矢が降ってきたのだ。

「は、8801隊! 展開せよ! 急げぇぇぇ!!!」
「ギュピピピ・・・」

だが、先ほどの鳥に乗った部隊のせいで、8801隊は機能していなかった。

「「「「「「ぱひゅー」」」」」
「馬鹿なッ!?」

一気に、1000近くの魔素男が討ち取られた。
そして、悪い事は続くのだった。

「報告! レル・モップ隊が突撃を開始! ペッ・ペール隊も追従!!!」
「何だと!!! 何を勝手に動いてる!!!」

私は激昂しながら、報告してきた兵に掴みかかる。

「ヒッ! その「本陣からの命令が無いから、現場で判断する」との事で」
「止めろ! 止めて来い! レル・モップ隊の完全防御が在ってのビス隊、ペッ・ペール隊の突撃作戦だ! 止めろ!!!」

確かに「本陣から命令を出した時が合図だ!」と言った割に、敵の攻撃を受け、大混乱してしまった。
だが、だからと言って、防御部隊が突撃するなど、愚か極まりない!。
ああああーーーー、やっぱり錬度が低い連中しか居ない!。
鉄砲対策の部隊が、こんな暴走をするなんて。

「報告! レル・モップ隊が、敵の槍と盾を持った部隊と・・・」



「よっしゃああ! 前田慶次! はりきっていくぜ!」



「・・・激突! 受け流されました! ペッ・ペール隊も同じく受け流されましたッ!」

ほら、予想通りだよ。
どうするよ。

「報告! ビス隊に・・・・・・」



「部族の名にかけて! うぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!! 突撃!!」



「・・・南蛮人の部隊が突撃しました! ビス隊は壊滅!!!」
「・・・」

遂に、恐れていた最初の壊滅部隊が出た。
何と言うことだ。
しかし・・・・・・黒剣を手に、私は叫んだ。

「グォェェォォォォ! グィィヵ゛ヵ゛ヵ゛!」

私の叫びに、魔素男たちは、魔法を放つ。

「「「「「ぱぴゅら ほろり ぱほー」」」」」

空を貫き、割る雷撃の閃光が、敵軍全てに展開する。
始めて、反撃が出来た気がした。
さらに・・・。

「人間よ、潰れろ」
「ギュピピピ、ピピピィ」

「時間潰し」の異名を持つアリ隊の撹乱攻撃。
敵は右往左往するばかり。
本当に、お前さんが居てよかったよ。

「良し! 敵は怯んだ! 魔素男共! 第二射・・・」

だが・・・ココで、忘れていた。
反撃が出来た事で、調子に乗ってしまった。

ドドドドド

確かに戦には「流れ」と言うものがある。
しかし、忘れてはいけない。

ドドドドド

戦の「流れ」はすぐに変わる。
私はココで・・・。

ドドドドド

8801隊が、きちんと防御に回れるように、手配すべきだった。
ついでに城壁も修復させとくべきだった。

「報告! 先程の鳥に乗った部隊が再度来襲!!!」
「何だとーーーーー!!!!!」

やって来たのは、達磨っぽい人間の部隊でした。
・・・。
・・・。
やっぱり、コッチに来たよ!!!。

「むぅん!!」
「うぎゃああーーーーーーーッッッ!!!!!」

私の直属部隊は全滅はしなかったが、指揮系統の乱れで、戦闘続行能力を無くしてしまった。(行動回数0)
そして・・・。

「報告! 8801隊全滅!」
「報告! アリ隊壊滅! 撤退開始!」
「報告! レル・モップ隊が全滅!」
「報告! ペッ・ペール隊が半壊! 撤退開始!」

・・・。
・・・。





魔軍南アフリカ方面隊、壊滅。





でも、まだ私は生きている!





呪詛の祭壇。
よくは知らないが、禁妖怪とやらが封印されてる場所。

「黒姫さま! さあ、早くこちらに! 一先ず魔界へ!」

私は必死に、偉大なる魔人ザビエルさまのご息女、黒姫さまを説得する。

「・・・」

しかし、黒姫さまは動かない。
そして、じっ、と横の禁妖怪・魂縛りを見つめている。

「・・・」

魂縛りも、じっ、と黒姫さまを見ている。
最も、目が虚ろのため「何を」見ているのかは判らない。
肌が白いのは気にかかるが、顔立ちは可愛いし、純粋無垢なオーラが惹かれるモノがある。
トンデモナイ呪いのせいで、触れないんだけどねー。
魔導さま曰く「ままま魔人の、か、方でもももも、ししし、死じまうかもしれないだす!」だからなー。
残念。

「むむっ! 何か怪しい神殿!」
「ぬ・・・ぐ・・・」

生き残った魔物共を集め、どうにか逃げようとして居た先に、現れたのは緑の鎧を来た茶髪の剣士・・・。。
・・・。
・・・。



茶髪?
剣士??
緑の鎧を来た???
何か、記憶に引っ掛かるモノが、あるような???



「あれは、禁妖怪を封印する為の神殿じゃ」
「へ・・・じゃあ、あそこに魂縛りとかもいたのか?」

何か、呑気に話してやがる。
おのれ! 調子に乗りおって!。

「うおぉぉぉっ・・・」
「なんじゃ、どうしたっ!?」
「なんで・・・さわれないのに可愛い女の子なんだ・・・ひでぇ・・・ひどすぎる・・・」

・・・。
・・・。
そこには、同感する点もある。
コイツ、意外と良い奴・・・。。

「エロイ事が出来ないじゃないか・・・!」

・・・。
・・・。
・・・は?。

「さわれないならブスとかの方がいいっ・・・! さわる必要ないからな」

前言撤回だ!。
コイツ最悪だ!!!。
と、私が、ぶち切れてると、連中は黒姫さまの方に気が付いた。

「おおおー・・・ま、まさか、あれもさわれないとか・・・」
「島津の客将、黒姫様じゃ」
「あの方は、別にふれても大丈夫じゃ」

・・・。
・・・。
は、まさか・・・・・・・余計な事言うんじゃねーーー!!!。

「おっし! 元気100倍!」

茶髪の剣士、剣を構えた。
く、来る!。

「おら、どけーー!!」

凄まじい剣技で、仲間を次々と切り裂いて道を作る!!!。

「がはははは!! 死ね、死ね、死ねーーー!!」
「舐めるなァァァァァ!!!!」

私は、黒剣を上段に振り上げた。

「下等生物よ! 我が剣を受けよ!」

突撃して来る茶髪の剣士の頭に、黒剣が・・・。

「ランスアターーーーーーーック!!!!!!」
「ぐわああああーーーーーーーーッッッ!!!」

当たる瞬間に、閃光と共に吹き飛ばされました。

「がはははははは」

最後に聞いた言葉は・・・。

「こんにちは、黒姫ちゃん」
「あ・・・はい」

と言う呑気な会話だった―――――。





「まさか・・・人間なんかに・・・」










[コノ魔物隊長ハ、南アフリカニテ散ル運命ニアル ―――――完―――――]










夜。

「なわけあるかああああああああああーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッッ!!!!!! 何が「南アフリカニテ散ル運命ニアル」だーーーー!!! 運命ってのはな! 変えていくもんだと相場は決まってんだよおおおおーーーーーーーッッッ!!!!」

数時間後、私は起き上がった。
辺りには、誰も居ません。

「なめんじゃねー! なめんじゃねえええーーーー!!! こちとら魔人サテラ様のストーンガーディアン部隊に襲撃されても生き延びてるんじゃい!!!」

思い出すのだ!。
あの大変だった補給路確保の日々。
南部は我ら魔人ケイブリス派に支配されているはずなのに、数多のストーンガーディアン部隊が補給路潰しを行われた事を! 対応した日々を!。
正直なんでかと思ったが、単に魔人の方々にやる気が無く、警備が御座なりだけだったのだが。

「中間管理職をなめるなーーーーーッッッ!!! 私らが居なきゃ軍は動かないんじゃいッッッ!!!」

考えろ。
考えるのだ。
今の自分に出来る事を。

「反勢力だ! 反対勢力だ! 人間共に苦渋を舐めさせられた反対勢力が居るはずだ! やってやる! やってやるぞーーーーー!!! 私一人でも、反対勢力を纏め上げて大反攻作戦開始してやるぅぅぅ!!!」





東海道

「戦国ランスのOPで、他の武将は3~4秒、オロチは8秒、そして僕達ハニー軍団は13秒も映ってるのに、この扱いはどうなんだろう?」
「OPだけ見れば、戦国ランスの最大の敵は、僕らハニー軍団のはずだ! あと、OPで着てた通り兜が欲しいーーー!」



貝の貝塚(誤字にあらず)

「ランダムだけど、ベベター君やサメラ~イ君とは友達だよー」



戦艦長門のビキニ観賞(誤字にあらず)

「あおくー、きらきらー、らららー」



何処かの街

「いくぞ、勇!」
「おう! トシ! 御用改めである!! おとなしくしろ!!」



奥州

「DAWWWWW--・・・・・・イマイチ、目立てない。伊達家最大の兵力が売りなのに、唯一仲間になる妖怪なのに・・・仲間になったら1000兵からだし・・・DAWWW-」





「我が名は、魔物隊長アコンカグヤ! 決して、人間なんかに負けん!!!」


この物語は、大陸西南部に位置する魔人・魔物の一大派閥ケイブリス派の所属する魔物隊長の、汗と涙と感動物語であ・・・・・・・・ったら良いなー、と言う話である。





―――――未完―――――










[番外編 コノ魔物将軍ハ、モロッコニテ散ル運命ニアル]



私は、魔人ラ・サイゼル軍特殊魔法攻撃師団司令官、魔物将軍ウィスピンである。
人間界制圧軍が編成されつつある今日この頃。
私は主君であるラ・サイゼルさまに呼び出された。

「と言う訳でさあ、いい加減、私も使徒を持とうかなって、そう思うのよ」
「は、なるほど」

人間界制圧軍に参加なされる魔人の方々は、

魔人四天王・プラチナドラゴンの魔人カミーラ閣下
ものまね魔人ジーク閣下
氷の魔人ラ・サイゼル閣下

の、御三方だ。
その内のお2人、カミーラさまとジークさまは、すでに優秀な使徒をお持ちである。
ラ・サイゼルさまだけが「メンドイよー。私は一人が気楽なのー」と仰って、今までは使徒を持たれなかった。
だが、此度の人間界制圧軍の編成に辺り、私を含むお抱えの魔物将軍だけでは、色々な面で手が足りなくなってきたらしい。
要するに、サボりたいだけらしいが、口には出さない。
我が軍は、上司の気持ち1つで命が終わる事など日常茶飯事なのだ。

「では、私の部隊の者達を?」
「だけじゃなくて、フローズンとか偽エンジェルナイトとか集めるだけ集めてくれる? 後は私が直接下見をするわ」
「ハハッ!」

「女の子モンスター」と言う条件を頭に入れ、私はその場を辞した。
早速、手配しなければならない。
女の子モンスターは中々人気があるため、数を揃えにくいのだ。
まあ、半不老不死の使徒になれる栄誉を断る女の子モンスターも、そうは居ないだろう。

「ふむ、楽しみだな」

比較的性格が温厚な「フローズン」や「偽エンジェルナイト」を指定する辺り、そう言った性格の者を求めているのだろう。
それに、使徒の数は魔軍の戦力強化にも繋がる。

何はともあれ、本当に楽しみだ―――――。



(次回に続かない)








ウィスピン(設定は妄想と戦国から)

登場作品:戦国
種族:魔物
性別:男
年齢:(推定)20歳ぐらい?
才能限界Lv:23/58
技能:戦術LV1、戦略LV1
身長:(推定)200cm以上(鎧込みで、ランスⅥのパットンと同じくらい?)
体重:(推定)110kg以上(鎧込みで、ランスⅥのパットンと同じくらい?)
職業(役職名):魔人ケイブリス派所属の魔物将軍
LP0003年:ラ・サイゼル軍特殊魔法攻撃師団司令官
LP0004年:人間界制圧軍第8師団司令官
LP0005年:魔軍モロッコ方面軍司令官
特技:魔軍団の指揮
趣味:涼しい(寒い)場所でのんびりする事

勝手な設定:
魔人の命令に忠実な、典型的な魔物将軍。
魔物将軍の中では守勢に回るタイプであり、拠点防衛と管理が専門。
罠などを張り、敵軍を混乱させて長期戦に持ち込む戦術(軍師スキル・時間経過)が得意。(大規模な戦は昼間に集中し、夕方で一時休戦するのが普通)
これだけだと、あまり血気盛んなイメージはないが、一方で人間相手に「殺戮の限りを尽くします。」と魔人ザビエルに誓う一面もあるため、決して穏健派などではない。
JAPANでは、大陸側の人間軍隊が援軍としてやってくる可能性もあったため、大陸との唯一の玄関口であるモロッコでの拠点防衛の司令官になる。
カスケード・バウ攻防戦では、魔人ラ・サイゼルの下に居たため、フローズンを中心とした氷系の魔法攻撃部隊を好んで指揮したらしい。
そのためか、JAPAN系の女性が好みらしく、お腹の中には、眼鏡をかけた日本人(西条さんの顔絵)が居たりする。

セリフ(戦国)
「強いな人間・・・」
「だが、のこのことここまで軍を連れずに来たのが命とりだ」(数分後に死亡)








後書き

[三界†無双]の7の後書きでも書いていますが、こちらにも乗っけます。
中々感想が上がらない事を受けて(一ヶ月以上)、[三界†無双~人間記、闇エルフ演義、魔族伝~]について、アンケートを取りたいと思います。(汗)
場合によっては、編集して最初から書き直すこと(それほど時間は掛かりません、話数も少ないし)も念頭に入れてます。(涙)


1、クロスは、アリスソフト系ネタのみの方が判りやすいよ!。(エウシュリー系は止めた方がいいよ)

2、クロスは、エウシュリー系ネタのみの方が判りやすいよ!。(アリスソフト系は止めた方がいいよ)

3、初志貫徹、感想無いけど今のままで頑張れ!。

4、真・恋姫†無双~乙女繚乱☆三国志演義~(+少しだけ、地獄先生ぬ~べ~)だけにしたら? せめて三国志演義ネタまでで

5、その他に何か要望があるなら(例・魏ルートは飽きたから、他のルートにして)


取り合えず、一刀に「はたもんば」を装備させるのは、決定事項です。
一応、「はたもんば」について解説しときます。



●解説
首切り刀・はたもんば
「原作・地獄先生ぬ~べ~ 2巻」「アニメ・第13話 教室が凶器に変身!? 妖刀はたもんばの呪い」に出てきた、意思を持つ妖刀。
置かれていた場所は、童守町三丁目はたもんば跡。
江戸時代に処刑場として使われた場所で、何百人と言う罪人が処刑された場所で、首が腐るまで並べられていた場所でもある。
九十九神(つくもかみ)の一種で、長期間に渡って首を斬るためのみに使われた処刑用の刀が、担い手が居なくなっても「首を斬る」と言う執着が残り、それに殺された数百人の怨念と融合し、長い年月を得て妖怪化した。
比較的に平和な江戸時代に産まれたにしては、封印状態とは言え地獄の鬼を斬りつけたり、机やイスや窓枠や本や防火シャッターなどの一部を刃に変えるなど、人間が作った刀とは思えない能力を保有する。
また、インスタントカメラの画像に干渉したり、かなり離れた距離にある物体の一部の刃を変えられるが、この場合は干渉出来る範囲が小さく、回数も2回前後。
刀の形状を巨大なチャクラムに変形させる事が出来、それを利用して物理的に移動可能なので、僅かな罪でも犯した人間を見つければ即座に斬首する。
また、回数は少ないが剣圧を飛ばせる(地蔵の首も真っ二つ)。
しかし、「首を斬る、斬る、斬るのだーーー」と叫ぶ割りにトドメの攻撃が脳天からの真っ二つだったりするので、結局の所、ただ殺そうとしているだけと思われる。



以上です。
オリジナルな刀を考えるのも何か嫌ですし、セイバーのエクスカリバーとか最強クラスを出すのも。(汗)
要するに「一刀は弱いが、刀が強い(伝説になるほどではない)ので、何とか乱世で生き残れる。正し、刀の力ばかりでは死ぬ。また、刀を使い続ける事による副作用がある」を目指してます。
その条件下では、「はたもんば」ほど扱いやすい妖刀も無いのでー。

と、いうわけで、なるべく多くのご意見、宜しくお願いします。orz





[9406] [織田家 VS 巫女機関 戦力分析 その1]
Name: zanetta◆aeb0b303 ID:b54b8d91
Date: 2009/10/07 22:57
ひとつの大陸がある

何もない空間に浮かんでいる

これを作ったのは、巨大な意思の集合体であるクジラ

まるいもの、ドラゴン、モンスター・・・・

何百、何千年に渡りこの大陸の上で多様な生命体が生まれ、また滅びていった

今この大陸では、魔物と人類が覇権を争っている



大陸を支える4つの聖獣、だがこの4匹とは別に怠け者がもう一匹いた

後にオロチと呼ばれる事となった蛇型の聖獣

彼が大陸を支える事なく大陸のまわりをうろうろ飛び回り、

ある時、大陸にぶつかる

その衝撃で割れた大地はJAPANと呼ばれる大地となった

オロチはJAPAN大陸の中にめり込んで出られなくなった

暴れて逃げだそうとしたが出る事が出来ず

オロチは徐々に力を失い小さくなった

今から数千年以上前の話である

オロチは現在でも、思い出したように逃げ出そうとして暴れるが

その度にJAPANは大地震にみまわれる





戦国ランス外伝SS
[織田家 VS 巫女機関 戦力分析 その1]





大陸の極東に存在する、浮遊島国JAPAN。
JAPANには2000年以上前より、天志教と言う宗教団体が存在する。
開祖の名は月餅と呼ばれる者。
たった一代でJAPANを制圧し、JAPANの妖怪王・黒部を支配下にし、大陸に侵攻後、遂には大陸の東半分を手中に収めた大英雄にして、JAPAN初代の帝・藤原石丸に仕えた側近中の側近である。
この月餅の才覚と、帝・藤原石丸の力を持ってすれば、現在の大陸でも天志教が信仰されていたであろう。
だが、それを許さぬ者達が居た。
大陸を本当の意味で支配し、管理する神々である。
神々は、月餅の正体を見抜き、大陸の管理が己達のコントロールを離れるのを嫌った。(嫌っただけで、恐れてはいない(重要))
故に、最悪の者達を藤原石丸の軍勢に差し向けた。
大陸西側を支配する、神の力によって無敵結界を与えられた魔王と24人の魔人達である。
総勢200万人の大軍勢を持つ藤原石丸だったが、魔王と魔人達、そして率いられた100万の魔軍には勝てなかった。
あっと言う間に藤原石丸と月餅の勢力はJAPANに押し戻され、魔人の1人である炎の使い手ザビエルによって、藤原の血族は悉く根絶やしにされた。
人類は絶望した。
このまま、魔王と魔人の支配下で隷従として生きていくしかない事に。
だが、魔人ザビエルはJAPANで行方不明となった。
帝・藤原石丸と妖怪王・黒部、そして天志教開祖・月餅が、魔人ザビエルの封印に成功したのだ。
それが原因なのか、魔軍の勢いは衰え、大陸西側へと帰っていった。
この出来事は、後の歴史ではあまり語られていない。





東は信濃の「JAPAN最強」武田家、西はテキサスの「交渉合併」浅井朝倉家、北はMAZOの「義と女傑」上杉家、南はまむし油田の「前・将軍家」足利家、の大名達に囲まれた場所、「邪馬台」。
邪馬台は、足利家によって創立されたJAPAN全土の神社の総本山「巫女機関」と言う組織の拠点となっていた。
表向きは疲れた男達を巫女である女達が癒すための場所とされているが、裏では本当の意味でこのJAPANを護っている組織だった。





その女は、白の羽織と薄紫の袴と言う、巫女服姿。
儚さを現すかのような、薄く青白く、足元まで届く長髪。
壊れやすさを内包しているかのような、色白の肌。
「死」をイメージさせながら「妖艶」を感じさせる、水色の双眼。
女の名は「名取」。
足利家によって創立されたJAPAN全土の神社の総本山「巫女機関」の「総代」である。

名取「……ふぅ」

名取は、昨今の情勢を考えて溜息をつく。
先日、異人のランスなる者が率いる織田家が宣戦布告をしてきたのだ。
巫女機関の創設以降、「帝」だった足利尊氏の保護の下、「平和に使命を果たして来た」のだが、昨今の世情はそれを許してはくれない。

名取「……私の代で全てを終わら訳にはいきませんね」

そこは板張りしかない、一方通行の廊下。
この先に、無機質な板張り部屋がある。
今日のこの時間、目的の場所で会う人物とは、それなりに長い付き合いだった。
時間さえあれば、互いに酒を酌み交わす。
言わば旧知の間柄。
しかし、話の内容が内容だけに、休む間は無い。
そんな思案をしながら、目的の場所に辿り着いた。

畳すらなく、座禅を組む時にも座布団など決して使用しない場所。
高位の者同士が「隠し事無しで会話をする場所」でもある。

名取「お待たせしました、卑弥呼殿」
卑弥呼「……ふむ」

座禅を組む女性の背中。
ただ座って待っているだけなのだが、身体から流れてくる冷たく、気高い気配が、この人物が只者ではない事を窺わせる。
女は、薄目の黄色の羽織を纏い、両腕に長い数珠を巻いている。
耳元には、紫色の宝玉の着いた耳飾り。
長い黒髪の左右は独特の巻き方で、緑色の小さな宝玉で結わいであり、頭部の前部分は金色の髪飾りで覆われている。
凛とした細く鋭い目元には薄く赤い化粧が施され、細い鼻下と小さな唇が、彼女の美しさをより一層の深めていた。
何より、その細い目元から見える紫色の瞳の虜になる者は多い。
女の名は「卑弥呼」。
邪馬台に置かれたJAPAN最大の宗教勢力・天志教の「邪馬台寺」の「総帥」であり、女僧侶でありながら「大僧」の肩書きを持つ者である。

卑弥呼「お座り下さい。貴殿が上座です」
名取「……では」

巫女機関の総代と、邪馬台寺の総帥。
序列は当然前者の方が上である。
名取は、自然体のまま上座に座った。
同時に卑弥呼が、視線をやや天井に向ける。

卑弥呼「さて…………報告なさい、ゴエモン」
ゴエモン「待っていたでござる」

ヒュッ、と風を切る音の元、独特の青装束を纏う者が現れた。
この格好をする者は、JAPANでも特殊な職業、忍者のみ。
諜報、偵察、撹乱、暗殺等々の裏方の蔵人集団。
だが、最も注目すべきなのは、この忍者の背丈である。
小さいのだ。
とにかく小さい。
子供である。
しかし、侮ってはいけない。
この少年忍者こそ、邪馬台に存在する巫女機関直属の忍者部隊の中心人物の1人、「ゴエモン」である。
個人戦こそ二流の忍者だが、伊賀の長である「忍王」犬飼、「最強のくのいち」鈴女、「風魔の疾風」高坂義風などと肩を並べるとされている暗殺のスペシャリストである。





巫女の名取。
僧侶の卑弥呼。
忍者のゴエモン。

かの者らを総じて「邪馬台三将」と称される、巫女機関の主戦力武将である。





名取「卑弥呼殿、本日は御多忙の中…………」

名取の言葉を、卑弥呼は右手を上げて制した。

卑弥呼「我らの間に、そのような挨拶は不要です。時間は有限。何より「儀式」の準備も急がねばなりません」
ゴエモン「で、ござる」

卑弥呼の言葉に、ゴエモンも頷きながら、「織田家」と「異人」の調査結果を報告する。



「儀式」。
負の感情を持つ者に抱かれる事で、「負」の感情を己の体内へ取り込む儀式、「抱擁」。
そして、1人では背負いきれないほどの「負」の感情を体内に宿したまま、生け贄として「JAPANの主」に捧げる「オロチの儀」。
今年の巫女は「利根、香椎、筑摩、鹿島」の4人だ。



名取「では、織田家の狙いを伝えましょう。織田家は軍事行動の権限を異人の「ランス」なる者に与えております。かの異人の狙いは…………私です」
卑弥呼「むぅ…………異国者で女人好きの戦士の話は、聞いておりましたが…………ふぅむ」

卑弥呼の唸りは、色々な物が含まれていた。
足利家の保護下にあったかつての時代でも、巫女機関は仕事の関係上、とにかく美女が多い。
邪な想いを胸に抱かれる者は後を経たないが、中には完全に自分の者にしたいもの、姫として囲いたい大名なども居た。
そう言った不逞の輩から巫女達を護る義勇軍こそ、巫女機関の戦力なのだ。
しかし、中には圧倒的な軍事力を背景に恫喝してくる輩も居た。
そんな時は…………。

ゴエモン「いつもならば、某達の出番ござる」

巫女機関直属の忍者部隊の主任務は、邪馬台を脅かす者の抹殺。
そして、ゴエモンは巫女機関直属の忍者部隊でも「最強」と周辺諸国に触れ回っている…………そう、「触れ回って」いる。
ゴエモンの名を有名にさせたのは、牽制の意味合いもある。
JAPANに住まう者は、忍者を恐ろしさを良く知っている。
誰にも気づかれず、悟られず、知らせずに敵の命を奪える者達。
JAPANの武将は己の身を護るために、必ず1人以上の忍者を傍につかせているものだ。
そう言った者達の中でも「名を知られるほど優秀な忍者」が居るのは、敵にとって一種の脅しになる。
…………とは言っても。

ゴエモン「伊賀忍の「最強のくのいち」鈴女には、勝てないでござる」
名取「…………」
卑弥呼「…………」

如何にゴエモンが優れた忍者の1人でも、JAPANには優秀な忍者は沢山いる。
伊賀家の「犬飼」、尾張(ランス)の「鈴女」、武田家の「高坂義風」、毛利家の「吉川きく」、独眼流家の「折女」…………等々、上げたらキリがない。

ゴエモン「某、戦場での「忍法 陣地構築」はJAPAN一と自負しているでござる。えっへん、でござる。でもその他に関しては、他の方々より一歩ぐらい後ろに下がるでござる」
名取「…………」
卑弥呼「…………」



「陣地構築」。
それは、偵察任務を兼ねた忍者のもう1つの仕事。
戦地に赴き、敵に不利な仕掛けを施し、味方に有利な仕掛けを施す。
或いは、敵に有利な仕掛けを破壊し、味方に不利な仕掛けを破壊する。
最も、圧倒的な兵数差の前ではあまり効果が望めないなど、使い所を見定める必要がある技術だが。
…………微妙に忍法ではない、と思う方は漫画「軒猿」を参照。



卑弥呼「…………まあ、異人が何故に鈴女を雇えたかは知りませんが、何時もの手は使えません」
名取「…………」

宣戦布告されたとは言え、まだ始まっても居ない戦を前に溜息をつきたくなる名取だが、どうにか堪えた。
己は、実質的に巫女機関の長。
長の不逞は、味方の士気を下げてしまうのだ。

名取「そう言う事でしたら、やはり周辺の大名を巻き込むしか有りませんね」





織田家(ランス)の快進撃は、簡略化すると以下の通り。
尾張の真南、商業の盛んな「伊勢」を支配し、足利家と同盟を結び、織田家包囲網に参加している「原家」を電撃的な勢いで制圧。
かつての都「京」と足軽の育成に最適な地「まむし油田」を支配していた、500年前の栄華をもう一度戻すために領土拡大を続ける将軍の末裔「足利家」が宣戦布告してきたので、迎撃後に制圧。
数年前、「三河」を乗っ取り、「武田家」と同盟を結んだ、妖怪たぬき軍団「徳川家」に宣戦布告。
比叡山延暦寺の一件で、JAPANにおいて最も神聖な場所の一つとされる地「なにわ」と、JAPANの中部最南端「蜜柑」を支配する、JAPAN最大の宗教勢力「天志教」が宣戦布告。
「徳川家」に降伏させる。
天志教制圧、「大僧正」性眼は行方不明。
小規模な大名の小競り合いが続いていた地の1つ「テキサス」を和平交渉のみで統一した「浅井朝倉家」が宣戦布告してきたが、今現在大地震の影響で膠着状態。





卑弥呼「天志教の本拠地が潰され、大僧正殿の大号令が使えないのが…………痛いですね」

卑弥呼は、己が信仰する「天志教」の力が使えない事を指摘した。
巷では、天志教の悪行の数々(エロ教祖とかね)が流布され、織田家の正当性が声高に叫ばれているが、全ては織田家家老の「3G」の政治的手腕によるものだ。

ゴエモン「原、足利、天志教が制圧された事で、「大和」が完全に包囲されているでござる」

ゴエモンは己と同じ忍者が納める国を指摘する。
尾張の真西、山岳地帯の「大和」を支配する、JAPANに忍者の忍者による忍者のための組織を作ろうとしている、「伊賀家」。
今現在、周囲を織田家に囲まれ、孤立している。

ゴエモン「降伏させた「徳川家」に対しては。姫を奪ったり、家宝(青いの印籠)を強奪同然で謙譲させたりと、中々の横暴ぶりでござる」
卑弥呼「あの国は妖怪に奪われた国。人間側の不満は解決していまい」

異人の、乱立・膠着状態だった国々を滅ぼす勢いはなかなかのもの。
そして、それを支える家臣団もかなりのもの。

名取「正に…………豪胆なのか、大胆なのか…………」

普通に侵略していくのならば、後顧の憂いは絶つべきだ。
特に、大和の伊賀家は忍者の軍団。
放置しておくには危険なはず。
しかし、異人ランスは未だに大和への進軍はせずに、無視している。
或いは、何かしら策謀が進められているのか…………。

卑弥呼「厄介ですね。敵の手が読めないのは」

伊賀家と同盟を結んで挟み撃ちに…………と言う策謀は誰でも思いつく。
邪馬台の隣国、テキサスの浅井朝倉家は大地震の影響もあって、風前の灯。
他にも徳川家、明石家、種子島家…………等々いるのだが。

ゴエモン「駄目でござる。どの家も他に敵が居るか、自分から強大な織田家に宣戦布告する理由がないでござる」
名取「私達に用に、受けに回る方々ばかりですね」

なお、まむし油田の隣に「信濃」があり、そこは「JAPAN最強」と声高に叫ばれる「武田家」が居る。
武田家ならば、織田家を単独で潰せる力が十分にある。
しかし、残念な事に、北は「上杉家」、南は「北条家」に挟まれ、翻弄されている。
そこに決着がつかない限り、西進は無い。

名取「謙信殿は今どちらに?」

名取の質問に、ゴエモンは首を横に振った。

ゴエモン「武田の「三ツ者」ですらその行方を掴めていないようでござる。……自領か他領かさえ」
卑弥呼「ほほう。「風魔の疾風」が率いる一団さえ翻弄するとは、直江愛殿も中々の策士ぶり」

戦を起こす国あらば、毘沙門天の加護の下に鉄槌を下す「軍神」上杉謙信率いる「上杉家」。
だが上杉家は、武田家の脅威もあってか、迂闊な動きが出来なかった。





…………要するに、巫女機関の基本方針は





名取「周辺諸国の情勢を見守りながら」
卑弥呼「戦える者を雇い、揃え、巫女機関単独で戦う、ですな」
ゴエモン「…………」














●おまけ

鈴女「にょほ? 伊賀家が攻めない理由でござるか? それはゲー○をするユー○ーが瓢箪を○りたくないから、でござる。ににんにん!」
ランス「メタな発言禁止! がはははは! 伊賀を攻めない理由か? 俺様のスペシャルな知的頭脳が、攻めるのを後にさせた方が良いと判断したからだ! 行動回数とレベルの問題もあるしな!」
鈴女「ランスの方がメタでござる」







●後書き

どーも、zanettaです。
戦国ランスをやる上で、一位番好きな武将と言うか、絶対に捕獲したい武将は、卑弥呼様です。(笑)
戦場では強いし、個人戦ではランスをまた動かしてくれるし、なによりあの鋭い視線が。(笑)
あと、名取にも最初のクリアから、物凄くお世話になっています・・・・・・と言うか、名取なしでクリアした事が無かったり。(汗)
ゴエモンは、好感度で速さを「7」にして「帝リング」で、オール8。
「忍法 陣地構築3」を2回やってから「暗殺2」か「手裏剣2」のコンボが中々強力です。(つーか、本場の忍者の様な地味な動きが好き)
相馬疾風、摩耶、五十鈴・・・は、ちょっと微妙ですが。(苦笑)

巫女機関キャラが好きな方、別にどうでも言い方、どちらも出来れば読んで、感想くれると嬉しいです。
宜しくお願いしまーーーす。



[9406] [織田家 VS 巫女機関 戦力分析 その2]
Name: zanetta◆aeb0b303 ID:b54b8d91
Date: 2009/10/07 23:04
重たい沈黙が、部屋を包み込んでいた。
しかし、この雰囲気に身を任し続けてはいけない。

卑弥呼「コチラはその気になれば、9000弱の兵を集められる。兵の指揮が出来そうな者は……20ぐらいですね? 戦力にそれほどの差はないと思うが?」

気を取り直すかのように、卑弥呼は、ゴエモンに尋ねた。

ゴエモン「現在の織田家の武将数は16。浅井朝倉家とも未だに交戦中のため、向うが実際に動かせる兵数は6000前後で、ござる」
名取「……………………話を聞く限りでは…………護りに徹すれば、勝ち目はありますね」

名取の言葉は、的を得ている。
戦を勝つ要素は、兵数であり、次に地の利が来るのが基本。(謀略等で寝返らせるのも、兵数に加算)
…………なのだが。

卑弥呼「それで勝てるならば、我らが天志教が巻ける筈がありません」
名取「そう……ですね」
ゴエモン「…………」

圧倒的な兵力。
難攻不落の地の利。
「なにわ」「蜜柑」を支配していた天志教はどちらも持っていた。
しかし、数が劣り、地の利も無い織田家に敗北した。
その最大の原因は…………。

卑弥呼「やはり、将兵の質こそ重要です」

実は、天志教の正規兵には、兵種割合に問題があった。

武士・足軽、2割。
陰陽・弓兵・軍師・巫女、1割。
僧兵、3割。
…………そして、農民兵が4割。

この農民兵達は、数も多く、信仰による結束力も強いのだが、結集した武士集団の突撃には適わなかった。
…………と言うよりそもそも、農民が訓練を積んだ集団が「足軽」なので、「農民兵」とはまともな訓練を受けていない集団なのだ。

名取「ですが我が方は、足軽・巫女・僧兵が全体の7割。その他が3割と言った所。戦えない訳はありません」
卑弥呼「…………まあ、兵に関しては問題ないと考えましょう。やはり問題は、率いる武将の質かと思われます」
ゴエモン「…………」

「邪馬台三将」と称される、名取、卑弥呼、ゴエモンは十分な指揮能力があり、個々の戦力も他国に引けは取らない。
しかし、他の武将は、戦の経験が無いか、あったとしても義勇軍の将程度である。
これは「邪馬台」と言う地が決して戦をしてはならない土地であり、国力からもする価値が無いからであった。

卑弥呼「異人ランスの力に疑いはありません。「最強のくのいち」鈴女を始め、それと共に攻めて来るのは、織田家の「鬼武者」乱丸、「鉄壁」柴田勝家…………」
名取「他にも、「妖怪退治の斎藤家の後継娘」油娘道三、「JAPAN一の女弓兵」とまで呼ばれる山本五十六殿…………」
ゴエモン「若武者・前田利家殿が、「歌舞伎いた」やら「傾奇御免状」とやら貰ったとかで、「変身」して前田慶次殿に改名したそうでござる」

正に、一騎当千の武者の巣窟になりつつある織田家だった。

卑弥呼「摩耶、五十鈴らはどうですか? 巫女の中でもそれ相応の力があるとか?」

卑弥呼は、脳裏に思いつた、力ある者達の名を並べた。
当然、戦場に出す事になれば、死ぬ可能性は十分にある。
しかし、戦をする以上、国力や能力のある者を失うのは必定。
今この場では、冷徹に、使えるモノを消費する判断が求めれるのだ。

名取「……「抱擁」もありますし、彼女らもそれなりの将としての才はありますが、出来れば最後の手段にしたい所です」
卑弥呼「ふむ……………………球磨や、天満は次世代のために生きなければ成りませんし…………」
ゴエモン「…………」

結論から言えば、巫女機関に居る将だけでは解決は無理だった。
故に…………。

卑弥呼「やはり、先にも述べたように、有力な将を集めるしか有りませんね。とにかく、時間を稼ぎましょう」
名取「……アテがあるのですか?」
ゴエモン「…………」

名取の疑問も当然だった。
周辺諸国の助力が望めない今、果たしてどれほどの将が来るというのだろうか?。

卑弥呼「我らにある利は、「地」と「織田家と戦う国」であることのみ。…………全てを決める決戦は、桃源神社一帯で行いましょう」
名取「…………」
ゴエモン「…………」

「邪馬台」と言う土地は、山道が続き、険しい道が続く事で有名である。
それでも、巫女屋敷まで辿りつく者が多いのは、男の欲望の強さだ。
しかし、今回は「戦」で敵は来る。
士気が高いかどうかは正直疑問があるだろう。
だからこそ可能な「遅延」の策。
しかし、それも…………。

名取「…………敗軍の将、ですか。果たして如何ほどでしょうね」

やはり、人集めには懐疑的にならざる得ない。
織田家に滅ぼされたのは「原家」「足利家」「天志教」の3つ。
名取自身失礼を承知して言えば、戦力的には巫女機関と大して変わらない。

卑弥呼「名取殿、勘違いしてはなりません」
名取「…………と、言いますと?」
ゴエモン「…………」

名取の言葉に、卑弥呼はゆっくりと、鋭く言い放った。

卑弥呼「異人を討てれば良いです。後に残るのは、同じJAPANの者のみ」
名取「…………」
ゴエモン「…………」

名取は沈黙を保ったまま視線を、控えているゴエモンに向けた。

ゴエモン「織田家当主・織田信長は、病の悪化から本能寺で静養中でござる。今の織田家は、異人に乗っ取られている状態でござる」
名取「…………」

名取は、目を瞑って思考する。
巫女機関の総代として、JAPANを護る者の一人として、決断を下す。





名取「卑弥呼殿」
卑弥呼「ハイ」
名取「軍の編成と、防衛の総指揮をお願いします」
卑弥呼「承知しました。あと、「天満」をお借りします。現状がどうであれ、あの者に後継者として教育する良い機会です」
名取「…………お任せします」





名取「ゴエモン」
ゴエモン「ハッ!」
名取「桃源神社一帯に陣を敷く、総指揮を取りなさい」
ゴエモン「承知ッ! JAPAN一の防衛拠点を築くでござる!」
名取「…………頼みましたよ」





結局の所、後に語れる織田家と巫女機関のとの戦いは、最初から勝敗が決していたのだった。









真夜中。
満月の光が、世界を照らす。

「トマシクマトシモイ マハシニクハマシ コモキナテキ シトキリチス ハシモリキハケレマン テマミハマラスセケ ハリマキハリ チニクイナ スイケンリシハキキリ レシレハリラク リテセニヨミ テマクナテチクキレマクノ…………」

織田家の侵攻が始まってから、数日後。
卑弥呼は、念仏を唱えていた。
最も彼女にとっては、気を紛らわせているに過ぎない。

卑弥呼「利根……」

静かに。

卑弥呼「香椎……」

哀しみを込め。

卑弥呼「筑摩……」

労わる様に。

卑弥呼「鹿島……」

嘆く。

己の力の無さを嘆く時間は過去の物。
時間の流れは一方通行であり、巻き戻して流れを変えようとするのは邪道の類。
しかし、「大」を助けるために犠牲になった「小」が、未来永劫輪廻の輪より外れ、彷徨い続ける。
それは地獄なのか、地獄ではないのか。
どちらにせよ、欺瞞に満ちた善意の果てである。

卑弥呼「義勇兵の一団が壊滅したそうです。世が世なら、我らを裁かれる日が来たのですか?…………ムサシボウ殿…………」
ムサシボウ「…………」

その男は、何時の間にか卑弥呼の傍らに居た。
2メートルを越える「巨体の僧兵」と表現出来る。
僧兵特有の白頭巾の隙間から見える、黄色の双眼。
白頭巾の上から首に巻く、人間の手を広げたぐらいの大き目の玉によって造られた、巨数珠。
朱色の一本足下駄。
しかし、最も目を引くのは、背中に背負う武器の数々。
人間の頭2つ分ほどの大きさの、木槌。
通常の物より一回り大きい、鋸(のこぎり)。
身の丈とほぼ同じ長さの、槍。
敵を捕らえる事に特化している、刺股(さすまた)。
JAPAN原産にして「JAPANの象徴」とも言える、日本刀。
それらを纏めるために使用されているであろう荒縄。
目視出来るだけでもコレだけの武器所持している「巨体の僧兵」。
さらには、2.5メートルを越える、手に握った朱色の錫杖。
正に、猛者。

卑弥呼「如何なさいますか? 織田家は強く、他国の援軍は見込めず…………邪馬台最高戦力は、不動ですか?」

その縋るような問いに、ムサシボウは思った以上に流暢な返答をした。

ムサシボウ「…………我はクロウさまの命により、シズカさまを護るのみ」
卑弥呼「……ふふ」

卑弥呼は満足した。
結局の所、皆、思う事は1つなのだ。
「護りたい」と言う、意思を持つ者達を最も強くするココロ―――――











●ムサシボウ(設定は妄想と鬼畜王ランスから)

登場作品:鬼畜王ランス
種族:オロチの影響を受けた魔物(妖怪では無い?)
性別:男
年齢:????
才能限界Lv:??/??
技能:剣戦闘LV1、槍戦闘LV1
身長:(推定)200cm以上(一本足ゲタが長い)
体重:(推定)110kg以上(多量の武器を所持)
職業(役職名):迷宮の中心格の1人
鬼畜王ランス:迷宮(大蛇の穴)の中ボス
乙女戦記:迷宮(クロウの迷宮)の中ボス?
戦国ランス:未登場
特技:敵の武器を奪う事
趣味:武器収集

勝手な設定:
JAPANの主の巣へと繋がる迷宮「オロチの穴」の内部で暮らす、古き魔物。
基本的に「オロチの穴」を拠点にして動かないが、時折外に出て武器を集めているようである。(抜け道があるらしい)
最終的に「平氏」と「源氏」の2大勢力の戦いとなった第2次戦国時代(魔王ガイの不干渉政策、魔人ザビエルが2度目の封印をされた後)から活動を確認されている。
大陸全土を制覇した聖魔教団のJAPAN占領、足利尊氏が帝になりJAPAN統一、魔人ザビエルが復活し大暴れ、等々の時代も「オロチの穴」の内部で暮らし「何か」を護り続けた。
巫女機関が設立された時に、JAPANの主の情報を足利家に提供した事から、事実上の相互不干渉同盟を結んでいる。
ムサシボウが何を護ろうとしているのか、歴代の巫女機関の長はある程度予測しているが、暗黙の了解で確認する事は無い。





●後書き

個人的に、ムサシボウとF○シリーズのギ○ガメッシュのキャラ設定が似通っているのがなんとも。(笑)
元ネタが共に弁慶ですんで、仕方ないですが。
「闘神都市2」も出ていましたが、「戦国ランス」に出なかったので、正直残念でした。(「乙女戦記」は未プレイです)
個人的に妖怪っぽかったんですが、調べてもそう言った表記が見当たらなかったので、「オロチの影響を受けた魔物」と言う形に。
何かご存知でしたら、感想と一緒に御意見くれると嬉しいでーす。
それではー。(ぺこり)


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