俺は、産まれながらにして死神が見える銀髪でオッドアイの少年『黒神 炎凱』
この神が与えた異能で日夜戦い続け、ついに爆発した。
いやまぁ、流石に爆発したのは嘘だけど、戦い続けたのは嘘。
『黒神 炎凱』ってのは嘘で、オッドアイも嘘、銀髪ってのだけは嘘で、少年なのは嘘。
死神が見えるのは本当、助けてください…。
本当の名前は■■■■
子供の頃から死神が見えた。
実は、死神が見える人ってのは結構居る。
だって、その死神はノートで人を殺したり『卍解ッ』とかやってたり。
多分それらの作者は俺と同じ力があるのだと思う。
そんな風に今でこそ俺も落ち着いてるが、この力の異常性に気付いた時は酷かった……厨二病的な意味で。
中学校に入ってから、この力の異常性に気付き、死神が出て来る漫画…もとい文献を読み漁った。
『黒神 炎凱』ってのもその時考えた名前で、死神が見える人が結構居る事に気付くための代償だった。………未だに思い出す度、部屋中をゴロゴロしてしまう。
そして、その時の代償はもう一つある。
それは『オタク』と呼ばれる人種になってしまった事だ。
最初は死神が出る漫画目当てで買ったジャ〇プ、次第に『い〇ご100%』も読むようになり、気付いた時にはマガ〇ンやサン〇ーも読み始め、アニメ、ゲーム、ラノベ……とまぁ、今に至る訳で。
そんな俺でも今では立派な魔法使い(〇歳まで守り続けた的な意味で)
そんな魔法使い君が今ハマってるのは、転生系SS。
良いなぁ、漫画の世界に行きたいなぁ…と、日々考え続けた結果、テンプレ通り間違って殺されて転生出来るんじゃね?と……。
幸い、間違って殺される事には苦労しなかった。
死神の鎌は見え放題、後はそこに飛び込むだけ。
そう思って鎌に飛び込んだんだけど………………長いな。
自己紹介済んじゃったよ。
じゃあ、とりあえずもう一回いっときますか!
俺は死神が見え「もう良いです」……。
不意に声が掛けられる。
「遅れてすみません、天使です」
紫色の髪の自称天使がそこに居た。
……天使ですって、テンプレだからって手を抜き過ぎじゃあないかい?
「すみません、マニュアル通りなんですけど…」
「マニュアル通りにやってますというのは、アホのやる事だ!」
御大将である!
「すみません、上からの指示で…」
上って誰よ?つーかスルーしたな、コイツ。
「上ですか?直属の上司は作者……」
コラ作者!テンプレだからって手を抜くな!