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[9895] すごいよ!ゼルエルさん(現実→ゼルエル)
Name: TORISU◆f1c5a480 ID:916976f0
Date: 2009/07/08 16:05
目が覚めたら












ゼルエルになってた



















すごいよ!ゼルエルさん

第1話 ゼルエル大地に立つ(足ないけど)





い、今起こったことをありのままに言うぜ

”朝、目が覚めたらゼルエルになってた”

何を言ってるのかわからねぇと思うが、俺も何が起こったのかさっぱりだ

トリップとか、転生とかそんなチャチなもんじゃ断じてねえ

もっと恐ろしい何かの片鱗を味わったぜ






いやまあ正確には”味わった”じゃなくて"味わってる"なんだけどね

つうかマジで何なんだこの状況

何ですか。夢ですか。ああそうか夢か

ああよかった夢か~、よかった、よかった

・・・・なわけねぇだろ!

あれだよ、顔つねろうとしてもこれ手?がぺらぺらでつねれねえよ

ていうか刺さったよ、ぐさって

で、めちゃくちゃ痛えもん、これが

うん、だから夢じゃない。これは現実だ!

ぜんぜん嬉しくないけど現実だ!(涙)





さて現実を認識したところでこれからどうしようか考えよう

ちなみに刺さった部分はもう塞がっている

すごいね~、使徒の回復力って。あはははははは

まあそれはおいといて

先ず現在位置

どっかの沖合い

ていうか目の前に陸地見えるからね(たぶん数百メートルくらいの距離かな)

そしてたくさんの戦車に、いっぱいの戦闘ヘリもついでに見える


次に自分の状態

ゼルエル=使徒=人類の敵

ついでにいえばどうやら旧版じゃなくて新劇場版のほうのゼルエルらしい

まあ(海に映ってるのを)見た感じだけどね



総合判断

うん、ぜんぜん嬉しくない状況だね


そう思うが早いか、いっせいに目の前の戦車と戦闘ヘリから火花が飛んできた














すごいよ!ゼルエルさん 完
















・・・・・になったらある意味よかったかもね~

うん、全然効果ないんだ。すまない

ていうか無駄にA・Tフィールド張ってるな

え~と何枚張ってんのかな、ひい、ふう、みい・・・うわ、十枚もある

そしてそれにありったけの火力を叩き込む戦自?の皆さん

こっちにゃ、爆風さえも届いてないがな!

うわははははは!俺TUEEEEEEE!俺SAIKYOOOOOOOOOO!

・・・・暴走初号機を抜いて



うんこのままだと初号機(と他2機)がくるよなぁ

そして電池切れ→動け、動け→初号機暴走→俺バッドエンド(ついでに捕食される?)

うんそうだよな、俺捕食されるんだよな・・・・



(想像中)



こ、

こえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!

ちょ、マジで怖いんですけど

どうしようこれ、どうするよ俺

いや、落ち着け、こんなときこそ落ち着け。KOOLになれ俺

先ずは選択肢を見てみるんだ

①暴走初号機を倒す

②先にシンジを殺して無力化

③全面降伏

④捕食される、現実は無常である


③!、③!!、③!!!、全力で③!!!

ていうかこれしか活路が見出せない

①は無理。ていうかボディーはゼルエルだけど中身が一般ピーポーだから

あんな怪獣大決戦とか無理

②は心情的にもちょっと勘弁

それにたとえやったとしてもそれでも暴走しそうだし

④は論外


よし"全面降伏"決定

・・・・でもどうやって伝えたらいいんだ?

そうして俺はしばらくどう降伏するかの思案に走った

(ちなみに戦自からの攻撃はその間も休むことなく続いている)























SIDE 碇ゲンドウ


「ばかな!これだけの量の火力を受けてなぜ生きている!!」

「N2兵器はもう無いのか!残っている全部を叩き込め!!!」

無駄だ、その程度でどうにかなるような相手ではない

眼前には叫び散らしながら部下に命令をしている戦自の高官共

そしてモニターには不気味なほど静寂を保ったまま戦自の攻撃を受けている使徒

何もかもが想定外だ

まさか零号機起動実験の失敗の翌日に現れるとは

それに想定していた使徒とのあまりにも大きすぎる戦闘力の差

想定道理ならN2兵器なら足止めくらいは可能だったはず

しかし目の前の使徒には焦げ後ひとつ残せない

今からシンジをつれて来させるか?

いや、間に合うまい

ここに来るころにはとっくにやつはセントラルドグマに到達しているだろう

ではレイを初号機に乗せるか?

だめだな。戦闘どころか意識さえ戻っていない

本部を自爆させるか?

今目の前で5発同時のN2ミサイルの直撃に対して傷一つつかない化け物に対してか

無駄だな

これはどうやら


「負けたな」

「ああ、負けだ」

冬月の言葉に素直に同意した

ここまで絶望的な状況になるとかえってさめるな

「敵、移動を開始!」

「進行方向はこちらです!」

そうオペレーターが言うと高官共の顔が一様に青ざめた

「どうやら我々の現有戦力では対処できないようだ」

「よってこれより作戦権限は君たちに譲ろう」

「せいぜい頑張りたまえ」

そういうが早いか逃げていく高官共

まったくどこに逃げるというのか

どうせここが消滅した後は手当たり次第にあたりを破壊するだろうに

まあ、あとはドイツの弐号機にでも期待するしかないか

目の前の化け物を見るかぎり勝算はほぼゼロだろうがな

「敵、山中付近で停止」

「山を切り刻んでいます」

「何をしているんだろうな」

「さあな、使徒の考えなど人類には分からんよ」

冬月の疑問に力なく答える

しかし本当に何をやっているんだ

そう思っていると使徒が山から離れそのぺらぺらの腕?を上に上げた

何かの攻撃か?

「や、山に何か書いてあります」

「はあ、どういうことだ?」

「モニターに回せ」

そして出たモニターにはたしかに山に何か書いてあった



















「冬月、後は頼んだ」

「待て碇!気持ちは分かるが待て!」

「仕事のし過ぎで幻覚が見える。適度の睡眠が必要だ」

「大丈夫だ!私にも見えるからな!」

「そうか。ではお前も寝ろ。以上だ」

「待て碇!現実から逃げるな!」

何を言っている冬月

こんなものが幻覚でなければなんだというのだ

そう思いあらためてモニターを見る



そこには汚い文字で「降伏します 命だけはお助けください」と山に書いてあった



うむ、やっぱり幻覚だ

視界の端に見える手を上げている使徒を無視しながら俺は司令室を後にした


「戻って来い!碇ぃぃぃぃぃぃぃ!!!」





あとがき

新劇場版のゼルエルが素敵過ぎて書いた

ちなみにこの世界は旧版の方

つまり旧版INゼルエル(新劇場版)憑依もあるよ♪です



[9895] すごいよ!ゼルエルさん(現実→ゼルエル)第2話
Name: TORISU◆f1c5a480 ID:916976f0
Date: 2009/06/28 21:37


すごいよ!ゼルエルさん 

第2話 (いろいろな意味で)未知との遭遇



SIDE ゼルエルさん


あれ(降伏して)からしばらくするとネルフのVTOLが来た(ネルフのマークが付いてた)

ちなみに戦自はとっくの昔に退却している

税金の無駄遣いだと気づいたのかねぇ

あ、ちなみにこっちからはまったく手出ししてませんよ

まあ流れ弾に当たったのが少々、いや結構いたけど


と、思考が脱線してるな

さて何しに来たんだろう

そう思いVTOLをみると下に板が付いているのが見えた

どうやらでかい電光掲示板みたいだ

すげぇなネルフそんなもんまで持ってるのか

そう思ってると電光掲示板に文字が出た

『文字が理解できるなら右手を下げろ』

おお、どうやら俺の策は成功したらしい

よかった、ホントよかった!

俺は助かったぞぉぉぉ!!!

そう感動しながら俺は右手を下げた(ちなみに腕は上げっぱなしだった。途中で疲れるかなァと思ったがまったく疲れない。さすが使徒ボディ)

『降伏するということは本当か。本当なら左手を下げろ』

ホントだよ、ホント!

使徒嘘つかない!

そう心の中で連呼しながら左手を下げる

『人類に敵対する意思はあるか。無ければ右手を上げろ』

無いよ、そんなもん!

人類?みな兄弟!平和が一番!平和が一番!平和が一番!

またもや連呼しながら右手を上げる

しばらくして掲示板に新しい文字が現れた

『誘導する。付いて来い』

はい、いきます!

もう、犬のように付いて生かせてもらいます!

そうして俺はルンルン気分でVTOLに付いていった





















3時間後




え~と

なにこの状況

そう思わずつぶやいてしまう光景が今俺の目の前に繰り広げられていた

「おい、チェーンソウじゃ傷一つ付かないぞどうする」

「2班はどうした!なに、逃げ出したぁ!とっとと連れ戻して来い!」

「これが・・・使徒」

「せんぱ~い、逃げましょうよ~。絶対油断さしてばくっといく気ですよ~」

「そのつもりならとっくの昔にやってるわよ。いいからデータ取りなさい」

なにこのカオス

VTOLに誘導されて付いたところはエヴァが格納されてるカーゴに似たところだった

で、いきなり体を固定される俺(まあ簡単に引きちぎれそうだけど)

そして現れる研究員の方々+α

で、研究される俺←今ここ

お~あそこにいるのはもしやリツコさんか

ほんとに金髪黒眉毛だ~

そしてそのリツコ女史に涙目で付き従っているのはマヤちゃんか

いやいや大丈夫だからマヤちゃん

よっぽどのこと(初号機に食わせるとか)が無けりゃ抵抗とかしないから

で、俺のことをまるで親の敵のように(ていうかそのものか)見る巨乳のお姉さん

葛城ミサト女史ですね、分かります

うわ~い原作キャラ目白押しだ~


て、そんなのんきな事いってる場合じゃねぇぇ!

このままじゃ俺マジで解剖コースまっしぐらじゃん!

らめぇぇ~研究しちゃらめぇぇぇ~。解剖はもっとやだァァ~

もう気分はマジで「止めろ、ショッカー!!!」だぁぁぁ!!!























SIDE 冬月 

「使徒、こちらの誘導にしたがって付いてきます」

「17番ゲートを開け。そこから降ろさせる」

碇が出て行ってから数時間後

仕方なく私が総指揮を取っている

のだが

「・・・私も寝込みたいな」

「やめてください!副指令!」

「副指令がいなかったら収拾が付きません!」

分かってるよ、言ってみただけだ

こういうときは自分の性格が恨めしいな、まったく

大体何なんだこの状況は

なぜ、使途とコミュニケーションが取れる

なぜ、圧倒的有利の状況で降伏する

なぜ、我々はそれに応えている

いや、最後のだけは分かるな

それしか残された手段が無かったからだ

通常兵器はすべて無効、虎の子のエヴァも使用不可、後は自爆して一矢報いるか(それも無駄に終わりそうだが)

そんな状況で相手からの降伏

さっぱり意味が分からない

だが我々はそれにすがるほか無かった

たとえそれが罠だったとしてもだからどうした

そうだどうせ招きいれようが、なかろうがやつは苦もなくここまでこれる

ならたとえ藁だとしても助かる可能性があるならすがりついてもいいじゃないか

そう半ばやけっぱちな気持ちで私は指揮を取り続ける




















SIDE 葛城ミサト

気に入らなかった

この状況が気に入らなかった

ついこの間日本に帰国し本部付けとなってすぐの使徒襲来

想像をはるかに超える使徒の能力

そして虎の子のエヴァが使えないという状況

絶望感が指令室を包み込んだ

かくいう私もあの時は絶望感しかなかった

世界滅亡を想像しての絶望

父の敵を討てないことに対しての絶望

こんな状況にあって何もできない自分への絶望


そしてそんなときにいきなりの降伏

最初は理解ができなかった

というか使徒にコミュニケーションが取れるというのが信じられなかった

そして次に思ったのが疑惑

懐に入ったところで安全にアダムまで行くつもりなのか

それとも人類をおちょくって楽しんでいるのか

しかし私が思案している間に副指令は使徒の降伏を受諾することにしたらしい

私は当然のように反対したが半ばやけっぱちになった副指令はかたくなとして譲らなかった

それどころかリツコを筆頭に次々と周りはそれに賛成していった

結局降伏は受諾されいま使徒はエヴァ用の予備のカーゴにいる

そして私はそのカーゴをガラス越しに見ている

「これが・・・使徒」

意外なほど頭は冷めていた

てっきり目にした瞬間暗い激情に駆られるかと思ったのに

使徒は即席の拘束具に止められリツコ等研究員に集られている

しかしあんな拘束具などはっきりいってまったく役に立ちそうにない

それなのにあの使徒は律儀にもされるがままされている

いつでもどうとでもできるという余裕か

それとも自分に集る人間を眺めておろかだと笑っているのか

それとも・・・

そんなことを考えながらふと使徒のほうを見るとなぜか視線が合った気がした








あとがき

調子に乗って連投

ゲンドウは夢の住人に

冬月はやけっぱちに

リツコさんはマッドに

ミサトさんは疑心暗鬼に

ゼルエルさんは一難去って又一難に

そんな状況

PS.感想は作者の燃料



[9895] すごいよ!ゼルエルさん(現実→ゼルエル)第3話
Name: TORISU◆f1c5a480 ID:916976f0
Date: 2009/06/30 19:31

すごいよ!ゼルエルさん

第3話 美(少)女と野獣(というか怪獣)




SIDE 碇ゲンドウ


「由々しき事態だ」

「左様、使徒の襲来、ここまではいい。だが降伏とはどういうことだ」

「使徒と人類は相容れない存在同士だ。それが死海文章と我々の共通の認識のはずだ」

「というより本当に今回の使徒は第3使徒なのか。記述とはあまりにもかけ離れている」

「来てしまったのは変えようのない事実です。そして使徒が自らの意思で人類に対して降伏したというのもまた、事実です」

「それが本当だとなぜ分かる。使徒が我々を欺いているという可能性もあるぞ」

「する必要がありません。やつに対し我々は現時点で何の有効な手立てを見出せないのですから。本来なら悠々とアダムまで行き着けばいい」

「それこそが最大の謎だよ。なぜやつは降伏などした」

「それは現在調査中です」

「ふん、結果が出ればいいがな」

「そのつもりです」

「とにかくだ、碇。エヴァの強化予算は一考しよう。その代わり早急にやつの調査結果を出せ。以上だ」

そういうと通信をきっていく老人共

「やれやれ、老人たちもだいぶ困惑しているようだな」

「プランが最初の一歩で狂ったのだ。当然だろう」

我々とて困惑しているのだからな

頭の固い老人共にとってはよけいにだろう

「赤城博士から調査結果は」

「まだなんともいえないらしい。だがやつが人間の成人クラス以上の知恵があることは間違いないらしい」

「有効なコミュニケーション方法の確立は?」

「まだらしい」

「そうか」

やはりすぐには無理か

だがやつにそれだけの知恵があるというのなら交渉も不可能ではないだろう

問題はこちらにはほとんど有効なカードがないということだが・・・


ぷるるるるるるる

そう思案していると電話が鳴った

「私だ・・・なに!どういうことだ!なぜ止められなかった!!」

「どうした、冬月」

「碇、まずいことになった。レイが使徒と接触した」

「なにぃ!!!」

ばかな!レイはいまだ意識不明のはずだ!

「レイはどうなった!!」

「使徒のコアに接触してとけるように消えたらしい」

くそう!このままでは我々のプランも崩壊するぞ!

「赤木博士を呼べ!」
















SIDE 綾波レイ


呼ばれている

目が覚めたとたんに感じた不思議な感覚

そう、それをなぜか呼ばれていると思った

そしてそれに従って私は歩き出した

不思議と体は動く

そして私は"彼"に会った

「使徒・・・」

それは使徒だった

「あなたが呼んだの」

なぜか彼が肯定しているような気がした

「そう・・・」

そして私は彼のおそらくコアと呼ばれる部分に触れた

なぜかそうすべきだと思った

そして私は彼の中に入っていった










彼の中はとても暖かかった

そう心がとてもぽかぽかした

そして私はかれに会った


「ぷるぷる、僕悪い使徒じゃないよ」

「そう、あなたは悪い使徒じゃないのね」

彼は悪い使徒ではないらしい

「いじめないで~」

「大丈夫。いじめないわ」

「ほんと~」

「ええ」

そういうと私は彼を抱きしめていた

そうしたほうがいいと思ったから

「あたたかいねぇ」

わたしはあたたかいのだろうか?

よく分からない

「あなたの名前は」

「ぼくの名前はゼルエルだよ~」

「そう、ゼルエルというのね」

「そうだよ~」







あの後彼は私にいろいろ語った

私と会えてうれしいとか

ここは娯楽が少ないとか

初号機が怖いとか

そして戦うのが怖いらしい

「そろそろ出たほうがいいよ」

「そう、分かったわ」

どうやら出たほうがいいらしい

だがなぜか私はここを出るのが惜しくなった

なぜ

「きっとみんな心配してるよ」

「そう」

心配

他人を思うこと

碇指令も私を心配してくれているだろうか

「じゃあね、レイちゃん」

「ええ、さようなら」

そういって出ようとしたところで彼が言ってきた

「違うよレイちゃん。こういうときは『またね』ていうんだよ」

「そう、分かったわ」

そして私は彼に向き直って

「またね」

そう言って彼の中から出て行った


























SIDE ゼルエルさん


計画どうり(にやり)

いよっしゃぁぁぁ!レイちゃんと仲良くなったぞぉぉぉ!!

いや~まさか電波とか出ないかな~とか言うあほな考えが成功するとは

正確に言えば「来い~。来い~」とかどう見ても怪しい人です本当にありがとうございましたなことを念じてみた(笑)らマジでレイちゃんが来ちゃったんだよね

あれだね、受信成功ですね分かります

俺SUGEEEEEEEE!!!




うん、あれなんだ。いわゆる"最後にしたいこと"ていうやつだから許して欲しい

このままだと俺はリツコさんたちによる解剖ショウ一直線なんだ

でも初号機に食われるよりかは、きっと麻酔とかしてくれる分こっちのほうがいいと思うんだ

だから最後くらい最強オリ主の真似事したって罰は当たらないと思うんだ

そしてなぜだか知らんが俺のコア?に溶けていくレイちゃん

そして俺の意識もブラックアウトしていく












そして気づけばよく分からん空間にいた

そして自分の姿も変わっていた

それは本当の俺の姿・・・・ではなく

なんていうかあれだ、うん

ホイミスライムの顔部分がゼルエル(デフォルメバージョン)という意味不明な姿だった

あれだね。これは俺にあれをやれという俺の仲の何かの仕業だろう(こう書くとなんか中二っぽく見えるよね)


そして俺はあの有名な言葉を言う


「プルプル、僕悪い使徒じゃないよ」

















あの後レイちゃんが出たら自動的に俺の意識も元に戻った

案の定俺の周りには大量の研究員とリツコさん、そしてはじめてみるロマンスグレーの髪の老紳士と髭のおっさん

冬月さんとゲンドウさんですね、分かります

なんかめっちゃくちゃ騒いでる(当たり前だろうけど)

まあ言いや、どうせ俺解剖エンドだろうし~

それに最後にレイちゃんっていう超美少女とも会話できたし

さあ!煮るなり焼くなり好きにしろ!(ただし、捕食は勘弁)




あとがき

さらに調子に乗ってみた

感想を見たら41とか言う数字になってた

あれだね読者はきっと俺を燃料過多で真っ白に燃え尽きさせたいんですね分かります

そして多すぎてレス返しもできないというありえない事態に

でもやっぱり感想は欲しいです、生意気なこといって申し訳ございません





[9895] すごいよ!ゼルエルさん(現実→ゼルエル)第4話
Name: TORISU◆f1c5a480 ID:916976f0
Date: 2009/06/30 19:30

すごいよ!ゼルエルさん

第4話 ファースト(チルドレンによる)コンタクト



SIDE 赤木リツコ


「では使徒は、いいえゼルエルは初号機を恐れているの?」

「はい。そう彼は言っていました。そして戦うことも怖いと」

どういうこと?あれほどの力を持つ使徒がいまだ起動実験だって成功していない初号機をなぜここまで恐れるの

そして戦いが怖い・・・

戦闘行為自体に恐怖を抱いているのか

それとも初号機と戦うことに対してか

まあなんにしても、もしこれが事実だとするならばなるほどあの降伏も少しは理解できる

でも、それならなぜ今初号機を破壊しようとしないの

謎は尽きないわね

「分かったわレイ。出て行っていいわよ」

「はい」

そう応えるとレイは部屋を出て行こうとしたが、途中に何か思い出したのか再び私のほうを向いて

「またね」

そう言った

まさか、あの子がこんなこというなんて

「レイ、あなた誰にそうするように言われたの」

少し好奇心が出て聞いてしまった

レイにこんなことを教えるような人間はほとんどいないはずなのに

そういえば最近ミサトが戻ってきたから彼女からかしら

「彼に、ゼルエルに教えてもらいました」

「使徒に!?」

「はい」

まさか使徒がそんなボキャブラリーまで理解してると言うの

いえ、これだけの知能があるのならあるいはそれも当然なのかしら

「では、赤木博士。またね」

「ええ、またね」

そういうとなぜか自然と笑みがこぼれた

それは研究欲がみなぎってきたせいか、それともレイがそんなふうなことを言うことに対しての感動か

あるいはその両方なのか























SIDE 葛城ミサト


それを私が聞いたのは結局事態が収まってからだった

ファーストチルドレン―綾波レイ―の使徒との接触

結局事態は1時間ほどでレイが使徒の中から自分で脱出してきたことにより収まったらしいが作戦部長の私にさえ報せないとはどういうことだ

とにかく、詳しいことを知るために私は事態を把握しているだろう親友の下に行った

「で、どういうことよ。リツコ。レイはどうなったの。精神汚染の心配は?それにあの使徒についても」

「いっぺんにいくつも聞かないで欲しいわね。それに私だって忙しいのよ」

そうやれやれとした表情でリツコはため息を吐いた後、詳細を語った

「レイは無事よ。精神汚染の心配もなし。逆に怪我が治ってたわ」

「使徒が治したってこと」

「そうみたいね」

「で、肝心のその使徒は」

「特に何もないわ。ずっと静寂を保ってる。ついでにいうとゼルエルって名前らしいわよ」

「ちょっと、なんでそんなことが分かるのよ。使徒が自分から名乗ったわけじゃあるまいし」

「自分からそう名乗ったらしいわよ。レイ曰く」

「レイ曰くって・・・じゃあなにレイが使徒とコミュニケーションをとったてこと!」

「そうらしいわね」

人類との、いえエヴァパイロットとのコンタクト

それが狙いだったというわけ

「それで他にレイはなんて」

それからリツコから話されたことはいろいろと衝撃だった

まさか使徒がここまで感情豊かな存在だったなんて

いえ、それはあの降伏の文章からも分かることね

それよりまず気になったのは「初号機が怖い」ということ

たしかまだ起動実験だって成功してないという話らしいけど

「初号機ってそんなにすごい代物なの」

「さあ、分からないわ」

「分からないって、あんたが作ったんでしょう。初号機」

「私が担当したのは最終調整ぐらいよ。大筋は碇ユイ博士、指令の奥さんが手がけたもの」

なぜかその"奥さん"という部分を苦々しげにつぶやいていた

「じゃあその人は」

「死んだわ。初号機の実験中に」

「そう」

結局謎が残ったままというわけか

その後リツコから忙しいからさっさと出て行って欲しいといわれリツコの部屋から出て行った

そして今私は又あの使徒―ゼルエルーのところに来ていた

まったく何なんだろうかこいつは

恐ろしく強いかと思えばいまだ起動実験にも成功していない初号機を怖がる

そして人類に対しての降伏

挙句は人とのコミュニケーションを図ろうとする

騙しているのか、それとも本気で人類との共存を図ろうとでもいうのか


「・・・・そう、そうなのね。分かったわ」

「んっ?」

しばらく思案しているとレイが来た

確かに見た感じは完全な健康体らしい

しかしいったい何を言っているのかしら。独り言?

「レイ、何しているの?」

「彼と話をしています」

彼?見たところ付近には私たちしかいないようだけど

「その彼は?」

そういうとレイはその彼に指差して

「彼です」

そう応えた

そしてレイの指差す方向にはガラス越しに使徒が映っていた



















SIDE ゼルエルさん


あれからしばらくしても解剖ショウは開催されない

あるぇ~どういうこと~

あれですか。レイちゃんのほうに構っていてこっちにゃ興味ないと

そうですよね~こんな怪獣より美少女のほうが優先順位高いですよね~

俺だって美少女の検査と怪獣の解剖ショウどっち!とか言われたら満場一致で美少女のほうがいいよ

べ、別に構ってくれなくて寂しいなんてことはないんだからね!

と、ツンデレっぽく言ってみる

つ~かまじ暇だわここ

身動きも周りの機材とか壊しちゃいけないだろうからできないし

あ~せめてテレビは欲しいわ

なまじレイちゃんとお話したせいでこの孤独感が半端ない

もっかい来ないかな~レイちゃん

「来たわ」

そう聞こえたほうをみると目の前のガラスの向こうに僕らの不思議系電波美少女綾波レイちゃんが!

うおい!てまじか!

マジでレイちゃん来たよ

なんだ、また電波が出ていたのか

おれ自身が知らない間に電波発信していたのか!

そしてそれにまたつられたのかレイちゃん

うれしいけど、この子の将来が不安だよう

絶対街中で危ない人に騙されちゃいそうなぐらい素直だよこの子!

まあその後にネルフの怖い人がいろいろとしそうだけど

「そう、私の将来は不安なの」

そうそう不安不安

ホントお兄さん心配するよ

「そう、あなたは私を心配してくれるのね」

うんうんそうそ・・・ん?

あれ、もしかして聞こえてる

「断片的に。すべては聞き取れない」









まじでぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!


「まじで」

え、ちょ、まって、まって

心の準備とかできてないんですけど!

いやさっきまで孤独つらいな~とか言ってたけどいきなり会話OKとか聞いてないからね

てかまずくね、このままではせっかく築いた俺のマスコットキャラ的立ち位置崩れね

それは少し惜しい・・・のか

「分からないわ」

いや、そういうのは分からなくていいよ。レイちゃん。君は素直なままでいい

「そう、そうなのね。分かったわ」

うんうん、素直が一番

「レイ、何しているの?」

と、いつの間にやらミサトさんが来てるじゃあないか(気づいてなかっただけで結構前からいた)

「彼と話しています」

そうそう話しています♪

「その彼は?」

そう聞かれると俺を指差すレイちゃん

「彼です」

そうそう、俺俺♪

ついでにレイちゃん、人?を指差すのはマナー違反だよ

「そう分かったわ」

うんうん



「・・・・ぇええええええええええええ!!!!」

うおう!どうしたミサトさん

何がそんなにおどろ・・・きますよねふつ~

そうでしたね俺使徒ですもんね

しかも別に声とか発してるわけでもありませんからね~

それがなぜかこんな美少女と会話が成立していたなんて知ったら驚きますよね~

「レ、レイ、使徒と、え~と・・・会話ができるの」

「はい。断片適にですけど」

「そ、そう・・・」

そういうが早いかミサトさん携帯を取り出し話し始めた

「リ、リツコ!一大事、一大事よ!レイが、レイが!」

『なに、どうしたの。レイがどうなったて』

「レ、レイが使徒と・・」

『まさか、また使徒と接触したの!』

「い、いや接触はしてないというか、してるというか・・・と、とにかく早く来て!」

そういうと電話を切りまたどこかへ掛けなおすミサトさん

しっかし慌ただしいな、ミサトさんも・・・

『へい、こちら来珍堂!』

あ、掛け間違えてる









あとがき

感想が81件というあほな数字になってる

嘘みたいだろう、これまだ投稿して1日たってないんだぜ

さて、というわけでコミュニケーション方法の正解は「レイちゃんが通訳になる」でした

ちなみにキーボードは考えましたけどゼルエル指ないので却下になりました(ぺらぺらだしね)






[9895] すごいよ!ゼルエルさん(現実→ゼルエル)第5話
Name: TORISU◆f1c5a480 ID:916976f0
Date: 2009/06/30 19:29



すごいよ!ゼルエルさん

第5話 ネゴシエイション!



SIDE 冬月コウゾウ


「時間だぞ、碇」

「ああ」

「しかし、使徒との交渉なんぞ成功するのか?」

「人並みの知性があるのだ。問題ない」

そういうと碇は使徒のいるカーゴに歩いていく

さて、私も行くか

たとえどれだけ望みが薄かろうがな

















「では、通訳を頼むかね。レイ君」

「はい」

そして到着早々交渉を始めようとする我々、そして使徒

しかしここまでスムーズに事態が進むとはな

いや、ここからが本番か

これをしくじれば最悪人類滅亡ということか

やれやれ、そんな重荷は勘弁願いたいものだ

「ああ、そういえば彼のほうは我々の言葉は理解できるのかね」

「大丈夫らしいです」

「そうか。ならこちらからの提案は私が言おう」

「レイ、必要なことだけ言え。それ以外は無視してもかまわん」

「はい」

「ではまず一つ目、不戦協定だ。我々ネルフは君に対して攻撃を行わない。それに加え外的勢力からの保護を確約しよう。その代わり君も我々に対して敵対行動をとらない。どうだろうか」

これだ。まずこれが了承されなければ話にならない

頼むから肯いてくれよ

若干背が汗ばむのを感じながら私と碇は彼の答えを待つ

だがそんな私たちの心境を知ってか知らずか、答えはすぐに出た


「いいらしいです」

「そうかね」

ふう、どうやら何とかなったか

だが安易に安心もしていられないな

まだ議題はあるのだから

「では二つ目だ。共闘協定。我々は君が敵対する勢力に対し共闘することを確約しよう。その代わり君も我々が敵対する勢力に対して共闘してほしい」

さすがに厚かまし過ぎるか

そう若干思いもする

だが了承されればこれ以上ないほどの戦力だ

さあ、どうでるか

そしてしばらくして答えが出たのかレイ君が話す

「いいらしいです、その場合そちらの命令にも従うとも言っています」

「それはホントかね!」

「はい」

まさかあっさり了承するとは

それに我々の命令に従う、だと

どういうつもりだ。まさか本当に人類と共存する腹か?

それならそれで越したことはないが、ここまでこちらに都合がいいと逆に気味が悪いな

あるいは何か難題を吹っかけるつもりか

「それと要望があるらしいです」

「なんだね」

やはりそちらか

だが、ここまでの好条件だ。こちらとしてもほとんどは呑まざる負えまい

「娯楽品の給与と外出許可らしいです」

「娯楽品とは、具体的には」

「テレビやインターネット環境を要求しています」

もはやなぜ使徒がテレビやインターネットを知っているかなど聞くまい

だがその程度は簡単だろう

問題は・・・

「外出許可、か・・・」

「かまわん。ジオフロント内での自由行動を許可する。だがそれ以上は呑めん」

「いいのか、碇。ジオフロント内といっても完全には機密が守れんぞ」

「その程度ならかまわん」

まあ、確かにその程度のデメリットを消し飛ばしてしまいそうなメリットがあるが

「それでいいそうです」

しかし私の思考は彼の了承で途切れた

どうやら碇の案に決まりそうだな

私が下手に何か言ってこじれさせてもいかんだろうからな

そしてその後細かい注意事項などを話していったが彼はそのすべてに了承した

やれやれ、まさかここまであっさり決まるとはな

私は予定していた時間の半分も過ぎていないということに気づきこれこらどうしようか考えていった

























SIDE ゼルエルさん



おい!聞いてくれよみんな!

どうやら俺生き残りフラグが立ったらしいんだよう!

なんと、レイちゃんのおかげでネルフの皆さんが俺に対して交渉して決着しようってな話しになったらしい

ありがとう、レイちゃん!

俺前までアスカ派だったけど今は断然レイちゃん派だよう!

ていうかもう信者?

あはははははははははははははははははは!!!!!


と、むちゃくちゃなハイテンションの俺

いや~まさか解剖ショウエンド以外の結末があったなんてな~(捕食エンドは考えないようにしています)

助かるぞー!

今度こそ助かるぞー!!!

うう、思えばこの体になってはや2日

その間初号機に怯え、リツコさんたちマッドに怯え・・・・

だが!そんな心配も今日まで!

これから俺はネルフのマスコットキャラ的な存在として悠々自適の生活を送るのだぁぁぁ!!!

いやっふぅぅぅぅぅ!!!


(以下、意味不明の奇声が続きます)





そうしてしばらくすると冬月さんとゲンドウがやってきた

おお、どうやら始めるらしい

うむ、ここはびしっとした感じでやらなくては


「ではまず一つ目、不戦協定だ。我々ネルフは君に対して攻撃を行わない。それに加え外的勢力からの保護を確約しよう。その代わり君も我々に対して敵対行動をとらない。どうだろうか」

いいです、いいです。それでいいで~す


「いいらしいです」

「そうかね」


よっしゃぁぁぁ!!!俺の安全確保ー!!!


「では二つ目だ。共闘協定。我々は君が敵対する勢力に対し共闘することを確約しよう。その代わり君も我々が敵対する勢力に対して共闘してほしい」


ええ~、それって俺も使徒戦に参加しろってこと~

それはな~、体は使徒でも心がチキンだからちょっと・・・

でも断ったらさっきのも取り消しそうだしな~

うう、背に腹は代えられないか・・・

いいよ、いいよ、それで。もうどうとなれだ

ついでにそっちの命令にも従ってやんよ!

まあ、実際にはプロがいろいろ考えたほうが最終的には俺の生存確率があがりそうだからってのもあるが(自爆特攻しろなどと命令される可能性があることに気づいていない)


「いいらしいです、その場合そちらの命令にも従うとも言っています」

「それはホントかね!」

「はい」


ホントだよ、ホント!

使徒嘘つかない!

あ、大事なこと忘れてた

ちょっとレイちゃん、俺してほしいことあるんだけど


「それと要望があるらしいです」

「なんだね」

「娯楽品の給与と外出許可らしいです」


早々ここ退屈すぎるんだよね

まさかテレビとパソコンが無い生活がここまで苦痛だったとは

まあ外出許可云々はついでだけど

とりあえずネット、ネット環境を!


「娯楽品とは、具体的には」


だからテレビとネットだよ!

ホント現代人はこれがないと生活できねぇんだぜ、冬月先生!


「テレビやインターネット環境を要求しています」

通ってくれよマジで

これがないと話しにならない!


「外出許可、か・・・」


げっ、まさかそっちで引っかかるか

そうだよな、俺みたいな巨体が外徘徊したら大騒ぎだよな~

ていうか、これじゃあネット環境も没になるんじゃあ

いや~、外出云々は自分で提案しといてなんだけどどうでもいいとしてネット環境は必要なの~


「かまわん。ジオフロント内での自由行動を許可する。だがそれ以上は呑めん」

「いいのか、碇。ジオフロント内といっても完全には機密が守れんぞ」

「その程度ならかまわん」


おお、まさかのゲンドウさんからの提案

今までぜんぜんしゃべらないなと思ってたがここできたか

ていうかそれでいいよ、ぜんぜんいいよ。むしろそれでお願いします


「それでいいそうです」

「そうか、ではすぐに手配しよう」


ふう、よかった

そして念願のネット環境来たー!!!

これで勝つる!

その後もいろいろ言ってきたけど難しいので全部適当にOK言っておいた





















SIDE 碇ゲンドウ


「やれやれ、とりあえずはどうにかなったな」

「ああ。だが一時しのぎにしかならん」

そうだ。交渉が成立したといってもやつがそれを馬鹿正直に従い続けるはずがない

なにせこちらとあちらでは立場が対等ではないのだから

そのためには我々もやつに対抗しうる力が必要だ

「初号機の戦力化を急がせろ」

そう、やつが恐れている力が

「初号機か。だが肝心のパイロットはどうする。レイを乗せるか」

いや、レイでは起動するのがせいぜいだろう

それでは足りん

「いや、もっと相応しいパイロットがいる」

「まさか!」

「ああ、シンジを呼ぶ」

計画を前倒しすることになるが構うまい

この程度は修正範囲だ








あとがき

ゼルエル安全確保

そしてついに登場する主人公

そして勢いを止めない感想数

137って前回から56も増えてるじゃねえか(その内一つ俺だけど)

相変わらず感想返しができない









[9895] すごいよ!ゼルエルさん(現実→ゼルエル)第6話
Name: TORISU◆f1c5a480 ID:916976f0
Date: 2009/07/03 20:32

すごいよ!ゼルエルさん

第6話 シ
     ン
     ジ登場(アニメに似せてみた)



SIDE 碇シンジ


「碇シンジ君ね。私は葛城ミサト、お父さんからあなたの案内を頼まれてるわ。よろしくね♪」

「よ、よろしくお願いします。葛城さん」

「ミサトでいいわよ~。私もシンジ君って呼ぶから」

「あ、は、はい。え~と・・・ミサトさん」


ここ―第三新東京―について早々会ったミサトさんはとてもフランクな人だった

まあ、いきなりスポーツカーで駅の前まで乗り付けたのは驚いたけど












それが届いたのは唐突だった

学校から帰ってきたらいきなり先生に渡された一通の封筒

中に入っていたのは明日付けの切符と何かのIDカード

そして「来い」という一言が書かれた紙

そして差出人は・・・父さん

正直、行くか行かないかはあまり悩まなかった

どうせここに居ても何があるでもなし

それに先生も言外に行けと態度が言っていた

それに・・・

少しだけ

ほんの少しだけ

期待したいのかもしれない

たとえ頭でどれだけそんなわけがないと分かっていても

僕が父さんに必要とされているっていうことを













『シャッターが閉まります。御気をつけください』

「IDカードは持ってきてる?」

「あ、はい」

そう言われ昨日届いたIDカードを見せる

「ん、たしかに。じゃあこれ読んどいて」

そして渡されたのは一冊のガイドブックのようなもの

「ようこそネーブ江?」

「ネルフよ、ネルフ。特務機関ネルフ。私と君のお父さんの働いてるとこ。聞いてない?」

「先生に少し・・・。人類を救う立派な仕事だって」

「ま~あ、間違っちゃないわね」

と、そこまで話したところで唐突に視界が明るくなる

車の窓の外には巨大な空間が広がっていた

「す、すごい!本物のジオフロントだ!」

「これが特務機関ネルフ。人類を守る最後の砦よん♪」

ほ、本当だったんだ・・・

すごいな~・・・ん?

「あれ、あれは・・・」

そう言いかけたところでカートレインはまたトンネルに入った

気のせい・・・かな

そうだよな、あんなのあるはずないだろうし

そう思い、僕はさっき見た「湖に浸かっている巨大怪獣」というありえない光景を考えから退かした






















「エヴァンゲリオン・・・ですか」

「ええ、あなたにはそれのパイロットとして登録してもらうことになってるわ」

「なんで・・・僕なんですか」

「あなたなら可能だから。そうとしか言えないわ」

「・・・・・・僕が呼ばれた理由は・・・・・・・それだけですか」

「ええ、それだけよ」

「・・・・・そうですか」


あの後ミサトさんに連れられて(途中で何回か迷ったが)着いた場所は少し大きめの会議室のようなところ

そこで白衣の女性―赤木リツコさんというらしい―に説明された僕が呼ばれた理由

そうだよな・・・

父さんがいまさら僕個人なんかを必要とするわけないよな

父さんが必要だったのはこのエヴァンゲリオンのパイロット

それがたまたま僕だった・・・それだけの話だったんだ

最初からそんなことだろうとは思っていた

それでも・・・・

それでも、僕は・・・


そのあと少し、僕は心の中で静かに泣いた












結局父さんには会えなかった

でもそれはそれでよかったかもしれない

今父さんに会ったら・・・耐えれないかもしれない


今僕はジオフロントの中にある公園に一人で居る

なんでもいろいろと書類を作るのに時間が要るらしい

そして、その間はどこでも(僕のIDカードでいける範囲だけど)自由に行動して言いといわれた

正直行きたいところなんて特になかった

ただ、一人で居られる場所

それを捜していったらここに来てしまった

ただそれだけの話

「エヴァンゲリオン、か・・・・」

自然とその単語を言ってしまう

エヴァンゲリオン・・・人類の希望。そしてそのパイロットになる僕

そして倒すべき敵、使徒

「なんでこんなことになったんだろう」

あるいは先生のところに留まっていればこんなことにはならなかったのかもしれない

でも現実僕はここに来て、そしてこんなことになっている

そしてそれはもう僕が「嫌だ」といってもどうにもならなさそうだ

「諦めるしかないのかな・・・」

諦める事には慣れてる

今回だってそれと同じことだ

結局、僕はどこまでいっても僕でしかないんだ









「何してるの」




唐突に声がした

声が聞こえた方向を見ると女の子がいた

青色の髪に紅の瞳

ずいぶんと珍しい容姿だ

アルビノっていうのかな

そしてその女の子の後ろには

「あ・・・・・」

巨大な怪獣がいた










「う、うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」



















SIDE ゼルエルさん


散歩はいいね~

これこそリリンの生み出した文化だよ~

ん、まさに今日は絶好の散歩日和!

ここ地下だけどな!

と、またもやハイテンションの俺

なぜかって?今俺は自由だからだよ!

まあ、ジオフロントの中限定だけどな!

し、か、も!


「散歩。あたりを散策すること。なんだか胸がぽかぽかする。なぜ」

それは楽しいからだよう!

「そう。楽しいからなのね」


レイちゃんと一緒だからな!

まさか俺がこんなリア充のごとき所業を行える日がこようとは

もう、死んでもいいぜぇぇぇ!(ただし、やっぱり捕食は嫌)

あ、ちなみにレイちゃんは別に俺の肩に乗ってるとかじゃないぞ

今は俺の前を歩いていて、それを俺がめちゃくちゃゆっくり付いていってるだけ(あくまで俺主眼でゆっくり)

それというのも、俺の肩って、というか俺の体って全体的にツルツルらしい

なもんで肩に乗せようものならちょっとした振動とかですぐに落っこちてしまいそうなのだ

くそう、俺の肩にちょこんと座るレイちゃんとかすっげぇ萌えそうなのに!

まあこれは今度リツコさんに手すりみたいなものつけてもらって解決しよう

今はとにかくこの状況を一時でも楽しむべし!

「?誰かいるわ」

と、どうやらレイちゃんが誰か見つけたらしい

おお!やっと遭遇人第1号か!

なんか知らんけどいろいろ回ったのに人っ子一人いないもんで不気味だったんだよな~

まあレイちゃんと二人っきりっていうのもよかったんだけどね!

(ちなみに理由はあらかじめこの時間ゼルエルが出てくるというのが警告済みでわざわざ怪獣に会いたいなどと言う職員が皆無だったため)

さて、それはおいといて記念すべき遭遇人第1号はどなたかな~

そう思い目を向けると学生服を着た少年がベンチに体育座りで鬱っていた

て、あるぇ~、なんかめちゃくちゃ思い当たる人物がいるんですけど~

「なにしてるの?」

そしてそんな俺の内心を知ってか知らずかレイちゃんはその少年に声をかける

そして顔を上げる少年

うわ~い、これはまた中性的な美少年ですこと~

うん、わかってます。われらが主人公、碇シンジ君ですね


「あ・・・・・」


と、とにかく好印象!好印象を!

ここで悪印象だとせっかく消えそうだった捕食フラグが立っちゃう~

ほ、ほら~ぜんぜん怖くないよう~

プルプル、僕悪い使徒じゃないよう~



「う、うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」


いぃぃやぁぁぁ~!!!、怖がらないで~!!!

捕食フラグ立っちゃう~!!!







あとがき

ゼルエルさん、主人公と遭遇するの巻

そして再び立ってしまう捕食フラグ?

そして感想数177

前回より落ち着いたがやっぱり多い40の新感想

そして作者に立つ連投フラグ

果たしてゼルエルさんと作者の明日はどうなる!







[9895] すごいよ!ゼルエルさん(現実→ゼルエル)第7話
Name: TORISU◆f1c5a480 ID:916976f0
Date: 2009/07/03 20:52


すごいよ!ゼルエルさん

第7話 転校、のち使徒襲来




SIDE 碇シンジ


駆ける

駆ける

どこまでも駆けてゆく

そうして建物の中に入ってもまだ駆けてゆく

そしてそれは曲がり角で誰かにぶつかるまで続いた

「ど、どうしたの、シンジ君!?そんな急いで」

誰かはミサトさんだったらしい

だがそんなことを認識する前に僕は言葉を放っていた

「か、か、怪、怪獣、怪獣が!公園に怪獣が!!」

そう僕は公園であの怪獣を見たそのすぐに一目散で逃げ出した

正直あの女の子がどうなるのかなど考えもしなかった

ただ、ただ自分が助かりたいがために

そんな自分に軽い自己嫌悪を起こすが今はそんなことにかまっていられなかった

「ああ、あいつね・・・」

しかし、ミサトさんは僕のそんな心境などかまわずどこか疲れたような顔でそう言った

「え、えと・・・。知ってるんですか、あの怪獣のこと」

思わず聞いてしまった

そして、それに頭をかきながら不機嫌そうにミサトさんは話し出した

「ええ、あれは使徒よ。私たち人類の倒すべき敵・・・のはずだった、ね」













その後ミサトさんはあの怪獣―使徒―について一通り話した後(ちなみに後半は完全に愚痴だった)、それまでの表情を一変さして僕のこれからの住居のことを話した

なんでももともとは一人暮らしをさせるのをミサトさんが引き取るということになったらしい

僕自身は別に一人暮らしでもよかったんだけど、ミサトさんが半ば強引に決めさせ結局僕も同意した

まあ・・・・・悪い気持ちではなかった









・・・・・・ミサトさんの家の状態を知って少し早まったかなとも思ったけど


















「碇シンジですよろしくお願いします」

「では、適当にあいてる席に座ってください」

「はい」

ざわざわざわざわ・・・・


翌日、僕は第壱中学校に転入した

昨日の手続きなどはこのことも入っていたらしい


「あ、」

そして僕は彼女と"また"会った

そう、昨日のあの公園で会ったあの女の子に

「え、えと・・・昨日は、その・・・」

「なにしてたの」

「え?」

昨日のことを言おうとしたら先にそういわれてしまった

「公園でなにしてたの」

「え~と・・・。ぼ~としてただけだけど・・・」

「そう」

そう言うと彼女は僕に興味を失くしたのか窓の外に顔を向ける

結局言い出せる雰囲気でもないので席に座った












「おい、転校生!お前どうやったんだよ!あの綾波さんから話しかけられるなんて」

「え、え~と。君は」

「おっと、わりぃわりぃ。俺は相田ケンスケっていうもんだ。よろしくな、転校生」

「あ、うん。僕は碇シンジ」

「そうか、よろしくな!碇」

昼休み、特にやることもなくぼ~としてるとクラスメイトの一人が話しかけてきた

「綾波さん、って・・・」

「お前が朝、話しかけた女の子だよ。名前知らなかったのか?」

そっか。綾波って名前なんだ

「で、いったいなんだって話しかけたんだ。しかもあの綾波さんから逆に質問されるなんて!どんなマジック使ったんだよ!」

興味津々といった感じで迫る彼―相田ケンスケ―

そして僕は昨日のことを話した(もちろん使徒やネルフのことを除いて)



「ふ~ん、そんなことが・・・。でもそれだけであの綾波さんが会話するなんて信じられんな」

「そんなにしゃべらないの、綾波さんって」

「しゃべらないなんてもんじゃねえよ!文字道理無言だ。今まで声だって数えるぐらいしか聞いたことないし」

「そ、そうなんだ」

「んで、その綾波さんに対して転校早々会話を成功させたお前はなにもんなんだ」

「いや、何者っていわれても・・・」

言葉に詰まってしまう

自分だってなぜなのかなんて分からないんだから

「あ~、まあ話したくなきゃ、話さなくていいよ。それよりさ、メシ一緒にどうだ。まだだろお前」

「え、!?あ、う、うん」

「そうか、じゃあ来いよ。屋上で食べるから。早く行かないとトウジのやつが先に食っちまうからな」


それから屋上でもう一人―鈴原トウジというらしい―と一緒に僕たちはご飯を食べた

これは、友達になった、てことだろうか

こうして僕は一時の楽しい時間を過ごした


















ぷるるるるるるる










だけど楽しい時間の後はいつだって"楽しくない"時間があるっていうことを僕は身をもって知った

それは下校途中に突然鳴った

昨日ミサトさんからもらった携帯

その画面には「非常召集」の文字が映っていた























SIDE 葛城ミサト


「目標、ゆっくりと前進!移動方向はこちらです」

「戦略自衛隊は撤退!作戦権をこちらにまわすそうです」

「確認、取れました!パターン青、使徒です!」


今私の眼前のモニターには黒い巨大な人型の物体―使徒―がゆっくりと移動している様子を写していた

そしてモニターの端にはばらばらになった巨大な電光掲示板とVTOL

どうやらこの前の結末を見た戦自がまねをしたらしい

まあ、結果は見ての通りのようだが


「どうやら、今回の使徒はやる気満々のようですね」

「むしろ今回のほうが当たり前よ、日向君。シンジ君は?」

「たった今保安部が接触したようです」

「すぐに連れて来て、時間がないわ。で、肝心のエヴァの方は?」

「初号機の準備が後300秒で完了するようです」

「起動しますかね」

「してくれなきゃ困るわ」

そう、今度はこの前のようなことは起きない

今度の使徒は明らかに敵対行動をとってるのだから


それに・・・


「葛城君、万が一の場合は"彼"も出てもらう。そのことを分かっているかね」

「"やつ"はあくまで最後の手段だ。できうる限りエヴァでの殲滅を図れ。葛城一蔚」

「分かっています」


使徒の力なんかなくても私たち人類はやつらに勝てるってことを証明しなければいけないのだから











あとがき

ゼルエルさん、出番なし

その代わり、次の話はおまちかねのゼルエルさん無双・・・かな?

そして相変わらず少ない話の量と反比例するようにのびる感想数

224って何だよ。このままじゃ日曜には300に到達してしまうじゃないか

ますます感想返しは無理そうです、申し訳ない










[9895] すごいよ!ゼルエルさん(現実→ゼルエル)第8話
Name: TORISU◆f1c5a480 ID:916976f0
Date: 2009/07/07 20:17

すごいよ!ゼルエルさん

第8話 (ゼルエルさんの)外の世界




SIDE 碇シンジ


『初号機、起動確認』

『シンクロ率42%』

『すごいわね。初めてでここまでのシンクロ率を出すなんて。でもいいのミサト、レイじゃなく素人のシンジ君を乗せるなんて」

『レイがまだ初号機を動かせない以上、素人だろうが動かせるならいいわ』

『そう。まあ、そこらへんはあなたの管轄だし私がとやかくは言わないわ」


レイ、他のパイロットのことかな・・・

でもその人は"これ"を動かせない

動かせるのは・・・僕だけ

僕がここを守らないといけない

僕がやらないと、戦わないといけない・・・

僕が、僕が・・・


『シンジ君、聞いてる』

『は、はい!』

『緊張・・・するわよね。ごめんなさい、いきなりの実戦なんて』

「僕しか・・・いないんでしょう。それならしょうがないですよ」

『・・・・ごめんなさい。今はそう言うしかないわ。言う資格もないかもしれないけど』

「いいですよ。他の人のいうことに従うの、慣れてますから」


そうだ、いつもと同じだ

他人の言うことに従う

他人に嫌われたくないから

それが今回はミサトさんと・・・父さんに嫌われたくないから

ただそれだけの違いでしかない

もっとも、父さんは嫌う、嫌わない以前に僕のことなんて気にもしてないかもしれないけど


『いい、シンジ君。敵はこのままだとあと20分ほどでここに到着するわ。今から上に出すから、敵が来る前にできるだけエヴァでの機動に慣れておいて。敵が来たらこのポイントまで敵を誘導するのよ』

そうミサトさんが言うと画面に地図が現れた

『この地点におびき寄せたら敵のA・Tフィールドを中和。あとはこちらから兵装ビルによる十字砲火を仕掛けるわ』

「あ、あのう、A・Tフィールドって・・・」

『それは私が説明するわ、シンジ君』

と、ミサトさんから通信がリツコさんに代わった

『簡単に言えばA・Tフィールドは使徒が持っているバリアよ。これがあるから使徒に対しては通常の方法では有効な打撃を得られないわ。そしてこのA・Tフィールドはエヴァも理論上展開できるはずなのよ。A・TフィールドはA・Tフィールドで無力化できるはず、だからこそのエヴァなのよ」

「具体的にはどうやって使うんですか、その・・・A・Tフィールドって」

『さあ?』

「さ、さあって!?」

『ドイツの弐号機は展開に成功したらしいんだけど詳しい資料こっちに廻してこないから詳しくは分からないわ。でも他人の拒絶がトリガーだとは書いてあったからとりあえずやってみて」


他人の拒絶?

他人の拒絶、他人の拒絶、他人の拒絶

拒絶拒絶拒絶拒絶拒絶拒絶拒絶拒絶拒絶拒絶拒絶拒絶


『エヴァ初号機に微弱ですがA・Tフィールド反応!』

『よし、いけるわ!』

『まさかここまで簡単に展開してくれるなんてね』


これが、A・Tフィールド・・・

なんだろう、どこか落ち着く


『シンジくん、その状態を覚えていてね』

「はい」

『それじゃあ、上に上げるわ。・・・頑張ってね」

「はい」


そう言うと機体がゆっくりと動き出す

そして垂直にのびたレールまで来ると機体がレールに固定される


『よろしいですね、碇司令』

父さん?

『かまわん、使徒殲滅が最優先事項だ』


そうだよね、始めからそのために呼んだんだから

いまさら躊躇なんかしないよね


『エヴァンゲリオン初号機!リフトオフ!』

そして体にかかるGに耐えながら僕は初めての実戦に出た



















「そ、そんな・・・」

『目標健在!ダメージは微小!』

『兵装ビル、次々に破壊されていきます!』

『A・Tフィールドを中和し切れなかったの』

『シンジくん、後退よ!すぐに引いて!』


途中までは順調だった

何度か光る杭や光線も食らったけどそれでも何とかポイントまで誘導しきれた

A・Tフィールドも展開できた

ただ、それでも倒せなかった

何が、何がいけなかったんだろう

武器の威力が弱かったのか

敵が予想より強かったのか

それとも・・・僕が

僕がだめだったのか

A・Tフィールドをもっと強くはれなかった僕が・・・

だがそんなこともすぐに考えられなくなった

なぜなら敵がこっちを向いたから

「ひっ、」

思わず悲鳴が出る

そして敵の目が光る

また光線!

そう思うが早いか機体が吹っ飛ばされ体中に痛みが走る

「うわぁぁぁぁぁぁ!!!」

『直撃!』

『各装甲異常発生!後一撃加わると破損の恐れがあります』

『まずいわね』

『シンジ君逃げて!』

「くぅ、うう・・・」

逃げなきゃ、早く、早く逃げなきゃ

そう思い機体を動かそうとしたけど足が動かない

何だよ、動けよ、動けよ!

『右足付け根異常発生!エヴァ行動不能!』

『さっきので!』

『"やつ"を使え』

『いいのか、碇』

『このままでは初号機が失われかねん」

『シンジ君、すぐに援軍が来るわ!それまで少し待って!』

もうすでに他の人の声は耳に入らなかった

とにかく目の前の敵から逃げたかった

「あ、ああ・・・」

徐々に縮まっていく距離

そしてまた敵の目が光った

「う、うわぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

もうだめだと思い目をつぶった























ぱきぃぃぃぃん





















あ、あれ・・・

痛みが・・・来ない?

そう、不思議に思い目を開けると

そこには


この前の怪獣―ゼルエル―がいた














SIDE 葛城ミサト


「"やつ"を使え」

そう碇指令が言ったのをただ私は賛成するしかなかった

今はシンジ君を助けることが先決

私の個人的な思いは二の次だ

「ゼルエルは!」

「もうすでにリフトに固定されています!」

「今すぐ出して!」

そういうとすぐさまゼルエルを乗せたリフトは上がっていった

そして私はその後に起こった戦いとも呼べない戦いを見た



ぱきぃぃぃぃん


相手の使徒の光線を難なく自分のA・Tフィールドで防ぐゼルエル

そのA・Tフィールドの数はざっと数えても10枚以上はある

そしてそのA・Tフィールドに今度は光る杭を何度も打ち込む相手の使徒

だがこれでもやはりゼルエルのA・Tフィールドは小揺るぎもしない

そして今度はゼルエルが動いた

その紙のような腕を脇に丸め、そして

打ち出した



ぐちゃ、



まるで肉を叩き潰したような音が響く

いや、事実叩き潰したのだろう

ゼルエルが打ち出した槍のような腕によって

そして画面に映る相手の使徒には右上半身がなかった

突き刺さるという段階を超えて吹き飛ばされたのだろう

だが特筆すべきはそこではない

「まさか、A・Tフィールドを力だけで破壊したというの!」

そう、相手の使徒もA・Tフィールドを張っていたのに

だというのにゼルエルの攻撃は相手のA・Tフィールドを簡単に打ち抜いて相手に届いたのだ


と、そのとき相手の使徒が動いた

ゼルエルに向かって突撃を仕掛けたのだ

「まさか、自爆する気!」

だが私がそういったその瞬間

ゼルエルの目が光った












どごぉぉぉぉん!!!


















あまりの光に思わず目をつぶってしまった

そして目を開けて私は画面を見た


そしてそこには何もいなかった


まるで最初から何もいなかったかのようにそこには肉片一つなかった

「山が・・・抉れてる」

そして消えたのはそれだけではなかった

おそらく射線軸にあったのだろう山が綺麗に円状に抉れていたのだ

そしてそれを引き起こしたのは・・・ゼルエル


「これが・・・ゼルエルの本当の力」


私たちは本当にこいつを制御できるの・・・

そんな私の疑問も知らずゼルエルは何事もなかったかのように微動だにしていなかった








あとがき

今回はシリアスオンリーの話

そして次回はゼルエルさん内面のお話+α?

きっとギャグ9割になるのでご容赦お願いします

そして感想は271

これは今日中に300いけるか?


P,Sグーグル先生で「すごいよ!ゼルエルさん」って検索したら2つくらいのブログで紹介されてた






[9895] すごいよ!ゼルエルさん(現実→ゼルエル)第9話
Name: TORISU◆f1c5a480 ID:916976f0
Date: 2009/07/07 20:16


すごいよ!ゼルエルさん

第9話 (ゼルエルさんの)内の世界




SIDE ゼルエルさん



『・・・・何でやねん!』


ぎゃははははははははは!

そらなんでやねんだわ、そりゃ!

ぎゃははははははははは!


今俺はこの間とどいたばかりのテレビで漫才を見ながらぐうたら過ごしてる

あ~なんだか、昼過ぎのおばちゃんの気持ちってこんなのなのかな~

ちなみに、ボタンはでかいボタン二つのみだ(ON:OFFとチャンネル替え用)

まあたくさんあってもこの手(ぺらぺらの紙のような)じゃ使えないからだけどね~

つうか2,3回壊したよ、もろすぎて!

たっく、もっと丈夫なので作っとけや

(ちなみに使われた素材はエヴァ用の装甲のあまりを加工したものである。当然ゼルエルさんは知らない)


『さ~て、次は今大人気!バキボキステーションです!』


おっ、きたきた~

今回も相方をバキボキしてくれんのかな~


『ど~も、こんに『非常事態宣言発令。非常事態宣言発令。民間人はすぐに非難してください。繰り返します・・・・』


ちょ、おま!肝心なところで!

おい~!そんなもんどうでもいいから続き見せろや!




















あれからしばらくテレビと格闘していたが出るのはすべて『非常事態宣言』のみ

こんなことならビデオも頼んどくんだった・・・

しっかし、非常事態宣言って使徒でも来たのかね~

たしかゼルエルの次ってアスカに精神攻撃するやつだっけ?

いや、でも俺のボディーが新劇場版だしな~

ゼルエル戦までしか映画上映されてないしな~

まあ、きっと初号機が何とかしてくれるよね!

だから、気にしな~い、気にしな~い

『もしかしたら俺も出ないといけなくなる』なんてことは気にしな~い

なんか俺の体にぎちぎちに拘束具みたいなの巻きつけられてるけど気にしな~い













数十分後







ヘイ、マイケル!何で俺は動いてんだ!

ヘイ、ゼルエル!それはリフトに取り付けられるためだよ!

ヘイ、マイケル!何で俺はリフトに取り付けられてんだ!

ヘイ、ゼルエル!それは地上に打ち上げられるためだよ!

ヘイ、マイケル!何で俺は地上に打ち上げられるんだ!

ヘイ、ゼルエル!それは地上の使徒と戦うためさ!

何だ、そうだったのかマイケル!

そうだぜ、ゼルエル!

ハハハハハハハハハハハハハハハハハ








笑い事じゃねぇぇぇぇぇぇぇ!!!!


ちょ、無理無理!絶対無理だって!

俺、体使徒でも心は小市民ですから!

リアル怪獣大決戦なんて無理だから!

でも断れねぇぇぇぇぇ!この前約束しちまったし!

断ったらあれだよ、首切りどころかパックンチョされるよ!

でもやっぱりこえぇぇぇぇぇぇぇ!!!!


だがそんな俺の悲痛な叫びも関係無しにリフトは打ち上げられた



ごおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ、がちゃん


そして打ち上げられたところで見たのはちょうど目がきらりん、と光ったサキエル(仮)でした

あ、俺終わった












すごいよ!ゼルエルさん 完

































ぱきぃぃぃぃぃん


にはならないんだよね、これが

え、2回目?気にすんな

そして再び(自動的に)出た俺の多重A・Tフィールドの術

そしてそれに攻撃を加えるサキエル(仮)

でもやっぱりまったく効果がないです、本当にありがとうございました!

うわはははははははははははは!!!俺TUEEEEEEEE!!!!!俺SAIKYOOOOOOOO!!!!!













後ろの初号機さんがめっちゃ怖いけどな!


何ですかあれは、体中ずたぼろじゃあないですか!

あれですね、いつでも暴走できますよって言う意思表示ですか。そうですか

全然ありがたくねぇぇぇぇ!!!

つ~かなんでサキエル?何だよ!

おめえ、一番最初に来たやつじゃねえか!何でいまさら来てんだよ!

畜生!てめぇなんかが来たせいで俺の死亡フラグ(捕食フラグ)がめっちゃ立ってんじゃねえか!

畜生!もうやけっぱちだぁぁぁぁ!!!

そう半ばやけになり俺はサキエルに攻撃しようとする

(ちなみにサキエル相手に恐怖が沸かないかといえば当然沸くがそれ以上に後ろの初号機が怖かったので立ち向かうことにはまったく恐れなかった)

そして俺の気持ちに応えるように俺の腕が丸まっていきそして


打ち出された





ぐちゃ














ああ、そういえば劇場版でこんな技使ってたよな~

そう、冷めてきた頭で思った

てか、グロ!

自分でやったこととはいえグロ!

そして、もぞもぞと動き出すサキエル

まんまバイオハザードです本当にありがとうございました!

つうか、いまさらだけど、こえぇぇぇぇぇぇぇ!!!

す、すいませんした!ちょっと頭に血が上ってただけなんです!

パニくってて自分でもなにやったかよく覚えてないんです!許してください!

だが、そんな俺の懇願もむなしく相手は飛び掛ってきた

ぎゃああぁぁあぁぁぁぁぁぁぁ!!!!くんなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!







きらりん


どごぉぉぉぉぉん
































・・・・・ん?

あれ、何も来ない?

そう思い目を開けると・・・・

























一直線上の荒野ができてました♪






























ついでに山も消し飛んでました♪




















もしかして、俺のせい?





その後俺はネルフに回収されるまで俺が破壊した建物の値段を予想していた(ちなみに最終的に100億くらい逝った)







あとがき

ゼルエルさん、内面

ようやく自分が来た時間がエヴァの最初らへんだと理解した

そしてやっぱり付きまとう捕食フラグ

そして感想がめっちゃ増えてる

いいとこ310くらいだと思ったのに356とか、どんだけ・・・

前回より85も増えてんじゃないか!

ついでにPVも10万越え

そして新しく作品紹介サイトで紹介されてた

AAA評価だけど喜んでいいのだろうか?(ちなみに最高評価がSSS)




P,S 俺、感想が400いったらエヴァ板に引っ越すんだ・・・










[9895] すごいよ!ゼルエルさん(現実→ゼルエル)第10話
Name: TORISU◆f1c5a480 ID:916976f0
Date: 2009/08/10 18:32

すごいよ!ゼルエルさん

第10話 それぞれの後始末(前編)



SIDE 鈴原トウジ


「ナツミ~!どこや~!ナツミ~!」

「トウジ、もうシェルター行こうぜ!きっともうナツミちゃんもそっちにいってるよ!」

「あほかっ!ナツミがいっとった塾のやつらはみんな避難しとったのにナツミだけおらんかったんやで!きっとどっかではぐれたんや、はよさがさんと!」

「あ~もう!わかった、わかったよ!だからそんな怒なんなって」

どこや!どこおんねんナツミ!

「ナツミ~!」


「にいぢゃあああん!!!」

この声!

「ナツミ!」

「うわぁぁぁぁぁん!!にいちゃああん!」

「やっと見つけたで、ほんま心配させてからに」

駆け寄って来るナツミを胸に抱きつけてようやっと安心したで

たく、心配させおって

「と、トイレいってて、それで出たらみんないのうなっとって、それで、ぐずっ、それでぇ・・・」

「あ~もう、いいからさっさといくで!おとんも心配しとるやろうし」

「ぐずっ、すん・・・うん」

「はあ~これでやっと避難できるよ」

最初はナツミそっちのけで興奮し取ったやつがよう言うわ

「な~にいっとんねん、最初は生のドンパチにめっちゃ興奮し取ったやないかい」

「さすがにテレビで見るのとは違ったからね、命あってのものだねだよ」

まあ、確かにな・・・

さすがに目の前で怪獣があるいとるのみたらそりゃビビルわな

「ほな、い「どがぁぁぁぁぁぁぁぁん」なんや!」

そうしてシェルターに向かって一目散に出ようとしたときいきなり近くでひときわでかい音がした

まさかあの怪獣が・・・

「急ぐで!ケンスケ、ナツミ!」

「あ、ああ」

「・・・・(こくこく)」

ケンスケとナツミのやつ完全にびびってるな・・・

まあワイも人のこと言えんのやけどな

とにかく、今ははよう此処から逃げんと

そう思い駆け出した




きらりん


どごぉぉぉぉぉん




せやけどすぐにそんな音とともに爆風がワイらを襲った

とっさにナツミ(とケンスケ)をかばう


あ、これ死ぬわ

そう思いながら意識が飛んでいった
























「知らん天井やな」

と、思ったけどどうやらまだ生きてるみたいやな

つうかどこや此処




「にぃぃぃちゃぁぁぁぁぁん!!!」

「げぶぅ!」

やけどすぐに強烈な衝撃が来てまた視界が暗あなって来た

あ、やっぱ死ぬわこれ

「あれ、にいちゃん?にいちゃん、にいちゃぁぁぁん!!!」

「何しとんねん!?ナツミ!!」

ああ、ナツミ、おとん

先に母ちゃんにあってくるで・・・

「ど、どうしよ!父ちゃん!」

「ナースコールや!はようナースコール押すんじゃ!ナツミ!!!」












SIDE 葛城ミサト


「22.174秒」

「なによその数字」

昨日のゼルエルが放った光線によってできた線状のクレーター

その調査中に唐突にリツコがそう言ってくる

「ゼルエルが出て使徒殲滅にかかった時間よ。最もこのうちの大半の時間がただ相手の攻撃を防いでいただけだけど。攻勢に移ってからは10秒もかかってないわね」

そんなこといわれなくても分かってるわよ、私自身そのとき見たんだし

「で、それがどうしたっていうのよ・・・」

「特にどうもしないわよ。ただこの結果を見て某作戦部長さんはどう思うのかなってだけ」

そんなこと、あんただって分かってるんでしょ

「・・・勝てないわね、今の戦力じゃあ」

「"今の”、ね。未来なら勝てるのかしらね。正直、零号機と弐号機が戦力化したとしても勝てるとは私は思えないけど」

私だってそう思うわよ・・・・でもね

「だとしても諦めるわけにはいかないのよ。それが私の仕事だもの」

そうたとえ不可能だったとしても"勝つ"方法を見つけるのが私の仕事

あの使徒―ゼルエル―に




「そういえば、サードチルドレンの様子はどう」

シンジ君、か

「ん~ちょっちね・・・」

体のほうはもうぴんぴんなんだけどね~

「大事なパイロットなんだから。精神ケアもあなたの仕事のうちでしょう」

「わかってるわよ・・・」

そう、そんなことぐらい・・・・














「シンジ君、ご飯一緒に食べない」

「・・・・一人でいいです」



分かってるわよ



「いや、せっかくだし、それに今日はシンちゃんの初白星を記念してってことで・・・」

「いいですよ。それに、倒したの僕じゃありませんし」

「まあまあそんなこといわずに・・・」

「とにかく、一人でいいんです」

「・・・分かったわ」

そういい扉の前に買ってきた弁当をおく



昨日からずっとシンジ君はこんな調子

部屋に閉じこもって伏せっている

いや、拗ねてるのかしらね

「僕が倒したんじゃない、か」

とどのつまり存在価値ってとこかしらね

自分がいなくてもどうにでもなる

そういう思いからくる自分のいる意味に対する疑問

「こりゃ、長引くかもね・・・」

めんどくさいものが残っていったわね

もうちょっとぐらいあいつが苦戦してたらまだフォローの使用もできたっていうのに

「文句の一言もいいたいわね」

まったく、それもこれも、み~んなあいつのせいよ!




















SIDE ゼルエルさん


え、俺のせいこれ?

そうおもわずレイちゃんから聞かされた町の被害額を聞いて思ってしまう

あは、あはははははははははは

え、なにそれ。ゼロいくつくらいそれ

あははははははははははははははは

「12個よ」

レイちゃぁぁぁん!そういうことはもちょっとオブラートに包んでいってぇぇぇ!!

やばいよ、兆だよ、億飛び越えて兆の世界にいっちゃてるよ~

つうかなんだよ1兆円って、どこの国の国家予算だよ

払えるわけねえよそんなもん

これはあれか、臓物売らんといかんのか

使途のなんだし1兆くらいいくかな、いくよね!

いや、でも体切るの怖いし、いやそんなこといってるような状況じゃないし・・・

そうだ!どっかのスパシンみたくゲンドウさんにたかれば・・・

いや、だめだ!そのまま初号機の餌にされる!

どうする!どうする!どうするよ、俺!!!


「おや、此処にいたのかねレイ」

とそんなふうに悶絶していたらいつの間にやらロマンスグレーの紳士がいた

ぎゃぁぁぁぁあ!!来たぁぁぁ!!

すいまっせん、冬月さん!ほんと、すいまっせん!!!

でも不可抗力なんです!ちょっとしたミスなんです!

だから、だから初号機の餌にだけはしないでぇぇぇ!!


「ああ、そうだ。後で碇が話があるそうだと彼に伝えてくれないかレイ」

「はい」


話!話ってあれですか!リリカルな魔王様的OHANASIですか!

それともYAKUZA的なほうですか!

どっちもいやぁぁぁぁぁ!!!!










あとがき

うん、予想どうり批判がいっぱいだね

そして見事にへこんで一週間以上更新できませんでした

ホント、すいませんした!!

そして、そんだけ批判されといてあんまり質が向上してないのもすいませんした!

でも、無理なんです!これくらいが精一杯なんです!

自分の文才のなさがうらめしいぃぃぃぃ!!!

・・・一応ちょくちょく改訂していってみようと思うのでそれで勘弁してください



P.Sこれからは一応毎週土曜日更新を目指して逝きたいと思います


P.S2修正しました!不快感与えてしまって申し訳ありません!








[9895] すごいよ!ゼルエルさん(現実→ゼルエル)第11話
Name: TORISU◆f1c5a480 ID:916976f0
Date: 2009/08/10 18:31



すごいよ!ゼルエルさん

第11話 それぞれの後始末(後編)



SIDE 碇ゲンドウ



「なぜやつを出した」

「それが最善の策だと判断したまでです」

「最善、だと?笑わせる。何のためのエヴァンゲリオンだね。我々はやつの引き立て役を用意するために投資したわけではない」

「すでに各方面で抗議が殺到しているぞ。この責任どう落とし前をつけてくれる」

「被害のほうもだ。100億ドルか?その資金いかにして用意するつもりか。まさかとは思うが我々に出させると?」

「はい」

「厚顔無知とはこのことだな。なぜ我々が貴様の失態の尻拭いをせねばならぬ」

「左様。エヴァによる被害ならともかくあの化け物を出したのは貴様の責任だ。それによって出た被害も当然貴様に責任がある」

「使徒戦による被害は委員会及び各主要国家郡が負担する。これは前々からの協定です。それに私はやつを使うなとはあの時点では一言も聞いてはいません。よって使えるものを使ったまでです」

「戯言を!」

「静まれ。確かに我々はやつについて何も厳命はしなかった。それはこちらの落ち度だ、認めよう。協定道理被害はこちらが負担する。だが碇、覚えておけ。こんなことはこれが最後だ。以降やつの運用に関してはこちらに許可を出させてから行え」

「はい」

「よろしい。では碇、後は委員会の仕事だ」

そして通信は途切れた






せいぜいそれでやつの手綱を取れたと喜んでおけ、老人共

俺は俺でやつを利用してやる

「冬月、零号機の復旧作業は順調か」

「赤木博士には大分無理をさせているが順調だ。おそらくあと一週間ほどで機動実験も行えるだろうとのことだ。だがいいのか碇、この工程ではおそらくかなり不具合が見つかるとあるが」

「かまわん、エヴァの戦力化が第一だ。多少の不具合は黙認する」

「そうか。また前回のようにならなければいいがな」

「ああ」





「ところでレイはどうした、予定では一緒に来ているはずだ」

「レイか?レイならまたゼルエルのところ「今すぐつれて来い」やれやれ、わかったよ」

どうやらレイはやつがどういう存在かわかってないようだ

あとできっちり教え直さねば

そう思い、俺は引き出しの仲にある「子供を非行に走らせない100の方法」の第3章「子供を不良に付き合わせない」をもう一度読み直すのだった























SIDE ゼルエルさん



いやっふぅぅぅぅぅぅ!!!

よかった!ほんっとによかったぁぁぁぁぁ!!!

俺は助かったぞぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!

え、何がどうしてそんな喜び狂ってるかって♪

それはね♪それはね♪

町の被害、俺が払わなくてもよくなったからさ!

いや~ホント太っ腹だねゲンドウさん

ホントなんでこんな太っ腹なのによくアンチされるのか解らんくらい太っ腹だね~

今までひそかに名称マダオだったけれど撤回するよマジで♪

あはははははははははははははははは!!!





・・・・・まあ、代わりにいくらか条件あったけど


でもそんなの1兆円に比べればたいしことない、たいしたことない!

そうたかが「実験に付き合わされる」と「体のサンプルをとられる」だけなんだしたいしたことない!

なんかそう言ったときのゲンドウさんの表情が嬉々としてたけど気にしない

なんかエヴァ用のナイフ持ってきてるけどそんなの気にしない

リツコさんが「これなら切り取れるわね」とかいってるけど気にしない!

なんか結局臓器売買みたいになっちゃったけど気にしないったら気にしない!!!

そう!俺が気にすべきはネルフの俺に対する好感度だけ!

そのためだったらどんなことでもしようじゃないか!

そうだ!そういえばもうそろそろ次の使徒がくるじゃあないか!

そいつを倒してもっと好感度を上げるんだ!

そう、けっして俺の鬱憤を晴らすためじゃなく好感度を上げるために!

俺の鬱憤を晴らすためじゃなく好感度を上げるために!!!

大事なところなので二回言いましたよぉぉぉぉ!!!





そうして俺は小さいころ予防注射を受けたときと同じ心境で「サンプル取り」を受けるのであった

あっ、ちなみに、やっぱり痛かったです





















SIDE 碇シンジ


迫ってくる黒い人型の怪獣

それが目を光らせた瞬間に現れたもう一体の怪獣

そいつに瞬く間にやられる最初の怪獣

そしてゆっくりとその怪獣は振り向いて・・・



「はっ、はあ、はあ、はあ・・・・」


目が覚める

時計は朝の6時を指している


「また、この夢か」


そうあれから毎日決まってあの時の夢

同じ場面の繰り返し


「なんでかな。あんなこと、さっさと忘れればいいのに」


怖かったから、かな

怖い事って忘れられないし

でも僕自身は自分では怖がってるとは思わない

なんていうだろうな、これ

そんなふうに考えていると、ふと携帯に明かりが灯っている

またミサトさんだろうか


「あ、相田君から」

メールは相田君からだった

無事だったんだ

少しの安堵と今まで確認しなかった自分に自己嫌悪しつつ文面を見る

それは他愛のないお互いの無事を確認することから始まる文だった

でも途中で知りたくはなかった事実が書いてあった

「鈴原君が怪我・・・・」

ぼくの・・・せいなのかな、やっぱり

そして最後にこんなことが書いてあった


『碇ってもしかしてだけど、あのロボットのパイロット?Y/N』


「・・・・・」


何でそれを、とか言ってみるべきなんだろうか

でも僕は特にはそう思わなかった

僕はそれにNOとだけ打って返信した

ほんとうはYESと打って鈴原君に謝るべきなんだろうな、こういう場合

でも僕はそうしなかった

ミサトさんに言われた守秘義務という言い訳を心の中で作って

嫌われたくないと、失望されたくないという醜い本心を隠す









僕って最低だ
















・あとがき

みじか!?そして更新期間空けすぎ俺!

すいまっせんでした!毎週土曜日更新、なんてちっとも守れませんでした!

言い訳としては作者が夏休みモード(何も考えず家の中でダラーと過ごす)に入っていたとか途中で「これおかしくね?」と思いプロット書き直したりなどがありますがほんっとうにすみませんでした

そして思い立って書いてみたけどやっぱり少ない文量

次回は!次回こそは8KBはいってやる!

PS.いつの間にか感想500突破、みんなありがとう。そして重ねて言おう感想は作者の燃料と!








[9895] すごいよ!ゼルエルさん(現実→ゼルエル)第12話 
Name: TORISU◆3d7bd6a7 ID:6689f4dc
Date: 2011/05/21 00:24

すごいよ!ゼルエルさん

第12話 英雄願望(ただし怪獣、てめぇはだめだ)(前篇)


SIDE 碇シンジ


あれから1週間ほどが過ぎた

あんなことが起きたのにもうすでに学校が通常道理始まっている

もっとも幾人の姿がいないけど

まあ、その幾人とは一人を除いて認識は全くなかったから正直どうでもいいと思ってしまう

そう一人、鈴原トウジを除いて












「鈴原のやつまだ入院してんのかな?この前見舞いに行ったときはもうほとんどぴんぴんしてたけど」

「…そうだね」

そう、まだ鈴原君は学校には来ない

まだ入院しているのだろう

僕がすぐに使徒を倒さなかったから

僕が出撃したから

「なあ、碇。もう一回聞くけどさ、おまえってマジで”あれ”のパイロットだったりしないのか?」

「…違うよ」

嘘だ

でも仕方ない、だってそう言わないといけないんだから

それも嘘だ

本当はただ嫌われたくないからだ

「そっか。まあ、おまえがそう言うならそうなんだろうな」

きっと相田君はうすうす気づいているんだろう

でも、それでも

たとえもうすでにそうなっていたとしても

人からこれ以上失望されたくなかった


















SIDE 葛城ミサト


「いい、シンジ君。あなたは引き金を引くだけでいいわ。細かいところはコンピューターがしてくれるから。それじゃあ、訓練開始!」

『わかりました』

そういってただ黙々と使徒を模した目標に向かって引き金を引くシン君を見ながら、私は本当にこれでいいのか自問自答する

一週間ほど前から突然に訓練がしたいと言い出した彼の要望は当然のごとく通った

もとより、こちらとしても何の訓練もさせないというのは意に反していたが、当の彼がああだったのでいまいち切り出しづらかったのだ

だが今の彼はやる気に、いやそうしなければいけないという強迫概念のようなものにとらわれている

理由は大体わかっている

パイロットの個人情報などすぐに見れるだけの権限が私にはある

おそらく友人の怪我が自分のせいだとでも思っているのだろう

そしてそれによって嫌われることを極端に恐れている

友人にパイロットではないかと問われたときにすぐに否定するのはそのせいだろう

それと同時に訓練をしだしたのは私たちに失望されたくないから

ゼルエルという存在が彼の存在価値を消滅させる前に自分に存在価値があるとでも言いたいのだろうか

だとしたら、これは

「まずいわね」

「あら、そうかしら。ちゃんと訓練に励んでいるんだからあなたにとってみれば万々歳じゃないの」

「理由がまずいのよ。古今東西こういう事態でうまくいくためしはほとんど無いわ」

恐怖に駆られて無理やり行動しても結果もっと悪くなるといったことがこういう場合の定石だ

「なら、そう言ってあげれば。言えるならだけど」

「…言えないから困ってんじゃない」

そう、言えないのだ

一言でもそういえばおそらく彼は止まってしまうだろう

それこそずっと

それは彼の精神にも、そして何より彼の命をも脅かしてしまう

ゼルエルが委員会の命令なしには出せなくなった今、彼がどれだけ拒否しようとも無理やりエヴァに乗せられるだろう

そしてその時戦えなければそれこそすべてがおしまいだ

これが次までどれくらいインターバルがあるのか分かっているならいくらでも対処法がある

だが現状いつ使徒がやってくるかがわからない以上それもできない

それこそ今すぐにでもやってきたとしてもおかしくないのだ

そして使徒は容赦などしてくれないだろう

だからこそ、悪い方向だとは分かっていても進ませなければならないのだ

止まるという最悪の道を行かせないためにも

「やらせたくはないけど、やらせないといけない。ジレンマよね、これって」












おまけ


SIDE ゼルエルさん

確か次が最初の2週間後だからそろそろだな

くっくっく…待ってろよ、シャム…、シャム…、ええとシャム何とか!

この俺の2年、もとい2週間の鬱憤をすべてぶつけてくれるわ!














ところでリツコさん、実験はもうチョイ易しめなものにしない

そう思いながら俺は耐久度実験という名の熱射線地獄に耐えるのだった

(内容はATフィールドを張らずに四方八方からレーザーを浴びせるというもの)

ちくしょぉぉぉ!

安請け合いするんじゃなかった!!!

シャム何とか!この鬱憤絶対てめぇで晴らしてやるからなぁぁ!!!

ps.

実験結果はちょっと日焼けした感じになっただけだったよ、やったね!(ちなみにレーザーはエヴァの装甲でも長時間浴びると溶ける代物でした。もちろんゼルエルさんは知らないが)

ps.のps.

そして当然のごとく次回の戦いには出れないこともゼルエルさんは知らないのであった












・あとがき

お昼頃、検索掲示板を眺めていたら「不特定 主人公人外化で友好的だが意思疎通は難しいもの」に自分のが載っていたのを見た

そして、唐突に創作意欲がわいてきたので再開してみました

IDやらトリップが違うのは自分用のpc手に入れたからです

おそらく不定期になるでしょうがこれからも更新していくことになります

それでは最後に一言




ほんっとぉぉぉぉぉに!もうしわけありませんでしたぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!



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